JP5404503B2 - 溶接形鋼の仮組装置 - Google Patents
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Description
しかし、前述の方式では製造が困難な大型や小型サイズ、或いは厚板や薄板等の特殊なH形鋼についてはコイルによる連続製造ではなく、定尺に切断された鋼板をH形に組立て、アーク溶接等によって溶接されて製造されている。
治具やバイス等への材料のセットは通常は一枚ずつセットされ、しかも、人手による作業が主であり、一部厚板などはクレーンなど機械的な運搬によってセットされている。この手法では一枚ずつ材料をセットするために生産性が悪く、また、溶接が完了した製品を治具等から取り出した後に次の材料をセットしなければならないために生産効率も非常に悪い。
特に切板によるウェブ材とフランジ材を直交するように組合せるために、支持ローラー上に載置された状態のウェブ材に対して、フランジ材を立てた状態で導入することには困難を伴う。
また、切板を用いる場合、両フランジとウェブの先端を揃えるために、毎回、先端部を手作業で合わすか、後端部からフラットな板等を押し当てて合わす必要があり、その分、手間を要している。
下部フレームの上面にも、前記三列の昇降支柱の内の両側の二列の昇降支柱を中央の列の昇降支柱側への移動を容易とするための案内レールが配置されていることが好ましい。
また、前記下部フレームの上面と上部フレームの下面との間に、前記昇降支柱を貫通させた形態で上部フレーム押上付勢手段を配しておくことが好ましい。
さらにまた、前記中央の昇降支柱は、上部部分と下部部分とで分割可能とし、両者が全体の長さが調整可能に接続されていることが好ましい。
3:材料置き台 4:仮組装置架台
5:吊環 6:仮組装置
7:下部フレーム 8:上部フレーム
9,9a,9b:昇降支柱 10:上部ガイドレール
11:上部保持具 12,12a,12b:昇降支柱ガイド部材
13:案内管 14:下部ガイドレール
15:段差部 16,16a,16b:バキューム式パット
17:回転部材 18:ストッパ
19:ストッパ付勢手段 20:バキューム式パッド回転用の回転付勢部材
21:上部フレーム押上付勢手段
しかしながら、後者の手法においてもH形状に材料をセットする際に一枚ずつセットしていては生産効率の向上は半減する。
その過程で、バキューム式パットを使用した吸引により板材を吸引・保持し、その後、吸引・保持したまま三枚の板材をH形にセットし、その状態で仮付け位置或いは溶接位置に搬送できれば、溶接H形鋼の製造が効率的に行われ、結果的に低コストで溶接H形鋼が提供できることを見出し、本発明装置に到達した。
以下、図を用いてその装置の構造を説明する。
仮組装置6は、前記仮組装置架台4に載置される格子状の下部フレーム7とその上方に配置された上部フレーム8、及びこの上部フレーム8の下方に立設された三列の昇降支柱9を備えている。
三列の昇降支柱9の内、中央の列のセンター昇降支柱9aは、さらに上部フレーム8に設けた孔を貫通する態様で配置され、その上端にこのセンター昇降支柱9aを昇降させるための吊環5が取り付けられている。
また、上部フレーム8の下方に配された三列の昇降支柱9の内、外側の二列のサイド昇降支柱9bの上端には、上部フレーム8の下面に取り付けられた上部ガイドレール10に沿って中央の列の昇降支柱9a側に移動可能な上部保持具11に固着されている。
中央の列のセンター昇降支柱9aを貫通させているセンター昇降支柱ガイド部材12aは下部フレーム7に固着されている。なお、センター昇降支柱9aとセンター昇降支柱ガイド部材12aの間には、上端が上部フレーム8の下面に固着された案内管13が前記センター昇降支柱ガイド部材12aの内筒面を摺動するように配されていることが好ましい。
外側の二列のサイド昇降支柱9bを貫通させているサイド昇降支柱ガイド部材12bは、下部フレーム7の上面に取り付けられた下部ガイドレール14に沿って中央の列の昇降支柱9a側に移動可能とされているが、縦方向(高さ方向)には移動しないように規制されている。
なお、バキューム式パット16a、16bからエアーを吸引するためのチューブは取り付けられているが、図示は省略している。
フランジ材およびウェブ材が磁性体の場合は、バキューム式パット16a,16bに変えて電磁石を使用してもよいが、材料が平積みされている場合は吸着対象材料の下部にある材料まで電磁石に反応し、吸着対象材料1枚のみを吸着させることは困難なため、エアー吸引によるバキューム式パットが好ましい。
バキューム式パッド16a、16bが、すなわち装置全体が、図1に示すような待機位置にあるときは、回転付勢部材20の先端がバキューム式パッド16bを保持する回転部材17の側端に突設されたストッパ18を押してバキューム式パッド16bを水平方向に向けている。そして、図2に示すように、上部フレーム8が下方に押されてサイド昇降支柱9bが下方に動くと、回転部材17側端のストッパ18が回転付勢部材20の先端から離れ、しかも、回転部材17側端のストッパ18と回転付勢部材20の先端とを連結するストッパ付勢手段19で回転部材17側端のストッパ18が引き上げられ、回転部材17自身が90°回転する。この回転部材17の回転に伴ってバキューム式パッド16bが下方に向くことになる。
また、前記センター昇降支柱9aは、上部部分と下部部分とで分割可能とし、例えば下部部分の上端中央に雌螺子部を穿設しておき、上部部分の下端に設けた雄螺子部を前記雌螺子部に螺子込み長さを調整しつつねじ込んで接続する態様とすれば、後述するように、ウェブ材の保持位置を調整できるようになる。
さらに、前記下部フレーム7の上面と上部フレーム8の下面との間には、例えば前記昇降支柱9a、9bを貫通させた形態で配置したコイルばね等の上部フレーム押上付勢手段21を配しておくことが好ましい。
フランジ材1とウェブ材2を載置した材料置き台3の上方にある仮組装置架台4に、吊環5をクレーンなどの昇降機で吊り、本発明の仮組装置6の下部フレーム7を着座させる。
着座させ、吊環の吊力を開放したときの状況が、前記の図1示す態様である。いわゆる待機位置となっている。ウェブ材吸引用のバキューム式パッド16aは下方に向き、フランジ材吸引用のバキューム式パッド16bは内側に、すなわちウェブ材吸引用のバキューム式パッド16aの方向に向いている。
ウェブ材2、フランジ材1を吸引した状態で、図3に示すように上部フレーム8を引き上げる。
上部フレーム8をさらに引き上げると、図4に示すように、バキューム式パッド16bを保持する回転部材17の側端に突設されたストッパ18が、回転付勢部材20の先端に当たり、回転部材17自身が90°回転させられる。すなわち、回転部材17に取り付けられたバキューム式パッド16bが水平方向に向く。この向きの変更により、水平のフランジ吸引・保持されていたフランジ材1は、垂直方向に向きを変えてバキューム式パッド16bに吸引・保持されて、上方に移動されることになる。
その後、上部フレーム8の引き上げを止め、上部フレーム8の上面に突出している吊環5を引き上げて、センター昇降支柱9aのみを上方に引き上げ、その先端のバキューム式パッド16aに吸引・保持しているウェブ材2をさらに上方に移動させる。
図5に示すように、ウェブ材2の高さ位置が側方で待機している状態のフランジ材1の中央位置に達した時点で、前記吊環5による引き上げを止める。
その後、図6に示すように、フランジ材1を吸引・保持している外側の二列のサイド昇降支柱9bを中央の列のセンター昇降支柱9a側に、ガイドレール10,14に沿って吸引・保持しているフランジ材1がウェブ材2の側端に当たる位置まで移動させ、三枚の切板でH形状を形作る。
この作業を繰り返すことにより、溶接H形鋼が連続的に効率よく製造できる。
また、上記一連の動作を自動化することで作業効率の向上が図られる。
すなわち、溝形に組む際には、ウェブ材の搬送位置をフランジ材の中央位置ではなく、端部位置にすればよく、山形に組む際には、センター昇降支柱9aとサイド昇降支柱9bのみを用い、センター昇降支柱9aのバキューム式パットで吸引・保持されている切板の搬送位置を、サイド昇降支柱9bのバキューム式パットで吸引・保持されている切板の端部位置に合わせればよい。
Claims (4)
- フランジ材、ウェブ材及びフランジ材用の三枚の板材が順に並べられた材料置き台の上方位置に配置された架台上に載置可能な仮組装置であって、下部フレームと当該下部フレームの上方に配置された上部フレームと、当該上部フレームの下方に前記下部フレームを貫通させて設けられた三列の昇降支柱と、当該三列の昇降支柱の先端に取り付けられたバキューム式パットを備え、前記三列の昇降支柱の内の両側の二列の昇降支柱の上端は、前記上部フレームの下面に取り付けられた上部ガイドレールに沿って中央の列の昇降支柱側に移動可能な保持具に固着されているとともに、中央の列の昇降支柱は前記上部フレームをも貫通されており、しかも、前記三列の昇降支柱の先端に取り付けられたバキューム式パットの内、中央の列の昇降支柱先端に取り付けられたバキューム式パットは下方を向くように直接に、両側の昇降支柱先端に取り付けられたバキューム式パットは、下方位置では下方に向き、上方位置では中央の昇降支柱側に向く回転部材を介して取り付けられていることを特徴とする溶接形鋼の仮組装置。
- 前記両側の昇降支柱先端に取り付けられた回転部材の側端に突設されたストッパが当接するときに前記バキューム式パットが下方を向き、前記当接が解除されたときに前記バキューム式パットが中央の昇降支柱側に向くように、高さ位置を固定して前記三列の昇降支柱の内の両側の昇降支柱の側方に高さ位置を固定して立設された回転付勢部材を備えている請求項1に記載の溶接形鋼の仮組装置。
- 前記下部フレームの上面と上部フレームの下面との間に、前記昇降支柱を貫通させた形態で上部フレーム押上付勢手段が配されている請求項1又は2に記載の溶接形鋼の仮組装置。
- 前記中央の昇降支柱は、上部部分と下部部分とに分割可能とし、両者が全体の長さが調整可能に接続されている請求項1〜3のいずれか1項に記載の溶接形鋼の仮組装置。
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