JP5405677B1 - めっき膜の形成方法及びコーティング溶液 - Google Patents

めっき膜の形成方法及びコーティング溶液 Download PDF

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Abstract

【課題】大気中かつ溶液プロセスで、ガラス基板10上へ密着性の高い銅めっき膜11、12を形成できる銅めっき膜の形成方法を提供する。
【解決手段】実施形態の銅めっき膜の形成方法は、ガラス基板10に銅めっき膜11、12を成膜するめっき工程と、銅めっき膜11、12を覆う保護膜13を塗布する保護膜形成工程と、500℃で大気中熱処理を行う熱処理工程と、保護膜13を剥離する剥離工程と、を具備する。
【選択図】図1A

Description

本発明は、無機材料からなる基板に成膜しためっき膜に熱処理を行う工程を含むめっき膜の形成方法、及び耐酸化保護膜を形成するコーティング溶液に関する。
めっき法は、真空装置等を用いる必要のない溶液プロセスで作製できるため、安く、かつ、量産性に優れている。このため、めっき法はプリント配線板の製造等に広く使用されているが、強い密着強度を得るために、めっき前に基板の粗面化処理が行われている。しかし、粗面化処理を行うと、基板がガラス基板の場合には透明性が損なわれたり、基板が配線板の場合には高周波伝送特性が劣化したりする。このため、基板の粗面化処理を行わない各種金属のめっき法が検討されていた。
例えば、特開平10−209584号公報には、無粗化ガラス基板上に、0.1μmの無電解PdPめっき膜を成膜し、さらに2μmの電気Agめっき膜を成膜後に、400〜500℃で熱処理を行うことが開示されている。なお、「〜」は、「以上、以下」を示している。
しかし、配線板の製造に用いるには、Pd及びAgは高価である。また、Agはマイグレーションのため、配線材料への適用は容易ではなかった。
このため、大気中かつ溶液プロセスで、密着性の高いめっき膜を形成する方法、及び前記方法に用いる、大気中熱処理工程においてめっき膜の酸化を防止できるコーティング溶液が求められていた。
特開平10−209584号公報
本発明の実施形態は、大気中かつ溶液プロセスで、密着性の高いめっき膜を形成する方法、及び前記方法に用いる、大気中熱処理工程においてめっき膜の酸化を防止できるコーティング溶液を提供することを目的とする。
本発明の実施形態のめっき膜の形成方法は、無機材料からなる基板にめっき膜を成膜するめっき工程と、前記銅めっき膜を覆う保護膜を塗布する保護膜形成工程と、350℃〜550℃の温度で大気中熱処理を行う熱処理工程と、前記保護膜を剥離する剥離工程と、を具備する。
また、別の実施形態のコーティング溶液は、アルコキシシラン及びカテコールが溶解した有機溶剤と、反応開始剤であるケトンと、を含み、塗布された金属に耐酸化保護膜を形成する。
本発明の実施形態によれば、大気中かつ溶液プロセスで、密着性の高いめっき膜を形成する方法、及び前記方法に用いる、大気中熱処理工程においてめっき膜の酸化を防止でき、かつ、溶液で剥離できる保護膜を形成するコーティング溶液を提供できる。
実施形態の銅めっき膜の形成方法のフローチャートである。 実施形態の銅めっき膜の形成方法の保護層形成サブルーチンのフローチャートである。 実施形態の銅めっき膜の形成方法を説明するための断面図である。 実施形態のコーティング溶液の前駆体溶液の構造を示す図である。 実施形態のコーティング溶液の構造を示す図である。 比較例の保護膜/めっき膜のGD−OES分析結果を示す図である。 実施形態の保護膜/めっき膜のGD−OES分析結果を示す図である。 熱処理前の保護膜/めっき膜のGD−OES分析結果を示す図である。
<第1実施形態>
以下、図1A及び図1Bに示すフローチャートに沿って、実施形態の銅めっき膜の形成方法及びコーティング溶液について説明する。
<ステップS11>基板準備
本実施形態では、無機材料からなる基板として透明なガラス基板10を用いる。ガラス基板10としては、仕様に応じて各種の組成のガラス、例えば、ナトリウムガラス、ホウケイ酸ガラス、無アルカリガラス、又は石英ガラス等を用いることができる。
最初にガラス基板10に前処理が行われる。前処理では、ガラス基板10を純水に浸漬し超音波洗浄を行うことで表面に吸着していた異物が除去される。さらに紫外線照射により表面に吸着していた有機物を分解し、次に界面活性剤を含むアルカリ性の脱脂液に浸漬することで、有機物が除去される。なお、処理に用いる溶液は予め濾過を行い微粒子が除去されていることが好ましい。なお、基板が清浄な場合には、前処理は不要である。
<ステップS12>触媒付与
基板10を、0.2mg/dmのPdCl含有溶液(45℃)に120秒浸漬したのち、0.25mol/dmのNaHPO含有溶液(45℃)に120秒浸漬し、Pdイオンを還元処理し、無電解めっき反応の触媒とした。
なお、触媒付与には、公知の各種溶液を用いた処理方法、例えば、SnCl溶液/PdCl溶液を用いる2段法、又は、PdSn混合触媒溶液法等を用いてもよい。
また、有機金属化合物と無電解めっき反応の触媒となる金属と含む触媒溶液を塗布/硬化/還元する方法で触媒付与を行ってもよい。例えば、以下に示す、有機チタンを含むTiCu溶液を触媒溶液として用いることができる。
チタン(IV)テトライソプロポキシド:Ti(OiPr)4.44mL
酢酸銅(II) 1.82g
1-Hydroxycyclohexyl Phenyl Ketone(HPK) 8.17g
メトキシエトキシ酢酸 1.14mL
乳酸エチル 68.8mL
N,N−ジメチルアセトアミド 17.2mL
硬化処理:HP170℃、60分(大気中)
還元処理:水素化ホウ素ナトリム(SBH)を、2g/L含有する水溶液(45℃)に2分間、浸漬
なお、特開2011−207693号等に開示された感光性化合物、例えば、4-(2-ニトロベンジルオキシカルボニル)カテコール(NBOC−CAT)、1-Hydroxycyclohexyl Phenyl Ketone(HPK)ナフトキノンジアジド(NQD)等を含む触媒溶液を用いて、触媒付与後に、紫外線露光を行い、触媒膜をパターニングしてもよい。
<ステップS13>無電解銅めっき
以下の(表1)に示す無電解銅めっき浴に浸漬し、基板上に、膜厚0.1μmの無電解銅めっき膜11を成膜した。なお、無電解銅めっき膜11膜厚は、0.05μm〜5μmであることが好ましい。前記下限以上であれば、電気めっきでの下地導電膜としての機能を有し、前記上限以下であれば生産性に問題が生じない。
(表1)
硫酸銅 0.04mol/dm3
EDTA 0.12mol/dm3
ホルマリン 0.15mol/dm3
添加剤 適量
温度 50℃
pH 12.5
なお、無電解めっき基本浴として、パラホルムアルデヒド、又は、グリオキシル酸を還元剤として用いることも可能である。グリオキシル酸は、ホルムアルデヒドと構造が類似しており、還元力は小さいが、人体への影響が少ない。
また、無電解銅めっきの析出反応促進のために、最初に薄い無電解ニッケル膜を析出させてから無電解銅めっき膜を成長させてもよいし、無電解銅めっき浴に微量のニッケルイオンを添加しておいてもよい。
<ステップS14>電気銅めっき
以下の(表2)に示す電気銅めっき浴を用い、無電解銅めっき膜11を陰極として、膜厚20μmの電気銅めっき膜12を成膜した。なお、膜厚は、例えば5μm〜100μmであり、配線板の仕様に応じて決定される。
(表2)
硫酸銅 0.8mol/dm3
硫酸 0.5mol/dm3
塩酸 1.4×10−3mol/dm3
添加剤 適量
陽極 含リン銅板
温度 25℃
電流密度 1A/dm
<ステップS15>保護膜形成サブルーチン
図2(A)に示すように、ガラス基板10/無電解めっき膜11/電気めっき膜12の積層体の最上層の電気めっき膜12を覆うように保護膜13が形成される。
図1Bに示すように、保護膜形成サブルーチンは、ステップS21〜S24を含む。
<ステップS21>前駆体溶液作製
1モル/Lのテトラエトキシシラン(TEOS)と、1.5モル/Lのカテコールとを含む、トルエンを溶媒とする溶液が100℃で1時間加熱され、カテコールがトルエンに完全に溶解した前駆体溶液が作製される。
図3に示すように、TEOSとカテコールとは錯体を形成するため、カテコールがトルエンに溶解すると考えられる。加熱前の液体は放置するとカテコールの沈殿が生じるが、加熱処理後の前駆体溶液は、無色〜薄いピンク色で放置しても沈殿は生じない。
なお、前駆体溶液は、安定であり長期間、例えば5年間以上、保存できる。
<ステップS22>コーティング溶液作製
前駆体溶液に、反応開始剤であるケトンを加えることで、コーティング溶液が作製される。ケトンとしては、例えば、アセチルアセトン、アセトン、メチルエチルケトン等を用いる。溶媒でもあるケトンの添加量は、前駆体溶液中の有機溶剤であるトルエンの濃度との関係で決定されるが、1モルのTEOSに対して、2モル以上が好ましく、特に、好ましくは5モル以上である。
図4に示すように、ケトンの添加により、TEOSとカテコールとの錯体は、異なる状態に変化すると考えられる。すでに説明したように前駆体溶液は、無色〜薄いピンク色であったが、コーティング溶液はアセチルアセトンの場合、黄緑〜緑色、アセトン及びメチルエチルケトンの場合、茶色である。言い換えれば、溶液の色が変化したことで、TEOSとカテコールとケトンとが錯体化したことを確認できる。
以上の説明のように、コーティング溶液は、アルコキシシラン及びカテコールが錯体を形成し溶解している有機溶剤と、反応開始剤であるケトンと、を含み、アルコキシシラン及びカテコール及びケトンが錯体を形成しており、金属に耐熱性保護膜を形成する。
なお、コーティング溶液は、常温でも比較的短時間(例えば10分間)で、沈殿を生じたりすることがあるため、作製後、直ちに塗布される。
<ステップS23、S24>塗布/乾燥
例えば、スピンコート法によりコーティング溶液が電気めっき膜12を覆うように塗布される。その後、例えば、ホットプレート等を用いて100℃20分間の、溶媒を蒸発する乾燥処理が行われ、保護膜13が形成される。乾燥処理後の保護膜13の厚さは、100nm〜1000nmが好ましく、400nm〜800nmが特に好ましい。
前記下限以上であれば、ピンホール等の発生が殆どなく、発生しても、ピンホールを起点とする、めっき膜の酸化反応が進行せず、酸化層が広がらない。保護膜としての機能を十分に有し、前記上限以下であれば、ひび割れ等が発生しにくい。なお、引き続いて熱処理が行われるため、熱処理工程が乾燥工程を兼ねていても良い。
なお、塗布/乾燥は、公知の各種の方法を用いることができる。
<ステップS16>熱処理
大気中、500℃、1時間の熱処理が行われる。熱処理により、保護膜13はSi重合膜に変化し、Cuめっき膜の酸化を防止する耐酸化保護膜になる。同時に、Cuめっき膜11とガラス基板10との密着強度が飛躍的に改善する。この原因は、図2(B)に示すように、Cuめっき膜11の一部がガラス基板10に拡散し、一部のガラス成分がめっき膜11に拡散し、拡散層19を形成しているためと考えられる。また、後述するように、熱処理により、保護膜13は、Cuめっき膜11の一部が拡散した保護層13Aに変化する。
熱処理により保護膜13の厚さは収縮する。熱処理後の保護膜13の厚さは、10nm〜500nmが好ましく、50nm〜100nmが特に好ましい。なお、この範囲は、前述した乾燥処理後の保護膜13の厚さ範囲と対応している。
熱処理温度は、350℃〜550℃であり、好ましくは350℃〜500℃である。前記下限以上では、密着性改善効果があり、前記上限以下では、ガラス基板10が損傷したり、Cuとガラスとの熱膨張係数差により剥離が生じたりすることがない。熱処理時間は、10分〜10時間が好ましい。前記下限以上では密着性が十分に改善し前記上限以下では生産性が悪くならない。
<ステップS17>保護膜剥離
図2(C)に示すように、保護膜13が、溶液により剥離され、めっきガラス基板1が作製される。すなわち、熱処理後の保護膜13は、例えば、10%硫酸等の酸溶液、又は10%水酸化ナトリウム溶液等のアルカリ溶液により剥離可能である。剥離工程の条件は、例えば、室温〜60℃で、10秒〜10分程度である。なお、表面研磨等により剥離してもよい。また、保護膜剥離が不要な場合には、剥離工程は行われない。
<評価>
めっき膜の密着性評価は、2mm角の碁盤目状にカッターで切れ目を入れ、粘着テープによる剥離を確認するクロスカットテストで行った。また、外観目視により、フクレ等の有無及び変色を確認した。
実施形態の銅めっき膜の形成方法では、クロスカットテストによる剥離及び外観目視による不良はなかった。すなわち、めっきガラス基板1のCuめっき膜11の外観は、熱処理前と同様の、いわゆる赤銅色の金属銅と同じであった。
これに対して、熱処理温度が350℃未満の場合には、クロスカットテストによる剥離が発生し、550℃超の場合には、酸化による変色することがあった。
なお、コーティング溶液には、TEOSに替えて、テトラメトキシシラン等の各種のアルコキシランを用いてもよい。アルコキシラン濃度は、0.5〜1モル/Lが好ましく、カテコールのモル濃度は、アルコキシランのモル濃度の1〜2倍が好ましい。有機溶媒としては、ブチルエーテル等を用いてもよい。前記範囲内であれば、クロスカットテストによる剥離及び外観目視による不良が発生しない。また、前駆体溶液においてカテコールが完全に溶解する。
なお、カテコールを添加しないコーティング溶液により保護膜を形成した場合には、銅が酸化し、めっき膜が黒く変色していた。なお、カテコールに替えて、4−メチルカテコールを添加したコーティング溶液により保護膜を形成した場合には少し黒く変色し、4−t−ブチルカテコールを添加したコーティング溶液により保護膜を形成した場合には、未添加コーティング溶液と同様に黒色に変色した。
また、前駆体溶液の作製を、25℃で行った場合には、5時間経過しても錯体は形成されずカテコールは十分に溶解せず白色沈殿が生じた。この錯体を形成していない前駆体溶液から作製したコーティング溶液を用いて形成した保護膜では、熱処理後には、銅が酸化し、めっき膜が黒く変色していた。
これに対して、前駆体溶液の作製が、80℃1時間、又は110℃1時間の場合には、いずれもカテコールが溶解した錯体が形成され、保護膜13により、めっき膜は保護されていた。
ここで、図5、図6及び図7に、グロー放電発光分析(GD−OED)により、各種条件で作製した試料の深さ方向のCu及びSiの分析を行った結果を示す。図5に示すように、カテコールを添加しない比較例のコーティング溶液を用いた場合には、アルコキシランが重合する前に蒸発したり、熱処理中に剥離したりしたためか、最表面においてもCuが主成分であった。これに対して、図6に示す実施形態のコーティング溶液による保護膜では保護膜19にCuが拡散していた。
別途、XPSで行った組成分析では、以下に示すように保護膜19からは、Si及びCuに加えて、酸素(O)と炭素(C)とが検出された。すなわち、熱処理後の保護膜19は、SiCu―CO膜となっている。XPSでは表面の汚染物を除去した後に分析を行った。なお、図7に示すように実施形態のコーティング溶液による保護膜でも、熱処理前は保護膜19にCuは拡散していない。
元素 熱処理前 熱処理後
Si 5.3 at.% 14.1 at.%
O 25.7 at.% 55.8 at.%
C 69.0 at.% 25.1 at.%
Cu 0.0 at.% 5.0 at.%
ここで、熱処理後には、ガラス基板10にも銅が拡散していた。すなわち、熱処理により、めっき膜11、12の銅は、保護膜19とガラス基板10とに拡散する。
アルコキシランが重合したSiOC膜は酸には溶解しない。これに対して、保護膜19が、酸に溶解するのは、Cuめっき膜11のCuが保護膜19に拡散したためと考えられる。
なお、Cuめっき膜を配線層としてパターニングする場合には、少なくとも保護膜形成工程の前にパターニングすることが好ましい。熱処理後では、ガラス基板10に銅が拡散しているため、配線間の絶縁抵抗が劣化しているおそれがあるためである。
もちろん、ガラス基板10に銅が拡散していても、配線間の絶縁抵抗に問題が生じない配線パターン等であれば、保護膜13を剥離後にパターニングを行ってもよい。また、パターニング後に、例えば、アルカリ溶液によりエッチング処理を行い、配線間の銅が拡散したガラス層を熔解してもよい。
以上の説明のように、実施形態の銅めっき膜の形成方法は、全工程が大気中で行われる。すなわち、真空又は不活性ガス雰囲気等の特殊環境で行う必要がないため、大面積のガラス基板の処理を安価に行える。
すなわち、実施形態の銅めっき膜の形成方法は、大気中かつ溶液プロセスで、ガラス基板上へ密着性の高い銅めっき膜を形成できる、また、実施形態のコーティング溶液は、大気中熱処理工程において金属の酸化を防止でき、かつ、溶液で剥離できる保護膜を形成できる。
そして、銅はAgと異なりマイグレーションが発生し難く、かつ、安価であるため、実施形態の銅めっき膜の形成方法及びコーティング溶液は、特に配線板の製造に好ましく用いることができる。
ここで、Cuめっき膜に替えて、ニッケルめっき膜、鉄めっき膜等においても実施形態の保護膜は耐酸化保護膜として機能する。
なお、Cuめっき膜は、Cuを50at%以上含有する銅合金からなる合金めっき膜であってもよい。例えば、CuNiPめっき膜又はCuSnBめっき膜等を実施形態のめっき膜、特に無電解めっき膜として用いることができる。また、実施形態の保護膜13が、基板上のめっき膜だけでなく、例えば、銅箔の熱酸化防止効果を有することは言うまでも無い。
<第2実施形態>
次に第2実施形態の銅めっき膜の形成方法について説明する。本実施形態の方法は、第1実施形態の方法と類似しているため、同じ工程等の説明は省略する。
第1実施形態の方法では、ステップS13の無電解めっき工程に引き続いて、ステップS14の電気めっき工程が行われた。言い換えれば、ステップS15のめっき工程が、無電解銅めっき膜を成膜する無電解めっき工程と、無電解銅めっき膜を導電膜として電気銅めっき膜を成膜する電気めっき工程と、を含んでいた。
これに対して、本実施形態の方法では、ステップS15のめっき工程が、無電解めっき工程又は電気めっき工程のいずれかである。
めっき工程が、無電解めっき工程だけの場合には、ステップS17の保護膜剥離工程の後に、電気めっき工程が行われてもよい。
また、めっき工程が、電気めっき工程だけの場合には、いわゆるダイレクトプレーティングにより、Pd触媒層を導電層として電気めっきが行われる。
第2実施形態の銅めっき膜の形成方法は、第1実施形態の銅めっき膜の形成方法と同じ効果を有し、めっき工程が、より単純で生産性に優れている。
<第3実施形態>
次に第3実施形態の銅めっき膜の形成方法について説明する。本実施形態の方法は、第1実施形態の方法等と類似しているため、同じ工程等の説明は省略する。
本実施形態では、無機材料からなる基板として、ガラスグレーズアルミナ基板を用いた。ガラスグレーズアルミナ基板は、ガラス粉末とバインダとを含むガラスペーストをアルミナ基板に塗布し、焼成することにより表面にガラスグレーズ層が形成されている。
ガラスグレーズアルミナ基板、ガラスグレーズAlN基板等のガラスグレーズセラミック基板は、第1実施形態で説明したガラス基板10を用いた場合と同様の工程で銅めっき膜の形成を行うことができ、同様の効果を得られる。
ガラスグレーズ層を形成しないセラミック基板等、例えば、シリコンウエハ、アルミナ基板、SiC系セラミック基板等を用いても、第1実施形態の銅めっき膜の形成方法と同じ効果を得ることもできる。この場合には、Cuが基板に拡散しにくいので、より高温での熱処理を行うことが好ましい。しかし、熱処理温度が高いと、Cuとセラミックとの熱膨張係数差等により、ふくれ等の不具合が発生することがある。このため、やはり、熱処理温度は550℃以下であることが好ましい。
また、以上の説明では、銅めっき膜について説明したが、無電解ニッケルめっき膜においても、同様の効果を得られる。無電解ニッケルめっきは、NiP、NiB等のニッケル合金からなる。
本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を変えない範囲において、種々の変更、改変等が可能である。
1…めっきガラス基板
10…ガラス基板
11…無電解めっき膜
12…電気めっき膜
13…保護膜
19…拡散層

Claims (15)

  1. 無機材料からなる基板にめっき膜を成膜するめっき工程と、
    前記めっき膜を覆う保護膜を塗布する保護膜形成工程と、
    350℃〜550℃以下の温度で大気中熱処理を行う熱処理工程と、
    前記保護膜を剥離する剥離工程と、を具備することを特徴とするめっき膜の形成方法。
  2. 前記基板が、ガラス基板又はガラスグレーズセラミック基板であることを特徴とする請求項1に記載のめっき膜の形成方法。
  3. 前記保護膜形成工程において、アルコキシシランとカテコールと有機溶剤と反応開始剤であるケトンとを含むコーティング溶液が塗布されることを特徴とする請求項2に記載のめっき膜の形成方法。
  4. 前記剥離工程において、溶液を用いて前記保護膜が溶解されることを特徴とする請求項3に記載のめっき膜の形成方法。
  5. 前記アルコキシシランがテトラエトキシシランであり、
    テトラエトキシシラン1モルに対してカテコールを1モル〜2モル含む溶液を加熱し、カテコールが溶解した前駆体溶液を作製する前駆体溶液作製工程と、
    前記保護膜形成工程の前に前駆体溶液にケトンを加えるコーティング溶液作製工程と、を含むことを特徴とする請求項4に記載のめっき膜の形成方法。
  6. 前記めっき膜をパターニングするパターニング工程を、前記保護膜形成工程の前に具備することを特徴とする請求項5に記載のめっき膜の形成方法。
  7. 前記めっき工程が、無電解銅めっき膜を成膜する無電解めっき工程と、前記無電解銅めっき膜を導電膜として電気銅めっき膜を成膜する電気めっき工程と、を含むことを特徴とする請求項6に記載のめっき膜の形成方法。
  8. 前記めっき工程が、無電解銅めっき膜を成膜する無電解めっき工程、又は、電気銅めっき膜を成膜する電気めっき工程のいずれかであることを特徴とする請求項6に記載のめっき膜の形成方法。
  9. アルコキシシラン及びカテコールが溶解した有機溶剤と、反応開始剤であるケトンと、を含み、塗布された金属に耐酸化保護膜を形成することを特徴とするコーティング溶液。
  10. 前記アルコキシシランがテトラエトキシシランであり、
    テトラエトキシシラン1モルに対して、カテコールが1モル〜2モルであることを特徴とする請求項9に記載のコーティング溶液。
  11. テトラエトキシシランとカテコールと有機溶剤とを含む溶液が加熱されて、カテコールが溶解した前駆体溶液に、前記ケトンが加えられることで作製されることを特徴とする請求項10に記載のコーティング溶液。
  12. 前記金属が、銅又は銅合金又はニッケル合金であることを特徴とする請求項11に記載のコーティング溶液。
  13. 前記保護膜が、350℃〜550℃の大気中熱処理から、前記金属の酸化を防止することを特徴とする請求項12に記載のコーティング溶液。
  14. 前記熱処理後の前記保護膜が溶液により溶解することを特徴とする請求項13に記載のコーティング溶液。
  15. 前記金属が、ガラス基板又はガラスグレーズセラミック基板に成膜されためっき膜であることを特徴とする請求項14に記載のコーティング溶液。
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JPH0778931A (ja) * 1993-06-18 1995-03-20 Advantest Corp 薄膜ハイブリッドicの製作法

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