次に、本発明に係る電子黒板の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。以下、電子黒板を学校の教室内で教員と生徒が使用する場合を例示する。
図1は、本実施形態に係る電子黒板の概略構成図である。
電子黒板1000は、ディスプレイ2000、生徒用の入力パッド3000、制御部4000、パーソナルコンピュータ(以下PCという)5000、教員用の入力パッド5500から構成される。
ディスプレイ2000は、教室の前の教壇上に設置されたスクリーンに画像を投影するプロジェクター又は教壇上に設置される平面ディスプレイなどの表示装置である。プロジェクターは画像表示用の投影部として機能し、平面ディスプレイは画像表示用の表示部として機能する。なお、ディスプレイ2000は、プロジェクターや平面ディスプレイには限らず、生徒に向けて画像を表示できる3Dディスプレイなどのあらゆる表示装置を使用することができる。
入力パッド3000は、各生徒(第一操作者)が1台ずつ所持し、各生徒からの書込み情報の入力信号を受け付ける。入力パッド3000は主入力部として機能する。入力パッド3000はペンタブレット又は液晶ペンタブレットで構成される。入力パッド3000は各生徒による書込み情報の入力信号を出力させる入力用スタイラスペン301を備えている。入力パッド3000は図示するように複数のグループ(グループAからグループC)に分けられる。各グループは一台又は複数台の入力パッド3000を有する。図1では、グループAは3台の入力パッド3000A−1〜3000A−3を有し、グループBは1台の入力パッド3000Bを有し、グループCは2台の入力パッド3000C−1と3000C−2を有する。なお、図1では入力パッド3000を複数のグループに分けた場合を例示したが、グループは複数のグループだけではなく1つのグループであっても良い。
制御部4000は、全ての入力パッド3000と信号授受可能に構成され、入力パッド3000からの書込み情報の入力信号を受け取った際、この入力信号を処理して画像表示用のディスプレイ2000を制御する。制御部4000は、ディスプレイ2000に対して任意の背景画像を表示可能に制御する。
PC5000は、教室の前で講義する教員(第2操作者)が所持するものであって、複数の入力パッド3000と制御部4000との間に介在し複数の入力パッド3000の全てからの入力信号を統括制御する。PC5000は副入力部として機能する。PC5000には制御画面5100とモニター画面5200(表示部1)とが設けられている。制御画面5100は、入力パッド3000との間で全ての入力信号を監視し、例えば各グループの入力パッド3000を選択的にアクティブにしたりインアクティブにしたりするときに使用する。モニター画面5200(表示部1)は、ディスプレイ2000(表示部2)に表示されている画像と同一の画像を表示する。また、PC5000には教員用の入力パッド5500が接続される。入力パッド5500も副入力部として機能する。なお、教員用の入力パッド5500の構成は生徒用の入力パッド3000の構成と同一である。PC5000は汎用のノートパソコン、デスクトップパソコンなどのパーソナルコンピュータを使用することができる。また、図1では、PC5000と入力パッド5500の両方を副入力部として使用しているが、入力パッド5500をペンタブレット又は液晶ペンタブレットで構成し、PC5000に代えて、ペンタブレット又は液晶ペンタブレットのみを用いるようにしても良い。
図1に示すように、ディスプレイ2000の投影画像又は表示面は一または複数の仮想セルの群で構成される複数の表示区画を有する。図では、3台の入力パッド3000を有するグループAにグループAの黒板としてディスプレイ2000の左半分の表示区画が割当られ、2台の入力パッド3000を有するグループCにグループCの黒板としてディスプレイ2000の右下半分の表示区画が割当られている。また、ディスプレイ2000の投影画像又は表示面は、複数の表示区画の1つとしてタブレット表示域を有する。タブレット表示域は、入力パッド3000を構成するペンタブレット又は液晶ペンタブレットの仮想セルのイメージを含んだ画像を生徒又は教員の操作に同期して表示する部分である。
図1では、タブレット表示域としてディスプレイ2000の下4分の1の表示区画が割当られている。タブレット表示域は、入力パッド3000が有する、入力用スタイラスペン301で文字などの書込み情報を入力する手書き入力部が非透光性である場合に表示される。非透光性の入力パッド3000を用いる場合、入力用スタイラスペン301で手書き入力部に書いた文字などを自分で見ることができない。このため、書いた文字などをタブレット表示域に表示される画像で確認できるようにするためである。なお、図2では、透光性の入力パッドを用いる場合を例示している。透光性の入力パッドは入力用スタイラスペン301で手書き入力部に書いた文字を自分で見ることができる。したがって、図2のディスプレイ2000にはタブレット表示域を形成していない。
グループA〜Cの黒板として割り当てる表示区画とタブレット表示域の大きさや場所は、固定されているわけではなく、教員用の入力パッド5500を用いて自由に設定することができる。
ディスプレイ2000の投影画像又は表示面と入力パッド3000の入力部は、縦横に連続するM×Nの複数の仮想セルで区切られる。かつ、ディスプレイ2000の投影画像又は表示面の仮想セルと入力パッド3000の入力部の仮想セルとはそれらの位置の対応関係を同じくして同数設定される。仮想セルのサイズと数は変更可能であり、図1及び図2に示すように、ディスプレイ2000に割当られた表示区画ごとに異なっても良い。例えば、グループAには、ディスプレイ2000の左半分の表示区画がグループAの黒板として設定され、その表示区画に3台の入力パッド3000A−1〜3000A−3が割り当てられている。この場合、ディスプレイ2000の左半分の表示区画と入力パッド3000A−1〜3000A−3の各入力部の仮想セルの数は同数設定される。これは、グループB、Cについても同様である。ただ、グループ間での仮想セルのサイズと数は異なっても良いのはもちろんである。
ディスプレイ2000に割当てる表示区画の大きさと位置、仮想セルのサイズと数は教員のPC5000と入力パッド5500によって設定することができる。仮想セルの境目を示すメッシュ状の線は表示するようにしたり、表示しないようにしたりできる。入力パッド3000が複数設けられる際には、制御部4000は複数の入力パッド3000を所定条件で一または複数の集合でグループ化し、各グループに対して表示区画をそれぞれ割当て、表示区画毎に書込み情報を表示させる制御を実行する。
入力パッド3000は何れの仮想セルを書込み開始位置にするかを生徒に指定させるための指定部(後述する)を備える。制御部4000は指定部からの指定信号を受けて入力パッド3000から入力される書込み情報に基づく画像を、生徒による入力パッド3000へのエンター信号を受信したときに、指定された仮想セルから開始して順次隣り合う仮想セルへと、ディスプレイ2000に表示させる制御を実行する標準制御モードを備える。さらに、制御部4000は入力パッド3000から入力される書込み情報に基づく画像を、投影画像又は表示面の複数の仮想セル全てを統合し一の表示領域にして表示させる制御を実行するページ制御モードを備える。標準制御モードとページ制御モードは生徒が入力パッド3000により適宜どちらかの制御モードに切替えることができる。PC5000または入力パッド5500も、標準制御モードとページ制御モードの少なくとも一方の制御モードを備える。
それぞれの入力パッド3000は挙手操作子(後述する)を備える。さらに、PC5000は、挙手操作子からの信号を視覚的に確認可能な通知デバイス(後述する)を備える。PC5000は、挙手操作子からの挙手信号が通知デバイスに出力されたのを確認して、教員が何れの入力パッド3000からの書込み情報を投影画像又は表示部に表示させるかを選択して、制御部4000に送信できる構成となっている。
制御部4000は入力パッド3000からの書込み情報の入力信号の中断状態を監視する機能も有している。制御部4000は入力信号の中断状態が所定時間以上続いたときに、入力パッド3000から入力される書込み情報に基づく画像を、指定された仮想セルから開始して順次隣り合う仮想セルへと投影画像又は表示面に表示させる。制御部4000は入力パッド3000からの書込み情報の入力速度を監視する機能も有している。制御部4000は入力速度に対応した時間に上記の所定時間を変更するタイミング調整手段も備えている。したがって、書込み情報の入力速度が速ければ速いほど、書込み情報に基づく画像を順次隣り合う仮想セルへと表示させるタイミングが速くなる。
本実施形態の電子黒板1000は、各グループの入力パッド3000の内の1つをグループごとに同時にアクティブにすることができる。図1に示す電子黒板1000は入力パッド3000の種類として非透光性の入力パッドを用いているので、あまりに多くの入力パッドをアクティブにできるようにすると、ディスプレイ2000のタブレット表示域に多くの入力タブレットの画像を表示することになるため、各入力タブレットに書込んだ情報が読み取り難くなる。そのため、図1に示す電子黒板1000では、グループAの入力パッド3000A−2のみをアクティブにしている。また、図2に示す電子黒板1000は入力パッド3000の種類として透光性の入力パッドを用いているので、ディスプレイ2000にタブレット表示域を設ける必要はなく、グループAの入力パッド3000A−2とグループCの入力パッド3000C−2の2つをアクティブにしている。つまり、非透光性の入力パッド3000を用いる電子黒板1000は1つの入力パッド3000をアクティブにすることができるが、透光性の入力パッド3000を用いる電子黒板1000は同時に複数の入力パッド3000をアクティブにすることができる。なお、上記の例では、非透光性の入力パッド3000を用いる電子黒板1000は1つの入力パッド3000をアクティブにできるようにしたが、1つだけではなく、3台程度までなら同時にアクティブにできるようにしても良い。この程度の台数であれば、タブレット表示域に表示される各入力タブレットに書込んだ情報が読み取り難くなることはないと考えられるからである。
図1及び図2に示した、ディスプレイ2000、生徒用の入力パッド3000、制御部4000、パーソナルコンピュータ(以下PCという)5000、教員用の入力パッド5500のそれぞれは、有線で接続することもできるし、無線で接続することができる。特に、生徒用の入力パッド3000と制御部4000との間の接続は、相互に送受信するデータ量が無線でも十分に通信可能な程度であることから、使い勝手を考慮すると、無線によることが好ましい。このことは、PC5000と教員用の入力パッド5500との接続についても同様である。
図1及び図2に示した電子黒板1000の概略構成を示すブロック図を図3A、Bに示す。図3Aに示すように、入力パッド3000として非透光性の入力パッドを用いる場合には、制御部4000には入力パッド3000の手書き入力部3020が接続される。また、制御部4000にはモニター画面5200(表示部1)とディスプレイ2000(表示部2)が接続される。図3Bに示すように、入力パッド3000として透光性の入力パッドを用いる場合には、制御部4000には入力パッド3000の手書き入力部3020が接続され、また、手書き入力部3020には、入力タブレット202と入力表示装置201を備える入力表示部3010が接続される。また、制御部4000にはモニター画面5200(表示部1)とディスプレイ2000が(表示部2)接続される。
図4は、電子黒板1000を構成する入力パッド3000、制御部4000、ディスプレイ2000、PC5000、入力パッド5500の接続関係と、入力パッド3000及び制御部4000の概略構成を示すブロック図である。図4では、入力パッド3000として透光性の入力パッドを用いる場合を例示する。
図4に示すように、制御部4000は、CPU(Central Processing Unit)4200、メモリ4300、補助記憶部4400、I/F部4100、パッド選択部4500を備える。CPU4200、メモリ4300、補助記憶部4400、I/F部4100、パッド選択部4500はバスライン2050で相互に接続される。
入力パッド3000は入力表示部3010と手書き入力部3020とを備え、入力表示部3010は入力表示装置201と入力タブレット202とを備える。入力パッド3000の手書き入力部3020は制御部4000のバスライン2050に接続される。ディスプレイ2000とPC5000も制御部4000のバスライン2050に接続される。
CPU4200は、電子黒板1000の動作を統括的に制御する部分であり、メモリ4300及び補助記憶部4400に記憶された電子黒板動作用プログラムを適宜読み出して実行する。したがって、以降に記載するディスプレイ2000、入力パッド3000、PC5000及び入力パッド5500が備える全ての機能は制御部4000のメモリ4300及び補助記憶部4400に記憶された電子黒板動作用プログラムをCPU4200が実行することによって実現される。
メモリ4300は不揮発性のROM(Read Only Memory)、揮発性のRAM(Random Access Memory)によって構成され、電子黒板動作用プログラムを記憶したり、電子黒板の使用中に発生する各種の信号やデータを記憶したりする。
補助記憶部4400は、フラッシュメモリ等により構成され、制御部4000が機能するための各種プログラム及び本発明の機能を実行するプログラムを記憶している。
I/F部4100は、ディスプレイ2000、入力パッド3000、PC5000を相互に接続するためのインターフェースである。
パッド選択部4500は、現在アクティブになっている入力パッドのID、アクティブになっていない入力パッドのIDを把握し、教員が使用するPC5000の指令を受けて、入力パッド3000を選択的にアクティブにしたりインアクティブにしたりする。
入力表示部3010は、入力用スタイラスペン301によって入力タブレット202に手書きされた軌跡を入力表示装置201に表示させる。また、入力タブレット202に配置される各種のコマンドボタン(後述する)を入力表示装置201に表示させる。さらに、制御部4000から出力されるコマンドボタンのアクセス信号に基づいて、入力表示装置201に表示されているコマンドボタンの色を変化させたり、入力を受け付けるコマンドボタンを設定したりする。
手書き入力部3020は、入力タブレット202に手書きされた軌跡に関する手書き情報や入力タブレット202に配置される各種のコマンドボタンのタッチ情報を受け付けて、制御部4000に出力する機能を有する。また、制御部4000から出力されるコマンドボタンのアクセス情報を入力表示装置201に出力する。
入力タブレット202は入力表示装置201の前面に配置されており透光性を有する。入力タブレット202は、透光性を有するタブレットや、タッチパッド等によって構成され、入力用スタイラスペン301の接触を検出し、検出した接触の位置の座標情報を出力する。
入力表示装置201は、LCDや有機EL等によって構成され、入力タブレット202に入力された軌跡を表示する。
図5は、PC5000の制御画面5100とPC5000のモニターとして設けられているモニター画面5200(表示部1)の表示内容を示す図である。
図に示すように、PC5000は生徒の入力パッド3000及び教員の入力パッド5500に対して様々な制御信号を出力したり、ディスプレイ2000の表示領域及び入力パッド3000、5500に設定する仮想セルの大きさや数の設定、アクティブにする入力パッド3000の選択、入力パッド3000から出力される挙手信号を受け付けてその入力パッド3000の書込み情報をディスプレイ2000に表示させたりするためのコンピュータである。制御画面5100には入力パッド3000を制御するための画像や書込み情報を含む入力パッド3000の画像が表示され、モニター画面5200にはディスプレイ2000に表示されている内容と全く同一の内容が表示される。
図6は、図4に示した入力パッド3000の入力表示部3010の具体的な構成を示す図である。図6Aは、入力表示部3010を構成する通常入力エリアと拡張入力エリアの配置状態を示す図であり、図6Bは、図6Aに示した拡張入力エリアへのコマンドボタンの配置状態を示す図である。
入力表示部3010の中央に通常入力エリア211が形成され、通常入力エリア211の周囲を取り囲むように拡張入力エリア221が形成される。通常入力エリア211は入力用スタイラスペン301(図1及び図2参照)で文字などの書込み情報の入力信号を受け付ける部分である。書込み情報の入力信号は手書き入力部3020を介して制御部4000(図4参照)に出力される。
拡張入力エリア211には、図6Bに示すように、入力表示部3010から各種のコマンドを出力させるためのコマンドボタンが配置される。拡張入力エリア221の区画のうち、左上隅区画221−Aにメッシュ表示切替ボタン(M)、右上隅区画221−Bにページ制御モードボタン(P)、右下隅区画221−Cにページ消去ボタン(EP)、左下隅区画221−Dに色切替ボタン(Col)が配置される。
区画221−Aと区画221−Bとの間には、(P.No.)ボタン2120、右移動ボタン2121、上移動ボタン2122、下移動ボタン2123、左移動ボタン2124、(G.No.)2125が配置される。
区画221−Cと区画221−Dとの間には、(ER)ボタン2130、前ページ移動ボタン2131、次ページ移動ボタン2132、第1ページ飛び越し操作ボタン2133、第2ページ飛び越し操作ボタン2134、(EC)ボタン2135が配置される。
区画221−Aと区画221−Dとの間には、選択Mボタン2140、米印ボタン2141、制御Aボタン2142、制御Bボタン2143が配置される。
区画221−Bと区画221−Cとの間には、挙手ボタン2150、完了ボタン2151、回答Hボタン2152、漢字Hボタン2153、漢字表示領域2154が配置されている。これらのボタンや領域は主に生徒が使用する。挙手ボタン2150は挙手操作子として機能する。
図7は、本実施形態に係る電子黒板1000の機能ブロック図である。この機能ブロック図は、入力パッド3000と制御部4000とによって形成される機能を概念的に示したものである。この機能ブロック図は、入力用スタイラスペン301で入力タブレット202に文字や図形などの手書き情報を入力する場合に行なわれる制御の理解に供するものである。
電子黒板1000は、ディスプレイ2000、入力表示装置201、入力タブレット202、セル表示構成部3130、入力表示部3010、手書き入力部3020、入力範囲構成部3030、通常セル対応付け部3110、対応セル対応付け部3120、データ表示作成部3080、時間計測部3040、対応セル移動部3060、中断時間計測部3050、入力終了部3070を備える。
ディスプレイ2000、入力表示装置201、入力タブレット202は既に説明しているのでここでの説明は省略する。
セル表示構成部3130は、ディスプレイ2000及び入力表示装置201に、所定の数の仮想セルをマトリックス状に構成させ、構成させた仮想セルごとに画像を表示させる。例えば、セル表示構成部3130は、ディスプレイ2000及び入力表示装置201の解像度に合わせて、例えば図1のディスプレイ2000のグループAの黒板に示すようにマトリックス状の仮想セル(4×4)を構成させ、入力表示部3010に手書き入力された文字や図形を、ディスプレイ2000の解像度に合わせて、仮想セルに表示させる。仮想セルの数は教員の使用する入力パッド5500から設定され、任意の数に設定することができる。
入力表示部3010は、入力表示装置201と、入力表示装置201の前面に配置され透光性を有する入力タブレット202とが一体に構成される。入力タブレット202は、入力用スタイラスペン301との接触を検出し、検出した接触の位置を示す座標情報を出力する。手書き入力部3020は、入力タブレット202に透光性を有するタッチパッドを使用し、液晶ディスプレイ等の表示装置を一体に構成させたタッチパネルであってもよい。入力タブレット202は、抵抗感圧方式や、静電容量方式、電磁誘導方式等であってよい。入力タブレット202とディスプレイ2000とは、それぞれ別な解像度であってもよい。入力用スタイラスペン301は、それぞれの方式に合った専用のペンが望ましいが、抵抗感圧方式の場合、一般のペンや、鉛筆等であってもよい。
手書き入力部3020は、入力タブレット202の通常入力エリア211に手書きされた軌跡に関する手書き情報や入力タブレット202の拡張入力エリア221に配置される各種のコマンドボタンのタッチ情報を受け付けて、制御部4000に出力する機能を有する。また、制御部4000から出力されるコマンドボタンのアクセス情報を入力表示装置201に出力する。例えば、入力用スタイラスペン301によって手書きされた軌跡の座標情報を入力タブレット202から受信する。
入力範囲構成部3030は、図6に示すように、手書き入力部3020上に、入力用スタイラスペン301の軌跡を手書き入力することができる通常入力エリア211と、通常入力エリア211の外周を取り囲むように形成した拡張入力エリア221とを構成する。通常入力エリア211の大きさや、拡張入力エリア221の幅は、設定値によって可変である。
通常セル対応付け部3110は、通常入力エリア211と、セル表示構成部3130によって構成された複数の仮想セルのうちの一の仮想セルとを通常入力エリア211に入力された入力用スタイラスペン301の軌跡が当該一の仮想セルに表示される様に対応付ける。例えば、通常セル対応付け部3110は、図12Aに示すように、通常入力エリア211に入力された入力用スタイラスペン301の軌跡が仮想セルC704に表示される様に対応付ける。
対応セル対応付け部3120は、拡張入力エリア221を所定の区画に区分けし、区分けした区画のうち一の区画と通常入力エリア211との位置関係と、通常入力エリア211に対応付けられた一の仮想セルに接する仮想セルのうち一の接する仮想セルと当該一の仮想セルとの位置関係とが、同じ位置関係となる様に当該一の区画と当該一の接する仮想セルとを対応付ける。例えば、対応セル対応付け部3120は、図6Bに示すように、拡張入力エリア221を所定の区画221−1〜221−4及び区画221−A〜221−Dに区分けする。そして、対応セル対応付け部3120は、区分けした区画221−1〜221−4及び区画221−A〜221−Dのうち、例えば区画221−1が通常入力エリア211に対し上部の関係にあるといったような、区画221−1と通常入力エリア211との位置関係と、図7に示すように、通常セル対応付け部3110によって通常入力エリア211に対応付けられた仮想セルC704に接する仮想セルC603〜仮想セルC805のうち仮想セルC704との位置関係とが、同じ位置関係となる様な仮想セルC604(仮想セルC604が仮想セルC704に対し上部の関係)と区画221−1とを対応付ける。
データ表示作成部3080は、通常入力エリア211に入力された入力用スタイラスペン301の軌跡を、通常セル対応付け部3110によって対応付けられた一の仮想セルの解像度に合わせて表示させると共に、図8に示すようなストロークデータを作成する。例えば、データ表示作成部3080は、図12Aに示すように、通常入力エリア211に入力された入力用スタイラスペン301の軌跡を、通常セル対応付け部3110によって対応付けられた仮想セルC704の解像度に合わせて表示させると共に、ストロークデータを作成する。そして、データ表示作成部3080は、入力表示部3010によって検出された入力用スタイラスペンの軌跡が、通常入力エリア211から拡張入力エリア221へ連続して検出された場合に、拡張入力エリア221のうち入力用スタイラスペン301が停留している区画に対応付けられた仮想セルに、通常入力エリア211から拡張入力エリア221へ手書きされた入力用スタイラスペン301の軌跡を延長して表示させる。
さらに、データ表示作成部3080は、中断時間記憶制御部3090とタイミング調整部3100とを備える。中断時間記憶制御部3090は、通常入力エリア211に文字などの手書き情報を入力するときに出力される入力信号の中断状態を監視する。中断時間計測部3050によって時間が計測されるごとに、ストロークデータに計測された時間を対応付けて記憶させる。タイミング調整部3100は、中断時間記憶制御部3090によってストロークデータに対応付けて記憶された時間に基づいて統計処理によりストローク閾値を算出し、最適化する。例えば、中断時間計測部3050は、手書きされる際に入力用スタイラスペン301による軌跡と軌跡との間の時間(例えば、文字を入力する際の一画ごとに次のストロークを待つ時間)を計測する。そして、中断時間記憶制御部3090は、その計測された時間をストロークデータに対応付けて記憶させる(例えば、図8のストロークデータにおけるストローク待ち時間Tsを参照)。そして、タイミング調整部3100は、例えば、1つの仮想セルの入力終了ごとに、ストロークデータに対応付けて記憶された時間を集計し、統計処理をする。統計処理は、例えば、一定の値以上の時間や、一定の値以下の時間を除いて相加平均を行ったり、ストロークデータの長さによる加重平均を行ったりする。タイミング調整部3100は、算出した値をさらに最適化(例えば、入力待ち時間Tgの統計値よりも小さい値で、算出した値の2倍等)し、入力の終了とみなすストローク閾値を動的に決定する。タイミング調整部3100の機能によって、通常入力エリア211に文字などの手書き情報を入力する場合の入力速度が監視されることになる。したがって、手書きの入力速度が速ければストローク閾値が小さくなり、手書きの入力速度が遅ければストローク閾値が大きくなり、入力された手書き情報がディスプレイ2000の隣り合う仮想セルに次々と表示されていくタイミングが変化する。
拡張エリア内時間計測部3040は、入力表示部3010によって検出された入力用スタイラスペン301の位置が、通常入力エリア211から拡張入力エリア221へ連続して検出された場合に拡張入力エリア221のうち同一区画内に停留している時間を計測する。例えば、時間計測部3040は、図6Aに示すように、手書き入力部3020によって検出された入力用スタイラスペン301の位置が、通常入力エリア211から拡張入力エリア221へ連続して検出された場合に拡張入力エリア221のうち同一の区画221−1内に停留している時間を計測する。そして、データ表示作成部3080は、時間計測部3040によって計測された時間が所定の時間(設定値によって例えば、0.3秒)以上である場合に、拡張入力エリア221のうち入力用スタイラスペン301が停留している区画221−1に対応付けられた仮想セルC603に、通常入力エリア211から拡張入力エリア221へ手書きされた入力用スタイラスペン301の軌跡を延長して表示させる。そして、データ表示作成部3080は、延長させたストロークデータを作成し、書き込みデータDB3140に記憶させる。
対応セル移動部3060は、通常セル対応付け部3110によって対応付けられた一の仮想セルから、当該一の仮想セルとは別の仮想セルに対応付けを移動させる。対応付けを移動させるタイミングは、入力終了部3070からエンター信号が出力されたときである。例えば、対応セル移動部3060は、ニュートラルの状態で、拡張入力エリア221の区画での入力用スタイラスペン301の接触を検出すると、当該仮想セルと通常入力エリア211との対応付けを接触された区画に従って移動させる。対応セル移動部3060は、接触を検出した区画が図4に示すように、上区画221−1、右区画221−2、下区画221−3又は左区画221−4の場合に、当該仮想セルと通常入力エリア211との対応付けを、それぞれ上方向、右方向、下方向又は左方向へ移動させる。さらに、対応セル移動部3060は、接触を検出した区画が左上隅区画221−A、右上隅区画221−B、右下隅区画221−C又は左下隅区画221−Dの場合に、当該仮想セルと通常入力エリア211との対応付けを、それぞれ左上方向、右上方向、右下方向又は左下方向へ移動させる。ここで、ニュートラルの状態とは、入力用スタイラスペン301が通常入力エリア211及び拡張入力エリア221に接触していない状態のことである。また、入力終了部3070から入力の終了を指示されると、入力終了部3070によって検出された拡張入力エリア221の区画に従って、当該仮想セルと通常入力エリア211との対応付けを、それぞれ移動させる。ここで、所定の仮想セルは、例えば、右方向への移動の場合、隣接する右の仮想セルであり、例えば、右端の仮想セルの場合、次行の左端の仮想セルである。
さらに、対応セル移動部3060は、通常セル対応付け部3110によって対応付けられた一の仮想セルから、当該一の仮想セルとは別の所定の仮想セルに対応付けを移動させるごとに移動させた方向をメモリ4300に記憶させる。そして、対応セル移動部3060は、中断時間計測部3050によって計測された時間が所定時間、具体的にはストローク閾値以上である場合に、通常セル対応付け部3110によって対応付けられた一の仮想セルから、メモリ4300に記憶させた移動方向と同じ方向の所定の仮想セルに、対応付けを移動させる。例えば、対応セル移動部3060は、通常セル対応付け部3110によって対応付けられた一の仮想セルから、右に隣接する仮想セルに対応付けを移動させるごとに移動させた右方向をメモリ4300に記憶させる。そして、対応セル移動部3060は、中断時間計測部3050によって計測された時間がストローク閾値以上である場合に、入力の終了とみなし、メモリ4300に記憶させた右方向(すなわち、直前の方向と同じ方向)の隣接する仮想セルに、対応付けを移動させる。
中断時間計測部3050は、入力表示部3010によって検出されていた入力用スタイラスペン301の位置が検出されなくなった場合に、検出されない時間を計測する。中断時間計測部3050が計測した時間によって、電子黒板1000は、ストロークとストロークとの間の待ち時間や、1仮想セルへの入力から次の仮想セルへの入力の待ち時間を計測することができる。
入力終了部3070は、入力の終了を指示する。例えば、入力終了部3070は、中断時間計測部3050によって計測中の状態で、拡張入力エリア221の区画での入力用スタイラスペン301の接触を検出すると、当該仮想セルでの入力の終了を対応セル移動部3060に指示し、同時にエンター信号を出力する。なお、拡張入力エリア221の特定の区画(例えば、拡張入力エリア221の右下隅区画221−C)での入力用スタイラスペン301の接触を検出すると、当該仮想セルでの入力の終了を指示する、としてもよい。電子黒板1000は、中断時間計測部3050によって計測された時間がストローク閾値以上である場合、又は入力終了部3070によって入力の終了が指示された場合に、通常セル対応付け部3110によって対応付けられた一の仮想セルから、当該一の仮想セルとは別の所定の仮想セルに対応付けを移動させる。
図8は、本実施形態に係る電子黒板1000で用いられるストロークデータの例を示す図である。ストロークデータは、例えば、セル情報と、入力待ち時間Tgと、座標情報と、ストローク待ち時間Tsとから構成される。ストロークデータは入力パッド3000、5500ごとに、ページ単位、複数のページを一纏めにしたページ単位(1冊単位)に記憶される。
セル情報は、通常入力エリア211に対応付けられた仮想セルの位置情報である。例えば、ディスプレイ2000に構成された仮想セルの位置情報である。
入力待ち時間Tgは、1つの仮想セル内の入力の終了を検出し次の仮想セル内の入力を検出するまでに計測された時間である。例えば、1文字を手書きし終わってから、次の仮想セルに手書きし始めるまでの時間である。電子黒板1000は、実際に計測した入力待ち時間Tgが所定の入力待ち時間(例えばTgの平均の1.618倍)より長ければ、所定の入力待ち時間を、このセルに入力し終わってから次のセルに入力し始めるまでの入力待ち時間Tgとする。電子黒板1000は、この所定の入力待ち時間を、書き込みデータDB3140に記憶されたストロークデータに基づいて入力待ち時間Tgについて平均処理等の統計処理をして算出する。
ストローク待ち時間Tsは、1ストロークから次のストロークまでに計測された時間である。例えば、文字の一画を書き終えてから次の一画を書き始めるまでに計測された時間である。そして、電子黒板1000は、書き込みデータDB3140に記憶されたストロークデータに基づいてストローク待ち時間Tsについて平均処理等の統計処理をする。そして、電子黒板1000は、例えば、1つの仮想セルの入力終了ごとに入力待ち時間Tgを統計処理した値及びストローク待ち時間Tsを統計処理した値に基づいて、1つの仮想セルの入力終了を監視するためのストローク閾値(例えば、Tsを統計処理した値より大きく、Tgを統計処理した値より小さい値)を動的に決定する。例えば、ユーザの手書きのスピードが速い場合、ストローク閾値はより小さ値となる。よって、電子黒板1000は、ユーザの手書きスピードに合わせて、1つの仮想セル内の入力終了を自動的に判断することができる。
座標情報は、入力タブレット202から出力された座標情報である。電子黒板1000は、入力用スタイラスペン301の接触から入力用スタイラスペン301の離脱まで(ペンダウンからペンアップまで)に、入力タブレット202から出力された座標情報を一定時間間隔(例えば0.1秒)でサンプリングし、所定の条件によって座標情報を抽出する。例えば、電子黒板1000は、同一点のデータ(例えば、所定の範囲内のデータ)と判断した場合に、同一点のデータを削除する。また、電子黒板1000は、入力用スタイラスペン301の先が拡張入力エリア221に停留している間、通常入力エリア211で採取した直近の座標点(例えば4点)の座標情報を利用して、線形補間又はスプライン補間を行い、隣接のセルへの軌跡を自動的に延長させていく。電子黒板1000は、延長線上の座標情報として、サンプリングして採取する代わりに補間で得られた座標情報を使う。入力用スタイラスペン301が拡張入力エリア221に停留し続けると、電子黒板1000は、延長させた軌跡を次の新たな仮想セルに延長させ、拡張入力エリア221での入力用スタイラスペン301の停留を計測する時間をリセットし、計測時間が再び所定の時間(例えば0.3秒)より長くなると軌跡点の自動延長も再開させる。座標情報は、色情報(例えば、指定された色)や、線の種別(例えば、曲線についての補間の種別)等を含んでもよい。
図9は、本実施形態に係る電子黒板1000において、生徒用の入力パッド3000または教員用の入力パッド5500から手書き情報を入力した際の処理内容を示すフローチャートである。図10及び図11は、図9で行われる処理に引き続き行われる処理内容を示すフローチャートである。本処理は、プログラムの開始指令により開始し、終了指令により終了する。また、本処理の開始により、各種フラグ等は初期化される。
ステップS101において、CPU4200は、入力用スタイラスペン301が入力タブレット202の通常入力エリア211内で接触したか否かを判断する。より具体的には、CPU4200は、入力タブレット202から通常入力エリア211内の入力用スタイラスペン301の座標情報を受信したか否かを判断する。この判断がYESの場合、CPU4200は、処理をステップS102に移し、NOの場合、CPU4200は、処理をステップS103に移す。
ステップS102において、CPU4200は、通常入力エリア211に入力された入力用スタイラスペン301の軌跡を入力表示装置201に表示させる。CPU4200は、中断時間監視フラグがセットされている場合、中断時間をストローク待ち時間Tsとしてストロークデータに記憶させる。そして、CPU4200は、通常入力フラグをセットし、中断時間監視フラグをリセットする。その後、CPU4200は、処理をステップS101に移す。
ステップS103において、CPU4200は、入力用スタイラスペン301が拡張入力エリア221内で接触したか否かを判断する。より具体的には、CPU4200は、入力タブレット202から拡張入力エリア221内の入力用スタイラスペン301の座標情報を受信したか否かを判断する。この判断がYESの場合、CPU4200は、処理をステップS104に移し、NOの場合、CPU4200は、処理をステップS109に移す。
ステップS104において、CPU4200は、拡張入力エリア221内の入力を延長するための時間監視中か否かを判断する。より具体的には、CPU4200は、拡張入力エリア221内の入力を監視するための拡張入力時間監視フラグがセットされているか否かを判断する。この判断がYESの場合、CPU4200は、処理をステップS107に移し、NOの場合、CPU4200は、処理をステップS105に移す。
ステップS105において、CPU4200は、直前の入力が通常入力エリア211内の入力か否かを判断する。より具体的には、CPU4200は、ステップS102で通常入力フラグがセットされているか否かを判断する。この判断がYESの場合、CPU4200は、処理をステップS106に移し、NOの場合、CPU4200は、処理をステップS117に移す。
ステップS106において、CPU4200は、拡張入力エリア221内での接触の継続を計測する接触継続時間の計測を開始する。CPU4200は、拡張入力時間監視フラグをセットする。その後、CPU4200は、処理をステップS101に移す。
ステップS107において、CPU4200は、ステップS106で開始した接触継続時間が所定時間以上になったか否かを判断する。より具体的には、CPU4200は、プログラムを管理するOS(Operating System)によって計測された接触継続時間が所定時間(例えば、0.3秒)以上か否かを判断する。この判断がYESの場合、CPU4200は、処理をステップS108に移し、NOの場合、CPU4200は、処理をステップS101に移す。
ステップS108において、CPU4200は、延長表示処理をする。より具体的には、CPU4200は、拡張入力エリア221のうち入力用スタイラスペン301が停留している区画に対応付けられた仮想セルに、通常入力エリア211から拡張入力エリア221へ手書きされた入力用スタイラスペン301の軌跡を延長して表示させる。次に、CPU4200は、通常入力フラグをリセットし、接触継続時間をリセットする。その後、CPU4200は、処理をステップS101に移す。
ステップS109において、CPU4200は、拡張入力エリア221での接触を監視中か否かを判断する。より具体的には、CPU4200は、拡張入力時間監視フラグがセットされているか否かを判断する。この判断がYESの場合、CPU4200は、処理をステップS110に移し、NOの場合、CPU4200は、処理をステップS112に移す。
ステップS110において、CPU4200は、拡張入力エリア221での接触の監視を解除する。より具体的には、CPU4200は、拡張入力時間監視フラグをリセットする。その後、CPU4200は、処理をステップS111に移す。
ステップS111において、CPU4200は、入力用スタイラスペン301が離れたことによって通常入力エリア211からの軌跡を延長して表示することを停止し、通常入力エリア211と仮想セルとの対応付けを、ステップS108において延長して最後に表示させた仮想セルとの対応付けに移動させる。そして、CPU4200は、通常入力エリア211から延長させたストロークデータを作成し、書き込みデータDB3140に記憶させ、通常入力フラグをリセットする。その後、CPU4200は、処理をステップS101に移す。
ステップS112において、CPU4200は、直前の入力が通常入力エリア211内の入力か否かを判断する。より具体的には、CPU4200は、通常入力フラグがセットされているか否かを判断する。この判断がYESの場合、CPU4200は、処理をステップS116に移し、NOの場合、CPU4200は、処理をステップS113に移す。
ステップS113において、CPU4200は、中断時間監視中か否かを判断する。より具体的には、CPU4200は、中断時間監視フラグがセットされているか否かを判断する。この判断がYESの場合、CPU4200は、処理をステップS114に移し、NOの場合、CPU4200は、処理をステップS101に移す。
ステップS114において、CPU4200は、ステップS116で開始した中断時間がストローク閾値以上になったか否かを判断する。より具体的には、CPU4200は、プログラムを管理するOS(Operating System)によって計測された中断時間がストローク閾値(例えば、1秒)以上か否かを判断する。この判断がYESの場合、CPU4200は、処理をステップS115に移し、NOの場合、CPU4200は、処理をステップS101に移す。
ステップS115において、CPU4200は、通常入力エリア211と仮想セルとの対応付けを、ステップS118又はステップS120において記憶させた移動方向へ1つ移動させる(例えば、隣接する右の仮想セルに移動させる)。そして、CPU4200は、通常入力終了フラグをリセットする。その後、CPU4200は、処理をステップS101に移す。
ステップS116において、CPU4200は、入力タブレット202との接触が離れている時間を計測する中断時間の計測を開始する。そして、CPU4200は、中断時間監視フラグをセットし、通常入力終了フラグをリセットする。その後、CPU4200は、処理をステップS101に移す。
ステップS117において、CPU4200は、中断時間監視中か否かを判断する。より具体的には、CPU4200は、中断時間監視フラグがセットされているか否かを判断する。この判断がYESの場合、CPU4200は、処理をステップS119に移し、NOの場合、CPU4200は、処理をステップS118に移す。
ステップS118において、CPU4200は、ニュートラルの状態において、通常入力エリア211と仮想セルとの対応付けを移動させる。より具体的には、CPU4200は、ニュートラルの状態において、入力タブレット202から受信した入力用スタイラスペン301の座標情報が拡張入力エリア221のうち上区画221−1の範囲内を示す場合に、通常入力エリア211と仮想セルとの対応付けを上方向へ1つ移動させる。同様に、CPU4200は、入力タブレット202から受信した入力用スタイラスペン301の座標情報が拡張入力エリア221のうち右区画221−2の範囲内を示す場合に、右方向へ1つ移動させ、下区画221−3の範囲内を示す場合に、下方向へ1つ移動させ、左区画221−4の範囲内を示す場合に、左方向へ1つ移動させる。さらに、CPU4200は、入力タブレット202から受信した入力用スタイラスペン301の座標情報が拡張入力エリア221のうち左上隅区画221−Aの範囲内を示す場合に、左上方向へ1つ移動させ、右上隅区画221−Bの範囲内を示す場合に、右上方向へ1つ移動させ、右下隅区画221−Cの範囲内を示す場合に、右下方向へ1つ移動させ、左下隅区画221−Dの範囲内を示す場合に、左下方向へ1つ移動させる。そして、CPU4200は、それぞれ移動方向をメモリ4300に記憶させる。その後、CPU4200は、処理をステップS101に移す。そして、CPU4200は、それぞれ移動方向をメモリ4300に記憶させる。その後、CPU4200は、処理をステップS101に移す。
ステップS119において、CPU4200は、入力の終了において、入力用スタイラスペン301が拡張入力エリア221の上下左右の区画に接触したか否かを判断する。より具体的には、CPU4200は、入力の終了において、拡張入力エリア221に配置されている右移動ボタン2121、上移動ボタン2122、下移動ボタン2123、左移動ボタン2124に入力用スタイラスペン301の接触を検出したか否かを判断する。この判断がYESの場合、CPU4200は、処理をステップS120に移し、NOの場合、CPU4200は、処理をステップS121に移す。
ステップS120において、CPU4200は、通常入力エリア211と仮想セルとの対応付けを、接触を検出した区画の方向へ移動させ、移動方向をメモリ4300に記憶させる。より具体的には、CPU4200は、入力の終了の状態において、入力タブレット202から受信した入力用スタイラスペン301の座標情報が拡張入力エリア221のうち右移動ボタン2121、上移動ボタン2122、下移動ボタン2123、左移動ボタン2124の範囲内を示す場合に、通常入力エリア211と仮想セルとの対応付けを、それぞれ右方向、上方向、下方向又は左方向へ移動させる。そして、CPU4200は、移動方向をメモリ4300に記憶させ、中断時間(例えば、入力待ち時間Tg)をストロークデータに記憶させ、中断時間監視フラグをリセットする。その後、CPU4200は、処理をステップS101に移す。
ステップS121において、CPU4200は、通常入力エリア211と仮想セルとの対応付けを、記憶させた移動方向へ移動させる。より具体的には、CPU4200は、入力の終了の状態において、入力タブレット202から受信した入力用スタイラスペン301の座標情報が拡張入力エリア221のうち右移動ボタン2121、上移動ボタン2122、下移動ボタン2123、左移動ボタン2124の範囲内を示す場合に、通常入力エリア211と仮想セルとの対応付けを、それぞれステップS118又はステップS120において記憶させた移動方向へ移動させる。そして、CPU4200は、中断時間(例えば、入力待ち時間Tg)をストロークデータに記憶させ、中断時間監視フラグをリセットする。その後、CPU4200は、処理をステップS101に移す。
図12は、本実施形態に係る電子黒板1000の手書き入力の例を示す説明図である。
図12A〜Cの例は、1つの仮想セルごとの手書き入力を示す例である。つまり標準制御モードの手書き入力を示す図である。なお、本実施形態に係る電子黒板1000は後述するページ制御モードも有しているが、手書き入力については標準制御モードと基本的に同じである。図12A〜Cの例において、電子黒板1000は、入力用スタイラスペン301を拡張入力エリア221に配置されている右移動ボタン2121に接触させた場合には、仮想セルと通常入力エリア211との対応付けを文字の入力が終了する度に右方向へ移動させる。上移動ボタン2122に接触させた場合には、仮想セルと通常入力エリア211との対応付けを文字の入力が終了する度に上方向へ移動させる。下移動ボタン2123に接触させた場合には、仮想セルと通常入力エリア211との対応付けを文字の入力が終了する度に下方向へ移動させる。左移動ボタン2124に接触させた場合には、仮想セルと通常入力エリア211との対応付けを文字の入力が終了する度に左方向へ移動させる。
また、拡張入力エリア221の上区画221−1に入力用スタイラスペン301が接触したことを検出すると、仮想セルと通常入力エリア211との対応付けを上方向へ移動させる(通常入力エリア211に手書き入力中であった場合は、通常入力エリア211への手書き入力を終了して、上方向へ移動させる)。同様に、電子黒板1000は、拡張入力エリア221の右区画221−2、下区画221−3又は左区画221−4に入力用スタイラスペン301が接触したことを検出すると、仮想セルと通常入力エリア211との対応付けを、それぞれ右方向、下方向又は左方向へ移動させる。さらに、電子黒板1000は、拡張入力エリア221の左上隅区画221−A、右上隅区画221−B、右下隅区画221−C又は左下隅区画221−Dに入力用スタイラスペン301が接触したことを検出すると、仮想セルと通常入力エリア211との対応付けを、それぞれ左上方向、右上方向、右下方向又は左下方向へ移動させる。また、仮想セルを示す格子のうち太い線で囲まれた格子(以後、カーソル230という)は、通常入力エリア211と仮想セルとの現在の対応付けを示している。
図12Aの例は、拡張入力エリア221での入力用スタイラスペン301の接触を検知したときに、仮想セルと通常入力エリア211との対応付けをC101からC704へ移動させたことを破線431で示す例である。この場合は、仮想セルC701が書込み開始位置になり、拡張入力エリア221と入力用スタイラスペン301が操作者に書込み開始位置を指定させる指定部となる。指定部からは仮想セルと通常入力エリア211との対応付けをC101からC704へ移動させるための指定信号がCPU4200に出力される。
図12Bの例は、通常入力エリア211での入力用スタイラスペン301の接触を検知した通常入力エリア211での入力用スタイラスペン301の軌跡に従って入力表示装置201とディスプレイ2000に表示させると共に、通常入力エリア211に対応付けられた仮想セルC704に入力用スタイラスペン301の軌跡を表示させていることを示す例である。
図12Cの例は、図12Bで通常入力エリア211の軌跡を手書き入力後、通常入力エリア211と仮想セルC704との対応付けを、右の仮想セルC705に1つ移動させたことを示す例である。
図13は、本実施形態に係る電子黒板1000の手書き入力の別の例を示す説明図である。図14は、図13に続く説明図である。図13及び図14は、電子黒板1000が、通常入力エリア211から拡張入力エリア221へ手書きされた入力用スタイラスペン301の軌跡を、拡張入力エリア221のうち入力用スタイラスペン301が停留している区画に対応付けられた一の仮想セルに延長して表示させていることを示す図である。
図13Aが示す例において、電子黒板1000は、通常入力エリア211で入力用スタイラスペン301の接触を検出する。続いて、電子黒板1000は、通常入力エリア211から拡張入力エリア221へ連続して入力用スタイラスペン301を検出し、その後、所定の時間(例えば、0.3秒)以上の間、入力用スタイラスペン301が拡張入力エリア221に停留し続けていることを検出すると、入力用スタイラスペン301の軌跡を仮想セルC603から仮想セルC503へ延長して表示させる。そして、電子黒板1000は、仮想セルC503において計測する時間をリセットし、再び所定の時間(例えば、0.3秒)以上の間、入力用スタイラスペン301が拡張入力エリア221に停留し続けていることを検出すると、自動延長を再開させ、仮想セルC503から仮想セルC403へ延長して表示させる。このようにして、電子黒板1000は、さらに仮想セルC403から仮想セルC303、仮想セルC303から仮想セルC203、仮想セルC203から仮想セルC103へ延長して表示させる。
図13Bが示す例において、電子黒板1000は、拡張入力エリア221から入力用スタイラスペン301が離れたことを検出すると、延長して表示させることを停止する。そして、電子黒板1000は、延長して表示させることを停止させた仮想セルC103を、通常入力エリア211に対応付け、対応付けた仮想セルC103にカーソル230を表示させ、仮想セルC103に表示させた軌跡を通常入力エリア211に表示し、最後の点にマーク印403を付して表示させる。
図13Cが示す例において、電子黒板1000は、最後の点の近傍(最後の点の座標値と検出した入力用スタイラスペン301の座標値との差が所定の値以内)で入力用スタイラスペン301の接触を検出すると、検出した点を最後の点の座標値とする。そして、電子黒板1000は、通常入力エリア211から拡張入力エリア221へ連続して入力用スタイラスペン301を検出し、その後、入力用スタイラスペン301が拡張入力エリア221に停留し続けていることを検出すると、入力用スタイラスペン301の軌跡を仮想セルC203から仮想セルC606へさらに延長して表示させる。そして、電子黒板1000は、入力用スタイラスペン301が離れたことを検出すると、延長して表示させることを停止する。
図13Dが示す例において、電子黒板1000は、拡張入力エリア221から入力用スタイラスペン301が離れたことを検出し、延長して表示させることを停止する。そして、電子黒板1000は、延長して表示させることを停止させた仮想セルC606を、通常入力エリア211に対応付け、対応付けた仮想セルC606にカーソル230を表示させ、仮想セルC606に表示させた軌跡を通常入力エリア211に表示し、最後の点にマーク印403を付して表示させる。
図14Aが示す例において、図13と同様に、電子黒板1000は、最後の点の近傍で入力用スタイラスペン301の接触を検出すると、検出した点を最後の点の座標値とする。そして、電子黒板1000は、通常入力エリア211から拡張入力エリア221へ連続して入力用スタイラスペン301を検出し、その後、入力用スタイラスペン301が拡張入力エリア221に停留し続けていることを検出し、入力用スタイラスペン301の軌跡を仮想セルC605から仮想セルC603へさらに延長して表示させる。そして、電子黒板1000は、入力用スタイラスペン301の接触が離れたことを検出し、延長して表示させることを停止する。
図14Bが示す例において、電子黒板1000は、延長して表示させることを停止した仮想セルC603を、通常入力エリア211に対応付け、対応付けた仮想セルC603にカーソル230を表示させ、仮想セルC603に表示させた軌跡を通常入力エリア211に表示し、最後の点にマーク印403を付して表示させる。
図14Cが示す例において、電子黒板1000は、最後の点の近傍で入力用スタイラスペン301の接触を検出すると、検出した点を最後の点の座標値とする。そして、電子黒板1000は、通常入力エリア211で入力用スタイラスペン301の接触を検出し、通常入力エリア211での入力用スタイラスペン301の軌跡を入力表示装置201に表示させると共に、対応する仮想セルC603に入力用スタイラスペン301の軌跡を表示させる。このようにして、電子黒板1000は、入力タブレット202の面積よりも大きな、例えば、三角形の軌跡を表示部2014に表示させて、その軌跡のストロークデータを作成することができる。
図15は、本実施形態に係る電子黒板1000の手書き入力の別の例を示す説明図である。図15が示す例は、電子黒板1000が仮想セルに表示させている軌跡に、検出した軌跡を追加して表示させていることを示す例である。
図15の例において、電子黒板1000は、仮想セルC403を通常入力エリア211に対応付け、対応付けた仮想セルC403にカーソル230を表示させ、仮想セルC403に表示させた軌跡を通常入力エリア211に表示する。そして、電子黒板1000は、通常入力エリア211で検出した入力用スタイラスペン301の軌跡に従って入力表示装置201に表示させると共に、通常入力エリア211に対応付けられた仮想セルC403に入力用スタイラスペン301の軌跡を表示させる。
以上の処理は、通常入力エリア211に文字や図形などの書込み情報を入力するときに行なわれる処理である。次に説明する処理は、拡張入力エリア221に配置した各種のコマンドボタンを入力用スタイラスペン301で接触したときに行なわれる処理である。
制御部4000は、入力タブレット202のそれぞれの区画に配置されているコマンドボタンに入力用スタイラスペン301が接触したことを検出すると、接触したボタンに割り当てられた機能を実行する。以下に説明する機能は、制御部4000のメモリ4300及び補助記憶部4400に記憶されている電子黒板動作用プログラムをCPU4200が実行することによって実現される。図4、図6B、図16から図19を参照しながら以下の機能について説明する。
図6Bに示すように、拡張入力エリア211には、入力表示部3010から各種のコマンドを出力させるためのコマンドボタンが配置される。拡張入力エリア221の区画のうち、左上隅区画221−Aにメッシュ表示切替ボタン(M)、右上隅区画221−Bにページ制御モードボタン(PG)、右下隅区画221−Cにページ消去ボタン(EP)、左下隅区画221−Dに色切替ボタン(Col)が配置される。
メッシュ表示切替ボタン(M)はディスプレイ2000の表示区画にメッシュ状の線を表示するかどうかを切り替えるためのコマンドボタンである。現在の入力パッド3000に対応しているディスプレイ2000の表示区画をM×Nの数の仮想セルに設定しているとすると、メッシュ表示切替ボタン(M)によって、現在の入力パッド3000に対応しているディスプレイ2000の表示区画にM×Nのメッシュ状の線を表示したり表示されなくしたりする。
具体的には、入力用スタイラスペン301でメッシュ表示切替ボタン(M)を押すと、図1及び図2に示すように、ディスプレイ2000の各グループに割り当てられている表示区画にメッシュ状の線を表示し、もう一度メッシュ表示切替ボタン(M)を押すと、その表示区画からメッシュ状の線を消す。たとえば、図1に示すように、グループAの入力パッド3000A−2が現在アクティブになっている場合、入力パッド3000A−2のメッシュ表示切替ボタン(M)を入力用スタイラスペン301でON、OFFさせると、グループAの表示区画として割り当てられているグループAの黒板にメッシュ状の線が表示されたり表示されなくなったりする。なお、メッシュ状の線の粗さは、仮想セルがM×Nに設定されているとすれば、グループAの黒板にはM×Nの粗さのメッシュ状の線が表示されたり表示されなくなったりする。仮想セルのサイズと数は制御部4000のメモリ4300に記憶させてある。したがって、CPU4200は、入力用スタイラスペン301でメッシュ表示切替ボタン(M)が押されたことを入力パッド3000から出力される信号に基づいて検出し、メモリ4300に記憶されている仮想セルの数に基づいて、メッシュ状の線をグループAの表示区画として割り当てられているグループAの黒板に描く。
ページ制御モードボタン(PG)はページモードでの入力を切り替えるためのコマンドボタンである。
具体的には、入力用スタイラスペン301でページ制御モードボタン(PG)を押すと、ディスプレイ2000に表示させるモードを標準制御モードからページ制御モードに切り替え、もう一度ページ制御モードボタン(PG)を押すとページ制御モードから標準制御モードに切り替える。たとえば、図1に示すように、グループAの入力パッド3000A−2が現在アクティブになっている場合、入力パッド3000A−2のページ制御モードボタン(PG)を入力用スタイラスペン301でON、OFFさせると、グループAの表示区画として割り当てられているグループAの黒板に表示させるモードを標準制御モードとページ制御モードとに交互に切り替えることができる。なお、標準制御モードは、入力パッド3000の操作者が通常入力エリア211から入力した書込み情報に基づく画像を、指定された仮想セルから開始して順次隣り合う仮想セルへと所定タイミングでディスプレイ2000に表示させるモードである。具体的には、図16に示すように、入力表示部3010の通常入力エリア211の全体の領域がディスプレイ2000の1つの仮想セルに割り当てられるモードである。したがって、通常入力エリア211の全体の領域がディスプレイ2000の仮想セルC505に割り当てられている場合、図に示すように、通常入力エリア211に書込まれた文字をディスプレイ2000の1つの仮想セルC505に表示する。ページ制御モードは、入力パッド3000の操作者が通常入力エリア211から入力した書込み情報に基づく画像を、ディスプレイ2000の表示区画内の複数の仮想セル全てを統合して一の表示領域にして表示させる制御を実行するモードである。具体的には、図17に示すように、入力表示部3010の通常入力エリア211のそれぞれの仮想セルにディスプレイ2000のそれぞれの仮想セルを対応付ける。なお、通常入力エリア211の仮想セルの数とディスプレイ2000の仮想セルの数は行と列でそれぞれ同数である。したがって、ページ制御モードを選択すると、通常入力エリア211に書込んだ直線Lをディスプレイ2000の対応する仮想セルに図のように表示させることができる。標準制御モードとページ制御モードに対応するプログラムは制御部4000のメモリ4300及び補助記憶部4400に記憶させてある。したがって、CPU4200は、入力用スタイラスペン301でページ制御モードボタン(PG)が押されたことを入力パッド3000から出力される信号に基づいて検出すると、標準制御モードかページ制御モードのいずれかのプログラムを実行する。
ページ消去ボタン(EP)は現在アクティブになっている入力パッドに対応するディスプレイ2000の表示区画に描かれている内容を全部クリアするコマンドボタンである。
具体的には、入力用スタイラスペン301でページ消去ボタン(EP)を押すと、ページ内のストロークデータを消去してディスプレイ2000の各グループに割り当てられている表示区画に表示させている文字などの書込み情報を消去し、通常入力エリア211に表示されている文字などの書込み情報を消去する。たとえば、図1に示すように、グループAの入力パッド3000A−2が現在アクティブになっている場合、入力パッド3000A−2のページ消去ボタン(EP)を入力用スタイラスペン301で押すと、グループAの表示区画として割り当てられているグループAの黒板に表示されている文字などの書込み情報を消去する。全ての入力パッド3000から入力される書込み情報はメモリ4300に記憶される。したがって、CPU4200は、入力用スタイラスペン301でページ消去ボタン(EP)押されたことを入力パッド3000から出力される信号に基づいて検出すると、ページ消去ボタン(EP)を押した入力パッドに対応する、現在ディスプレイ2000に表示させている書込み情報のみをメモリ4300から消去する。結果的に、ディスプレイ2000に表示させている内容が消去される。
色切替ボタン(Col)は通常入力エリア211に描画するときの色を切り替えるためのコマンドボタンである。
具体的には、入力用スタイラスペン301で色切替ボタン(Col)を押すと、入力用スタイラスペン301の軌跡に色を付加して表示させ、ストロークデータに軌跡の色を示す色種別を付加する。また、ディスプレイ2000の各グループに割り当てられている表示区画に表示させている文字の色を変更することができる。黒がデフォルトとして設定されており、色切替ボタン(Col)が入力用スタイラスペン301で押される度に文字の色を黒、赤、黄、緑、青、白の順に循環して切り替える。なお、設定する色は、黒、赤、黄、緑、青、白以外にも任意の色を設定することができる。また、循環して切り替わる色の順序も任意に設定することができる。文字などの表示色の情報はメモリ4300及び補助記憶部4400に記憶させてある。CPU4200は、入力用スタイラスペン301で色切替ボタン(Col)が押されたことを入力パッド3000から出力される信号に基づいて検出すると、その信号が検出される度に異なる表示色の情報をメモリ4300及び補助記憶部4400から取り出して、ディスプレイ2000の各グループに割り当てられている表示区画に表示させている文字の色を変更する。
区画221−Aと区画221−Bとの間には、(P.No.)ボタン2120、右移動ボタン2121、上移動ボタン2122、下移動ボタン2123、左移動ボタン2124、(G.No.)ボタン2125が配置されている。
(P.No.)ボタン2120は現在の入力パッド3000がアクティブかインアクティブかを示す。生徒が挙手ボタン2150をクリックすると、アクティブになるための申請信号は制御部4000を経て、教員の制御画面5100に反映される。具体的には、現在の現在の入力パッドのIDが該当するグループの挙手隊列に挿入する。入力パッド3000は透光性パッドなら、ボタン2120の場所に赤色でパッド3000のIDが表示される。入力パッド3000は非透光性パッドなら、ボタン2120の場所に赤色のLEDが点灯される。教員の指示により、現在のパッド3000がアクティブに指定されたら、ボタン2120の場所の表示色が緑に変わる。
右移動ボタン2121、上移動ボタン2122、下移動ボタン2123、左移動ボタン2124は、通常入力エリア211に手書きした文字の入力が終了する度に、どちら方向にずらして表示させるかを指定するコマンドボタンである。右移動ボタン2121を押すと左から右に文字が連続する右書きになり、上移動ボタン2122を押すと下から上に文字が連続する縦書きになり、下移動ボタン2123を押すと上から下に文字が連続する縦書きになり、左移動ボタン2124を押すと右から左に文字が連続する左書きになる。
具体的には、入力用スタイラスペン301で右移動ボタン2121を押すと、通常入力エリア211に手書きした文字の入力が終了する度に、次に手書きする文字を右隣の仮想セルに表示する。つまり、手書きした文字をディスプレイ2000に右移動表示させる。例えば、図16に示す「電子黒板」の文字のように左から右に仮想セルを1つずつずらしながら文字を入力したいときには、右移動ボタン2121を押して、「電」、「子」、「黒」、「板」と順番に入力する。
入力用スタイラスペン301で上移動ボタン2122を押すと、通常入力エリア211に手書きした文字の入力が終了する度に、次に手書きする文字を上隣の仮想セルに表示する。つまり、手書きした文字をディスプレイ2000に上移動表示させる。例えば、図16に示す「電子黒板」の文字を下から上に仮想セルを1つずつずらしながら文字を入力したいときには、上移動ボタン2122を押して、「電」、「子」、「黒」、「板」と順番に入力する。
入力用スタイラスペン301で下移動ボタン2123を押すと、通常入力エリア211に手書きした文字の入力が終了する度に、次に手書きする文字を下隣の仮想セルに表示する。つまり、手書きした文字をディスプレイ2000に上から下に下移動表示させる。
入力用スタイラスペン301で左移動ボタン2123を押すと、通常入力エリア211に手書きした文字の入力が終了する度に、次に手書きする文字を左隣の仮想セルに表示する。つまり、手書きした文字をディスプレイ2000に右から左に表示させる。
右移動ボタン2121、上移動ボタン2122、下移動ボタン2123、左移動ボタン2124のどちらかを押すまで、次の仮想セルのデフォルトの移動方向を右隣へ移動する方向とする。上記のボタンのどれかを押すと、仮想セルが一個分移動し、その後のデフォルトの移動方向を今の移動方向とする。
仮想セルが現在の表示区分の一番右下のセルの時、次に右へ移動となると、現在の表示区分の表示内容が自動的に画像として保存され、仮想セルは現在の表示区分の一番左上のセルのところを示し、現在の表示区分の内容が新しいページとして、その内容がメモリに保持される。
仮想セルが現在の表示区分の一番左上のセルの時、左へ移動となると、現在の表示区分の表示内容が自動的に画像として保存され、以前に保存されたページ内容が現在の表示区分に表示され、カレントセルは表示区分の一番右下のセルを示す。
右移動ボタン2121、上移動ボタン2122、下移動ボタン2123、左移動ボタン2124を押したときの処理は、図9から図15に基づいて詳細に説明しているので、ここでの説明は省略する。
(G.No.)ボタン2125は入力パッドに対応しているディスプレイ2000の表示領域のIDを表示する部分である。
具体的には、入力用スタイラスペン301で(G.No.)ボタン2125を押すと、入力パッド3000が対応しているディスプレイ2000に割り当てられている表示領域のIDが示される。この表示領域のIDは入力パッド3000のグループを示すIDでもある。図1及び図2の場合、グループAとして入力パッド3000A−1〜3000A−3が割り当てられ、グループCとして入力パッド3000C−1、3000C−2が割り当てられている。入力パッド3000A−1〜3000A−3が(G.No.)ボタン2125を押したときには各入力パッドに同一の表示領域のIDが示される。入力パッド3000C−1、3000C−2についても同じである。
メモリ4300には全ての入力パッドのIDが記憶され、各入力パッド3000に対応するディスプレイ2000の表示領域のIDも記憶される。CPU4200は、入力用スタイラスペン301で(G.No.)ボタン2125が押されたことを入力パッド3000から出力される信号に基づいて検出すると、ボタン2125が押された入力パッド3000のIDからグループを割り出し、そのグループを示すIDを表示領域のIDとして(G.No.)ボタン2125に表示する。
区画221−Cと区画221−Dとの間には、(ER)ボタン2130、前ページ移動ボタン2131、次ページ移動ボタン2132、第1ページ飛び越し操作ボタン2133、第2ページ飛び越し操作ボタン2134、(EC)ボタン2135が配置されている。
(ER)ボタン2130は入力用スタイラスペン301を消しゴムの役割にするためのコマンドボタンである。
具体的には、入力用スタイラスペン301で(ER)ボタン2130を押すと、入力用スタイラスペン301が文字を入力するペンから文字を消す消しゴムに切り替わる。入力用スタイラスペン301で通常入力エリア211に書込まれた文字の一部を触れることで、触れた部分が消しゴムで消されるように消去される。もう一度入力用スタイラスペン301で(ER)ボタン2130を押すと、入力用スタイラスペン301が消しゴムから文字を入力するペンに切り替わる。(ER)ボタン2130はアクティブになっているときには白色表示され、アクティブになっていないときには灰色表示される。
CPU4200は、入力用スタイラスペン301が通常入力エリア211に接触している部分の位置座標を取得し、メモリ4300に記憶されている画像情報の内、その位置座標に対応する画像情報のみを消去する。したがって、現在、入力表示装置201及びディスプレイ2000に表示されている画像の内、入力用スタイラスペン301が接触した部分の画像が消されることになる。
前ページ移動ボタン2131、次ページ移動ボタン2132、第1ページ飛び越し操作ボタン2133、第2ページ飛び越し操作ボタン2134は、ディスプレイ2000の表示領域と通常入力エリア211に表示される画像を、前のページの画像、次のページの画像、任意のページの画像に切り替えるためのコマンドボタンである。
入力用スタイラスペン301で前ページ移動ボタン2131を押すと、ディスプレイ2000の表示領域と通常入力エリア211に表示される画像を前のページの画像に切り替える。入力用スタイラスペン301で前ページ移動ボタン2131を押す度に、現在のページから1ページ前の画像を呼び出してディスプレイ2000の表示領域と通常入力エリア211に表示させることができ、次々とページを遡ることができる。
入力用スタイラスペン301で次ページ移動ボタン2132を押すと、ディスプレイ2000の表示領域と通常入力エリア211に表示される画像を次のページの画像に切り替える。入力用スタイラスペン301で次ページ移動ボタン2132を押す度に、次々とページをめくることができる。
入力用スタイラスペン301で第1ページ飛び越し操作ボタン2133を押すと、通常入力エリア211に複数の仮想セルが表示される。メッシュ状の線で区切られた仮想セルの1つ1つが1ページを示す。例えば、図18に示すように、通常入力エリア211が9行8列のメッシュ状の線で区切られ、72ページ分のページが通常入力エリア211上で選択可能になる。現在のページを示す仮想セルC603(6列3行目)は点灯表示される。なお、ディスプレイ2000は、図に示すように現在のページを示す仮想セルC603の画像のみを表示する。仮想セルC608(6列8行目)のページの画像をディスプレイ2000に表示させたいときには、入力用スタイラスペン301で仮想セルC608にタッチする。仮想セルの数をM×Nに設定しているときには、通常入力エリア211はM×Nページ分の仮想セルを表示し、M×Nページの中から任意のページを選択させることができる。図の場合、仮想セルの数は9×8であり、72頁の中から任意のページを選択することができる。
入力用スタイラスペン301で第2ページ飛び越し操作ボタン2134を押すと、第1ページ飛び越し操作ボタン2133を押したときと同様に、通常入力エリア211に複数の仮想セルが表示される。メッシュ状の線で区切られた仮想セルの1つ1つがM×Nページの一纏めのページに対応している。第1ページ飛び越し操作ボタン2133を押したときにはM×Nページが通常入力エリア211上に表示されたが、第2ページ飛び越し操作ボタン2134を押したときにはM×Nページが通常入力エリア211上に表示されている1つの仮想セルに対応する。M×Nページを1冊の本とすると、第2ページ飛び越し操作ボタン2134を押したときにはM×N冊の本が表示されることになる。例えば、図8に示すように、通常入力エリア211が9行8列のメッシュ状の線で区切られ、72冊分の本(1冊が72ページ)が通常入力エリア211上で選択可能になる。現在のページを含んだ本を示す仮想セルC304(3列4行目)は点灯表示される。なお、ディスプレイ2000は、図に示すように現在のページを示す画像のみを表示する。図8に示すように、現在のページを含む本の該当仮想セルの位置が(i,j)であり、仮想セルの密度がM×Nであるとすると、現在のページは、(i+j×M)×M×N+i+j×Mを計算することで求めることができる。
入力用スタイラスペン301で(EC)ボタン2135を押すと、現在の仮想セルに対応してディスプレイ2000の表示領域に表示されている文字などの書込み情報を消去する。つまり、現在の仮想セルに対応している表示領域の内容を消去する。
区画221−Aと区画221−Dとの間には、選択Mボタン2140、米印ボタン2141、制御Aボタン2142、制御Bボタン2143が配置されている。
入力用スタイラスペン301で選択Mボタン2140を押すと、通常入力エリア211にメッシュ状の線が表示される。このメッシュ状の線で区切られている(i,j)の位置の仮想セルを入力用スタイラスペン301で押すと、ディスプレイ2000の表示領域の(i,j)の位置にある仮想セルと通常入力エリア211の(i,j)の位置にある仮想セルが対応付けられる。入力パッド12の通常入力エリア211に書込まれた文字などの書込み情報はディスプレイ2000の表示領域の(i,j)の位置にある仮想セルに表示される。
入力用スタイラスペン301で米印ボタン2141を押すと、通常入力エリア211に米印が表示される。もう一度押すと、米印が消える。
制御Aボタン2142は教員のみがON、OFFできる教員専用のボタンである。したがって、PC5000に接続されている教員が使用する入力パッド5500(図1及び図2参照)のみがこの制御Aボタンの機能を使用することができる。入力用スタイラスペン301で制御Aボタン2142を押すと、通常入力エリア211はPC5000の制御画面5100と対応付けられる。PC5000によって、ディスプレイ2000に割り当てる複数の表示領域のそれぞれの大きさ、位置、仮想セルの数の設定ができるようになる。入力用スタイラスペン301で制御Aボタン2142をもう一度押すと、通常入力エリア211はディスプレイ2000の表示領域に対応付けられる。
制御Bボタン2143も教員のみがON、OFFできる教員専用のボタンである。したがって、PC5000に接続されている教員が使用する入力パッド5500のみがこの制御Aボタンの機能を使用することができる。入力用スタイラスペン301で制御Bボタン2143を押すと、通常入力エリア211はPC5000の制御画面5100と対応付けられる。PC5000によって、生徒の持っている入力パッド3000の制御が教員の意思でできるようになる。入力用スタイラスペン301で制御Bボタン2143をもう一度押すと、通常入力エリア211はディスプレイ2000の表示領域に対応付けられる。
区画221−Bと区画221−Cとの間には、挙手ボタン2150、完了ボタン2151、回答Hボタン2152、漢字Hボタン2153、漢字表示領域2154が配置されている。これらのボタンや領域は主に生徒が使用する。
入力用スタイラスペン301で挙手ボタン2150を押すと、教員のPC5000に挙手信号が送信される。教員は、どの入力パッド3000から挙手信号が送信されたのかを、視覚的に確認可能な通知デバイスとして機能するPC5000の制御画面5100にパッド選択部4500に記憶されている内容を映し出すことによって把握する。この挙手信号を許可し教員のPC5000から許可信号が出力されると、この挙手要求信号を送信した生徒の入力パッド3000の(P.No.)ボタン2120が緑色になってアクティブ状態になる。そして、この生徒の入力パッド3000に入力された手書き情報がこの入力パッド3000に対応付けられているディスプレイ2000の表示領域に表示される。挙手ボタン2150を押してから教員の許可が出るまでは挙手ボタン2150は白色表示される。入力用スタイラスペン301で挙手ボタン2150をもう一度押すと、教員のPC5000に送信された挙手信号が取り消される。
入力用スタイラスペン301で完了ボタン2151を押すと、教員のPC5000の制御画面5100に答え完了信号が送信される。この信号が送信されることで、どの生徒が答えているのか、どの生徒が答えていないかを、教員が把握することができる。
入力用スタイラスペン301で回答Hボタン2152を押すと、回答のヒントがヒント画像としてディスプレイ2000の所定の領域に表示される。生徒はディスプレイ2000に表示されるヒント画像を見て回答を考えることになる。ヒント画像は教員がPC5000の制御画面5100で設定することができる。ヒント画像を表示させるかどうかも教員がPC5000の制御画面5100で選択することができる。
入力用スタイラスペン301で漢字Hボタン2153を押すと、キーボードで入力した漢字が漢字表示領域2154に表示される。漢字ヒントが出せるかどうかも教員がPC5000の制御画面5100で選択することができる。
なお、以上のコマンドボタンの中にはディスプレイ2000の表示領域に背景画像をはめ込むコマンドボタンは設けていない。このコマンドボタンを設け、入力用スタイラスペン301で押すことによって、教員がPC5000で作成した、又はあらかじめ用意しておいた背景画像を選択し、ディスプレイ2000の表示領域に嵌め込み表示させるようにしても良い。
次に、教員の入力パッド5500を用いて生徒との意思の疎通を図るために設けられている各種の機能について図20から図26の動作フローチャート及び図27の設定データを示す図を参照しながら説明する。以下のフローチャートはCPU4200によって処理される。初期設定、再設定された各種のデータはメモリ4300に記憶される。PC5000とCPU4200はI/F部4100を介して通信し、CPU4200はメモリ2011から必要なデータを取り出しPC5000はそのデータを制御画面5100に表示する。
まず、電子黒板用プログラムが起動すると、ステップS301において、教員のPC5000の制御画面5100から黒板の初期分割、各種の制御情報の設定と、生徒の振り分けをするための設定をする。また、教員用の入力パッド5500が論理的に対応している表示領域の初期設定をする。
黒板の初期分割は教員のPC5000によって行なわれる。初期分割とはディスプレイ2000のどの場所にどの程度の大きさの表示領域をいくつ作るかを決めてディスプレイ2000に複数の表示領域を設定することである。具体的には、図27のB121−1に示すように、設定する表示領域の左上と右上の座標(x0、y0)、(x1、y1)を決めることである。図1及び図2に示したように、例えば、グループAの黒板としてディスプレイ2000の左側の表示領域が設定されているが、この表示領域の位置と大きさは座標(x0、y0)、(x1、y1)によって定められる。表示領域の左上と右上の座標(xL、yL)、(xR、yR)を複数設定して、ディスプレイ2000を複数の表示領域に分割する。設定した表示領域にはそれぞれ個別のIDを付ける。例えば、図27のB121の列に示すようにA、B、C、DというIDを各設定領域に付ける。各種の制御情報の設定は、例えば、回答用ヒント1、回答用ヒント2を開放するのかどうか(生徒が回答用ヒントを参照できるようにするかどうか)、漢字ヒントを使わせるかどうかなどを設定することである。さらに、生徒のグループ分けをしてどの生徒の入力パッド3000にどのIDを付すかを決め、決めたIDを各入力パッド3000に付して生徒の振り分けをする。生徒のグループ化は所定の条件で行なうが、この所定の条件は、例えば、男子と女子とか、席順の左列から順番であるとか、成績順であるとか、授業を進める上で役立つような条件である。この所定の条件は先生が決めても良いし、PC5000にあらかじめ設定しておいても良い。最後に、教員用の入力パッド5500が論理的に対応している表示領域の初期設定をする。具体的には、ディスプレイ2000に教員用の表示領域を設定するために、設定する表示領域の左上と右上の座標(x3、y3)、(x4、y4)を指定する。教員用の表示領域は、上記のA、B、C、Dの表示領域と重複する領域にも設定することができる。
ステップS302において、CPU4200は教員用の入力パッド5500のコマンドボタンが入力用スタイラスペン301で押されたか否かを監視する制御を行なう。この監視は、例えば0.1秒ごとに行なう。
ステップS303において、入力用スタイラスペン301の接触により、CPU4200が、制御Aボタン2142が押されたと判断した場合には(S302:YES)、図21の黒板設定制御の処理に進み、制御Aボタン2142が押されないと判断した場合には(S302:NO)、S304のステップに進む。
ステップS304において、入力用スタイラスペン301の接触により、CPU4200が、制御Bボタン2143が押されたと判断した場合には(S304:YES)、図22の生徒用の入力パッドを制御する処理に進み、制御Bボタン2143が押されないと判断した場合には(S304:NO)、ステップS305に進む。
ステップS305において、パッド入力処理は、図9から図15に基づいて説明した、手書き情報を入力表示部3010から入力した場合に行われる処理である。この処理は既に詳しく説明しているので、その説明は省略する。
図21は、教員用の入力パッド5500の制御Aボタン2142が入力用スタイラスペン301で押されたときに処理されるフローチャートである。制御Aボタン2142は電子黒板1000の各種の設定をするときに用いる。
ステップS310において、CPU4200は補助記憶部4400に記憶されている図27に示すような設定データを教員のPC5000に送る。PC5000の制御画面5100に、黒板の再設定をするための設定データが表示される。黒板の再設定データは、ディスプレイ2000に設定する表示領域の左上と右上の座標(x0、y0)、(x1、y1)及び分割グループ数である。つまり、ディスプレイ2000のどの場所にどのくらいのサイズの表示領域を設定するか、また、いくつの表示領域を設けるかを設定する。
ステップS311において、PC5000は教員の操作によって表示領域の再設定を行なう。具体的には、仮想セル設定、ヒント設定、生徒パッド制御情報設定、生徒パッド表B128を更新することである。仮想セル設定とは、図27のB121−2に示すように、領域分割数(M、N)を設定することである。仮想セル設定は、ディスプレイ2000に設定する表示領域に対して個別に行なうことができる。ヒント設定とは、図27の121−3に示すように、生徒用の入力パッド3000に回答用ヒント1、回答用ヒント2、漢字ヒントを設定することである。回答用ヒントは、ヒント画像の選択を可能にしたり、表示・非表示の選択を可能にしたり、生徒からのヒント請求を可能にしたりする設定が含まれる。また、漢字ヒントは、漢字の表示・非表示の選択を可能にする設定が含まれる。生徒パッド制御情報設定とは、図27に示すように、入力パッド3000のグループごとに表示される表に基づいて入力パッド3000に種々の制御情報を設定することである。図27のB121に示すように、各グループには、Aの属性、Bの属性、Cの属性、Dの属性が設定されている。これらの属性は、例えば、回答用ヒントを生徒に開放するか否か、漢字ヒントを生徒に使わせるか否かである。制御情報設定ではこの属性を変更する。つまり、回答用ヒントを生徒に開放すると設定したものを、回答用ヒントを生徒に開放しないと設定し直すことである。生徒パッド表B128を更新することとは、図27に示す表の内容を更新することである。例えば、B123で示す行列は、Aグループの中で挙手ボタン2150を押した生徒の入力パッドIDを示す。この行列は挙手ボタン2150を押した順番を時系列に並べたものである。したがって、この行列によって、a5の入力パッドを持つ生徒が最も早く挙手請求し、2番目にa3の入力パッドを持つ生徒が挙手請求し、3番目にa7の入力パッドを持つ生徒が挙手請求したことがわかる。また、B122で示す行列は、Aグループの中で今まで発言回数の少ない(挙手ボタン2150を押していない)生徒の入力パッドIDを示す。この行列は挙手ボタン2150を押した回数が少ない順番に並べたものである。この行列によって、a2、a4、a6の入力パッドを持つ生徒の順に発言回数が少ないことがわかる。さらに、B124で示すIDは、教員が任意に選択した生徒が持つ入力パッドIDを示す。Bグループ、Cグループ、Dグループについても上記と同様の行列が形成される。これらの行列は、生徒が挙手ボタン2150を押す度に変化する。したがって、生徒パッド表B128を更新することによって、これらの行列を最新の内容に変更する。
ステップS312において、PC5000は、PC5000の制御画面5100に表示されている、図27に示すような設定データの領域新規B121−0が指定されクリックされたか否かを判断する。領域新規B121−0がクリックされたら(ステップS312:YES)、ステップS313に進み、領域新規B121−0がクリックされなければ(ステップS312:NO)、ステップS314に進む。
ステップS313において、黒板に新規領域を設定し、生徒パッド表B128に新規領域を設定する。PC5000の制御画面5100に黒板の新規領域を設定するための画面が表示される。この画面から、新たに設定する表示領域の左上と右上の座標(x0、y0)、(x1、y1)を入力し、領域分割数(M、N)を入力する。これらのデータが入力されると、生徒パッド表B128に新しい領域が登録される。例えば、新規領域としてEが設定されると、生徒パッド表B128の分割された黒板のIDを示すB120の列にA、B、C、D、Eと表示されるようになる。
ステップS314において、入力用スタイラスペン301の接触により、CPU4200が、制御Aボタン2142が押されたと判断した場合には(S314:YES)、図20のS302のステップに進み、制御Aボタン2142が押されないと判断した場合には(S314:NO)、S315のステップに進む。
ステップS315において、入力用スタイラスペン301の接触により、CPU4200が、制御Bボタン2143が押されたと判断した場合には(S315:YES)、図22の生徒用の入力パッドを制御する処理に進み、制御Bボタン2143が押されないと判断した場合には(S315:NO)S310のステップに進む。
図22は、教員用の入力パッド5500の制御Bボタン2143が入力用スタイラスペン301で押されたときに処理されるフローチャートである。
ステップS320において、入力用スタイラスペン301の接触により、CPU4200が、制御Aボタン2142が押されたと判断した場合には(S320:YES)、図20のS302のステップに進み、制御Aボタン2142が押されないと判断した場合には(S320:NO)、S321のステップに進む。
ステップS321において、入力用スタイラスペン301の接触により、CPU4200が、制御Bボタン2143が押されたと判断した場合には(S321:YES)、図23から図26の生徒用の入力パッドを監視し制御する処理に進み、制御Bボタン2143が押されないと判断した場合には(S21:NO)、S322のステップに進む。
ステップS322においては、教員がPC5000の制御画面5100に表示されている生徒パッド表B128を目視で確認する。
ステップS323において、生徒パッド表B128の分割領域の先頭IDがクリックされたか否かを判断する。具体的には、生徒パッド表B128の分割された黒板のIDを示すB120の列において、A、B、C、Dのいずれかがクリックされたか否かを判断する。分割領域の先頭IDがクリックされたときには(S323:YES)、S324の処理に進み、分割領域の先頭IDがクリックされないときには(S323:NO)、S325のステップに進む。
ステップS324において、教員用の入力パッド5500が、クリックされた分割領域に該当するIDに関係付けられる。そして、該当するIDの表示色を変える。具体的には、生徒パッド表B128のB120の列において、Aがクリックされると、教員用の入力パッド5500がグループAの表示領域と対応付けられ、Aの表示色を変える。つまり、教員が自分の入力パッド5500と対応付けたい表示領域があるときには、その表示領域のグループを示すIDをクリックすればよい。対応付けられているグループはIDの表示色を見ればわかる。この処理が終わると、図20のステップS302に戻る。
ステップS325において、生徒パッド表B128の分割領域の属性がクリックされたか否かを判断する。具体的には、生徒パッド表B128の属性を示すB121の列において、Aの属性、Bの属性、Cの属性、Dの属性のいずれかがクリックされたか否かを判断する。分割領域の属性がクリックされたときには(S325:YES)、図21の黒板設定制御の処理に進み、分割領域の属性がクリックされないときには(S325:NO)、S326のステップに進む。
ステップS326において、生徒パッド表B128に表示されている生徒の入力パッド3000のIDがクリックされたか否かを判断する。具体的には、生徒パッド表B128に表示されている、a5、a3、a1などのIDがクリックされたか否かを判断する。生徒の入力パッド3000のIDがクリックされたときには(S326:YES)、S327の処理に進み、生徒の入力パッド3000のIDがクリックされないときには(S326:NO)、S320のステップに進む。
ステップS327において、教員にクリックされたIDに該当する生徒の入力パッド3000をアクティブパッドにする。そして、生徒パッド表B128に表示する入力パッド3000のIDの表示順番を並べ替え、IDの表示色も変える。例えば、生徒パッド表B128のB122で示す行列は、Aグループの中で今まで発言回数の少ない(挙手ボタン2150を押していない)生徒の入力パッドIDを示す。教員は、発言を促すためにこのIDの中からa2を選び、a2をクリックしたとすると、a2のIDを持つ入力パッドがアクティブになり、このa2がB122で示す行列から消されて教員が任意に選択した生徒が持つ入力パッドIDを示すB124に移動する。B122で示す行列がa4、a6になり、a2のIDの表示色が変わる。
図23は挙手ボタンが押された場合の処理を示すフローチャートである。
ステップS330において、入力パッド3000の挙手ボタン2150がクリックされたか否かが判断される。挙手ボタン2150がクリックされたら(S330:YES)、ステップS331の処理に進み、挙手ボタン2150がクリックされなければ(S330:NO)、図24に示すステップS340の処理に進む。
ステップS331において、挙手信号を教員側に送って、挙手ボタン2150の表示色を変える。例えば、a1のIDの入力パッド3000A−1(図1参照)において挙手ボタン2150が押されたとすると、挙手信号を教員のPC5000が受信し、PC5000の制御画面5100に表示されている生徒パッド表B128のB123で示す行列にa1のIDが表示される。教員はこの表示を見て、a1のIDの入力パッド3000A−1を持つ生徒が挙手したことを知ることができる。入力パッド3000A−1においては、挙手ボタン2150の表示色が緑色に点灯し、生徒が挙手の確認をすることができる。
ステップS332において、入力パッド3000の挙手ボタン2150が再度クリックされたか否かが判断される。挙手ボタン2150がクリックされたら(S332:YES)、ステップS333の処理に進み、挙手ボタン2150がクリックされなければ(S332:NO)、ステップS330の処理に進む。
ステップS333において、挙手信号を取り消し、挙手ボタン2150の色を変える。例えば、a1のIDの入力パッド3000A−1(図1参照)において再度挙手ボタン2150が押されたとすると、挙手信号の取り消しを教員のPC5000が受信し、PC5000の制御画面5100に表示されている生徒パッド表B128のB123で示す行列からa1のIDが消去される。入力パッド3000A−1においては、挙手ボタン2150の表示色が緑色から他の表示色に変わり、生徒が挙手の取消を確認することができる。
図24は完了ボタンが押された場合の処理を示すフローチャートである。
ステップS340において、入力パッド3000の完了ボタン2151がクリックされたか否かが判断される。完了ボタン2151がクリックされたら(S340:YES)、ステップS341の処理に進み、完了ボタン2151がクリックされなければ(S340:NO)、図25に示すステップS350の処理に進む。
ステップS341において、完了信号を教員側に送って、完了ボタン2151の表示色を変える。例えば、a1のIDの入力パッド3000A−1(図1参照)において完了ボタン2151が押されたとすると、完了信号を教員のPC5000が受信し、PC5000の制御画面5100に入力パッド3000A−1を持つ生徒が質問に回答したことを表示する。入力パッド3000A−1においては、挙手ボタン2150の表示色が変わり、生徒が回答の完了の確認をすることができる。
ステップS342において、入力パッド3000の完了ボタン2151が再度クリックされたか否かが判断される。完了ボタン2151がクリックされたら(S342:YES)、ステップS343の処理に進み、完了ボタン2151がクリックされなければ(S342:NO)、ステップS340の処理に進む。
ステップS343において、完了信号を取り消し、完了ボタン2151の色を変える。例えば、a1のIDの入力パッド3000A−1(図1参照)において再度完了ボタン2151が押されたとすると、完了信号の取り消しを教員のPC5000が受信し、PC5000の制御画面5100の表示を変える。入力パッド3000A−1においては、完了ボタン2151の表示色が変わり、生徒が完了の取消を確認することができる。
図25は回答ヒントボタン2152が押された場合の処理を示すフローチャートである。
ステップS350において、入力パッド3000の回答Hボタン2152がクリックされたか否かが判断される。回答Hボタン2152がクリックされたら(S350:YES)、ステップS351の処理に進み、回答Hボタン2152がクリックされなければ(S350:NO)、図26に示すステップS360の処理に進む。
ステップS351において、回答ヒントが図27に示す設定データにおいて参照可に設定されているか否かが判断される。参照可に設定されていれば(S351:YES)、ステップS352の処理に進み、参照可に設定されていなければ(S351:NO)、ステップS350の処理に進む。
ステップ352において、CPU4200は回答Hボタン2152がクリックされた入力パッド3000にヒント画像を送る。回答Hボタン2152がクリックされた入力パッド3000はその入力表示部3010に送られてきたヒント画像を表示する。生徒はこのヒント画像を見て、教員が提示した問題の回答を導き出す。
ステップS353において、入力パッド3000の回答Hボタン2152が再度クリックされたか否かが判断される。回答Hボタン2152が再度クリックされたら(S353:YES)、ステップS354の処理に進み、回答Hボタン2152が再度クリックされなければ(S353:NO)、ステップS350の処理に進む。
ステップ354において、CPU4200は回答Hボタン2152が再度クリックされた入力パッド3000にヒント画像を送るのを止める。これにより、回答Hボタン2152がクリックされた入力パッド3000の入力表示部3010からヒント画像が消える。
図26は漢字ヒントボタン2153が押された場合の処理を示すフローチャートである。
ステップS360において、入力パッド3000の漢字Hボタン2153がクリックされたか否かが判断される。漢字Hボタン2153がクリックされたら(S360:YES)、ステップS361の処理に進み、漢字Hボタン2153がクリックされなければ(S360:NO)、ステップS365の処理に進む。
ステップS361において、漢字ヒントが図27に示す設定データにおいて参照可に設定されているか否かが判断される。参照可に設定されていれば(S361:YES)、ステップS362の処理に進み、参照可に設定されていなければ(S361:NO)、ステップS360の処理に進む。
ステップ362において、CPU4200は漢字Hボタン2153がクリックされた入力パッド3000に漢字を送る。漢字Hボタン2153がクリックされた入力パッド3000はその漢字表示領域2154に送られてきた漢字を表示する。
ステップS363において、入力パッド3000の漢字Hボタン2153が再度クリックされたか否かが判断される。漢字Hボタン2153が再度クリックされたら(S363:YES)、ステップS364の処理に進み、漢字Hボタン2153が再度クリックされなければ(S363:NO)、ステップS360の処理に進む。
ステップ364において、CPU4200は漢字Hボタン2153が再度クリックされた入力パッド3000に漢字を送るのを止める。これにより、漢字Hボタン2153がクリックされた入力パッド3000の漢字表示領域2154から漢字が消える。
なお、以上の実施形態においては、仮想セルという用語を用いたが、これは1つのセルを色々な大きさに設定することができるため、固定された大きさのセルと区別するために用いた。しかし、用語の意味としては、仮想セルは一般的に用いているセルと同義であるため、単なるセルに置き換えることもできる。
以上のように、本実施形態に係る電子黒板1000は、黒板として教室の前面に配置されるディスプレイ2000に複数の表示領域を設定し、各表示領域にグループ分けされた複数の入力パッド3000及び教員の入力パッド5500を割り当てることができる。各表示領域の位置や大きさ、各表示領域を構成する仮想セルの大きさや数も教員のPC5000と入力パッド5500によって自由に設定することができる。各グループに割り当てられている表示領域にそのグループの入力パッド3000で入力した手書き情報を表示させることができる。どのグループの表示領域にグループ内のどの入力パッドで入力された手書き情報を表示させるのかは、教員のPC5000及び入力パッド5500によって選択することができる。教員は、グループごとに挙手した生徒の順番を把握したり、挙手回数の少ない生徒の順番を把握したりすることができる。教員は、生徒を自由に選択することができ、強制的に回答させたり、ヒント画像や漢字のヒントを与えたりすることができる。また、表示領域に背景画像を表示させることができ、授業を円滑に進める上で役立てることもできる。
さらに、本実施形態に係る電子黒板1000を用いることによって、教員と生徒との意思の疎通を円滑にすることができるだけでなく、生徒同士の意思の疎通を円滑にすることができるため、授業を楽しく進めることができるようになる。