以下実施の形態の一例を図面を用いて説明する。
図1は本実施形態に係るPOSシステムのブロック図である。
このPOSシステムは、上位装置として機能するサーバ装置100と複数のPOS端末装置200とをそれぞれ通信ネットワーク300に接続して構成されている。なお、サーバ装置100は、POS端末装置200を遠隔で管理する遠隔管理装置として機能する。
図2はサーバ装置100の構成例のブロック図である。
サーバ装置100は、CPU(central processing unit)1、ROM(read-only memory)2、RAM(random-access memory)3、補助記憶ユニット4、キーボード5、表示器6、通信ユニット7およびチップセット8を含む。CPU1、ROM2、RAM3、補助記憶ユニット4、キーボード5、表示器6および通信ユニット7は、それぞれチップセット8に接続されている。
CPU1は、チップセット8を介してROM2、RAM3、補助記憶ユニット4、キーボード5、表示器6および通信ユニット7の動作を制御し、複数のPOS端末装置200を集中管理するための処理を実現する。なおCPU1は、ROM2およびRAM3に記憶されたオペレーティングシステム、ミドルウェアおよびアプリケーションプログラムに基づいて、上記の制御を実行する。上記のオペレーティングシステム、ミドルウェアおよびアプリケーションプログラムのうちの一部は、補助記憶ユニット4に記憶される場合もある。
ROM2は、上記のオペレーティングシステムを記憶する。ROM2は、上記のミドルウェアやアプリケーションプログラムを記憶する場合もある。またROM2は、CPU1が各種の処理を行う上で参照するデータを記憶する場合もある。
RAM3は、CPU1が各種の処理を行う上で参照するデータを記憶する。さらにRAM3は、CPU1が各種の処理を行う上で一時的に使用するデータを記憶しておく、いわゆるワークエリアとして利用される。またRAM3は、上記のミドルウェアやアプリケーションプログラムを記憶する場合もある。
補助記憶ユニット4は、例えばハードディスクドライブやSSD(solid state drive)などであり、CPU1が各種の処理を行う上で使用するデータや、CPU1での処理によって生成されたデータを保存する。また補助記憶ユニット14は、上記のミドルウェアやアプリケーションプログラムを記憶する場合も有る。
キーボード5は、ユーザによるCPU1に対する各種の指示を入力する。
表示器6は、ユーザ操作のためのインタフェース画像やユーザに対して各種の情報を通知するための画像をCPU1の制御の下に表示する。
通信ユニット7は、通信ネットワーク300を介してPOS端末装置200と通信する。通信ユニット7としては、例えばイーサネット(登録商標)などの通信規格に準拠したものを利用できる。
チップセット8は、CPU1、ROM2、RAM3、補助記憶ユニット4、キーボード5、表示器6および通信ユニット7の各部の間での情報の授受を仲介する。またチップセット8は、CPU1の制御の下にROM2、RAM3、補助記憶ユニット4、キーボード5、表示器6および通信ユニット7の動作を制御する。
図3はPOS端末装置200の構成例のブロック図である。
POS端末装置200は、CPU(central processing unit)11、ROM(read-only memory)12、RAM(random-access memory)13、補助記憶ユニット14、時計ユニット15、モードスイッチ16、ドロワ開放ユニット17、入出力ポート(I/O)18、スキャナ19、キーボード20、オペレータ用表示器21、客面表示器22、カードリーダ23、プリンタ24、通信ユニット25、チップセット26、電源装置27、電源回路28、管理用コントローラ29、メモリ30および通信ユニット31を含む。これらの各部のうちで、CPU11、ROM12、RAM13、補助記憶ユニット14、時計ユニット15、入出力ポート18、通信ユニット25、チップセット26および電源回路28は、マザーボード210に装着される。管理用コントローラ29、メモリ30および通信ユニット31は、ボード管理部220を構成する。ドロワ開放ユニット17、スキャナ19、キーボード20、オペレータ用表示器21、客面表示器22、カードリーダ23およびプリンタ24は、チップセット26に対して着脱可能であり、POS端末装置200に含まれない場合もあるし、複数の機種の個体や同一機種の複数の個体のいずれかが選択的に装着される場合もある。かくしてドロワ開放ユニット17、スキャナ19、キーボード20、オペレータ用表示器21、客面表示器22、カードリーダ23およびプリンタ24は、メインユニットとしてのマザーボードに接続される周辺機器である。
CPU11は、ROM12およびRAM13に記憶されたオペレーティングシステム、ミドルウェアおよびアプリケーションプログラムに基づいて、POS端末装置200としての各種の動作を実現するべく各部を制御する。
ROM12は、上記のオペレーティングシステムを記憶する。ROM12は、上記のミドルウェアやアプリケーションプログラムを記憶する場合もある。またROM12は、CPU11が各種の処理を行う上で参照するデータを記憶する場合もある。
RAM13は、CPU11が各種の処理を行う上で参照するデータを記憶する。さらにRAM13は、CPU11が各種の処理を行う上で一時的に使用するデータを記憶しておく、いわゆるワークエリアとして利用される。またRAM13は、上記のミドルウェアやアプリケーションプログラムを記憶する場合もある。
補助記憶ユニット14は、例えばハードディスクドライブやSSD(solid state drive)などであり、CPU11が各種の処理を行う上で使用するデータや、CPU11での処理によって生成されたデータを保存する。また補助記憶ユニット4は、上記のミドルウェアやアプリケーションプログラムを記憶する場合も有る。
モードスイッチ16は、特定の鍵によって回転可能な鍵穴の向きを検出し、その検出結果をモード信号として出力する。鍵穴の向きには業務モードがそれぞれ割り付けられており、モード信号はこれらの動作モードのいずれが選択されているかを示す信号となる。業務モードは、登録、点検、精算および資産情報入力などの各モードを含む。ちなみに登録モードは、スキャナ19またはキーボード20によりPLUコードが入力されると、このPLUコードで識別される商品の販売または提供に係るデータ処理を行う。点検モードは、登録モードでの処理により生成された商品販売データから得られた売上集計データをレポート出力する。精算モードは、点検モードと同様に売上集計データをレポート出力した後に、この売上集計データをクリアする。資産情報入力モードについては後述する。
ドロワ開放ユニット17は、ドロワを自動的に開放する。
入出力ポート18は、モードスイッチ16が出力するモード信号をモードデータに変換した上で、チップセット26を介してRAM13に書き込んだり、CPU1からチップセット26を介してドロワ開放が指示されたことに応じてドロワ開放ユニット17を駆動するための駆動信号をドロワ開放ユニット17に対して出力する。
スキャナ19は、商品に印刷されたバーコードを光学的に読み取る。スキャナ19には、固定タイプおよびハンディタイプのいずれか、またはその双方を含み得る。またスキャナ19としては、レーザスキャナやイメージスキャナなどが利用可能である。
キーボード20は、数値入力キー、商品指定キー(PLUキー)および機能キーなどの多数のキーと、これら多数のキーの押下をそれぞれ検出するスイッチとを含む。キーボード20は、キーが押下されたことに応じて、そのキーに応じたコマンドを出力する。
オペレータ用表示器21は、例えばLCD(liquid crystal display)であり、CPU11の制御の下に任意の画像を表示可能である。オペレータ用表示器21は、オペレータに対して提示するべき各種の情報を表した画像を表示するために利用される。
客面表示器22は、例えばLCDや蛍光表示装置であり、CPU11の制御の下に任意の画像を表示可能である。客面表示器22は、客に対して提示するべき各種の情報を表した画像を表示するために利用される。
カードリーダ23は、決済カードに記録されたカード情報を読み取る。なお、決済カードとは、現金によらずに決済を行うためのカードのことであり、クレジットカード、デビットカードおよびプリペイドカードなどが含まれ得る。
プリンタ24は、例えばサーマルプリンタやドットインパクトプリンタなどであり、レシートを印刷する。
通信ユニット25は、通信ネットワーク300を介したCPU11とサーバ装置100との間での情報伝達のための通信処理を行う。通信ユニット25としては、例えばイーサネット(登録商標)などの通信規格に準拠したものを利用できる。
チップセット26は、CPU11、ROM12、RAM13、補助記憶ユニット14、時計ユニット15、入出力ポート18、スキャナ19、キーボード20、オペレータ用表示器21、客面表示器22、カードリーダ23、プリンタ24および通信ユニット25がそれぞれ接続される。チップセット26は、これらの接続された各部の間での情報の授受を仲介する。またチップセット26は、CPU11の制御の下に接続された上記各部の動作を制御する。
電源装置27は、いわゆる無停電電源装置であり、商用電源等の外部電源から電力が供給されているときには、当該電力を蓄積する。電源装置27は、外部電源から電力が供給されている状態では当該電力を、また外部電源から電力が供給されていない状態では上記のように蓄積しておいた電力をそれぞれ出力する。電源装置27は、外部電源から供給された電力をそのままの電圧で出力しても良いし、降圧した電力を出力しても良い。
電源回路28は、電源装置27から出力される電力からPOS端末装置200内の各部を動作させるのに適する電力を生成し、これを通常系電力およびバックアップ(BU)系電力として出力する。電源回路28は、例えばモードスイッチ16によりオフモードが選択されている状態にあっては、通常系電力を出力せず、バックアップ系電力は出力する。電源回路28は、オフモード以外のモードが選択されている状態にあっては、通常系電力およびバックアップ系電力の双方を出力する。なお、通常系電力およびバックアップ系電力はそれぞれ、電圧の異なる複数系統を含むことがある。
バックアップ系電力は、POS端末装置200内の各部のうちでオフモードが選択されている状態にあっても動作することが必要である部分に供給される。POS端末装置200では特に、バックアップ系電力はボード管理部220に含まれた各部に供給される。通常系電力は、POS端末装置200内の各部のうちでオフモードが選択された状態にあっては動作を停止すべき部分に供給される。
管理用コントローラ29は、後述する管理処理を行って、後述する資産情報および動作情報を生成する。なお管理用コントローラ29は例えば、マイクロコンピュータが管理処理の手順を記述したプログラムを実行することによって実現できる。
メモリ30は、資産情報および動作情報を記憶する。メモリ30としては、フラッシュメモリなどのような不揮発性のメモリを用いることが望ましい。
通信ユニット31は、通信ネットワーク300を介した管理用コントローラ29とサーバ装置100との間での情報伝達のための通信処理を行う。通信ユニット31としては、例えばイーサネット(登録商標)などの通信規格に準拠したものを利用できる。
次に以上のように構成されたPOSシステムの動作について説明する。
図4は管理用コントローラ29のフローチャートである。管理用コントローラ29はバックアップ系電力を受けて、マザーボード210の動作状態に拘わらずに図4に示した処理を常時実行している。
ステップSa1において管理用コントローラ29は、マザーボード210が動作中であるか否かを確認する。そしてマザーボード210が動作中であるならば、管理用コントローラ29はステップSa1からステップSa2へ進む。
ステップSa2において管理用コントローラ29は、サーバ装置100からのアクセスが発生したか否かを確認する。そしてサーバ装置100からのアクセスが発生していないならば、管理用コントローラ29はステップSa2からステップSa3へ進む。
ステップSa3において管理用コントローラ29は、追加機器情報および除外機器情報の少なくとも一方がCPU11から通知されたか否かを確認する。そして追加機器情報および除外機器情報のいずれもが通知されていないならば、管理用コントローラ29はステップSa3からステップSa4へ進む。
ステップSa4において管理用コントローラ29は、資産情報入力モードが設定されているか否かを確認する。そして資産情報入力モードが設定されていないならば、管理用コントローラ29はステップSa4からステップSa11へ進む。
ステップSa11において管理用コントローラ29は、動作情報要素の取得のトリガとなるイベント(以下、単にイベントと称する)が発生したか否かを確認する。そして該当するイベントが発生していないならば、管理用コントローラ29はステップSa11からステップSa1に戻る。
かくしてマザーボード210が動作中であるときに管理用コントローラ29は、サーバ装置100からのアクセスが発生するか、追加機器情報および除外機器情報の少なくとも一方がCPU11から通知されるか、資産情報入力モードが設定されるか、あるいはイベントが発生するのを待ち受けている。
ところでCPU11は、通常系電力の供給を受ける。かくしてCPU11は、通常系電源がオンとなったことに応じて起動する。そしてこののちにCPU11、BIOS(basic input/output system)処理を開始する。
図5はCPU11のBIOS処理に関するフローチャートである。
ステップSb1においてCPU11は、マザーボード210に接続されていて、これまでに実施したBIOS処理にて未検出である周辺機器を検索する。
ステップSb2においてCPU11は、該当する周辺機器を検出できたか否かを確認する。そして、該当する周辺機器を検出したならばCPU11は、ステップSb2からステップSb3へ進む。
ステップSb3においてCPU11は、検出した周辺機器に内蔵されたメモリに記憶されている機器情報を取得する。ただし、機器情報を記憶したメモリを有している周辺機器と、機器情報を記憶したメモリを有していない周辺機器とが存在し得る。また、周辺機器に内蔵されたメモリに記憶されている機器情報に含まれる情報は、周辺機器毎に異なり得る。機器情報には、周辺機器の個々を識別するための識別情報を含む場合がある。このような識別情報は、典型的には型番およびシリアル番号の組み合わせよりなる。しかし識別情報の形態は、任意である。
ステップSb4においてCPU11は、ステップSb3で取得した機器情報を含むように追加機器情報を更新する。なお、今回のBIOS処理の中で初めてステップSb4を実行する場合にCPU11は、その直前にステップSb3で取得した機器情報のみを含む追加機器情報を新たに生成する。なお、ステップSb3にて機器情報が取得できなかった場合には、そのような機器の存在を表す予め定められた機器情報を追加機器情報に含める。そして追加機器情報を更新し終えたならばCPU11は、ステップSa1に戻る。追加機器情報は、RAM13または補助記憶ユニット14に記憶される。
かくして、CPU11は、未検出の周辺機器が検出できなくなるまで、ステップSb1乃至ステップSb4の処理ループを繰り返し実行する。これによりCPU11は、マザーボード210に新たに接続された周辺機器についての機器情報を含んだ追加機器情報を生成する。そして未検出の周辺機器が検出できなくなったならば、CPU11はステップSb2からステップSb5へ進む。なお、RAM13または補助記憶ユニット14は、マザーボード210のどのポートにどのような周辺機器が接続されているかを管理するための管理情報を記憶している。CPU11は、上記の取得した機器情報を利用して、この管理情報の更新も行う。
ステップSb5においてCPU11は、管理情報に基づいてマザーボード210に接続されていると判断可能でありながら現時点においては検出不能な周辺機器を1つ検索する。
ステップSb6においてCPU11は、該当する周辺機器が有ったか否かを確認する。そして、該当する周辺機器が有ったならばCPU11は、ステップSb6からステップSb7へ進む。
ステップSb7においてCPU11は、検出不能となった周辺機器に関する機器情報を管理情報から取り出し、この機器情報を含むように除外機器情報を更新する。なお、今回のBIOS処理の中で初めてステップSb7を実行する場合にCPU11は、そこで取り出した機器情報のみを含む除外機器情報を新たに生成する。そして除外機器情報を更新し終えたならばCPU11は、ステップSa5に戻る。除外機器情報は、RAM13または補助記憶ユニット14に記憶される。
かくして、CPU11は、検出不能となった周辺機器が見つからなくなるまで、ステップSb5乃至ステップSb7の処理ループを繰り返し実行する。これによりCPU11は、マザーボード210から取り外された周辺機器についての機器情報を含んだ除外機器情報を生成する。このときにCPU11は、該当する機器情報を削除するように管理情報も更新する。そして検出不能となった周辺機器が見つからなくなったならば、CPU11はステップSb6からステップSb8へ進む。
ステップSb8においてCPU11は、追加機器情報および除外機器情報をRAM13または補助記憶ユニット14から読み出して、チップセット26を介して管理用コントローラ29へと通知する。なお、未検出の周辺機器が1つも検出されなかった場合には追加機器情報は生成されない。また、検出不能な周辺機器が見つからなかった場合には除外機器情報は生成されない。このためCPU11は、追加機器情報および除外機器情報のうちの生成されたもののみを管理用コントローラ29へと通知する。
そしてこののちにCPU11は、BIOS処理における他の周知の処理に移行する。なお、ステップSb1乃至ステップSb8の処理の前に、BIOS処理における他の周知の処理を実行しても良い。
上記のようにしてCPU11から管理用コントローラ29へと追加機器情報および除外機器情報が通知されたならば、管理用コントローラ29は図4中のステップSa3からステップSa6へ進む。
ステップSa6において管理用コントローラ29は、通知された除外機器情報に基づいて、取り外された機器に関する情報を削除するように、メモリ30に記憶されている資産情報を更新する。なお資産情報は、マザーボード210に接続された周辺機器に関する機器情報のうちで当該周辺機器の管理のために有益な情報(以下、資産情報要素と称する)を含んだ情報である。資産情報要素には、少なくとも識別情報を含む。資産情報要素には、識別情報以外の任意の情報を含んでも良い。なお、除外機器情報が通知されなかったならば、CPU11はステップSa6の処理をスルーする。
ステップSa7において管理用コントローラ29は、通知された追加機器情報から資産情報要素を抽出する。
ステップSa8において管理用コントローラ29は、抽出した資産情報要素を含むように、メモリ30に記憶されている資産情報を更新する。なお、メモリ30に資産情報が記憶されていない場合には、上記のように抽出した資産情報要素を含んだ資産情報を新たに生成し、これをメモリ30に記憶させる。また、追加機器情報が通知されなかったならば、CPU11はステップSa7およびステップSa8の処理をスルーする。
ステップSa9において管理用コントローラ29は、追加機器情報に含まれた機器情報の中に資産情報要素を抽出できなかったものが有ったか否かを確認する。もし、追加機器情報に含まれた全ての機器情報から資産情報要素をそれぞれ抽出できたならば、マザーボード210に新たに接続された全ての周辺機器に関する資産情報要素が資産情報を含むことができている。そこでこの場合に管理用コントローラ29は、ステップSa1に戻る。しかしながら、追加機器情報に含まれた機器情報の中に資産情報要素を抽出できなかったものが有ったならば、管理用コントローラ29はステップSa9からステップSa10へ進む。
ステップSa10において管理用コントローラ29は、資産情報入力モードを設定する。そして管理用コントローラ29は、周辺機器に表示されたバーコードをスキャナ19を使用して読み取るようにユーザに促すための画像を、例えばオペレータ用表示器21に表示させる。こののちに管理用コントローラ29は、ステップSa11およびステップSa12の待ち受け状態に進む。
一方、管理用コントローラ29がステップSa1乃至ステップSa5の待ち受け状態にあるときにユーザによって資産情報入力モードの設定が指示されたならば、管理用コントローラ29はステップSa4からステップSa11およびステップSa12の待ち受け状態に進む。なおユーザによる資産情報入力モードの設定の指示は、例えばモードスイッチ16を利用して入力される。
ステップSa11において管理用コントローラ29は、資産情報入力モードが解除されているか否かを確認する。そして資産情報入力モードが設定されたままであるならば管理用コントローラ29は、ステップSa11からステップSa12へ進む。
ステップSa12において管理用コントローラ29は、スキャナ19によりバーコードを読み取って得られた読取情報がCPU11から通知されたか否かを確認する。そして読取情報が通知されていないならば管理用コントローラ29はステップSa12からステップSa11に戻る。
かくしてステップSa11およびステップSa12の待ち受け状態において管理用コントローラ29は、資産情報入力モードが解除されるか、あるいは読取情報が通知されるのを待ち受ける。
資産情報入力モードが設定されているときにユーザは、周辺機器に表示されたバーコードをスキャナ19にスキャンさせる。スキャナ19が読取情報を出力すると、CPU11はこの読取情報を管理用コントローラ29に通知する。そしてこのようにして読取情報が通知されたならば管理用コントローラ29は、ステップSa12からステップSa13へ進む。
ステップSa13において管理用コントローラ29は、上記のように通知された読取情報から資産情報要素を抽出する。
ステップSa14において管理用コントローラ29は、上記のように抽出した資産情報要素を含むように、メモリ30に記憶されている資産情報を更新する。なお、メモリ30に資産情報が記憶されていない場合には、上記のように抽出した資産情報要素を含んだ資産情報を新たに生成し、これをメモリ30に記憶させる。こののちに管理用コントローラ29は、ステップSa12およびステップSa13の待ち受け状態に戻る。
モードスイッチ16によって資産情報入力モード以外のモードが設定されると、その旨がCPU11により検知された上で、CPU11から管理用コントローラ29へと通知される。これに応じて管理用コントローラ29は、資産情報入力モードが解除されたと判定し、ステップSa11からステップSa1に戻る。
さて、管理用コントローラ29がステップSa1乃至ステップSa5の待ち受け状態にあるときにイベントが発生したならば、ステップSa5からステップSa15へ進む。イベントは、一定の時間間隔毎や予め定められた時刻などの規定タイミングの到来や、何らかのエラーの発生など、任意であって良い。また、イベントは1種類に限らず、管理用コントローラ29は複数のイベントのうちのいずれかの発生に応じてステップSa5からステップSa15へと進んでも良い。
ステップSa15において管理用コントローラ29は、動作情報要素を取得する。動作情報要素とは、動作情報のうちの一要素となり得る情報であり、POS端末装置200の動作状態の管理のために有益な情報である。動作情報要素は例えば、CPU11の温度、筐体ファン(図示せず)の回転数、あるいは通常系電力の電圧などである。管理用コントローラ29は例えば、マザーボード210に設けられたハードウェアモニタ(図示せず)にアクセスして動作情報要素を取得する。なお、発生したイベントに応じて取得する動作情報要素を変更しても良い。
ステップSa16において管理用コントローラ29は、上記のように取得した動作情報要素を含むように、メモリ30に記憶されている動作情報を更新する。なお、メモリ30に動作情報が記憶されていない場合には、上記のように抽出した動作情報要素を含んだ動作情報を新たに生成し、これをメモリ30に記憶させる。こののちに管理用コントローラ29は、ステップSa1に戻る。
さて、サーバ装置100においては、オペレータによる要求に応じて、または予め定められたタイミングにおいて、CPU1が図6に示す処理を開始する。
ステップSc1においてCPU1は、全てのPOS端末装置200を未応答端末として設定する。
ステップSc2においてCPU1は、未応答端末の1つを対象端末として選択する。
ステップSc3においてCPU1は、対象端末の管理用コントローラ29にアクセスする。
ステップSc4においてCPU1は、上記のアクセスが成功したか否かを確認する。そしてアクセスが成功したならば、CPU1はステップSc4からステップSc5へ進む。
ステップSc5においてCPU1は、資産情報および動作情報の送信を対象端末の管理用コントローラ29に対して要求する。
さて管理用コントローラ29は、ステップSa1乃至ステップSa5の待ち受け状態にあるときにサーバ装置100からのアクセスを受けたならば、ステップSa2からステップSa18へ進む。
一方、マザーボード210が動作していない場合に管理用コントローラ29は、ステップSa1からステップSa17へ進む。そしてステップSa17において管理用コントローラ29は、サーバ装置100からのアクセスが発生したか否かを確認する。そしてサーバ装置100からのアクセスが発生していないならば、管理用コントローラ29はステップSa17からステップSa1へ戻る。かくしてマザーボード210が動作していないときに管理用コントローラ29は、サーバ装置100からのアクセスが発生するのを待ち受けている。そしてこのような待ち受け状態にあるときにサーバ装置100からのアクセスを受けたならば管理用コントローラ29は、ステップSa17からステップSa18へ進む。
ステップSa18において管理用コントローラ29は、上記のようなCPU1による要求に応じて、メモリ30が記憶している資産情報および動作情報をサーバ装置100へと送信するように通信ユニット31を制御する。そしてこののちに管理用コントローラ29は、ステップSa1に戻る。
このようにして対象端末から送信された資産情報および動作情報が通信ネットワークを介してサーバ装置100に到達すると、これら資産情報および動作情報を通信ユニット7が受信する。
ステップSc6においてCPU1は、通信ユニット7が受信した資産情報および動作情報を対象端末となっているPOS端末装置200に関連付けて補助記憶ユニット4に保存する。
ステップSc7においてCPU1は、現在の選択端末となっているPOS端末装置200を未応答端末から除外する。
ステップSc8においてCPU1は、未応答端末がもう無いか否かを確認する。
さて、ステップSc3でのアクセスに失敗した場合、あるいは未応答端末がまだ存在する場合にCPU1は、ステップSc4またはステップSc8からステップSc2に戻る。そしてCPU1は、ステップSc2以降の処理を上記と同様にして繰り返すことにより、全てのPOS端末装置200から資産情報および動作情報を収集する。
そして全てのPOS端末装置200から資産情報および動作情報を収集し終えたならば、未応答端末は存在しなくなるので、CPU1はそのことをステップSc8にて確認したことをもって図6に示す処理を終了する。
以上のように本実施形態によれば、POS端末装置200は、マザーボード210に対してどのような周辺機器が接続されているかを判断可能な資産情報をメモリ30に記憶している。従って、この資産情報を参照することによって、周辺機器に関する資産管理を容易に行うことができる。
また本実施形態によれば、複数のPOS端末装置200のそれぞれの資産情報をサーバ装置100で収集しているので、POSシステム全体での周辺機器の資産管理をサーバ装置100で収集された資産情報を参照することにより集中的に行うことができる。
しかも本実施形態によれば、POS端末装置200は、マザーボード210に新たに接続された周辺機器については、当該周辺機器に搭載されたメモリに記憶された資産情報要素の取得を自動的に試みる。そしてPOS端末装置200は、資産情報要素を取得できたならば、その資産情報要素を資産情報に追加する。従って、ユーザは、資産情報要素を記憶したメモリを搭載した周辺機器をマザーボード210に新たに接続した場合には、資産情報要素を入力するための作業を何ら行わなくて良い。
その一方でPOS端末装置200は、スキャナ19によりバーコードを読み取って得られた読取情報に含まれた資産情報要素を資産情報に加えることもできる。そして、POS端末装置200は、周辺機器に搭載されたメモリに記憶された資産情報要素を取得できなかった場合には、その周辺機器に表示されたバーコードをスキャナ19を使用して読み取るようにユーザに促すための報知動作を行う。従って、ユーザは、該当する周辺機器の管理のためにはバーコードをスキャナ19に読み取らせるための作業を行わなければならないことを認識できる。そして資産情報要素を表したバーコードの読み取りをユーザがスキャナ19に読み取らせたならば、そのバーコードを読み取って得られた読取情報に含まれた資産情報要素が資産情報に追加されることとなり、該当する周辺機器に関する資産管理が可能となる。なお、この場合には、ユーザの作業が必要となるが、資産情報入力モードの設定をPOS端末装置200が自動的に行うので、ユーザの負担の増加は小さく抑えられる。
また本実施形態によれば、POS端末装置200は、動作状態を判断可能な動作情報をメモリ30に記憶している。従って、この動作情報を参照することによって、POS端末装置200の動作状態の管理を容易に行うことができる。
また本実施形態によれば、複数のPOS端末装置200のそれぞれの動作情報をサーバ装置100で収集しているので、これら複数のPOS端末装置200のそれぞれの動作状態の管理をサーバ装置100で収集された動作情報を参照することにより集中的に行うことができる。
また本実施形態によれば、ボード管理部220はバックアップ系電力により動作している。このため、マザーボード210が動作していない状態においても、資産情報や動作情報をサーバ装置100にて収集することが可能である。つまり、例えばPOS端末装置200の本来の機能を働かせる必要のない夜間などにおいて、マザーボード210を起動することなしに、効率的に情報収集を行うことが可能である。
この実施形態は、次のような種々の変形実施が可能である。
管理用コントローラ29はステップSa10にいては資産情報入力モードの設定を行わずに、ステップSa10にてバーコードの読み取りユーザに促す画像の表示を行ったのちにステップSa1乃至ステップSa5の待ち受け状態に移行しても良い。資産情報入力モードの自動での設定は行わないようにしても良い。
CPU11により機器情報の取得とその機器情報の管理用コントローラ29への通知は、OS(operation system)の起動直後にOS処理にて行っても良い。またCPU11は、OS処理の実行中には、周辺機器が新たに接続されたことに応じて、当該周辺機器に関する機器情報の取得とその機器情報の管理用コントローラ29への通知を行っても良い。
前記実施形態では、サーバ装置100は、POS端末装置200からの情報収集を全てのPOS端末装置200を対象として行っているが、例えばオペレータにより指定された一部のPOS端末装置200のみから情報収集しても良い。
前記実施形態では、サーバ装置100は、資産情報および動作情報の双方を同時に収集しているが、例えばオペレータにより指定された一方の情報のみを収集しても良い。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。