JP5401540B2 - 硝酸酸化物供与プロスタミド類 - Google Patents

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Description

発明の背景
この発明は、新規なプロスタグランジン誘導体に関する。より詳しくは、この発明は、プロスタグランジンアミド類(プロスタミド類としても知られる)のニトロオキシ誘導体、それを含有する医薬組成物、緑内障や眼高血圧症を治療する薬剤としての使用に関する。
緑内障は、処置されないと全盲になりうる点で、視神経に回復不能の障害により視野を進行的に損失することにより特徴付けられた眼の疾患である。緑内障は、眼における液体(水性液)の産生と排水のアンバランスな眼圧を不健康なレベルに上昇するとき起こる。緑内障の主な病理学的特徴は、眼内圧(IOP)の上昇である。一次開放角緑内障の1つの形で、視野の損失は疾病眼の眼内圧の持続的増加と関連している。その上、視野の損失がなくて眼内圧の上昇が、POAGのこの形の初期段階を指示すると考えられる。
IOPの上昇は、眼内の水性液産生を減少するか液排出を増加する薬剤、例えば、ベータブロッカー、α−拮抗剤、コリン作用性剤、炭酸アンヒドラーゼ阻害剤、又はプロスタグランジン類似体を投与することにより、少なくとも部分的に調節できることが知られている。
いくつかの副作用が、緑内障の処置に通常使用される薬剤に関連している。代表的なベータブロッカーは、肺副作用、うつ病、疲労、錯乱、インポテンス、毛髪損失、心不全、徐脈を示す。代表的なα−拮抗剤は、アレルギー又は中毒反応のかなり高い発生を示し、代表的なコリン作用剤(縮瞳薬)は視覚副作用の原因となる。
緑内障の治療に使用される局所用プロスタグランジン類似体(ビマトプロスト、ラタノプロスト、トラボプロストおよびウノプロストン)は、紅彩の色素沈着増加、眠過敏症、結膜充血、虹彩炎、ブドウ膜炎、黄斑オデマ(odema)のような眼の副作用が出る(Martindale、13版、1445頁)。
米国特許第3,922,293号は、プロスタグランジンズFタイプとその15β異性体のC-9位でのモノカルボキシアシレート及びその製法を記述し、米国特許第6,417,288号は、官能性PGF2αレセプターアゴニスト活性を有する13-アザプロスタグランジン類と緑内障及び眼高血圧症の治療への使用を記載している。
WO90/02553号は、オメガ鎖が環状構造であるPGA、PGB、PGEおよびPGFのプロスタグランジン誘導体の緑内障又は眼の高血圧の治療への使用を開示している。
WO00/51978号は、新規なニトロソ化及び/又はニトロシル化プロスタグランジン類、特に新規なPGE1誘導体と、新規な組成物及び性機能障害への使用を記述している。
米国特許第5,625,083号は、プロスタグランジン類のジニトログリセロール誘導体を開示し、このものは血管拡張剤、抗高血圧性心臓拡張剤又は気管支拡張剤として使用できる。
米国特許第6,211,233号は、一般式A-X1-NO2(Aはプロスタグランジン残基、特にPGE1、X1は二価の結合ブリッジ)の化合物とそれのインポテンス治療への使用を開示している。
発明の分野
この発明の目的は、当該化合物と関連した副作用を除去もしくは少なくとも低減でき、改善した薬理学活性を有する新しいプロスタグランジン類の新規誘導体を提供することである。ある種のプロスタグランジンニトロ誘導体が、既知のプロスタグランジン類似体と比較して眼疾患の治療への広範囲な治療応用性、増強された活性及び忍容性に関して、改良されたIOP-減少効能と改良された全体のプロフィルを有することを意外にも見出した。特に、この発明のプロスタグランジンニトロ誘導体は、緑内障と眼高血圧症の治療に使用できることを認めた。この発明の化合物は、末梢瞳孔形成術又はレーザーイリドプラステー(iridoplasty)を受けた開放角緑内障又は慢性角閉鎖緑内障の患者における眼内圧の減少を示した。
発明の要旨
従って、この発明の目的は、式(I)
Figure 0005401540
[式中、記号---は単結合またはシスもしくはトランス配置での二重結合を示し;R1, R2, R3 と R4 は それぞれ独立して、H, -C(O)R5-ONO2, -C(O)OR5-ONO2, -C(O)R5R6-ONO2, -[C(O)R5]m-ONO2, -C(O)R5-[OC(O)R6]n-ONO2, -C(O)R5-[(O)CR6]n-ONO2, -C(O)R5-[(O)R6]n-ONO2, -[C(O)R5]m-[C(O)OR6]n-ONO2であり、但し、R1, R2, R3 と R4 は全てがHであり得ない;R5とR6はそれぞれ同一又は異なって、独立して、C1-9アルキル, C2-9アルケニル, C2-9アルキニル, C1-9アルコキシ, C2-9アルコキシアルキル, C3-10シクロアルキル, C3-10シクロアルコキシおよびC4-10員のヘテロサイクルから選択され、前記C1-9アルキル, C2-9アルケニル, C2-9アルキニル, C1-9アルコキシ, C2-9アルコキシアルキル, C3-10シクロアルキル, C3-10シクロアルコキシおよびC4-10員ヘテロサイクル部分は、各々1以上のハロ、シアノ、ニトロ、アジド、N, O, S, NO2 又はONO2で任意に置換されていてもよいを示し、各mは独立して1〜6から選択され、各nは独立して1〜6から選択される]
の化合物、又はその医薬上受容な塩もしくは立体異性体である。
この発明の他の観点では、式 (I)で、式中、R1, R2, R3 とR4 の少なくとも2つがHであるか、R1とR2が共にHであるか、R1, R2とR3はHであるか、13位と14位の炭素原子間の結合が二重結合である化合物が提供される。
この発明の他の観点では、式 (I)、式中、R1 とR2 が共にHで、13位と14位の炭素原子間の結合が二重結合、又は R1, R2 と R3 がHで、13位と14位の炭素原子間の結合が二重結合である化合物が提供される。
この発明の他の観点では、式 (II):
Figure 0005401540
[式中、記号---は単結合またはシスもしくはトランス配置での二重結合を示し;R1, R2, R3 と R4 は それぞれ独立して、H, -C(O)R5-ONO2, -C(O)OR5-ONO2, -C(O)R5R6-ONO2, -[C(O)R5]m-ONO2, -C(O)R5-[OC(O)R6]n-ONO2, -C(O)R5-[(O)CR6]n-ONO2, -C(O)R5-[(O)R6]n-ONO2, -[C(O)R5]m-[C(O)OR6]n-ONO2であり、但し、R1, R2, R3 と R4 は全てがHであり得ない;R5とR6はそれぞれ同一又は異なって、独立して、C1-9アルキル, C2-9アルケニル, C2-9アルキニル, C1-9アルコキシ, C2-9アルコキシアルキル, C3-10シクロアルキル, C3-10シクロアルコキシおよびC4-10員のヘテロサイクルから選択され、前記C1-9アルキル, C2-9アルケニル, C2-9アルキニル, C1-9アルコキシ, C2-9アルコキシアルキル, C3-10シクロアルキル, C3-10シクロアルコキシおよびC4-10員ヘテロサイクル部分は、各々1以上のハロ、シアノ、ニトロ、アジド、N, O, S, NO2 又はONO2で任意に置換されていてもよいを示し、各mは独立して1〜6から選択され、各nは独立して1〜6から選択される]
の化合物、又はその医薬上受容な塩又は立体異性体が提供される。
この発明のさらなる他の観点では、式 (II) (式中 R1, R2, R3 と R4 の少なくとも2つがH、R1 と R2 が共にH又は R2, R3 と R4 がHである)化合物が提供される。
この発明のなお他の観点では、式 (II) (式中13位と14位の炭素原子の間の結合が、単一結合または二重結合である)の化合物が提供される。
この発明の他の観点では、式 (II) (式中 R1, R3 と R4 がHで、13位と14位での炭素原子の間の結合が、単一結合である)の化合物が提供される。
この発明の他の観点では、式 (II) (式中、R2, R3 と R4 がHで、13位と14位の炭素原子間の結合が単一結合である)の化合物が提供される。
この発明の他の観点で、式 (III):
Figure 0005401540
[式中、R1, R2, R3 と R4 はそれぞれ独立して、H, -C(O)R5-ONO2, -C(O)OR5-ONO2, -C(O)R5R6-ONO2, -[C(O)R5]m-ONO2, -C(O)R5-[OC(O)R6]n-ONO2, -C(O)R5-[(O)CR6]n-ONO2, -C(O)R5-[(O)R6]n-ONO2, -[C(O)R5]m-[C(O)OR6]n-ONO2であり、但し、R1, R2, R3 と R4 は全てがHであり得ない;R5とR6はそれぞれ同一又は異なって、独立して、C1-9アルキル, C2-9アルケニル, C2-9アルキニル, C1-9アルコキシ, C2-9アルコキシアルキル, C3-10シクロアルキル, C3-10シクロアルコキシおよびC4-10員のヘテロサイクルから選択され、前記C1-9アルキル, C2-9アルケニル, C2-9アルキニル, C1-9アルコキシ, C2-9アルコキシアルキル, C3-10シクロアルキル, C3-10シクロアルコキシおよびC4-10員ヘテロサイクル部分は、各々1以上のハロ、シアノ、ニトロ、アジド、N, O, S, NO2 又はONO2で任意に置換されていてもよいを示し、各mは独立して1〜6から選択され、各nは独立して1〜6から選択される]
の化合物、又はその医薬上受容な塩又は立体異性体が提供される。
この発明のさらなる観点で、式 (III) (式中、R1, R2, R3 と R4 の少なくとも2つがHである)の化合物が提供される。
この発明のなお他の観点では、式 (IV):
Figure 0005401540
[式中、R2, R3 と R4 はそれぞれ独立して、H, -C(O)R5-ONO2, -C(O)OR5-ONO2, -C(O)R5R6-ONO2, -[C(O)R5]m-ONO2, -C(O)R5-[OC(O)R6]n-ONO2, -C(O)R5-[(O)CR6]n-ONO2, -C(O)R5-[(O)R6]n-ONO2, -[C(O)R5]m-[C(O)OR6]n-ONO2であり、但し、R2, R3 と R4 は全てがHであり得ない;R5とR6はそれぞれ同一又は異なって、独立して、C1-9アルキル, C2-9アルケニル, C2-9アルキニル, C1-9アルコキシ, C2-9アルコキシアルキル, C3-10シクロアルキル, C3-10シクロアルコキシおよびC4-10員のヘテロサイクルから選択され、前記C1-9アルキル, C2-9アルケニル, C2-9アルキニル, C1-9アルコキシ, C2-9アルコキシアルキル, C3-10シクロアルキル, C3-10シクロアルコキシおよびC4-10員ヘテロサイクル部分は、各々1以上のハロ、シアノ、ニトロ、アジド、N, O, S, NO2 又はONO2で任意に置換されていてもよいを示し、各mは独立して1〜6から選択され、各nは独立して1〜6から選択される]
の化合物、又はその医薬上受容な塩又は立体異性体が提供される。
この発明の他の観点では、式 (IV)(式中、R2, R3 と R4 の少なくとも2つがHである)の化合物が提供される。
この発明の他の観点では、式 (V):
Figure 0005401540
[式中、R1, R3 と R4 はそれぞれ独立して、H, -C(O)R5-ONO2, -C(O)OR5-ONO2, -C(O)R5R6-ONO2, -[C(O)R5]m-ONO2, -C(O)R5-[OC(O)R6]n-ONO2, -C(O)R5-[(O)CR6]n-ONO2, -C(O)R5-[(O)R6]n-ONO2, -[C(O)R5]m-[C(O)OR6]n-ONO2であり、但し、R1, R3 と R4 は全てがHであり得ない;R5とR6はそれぞれ同一又は異なって、独立して、C1-9アルキル, C2-9アルケニル, C2-9アルキニル, C1-9アルコキシ, C2-9アルコキシアルキル, C3-10シクロアルキル, C3-10シクロアルコキシおよびC4-10員のヘテロサイクルから選択され、前記C1-9アルキル, C2-9アルケニル, C2-9アルキニル, C1-9アルコキシ, C2-9アルコキシアルキル, C3-10シクロアルキル, C3-10シクロアルコキシおよびC4-10員ヘテロサイクル部分は、各々1以上のハロ、シアノ、ニトロ、アジド、N, O, S, NO2 又はONO2で任意に置換されていてもよいを示し、各mは独立して1〜6から選択され、各nは独立して1〜6から選択される]
の化合物、又はその医薬上受容な塩又は立体異性体が提供される。
この発明の他の観点では、式 (V)(式中、R1, R3 と R4 の少なくとも2つがHであるか、 R1 か Hである)の化合物が提供される。
この発明の他の観点では、式 (VI):
Figure 0005401540
[式中、R1, R2 と R4 はそれぞれ独立して、H, -C(O)R5-ONO2, -C(O)OR5-ONO2, -C(O)R5R6-ONO2, -[C(O)R5]m-ONO2, -C(O)R5-[OC(O)R6]n-ONO2, -C(O)R5-[(O)CR6]n-ONO2, -C(O)R5-[(O)R6]n-ONO2, -[C(O)R5]m-[C(O)OR6]n-ONO2であり、但し、R1, R2 と R4 は全てがHであり得ない;R5とR6はそれぞれ同一又は異なって、独立して、C1-9アルキル, C2-9アルケニル, C2-9アルキニル, C1-9アルコキシ, C2-9アルコキシアルキル, C3-10シクロアルキル, C3-10シクロアルコキシおよびC4-10員のヘテロサイクルから選択され、前記C1-9アルキル, C2-9アルケニル, C2-9アルキニル, C1-9アルコキシ, C2-9アルコキシアルキル, C3-10シクロアルキル, C3-10シクロアルコキシおよびC4-10員ヘテロサイクル部分は、各々1以上のハロ、シアノ、ニトロ、アジド、N, O, S, NO2 又はONO2で任意に置換されていてもよいを示し、各mは独立して1〜6から選択され、各nは独立して1〜6から選択される]
の化合物、又はその医薬上受容な塩又は立体異性体が提供される。
この発明のさらに他の観点では、式 (VI)(式中、R1, R2 と R4 の少なくとも2つがHである)の化合物が提供される。
この発明のさらなる観点では、式 (VII):
Figure 0005401540
[式中、R3 と R4 はそれぞれ独立して、H, -C(O)R5-ONO2, -C(O)OR5-ONO2, -C(O)R5R6-ONO2, -[C(O)R5]m-ONO2, -C(O)R5-[OC(O)R6]n-ONO2, -C(O)R5-[(O)CR6]n-ONO2, -C(O)R5-[(O)R6]n-ONO2, -[C(O)R5]m-[C(O)OR6]n-ONO2であり、但し、R3 と R4 は全てがHであり得ない;R5とR6はそれぞれ同一又は異なって、独立して、C1-9アルキル, C2-9アルケニル, C2-9アルキニル, C1-9アルコキシ, C2-9アルコキシアルキル, C3-10シクロアルキル, C3-10シクロアルコキシおよびC4-10員のヘテロサイクルから選択され、前記C1-9アルキル, C2-9アルケニル, C2-9アルキニル, C1-9アルコキシ, C2-9アルコキシアルキル, C3-10シクロアルキル, C3-10シクロアルコキシおよびC4-10員ヘテロサイクル部分は、各々1以上のハロ、シアノ、ニトロ、アジド、N, O, S, NO2 又はONO2で任意に置換されていてもよいを示し、各mは独立して1〜6から選択され、各nは独立して1〜6から選択される]
の化合物、又はその医薬上受容な塩又は立体異性体が提供される。
この発明のなお他の観点では、式 (VIII):
Figure 0005401540
[式中、R1 と R4 はそれぞれ独立して、H, -C(O)R5-ONO2, -C(O)OR5-ONO2, -C(O)R5R6-ONO2, -[C(O)R5]m-ONO2, -C(O)R5-[OC(O)R6]n-ONO2, -C(O)R5-[(O)CR6]n-ONO2, -C(O)R5-[(O)R6]n-ONO2, -[C(O)R5]m-[C(O)OR6]n-ONO2であり、但し、R1 と R4 は全てがHであり得ない;R5とR6はそれぞれ同一又は異なって、独立して、C1-9アルキル, C2-9アルケニル, C2-9アルキニル, C1-9アルコキシ, C2-9アルコキシアルキル, C3-10シクロアルキル, C3-10シクロアルコキシおよびC4-10員のヘテロサイクルから選択され、前記C1-9アルキル, C2-9アルケニル, C2-9アルキニル, C1-9アルコキシ, C2-9アルコキシアルキル, C3-10シクロアルキル, C3-10シクロアルコキシおよびC4-10員ヘテロサイクル部分は、各々1以上のハロ、シアノ、ニトロ、アジド、N, O, S, NO2 又はONO2で任意に置換されていてもよいを示し、各mは独立して1〜6から選択され、各nは独立して1〜6から選択される]
の化合物、又はその医薬上受容な塩又は立体異性体が提供される。
この発明の他の観点では、式 (VIII)(式中、R1 か Hである)の化合物が提供される。
この発明のなお他の観点では、式 (IX):
Figure 0005401540
[式中、R1 と R2 はそれぞれ独立して、H, -C(O)R5-ONO2, -C(O)OR5-ONO2, -C(O)R5R6-ONO2, -[C(O)R5]m-ONO2, -C(O)R5-[OC(O)R6]n-ONO2, -C(O)R5-[(O)CR6]n-ONO2, -C(O)R5-[(O)R6]n-ONO2, -[C(O)R5]m-[C(O)OR6]n-ONO2であり、但し、R1とR2は全てがHであり得ない;R5とR6はそれぞれ同一又は異なって、独立して、C1-9アルキル, C2-9アルケニル, C2-9アルキニル, C1-9アルコキシ, C2-9アルコキシアルキル, C3-10シクロアルキル, C3-10シクロアルコキシおよびC4-10員のヘテロサイクルから選択され、前記C1-9アルキル, C2-9アルケニル, C2-9アルキニル, C1-9アルコキシ, C2-9アルコキシアルキル, C3-10シクロアルキル, C3-10シクロアルコキシおよびC4-10員ヘテロサイクロ分子は、各々1以上のハロ、シアノ、ニトロ、アジド、N, O, S, NO2 又はONO2で任意に置換されていてもよいを示し、各mは独立して1〜6から選択され、各nは独立して1〜6から選択される]
の化合物、又はその医薬上受容な塩又は立体異性体が提供される。
この発明のなお他の観点では、式 (IX)(式中、R1はHである)の化合物が提供される。
この発明のさらなる観点では、式 (X):
Figure 0005401540
[式中、記号---は単結合またはシスもしくはトランス配置での二重結合を示し;R3 と R4 は それぞれ独立して、H, -C(O)R5-ONO2, -C(O)OR5-ONO2, -C(O)R5R6-ONO2, -[C(O)R5]m-ONO2, -C(O)R5-[OC(O)R6]n-ONO2, -C(O)R5-[(O)CR6]n-ONO2, -C(O)R5-[(O)R6]n-ONO2, -[C(O)R5]m-[C(O)OR6]n-ONO2であり、但し、R3 と R4 は全てがHであり得ない;R5とR6はそれぞれ同一又は異なって、独立して、C1-9アルキル, C2-9アルケニル, C2-9アルキニル, C1-9アルコキシ, C2-9アルコキシアルキル, C3-10シクロアルキル, C3-10シクロアルコキシおよびC4-10員のヘテロサイクルから選択され、前記C1-9アルキル, C2-9アルケニル, C2-9アルキニル, C1-9アルコキシ, C2-9アルコキシアルキル, C3-10シクロアルキル, C3-10シクロアルコキシおよびC4-10員ヘテロサイクル部分は、各々1以上のハロ、シアノ、ニトロ、アジド、N, O, S, NO2 又はONO2で任意に置換されていてもよい、各mは独立して1〜6から選択され、各nは独立して1〜6から選択される]
の化合物、またはその医薬上受容な塩あるいは立体異性体が提供される。
この発明のなお他の観点では、式X(式中、13位と14位の炭素原子間の結合が二重結合である)の化合物が提供される。
本発明のもう一つの観点では、
Figure 0005401540
Figure 0005401540
Figure 0005401540
からなる群から選択される化合物、又はその医薬的に受容な塩あるいは立体異性体が提供される。
この発明の他の観点では、医薬として使用される、又は緑内障および眼高血圧症の治療用医薬を製造するための、式(I)〜(X) の何れか1つの化合物が提供される。
この発明の他の観点では、医薬的に受容な担体と、式 (I)〜(X) の何れか1つの化合物及び/又はその塩あるいは立体異性体の医薬的に有効量とからなる医薬組成物又は局所投与に適した形態のこのような医薬組成物が提供される。
この発明のさらなる他の観点では、緑内障および眼高血圧の治療用のここで記載されたような医薬組成物、または化合物が眼科的に受容な賦形剤中の溶液、懸濁液又はエマルジョンとして投与される医薬組成物が提供される。
この発明のさらなる観点では、眼圧を低下させかつその圧を低いレベルに維持するため、ここに記載の医薬組成物の眼内圧低下有効量を眼と接触させることを含む、緑内障又は眼高血圧を治療する方法が提供する。
この発明の他の観点では、ここに記載したごとき式 (I)〜(X) の何れか1つの化合物及び/又はその塩あるいは立体異性体と、(i)ベータブロッカーあるいは(ii)カルボニックアンヒドラーゼ阻害剤又はiii)アドレナリン アゴニスト又はそれらのニトロオキシ誘導体との混合物からなる医薬組成物が提供される。
定義:
ここで使用される用語“を含む(comprising)”と“含む(including)”は、開放的で制限のない意味で使用される。
ここで使用される、用語“置換された”は、特定の基又は分子が1以上の置換分を有することを意味する。用語“非置換された”は特定の基か置換分を有しないことを意味する。
ここで使用される、用語“任意に置換されていてもよい”は、特定の基が置換されないか、1以上の置換分で置換されていることを意味する。
ここで使用される、用語“治療”、“処置する”または“処置”は、阻止(たとえば予防)および緩和する処置を含む。
ここで使用される用語“医薬上受容な”は、担体、希釈剤、賦形剤及び/又は塩が、製剤の他の成分と適合し、そのレシピエントに有害でないことを意味する。
ここで使用される用語“アルキル”は、直鎖又は分枝鎖の飽和炭化水素を意味する。例示のアルキル基には、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n-ブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、tert-ペンチル、1-メチルブチル、2-メチルブチル、3-メチルブチル、ヘキシル、イソヘキシル、ヘプチル、オクチルなどが含まれるが、これらに限定されない。
ここで使用される用語“アルケニル”は、少なくとも1つの二重結合(すなわちc=c)を有する直鎖又は分枝鎖の炭化水素を意味する。例示のアルケニル基は、ビニル、プロペニル、ブテニル、ペンテニル、ヘキセニル、ヘプテニル、オクテニルなどを含むが、これらに限定されない。
ここで使用される用語“アルキニル”は、少なくとも1つの三重結合(すなわちc≡c)を有する直鎖または分枝鎖の炭化水素を意味する。例示のアルキニル基は、アセチレニル、プロパルギル、ブチニル、ペンチニル、ヘキシニル、ヘプチニル、オクチニルなどを含むが、これらに限定されない。
ここで使用される用語“シクロアルキル”は、環状飽和炭化水素を意味する。例示のシクロアルキル基にはシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチルなどを含むが、これらに限定されない。
ここで使用される用語“シクロアルケニル”には、少なくとも1つの二重結合(c=c)を有する環状炭化水素を意味する。例示のシクロアルケニル基には、シクロプロペニル、シクロブテニル、シクロペンテニル、シクロヘキセニル、シクロヘプテニル、シクロオクテニルなどを含むが、これらに限定されない。
ここで使用される用語“シクロアルキニル”は、少なくとも1つの三重結合(c≡c)を有する環状炭化水素を意味する。例示のシクロアルキニル基は、シクロヘキシニル、シクロヘプチニル、シクロオクチニルなどを含むが、これらに限定されない。
ここで使用される用語“アルコキシ”は、酸素を介して結合した直鎖又は分枝鎖の飽和炭化水素を意味する。例示のアルコキシ基には、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソブトキシ、tert-ブトキシ、ペントキシ、イソペントキシ、ネオペントキシ、tert-ペントキシ、ヘキソキシ、イソヘキソキシ、ヘプトキシ、オクトキシなどを含むが、これらに限定されない。
ここで使用される“アルキレン”は、直鎖又は分枝鎖の飽和炭化水素で、末端の炭素の各々から水素原子が除去されている。例示のアルキレン基には、メチレン、エチレン、プロピレン、ブチレン、ペンチレン、ヘキシレン、ヘプチレンなどを含むが、これらに限定されない。
ここで使用される用語“ハロ”又は“ハロゲン”は、フルオロ、クロロ、ブロモ又はヨードを意味する。
ここで使用される用語“複素環”(ヘテロサイクリックおよびヘテロサイクリル)は、O,SおよびNが各独立に選択された1〜4つの異原子を含有する芳香族又は非芳香族環状基で、各基は環中に3〜10原子を有する。非芳香族複素環基は、環中に3つだけの原子を有する基を含み、芳香族複素環基は環中に少なくとも5つの原子を有する。複素環基は、ベンゾ縮合環などのような縮合環系を含む。例示の3員複素環基はアジリジン、4員複素環基はアゼチジニル(アゼチジンから誘導された)、5員複素環基はチアゾリル、7員複素環基はアゼピニルであり、10員複素環基はキノリニルである。
非芳香族複素環基の例は、次のものを含むがこれらに限定されない。ピロリジニル、テトラヒドロフラニル、ジヒドロフラニル、テトラヒドロチエニル、テトラヒドロピラニル、ジヒドロピラニル、テトラヒドロチオピラニル、ピペリジノ、モルホリノ、チオモルホリノ、チオキサニル、ピペラジニル、アゼチジニル、オキセタニル、チエタニル、ホモピペリジニル、オキセパニル、チエパニル、オキサゼピニル、ジアゼピニル、チアゼピニル、1,2,3,6-テトラヒドロピリジニル、2-ピロリニル、3-ピロリニル、インドリニル、2H-ピラニル、4H-ピラニル、ジオキサニル、1,3-ジオキサニル、ピラゾリニル、ジチアニル、ジチオラニル、ジヒドロピラニル、ジヒドロチエニル、ジヒドロフラニル、ピラゾリジニル、イミダゾリニル、イミダゾリジニル、3-アザビジクロ[3.1.0]ヘキサニル、3-アザビジクロ[4.1.0]ヘプタニル、3H-インドリルおよびキノリジニル。
芳香族複素環(ヘテロアリール)基の例は、次のものを含むが、これらに限定されない。ピリジニル、イミダゾリル、ピリミジニル、ピラゾリル、トリアゾリル、ピラジニル、テトラゾリル、フリル、チエニル、イソキサゾリル、チアゾリル、オキサゾリル、イソチアゾリル、ピロリル、キノリニル、イソキノリニル、インドリル、ベンズイミダゾリル、ベンゾフラニル、シンノリニル、インダゾリル、インドリジニル、フタラジニル、ピリダジニル、トリアジニル、イソインドリル、プテリジニル、プリニル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、フラザニル、ベンゾフラザニル、ベンゾチオフェニル、ベンゾチアゾリル、ベンゾキサゾリル、キナゾリジニル、キノキサリニル、ナフチリジニルおよびフロプリジニル。
前記の基は、可能な場所でC-結合又はN-結合しうる。たとえば、ピロールから誘導された基は、ピロール-1-イル(N-結合)又はピロール-3-イル(C-結合)でありうる。さらに、イミダゾールから誘導された基は、イミダゾール-1-イル(N-結合)又はイミダゾール-3-イル(C-結合)でありうる。複素環基は、環の炭素、硫黄又は窒素原子に、環当たり1つ又は2つの酸素(オキソ)で任意に置換されていてもよい。2つの環炭素原子がオキソ分子で置換されている複素環基の例は、1,1-ジオキソ-チオモルホリニルである。
酸素、窒素及び硫黄から独立に選択された1つ又は2つの異原子を有する5又は6員の芳香族複素環の例は、イソチアゾリル、ピリジニル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニルなどを含むが、これらに限定されない。
酸素、硫黄および窒素から独立して選択された1〜4の異原子を有する、部分飽和、完全飽和又は完全不飽和の5〜8員複素環の例には、次のものが含まれるが、これらに限定されない。3H-1,2-オキサチオリル、1,2,3-オキサジアゾリル、1,2,4-オキサジアゾリル、1,2,5-オキサジアゾリルなど。さらなる例示の5員環は、フリル、チエニル、2H-ピロリル、3H-ピロリル、ピロリル、2-ピロリニル、3-ピロリニル、ピロリジニル、1,3-ジオキソラニル、オキサゾリル、チアゾリル、チアゾリル、イミダゾリル、2H-イミダゾリル、2-イミダゾリニル、イミダゾリジニル、ピラゾリル、2-ピラゾリニル、ピラゾリニル、イソキサゾリル、イソチアゾリル、1,2-ジチオリル、1,3-ジチオリル、3H-1,2-オキサチオリル、1,2,3-オキサジアゾリル、1,2,4-オキサジアゾリル、1,2,5-オキサジアゾリル、1,3,4-オキサジアゾリル、1,2,3-トリアゾリル、1,2,4-トリアゾリル、1,3,4-チアジアゾリル、1,2,3,4-オキサトリアゾリル、1,2,3,5-オキサトリアゾリル、3H-1,2,3-ジオキサゾリル、1,2,4-ジオキサゾリル、1,3,2-ジオキサゾリル、1,3,4-ジオキサゾリル、5H-1,2,5-オキサチアゾリルおよび1,3-オキサチオリル。
さらなる例示の6員環は、2H-ピラニル、4H-ピラニル、ピリジニル、ピペリジニル、1,2-ジオキシニル、1,3-ジオキシニル、1,4-ジオキサニル、モルホリニル、1,4-ジチアニル、チオモルオリニル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、ピペラジニル、1,3,5-トリアジニル、1,2,4-トリアジニル、1,2,3-トリアジニル、1,3,5-トリチアニル、4H-1,2-オキサジニル、2H-1,3-オキサジニル、6H-1,3-オキサジニル、6H-1,2-オキサジニル、1,4-オキサジニル、2H-1,2-オキサジニル、4H-1,4-オキサジニル、1,2,5-オキサチアジニル、1,4-オキサジニル、o-イソキサジニル、p-イソキサジニル、1,2,5-オキサチアジニル、1,2,6-オキサチアジニル、1,4,2-オキサジアジニルおよび1,3,5,2-オキサジアジニルである。さらなる例示の7員環は、アゼピニル、オキセピニル、チエピニルと1,2,4-ジアゼピニルで、さらなる例示の8員環は、シクロオクタニル、シクロオクテニルとシクロオクタジエニルである。
例示の3〜10員の複素環基は次のものを含み、これらに限定されない。オキセタン、アゼチジン、テトラヒドロフラン、ピロリジン、2,5-ジヒドロ-1H-ピロール、1,3-ジオキサラン、イソキサゾリジン、オキサゾリジン、ピラゾリジン、イミダゾリジン、ピロリジン-2-オン、テトラヒドロチオフェン-1,1-ジオキシド、ピロリジン-2,5-ジオン、テトラヒドロ-2H-ピラン、ピペリジン、1,2,3,6-テトラヒドロピリジン、1,4-ジオキサン、モルホリン、ピペラジン、チオモルホリン、ピペリジン-2-オン、ピペリジン-4-オン、チオモルホリン-1,1-ジオキシド、1,3-オキサジナン-2-オン、モルホリン-3-オン、ピペラジン-2-オン、アゼパン、1,4-オキサゼパン、1,4-ジアゼパン、アゼパン-2-オン、1,4-ジアゼパン-5-オン、キヌクリジン、2-アザ-ビシクロ[2.2.1]ヘプタン、8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン、5-オキサ-2-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン、2-オキサ-5-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-3-オン、2-オキサ-5-アザビシクロ[2.2.2]オクタン-3-オン、1-メチル-5,6-ピロリル-7-オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタン、6-アザビシクロ[3.2.1]オクタン、3,8-ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン-2-オン、2,2-ジメチルテトラヒドロ-3aH-[1,3]ジオキソロ[4,5-c]ピロール、3,3-シクロヘキシルピロリジン、1,5-ジオキソ-9-アザスピロ[5.5]ウンデカン、オクタヒドロ-1H-イソインドール、デカヒドロキノリン、デカヒドロイソキノリン、オクタヒドロピロロ[1,2a]ピラジン、オクタヒドロ-1H-ピリド[1,2-a]ピラジン、オクタヒドロピロロ[3,4-c]ピリジン-3-オン、デカヒドロピラジノ[1,2-a]アゼピン、フラン、1H-ピロール、イソキサゾール、オキサゾール、1H-ピラゾール、1H-イミダゾール、チアゾール、1,2,4-オキサジアゾール、1,3,4-オキサジアゾール、4H-1,2,4-トリアゾール、1H-テトラゾール、ピリジン、ピリダジン、ピリミジン、ピラジン、ピリジン-2(1H)-オン、1,4,5,6-テトラヒドロシクロペンタ[c]ピラゾール、6,7-ジヒドロ-5H-ピロロ[2,1-c][1,2,4]トリアゾール、2,3-ジヒドロイミダゾ[2,1-b]チアゾール、イミダゾ[2,1-b][1,3,4-c]ピリジン、4,5,6,7-テトラヒドロ-3H-イミダゾ[4,5-c]ピリジン、5,6,7,8-テトラヒドロイミダゾ[1,5-a]ピラジン、4,5,6,7-テトラヒドロチアゾロ[5,4-c]ピリジン、5,6,7,8-テトラヒドロ-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピラジン、キノリン、イソキノリン、2,3-ジヒドロベンゾフラン、5,6,7,8-テトラヒドロキノリン、3,4-ジヒドロ-1H-イソクロメン、1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン、4H-ベンゾ[d][1,3]ジオキサン、5,6,7,8-テトラヒドロピリド[3,4-d]ピリミジン、ベンゾフラン、1H-インドール、ベンゾ[d]オキサゾール、1H-ベンゾ[d]イミダゾール、H-イミダゾ[1,2-a]ピリジン、イミダゾ[1,2-a]ピリミジン、5,6,7,8-テトラヒドロイミダゾ[1,5-a]ピラジン-3(2H)-オン、2,3,4,5-テトラヒドロ-1H-ベンゾ[d]アゼピン、2,3,4,5-テトラヒドロベンゾ[f][1,4]オキサゼピン、5,6,7,8-テトラヒドロ-4H-イソキサゾロ[4,3-d]アゼピンおよび6,7,8,9-テトラヒドロ-2H-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-g][1,4]ジアゼピン-3(5H)-オン。
炭素環又は複素環部分が、指定された基体に付着の特定点を示すことなく環原子を異にして結合又は付着できるとすれば、全ての点が炭素原子又はたとえば3価の窒素原子を介するものと意図されていると理解すべきである。例えば、用語“ピリジル”は、2-、3-又は4-ピリジル、用語“チエニル”は2又は3-チエニルを意味するなどである。
この発明の化合物の医薬的に受容な塩類には、その化合物の酸付加塩と塩基塩(ジ塩を含む)を含む。適当な酸付加塩は、非毒性塩を形成する酸と形成される。例えば、アセテート、アスパルテート、ベンゾエート、ベシレート(besylate)、ビカーボネート/カーボネート、ビサルフェート/サルフェート、ボラート、カムシレート(camsylate)、シトラート、エディシレート、エシレート、ホルメート、フマレート、グルセプテート、グルコネート、グルクロネート、ヘキサフルオロホスフェート、ヒベンザート、ハイドロクロリド/クロリド、ハイドロブロミド/ブロミド、ハイドロヨーダイド/ヨーダイド、イセチオネート、ラクテート、マレート(malate)、マレエート(maleate)、マロネート、メシレート、メチルスルファート、ナフチレート、2-ナプシレート、ニコチネート、ナイトレート、オロテート、オキサレート、パルミテート、パモエート、ホスフェート/ハイドロゲンホスフェート/ジハイドロゲンホスフェート、サッカレート、ステアラート、サクシネート、タルトレート、トシレートおよびトリフルオロアセテート塩類である。
適当な塩基塩は、非毒性塩を形成する塩基から形成される。例えば、アルミニウム、アルギニン、ベンザチン、カルシウム、コリン、ジエチルアミン、ジオールアミン、グリシン、リジン、マグネシウム、メグルミン、オラミン、カリウム、ナトリウム、トロメタミンおよび亜鉛塩を含む。適当な塩についての総説として、“Handbook of Pharmaceutical Salts: Properties, Selection, and Use”(Stahl and Wermuth著(Wiley-VCH, Weinheim, Germany, 2002)参照。
この発明の化合物の医薬的に受容な塩は、この発明の化合物の溶液と所望の酸又は塩の溶液を適当に、一緒に混合することにより容易に作ることができる。塩に溶液から沈殿でき、濾過で採取するか、溶媒の蒸発によって回収できる。塩のイオン化度合は、完全にイオン化したものから、殆どイオン化しないものがありうる。
クラスレートや薬剤ホスト包摂複合物のような複合物であるこの発明の化合物は、この発明の範囲である。上記の溶媒和物と対照的に、薬剤とホストは化学量論的又は非化学量論的量で存在する。化学量論的又は非化学量論的でありうる2以上の有機及び/又は無機成分を含む錯塩も含まれる。生ずる錯塩は、イオン化、部分的にイオン化、又は非イオン化でありうる。このような錯塩の総説は、Haleblian著J Pharm Sci, 64 (8), 1269-1288 (1975年8月)を参照。
この発明の化合物は、この後で定義される光学、幾何学及び互変異性の異性体を含む全ての多形及びその異性体、ならびに同位元素標識化した化合物を含む。
1以上の不斉炭素を含むこの発明の化合物は、2以上の立体異性体として存在しうる。化合物がアルケニル又はアルケニレン基を含む場合、幾何シス/トランス(又はZ/E)異性体が可能である。化合物が、例えばケト又はオキシム基又は芳香分子を含む場合、互変異性(“タウトメリズム”)が生じうる。したがって、単一化合物が1タイプ以上の異性を示しうる。
この発明の化合物の全ての立体異性体、幾何異性体および互変位性体は、1タイプ以上の異性を示す化合物、及びそれらの1以上の混合物を含んで、この発明の範囲に含まれる。また、カウンターイオンが光学的に活性であるD-ラクテートあるいはL-リジン、又はラセミ体例えばDL-タートレートあるいはDL-アルギニンである酸付加塩又は塩基塩も含まれる。
シス/トランス異性体は、当業者に周知の常法、例えば、クロマトグラフィーや分別結晶化で分離できる。
個々の光学対掌体の製造/分離の常法は、適当な光学純プレカーサからのキラル合成又は例えば、キラル高圧液体クロマトグラフィー(HPLC)を用いてのラセミ対(又は塩または誘導体のラセミ対)の分割を含む。
あるいは、ラセミ体(又はラセミプレカーサ)を、適当な光学活性化合物、例えばアルコールと反応させるか、又は発明の化合物が酸性又は塩基性分子を含む場合は、酒石酸や1-フェニルエチルアミンのような酸又は塩基を反応させる。得られるジアステロオアイソマー混合物は、クロマトグラフィー及び/又は分別結晶で分離でき、ジアステロオアイソマーの1つ又は両者は、当業者に周知の手段で、対応する純粋なエナンチオマーに変換される。
この発明のキラル化合物(及びそのキラルプレカーサ)は、クロマトグラフィー、代表的にはHPLCで不斉樹脂、炭化水素、代表的にはヘプタン又はヘキサン、0〜50%のイソプロパノール、代表的には2〜20%、0〜5%のアルキルアミン、代表的には0.1%ジエチルアミンを含有する移動相を用い、光学対掌体のリッチな形で得ることができる。溶離液の濃縮で、増強された混合物になる。
ステレオアイソマーの混合物は、当業者に知られた常法で分離できる[例えば、E.L. Eliel著“Stereochemistry of Organic Compounds”(Wiley, New York, 1994)参照]。
この発明は、この発明の全ての医薬的に受容な同位元素で標識化した化合物(1以上の原子が同じ原子数を有する原子で、しかし、自然で通常見出された原子質量又は質量数と異なる原子質量又は質量数を有する原子で置換される)を含む。
この発明の化合物に含むのに適するアイソトープの例は、2Hと 3Hのような水素、11C, 13Cや 14Cのような炭素、36Clのような塩素、18Fのような弗素、123Iや 125Iのような沃素、13Nや 15Nのような窒素、15O, 17Oと 18Oのような酸素、32Pのような燐、35Sのような硫黄の各同位元素である。
この発明のある種の同位元素で標識化した化合物、例えば放射性同位元素が入っている化合物は、医薬及び/又は基体組織分布研究に有用である。放射性同位元素のトリチウム、3H及び炭素-14、14Cは、導入の容易さと検出の簡易手段の観点から、特にその目的に有用である。
重水素、2Hのような重いアイソトープでの置換は、代謝安定性が大きくなる。例えば、インビボ半減期の増加や投与量要件の減少となるある種の治療上の利点を与え、ここからある場合に好ましくなりうる。
ポジトロン放出アイソトープ、例えば11C, 18F, 15Oおよび13Nでの置換は、基体レセプター占有を検査するポジトロンエミショントポグラフィー(PET)に有用である。
この発明の同位元素標識化化合物は、前に使用した非ラベル化試薬の代わりに適当な同位元素ラベル化試薬を用い、添付の実施例と製造例に記述したと同類の方法、又は当業者に知られた常法で一般に作ることができる。
命名法でここに使用した挿入のマイナス又はプラスのサインは、偏光方向面が特定のステレオアイソマーで回転していることを示す。
当業者は、この発明のある種の化合物が、特定の立体化学又は幾何配位をする1以上の原子を含み、立体異性体と幾何異性体を生じうることを理解されるであろう。全てのこのような異性体とその混合物がこの発明に含まれ、この発明の化合物の溶媒和物(水和物)も含まれる。
他の特長と利点は、発明を記述する明細書とクレームから明らかであろう。
発明の詳述
下記した実施例と製造例は、この発明の化合物とこれの製造法をさらに例証し例示する。この発明の範囲は、次の実施例と製法の範囲に限定されないと理解すべきである。次の実施例で、断らない限り、単一の不斉中心を有する分子は、ラセミ混合物として存在する。2以上の不斉中心を有する分子は、断らない限り、ジアステロマー(立体異性体)のラセミ混合物として存在する。単一のエナンチオマー/ジアステロマーは、当業者に公知の方法で得ることができる。
一般に、この発明の化合物は、特にここに含まれた記述を参照し、化学分野で知られた方法で作ることができる。この発明の化合物のある種の製造方法が、この発明のさらなる特長を提供し、下記の反応式と実験の部で例示される。これらの反応で各種の保護基の使用は、周知で、Organic Synthesis, 2版(T.W. Greene and P.G.M. Wuts著John Wiley and Sons, Inc. 1991)227〜229頁のProtective Groupsに例示されている。その全体を全目的のため参照としてここに導入する。
この発明の化合物の眼内圧の低下、従って緑内障治療用の医薬としての有用性が、インビボアッセイとレセプター結合アッセイを含む通常のアッセイにおける化合物の活性によって例証される。このようなアッセイは、化合物の活性が互いにかつ他の公知の化合物の活性と比較できる手段も提供する。これらの比較の結果は、ヒトを含む哺乳動物におけるこのような疾患の治療用の用量を決定するのに有用である。
医薬用途を意図したこの発明の化合物は、結晶又は非晶質の製品として投与できる。これらは、例えば、沈殿、結晶化、凍結乾燥、噴霧乾燥又は蒸発乾燥のような方法により、固形プラグ、粉末、又はフィルムとして得ることができる。
医薬用途を意図したこの発明の化合物は、単体又はこの発明の1以上の他の化合物との組合せ又は1以上の他の薬剤との組合せ(又はこれらの組合せ)として投与できる。一般に、1以上の医薬的に受容な賦形剤と一緒に製剤として投与されるであろう。用語“賦形剤”は、この発明の化合物以外の成分を記述するのにここで使用される。賦形剤の選択は、投与の特定の仕方、賦形剤の溶解度と安定性に関する効果、投与前の性質のような因子に大きく依存するであろう。
この発明の化合物の送達に適する医薬製剤とその製法は当業者に容易に明らかであろう。このような製剤とその製法は、例えばRemington's Pharmaceutical Sciences,19版(Mack Publishing Company, 1995)に見出すことができる。
この発明の化合物は、眼に直接、代表的には等張のpH調節無菌食塩水中のマイクロ化懸濁液又は溶液の滴下剤の形で投与できる。眼への投与に適する他の製剤は、軟膏、生分解性(例えば吸収性ゲルスポンジ、コラーゲン)及び非生分解性(例えばシリコン)インプラント、ウエハース、レンズ及びニオゾームやリポゾームのような粒子又は小胞系を含む。架橋ポリアクリル酸、ポリビニルアルコール、ヒアルロン酸のようなポリマー;セルロース系ポリマー例えばヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース;又はヘテロポリサッカライドポリマー例えばゲランゴムか、ベンザルコニウムクロリドのような保存剤と共に加えることができる。
この発明の化合物は、眼への送達用の各種タイプの眼科用製剤に組み込める。これらの化合物は、水性、滅菌眼病用懸濁液又は溶液を形成するため、眼科的に受容な保存剤、界面活性剤、増粘剤、浸透増強剤、バッファー、塩化ナトリウム及び水と組み合わせてもよい。滅菌眼科用軟膏製剤を作るため、活性成分は、鉱油、液体ラノリン又は白色ワセリンのような適当な賦形剤中の保存剤と組み合わされる。滅菌性眼科用ゲル製剤は、類似の眼科用製剤の刊行された処方に従って、例えばカーボポール-940などの組合せで作った親水性ベース中に活性成分を懸濁させて作ることができ、保存剤と等張剤を加えることができる。
眼科用溶液製剤は、活性成分を生理学的に受容な等張性水性バッファー中に溶解して作ることができる。その上、眼科用溶液は、活性成分の溶解を助けるため眼科学上受容な界面活性剤を含めてもよい。その上、眼科用溶液は、結膜嚢中の薬剤の維持を改良するため、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、ポリビニルピロリドンなどのような粘稠剤を含めることができる。
この発明の化合物は、pH約4.5〜7.8を有する局所用眼科用の懸濁液又は溶液として製剤化するのが好ましい。化合物は、製剤中0.1〜10重量%、好ましくは0.25〜5.0重量%の量で含めるのが普通である。かくして、これらの製剤の1〜3滴が局所用に、当該臨床家の常法に従って、1日当たり1〜4回、眼の表面に用いられる。
この発明の化合物は、上記の投与モードの何れかに使用するため、溶解度、溶解速度、味マスキング、生体利用性及び/又は安定性の改良のため、シクロデキストリンやその適当な誘導体、ポリエチレングリコール含有ポリマーのような可溶性巨大分子と組み合わせることができる。
例えば薬剤−シクロデキストリン複合体が、殆どの投与形態と投与ルートに一般的に有用であることが見出されている。包摂及び非包摂複合体の両方が使用できる。薬剤との直接的な複合化の代わりに、シクロデキストリンを、補助添加剤、すなわち、担体、希釈剤又は溶解剤として使用できる。この目的に最も一般的に使用されるのは、α、βおよびγ−シクロデキストリンで、その例はWO91/11172, WO94/02518と WO98/55148に見出しうる。ここで使用した用語“処置(treatment)”は、患者の疾患と症状に従い、治療用、緩和および予防的処置の1つ以上を含む。
上記のように、この発明の目的物は、この発明の少なくとも一つの式(I)の化合物と、医薬分野で代表的に使用される非毒性のアジュバント及び/又は担体とを含む医薬製剤でもある。
好ましい投与ルートは局所である。この発明の化合物は、眼科上受容な賦形剤中の溶液、懸濁液又はエマルジョン(分散液)として投与できる。ここで使用した用語“眼科上受容な賦形剤”とは、当該化合物と非反応性で、患者への投与に適する物質又はその組合せに関する。患者の目に局所適用するのに適する水性賦形剤が好ましい。
この発明の眼用組成物に使用することが望ましい他の成分としては、抗菌剤、保存剤、助溶剤、界面活性剤および増粘剤を含む。
この発明はまた緑内障又は眼高血圧症を治療する方法に関し、その方法は、眼圧を低下させその圧を低い値に維持するために、組成物の眼圧低下有効量を眼に接触させることからなる。
プロスタグランジンニトロ誘導体の投与量は、対応する未誘導の市場で入手可能なプロスタグランジン化合物の投与量と同じ範囲か、またはそれより少ない(Physician's Desk Reference, Medical Economics Company, Inc., Oradell, N.J., 58版、2004年、The pharmacological basis of therapeutics, Goodman and Gilman, J. G. Hardman, L. e. Limbird, 10版)。
組成物は、活性化合物の適用当たり0.1〜0.30μg、特に1〜10μgを含む。
処置は、組成物の1滴、約30μlに相当する量を、患者の目に1日当たり約1〜2回投与するのが有利である。
さらに、この発明の化合物を、緑内障又は眼高血圧症の処置に有用であると知られている他の薬剤と共に、別々又は組合せて使用できることも考えられる。この発明の化合物は、例えばi) チモロール、ベタキソロール、レボブノロールなどのようなベータ−ブロッカー(米国特許第4,952,581号参照)、ii) ブリンゾラミドのようなカーボニックアンヒドラーゼ阻害剤、iii) アプラクロニジン又はブリモニジンのようなクロニジン誘導体を含むアドレナリン拮抗剤(米国特許第5,811,443号参照)と組み合わせることができる。あるいは、上記報告化合物のニトロオキシ誘導体、例えば米国特許第6,242,432号に記載したもののようなベータ−ブロッカーのニトロオキシ誘導体との組合せが考えられる。
次の非限定的製造例及び実施例は、この発明の化合物の製造法を例示する。
高眼圧プリメートにおける実施例B-1とビマトプロストの局所投与の試験結果を示すグラフである。 正常眼圧の犬における実施例B-1とビマトプロストの局所投与の試験結果を示すグラフである。
実施例
下記の実施例で、断らない限り、全ての温度は摂氏の度を、全ての部とパーセントは重量による。試料は、Sigma-Aldrich Chemical Company, Acros Organics, 又は Lancaster Synthesis Ltdのような市場供給者から購入でき、特に断らない限り、さらなる精製をすることなく使用できる。
テトラヒドロフラン(THF)、メチレンクロリド(CH2Cl2 または DCM)、N,N-ジメチルアセトアミド(DMA)、アセトニトリル(MeCN又はACN)およびN,N-ジメチルホルムアミド(DMF)は、アルドリッチよりシュア−シールボトルで購入でき、そのまま使用できる。全ての溶媒は、断らない限り、当業者に知られた標準法を用いて精製できる。ジエチルエーテルはEt2Oと略記する。酢酸エチルはEtOAc又はEAと略記する。トリフルオロ酢酸は、TFAと略記、酢酸はHOAc又はAcOHと略記、トリフルオロメタンスルホネート又はトリフラートは“OTF”と略記、t-ブトキシカルボニルはBOCと略記、4-(N,N-ジメチルアミノピリジン)はDMAPと略記、N-メチルモルホリンはNMMと略記、酢酸無水物はAc2Oと略記、N-(3-ジメチルアミノプロピル) -N'-エチルカルボジイミド塩酸塩は、EDAC又はEDCと略記。
下記した反応は、一般に、アルゴン又は窒素の陽圧下、乾燥チューブを用い、室温下(断りなければ)無水溶媒中で行い、かつ反応フラスコは、シリンジを介して基体と試薬の導入用のゴム隔膜を取り付けた。ガラス製品はオーブン乾燥及び/又は加熱乾燥した。マイクロ波化学は、Personal Chemistry(現在Biotage)からのEmrysTM Optimizer EXPを使用して行った。薄層クロマトグラフィー分析は、ガラスバックしたシリカゲル60 F 254プレコートしたプレート(Merck Art 5719)を用いて行い、適当な溶媒比(v/v)で溶離した。
反応は、TLC又はLCMSで調べ、原料の消費によって判断し終結させる。TLC板の可視化は、UV光(254nm波長)又は適当なTLC可視化溶媒で行い、熱で活性化した。分析HPLCはWaters又はAgilent装置で行った。フラッシュカラムクロマトグラフィー(Stillら、J. Org. Chem., 1978年、43巻、2923頁)は、シリカゲル60系(Merck Art 9385)又は、Biotage又はISCO精製系(即ちBiotage SP4モデル)のような各種MPLC系を用いて行った。
分取HPLCは、次のごときいくつかの方法で行った。Peeke ScientificからのUltra 120 10 mm C8カラムを有するWaterからのPrep LC 4000系、マス試行prep HPLCで、Agilent A2 Prepシステムを有し、XBridge C18カラム、250mm×30mm、5μミクロンサイズ、UVダイオードアレーと(ESI)マススペクトロメターの検出器タンデムを通し、2つの移動相のコンピュータ制御の傾斜(0.1%ギ酸含有100%水と0.1%ギ酸含有の100%アセトニトリル)を用いる。スーパークリティカル液体クロマトグラフィー(SFC)精製を、ProNToソフトウェアプラットフォームを使用し、Berger InstrumentsからのMultigram II SFCで行った。Chiralpak AS-H 21.2×250 mm 5μカラムが代表的に使用され、140バールのCO2中20%メタノールで溶離した。流速は60mL/分、ピークは、260nmでのUV検出で集めた。
実施例での化合物の構造は、プロトン磁気共鳴スペクトロスコピー、マススペクトロスコピーと元素マイクロ分析の1以上の方法で確認した。プロトン磁気共鳴(1H NMR)スペクトルは、磁場強度、300, 400又は700メガヘルツ(MHz)で操作し、Brukerスペクトロメーターを用いて測定した。化学シフトは、内部テトラメチルシラン標準からのミリオン当たりのパーツ(ppm,δ)ダウンフィルドで報告する。又は1H NMRは、次のように、デュテリウム置換溶媒中の残存プロトンからのシグナルに対して参照される。CDCl3 = 7.25 ppm; DMSO-d6 = 2.49 ppm; CD3CN = 1.94 ppm, CD3OD又は メタノールd4 = 3.30 ppm; C6D6 = 7.16 ppm。
ピーク多重度は次のように表示される。s, シングレット; d, ダブレット; dd, ダブレットのダブレット; t, トリプレット; dt, トリプレットのダブレット; q, カルテット; br, ブロード; m, マルチプレット。カップリング恒数は、ヘルツ(Hz)で示す。選択した実施例の詳細は構造釈明のため、プロトン、gCOSY, gHSQC および gHMBC NMRスペクトルを、Bruker Avance 700 MHz NMRスペクトロメータ(700.13 MHzおよび 176.07 MHzにそれぞれ分取したプロトンとカーボンコイルを有するクリオ−プローブを備える)を用いて得た。0.75mlのジメチルスルオキシド(d-6; 99.8% D)に約10mgのサンプルを溶解した液をスペクトルを得るのに使用し、溶媒シグナル(プロトンに対し2.50ppmとカーボンとに対し39.51ppm)に参照した。
マススペクトル(MS)データは、APCl(ESI)イオン化を有するAgilent LCマススペクトロメータを用いて得た。高解像MS(HRMS)は、Agilent G3250AA LCMSD/TOFマススペクトロメータで行った。元素マイクロ分析は、Atlantic Microlab Inc.によって行われ、理論値の±0.4%以内の元素の結果を得る。
この発明による好ましい化合物は、以下に詳述したものと類似の方法で作ることができる。
下記した実施例と製造例は、この発明の化合物とその製造法を例示し、実例化するものであり、この発明の範囲は、これらによって限定されないと理解さるべきである。当業者は、異なる酸、アミン、アルキルハライド、結合試剤、複素環が、所望の具体例の製造に適するように次の記述を置換できることを知っている。
次の方法は、所望の材料の量に適合すべく、スケールをアップ又はダウンできる。
スキームA
Figure 0005401540
実施例A-1 (NCX 469)
(1S,2E)-3-{(1R,2R,3S,5R)-2-[(2Z)-7-(エチルアミノ)-7-オキソヘプト-2-エン-1-イル]-3,5-ジヒドロキシシクロペンチル}-1-(2-フェニルエチル)プロプ-2-エン-1-イル4-(ニトロオキシ)ブタノエート (A-1)
Bundy, G. L.; Peterson, D. C.; Cornette, J. C.; Miller, W. L.; Spilman, C. H.; Wilks, J. W. J. Med. Chem. 1983, 26, 1089-1099に類似の手順に従い、ジクロロメタン(4.8mL)中ビマトプロスト(Cayman Chemicals; 200 mg, 0.481 mmol)の溶液に、ブチルボロン酸(55.0 mg, 0.541 mmol)を添加した。42℃で1時間後に、いくらかのジクロロメタンが蒸発し、新鮮なジクロロメタンを添加した。蒸発−新鮮溶剤添加シーケンスを3度繰り返した。4Åのモレキュラーシーブを添加し、混合物を42℃で18時間撹拌した。4-ブロモブチリルクロリド(0.061 mL, 0.53 mL)を添加し、室温で48時間撹拌した。溶剤を減圧除去し、残渣をアセトニトリル(2.4mL)に溶解した。硝酸銀(163 mg, 0.962 mmol)を添加し、室温で18時間撹拌した。硝酸銀の追加100mgを添加し、40℃で2時間撹拌した。得られる混合物をセライトを通して濾過し、アセトニトリルで洗浄した。濾液を濃縮し、酢酸エチル(10mL)と塩水(2.5ml)に溶解した。有機層を分離し、塩水で洗浄(2×2.5ml)し、減圧濃縮した。残渣を分取逆相HPLC(水:アセトニトリル65→25%、0.1%酢酸含有)し、純フラクションを減圧濃縮し、A-1 (57mg, 22%)を黄色油として得た。COSYとHMBC NMRを使用して、C-15でのアルコールにおけるアシル化レギオケミストリーを確認した。C13, C14, C16, C17, C24, H14と H16間の相関が、下記の構造で示すように観察された。
Figure 0005401540
詳しくは、これらの多重NMR分析後に、メチンプロトンはC15, δ5.20 (q, J=6.47 Hz, 1 H) に帰属し、次いでHMBCでの相関を、C13, 14, 16, および17に加えて、δ171でのエステルカルボニルに示した。
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ1.00 (t, J=7.16 Hz, 3 H), 1.27 - 1.58 (m, 4 H), 1.83 - 2.04 (m, 9 H), 2.07 - 2.30 (m, 3 H), 2.45 (t, J=7.25 Hz, 2 H), 2.62 (t, J=7.72 Hz, 2 H), 2.97 - 3.12 (m, 2 H), 3.63 - 3.77 (m, 1 H), 3.88 - 3.97 (m, 1 H), 4.41 (s, 1 H), 4.51 - 4.63 (m, 3 H), 5.20 (q, J=6.47 Hz, 1 H), 5.25 - 5.34 (m, 1 H), 5.38 - 5.57 (m, 3 H), 7.14 - 7.22 (m, 3 H), 7.25 - 7.34 (m, 2 H), 7.70 (s, 1 H).
13C NMR (176 MHz, DMSO-d6) δ14.81, 21.76, 24.81, 25.32, 26.29, 29.92, 30.89, 33.21, 34.92, 35.69, 40.01, 44.01, 48.75, 54.24, 69.49, 72.89, 73.80, 75.47, 125.86, 128.22, 128.35, 128.99, 129.31, 135.81, 141.22, 171.36, 171.57.
LCMS (ESI): m/z 585.0 [MK]+.
HRMS (TOF): 計算値 C29H42N2O8Na [MNa]+: 569.28334. 実験値: 569.28202.
分析:計算値 C29H42N2O8-0.8H2O: C, 62.08; H, 7.83; N, 4.99. 実験値: C, 61.87; H, 7.82; N, 4.95.
スキームB
Figure 0005401540
実施例 B-1 (NCX470)
(1S,2E)-3-{(1R,2R,3S,5R)-2-[(2Z)-7-(エチルアミノ)-7-オキソヘプト-2-エン-1-イル]-3,5-ジヒドロキシシクロペンチル}-1-(2-フェニルエチルl)プロプ-2-エン-1-イル 6-(ニトロオキシ)ヘキサノエート (B-1)
工程1: (5Z)-7-{(6R,7R)-3-ブチル-7-[(1E,3S)-3-ヒドロキシ-5-フェニルペント-1-エン-1-イル]-2,4-ジオキサ-3-ボラビシクロ[3.2.1]オクト-6-イル}-N-エチルヘプト-5-エンアミド (b-1)
Figure 0005401540
Bundy, G. L.; Peterson, D. C.; Cornette, J. C.; Miller, W. L.; Spilman, C. H.; Wilks, J. W. J. Med. Chem. 1983, 26, 1089-1099に類似の手順に従い、DCM(10.9mL)中ビマトプロスト(Cayman Chemicals 16820, ロット188757; 679 mg, 1.63 mmol) の溶液に、ブチルボロン酸(butylboronic acid)を添加した。42℃で1時間後に溶剤を減圧除去し、高真空ポンプで2時間乾燥した。新鮮なDCMを添加し、42℃でさらに1時間撹拌した。溶剤を除去し、42℃で16時間撹拌した。溶剤を除去し、真空オーブン中45℃で3時間乾燥して904mg (100%) のボロネートb-1を油として得、精製することなく次の工程に直接使用した。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ0.50 - 0.66 (m, 2 H), 0.76 - 0.91 (m, 3 H), 0.98 (t, J=7.20 Hz, 3 H), 1.16 - 1.35 (m, 4 H), 1.52 (quin, J=7.39 Hz, 2 H), 1.57 - 1.71 (m, 2 H), 1.74 (br. s., 1 H), 1.78 - 2.09 (m, 6 H), 2.08 - 2.23 (m, 2 H), 2.23 - 2.32 (m, 1 H), 2.52 - 2.65 (m, 2 H), 2.95 - 3.12 (m, 2 H), 3.79 - 3.93 (m, 1 H), 4.02 (s, 1 H), 4.25 (br. s., 1 H), 4.75 (d, J=4.55 Hz, 1 H), 5.26 - 5.54 (m, 4 H), 7.09 - 7.22 (m, 3 H), 7.26 (t, J=7.45 Hz, 2 H), 7.62 - 7.82 (m, 1 H).
工程2: (1S,2E)-3-{(6R,7R)-3-ブチル-7-[(2Z)-7-(エチルアミノ)-7-オキソヘプト-2-エン-1-イル]-2,4-ジオキサ-3-ボラビシクロ[3.2.1]オクト-6-イル}-1-(2-フェニルエチル)プロプ-2-エン-1-イル 6-ブロモヘキサノエート (b-2)
Figure 0005401540
0℃でのDCM (12mL) 中 (5Z) -7-{(6R,7R)-3-ブチル-7-[(1E,3S)-3-ヒドロキシ-5-フェニルペント-1-エン-1-イル]-2,4-ジオキサ-3-ボラビシクロ[3.2.1]オクト-6-イル}-N-エチルヘプト-5-エナミド (b-1; 1.63 mmol)の溶液にDMAP (226mg, 1.79mmol) と6-ブロモヘキサノイルクロリド (282μL, 1.88mmol) をゆっくり導入した。室温で3日後に、他の0.25eq.のDMAP (57mg) と0.25eq.の6-ブロモヘキサノイルクロリド (71μL) を添加し、室温で1日撹拌した。追加の0.25eq.の6-ブロモヘキサノイルクロリド (71μL) を添加し、室温で16時間撹拌した。混合物をDCMで希釈し、水 (1回) と塩水 (1回) で洗浄した。DCM層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮し、粗エステルb-2を淡黄色油として1330mgを得、更に精製することなく使用した。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ0.57 (s, 2 H), 0.77 - 0.92 (m, 3 H), 0.98 (t, J=7.20 Hz, 3 H), 1.18 - 1.32 (m, 4 H), 1.39 (d, J=6.57 Hz, 3 H), 1.46 - 1.64 (m, 4 H), 1.81 (dt, J=13.89, 6.95 Hz, 6 H), 1.95 - 2.08 (m, 3 H), 2.08 - 2.24 (m, 2 H), 2.29 (t, J=7.20 Hz, 3 H), 2.51 - 2.62 (m, 3 H), 3.03 (dd, J=7.33, 5.56 Hz, 2 H), 3.62 (d, J=6.57 Hz, 2 H), 4.01 (s, 1 H), 4.19 - 4.33 (m, 1 H), 5.03 - 5.18 (m, 1 H), 5.36 (d, J=6.32 Hz, 2 H), 5.47 - 5.57 (m, 2 H), 7.16 (d, J=7.58 Hz, 3 H), 7.26 (d, J=7.07 Hz, 2 H), 7.61 - 7.81 (m, 1 H).
工程3: (1S,2E)-3-{(1R,2R,3S,5R)-2-[(2Z)-7-(エチルアミノ)-7-オキソヘプト-2-エン-1-イル]-3,5-ジヒドロキシシクロペンチル}-1-(2-フェニルエチル)プロプ-2-エン-1-イル6-(ニトロオキシ)ヘキサノエート (B-1)
Figure 0005401540
MeCN (10.1 mL) 中、(1S,2E)-3-{(6R,7R)-3-ブチル-7-[(2Z)-7-(エチルアミノ)-7-オキソヘプト-2-エン-1-イル]-2,4-ジオキサ-3-ボラビシクロ[3.2.1]オクト-6-イル}-1-(2-フェニルエチル)プロプ-2-エン-1-イル 6-ブロモヘキサノエート (b-2; 1.63 mmol) の溶液に硝酸銀 (1030 mg, 6.06 mmol) を添加した。室温で2時間撹拌後、他の0.5eq.の硝酸銀 (217mg) を添加し、室温で3日間撹拌した。混合物をセライトのパットを通して濾過した。固体をEtOAcで洗浄した。濾液を濃縮し、残渣をEtOAcに溶解した。溶液を水 (1回) と塩水 (1回) で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮して粗生成物を得、分取逆相HPLC (水、アセトニトリル、0.1%酢酸含有) で精製し、ナイトレートB-1の397mg (39.7%) を黄褐色の油として得た。
1H NMR (700 MHz, DMSO-d6) δ0.97 (t, J=7.08 Hz, 3 H), 1.28 - 1.37 (m, 3 H), 1.42 (ddd, J=14.04, 5.64, 2.43 Hz, 1 H), 1.47 (qd, J=7.45, 7.30 Hz, 2 H), 1.52 - 1.58 (m, J=7.63, 7.63, 7.52, 7.30 Hz, 2 H), 1.62 - 1.68 (m, J=7.35, 7.35, 7.19, 6.86 Hz, 2 H), 1.81 - 1.90 (m, 2 H), 1.93 (q, J=7.08 Hz, 3 H), 1.97 (t, J=7.52 Hz, 2 H), 2.08 (dd, J=13.49, 5.97 Hz, 1 H), 2.13 - 2.21 (m, 2 H), 2.29 (t, J=7.30 Hz, 2 H), 2.58 (t, J=7.96 Hz, 2 H), 2.99 - 3.05 (m, 2 H), 3.66 (t, J=7.96 Hz, 1 H), 3.89 (d, J=3.54 Hz, 1 H), 4.40 (d, J=4.87 Hz, 1 H), 4.49 (t, J=6.63 Hz, 1 H), 4.56 (d, J=5.75 Hz, 1 H), 5.15 (q, J=6.63 Hz, 1 H), 5.26 (t, J=7.08 Hz, 1 H), 5.38 - 5.45 (m, 1 H), 5.45 - 5.52 (m, 1 H), 7.16 (d, J=7.96 Hz, 2 H), 7.26 (t, J=7.52 Hz, 1 H), 7.63 - 7.73 (m, 1 H).
13C NMR (101 MHz, DMSO-d6) δ14.79, 24.02, 24.57, 24.78, 25.31, 25.71, 26.28, 30.89, 33.19, 33.48, 34.91, 35.74, 44.01, 48.75, 54.18, 69.47, 73.3, 73.65, 75.48, 125.83 128.20, 128.32, 128.95, 129.09, 129.29, 135.61, 141.21, 171.53, 171.97.
プロトン、gCOSY, gHSQC と gHMBC NMRスペクトルは、2Dスペクトルで視察したキーのホモとヘテロ−核相関と同様にプロトン化学シフト、インテグレーション、カップリングの詳細な点検に基づいて描いた構造に一致することが分かった。HSQCでの炭素相関の非存在が、ヒドロキシプロトンの同定をさせた。COSYスペクトルでヒドロキシプロトンと隣近のメチンとメチレン基の相関を観察してシクロペンチル環の置換を測定させた。ヒドロキシとメチンシグナルから明白な炭素共鳴へのHMBCでのキー相関を観察してさらなる構造確認をした。
キーの COSY相関を実施例B-1に対し観察した。
Figure 0005401540
COSYとHSQCが、ヒドロキシプロトンをδ4.56 (d, J=5.75 Hz, 1 H) と 4.40 (d, J=4.87 Hz, 1 H) での共鳴に帰属し、メチンプロトン C-9をδ3.89 (d, J=3.54 Hz, 1 H), C-11 to δ 3.66 (t, J=7.96 Hz, 1 H), そしてC15をδ5.15 (q, J=6.63 Hz, 1 H)に帰属する助けとなった。
キーのHMBC相関を実施例B-1に対し観察した。
Figure 0005401540
付着部位のキー相関が、δ171.91でのエステルのカルボニルに対しδ5.15 (q, J=6.63 Hz, 1 H) での共鳴で帰属したC-15でのプロトンに対しHMBCスペクトルで見出された。
LCMS (ES-API): m/z 597.2 (M+Na)+.
元素分析:計算値 C31H46N2O8: C, 64.79; H, 8.07; N, 4.87. 実験値: C, 64.71; H, 8.08; N, 4.90.
スキームC
Figure 0005401540
実施例 C-1 (NCX 471)
(1S,2E)-3-{(1R,2R,3S,5R)-2-[(2Z)-7-(エチルアミノ)-7-オキソヘプト-2-エン-1-イル]-3,5-ジヒドロキシシクロペンチル}-1-(2-フェニルエチル)プロプ-2-エン-1-イル 3-(2-{2-[2-(ニトロオキシ)エトキシ]エトキシ}エトキシ)プロパノエート (C-1)
工程 1: tert-ブチル 3-(2-{2-[2-(ニトロオキシ)エトキシ]エトキシ}エトキシ)プロパノエート (c-1)
Figure 0005401540
ジクロロメタン (45mL) 中、t-ブチル12-ヒドロキシ-4,7,10-トリオキサドデカノエート (Fluka; 2.50 g, 8.98 mmol) の-50℃溶液に、硝酸テトラエチルアンモニウム (3.45 g, 18.0 mmol) 、次いで2,6-ジ-t-ブチルピリジン (2.98 mL, 13.50 mmol) を添加した。メチレンクロリド (0.5mL) 中、トリフルオロメタンスルホン酸無水物 (1.66mL, 9.88mmol) をゆっくり添加し、-50℃で1時間撹拌し、次いで18時間かけて室温に暖めた。ジクロロメタン (45mL) と1N水性HCl (45ml) を添加した。有機層を分離し、塩水 (45mL) で洗浄し、MgSO4で乾燥し、減圧濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー (酢酸エチル−ヘキサン10-100%)で精製して、c-1(2.68 g, 92%) を無色の油として得た。
1H NMR (300 MHz, DMSO- d6) δ1.41 (s, 9 H), 2.43 (t, J=6.2 Hz, 2 H), 3.48 - 3.56 (m, 8 H), 3.60 (t, J=6.2 Hz, 2 H), 3.68 - 3.77 (m, 2 H), 4.60 - 4.73 (m, 2 H).
HRMS (TOF): 計算値 C13H26NO8 [MH]+: 324.16529. 実験値: 324.16601.
分析:計算値C13H25NO8: C, 48.29; H, 7.79; N, 4.33. 実験値: C, 48.21; H, 7.96; N, 4.39.
工程2: 3-(2-{2-[2-(ニトロオキシ)エトキシ]エトキシ}エトキシ)プロパン酸 (c-2)
Figure 0005401540
0℃のジクロロメタン (7.5ml) 中、c-1 (1.0 g , 3.1 mmol) の溶液に、トリフルオロ酢酸 (7.5mL) を添加し、3時間かけて室温に温めた。トルエン (2ml) を加え、次いで混合物を減圧濃縮し、酸c-2 (0.87 g, 100%) を無色の油として得、更に精製することなく使用した。
1H NMR (300 MHz, DMSO- d6) δ2.46 (t, J=6.3 Hz, 2 H), 3.49 - 3.58 (m, 8 H), 3.62 (t, J=6.4 Hz, 2 H), 3.70 - 3.76 (m, 2 H), 4.59 - 4.73 (m, 2 H).
LCMS (ESI): m/z 268.1 [MH]+.
HRMS (TOF): 計算値C9H18NO8 [MH]+: 268.10269. 実験値: 268.10435.
工程3: (1S,2E)-3-{(1R,2R,3S,5R)-2-[(2Z)-7-(エチルアミノ)-7-オキソヘプト-2-エン-1-イル]-3,5-ジヒドロキシシクロペンチル}-1-(2-フェニルエチル)プロプ-2-エン-1-イル 3-(2-{2-[2-(ニトロオキシ)エトキシ]エトキシ}エトキシ)プロパノエート (C-1)
Figure 0005401540
ジクロロメタン (2.5mL) 中の酸c-2 (204 mg, 0.764 mmol) の0℃溶液にオキサリルクロリド (0.065 mL, 0.764 mmol) を加え、18時間室温に温めた。ジクロロメタン (1mL) 中の粗アルコールb-1 (727 mg, 1.44 mmol) に、NMM (0.113 mL, 1.02 mmol) とDMAP (6.2 mg, 0.051 mmol) を加え、室温で18時間撹拌した。混合物を0℃に冷却し、追加のオキサリルクロリド (0.035mL) を加え、18時間室温に温めた。混合物を水 (0.5mL) でクエンチし、真空濃縮した。残渣を分取逆相HPLC (0.1%酢酸含有、水:アセトニトリル60→25%)で精製し、純フラクションを減圧濃縮して、C-1 (38 mg, 11%) を無色の油として得た。
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ0.98 (t, J=7.16 Hz, 3 H), 1.22 - 1.36 (m, 1 H), 1.40 - 1.56 (m, 3 H), 1.79 - 2.03 (m, 7 H), 2.06 - 2.29 (m, 3 H), 2.53 - 2.65 (m, 4 H), 2.94 - 3.11 (m, 2 H), 3.44 - 3.53 (m, 8 H), 3.60 - 3.71 (m, 5 H), 3.85 - 3.94 (m, 1 H), 4.37 - 4.41 (m, 1 H), 4.54 - 4.59 (m, 1 H), 4.61 - 4.65 (m, 2 H), 5.13 - 5.22 (m, 1 H), 5.23 - 5.30 (m, 1 H), 5.38 - 5.43 (m, 1 H), 5.46 - 5.51 (m, 2 H), 7.14 - 7.20 (m, 3 H), 7.23 - 7.31 (m, 2 H), 7.63 - 7.73 (m, 1 H).
LCMS (ESI): m/z 687.2 [MNa]+.
HRMS (TOF): 計算値C34H52N2O11Na [MNa]+: 687.34633. 実験値: 687.35495.
スキームD
Figure 0005401540
実施例 D-1
(1R)-3-{(1R,2R,3S,5R)-2-[(2Z)-7-(エチルアミノ)-7-オキソヘプト-2-エン-1-イル]-3,5-ジヒドロキシシクロペンチル}-1-(2-フェニルエチル)プロピル 4-(ニトロオキシ)ブタノエート (D-1)
Figure 0005401540
Bundy, G. L.; Peterson, D. C.; Cornette, J. C.; Miller, W. L.; Spilman, C. H.; Wilks, J. W. J. Med. Chem. 1983, 26, 1089-1099の手法に従い、実施例A-1、第1工程と同様の手順で、ジクロロメタン (17.5ml) 中のラタノプロストエチルアミド(Cayman Chemicals Lot 181408; 730 mg, 1.75 mmol) の溶液に、ブチルボロン酸 (butylboronic acid) (200mg, 1.97mmol) を加えた。42℃で1時間後、溶媒を減圧除去し、高真空ポンプで2時間乾燥した。新しいDCMを添加し、42℃に1時間撹拌した。溶媒を除去し、高真空ポンプで1.5時間乾燥した。新しいDCMを再び添加し、42℃で16時間撹拌した。溶媒を除去し、高真空ポンプで3.5時間乾燥して、ボロネートd-1 (767mg, 71.0%) を無色の油として得た。これを更に精製することなく、次の工程に直接使用した。
実施例A-1に類似の手法により、第2工程として、DCM (6.4ml) 中の粗(5Z)-7-{(6R,7R)-3-ブチル-7-[(3R)-3-ヒドロキシ-5-フェニルペンチル]-2,4-ジオキサ-3-ボラビシクロ[3.2.1]オクト-6-イル}-N-エチルヘプト-5-エナミド (d-1; 308 mg, 0.637 mmol) の0℃溶液に、N-メチルモルホリン (69mg, 0.669mmol) と4-ブロモブチリルクロリド (148mg, 0.796mmol) を添加した。混合物を温め、室温で22時間撹拌した。DCM (20mL) と水 (5mL) を添加した。有機層を分離し、塩水 (5mL) で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧濃縮して、ブロモエステルd-2の340mg (46%) を黄色油として得、さらなる精製をせずに使用した。
実施例A-1と類似の方法により、第3工程として粗(1S,2E)-3-{(6R,7R)-3-ブチル-7-[7-(エチルアミノ)-7オキソヘプチル]-2,4-ジオキサ-3-ボラビシクロ-[3.2.1]オクト-6-イル}-1-(2-フェニルエチル)プロプ-2-エン-1-イル 4-ブロモブタノエート (d-2, HPLCで46%純度の 340 mg, 理論的に 0.247 mmol) をアセトニトリル (5.4mL) に溶解した。硝酸銀 (160mg, 0.942mmol) を添加し、室温で3日間撹拌した。追加の硝酸銀91mgを加え、60℃で4時間撹拌した。生成する混合物をセライトのパッドで濾過し、EtOAcで洗浄した。濾液を濃縮し、酢酸エチル (10ml) に溶解し、水 (1回) と塩水 (1回) で洗い、減圧濃縮した。残渣を分取逆相HPLC (0.1%酢酸含有、水:アセトニトリル65-25%)で精製し、純なフラクションを減圧濃縮して、ナイトレートD-1の13mg (9.6%) を黄色油として得た。
1H NMR (400 MHz, CHLOROFORM-d) δ1.06 - 1.17 (m, 3 H), 1.29 - 1.48 (m, 2 H), 1.61 - 1.79 (m, 6 H), 1.81 - 1.94 (m, 4 H), 2.04 (qd, J=6.74, 6.57 Hz, 4 H), 2.08 - 2.26 (m, 4 H), 2.31 - 2.48 (m, 3 H), 2.63 (dt, J=9.16, 6.54 Hz, 2 H), 2.76 - 3.02 (m, 1 H), 3.20 - 3.36 (m, 2 H), 3.90 (br. s., 1 H), 4.15 (br. s., 1 H), 4.51 (t, J=6.32 Hz, 2 H), 4.86 - 5.08 (m, 1 H), 5.31 - 5.66 (m, 3 H), 7.12 - 7.23 (m, 3 H), 7.25 - 7.36 (m, 2 H).
LCMS (ES-API): m/z 549.2 (M+H)+.
HRMS (TOF): 計算値C29H43N2O8 [MH]+: 549.31704. 実験値: 549.31945.
スキームE
Figure 0005401540
実施例 E-16-{[(5Z)-7-{(1R,2R,3R,5S)-3,5-ジヒドロキシ-2-[(1E,3S)-3-ヒドロキシ-5-フェニルペント-1-エン-1-イル]シクロペンチル}ヘプト-5-エノイル](エチル)アミノ}-6-オキソヘキシルナイトレートおよび実施例 E-2(1S,2E)-3-{(1R,2R,3S,5R)-2-[(2Z)-7-{エチル[6-(ニトロオキシ)ヘキサノイル]アミノ}-7-オキソヘプト-2-エン-1-イル]-3,5-ジヒドロキシシクロペンチル}-1-(2-フェニルエチル)プロプ-2-エン-1-イル 6-(ニトロオキシ)ヘキサノエート
工程2: (5Z)-N-(6-ブロモヘキサノイル)-7-{(6R,7R)-3-ブチル-7-[(1E,3S)-3-ヒドロキシ-5-フェニルペント-1-エン-1-イル]-2,4-ジオキサ-3-ボラビシクロ[3.2.1]オクト-6-イル}-N-エチルヘプト-5-エナミド (e-1) および (1S,2E)-3-[(6R,7R)-7-{(2Z)-7-[(6-ブロモヘキサノイル)(エチル)アミノ]-7-オキソヘプト-2-エン-1-イル}-3-ブチル-2,4-ジオキサ-3-ボラビシクロ[3.2.1]オクト-6-イル]-1-(2-フェニルエチル)プロプ-2-エン-1-イル 6-ブロモヘキサノエート (e-2)
Figure 0005401540
(5Z)-7-{(6R,7R)-3-ブチル-7-[(1E,3S)-3-ヒドロキシ-5-フェニルペント-1-エン-1-イル]-2,4-ジオキサ-3-ボラビシクロ[3.2.1]オクト-6-イル}-N-エチルヘプト-5-エナミド (b-1; 708 mg, 1.47 mmol) のDCM (9.8ml) の0℃溶液に、ゆっくりNMM (190 mg, 1.84 mmol) と6-ブロモヘキサノイルクロリド (274μL, 1.84mmol) を加えた。次いで室温で3日間撹拌した。混合物をDCMで希釈し、水 (1回) と塩水 (1回) で洗浄した。DCM層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮して、819mgの粗生成物を得た。粗生成物は、さらに分取HPLC (水:アセトニトリル65→25%、0.1%酢酸含有)で精製し、純なフラクションを減圧濃縮し、e-1 (291mg;30.1%) とe-2 (90mg;7.3%) をそれぞれ得た。両方の中間体e-1とe-2は、さらに特徴付けすることなくそれぞれ使用した。
工程 3: 6-{[(5Z)-7-{(1R,2R,3R,5S)-3,5-ジヒドロキシ-2-[(1E,3S)-3-ヒドロキシ-5-フェニルペント-1-エン-1-イル]シクロペンチル}ヘプト-5-エノイル](エチル)アミノ}-6-オキソヘキシルナイトレート (E-1)
Figure 0005401540
MeCN (3.6mL) 中の(5Z)-N-(6-ブロモヘキサノイル)-7-{(6R,7R)-3-ブチル-7-[(1E,3S)-3-ヒドロキシ-5-フェニルペント-1-エン-1-イル]-2,4-ジオキサ-3-ボラビシクロ[3.2.1]オクト-6-イル}-N-エチルヘプト-5-エナミド (e-1; 240 mg, 0.364 mmol) の溶液に、硝酸銀 (186mg, 1.09mmol) を添加した。室温で1日撹拌後に、他の2eq.硝酸銀 (124mg) を添加し、室温でもう1日撹拌した。混合物をセライトのパッドで濾過した。固体をEtOAcで洗浄した。濾液を濃縮し、残渣をEtOAcに溶解した。溶液を水 (1回) と塩水 (1回) で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮して粗生成物を得た。これを分取逆相HPLC (水:アセトニトリル、0.1%酢酸含有)で精製し、160mg (76.5%) のイミドE-1を無色の油として得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ1.00 - 1.10 (m, 3 H), 1.25 - 1.41 (m, 4 H), 1.48 - 1.60 (m, 5 H), 1.61 - 1.77 (m, 5 H), 1.89 - 2.06 (m, 5 H), 2.09 - 2.26 (m, 4 H), 3.55 - 3.73 (m, 4 H), 3.83 - 3.97 (m, 2 H), 4.36 (d, J=4.80 Hz, 1 H), 4.44 - 4.54 (m, 3 H), 4.66 (d, J=4.55 Hz, 1 H), 5.21 - 5.32 (m, 1 H), 5.35 - 5.52 (m, 3 H), 7.11 - 7.20 (m, 3 H), 7.25 (t, J=7.45 Hz, 2 H).
LCMS (ES-API): m/z 597.2 (M+Na+).
13C NMR (176 MHz, DMSO-d6) δ14.14, 23.97, 24.39, 24.59, 24.77, 25.89, 26.04, 31.35, 36.48, 36.74, 38.45, 40.01, 43.96, 48.86, 54.26, 69.46, 70.59, 73.71, 75.73, 125.54, 128.18, 128.21, 128.73, 129.65, 132.13, 135.18, 142.25, 175.33, 175.40.
工程4: (1S,2E)-3-{(1R,2R,3S,5R)-2-[(2Z)-7-{エチル[6-(ニトロオキシ)ヘキサノイル] アミノ}-7-オキソヘプト-2-エン-1-イル]-3,5-ジヒドロキシシクロペンチル}-1-(2-フェニルエチル)プロプ-2-エン-1-イル 6-(ニトロオキシ)ヘキサノエート (E-2)
Figure 0005401540
MeCN (0.91mL) 中の(1S,2E)-3-[(6R,7R)-7-{(2Z)-7-[(6-ブロモヘキサノイル)(エチル)アミノ]-7-オキソヘプト-2-エン-1-イル}-3-ブチル-2,4-ジオキサ-3-ボラビシクロ[3.2.1]オクト-6-イル]-1-(2-フェニルエチル)プロプ-2-エン-1-イル 6-ブロモヘキサノエート (e-2; 700 mg, 0.838 mmol) の溶液に、硝酸銀 (93mg, 0.546mmol) を加えた。室温で1日間撹拌後に、他の4eq.の硝酸銀 (64mg) を加え、室温でさらに1日撹拌した。混合物をセオライトのパッドを通して濾過した。固体をEtOAcで洗浄した。濾液を濃縮し、残渣をEtOAcに溶解した。溶液を水 (1回) と塩水 (1回) で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮して粗生成物を得た。これを分取逆相HPLC (水:アセトニトリル、0.1%酢酸含有)で精製し、50mg (8.1%) のアミド−エステルE-2を無色の油として得た。
1H NMR (700 MHz, DMSO-d6) δ1.04 (t, J=7.08 Hz, 3 H), 1.26 - 1.38 (m, 5 H), 1.42 (dt, J=14.15, 2.87 Hz, 1 H), 1.48 - 1.59 (m, 6 H), 1.61 - 1.70 (m, 4 H), 1.79 - 1.92 (m, 2 H), 1.93 - 2.02 (m, 3 H), 2.03 - 2.10 (m, 1 H), 2.12 - 2.23 (m, 2 H), 2.24 - 2.33 (m, 2 H), 2.58 (t, J=7.30 Hz, 4 H), 2.65 (t, J=7.30 Hz, 2 H), 3.61 (q, J=7.08 Hz, 2 H), 3.64 - 3.69 (m, 1 H), 3.90 (d, J=3.54 Hz, 1 H), 4.40 (d, J=4.87 Hz, 1 H), 4.50 (q, J=6.49 Hz, 4 H), 4.57 (d, J=5.75 Hz, 1 H), 5.16 (q, J=6.19 Hz, 1 H), 5.23 - 5.30 (m, 1 H), 5.40 - 5.53 (m, 3 H), 7.16 (d, J=7.96 Hz, 3 H), 7.26 (t, J=7.74 Hz, 2 H).
13C NMR (176 MHz, DMSO-d6) δ14.61, 24.44, 24.50, 24.86, 25.07, 25.20, 26.19, 26.37, 26.47, 31.39, 33.97, 36.25, 37.00, 37.18, 38.93, 40.48, 44.51, 49.29, 54.69, 69.90, 73.83, 74.13, 74.19, 75.97, 126.31, 128.65, 128.79, 129.28, 129.61, 129.98, 136.12, 141.67, 172.43, 175.82, 175.89.
LCMS (ES-API): m/z 756.2 (M+Na)+.
スキームF
Figure 0005401540
工程1: 6-(ニトロオキシ)ヘキサン酸
Figure 0005401540
US2006/189603 A1に記載と同様に、硝酸銀をアセトニトリル (25ml) 中の6-ブロモヘキサン酸 (4.88g, 25mmol) の溶液に添加した。室温で12時間後に、濾過、蒸発後の残渣をBiotageでEtOAc-CH2Cl2 25-50%で溶出するシリカゲルクロマトグラフィーを行い、無色の油として生成物 (4.0g, 90%) を得た。
1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d6) δ1.40-1.60 (m, 2 H), 1.62 - 1.86 (m, 3 H),. 2.03 (s, 1 H), 2.41 (t, J=7.33 Hz, 2 H), 4.48 (t, J=6.57 Hz, 2 H), 10.20 (bs, 1H).
LCMS (ESI): m/z 200.20 (M+Na)+.
HRMS. 計算値C6H11NO5Na [M+Na]+: 200.0529. 実験値: 200.0531.
工程2: (1R,2R,3R,4S)-3-[(2Z)-7-(エチルアミノ)-7-オキソヘプト-2-エン-1-イル]-4-ヒドロキシ-2-[(1E,3S)-3-ヒドロキシ-5-フェニルペント-1-エン-1-イル]シクロペンチル6-(ニトロオキシ)ヘキサノエート (F-1)
(1S,2R,3R,4R)-2-[(2Z)-7-(エチルアミノ)-7-オキソヘプト-2-エン-1-イル]-4-ヒドロキシ-3-[(1E,3S)-3-ヒドロキシ-5-フェニルペント-1-エン-1-イル]シクロペンチル6-(ニトロオキシ)ヘキサノエート (F-2)
(1R,3S,4R,5R)-4-[(2Z)-7-(エチルアミノ)-7-オキソヘプト-2-エン-1-イル]-5-[(1E,3S)-3-ヒドロキシ-5-フェニルペント-1-エン-1-イル]シクロペンタン-1,3-ジイル ビス[6-(ニトロオキシ)ヘキサノエート] (F-3)
(1S,2E)-3-[(1R,2R,3S,5R)-2-[(2Z)-7-(エチルアミノ)-7-オキソヘプト-2-エン-1-イル]-3-ヒドロキシ-5-{[6-(ニトロ−オキシ)ヘキサノイル]オキシ}シクロペンチル]-1-(2-フェニルエチル)プロプ-2-エン-1-イル 6-(ニトロオキシ)ヘキサノエート (F-4)
Figure 0005401540
6- (ニトロオキシ) ヘキサン酸 (1.77g, 10.0mmol) を窒素気流下室温で、無水ジクロメタン (80ml) に溶解した。溶液を0℃に冷却し、次いで無水DMFの4滴とオキザリルクロリド (870μL, 10mmol) を添加し、室温に温めた。12時間後に、混合物をシリカプラグを通して濾過し、無水のジクロロメタン (50mL) で洗浄した。溶媒を蒸発させて粗製の想定の酸クロリド (6-ニトロキシ-ヘキサノイルクロリド) の1.71g (88%) を黄色油として得、これを精製することなく直ちに使用した。
ジクロロメタン (10ml) 中のビマトプロスト(Cayman Chemicals; 831 mg, 2.00 mmol) の0℃懸濁液に、窒素気流下で、DMAP樹脂 (Argonaut (Biotage“PS-DMAP”); 1.60 mmol/gの2.75 g, 4.20 mmol) と上記粗製の6-ニトロキシヘキサノイルクロリド (822mg, 2.1mmol) を添加した。0℃で20分後に、冷却浴を除去し、室温で18時間撹拌した。樹脂を濾別し、濾液を濃縮し、粗混合物を分取逆相HPLCで分離し、15-エステルF-1 (142mg, 12.4%) を無色油として、9-エステルF-2 (20mg, 1.7%) を白色固体として、9,11-ジアシルナイトレートF-3を無色油として、そして11,15-ジアシルエステルF-4を無色油としてそれぞれ得た。
実施例F-1
(1R,2R,3R,4S)-3-[(2Z)-7-(エチルアミノ)-7-オキソヘプト-2-エン-1-イル]-4-ヒドロキシ-2-[(1E,3S)-3-ヒドロキシ-5-フェニルペント-1-エン-1-イル]シクロペンチル6-(ニトロオキシ)ヘキサノエート
Figure 0005401540
1H NMR (700 MHz, DMSO-d6) δ 0.98 (t, J=7.30 Hz, 3 H), 1.31 (dq, J=7.74, 7.59 Hz, 2 H), 1.42 (dd, J=15.48, 3.98 Hz, 1 H), 1.45 - 1.50 (m, 2H), 1.50 - 1.54 (m, 2 H), 1.57 - 1.63 (m, J=7.35, 7.35, 7.19, 6.86 Hz, 2 H), 1.63 - 1.70 (m, 2 H), 1.95 (d, J=7.08 Hz, 2 H), 1.98 (t, J=7.52 Hz, 3 H), 2.11 (t, J=15.70 Hz, 1 H), 2.25 (t, J=7.30 Hz, 2 H), 2.33 (ddd, J=14.82, 9.29, 5.53 Hz, 1 H), 2.45 (t, J=8.18 Hz, 1 H), 2.55 - 2.64 (m, 2 H), 2.98 - 3.06 (m, 2H), 3.91 (qd, J=5.68, 5.53 Hz, 1 H), 3.95 (d, J=3.98 Hz, 1 H), 4.46 (t, J=6.63 Hz, 2 H), 4.61 (d, J=3.98 Hz, 1 H), 4.75 (d, J=4.87 Hz, 1 H), 4.77 (dd,J=7.74, 4.64 Hz, 1 H), 5.24 - 5.32 (m, 1 H), 5.38 - 5.49 (m, 3 H), 7.16 (d, J=7.52 Hz, 3 H), 7.25 (t, J=7.74 Hz, 2 H), 7.70 (t, J=4.64 Hz, 1 H).
13C NMR (176 MHz, DMSO-d6): δ 14.78, 24.04, 24.34, 24.49, 25.29, 25.67, 26.31, 31.14, 33.20, 33.40, 34.90, 40.00, 41.30, 48.67, 50.77, 69.27, 69.92, 73.88, 78.27, 125.54, 128.17, 128.22, 128.94, 129.24, 129.84, 136.07, 142.23, 171.57, 172.62.
構造は、2Dスペクトルで観察したキーのホモ及びヘテロ−核相関ならびにプロトン化学シフト、インテグレーション、カップリングを詳細に調べて、記述のごとく確認した。HSQCで炭素相関が存在しないことでヒドロキシプロトンの同定をさせた。COSYスペクトルで、ヒドロキシプロトンと隣接のメチンとメチレンプロトンの相関を観察してシクロペンチル環の置換を決定させた。
キーCOSY相関を観察した。
Figure 0005401540
キーHMBC相関を観察した。
Figure 0005401540
付着部位のキー相関は、δ172.62でのエステルのカルボニル(上記7)に対しδ4.77の共鳴に帰属したC-11でのプロトン(上記1)のHMBCスペクトルで見出された。
LCMS ESI: m/z 597.2 (M+Na+).
HRMS. 計算値C29H42BrNO5Na [M+Na]+: 597.3146. 実験値: 597.3134
実施例F-2
(1S,2R,3R,4R)-2-[(2Z)-7-(エチルアミノ)-7-オキソヘプト-2-エン-1-イル]-4-ヒドロキシ-3-[(1E,3S)-3-ヒドロキシ-5-フェニルペント-1-エン-1-イル]シクロペンチル6-(ニトロオキシ)ヘキサノエート
Figure 0005401540
1H NMR (700 MHz, DMSO-d6) δ 0.98 (t, J=7.30 Hz, 3 H), 1.17 - 1.30 (m, 2 H), 1.33 - 1.41 (m, 4 H), 1.47 (dt, J=15.48, 7.74 Hz, 2 H), 1.56 (qd, J=7.67, 7.52 Hz, 2 H), 1.59 - 1.74 (m, 5 H), 1.86 (dd, J=13.71, 7.96 Hz, 1 H), 1.90 - 1.96 (m, 1 H), 1.98 (t, J=7.52 Hz, 2 H), 2.02 (t, J=5.09 Hz, 2 H), 2.17 (dt, J=11.94, 7.96 Hz, 1 H), 2.29 (q, J=7.08 Hz, 2 H), 2.36 (ddd, J=14.82, 8.62, 6.19 Hz, 1 H), 2.56 - 2.66 (m, 2 H), 3.03 (dd, J=7.30, 5.53 Hz, 2 H), 3.76 (dd, J=13.71, 2.65 Hz, 1 H), 3.88 - 3.95 (m, 1 H), 4.50 (t, J=6.63 Hz, 2 H), 4.73 (d, J=4.42 Hz, 1 H), 4.75 (d, J=5.75 Hz, 1 H), 4.91 (t, J=4.64 Hz, 1 H), 5.29 (d, J=4.42 Hz, 1 H), 5.36 - 5.44 (m, 1 H), 5.46 - 5.53 (m, 1 H), 7.10 - 7.20 (m, 3 H), 7.26 (t, J=7.52 Hz, 2 H), 7.70 (qd, J=5.68, 5.53 Hz, 1 H).
13C NMR (176 MHz, DMSO-d6) δ 14.78, 24.00, 24.58, 24.64, 25.23, 25.73, 26.33, 31.32, 33.19, 33.57, 34.85, 40.01, 41.45, 46.55, 54.70, 70.30, 73.67, 73.76, 75.04, 125.57, 128.05, 128.23, 128.26, 129.73, 130.77, 136.00, 142.27, 171.43, 172.27.
プロトン化学シフト、インテグレーション、カップリングならびに2Dスペクトルで観察したキー ホモとヘテロ核相関を詳細に観察して、描いたごとき構造を確認した。
HSQCにおける炭素相関の不存在により、ヒドロキシプロトンの確認をした。COSYスペクトルにおけるヒドロキシプロトンから隣接のメチンおよびメチンプロトンへの相関を観察して、シクロペンチル環の置換を確認できた。
観察したキーCOSY相関
Figure 0005401540
COSYとHSQCは、ヒドロキシプロトンをδ4.73 (d, J=4.42 Hz, 1 H), 4.75 (d, J=5.75 Hz, 1 H) での共鳴に、メチンプロトン;C-9(上記4)をδ4.91 (t, J=4.64 Hz, 1 H)に、 C-11(上記1)をδ3.88-3.95 (m, 1H) に、そしてC-15(上記9)をδ3.76 (dd, J=13.71, 2.65 Hz, 1 H) に帰属する助けとなった。
観察したキーHMBC相関
Figure 0005401540
付着部位のキー相関は、δ172.27でのエステルのカルボニル(上記20)に対し、δ4.91 (t, J=4.64 Hz, 1 H) での共鳴で同定されたC-9(上記4)でのプロトンに対しHMBCスペクトルで見出した。
LCMS (ESI): m/z 597.2 (M+Na+).
HRMS. 計算値C29H42BrNO5Na [M+Na]+: 597.3146. 実験値: 597.3123.
実施例F-3
(1R,3S,4R,5R)-4-[(2Z)-7-(エチルアミノ)-7-オキソヘプト-2-エン-1-イル]-5-[(1E,3S)-3-ヒドロキシ-5-フェニルペント-1-エン-1-イル]シクロペンタン-1,3-ジイル ビス[6-(ニトロオキシ)ヘキサノエート] (F-3)
Figure 0005401540
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 7.71 (br. s., 1 H), 7.23 - 7.32 (m, 2 H), 7.17 (d, J=7.33 Hz, 3 H), 5.44 - 5.61 (m, 2 H), 5.25 - 5.38 (m, 2 H), 4.95 - 5.22 (m, 1 H), 4.84 - 4.90 (m, 1H), 4.76 - 4.83 (m, 1 H), 4.43 - 4.55 (m, 5 H), 3.86 - 4.03 (m, 1 H), 2.97 - 3.10 (m, 2 H), 2.57 - 2.64 (m, 2 H), 2.54 - 2.57 (m, 1 H), 2.41 - 2.48 (m, 1 H), 2.21 - 2.36 (m, 5 H), 1.84 - 2.10 (m, 6 H), 1.43 - 1.72 (m, 12 H), 1.25 - 1.41 (m, 4 H), 0.99 (t, J=7.33 Hz, 3 H).
HRMS. 計算値 C37H55N3O12Na[M+Na]+: 756.3679.実験値: 756.3646
分析:計算値 C37H55N3O12・0.28H2O: C, 60.04; H, 7.59; N, 5.68. 実験値: C, 60.03; H, 7.53; N, 5.67.
実施例F-4
(1S,2E)-3-[(1R,2R,3S,5R)-2-[(2Z)-7-(エチルアミノ)-7-オキソヘプト-2-エン-1-イル]-3-ヒドロキシ-5-{[6-(ニトロ−オキシ)ヘキサノイル]オキシ}シクロペンチル]-1-(2-フェニルエチル)プロプ-2-エン-1-イル 6-(ニトロオキシ)ヘキサノエート (F-4)
Figure 0005401540
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 7.70 (br. s., 1 H), 7.27 (t, J=7.45 Hz, 2 H), 7.11 - 7.22 (m, 3 H), 5.35 - 5.46 (m, 1H), 5.48 - 5.57 (m, 2 H), 5.21 - 5.34 (m, 1 H), 5.09 - 5.18 (m, 1 H), 4.74 - 4.85 (m, 1 H), 4.66 (d, J=4.04 Hz, 1 H), 4.48 (dt, J=12.95, 6.54 Hz, 5 H), 3.89 - 4.02 (m, 1 H), 2.97 - 3.09 (m, 2 H), 2.63 - 2.74 (m, 1 H), 2.55 - 2.70 (m, 2H), 2.19 - 2.37 (m, 6 H), 1.82 - 2.03 (m, 6 H), 1.57 - 1.71 (m, 4 H), 1.41 - 1.57 (m, 8 H), 1.25 - 1.41 (m, 4 H), 0.98 (t, J=7.20 Hz, 3 H).
HRMS. 計算値 C37H55N3O12Na [M+Na]+: 756.3678. 実験値: 756.3641.
分析:計算値 C37H55N3O12-0.08H2O: C, 60.44; H, 7.56; N, 5.71. 実験値: C, 60.45; H, 7.55; N, 5.67.
スキームG
Figure 0005401540
実施例 G-1
(2R,3R)-3-[(2Z)-7-(エチルアミノ)-7-オキソヘプト-2-エン-1-イル]-4-ヒドロキシ-2-[(1E,3S)-3-ヒドロキシ-5-フェニルペント-1-エン-1-イル]シクロペンチル 4-(ニトロオキシ)ブチルカーボネート (G-1)
工程 1: 4-クロロブチル (2R,3R)-3-[(2Z)-7-(エチルアミノ)-7-オキソヘプト-2-エン-1-イル]-4-ヒドロキシ-2-[(1E,3S)-3-ヒドロキシ-5-フェニルペント-1-エン-1-イル]シクロペンチルカーボネート (g-1)
Figure 0005401540
DCM (3mL) 中のビマトプラスト(Cayman Chemicals 16820, Lot 188757; 123 mg, 0.30 mmol) の0℃溶液に、DMAP (39mg, 0.31mmol) を添加し、次いで4-クロロブチルクロロホルメート (43μl, 0.31mmol) をゆっくり添加した。室温で3日後に、混合物をDCMで希釈し、水 (1回) と塩水 (1回) で洗浄した。DCM層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下に濃縮した。レジオアイソマーとジアシル化生成物の粗混合物をカラムクロマトグラフィー (酢酸エチル-ヘキサン25-100%、次いでメタノール-ジクロロメタン5-15%) に付し、単離された主成分として、11-アシル化クロリドg-1 (25mg,15%) を無色油として得た。
LCMS (ES-API): m/z 572.2 (M+Na)+.
工程2: (2R,3R)-3-[(2Z)-7-(エチルアミノ)-7-オキソヘプト-2-エン-1-イル]-4-ヒドロキシ-2-[(1E,3S)-3-ヒドロキシ-5-フェニルペント-1-エン-1-イル]シクロペンチル 4-ヨードブチルカーボネート (g-2)
Figure 0005401540
4-クロロブチル(2R,3R)-3-[(2Z)-7-(エチルアミノ)-7-オキソヘプト-2-エン-1-イル]-4-ヒドロキシ-2-[(1E,3S)-3-ヒドロキシ-5-フェニルペント-1-エン-1-イル]シクロペンチルカーボネート (g-1; 25 mg, 0.045 mmol) をアセトン (0.9ml) に溶解した。沃化ナトリウム (68mg, 0.45mmol) を溶液に添加した。混合物に135℃で35分間マイクロ波を付し、減圧濃縮した。残渣をEA+水に溶解した。EA相を分離し、塩水で洗い、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮して23mg (80%) の粗ヨーダイドg-2を得、精製することなく直ちに使用した。
LCMS (ES-API): m/z 664.2 (M+Na)+.
工程3: (2R,3R)-3-[(2Z)-7-(エチルアミノ)-7-オキソヘプト-2-エン-1-イル]-4-ヒドロキシ-2-[(1E,3S)-3-ヒドロキシ-5-フェニルペント-1-エン-1-イル]シクロペンチル4-(ニトロオキシ)ブチルカーボネート (G-1)
Figure 0005401540
MeCN (0.72ml) 中の(2R,3R)-3-[(2Z)-7-(エチルアミノ)-7-オキソヘプト-2-エン-1-イル]-4-ヒドロキシ-2-[(1E,3S)-3-ヒドロキシ-5-フェニルペント-1-エン-1-イル]シクロペンチル4-ヨードブチルカーボネート (g-2; 23 mg, 0.036 mmol) の溶液に、硝酸銀 (18g, 0.108mmol) を添加した。室温で一夜撹拌後、混合物をセライトのパッドで濾過し、固形物をACNで洗浄した。濾液を濃縮し、残渣をEtOAc+水に溶解した。EtOAc相を塩水 (1×) で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮して粗混合物を得た。これを次いで分取逆相HPLC(水:アセトニトリル、0.1%酢酸含有)で精製して、所望の生成物8.0mg (42%) を得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 0.98 (t, J=7.33 Hz, 3 H), 1.35 - 1.57 (m, 4 H), 1.58 - 1.74 (m, 6 H), 1.90 - 2.03 (m, 5 H), 2.03 - 2.17 (m, 1 H), 2.34 (ddd, J=14.65, 9.09, 5.31 Hz, 1 H), 2.42 - 2.49 (m, 1 H), 2.52 - 2.63 (m, 2 H), 2.96 - 3.09 (m, 2 H), 3.85 - 3.98 (m, 2 H), 3.99 - 4.14 (m, 2 H), 4.44 - 4.57 (m, 2 H), 4.62 - 4.74 (m, 2 H), 4.78 (d, J=4.55 Hz, 1 H), 5.29 (dt, J=10.67, 7.17 Hz, 1 H), 5.37 - 5.55 (m, 3 H), 7.10 - 7.20 (m, 3 H), 7.21 - 7.32 (m, 2 H), 7.70 (t, J=5.05 Hz, 1 H).
LCMS (ES-API): m/z 599.2 (M+Na)+.
HRMS (TOF): 計算値C30H44N2O9Na[MNa]+: 599.29390. 実験値: 599.29203.
実施例G-2
(1S,2E)-3-{(1R,2R,3S,5R)-2-[(2Z)-7-(エチルアミノ)-7-オキソヘプト-2-エン-1-イル]-3,5-ジヒドロキシシクロペンチル}-1-(2-フェニルエチル)プロプ-2-エン-1-イル4-(ニトロオキシ)ブチルカーボネート (G-2)
Figure 0005401540
実施例G-1のルートと類似のルートで、但しボロネートb-1を使用することを除き、3-クロロプロピルクロロホルメート(100%粗収率)でアシル化し、アセトン中のNaI(22%)で交換し、硝酸銀でニトロ化し、分取HPLCを行い55mg(49%)のカーボネートG-2を無色の油として得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 0.98 (t, J=7.33 Hz, 3 H), 1.27 - 1.39 (m, 1 H), 1.39 - 1.55 (m, 3 H), 1.60 - 1.83 (m, 4 H), 1.80 - 2.03 (m, 7 H), 2.04 - 2.26 (m, 3 H), 2.60 (t, J=7.83 Hz, 2 H), 2.97 - 3.10 (m, 2 H), 3.60 - 3.74 (m, 2 H), 3.91 (br. s., 1 H), 4.02 - 4.16 (m, 2 H), 4.35 - 4.48 (m, 1 H), 4.54 (t, J=6.19 Hz, 1 H), 4.57 - 4.69 (m, 1 H), 4.97 (q, J=6.74 Hz, 1 H), 5.20 - 5.33 (m, 1 H), 5.37 - 5.63 (m, 3 H), 7.12 - 7.22 (m, 3 H), 7.23 - 7.35 (m, 2 H), 7.63 - 7.77 (m, 1 H).
LCMS (ESI): m/z 599.2 (M+Na)+.
分析:計算値 C30H44N2O9 0.4C6H10: C, 63.84; H, 7.94; N, 4.38. 実験値: C, 63.66; H, 8.13; N, 4.38.
スキームH
Figure 0005401540
実施例 H-1
(1R,2R,3R,4S)-3-[(2Z)-7-(エチルアミノ)-7-オキソヘプト-2-エン-1-イル]-4-ヒドロキシ-2-[(1E,3S)-3-ヒドロキシ-5-フェニルペント-1-エン-1-イル]シクロペンチル4-(ニトロオキシ)ブタノエート
工程1: (1R,2R,3R,4S)-3-[(2Z)-7-(エチルアミノ)-7-オキソヘプト-2-エン-1-イル]-4-ヒドロキシ-2-[(1E,3S)-3-ヒドロキシ-5-フェニルペント-1-エン-1-イル]シクロペンチル4-ブロモブタノエート (h-1)
Figure 0005401540
無水ジクロロメタン (5.2ml) 中のビマトプロスト(Cayman Chemicals; 540 mg, 1.30 mmol) の0℃懸濁液に、DMAP (850mg, 1.33mmol) と4-ブロモブチリルクロリド (0.154ml, 0.32mmol) を添加し、72時間撹拌した。得られた混合物を濾過し、窒素気流中溶媒を除去した。残渣をジクロロメタンに再溶解し、飽和NaHCO3と塩水で洗浄し、MgSO4で乾燥して、粗混合物を得た。これを分取逆相HPLCで主要な分離可能な純成分として、11-ブロモエステルh-1を無色の油として42mg (6%) 得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 7.70 (bs., 1 H), 7.22 - 7.32 (m, 2 H), 7.10 - 7.21 (m, 3 H), 5.37 - 5.54 (m, 3 H), 5.20 - 5.35 (m, 1 H), 4.72 - 4.86 (m, 2 H), 4.57 - 4.66 (m, 1 H), 3.84 - 4.01 (m, 2 H), 3.51 (t, J=6.57 Hz, 2 H), 2.96 - 3.10 (m, 2 H), 2.54 - 2.66 (m, 2 H), 2.21 - 2.45 (m, 4 H), 2.05 - 2.21 (m, 1 H), 1.89 - 2.04 (m, 7 H), 1.57 - 1.73 (m, 2 H), 1.30 - 1.54 (m, 4 H), 0.98 (t, J=7.33 Hz, 3 H).
LCMS (ESI): m/z 588.2 (M+Na)+.
HRMS: 計算値 C29H42BrNO5Na [M+Na]+: 586.2138. 実験値: 586.2132.
工程2: (1R,2R,3R,4S)-3-[(2Z)-7-(エチルアミノ)-7-オキソヘプト-2-エン-1-イル]-4-ヒドロキシ-2-[(1E,3S)-3-ヒドロキシ-5-フェニルペント-1-エン-1-イル]シクロペンチル4-(ニトロオキシ)ブタノエート
Figure 0005401540
アセトニトリル (0.3ml) 中の(1R,2R,3R,4S)-3-[(2Z)-7-(エチルアミノ)-7-オキソヘプト-2-エン-1-イル]-4-ヒドロキシ-2-[(1E,3S)-3-ヒドロキシ-5-フェニルペント-1-エン-1-イル]シクロペンチル 4-ブロモブタノエート (h-1; 40 mg, 0.071 mmol)に、硝酸銀 (36mg, 0.213mmol) を添加した。室温で18時間後に、混合物をセライトを通して濾過し、アセトニトリル (10ml) で洗浄した。濾液を濃縮し、酢酸エチル (15ml) に溶解し、塩水 (2×3ml) で洗浄した。濃縮物を分取逆相HPLCで精製し、ナイトレートH-1の19mg (49%) を無色の油として得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 7.71 (bs., 1 H), 7.26 (t, J=7.45 Hz, 2 H), 7.10 - 7.19 (m, 3 H), 5.37 - 5.51 (m, 3 H), 5.21 - 5.35 (m, 1 H), 4.70 - 4.83 (m, 2 H), 4.63 (d, J=4.04 Hz, 1 H), 4.51 (t, J=6.57 Hz, 2 H), 3.86 - 3.99 (m, 2 H), 2.96 - 3.10 (m, 2 H), 2.53 - 2.64 (m, 3 H), 2.26 - 2.41 (m, 3 H), 2.05 - 2.17 (m, 1 H), 1.81 - 2.05 (m, 7 H), 1.59 - 1.74 (m, 2 H), 1.34 - 1.54 (m, 4 H), 0.98 (t, J=7.20 Hz, 3H).
LCMS (ESI): m/z 569.2 (M+Na+).
HRMS: 計算値 C29H42N2O8Na [M+Na]+: 569.2833. 実験値: 569.2822.
スキームJ
Figure 0005401540
実施例 J-1
(1R,2R,3R,4S)-3-[(2Z)-7-(エチルアミノ)-7-オキソヘプト-2-エン-1-イル]-4-ヒドロキシ-2-[(1E,3S)-3-ヒドロキシ-5-フェニルペント-1-エン-1-イル]シクロペンチル 4-(ニトロオキシ)ブチルブタンジオエート
工程 1: 4-[4-(ニトロオキシ)ブトキシ]-4-オキソブタン酸 (j-2)
Figure 0005401540
トリエチルアミン (0.79mL, 5.6mmol) 含有のt-BuOH (19 mL) 中の粗4-ヒドロキシブチルナイトレート (j-1; 0.889g, 3.78 mmol; 米国特許出願 US2006/189603 A1) の溶液に、コハク酸無水物 (0.790g, 7.90mmol) を加え、室温で12時間撹拌した。2.5%水性H3PO4液を加えた。ジクロロメタン (3×50mL) で抽出し、合体した有機層をMgSO4で乾燥し、ろ過し、溶媒を減圧除去した。残渣をシリカゲルを有するBiotageで精製し、CH2Cl2中5-20%EtOAcの傾斜で溶離し、サクシネートj-2を無色の油 (820mg, 92%) として得、更なる精製をせず使用した。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 12.23 (s, 1 H), 4.49 - 4.58 (m, 2 H), 4.00 - 4.08 (m, 2 H), 2.43 - 2.49 (m, 4 H), 1.59 - 1.77 (m, 4 H)
工程 2: (1R,2R,3R,4S)-3-[(2Z)-7-(エチルアミノ)-7-オキソヘプト-2-エン-1-イル]-4-ヒドロキシ-2-[(1E,3S)-3-ヒドロキシ-5-フェニルペント-1-エン-1-イル]シクロペンチル 4-(ニトロオキシ)ブチルブタンジオエート (J-1)
Figure 0005401540
粗4-[4-(ニトロオキシ)ブトキシ]-4-オキソブタン酸 (30 mg, 0.13 mmol) を無水ジクロロメタン (1.28mL) に窒素気流中室温で溶解した。溶液を0℃に冷却し、次いで、無水のDMF (0.25mL) とオキザリルクロリド (10μL, 0.128mmol) を加えた。室温で12時間撹拌後、混合物をシリカプラグを通して濾過し、無水ジクロロメタン (5mL) で洗浄した。溶媒を除去し、予定した酸クロリド (4-(ニトロオキシ) ブチル4-クロロ-4-オキソブタノエート) を無色の油32mg (100%) を得、さらに特徴付け又は精製することなく直ちに使用した。
ジクロロメタン中のビマトプロスト (Cayman Chemicals; 25 mg, 0.024 mmol) の0℃懸濁液に、DMP樹脂 (Argonaut (Biotage“PS-DMAP”)、1.6mmol/gの30 mg、0.024 mmol) と上記粗4-(ニトロオキシ)ブチル4-クロロ-4-オキソブタノエートを添加した。0℃で20分後に冷却浴を除き、室温で72時間撹拌した。樹脂を濾別し、濾液を濃縮して、粗混合物を油として得た。これをBiotage装置を有するフラッシュクロマトグラフィーで、CH2Cl2含有EtOAc 25-100%の傾斜で溶離し、J-1の19mg (30%) を無色の油として得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 7.70 (s, 1H), 7.26 (t, J=7.45 Hz, 2 H), 7.17 (d, J=7.83 Hz, 3 H), 5.76 (s, 2 H), 5.36 - 5.52 (m, 3 H), 5.31 (s, 1 H), 4.75 (d, J=4.80 Hz, 2 H), 4.62 (d, J=4.04 Hz, 1 H), 4.48 - 4.58 (m, 4 H), 3.93 (d, J=18.44 Hz, 2 H), 2.96 - 3.09 (m, 2 H), 2.63 - 2.71 (m, 1 H), 2.56 (d, J=1.77 Hz, 3 H), 2.22 - 2.36 (m, 2 H), 1.96 (s, 2 H), 1.56 - 1.80 (m, 10 H), 1.34 - 1.53 (m, 4 H), 0.98 (t, J=7.20 Hz, 3H).
LCMS (ESI): m/z 655.2 (M+Na)+.
HRMS: 計算値 C33H48N2O10Na [M+Na]+: 655.3201. 実験値: 655.3180
実施例 J-2
(1R,2E)-3-{(1R,2R,3S,5R)-2-[(2Z)-7-(エチルアミノ)-7-オキソヘプト-2-エン-1-イル]-3,5-ジヒドロキシシクロペンチル}-1-(2-フェニルエチル)プロプ-2-エン-1-イル 4-(ニトロオキシ)ブチルブタンジオエート
Figure 0005401540
実施例J-1に類似の方法で、酸j-2を保護ビマトプロストボロネートb-1とカップリングさせ、Biotageを有するクロマトグラフィーで精製し、15-エステルナイトレートJ-2の133mg (18.1%) を無色の油として得た。
1H NMR (700 MHz, DMSO-d6) δ 0.98 (t, J=7.30 Hz, 3H), 1.21 - 1.32 (m, 2H), 1.42 (dd, J=15.48, 3.98Hz, 2H), 1.44 - 1.55 (m, 4H), 1.56 - 1.70 (m, J=7.35, 7.35, 7.19, 6.86 Hz, 4H), 1.85 - 2.05 (m, 5H), 2.05 2.17 (m, 1H), 2.25 (t, J=7.30 Hz, 2H), 2.33 (ddd, J=14.82, 9.29, 5.53 Hz, 1H), 2.46 (ddd, J=11.83, 8.07, 7.96 Hz, 1H), 2.54 - 2.65 (m, 2H), 2.95 - 3.08(m, 2H), 3.84 - 4.00 (m, 2H), 4.46 (t, J=6.63 Hz, 2H), 4.61 (d, J=3.98 Hz, 1H), 4.77 (ddd, J=12.27, 4.53, 4.42 Hz, 2H), 5.21 - 5.35 (m, 1H), 5.36 - 5.55 (m, 3H), 7.16 (d, J=7.52 Hz, 3H), 7.25 (t, J=7.74 Hz, 2H), 7.70 (t, J=4.64 Hz, 1H).
HRMS. 計算値 C31H46N2O8Na [M+Na]+: 597.3146. 実験値: 597.3133.
分析:計算値 C31H46N2O8・0.33 H2O: C, 64.12; H, 8.10; N, 4.82. 実験値: C, 64.11; H, 8.07; N, 4.80.
スキームM
Figure 0005401540
実施例M-1: (1S,2E)-3-{(1R,2R,3S,5R)-2-[(2Z)-7-(エチルアミノ)-7-オキソヘプト-2-エン-1-イル]-3,5-ジヒドロキシシクロペンチル}-1-(2-フェニルエチル)プロプ-2-エン-1-イル (5S)-5-(ニトロオキシ)ヘキサノエート
工程 1: (R)-tert-ブチル 5-ニトロオキシヘキサノエート (m-2)
Figure 0005401540
酢酸無水物 (20mL) 中のHNO3 (8.40 mL, 188 mmol) の0℃溶液に、CH2Cl2 (20 mL) 中の (R)-tert-ブチル 5-ヒドロキシヘキサノエート (m-1; Pamies, O.; Backvall, J. E. J. Org. Chem. 2002, 67, 1261-1265; 5.84 g, 31 mmol)の 溶液を添加した。混合物を0℃で15分間撹拌し、氷冷した10%水性NaOH中に添加した。有機層を分離し、H2O, NaHCO3 と塩水で洗浄し、Na2SO4 で乾燥し、濃縮した。粗残渣を、酢酸エチル/ヘキサンの0/100−20/80の傾斜で溶離するフラッシュクロマトグラフィーで精製して、所望のt-ブチルエステルm-2を得、さらに精製せずに使用した。
1H-NMR (300 MHz, CDCl3): δ 5.09 (m, 1H); 2.25 (m, 2H); 1.69 (m, 4H); 1.45 (s, 9H); 1.38 (d, 3H, J=6.2 Hz).
工程 2: (R)-5-ニトロオキシヘキサン酸 (m-3)
Figure 0005401540
CH2Cl2 (50 mL) 中の粗 (R)-tert-ブチル 5-ニトロオキシヘキサノエート (31 mmol) の0℃溶液に、BF3・Et2O (5.1 mL, 40 mmol) を添加した。1時間後に混合物を塩水で洗浄し、Na2SO4 で乾燥した。溶媒の量を減少させた。得られた溶液を、更に精製することなく次の工程に使用した。
1H-NMR (300 MHz, CDCl3): δ 5.11 (m, 1H); 2.43 (m, 2H); 1.75 (m, 4H); 1.39 (d, 3H, J=6.2 Hz).
工程 3: (R)-4-ニトロフェニル 5-ニトロオキシヘキサノエート (m-4)
Figure 0005401540
CH2Cl2 (20 mL) 中の(R)-5-ニトロキシヘキサン酸 (1.50 g, 8.57 mmol)、4-ニトロフェノール (1.20 g, 8.57 mmol)、N-(3-ジメチルアミノプロピル)-N'-エチルカルボジイミド塩酸塩 (EDAC; 2.00 g, 10.3 mmol) およびDMAP (触媒量) の溶液を、室温で3日間撹拌し、溶媒を減圧除去して、粗生成物を得た。これを次いで酢酸エチル/ヘキサンの0/100−20/80の傾斜で溶離するフラッシュクロマトグラフィーで精製し、フェニルエステルm-4 (780 mg, 31%) を得、これをさらに精製せずに使用した。
1H-NMR (300 MHz, CDCl3): δ 8.25 (d, 2H); 7.27 (d, 2H); 5.12 (m, 1H); 2.67 (m, 2H); 1.83 (m, 4H); 1.40 (d, 3H, J 6.2 Hz)
工程 4: (1S,2E)-3-{(1R,2R,3S,5R)-2-[(2Z)-7-(エチルアミノ)-7-オキソヘプト-2-エン-1-イル]-3,5-ジヒドロキシシクロペンチル}-1-(2-フェニルエチル)プロプ-2-エン-1-イル (5S)-5-(ニトロオキシ)ヘキサノエート
Figure 0005401540
CH2Cl2 (20 mL) 中の(5Z)-7-{(6R,7R)-3-ブチル-7-[(1E,3S)-3-ヒドロキシ-5-フェニルペント-1-エン-1-イル]-2,4-ジオキサ-3ボラビシクロ [3.2.1]オクト-6-イル}-N-エチルヘプト-5-エナミド (380 mg, 0.79 mmol)、(R)-4-ニトロフェニル 5-ニトロオキシヘキサノエート (780 mg, 2.61 mmol) および DMAP (320 mg, 2.61 mmol) の溶液を、室温で1日間撹拌した。溶媒を減圧除去して油を得、これをMeOHに溶解し、室温で一夜撹拌した。溶媒を減圧除去して淡黄色の油を得、これをアセトン/ヘキサンの20/80−70/30の傾斜で溶離するフラッシュクロマトグラフィーで精製し、次いで分取逆相HPLC (酢酸アンモニウム10mM:アセトニトリル) により精製して、所望の生成物 (310mg, 69%) を得た。
1H-NMR (300 MHz, DMSO-d6): δ 7.68 (1H, t); 7.25 (2H, m); 7.17 (3H, m); 5.48 (3H, m); 5.35-5.05 (3H, m); 4.57 (1H, d); 4.39 (1H, d); 3.90 (1H, m); 3.67 (1H, m); 3.03 (2H, m); 2.59 (2H, t); 2.33 (2H, t); 2.15 (4H, m); 1.96 (7H;m); 1.70-1.40 (7H, m); 1.30 (3H, d); 1.00 (3H, t).
スキームK
Figure 0005401540
実施例 K-1
(1S,2E)-3-{(1R,2R,3S,5R)-2-[(2E)-7-(エチルアミノ)-7-オキソヘプト-2-エン-1-イル]-3,5-ジヒドロキシシクロペンチル}-1-(2-フェニルエチル)プロプ-2-エン-1-イル 4-(ニトロオキシ)ブチルカーボネート
Figure 0005401540
意図したシス−カーボネート実施例G-2を最適化する早期の試みで、明白な副生成物として単離した。
工程 1: 4-クロロブチル (1S,2E)-3-{(1R,2R,3S,5R)-2-[(2Z)-7-(エチルアミノ)-7-オキソヘプト-2-エン-1-イル]-3,5-ジヒドロキシシクロペンチル}-1-(2-フェニルエチル)プロプ-2-エン-1-イル カーボネート (k-1)
Figure 0005401540
THF中のビマトプロストボロネートb-1 (529 mg, 1.10 mmol) の溶液にDMAP (6.9 mg, 0.055 mmol) を添加した。溶液を0℃に冷却し、続いて、ピリジン (0.22 mL, 2.75 mmol) と4-クロロブチルクロロホルメート (0.375 mL, 2.75 mmol) を徐々に加えた。室温で2日間撹拌した。さらにピリジン (89μL, 1.11 mmol) と4-クロロブチルクロロホルメート (150μL, 1.10 mmol) を加え、さらに24時間撹拌した。得られた混合物を減圧濃縮し、残渣を酢酸エチルと水と分配した。有機層を塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、真空下に濃縮して、粗油状物808 mg (134%) を得、これをさらに精製することなく使用した。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 0.62-0.71 (m, 1H), 0.88 (t, J=7.1 Hz, 2H), 1.11 (t, J=7.2 Hz, 2H), 1.22-1.38 (m, 3H), 1.57 (s, 2H), 1.64-1.77 (m, 2H), 1.77-1.92 (m, 4H), 1.86 (dq, J=10.5, 10.3 Hz, 2H), 1.96 (q, J=3.2 Hz, 1H), 2.01-2.15 (m, 3H), 2.17-2.34 (m, 1H), 2.64 (t, J=7.1 Hz), 3.26 (dd, J=7.2, 5.7 Hz, 1H), 3.53-3.62 (m, 1H), 3.58 (t, J=6.1 Hz, 3H), 4.17 (dt, J=7.8, 6.1 Hz, 2H), 5.34-5.59 (m, 3H), 7.11-7.22 (m, 2H), 7.27-7.34 (m, 1H).
LCMS (ESI) (M+Na+): 573.2.
工程 2: 実施例 K-1. (1S,2E)-3-{(1R,2R,3S,5R)-2-[(2E)-7-(エチルアミノ)-7-オキソヘプト-2-エン-1-イル]-3,5-ジヒドロキシシクロペンチル}-1-(2-フェニルエチル)プロプ-2-エン-1-イル 4-(ニトロオキシ)ブチルカーボネート
Figure 0005401540
アセトニトリル (12.5 mL) 中のクロロカーボネートk-1 (686 mg, 1.25 mmol) と硝酸銀 (636 mg, 3.74 mmol) の混合物を、82℃で一夜撹拌した。さらに硝酸銀 (318 mg, 1.87 mmol) を加え、82℃でさらに5時間、次いで室温で4日間撹拌した。得られた混合物をセライトで濾過し、ジクロロメタンで洗浄した。濾液を減圧濃縮し、残渣をジクロロメタンに溶解し、水と塩水で洗浄した。抽出液を真空下に濃縮して、611 mgの黄褐色の油を得た。これを分取SFCで精製して、意図したシスG-2の55 mg (7.6%) を淡黄色の油として、またトランスk-1の182 mg (25.3%) を淡黄色の油として得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 0.97 (t, J=7.20 Hz, 3 H), 1.27 - 1.56 (m, 4 H), 1.59 - 1.80 (m, 4 H), 1.80 - 2.04 (m, 7 H), 2.04 - 2.28 (m, 3 H),2.60 (t, J=7.83 Hz, 2 H), 2.96 - 3.09 (m, 2 H), 3.66 (t, J=6.32 Hz, 2 H), 3.92 (br. s., 1 H), 4.09 (t, J=5.81 Hz, 2 H), 4.38 (br. s., 1 H), 4.54 (t, J=6.06 Hz,1 H), 4.60 (br. s., 1 H), 4.96 (q, J=6.65 Hz, 1 H), 5.26 - 5.38 (m, 1 H), 5.39 - 5.59 (m, 3 H), 7.12 - 7.23 (m, 3 H), 7.23 - 7.33 (m, 2 H), 7.70 (br. s., 1 H).
HRMS. 計算値 C30H44N2O9Na (M+Na): 599.2945 実験値: 599.2911.
実施例 M-2
(1S,2E)-3-{(1R,2R,3S,5R)-2-[(2Z)-7-(エチルアミノ)-7-オキソヘプト-2-エン-1-イル]-3,5-ジヒドロキシシクロペンチル}-1-(2-フェニルエチル)プロプ-2-エン-1-イル (5S)-5-(ニトロオキシ)ヘキサノエート
Figure 0005401540
実施例M-1のスキームMで示したのと同様のルートに従って、代わりに(S)-tert-ブチル 5-ヒドロキシヘキサノエート (Pamies, O.; Backvall, J. E. J. Org. Chem. 2002, 67, 1261-1265) から出発して得た。
1H-NMR (300 MHz, DMSO-d6): δ 7.68 (1H, t); 7.25 (2H, m); 7.17 (3H, m); 5.48 (3H, m); 5.35-5.05 (3H, m); 4.57 (1H, d); 4.39 (1H, d); 3.90 (1H, m); 3.67 (1H, m); 3.03 (2H, m); 2.59 (2H, t); 2.33 (2H, t); 2.15 (4H, m); 1.96 (7H; m); 1.70-1.40 (7H, m); 1.30 (3H, d); 1.00 (3H, t).
スキームN
Figure 0005401540
実施例 N-1
(1S,2E)-3-{(1R,2R,3S,5R)-2-[(2Z)-7-(エチルアミノ)-7-オキソヘプト-2-エン-1-イル]-3,5-ジヒドロキシシクロペンチル}-1-(2-フェニルエチル)プロプ-2-エン-1-イル トランス-2-[(ニトロオキシ)メチル]シクロプロパンカルボキシレート
Figure 0005401540
工程 1: エチル トランス-2-ヒドロキシメチル-1-シクロプロパンカルボキシレート (n-2)
Figure 0005401540
Kajiwara, T.; Nakatomi, T.; Sasaki, Y.; Hatanaka, A.. Agric. Biol. Chem. 1980, 44, 2099-2104に記載のようにして、氷浴で冷却した容器中でのエタノール (2L) 中のエチル トランス-2-ホルミル-1-シクロプロパンカルボキシレート (n-1; Aldrich; 335 g, 2.36 mol) の溶液に、ナトリウムボロヒドリド (44.6 g, 1.18 mol) を徐々に添加した。室温で2時間撹拌した後、水 (1L) を注意して滴下した。生成した溶液を濃縮してエタノールを除去し、酢酸エチル (2×1L) で抽出した。有機層をMgSO4で乾燥し、濾過し、蒸発させてアルコールn-2の313 g (92%) を無色液体として得た。このものは報告 (Ando, W.; Imai, I.; Migita, T. J. Org. Chem. 1972, 37, 3596-3600)と一致したNMRを有し、さらなる精製をせず使用した。
工程 2: トランス-2-ヒドロキシメチル-1-シクロプロパンカルボン酸 (n-3)
Figure 0005401540
エタノール(1L)中のエチル トランス-2-ヒドロキシメチル-1-シクロプロパンカルボキシレート (n-2;313g, 2.17mol) の溶液に、水(1.3 L)中の水酸化ナトリウム(130 g, 3.26 mol)の溶液を徐々に加えた。得られた溶液を室温で48時間撹拌した。エタノールを減圧除去し、2MHCl水溶液でpH〜2とし、酢酸エチル(4 L)で抽出した。有機抽出物を塩水で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濾過し、減圧濃縮して、酸n-3を白色固体として144 g (〜57%)得、精製することなく使用した。そのNMRは報告された(キラル異性体のNMR、Wellendorph, P.; Hog, S.; Greenwood, J. R.; de Lichtenberg, A.; Nielsen, B.; Frolund, B.; Brehm, L.; Clausen, R. P.; Brauner-Osborne, H. J Pharmacol Exp Ther 2005, 315, 346-351の補充資料参照)に一致した。
工程 3: トランス-2-ブロモメチル-1-シクロプロパンカルボン酸 (n-4)
Figure 0005401540
D'Yakonov, I. A.; Guseva, O. V. Sbornik Statei Obshchei Khim., Akad. Nauk S.S.S.R. 1953, 1, 425-33; Chem.Abstr.;1955; 882での報告と同様にして、CH2Cl2 (1L)中のトランス-2-ヒドロキシメチル-1-シクロプロパンカルボン酸(n-3; 144g, 1.24 mol)を機械的に撹拌した溶液に、PBr3 (111g, 0.413 mol)を滴下した。室温で1時間後にCH2Cl2を減圧除去し、油を得、これを氷浴中で冷却した。水を滴下した。混合物を酢酸エチル(3×1L)で抽出した。有機抽出物を合わせ、MgSO4で乾燥し、濾過し、減圧下に蒸発して油を得た。これをシリカゲルカラムクロマトグラフィーで、EtOAc:ヘキサン1:10で溶離させて精製し、ブロミドn-4を白色結晶として136g (60%)得、これを更に精製することなく使用した。
1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 1.03 (m, 1H), 1.48 (m, 1H), 1.63 (m, 1H), 1.99 (m, 1H), 3.37 (m, 2H), 12.05 (s, 1H).
ESI MS: m/z 178.66; 176.69.
分析:計算値 C5H7O2Br: C, 33.55; H, 3.94. 実験値: C, 34.09; H, 3.83.
工程 4: トランス-2-ニトロキシメチル-1-シクロプロパンカルボン酸 (n-5)
Figure 0005401540
アセトニトリル(25 mL)中のトランス-2-(ブロモメチル)シクロプロパンカルボン酸(n-4; 4.48 g, 25 mmol)の溶液に硝酸銀を添加した。混合物は直ちに白色になり、次いで淡緑色懸濁液になった。室温で72時間後、得られた混合物をセライトで濾過し、アセトニトリルで洗浄した。濾液を濃縮し、EtOAc(3×200 mL)で抽出した。合わせた有機抽出物を水と塩水で洗浄し、MgSO4で乾燥し、濾過し、濃縮し、真空下に乾燥してナイトレートn-5を白色固体として3.765g(93%)得、これをさらに精製することなく使用した。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 12.36 (s, 1 H), 4.53 (dd, J=11.24, 6.95 Hz, 1 H), 4.38 (dd, J=11.24, 7.96 Hz, 1 H), 1.51 - 1.75 (m, 2 H), 0.93 - 1.15 (m, 2 H).
分析:計算値 C37H55N3O12・0.06EtOAc: C, 37.82; H, 4.53; N, 8.42. 実験値: C, 37.87; H, 4.49; N, 8.44.
工程 5: トランス-2-(クロロカルボニル)シクロプロピル]メチルナイトレート (n-6)
Figure 0005401540
トランス-2-[(ニトロオキシ)メチル]シクロプロパンカルボン酸 (n-5; 967 mg, 6.00 mmol)をN2中、無水CH2Cl2 (60 mL)に溶解し、0℃に冷却した。続いて、無水のDMF (44 mg, 0.6 mmol)とオキザリルクロリド(523 μL, 6.0 mmol)を添加した。室温に温めた。12時間後に0℃に冷却し、再び無水DMF (44 mg, 0.6 mmol)とオキザリルクロリド(261 μL, 3.00 mmol)を加えた。4時間後に、13CNMRでチェックし、少量のカルボン酸(δ173)を含有する酸クロリド(δ171)を確認した。シリカプラグで濾過し、濾液を真空下に濃縮してトランス-2-(クロロカルボニル)シクロプロピル]メチルナイトレート(n-6)を油として得、これをさらに精製することなく使用した。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ 4.47 - 4.67 (m, 1 H), 4.26 - 4.47 (m, 1 H), 1.52 - 1.75 (m, 2 H), 0.88 - 1.13 (m, 2 H).
工程 6: 実施例 N-1, (1S,2E)-3-{(1R,2R,3S,5R)-2-[(2Z)-7-(エチルアミノ)-7-オキソヘプト-2-エン-1-イル]-3,5-ジヒドロキシシクロペンチル}-1-(2-フェニルエチル)プロプ-2-エン-1-イル トランス-2-[(ニトロオキシ)メチル]シクロプロパンカルボキシレート
Figure 0005401540
DCM (6.86 mL)中のビマトプロストボロネートb-1(560 mg, 1.16 mmol)の0℃溶液に、DMAP樹脂(Biotage“PS-DMAP”; 1.6 mmol/gの1.125 g, 1.80 mmol)と、粗酸クロリドn-6(312 mg, 1.74 mmol)を添加した。0℃で20分後に、冷却浴を除き、混合物を室温で12時間撹拌した。得られた混合物を0℃に冷却し、追加の酸クロリドn-6(214 mg, 1.2 mmol)とDMAP樹脂(1.6 mmol/gの0.772 g, 1.236 mmol, 1.03 eq)を加えた。20分後に室温に温め12時間撹拌した。樹脂を濾別し、水(0.5 mL)でクエンチし、減圧で溶媒を除去した。残渣をCH2Cl2 (50 mL)と水(10 mL)で分配し、CH2Cl2 (2×50 mL)で抽出した。合わせた有機層をMgSO4で乾燥し、濾過し、減圧濃縮して油を得た。これをシリカゲル(Biotage; 25Sカラム)で、25%-100% EtOAc-ヘキサン,100% EtOAc, および5% MeOH-CH2Cl2の連続傾斜で精製した。フラクションから{(1R,2R,3S,5R)-2-[(2Z)-7-(エチルアミノ)-7-オキソヘプト-2-エン-1-イル]-3,5-ジヒドロキシシクロペンチル}-1-(2-フェニルエチル)-プロプ-2-エン-1-イル トランス-2-[(ニトロオキシ)メチル]シクロプロパンカルボキシレート (N-1)を無色の油として404 mg (60%)得た。このものは、キラルSFC-HPLC分析で、ジアステレオマーの1:1混合物であった。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ 7.70 (br. s., 1 H), 7.27 (t, J=7.45 Hz, 2 H), 7.13 - 7.22 (m, 3 H), 5.37 - 5.52 (m, 3 H), 5.21 - 5.34 (m, 1 H), 5.14 (d, J=5.81 Hz, 1 H), 4.47 - 4.58 (m, 2 H), 4.31 - 4.45 (m, 2 H), 3.85 - 3.95 (m, 1 H), 3.63 - 3.74 (m, 1 H), 2.96 - 3.09 (m, 2 H), 2.53 - 2.64 (m, 2 H), 2.04 - 2.24 (m, 3 H), 1.80 - 1.97 (m, 6 H), 1.56 - 1.72 (m, 3 H), 1.38 - 1.53 (m, 3 H), 1.24 - 1.37 (m, 1 H), 1.04 - 1.14 (m, 2 H), 0.92 - 1.02 (m, 3 H).
LCMS ESI (M+Na)+: 581.2.
HRMS計算値 C30H42N2O8 m/z [M+Na]+: 581.2833. 実験値: 581.2828.
分析:計算値 C30H42N2O8・0.13H2O: C, 64.23; H, 7.59; N, 4.99. 実験値: C, 64.23; H, 7.57; N, 4.97.
実施例 O-1: (1S,2E)-3-{(1R,2R,3S,5R)-2-[(2Z)-7-(エチルアミノ)-7-オキソヘプト-2-エン-1-イル]-3,5-ジヒドロキシシクロペンチル}-1-(2-フェニルエチル)プロプ-2-エン-1-イル 5-(ニトロオキシ)ペンタノエート
Figure 0005401540
5-(ニトロオキシ)ペンタン酸(489 mg, 3.00 mmol; 米国特許 2006/189603)を無水DCM (30 mL)にN2下で溶解し、0℃に冷却し、次いで無水DMF(1滴)とオキザリルクロリド(262 μL, 3.00 mmol)を添加した。室温で12時間撹拌した。13CNMRは酸クロリド(δ171 ppm)と少量のカルボン酸(〜δ173 ppm)を示した。減圧下での蒸発乾燥で、5-クロロ-5-オキソペンチルナイトレートの450mg(80%)を淡黄色の油として得、これをさらに精製せずに使用した。
DCM (2 mL)中のビマトプロストボロネートb-1(560 mg, 1.16 mmol)の0℃溶液に、DMAP樹脂(1.6 mmol/gの1.087 g ; 1.74 mmol; Biotage “PS-DMAP”)と粗5-クロロ-5-オキソペンチルナイトレート(305 mg, 1.69 mmol)を逐次添加した。0℃で20分後に、冷却浴を除き、室温で撹拌した。24時間後に0℃に冷却し、さらに5-クロロ-5-オキソペンチルナイトレート(125 mg, 0.70 mmol, 0.60 eq)とDMAP樹脂(1.6 mmol/1gの0.453 g , 0.725 mmol, 0.625 eq)を添加した。室温に温め24時間撹拌し、0℃に冷却し、追加の粗5-クロロ-5-オキソペンチルナイトレート(209 mg, 1.16 mmol)とDMAP樹脂(1.6 mmol/1 gの0.743 g , 1.19 mmol, 1.03 eq)を加えた。室温に温め72時間撹拌した。樹脂を濾別し、水(0.5 mL)でクエンチし、減圧下で溶媒を除去し、残渣をCH2Cl2 (50 mL) と水(10 mL)で分配し、CH2Cl2 (2×50 mL)で抽出した。合わせた有機層を、MgSO4で乾燥し、真空蒸発して油を得た。これをマス指向分取HPLCで精製して(1S,2E)-3-{(1R,2R,3S,5R)-2-[(2Z)-7-(エチルアミノ)-7-オキソヘプト-2-エン-1-イル]-3,5-ジヒドロキシシクロペンチル}-1-(2-フェニルエチル)プロプ-2-エン-1-イル 5-(ニトロオキシ)ペンタノエート (O-1)を無色の油として233 mg (49.5%)得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 7.68 (t, J=5.05 Hz, 1 H), 7.22 - 7.32 (m, 2 H), 7.12 - 7.21 (m, 3 H), 5.35 - 5.55 (m, 3 H), 5.11 - 5.31 (m, 2 H), 4.47 - 4.61 (m, 3 H), 4.40 (d, J=4.80 Hz, 1 H), 3.85 - 3.95 (m, 1 H), 3.62 - 3.76 (m, 1 H), 2.95 - 3.11 (m, 2 H), 2.53 - 2.63 (m, 2 H), 2.35 (t, J=7.20 Hz, 2 H), 2.03 - 2.27 (m, 3 H), 1.81 - 2.01 (m, 7 H), 1.55 - 1.72 (m, 4 H), 1.38 - 1.52 (m, 3 H), 1.26 - 1.35 (m, 1 H), 0.97 (t, J=7.20 Hz, 3 H).
LCMS ESI (M+Na)+: 584.2
MS: 計算値 C30H44N2O8Na [M+Na]+: m/z 583.2989. 実験値: 583.2993.
分析:計算値 C30H44N2O8-0.32H2O.0.06 CH2Cl2: C, 63.10; H, 7.88; N, 5.02. 実験値: C, 63.17; H, 7.89; N, 4.90.
スキームP
Figure 0005401540
工程 1. 4-(ニトロオキシ)ブチル 4-ニトロフェニルカーボネート (p-1)
Figure 0005401540
粗4-ヒドロキシブチルナイトレート(j-1; 1580 mg, 11.7 mmol; 米国特許出願 2006/189603 A1)をACNとTHF (1:3, 112 mL)に溶解し、p-ニトロフェニルクロロカーボネート(4.71 g, 23.4 mmol)で処理した。ピリジン(2.84 mL, 35.1 mmol)をゆっくり添加した。混合物は温かくなるので、添加の間中氷浴で冷却した。混合物を室温で一夜撹拌した。生じた懸濁液を濾過し、固形物をACNとTHFで洗浄した。濾液を減圧濃縮し、残渣をEAに溶解し、水と塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、濃縮して、1.49 gの粗固体を得た。このものは通常の相クロマトグラフィーで有機物への溶解性が低かった。分取HPLCで精製し、1.45 g (41%)の無色固体を与えた。これを更に精製せずに使用した。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 1.91 (dt, J=6.06, 3.03 Hz, 4 H), 4.23 - 4.45 (m, 2 H), 4.47 - 4.68 (m, 2 H), 7.32 - 7.48 (m, 2 H), 8.16 - 8.50 (m, 2 H).
工程 2. 4-(ニトロオキシ)ブチル 4-ニトロフェニルカーボネートでのビマトプロストのアシル化
(1R,3S,4R,5R)-4-[(2Z)-7-(エチルアミノ)-7-オキソヘプト-2-エン-1-イル]-5-[(1E,3S)-3-({[4-(ニトロオキシ)ブトキシ]カルボニル}オキシ)-5-フェニルペント-1-エン-1-イル]シクロペンタン-1,3-ジイル ビス[4-(ニトロオキシ)ブチル] ビスカーボネート(P-1)
(1S,2E)-3-[(1R,2R,3S,5R)-2-[(2Z)-7-(エチルアミノ)-7-オキソヘプト-2-エン-1-イル]-3-ヒドロキシ-5-({[4-(ニトロオキシ)ブトキシ]カルボニル}オキシ)シクロペンチル]-1-(2-フェニルエチル)プロプ-2-エン-1-イル 4-(ニトロオキシ)ブチルカーボネート(P-2)
(1R,3S,4R,5R)-4-[(2Z)-7-(エチルアミノ)-7-オキソヘプト-2-エン-1-イル]-5-[(1E,3S)-3-ヒドロキシ-5-フェニルペント-1-エン-1-イル]シクロペンタン-1,3-ジイル ビス[4-(ニトロオキシ)ブチル] ビスカーボネート(P-3)
Figure 0005401540
ビマトプロスト(1.00 g, 2.41 mmol)をDCM(24.1mL)に溶解し、4-(ニトロオキシ)ブチル 4-ニトロフェニルカーボネート (p-1; 1.45 g, 4.82 mmol)とDMAP (607 mg, 4.82 mmol)で処理し、室温で60時間撹拌した。生じた混合物をDCMで希釈し、水と塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、濃縮して、粗混合物を得た。これをクロマトグラフィーの連続サイクル:MPLC(10-100% EA/ヘキサン、次いでDCM中 5〜15% メタノール)、次いで分取HPLCで精製して、次のいくつかの純化合物を得た。
11-カーボネート G-1: 210 mg (15%) 淡黄色の油
15-カーボネート G-2: 30 mg (2%) 淡黄色の油
Figure 0005401540
トリ-ナイトレート P-1: 124 mg (5%)淡黄色の油
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ0.98 (t, J=7.20 Hz, 3 H), 1.41 - 1.55 (m, 2 H), 1.59 - 1.78 (m, 13 H), 1.80 - 2.15 (m, 9 H), 2.43 - 2.50 (m, 1 H), 2.54 - 2.65 (m, 3 H), 2.96 - 3.10 (m, 2 H), 3.99 - 4.18 (m, 6 H), 4.33 - 4.33 (m, 0 H), 4.45 - 4.62 (m, 6 H), 4.81 (ddd, J=8.91, 7.26, 3.79 Hz, 1 H), 4.87 (t, J=4.67 Hz, 1 H), 4.93 - 5.04 (m, 1 H), 5.25 - 5.41 (m, 2 H), 5.59 - 5.72 (m, 2 H), 7.13 - 7.23 (m, 3 H), 7.23 - 7.34 (m, 2 H), 7.69 (t, J=5.18 Hz, 1 H).
分析:計算値 C40H58N4O19・0.25H2O: C, 62.00; H, 7.72; N, 4.82. 実験値 C, 62.06; H, 7.76; N, 4.90.
Figure 0005401540
11, 15-ジ-ナイトレート P-2: 320 mg (18%) 淡黄色の油
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ0.97 (t, J=7.20 Hz, 3 H), 1.38 - 1.58 (m, 4 H), 1.58 - 1.77 (m, 8 H), 1.79 - 2.03 (m, 7 H), 2.05 - 2.17 (m, 1 H), 2.34 (ddd, J=14.78, 9.09, 5.43 Hz, 1 H), 2.44 - 2.48 (m, 1 H), 2.52 - 2.63 (m, 2 H), 2.96 - 3.07 (m, 2 H), 3.95 (d, J=4.04 Hz, 1 H), 3.98 - 4.15 (m, 4 H), 4.51 (ddd, J=12.88, 6.32, 6.06 Hz, 4 H), 4.64 - 4.76 (m, 2 H), 4.96 (q, J=6.48 Hz, 1 H), 5.28 (dt, J=10.93, 7.17 Hz, 1 H), 5.34 - 5.46 (m, 1 H), 5.48 -5.69 (m, 2 H), 7.11 - 7.21 (m, 3 H), 7.22 - 7.32 (m, 2 H), 7.69 (t, J=5.31 Hz, 1 H).
LCMS (M+Na+): m/z 760.2.
この構造を確認する重要な観点は、1Dプロトン、2D HSQC、COSYおよびHMBCスペクトルを調べて、メチンシグナル(H-8,H-9,H-11, H-12,H-15−下記の非常法番号付けと構造参照)とヒドロキシシグナルの帰属であった。C-9のヒドロキシ基は、HSQCでクロスピークが非存在のプロトンスペクトル中のシグナルを調べるHSQCスペクトルの検分で同定した。H-15〜H-10aおよびH-12〜H9aの明白なカップリングが、COSYスペクトルでも観察された。HMBCスペクトルは、下記の図で示すように、明白なカルボニルC7とC13aに対し、メチンプロトンH9とH15の帰属をさせた。
Figure 0005401540
9, 11-ジ-ナイトレート P-3: 78 mg (4%) 淡黄色の油状物
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ 0.97 (t, J=7.20 Hz, 3 H), 1.41 - 1.51 (m, 2 H), 1.58 - 1.76 (m, 11 H), 1.76 - 2.12 (m, 7 H), 2.38 - 2.48 (m, 1 H), 2.52 - 2.65 (m, 3 H), 2.96 - 3.08 (m, 2 H), 3.88 - 3.98 (m, 1 H), 4.00 - 4.15 (m, 4 H), 4.52 (dt, J=17.62, 6.09 Hz, 4 H), 4.73 - 4.83 (m, 2 H), 4.86 (t, J=4.93 Hz, 1 H), 5.25 - 5.39 (m, 2 H), 5.43 - 5.63 (m, 2 H), 7.10 - 7.20 (m, 3 H), 7.21 - 7.30 (m, 2 H), 7.69 (s, 1 H).
LCMS (M+Na+): m/z 760.2.
NMRでこの構造を確認した重要な点は、1Dプロトン、2D HSQC、COSYおよびHMBCスペクトルの検分を通してのメチンシグナル(H-8, H-9, H-11, H-12, H-15−下記の非常法番号付けと構造参照)とヒドロキシシグナルの帰属であった。C-15のヒドロキシ基は、HSQCでのクロスピークの非存在のプロトンスペクトル中のシグナルを調べる、HSQCスペクトルの検分で同定した。ヒドロキシ基は、H-15からH-14への明白なカップリングを示すCOSYスペクトルの検分を介して、メチンH-14とH-16に対して位置していた。COSYスペクトルもH-8〜H-9とH-12の相対位置を示した。HMBCスペクトルは、明白なカルボニルC-7とC-22に対し、メチンプロトンH9とH-11の帰属をさせた。HMBC相関も、C-14に対するヒドロキシプロトンH-12aの位置を示した。
Figure 0005401540
スキームQ
Figure 0005401540
実施例 Q-1
(1S,2E)-3-{(1R,2R,3S,5R)-2-[(2Z)-7-(エチルアミノ)-7-オキソヘプト-2-エン-1-イル]-3,5-ジヒドロキシシクロペンチル}-1-(2-フェニルエチル)プロプ-2-エン-1-イル (5R)-5,6-ビス(ニトロオキシ)ヘキサノエート
Figure 0005401540
工程 1: tert-ブチル ヘクス-5-エノエート (q-2)
Figure 0005401540
DCM (150mL)中の5-ヘキセン酸 q-1 (6.00g, 52.6 mmol)、t-ブチルアルコール(72.2mL, 735.84mmol)およびDMAP (1.28g, 10.51mmol)の0℃撹拌溶液に、DCC (16.26g, 78.84mmol)を添加した。室温で一夜撹拌後、固体を濾別した。濾液を減圧蒸発して、粗油を得、これをクロマトグラフィー(Biotage : 65i)で精製した。傾斜EtOAc/ヘキサン 5/95〜10/90での溶離で、t-ブチルエステルq-2の4.16g(46.53%)を得た。こののは文献(Johnson, P. Y.; Berchtold, G. A. J. Org. Chem. 1970, 35, 584-592)に一致した1H NMRスペクトルを示し、精製することなく使用した。
工程 2: tert-ブチル (5R)-5,6-ジヒドロキシヘキサノエート (q-3)
Figure 0005401540
H2O/t-ブチルアルコール1:1 (300mL)中のAD-ミクス-β(Sigma-Aldrich, 40g, 1.4g/mol)の0℃撹拌懸濁液に、オレフィンq-2(4.95g, 28 mmol)を添加した。混合物を4℃で一夜撹拌し、次いでEtOAc(160mL)を氷浴中0℃の温度に保ちつつ加えた。ついでNa2S2O5 (11.8g)を加え、30分後に氷浴を除き、温度を23℃に上昇させた。水性相をEtOAc (3×200mL)で抽出した。有機層を塩水で洗い、Na2SO4で乾燥し、シリカゲルで濾過した。減圧下で溶媒を蒸発させ、キラールジオールq-3の5.43g (95%)を得、これを精製せずに使用した。
工程3: tert-ブチル(5R)-5,6-ビス(ニトロオキシ)ヘキサノエート (q-4)
Figure 0005401540
Ac2O (20mL)中の、HNO3 (5.8mL, 140mmol)の0℃溶液に、DCM (20mL)中のジオールq-3の溶液を加えた。この混合物を0℃に冷却し、30分後にNaOHを加えてpH7とし、混合物をDCM (3×50mL)で抽出した。有機相を硫酸ナトリウムで乾燥し、EtOAc-ヘキサン 5/95 − 20/80の傾斜で溶離するクロマトグラフィー(Biotage; 100 SNAP)で精製し、キラールジナイトレートq-4の5g(61%)を得、これを精製することなく使用した。
工程 4: (5R)-5,6-ビス(ニトロオキシ)ヘキサン酸 (q-5)
Figure 0005401540
DCM (20mL)中のt-ブチルエステルq-4 (5g, 17mmol)の0℃溶液に、BF3・Et2O (2.4 mL, 18.7mmol)を加え、混合物を0℃で3時間、室温で一夜撹拌した。水性飽和NaHCO3 と NaOH(ペレット)をpH10になるまで加え、混合物をDCM (3×150mL)で抽出した。有機相をHCl 3Mでゆっくり酸性化し、DCMで抽出し、塩水で洗浄し、Na2SO4で乾燥した。減圧下、室温で、溶媒を部分的に除去して約20mLとし、DCM中の酸q-5の液を次の反応(4.05 g 理論最終値)に用いた。1H NMRは、Lazzarato, L.ら; J. Med. Chem. 2005, 48, 1322-1329の報告に一致した。
工程 5: 4-ニトロフェニル (5R)-5,6-ビス(ニトロオキシ)ヘキサノエート (q-6)
Figure 0005401540
DCM (20mL)中の酸q-5(1.33 g, 5.6mmol)の溶液にEDAC (1.3g, 6.7 mmol)、DMAP (触媒量)とp-ニトロフェノール(780mg, 5.6 mmol)を加えた。混合物を一夜撹拌し、次いでNaHCO3の飽和溶液を加えた。溶媒を減圧蒸発し、粗生成物をDCM/ヘキサン80/20の混合液で溶離するクロマトグラフィー(Biotage; 100 SNAP)で精製し、p-ニトロフェニルエステルq-6の1.25g(63%)を得、これをさらに精製せずに使用した。
工程6: (1S,2E)-3-{(1R,2R,3S,5R)-2-[(2Z)-7-(エチルアミノ)-7-オキソヘプト-2-エン-1-イル]-3,5-ジヒドロキシシクロペンチル}-1-(2-フェニルエチル)プロプ-2-エン-1-イル (5R)-5,6-ビス(ニトロオキシ)ヘキサノエート
Figure 0005401540
ビマトプロストのボロネートb-1を、DCM (20mL)中の粗p-ニトロフェニルエステルq-6(1.25g, 3.48mmol)とDMAP (430mg, 3.48mmol)でアシル化した。混合物を8時間撹拌し、DCMを減圧蒸発した。残渣をMeOH (20mL)に溶解し、一夜撹拌して、脱保護を行った。溶媒を蒸発し、分取HPLCで15-アシルジナイトレートQ-1の純品340mg (55%)を得た。
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6): δ 0.97 (t, 3 H), 1.35 (m, 1 H), 1.40 - 1.65 (m, 3 H), 1.60 - 1.80 (m, 4 H), 1.80 - 2.00 (m, 7 H), 2.05 - 2.25 (3 H), 2.34 - 2.38 (m, 2 H), 2.57 - 2.62 (m, 2 H), 3.01 - 3.05 (m, 2 H), 3.60 - 3.71 (m, 1 H), 3.91 (m, 1 H), 4.40 (d, 1 OH), 4.57 (d, 1 OH), 4.67 - 4.96 (m, 2 H), 5.17 (m, 1 H), 5.28 (m, 1 H), 5.41 - 5.50 (m, 4 H), 7.16 - 7.19 (m, 3 H), 7.25 - 7.30 (m, 2 H), 7.69 (s, 1 H).
MS (M+1): 636.2
実施例Q-2: (1S,2E)-3-{(1R,2R,3S,5R)-2-[(2Z)-7-(エチルアミノ)-7-オキソヘプト-2-エン-1-イル]-3,5-ジヒドロキシシクロペンチル}-1-(2-フェニルエチル)プロプ-2-エン-1-イル (5S)-5,6-ビス(ニトロオキシ)ヘキサノエート
Figure 0005401540
アンチポードQ-1と類似の仕方で、AD-ミクス-アルファをスキームQに用い、ニトロフェニルエステルq-6のエナンチオマーを作った。かくして、Q-2が作られ、分取HPLCで精製した。NMRスペクトルは、期待のようにQ-1と同一であった。
スキームR
Figure 0005401540
実施例 R-1
(1S,2E)-3-{(1R,2R,3S,5R)-2-[(2Z)-7-(エチルアミノ)-7-オキソヘプト-2-エン-1-イル]-3,5-ジヒドロキシシクロペンチル}-1-(2-フェニルエチル)プロプ-2-エン-1-イル (5S)-5-(ニトロオキシ)ヘキシルカーボネート
Figure 0005401540
工程1: (5S)-ヘキサン-1,5-ジオール (r-2)
Figure 0005401540
THF (35 mL)中のt-ブチル(5S)-5-ヒドロキシヘキサノエート (r-1; Pamies, O.; Backvall, J.-E. J. Org. Chem. 2002, 67, 1261-1265; 3.00 g, 15.9 mmol)の0℃撹拌溶液に、LiAlH4 (THF中の1Mの31.88mL 、31.88mmol)を加えた。混合物を4時間撹拌し、0℃に冷却し、発泡が止まるまで1N NaOHで処理した。Et2O (600mL)を加え、混合物を強く撹拌した。溶液をNa2SO4で乾燥し、濾過し、溶媒を減圧蒸発して、キラールジオールr-2の1.9gを得た。これは報告されたものと同じNMRを有していた(Davies, S. G.; Smyth, G. D. Tetrahedron: Asymmetry 1996, 7, 1001-1004)。これをさらに精製せずに使用した。
工程 2: (5S)-5-ヒドロキシヘキシル 4-ニトロフェニルカーボネート (r-3)
Figure 0005401540
DCM (36mL)中のジオールr-2(1.75g, 14.81mmol)の溶液に、ピリジン(1.31mL, 16.3 mmol)を添加し、混合物を0℃に冷却した。DCM (8mL)中のp-ニトロフェニルクロロホルメート(2.98g, 14.81mmol)の溶液を滴下し、3時間後に、混合物を5%水性H3PO4 (100mL)で洗浄した。溶液を乾燥し、溶媒を減圧蒸発して、粗製化合物(5g)を得、これをシリカゲル(Biotage; 40+M)で、20%-50% EtOAc-ヘキサン、50%EtOAcの連続傾斜で溶離して混合カーボネートr-3の2.44g(58%)を得、これをさらに精製することなく使用した。
工程 3: (5S)-5-ニトロキシヘキシル 4-ニトロフェニルカーボネート (r-4)
Figure 0005401540
Ac2O (13mL)中のHNO3 (2.02mL, 48.73mmol)の0℃に冷却した溶液に、DCM (2mL)中に溶解したr-3(2.3g, 8.12mmol)を添加し、混合物を0℃に冷却した。30分後に、NaOHをpH7に達するまで添加し、混合物をDCM (3×150mL)で抽出した。有機相を乾燥し、化合物をシリカゲル(Biotage; 40+M)で、5%-20% EtOAc-ヘキサン、20%EtOAcの連続傾斜で溶離して精製し、ナイトレートr-4の1.97g (74%)を得、これをさらに精製することなく使用した。
工程 4: (1S,2E)-3-{(1R,2R,3S,5R)-2-[(2Z)-7-(エチルアミノ)-7-オキソヘプト-2-エン-1-イル]-3,5-ジヒドロキシシクロペンチル}-1-(2-フェニルエチル)プロプ-2-エン-1-イル (5S)-5-(ニトロオキシ)ヘキシルカーボネート (R-1)
Figure 0005401540
ビマトプロストのポロネートb-1(580mg, 1.2mmol)をDCM (25mL)中の粗p-ニトロフェニルエステルr-4 (1.18g, 3.61mmol)とDMAP (441mg, 3.61mmol)でアシル化した。混合物を8時間撹拌し、溶媒を減圧蒸発した。残渣をMeOH (20mL)に溶解し、一夜撹拌して、化合物を脱保護した。溶媒を蒸発させ、分取HPLCで、R-1の純品380mg (52%)を得た。
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6): δ 0.97 (t, 3 H), 1.30 (d, 3 H), 1.30 - 1.70 (m, 10 H), 1.80 - 2.00 (m, 7 H), 2.05 - 2.25 (3 H), 2.60 (m, 2 H), 3.02 (m, 2 H), 3.68 (m, 1 H), 3.90 (m, 1 H), 4.05 (m, 2 H), 4.40 (d, 1 OH), 4.60 (d, 1 OH), 4.96 (m, 1 H), 5.12 (m, 1 H), 5.28 (m, 1 H), 5.37 - 5.62 (m, 3 H), 7.16 - 7.19 (m, 3 H), 7.25 - 7.30 (m, 2 H), 7.69 (s, 1 H).
MS (M+1): 605.
実施例 R-2
(1S,2E)-3-{(1R,2R,3S,5R)-2-[(2Z)-7-(エチルアミノ)-7-オキソヘプト-2-エン-1-イル]-3,5-ジヒドロキシシクロペンチル}-1-(2-フェニルエチル)プロプ-2-エン-1-イル (5R)-5-(ニトロオキシ)ヘキシルカーボネート
Figure 0005401540
実施例R-1と同様に、ただしスキームRを対掌のtert-ブチル(5R)-5-(アセトキシ)ヘキサノエート (Pamies, O.; Backvall, J.-E. J. Org. Chem. 2002, 67, 1261-1265) から出発し、結果として、粗製p-ニトロフェニルカーボネートr-4の対掌体を作り、同様に、ビマトプロストボロネート(580mg, 1.2mmol)をアシル化するのに用い、分取HPLCでの精製で、15-アシルナイトレートR-2の420 mg (57%)を得た。
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6): δ 0.97 (t, 3 H), 1.30 (d, 3 H), 1.30 - 1.70 (m, 10 H), 1.80 - 2.00 (m, 7 H), 2.05 - 2.25 (3 H), 2.60 (m, 2 H), 3.02 (m, 2 H), 3.68 (m, 1 H), 3.90 (m, 1 H), 4.05 (m, 2 H), 4.40 (d, 1 OH), 4.60 (d, 1 OH), 4.96 (m, 1 H), 5.12 (m, 1 H), 5.28 (m, 1 H), 5.37 - 5.62 (m, 3 H), 7.16 - 7.19 (m, 3 H), 7.25 - 7.30 (m, 2 H), 7.69 (s, 1 H).
MS (M+1): 605.
スキームS
Figure 0005401540
実施例 S-1
(1R,2E)-3-{(1R,2R,3S,5R)-2-[(2Z)-7-(エチルアミノ)-7-オキソヘプト-2-エン-1-イル]-3,5-ジヒドロキシシクロペンチル}-1-(2-フェニルエチル)プロプ-2-エン-1-イル 6-(ニトロオキシ)ヘキサノエート
Figure 0005401540
工程 1. (5Z)-7-{(1R,2R,3R,5S)-3,5-ジヒドロキシ-2-[(1E)-3-オキソ-5-フェニルペント-1-エン-1-イル]シクロペンチル}-N-エチルヘプト-5-エナミド (15-ケト-ビマトプロスト; s-1)
Figure 0005401540
Taber, D. F.; Kanai, K. (Tetrahedron 1998, 54, 11767-11782)の方法を用い、1,4-ジオキサン(20 mL)中のビマトプロスト(100 mg, 0.240 mmol)の撹拌溶液にDDQ (224 mg, 0.96 mmol)を滴下した。生じた混合物を室温で一夜撹拌し、水(2×20 mL)と塩水(2×20 mL)で洗浄した。有機層をNa2SO4で乾燥し、濾過し、減圧濃縮して、15-ケト-ビマトプロストs-1 (54 mg, 0.13 mmol)を赤色固体として50%の収率で得、これをさらに精製することなく次の工程で使用した。
1H NMR (300 MHz, CDCl3): δ.1.14 (t, J=7.3 Hz, 3H), 1.35 (d, J=10.5 Hz, 1H), 2.80-2.98 (m, 4H), 3.20-3.35 (m, 2H), 4.05 (bm, 1H), 4.10 (m, 1H), 5.36-5.42 (m, 2H), 6.16 (d, J=15.7 Hz, 1H), 6.68 (dd, J= 8.8, 15.7 Hz, 1H).
LCMS ESI (M+Na+): m/z 437.20.
工程 2. (5Z)-7-{(1R,2R,3R,5S)-3,5-ジヒドロキシ-2-[(1E,3R)-3-ヒドロキシ-5-フェニルペント-1-エン-1-イル]シクロペンチル}-N-エチルヘプト-5-エナミド (15-エピ-ビマトプロスト; s-2)
Figure 0005401540
MeOH/DCM (2:1, 48 mL)中の15-ケトンs-1(530 mg、最大1.28 mmol)とCeCl3・7H2O (143.3 mg, 0.38 mmol, 0.3 eq.)の溶液を-78℃でN2気流中で30分間撹拌した。NaBH4 (28.75 mg, 0.77 mmol, 1.6 eq.)を一度に加えた。-78℃で1時間後に、混合物を水性1N HClでpH3に酸性化し、EtOAc (100 mL)で希釈した。塩水(50 mL)を加え、有機層を分離し、塩水で(2×50 mL)で洗浄し、真空下に濃縮して、420 mgの黄色の油とした。これをまずISCO装置でMPLCにより(シリカ 80 g, DCM/IPA, 傾斜 30%まで)精製し、キラル分析HPLC(ヘプタン/EtOH/Et2NH 85/15/0.2でのキラールセルOD-H)により91%のd.e.を有する15-エピ-ビマトプロストs-2の95 mgを最初に溶出した。(280 mg (53%), 92%のd.e.をもつ)の再生ビマトプロストが第2に溶出し、他のバッチと合わせ、上記の他のサイクルに再使用し、下記に使用する前に、97%のd.e.を得るべく精製した。
1H NMR (300 MHz, CDCl3): δ1.08 (t, J=6.8Hz, 3H), 3.18-3.29 (m, 2H), 3.93 (bm, 1H), 4.09 (m, 1H), 4.15 (m, 1H), 5.28-5.63 (m, 4H).
工程 3. (5Z)-7-{(6R,7R)-3-ブチル-7-[(1E,3R)-3-ヒドロキシ-5-フェニルペント-1-エン-1-イル]-2,4-ジオキサ-3-ボラビシクロ[3.2.1]オクト-6-イル}-N-エチルヘプト-5-エナミド (s-3)
Figure 0005401540
ボロネートb-1を得る手法に従い、15-エピ-ビマトプロストs-2(165 mg, 0.400 mmol)から油を得、これをさらに精製することなく使用した。
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6): δ.0.82 (t, J=7.3 Hz, 3H), 0.98 (t, J=7.3 Hz, 3H), 3.03 (ddd, J=7.2, 7.3, 12.9 Hz, 2H), 3.88 (m, 1H), 4.03 (s, 1H), 4.78 (d, J=4.7 Hz, 1H), 5.27-5.58 (m, 4H), 7.18-7.37 (m, 5H), 7.73 (bs, 1H).
工程 4. (1R,2E)-3-{(6R,7R)-3-ブチル-7-[(2Z)-7-(エチルアミノ)-7-オキソヘプト-2-エン-1-イル]-2,4-ジオキサ-3-ボラビシクロ[3.2.1]オクト-6-イル}-1-(2-フェニルエチル)プロプ-2-エン-1-イル 6-ブロモヘキサノエート (s-4)
Figure 0005401540
エステルb-2で記載した方法に従い、粗アルコールS-3(理論値0.400mmol)は、粗ハロ-エステルs-4を淡黄色の油として与え、これをさらに精製することなく次の工程に使用した。
1H NMR (300 MHz, CDCl3): δ0.88 (t, J=6.9 Hz, 3H), 1.15 (t, J=7.2 Hz, 3H), 2.51 (t, J=7.3 Hz, 1H), 2.62 (t, J=7.2 Hz, 2H), 4.10 (s, 1H), 4.18 (s, 1H), 5.20 (q, J=6.4 Hz, 1H), 5.33-5.58 (m, 4H).
LCESIMS (M+Na): 615.10; 616.10.
工程 5. (1R,2E)-3-{(1R,2R,3S,5R)-2-[(2Z)-7-(エチルアミノ)-7-オキソヘプト-2-エン-1-イル]-3,5-ジヒドロキシシクロペンチル}-1-(2-フェニルエチル)プロプ-2-エン-1-イル 6-(ニトロオキシ)ヘキサノエートS-1)
Figure 0005401540
実施例B-1での方法により、粗ハロ-エステルs-4(理論値0.400mmol)は、350 mgの黄色の油をを与えた。これをISCO装置(シリカ, DCM/IPA, 0-30%傾斜)でのMPLCを介して精製し、次に分取HPLC(水:アセトニトリル:HCOOH)で精製して、題記のナイトレートB-1(HPLC-MSで100%の純度)の80 mg(3工程で35%収率)を得た。
1H NMR (300 MHz, CDCl3): δ1.15 (t, J=7.3 Hz, 3H), 2.66 (t, J=7.5 Hz, 1H), 3.30 (ddd, J=1.0,7.3, 13.0 Hz, 2H), 3.97 (bs, 1H), 4.20 (bs, 1H), 4.46 (t, J=6.6 Hz, 2H), 5.28 (dd, J=6.6, 13.2 Hz, 1H), 5.39 (m, 1H).
LC ESI MS (M+Na+): m/z 597.30.
表1−特定の実施例
Figure 0005401540
Figure 0005401540
Figure 0005401540
Figure 0005401540
Figure 0005401540
Figure 0005401540
Figure 0005401540
Figure 0005401540
Figure 0005401540
Figure 0005401540
選択実施例の効果:ニューマトノメトリーにより測定した眼内圧
眼内圧をニューマトノメトリー(pneumatonometry)により、眼正常血圧犬(ビーグル)と眼高血圧非ヒト霊長類動物で測定した(例えば、投与量が異なるが、Toris, C. B.; Zhan, G.-L.; Feilmeier, M. R.; Camras, C. B.; McLaughlin, M. A. J. Ocular Pharm. Ther. 2006, 22, 86-92に記載の高血圧霊長類動物参照)。記載のように、唯一つの眼が動物モデル中高血圧である。研究は、ニューマトノメトリーを受けるべくトレーニングされた知覚のある動物(n=8/研究)で行った。テスト化合物とコントロールは、0.5%、ツイーン80と0.02%ベンサルコニウムクロリド含有のpH5.5の10mMクエン酸バッファー賦形剤で製剤化し、夜に投与された。全てのテスト化合物は、0.03%ビマトプロストに等しい投与量に製剤化された。眼内圧は、-12(ベースライン)、12と18時間の後処置で測定された。テトラカイン塩酸塩(0.5%)が眼内圧測定に採取した角膜を麻酔するのに使用された。
動物(primate)モデルで、高血圧眼はテスト化合物の2×25μl容量の滴を与えた。1週のウォッシュアウト期間後に眼高血圧目には、コントロールとビマトプロスト(2×25μl 容量滴)を投与した。対側性の正常血圧性目は研究での処置はしなかった。正常血圧犬モデルで、テスト化合物を1つの目に局所的に50μl容量滴を投与した。対側性の目は、ブランク賦形剤又はビマトプロストの50μl容量滴を(大接戦の研究のみの場合)コントロールとすべく投与した。スチューデントペアード+テストには、意義ある差異をテスト化合物と賦形剤またはビマトプロストとの処置を比較すべく使用した。
表2と表3は、眼高血圧非ヒト動物と正常血圧犬での新規なNO-プロスタミドの局所投与に続いてみられた眼内圧(IOP)変化を示す。ΔEmaxは、ベースライン値に比較しての最大効能を示す。ΔΔEmaxは、化合物の最大IOP減少がみられた時点で賦形剤処置目でみられたのに対して、化合物テストした眼からIOPの差異を反映している。賦形剤コントロールのパーセント変化は、賦形剤に比較し(100%に設定)化合物によりIOP減圧の%変化である。Tmaxは化合物の最大IOP減少が観察された時点を示す。
表2:プリメート IOPサマリー−実施例B-1とビマトプロスト
Figure 0005401540
表3:犬 IOP サマリー−NO−プロスタミドテスト化合物とビマトプロスト
Figure 0005401540

Claims (17)

  1. 式(I)
    Figure 0005401540
    [式中、記号---は単結合またはシスもしくはトランス配置での二重結合を示し;R1, R2,
    R3 と R4 はそれぞれ独立して、H, -C(O)R5-ONO2, -C(O)OR5-ONO2, -C(O)R5R6-ONO2, -[C(O)R5]m-ONO2, -C(O)R5-[OC(O)R6]n-ONO2, -C(O)R5-[(O)CR6]n-ONO2, -C(O)R5-[(O)R6]n-ONO2, -[C(O)R 5 ]m-[C(O)OR 6 ]n-ONO2であり、但し、R1, R2, R3 と R4 は全てがHであり得ない;R5とR6はそれぞれ同一又は異なって、独立して、C1-9アルキル, C2-9アルケニル, C2-9アルキニル, C1-9アルコキシ, C2-9アルコキシアルキル, C3-10シクロアルキル, C3-10シクロアルコキシおよびC4-10員のヘテロサイクルから選択され、前記C1-9アルキル, C2-9アルケニル, C2-9アルキニル, C1-9アルコキシ, C2-9アルコキシアルキル, C3-10シクロアルキル, C3-10シクロアルコキシおよびC4-10員ヘテロサイクル部分は、各々1以上のハロ、シアノ、ニトロ、アジド、N, O, S, NO2 又はONO2で任意に置換されていてもよいを示し、各mは独立して1〜6から選択され、各nは独立して1〜6から選択される]
    の化合物、又はその医薬上受容な塩もしくは立体異性体。
  2. 式 (I)で、式中、R 1 とR 2 が共にHであり13位と14位の炭素原子間の結合が二重結合であ
    る請求項1による化合物。
  3. 式 (I)、式中、R 1 , R 2 と R 3 がHで、13位と14位の炭素原子間の結合が二重結合である請求項1による化合物。
  4. 式 (II):
    Figure 0005401540
    [式中、記号---は単結合またはシスもしくはトランス配置での二重結合を示し;R1, R2,
    R3 と R4 は それぞれ独立して、H, -C(O)R5-ONO2, -C(O)OR5-ONO2, -C(O)R5R6-ONO2, -[C(O)R5]m-ONO2, -C(O)R5-[OC(O)R6]n-ONO2, -C(O)R5-[(O)CR6]n-ONO2, -C(O)R5-[(O)R6]n-ONO2, -[C(O)R 5 ]m-[C(O)OR 6 ]n-ONO2であり、但し、R1, R2, R3 と R4 は全てがHであり得ない;R5とR6はそれぞれ同一又は異なって、独立して、C1-9アルキル, C2-9アルケニル, C2-9アルキニル, C1-9アルコキシ, C2-9アルコキシアルキル, C3-10シクロアルキル, C3-10シクロアルコキシおよびC4-10員のヘテロサイクルから選択され、前記C1-9アルキル, C2-9アルケニル, C2-9アルキニル, C1-9アルコキシ, C2-9アルコキシアルキル, C3-10シクロアルキル, C3-10シクロアルコキシおよびC4-10員ヘテロサイクル部分は、各々1以上のハロ、シアノ、ニトロ、アジド、N, O, S, NO2 又はONO2で任意に置換されていてもよいを示し、各mは独立して1〜6から選択され、各nは独立して1〜6から選択される]
    の化合物、又はその医薬上受容な塩又は立体異性体。
  5. 式 (II) (式中、R1 と R2 が共にHで、13位と14位の炭素原子の間の結合が二重結合である)の請求項4による化合物。
  6. 式 (III):
    Figure 0005401540
    [式中、R1, R2, R3 と R4 はそれぞれ独立して、H, -C(O)R5-ONO2, -C(O)OR5-ONO2, -C(O)R5R6-ONO2, -[C(O)R5]m-ONO2, -C(O)R5-[OC(O)R6]n-ONO2, -C(O)R5-[(O)CR6]n-ONO2, -C(O)R5-[(O)R6]n-ONO2, -[C(O)R 5 ]m-[C(O)OR 6 ]n-ONO2であり、但し、R1, R2, R3 と R4 は全てがHであり得ない;R5とR6はそれぞれ同一又は異なって、独立して、C1-9アルキル, C2-9アルケニル, C2-9アルキニル, C1-9アルコキシ, C2-9アルコキシアルキル, C3-10シクロアルキル, C3-10シクロアルコキシおよびC4-10員のヘテロサイクルから選択され、前記C1-9アルキル, C2-9アルケニル, C2-9アルキニル, C1-9アルコキシ, C2-9アルコキシアルキル, C3-10シクロアルキル, C3-10シクロアルコキシおよびC4-10員ヘテロサイクル部分は、各々1以上のハロ、シアノ、ニトロ、アジド、N, O, S, NO2 又はONO2で任意に置換されていてもよいを示し、各mは独立して1〜6から選択され、各nは独立して1〜6から選択される]
    の化合物、又はその医薬上受容な塩又は立体異性体。
  7. 式 (IV):
    Figure 0005401540
    [式中、R2, R3 と R4 はそれぞれ独立して、H, -C(O)R5-ONO2, -C(O)OR5-ONO2, -C(O)R5R6-ONO2, -[C(O)R5]m-ONO2, -C(O)R5-[OC(O)R6]n-ONO2, -C(O)R5-[(O)CR6]n-ONO2, -C(O)R5-[(O)R6]n-ONO2, -[C(O)R 5 ]m-[C(O)OR 6 ]n-ONO2であり、但し、R2, R3 と R4 は全てがHであり得ない;R5とR6はそれぞれ同一又は異なって、独立して、C1-9アルキル, C2-9アルケニル, C2-9アルキニル, C1-9アルコキシ, C2-9アルコキシアルキル, C3-10シクロアルキル, C3-10シクロアルコキシおよびC4-10員のヘテロサイクルから選択され、前記C1-9アルキル, C2-9アルケニル, C2-9アルキニル, C1-9アルコキシ, C2-9アルコキシアルキル, C3-10シクロアルキル, C3-10シクロアルコキシおよびC4-10員ヘテロサイクル部分は、各々1以上のハロ、シアノ、ニトロ、アジド、N, O, S, NO2 又はONO2で任意に置換されていてもよいを示し、各mは独立して1〜6から選択され、各nは独立して1〜6から選択される]の化合物、又はその医薬上受容な塩又は立体異性体。
  8. 式 (V):
    Figure 0005401540
    [式中、R1, R3 と R4 はそれぞれ独立して、H, -C(O)R5-ONO2, -C(O)OR5-ONO2, -C(O)R5R6-ONO2, -[C(O)R5]m-ONO2, -C(O)R5-[OC(O)R6]n-ONO2, -C(O)R5-[(O)CR6]n-ONO2, -C(O)R5-[(O)R6]n-ONO2, -[C(O)R 5 ]m-[C(O)OR 6 ]n-ONO2であり、但し、R1, R3 と R4 は全てがHであり得ない;R5とR6はそれぞれ同一又は異なって、独立して、C1-9アルキル, C2-9アルケニル, C2-9アルキニル, C1-9アルコキシ, C2-9アルコキシアルキル, C3-10シクロアルキル, C3-10シクロアルコキシおよびC4-10員のヘテロサイクルから選択され、前記C1-9アルキル, C2-9アルケニル, C2-9アルキニル, C1-9アルコキシ, C2-9アルコキシアルキル, C3-10シクロアルキル, C3-10シクロアルコキシおよびC4-10員ヘテロサイクル部分は、各々1以上のハロ、シアノ、ニトロ、アジド、N, O, S, NO2 又はONO2で任意に置換されていてもよいを示し、各mは独立して1〜6から選択され、各nは独立して1〜6から選択される]の化合物、又はその医薬上受容な塩又は立体異性体。
  9. 式 (VI):
    Figure 0005401540
    [式中、R1, R2 と R4 はそれぞれ独立して、H, -C(O)R5-ONO2, -C(O)OR5-ONO2, -C(O)R5R6-ONO2, -[C(O)R5]m-ONO2, -C(O)R5-[OC(O)R6]n-ONO2, -C(O)R5-[(O)CR6]n-ONO2, -C(O)R5-[(O)R6]n-ONO2, -[C(O)R 5 ]m-[C(O)OR 6 ]n-ONO2であり、但し、R1, R2 と R4 は全てがHであり得ない;R5とR6はそれぞれ同一又は異なって、独立して、C1-9アルキル, C2-9アルケニル, C2-9アルキニル, C1-9アルコキシ, C2-9アルコキシアルキル, C3-10シクロアルキル, C3-10シクロアルコキシおよびC4-10員のヘテロサイクルから選択され、前記C1-9アルキル, C2-9アルケニル, C2-9アルキニル, C1-9アルコキシ, C2-9アルコキシアルキル, C3-10シクロアルキル, C3-10シクロアルコキシおよびC4-10員ヘテロサイクル部分は、各々1以上のハロ、シアノ、ニトロ、アジド、N, O, S, NO2 又はONO2で任意に置換されていてもよいを示し、各mは独立して1〜6から選択され、各nは独立して1〜6から選択される]の化合物、又はその医薬上受容な塩又は立体異性体。
  10. 式 (VII):
    Figure 0005401540
    [式中、R3 と R4 はそれぞれ独立して、H, -C(O)R5-ONO2, -C(O)OR5-ONO2, -C(O)R5R6-ONO2, -[C(O)R5]m-ONO2, -C(O)R5-[OC(O)R6]n-ONO2, -C(O)R5-[(O)CR6]n-ONO2, -C(O)R5-[(O)R6]n-ONO2, -[C(O)R 5 ]m-[C(O)OR 6 ]n-ONO2であり、但し、R3 と R4 は全てがHであり得ない;R5とR6はそれぞれ同一又は異なって、独立して、C1-9アルキル, C2-9アルケニル, C2-9アルキニル, C1-9アルコキシ, C2-9アルコキシアルキル, C3-10シクロアルキル, C3-10シクロアルコキシおよびC4-10員のヘテロサイクルから選択され、前記C1-9アルキル, C2-9アルケニル, C2-9アルキニル, C1-9アルコキシ, C2-9アルコキシアルキル, C3-10シクロアルキル, C3-10シクロアルコキシおよびC4-10員ヘテロサイクル部分は、各々1以上のハロ、シアノ、ニトロ、アジド、N, O, S, NO2 又はONO2で任意に置換されていてもよい
    を示し、各mは独立して1〜6から選択され、各nは独立して1〜6から選択される]
    の化合物、又はその医薬上受容な塩又は立体異性体。
  11. 式 (VIII):
    Figure 0005401540
    [式中、R1 と R4 はそれぞれ独立して、H, -C(O)R5-ONO2, -C(O)OR5-ONO2, -C(O)R5R6-ONO2, -[C(O)R5]m-ONO2, -C(O)R5-[OC(O)R6]n-ONO2, -C(O)R5-[(O)CR6]n-ONO2, -C(O)R5-[(O)R6]n-ONO2, -[C(O)R 5 ]m-[C(O)OR 6 ]n-ONO2であり、但し、R1 と R4 は全てがHであり得ない;R5とR6はそれぞれ同一又は異なって、独立して、C1-9アルキル, C2-9アルケニル, C2-9アルキニル, C1-9アルコキシ, C2-9アルコキシアルキル, C3-10シクロアルキル, C3-10シクロアルコキシおよびC4-10員のヘテロサイクルから選択され、前記C1-9アルキル, C2-9アルケニル, C2-9アルキニル, C1-9アルコキシ, C2-9アルコキシアルキル, C3-10シクロアルキル, C3-10シクロアルコキシおよびC4-10員ヘテロサイクル部分は、各々1以上のハロ、シアノ、ニトロ、アジド、N, O, S, NO2 又はONO2で任意に置換されていてもよい
    を示し、各mは独立して1〜6から選択され、各nは独立して1〜6から選択される]
    の化合物、又はその医薬上受容な塩又は立体異性体。
  12. 式 (IX):
    Figure 0005401540
    [式中、R1 と R2 はそれぞれ独立して、H, -C(O)R5-ONO2, -C(O)OR5-ONO2, -C(O)R5R6-ONO2, -[C(O)R5]m-ONO2, -C(O)R5-[OC(O)R6]n-ONO2, -C(O)R5-[(O)CR6]n-ONO2, -C(O)R5-[(O)R6]n-ONO2, -[C(O)R 5 ]m-[C(O)OR 6 ]n-ONO2であり、但し、R1とR2は全てがHであり得な
    い;R5とR6はそれぞれ同一又は異なって、独立して、C1-9アルキル, C2-9アルケニル, C2-9アルキニル, C1-9アルコキシ, C2-9アルコキシアルキル, C3-10シクロアルキル, C3-10シクロアルコキシおよびC4-10員のヘテロサイクルから選択され、前記C1-9アルキル, C2-9アルケニル, C2-9アルキニル, C1-9アルコキシ, C2-9アルコキシアルキル, C3-10シクロアルキル, C3-10シクロアルコキシおよびC4-10員ヘテロサイクル部分は、各々1以上のハロ、シアノ、ニトロ、アジド、N, O, S, NO2 又はONO2で任意に置換されていてもよいを示し、各mは独立して1〜6から選択され、各nは独立して1〜6から選択される]
    の化合物、又はその医薬上受容な塩又は立体異性体。
  13. 式 (X):
    Figure 0005401540
    [式中、記号---は単結合またはシスもしくはトランス配置での二重結合を示し;R3 と R4 は それぞれ独立して、H, -C(O)R5-ONO2, -C(O)OR5-ONO2, -C(O)R5R6-ONO2, -[C(O)R5]m-ONO2, -C(O)R5-[OC(O)R6]n-ONO2, -C(O)R5-[(O)CR6]n-ONO2, -C(O)R5-[(O)R6]n-ONO2, -[C(O)R 5 ]m-[C(O)OR 6 ]n-ONO2であり、但し、R3 と R4 は全てがHであり得ない;R5とR6はそれぞれ同一又は異なって、独立して、C1-9アルキル, C2-9アルケニル, C2-9アルキニル, C1-9アルコキシ, C2-9アルコキシアルキル, C3-10シクロアルキル, C3-10シクロアルコキシおよびC4-10員のヘテロサイクルから選択され、前記C1-9アルキル, C2-9アルケニル, C2-9アルキニル, C1-9アルコキシ, C2-9アルコキシアルキル, C3-10シクロアルキル, C3-10シクロアルコキシおよびC4-10員ヘテロサイクル部分は、各々1以上のハロ、シアノ、ニトロ、アジド、N, O, S, NO2 又はONO2で任意に置換されていてもよいを示し、各mは独立して1〜6から選択され、各nは独立して1〜6から選択される]
    の化合物、またはその医薬上受容な塩あるいは立体異性体。
  14. Figure 0005401540
    Figure 0005401540
    Figure 0005401540
    Figure 0005401540
    Figure 0005401540
    からなる群から選択される化合物、又はその医薬的に受容な塩あるいは立体異性体。
  15. 医薬的に受容な担体と、請求項1〜14の何れか1つに定義された式 (I)〜(X) の何れか1
    つの化合物及び/又はその塩あるいは立体異性体の医薬的に有効量とを含む医薬組成物。
  16. 緑内障および眼高血圧の治療用の請求項15による医薬組成物。
  17. 請求項1〜14の何れか1つに定義された式 (I)〜(X) の何れか1つの化合物及び/又はそ
    の塩あるいは立体異性体と、(i)ベータブロッカーまたは(ii)カルボニックアンヒドラ
    ーゼ阻害剤又はiii)アドレナリン アゴニスト、あるいは(i)、(ii)もしくは(iii)のニトロオキシ誘導体との混合物を含む医薬組成物。
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