JP5404477B2 - 放電ランプ - Google Patents

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Description

本発明は、発光管内に電極を配置させた放電ランプに関し、特に、電極先端部分の構造およびその製造方法に関する。
放電ランプの陰極には、ランプ始動性を上げるため、酸化トリウム、酸化バリウムなどのエミッター(電子放射性物質)を含む焼結体が先端部に埋設されている。その製造方法として、エミッター粉末とタングステン粉末の混合粉末を先に焼結する代わりに、電極先端部に形成された凹部に加圧挿入し、その後焼結処理する方法が知られている(特許文献1参照)。
このような粉末を先端部に圧入してから電極と一体的に焼結する方法は、エミッター蒸発を抑えること、陰極を容易に製造することを目的として行われる。電極との一体的焼結処理がなされると、スエージ処理(鍛造処理)が行われる。
特許第3269408号公報(段落[0018]、[0019]等参照)
特許文献1では、焼結体の密度分布を考慮した混合粉末の加圧挿入が行われていない。そのため、焼結体内部では、局所的に高密度な領域が生じる一方で、低密度な領域が部分的に存在し、密度変化が激しい。一般的には、電極先端面付近で非常に高密度となる一方、凹部底面付近では低密度な部分が不規則に散在する。
そのため、ランプ点灯中、エミッターの供給が低密度部分で遮断されてしまい、潤滑にエミッターを陰極先端部へ供給することができなくなるおそれがある。また、低密度部分からエミッターが過剰に供給されることでエミッター拡散が減少し、ランプの寿命が縮まる。
一方、密度分布が全体的に不均一であるため、電極先端部における電極強度が不足し、電極が変形しやすい。さらに、点灯中に電極先端部が高温になる結果、高密度部分で熱変形しやすく、電極強度のバランスを崩す恐れがある。
このように、エミッターを含む電極に対しては、安定したエミッターの供給、および安定した強度をもつ電極構造が必要とされる。
本発明の放電ランプは、放電容器と、放電容器内に配置される一対の電極とを備え、少なくとも一方の電極(例えば陰極)が、電子放射性物質を含む焼結体を先端部に有する。例えば、電極形状は円柱状胴体部分とテーパー面をもつ先端部を備え、焼結体の一部が他方の電極と向かい合うように一部露出した状態で電極軸に沿った構造体となる。電子放射性物質を先端部で高密度にするため、電極先端部に平面を形成してもよい。
本発明では、焼結体が、電極先端側から電極後端側に向けて密度が減少するように、傾斜化している。ここで、傾斜化とは、「空間的に一つの機能、特性から他の機能、特性へと連続的または段階的に変化する一体の材料」を意味し(「傾斜機能材料の技術展開」(上村 誠一他編集、シーエムシー出版、2003年10月31日発行)など参照)、本発明の焼結体は連続的な密度勾配をもち、特性(電子放射性物質の供給特性、強度など)が連続的に変化するように構成されている。
従来の電極構造、すなわち、密度が不均一な電極構造、あるいは電子放射性物質の濃度(割合)を電極後端側で高くした濃度勾配のある電極構造とは異なり、本発明では、焼結内の密度が連続的に変化し、しかも、電極先端側から電極後端側の方向に関し、連続的に減少するような密度分布をもつ。
不規則な低密度領域、あるいは高密度領域など、急激な密度変化の生じている部分が焼結体内部で存在しないため、ランプ点灯中、電子放射性物質(エミッター)が途絶えることなく電極先端側へ安定して供給される。また、焼結体が連続的な安定した密度分布構造であるため、電極先端部の強度がバランスよく維持される。
電子放射性物質の安定供給、電極の耐温度性能などを考慮し、焼結体は、例えば、アルカリ系酸化物などから成る電子放射性物質と、タングステンなどの高融点金属の結晶体となる。焼結体の生成については、電子放射性物質を含む粉末などを圧縮させて電極と一体的に焼結するか、あるいは、粉末の圧縮体を先に焼結させ、焼結体を電極先端部に埋設する方法が考えられる。連続的な密度変化を確実に生じさせ、電極構造の強度を確保することを考慮すれば、圧縮体を電極と一体的に焼結させるのが望ましい。
したがって、電子放射性物質を含む粉末の圧縮体を電極と一体的に焼結し、焼結体を形成するのがよい。例えば、電子放射成物質などを含む粉末を電極先端部の凹部に圧縮挿入し、その後、電極と一体的に焼結成形させるのがよい。
焼結体は、全体的に密度が傾斜化する単層構造でもよく、あるいは、複数の層から成る積層構造にすることも可能である。エミッターの安定供給、電極先端部の強度向上のためには、複数の層を重ねた積層構造を採用するのが望ましい。この場合、焼結体は、層ごとに密度が電極先端側から電極後端側へ減少する。
複数の層によって焼結体を構成する場合、電子放射性物質粉末と高融点金属粉末との混合粉末を積層化させればよい。圧縮後に焼結する場合、混合粉末を所定厚さごとに先端部凹部へ圧縮挿入し、積層化された粉末を焼結する。このとき、電子放射性物質および高融点金属は、各層において均質に分布させ、どちらか一方の物質に濃度勾配を生じさせないようにするのがよい。
あるいは、電子放射性物質粉末から成る層と、高融点金属粉末から成る層とを交互に積層させて焼結体を構成してもよい。電極先端部の強度を向上させることを考慮すれば、高融点金属粉末から成る層の厚さが、電極先端側から離れるほど、電子放射性物質粉末から成る層と比べて相対的に小さくなるようにすればよい。一方、電子放射性物質を先端部に集中させる場合、高融点金属粉末から成る層の厚さが、電極先端側から離れるほど、電子放射性物質粉末から成る層と比べて相対的に大きくなるようにするのがよい。
ランプ点灯中、電極先端部は高温となって熱変形を生じやすい。熱膨張による歪みを防止することを考慮し、焼結体の各層間に隙間を設けるのが望ましい。上述したように粉末を層毎に圧縮挿入する場合、層と層との間に隙間を形成することが可能である。
小型ショートアーク放電ランプなどの場合、電極先端部分の径が微小となって、電子放射性物質の粉末を効果的に圧縮挿入させることが必要となる。例えば、電極先端部に形成された凹部の径をD、凹部に設けられる焼結体を成形する各層の厚さをHとした場合、以下の式を満たすように層の厚さを設定するのがよい。

H/D≦3
本発明の他の局面における放電ランプ用電極は、先端面を有し、電子放射性物質を含む焼結体が先端面に形成された凹部に埋設されるテーパー状先端部を有し、焼結体が、電極先端側から電極後端側に向けて密度が連続的に減少するように、傾斜化していることを特徴とする。
本発明の他の局面である電極の製造方法は、電子放射性物質を含む粉末、高融点金属を含む粉末、これらの混合粉末のうち少なくともいずれか1つの粉末を、電極部材の先端部に形成された凹部に圧縮挿入し、粉末を圧縮挿入した状態で電極部材を焼結する。そして、圧縮挿入時には、粉末の焼結体の密度が電極先端側から電極後端側に向けて連続的に減少するように、所定の圧縮力に基づく粉末に対する加圧を、所定時間間隔で複数回数繰り返すことを特徴とする。
陰極先端部は一般的にサイズが小さく、粉末を圧縮挿入するのが難しい。例えば、電極サイズが小さく、電極間隔の短い小型のショートアーク型放電ランプ(電極間隔:約3mm)の場合、電極先端部に形成される凹部の径は微小となる(0.7mm〜10mm程度)。本発明では、粉末に対するプレスを複数回繰り返し行うことによって、焼結体の密度勾配を形成している。粉末としては、電子放射性物質、高融点金属の混合粉末を、積層化するように所定の厚さで順に圧縮処理してもよく、あるいは電子放射性物質の粉末、高融点金属の粉末を別々に圧縮し、積層化してもよい。
圧縮力、時間間隔、圧縮回数は、電極サイズ、粉末粒径などに従って定めればよい。例えば、所定の圧縮力を151MPa以上、加圧期間を1秒以下、所定時間間隔を0.1〜3秒の範囲内、そして、加圧の繰り返し回数を20回以上に設定すればよい。焼結方法としては、例えば、放電プラズマ焼結によって焼結させればよい。
本発明によれば、安定したエミッターの拡散、安定した電極強度を提供することが出来る。
第1の実施形態であるショートアーク型放電ランプの概略的断面図である。 電極軸に沿った陰極の部分的断面図である。 第2の実施形態である放電ランプの陰極断面図である。 第3の実施形態である放電ランプの陰極断面図である。 第4の実施形態である放電ランプの陰極断面図である。 第5の実施形態である放電ランプの陰極断面図である。 実施例1における焼結層内部におけるエミッターとタングステンの分布を示した図である。 焼結層の顕微鏡写真を示した図である。 焼結層の高密度部分と低密度部分を示した図8の拡大写真である。 圧縮処理するときの混合粉末の充填量を変えたときの圧縮率を示した図である。
以下では、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
図1は、第1の実施形態であるショートアーク型放電ランプの概略的断面図である。
ショートアーク型放電ランプ10は、透明な石英ガラス製の発光管12を備え、発光管12内には陰極20、陽極30が所定間隔をもって対向配置される。発光管12の両側には、石英ガラス製の封止管13A、13Bが発光管12と連設し、一体的に形成されている。発光管12内には、水銀、およびアルゴンガスなどの希ガスが封入されている。
封止管13A、13Bの内部には、陰極20、陽極30を支持する導電性の電極支持棒17A、17Bが配設されている。電極支持棒17A、17Bは、それぞれ金属箔16A、16Bを介して導電性のリード棒15A、15Bと接続される。封止管13A、13Bは、それぞれ金属箔16A、16Bと溶着し、これによって発光管12が封止され、その両端が口金19A、19Bによって塞がれる。
リード棒15A、15Bは外部の電源部(図示せず)に接続されており、リード棒15A、15Bを介して陰極20、陽極30に電力が供給される。陰極20、陽極30の間に電圧が印加されると、陰極20、陽極30の電極間でアーク放電が発生し、発光管12の外部に向けて光が放射される。
図2は、電極軸に沿った陰極の部分的断面図である。
陰極20は、電極本体21にエミッター(電子放射性物質)を含んだ焼結体(以下、焼結層という)を一体的に備えた電極である。電極本体21は、陽極30から離れたその後端側で電極支持棒17Aによって支持される円柱状胴体部22と、テーパー面23Tおよび陽極と対向する先端面23Sをもつ円錐状先端部23から構成される。先端部23には、先端面23Sから電極軸Eに沿って有底筒状凹部25が形成されており、その凹部25には焼結層(焼結体)24が埋設されている。焼結層24の上端は陰極20から露出し、先端面23Sの一部を構成する。
電極軸Eに沿って延在する焼結層24は、複数の層から成る積層構造になっている。各層26は、タングステン(W)などの高融点金属の粉末と、酸化バリウム、酸化トリウムなどのアルカリ系酸化物を成分とするエミッター粉末とを混ぜ合わせた混合粉末を焼結成形したものとして構成されている。各層26の厚さはほぼ一定である。
焼結層24の各層26では、その焼結体が、電極先端面23Sから電極本体21の後端側に向けて傾斜化している。詳述すると、各層26の密度が、連続的に電極軸Eに沿って低下し、その変化率が一定の分布になっている(以下、各層を密度傾斜層という)。密度傾斜層26の内部では、高融点金属、エミッターがほぼ均質に混ざった結晶構造となっている。また、隣接する層の間には、微小隙間QSが存在する。ランプ点灯が開始されると、焼結層24内のエミッターが先端面23Sに向けて拡散する。
このような陰極20の製造工程について説明する。まず、ミールボールなどを使ってエミッター粉末と高融点粉末とを混合し、混合粉末を所定量ずつ凹部25に挿入し、圧縮処理された混合粉末層を段階的に積層していく。
各層における圧縮処理では、混合粉末に対する1回のプレスする力(圧縮力)、一回の加圧期間、加圧の時間間隔、および加圧の反復回数が決められるが、混合粉末の密度が連続的に変化するように定めればよく、凹部25の寸法、高融点金属粉末およびエミッター粉末の粒径などに従って定められる。例えば、凹部25の径がおよそ0.7mm〜10mm程度である場合、圧縮力を50N(直径0.65mmのピンを圧縮に用いた場合、151MPaに相当する)以上、1回の圧縮期間を1秒以下(例えば0.1秒)、圧縮時間間隔(頻度)を0.1〜3秒の範囲内に設定し、そして、圧縮反復回数を20回以上に定めることができる。
密度傾斜層26の厚さは、密度の連続的変化を達成すること、およびトータルの圧縮工程数(積層数)を低減することなどを考慮し、2mm以下に設定される。圧縮処理が層ごとに行われた後、焼結処理が行われる。焼結処理としては、アーク放電過熱、高周波加熱、あるいは放電プラズマ焼結(SPS)などの拡散接合が可能であり、1000℃以上の高温、および不活性ガス雰囲気下で焼結処理が行われる。
このように本実施形態によれば、放電ランプ10は、複数の密度傾斜層26から成る焼結層24を電極先端部23に設けた陰極20を備える。焼結層24は、酸化バリウムなどのエミッター粉末とタングステンなどの高融点金属粉末の混合粉末を段階的に陰極20の凹部25へ圧縮挿入し、その後一体的にSPS焼結することによって形成される。各層において焼結体が傾斜化しており、その密度が電極先端側から電極後端側に向かって連続的に減少している。
焼結体の傾斜化、すなわちほぼ一定の密度勾配であり、低密度、高密度領域が不規則、部分的に散在しない。そのため、ランプ点灯中、エミッター拡散の減少を抑え、エミッターの供給が突然途絶えるのを防止することができる。
また、高密度から小密度へ連続変化する圧縮層を積層させて焼結体を成形しているため、焼結層全体の強度バランスが偏ることを防ぎ、電極先端部の強度がバランスよく維持される。このような構成は、ランプ点灯中、熱膨張による電極変形を防ぐとともに、高温状態になっても電極先端部の強度のバランスを安定して維持することができる。さらに、各焼結層においてエミッターあるいは高融点金属の濃度勾配が生じず、両方の物質がほぼ均質に混ざり合うことによって電極先端部の強度がより安定する。
また、隣接する層の間に隙間QSが生じているため、ランプ点灯中に電極先端部が軸方向に熱膨張したとき、隙間QSが膨張を吸収し、焼結層が押し出されるのを防ぐことができる。また、熱膨張に伴うエミッターの過剰流出も隙間によって防ぐことができる。
各焼結層の厚さは、密度が連続的に変化するように混合粉末を十分に圧縮挿入できる条件で任意に設定可能である。各層の厚さをH、凹部の径をDとした場合、好ましくは、その比H/Dが3以下(H/D≦3)の関係を満たすように厚さを定めるのがよい。
次に、図3を用いて第2の実施形態である放電ランプについて説明する。第2の実施形態では、エミッター層を構成する高融点金属粉末とエミッター粉末が別々に積層される。それ以外の構成については、実質的に第1の実施形態と同じである。
図3は、第2の実施形態である放電ランプの陰極断面図である。
陰極120は、陰極本体121に焼結層124を一体的に埋設させた電極である。焼結層124は、タングステンなどの高融点金属粉末から焼結生成される層126Aと、酸化バリウムなどのアルカリ系酸化物粉末から焼結生成されるエミッター層126Bを交互に積層させた構造になっている。各層内部では、第1実施形態と同じように、金属密度が傾斜化している。すなわち、密度が電極先端部から離れる方向に向けて連続的に低下している。
高融点金属層126Aの電極軸方向厚さは、エミッター層126Bに比べて大きい。高融点金属層126Aの電極軸方向厚さ、エミッター層126Bの厚さは、それぞれ一定になっている。
陰極120の製造工程としては、高融点金属粉末をそのまま凹部へ加圧挿入し、その後にエミッター粉末をその上に加圧挿入する。これを繰り返し行った後に焼結処理を行うことによって、図3に示す焼結層が形成される。
このように金属粉末の種類ごとに積層化、および傾斜化することによっても、点灯中のエミッターの拡散を持続し、電極変形を防ぐことができる。
次に、図4を用いて、第3の実施形態である放電ランプについて説明する。第3の実施形態では、高融点金属層の厚さが変化する。それ以外の構成については、第2の実施形態と同じである。
図4は、第3の実施形態である放電ランプの陰極断面図である。陰極120’は、陰極本体121’に焼結層124’が一体的に成形されている。焼結層124’は、高融点金属層126A’とエミッター層126B’とを交互に積層させた構造となっている。
タングステンなどの高融点金属層126A’は、電極先端面に近いほどその厚さが大きい。その結果、電極先端面付近で強度が高くなる。その一方で、エミッター層の底部に占める割合が大きいため、ランプ始動時のエミッター拡散が広がりやすくなる。
次に、図5を用いて、第4の実施形態である放電ランプについて説明する。第4の実施形態では、高融点金属層が底部にいくほど厚くなる。それ以外の構成については、第3の実施形態と実質的に同じである。
図5は、第4の実施形態である放電ランプの陰極断面図である。陰極120”は、陰極本体121”に焼結層124”が一体的に成形されている。高融点金属層126A”は、電極先端面から離れるほどその厚さが大きい。その結果、先端部付近でエミッター層126”の占める割合が大きくなり、エミッターが十分供給される。
次に、図6を用いて、第5の実施形態である放電ランプについて説明する。第5の実施形態では、単一層によって焼結層が形成される。それ以外の構成については、第1の実施形態と実質的に同じである。
図6は、第5の実施形態である放電ランプの陰極断面図である。陰極220の先端部には、エミッター焼結層224が形成されている。焼結層224は、積層構造ではなく単一層であり、高融点金属粉末とエミッター粉末との混合粉末を電極先端部に加圧挿入し、焼結することによって生成される。
エミッター焼結層224では、高融点金属、エミッターが均質に混ざっており、その密度は電極先端面から離れるに従って連続的に低下している。このような電極構造でも、第1の実施形態と同様に、エミッターの安定した供給、電極変形の防止を実現することができる。
電極の強度を確保できるならば、エミッター粉末を先に傾斜化させるように圧縮処理して焼結し、焼結したものを電極先端部に埋設するようにしてもよい。また、SPS焼結以外の焼結方法を使用してもよい。エミッター粉末は、アルカリ系酸化物以外の物質による粉末でもよく、また、タングステン以外の高融点金属を用いてもよい。焼結体の構造についても、エミッターの拡散路が形成される結晶構造をもてばよい。
電極先端部は、先端面を形成しないコーン形状であってもよい。また、陰極だけでなく、陽極あるいは両電極に対し、焼結体を埋設させてもよい。さらに、小型以外のショートアーク型放電ランプに適用することも可能である。
以下、図7〜図9を用いて実施例である放電ランプについて説明する。ここでは、第1実施形態に示した積層状の焼結層を埋設させた陰極を製造し、点灯実験した。
実施例の放電ランプは、電力500Wの水銀とキセノンを封入した小型放電ランプであり、極間3mm、焼結層長さ3mm、焼結層径1mm、陰極および陽極径6mmに定められている。
陰極製造には、エミッター粉末とタングステン粉末とを用意して混合した。タングステン粉末は、10μm粒径、4μm粒径、1μm粒径の粉末をそれぞれ70%重量、20%重量、10%重量で混合している。エミッター粉末は、BaCO3、SrCO3、CaCO3、WO3をそれぞれ1.8モル、0.2モル、1.0モル、1.0モルの割合で混合した粉末を1000〜2000℃で焼成した後、粉砕処理した。いずれもボールミルを使って混合している。
不活性ガス雰囲気で保管したタングステン粉末とエミター粉末を、それぞれ90%重量、10%重量の割合でボールミル等を使って混合した。その後、円柱状電極部材の先端面に形成された凹部に、混合粉末を圧縮挿入した。
圧縮行程では、1回の圧縮力を300N(直径0.65mmのピンを圧縮に用いた場合、904MPaに相当する)に定め、1秒間隔でプレス機により約0.1秒抑える。このような加圧を約100回繰り返し行い、混合粉末の密度傾斜化された層を積層化する。各層の厚さが約0.5mmとなるように積層化した。
圧縮処理後、1000℃付近で約10分間、不活性ガス雰囲気の元に焼結処理を行った。ここでは、従来知られている放電プラズマ焼結方法によって焼結処理を行った。
図7は、実施例における焼結層内部におけるエミッターとタングステンの分布を示した図である。図8は、焼結層の顕微鏡写真を示した図である。図9は、焼結層の高密度部分と低密度部分を示した図8の拡大写真である。
図8に示す焼結層は、左側が電極先端面側であり、右側の層から順に混合粉末を圧縮挿入し、焼成されている。密度の大きいほど輝度が高い画素で表されている。各密度傾斜層においては、輝度の高い部分が電極先端側に存在し、徐々に輝度が低くなって電極底部側(後端側)で輝度が低くなっている。よって、密度が電極先端面から底部へ向けて連続的に減少していることがわかる。
図7には、密度傾斜層内部におけるタングステン、エミッターの占有割合を示している。横軸は画像のグレースケール(0〜255)を表す。縦軸は各輝度レベルのピクセル総数を示し、画像全体に対する占有割合に相当する。密度傾斜層の上部、下部においてタングステン、エミッターがほぼ均質に存在することがわかる。また、層上部に比べて層下部では、エミッターの拡散路となる空隙が相対的に多く、層下部では密度が低いことが確かめられる。
図9には、隣接する2つの層の境界となる部分を拡大した写真を示している。図9に示すように、混合粉末の圧縮挿入後の焼結の工程により、層の間に隙間が生じていることが確かめられる。
上記製造方法によって製造された放電ランプの点灯実験を行ったところ、1500時間点灯経過後においても、陰極先端部の変形が抑えられた。また、波長248nmの光照度を測定した結果、70%の維持率を得ることができた。
一方、電極先端部に混合粉末を一度に挿入、一回だけ圧縮処理を行って傾斜化のない焼結体を成形した陰極の場合、1500時間点灯経過後において、50%の維持率しか達成できなかった。電子顕微鏡写真で電極先端部の内部構造を調べたところ(ここでは図示せず)、電極先端部の焼結体は密度が不均一に分布し、不規則に大きな空隙が生じて密度変化が激しいことがわかった。
図10を用いて、実施例2の放電ランプについて説明する。ここでは、焼結体層の各層の厚さを変えたときの圧縮率を計測した。
図10は、圧縮処理するときの混合粉末の充填量を変えたときの圧縮率を示した図である。圧縮率は、粉末の圧縮挿入後の厚さから求められる。図10では、圧縮力を500N、300N、100Nに変えたときの圧縮率を示している。焼結層のサイズは、実施例1と同じサイズであり、焼結層長さ3mm、焼結層径1mmに設定されている。
図10に示すように、それぞれの圧縮力において、層の厚さ2.0mm以下であれば、圧縮率が相対的に高くなっていることが実証された。
10 ショートアーク型放電ランプ
12 発光管(放電容器)
20 陰極
21 陰極本体
22 胴体部
23 陰極先端部
23S 陰極先端面
24 焼結層(焼結体)
26 密度傾斜層(層)
QS 隙間

Claims (15)

  1. 放電容器と、
    前記放電容器内に配置される一対の電極とを備え、
    少なくとも一方の電極が、電子放射性物質を含む焼結体を先端部に有し、
    前記焼結体が、電極先端側から電極後端側に向けて密度が連続的に減少するように、傾斜化しており、
    前記焼結体が、複数の層から成る積層構造であり、
    前記焼結体が、各層において傾斜化していることを特徴とする放電ランプ。
  2. 前記焼結体が、電子放射性物質を含む粉末の圧縮体を前記電極と一体的に焼結させて成形したものであることを特徴とする請求項1に記載の放電ランプ。
  3. 前記焼結体の各層の厚さが、ほぼ一定であることを特徴とする請求項に記載の放電ランプ。
  4. 前記焼結体の各層が、電子放射性物質粉末と高融点金属粉末との混合粉末から成る層であることを特徴とする請求項に記載の放電ランプ。
  5. 前記焼結体が、電子放射性物質粉末から成る層と高融点金属粉末から成る層とを交互に積層させた構造であることを特徴とする請求項に記載の放電ランプ。
  6. 前記高融点金属粉末から成る層の厚さが、電極先端側から離れるほど、前記電子放射性物質粉末から成る層と比べて相対的に小さくなることを特徴とする請求項5に記載の放電ランプ。
  7. 前記高融点金属粉末から成る層の厚さが、電極先端側から離れるほど、前記電子放射性物質粉末から成る層と比べて相対的に大きくなることを特徴とする請求項5に記載の放電ランプ。
  8. 前記焼結体の各層間に隙間が形成されていることを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の放電ランプ。
  9. 前記焼結体の各層の内部において、電子放射性物質と高融点金属がほぼ均質に混ざっていることを特徴とする請求項に記載の放電ランプ。
  10. 前記電極先端部に形成された凹部の径をD、前記凹部に設けられる前記焼結体の各層の厚さをHとすると、以下の式を満たすことを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載の放電ランプ。

    H/D≦3
  11. 前記電極が、前記先端部に平面を有することを特徴とする請求項1乃至10のいずれかに記載の放電ランプ。
  12. 電極支持棒に支持される胴体部と、
    先端面を有するテーパー状先端部とを備え、
    電子放射性物質を含む焼結体が、前記先端面に形成された凹部に設けられ、
    前記焼結体が、電極先端側から電極後端側に向けて密度が連続的に減少するように、傾斜化しており、
    前記焼結体が、複数の層から成る積層構造であり、
    前記焼結体が、各層において傾斜化していることを特徴とする放電ランプ用電極。
  13. 電子放射性物質を含む粉末、高融点金属を含む粉末、これらの混合粉末のうち少なくともいずれか1つの粉末を、電極部材の先端部に形成された凹部に圧縮挿入し、
    前記粉末を圧縮挿入した状態で前記電極部材を焼結する電極の製造方法であって、
    圧縮挿入において、前記粉末の焼結体の密度が電極先端側から電極後端側に向けて連続的に減少するように、所定の圧縮力、1回の所定加圧期間に基づく前記粉末に対する加圧を、所定時間間隔で複数回数繰り返すことを特徴とする電極の製造方法。
  14. 前記所定の圧縮力が151MPa以上、前記所定時間間隔が0.1〜3秒の範囲内、前記所定の加圧期間が1秒以下、そして、前記所定回数が20回以上であることを特徴とする請求項13に記載の電極の製造方法。
  15. 前記焼結が、放電プラズマ焼結(SPS)であることを特徴とする請求項13に記載の電極の製造方法。
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