JP5402090B2 - 全固体リチウムイオン二次電池の製造方法 - Google Patents
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Description
本発明は、Li 7 P 3 S 11 からなる固体電解質を成形し、電解質層を作製する、電解質層作製工程と、正極材及び前記固体電解質を混合して成形し、正極層を作製する、正極層作製工程と、負極材及び前記固体電解質を混合して成形し、負極層を作製する、負極層作製工程と、作製された前記正極層、前記電解質層、及び前記負極層をこの順に積層して、積層体を作製する、積層体作製工程と、作製された前記積層体を圧縮して電池とする、電池作製工程と、充放電電位サイクル幅3.8〜3.9Vにて10時間以上40時間以下の間、前記電池の充電及び放電を繰り返す、充放電処理工程と、を備える、全固体リチウムイオン二次電池の製造方法である。
図1に、実施形態にかかる本発明の全固体リチウムイオン二次電池の製造方法(以下、「実施形態にかかる製造方法」という。)の一例を示す。図1に示されるように、実施形態にかかる製造方法は、電解質層作製工程(S1)と、正極層作製工程(S2)と、負極層作製工程(S3)と、積層体作製工程(S4)と、電池作製工程(S5)と、充放電処理工程(S6)と、を備えている。
工程S1は、固体電解質を混合して成形し、電解質層20を作製する工程である。固体電解質は、全固体リチウムイオン二次電池に用いられ得る固体電解質を特に限定されずに用いることができる。特に、Li2S−P2S5を用いることが好ましい。Li2SとP2S5の比率(Li2S:P2S5)については、50:50〜100:0とすることが好ましい。固体電解質の形態については特に限定されず、例えば粉体状の固体電解質を用いることができる。固体電解質は複数種類を同時に用いてもよい。このような固体電解質を混合した後、成形して電解質層20が作製される。成形方法、手段については、例えば、プレス機を用いた加圧成形により成形することができる。成形時の圧力については、電解質層20を形成可能な圧力であれば特に限定されない。
工程S2は、正極材及び固体電解質を混合して成形し、正極層10を作製する工程である。正極材としては、全固体リチウムイオン二次電池の正極に用いられ得る材料を用いることができ、例えば、リチウム遷移金属酸化物やカルコゲン化物を用いることができる。正極材に用いられるリチウム遷移金属酸化物としては、例えば、LiCoO2、LiNiO2、LiMnO2、Li4Ti5O12等の複合酸化物や、LiFePO4、LiCoPO4、LiMnPO4等のオリビン型リン酸化合物を挙げることができる。カルコゲン化物としては、例えば、銅シュブレル、硫化鉄、硫化コバルト、硫化ニッケルを挙げることができる。正極材の形態については特に限定されず、例えば粉体状の正極材を用いることができる。一方、固体電解質としては、上記工程S1で用いられる固体電解質と同様のものを用いることができる。このような正極材と固体電解質とを混合した後、成形して正極層10が作製される。正極材と固体電解質との混合比率については、特に限定されるものではない。成形方法、手段については、例えば、プレス機を用いた加圧成形により成形することができる。成形時の圧力については、正極層10を形成可能な圧力であれば特に限定されない。
工程S3は、負極材及び固体電解質を混合して成形し、負極層30を作製する工程である。負極材としては、全固体リチウムイオン二次電池の負極に用いられる材料を用いることができ、例えば、カーボン、リチウム遷移金属酸化物、金属合金を用いることができる。負極材に用いられるリチウム遷移金属酸化物としては、例えば、Li4Ti5O12を挙げることができる。金属合金としては、例えば、La3Ni2Sn7を挙げることができる。負極材の形態については特に限定されず、例えば粉体状の負極材を用いることができる。一方、固体電解質としては、上記工程S1で用いられる固体電解質と同様のものを用いることができる。このような負極材と固体電解質とを混合した後、成形して負極層30が作製される。負極材と固体電解質との混合比率については、特に限定されるものではない。成形方法、手段については、例えば、プレス機を用いた加圧成形により成形することができる。成形時の圧力については、負極層30を形成可能な圧力であれば特に限定されない。
工程S4は、工程S1〜S3にて作製された正極層10、電解質層20、及び負極層30をこの順に積層して、積層体40を作製する工程である。尚、積層体の上面(正極層10の電解質層20とは反対側面)及び下面(負極層30の電解質層20とは反対側面)に、集電体11、12を設けた積層体としてもよい。集電体11は、全固体リチウムイオン二次電池の正極集電体として用いられる集電体を特に限定されずに用いることができる。一方、集電体12は、全固体リチウムイオン二次電池の負極集電体として用いられる集電体を特に限定されずに用いることができる。集電体11、12には、端部に電極端子50a、50bが設けられ、これを介して電気エネルギーを取り出すことができる。
工程S5は、工程S4にて作製された積層体40(又は積層体40、40、…)を圧縮して電池とする工程である。工程S5において、作製された積層体40(又は積層体40、40、…)が電池ケース60内に圧縮収容される。電池ケース60内への圧縮収容手段、方法については、公知のものを用いることができる。このとき、電池ケース60内にて生じる電気エネルギーを外部へと取り出すことが可能なように、電極端子50a、50bが電池ケース60外部に露出した形態とされる。
工程S6は、工程S5により作製された電池の充電及び放電を所定時間繰り返す工程である。充放電処理工程を経ることで、上記工程S5で作製された電池が二次電池100となる。工程S6における、電池の充放電処理時間は、10時間以上40時間以下である。特に20時間以上30時間以下とすることが好ましい。充電及び放電時の電位幅は、用いられる電池材料(固体電解質、正極材、及び負極材等)の種類により適宜変更可能であるが、例えば、固体電解質としてLi7P3S11を用いた場合、3.8V以上3.9V以下とすることができる。
例えば、工程S4を下記工程としてもよい。すなわち、まず、図3(a)に示されるような、シート状の電解質層120、正極層110、シート状の電解質層121、及び負極層130をこの順に有する積層体140’を作製する。各層の作製方法については、上記工程S1〜S3と同様とすることができる。また、正極層110には、絶縁部151aを有する電極端子150aを接続し、負極層130には、絶縁部151bを有する電極端子150bを接続する。正極層110と電解質層120との間、及び、負極層130と電解質層121との間に、集電体(不図示)を設けてもよい。次に積層体140’を捲回して、図3(b)に示されるような積層体140を作製する。捲回方法、手段としては、例えば、公知の捲回機を用いることができる。
固体電解質としてLi7P3S11を用意し、これを混合したのち、1.0ton/cm2の圧力でプレス成形し、電解質層を作製した。また、リチウム遷移金属及びカルコゲン化物を含む正極材と上記固体電解質とを混合し、1.0ton/cm2の圧力でプレス成形し、正極層を作製した。さらに、カーボン、リチウム遷移金属酸化物、及び金属合金を含む負極材と上記固体電解質とを混合し、4.0ton/cm2の圧力でプレス成形し、負極層を作製した。
上記充放電処理を25時間施した二次電池と、充放電処理を施していない二次電池とを用意し、それぞれの初期内部抵抗値を測定した。結果を図5に示す。図5より、二次電池は25時間の充放電処理により、内部抵抗値が低下し、電池性能が向上していることがわかる。
上記充放電処理を25時間施した二次電池と、充放電処理を施していない二次電池とを用意し、それぞれについて、充放電サイクル試験に供した。このときの電位サイクル幅は、3.8〜3.9Vとした。充電、放電を20サイクル繰り返した後、内部抵抗値を測定し、初期抵抗値に対する抵抗劣化率(抵抗値が増加した割合)を、耐久性評価の指標とした。結果を図6に示す。図6より、二次電池は25時間の充放電処理により、抵抗劣化率が減少し、耐久性が向上していることがわかる。
11、12、13 集電体
20 電解質層
30 負極層
40 積層体
50a、50b 電極端子
60 電池ケース
100 全固体リチウムイオン二次電池
Claims (1)
- Li 7 P 3 S 11 からなる固体電解質を成形し、電解質層を作製する、電解質層作製工程と、
正極材及び前記固体電解質を混合して成形し、正極層を作製する、正極層作製工程と、
負極材及び前記固体電解質を混合して成形し、負極層を作製する、負極層作製工程と、
作製された前記正極層、前記電解質層、及び前記負極層をこの順に積層して、積層体を作製する、積層体作製工程と、
作製された前記積層体を圧縮して電池とする、電池作製工程と、
充放電電位サイクル幅3.8〜3.9Vにて10時間以上40時間以下の間、前記電池の充電及び放電を繰り返す、充放電処理工程と、
を備える、全固体リチウムイオン二次電池の製造方法。
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