JP5401754B2 - 金属酸化物ナノ結晶の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、金属酸化物ナノ結晶の製造方法に関する。
金属酸化物ナノ粒子等の、粒子径が数十ナノメートル以下の超微粒子(ナノ粒子)は、ポリマー材料等の有機材料との複合化による機能の向上を実現する添加剤として注目されている。中でも、前記のように添加剤として使用した場合には、特に光学的、電磁気的、機械的物性を飛躍的に向上させるものとして期待されている。
また、量子サイズ効果による超高機能性や新物性の発現など、ナノ化により獲得される新たな物性にも大きな期待が寄せられている。
しかしながら、ナノ粒子を実用化するためには、単にナノ粒子を合成するだけでなく、ナノ粒子の形状、結晶性、分散性など、利用目的に合わせた機能化が求められている。
従来、有機と無機の複合化、ナノ粒子合成、ナノ粒子の表面修飾と分散性の制御に関して多くの報告がなされているが、複合化可能な無機粒子で分散性と結晶性との両面で満足のいくものは得られていないのが実状である。これは、無機粒子の合成と有機材料の複合化とを同時に行なう、いわゆるin−situ法を利用しているためである。
このin−situ法では、金属酸化物粒子の分散性は良いものが得られるが、金属酸化物粒子はほとんどが非晶質として存在する。すなわち、金属酸化物の結晶化には高温が必要であるが、in−situ法では有機材料の耐熱性の観点から結晶化に必要な熱エネルギーを与えることが不可能であったため、分散性と結晶性とを満足した金属酸化物を有機材料と複合化することは困難であった。
また、比較的低温で合成できる金属酸化物を選択した場合でも、通常、金属酸化物前駆体として金属アルコキシドなどが使用されるため、アモルファス部分が大量に存在し、金属酸化物との複合化による性能・機能の付与、特に電磁気的、光学的機能の付与は困難であった。
一方、複合化を前提にせず、ナノ粒子の合成に目を向ければ、従来から多くの合成法(噴霧熱分解法、共沈法、逆ミセル法、ホットソープ法、ゾルゲル法など)が提案、検討されている。
しかしながら、噴霧熱分解法、共沈法、逆ミセル法では、得られる粒子の結晶子径は、合成条件により制御可能であり、高度に結晶化した粒子が得られるものの、生成する金属酸化物前駆体の表面活性が非常に高かった。噴霧熱分解法、共沈法、逆ミセル法では粒子同士が凝集した状態で高温下結晶化が行なわれるために、得られる粒子が凝集粒子となり、粒子径が大きくなりやすかった。
また、ホットソープ法は、高沸点の界面活性剤中で金属酸化物前駆体表面への界面活性剤の吸着、分解を利用して金属酸化物結晶の成長を制御する方法である。ホットソープ法では、ナノ粒子の結晶性、分散性とも良いものが得られるものの、合成のためには通常300℃程度の高温が必要であり、また、溶媒自体が界面活性剤であるために、界面活性剤の分解物などの不純物を取り込みやすかった。
さらに、ゾルゲル法は、最も一般的に用いられる金属酸化物合成法のひとつであり、多くの研究例がある。具体的には、金属酸化物前駆体である金属アルコキシドを触媒の存在下、加水分解することにより金属酸化物ナノ粒子を得る方法であり、比較的単分散に近いナノサイズの粒子が得られる。しかし、ゾルゲル法では、低温で合成するために結晶性が不十分であり、さらに大量の未反応成分が残存していた。
前記のような課題を解消した方法として、ゾルゲル法を非水系の有機溶媒中で行ない(non−hydrolytic sol−gel法)、金属酸化物を得る方法が古くから知られている(例えば、非特許文献1〜4)。A.Viouxは、これらに基づいてnon−hydrolytic sol−gel法を発展させた(非特許文献5)。M.Niederburgerらは、これを更に改良して、ナノ粒子合成に適用した(例えば、非特許文献6,7)。
Gerrard, W., Woodhead, A. H., J. Chem. Soc., 1951, 519. Corriu, R. J. P., Leclercq, D., Lefevre, P., Mutin, P. H., Vioux, A. J. Non-Cryst. Solids, 1992, 146, 301. Daniele, S., Papiernik, R., Huber-Pfalzgraf, L. G., Inorg. Chem., 1995, 34, 628. Bradley, D. C., Thomas, I. M., J. Chem. Soc. A., 1959, 3404. Chem. Mater., 1997, 9, 2292-2299, Chem. Mater., 1997, 9, 694-698. M. Niederberger, G. Garnweitner, N. Pinna, M. Antonietti, 2004, 126, 9120-9126. M. Niederberger, M. H. Bartl, G. D. Stucky, Chem. Mater, 2002, 14, 4364-4370.
非特許文献6,7に記載された方法は、広範な種類の、結晶性を有する金属酸化物ナノ粒子(即ち、金属酸化物ナノ結晶)の合成に適用可能で、比較的低温で合成できるという点で優れている。しかしながら、場合によっては、金属酸化物ナノ結晶の成長が十分行われず、結晶性の低いアモルファス状の粒子しか得られない場合があった。
本発明は、上記の課題を解決するべく創案されたもので、低温度において、短時間で、結晶性が高い金属酸化物ナノ結晶を得ることができる金属酸化物ナノ結晶の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者は、上記課題を解決するべく鋭意検討を行なった結果、金属酸化物前駆体を、アミン類の存在下、含酸素有機溶媒を用いたソルボサーマル法に供することにより、従来よりも低い温度条件下において、速やかに、良好な結晶性を有する金属酸化物ナノ結晶を得ることができることを見出し、本発明を完成させた。
即ち、本発明の要旨は、金属酸化物前駆体を、前記金属酸化物前駆体に対してモル数で0.5倍以上10倍以下のアミン類の存在下、含酸素有機溶媒を用いたソルボサーマル法に供する金属酸化物ナノ結晶の製造方法であって、前記金属酸化物前駆体が、金属塩化物、金属アルコキシド及び金属水酸化物からなる群より選ばれる少なくとも1種であり、前記金属酸化物が、チタン、ジルコニウム、バリウム、ストロンチウム、セリウム、ハフニウム、イットリウムからなる群から選ばれる少なくとも一種以上の金属元素を含有する金属酸化物であり、前記含酸素有機溶媒中に、カルボン酸類を共存させないことを特徴とする、金属酸化物ナノ結晶の製造方法に存する(請求項1)。
このとき、前記金属酸化物が、チタン、ジルコニウム、バリウムからなる群から選ばれる少なくとも一種以上の金属元素を含有する金属酸化物であることが好ましい(請求項2)。
また、前記含酸素有機溶媒は、アルコール類、ケトン類、アルデヒド類、エーテル類、エステル類及びシロキサン類からなる群より選ばれる少なくとも1種であることが好ましい(請求項)。
さらに、前記アミン類は、1級及び/又は2級の脂肪族アミン類であることが好ましい(請求項)。
本発明の金属酸化物ナノ結晶の製造方法によれば、低温度において、短時間で、結晶性が高い金属酸化物ナノ結晶を得ることができる。
以下、本発明について実施形態を示して詳細に説明する。ただし、本発明は以下の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において任意に変更して実施することができる。
[I.金属酸化物ナノ結晶の製造方法]
本発明の金属酸化物ナノ結晶の製造方法(以下、適宜「本発明の製造方法」という)では、金属酸化物前駆体を、アミン類の存在下、含酸素有機溶媒を用いたソルボサーマル法に供するようにする。
ここで、ソルボサーマル法とは、所定の溶媒の存在下で、高温高圧の環境下において粒子を製造する方法である。
本発明の製造方法では、通常、金属酸化物前駆体と、含酸素有機溶媒と、所定量のアミン類とを共存させることにより、反応液を用意する。なお、反応液には、本発明の効果を著しく損なわない限りその他の成分が含有されていてもよい。例えば、必要に応じて、その他の添加剤を含有させてもよい。これにより、この反応液は、含酸素有機溶媒中に、金属酸化物前駆体、アミン類及び添加剤が溶解又は分散した組成物として用意される。
[I−1.金属酸化物前駆体]
本発明の製造方法において、金属酸化物前駆体としては、所望の金属酸化物ナノ結晶が得られる限り任意の物質を使用することができる。したがって、製造しようとする金属酸化物ナノ結晶に含有される金属元素を含有する金属単体や金属化合物から適切なものを任意に選択して使用することができる。
金属酸化物前駆体の例を挙げると、金属塩化物、金属アセテート、金属アルコキシド、金属水酸化物などが挙げられる。これらの中でも、副生する不純物(例えば塩化物など)の観点から、金属アルコキシド、金属アセテート、金属水酸化物が好適に用いられる。
金属酸化物前駆体のうち、好適なものの具体例を挙げると、チタニウムメトキシド、チタニウムエトキシド、チタニウム−ジ−n−ブトキシド(ビス−2,4−ペンタンジオネート)、チタニウム−ジイソプロポキシド(ビス−2,4−ペンタンジオネート)、チタニウム−ジイソプロポキシド(ビスエチルアセトアセテート)、チタニウム−2−ヘキソキサイド、チタニウム−n−ブトキシド、チタニウムイソプロポキシド、チタニウムメトキシプロポキシド、チタニウム−n−ノニロキシド、チタニウムオキシド(ビステトラメチルペンタンジオネート)、チタニウム−n−プロポキシド、チタニウムステアリルオキシド、チタニウムトリイソステアリルイソプロポキシド、チタニウムトリメチルシロキシド、
ジルコニウム−n−ブトキシド、ジルコニウム−t−ブトキシド、ジルコニウム−ジ−n−ブトキシド(ビス−2,4−ペンタンジオネート)、ジルコニウム−ジ−イソプロポキシド(ビス−2,2,6,6,−テトラメチル−3,5−ヘプタンジオネート)、ジルコニウムエトキシド、ジルコニウムプロポキシド、ジルコニウム−2−エチルヘキサノエート、ジルコニウム−2−エチルヘキソキシド、ジルコニウムイソプロポキシド、ジルコニウム−2−メチル−2−ブトキシド、ジルコニウム−2,4−ペンタンジオネート、ジルコニウム−n−プロポキシド、ジルコニウム−2,2,6,6−テトラメチル−3,5−ヘプタンジオネート、ジルコニウムトリメチルシロキシド、ジルコニルプロピオネート、
バリウムエトキシド、バリウム−2−エチルヘキサノエート、バリウムイソプロポキシド、バリウムメトキシプロポキシド、バリウム−2,4−ペンタンジオネート水和物、バリウム−2,2,6,6−テトラメチル−3,5−ヘプタンジオネート、バリウム−2,2,6,6−テトラメチル−3,5−ヘプタンジオネート水和物、バリウムチタンダブルアルコキシド、バリウムジルコニウムダブルアルコキシド、水酸化バリウム8水和物、
ハフニウム−n−ブトキシド、ハフニウム−t−ブトキシド、ハフニウムエトキシド、ハフニウム−2,4−ペンタンジオネート、ハフニウムテトラメチルヘプタンジオネート、
ビス(2,2,6,6−テトラメチル−3,5−ヘプタンジオネート)ストロンチウム水和物、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−3,5−ヘプタンジオネート)ストロンチウムテトラグライム付加物、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−3,5−ヘプタンジオネート)ストロンチウムトリグライム付加物、ストロンチウムチタンダブルアルコキシド、ストロンチウムジルコニウムダブルアルコキシド、水酸化ストロンチウム、ストロンチウムアセテート、ストロンチウム−2−エチルヘキサノエート、ストロンチウムイソプロポキシド、ストロンチウムメトキシプロポキシド、ストロンチウム−2,4−ペンタンジオネート、ストロンチウム−2,2,6,6−テトラメチル−3,5−ヘプタンジオネート、
セリウムアセテート水和物、セリウム−t−ブトキシド、セリウム−2−エチルヘキサノエート、セリウムイソプロポキシド、セリウムメトキシエトキシド、セリウム−2,4−ペンタンジオネート水和物、セリウム−2,2,6,6−テトラメチルヘプタンジオネート、水酸化セリウム、
トリス(2,2,6,6−テトラメチル−3,5−ヘプタンジオネート)イットリウムトリグライム付加物、イットリウムアセテート4水和物、イットリウム−2−エチルヘキサノエート、イットリウムイソプロポキシド、イットリウムメトキシエトキシド、イットリウムオキサレート9水和物、イットリウム−2,4−ペンタンジオネート、イットリウム−2,2,6,6−テトラメチル−3,5−ヘプタンジオネートなどが挙げられる。
なお、金属酸化物前駆体は、1種を単独で用いても良く、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用しても良い。
金属酸化物前駆体は、反応液中においてどのような状態で存在していても良い。ただし、通常は、金属酸化物前駆体は含酸素有機溶媒中に溶解した状態で存在する。
[I−2.含酸素有機溶媒]
含酸素有機溶媒は、金属酸化物前駆体が金属酸化物ナノ結晶へと変化する反応の反応媒として機能すると共に、金属酸化物前駆体に酸素を供給する酸素供給源としても機能する。この含酸素有機溶媒は、酸素を含有する有機溶媒であれば他に制限は無く任意のものを使用することができる。
含酸素有機溶媒の炭素数は、本発明の効果を著しく損なわない限り任意であるが、通常1以上、また、通常30以下、好ましくは20以下、より好ましくは10以下である。
含酸素有機溶媒の分子量は、本発明の効果を著しく損なわない限り任意であるが、通常32以上、好ましくは50以上、より好ましくは70以上、また、通常500以下、好ましくは400以下、より好ましくは300以下である。
含酸素有機溶媒の沸点は、本発明の効果を著しく損なわない限り任意であるが、通常50℃以上、好ましくは70℃以上、より好ましくは100℃以上、更に好ましくは150℃以上、また、通常300℃以下、好ましくは270℃以下、より好ましくは250℃以下である。
含酸素有機溶媒の例を挙げると、アルコール類、ケトン類、アルデヒド類、エーテル類、エステル類、シロキサン類などが挙げられる。また、これらの含酸素有機溶媒の1分子中に含まれる酸素原子の個数は、1個以上であれば特に限定されない。
含酸素有機溶媒の具体例を挙げると、エタノール、メタノール、ベンジルアルコール、メトキシエタノール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、メチルエタノールアミン、ジエタノールアミン、アセトン、ベンズアルデヒド、シクロヘキサノン、アセトフェノン、ジフェニルエーテル、ヘキサメチルジシロキサンなどが挙げられる。中でも、ベンジルアルコール、メトキシエタノールが好ましい。
なお、含酸素有機溶媒は、1種を単独で用いても良く、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用しても良い。
含酸素有機溶媒の使用量に制限は無い。ただし、含酸素有機溶媒中の金属酸化物前駆体の濃度が、通常0.1mol/L以上、好ましくは0.3mol/L以上、より好ましくは0.5mol/L以上、また、通常1.0mol/L以下、好ましくは0.8mol/L以下、より好ましくは0.6mol/L以下となるようにする。含酸素有機溶媒が少なすぎるとゲル化が生じる虞があり、多すぎると収量が低くなる虞がある。
[I−3.アミン類]
アミン類は、1級アミン類、2級アミン類及び3級アミン類のいずれを用いても良い。ただし、3級アミン類を用いると、本発明の製造方法においてアミン類を使用した効果が小さくなる場合があるため、1級アミン類及び/又は2級アミン類を用いることが好ましい。中でも、酸化劣化着色が少ないという利点があるため、1級アミン類が好ましい。
また、アミン類としては、特に、脂肪族アミン類が好ましい。合成時の粒子安定剤としての作用が高いためである。特に、1級及び/又は2級の脂肪族アミン類を使用することは、粒子成長の促進剤あるいは抑制剤としての効果が高いという利点があるため、好ましい。
アミン類の炭素数は、本発明の効果を著しく損なわない限り任意であるが、通常8以上、好ましくは14以上、より好ましくは16以上、また、通常24以下、好ましくは20以下、より好ましくは18以下である。アミン類の炭素数が多すぎると高温下で変性したアミンを除去しづらくなる虞があり、少なすぎると合成時の粒子安定剤としての効果が小さくなる虞がある。
アミン類の具体例を挙げると、オレイルアミン、オクチルアミン、ジオクチルアミン、アニリン、メチルエタノールアミン、ジエタノールアミンなどが挙げられる。
なお、アミン類は、1種を単独で用いても良く、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用しても良い。
ただし、アミン類の使用量は、金属酸化物前駆体に対して、モル数で、通常0.5倍以上、好ましくは1.5倍以上、より好ましくは2.0倍以上、また、通常10倍以下、好ましくは6倍以下、より好ましくは4倍以下である。アミン類が少なすぎるとアミン類を使用した効果が得られず、金属酸化物ナノ結晶が大きくなったり(例えば、粒子径が2nmより大きくなる)、金属酸化物ナノ結晶の結晶性が悪くなったりする虞がある。逆に、アミン類が多すぎると、本発明の製造方法により不純物が多く発生し、得られる金属酸化物ナノ結晶の品質が低下する虞がある。
[I−4.その他の添加剤]
反応液には、上述した金属酸化物前駆体、含酸素有機溶媒及びアミン類の他に、添加剤を共存させても良い。添加剤の例としては、カルボン酸類、含酸素有機溶媒以外の溶媒、ホスフィン類などが挙げられる。
[I−4−1.カルボン酸類]
カルボン酸類は、得られる金属酸化物ナノ結晶をカルボン酸類で修飾するためのものである。含酸素有機溶媒中にカルボン酸類を共存させることにより、表面にカルボン酸類を有する金属酸化物ナノ結晶を得られるようになる。そのため、金属酸化物ナノ結晶の有機溶媒に対する溶解性を向上させることが可能となる。
カルボン酸類の具体的種類に制限は無く、金属酸化物ナノ結晶に結合できる限り任意のものを用いることができる。ただし、着色が少ないという利点があるため、カルボン酸類としては脂肪族カルボン酸類が好ましい。
また、カルボン酸類の炭素数は、本発明の効果を著しく損なわない限り任意であるが、通常8以上、好ましくは14以上、より好ましくは16以上、また、通常24以下、好ましくは20以下、より好ましくは18以下である。カルボン酸類の炭素数が多すぎると高温下で変性したカルボン酸が除去しづらくなる虞があり、少なすぎると修飾剤としての効果が小さくなる虞がある。
カルボン酸類の具体例を挙げると、オレイン酸、カプリル酸、ベヘン酸、ステアリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸などが用いられる。
なお、カルボン酸類は、1種を単独で用いても良く、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用しても良い。
カルボン酸類の使用量に制限は無いが、金属酸化物前駆体のモル数に対して、通常0.1倍以上、好ましくは0.75倍以上、より好ましくは1.0倍以上、また、通常5倍以下、好ましくは3倍以下、より好ましくは2倍以下である。カルボン酸類が少なすぎるとカルボン酸類を使用した効果が得られない虞がある。逆に、カルボン酸類が多すぎると、本発明の製造方法によりゲルが多く発生し、得られる金属酸化物ナノ結晶の品質が低下する虞がある。
また、アミン類とカルボン酸類とを併用する場合には、カルボン酸類は、アミン類に対して、モル比で、通常1/2倍以下、好ましくは1/4倍以下だけ使用することが望ましい。
[I−4−2.その他の溶媒]
反応液には、含酸素有機溶媒以外の溶媒を含有させてもよい。金属酸化物ナノ結晶を得ることができる限り、その他の溶媒の種類及び使用量に制限は無い。
その他の溶媒の例を挙げると、水などが挙げられる。
また、その他の溶媒は、1種を単独で用いても良く、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用しても良い。
[I−5.反応液を用意する際の操作]
反応液を用意する際の具体的操作は任意である。また、上述した金属酸化物前駆体、含酸素有機溶媒及びアミン類並びに必要に応じて用いられる添加剤を混合する順序も任意である。
ただし、金属酸化物前駆体は、空気中の水分と速やかに反応するものが多いため、窒素雰囲気などの不活性ガス中で混合することが好ましい。例えば、含酸素有機溶媒を所定時間窒素バブリングした後、金属酸化物前駆体を所定量混合、攪拌し、その後、アミン類及び添加剤を所定量混合する方法が挙げられる。
[I−6.反応]
反応液を用意したら、当該反応液を所定の反応条件に保持し、反応を進行させ、反応液内において金属酸化物ナノ結晶を得るようにする。
反応時の温度(反応温度。ここでは、反応液の温度)は、金属酸化物ナノ結晶が得られる限り任意である。ただし、本発明の製造方法は、比較的低い温度で金属酸化物ナノ結晶を得られることを利点の一つとしている。したがって、反応温度は、通常100℃以上、好ましくは150℃以上、また、通常240℃以下、好ましくは200℃以下に保持して反応を進行させる。反応温度が低すぎると結晶性を有する金属酸化物ナノ粒子(即ち、金属酸化物ナノ結晶)が得られなくなる虞がある。一方、反応温度が高すぎると、有機物の分解による副生物の量が多くなり、金属酸化物ナノ結晶の品質低下を招く虞がある。
なお、反応温度は一定でも変動していても良い。また、反応液の温度が、上述した反応温度の範囲に継続的に収まっていても良く、断続的に収まっていても良い。
さらに、反応液内の温度は均一でも不均一でも良い。したがって、金属酸化物ナノ結晶が得られる限り、例えば反応液内の一部が上記反応温度の範囲外となっていても構わない。
また、反応を進行させる際の圧力条件は、金属酸化物ナノ結晶が得られる限り任意である。ただし、通常は、圧力条件は自圧以下である。なお、ここで自圧とは、含酸素有機溶媒の当該温度における蒸気圧を指す。
さらに、反応時間は、金属酸化物ナノ結晶を得ることができる限り任意である。ただし、本発明の製造方法においては、金属酸化物前駆体、含酸素有機溶媒及びアミン類を反応系に共存させたことにより、従来よりも短時間で金属酸化物ナノ結晶を得ることができることを利点の一つとしている。このため、本発明の製造方法においては、反応時間は、通常48時間以下、好ましくは24時間以下である。
また、反応時の雰囲気も、金属酸化物ナノ結晶を得ることができる限り任意である。ただし、反応は不活性雰囲気下で行なうことが好ましい。金属酸化物前駆体は、空気中の水分と速やかに反応するものが多いためである。
なお、ここで不活性雰囲気とは、金属酸化物前駆体、含酸素有機溶媒及びアミン類のいずれもが雰囲気と反応しないことを表わす。不活性雰囲気を構成する雰囲気ガスとしては、例えば、窒素、アルゴン、ヘリウムなどが挙げられる。なお、不活性雰囲気には、単独の不活性ガスを用いても良く、2種以上の不活性ガスを用いても良い。
上記の反応条件を満たすためには、例えば、反応液を密閉容器内において上記所定の反応温度に保持するようにすればよい。例えば、反応液を不活性雰囲気下で密閉容器(オートクレープ容器等)に封入し、当該密閉容器内で加熱して上記所定の反応温度に保持するようにすればよい。
なお、反応液の用意と反応の進行とは、一連の工程として行なうことも可能である。例えば、予め所定の反応条件を整えておいた環境で、金属酸化物前駆体、含酸素有機溶媒及びアミン類並びに必要に応じて添加剤を混合すれば、反応液の用意と反応の進行とを、互いに区別しない一連の工程として行なうことが可能となる。
[1−7.本発明の製造方法の利点及びそれが得られる理由]
本発明の製造方法により、金属酸化物ナノ結晶を得ることができる。この際、金属酸化物ナノ結晶は、一次粒子(金属酸化物ナノ結晶の粒子が他の粒子と接していない単独の粒子のこと)もしくは弱い凝集状態のスラリーとして得られる。非特許文献6,7に記載のような従来技術では、ナノ粒子によっては合成後に凝集し、いかなる表面修飾を施しても再分散できない場合があった。しかし、本発明の製造方法によれば、これを解決することができる。この点は、本発明の大きな利点の一つである。金属酸化物ナノ結晶が従来技術のように強力に凝集しないのは、金属酸化物ナノ結晶の表面に、アミン類及び必要に応じて使用されるカルボン酸類が吸着しているためと考えられる。
さらに、本発明の製造方法において、アミン類は、ある場合には結晶成長促進剤として作用し、またある場合には結晶成長抑制剤として作用するものと推察される。
例えば、金属酸化物ナノ結晶として酸化ジルコニウムを製造する場合、アミン類の使用により結晶成長が促進されると考えられる。本発明者の検討によれば、アミン類を使用しない場合、生成する酸化ジルコニウムの結晶性は、X線回折測定の結果、ほとんど非晶質であり、また、X線回折測定の特定ピークの半価幅から見積もられる結晶子径は、0.9nmであった。これに対し、金属酸化物前駆体のモル数に対して3倍のアミン類を使用した場合、得られる金属酸化物ナノ結晶の結晶成長が促進され、X線回折の特定ピークの半価幅から見積もられる結晶子径は2.6nmに増加した。
また、金属酸化物ナノ結晶としてチタン酸バリウムを製造する場合、アミン類の使用により結晶成長が抑制されると考えられる。本発明者の検討によれば、アミン類を使用しない場合、生成するチタン酸バリウムの粒子径は25nm以上の大きなものになっていた。これに対して、金属酸化物前駆体のモル数に対して7倍のアミン類を使用した場合、得られる金属酸化物ナノ結晶の結晶成長が抑制され、X線の特定ピークの半価幅から見積もられる結晶子径は11nmに減少した。
このように、アミン類が、金属酸化物ナノ結晶が好適な範囲の粒子径及び結晶性を有する粒子となるように、金属酸化物ナノ結晶の結晶成長の促進及び抑制を行なっているものと考えられる。これにより、本発明の製造方法では、金属酸化物ナノ結晶を従来よりも低温で短時間に製造することが可能となっていると推察される。
また、添加剤としてカルボン酸類を用いた場合、当該カルボン酸類もアミン類と同様に金属酸化物ナノ結晶の表面に吸着し、金属酸化物ナノ結晶と有機溶媒との親和性を向上させるものと考えられる。これにより、金属酸化物ナノ結晶同士が強く引き合うことを抑制されるため、カルボン酸類を使用した場合には、金属酸化物ナノ結晶同士の凝集はより一層確実に抑制されるものと考えられる。
さらに、カルボン酸類を金属酸化物ナノ結晶の表面に吸着させることにより、後述する結晶性金属酸化物・有機複合体を一工程で得ることができるという利点もある。
[I−7.その他の工程]
必要に応じ、上述した工程以外の工程を実施しても良い。
例えば、回収工程を行なってもよい。回収工程では、本発明の製造方法で得た金属酸化物ナノ結晶を単離し、回収する。回収の際の手法は任意であるが、例えば、金属酸化物ナノ結晶を含む組成物(反応液)と貧溶媒とを混合することにより、容易に沈殿が生じ、金属酸化物ナノ結晶を沈殿として回収することができる。ここで、貧溶媒とはアミン類及び/又はカルボン酸類が吸着した金属酸化物ナノ結晶に対するものをいう。貧溶媒としては、例えばアルコールなどが挙げられる。なお、貧溶媒の使用により、金属酸化物ナノ結晶を洗浄することも可能となる。
また、沈殿した金属酸化物ナノ結晶の回収は、遠心分離、フィルターろ過その他の通常の回収方法が適用できる。
[I−8.得られる金属酸化物ナノ結晶]
金属酸化物ナノ結晶を形成する金属酸化物としては、例えば、ジルコニウム、チタン、バリウム、ストロンチウム、セリウム、インジウム、スズ、アルミニウム、ケイ素、ハフニウム、イットリウムからなる群より選ばれる一種以上の金属元素を含有する金属酸化物などが挙げられる。具体例としては、酸化ジルコニウム、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸ストロンチウム、チタン酸ジルコン酸バリウム、酸化セリウム、酸化インジウムスズ、酸化アルミニウム、酸化ケイ素、酸化ハフニウム、酸化イットリウム、酸化スズなどが挙げられる。中でも、透明な有機材料に金属酸化物ナノ結晶を分散させて当該有機材料に光学的、電磁気的な性質を付与する目的のためには、チタン、ジルコニウム、バリウムから選ばれる少なくとも一種以上の金属元素を含有する金属酸化物が好ましい。
この中でも、特に、光学的、電磁気的な性質の観点から、酸化ジルコニウム、チタン酸バリウムなどが好適である。酸化ジルコニウムは、比較的屈折率(酸化ジルコニウムの屈折率は2.2)が高いため、有機成分と複合化して結晶性金属酸化物・有機複合体(後述する)とした場合に、屈折率制御用の結晶性金属酸化物・有機複合体として有用である。また、チタン酸バリウムは、誘電率、屈折率とも高いため、光学的にも電磁気的にも有機材料への性能付与に対して有用な結晶性金属酸化物・有機複合体とすることができる。
ただし、金属酸化物ナノ結晶を形成する金属酸化物は、ここに例示したものに限定されない。また、前記金属酸化物は、1種が単独で金属酸化物ナノ結晶を構成していても良いが、2種以上が任意の組み合わせ及び比率で金属酸化物ナノ結晶を構成していても良い。
また、金属酸化物ナノ結晶の粒子径も任意である。但し、金属酸化物ナノ結晶の一次粒子径及び結晶子径は、例えば、金属酸化物ナノ結晶を目的に応じた分散媒体に透明分散させるためには重要となる場合がある。通常、光の波長に対して十分小さな粒子では、粒子による光の散乱が小さくなり、大きい粒子を用いた場合と比較して透明性が高くなる。したがって、高濃度に金属酸化物ナノ結晶を分散させた分散液を調製した場合に、当該分散液の透明性を保持するためには、金属酸化物ナノ結晶の一次粒子径及び結晶子径は、それぞれ、通常2nm以上、好ましくは3nm以上、より好ましくは4nm以上、また、通常20nm以下、好ましくは15nm以下、より好ましくは10nm以下である。金属酸化物ナノ結晶の一次粒子径及び結晶子径が小さすぎると、金属酸化物の結晶性が悪くなり、金属酸化物ナノ結晶の物性が非晶質のものとほとんど変わらなくなる虞がある。一方、金属酸化物ナノ結晶の一次粒子径及び結晶子径が大きすぎると、いかなる処理を施したとしても金属酸化物ナノ結晶を透明に分散できなくなる虞がある。なお、金属酸化物ナノ結晶の一次粒子径及び結晶子径は、通常のX線回折測定(XRD)により測定することができる。
金属酸化物ナノ結晶は、結晶性を有する。但し、本発明の製造方法により得られる金属酸化物ナノ結晶は、高い結晶性を有する。金属酸化物ナノ結晶が高い結晶性を有していることは、X線回折測定により確認することができる。X線回折測定では、金属酸化物ナノ結晶が結晶性を有している場合、結晶型に応じて決まった位置にピークが出る。したがって、このピークが出ないか、若しくはピークが曖昧である場合には、結晶性が低いことになる。また、透過型電子顕微鏡(TEM)を用いれば結晶格子像を観察することができ、これからも結晶性を確認することができる。
また、金属酸化物ナノ結晶は、例えばトルエン、キシレン、ヘキサン、テトラヒドロフラン、クロロホルムなどの有機溶媒に容易に分散可能である。この際、通常は本発明の製造方法で得られた金属酸化物ナノ結晶は小さい一次粒子径及び結晶子径を有しているため、分散液は透明(可視光が透過可能)となっている。
さらに、本発明の製造方法において、添加剤としてカルボン酸類を使用した場合には、金属酸化物ナノ結晶は、その表面にカルボン酸類が吸着することになる。この場合、有機溶媒に対する金属酸化物ナノ結晶の分散性は、より一層向上する。金属酸化物ナノ結晶に吸着するカルボン酸類の量は任意であり、その用途に応じて所望の量を吸着させるようにすれば良い。なお、金属酸化物ナノ結晶にカルボン酸類が吸着していることは赤外吸収分光法(IR)により確認できる。
[II.結晶性金属酸化物・有機複合体]
金属酸化物ナノ結晶は、何らからの化学種(分子、イオン、配位子等)で修飾し、結晶性金属酸化物・有機複合体として用いることも出来る。具体例を挙げると、金属酸化物ナノ結晶を有機成分で修飾すれば、金属酸化物ナノ結晶の有機化合物に対する分散性を向上させることができる。
修飾に用いる化学種の種類は任意である。例えば、有機成分で修飾する場合は、金属酸化物ナノ結晶を分散させようとする有機化合物の種類に応じて任意に有機成分の種類を選択すればよい。好適な有機成分の例を挙げると、カルボキシル基、スルホン酸基、リン酸基、金属アルコキシド基などを分子構造内に有するものが挙げられる。これらは、金属酸化物ナノ結晶と親水性相互作用、疎水性相互作用、イオン性相互作用、共有結合などを介して結合し、複合体(結晶性金属酸化物・有機複合体)を形成することができる。
修飾のための具体的な操作は任意である。例えば、金属酸化物ナノ結晶を、上記の化学種を含む化合物(以下適宜、「反応剤」という)と混合することにより、容易に複合体を形成させることができる。この際、反応直後の金属酸化物ナノ結晶を含む反応液に直接反応剤を作用させてもよく、回収工程で単離・回収した金属酸化物ナノ結晶を反応媒に再分散させて反応剤を作用させても良い。なお、再分散の際に使用する反応媒に制限は無いが、非極性溶媒が好ましく、具体的にはトルエンが好ましい。
具体的な操作の一例を、有機成分により修飾をする場合を例示して説明する。
まず、室温下、金属酸化物ナノ結晶と、金属酸化物ナノ結晶の1〜3倍モル程度の反応剤とを混合し、1〜2時間攪拌する。その後、貧溶媒であるアルコールなどを混合し、沈殿を生成させる。沈殿を遠心分離など通常の分離手段を用いて回収し、過剰の反応剤を洗浄除去することで結晶性金属酸化物・有機複合体を得ることができる。なお、金属酸化物ナノ結晶を修飾する化学種の割合は、使用する反応剤の量および洗浄回数などにより調節することができる。
どの程度の量の化学種を金属酸化物ナノ結晶に修飾するかは、その金属酸化物ナノ結晶の用途により任意である。ただし、例えば、結晶性金属酸化物・有機複合体の場合、金属酸化物ナノ結晶の重量をx、金属酸化物ナノ結晶に結合した有機成分の重量をyとした場合、比率x/(x+y)は、通常40重量%以上、好ましくは50重量%以上、より好ましくは60重量%以上、また、通常85重量%以下である。この比率x/(x+y)が小さすぎると相対的に有機成分の量が多くなり、金属酸化物ナノ結晶の性能が発揮されにくくなる虞がある。一方、比率x/(x+y)が大きすぎると、有機成分との複合化が十分でなく、金属酸化物表面の活性部位が相当量残存する虞がある。このため、金属酸化物ナノ結晶が凝集しやすく、分散媒体への分散が困難になり保存安定性も悪化する虞がある。
得られる結晶性金属酸化物・有機複合体は、金属酸化物ナノ結晶に対して有機成分が結合し、金属酸化物ナノ結晶の表面の活性部位を保護した複合体である。このような結晶性金属酸化物・有機複合体は、通常の分散剤などで金属酸化物を有機化合物に分散させた分散物とは異なり、相当量の有機成分を含んだ一種の有機/無機複合体となっている。即ち、前記結晶性金属酸化物・有機複合体は、分散剤の概念から考えれば比較的大量の有機成分が結晶性の金属酸化物ナノ粒子と複合化した一種の化合物となっているのである。
したがって、結晶性金属酸化物・有機複合体は、有機材料へ高濃度(50重量%以上)に分散させることができるほか、当該有機材料が透明であればその透明性を損なうことなく分散が可能であり、さらに、当該金属酸化物ナノ結晶の特性を有機材料へ付与する添加剤としても有用である。
以下、結晶性金属酸化物・有機複合体の利点について詳しく説明する。
結晶性金属酸化物・有機複合体は、特別な分散装置を用いなくても、有機溶媒、有機低分子化合物、高分子化合物等の有機材料を分散媒体として、簡単に、この分散媒体に凝集することなく高濃度(50重量%以上)で分散させることができる。
従来、一般的に、無機粒子を他の媒体へ分散させるためには分散剤が用いられていた。特に、粒子径が小さい粒子ほど凝集しやすい傾向があるため、良好な分散性を得るためには、粒子径が小さい粒子ほど多くの分散剤を要することが多かった。
ところが、通常、分散剤の量は無機粒子に対して少ない量であることが好ましいとされている。したがって、従来は、多くの分散剤を使用することを避けつつ無機粒子を良好に分散させるため、分散剤を使用した上で、機械的な粉砕・混合により、より高いエネルギーを外部から加えていた。これにより、強く凝集した無機粒子等の、本来分散が困難である無機粒子の分散を行なっていたのである。
これに対し、結晶性金属酸化物・有機複合体は、通常の分散剤といった概念を越えた量の反応剤を有機成分として無機成分である金属酸化物ナノ結晶に結合させた複合体(金属酸化物ナノ結晶と有機成分との複合体)である。この結晶性金属酸化物・有機複合体によれば、金属酸化物ナノ結晶を有機成分で修飾したことにより、当該金属酸化物ナノ結晶を凝集させず単離させることが可能となった。したがって、結晶性金属酸化物・有機複合体は、従来のような機械的なエネルギーを必要とせず、容易に他の媒体に良好に分散できるのである。
また、結晶性金属酸化物・有機複合体によれば、有機化合物への透明分散が可能となる。即ち、有機材料に結晶性金属酸化物・有機複合体を分散させた際に、有機材料の透明性を維持することが可能である。この性質は、結晶性金属酸化物・有機複合体を光学部材に使用する際に非常に有用である。
さらに、適当な反応剤を選択すれば、結晶性金属酸化物・有機複合体自体も透明にすることが可能である。
また、得られた結晶性金属酸化物・有機複合体粉末は、保存安定性にも優れる。例えば、製造後に数ヵ月が経過した後でも全く凝集などを起こさず、分散媒体への再分散が可能である。
なお、金属酸化物ナノ結晶の製造時に添加剤としてカルボン酸類を使用した場合には、表面にカルボン酸類を有する金属酸化物ナノ結晶を得ることができる。この金属酸化物ナノ結晶は、カルボン酸類(有機成分)で修飾された結晶性金属酸化物・有機複合体として作用する。即ち、金属酸化物ナノ結晶の製造時に添加剤としてカルボン酸類を使用した場合は、金属酸化物ナノ結晶を化学種で修飾する修飾工程を別途行なわなくとも、カルボン酸類で修飾された結晶性金属酸化物・有機複合体を得ることが可能である。
[III.有機/無機複合体]
前記の結晶性金属酸化物・有機複合体は、有機材料などの分散媒体に単純に混合するだけで高濃度に透明分散することが可能である。このため、結晶性金属酸化物・有機複合体は、有機/無機複合体用の添加剤として有用である。
結晶性金属酸化物・有機複合体を有機材料に分散させたものを、有機/無機複合体という。この有機/無機複合体のように、有機材料に結晶性金属酸化物・有機複合体を高濃度に分散させることにより、当該有機材料に金属酸化物ナノ結晶が有する特性を付与するこができ、その機械的特性や光学的特性を改良することが可能である。
有機材料の種類は、用途に応じて任意である。例えば、光学材料等として使用するために、透明の有機/無機複合体を得ようとする場合には、有機材料として、例えば、有機低分子化合物、高分子化合物などを使用することができる。
中でも、結晶性金属酸化物・有機複合体の分散性の観点からは、有機低分子化合物が好ましい。結晶性金属酸化物・有機複合体をより分散させやすいためである。
さらには、有機低分子化合物は、重合性の官能基を有する重合性低分子(モノマー又はオリゴマー)であることがより好ましい。後に重合性低分子を重合させて有機/無機複合体を硬化させ、有機/無機複合材料とするためである。
好適な有機材料の例を挙げると、アクリルモノマー、メタクリルモノマー、エポキシモノマー、ビニルモノマー、ウレタンモノマー、有機シリコンモノマーなどの熱硬化型、自硬化型、紫外線硬化型、電子線硬化型の低分子化合物が挙げられる。
なお、有機材料は、1種を単独で用いても良く、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用しても良い。
この場合、金属酸化物ナノ結晶を修飾する有機成分としては、さらに複合化する有機低分子化合物や高分子化合物等の有機材料と同質もしくは相溶性の高い化合物が好ましい。即ち、結晶性金属酸化物・有機複合体を調製する際、反応剤として、有機材料(例えば、複合化する有機低分子化合物や高分子化合物など)と同質もしくは相溶性の高い化合物を使用することが好ましい。これにより、結晶性金属酸化物・有機複合体と有機材料との密着性をより高めることが可能となる。そして、その結果、有機/無機複合体を、機械的特性、光学的特性により優れた透明複合材料とすることができる。
なお、結晶性金属酸化物・有機複合体を有機材料等の分散媒体に分散させる方法に制限は無い。例えば、前記の方法のほか、例えば、結晶性金属酸化物・有機複合体を一旦溶剤などに分散させた後、当該溶剤ごと分散媒体に分散させ、その後、溶剤を除去することにより、結晶性金属酸化物・有機複合体を分散させても良い。
また、有機/無機複合体に、更に別の成分を含有させても構わない。
以下に、実施例により本発明の実施態様を説明するが、本発明はその要旨を逸脱しない限り、これらに限定されるものではない。
[実施例1]
500mlのベンジルアルコール(含酸素有機溶媒)を1Lの3つ口フラスコに入れ、30分窒素バブリングした。窒素バブリングしたまま、70重量%のジルコニウムプロポキシド 1−プロパノール溶液116.7g(ジルコニウムプロポキシド(金属酸化物前駆体)のモル数=0.25mol)を加え、30分攪拌し、ここにオレイルアミン 100.3g(アミン類:0.375mol)を添加してさらに30分攪拌した。調製した溶液(反応液)を、テフロン(登録商標)製の内筒を有するステンレス製密閉容器に封入し、オーブン中、24時間、200℃で加熱した。
得られた乳白色スラリー状の反応液に大過剰のエタノールを添加して沈殿を生成させ、遠心分離して沈殿を回収した。沈殿をエタノールで3回洗浄後、回収、乾燥して、結晶性酸化ジルコニウム(金属酸化物ナノ結晶)20gを得た。酸化ジルコニウムの結晶性、一次粒子径は、X線回折測定、透過型電子顕微鏡観察により確認した。結晶子径は、X線回折測定の2θ=30付近の(111)面のピーク半価幅より下記のScherrer式を用いて計算した。
〔Scherrer式〕
結晶子サイズ(D)=K・λ/(β・cosθ)
ここで、KはScherrer定数でK=0.9であり、X線(CuKα1)波長(λ)=1.54056Å(1Å=1×10-10m)である。また、CuKα1線由来のブラッグ角(θ)および半価幅(βo)はプロファイルフィッティング法(Peason−XII関数又はPseud−Voigt関数)により算出した。さらに、計算に用いた半価幅βは予め標準Siにより求めておいた装置由来の半価幅βiから下記式を用いて補正した。
Figure 0005401754
結果を表1に示す。なお、表1の結晶性の欄において、結晶性があるものは「○」で示し、結晶性が無いものは「×」で示した。
[実施例2]
実施例1において、オレイルアミンを133.75g(0.5mol)とした以外は同様に行ない、23gの結晶性酸化ジルコニウム(金属酸化物ナノ結晶)を得た。結果を表1に示す。
[実施例3]
15mlの2−メトキシエタノール(含酸素有機溶媒)を100mLの3つ口フラスコに入れ、窒素バブリングしながら、3.45g(10.95mmol)の水酸化バリウム8水和物(金属酸化物前駆体)を添加して溶解させた。別に15mlのベンジルアルコール(含酸素有機溶媒)に1.995g(6.83mmol)のチタニウムイソプロポキシド(金属酸化物前駆体)を溶解した液を調製しておき、水酸化バリウムの2−メトキシエタノール溶液に添加し、1時間攪拌した。
さらに、オレイルアミン16g(アミン類:59.8mmol)を添加して2時間攪拌した後、テフロン(登録商標)製の内筒を有するステンレス製密閉容器に封入し、オーブン中、24時間、240℃で加熱した。
得られた乳白色スラリー状の反応液に大過剰のエタノールを添加し、生成した沈殿を遠心分離して回収乾燥することで2gのチタン酸バリウム(金属酸化物ナノ結晶)を得た。チタン酸バリウムの結晶性、一次粒子径は、X線回折測定、透過型電子顕微鏡観察により確認した。結晶子径は、X線回折測定の2θ=31付近の(110)面のピーク半価幅よりScherrer式を用いて計算した。結果を表1に示す。
[実施例4]
実施例3の合成温度(オーブン中での加熱温度)を140℃とした以外は同様に行ない、1.5gのチタン酸バリウム(金属酸化物ナノ結晶)を得た。結果を表1に示す。
[実施例5]
実施例3の合成温度を100℃とし、合成時間を48時間とした以外は同様に行い、0.8gのチタン酸バリウム(金属酸化物ナノ結晶)を得た。結果を表1に示す。
[実施例6]
実施例2で得られた結晶性酸化ジルコニウム(金属酸化物ナノ結晶)10gをテトラヒドロフラン10mlに再分散し、フェニルチオ酢酸(PTA;反応剤)を3g添加して室温で1時間攪拌した。白色のスラリー液が複合体の形成に伴い、黄褐色透明溶液に変化した。ここに大過剰のエタノールを添加して沈殿を生成させ、遠心分離して沈殿を回収した。沈殿をエタノールで3回洗浄後、回収乾燥し、結晶性酸化ジルコニウム・有機複合体(結晶性金属酸化物・有機複合体)8gを得た。
得られた結晶性酸化ジルコニウム・有機複合体はトルエン、テトラヒドロフラン、クロロホルムなどの有機溶媒に50重量%以上の高濃度で透明分散可能であった。
結晶性酸化ジルコニウム・有機複合体の結晶性、一次粒子径をX線回折測定、透過型電子顕微鏡により確認した。X線回折測定結果、透過型電子顕微鏡観察結果をそれぞれ図1、図2に示す。結晶性酸化ジルコニウム・有機複合体は、複合化の様式を明らかにするために赤外線吸収スペクトル(FT−IR)測定を行ない、カルボキシル基とのイオン結合により結晶性酸化ジルコニウム・有機複合体を形成していることが確認された。結果を図3に示す。なお、図3において、「Free C=O streching」の表示は1700cm-1辺りの波長領域のスペクトルを示し、「COO-」の表示はそれぞれ対応する矢印が指すピークのスペクトルを示している。
また、酸化ジルコニウムと有機成分との重量比を、ジルコニウム元素を定量し、酸化ジルコニウム換算するとともに、CHN分析による有機成分の定量を行なって求めた。その結果、結晶性酸化ジルコニウム・有機複合体中の酸化ジルコニウムは74重量%、有機成分は26重量%であった。
[実施例7]
実施例6で得られた酸化ジルコニウム・有機複合体(酸化ジルコニウム74重量%、有機成分26重量%)を、テトラヒドロフランに溶解した紫外線硬化型アクリルモノマー(光重合開始剤を2重量%含む)に対して、酸化ジルコニウム・有機複合体の濃度が10重量%、30重量%、50重量%及び80重量%となるようにそれぞれ添加して分散させ、その後テトラヒドロフランを減圧除去して有機/無機複合体を調製した。
調製した有機/無機複合体は何れも淡黄色透明粘凋液体であった。この粘凋液体の屈折率を、株式会社アタゴ社製のアッベ屈折計DR−M2を用いて測定波長589nmで測定した。測定結果を図4に示す。なお、図4において、横軸は有機/無機複合対中の酸化ジルコニウム・有機複合体の濃度(重量%)を表わし、縦軸は屈折率を表わす。また、有機/無機複合体は、紫外線の照射により速やかに硬化し、有機/無機複合材料へ変換可能であった。
[比較例1]
500mlのベンジルアルコールを1Lの3つ口フラスコに入れ、30分窒素バブリングした。窒素バブリングしたまま、70重量%のジルコニウムプロポキシド 1−プロパノール溶液116.7g(0.25mol)を加え、30分攪拌した。調製した液をテフロン(登録商標)製の内筒を有するステンレス製密閉容器に封入し、オーブン中、24時間、200℃で加熱した。得られた乳白色スラリー状の反応液に大過剰のエタノールを添加して沈殿を生成させ、遠心分離して沈殿を回収した。沈殿をエタノールで3回洗浄後、回収乾燥して、酸化ジルコニウム20gを得た。
酸化ジルコニウムの結晶性、一次粒子径を、X線回折測定、透過型電子顕微鏡観察により確認した。結晶子径は、X線回折測定の2θ=30付近の(111)面のピーク半価幅よりScherrer式を用いて計算した。結果を表1に示す。
[比較例2]
実施例1においてオレイルアミン添加量を13g(0.05mol)とした以外は同様に行ない、19gの酸化ジルコニウムを得た。結果を表1に示す。
[比較例3]
15mlの2−メトキシエタノールを100mLの3つ口フラスコに入れ、窒素バブリングしながら、3.45g(10.95mmol)の水酸化バリウム8水和物を添加して溶解させた。別に15mlのベンジルアルコールに1.995g(6.83mmol)のチタニウムイソプロポキシドを溶解した液を調製しておき、水酸化バリウムの2−メトキシエタノール溶液に添加、1時間攪拌した。調製した液をテフロン(登録商標)製の内筒を有するステンレス製密閉容器に封入し、オーブン中、24h、240℃で加熱した。得られた乳白色スラリー状の反応液に大過剰のエタノールを添加した。生成した沈殿を遠心分離して、エタノールで洗浄し、再度沈殿を遠心分離した。この操作を3回繰り返した後、沈殿を回収乾燥して1.4gのチタン酸バリウムを得た。
チタン酸バリウムの結晶性、一次粒子径は、X線回折測定、透過型電子顕微鏡観察により確認した。結晶子径は、X線回折測定の2θ=31付近の(110)面のピーク半価幅よりScherrer式を用いて計算した。結果を表1に示す。
Figure 0005401754
本発明は産業上の任意の分野で用いることができ、例えば、レンズ等の光学部材の屈折率を調整するための屈折率調整剤の製造に用いて好適である。
本発明の実施例6における結晶性酸化ジルコニウム・有機複合体のX線回折測定結果を表わすスペクトル図である。 本発明の実施例6における結晶性酸化ジルコニウム・有機複合体の透過型電子顕微鏡観察結果を表わす図面代用写真である。 本発明の実施例6における結晶性酸化ジルコニウム・有機複合体の赤外線吸収スペクトル(FT−IR)測定の結果を表わすスペクトル図である。 本発明の実施例7における有機/無機複合体の屈折率の測定結果を表わす図である。

Claims (4)

  1. 金属酸化物前駆体を、前記金属酸化物前駆体に対してモル数で0.5倍以上10倍以下のアミン類の存在下、含酸素有機溶媒を用いたソルボサーマル法に供する金属酸化物ナノ結晶の製造方法であって、
    前記金属酸化物前駆体が、金属塩化物、金属アルコキシド及び金属水酸化物からなる群より選ばれる少なくとも1種であり、
    前記金属酸化物が、チタン、ジルコニウム、バリウム、ストロンチウム、セリウム、ハフニウム、イットリウムからなる群から選ばれる少なくとも一種以上の金属元素を含有する金属酸化物であり、
    前記含酸素有機溶媒中に、カルボン酸類を共存させない
    ことを特徴とする、金属酸化物ナノ結晶の製造方法。
  2. 前記金属酸化物が、チタン、ジルコニウム、バリウムからなる群から選ばれる少なくとも一種以上の金属元素を含有する金属酸化物である
    ことを特徴とする請求項1記載の金属酸化物ナノ結晶の製造方法。
  3. 前記含酸素有機溶媒が、アルコール類、ケトン類、アルデヒド類、エーテル類、エステル類及びシロキサン類からなる群より選ばれる少なくとも1種である
    ことを特徴とする、請求項1または2に記載の金属酸化物ナノ結晶の製造方法。
  4. 前記アミン類が、1級及び/又は2級の脂肪族アミン類である
    ことを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の金属酸化物ナノ結晶の製造方法。
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