JP5405238B2 - 非水電解質一次電池 - Google Patents
非水電解質一次電池 Download PDFInfo
- Publication number
- JP5405238B2 JP5405238B2 JP2009202261A JP2009202261A JP5405238B2 JP 5405238 B2 JP5405238 B2 JP 5405238B2 JP 2009202261 A JP2009202261 A JP 2009202261A JP 2009202261 A JP2009202261 A JP 2009202261A JP 5405238 B2 JP5405238 B2 JP 5405238B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- battery
- volume
- primary battery
- nonaqueous electrolyte
- sulfone
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Images
Classifications
-
- Y02E60/122—
Landscapes
- Primary Cells (AREA)
- Battery Electrode And Active Subsutance (AREA)
Description
一方、負極においては、ビニレンカーボネート又はフルオロエチレンカーボネートの分解生成物を主体とする被膜が生じるため、例え電池の保存時に、正極からある程度マンガンが溶出しても、溶出したマンガンが負極上で還元され析出することに起因する電解液の分解を抑止できる。
一方、負極においては、ビニレンカーボネート又はフルオロエチレンカーボネートの分解生成物を主体とする被膜が生じるが、この被膜中にはビニル基を有するスルホンの分解生成物が取り込まれる。このような構成であれば、理由は定かではないが、リチウムイオン導電性に優れた良質な被膜となる。
以上のように、正負両極において良質の被膜が生じる結果、優れた低温放電特性を維持したまま、電池保存時に、電池の内部抵抗が上昇するのを飛躍的に抑制するという効果が得られる。
また、二酸化マンガンを主活物質とする正極とは、正極における活物質の総量に対する二酸化マンガンの割合が50質量%以上の場合をいう。
2個のビニル基を有し、直鎖の短いジビニルスルホンを用いることにより、一層良質な被膜を正負両極の表面に形成することができるからである。但し、ビニル基を有するスルホンとしてはジビニルスルホンに限定するものではなく、ビニルスルホン酸等であっても良いことは勿論である。
ジビニルスルホン、又は、ビニレンカーボネートやフルオロエチレンカーボネートの添加量が上記範囲未満であると、その添加効果が十分に得られない一方、添加量が上記範囲を超えると、生成する被膜が厚<なり過ぎて、放電時(特に、−20℃等の低温下の放電時)に著しく電圧降下が生じて、放電容量が減少するからである。さらに、ジビニルスルホンや、ビニレンカーボネート、フルオロエチレンカーボネートは高価であるため、これらの添加量を多くすると、電池のコストアップを招来する。そこで、ジビニルスルホンや、ビニレンカーボネート、フルオロエチレンカーボネートの添加量を上記の範囲に規制すれば、必要最低限の量(低コスト)で最大の効果を得ることができる。
二酸化マンガンに酸化ホウ素が含まれていれば、正極表面の被膜中に酸化ホウ素が存在することになるので、被膜のリチウムイオン導電性が一層向上する。また、正極表面の被膜中に酸化ホウ素が存在する場合には、酸化ホウ素が所謂フィラーとしての役割を担うことができるので、高分子から成る被膜の耐久性か向上して、高温での保存特性が一層向上する。
また、酸化ホウ素の割合を上記のように規制するのは、酸化ホウ素の割合が0.1質量%未満であると、添加効果が十分に得られない一方、添加量が1.0質量%を超えると、生成する被膜が厚くなり過ぎて、放電容量が減少するからである。
先ず、酸化ホウ素(B2O3)と二酸化マンガンとの総量に対するホウ素量が0.5質量%となるように酸化ホウ素が添加された二酸化マンガンを、空気中にて375℃で20時間熱処理(焼成)し、粉砕することにより、正極活物質としてのホウ素含有二酸化マンガンを得た。
次に、上記ホウ素含有二酸化マンガンの粉末と、導電剤としてのカーボンブラックの粉末と、結着剤としてのフッ素樹脂の粉末とを、質量比85:10:5の割合で混合して正極合剤を得た後、この正極合剤をSUSメッシュに圧着し、更に、真空中にて250℃で2時間乾燥することにより正極を作製した。
アルミニウムを0.5質量%添加したリチウム(Li−Al)合金を、シート状に加工し、負極を作製した。
エチレンカーボネート(EC)と、ブチレンカーボネート(BC)と、1,2−ジメトキシエタン(DME)とを、体積比で15:15:70の割合で混合した混合溶媒に、支持電解質塩としてのトリフルオロメタンスルホン酸リチウム(LiCF3SO3)を0.6モル/リットル溶かし、更に、添加剤としてジビニルスルホン(DVS)とビニレンカーボネート(VC)とを、上記混合溶媒に対して、それぞれ0.1体積%、0.1体積%添加することにより非水電解液を調製した。
先ず、上記正極1と負極2との間に、ポリエチレン製の微多孔膜から成るセパレータ3を配置した後、これを渦巻状に巻回して巻取電極体5を作製し、図1に示すように、この巻取電極体5を、上部に開口部を有する有底円筒状の負極缶4の収納空間内に配置した。
上記発明を実施するための形態と同様にして電池を作製した。
このようにして作製した電池を、以下、本発明電池A1と称する。
上記混合溶媒に対するVCの添加量(以下、単にVCの添加量と称する)を、それぞれ、0.5体積%、1.0体積%、2.0体積%とした他は、上記実施例1と同様にして電池を作製した。
このようにして作製した電池を、以下それぞれ、本発明電池A2〜A4と称する。
VCの添加量を1.0体積%とし、且つ、上記混合溶媒に対するDVSの添加量(以下、単にDVSの添加量と称する)を0.05体積%とした他は、上記実施例1と同様にして電池を作製した。
このようにして作製した電池を、以下、本発明電池A5と称する。
VCの代わりにFECを添加(上記混合溶媒に対する添加量は0.1体積%)した他は、上記実施例1と同様にして電池を作製した。
このようにして作製した電池を、以下、本発明電池A6と称する。
DVSとVCとを添加しない他は、上記実施例1と同様にして電池を作製した。
このようにして作製した電池を、以下、比較電池Z1と称する。
VCを添加しない他は、上記実施例1と同様にして電池を作製した。
このようにして作製した電池を、以下、比較電池Z2と称する。
DVSを添加しない他は、上記実施例1と同様にして電池を作製した。
このようにして作製した電池を、以下、比較電池Z3と称する。
VCを添加せず、且つ、DVSの添加量を0.05体積%とした他は、上記実施例1と同様にして電池を作製した。
このようにして作製した電池を、以下、比較電池Z4と称する。
DVSを添加しない他は、上記実施例6と同様にして電池を作製した。
このようにして作製した電池を、以下、比較電池Z5と称する。
上記本発明電池A1〜A6及び比較電池Z1〜Z5の内部抵抗上昇量を、下記の方法で調べたので、その結果を表1に示す。尚、表1の括弧内は、比較電池Z1の内部抵抗上昇量を100とした場合に、各電池の内部抵抗上昇量を指数で表したものである。
・実験方法
深い放電深度ではマンガンの溶出がより顕著にあらわれることを考慮して、3mAにて667時間定電流放電を行った後、40℃環境下で50日間保存した。次いで、交流四端子法で1kHzでのインピーダンスを測定し、これを保存後内部抵抗とした。そして、この保存後内部抵抗から保存前内部抵抗を減算して、内部抵抗上昇量を算出した。
また、同様の理由から、DVSの添加量は、0.01体積%以上0.3体積%以下に規制することが望ましく、特に、0.05体積%以上0.1体積%以下に規制するのが望ましい。更に、同様の理由から、FECの添加量は、0.1体積%以上2.0体積%以下に規制することが望ましく、特に、0.5体積%以上1.0体積%以下に規制するのが望ましい。
2:負極
3:セパレータ
4:負極缶
5:巻取電極体
10:正極端子
Claims (5)
- 二酸化マンガンを主活物質とする正極と、金属リチウム又はリチウム合金を含む負極と、溶媒及び電解質塩を含む非水電解液と、を備えた非水電解質一次電池において、
上記非水電解液には、ビニル基を有するスルホン及びビニレンカーボネート、又は、ビニル基を有するスルホン及びフルオロエチレンカーボネートが添加されていることを特徴とする非水電解質一次電池。 - 上記ビニル基を有するスルホンがジビニルスルホンである、請求項1に記載の非水電解質一次電池。
- 上記溶媒に対する上記ジビニルスルホンの添加量が、0.1体積%以上0.3体積%以下に規制され、上記溶媒に対する上記ビニレンカーボネートもしくは上記フルオロエチレンカーボネートの添加量が、0.1体積%以上2.0体積%以下に規制される、請求項2記載の非水電解質一次電池。
- 上記正極には酸化ホウ素が含まれている、請求項1〜3の何れか1項に記載の非水電解質一次電池。
- 上記酸化ホウ素と上記二酸化マンガンとの総量に対する上記酸化ホウ素の割合が、0.1質量%以上1.0質量%以下に規制される、請求項4に記載の非水電解質一次電池。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2009202261A JP5405238B2 (ja) | 2009-09-02 | 2009-09-02 | 非水電解質一次電池 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2009202261A JP5405238B2 (ja) | 2009-09-02 | 2009-09-02 | 非水電解質一次電池 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2011054417A JP2011054417A (ja) | 2011-03-17 |
JP5405238B2 true JP5405238B2 (ja) | 2014-02-05 |
Family
ID=43943206
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2009202261A Active JP5405238B2 (ja) | 2009-09-02 | 2009-09-02 | 非水電解質一次電池 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP5405238B2 (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US10847841B2 (en) | 2017-11-15 | 2020-11-24 | Samsung Electronics Co., Ltd. | Electrolyte additive for lithium battery, organic electrolyte solution including the same, and lithium battery including the same |
US11735773B1 (en) | 2020-03-20 | 2023-08-22 | Greatbatch Ltd. | Lithium electrochemical cell activated with an electrolyte containing LiBOB and FEC additives |
US11742520B2 (en) | 2020-05-15 | 2023-08-29 | Greatbatch Ltd. | Lithium electrochemical cell activated with an electrolyte containing DBC, LiBOB and FEC additives |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR20190055733A (ko) * | 2017-11-15 | 2019-05-23 | 삼성전자주식회사 | 리튬전지 전해질 첨가제, 이를 포함하는 유기전해액 및 리튬전지 |
Family Cites Families (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100515298B1 (ko) * | 2003-03-24 | 2005-09-15 | 삼성에스디아이 주식회사 | 비수성 전해질 및 이를 포함하는 리튬 이차 전지 |
JP2008192391A (ja) * | 2007-02-02 | 2008-08-21 | Sony Corp | 非水電解質組成物及び非水電解質二次電池 |
-
2009
- 2009-09-02 JP JP2009202261A patent/JP5405238B2/ja active Active
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US10847841B2 (en) | 2017-11-15 | 2020-11-24 | Samsung Electronics Co., Ltd. | Electrolyte additive for lithium battery, organic electrolyte solution including the same, and lithium battery including the same |
US11735773B1 (en) | 2020-03-20 | 2023-08-22 | Greatbatch Ltd. | Lithium electrochemical cell activated with an electrolyte containing LiBOB and FEC additives |
US11742520B2 (en) | 2020-05-15 | 2023-08-29 | Greatbatch Ltd. | Lithium electrochemical cell activated with an electrolyte containing DBC, LiBOB and FEC additives |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2011054417A (ja) | 2011-03-17 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5108205B2 (ja) | 全固体型リチウム二次電池 | |
JP4012174B2 (ja) | 効率的な性能を有するリチウム電池 | |
JP5942849B2 (ja) | 二次電池用非水電解液および二次電池 | |
JP4821161B2 (ja) | リチウム二次電池用非水系電解液およびリチウム二次電池 | |
CN106558733A (zh) | 非水电解质二次电池 | |
EP1711971A1 (en) | Electrode additives coated with electro conductive material and lithium secondary comprising the same | |
CN106920963A (zh) | 非水电解质二次电池 | |
JP2000067914A (ja) | 再充電可能な電気化学電池の低温度での放電のための非水性有機電解液 | |
JP2002198092A (ja) | 非水性電解液再充電可能な電池のホスフェート添加剤 | |
WO2019054418A1 (ja) | 非水電解液用添加剤、非水電解液、及び非水電解液電池 | |
JP2009211822A (ja) | 非水電解質二次電池 | |
JP2011040311A (ja) | 二次電池用電解液およびリチウムイオン二次電池 | |
JP4952074B2 (ja) | 非水系電解液および非水系電解液二次電池 | |
CN113067033B (zh) | 电化学装置及电子装置 | |
US10511015B2 (en) | Electrode for electrochemical device, method for preparing the same, and electrochemical device comprising the same | |
JP2018181772A (ja) | 非水電解質蓄電素子及びその製造方法 | |
JP2006244739A (ja) | 非水系電解液二次電池及び非水系電解液二次電池用電解液 | |
JP5405238B2 (ja) | 非水電解質一次電池 | |
JP2017208215A (ja) | 蓄電素子用非水電解質、非水電解質蓄電素子及びその製造方法 | |
JP2009252681A (ja) | 一次電池用非水電解液、及びそれを用いた非水電解液一次電池 | |
WO2019031598A1 (ja) | 非水電解質及び非水電解質蓄電素子 | |
JP7079687B2 (ja) | 活物質層、リチウムイオン二次電池用負極、およびリチウムイオン二次電池 | |
WO2022054338A1 (ja) | リチウム2次電池 | |
JP5908551B2 (ja) | 非水電解質電池用セパレータ | |
JP7062976B2 (ja) | 非水電解質及び非水電解質蓄電素子 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20120829 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20131002 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20131030 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 5405238 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
S531 | Written request for registration of change of domicile |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |
|
S111 | Request for change of ownership or part of ownership |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |