JP5407166B2 - 密閉型圧縮機 - Google Patents

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Description

本発明は、冷凍冷蔵装置や空調機器等に用いられる密閉型圧縮機に関するものである。
密閉型圧縮機は、冷蔵庫、カーエアコン、空調機等の冷却システムに用いられる。
一例として、冷蔵庫の冷却システムについて説明する。冷蔵庫は、主としてレシプロ圧縮機、あるいはロータリー圧縮機等からなる密閉型圧縮機、凝縮器、配管内等の水分吸着、乾燥を目的としたドライヤー、膨張弁、及び蒸発器からなり、これからの各機器部品が銅系配管や鉄系配管等で接続されて冷却システムを形成している。また、この系内には熱の移動作用を行う物質である冷媒と密閉型圧縮機の冷凍器油が封入されている。
前記密閉型圧縮機の冷媒としては、R134aやR600a、R290及びこれらを含んだ混合冷媒、R407C、R404A、R410が用いられている。冷凍機油に関しては、エステル系油および鉱油が用いられている。
従来、この種の密閉型圧縮機は、組立工程が完了した時点で、その正常な動作を確認するための起動確認試験を行っている。その際の潤滑性を確保するために、密閉型圧縮機内の各摺動部に潤滑油(以下、組立油と記述)を密閉型圧縮機の組立工程の中で少量塗布し、その状態で試験運転を行う。組立油を密閉型圧縮機内の各摺動部に塗布する回数は、概ね1から2回である。密閉型圧縮機の組立において使用する組立油としては、エステル系油や鉱油がある(例えば、特許文献1参照)。
以下、図面を参照しながら上記従来の密閉型圧縮機を説明する。
図7は、特許文献1に記載された従来の密閉型圧縮機の縦断面図である。
図7に示すように、密閉容器1は底部に冷凍機油2を貯留するとともに、固定子3および回転子4からなる電動要素5と、電動要素5によって駆動される往復式の圧縮要素6を収容している。
次に圧縮要素6の詳細を以下に説明する。
クランクシャフト7は、回転子4を圧入固定した主軸部8および、主軸部8に対し偏心して形成された偏心軸9を備え、さらに給油ポンプ10を設けている。
また、シリンダーブロック11は略円筒形のボアー12からなる圧縮室13を形成するとともに、主軸部8を軸支する軸受部14を設けている。
ボアー12に遊嵌されたピストン15は、ピストンピン16を介して、偏心軸9との間を連結手段であるコンロッド17によって連結されている。
ボアー12の端面はバルブプレート18で封止されている。
また、ヘッド19は高圧室(図示せず)と低圧室(図示せず)を形成し、バルブプレート18の反ボアー12側に固定される。
サクションチューブ20は、密閉容器1に固定されるとともに冷凍サイクルの低圧側(図示せず)に接続され、冷媒ガスを密閉容器1内に導く。サクションマフラー21は、バルブプレート18とヘッド19に挟持される。
クランクシャフト7の主軸部8と軸受部14、ピストン15とボアー12、ピストンピン16とコンロッド17、クランクシャフト7の偏心軸9とコンロッド17とは、相互に摺動部を形成し、摺動部を構成する摺動部材には、組立油22が塗布され組み立てられている。
また、密閉型圧縮機を組み立てた後、冷凍機油2を密閉容器1内に封入する前に密閉型圧縮機内部の水分除去などのために100℃以上の温度で熱処理を行う。
以上のように構成された密閉型圧縮機について、以下その動作を説明する。
商用電源(図示せず)から供給される電力は電動要素5に供給され、電動要素5の回転子4を回転させる。回転子4はクランクシャフト7を回転させ、偏心軸9の偏心運動が連結手段であるコンロッド17からピストンピン16を介してピストン15に伝達されてピストン15はボアー12内を往復運動し、サクションチューブ20を通じて密閉容器1内に導かれた冷媒ガスは、サクションマフラー21から吸入され、圧縮室13内で連続して圧縮される。
冷凍機油2はクランクシャフト7の回転に伴い、給油ポンプ10から各摺動部に給油され、摺動部を潤滑するが、潤滑油である冷凍機油2の封入前における起動確認試験、および冷凍機油2の封入後の各摺動部に給油されるまでの間、各摺動部に塗布された組立油22で潤滑を確保し、各摺動部の金属接触を防止することができる。
一般に密閉型圧縮機は、冷凍機油2を封入する以前に、その正常な作動を確認するための起動試験を行っている。
特開平11−82304号公報
しかしながら、上記従来の密閉型圧縮機に使用する組立油は、冷凍機油としての動粘度が高い環境下においては、冷凍機油と混合しても特性への影響が少なかったが、近年の密閉型圧縮機の高効率化に伴う冷凍機油の低粘度化により、組立油が冷凍機油に与える影響が大きくなった。その対策として、低粘度の冷凍機油と同じ動粘度である組立油を用いた場合、密閉型圧縮機内の水分除去・除湿などのための熱処理において、組立油が蒸発してしまい、各摺動部位に十分な組立油が確保されていないために、冷凍機油が循環するまでの初期起動時に、摺動部おいて金属接触が生じ、摩耗、傷付きが発生し、起動不良が生じるという課題を有していた。
本発明は、上記従来の課題を解決するもので、組立油の蒸発量を制御することにより、信頼性の高い密閉型圧縮機を提供することを目的としている。
上記従来の課題を解決するために、本発明の密閉型圧縮機は、組立油の低沸点成分の含有比率を制御することで、組立油の蒸発量を制御し、摺動部箇所の潤滑性を確保することができるという作用を有する。
本発明の密閉型圧縮機は、40℃の時の動粘度が3mm/s以上10mm/s未満であり、かつ留出温度が400℃以下の沸点成分の含有比率が70容量%以下で流動点が―15℃以下とした組立油を使用したもので、組立油による摺動部箇所の潤滑性を高めた高信頼性の密閉型圧縮機を提供することができる。
請求項1に記載の発明は、密閉容器内に電動要素と前記電動要素によって駆動される圧縮要素とを収容し、前記圧縮要素は組立油を塗布して組み立てられ、初期起動時における冷凍機油が摺動部に循環するまでの間、前記摺動部位の潤滑性を確保するために、前記組立油は40℃の時の動粘度が3mm2/s以上10mm2/s未満であり、かつ留出温度が400℃以下の沸点成分の含有比率が70容量%以下で流動点が―15℃以下であり、
180℃での蒸発量が35%以下であるもので、低沸点成分の含有比率を制御することにより、組立油を加熱した際の蒸発量を少なく抑えることができ、摺動部箇所の潤滑性を確保することができるため、信頼性の高い密閉型圧縮機を提供することができる。
請求項に記載の発明は、請求項に記載の発明において、組立油が合成油または鉱油としたもので、密閉型圧縮機で使用される冷凍機油と近い組成の組立油を使用することにより、冷凍機油との適合性が図れるため、請求項に記載の発明の効果に加えてさらに、信頼性の高い密閉型圧縮機を提供することができる。
請求項に記載の発明は、請求項1からのいずれか一項に記載の発明において、密閉容器の下部に冷凍機油を貯溜するとともに、前記冷凍機油は40℃の時の動粘度が32mm/s以下としたもので、密閉型圧縮機で使用される冷凍機油に近い動粘度の組立油を使用することにより、冷凍機油に組立油が混入しても、冷凍機油の特性にほとんど影響を与えないため、請求項1からのいずれか一項に記載の発明の効果に加えてさらに、信頼性の高い密閉型圧縮機を提供することができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によってこの発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1における密閉型圧縮機の縦断面図、図2は同実施の形態における組立油の留出温度が400℃以下の沸点成分の含有比率と蒸発量の関係を示す図、図3は同実施の形態における組立油混入に伴う冷凍機油の動粘度への影響を示す図である。
図1において、密閉容器101内にはR134aからなる冷媒ガス102を充填するとともに、底部には40℃の時の動粘度が8mm/sのエステル系からなる冷凍機油103を貯留し、固定子104および回転子105からなる電動要素106と、これによって駆動される往復式の圧縮要素107を収容している。
次に圧縮要素107の詳細を以下に説明する。
クランクシャフト108は、回転子105を圧入固定した主軸109および主軸109に対し偏心して形成された偏心軸110からなり、下端には冷凍機油103に連通する給油ポンプ111を設けている。鋳鉄からなるシリンダーブロック112は、略円筒形のボアー113と主軸109を軸支する軸受部114とを形成している。
また、回転子105にはフランジ面115が形成され、軸受部114の上端面はスラスト部116になっている。フランジ面115と軸受部114のスラスト部116の間にはスラストワッシャ117が挿入されている。そして、フランジ面115、スラスト部116および、スラストワッシャ117でスラスト軸受部118を構成している。
漏れ損失を小さくするために、ある一定量のクリアランスを保ってボアー113に遊嵌されたピストン119は、ボアー113とともに圧縮室120を形成し、ピストンピン121を介して連結手段であるコンロッド122によって偏心軸110と連結されている。ピストン119とボアー113は、例えば直径の差で5μm〜15μm程度のクリアランス寸法で遊嵌されている。
ボアー113の端面はバルブプレート123で封止されている。また、ヘッド124は高圧室(図示せず)と低圧室(図示せず)を形成し、バルブプレート123の反ボアー113側に固定される。サクションチューブ125は、密閉容器101に固定されるとともに冷凍サイクルの低圧側(図示せず)に接続され、冷媒ガス102を密閉容器101内に導く。サクションマフラー127は、バルブプレート123とヘッド124に挟持される。
ピストン119とボアー113、主軸109と軸受部114、スラスト部116とスラストワッシャ117、ピストンピン121とコンロッド122、偏心軸110とコンロッド122は相互に摺動部を形成するとともに、それぞれの摺動部材表面に組立油126が塗布され組み立てられている。
また、密閉型圧縮機を組み立てた後、冷凍機油103を密閉容器101内に封入する前に密閉型圧縮機内部の水分除去などのために100℃以上の温度で熱処理を行う。
ここでは、組立油126について詳しく述べることにする。
本発明の実施の形態においては、組立油126は、40℃の時の動粘度が3mm/s以上10mm/s未満であり、かつ留出温度が400℃以下の沸点成分の含有比率が70容量%以下で流動点が―15℃以下としたものである。
以上のように構成された密閉型圧縮機について、以下その動作を説明する。
商用電源(図示せず)から供給される電力は電動要素106に供給され、電動要素106の回転子105を回転させる。回転子105はクランクシャフト108を回転させ、偏心軸110の偏心運動が連結手段であるコンロッド122からピストンピン121を介してピストン119を駆動することで、ピストン119はボアー113内を往復運動し、サクションチューブ125を通じて密閉容器101内に導かれた冷媒ガス102は、サクションマフラー127から吸入され、圧縮室120内で圧縮される。
圧縮室120内で圧縮された冷媒ガス102は、ディスチャージチューブ(図示せず)を通って冷凍サイクル内(図示せず)に排出され、冷凍サイクル(図示せず)内を循環して、再びサクションチューブ125より密閉容器101内に導かれる。
冷凍機油103はクランクシャフト108の回転に伴い、給油ポンプ111から各摺動部に給油され、摺動部を潤滑するが、潤滑油である冷凍機油103の封入前における起動確認試験、および冷凍機油103の封入後の各摺動部に給油されるまでの間、各摺動部に塗布された組立油126で潤滑を確保し、各摺動部の金属接触を防止することができる。
また、密閉型圧縮機内部の水分除去のために100℃以上の温度で熱処理が行われ、その後密閉型圧縮機内に冷凍機油103を封入する。熱処理による組立油126への影響は、組立油126の低沸点成分の含有比率を制御することにより、熱処理による組立油126の蒸発量を制御し、密閉型圧縮機の初期起動時における冷凍機油103が各摺動部に循環するまでの間、各摺動部位の潤滑性を確保することができるため、高信頼性の密閉型圧縮機を提供することができる。
次に、組立油の低沸点成分の含有比率における蒸発量の影響について、大気中で一定量の組立油を2時間加熱し、その蒸発重量を確認することによって評価を行った。組立油の留出温度が400℃以下の沸点成分の含有比率と蒸発量の関係を図2を参照しながら説明する。
図2より、加熱温度を上げる程に組立油の蒸発量が増加し、また、留出温度が400℃以下の沸点成分の含有比率が多くなる程、蒸発量が増加していることがわかる。また、400℃以下の沸点成分の含有比率が70容量%の組立油において、180℃にて2時間熱処理した後の起動試験をおこなったが、摺動部の摩耗や傷付きは確認されなかった。また、400℃以下の沸点成分の含有比率が75容量%の組立油においては、起動試験後の摺動部の傷付きが確認された。
このことから、留出温度が400℃以下の沸点成分の含有比率を70容量%以下とすることにより、起動試験時に必要な組立油量を確保することができるため、信頼性の高い密閉型圧縮機を提供することができる。
次に、本発明の実施の形態における組立油と冷凍機油の混合に伴う冷凍機油の動粘度への影響について説明する。
本発明の実施の形態における組立油混入に伴う冷凍機油の動粘度への影響を図3に示す。
本発明の実施の形態における40℃の時の動粘度が、組立油は10mm/sとし、冷凍機油においては3mm/sとした場合の冷凍機油への影響と、組立油は3mm/sとし、冷凍機油においては32mm/sとした場合の冷凍機油への影響について確認した。
図3より、本発明の実施の形態における組立油においては、冷凍機油に対する混合比率が10%なら、冷凍機油の動粘度に与える影響はほとんどないことがわかった。
このことから、40℃の時の動粘度が3mm/s以上10mm/s未満の組立油において、冷凍機油に対する10%以下の塗布量である場合、冷凍機油の動粘度に対する影響はないため、信頼性の高い密閉型圧縮機を提供することができる。
また、組立油は、流動点が―15℃以下であり、より低い温度であることが好ましい。これにより、ワックス分が低く抑えられ、冷凍サイクル内に設置されているキャピラリーへのワックスの詰りを生じさせない。
また、本発明の実施の形態において、R134aの冷媒ガス102と40℃の時の動粘度が8mm/sのエステル系からなる冷凍機油103との組み合わせで説明を行ったが、他の冷媒と40℃の時の動粘度が32mm/s以下のエステル系および鉱油の組み合わせについても、組立油の混入による冷凍機油の特性および密閉型圧縮機への影響はなく同等の効果が得られる。他の冷媒としてはR600a、R290及びこれらを含んだ混合冷媒、R134a、R152、R407C、R404A、R410が挙げられる。
以上のように、高信頼性の密閉型圧縮機を提供することができる。
(実施の形態2)
図4は、本発明の実施の形態2における密閉型圧縮機の縦断面図、図5は同実施の形態における組立油の留出温度が400℃以下の沸点成分の含有比率と蒸発量の関係を示す図、図6は同実施の形態における組立油混入に伴う冷凍機油の動粘度への影響を示す図である。
図4において、密閉容器201内にはR134aからなる冷媒ガス202を充填するとともに、底部には40℃の時の動粘度が8mm/sのエステル系からなる冷凍機油203を貯留し、固定子204および回転子205からなる電動要素206と、これによって駆動される往復式の圧縮要素207を収容している。
次に圧縮要素207の詳細を以下に説明する。
クランクシャフト208は、回転子205を圧入固定した主軸209および主軸209に対し偏心して形成された偏心軸210からなり、下端には冷凍機油203に連通する給油ポンプ211を設けている。鋳鉄からなるシリンダーブロック212は、略円筒形のボアー213と主軸209を軸支する軸受部214とを形成している。
また、回転子205にはフランジ面215が形成され、軸受部214の上端面はスラスト部216になっている。フランジ面215と軸受部214のスラスト部216の間にはスラストワッシャ217が挿入されている。そして、フランジ面215、スラスト部216および、スラストワッシャ217でスラスト軸受部218を構成している。
漏れ損失を小さくするために、ある一定量のクリアランスを保ってボアー213に遊嵌されたピストン219は、ボアー213とともに圧縮室220を形成し、ピストンピン221を介して連結手段であるコンロッド222によって偏心軸210と連結されている。ピストン219とボアー213は、例えば直径の差で5μm〜15μm程度のクリアランス寸法で遊嵌されている。
ボアー213の端面はバルブプレート223で封止されている。また、ヘッド224は高圧室(図示せず)と低圧室(図示せず)を形成し、バルブプレート223の反ボアー213側に固定される。サクションチューブ225は、密閉容器201に固定されるとともに冷凍サイクルの低圧側(図示せず)に接続され、冷媒ガス202を密閉容器201内に導く。サクションマフラー227は、バルブプレート223とヘッド224に挟持される。
ピストン219とボアー213、主軸209と軸受部214、スラスト部216とスラストワッシャ217、ピストンピン221とコンロッド222、偏心軸210とコンロッド222は相互に摺動部を形成するとともに、それぞれの摺動部材表面に組立油226が塗布され組み立てられている。
また、密閉型圧縮機を組み立てた後、冷凍機油203を密閉容器201内に封入する前に密閉型圧縮機内部の水分除去などのために100℃以上の温度で熱処理を行う。
ここでは、組立油226について詳しく述べることにする。
本発明の実施の形態においては、組立油226は、40℃の時の動粘度が10mm/s以上32mm/s未満であり、かつ留出温度が400℃以下の沸点成分の含有比率が40容量%以下で流動点が―15℃以下としたものである。
以上のように構成された密閉型圧縮機について、以下その動作を説明する。
商用電源(図示せず)から供給される電力は電動要素206に供給され、電動要素206の回転子205を回転させる。回転子205はクランクシャフト208を回転させ、偏心軸210の偏心運動が連結手段であるコンロッド222からピストンピン221を介してピストン219を駆動することで、ピストン219はボアー213内を往復運動し、サクションチューブ225を通じて密閉容器201内に導かれた冷媒ガス202は、サクションマフラー227から吸入され、圧縮室220内で圧縮される。
圧縮室220内で圧縮された冷媒ガス202は、ディスチャージチューブ(図示せず)を通って冷凍サイクル内(図示せず)に排出され、冷凍サイクル(図示せず)内を循環して、再びサクションチューブ225より密閉容器201内に導かれる。
冷凍機油203はクランクシャフト208の回転に伴い、給油ポンプ211から各摺動部に給油され、摺動部を潤滑するが、潤滑油である冷凍機油203の封入前における起動確認試験、および冷凍機油203の封入後の各摺動部に給油されるまでの間、各摺動部に塗布された組立油226で潤滑を確保し、各摺動部の金属接触を防止することができる。
また、密閉型圧縮機内部の水分除去のために100℃以上の温度で熱処理が行われ、その後密閉型圧縮機内に冷凍機油203を封入する。熱処理による組立油226への影響は、組立油226の低沸点成分の含有比率を制御することにより、熱処理による組立油226の蒸発量を制御し、密閉型圧縮機の初期起動時における冷凍機油203が各摺動部に循環するまでの間、各摺動部位の潤滑性を確保することができるため、高信頼性の密閉型圧縮機を提供することができる。
次に、組立油の低沸点成分の含有比率における蒸発量の影響について、大気中で一定量の組立油を2時間加熱し、その蒸発重量を確認することによって評価を行った。組立油の留出温度が400℃以下の沸点成分の含有比率と蒸発量の関係について、図5を参照しながら説明する。
図5より、加熱温度を上げる程に組立油の蒸発量が増加し、また、留出温度が400℃以下の沸点成分の含有比率が多くなる程、蒸発量が増加していることがわかる。また、400℃以下の沸点成分の含有比率が40容量%の組立油において、180℃にて2時間熱処理した後の起動試験をおこなったが、摺動部の摩耗や傷付きは確認されなかった。また、400℃以下の沸点成分の含有比率が50容量%の組立油においては、起動試験後の摺動部の傷付きが確認された。
このことから、留出温度が400℃以下の沸点成分の含有比率を40容量%以下とすることにより、起動試験時に必要な組立油量を確保することができるため、信頼性の高い密閉型圧縮機を提供することができる。
次に、本発明の実施の形態における組立油と冷凍機油の混合に伴う冷凍機油の動粘度への影響について説明する。
本発明の実施の形態における組立油混入に伴う冷凍機油の動粘度への影響を図6に示す。
本発明の実施の形態における40℃の時の動粘度が、組立油は10mm/sとし、冷凍機油においては32mm/sとした場合の冷凍機油への影響について確認した。
図6より、本発明の実施の形態における組立油においては、冷凍機油に対する混合比率が15%なら、冷凍機油の動粘度に与える影響はほとんどないことがわかった。
このことから、40℃の時の動粘度が10mm/s以上32mm/s未満の組立油において、冷凍機油に対する15%以下の塗布量である場合、冷凍機油の動粘度に対する影響はないため、信頼性の高い密閉型圧縮機を提供することができる。
また、組立油は、流動点が―15℃以下であり、より低い温度であることが好ましい。これにより、ワックス分が低く抑えられ、冷凍サイクル内に設置されているキャピラリーへのワックスの詰りを生じさせない。
また、本発明の実施の形態において、R134aの冷媒ガス102と40℃の時の動粘度が8mm/sのエステル系からなる冷凍機油103との組み合わせで説明を行ったが、他の冷媒と40℃の時の動粘度が32mm/s以下のエステル系および鉱油の組み合わせについても、組立油の混入による冷凍機油の特性および密閉型圧縮機への影響はなく同等の効果が得られる。他の冷媒としてはR600a、R290及びこれらを含んだ混合冷媒、R134a、R152、R407C、R404A、R410が挙げられる。
以上のように、高信頼性の密閉型圧縮機を提供することができる。
以上のように、本発明にかかる密閉型圧縮機は、冷凍機油が各摺動部に循環するまでの間、十分に潤滑性を確保することができる組立油により、高信頼性の密閉型圧縮機を提供することが可能となるので、冷凍サイクルを用いた機器に幅広く適用できる。
本発明の実施の形態1における密閉型圧縮機の縦断面図 同実施の形態における組立油の留出温度が400℃以下の沸点成分の含有比率と蒸発量の関係を示す図 同実施の形態における組立油混入に伴う冷凍機油の動粘度への影響を示す図 本発明の実施の形態2における密閉型圧縮機の縦断面図 同実施の形態における組立油の留出温度が400℃以下の沸点成分の含有比率と蒸発量の関係を示す図 同実施の形態における組立油混入に伴う冷凍機油の動粘度への影響を示す図 従来の密閉型圧縮機の縦断面図
符号の説明
101,201 密閉容器
103,203 冷凍機油
106,206 電動要素
107,207 圧縮要素
126,226 組立油

Claims (3)

  1. 密閉容器内に電動要素と前記電動要素によって駆動される圧縮要素とを収容し、前記圧縮要素は組立油を塗布して組み立てられ、初期起動時における冷凍機油が摺動部に循環するまでの間、前記摺動部位の潤滑性を確保するために、前記組立油は40℃の時の動粘度が3mm2/s以上10mm2/s未満であり、かつ留出温度が400℃以下の沸点成分の含有比率が70容量%以下で流動点が―15℃以下であり、180℃での蒸発量が35%以下であることを特徴とする密閉型圧縮機。
  2. 組立油は、合成油または鉱油である請求項に記載の密閉型圧縮機。
  3. 密閉容器の下部に冷凍機油を貯溜するとともに、前記冷凍機油は40℃の時の動粘度が32mm/s以下である請求項1からのいずれか一項に記載の密閉型圧縮機。
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