JP5401621B2 - 塗布方法及び塗布装置、並びにフォトマスクブランクの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、基板の被塗布面に毛管現象を利用して塗布液を塗布する塗布方法及び塗布装置、並びにこの塗布方法をフォトマスクブランクの製造に適用したフォトマスクブランクの製造方法に関する。
従来、フォトリソグラフィー法を用いたパターン形成においては、フォトレジストなどの塗布液を基板上に塗布してレジスト膜を形成する工程が必要であるが、この塗布液を塗布する塗布装置(コーター)として、いわゆるスピンコーターが知られている。このスピンコーターは、水平に保持した基板(の被塗布面)の中央に塗布液を滴下した後、この基板を水平面内で高速回転させることにより、遠心力の作用によって塗布液を基板全面に伸展させ、基板表面に塗布膜を形成するものである。
しかしながら、このスピンコーターにおいては、基板の周縁部にフリンジと呼ばれるレジストの盛り上がりが発生してしまうという問題があった。このようなフリンジが発生すると、レジスト膜の膜厚が基板面内において不均一となり、パターンを形成したときにCDの面内ばらつきが生じてしまう。特にこのようなフリンジの盛り上がりは、基板の形状が回転対象でない場合(長方形等)には膜厚の不均一を助長し、更に、液晶表示装置や液晶表示装置製造用のフォトマスクにおいては、基板が大型化、大重量化するとともに、一定速度での回転駆動機構が得にくいこと、大きな回転空間(チャンバー)の必要性、塗布液のロス等の問題が生じる。
一方、大型基板に好適な塗布装置として、従来、「CAPコーター」と通称される塗布装置が提案されている(たとえば特許文献1)。このCAPコーターは、内部に毛管状の隙間を有するノズルを基板の被塗布面に対して接近させ、塗布液を満たした液槽からノズルを通過し、ノズル先端開口部に到達した塗布液を基板の被塗布面に接液させ、この状態で前記基板と前記ノズルを相対的に、被塗布面に平行に移動させることによって、前記基板の被塗布面に塗布液を塗布して塗布膜を形成するものである。
ところで、このようなCAPコーターを用いて、基板表面にフォトレジスト等の塗布膜を形成する場合、毛管現象を利用する上記ノズルの液吐出量は、液槽に蓄えられた塗布液の液面高さによって異なるため、毎回の塗布毎に、液槽中の塗布液の液面高さを一定になるようにしておかないと、基板間で塗布膜厚のばらつきを生じてしまう。そこで、特許文献1においては、一回一回の塗布ごとの液面レベルを液面センサで監視し、塗布開始時の液槽の液面レベルを一定にする技術が記載されている。また、特許文献2では、容器(液槽)内の流体(塗布液)のレベルをコンスタントに保つため、容器内にオーバーフロー管が配置されていることが記載されている。
特開2004−6762号公報 特開平8−224528号公報
上記特許文献1に開示された技術では、上述したように、一回一回の塗布ごとの液面レベルを液面センサで監視し、塗布開始時の液槽の液面レベルを一定にしている。これは、毎回の塗布開始時の液面レベルを一定にすることにより、毛管現象によってノズルを上昇する塗布液の抵抗を再現性よく一定にし、塗布液の膜厚を一定にする上で利点があるからである。しかしながら、この特許文献1に開示されたような液面センサを使用しても、一回の塗布ごとに補給する塗布液の液面を再現性よく精緻に一定にすることが容易ではなかった。その理由は、図7を参照して説明すると、第1に、液面センサ204の検知にディレイ(遅れ)が生じること、第2に、塗布液21の収容された液槽200につながる連通管201部分に液面センサ204を取り付けて液面を検知しているが、この連通管201部分の径が比較的小さいため液面の面積が小さく、塗布液の表面張力の影響によって液面検知に誤差が出やすいことなどが挙げられる。
また、塗布を繰り返すと、基板による持ち込みなどにより、液槽200中に微小な異物9が混入することは完全には避けられない。このような異物9の中には、塗布液21より比重が小さく、塗布液表面近くに浮遊するもの(浮遊異物)がある。特許文献1に開示された塗布装置においても同様であるが、通常、塗布液の供給は、液槽200の底壁に取り付けた給液ライン202から行われ、塗布液の排出は、同じく液槽200の底壁に取り付けた排液ライン203から行われ(図7を参照)、液槽200中の塗布液21は、一回の塗布ごとに一部排出と、供給を繰り返す。この時塗布液を循環させて利用することが可能であり、循環の過程で異物をフィルターによって除去することはできる。しかしながら、上述の異物9は液槽200の上方位置まで蓄えられた塗布液表面に浮遊するため、液槽200の底壁の排液ライン203からは排出される機会が殆どなく、その結果液槽中に滞留し、更には、次第に液槽中に蓄積されてしまう。このような異物が、ノズルに付着してノズル内での塗布液の上昇を妨げたり、更には塗布時に基板に付着したりすると、その部位は塗布欠陥となるため、その基板をフォトマスクブランク、更にはフォトマスクとして使用できなくなる。また、異物がレジスト膜中に混入したままパターニングが行われると、たとえば現像段階で異物が脱落し、その部位が最終的には白欠陥(ピンホール欠陥)となってしまうことがある。
一方、上記特許文献2に開示された技術では、液槽中にオーバーフロー管が沈めてあり、流体のレベルがオーバーフロー管の上端に達すると直ちに流体が流出するとの記載がある。しかしながら、このような装置では、基板等により流体(塗布液)中に持ち込まれた浮遊異物は、オーバーフロー管の周囲のもののみは流出しうるが、ノズル付近のものは滞留しつづけることになり、異物による塗布欠陥を効果的に低減することができないという問題がある。
そこで本発明は、上述の従来技術の問題点に鑑み、毎回の塗布開始時の液面レベルを再現性良く正確に管理でき、基板間の塗布膜厚の均一性を向上させることができるとともに、液槽中に持ち込まれた浮遊異物を効率的に取り除き、異物による塗布欠陥を大幅に低減することができる塗布方法及び塗布装置を提供することを第1の目的とする。
また、本発明の塗布方法を適用して基板上にフォトレジストを塗布してフォトレジスト膜を形成することにより、基板間の塗布膜厚の均一性が良好で、塗布欠陥の低減されたフォトマスクブランクの製造方法を提供することを第2の目的とする。
上記の課題を解決するため、本発明は以下の構成を有する。
(構成1)塗布液を満たした液槽からノズルを通過し、ノズル先端開口部に到達した塗布液を基板の被塗布面に接液させ、前記基板と前記ノズルを相対的に、被塗布面に平行に移動させることによって、前記被塗布面に塗布液を塗布して塗布膜を形成する塗布方法において、一回の塗布終了後に、前記液槽に塗布液の補給を行い、塗布開始時の所望の液面レベルを超える液面レベルまで液面を一旦上昇させ、次いで、次の塗布に先立ち、前記液槽中の前記塗布開始時の所望の液面レベルを超える液面レベルまで蓄えられた塗布液をオーバーフローさせることにより、前記塗布開始時の所望の液面レベルまで液面を下降させることを特徴とする塗布方法である。
(構成2)前記液槽は、塗布開始時の所望の液面レベルを規制する所定高さのオーバーフロー板を有し、塗布開始時の所望の液面レベルを超える液面レベルまで蓄えられた塗布液を、前記オーバーフロー板の上端からオーバーフローさせることにより、液面を前記塗布開始時の所望の液面レベルにすることを特徴とする構成1に記載の塗布方法である。
(構成3)前記液槽は、オーバーフロー板によって、塗布槽とオーバーフロー槽を含む少なくとも2つの部分に区画され、前記オーバーフローの際には、前記塗布液が前記塗布層から前記オーバーフロー槽に流入することを特徴とする構成1又は2に記載の塗布方法である。
(構成4)前記オーバーフローは、前記オーバーフロー槽の少なくとも一部の塗布液が排液されることによって行われることを特徴とする構成3に記載の塗布方法である。
(構成5)前記オーバーフロー槽から排液された塗布液は、フィルター部材によって異物が除去された後、前記塗布槽に供給されることを特徴とする構成4に記載の塗布方法である。
(構成6)前記塗布液の補給は、前記ノズルが液槽中の塗布液に浸漬された状態で行われることを特徴とする構成1乃至5の何れか一に記載の塗布方法である。
(構成7)前記塗布液の補給後、前記ノズルの少なくとも一部を塗布液から浮上させ、その後に、オーバーフロー槽の排液を行うことを特徴とする構成4乃至6の何れか一に記載の塗布方法である。
(構成8)先端開口部に連通する隙間を備え、塗布液を前記隙間を経て前記先端開口部に導くノズルと、塗布液を収容し、前記塗布液に前記ノズルの少なくとも一部を浸漬させることによって前記ノズルに塗布液を供給する液槽と、前記ノズルの前記先端開口部を基板の被塗布面に対して接近させ、前記先端開口部に導かれた塗布液を前記基板の被塗布面に接液させるノズル接離手段と、前記ノズル接離手段により前記ノズルの前記先端開口部を基板の被塗布面に対して接近させた状態で、前記基板と前記ノズルとを、前記基板の被塗布面に平行に且つ相対的に移動させる移動手段と、前記ノズル接離手段及び前記移動手段を制御する制御手段と、を有し、前記液槽は、内部に塗布液を補給する給液ラインと、塗布液の液面が所定の液面レベルを超えたときに、塗布液をオーバーフローさせる手段を有していることを特徴とする塗布装置である。
(構成9)前記液槽は、塗布開始時の所望の液面レベルを規制する所定高さのオーバーフロー板を有し、塗布開始時の所望の液面レベルを超える液面レベルまで蓄えられた塗布液を、前記オーバーフロー板の上端からオーバーフローさせることにより、塗布液の液面レベルが前記オーバーフロー板の高さによって一定になるように制御されることを特徴とする構成8に記載の塗布装置である。
(構成10)前記液槽は、オーバーフロー板によって、塗布槽とオーバーフロー槽を含む少なくとも2つの部分に区画され、前記オーバーフローの際には、前記塗布液が前記塗布層から前記オーバーフロー槽に流入することを特徴とする構成8又は9に記載の塗布装置である。
(構成11)前記オーバーフローは、前記オーバーフロー槽の少なくとも一部の塗布液が排液されることによって行われることを特徴とする構成10に記載の塗布装置である。
(構成12)前記オーバーフロー槽から排液された塗布液中の異物を除去するフィルター手段と、異物除去後の塗布液を前記塗布槽に循環させる循環手段とを有することを特徴とする構成11に記載の塗布装置である。
(構成13)塗布液がフォトレジストであり、構成1乃至7の何れか一に記載の塗布方法によって基板の被塗布面に前記塗布液を塗布して塗布膜を形成する工程を含むことを特徴とするフォトマスクブランクの製造方法である。
請求項1の発明によれば、オーバーフローによって毎回の塗布開始時の液面レベルを再現性良く正確に管理できるので、基板間の塗布膜厚の均一性を向上させることができる。また、一回の塗布終了後に、液槽に塗布液の補給を行い、塗布開始時の所望の液面レベルを超える液面レベルまで液面を一旦上昇させ、次いで、次の塗布に先立ち、液槽中の塗布開始時の所望の液面レベルを超える液面レベルまで蓄えられた塗布液をオーバーフローさせるので、液槽中に持ち込まれた浮遊異物をオーバーフローによって効率的に取り除くことができ、異物による塗布欠陥を大幅に低減することができる。
請求項2の発明によれば、前記液槽は、塗布開始時の所望の液面レベルを規制する所定高さのオーバーフロー板を有することにより、塗布開始時の所望の液面レベルを超える液面レベルまで蓄えられた塗布液を、前記オーバーフロー板の上端からオーバーフローさせるので、オーバーフロー板の高さによって毎回の塗布開始時の液面レベルを再現性良く正確に管理できる。
請求項3の発明によれば、前記液槽は、オーバーフロー板によって、塗布槽とオーバーフロー槽を含む少なくとも2つの部分に区画されるので、オーバーフローの際には、塗布液が前記塗布層から前記オーバーフロー槽に流入する構成とすることができる。
請求項4の発明によれば、前記オーバーフロー槽の少なくとも一部の塗布液が排液されることによって、オーバーフローが行われるので、塗布開始時の液面レベルが一定に制御され、同時に塗布槽中の浮遊異物がオーバーフロー槽に流入して塗布槽から取り除かれる。
請求項5の発明によれば、前記オーバーフロー槽から排液された塗布液は、フィルター部材によって異物が除去された後、前記塗布槽に供給されるので、排液された浮遊異物を含む塗布液は一旦完全に浄化されて、循環利用されるため、塗布欠陥が大幅に低減可能となる、
請求項6の発明によれば、塗布液の補給は、ノズルが液槽中の塗布液に浸漬された状態で行われるので、ノズルの乾燥を防止することができるという利点がある。
請求項7の発明によれば、塗布液の補給後、ノズルの少なくとも一部を塗布液から浮上させ、その後に、オーバーフロー槽の排液を行うことにより、ノズルが塗布液面上に浮上して、液面の振動が静かになった後にオーバーフローによる液面レベルの制御が行えるので、塗布開始時の液面レベルをより再現性良く正確に制御することができるという利点がある。
請求項8の発明によれば、本発明に係る塗布方法を実施するのに好適な塗布装置を提供することができる。すなわち、本発明の塗布装置を用いて基板上への塗布膜形成を行うことにより、毎回の塗布開始時の液面レベルを再現性良く正確に管理でき、基板間の塗布膜厚の均一性を向上させることができるとともに、液槽中に持ち込まれた浮遊異物を効率的に取り除き、異物による塗布欠陥を大幅に低減することができる。
請求項9の発明によれば、前記液槽は、塗布開始時の所望の液面レベルを規制する所定高さのオーバーフロー板を有することにより、塗布開始時の所望の液面レベルを超える液面レベルまで蓄えられた塗布液を、前記オーバーフロー板の上端からオーバーフローさせるので、オーバーフロー板の高さによって毎回の塗布開始時の液面レベルを再現性良く正確に管理できる。
請求項10の発明によれば、前記液槽は、オーバーフロー板によって、塗布槽とオーバーフロー槽を含む少なくとも2つの部分に区画されるので、オーバーフローの際には、塗布液が前記塗布層から前記オーバーフロー槽に流入する構成とすることができる。
請求項11の発明によれば、前記オーバーフロー槽の少なくとも一部の塗布液が排液されることによって、オーバーフローが行われるので、塗布開始時の液面レベルが一定に制御され、同時に塗布槽中の浮遊異物がオーバーフロー槽に流入して塗布槽から異物を取り除くことができる。
請求項12の発明によれば、オーバーフロー槽から排液された塗布液は、フィルター手段によって異物が除去された後、塗布槽に循環されるので、排液された浮遊異物を含む塗布液は一旦完全に浄化されて、循環利用されるため、塗布欠陥が大幅に低減可能となる。
請求項13の発明によれば、本発明の塗布方法を適用し、基板上にフォトレジストを塗布してフォトレジスト膜を形成することにより、基板間の塗布膜厚の均一性が良好で、塗布欠陥の低減されたフォトマスクブランクを得ることができる。
本発明に係る塗布方法を実施する塗布装置の側面概略図である。 前記塗布装置の正面概略図である。 前記塗布装置における塗布手段の構成を示す断面図である。 前記塗布装置における塗布手段の要部の構成を示す断面図である。 前記塗布装置における塗布手段が塗布を行っている状態を示す断面図である。 本発明の塗布方法を説明するための前記塗布手段における液槽の構成を示す正面断面図である。 従来技術を説明するための従来の塗布装置における液槽の構成を示す正面断面図である。
以下、本発明に係る塗布方法及び塗布装置、並びに本発明の塗布方法を適用したフォトマスクブランクの製造方法を実施するための最良の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
本発明は、塗布液を満たした液槽からノズルを通過し、ノズル先端開口部に到達した塗布液を基板の被塗布面に接液させ、前記基板と前記ノズルを相対的に、被塗布面に平行に移動させることによって、前記被塗布面に塗布液を塗布して塗布膜を形成する塗布方法において、一回の塗布終了後に、前記液槽に塗布液の補給を行い、塗布開始時の所望の液面レベルを超える液面レベルまで液面を一旦上昇させ、次いで、次の塗布に先立ち、前記液槽中の前記塗布開始時の所望の液面レベルを超える液面レベルまで蓄えられた塗布液をオーバーフローさせることにより、前記塗布開始時の所望の液面レベルまで液面を下降させることを特徴とする塗布方法である。
かかる本発明の塗布方法によれば、オーバーフローによって毎回の塗布開始時の液面レベルを再現性良く正確に管理できるので、基板間の塗布膜厚の均一性を向上させることができる。また、一回の塗布終了後に、液槽に塗布液の補給を行い、塗布開始時の所望の液面レベルを超える液面レベルまで液面を一旦上昇させ、次いで、次の塗布に先立ち、液槽中の塗布開始時の所望の液面レベルを超える液面レベルまで蓄えられた塗布液をオーバーフローさせるので、液槽中に持ち込まれた浮遊異物をオーバーフローによって効率的に取り除くことができ、異物による塗布欠陥を大幅に低減することができる。
ここで、前記液槽は、塗布開始時の所望の液面レベルを規制する所定高さのオーバーフロー板を有する構成とすることができる。かかる構成においては、塗布開始時の所望の液面レベルを超える液面レベルまで蓄えられた塗布液を、前記オーバーフロー板の上端からオーバーフローさせることにより、液面を前記塗布開始時の所望の液面レベルにする。つまり、塗布開始時の所望の液面レベルを超える液面レベルまで蓄えられた塗布液を、前記オーバーフロー板の上端からオーバーフローさせるので、オーバーフロー板の高さによって毎回の塗布開始時の液面レベルを再現性良く正確に管理することができる。
特に、塗布液のオーバーフローの際、オーバーフロー板に向かって、塗布液表面付近の流れが生じるため、異物がこの流れによって、移動されやすい。
また、液槽は、上記オーバーフロー板によって、塗布槽とオーバーフロー槽を含む少なくとも2つの部分に区画され、前記オーバーフローの際には、前記塗布液が前記塗布層から前記オーバーフロー槽に流入する構成とすることができる。
この場合、前記オーバーフロー槽の少なくとも一部の塗布液が排液されることによってオーバーフローが行われるので、塗布開始時の液面レベルが一定に制御されると同時に、塗布槽中の浮遊異物がオーバーフロー槽に流入するため、塗布槽からは浮遊異物が効率的に取り除かれる。
次に、本発明の塗布方法を実施する上で好ましく用いることができる塗布装置の一実施の形態を説明する。
図1は本発明にかかる上記塗布装置の側面概略図、図2はその正面概略図である。
図1に示すように、塗布装置1は、ベースフレーム11に設けられた塗布手段2と、移動フレーム12に設けられた吸着手段3と、移動フレーム12をベースフレーム11上で水平方向に移動させる移動手段4と、基板10を着脱自在に保持する保持手段5と、図示しない制御部とを備えている。
塗布手段2は、被塗布面を下方に向けた状態の基板10に対して塗布液の塗布を行うものである。この塗布手段2は、矩形箱状のベースフレーム11の略中央に設けてある。塗布手段2の構成については後で更に詳しく説明する。
移動フレーム12は、対向する一対の側板と、この側板を連結する天板とが一体的に形成されており、基板10と塗布手段2との位置精度が狂うことがないように、十分な機械的強度を有している。また、移動フレーム12は、リニアウェイ41を介して、ベースフレーム11と水平方向に移動自在に連結されている。そして、移動フレーム12内には、吸着手段3が設けられている。この吸着手段3は、例えば、天板の略中央部に複数の吸着孔(図示せず)が穿設された吸着板からなる。また、移動フレーム12の一方の側板には、後述するボールスクリュウ42が螺合するナットの形成された移動部13が突設されている。
移動手段4は、移動フレーム12の側板をガイドさせながら移動させるリニアウェイ41と、移動部13のナットに螺合するボールスクリュウ42と、該ボールスクリュウ42を回転させるモータ43とから構成されている。図示しない制御部からの指示によってモータ43を回転させるとボールスクリュウ42が回転し、移動部13をボールスクリュウ42の回転方向に応じた方向へ所定の距離だけ水平移動させることができる。
保持手段5は、ベースフレーム11と一体的に形成された保持手段用フレーム51、該保持手段用フレーム51上に設けられたリニアウェイ53、該リニアウェイ53にガイドされ上記保持手段用フレーム51上を移動するベース板52、該ベース板52を水平方向に移動させるリニアモータ54、ロッド先端に保持部材55を設けたエアシリンダ(又は電磁ソレノイド)56を備える。なお、エアシリンダ56は、種々の基板サイズに対応できるようベース板52の任意の取付位置に着脱自在に取り付けられている。また、上記保持部材55は、基板10の周縁部を載置する載置面と、基板10の位置決めを行う係止用段差とからなっている。保持部材55は、例えば矩形状の基板10に対しては、基板10の四隅を保持するようにベース板52の四隅に配設してある。勿論、保持部材55の配設位置は、基板の形状、位置精度などを考慮して適宜変更することができる。
次に、上記構成の塗布装置1の全体的な動作を説明する。
まず上記塗布装置1の初期状態は、ベース板52が基板のセット位置にあり、移動フレーム12が吸着位置にあり、またベース板52上の四隅にある各エアシリンダ56のロッドが下降している状態である。
次に、作業者(又はロボット)が、被塗布面を下向きにした状態で基板10を保持部材55の載置面に載置する。保持部材55には前記係止用段差を設けているので、基板10を容易に位置決めすることができる。また、この係止用段差により、ベース板52がセット位置から吸着位置に移動し停止する(後述)とき、基板10を係止することができる。
このようにして基板10が保持部材55に載置されると、以降は制御部からの指示によって次のように動作する。
まず、ベース板52がリニアモータ54によって吸着位置まで移動し停止する。こうして保持手段5が吸着位置に位置決めされると、その四隅にある4個のエアシリンダ56のロッドが同時に上昇し、基板10を吸着手段3に当接又は近接させる。ここで吸着手段3による吸引によって基板10が吸着手段3に吸着される。そして、各エアシリンダ56のロッドが下降すると、移動フレーム12が処理位置方向へ移動していく。移動フレーム12が処理位置を通過する途中で、被塗布面が下向きの基板10の被塗布面に、下方から塗布手段2によって塗布液の塗布が行われる。
そして、塗布手段2による塗布が終了すると、モータ43(ボールスクリュウ42)を逆回転させて、移動フレーム12が処理位置から吸着位置まで戻る。その時点で各エアシリンダ56のロッドが上昇し、保持部材55の載置面と基板10とを当接させる。この際、基板10は保持部材55の係止用段差によって位置決めされる。そして、吸着手段3による吸着を停止させた後、各エアシリンダ56のロッドを同時に下降させ、塗布済みの基板10を保持部材55に載置させる。次いで、ベース板52をリニアモータ54によって吸着位置からセット位置まで移動させ、作業者(又はロボット)が塗布済みの基板10を保持部材55から取り出す。尚、上記移動フレーム12の移動は、ボールスクリュウを用いるほか、リニアモータなど他の手段を用いても良い。
以上のようにして、1回の塗布作業が完了する。なお、上述の構成では、移動フレーム12(吸着手段3)が処理位置方向へ移動していき、処理位置を通過する途中で、基板10の被塗布面に下方から塗布手段2によって塗布液の塗布が行われる構成としているが、たとえば、移動フレーム12を移動させずに(つまり基板10を所定位置に固定したまま)、塗布手段2を水平方向に移動させて塗布を行う構成としてもよい。さらには、移動フレーム12と塗布手段2の双方を移動させる構成としてもよい。
次に、上記塗布手段2の構成を更に詳しく説明する。
図3は、この塗布装置における塗布手段2の構成を示す断面図である。
塗布手段2は、図3に示すように、液槽20に溜められた塗布液(例えば液体状のフォトレジスト液)21をノズル22の毛管状隙間23における毛細管現象により上昇させ、下方に向けられた基板10の被塗布面にノズル22の先端部(上端部)を近接させ、ノズル先端部まで上昇した塗布液を該ノズル先端部を介して上記基板10の被塗布面に接液させるように構成されている。
ここで、上記液槽20は、基板10の横方向の一辺の長さ、即ち前述の移動フレーム12によって移動される縦方向に直交する方向(図3においては紙面に直交する方向となっている)の一辺の長さよりも長い横幅を有している(後述の図6を参照)。この液槽20は、支持プレート24の上端側に、図示しない駆動機構により支持プレート24に対して上下方向に移動可能に取り付けられて支持されている。
そして、この支持プレート24は、その下端側において、互いに直交して配置されたリニアウェイ25,26を介して、ベースフレーム11の底フレーム14上に支持されている。つまり、支持プレート24は、底フレーム14上において、直交する2方向への位置調整が可能なようになっている。また、この支持プレート24には、スライド機構27を介して、液槽20内に収納されたノズル22を支持する支持杆28が取り付けられている。上記スライド機構27は、図示しない駆動機構により、支持杆28を支持プレート24に対して上下方向に移動操作する(ノズル接離手段)。即ち、液槽20とノズル22とは、互いに独立に、支持プレート24に対して上下方向に移動操作することができるようになっている。
図4は、上記塗布手段2の要部の構成を示す断面図である。上記支持杆28は、図4に示すように、液槽20の底面に設けられた透孔20bを介して、この液槽20内に上端側を進入させている。この支持杆28の上端部には前記ノズル22が取り付けられている。つまり、ノズル22は、支持杆28に支持されて、液槽20内に収納されている。このノズル22は、少なくとも前述の基板10の横方向(図4においては紙面に直交する方向となっている)の長さに相当する長さ(横幅)を有して構成され、この方向(長手方向)に沿って、スリット状の毛管状隙間23を有している。そしてこのノズル22は、この毛管状隙間23を挟んで先端側の幅が狭くなって尖ったような断面形状を有している。この毛管状隙間23の上端部は、ノズル22の先端部において、このノズル22の略全長(横幅)にわたるスリット状に開口している。また、この毛管状隙間23は、ノズル22の下方側に向けても開口している。
また、液槽20の上面部には、ノズル22の先端部がこの液槽20の上方側に突出されるための透孔部20aが設けられており、なお且つ、液槽20内の塗布液21が大気に触れることをできるだけ防止するため、液槽20の上面部は、上端側の幅が狭くつぼまったような断面形状を有している。なお、液槽20の底面の透孔20bの周囲とノズル22の底面とは蛇腹29で繋がれており、上記透孔20bから液槽20内の塗布液21が漏れることを防止している。
ここで、本実施の形態における上記液槽20の構成を図6を参照して更に詳しく説明する。図6は液槽20の長手方向(正面側から見た場合の横幅方向)の断面図であるが、この液槽20の内部には、側面側から見た場合の幅方向の全長に亘って所定の高さ(h1)のオーバーフロー板6を有し、液槽20は、このオーバーフロー板6によって、塗布槽20Aとオーバーフロー槽20Bの2つの部分(領域)に区画されている。このオーバーフロー板6は、塗布開始時の所望の液面レベルを所定の高さ(h1)に規制するものである。また、液槽20のうち、上記塗布槽20A内に前記ノズル22が収納されるので、塗布槽20Aの横幅は少なくともノズル22全体が収納されるのに支障がない程度の長さを有している。また上記オーバーフロー槽20Bの横幅は特に制約はなく任意であるが、あまり長いと液槽20全体の横幅が必要以上に長くなってしまうので、本発明の効果を十分に発揮できる程度のなるべく短い横幅とすることが適当である。また、上記塗布槽20Aの底面に設けられた給液ライン7を通じて塗布液21が塗布槽20Aに供給される(図中矢印A)。そして、上記オーバーフロー槽20Bの底面に設けられた排液ライン8を通じてオーバーフロー槽20B内の塗布液21が排液される(図中矢印B)。また、本実施の形態では、塗布槽20Aの側壁につながる連通管100を設けているが、塗布槽20Aに塗布液21を供給する際の供給量の制御を行うための液面センサ(図示せず)を取り付けることができる。
図5は、上記塗布手段2が塗布を行っている状態を示す断面図である。
すなわち、図5に示すように、液槽20に溜められた塗布液21をノズル22のスリット状の毛管状隙間23(隙間間隔T)における毛細管現象により上昇させ、下方に向けられた基板10の被塗布面10aにノズル22の先端部(上端部)を所定の塗布ギャップGを介して近接させ、ノズル先端部まで上昇した塗布液を該ノズル先端部を介して上記基板10の被塗布面10aに接液させながら、基板10とノズル22とを相対的に、かつ被塗布面10aに平行に移動させて、基板10の被塗布面10aに塗布液21を塗布して塗布膜を形成する。このときの基板10とノズル22の相対的な移動方向は、図5中の矢印Vで示すように、ノズル22の先端部において毛管状隙間23が形成するスリット状の開口と直交する方向である。
次に、上記塗布装置の塗布手段2の動作をさらに詳しく説明するとともに、この塗布装置を使用して実施する本発明の塗布方法についても詳しく説明する。
(1)一回の塗布が終了した後、液槽20を所定位置まで下降させ、またノズル22を液槽20(塗布槽20A)中の塗布液21に浸漬させる(図4に示す状態であり、謂わば液槽20とノズル22の位置の初期状態である。)。
なお、この時点で、塗布槽20A中の塗布液21の液面レベルは、オーバーフロー板6の高さ(h1)よりも下がっている(前回の塗布に消費されているため)。また、オーバーフロー槽20B中の塗布液は排液ライン8から排液されている。
(2)次に、排液ライン8を閉じた状態で、給液ライン7から塗布液を塗布槽20Aに供給(補給)する。塗布槽20A中の塗布液の液面レベルはまずオーバーフロー板6の高さ(h1)まで到達し、さらに塗布液の供給を続けると、オーバーフロー板6の上端から溢れ出てオーバーフロー槽20Bに流入する。排液ライン8は閉じられているので、オーバーフロー槽20B中の塗布液の液面レベルが上昇しオーバーフロー板6の高さ(h1)まで到達する。そして、さらに液槽20内の全体の塗布液21の液面レベルが所定の高さ(h2)(h2>h1)まで到達した時点で、塗布液の供給を停止する(図6(a)の状態)。なお、このときの塗布液の供給量は、前述の連通管100に液面センサを設置して液面高さを監視することによって制御してもよい。
(3)次に、排液ライン8を開けて、オーバーフロー槽20B中の塗布液を排出する。このとき、塗布槽20A中の塗布液の少なくとも一部がオーバーフロー板6からオーバーフローしてオーバーフロー槽20Bに流入する(図6(b)の状態)。このとき、オーバーフロー槽に向かって、少なくとも塗布液の表面付近においては一方向の塗布液の流れ(移動)が生じ、そしてこのオーバーフローにより、塗布槽20A中に持ち込まれ塗布液表面に浮遊している異物9もオーバーフロー槽20Bに効率的に流入するため、塗布槽20中の塗布液から異物9は取り除かれる。
そして、塗布槽20Aの液面レベルは、オーバーフロー板6の高さ(h1)と同一となり、つまり塗布開始時の所望の液面レベルに一定に管理される(図6(c)の状態)。
このように、本発明では、一回の塗布終了後に、塗布槽20Aに塗布液の補給を行い、塗布開始時の所望の液面レベルを超える液面レベルまで液面を一旦上昇させ、次いで、次の塗布に先立ち、塗布開始時の所望の液面レベルを超える液面レベルまで蓄えられた塗布液を、上記オーバーフロー板6の上端からオーバーフローさせることにより、塗布槽20Aの液面レベルを塗布開始時の所望の液面レベルにすることを特徴とするものである。
なお、上述のオーバーフロー槽20B中の塗布液は完全に排出しなくても、本発明による液面レベルを再現性良く一定にする効果は得られるが、塗布液中に持ち込まれた浮遊異物を除去するという効果をより発揮させるためには、上述のオーバーフロー槽20B中の塗布液は完全に排出し、後述の工程で浄化することが望ましい。このため、排液ライン8は本実施の形態のようにオーバーフロー槽20Bの底面に設置されているのが好ましい。また、塗布開始時の所望の液面レベルを超える液面レベルまで液面を一旦上昇させるが、この場合の塗布開始時の所望の液面レベルを超える液面レベル(つまりh2)は、塗布槽20Aに持ち込まれた浮遊異物をオーバーフローによって取り除く効果が良好に得られるように設定するのが好ましい。例えば、塗布槽20Aに持ち込まれ塗布液の主に表面に浮遊する異物9がオーバーフロー板6の高さ(h1)よりも上方に来るような高さ(液面レベル)とすることが好ましい。
(4)以上のように塗布槽20Aの液面レベルが一定になった時点で、ノズル22が塗布槽20Aの塗布液に浸漬した状態で、ノズル22及び液槽20を所定位置まで上昇させ、ノズル22のみ突出させてノズル22先端の塗布液を被塗布面に接液する。そして、接液を維持した状態で、ノズル22(及び/又は液槽20)を、所望の塗布膜厚に応じて、所定量降下させ、ノズル22と被塗布面との塗布ギャップGを適正に調整する。そして、基板(被塗布面)とノズル22を相対的に移動させ(本実施の形態では基板のみを移動させ)ることによって、塗布を開始する。
(5)このようにして、一回の塗布が終了すると、再び上述の(1)の工程から実施する。
なお、上述の(3)の工程において排液ライン8から回収された塗布液は、途中でフィルター手段を介して異物を除去した後、給液ライン7から再び塗布槽20Aに供給することにより、排液された浮遊異物を含む塗布液は一旦完全に浄化されて、循環利用されるため、塗布欠陥が大幅に低減可能となる。
また、上述の(3)の工程において、オーバーフローによる液面レベルの制御は、上述のようにノズル22が塗布槽20A中の塗布液に浸漬された状態で行われてもよいし、また、塗布液の補給後、次の塗布工程のためにノズル22の少なくともその先端を塗布液から浮上させた後に行われてもよい。前者によれば、塗布液の補給は、ノズル22が塗布槽20A中の塗布液に浸漬された状態で行われるので、ノズル22の乾燥を防止することができるという利点がある。また後者によれば、ノズル22が塗布液面上に浮上して、液面の振動が静かになった後にオーバーフローによる液面レベルの制御が行えるので、塗布開始時の液面レベルをより再現性良く正確に制御することができるという利点がある。
以上説明したように、本発明の塗布装置を用いて基板上への塗布膜形成を行うことにより、オーバーフローによって毎回の塗布開始時の液面レベルを再現性良く正確に管理できるので、基板間の塗布膜厚の均一性を向上させることができる。しかも、一回の塗布終了後に、液槽(塗布槽)に塗布液の補給を行い、塗布開始時の所望の液面レベルを超える液面レベルまで液面を一旦上昇させ、次いで、次の塗布に先立ち、液槽中の塗布開始時の所望の液面レベルを超える液面レベルまで蓄えられた塗布液をオーバーフローさせるので、塗布槽中に持ち込まれた浮遊異物をオーバーフローによって効率的に取り除くことができ、異物による塗布欠陥を大幅に低減することができる。また、塗布開始時の所望の液面レベルを規制する所定高さのオーバーフロー板を有することにより、塗布開始時の所望の液面レベルを超える液面レベルまで蓄えられた塗布液を、オーバーフロー板の上端からオーバーフローさせるので、オーバーフロー板の高さによって毎回の塗布開始時の液面レベルを再現性良く正確に管理することができる。
なお、オーバーフローの手段としては、上述の手段には限定されない。例えば、液槽を内側槽(塗布槽)と外側槽(オーバーフロー槽)の二重構造として、内側槽からのオーバーフロー液を外側槽に流出させてもよい。また、機械的手段等で上下移動可能なオーバーフロー板を、塗布開始時の所望の液面レベルを超える所定部位まで上げておき、液槽に塗布液を所定部位まで給液してから、オーバーフロー板を所定高さ(塗布開始時の所望の液面レベル)まで下げるようにしてもよい。
また、本発明は、塗布液がフォトレジストであり、本発明の塗布方法によって基板の被塗布面に前記塗布液を塗布して塗布膜を形成する工程を含むフォトマスクブランクの製造方法である。
すなわち、本発明の塗布方法を適用し、基板上にフォトレジストを塗布してフォトレジスト膜を形成することにより、基板間の塗布膜厚の均一性が良好で、塗布欠陥の低減されたフォトマスクブランクを得ることができる。特に、液晶表示装置や液晶表示装置製造用のフォトマスクにおいては、たとえば一辺が300mm以上の大型基板が用いられ、本発明によれば、このような大型基板の全面に膜厚ばらつきのない均一なレジスト膜を形成したフォトマスクブランクを得ることができるので、本発明は特に好適である。
1 塗布装置
2 塗布手段
3 吸着手段
4 移動手段
5 保持手段
6 オーバーフロー板
10 基板
20 液槽
21 塗布液
22 ノズル
23 毛管状隙間

Claims (11)

  1. 塗布液を満たした液槽からノズルを通過し、ノズル先端開口部に到達した塗布液を基板の被塗布面に接液させ、前記基板と前記ノズルを相対的に、被塗布面に平行に移動させることによって、前記被塗布面に塗布液を塗布して塗布膜を形成する塗布方法において、
    前記液槽は、塗布開始時の所望の液面レベルを規制する所定高さのオーバーフロー板を有し、
    一回の塗布終了後に、前記液槽に塗布液の補給を行い、塗布開始時の所望の液面レベルを超える液面レベルまで液面を一旦上昇させ、次いで、次の塗布に先立ち、前記液槽中の前記塗布開始時の所望の液面レベルを超える液面レベルまで蓄えられた塗布液を、前記オーバーフロー板の上端からオーバーフローさせることにより、前記塗布開始時の所望の液面レベルまで液面を下降させることを特徴とする塗布方法。
  2. 前記液槽は、オーバーフロー板によって、塗布槽とオーバーフロー槽を含む少なくとも2つの部分に区画され、前記オーバーフローの際には、前記塗布液が前記塗布層から前記オーバーフロー槽に流入することを特徴とする請求項1に記載の塗布方法。
  3. 前記オーバーフローは、前記オーバーフロー槽の少なくとも一部の塗布液が排液されることによって行われることを特徴とする請求項2に記載の塗布方法。
  4. 前記オーバーフロー槽から排液された塗布液は、フィルター部材によって異物が除去された後、前記塗布槽に供給されることを特徴とする請求項3に記載の塗布方法。
  5. 前記塗布液の補給は、前記ノズルが液槽中の塗布液に浸漬された状態で行われることを特徴とする請求項1乃至4の何れか一に記載の塗布方法。
  6. 前記塗布液の補給後、前記ノズルの少なくとも一部を塗布液から浮上させ、その後に、オーバーフロー槽の排液を行うことを特徴とする請求項3乃至5の何れか一に記載の塗布方法。
  7. 先端開口部に連通する隙間を備え、塗布液を前記隙間を経て前記先端開口部に導くノズルと、
    塗布液を収容し、前記塗布液に前記ノズルの少なくとも一部を浸漬させることによって前記ノズルに塗布液を供給する液槽と、
    前記ノズルの前記先端開口部を基板の被塗布面に対して接近させ、前記先端開口部に導かれた塗布液を前記基板の被塗布面に接液させるノズル接離手段と、
    前記ノズル接離手段により前記ノズルの前記先端開口部を基板の被塗布面に対して接近させた状態で、前記基板と前記ノズルとを、前記基板の被塗布面に平行に且つ相対的に移動させる移動手段と、
    前記ノズル接離手段及び前記移動手段を制御する制御手段と、
    を有し、
    前記液槽は、内部に塗布液を補給する給液ラインと、塗布液の液面が所定の液面レベルを超えたときに、塗布液をオーバーフローさせる所定高さのオーバーフロー板を有し、
    塗布開始時の所望の液面レベルを超える液面レベルまで蓄えられた塗布液を、前記オーバーフロー板の上端からオーバーフローさせることにより、塗布液の液面レベルが前記オーバーフロー板の高さによって一定になるように制御されることを特徴とする塗布装置。
  8. 前記液槽は、オーバーフロー板によって、塗布槽とオーバーフロー槽を含む少なくとも2つの部分に区画され、前記オーバーフローの際には、前記塗布液が前記塗布層から前記オーバーフロー槽に流入することを特徴とする請求項7に記載の塗布装置。
  9. 前記オーバーフローは、前記オーバーフロー槽の少なくとも一部の塗布液が排液されることによって行われることを特徴とする請求項8に記載の塗布装置。
  10. 前記オーバーフロー槽から排液された塗布液中の異物を除去するフィルター手段と、異物除去後の塗布液を前記塗布槽に循環させる循環手段とを有することを特徴とする請求項9に記載の塗布装置。
  11. 塗布液がフォトレジストであり、請求項1乃至6の何れか一に記載の塗布方法によって基板の被塗布面に前記塗布液を塗布して塗布膜を形成する工程を含むことを特徴とするフォトマスクブランクの製造方法。

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