本発明は、重量選別機に関し、特に物品を搬送しながら当該物品の重量を測定する計量コンベヤを備えた、重量選別機に関する。
この種の重量選別機においては、計量コンベヤの長さ寸法(詳しくは計量コンベヤによる物品の搬送方向における寸法)が物品の長さ寸法(詳しくは同搬送方向における寸法)よりも大きいことが、必要とされる。ただし、計量コンベヤの長さ寸法が過度に大きいと、当該計量コンベヤによって単位時間当たりに重量測定可能な物品の個数が減少し、ひいては重量選別機全体の処理能力が低下する。従って、計量コンベヤの長さ寸法は、物品の長さ寸法に応じた適当な大きさであるのが、望ましい。言い換えれば、物品の長さ寸法が様々である用途においては、当該物品の長さ寸法に応じて計量コンベヤの長さ寸法が適宜に変更可能とされるのが、望ましい。
これを実現するべく、従来、例えば特許文献1に開示されたものがある。この従来技術によれば、図9(a)に示すように、複数台、例えば2台、の計量コンベヤ(コンベヤ秤)202および204が、直列かつ隣接して配置されている。そして、これらの計量コンベヤ202および204上を、後述する物品(荷物)Aが、同図に矢印206で示す方向に搬送される。なお、同図において左側にある言わば上流側の計量コンベヤ202は、搬送手段としてのコンベヤ208と、このコンベヤ208を支持すると共に当該コンベヤ208を介して印加される荷重を検出するロードセル等の荷重検出手段210と、を備えている。また、特許文献1には明記されていないが、荷重検出手段210は、装置本体の基部212に固定されている。これと同様に、同図において右側にある下流側の計量コンベヤ204も、コンベヤ214と荷重検出手段216とを備えている。そして、荷重検出手段216は、基部212に固定されている。これらの計量コンベヤ202および204(コンベヤ208および214)の長さ寸法L1’およびL2’は、互いに同じであってもよいし、そうでなくてもよい。
ここで、例えば、図9(b)に示すように、物品Aの長さ寸法Laが上流側の計量コンベヤ202の長さ寸法L1’よりも小さい(La<L1’)、とする。この場合は、当該上流側のコンベヤ202のみによって、つまり荷重検出手段210の出力のみに基づいて、物品Aの重量測定が行われる。なお、物品Aの長さ寸法Laが下流側のコンベヤ204の長さ寸法L2’よりも小さい(La<L2’)場合には、当該下流側の計量コンベヤ204のみによって、つまり荷重検出手段216の出力のみに基づいて、物品Aの重量測定が行われてもよい。
一方、図9(c)に示すように、物品Aの長さ寸法Laが各計量コンベヤ202および204の長さ寸法L1’およびL2’のいずれよりも大きい(L1’<La,L2’<La)場合には、当該各計量コンベヤ202および204の組合せによって、つまり各荷重検出手段210および216の出力の加算値に基づいて、物品Aの重量測定が行われる。ただし、物品Aの長さ寸法Laが各計量コンベヤ202および204の長さ寸法L1’およびL2’を足し合わせた寸法L1’+L2’よりも小さい(La<L1’+L2’)ことが、条件とされる。
また、別の従来技術として、例えば特許文献2に開示されたものがある。この別の従来技術によれば、図10(a)に示すように、L1”という長さ寸法のコンベヤ302と、これよりも大きいL2”(>L1”)という長さ寸法のコンベヤ304とが、直列に設けられている。そして、これらのコンベヤ302および304上を、図示しない物品が、同図に矢印306で示す方向に搬送される。なお、上流側のコンベヤ302は、下流側のコンベヤ304に物品を送り込むための助走コンベヤ308として機能する。そして、下流側のコンベヤ304は、当該物品の重量を測定するための計量コンベヤ(秤量コンベヤ)310として機能する。このため、上流側のコンベヤ302は、基部312に固定された助走部取付板314によって支持されている。そして、下流側のコンベヤ304は、秤量部取付板316を介して荷重検出手段(秤量手段)318によって支持されており、荷重検出手段318は、基部312に固定されている。
さらに、上流側の、言い換えれば短い方の、コンベヤ302は、助走部取付板314に対して着脱可能とされている。これと同様に、下流側の長い方のコンベヤ304もまた、秤量部取付板316に対して着脱可能とされている。そして、短い方のコンベヤ302は、秤量部取付板316に対しても着脱可能とされており、長い方のコンベヤ304もまた、助走部取付板314に対して着脱可能とされている。つまり、各コンベヤ302および304は、互いに交換可能とされている。
従って、物品の長さ寸法が比較的に小さい場合、詳しくは短い方のコンベヤ302の長さ寸法L1”よりも小さい場合は、図10(b)に示すように、当該短い方のコンベヤ302が秤量部取付板316に取り付けられ、長い方のコンベヤ304が助走部取付板314に取り付けられる。つまり、短い方のコンベヤ302が計量コンベヤ310として機能し、長い方のコンベヤ304が助走コンベヤ308として機能する、という構成が、採用される。そして、物品の長さ寸法が比較的に大きい場合、詳しくは短い方のコンベヤ302の長さ寸法L1”よりも大きく、かつ長い方のコンベヤ304よりも小さい場合には、図10(a)に示したように、長い方のコンベヤ304が計量コンベヤ310として機能し、短い方のコンベヤ302が助走コンベヤ308として機能する、という構成が、採用される。
特開平10−122940号公報
特開2005−187170号公報
しかしながら、特許文献1に開示された従来技術では、例えば図9(b)に示したように物品Aの長さ寸法Laが比較的に小さい場合、つまり各計量コンベヤ202および204のいずれか一方のみによって当該物品Aの重量測定が行われる場合には、各計量コンベヤ202および204の他方は、単に物品を搬送するための言わば搬送用コンベヤとして機能する。従って、この状態においては、当該他方の計量コンベヤ202または204の荷重検出手段210または216は全く無用であり、つまり計量部が2箇所に設けられている点で不経済である。
また、図9(c)に示したように物品Aの長さ寸法Laが比較的に大きい場合、つまり各計量コンベヤ202および204の組合せによって物品Aの重量測定が行われる場合にも、次のような問題がある。即ち、物品Aが上流側の計量コンベヤ202に載り込む際に、その衝撃によって荷重検出手段210の出力に比較的に大きな2次振動系の過渡応答ノイズが現れる。そして、物品Aが下流側の計量コンベヤ204に載り込む際にも、同様に、荷重検出手段216の出力に過渡応答振動ノイズが現れる。このように2台の荷重検出手段210および216に対して負荷荷重が印加されるたびに現れる2度の過渡応答振動ノイズは、言うまでもなく、重量測定精度に影響する。従って、高い重量測定精度を得るには、当該過渡応答振動ノイズ、特に物品Aが下流側の計量コンベヤ204に載り込む際に現れる後者の過渡応答振動ノイズ、が十分に減衰することが、必要とされる。言い換えれば、後者の過渡応答振動ノイズが十分に減衰する前に、物品Aの先端(同図において右側の端部)が下流側の計量コンベヤ204の下流端(同図において右側の端部)に達すると、つまり物品Aが下流側のコンベヤ204から排出され始めると、高い重量測定精度が得られない。要するに、見かけ上、計量コンベヤ全体の長さ寸法はL1+L2であるが、この長さ寸法L1+L2に見合う高い重量測定精度を得ることができない。言い換えれば、計量コンベヤにおいては、一般に、当該計量コンベヤの長さ寸法が大きいほど、過渡応答振動ノイズの影響が低減されて、重量測定精度が高くなるが、特許文献1に開示された従来技術では、このようなメリットが得られない。このことは、物品Aの重量が大きいほど、また下流側の計量コンベヤ204の長さ寸法L2’が小さいほど、顕著になる。
これに対して、特許文献2に開示された別の従来技術では、図10に示したように荷重検出手段318が1台であるので、この点においては、特許文献1に開示された従来技術に比べて、つまり2台の荷重検出手段210および216を備える図9の構成に比べて、経済的である。また、特に図9(c)の構成では、上述したように、2台の荷重検出手段210および216に負荷荷重が印加されるたびに現れる2度の過渡応答振動ノイズによって重量測定精度が低下するが、この別の従来技術、特に図10(a)の構成では、そのような要因は取り除かれている。しかしながら、この別の従来技術では、長さ寸法の小さい物品の重量を単独で測定するためのコンベヤ302と、長さ寸法の大きい物品の重量を単独で測定するためのコンベヤ304とが、常に直列に配置されているので、これらのコンベヤ302および304を含む装置全体が、図9の構成に比べて長大化する。具体的には、例えば、当該別の従来技術によって対応可能な物品の最大長さ寸法が、図9の構成によるのと同じであるとすると、当該別の従来技術における長い方のコンベヤ304の長さ寸法L2”は、図9の構成における各計量コンベヤ202および204の合計長さ寸法L1’+L2’と概ね同じ(L2”≒L1’+L2’)になる。そうすると、当該別の従来技術は、図9の構成に比べて、少なくとも短い方のコンベヤ302の長さ寸法L1”分だけ長大化する。
また、この別の従来技術においても、長さ寸法の大きい物品の重量測定を行う場合に、上述の特許文献1に開示された従来技術とは別の理由により、高い重量測定精度が得られない、という問題がある。即ち、当該別の従来技術において、長さ寸法の大きい物品の重量測定を行う場合、図10(a)に示したように長い方のコンベヤ304が秤量部取付板316を介して荷重検出手段318に結合され、短い方のコンベヤ302が助走部取付板314に結合される。ところが、これらのコンベヤ302および304は互いに交換可能とされているため、特に図10(a)における長い方のコンベヤ304については、秤量部取付板316を介しての荷重検出手段318との結合部分の位置が、当該コンベヤ304の中心位置から大きく外れてしまう。つまり、秤量部取付板316を介してのコンベヤ304と荷重検出手段318との結合部分から当該コンベヤ304の両端までの各距離L3”およびL4”に大きな差が生じ、言わばアンバランスとなる。このため、特にコンベヤ304に物品が載り込んだときに、荷重検出手段318の着力点に対して大きなモーメントが作用し、このモーメントによる不必要に大きな衝撃荷重によって、重量測定精度が悪くなる。
そこで、本発明は、小型かつ安価であり、しかも各従来技術における重量測定精度上の欠陥を解決して常に高い重量測定精度を得ることができる重量選別機を提供することを、目的とする。
この目的を達成するために、本発明の重量選別機は、互いに直列に設けられ物品を搬送する搬送ラインを形成する複数台のコンベヤと、これら複数台のコンベヤのうちの1台および互いに連続する2台以上のコンベヤが選択的に結合される結合手段と、この結合手段を介して印加される荷重を検出する1台の荷重検出手段と、を具備する。
即ち、本発明では、物品を搬送する搬送ラインを形成するように、複数台のコンベヤが互いに直列に設けられる。そして、これら複数台のコンベヤのうち、1台および互いに連続する2台以上のコンベヤが、選択的に、結合手段を介して、1台の荷重検出手段に結合される。要するに、この結合手段を介して荷重検出手段に結合されたコンベヤは、当該結合手段および荷重検出手段と共に、計量コンベヤを構成する。そして、この計量コンベヤを構成するコンベヤの台数、つまり結合手段を介して荷重検出手段に結合されるコンベヤの台数は、任意に変更可能とされており、当該台数が変更されることによって、計量コンベヤの長さ寸法が変わる。なお、計量コンベヤの長さ寸法は、物品の長さ寸法に応じて適宜に変更されるのが、望ましい。詳しくは、物品の長さ寸法よりも計量コンベヤの長さ寸法の方が大きいという条件を満足するのに最小限必要な台数のコンベヤによって当該計量コンベヤが構成されるのが、望ましい。
このように、本発明では、荷重検出手段が1台であるので、例えば特許文献1に開示された従来技術に比べて、つまり図9に示したように2台の荷重検出手段210および216を備える構成に比べて、経済的である。要するに、当該荷重検出手段を含む重量選別機全体の低コスト化を図ることができる。
また、本発明によれば、特に、長さ寸法の大きい物品の重量測定を行う場合に、特許文献1に開示された従来技術よりも高い重量測定精度を得ることができる。即ち、特許文献1に開示された従来技術では、図9(c)を参照して説明したように、長さ寸法Laの大きい物品Aの重量測定を行う場合、つまり各計量コンベヤ202および204の組合せによって当該重量測定を行う場合に、これら各計量コンベヤ202および204のそれぞれに物品Aが載り込むごとに、当該各計量コンベヤ202および204の荷重検出手段210および216の出力に2次振動系の過渡応答ノイズが現れる。そして、特に物品Aが下流側の計量コンベヤ204に載り込む際に現れる過渡応答振動ノイズの影響によって、高い重量測定精度が得られない、という問題がある。これ対して、本発明によれば、長さ寸法の大きい物品、詳しくは1台のコンベヤよりも長さ寸法の大きい物品、の重量測定を行う場合は、2台以上のコンベヤによって計量コンベヤが構成される。そして、これら2台以上のコンベヤのうち、最も上流側にあるコンベヤに物品が載り込む際に、その衝撃によって荷重検出手段の出力に同様の過渡応答振動ノイズが現れる。ただし、これよりも下流側のコンベヤに物品が載り込む際には、このような過渡応答振動ノイズは新たには発生しない。これは、計量コンベヤを構成する各コンベヤが、互いに共通の1台の荷重検出手段によって支持されているからである。つまり、下流側のコンベヤに物品が載り込む際には、既に当該物品の荷重が荷重検出手段に印加されている状態にあり、新たな荷重が当該荷重検出手段に印加されることはないからである。従って、計量コンベヤを構成する最も下流側のコンベヤから物品が排出され始めるまでには、十分に当該過渡応答振動ノイズが減衰する。ゆえに、当該過渡応答振動ノイズの影響を受けることなく、高い重量測定精度を得ることができる。
さらに、本発明によれば、特許文献2に開示された別の従来技術に比べて、つまり図10に示した構成に比べて、重量選別機全体を小型化することができる。即ち、図10の構成においては、長短2台のコンベヤ302および304が常に直列に配置されており、このうちの長い方のコンベヤ304の長さ寸法P2”によって物品の最大長さ寸法が制限される。これに対して、本発明においても、複数のコンベヤが常に直列に配置されているが、これら全てのコンベヤの合計長さ寸法によって物品の最大長さ寸法が制限される。従って、例えば、本発明における物品の最大長さ寸法が、図10の構成におけるのと同じであるとすると、本発明における全てのコンベヤの合計長さ寸法は、当該図10の構成における長い方のコンベヤ304の長さ寸法L2”と概ね同じになる。そうすると、本発明の方が、図10の構成に比べて、少なくとも当該図10の構成における短い方のコンベヤ302の長さ寸法L1”分だけ短くなり、重量選別機全体として小型になる。
また、本発明によれば、当該別の従来技術と比べても、長さ寸法の大きい物品の重量測定を行う場合に、高い重量測定精度を得ることができる。即ち、当該別の従来技術では、図10(a)を参照して説明したように、長さ寸法の大きい物品の重量測定を行う場合、つまり長い方のコンベヤ304が秤量部取付板316を介して荷重検出手段318に結合される場合に、当該荷重検出手段318の着力点からコンベヤ304の両端までの各距離L3”およびL4”がアンバランスとなる。このため、特にコンベヤ304に物品が載り込んだときに、荷重検出手段318の着力点に大きなモーメントが作用し、このモーメントによる不必要に大きな衝撃荷重によって、高い重量測定精度が得られない。これ対して、本発明によれば、例えば上述の如く全てのコンベヤの合計長さ寸法が当該別の従来技術における長い方のコンベヤ304の長さ寸法L2”と概ね同じであるとすると、個々のコンベヤの長さ寸法は、当然に、当該長い方のコンベヤ304の長さ寸法L2”よりも小さいことになる。また、本発明においては、当該別の従来技術とは異なり、各コンベヤが互いに交換可能とされる必要はなく、言い換えれば当該交換可能とするための構成(設計)上の制約がない。従って、本発明によれば、各コンベヤと荷重検出手段との位置関係を含む構成上の自由度が増すため、例えば各コンベヤから荷重検出手段の着力点までの距離を均一化する等、当該着力点に作用するモーメントを抑制し、ひいてはこのモーメントによる衝撃荷重を低減して、高い重量測定精度が得られるようにすることができる。
なお、本発明において、結合手段は、荷重検出手段に結合された結合部本体と、この結合部本体に対して全てのコンベヤまたは特定の1台を除く一部のコンベヤのそれぞれを任意に結合しまたは非結合とする着脱手段と、を含むものであってもよい。即ち、この構成によれば、着脱手段によって結合部本体に結合されたコンベヤが、荷重検出手段と共に、計量コンベヤを構成する。そして、結合部本体に対して非結合とされたコンベヤは、計量コンベヤを構成せず、単に物品を搬送する搬送用コンベヤとして機能する。
このように計量コンベヤを構成しないコンベヤについては、支持手段によって支持されるものとしてもよい。この場合、支持手段は、例えば重量選別機本体の基部に固定されるものとする。
また、計量コンベヤを構成するコンベヤについては、1台の駆動力発生手段から発生される駆動力によって物品を搬送すると共に、当該駆動力発生手段は、結合手段に取り付けられる、つまり当該計量コンベヤを構成するコンベヤと共に荷重検出手段によって支持されるのが、望ましい。このようにすれば、荷重検出手段に印加される荷重が低減され、当該荷重検出手段に対する機械的なストレスが軽減される。しかも、荷重検出手段の応答性が向上する。
なお、計量コンベヤを構成しないコンベヤについては、上述とは別の駆動力発生手段から発生される駆動力によって物品を搬送するものとする。この場合、当該別の駆動力発生手段は、例えば上述の支持手段に取り付けられてもよい。
さらに、本発明では、2台以上のコンベヤによって計量コンベヤが構成されたときに、当該計量コンベヤを構成する各コンベヤ間での物品の搬送を円滑化するべく円滑化手段を、備えてもよい。このようにすれば、2台以上のコンベヤによって計量コンベヤが構成されたときに、特に当該計量コンベヤを構成する各コンベヤの間隙を物品が移動することによる振動の発生が抑制され、より高い重量測定精度が得られるようになる。
このように、本発明によれば、特許文献1に開示された従来技術における問題点と、特許文献2に開示された別の従来技術における問題点と、の両方を、解決することができる。即ち、小型かつ安価であり、しかも常に高い重量測定精度を得ることができる。
本発明の一実施形態について、図1〜図8を参照して説明する。
本実施形態に係る重量選別機10は、図1(a)に示すように、複数台、例えば2台、のコンベヤ12および14を備えている。これらのコンベヤ12および14は、互いに直列にかつ近接して配置されており、これによって同図に矢印16で示す方向に図示しない物品を搬送するための搬送ラインが形成されている。なお、各コンベヤ12および14としては、例えばベルトコンベヤが適当であるが、ローラコンベヤやチェーンコンベヤ等の他形式のものであってもよい。また、各コンベヤ12および14の長さ寸法L1およびL2は、互いに同じであってもよいし、そうでなくてもよい。
各コンベヤ12および14のうちの一方、例えば図1(a)において左側にある言わば上流側のコンベヤ12は、その長さ方向における略中央位置P1において、着脱手段としての着脱金具18を介して、結合部本体としての結合金具20に結合されている。そして、他方の言わば下流側のコンベヤ14もまた、その長さ方向における略中央位置P2において、同様の着脱金具22を介して、結合金具20に結合されている。この結合金具20は、荷重検出手段としてのロードセル24に結合されており、詳しくは当該ロードセル24の着力点である荷重印加部に結合されている。そして、ロードセル24の固定部は、ロードセル用固定金具26を介して、重量選別機10本体の基部28に固定されている。なお、ロードセル24としては、例えばロバーバル型のものが適当であるが、コラム型やダイヤフラム型等の他形式のものであってもよい。また、同図においては、各着脱金具18および22のそれぞれは、1つであるが、厳密には後述するように2つ1組である。
このように、各コンベヤ12および14が、着脱金具18および22を介して結合金具20に結合され、ひいては当該結合金具20を介してロードセル24に結合されることによって、当該各コンベヤ12および14を含む1台の計量コンベヤ30が構成される。そして、この計量コンベヤ30全体としての長さ寸法は、各コンベヤ12および14の長さ寸法L1およびL2を足し合わせたのと略同等になる。従って、これらの長さ寸法L1およびL2を足し合わせた合計長さ寸法L1+L2よりも小さい長さ寸法の物品であれば、この図1(a)の構成の計量コンベヤ30によって、その重量測定を行うことができる。
ただし、計量コンベヤ30全体の長さ寸法L1+L2が物品の長さ寸法に比べて過度に大きいと、当該計量コンベヤ30によって単位時間当たりに重量測定可能な物品の個数が減少し、ひいては重量選別機10全体の処理能力が低下する。そこで、本実施形態では、次のような工夫が成されている。
即ち、各コンベヤ12および14のうち、下流側のコンベヤ14については、結合金具20から分離されて、当該結合金具20よりも下流側に設けられている支持手段としての支持金具32に結合可能とされている。具体的には、図1(b)に示すように、着脱金具22が、上述とは別の位置P2’に付け替えられることで、当該着脱金具22を介して、下流側のコンベヤ14と支持金具32とが結合される。支持金具32は、基部28に固定されており、ゆえに、下流側のコンベヤ14は、当該支持金具32によって、支持された状態になる。その一方で、位置P2においては、下流側のコンベヤ14と結合金具20との結合状態が解除されて、両者は分離される。
要するに、図1(b)の構成においては、各コンベヤ12および14のうち、上流側のコンベヤ12のみが、計量コンベヤ30を構成する。そして、下流側のコンベヤ14は、計量コンベヤ30を構成せず、単に物品を搬送するための搬送用コンベヤ34を構成する。従って、上流側のコンベヤ12の長さ寸法L1よりも小さい長さ寸法の物品であれば、図1(b)の構成を採用することで、図1(a)の構成に比べて、単位時間当たりに重量測定可能な物品の個数を増大させることができ、ひいては重量選別機10全体の処理能力を向上させることができる。
なお、上流側のコンベヤ12についても、着脱金具18を取り外すことで、結合金具20から分離可能とされている。これは、当該上流側のコンベヤ12を含む重量選別機10全体のメンテナンス作業、特に洗浄作業、を容易にするためである。
このように、本実施形態によれば、荷重検出手段としてのロードセル30が1台であるので、例えば上述の特許文献1に開示された従来技術に比べて、つまり図9に示したように2台の荷重検出手段210および216を備える構成に比べて、経済的である。
また、本実施形態によれば、長さ寸法の大きい物品の重量測定を行う場合、つまり図1(a)の構成を採用する場合に、特許文献1に開示された従来技術よりも高い重量測定精度を得ることができる。即ち、特許文献1に開示された従来技術では、図9(c)を参照して説明したように、長さ寸法Laの大きい物品Aの重量測定を行う場合、つまり各計量コンベヤ202および204の組合せによって当該重量測定を行う場合に、これら各計量コンベヤ202および204のそれぞれに物品Aが載り込むごとに、当該各計量コンベヤ202および204の荷重検出手段210および216の出力に2次振動系の過渡応答ノイズが現れる。そして、特に物品Aが下流側の計量コンベヤ204に載り込む際に現れる過渡応答振動ノイズの影響によって、詳しくは当該過渡応答振動ノイズが十分に減衰しないうちに物品が下流側の計量コンベヤ204から排出されるときには、高精度で重量測定を行い得るタイミングが取れないので、高い重量測定精度が得られない、という問題がある。これ対して、本実施形態の図1(a)の構成によれば、上流側のコンベヤ12に物品が載り込む際に、その衝撃によってロードセル24の出力に同様の過渡応答振動ノイズが現れるが、下流側のコンベヤ14に物品が載り込む際には、このような過渡応答振動ノイズは新たには発生しない。これは、各コンベヤ12および14が、互いに共通の1台のロードセル24によって支持されているからである。つまり、下流側のコンベヤ14に物品が載り込む際には、既に当該物品の荷重がロードセル24に印加されている状態にあり、新たな荷重が当該ロードセル24に印加されることはないからである。従って、下流側のコンベヤ14から物品が排出され始めるまでには、十分に当該過渡応答振動ノイズが減衰する。ゆえに、当該過渡応答振動ノイズの影響を受けることなく、高い重量測定精度を得ることができる。
さらに、本実施形態によれば、特許文献2に開示された別の従来技術に比べて、つまり図10に示した構成に比べて、重量選別機10全体を小型化することができる。即ち、図10の構成においては、長短2台のコンベヤ302および304が常に直列に配置されており、このうち長い方のコンベヤ304の長さ寸法P2”によって物品の最大長さ寸法が制限される。これに対して、本実施形態においても、2台のコンベヤ12および14が常に直列に配置されているが、これら2台のコンベヤ12および14の合計長さ寸法L1+L2によって物品の最大長さ寸法が制限される。従って、例えば、本実施形態における物品の最大長さ寸法が、図10の構成におけるのと同じであるとすると、本実施形態における計量コンベヤ30の最大長さ寸法L1+L2は、当該図10の構成における長い方のコンベヤ304の長さ寸法L2”と概ね同じ(L1+L2≒L2”)になる。そうすると、本実施形態の方が、図10の構成に比べて、少なくとも当該図10の構成における短い方のコンベヤ302の長さ寸法L1”分だけ短くなり、重量選別機10全体として小型になる。
また、本実施形態によれば、当該別の従来技術と比べても、長さ寸法の大きい物品の重量測定を行う場合に、高い重量測定精度を得ることができる。即ち、当該別の従来技術では、図10(a)を参照して説明したように、長さ寸法の大きい物品の重量測定を行う場合、つまり長い方のコンベヤ304が秤量部取付板316を介して荷重検出手段318に結合される場合に、当該荷重検出手段318の着力点からコンベヤ304の両端までの各距離L3”およびL4”がアンバランスとなる。このため、特にコンベヤ304に物品が載り込んだときに、荷重検出手段318の着力点に大きなモーメントが作用し、このモーメントによる不必要に大きな衝撃荷重がノイズとなって当該荷重検出手段318の出力に現れるので、高い重量測定精度が得られない。これ対して、本実施形態によれば、特に図1(a)の構成によれば、例えば上述の如く計量コンベヤ30の最大長さ寸法L1+L2が当該長い方のコンベヤ304の長さ寸法L2”と概ね同じであるとすると、個々のコンベヤ12および14の長さ寸法L1およびL2は、当然に、当該長い方のコンベヤ304の長さ寸法L2”よりも小さいことになる。また、本実施形態においては、当該別の従来技術とは異なり、各コンベヤ12および14が互いに交換可能とされておらず、言い換えれば当該交換可能とするための設計上の制約がない。従って、本実施形態によれば、ロードセル24に対して各コンベヤ12および14が概ね対称的に配置されるように構成したり、或いは上述の如く個々のコンベヤ12および14の略中心位置P1およびP2に結合金具20を結合させたりする等、自由かつ柔軟な設計が可能になる。ゆえに、ロードセル24に対してモーメント等の好ましくない荷重が印加されるのを抑制し、ひいては高い重量測定精度を得られるようにすることができる。
さらに、上述の図10(a)の構成では、秤量部取付板316を介しての荷重検出手段318によるコンベヤ304の支持点から当該コンベヤ304の上流端までの距離L3”が比較的に大きいため、このコンベヤ304の撓みによる当該コンベヤ304のバネ定数が小さくなる。この結果、コンベヤ304と荷重検出手段318とを含む計量コンベヤ310(計量系)全体の固有振動数が小さくなり、当該計量コンベヤ310の応答が遅くなる。これもまた、重量測定精度の低下を招く。これに対して、本実施形態の図1(a)の構成によれば、上流側のコンベヤ12の支持点である位置P1から当該コンベヤ12の両端までの各距離は、概ねL1/2である。そして、この距離L1/2は、図10(a)における距離L3”よりも小さい(L1/2<L3”)。下流側のコンベヤ12についても、その支持点である位置P2から当該コンベヤ14の両端までの各距離は、概ねL2/2であり、当該図10(a)における距離L3”よりも小さい(L2/2<L3”)。従って、これらのコンベヤ12および14とロードセル24とを含む図1(a)の構成における計量コンベヤ30全体の固有振動数は、図10(a)における計量コンベヤ310のそれよりも大きく、ゆえに、当該図1(a)における計量コンベヤ30の応答は速い。この点でも、図1(a)の構成は、図10(a)の構成に比べて、高い重量測定精度が得られる。
要するに、本実施形態によれば、小型かつ安価であり、しかも常に高い重量測定精度を得ることができる重量選別機10が実現される。
以下に2つの実施例を挙げて、本実施形態のより具体的な構成について説明する。
第1の実施例としての重量選別機10は、図2および図3に示すように、コンベヤ12および14として、ベルトコンベヤを採用するものである。なお、図2は、図1(a)の構成に対応し、図3は、図1(b)の構成に対応する。また、これら図2および図3には示していないが、通常は、上流側のコンベヤ12のさらに上流側に、当該上流側のコンベヤ12に対して物品を送り込むための送り込み用コンベヤが配置され、下流側のコンベヤ14のさらに下流側に、当該下流側のコンベヤ14から排出された物品をさらに下流側に搬送するための送り出し用コンベヤが配置される。
まず、図2を参照して、ロードセル24は、ロバーバル型のものであり、基部28から上方に離れた位置において水平方向に沿って延伸するように設けられている。そして、このロードセル24の固定部としての固定端(図2(b)において左側の端部)は、ロードセル用固定金具26を介して、基部28に固定されている。一方、荷重印加部としての可動端(図2(b)において右側の端部)は、結合金具20に結合されている。
結合金具20は、ロードセル24の可動端に結合されると共に当該ロードセル24よりも上方に突出した部分を有するロードセル側支持部40と、このロードセル側支持部40の上部に結合されると共に水平方向に沿う上面を有する平板状の台部42と、を備えている。さらに、結合金具20は、この台部42の上流側寄りの両側縁から上方に向かって延伸すると共に上流側のコンベヤ12の両側縁を多少の空間を置いて挟み込むように設けられた2つ1組の平板状の上流側コンベヤ支持部44および44と、台部42の下流側寄りの両側縁から上方に向かって延伸すると共に下流側のコンベヤ14の両側縁を多少の空間を置いて挟み込むように設けられた2つ1組の平板状の下流側コンベヤ支持部46および46と、をも備えている。
そして、上流側コンベヤ支持部44および44のそれぞれに、着脱金具18を介して、上流側のコンベヤ12が結合されており、詳しくは当該上流側のコンベヤ12の側板48が結合されている。
より詳しく説明すると、着脱金具18は、図4に示すように、互いに間隔を空けて平行を成す2つの側板部18aおよび18bと、これらの側板部18aおよび18bの上方側端縁同士を結合する上板部18cと、を有している。つまり、凹状の凹部18dを形成するように構成されている。そして、各側板部18aおよび18bには、後述するボルト50を挿通させるための貫通孔18eが複数、例えば2個ずつ、設けられている。また、一方の側板部18bの下方側端縁には、後述するように当該着脱金具18が上流側コンベヤ支持部44の上方側端縁部分に装着される際の作業性を向上させるべく、その内側から外側に向かって斜めに形成された切欠部18fが設けられている。
即ち、着脱金具18は、図5に示すように、その凹部18dによって上流側コンベヤ支持部44の上方側端縁部分を包み込むように、かつ切欠部18fが設けられている側の側板部18bが上流側コンベヤ支持部44と上流側のコンベヤ12の側板48との間に挿入されるように、装着されている。そして、上流側コンベヤ支持部44には、着脱金具18の側板部18aおよび18bに設けられているそれぞれの貫通孔18eに対応するように、同様の貫通孔44aが(2つ)設けられている。併せて、上流側のコンベヤ12の側板48、詳しくは当該側板48の上述した位置P1には、当該それぞれの貫通孔18eおよび44aに対応するように、ネジ孔48aが(2つ)設けられている。そして、着脱金具18の言わば外側から、上述したボルト50が、当該着脱金具18の側板部18aの貫通孔18e,上流側コンベヤ支持部44の貫通孔44a,および着脱金具18の側板部18bの貫通孔18eを介して挿通され、上流側のコンベヤ12の側板48に設けられたネジ孔48aに螺入される。これによって、着脱金具18を介しての上流側コンベヤ支持部44と上流側のコンベヤ12との結合、つまり結合金具20と当該上流側のコンベヤ20との結合が、実現される。
一方、下流側コンベヤ支持部46および46のそれぞれに、着脱金具22を介して、下流側のコンベヤ14が結合されている。なお、この下流側の着脱金具22は、図4を参照して説明した上流側の着脱金具18と全く同仕様のものであり、また、当該着脱金具22を介しての下流側コンベヤ支持部46と下流側のコンベヤ14との結合仕様も、図5を参照して説明したのと同様である。従って、これらについては、特に下流側コンベヤ支持部46の上方側端縁部分に、ボルト50が挿通される貫通孔44aが(2つ)設けられており、下流側の側板52の上述した位置P2に、当該ボルト50が螺入されるネジ孔52aが(2つ)設けられている(図3参照)、という説明に留め、これ以上の詳しい説明は省略する。
さらに、結合金具20の台部42の上面には、第1モータ固定金具54を介して、駆動力発生手段としての第1のモータ56が固定されている。この第1モータ56は、その回転軸58が水平方向に沿って延伸すると共に、当該回転軸58が物品の搬送方向を横切る方向に延伸するように、配置されている。そして、この第1モータ56の回転軸58の回転駆動力は、駆動力伝達手段としてのベルト60を介して、上流側のコンベヤ12を構成する下流側ローラ62の回転軸64に伝えられる。なお、第1モータ56は、当該下流側ローラ62の真下に位置しており、これら第1モータ56および下流側ローラ62の回転軸58および64は、互いに同じ方向(図2(a)において下側)に向かって突出している。また、第1モータ56の回転軸58の回転駆動力は、別のベルト66を介して、下流側のコンベヤ14を構成する上流側ローラ68の回転軸70にも伝えられる。なお、この上流側ローラ68の回転軸70もまた、第1モータ56の回転軸58と同じ方向に向かって突出している。
そして、結合金具20よりも下流側に、支持金具32が設けられている。この支持金具32は、基部28に固定された平板状の土台部72と、この土台部42の両側縁から上方に向かって延伸すると共に下流側のコンベヤ14の両側縁を多少の空間を置いて挟み込むように設けられた2つ1組の平板状の支持本体部74および74と、を備えている。そして、それぞれの支持本体部74の上方側端縁部分にも、着脱金具22を介しての当該上方側端縁部分と下流側のコンベヤ14の側板52との結合が可能となるように、2つの貫通孔74aおよび74aが設けられている。併せて、下流側のコンベヤ14の側板52における上述した位置P2’に、これら2つの貫通孔74aおよび74aに対応する2つのネジ孔52bおよび52bが設けられている。なお、この図2の構成においては、当該位置P2’に着脱金具22は存在しないので、図6に示すように、それぞれの支持本体部74と、下流側のコンベヤ14の側板52とは、互いに分離された状態にある。
さらに、一方(図2(a)において下側)の支持本体部74には、第2モータ固定金具76を介して、上述とは別の第2のモータ78が固定されている。この第2モータ78は、下流側のコンベヤ14の上流側ロータ68の回転軸70を通る鉛直面に関して、第1モータ56と対称になるように、配置されている。ただし、この図2の構成においては、第2モータ78は無負荷状態にあるので、駆動されない。また、上述した結合金具20を構成する各下流側コンベヤ支持部46および46のうち、第2モータ78の回転軸80が突出している側には、当該第2モータ78の回転軸80との機械的な干渉を回避するべく、概略半円状の半円切欠部82が設けられている。
なお、各コンベヤ12および14の上面は、物品を円滑に搬送するべく、略同一平面上に位置しているが、当該各コンベヤ12および14間には、当然に、隙間が存在する。そして、この隙間は、物品を円滑に搬送する上で、一種の障害となる。つまり、例えば図9に示した構成において下流側の計量コンベヤ204に物品Aが載り込む際に発生する過渡応答振動ノイズほど大きくはないが、当該隙間を介して上流側のコンベヤ12から下流側のコンベヤ14に物品が移動する際に、多少の振動が発生する。そこで、この振動の発生を抑制するべく、当該各コンベヤ12および14間の隙間上に、円滑化手段としての長尺上の渡り板84が設けられている。即ち、この渡り板84は、その上面が各コンベヤ12および14の上面と同じ平面上に位置するように設けられている。そして、図には示さないが、この渡り板84は、例えば各コンベヤ12および14の一方に固定されている。このような渡り板84が設けられることによって、各コンベヤ12および14間での物品の搬送が円滑化され、当該各コンベヤ12および14間の隙間による振動の発生が抑制される。
そしてさらに、上流側のコンベヤ12の上流端近傍には、当該上流側のコンベヤ12への物品の載り込みを検出するための物品検出手段、例えば光センサ86が、設けられている。勿論、この光センサ86以外のセンサ、特に非接触型のセンサを、当該物品検出手段として採用してもよい。
このように、図2の構成によれば、各コンベヤ12および14が、着脱金具18および22を介して結合金具20に結合され、ひいては当該結合金具20を介してロードセル24に結合される。これによって、各コンベヤ12および14を含む1台の計量コンベヤ30が構成され、つまり図1(a)に示した構成が実現される。
また、各コンベヤ12および14を駆動するための第1モータ56、つまり当該各コンベヤ12および14と共にロードセル24によって支持されている第1モータ56、については、1台のみとされているので、当該ロードセル24に印加される荷重(初期荷重)が低減される。これにより、ロードセル24に対する機械的ストレスが低減され、しかも当該ロードセル24の応答性が向上する。
さらに、図2の構成によれば、各コンベヤ12および14間の隙間を取り除くべく渡り板82が設けられているので、当該各コンベヤ12および14間を物品が移動することによる振動の発生が抑制される。従って、より高い重量測定精度が得られるようになる。
続いて、図3を参照すると、この図3の構成においては、支持金具32を構成する各支持本体部74および74のそれぞれに、着脱金具22を介して、下流側のコンベヤ14が結合されている。なお、この着脱金具22を介しての支持本体部74と下流側のコンベヤ14との結合仕様もまた、図5を参照して説明したのと同様であるので、これについての詳しい説明は省略する。
その一方で、下流側のコンベヤ14と結合金具20(各下流側コンベヤ支持部46および46)との間では、図6に示したのと同様に、互いに分離された状態にある。
さらに、下流側のコンベヤ14は、支持金具32(一方の支持本体部74)に固定されている第2モータ78によって駆動される。つまり、図2の構成において下流側のコンベヤ14の上流側ローラ68の回転軸70と第1モータ56の回転軸58とを連結していたベルト66が、当該上流側ローラ68の回転軸70と第2モータ78の回転軸80とを連結するように、付け替えられえる。なお、上述したように、第1モータ56と第2モータ78とは、当該上流側ローラ68の回転軸70を通る鉛直面に関して対称であるので、当該上流側ローラ68の回転軸70を第1モータ56の回転軸58に連結する場合でも、第2モータ78の回転軸80に連結する場合でも、同じベルト66を用いることができる。また、上述した一方の下流側コンベヤ支持部46に設けられている半円切欠部82は、このベルト66にも干渉しないように形成されている。
このように、図3の構成によれば、各コンベヤ12および14のうち、上流側のコンベヤ12のみが、結合金具20を介してロードセル24に結合され、つまり計量コンベヤ30を構成する。そして、下流側のコンベヤ14は、支持金具22によって支持され、つまり搬送用コンベヤ34を構成する。これにより、図1(b)に示した構成が実現される。
第2の実施例としての重量選別機10は、図7および図8に示すように、コンベヤ12および14として、チェーンコンベヤを採用するものである。なお、図7は、図1(a)の構成に対応し、図8は、図1(b)の構成に対応する。
まず、図7を参照して、ロードセル24は、図2および図3に示したのと同様のロバーバル型のものであり、基部28から上方に離れた位置において水平方向に沿って延伸するように設けられている。そして、このロードセル24の固定端は、ロードセル用固定金具26を介して、基部28に固定されている。一方、可動端は、結合金具20に結合されている。
結合金具20は、ロードセル24の上方において上流側のコンベヤ12の両側縁を挟み込むように設けられた2つ1組の概略平板状のコンベヤ支持部100および100を有しており、これらのコンベヤ支持部100および100のそれぞれは、適当な固定手段、例えば適当数のリベットまたはボルト102によって、当該上流側のコンベヤ12に固定されている。つまり、この第2実施例においては、着脱金具18を介さずに、言わば直接的に、結合金具20と上流側のコンベヤ12とが結合されている。なお、上流側のコンベヤ12は、互いに同じ高さにおいて平行を成すと共に水平方向に沿って延伸する2つのレール104および104と、これら2つのレール104および104を互いに結合する適当数の梁金具106と、を備えている。そして、それぞれのレール104における上述した位置P1に、コンベヤ支持部100が固定されている。
さらに、それぞれのコンベヤ支持部100は、水平方向に沿って下流側に延伸する概略長尺状の延伸部108を有しており(図8参照)、この延伸部108に、着脱金具22を介して、下流側のコンベヤ14が結合されている。なお、この下流側のコンベヤ14もまた、上流側のコンベヤ12と同様に、2つのレール110および110と、これら2つのレール110および110を互いに結合する適当数の梁金具112と、を備えている。そして、それぞれのレール110における上述した位置P2において、着脱金具22を介して、延伸部108が結合されている。この着脱金具22を介しての延伸部108(結合金具20)とレール110(下流側のコンベヤ14)との結合仕様については、図5を参照して説明したのと同様であるので、特に延伸部108に、ボルト50が挿通される貫通孔108aが(2つ)設けられており、レール110の上述した位置P2に、当該ボルト50が螺入されるネジ孔110aが(2つ)設けられている(図8参照)、という説明に留め、これ以上の詳しい説明は省略する。
そして、下流側のコンベヤ14のさらに下流側に、送り出し用コンベヤ114が設けられており、この送り出し用コンベヤ114は、支持金具32によって支持されている。具体的には、この送り出し用コンベヤ114もまた、2つのレール116および116と、これら2つのレール116および116を互いに結合する適当数の梁金具118と、を備えている。一方、支持金具32は、2つ1組の概略平板状の支持本体部120および120を備えている。これらの支持本体部120および120は、基部28に固定されており、当該基部28から上方に向かって(厳密には物品の搬送方向に沿って徐々に広がりながら)延伸すると共に、送り出し用コンベヤ114の両側縁を挟み込むように、設けられている。そして、それぞれの支持本体部120は、適当な固定手段、例えば上述したのと同様のリベットまたはボルト102によって、送り出し用コンベヤ114のレール116に固定されている。
また、それぞれの支持本体部120は、下流側のコンベヤ14の両側縁、詳しくは当該下流側のコンベヤ14の上述した位置P2’における両端縁、を多少の空間を置いて挟み込む部分122を有している。そして、この挟み込み部分122にも、着脱金具22を介しての当該挟み込み部分122と下流側のコンベヤ14との結合が可能となるように、2つの貫通孔120aおよび120aが設けられている。併せて、下流側のコンベヤ14を構成するそれぞれのレール110の上述した位置P2’に、これら2つの貫通孔110aおよび110aに対応する2つのネジ孔110bおよび110bが設けられている。なお。この図7の構成においては、当該位置P2’に着脱金具22は存在しないので、図6に示すように、それぞれの挟み込み部分122(支持本体部120)とレール110(下流側のコンベヤ14)とは、互いに分離された状態にある。
そして、上流側のコンベヤ14のさらに上流側に、送り込み用コンベヤ124が設けられている。この送り込み用コンベヤ124は、上述とは別の第2の支持金具126によって支持されている。具体的には、この送り込み用コンベヤ124もまた、2つのレール18および128と、これら2つのレール128および128を互いに結合する適当数の梁金具130と、を備えている。一方、第2支持金具126は、2つ1組の概略平板状の第2支持本体部132および132を有している。これらの第2支持本体部132および132は、基部28に固定されており、当該基部28から上方に向かって(厳密には上流側に傾斜しながら)延伸すると共に、送り込み用コンベヤ124の両側縁を挟み込むように、設けられている。そして、それぞれの第2支持本体部132は、適当な固定手段、例えば上述したのと同様のリベットまたはボルト102によって、送り込み用コンベヤ124のレール128に固定されている。
さらに、この図7の構成においても、上流側のコンベヤ12の上流端近傍に、物品検出手段としての光センサ86が、設けられている。
なお、各コンベヤ12,14,114および124の上面、つまり各レール104,110,116および128の上面は、概ね同一平面上に位置しており、これら各レール104,110,116および128の上面を、2つ1組の無端チェーン134および134が、図示しない駆動ユニットによって走行駆動される。そして、この走行駆動される無端チェーン134および134上に物品が載置されることによって、当該物品が搬送される。つまり、この図7の構成においては、個々のコンベヤ12,14,114および124自体は、物品を搬送するための搬送手段を有しておらず、それぞれに共通の無端チェーン134および134を当該搬送手段として、物品を搬送する。
このように、図7の構成によれば、図1(a)の構成と比較して、上流側の着脱金具18が存在しない、および個々のコンベヤ12,14,114および124自体が搬送手段を有していない、という違いはあるが、上流側のコンベヤ12と下流側のコンベヤ14との両方が、結合金具20を介して、ロードセル24に結合される、という点では、当該図1(a)の構成と同様である。即ち、計量コンベヤ30としては、基本的に図1(a)と同様の構成が実現される。
続いて、図8を参照すると、この図8の構成においては、支持金具32を構成する各支持本体部120および120(各挟み込み部分122および122)のそれぞれに、着脱金具22を介して、下流側のコンベヤ14が結合されている。なお、この着脱金具22を介しての支持本体部120と下流側のコンベヤ14との結合仕様もまた、図5を参照して説明したのと同様であるので、これについての詳しい説明は省略する。
その一方で、下流側のコンベヤ14と結合金具20(各延伸部108および108)との間では、図6に示したのと同様に、互いに分離された状態にある。
このように、図8の構成によれば、各コンベヤ12および14のうち、上流側のコンベヤ12のみが、結合金具20を介してロードセル24に結合され、つまり計量コンベヤ30を構成する。そして、下流側のコンベヤ14は、支持金具22によって支持され、つまり搬送用コンベヤ34を構成する。これにより、図1(b)に示したのと基本的に同様の構成が実現される。
なお、これら第1実施例および第2実施例を含む本実施形態においては、上流側のコンベヤ12については、常に計量コンベヤ30を構成し、下流側のコンベヤ14については、搬送用コンベヤ34をも構成可能としたが、これに限らない。つまり、これとは反対に、上流側のコンベヤ12について、搬送用コンベヤ34をも構成可能とし、下流側のコンベヤ14については、常に計量コンベヤ30を構成するものとしてもよい。
また、各コンベヤ12および14のいずれか一方または両方によって、選択的に計量コンベヤ30を構成可能としてもよい。特に、各コンベヤ12および14の長さ寸法L1およびL2が互いに異なる場合に、次のような利点がある。例えば、上流側のコンベヤ12の長さ寸法L1が、下流側のコンベヤ14の長さ寸法L2よりも小さい(L1<L2)、と仮定する。この場合、物品の長さ寸法が小さいとき、詳しくは上流側のコンベヤ12の長さ寸法L1よりも小さいときは、当該上流側のコンベヤ14のみによって計量コンベヤ30を構成する。そして、物品の長さ寸法が中程度のとき、詳しくは上流側のコンベヤ12の長さ寸法L1よりも大きく、かつ下流側のコンベヤ14の長さ寸法L2よりも小さいときは、当該下流側のコンベヤ14のみによって計量コンベヤ30を構成する。そして、物品の長さ寸法が大きいとき、詳しくは下流側のコンベヤ14の長さ寸法L2よりも大きく、かつ両方のコンベヤ12および14の合計長さ寸法L1+L2よりも小さいときは、当該両方のコンベヤ12および14によって計量コンベヤ30を構成する。このようにすれば、物品の長さ寸法に応じて、常に効率的に当該物品の重量測定を行うことができ、ひいては重量選別機10全体として常に高い処理能力を維持することができる。このことは、勿論、上流側のコンベヤ12の長さ寸法L1が、下流側のコンベヤ14の長さ寸法L2よりも大きい(L1>L2)場合も、同様である。
また、両方のコンベヤ12および14によって計量コンベヤ30が構成されるときに、これら両方のコンベヤ12および14を互いに共通の1台の第1モータ56によって駆動することしたが、それぞれ別々のモータによって駆動してもよい。また、各コンベヤ12および14のそれぞれに、個別のモータを内蔵させてもよい。
そして、本実施形態では、2台のコンベヤ12および14を備える場合について説明したが、3台以上のコンベヤを備える構成についても、本発明を適用できることは、言うまでもない。
また、本実施形態で説明した構成は、第1実施例および第2実施例を含め、飽くまでも本発明を実現するための具体例である。ゆえに、これ以外の構成によって、本発明を実現してもよい。
本発明の一実施形態の構成を模式的に示す図解図である。
同実施形態の一実施例の具体的な構成を示す外観図である。
図2とは別の状態にあるときの外観図である。
同実施例における着脱金具の外観を示す斜視図である。
同着脱金具が装着されている状態を示す断面図ある。
同着脱金具が装着されていない状態を示す断面図ある。
同実施形態の別の実施例を示す外観図である。
図7とは別の状態にあるときの外観図である。
従来技術の構成を模式的に示す図解図である。
図9とは別の従来技術の構成を模式的に示す図解図である。
符号の説明
10 重量選別機
12,14 コンベヤ
18,22 着脱金具
20 結合金具
24 ロードセル
30 計量コンベヤ
32 支持金具
34 搬送用コンベヤ