JP5403478B2 - ポリウレタンエラストマー - Google Patents

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Description

本発明はポリウレタンエラストマーに関する。詳しくは、特定のポリエステルポリオールを用いることによる、耐溶剤性、耐水性に優れたポリウレタンエラストマーに関する。
ポリウレタンエラストマーは、機械的強度、耐摩耗性、低温特性等に優れるとともに、幅広い硬度や弾性が得られることから、防水材、床材、舗装材、接着剤、封止材、ローラ等の様々な産業機器の構成部材として使用されている。
ポリウレタンエラストマーは、ポリオールとポリイソシアネートを架橋剤と共に反応して得られる材料である。ポリウレタンエラストマーは、使用するポリオール成分により分類され、ポリエーテル系、ポリエステル系、ポリカプロラクトン系、ポリカーボネート系等がある。これらのポリオール成分としてはポリエーテル系ではポリテトラメチレンエーテルグリコール(PTMG)、ポリエステル系では1,4−ブタンジオールアジペート、ポリラクトン系ではポリカプロラクトン等の数平均分子量が500〜5000程度のもの等が汎用的に用いられる。
ポリウレタンエラストマーの物性は、ポリオール成分の組成及び構造的特徴に依存する部分が大きく、物性に応じた様々な用途に用いられている。例えば、コハク酸系のポリエステルポリオールを用いたポリウレタンエラストマーは、耐溶剤性に優れていることから、印刷機用ポリウレタンローラとして用いられるている(特許文献1)。
一方、近年、環境衛生などの観点から、油性インクに代わり水性インクが用いられつつある。しかしながら、コハク酸系ポリエステルポリオールを用いたポリウレタンエラストマーは、耐溶剤性に優れているものの、耐水性、耐加水分解性に劣るため、水性インクを用いるような用途では長期にわたって使用することができない。また、現在多く用いられる水性インクは、グリコールエーテル等の水溶性溶剤を含有するものがあり、印刷機用ポリウレタンローラとしては、水性インク用であっても、耐水性と共に耐溶剤性が求められているように、耐溶剤性と耐水性を兼ね備えたポリウレタンエラストマーが求められている。
コハク酸系ポリエステルポリオールを用いたポリウレタンエラストマー以外で耐溶剤性に優れるものとして、ポリカーボネート系ポリオールを使用したポリウレタンエラストマーが挙げられる(特許文献2)。このものは、耐溶剤性、耐水性、さらには耐アルカリ性にも優れ、例えば上記の水性インクを用いるような用途でも使用可能とされる。しかしポリカーボネートポリオールは一般に高価であることから汎用品や消耗品の類に用いるのは難しく、また、常温で固体であったり粘度が非常に高いという欠点もある。
特開平5−301335号公報 特開2004−217844号公報
したがって、本発明の目的は、安価で汎用用途に用いることのできる、耐溶剤性及び耐水性に優れたポリウレタンエラストマーを提供することにある。
これらの目的を達成すべく、発明者は鋭意検討した結果、特定の構造的特徴をもつポリエステルポリオールをポリウレタンエラストマーの原料として用いることにより、上記課題を解決できるとの知見を得て、本発明を完成するに至った。即ち、耐溶剤性の高いコハク酸系ポリエステルポリオールにおいて、カルボン酸成分としてさらに芳香族カルボン酸を併用することにより、耐溶剤性を維持しつつ耐水性を付与できることを見いだし、本発明を完成させた。
即ち、本発明は、以下を特徴とする要旨を有するものである。
(1)少なくともコハク酸系ポリエステルポリオールとポリイソシアネートからなるポリウレタンエラストマーにおいて、コハク酸系ポリエステルポリオールが、カルボン酸成分の主成分としてコハク酸を用い、さらに芳香族カルボン酸を全カルボン酸成分中の3〜50mol%用いて得られるものであり、コハク酸系ポリエステルポリオールのアルコール成分が、ジエチレングリコール及びトリエチレングリコールからなる群から選ばれた少なくとも1種であることを特徴とするポリウレタンエラストマー。
(2)芳香族カルボン酸が、フタル酸、イソフタル酸及びテレフタル酸からなる群から選ばれた少なくとも1種であることを特徴とする上記(1)に記載のポリウレタンエラストマー。
(3)コハク酸系ポリエステルポリオールの水酸基価が、20〜200mgKOH/gである事を特徴とする上記(1)又は(2)に記載のポリウレタンエラストマー
本発明により、耐溶剤性と耐水性に優れたポリウレタンエラストマーを提供することができる。
以下、本発明について詳細に説明する。ポリエステルポリオールはカルボン酸成分として多価カルボン酸を用い、アルコール成分として多価アルコールを用いて、両者をエステル化反応して得られるものであり、本発明におけるコハク酸系ポリエステルポリオールはカルボン酸成分の主成分としてコハク酸を用い、さらに芳香族カルボン酸を併用して得られるポリエステルポリオールである。
本発明において、コハク酸と共に用いる芳香族カルボン酸としては、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、トリメリット酸、ピロメリット酸等の芳香族多価カルボン酸が挙げられ、これらは単独で用いても良く、2種以上を併用してもよい。この中でも好ましくは、フタル酸、イソフタル酸及びテレフタル酸からなる群から選ばれた少なくとも1種であり、最も好ましくはフタル酸である。なお、これらの芳香族カルボン酸の一部あるいは全量として、無水フタル酸のような酸無水物やテレフタル酸ジメチルのようなエステル誘導体を用いてもよい。
これらの芳香族カルボン酸の使用量は、通常、全カルボン酸成分中の3〜50mol%の範囲である。使用量が3mol%未満では耐水性の向上が認められず、50mol%を超えると耐溶剤性が悪化する。好ましい使用量は5〜45mol%であり、さらに好ましくは10〜40mol%である。一方、カルボン酸成分の主成分であるコハク酸の使用量は、全カルボン酸成分中の50mol%以上である。コハク酸と芳香族多価カルボン酸のみを併用して用いることが好ましいが、上記の範囲の中で他のカルボン酸を併用することもできる。このようなカルボン酸としては、グルタル酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、リンゴ酸、フマル酸、マレイン酸、ヘキサヒドロフタル酸等のポリエステルポリオールの合成に通常用いられるカルボン酸が挙げられる。これらは2種以上を併用しても構わない。なお、芳香族カルボン酸として酸無水物やエステル誘導体を使用した場合、その使用量は対応するカルボン酸の使用量(モル数)として計算する。
本発明において、ポリエステルポリオールを得る際用いるアルコール成分としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール等の多価アルコールであり、エチレングリコール、ジエチレングリコール及びトリエチレングリコールからなる群から選ばれた少なくとも1種を用いることが好ましい。これらの多価アルコールを用いることにより、コハク酸系ポリエステルポリオールの耐溶剤性をより高めることができる。最も好ましくはジエチレングリコール、トリエチレングリコールであり、それぞれ単独で使用しても良いし、これらを併用してもよい。
その他のアルコール成分として用いることができるものは、テトラエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、シクロヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、エリスリトール、ソルビトール等の脂肪族及び脂環族アルコールや、ベンジルアルコール、2−フェノキシエタノールのような芳香族アルコールやフェノール類、、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリオキシエチレン/オキシプロピレン共重合グリコール、及びポリテトラメチレンエーテルグリコール等の長鎖ポリエーテルポリオール等のポリエステルポリオールの合成に通常用いられるアルコールを使用することができる。これらは2種以上を併用しても構わない。
本発明のコハク酸系ポリエステルポリオールの水酸基価は、20〜200mgKOH/gの範囲であり、好ましくは25〜190mgKOH/g、さらに好ましくは30〜180mgKOH/gの範囲である。水酸基価が20mgKOH/gより小さいと合成が難しくなることや、粘度が上昇し取り扱いが困難になる可能性があり、一方、200mgKOH/gより大きいと未反応のアルコールが多い分子量分布となり、ポリウレタンエラストマーの柔軟性、脆性等の物性を低下させる恐れがあるため好ましくない。
本発明のコハク酸系ポリエステルポリオールの平均官能基数は、通常、1.5〜3.0の範囲である。好ましくは1.8〜2.5の範囲である。平均官能基数が1.5より小さいと得られるポリウレタンエラストマーの機械的強度が低下する可能性がある。一方、3.0より大きいとポリエステルポリオールの粘度が上昇し、取り扱いが困難になる可能性がある。最も好ましい平均官能基数は2.0である。
本発明のコハク酸系ポリエステルポリオールの合成においては通常、エステル化触媒を使用する。エステル化触媒には一般に酸触媒が用いられることが多く、ルイス酸には例えば、テトライソプロピルチタネート、テトラ−n−ブチルチタネート等のオルトチタン酸エステルやジエチル錫オキシド、ジブチル錫オキシド等の錫系化合物や酸化亜鉛等の金属化合物が用いられる。また、ルイス酸の他にはパラトルエンスルホン酸等のブレンステッド酸を用いることもできる。
コハク酸系ポリエステルポリオールの合成に用いる触媒は、ウレタン化反応の反応挙動に影響を及ぼさない方が望ましい。そのため、上記のエステル化触媒の中では、オルトチタン酸エステルが好ましく、その使用量は原料に用いるカルボン酸成分とアルコール成分の合計に対して通常、0.1重量%以下、好ましくは0.05重量%以下で通常、0.001重量%以上、好ましくは0.003重量%以上である。場合によっては、これらのエステル化触媒を用いないで反応してもよく、反応後に失活処理を施したり、精製等で取り除いてもよい。
本発明のコハク酸系ポリエステルポリオールの製造には、一般的なポリエステルポリオールの製造装置と反応方法を適用することができる。反応の終点は通常、用いたカルボン酸成分の未反応カルボキシル基の量で決定する。ポリウレタンエラストマーに酸分が存在すると、耐加水分解性が低下する場合がある。従って、ポリエステルポリオールについても未反応カルボキシル基の量、即ち酸価は出来るだけ低い方が好ましい。従って、本発明のコハク酸系ポリエステルポリオールの酸価は、通常、3mgKOH/g以下、好ましくは2mgKOH/g以下、さらに好ましくは1mgKOH/g以下である。下限は特にないが、反応条件や反応時間からすれば、0.1mgKOH/gである。
ポリウレタンエラストマーの一般的な製造方法としては、ワンショット法、プレポリマー法等が挙げられる。ワンショット法はポリイソシアネート成分、ポリオール成分及び必要に応じて架橋剤やその他助剤を同時に反応させてポリウレタンエラストマーを得る方法であり、プレポリマー法はポリイソシアネート成分、ポリオール成分及び必要に応じてその他助剤を反応させてイソシアネートプレポリマーを製造し、次いで架橋剤及び必要に応じてその他の助剤をさらに反応させ、高分子量のポリウレタンエラストマーを得る方法である。本発明のポリウレタンエラストマーの製造方法としては、安定した物理特性をもったポリウレタンエラストマーを製造する目的ではプレポリマー法が好ましい。
ポリイソシアネート成分としては、1分子中にイソシアネート基を2個以上有する有機化合物であれば特に限定されるものではない。例えば、ヘキサメチレンジイソシアネート等の脂肪族、イソホロンジイソシアネート、水素添加ジフェニルメタンジイソシアネート、水素添加トリレンジイソシアネート等の脂環族及びキシリレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、フェニレンジイソシアネート、ポリフェニレンポリメチレンポリイソシアネート等の芳香族系ポリイソシアネート、またはこれらの変性物等が挙げられる。さらにこれらのポリイソシアネートのカルボジイミド変性物やウレタン変性物等も包含される。好ましいポリイソシアネートとしては、ジフェニルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネートである。
ポリオール成分としては、少なくとも上記の本発明のコハク酸系ポリエステルポリオールを使用する。本発明のコハク酸系ポリエステルポリオール以外に併用できるものとしては、ポリプロピレングリコール(PPG)やポリテトラメチレンエーテルグリコール(PTMG)のようなポリエーテル系ポリオール、アジピン酸エステルのようなポリエステル系ポリオール、ポリカプロラクトンのようなポリラクトン系ポリオール、ポリカーボネート系ポリオール等が挙げられる。これらは数平均分子量500〜5000程度のものが好適に使用できる。本発明のコハク酸系ポリエステルポリオールと併用する場合には、本発明のコハク酸系ポリエステルポリオール以外のポリオール成分の使用量は全ポリオールの割合の50重量%以下とすることが望ましく、全量を本発明のコハク酸系ポリエステルポリオールとすることが最も望ましい。
架橋剤としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,4−ブタンジオール、プロピレングリコール及びグリセリン等のアルコールや、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアルカノールアミン等、活性水素を1分子中に2個以上有する化合物が用いられる。好ましい架橋剤としては、エチレングリコール、1,4−ブタンジオールが挙げられる。
本発明のポリウレタンエラストマーには、必要に応じてその他助剤を用いる。その他助剤の使用目的は主にウレタン化反応を促進、あるいは減速させるための触媒、反応性調整剤や、ポリウレタンエラストマーの物性を調整するための可塑剤、充填材、酸化防止剤、脱泡剤、界面活性剤等である。これらの添加剤、助剤については、特に限定されるものではなく、通常のポリウレタンエラストマーにおいて物性向上や操作性向上等の目的で用いられるもので、本発明の効果が得られる範囲内において使用してもよい。
以下に、実施例により本発明の具体的態様をさらに詳細に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、これらの実施例によって限定されるものではない。
<ポリオールの合成>
「ポリオール−1〜4」は、表1に記載したカルボン酸及びアルコールを用いて公知のポリエステルポリオールの合成法に沿って合成した。また、「ポリオール−5」として、ポリテトラメチレンエーテルグリコール(三菱化学株式会社製 「PTMG1000」)を用いた。
「ポリオール−1〜5」の酸価、水酸基価、粘度及び数平均分子量は以下の方法で測定し、結果を表1に記載した。
(1)酸価:JIS K15571970に準拠して測定した。
(2)水酸基価:JIS K15571970に準拠して測定した。
(3)粘度:JIS K15571970に準拠して測定した。(25℃)
(4)数平均分子量:JIS K16011982に準拠して求めた。


Figure 0005403478
<イソシアネートプレポリマーの合成>
イソシアネートプレポリマーの合成には以下の原料と反応性調整剤を使用した。
(1)ポリオール−1〜5:前記のポリオール
(2)ポリイソシアネート:ジフェニルメタンジイソシアネート(日本ポリウレタン工業株式会社製「ミリオネートMT」 )
(3)反応性調整剤:リン酸エステル(城北化学株式会社製「JP−508」)
上記の原料及び反応性調整剤を用いてイソシアネートプレポリマー「プレポリマー−1〜5」を以下の方法に沿って合成した。
<イソシアネートプレポリマーの合成方法>
攪拌機、温度計、圧力計、オイルバスなどを装備した、容積が1リットルのガラス製反応器に、ポリオール、ポリイソシアネート、反応性調整剤を表2に記載の配合比に応じて仕込み、系内を減圧して脱泡を行った。その後、反応器の空間部を窒素ガス置換した後、常圧にて反応器の加熱を開始した。内温が80℃に達した時点を反応開始として、反応開始から30分毎に系内を減圧して脱泡しながら2時間反応させた。ここで得られたイソシアネートプレポリマーを「プレポリマー−1〜5」として、表2に記載した。
イソシアネートプレポリマーの%NCO(末端イソシアネート基濃度)は、溶媒にジメチルホルムアミドを用い、JIS K15561968に準拠して測定し、結果を表2に記載した。
Figure 0005403478
<ポリウレタンエラストマーの合成>
ポリウレタンエラストマーの合成には以下のプレポリマーと架橋剤を使用した。
(1)プレポリマー:プレポリマー−1〜5
(2)架橋剤:1,4−ブタンジオール(和光純薬株式会社製、特級試薬)
ポリウレタンエラストマーのシートを下記の成型方法で成型した。
<成型方法>
80℃に予熱したプレポリマーをSUS製反応器に所定量計り採り、所定量の架橋剤をシリンジで加えた後に直ちに真空攪拌装置にセットして減圧下、脱泡しつつ30秒攪拌を行った。その後、80℃に予熱しておいた2mm厚みシートの成型金型に予熱したプレポリマーを流し込み、120℃のオーブンで1昼夜加熱硬化させた。その後、ポリウレタンエラストマーのシートを脱型し、2日間以上室内に保管した後に当該ポリウレタンエラストマーのシートの物性評価を行った。尚、プレポリマーと架橋剤の配合比は、イソシアネートインデックス(NCO基/OH基のモル比)で1.05とした。
ポリウレタンエラストマーのシート成形の金型及び離型剤には下記のものを使用した。
(1)金型:アルミ製 内寸 200mm×200mm×2mm
(2)離型剤:フッ素系離型剤スプレー(ダイキン工業株式会社製「ダイフリー GA−6010」)
<評価方法>
得られたポリウレタンエラストマーの評価試験は、下記の方法で行い、ポリウレタンエラストマーの機械的強度を表3に、耐水性及び耐溶剤性の評価結果を表4〜7に記載した。
(1)機械的強度試験
ポリウレタンエラストマーの機械的強度はJIS A73111995に準拠して測定し、ポリウレタンエラストマーの硬度はJIS K7111995に準拠して測定しその結果を表3に記載した。なお引張試験片及び引裂試験片は以下のものを使用した。
引張試験片 : JIS K7113 2号
引裂試験片 : JIS K7311 3号
(2)耐水性試験
機械強度測定用の試験片を水(60℃)に1週間浸漬した後、試験片の重量変化と上記(1)の機械的強度試験による試験結果の変化を測定した。試験片の浸漬前後の重量変化と元の機械的強度がどの程度失われたかを耐水性の評価結果とした。その評価結果は、浸漬前の試験片の重量と機械的強度試験値(破断強度、破断伸び、100%モジュラス、200%モジュラス、300%モジュラス、弾性率、引裂強度)に対する浸漬後のこれらの値の比率(%)で表4に記載した。
(3)耐溶剤性試験
機械的強度測定用の試験片を(ア)トルエン、(イ)酢酸エチル、(ウ)イソプロピルアルコールにそれぞれ20℃の条件で1週間浸漬した。その後、試験片を取り出し、試験片の重量変化と上記(1)の機械的強度試験による試験結果の変化を測定した。試験片の浸漬前後の重量変化と元の機械的強度がどの程度失われたかを耐溶剤性の試験結果とした。その評価結果は、浸漬前の試験片の重量と機械的強度試験値(破断強度、破断伸び、100%モジュラス、200%モジュラス、300%モジュラス、弾性率、引裂強度)に対する浸漬後のこれらの値の比率(%)で表5〜表7に記載した。
表4〜7において、引張試験結果(破断強度、破断伸び、100%モジュラス、200%モジュラス、300%モジュラス及び弾性率)と引裂試験結果(引裂強度)の値(浸漬前の試験片の値に対する比率)の算術平均を強度平均値として記載し、機械的強度の低下の指標とした。
Figure 0005403478
Figure 0005403478
Figure 0005403478
Figure 0005403478
Figure 0005403478
表3より次のことが明らかである。すなわち、ポリウレタンエラストマーの機械的強度評価(破断強度、破断伸び、100%モジュラス、200%モジュラス、300%モジュラス、弾性率及び引裂強度)において、本発明の芳香族カルボン酸を併用したコハク酸系ポリエステルポリオールを用いた実施例1、2の場合、通常のコハク酸系ポリエステルポリオールであるポリオール−3や、汎用的に用いられるポリオール4、5を用いた比較例1〜3と比べ、特に遜色のない物性を有するといえる。
表4より次のことが明らかである。すなわち、ポリウレタンエラストマーの耐水性評価において、芳香族カルボン酸を併用した本発明のコハク酸系ポリエステルポリオールを用いた実施例1、2の場合、水(60℃)に浸漬後の強度平均値や重量変化が、芳香族カルボン酸を併用しないコハク酸系ポリエステルポリオールを用いた比較例1よりも改善しており、汎用的に用いられるポリオールを用いた比較例2、3と比べても遜色はない。このことから本発明のポリオールを用いた場合、ポリウレタンエラストマーの耐水性が向上していることがわかる。
また、表5〜7より次のことが明らかである。すなわち、ポリウレタンエラストマーの耐溶剤性評価において、芳香族カルボン酸を併用した本発明のコハク酸系ポリエステルポリオールを用いた実施例1、2の場合、溶剤浸漬後の強度平均値は、汎用的に用いられるポリオールを用いた比較例2、3と比べても同等以上であり、さらに、膨潤による重量の増加は小さくなっている。また、芳香族カルボン酸を併用しないコハク酸系ポリエステルポリオールを用いた比較例1と比べても遜色はない。このことからポリウレタンエラストマーの耐溶剤性は、通常のコハク酸系ポリエステルポリオールの性能を維持していることがわかる。
本発明によれば、耐溶剤性と耐水性に優れたポリウレタンエラストマーを提供することができる。

Claims (3)

  1. 少なくともコハク酸系ポリエステルポリオールとポリイソシアネートからなるポリウレタンエラストマーにおいて、コハク酸系ポリエステルポリオールが、カルボン酸成分の主成分としてコハク酸を用い、さらに芳香族カルボン酸を全カルボン酸成分中の3〜50mol%用いて得られるものであり、コハク酸系ポリエステルポリオールのアルコール成分が、ジエチレングリコール及びトリエチレングリコールからなる群から選ばれた少なくとも1種であることを特徴とするポリウレタンエラストマー。
  2. 芳香族カルボン酸が、フタル酸、イソフタル及びテレフタル酸からなる群より選ばれた少なくとも1種であることを特徴とする、請求項1に記載のポリウレタンエラストマー。
  3. コハク酸系ポリエステルポリオールの水酸基価が、20〜200mgKOH/gである事を特徴とする請求項1又は2に記載のポリウレタンエラストマー。
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