JP5405907B2 - 起動装置および起動方法 - Google Patents

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Description

本発明は、工業炉などの産業用の製造装置に適した制御の再起動を実現する起動装置および起動方法に関するものである。
従来より、加熱や冷却の制御の起動時点を最適化したいという要求(最適起動)がある。例えば、工業炉などの加熱処理炉において実プロセスが200℃の高温で継続的に行なわれるものとする。このとき、段取り変えや休憩時間などの事情により加熱処理炉を700秒間だけ休止させることを想定してみる。すなわち、休止時間は700秒間であるが、この700秒間ずっと200℃の高温を維持しておくのは、ヒータ出力を維持しておくことになるのでエネルギーを不必要に消費することになる。したがって、休止時間が始まったらすぐにヒータの制御をオフにしてエネルギーの消費を停止し、ある特定の時点でヒータの制御を再起動して休止時間が終わるころ、すなわち制御量が復帰するまでを想定した時間である700秒の休止時間が経過するころに、温度が200℃に復帰するように操作することが望ましい。
しかし、ヒータの制御を再起動する時点が早すぎると、休止時間が終了するより早く、例えば600秒経過時点で200℃に復帰するようなことになり、100秒間は無意味に高温で維持する時間が発生することになるので、省エネルギーが損なわれる。逆にヒータの制御を再起動する時点が遅すぎると、休止時間が終了するときには200℃までは温度が復帰せず、最終的に温度が200℃に復帰するのが例えば800秒経過時点というようなことになり、100秒間は実プロセスの稼動が遅れることになるので、生産性が損なわれる。
このような課題に類似した課題は、加熱処理炉に限られない。例えば、空調制御において、空調機の冷水コイルに供給される熱源水が夜間に暖められて温度が上昇していると、空調機が運転を開始してから熱源水が十分に冷えるまでの間、空調機は空気を循環するだけの運転となってしまい、空調機のファンの動力が無駄となり、また居住者の快適性が損なわれる。
そこで、空調制御において、朝の室温や空調機への配管内部の水温(配管内保有水温度)を計測し、オフィスなどの稼動時刻に適正な室温に立ち上がるように、空調の起動時点を自動調整する方法が提案されている(特許文献1参照)。
特開2004−85141号公報
工業炉などの産業用の製造装置では、段取り変えなどの際に装置の加熱や冷却を一旦停止して、再稼動する際に加熱制御や冷却制御を再起動することがある。
このような製造装置の場合、空調機とは異なり、一般に熱源水を利用して温度制御を行うことはないし、そのような周辺機器の情報などを都合よく利用できるとは限らない。したがって、特許文献1に開示されているような配管内保有水温度を参考にする手法では、最適な起動を実現することはできない。
本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、工業炉などの産業用の製造装置に適した制御の再起動を実現することができる起動装置および起動方法を提供することを目的とする。
本発明は、温度を制御量としてヒータに操作量を出力する制御装置に対し温度制御の再起動を指示する起動装置であって、温度制御の一時停止時の制御量特性および温度制御の再起動の概要を表すオンラインデータから、温度制御を一時停止した時点から再起動する時点までの前記ヒータのオフ時間を推定する推定用多項式を予め記憶する推定用多項式記憶手段と、この推定用多項式記憶手段に記憶された推定用多項式を用い、入力されたオンラインデータから前記オフ時間を推定するオフ時間推定算出手段と、温度制御の一時停止時に前記制御量特性として制御量変化速度を取得する制御量変化速度取得手段と、温度制御を一時停止した時点からの経過時間が前記オフ時間を超えたときに、前記制御装置に対して温度制御の再起動を指示する動作指令手段とを備え、前記オンラインデータは、前記制御量特性として、前記制御量変化速度を含み、前記温度制御の再起動の概要を表すデータとして、温度制御を一時停止した時点から再起動後に制御量が復帰するまでを想定した時間である休止時間を含み、前記動作指令手段は、温度制御を一時停止した時点から前記オフ時間の間だけ、前記制御装置が出力する操作量をオフに維持させることを特徴とするものである。
また、本発明の起動装置の1構成例において、前記オンラインデータは、前記温度制御の再起動の概要を表すデータとして、さらに操作量上限値を含むことを特徴とするものである。
また、本発明の起動装置の1構成例は、さらに、温度制御の開始前に、制御量変化速度と休止時間とオフ時間との組からなる分析用データを用いて前記推定用多項式を算出し、この推定用多項式を前記推定用多項式記憶手段に設定する推定用多項式算出手段を備えることを特徴とするものである。
また、本発明の起動装置の1構成例は、さらに、温度制御の開始前に、制御量変化速度と休止時間と操作量上限値とオフ時間との組からなる分析用データを用いて前記推定用多項式を算出し、この推定用多項式を前記推定用多項式記憶手段に設定する推定用多項式算出手段を備えることを特徴とするものである。
また、本発明は、温度を制御量としてヒータに操作量を出力する制御装置に対し温度制御の再起動を指示する起動方法であって、推定用多項式記憶手段に記憶された推定用多項式を用い、温度制御の一時停止時の制御量特性および温度制御の再起動の概要を表すオンラインデータから、温度制御を一時停止した時点から再起動する時点までの前記ヒータのオフ時間を推定するオフ時間推定算出手順と、温度制御の一時停止時に前記制御量特性として制御量変化速度を取得する制御量変化速度取得手順と、温度制御を一時停止した時点からの経過時間が前記オフ時間を超えたときに、前記制御装置に対して温度制御の再起動を指示する動作指令手順とを含み、前記オンラインデータは、前記制御量特性として、前記制御量変化速度を含み、前記温度制御の再起動の概要を表すデータとして、温度制御を一時停止した時点から再起動後に制御量が復帰するまでを想定した時間である休止時間を含み、前記動作指令手順は、温度制御を一時停止した時点から前記オフ時間の間だけ、前記制御装置が出力する操作量をオフに維持させる手順を含むことを特徴とするものである。
また、本発明の起動方法の1構成例において、前記オンラインデータは、前記温度制御の再起動の概要を表すデータとして、さらに操作量上限値を含むことを特徴とするものである。
また、本発明の起動方法の1構成例は、さらに、温度制御の開始前に、制御量変化速度と休止時間とオフ時間との組からなる分析用データを用いて前記推定用多項式を算出し、この推定用多項式を前記推定用多項式記憶手段に設定する推定用多項式算出手順を含むことを特徴とするものである。
また、本発明の起動方法の1構成例は、さらに、温度制御の開始前に、制御量変化速度と休止時間と操作量上限値とオフ時間との組からなる分析用データを用いて前記推定用多項式を算出し、この推定用多項式を前記推定用多項式記憶手段に設定する推定用多項式算出手順を含むことを特徴とするものである。
本発明によれば、推定用多項式記憶手段に記憶された推定用多項式を用い、制御の一時停止時の制御量特性および制御の再起動の概要を表すオンラインデータから、制御を一時停止した時点から再起動する時点までのオフ時間を推定し、制御を一時停止した時点からの経過時間がオフ時間を超えたときに、制御装置に対して制御の再起動を指示することにより、制御を一時停止した時点からの休止時間が経過した時点に対し早すぎもなく遅すぎもない程度の時点で制御量が復帰するというように、適切な再起動を実現することができる。その結果、本発明では、工業炉などの産業用の製造装置に適した制御の再起動を実現することができる。
本発明の実施の形態に係る起動装置の構成を示すブロック図である。 本発明の実施の形態に係る起動装置を適用する温度制御系の1例を示す図である。 本発明の実施の形態に係る起動装置のオフライン時の動作を示すフローチャートである。 本発明の実施の形態において分析用データ収集の実験動作例を示す図である。 本発明の実施の形態に係る起動装置および制御装置のオンライン時の動作を示すフローチャートである。 本発明の実施の形態に係る起動装置および制御装置による温度制御結果を示す図である。 本発明の実施の形態に係る起動装置および制御装置による別の温度制御結果を示す図である。 本発明の実施の形態に係る起動装置および制御装置による別の温度制御結果を示す図である。
[発明の原理1]
工業炉などの産業用の製造装置では、例えばゾーン制御という複数の制御ループが隣接して温度制御されるものがある。このような製造装置では、装置全体の熱容量や熱の保持状態の影響が温度制御にとって重要になる。例えば工業炉の段取り変えの場合は、直前にヒータをオフにして降温させる。この降温状態も装置全体の熱容量や熱の保持状態の影響を受けるので、この降温特性を参考にすれば、制御を再起動すべき時点を実用水準で推定できることに着眼した。
一般に、ヒータは非線形特性があり、コントローラからの操作量MVに連動するヒータ出力が大きくなるにつれ、加熱能力は飽和してくる。例えばヒータ出力が10%程度の低い状態から40%上げてヒータ出力を50%にした場合に得られる加熱能力と、例えばヒータ出力が50%程度の既に高い状態から40%上げてヒータ出力を90%にした場合に得られる加熱能力とでは、前者の方が加熱能力を多く得られる。このように、同じ40%のヒータ出力の変化であっても、得られる加熱能力に差が生じるような非線形性がある。
ヒータをオフにして降温させた際に、降温が通常よりも遅くなっている場合は、装置としては熱を多く保持している状態であり、ヒータ出力も低くなっているので、昇温に使える加熱能力に余裕がある。すなわち、再起動後は通常よりも昇温が速くなる。
一方、降温が通常よりも速くなっている場合は、装置としては熱をあまり保持していない状態であり、ヒータ出力も高くなっているので、昇温に使える加熱能力に余裕がない。すなわち、再起動後は通常よりも昇温が遅くなる。
ヒータをオフにしたときの降温が遅いと再起動後の昇温が速く、降温が速いと再起動後の昇温が遅いのであるから、ヒータをオフにした後、制御を再起動する時点までのオフ時間TXと降温速度ΔPVとの関係は、単調な関係になる。
また、ヒータをオフにした後、制御を再起動し、昇温が完了して装置を稼動状態にするまでの休止時間TWが長いほど、オフ時間TXも長く取る必要があるので、休止時間TWとオフ時間TXとの関係も、単調な関係になる。
したがって、少なくとも上記の2個のパラメータ(降温速度ΔPV、休止時間TW)を入力パラメータとし、オフ時間TXを出力パラメータとすれば、単調な関係のブラックボックスモデルを形成できる。ゆえに、予めこれらの関係を得るためのデータを収集し、多変量解析などにより入出力関係を数式化すれば、単調な関係ゆえに信頼性の高いシンプルなオフ時間TXの推定規則を与えることが可能になる。
[発明の原理2]
通常の降温は、ヒータをオフにするのでヒータ出力は一律に0%になる。通常の昇温は、ヒータ出力自体が最大値に保持される時間帯が現れる。すなわち加熱能力が飽和するのではなく、コントローラからの操作量MVが例えば100%という最大値で飽和する。この飽和は、加熱能力の飽和以上に明確な上限である。
上記コントローラからの操作量MVの上限は、上限値OHとして予めオペレータにより設定されるものであるが、必ずしも100%に設定されるとは限らない。装置稼動時の過剰な加熱を避けるなどの理由により、オペレータが意図的に操作量MVの上限値OHを例えば90%に設定するということもある。
操作量MVの上限値OHが低いほどヒータ出力が抑えられて昇温が遅くなるのであるから、上限値OHとオフ時間TXとの関係も、単調な関係になる。
したがって、操作量MVの上限値OHをオペレータが操作することを想定した場合は、この上限値OHも参照して適切な起動時点を推定するべきであり、単調な関係ゆえの信頼性の高さを大きく損ねる可能性は低い。
[実施の形態]
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。図1は本発明の実施の形態に係る起動装置の構成を示すブロック図である。本実施の形態では、加熱処理炉を用いる製造装置を事例として説明する。
起動装置1は、降温速度ΔPVと休止時間TWと操作量上限値OHとオフ時間TXとの組からなる分析用データを取り込んで記憶する分析用データ記憶部2と、分析用データを用いて多変量解析手法により推定用多項式を算出する推定用多項式算出部3と、推定用多項式を記憶する推定用多項式記憶部4と、降温速度ΔPVと休止時間TWと操作量上限値OHのオンラインデータを取り込んでオフ時間TXの推定値を算出するオフ時間TX推定値算出部5と、制御装置10に対してヒータをオフ(操作量MVを0%)にさせる指令を与え、オフ時間TX推定値の時間だけ維持した後に、通常の制御を再起動させる動作指令部6と、制御の一時停止時の制御量特性として降温速度ΔPV(制御量変化速度)を取得する制御量変化速度取得手段である降温速度ΔPV取得部7とを備えている。
分析用データ記憶部2と推定用多項式算出部3と推定用多項式記憶部4とは、分析用データを収集し、分析用データを用いて推定用多項式を求めるオフラインの段階で使用されるオフライン部を構成し、推定用多項式記憶部4とオフ時間TX推定値算出部5と動作指令部6と降温速度ΔPV取得部7とは、オフラインの段階で求められた推定用多項式を用いてオフ時間TXを推定し、制御装置10に指令を与えるオンラインの段階で使用されるオンライン部を構成している。
図2は本実施の形態の起動装置1を適用する温度制御系の1例を示す図である。図2の例では、空気循環式の加熱処理炉111の内部にヒータ112と温度センサ113とが設置されている。温度センサ113は、ヒータ112によって加熱される空気の温度PVを測定する。温調計100は、温度PVが設定値SPと一致するように操作量MVを算出する。電力調整器114は、操作量MVに応じた電力を決定し、この決定した電力を電力供給回路115を通じてヒータ112に供給する。こうして、温調計100は、加熱処理炉111内の温度を制御する。本実施の形態の起動装置1および制御装置10は、この温調計100の内部に設けられるものである。
図3は本実施の形態の起動装置1のオフライン時の動作を示すフローチャートである。分析用データを収集する作業者は、図2に示した構成において、図4に示すようなヒータオフと再起動の動作実験を繰り返し行うことにより、降温速度ΔPVと休止時間TWと操作量上限値OHとオフ時間TXとの組からなる分析用データを収集する。図4の例では、200秒においてヒータがオフとなり、約430秒において加熱制御が再起動している。
なお、降温速度ΔPVについては、ヒータオフから100秒経過時点での温度下降量ΔPV’を計測し、この温度下降量ΔPV’に基づいて単位時間の温度下降量を計算すればよい。この単位時間の温度下降量が降温速度ΔPV(ΔPV=0.01ΔPV’)となる。収集された分析用データは、起動装置1の分析用データ記憶部2に登録される(図3ステップS100)。分析用データの1例を表1に示す。
Figure 0005405907
表1から明らかなように、最初の分析用データについては、降温速度ΔPVと休止時間TWと操作量上限値OHとオフ時間TXの数値の組合せが数通り得られればよい。表1の例は、休止時間TWが400秒、600秒、800秒という区切りのよい数値に分布するようにオフ時間TXを試行錯誤したデータとなっているが、原理的にはこのように試行錯誤を行なう必要性はなく、実用段階での入出力パラメータの数値分布を概ねカバーできていれば十分である。
次に、起動装置1の推定用多項式算出部3は、分析用データ記憶部2に記憶された分析用データに対して多変量解析を行うことにより、降温速度ΔPVと休止時間TWと操作量上限値OHとからオフ時間TXを推定する推定用多項式を算出する(図3ステップS101)。表1の分析用データから求めた推定用多項式を以下に示す。
TX=−21.3628×{(ΔPV−6.5667)×0.7305}3
+0.9476×{(ΔPV−6.5667)×0.7305}2
×(TW−600.0)×0.006
+1.1897×{(ΔPV−6.5667)×0.7305}2
×(OH−90.6667)×0.1132
−11.9883×{(ΔPV−6.5667)×0.7305}2
+0.5639×(ΔPV−6.5667)×0.7305
×{(TW−600.0)×0.006}2
+2.8857×(ΔPV−6.5667)×0.7305×(TW
−600.0)×0.006×(OH−90.6667)×0.1132
−24.3413×(ΔPV−6.5667)×0.7305
×(TW−600.0)×0.006
−1.0545×(ΔPV−6.5667)×0.7305×(OH
−90.6667)×0.1132×(OH−90.6667)×0.1132
+13.2176×(ΔPV−6.5667)×0.7305
×(OH−90.6667)×0.1132
−52.6739×(ΔPV−6.5667)×0.7305
+26.1703×{(TW−600.0)×0.006}3
+2.0232×{(TW−600.0)×0.006}2
×(OH−90.6667)×0.1132
−4.5129×{(TW−600.0)×0.006}2
−2.059×(TW−600.0)×0.006
×{(OH−90.6667)×0.1132}2
+12.5351×(TW−600.0)×0.006
×(OH−90.6667)×0.1132
+56.0792×(TW−600.0)×0.006
+9.8233×{(OH−90.6667)×0.1132}3
−2.9592×{(OH−90.6667)×0.1132}2
+22.7956×(OH−90.6667)×0.1132
+335.723 ・・・(1)
ここでは、多変量解析手法としてSVR(Support Vector Regression)法を採用しており、平均値を中心に標準偏差の範囲を[−1,1]に変換する正規化などの処理が必要であり、やや複雑な式になっている。通常の重回帰分析などによっても同等の数式を算出可能であることは言うまでもない。
推定用多項式算出部3が算出した推定用多項式は、推定用多項式記憶部4に記憶される(図3ステップS102)。以上で、起動装置1のオフライン時の動作が終了する。
図5は起動装置1および制御装置10のオンライン時の動作を示すフローチャートである。起動装置1のオペレータは、オンライン開始時、すなわち加熱処理炉を用いた実プロセスの開始時に、所望の休止時間TWと操作量上限値OHとを予め起動装置1に入力しておく。
制御装置10は、温度センサによって計測された温度PVを入力としてPID制御演算により操作量MVを算出し、操作量MVを制御対象(図2の例における実際の出力先は電力調整器114)へ出力する(図5ステップS200)。これにより、温度PVは、設定値SPと一致するように制御される。制御装置10は、このような操作量MVの算出・出力を例えばオペレータに指示により制御が終了するまで(ステップS202においてYES)、制御周期毎に行う。
次に、オペレータは、加熱処理炉の段取り変えなどの理由により加熱制御を一時停止したい場合、起動装置1に対して加熱制御の一時停止を指示する。起動装置1の動作指令部6は、オペレータから加熱制御の一時停止指示が入力された場合(ステップS201においてYES)、制御装置10に対して加熱制御を一時停止するよう指示する。この指示に応じて、制御装置10は、設定値SPと操作量MVをいったん0にして、ヒータをオフにする。
続いて、降温速度ΔPV取得部7は、加熱制御の一時停止時点の温度PVと、ヒータオフから100秒経過時点の温度PVとの差である温度下降量ΔPV’を計測し、この温度下降量ΔPV’から降温速度ΔPVを次式のように計算する(ステップS203)。
ΔPV=0.01ΔPV’ ・・・(2)
降温速度ΔPV取得部7によって計算された降温速度ΔPVの値と、オペレータによって予め入力された休止時間TWと操作量上限値OHの値とがオンラインデータとしてオフ時間TX推定値算出部5に入力される(ステップS204)。
オフ時間TX推定値算出部5は、推定用多項式記憶部4に記憶されている推定用多項式を用い、入力された降温速度ΔPVと休止時間TWと操作量上限値OHとからオフ時間TXの最適な推定値を算出する(ステップS205)。
次に、動作指令部6は、加熱制御の一時停止時点からの経過時間が、オフ時間TX推定値算出部5によって算出されたオフ時間TXを超過したかどうかを判定する(ステップS206)。動作指令部6は、加熱制御の一時停止時点からの経過時間がオフ時間TXを超過した場合、制御装置10に対して加熱制御の再起動を指示する。この指示に応じて、制御装置10は、ステップS201で0にした設定値SPを本来の値に戻し、加熱制御を再起動する(ステップS207)。ステップS208の制御は、ステップS200と同じである。
以上のようにして、本実施の形態では、休止時間TWが経過した時点に対し早すぎもなく遅すぎもない程度の時点で制御量(温度PV)が設定値SPと一致する値に復帰するというように、適切な再起動を実現することができる。その結果、本実施の形態では、工業炉などの産業用の製造装置に適した制御の再起動を実現することができる。
図6、図7、図8は本実施の形態の起動装置1および制御装置10による温度制御結果を示す図である。図6の例は、オンラインデータとして、降温速度ΔPV=4.85℃/100sec、TW=700sec、OH=100%が入力された場合を示している。この場合、オフ時間TXの推定値としてTX=485secが得られる。加熱制御の一時停止時点(図6の200秒)からの経過時間がTX=485secに達した時点で加熱制御を再起動すると、加熱制御の一時停止時点からほぼ700秒で昇温が完了し、加熱処理炉を再稼働できる状態になったことが分かる。つまり、実プロセスにおける休止時間TWが、オンラインデータとして入力された休止時間TWとほぼ一致していることになる。
図7の例は、オンラインデータとして、降温速度ΔPV=6.32℃/100sec、TW=700sec、OH=100%が入力された場合を示している。この場合、オフ時間TXの推定値としてTX=418secが得られる。加熱制御の一時停止時点(図7の200秒)からの経過時間がTX=418secに達した時点で加熱制御を再起動すると、加熱制御の一時停止時点からほぼ700秒で昇温が完了することが分かる。
図8の例は、オンラインデータとして、降温速度ΔPV=7.92℃/100sec、TW=700sec、OH=100%が入力された場合を示している。この場合、オフ時間TXの推定値としてTX=329secが得られる。加熱制御の一時停止時点(図8の200秒)からの経過時間がTX=329secに達した時点で加熱制御を再起動すると、加熱制御の一時停止時点からほぼ700秒で昇温が完了することが分かる。
なお、本実施の形態の起動装置1および制御装置10は、CPU、記憶装置およびインタフェースを備えたコンピュータと、これらのハードウェア資源を制御するプログラムによって実現することができる。CPUは、記憶装置に格納されたプログラムに従って本実施の形態で説明した処理を実行する。
本発明は、工業炉などの産業用の製造装置における制御の再起動技術に適用することができる。
1…起動装置、2…分析用データ記憶部、3…推定用多項式算出部、4…推定用多項式記憶部、5…オフ時間TX推定値算出部、6…動作指令部、7…降温速度ΔPV取得部、10…制御装置。

Claims (8)

  1. 温度を制御量としてヒータに操作量を出力する制御装置に対し温度制御の再起動を指示する起動装置であって、
    温度制御の一時停止時の制御量特性および温度制御の再起動の概要を表すオンラインデータから、温度制御を一時停止した時点から再起動する時点までの前記ヒータのオフ時間を推定する推定用多項式を予め記憶する推定用多項式記憶手段と、
    この推定用多項式記憶手段に記憶された推定用多項式を用い、入力されたオンラインデータから前記オフ時間を推定するオフ時間推定算出手段と、
    温度制御の一時停止時に前記制御量特性として制御量変化速度を取得する制御量変化速度取得手段と、
    温度制御を一時停止した時点からの経過時間が前記オフ時間を超えたときに、前記制御装置に対して温度制御の再起動を指示する動作指令手段とを備え、
    前記オンラインデータは、前記制御量特性として、前記制御量変化速度を含み、前記温度制御の再起動の概要を表すデータとして、温度制御を一時停止した時点から再起動後に制御量が復帰するまでを想定した時間である休止時間を含み、
    前記動作指令手段は、温度制御を一時停止した時点から前記オフ時間の間だけ、前記制御装置が出力する操作量をオフに維持させることを特徴とする起動装置。
  2. 請求項1記載の起動装置において、
    前記オンラインデータは、前記温度制御の再起動の概要を表すデータとして、さらに操作量上限値を含むことを特徴とする起動装置。
  3. 請求項1記載の起動装置において、
    さらに、温度制御の開始前に、制御量変化速度と休止時間とオフ時間との組からなる分析用データを用いて前記推定用多項式を算出し、この推定用多項式を前記推定用多項式記憶手段に設定する推定用多項式算出手段を備えることを特徴とする起動装置。
  4. 請求項2記載の起動装置において、
    さらに、温度制御の開始前に、制御量変化速度と休止時間と操作量上限値とオフ時間との組からなる分析用データを用いて前記推定用多項式を算出し、この推定用多項式を前記推定用多項式記憶手段に設定する推定用多項式算出手段を備えることを特徴とする起動装置。
  5. 温度を制御量としてヒータに操作量を出力する制御装置に対し温度制御の再起動を指示する起動方法であって、
    推定用多項式記憶手段に記憶された推定用多項式を用い、温度制御の一時停止時の制御量特性および温度制御の再起動の概要を表すオンラインデータから、温度制御を一時停止した時点から再起動する時点までの前記ヒータのオフ時間を推定するオフ時間推定算出手順と、
    温度制御の一時停止時に前記制御量特性として制御量変化速度を取得する制御量変化速度取得手順と、
    温度制御を一時停止した時点からの経過時間が前記オフ時間を超えたときに、前記制御装置に対して温度制御の再起動を指示する動作指令手順とを含み、
    前記オンラインデータは、前記制御量特性として、前記制御量変化速度を含み、前記温度制御の再起動の概要を表すデータとして、温度制御を一時停止した時点から再起動後に制御量が復帰するまでを想定した時間である休止時間を含み、
    前記動作指令手順は、温度制御を一時停止した時点から前記オフ時間の間だけ、前記制御装置が出力する操作量をオフに維持させる手順を含むことを特徴とする起動方法。
  6. 請求項5記載の起動方法において、
    前記オンラインデータは、前記温度制御の再起動の概要を表すデータとして、さらに操作量上限値を含むことを特徴とする起動方法。
  7. 請求項5記載の起動方法において、
    さらに、温度制御の開始前に、制御量変化速度と休止時間とオフ時間との組からなる分析用データを用いて前記推定用多項式を算出し、この推定用多項式を前記推定用多項式記憶手段に設定する推定用多項式算出手順を含むことを特徴とする起動方法。
  8. 請求項6記載の起動方法において、
    さらに、温度制御の開始前に、制御量変化速度と休止時間と操作量上限値とオフ時間との組からなる分析用データを用いて前記推定用多項式を算出し、この推定用多項式を前記推定用多項式記憶手段に設定する推定用多項式算出手順を含むことを特徴とする起動方法。
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