JP5400965B2 - 燃料噴射弁用制振インシュレータ - Google Patents

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Description

本発明は、内燃機関に燃料を噴射する燃料噴射弁に生じる振動を制振する燃料噴射弁用制振インシュレータに関する。
従来、例えば燃焼室内に燃料が噴射されるタイプの内燃機関、いわゆる筒内噴射式の内燃機関にあってはシリンダヘッドの挿入孔に燃料噴射弁の先端寄り部分が挿通支持され、また燃料噴射弁の基端寄り部分がデリバリパイプ(燃料噴射弁カップ)に挿通支持されることによって、シリンダヘッドとデリバリパイプとの間に燃料噴射弁が架設される。デリバリパイプを介して燃料噴射弁に供給されている燃圧が、燃料の噴射や停止によって変動を生じると、通常このような燃料噴射弁には、燃圧変動に基づく振動や、燃料噴射弁の作動振動が発生する。そこで、燃料噴射弁とシリンダヘッドの挿入孔との間には、こうした燃料噴射弁の振動を吸収、抑制する制振インシュレータが取付けられていることが多い。
一方、シリンダヘッドとデリバリパイプとは本来別体の部品であるために、例えば部品の製造や加工にかかる公差、製造時の組み付けにかかる公差、内燃機関の運転に伴う熱変形や各種振動などを要因としてそれらの相対位置が変化することが避けられない。すなわち、シリンダヘッドとデリバリパイプとの間に架設されている上記燃料噴射弁も、その軸心がシリンダヘッドの挿入孔の軸心に対して傾斜され、燃料噴射弁の上記シリンダヘッドやデリバリパイプに支持される位置に位置ずれが生じるようになる。そして、このような位置ずれは、燃料噴射弁の基端側にあっては、上記デリバリパイプ(燃料噴射弁カップ)との間での燃料漏れを防いでいるO−リングの一部にゆるみを生じさせるなど燃料漏れの発生にもつながりかねない。
そこで、燃料噴射弁の振動を吸収、抑制するとともに、こうした燃料噴射弁の軸心の傾斜による影響の軽減を意図したインシュレータが提案されており、その一例として特許文献1に記載されているインシュレータが知られている。この特許文献1に記載のインシュレータは、図12に示すように、シリンダヘッド51の肩部54と、前記肩部54に対向するようにテーパ状に拡径された燃料噴射弁55のテーパ状段差部57との間に挟まれる環状の調整エレメント60を備えている。燃料噴射弁55の噴射ノズル56は、シリンダヘッド51の挿入孔52(受容孔)に挿通配置され、シリンダヘッド51の肩部54は、挿入孔52の側壁53に拡開されている。調整エレメント60は、挿入孔52の上記肩部54に沿って延びる第1脚61と、燃料噴射弁55の上記テーパ状段差部57に沿って延びる第2脚62とを有している。そして上記第1脚61が挿入孔52の肩部54に面接触し、上記第2脚62が燃料噴射弁55のテーパ状段差部57に面接触することで、燃料噴射弁55をシリンダヘッド51に対して弾性支持する構造となっている。
このようなインシュレータによれば、組付け時に燃料噴射弁55の軸心C2がシリンダヘッド51の挿入孔52とデリバリパイプとの間で偏心させられたとしても、燃料噴射弁55のテーパ状段差部57に従ってたわむ第2脚62によって生じる力に基づき、第1脚61が、挿入孔52の肩部54に沿って移動する。このことによって、上記挿入孔52やデリバリパイプに対する燃料噴射弁55の位置関係が適正に補償されるようになる。
内燃機関の運転時には、上述した燃圧に基づく高い圧力が、燃料噴射弁55のテーパ状段差部57を通じて、調整エレメント60の第2脚62に印加される。このとき調整エレメント60の第2脚62には、燃料噴射弁55のテーパ状段差部57から、挿入孔52の肩部54の方向への力と、調整エレメント60の外周方向への力とが、テーパ状段差部57のテーパ角度に対応して加えられる。
特許第4191734号公報
このうち図12において、燃料噴射弁55から調整エレメント60の外周方向への力は、調整エレメント60の環径を拡げるように作用することから、第2脚62を外周方向へ歪ませるおそれがある。特に、第2脚62が拡開するように歪ませられた場合には、燃料噴射弁55のテーパ状段差部57を第2脚62が支持する位置は、テーパ状段差部57に沿う傾斜を有する第2脚62の内周側にずれるようになる。すなわちシリンダヘッド51に対する燃料噴射弁55の上下方向の位置が移動することとなるため、燃料噴射位置も変化するなど、最適な燃焼状態を維持できなくなるおそれがある。
本発明は、このような実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、内燃機関の運転時であれ、燃料噴射弁の制振機能はもとより、燃料噴射弁の燃料噴射位置を好適に維持することのできる燃料噴射弁用制振インシュレータを提供することにある。
上記課題を解決するため、本発明によれば、燃料噴射弁に生じる振動を制振する燃料噴射弁用制振インシュレータが提供され、前記燃料噴射弁は、シリンダヘッドに設けられる挿入孔に挿通する状態で前記シリンダヘッドに装着される。前記挿入孔の入口部分には肩部が環状に拡開形成され、前記燃料噴射弁は、前記肩部に対向するテーパ面を有するようにテーパ状に拡径した段差部を備える。前記制振インシュレータは前記段差部と前記肩部との間に介在され、前記制振インシュレータは、前記テーパ面に当接する円環形状のトレーランスリングを備える。このような燃料噴射弁用制振インシュレータにおいて、前記トレーランスリングには、前記トレーランスリングと同心の円環形状からなるスリーブ部が、前記テーパ面に対向しない前記トレーランスリングの部分の面から延設するように一体に形成されていることを要旨とする。
このような構成によれば、上記一体に延設されたスリーブ部によってトレーランスリング自身の剛性が高められることから、トレーランスリングが燃料噴射弁のテーパ面から受けてトレーランスリングを拡開するように作用する力への、トレーランスリングの耐性の向上が図られるようになる。これによりトレーランスリングの歪みの発生が抑制されるようになり、トレーランスリングに当接する燃料噴射弁のテーパ面の位置も維持されるようになる。すなわち、燃焼室に対する燃料噴射弁の燃料噴射位置が好適に維持されて、燃焼状態も適正に維持されるようになる。
前記制振インシュレータは、前記トレーランスリングと前記肩部との間に配置される弾性部材を備えてもよい。弾性部材は、前記燃料噴射弁に生じる振動を制振すべく、前記トレーランスリングの底面に対応する円環形状に形成される。前記スリーブ部は、前記トレーランスリングの底面から前記肩部の方向へ前記弾性部材に沿って延設され、前記スリーブ部の延設方向の長さは、前記トレーランスリングの底面と前記肩部との間の間隔よりも短く形成されてもよい。
このような構成によれば、燃料噴射弁から強い押圧力を受けて弾性部材が変形すると、スリーブ部が肩部に接触するようになる。よって、大きく変形されると塑性変形するおそれのある弾性部材の、過剰な変形が規制されるようになる。すなわち弾性部材を、弾性変形することが可能な範囲の変形量(高さ)にて使用することができるようになる。これによって、弾性部材の弾性が好適に維持されて、同弾性による振動の吸収、抑制機能が維持されるようになる。
前記弾性部材の内部には、前記弾性部材の円環形状に対応して螺旋状に配列されたコイルスプリングが埋め込まれてもよい。前記トレーランスリングの底面から延設された前記スリーブ部の前記延設方向の長さは、前記コイルスプリングの各螺旋径よりも短く形成されていてもよい。
このような構成によれば、弾性がコイルスプリングにより調整されている弾性部材においても、過剰な変形が規制される。つまりこのような弾性部材も、弾性変形が可能な範囲(高さ)にて使用されるようになる。これによって、弾性部材の弾性が好適に維持されて、同弾性による振動の吸収、抑制機能が維持されるようになる。
前記スリーブ部は、前記弾性部材の外周側に設けられていてもよい。
このような構成によれば、押圧されることにより径方向に拡がるように変形しようとする弾性部材は、スリーブ部を外周方向に押す。一方、トレーランスリングは、燃料噴射弁のテーパ面がトレーランスリングに当接しつつトレーランスリングを押圧することによって、拡開する方向への力を受ける。すなわちトレーランスリングは、燃料噴射弁のテーパ面に対向する面と、スリーブ部との両方において、それぞれ外方向への力を受ける。このことから、たとえばトレーランスリングが、燃料噴射弁のテーパ面に対向する面のみにおいて外方向への力を受ける場合に比較して、トレーランスリングの歪みが発生することが抑制されるようになる。よって、トレーランスリングに当接する燃料噴射弁のテーパ面の位置を、維持することができるようになる。これにより、燃焼室に対する燃料噴射弁の燃料噴射位置が好適に維持されることから、最適な燃焼状態も維持されるようになる。
前記弾性部材に対向する前記スリーブ部の面は、前記コイルスプリングの各螺旋の外形に沿う形状に形成されていてもよい。
このような構成によれば、押圧されて外周方向に変形しようとする弾性部材の力が、分散されずにスリーブ部に伝達されやすくなる。よって、変形しようとする弾性部材が、スリーブ部をより強い力で外周方向に押すようになる。これにより、燃料噴射弁のテーパ面からレーランスリングが受ける力によって発生するおそれがあるトレーランスリングの歪みが、より抑制されるようになる。つまり、トレーランスリングに当接する燃料噴射弁のテーパ面の位置を、維持することができるようになる。
前記スリーブ部は、前記弾性部材の内周側及び外周側にそれぞれ設けられていてもよい。
このような構成によれば、トレーランスリングの内周側スリーブ部と外周側スリーブ部の間に挟まれている弾性部材に、燃料噴射弁からの押圧によって生じる反力は、同トレーランスリングの方向へ作用する。これにより、肩部に対するトレーランスリングの位置は、トレーランスリングが燃料噴射弁によって押圧されても、維持されるようになる。このことから、燃焼室に対する燃料噴射弁の燃料噴射位置は、トレーランスリングによって好適に支持されて維持される。最適な燃焼状態も維持されるようになる。
前記内周側のスリーブ部と、前記外周側のスリーブ部との間の間隔は、前記トレーランスリングの底面から前記肩部に近づくにつれて広くなるようにしてもよい。
このような構成によれば、燃料噴射弁からの押圧力により弾性部材に生じた内周方向や外周方向への反力は、内周側のスリーブ部及び外周側のスリーブ部の傾斜角に応じて、燃料噴射弁からの押圧力に抗する反力に変換される。この力は、肩部に対するトレーランスリングの位置を、維持させるように作用する。これによっても、トレーランスリングによって支持される燃料噴射弁の燃料噴射位置が、燃焼室に対して好適に維持される。最適な燃焼状態も維持されるようになる。
前記スリーブ部は、前記弾性部材の内周側に設けられていてもよい。
このような構成によれば、内周側側面から延設されるスリーブ部によっても、トレーランスリングの剛性が向上する。よってトレーランスリングが燃料噴射弁のテーパ面から受ける、トレーランスリングを拡開するように作用する力への、トレーランスリングの耐性の向上が図られるようになる。
前記制振インシュレータは、前記トレーランスリングと前記肩部との間に配置される弾性部材を備えてもよい。弾性部材は、前記燃料噴射弁に生じる振動を制振すべく、前記トレーランスリングの底面に対応する円環形状に形成される。前記スリーブ部は、前記挿入孔が開口される前記シリンダヘッドの表面に対向する位置まで延出される。前記弾性部材によって、前記スリーブ部と前記シリンダヘッドの表面との間には、所定の間隔が設けられてもよい。
このような構成でも、スリーブ部によって、トレーランスリングの剛性が向上する。このため、トレーランスリングが燃料噴射弁のテーパ面から受ける、トレーランスリングを拡開するように作用する力への、トレーランスリングの耐性の向上が図られるようになる。また、弾性部材が潰されるかたちに変形されたとき、トレーランスリングのスリーブ部がシリンダヘッドに当接する。よって、弾性部材の過剰な変形が規制されて、弾性部材を弾性変形の範囲(高さ)にて使用することができるようになる。これによって、弾性部材の弾性が好適に維持されて、同弾性による振動の吸収、抑制機能が維持されるようになる。
前記制振インシュレータは更に、前記弾性部材と前記肩部の間に介在される円環状部分を有する金属製プレートを有してもよい。前記金属製プレートは、前記トレーランスリングの内周側から、前記トレーランスリングと前記弾性部材を一体に挟持する態様で形成されていてもよい。
このような構成によれば、弾性部材に強く接合させることが容易ではないトレーランスリングの、弾性部材に対する相対位置が、プレートによって内周側から規定される。よって、弾性部材へのトレーランスリングの適正な積層を容易にできる。その結果、このような制振インシュレータの実施可能性の向上が図られるようになる。
前記金属製プレートの外周縁は、前記弾性部材に向かって切り上がる返りが生じる形状に成形されていてもよい。
このような構成によれば、シリンダヘッドの挿入孔に形成される肩部の大きさは、燃料噴射弁の軸心の偏心を、制振インシュレータの移動によって補償することができる必要最小の大きさに形成される。
前記トレーランスリングは、前記燃料噴射弁のハウジングと同等の硬度を有する金属製の材料からなるようにしてもよい。
このような構成によれば、燃料噴射弁にかかる押圧力は、燃料噴射弁のテーパ面と、燃料噴射弁のテーパ面に対向するトレーランスリングの部分の面とに、均等に分配されるようになる。よって、燃料噴射弁の軸心の偏心に対する、トレーランスリングによる補償動作が好適に行なわれるようになる。
本発明に係る制振インシュレータの第1実施形態が適用される燃料噴射装置の概要を模式的に示す模式図。 図1の制振インシュレータの平面構造を示す平面図。 図2の制振インシュレータの断面構造を示す断面図。 図3の制振インシュレータの端面構造を示す拡大端面図。 図5(a)と図5(b)は、図1の制振インシュレータの偏心に対する補償機能を説明する模式図であり、図5(a)は非偏心状態を示し、図5(b)は偏心状態を示す。 本発明の第2実施形態に係る、制振インシュレータの端面構造を示す端面図。 本発明の第3実施形態に係る、制振インシュレータの端面構造を示す端面図。 本発明の第4実施形態に係る、制振インシュレータの端面構造を示す端面図。 本発明の第5実施形態に係る、制振インシュレータの端面構造を示す端面図。 第1実施形態の変形例に係る、制振インシュレータの端面構造を示す端面図。 第3実施形態の変形例に係る、制振インシュレータの端面構造を示す端面図。 従来の制振インシュレータの、断面構造を示す断面図。
(第1実施形態)
図1〜図5は、本発明の第1実施形態に係る制振インシュレータを説明する。
図1は、本実施形態の制振インシュレータが適用された燃料噴射装置の概略構造を模式的に示す図である。図2は、制振インシュレータの構造を平面的に示す図である。図3は、制振インシュレータの構造を断面視にて示す図である。図4は、制振インシュレータの構造を端面視にて示す図である。図5(a)(b)は、制振インシュレータの偏心に対する補償動作の態様を説明するための説明図であって、(a)は軸心Cが偏心していない状態を示す図であり、(b)は軸心Cが偏心している状態を示す図である。
図1に示すように、燃料噴射装置10には燃料噴射弁11が設けられている。燃料噴射弁11の先端(図1にて下方)寄り部分はシリンダヘッド12の挿入孔15に挿通されることによって支持されるとともに、燃料噴射弁11の基端(図1にて上方)寄り部分は、デリバリパイプ13が有する燃料噴射弁カップ14によって支持されている。このようにして燃料噴射弁11はシリンダヘッド12とデリバリパイプ13の間に架設されている。
シリンダヘッド12の挿入孔15は、シリンダヘッド12の外面12A(図1の上側)から、筒内噴射式の内燃機関の燃焼室に面する内面12B(図1の下側)に向うにつれて孔径が順に細くなる多段状の孔として、シリンダヘッド12の外面12Aから内面12Bに貫通形成されている。すなわち、シリンダヘッド12の外面12Aに開口する入口である挿入孔15の入口部17の孔径が最も大きく、内面12Bに開口する挿入孔15の先端孔部16の孔径が最も小さくなっている。これにより挿入孔15の孔径が変化する部分には、それぞれ孔径の差に基づく段差部が形成されることから、例えば、入口部17と該入口部17に連続する中孔部19との間には、段差部としての肩部18が形成される。つまり肩部18は、中孔部19の外面12A側端部を環状に拡開させたようなかたちに形成されている。挿入孔15の先端孔部16が筒内噴射式の燃焼室に連通されていることから、挿入孔15の先端孔部16には燃料噴射弁11の噴射ノズル23が挿入装着される。これにより先端孔部16は、噴射ノズル23から噴出される高圧燃料を燃焼室に導入するようになっている。
デリバリパイプ13は、噴射圧力にまで蓄圧された高圧燃料を燃料噴射弁11に供給するものであることから、デリバリパイプ13は、燃料噴射弁11の基端部が挿入装着される燃料噴射弁カップ14を有している。燃料噴射弁カップ14に燃料噴射弁11の基端部が挿入されると、当該燃料噴射弁11の基端部と燃料噴射弁カップ14の内周面14Aとの間の燃料シール性は、両者間に配置されるO−リング29によって確保される。
燃料噴射弁11は、デリバリパイプ13から供給された高圧燃料を、シリンダヘッド12によって区画される燃焼室に所定のタイミングで噴射するものである。燃料噴射弁11のハウジングは、軸方向中央から先端側(挿入孔15側)と基端側(燃料噴射弁カップ14側)それぞれに向かって順に細くなる多段円筒形状をしている。
すなわち燃料噴射弁11のハウジングの中央は大径部20であり、大径部20から基端に向かって順に、大径部20よりも小径の基端中継部26と、基端中継部26より小径の基端挿入部27と、基端挿入部27より小径の基端被シール部28とを備えている。基端中継部26には、燃料噴射を制御するために燃料噴射弁11に内蔵されている電磁弁などへ駆動信号を伝達させるための配線が接続されるコネクタ26Jが設けられている。基端被シール部28は、O−リング29を挿入支持している。
O−リング29は、燃料に対して耐性を有するゴムなどの弾性部材によって略円環状に形成されているとともに、高圧燃料圧力への耐圧も有している。O−リング29の内周は、基端被シール部28の外周面に密着されるようになっていることから、O−リング29の内周と基端被シール部28の外周面との密着によって、燃料噴射弁11とO−リング29との間における高圧燃料の燃料漏れを防止するシール性を発揮する。また、O−リング29の外周は、デリバリパイプ13の燃料噴射弁カップ14の内周面14Aに密着する大きさに形成されている。これにより燃料噴射弁11の基端部がデリバリパイプ13の燃料噴射弁カップ14に挿入されると、燃料噴射弁11のO−リング29の外周は、燃料噴射弁カップ14の内周面14Aに密着するため、高圧燃料に対するシール性を発揮する。このようにO−リング29が、基端被シール部28の外周面と、燃料噴射弁カップ14の内周面14Aとのそれぞれにシール性を発揮することによって、燃料噴射弁11と燃料噴射弁カップ14との間には、高圧燃料に対する燃料シール性が確保されるようになっている。
また、燃料噴射弁11のハウジングは、大径部20から先端に向かって順に、大径部20よりも細い径の中径部21と、中径部21より細い径の小径部22とを備えている。小径部22の先端には、燃料を噴射する噴射ノズル23が設けられている。小径部22において、噴射ノズル23よりも基端側には、挿入孔15の壁面との間のシール性を確保することによって燃焼室の気密性を維持するためのシール部25が設けられている。
大径部20と中径部21の間には、大径部20の外径と中径部21の外径との差に基づく段差部が形成されており、この段差部には、先端側に向って絞られる形状のテーパ面24が設けられている。すなわち、燃料噴射弁11のテーパ面24は、燃料噴射弁11が挿入孔15に挿入されたとき、シリンダヘッド12の挿入孔15の入口部17に位置する肩部18に、所定の傾斜をもって対向する。なお、燃料噴射弁11の中心軸(軸心C)に対する、テーパ面24の角度α(図4参照)は、軸心Cに平行な軸心平行線C1に対する角度として示されている。なお具体的には、このテーパ面24の角度αは30度〜60度が好ましいが、0度より大きく90度より小さい値から選択可能である。
燃料噴射弁11のテーパ面24と、挿入孔15の肩部18との間には、環状の制振インシュレータ30が設けられている。制振インシュレータ30は、デリバリパイプ13を介して供給されている燃料の燃圧に燃料噴射弁11による燃料の噴射や停止によって変動が生じたとき、その燃圧変動に基づいて燃料噴射弁11に生じる振動を吸収、抑制するためのものである。
制振インシュレータ30の外径Ra(図2及び図3参照)は、制振インシュレータ30が環状の肩部18に載ることを可能ならしめる大きさに形成されている。また制振インシュレータ30の内径Rb(図2及び図3参照)は、燃料噴射弁11の中径部21が制振インシュレータ30との間に遊びのある状態で制振インシュレータ30を挿通することを許容する大きさに形成されている。図1と図4に示すように、中径部21の燃料噴射弁11の先端側部分には、制振インシュレータ30の内径Rbよりも大きな外径を有するリング21Rが設けられている。図1に示すように、中径部21によって挿通された状態の制振インシュレータ30は、リング21Rによって燃料噴射弁11の中径部21からの離脱が防止されている。
図3に示すように、制振インシュレータ30は、環状の制振部材31と、制振部材31の下部(図3において下側)と内周部(図3の軸心C側)を包み込むような断面チャネル状に形成された環状のプレート32と、制振部材31の上部(図2において上側)に設けられた環状のトレーランスリング33とを備えている。すなわち、プレート32は、制振部材31が積層されるプレート底部37を有し、制振部材31の上にトレーランスリング33がさらに積層されている。
制振部材31は、燃料噴射弁11の振動を吸収、抑制するための部材として機能するために、図4に示すように、ゴムなどの弾性部材36と、弾性部材36と同じ環状を形成する状態で当該弾性部材36に埋め込まれた環状のコイルスプリング34とを備えている。すなわちコイルスプリング34は、螺旋状の長尺体を、燃料噴射弁11を取り囲むように曲げて環状にした形状にされている。図4は、コイルスプリング34の螺旋のうちの一巻分を示し、この一巻分が多数、連続的に繋げられることによってコイルスプリング34の螺旋が構成される。このコイルスプリング34の螺旋の螺旋径(一巻分の外径)である高さH11も、図4に示されている。コイルスプリング34は、ステンレス、ピアノ線に代表されるばね鋼を素材として作成されている。なお図5(a)と図5(b)は、図面の複雑化を防ぐために、コイルスプリング34の図示を省略している。
弾性部材36は、フッ素ゴム、ニトリルゴム、水素添加ニトリルゴム、フロロシリコーンゴム、アクリルゴムを主原料として、カーボンブラック、シリカ、クレー、炭カルセライトなどの充填材、および各ゴムに適した老化防止剤、加工助剤、加硫剤を配合したゴム、あるいはTPEなどのエラストマーなどが材料として用いられている。
このようにして制振部材31には、弾性部材36による振動吸収および制振特性と、コイルスプリング34による振動吸収および制振特性とに基づいて、燃料噴射弁11に生じる振動の吸収、制振に適した特性が付与されるようになっている。なお、弾性部材36とコイルスプリング34とは、弾性を維持し得る所定内の負荷が印加される場合であれば適正な弾性変形によって適切な振動の吸収、制振特性を発揮するが、その所定の負荷を越えた負荷が印加される場合、塑性変形して弾性が失われて振動の吸収、制振特性を適切に発揮できないようになる。すなわち、弾性部材36とコイルスプリング34とが燃料噴射弁11からの押圧力によって上下方向に押しつぶされるかたちに変形する場合、その変形量が所定変形量以下であるうちは弾性部材36とコイルスプリング34は自由に変形するが、所定変形量を越えるように変形されると弾性部材36やコイルスプリング34が塑性変形されてしまう。本実施形態では、例えば、制振部材31の変形後の高さが、高い押圧力が印加されていない場合の高さH11から、所定の高い押圧力を受けた場合の所定の高さH12までの間であれば、制振部材31の適正な弾性変形が維持される。つまり高さH11と高さH12の差が、制振部材31の弾性変形と塑性変形の境目を示す所定変形量である。一方、所定の押圧力を越える押圧力により、制振部材31の高さが高さH12よりも低くなるように制振部材31が変形すると、制振部材31は適正な弾性変形が維持されずに塑性変形してしまう。
プレート32は、ステンレス、例えば絞り加工のしやすいステンレス材であるSUS430などの金属から形成されている。図4に示すように、プレート32は断面チャネル形状に形成されているとともに、プレート底部37と、プレート底部37の内周側から上方に制振部材31に沿って延びるプレート内壁部38と、プレート内壁部38の上端から外周側に折り曲げられてトレーランスリング33の内周部の一部を覆うプレート被覆部39とを備えている。
プレート底部37の上面には制振部材31が圧接される一方、プレート底部37の下面は、挿入孔15の肩部18に当接される。これによって、プレート32は、挿入孔15の肩部18に対して好適な横方向の摺動性が維持されるとともに、制振部材31などからプレート32が受けた力は、環状の肩部18に均等に分配されるようにしている。肩部18は、アルミニウムなどから形成されるシリンダヘッド12の一部であるため、肩部18の硬度はコイルスプリング34よりも低い。よって、もし肩部18にコイルスプリング34が直接接触してしまうと、肩部18の力の集中した部分が削られたり、変形したりする不都合を生じるおそれもあると仮想される。しかし本実施形態では、プレート32がコイルスプリング34から受ける力は、環状の肩部18に対応する環状のプレート底部37を介して、肩部18に周方向に分散して伝達される。よって、プレート32は、コイルスプリング34が肩部18に直接に接するような場合に生じうる不都合の発生を防止している。
図4に示すように、プレート底部37の外周側の端部には、プレス加工による返り部37Rが形成されている。すなわち返り部37Rは、プレート底部37の底面から、外周側に向かって斜めに切り上がっている。制振インシュレータ30は、図5(a)に示すように、入口部17の外周面から離れた肩部18の段差の中央付近の位置から、肩部18上を摺動して、図5(b)に示すように、入口部17の外周面まで移動することができるようになっている。このようなとき、制振インシュレータ30のプレート底部37は、返り部37Rが設けられていることにより、肩部18の外周端に削り残され盛り上がっている部分に引っかかったり、乗り上げたりすることがないようになっている。すなわち、返り部37Rは、肩部18の外周端に削り残されて盛り上がっている部分に、接しないような形状に形成されている。なお、返り部37Rが接しないようにする肩部18の外周端の盛り上がりは、意図的に形成されたものであってもよい。
このような返り部37Rによって、制振インシュレータ30が、肩部18の外周に当接するまで移動したとしても、プレート底部37の外周端は、肩部18の外周端の盛り上がっている部分に干渉しないようになる。つまり返り部37Rは、プレート底部37が肩部18の外周端の盛り上がり部分に引っかかることなどによってプレート32の移動特性が低下してしまうことを防ぐ。さらには、トレーランスリング33が燃料噴射弁11のテーパ面24に当接する位置(図4では肩部18から高さHiの位置)が、プレート底部37が盛り上がり部分へ乗り上がって傾くことによって大きく変化してしまうようなことを、返り部37Rは防ぐようにしている。
図4に示すように、プレート内壁部38は、プレート底部37の内周端から、制振部材31に沿って立ち上がるように形成されていることから、燃料噴射弁11の中径部21に沿うかたちに上方に延出されるようになっている。
プレート被覆部39は、プレート内壁部38の先端部が、制振部材31に積層されたトレーランスリング33の内周斜面42を途中まで覆うように延設される。さらにプレート被覆部39は、トレーランスリング33の内周斜面42に当接されており、内周斜面42に、外周側かつ下向きの力を付与している。これによりプレート被覆部39は、トレーランスリング33と制振部材31の接続を補強するとともに、トレーランスリング33と制振部材31の間の相対位置変化を防ぐようにしている。
トレーランスリング33は、燃料噴射弁11のテーパ面24に当接することによって、シリンダヘッド12に対して燃料噴射弁11を支持する。トレーランスリング33は、ステンレス、例えば硬いステンレス材であるSUS304などの金属から形成されている。なお、トレーランスリング33の材料となる金属は、燃料噴射弁11のテーパ面24と同等の硬度を有する金属が採用されているが、その他の硬度の部材、例えばコイルスプリング34と同等の硬度を有する金属などを採用することもできる。
図4に示すように、トレーランスリング33の断面のうち、制振部材31の上方部分(燃料噴射弁11の基端側)は、直角三角形状である。つまりトレーランスリング33は、制振部材31に接続されるリング底面40と、リング外周面41と、リング外周面41の上部からリング底面40の内周端まで延びる内周斜面42とを備えている。すなわちトレーランスリング33の断面における内周斜面42は、図3に示すように、トレーランスリング33の環の中心(軸心C)方向へ向うテーパ状を成す。
図4に示すようにリング底面40は、制振部材31の上面に当接されている。リング底面40は、トレーランスリング33が燃料噴射弁11から受ける押圧力を、環状の当該リング底面40の全体を通じて周方向に分散して制振部材31の上面に伝達することで、制振部材31に押圧力が均等に印加されるようにする。その結果、制振部材31が局部的に集中する力によって塑性変形される不都合などが生じることが防がれる。
リング外周面41の径は、プレート32のプレート底部37の外径Raと略同じ径に形成されている。つまりリング外周面41の径は、制振インシュレータ30の外径Raと略同じになっていることから、挿入孔15の入口部17における制振インシュレータ30の径方向の移動範囲を狭めないように設定されている。
図4に示すように、内周斜面42は、3つの斜面を有するように構成されている。つまり内周斜面42は、トレーランスリング33のリング底面40から外周側に向かって斜めに延びる連結斜面としての連結部43と、連結部43から一段高くなって更に外周側に向かって斜めに延びる内側テーパ面45と、内側テーパ面45から緩い角度で更に外周側に向かって斜めに延びる外側テーパ面46とを有する。内側テーパ面45と外側テーパ面46は、燃料噴射弁11のテーパ面24に対向する当接部44を構成する。つまり連結部43は、当接部44よりも内周側に位置しており、連結部43の大部分は、燃料噴射弁11のテーパ面24には対向していない。
詳しくは、連結部43の内周縁は、リング底面40の内周縁に、トレーランスリング33の内周面を介して連続する。プレート32のプレート被覆部39は、この連結部43に当接するように、外周側に折り曲げられている。つまり連結部43には、プレート被覆部39から外周側且つ下方(制振部材31の方向)への力が付与される。よって、トレーランスリング33の制振部材31への圧接が補強され、制振部材31との相対位置関係は変化しないように維持される。
内側テーパ面45と外側テーパ面46の間の境界線としての稜線47は、図4では当接部44から内周側に突き出る凸の角部(頂点)として示されている。すなわち稜線47は、内側テーパ面45の外周縁が外側テーパ面46の内周縁に当接する部分であり、内側テーパ面45と外側テーパ面46は、燃料噴射弁11のテーパ面24に対向するトレーランスリング33の部分の面を、2つの面によって構成する。図4では、それぞれトレーランスリング33の軸心平行線C1に対する傾斜角として、内側テーパ面45の角度β1と、外側テーパ面46の角度β2と、燃料噴射弁11のテーパ面24の角度αとを表す。また内側テーパ面45の角度β1は、燃料噴射弁11のテーパ面24の角度αよりも小さく設定されているとともに、外側テーパ面46の角度β2は、燃料噴射弁11のテーパ面24の角度αよりも大きく設定されている(β1<α<β2)。すなわち、内側テーパ面45の角度(テーパ角)β1と、外側テーパ面46の角度(テーパ角)β2とは、それぞれ、燃料噴射弁11のテーパ面24の角度(テーパ角)αとは異なる角度に設定されている。これにより、内側テーパ面45の角度β1と、外側テーパ面46の角度β2と、燃料噴射弁11のテーパ面24の角度αとの関係は、角度β1と角度β2の間の大きさに角度αが設定される関係になっている。図2に示される、内側テーパ面45と外側テーパ面46の間の円周状の稜線47は、図4では、燃料噴射弁11のテーパ面24に点接触する頂点として見える。つまり稜線47は、燃料噴射弁11のテーパ面24に線接触する。これらのことからトレーランスリング33の内周面、リング底面40、およびリング外周面41は、燃料噴射弁11のテーパ面24に対向しないトレーランスリング33の部分の面を構成する。
図5(b)は、シリンダヘッド12に対して偏心した状態の燃料噴射弁11の軸心Caを示す。図5(a)に比べて、図5(b)に示すように燃料噴射弁11が傾いても、制振インシュレータ30が肩部18上を横方向(径方向)に摺動するため、挿入孔15の肩部18から稜線47までの高さHiに変化が生じ難い。その結果、肩部18に対して燃料噴射弁11が支持される高さは、予め規定された高さHiに維持されるようになる。また、燃料噴射弁11の軸心Cの偏心に追従して、制振インシュレータ30は横方向に移動できることから、燃料噴射弁11の軸心Cが軸心Caのように偏心しても、稜線47から軸心Caまで径方向に延ばした線分の長さは、図5(a)のような非偏心状態において稜線47から軸心Cまで径方向に延ばした線分の長さRiと同じに維持される。つまり、燃料噴射弁11の中心線から稜線47までの距離は、予め定められた距離すなわち長さRiに維持されるようになる。
また、熱膨張などの影響で軸心Cが偏心した状態において、制振インシュレータ30は、燃圧の変化によって燃料噴射弁11から横方向の力を受ける。横方向力を受けた瞬間は、制振インシュレータ30は燃料噴射弁11の振動を或る程度は吸収抑制するものの、形状が大きく撓むなどしないように構成される。つまり、横方向の力は、制振インシュレータ30によってはほとんど吸収されることなく、制振インシュレータ30を肩部18上で横方向へ移動させる力として効率的に用いられる。すなわち、制振インシュレータ30は、軸心Cが偏心したときに燃料噴射弁11から受ける横方向の力に迅速に反応して移動でき、入口部17内での移動が高い応答性にて実施されるようになる。
ところで、図4に示すように、燃料噴射弁11のテーパ面24から力Fがトレーランスリング33に印加されると、トレーランスリング33の稜線47にはテーパ面24の角度αに応じて、軸心平行線C1に沿う方向への力(負荷の軸方向分力。すなわち軸方向負荷)Faと、軸心平行線C1に直交する方向への力(負荷の径方向分力。すなわち径方向負荷)Fbとが印加される。軸心平行線C1に沿う方向への力Faは、制振部材31とプレート32とを介して肩部18に伝達される。一方、軸心平行線C1に直交する方向への力Fbは、トレーランスリング33の上部を外周方向へ押圧する力として作用する。このときトレーランスリング33は、リング外周面41が入口部17の側面等に当接していないことなどにより、この力Fbに抗することができず稜線47部分がリング外周面41とともに外側に開かれるように歪められるおそれがある。このようにトレーランスリング33が歪むことによって稜線47の位置が外側に移動することになれば、燃料噴射弁11のテーパ面24のうち、稜線47に当接する部分は、燃料噴射弁11の基部側、つまりテーパ面24の上部側に移動することとなる。つまり、シリンダヘッド12の挿入孔15に、燃料噴射弁11が一層深く入り込むこととなる。換言すれば、シリンダヘッド12に対して燃料噴射弁11が、より先端方向(下方)に移動することになり、シリンダヘッド12による燃料噴射弁11の支持高さは、高さHiに維持されず、下がることとなる。
そこで本実施形態では、トレーランスリング33は、リング底面40からプレート32の方向に延設された円環形状のスリーブ部35を有する。スリーブ部35は、リング底面40のリング外周面41寄りの部分から、制振部材31の外周側に沿って軸方向に延びる。スリーブ部35は、トレーランスリング33に一体形成されていることから、トレーランスリング33と同様に、ステンレス、例えば硬いステンレス材であるSUS304などの金属から形成されている。
リング底面40からプレート32の方向に延出するスリーブ部35の寸法つまり軸方向寸法は、略高さH12に形成されている。この高さH12は、高い押圧力を受けていないときの制振部材31の高さH11よりも低い(H12<H11)ことから、トレーランスリング33が燃料噴射弁11から高い圧力を受けていないとき、スリーブ部35の先端部とプレート底部37との間には隙間(≦H11−H12)が存在する。なお、プレート32の返り部37Rは、外周側が上方に反り上がっているため、スリーブ部35の先端のうちの返り部37Rに対向する部分は、返り部37Rとの隙間をH11−H12の長さに維持するように、返り部37Rの形状に沿う形に湾曲されている。このことからスリーブ部35の外周側部分の軸方向寸法は、高さH12よりも短く形成されている。
これにより、燃料噴射弁11から高い圧力を受けたトレーランスリング33が、リング底面40にて制振部材31を押圧変形させた場合、制振部材31の高さが高さH12になると、トレーランスリング33のスリーブ部35がプレート32に当接する。よって、リング底面40とプレート32との間隔は少なくとも高さH12に維持される。すなわちリング底面40とプレート32との間に配置されている制振部材31は、高さH12よりも低い高さには変形されない。高さH12は、制振部材31の弾性変形を維持することの可能な所定の変形量以下の変形量を保証する高さである。よってスリーブ部35は、制振部材31が高さH12よりも低い高さに変形されることにより制振特性が低下したり、塑性変形されたりするおそれを払拭する。これにより、スリーブ部35は、高さH11から高さH12までの間で制振部材31が制振性能を好適に発揮することを保証する。
なお、制振部材31が高さH12になったとき、スリーブ部35はプレート底部37の上面を介して、挿入孔15の肩部18に押圧力を伝達する。このため、挿入孔15の肩部18に対するプレート32の好適な横方向の摺動性が維持されるとともに、スリーブ部35の押圧力がプレート32を介して肩部18に均等に分配される。これによって、シリンダヘッド12の一部としてアルミニウムなどから形成される肩部18に、肩部18より硬度の高いスリーブ部35が直接接触することにより肩部18が削られたり、変形されたりする不都合を生じないようにしている。
またスリーブ部35の内周面は、制振部材31に接触するとともに、コイルスプリング34には接触しないようになっている。すなわち、制振部材31はコイルスプリング34の外周側に弾性部材36を有し、スリーブ部35にはコイルスプリング34の外周側の弾性部材36が当接するようになっている。これによって、コイルスプリング34の有する振動の吸収、制振特性が、コイルスプリング34のスリーブ部35への接触によって変化してしまうおそれが払拭される。制振部材31は、スリーブ部35の影響が小さい状態で、好適に振動の吸収、制振特性を発揮することができる。
次に、押圧力に対するトレーランスリング33の動作について説明する。
燃料噴射弁11のテーパ面24からの力Fがトレーランスリング33に印加されると、トレーランスリング33の稜線47には、テーパ面24の角度αに応じて、軸心平行線C1に沿う方向への力Faと軸心平行線C1に直交する方向への力Fbとが印加される。これにより、軸心平行線C1に沿う方向への力Faは、制振部材31を押圧するとともに、制振部材31とプレート32を介して肩部18に伝達される。このとき制振部材31は、力Faによって押圧されることによって高さが低くなることに伴って、横方向つまり径方向に膨らもうとする。つまり制振部材31の内周面は内周方向へ膨出し、外周面は外周側方向へ膨出しようとして、制振部材31からは内周側方向への力と、外周側方向への力とが生じる。このことから制振部材31の外周面に当接するスリーブ部35には、制振部材31から外周方向への押圧力が伝達される。つまり、トレーランスリング33の下部を成すスリーブ部35は、外方への力を受けるようになる。
一方、先に述べたように、軸心平行線C1に直交する方向への力Fbは、トレーランスリング33の上部を、外方へ拡開させるように作用する。
すなわち、トレーランスリング33が燃料噴射弁11のテーパ面24から受ける力Fのうち、軸心平行線C1に直交する方向への力Fbは、トレーランスリング33の上部を外周方向へ開かせるように作用する一方、本実施形態では、軸心平行線C1に沿う方向への力Faは、制振部材31を介してトレーランスリング33の下部を外周方向へ押圧する。これにより、トレーランスリング33の上部を開こうとする力Fbのうちの少なくとも一部は、制振部材31がスリーブ部35を横方向に押圧する力により相殺される。これにより、トレーランスリング33の上部の拡開が抑制されるようになる。つまりトレーランスリング33には、上部を拡開方向に押し広げようとする力Fbによるモーメントに対向するように、トレーランスリング33の下部であるスリーブ部35に制振部材31から作用する力による逆方向のモーメントが作用するようになる。よって、力Fbがトレーランスリング33を一方的に歪ませてしまうようなことは、抑制される。
また、スリーブ部35がトレーランスリング33に一体形成された分だけ、トレーランスリング33の全体としての剛性(慣性モーメント)が向上することから、トレーランスリング33の上部の拡開が抑制されるようになる。さらに、一体形成されたスリーブ部35は、トレーランスリング33の上部の拡開に伴い圧縮変形(収縮)させられるトレーランスリング33下部において、その圧縮変形に抗する構造となることからも、トレーランスリング33の上部の拡開を抑制する作用を発揮するようになる。
以上説明したように、本実施形態の制振インシュレータによれば、以下に列記するような効果が得られるようになる。
(1)トレーランスリング33に一体形成され且つトレーランスリング33から延設されたスリーブ部によって、トレーランスリング33自身の剛性が高められる。よって、トレーランスリング33が燃料噴射弁11のテーパ面24から受ける、トレーランスリング33を拡開するように作用する力Fbに対して、トレーランスリング33の耐性の向上が図られるようになる。これによりトレーランスリング33の歪みの発生が抑制されるようになり、トレーランスリング33に当接する燃料噴射弁11のテーパ面24の位置も維持されるようになる。すなわち、燃料噴射弁11の燃料噴射位置が好適に維持されて、燃焼状態も適正に維持されるようになる。
(2)弾性部材36が燃料噴射弁11から強い押圧力を受けて変形すると、スリーブ部35はプレート32を介して肩部18に接触するようになる。このことから、大きく変形すると塑性変形するおそれのある弾性部材36の過剰な変形が、規制されるようになる。すなわち弾性部材36を、弾性変形することが可能な範囲(弾性部材36の高さで記載すると、H11〜H12の範囲。弾性部材36の変形量自体を高さで記載すると、0〜(H11−H12))から外れて変形することがないように使用することができるようになる。これによって、弾性部材36の弾性が好適に維持されて、同弾性による振動の吸収、抑制機能が維持されるようになる。
(3)弾性がコイルスプリング34により調整されている弾性部材36の過剰な変形が、スリーブ部35によって規制される。つまり弾性部材36は、弾性変形が可能な範囲(高さ:H11〜H12)にて使用されるようになる。これによって、弾性部材36の弾性が好適に維持されて、同弾性による振動の吸収、抑制機能が維持されるようになる。
(4)押圧により径方向に拡がるように変形しようとする弾性部材36が、スリーブ部35を外周方向に押す一方、トレーランスリング33の当接部44(稜線47)は、拡開する方向への力Fbを燃料噴射弁11から受ける。すなわちトレーランスリング33は、当接部44(稜線47)とスリーブ部35とでそれぞれ外方向への力を受けることから、当接部44(稜線47)のみで外方向への力を受ける場合に比較して、歪みが発生することが抑制されるようになる。従って、燃料噴射弁11のテーパ面24は、トレーランスリング33の当接部44に当接する位置を維持することができるようになる。これにより、燃焼室に対する燃料噴射弁11の燃料噴射位置が好適に維持されることから、最適な燃焼状態も維持されるようになる。
(5)弾性部材36に強く接合させることが容易ではないトレーランスリング33の、弾性部材36に対する相対位置は、プレート32によって内周面から規定される。よって、弾性部材36へのトレーランスリング33の適正な積層を容易にして、このような制振インシュレータ30の実施可能性の向上が図られるようになる。
(6)プレート32の外周縁は、弾性部材36に向かって切り上がる返りが生じる形状に成形されている。よって、シリンダヘッド12の肩部18から入口部17に向けて、盛り上がっている部分が形成されたとしても、プレート32が当該盛り上がっている部分に乗り上げたり引っかかったりすることが抑制される。これにより、シリンダヘッド12の挿入孔15に形成される肩部18の大きさは、燃料噴射弁11の軸心Cの偏心を、制振インシュレータ30の移動によって補償することができる必要最小の大きさに形成される。
(7)燃料噴射弁11にかかる押圧力は、環状のテーパ面24が環状の当接部44(稜線47)に当接することによって、周方向に均等に分配されるようになる。よって、燃料噴射弁11の軸心Cの偏心に対する補償動作が好適に行なわれるようになる。
(第2実施形態)
図6は、本発明の第2実施形態に係る制振インシュレータ30の構造を示す端面図である。なお、本実施形態は、制振インシュレータ30の構造が上記第1実施形態と相違し、その他の構造については同様であるので、主に上記第1実施形態との相違点について説明し、説明の便宜上、第1実施形態と同様の部材には同一の番号を付してその説明を割愛する。
図6に示すように、制振インシュレータ30は、プレート32のプレート底部37上に、制振部材31とトレーランスリング33が順に積層されることによって形成されている。
制振部材31は、第1実施形態に記載の弾性部材36と同様のゴムなどの弾性部材36Aと、当該弾性部材36Aに埋め込まれた環状のコイルスプリング34とを備えている。なお本実施形態では、弾性部材36Aの外周面は、コイルスプリング34の各螺旋の一巻分の周りを所定の厚みで覆うことで、各螺旋の一巻分の円弧に相似形な円弧状に形成される。
トレーランスリング33のスリーブ部35Aも、リング底面40のリング外周面41寄り部分から、制振部材31の外周面に沿ってプレート32の方向に延設する円環形状である。スリーブ部35Aの内周面は、断面視において、高さ方向中央が凹む円弧状に形成されている。このスリーブ部35Aの円弧状は、コイルスプリング34の各螺旋に相似形であり、弾性部材36Aの円弧状の外周面に当接する態様に形成されている。よって、スリーブ部35Aの円弧状の内周面には、弾性部材36Aの円弧状の外周面が当接するようになる。すなわち、スリーブ部35Aの円弧状の内周面には、コイルスプリング34の外周面が、弾性部材36Aの所定の厚み部分を介して相対向するようになっている。これにより、コイルスプリング34の外周面の力は、スリーブ部35Aの円弧状の内周面に、弾性部材36Aの所定の厚み部分を介して均一に伝達されるようになっている。
例えば、燃料噴射弁11のテーパ面24からの力が、トレーランスリング33に印加されて、トレーランスリング33の稜線47に、テーパ面24の角度αに応じて軸心平行線C1に沿う方向への力Faと、軸心平行線C1に直交する方向への力Fbとが印加されるとする。このとき、軸心平行線C1に沿う方向への力Faによってコイルスプリング34が上下に圧縮されて、左右に膨らむように変形するとき、コイルスプリング34から外周方向へ膨らむ力は、コイルスプリング34の外周面に相似形である円弧状のスリーブ部35Aの内周面に、円弧の周方向に亘って等しい厚みの弾性部材36Aを介して、均等に伝達される。これにより、コイルスプリング34の変形により生じる外周方向への力が、上下方向に延びる円弧に亘って均一にスリーブ部35Aの内周面に、よりスムーズに伝達される。つまり、トレーランスリング33の上部を拡開させる力を相殺する力が、スリーブ部35Aに、より大きく生じるようにしている。また、制振部材31の外周面がスリーブ部35Aの内周面に接触する接触面の、図6に現れる円弧の距離が長くなる。このことから、制振部材31の力が効率よくスリーブ部35Aに伝達されるようになる。さらに、スリーブ部35Aの内周面が、制振部材31の外周面を囲む構造になっていることから、制振部材31の外周面からの力を、逃すことなくスリーブ部35Aの内周面が受けることができるようにもなっている。
また、スリーブ部35Aがトレーランスリング33に一体形成された分だけ、トレーランスリング33の剛性が向上することから、トレーランスリング33の上部の拡開が抑制されるようになる。さらにスリーブ部35Aは、トレーランスリング33の上部が拡開することに伴って収縮されるトレーランスリング33の下部において、その収縮に抗する構造を成す。このことからも、トレーランスリング33の上部の拡開が抑制されるようになる。
以上説明したように、本実施形態によっても先の第1実施形態の前記(1)〜(7)の効果と同等もしくはそれに準じた効果が得られるとともに、以下に列記するような効果が得られるようになる。
(8)押圧されて外周方向に変形する弾性部材36の、断面円弧状の外周面から発生する力は、分散されずに、スリーブ部35Aの断面円弧状の内周面に伝達されるようになる。よって、変形する弾性部材36は、スリーブ部35Aをより強い力で外周方向に押すようになる。これにより、トレーランスリング33が燃料噴射弁11のテーパ面24から受ける力により発生するトレーランスリング33の歪みがより抑制されるようになる。よって、燃料噴射弁11のテーパ面24のうち、当接部44に当接する位置を維持することができるようになる。
(第3実施形態)
図7は、本発明の第3実施形態に係る制振インシュレータ30の構造を示す端面図である。なお、本実施形態は、制振インシュレータ30の構造が上記第1実施形態と相違し、その他の構造については同様であるので、主に上記第1実施形態との相違点について説明し、説明の便宜上、第1実施形態と同様の部材には同一の番号を付してその説明を割愛する。
図7に示すように、制振インシュレータ30は、プレート32のプレート底部37上に、制振部材31とトレーランスリング33が順に積層されることによって形成されている。
制振部材31は、第1実施形態に記載の弾性部材36と同様のゴムなどの弾性部材36Bと、当該弾性部材36Bに埋め込まれた環状のコイルスプリング34とを備えている。
トレーランスリング33は、リング底面40の内周寄り部分からプレート32の方向に延設された円環形状の内側スリーブ部35Bと、リング底面40の外周寄り部分からプレート32の方向に延設された円環形状の外側スリーブ部35Cとを備えている。内側スリーブ部35Bの内周面は、プレート内壁部38に沿って軸心平行線C1に平行に、プレート32の方向に延出される。一方、内側スリーブ部35Bの外周面は、軸心平行線C1に対して傾斜しており、内側スリーブ部35Bの断面は、先細りのいわゆる楔形状に形成されている。つまり内側スリーブ部35Bの厚みは、リング底面40側が厚く、プレート32側が薄く形成されている。
また、外側スリーブ部35Cの外周面は、リング外周面41に沿って、軸心平行線C1に平行に、プレート32の方向に延出される。一方、外側スリーブ部35Cの内周面は、軸心平行線C1に対して傾斜しており、外側スリーブ部35Cの断面も、先細りのいわゆる楔形状に形成されている。つまり外側スリーブ部35Cの断面は、リング底面40側が厚く、プレート32側が薄く形成されている。すなわち、内側スリーブ部35Bと外側スリーブ部35Cとによって区画される空間の断面は、いわゆる台形形状であり、リング底面40からプレート32に向かうにつれて、トレーランスリング33の径方向に沿った前記空間の寸法は、順次広くなる。
そして本実施形態では、制振部材31は、上述のように区画された台形形状の空間に嵌合可能なように、断面台形形状に形成され、そして同空間に配置されている。なお本実施形態の制振部材31も、高さH11である。
例えば、燃料噴射弁11のテーパ面24からの力がトレーランスリング33に印加されて、軸心平行線C1に沿う方向への力Faによって制振部材31が押圧されると、制振部材31の変形は、周囲を囲むリング底面40、内側スリーブ部35B、及び外側スリーブ部35Cによって抑圧される。このことから、制振部材31を変形させようとする力は、リング底面40を上方に押し返す力(反力)として作用する。よって、トレーランスリング33に作用する、軸心平行線C1に沿う方向への下方への力Faの一部は、相殺される。
また、軸心平行線C1に沿う方向への力Faによって押圧される制振部材31は、高さが低くなるように変形することに伴って、内周面が内周方向に膨出し、外周面が外周方向へ膨出しようとするが、このような膨出が、内側スリーブ部35Bと外側スリーブ部35Cとによって抑圧されるようになる。よって制振部材31には、内周面から外周方向に制振部材31を押圧する力と、外周面から内周方向に制振部材31を押圧する力との両方が作用する。すなわちコイルスプリング34が下方に押されて左右に膨らむように変形しようとするとき、内周方向へ膨らもうとするコイルスプリング34の力が内側スリーブ部35Bに作用するとともに、その力の一部が、内側スリーブ部35Bを内側スリーブ部35Bの傾斜に応じて上方へ押す力として作用する。これによってもトレーランスリング33に作用する軸心平行線C1に沿う方向への力の一部が相殺される。また、外周方向へ膨らもうとするコイルスプリング34の力が、外側スリーブ部35Cに作用するとともに、その作用する力の一部が、外側スリーブ部35Cを、外側スリーブ部35Cの傾斜に応じて上方へ押す力として作用する。これによってもトレーランスリング33に作用する軸心平行線C1に沿う方向への力の一部が相殺される。
すなわち、トレーランスリング33が制振部材31を変形させようとすることにより制振部材31に生じる内周方向及び外周方向への力は、それぞれ傾斜面を有する内側スリーブ部35Bと外側スリーブ部35Cによって、トレーランスリング33の上部へ作用する力に変換される。よって、制振部材31の高さが変化することを、抑制するようにしている。これにより、トレーランスリング33が、必要以上にシリンダヘッド12の挿入孔15に深く入り込むことが抑制される。
また、内側スリーブ部35B及び外側スリーブ部35Cがトレーランスリング33に一体形成された分だけ、トレーランスリング33の剛性が向上することから、トレーランスリング33の上部の拡開が抑制されるようになる。さらに、トレーランスリング33の上部の拡開に伴い収縮されるトレーランスリング33の下部において、トレーランスリング33に一体形成された内側スリーブ部35B及び外側スリーブ部35Cは、トレーランスリング33の下部の収縮に抗する構造を成す。このことからも、トレーランスリング33の上部の拡開が抑制されるようになる。
以上説明したように、本実施形態によっても先の第1実施形態の前記(1)〜(7)の効果と同等もしくはそれに準じた効果が得られるとともに、以下に列記するような効果が得られるようになる。
(9)トレーランスリング33の内側スリーブ部35Bと外側スリーブ部35Cが、弾性部材36を間に挟む。よって、燃料噴射弁11からの押圧力に抗して生じる弾性部材36の反力が、内側スリーブ部35Bと外側スリーブ部35Cを介して同トレーランスリング33の方向(上方向)へ作用する。これにより、シリンダヘッド12の肩部18に対するトレーランスリング33の上下方向の位置は、トレーランスリング33が燃料噴射弁11から押圧されても、維持される。よって、トレーランスリング33によって支持される燃料噴射弁11の、燃焼室に対する燃料噴射位置が好適に維持されるとともに、最適な燃焼状態も維持されるようになる。
(10)燃料噴射弁11による押圧によって弾性部材36に生じた内周方向や外周方向への力(反力)は、弾性部材36を挟み込むように向い合う内側スリーブ部35B及び外側スリーブ部35Cの傾斜角に応じて、燃料噴射弁11からの押圧力に抗する反力に変換される。その結果、シリンダヘッド12の肩部18に対するトレーランスリング33の上下方向位置が、維持される。これによっても、トレーランスリング33によって支持される燃料噴射弁11の、燃焼室に対する燃料噴射位置が、好適に維持される。最適な燃焼状態も維持されるようになる。
(第4実施形態)
図8は、本発明の第4実施形態に係る制振インシュレータ30の構造を示す端面図である。なお、本実施形態は、制振インシュレータ30の構造が上記第1実施形態と相違し、その他の構造については同様であるので、主に上記第1実施形態との相違点について説明し、説明の便宜上、第1実施形態と同様の部材には同一の番号を付してその説明を割愛する。
図8に示すように、制振インシュレータ30は、プレート32のプレート底部37上に、制振部材31とトレーランスリング33が順に積層されることによって形成されている。
制振部材31は、第1実施形態に記載の弾性部材36と同様のゴムなどの弾性部材36Cと、当該弾性部材36Cに埋め込まれた環状のコイルスプリング34とを備えている。
トレーランスリング33のスリーブ部35Dは、リング底面40の内周部分(内周斜面42の内周寄り部分)から、制振部材31の内周面に沿って、プレート32の方向に延設する円環形状である。リング底面40からのスリーブ部35Dの高さは、H12である。つまり、スリーブ部35Dの先端部は、プレート底部37との間に、軸心平行線C1に沿う方向に隙間(=H11−H12)が確保されるように形成されている。
これにより、スリーブ部35Dが一体形成された分だけ、トレーランスリング33の剛性が向上することから、トレーランスリング33の上部の拡開が抑制されるようになる。さらに、トレーランスリング33の上部の拡開に伴い収縮されるトレーランスリング33の下部において、スリーブ部35Dは、トレーランスリング33に一体形成されることによって、その収縮に抗する構造を成す。このことからも、トレーランスリング33の上部の拡開が抑制されるようになる。
以上説明したように、本実施形態によっても、先の第1実施形態の前記(1)〜(3)及び(5)〜(7)の効果と同等もしくはそれに準じた効果が得られるとともに、以下に列記するような効果が得られるようになる。
(11)トレーランスリング33の内周部分から延設されるスリーブ部35Dであっても、トレーランスリング33の剛性は向上する。よって、トレーランスリング33が、燃料噴射弁11のテーパ面24からトレーランスリング33を拡開するように作用する力を受けても、この力へのトレーランスリング33の耐性の向上が図られるようになる。
(第5実施形態)
図9は、本発明の第5実施形態に係る制振インシュレータ30の構造を示す端面図である。なお、本実施形態は、制振インシュレータ30の構造が上記第1実施形態と相違し、その他の構造については同様であるので、主に上記第1実施形態との相違点について説明し、説明の便宜上、第1実施形態と同様の部材には同一の番号を付してその説明を割愛する。
なお本実施形態では、プレート32のプレート底部37の上面から、シリンダヘッド12の外面12Aまでの距離は、制振部材31の高さH11よりも低い高さH12である。すなわち、シリンダヘッド12の外面12Aと、入口部17の肩部18との間の高さは、高さH12に、プレート32の厚みを加算した寸法になっている。
図9に示すように、制振インシュレータ30は、プレート32のプレート底部37上に、制振部材31とトレーランスリング33が順に積層されることによって形成されている。
制振部材31は、第1実施形態に記載の弾性部材36と同様のゴムなどの弾性部材36Dと、当該弾性部材36Dに埋め込まれた環状のコイルスプリング34とを備えている。
トレーランスリング33のスリーブ部41Aは、リング外周面41から、トレーランスリング33の径方向外側に延設された円環形状である。スリーブ部41Aの下面41Bは、リング底面40に連続する面になっている。スリーブ部41Aの下面41Bは、外周方向へ突出し、入口部17を越えている。プレート32が肩部18上において径方向(横方向)の360度いずれの方向に摺動しても、スリーブ部41Aの外周面がシリンダヘッド12の外面12A上に存在するように、スリーブ部41Aの径方向寸法は設定されている。このことから、スリーブ部41Aの下面41Bと、シリンダヘッド12の外面12Aとの間には、隙間(=H11−H12)が確保される。
これらのことにより、制振部材31は、高さH11から高さH12の間で変形することが保証され、好適な制振性能を発揮する。つまり、制振部材31が高い押圧力を受けて高さH12にまで圧縮変形すると、スリーブ部41Aの下面41Bが、シリンダヘッド12の外面12Aに当接する。よって制振部材31が高さH12よりも低い高さにまで変形されることが防止される。すなわち、制振部材31の制振性能が低下したり、制振部材31が塑性変形されたりすることが防止される。
また、スリーブ部41Aがトレーランスリング33に一体形成された分だけ、トレーランスリング33の全体としての剛性が向上することから、トレーランスリング33の上部の拡開が抑制されるようになる。
以上説明したように、本実施形態によっても、先の第1実施形態の前記(1)〜(3)及び(5)〜(7)の効果と同等もしくはそれに準じた効果が得られるとともに、以下に列記するような効果が得られるようになる。
(12)トレーランスリング33の外周面から延出するスリーブ部41Aによっても、トレーランスリング33の剛性が向上する。よって、トレーランスリング33を拡開するように燃料噴射弁11のテーパ面24からトレーランスリング33に作用する力への、トレーランスリング33の耐性の向上が図られるようになる。また、弾性部材36が潰されるかたちに変形されたとき、トレーランスリング33のスリーブ部41Aが、シリンダヘッド12に当接する。よって、弾性部材36の過剰な変形が規制されるため、弾性部材36を弾性変形の範囲(高さ:H11〜H12)にて使用することができるようになる。これによって、弾性部材36の弾性が好適に維持されて、同弾性による振動の吸収、抑制機能が維持されるようになる。
なお、上記各実施形態は、例えば以下のような態様にて実施することもできる。
・上記各実施形態では、外側テーパ面46の角度β2は、軸心平行線C1に対して90度未満の角度である場合について例示した。しかしこれに限らず、外側テーパ面の角度は、軸心平行線C1に対して90度の角度であってもよい。例えば、図10に示すように、外側テーパ面46Aの角度を軸心平行線C1に対して90度の角度β12として、外側テーパ面46Aと内側テーパ面45とによって稜線47Aを形成するようにしてもよい。この場合、外側テーパ面の形成が容易になり、このような制振インシュレータの構成の自由度が向上されるようになる。
・図7に示す上記第3実施形態では、内側スリーブ部35Bと外側スリーブ部35Cとにより区画される空間が、断面台形形状である場合について例示した。しかしこれに限らず、内側スリーブ部及び外側スリーブ部の少なくとも一方の厚みは、リング底面40からプレート32側の先端まで同じであってもよい。例えば、図11に示すように、内側スリーブ部35Eと外側スリーブ部35Fの両方が、それぞれリング底面40からプレート32側の先端まで一定の厚みであってもよい。この場合でも、押圧されることによって変形しようとする制振部材31に生じる反力は、リング底面40を押し返す力として作用する。よって、燃料噴射弁11からトレーランスリング33に印加される軸心平行線C1に沿う方向への力Faの一部を、相殺できる。これにより、制振部材31の高さが変化することが抑制される。つまり燃料噴射弁11が、トレーランスリング33の稜線47に対して、必要以上に深くシリンダヘッド12の挿入孔15に入り込むことが抑制される。これにより、スリーブ部の構成の自由度が高まり、このような制振インシュレータの構成の自由度も向上されるようになる。
・上記各実施形態では、制振部材31が、弾性部材36(36A〜36D)とコイルスプリング34の両方を有する場合について例示した。しかしこれに限らず、振動の吸収、抑制機能を有するのであれば、例示された構造の制振部材に限らず、種々の弾性材や種々のスプリングもしくはこれらの組み合わせなどからなる制振部材を採用することができる。
・図1〜図8つまり上記第1〜第4実施形態では、コイルスプリング34とスリーブ部35(35A〜35D)とが、互いに離間されている場合について例示した。しかしこれに限らず、コイルスプリングがスリーブ部に接触するように構成してもよいし、または接触するようなことが生じてもよい。
・この発明の適用される内燃機関は、筒内噴射式の内燃機関であれば、ガソリン機関でも、ディーゼル機関でもよい。
10…燃料噴射装置、11…燃料噴射弁、12…シリンダヘッド、12A…外面、12B…内面、13…デリバリパイプ、14…燃料噴射弁カップ、14A…内周面、15…挿入孔、16…先端孔部、17…入口部、18…肩部、19…中孔部、20…大径部、21…中径部、21R…リング、22…小径部、23…噴射ノズル、24…テーパ面、25…シール部、26…基端中継部、26J…コネクタ、27…基端挿入部、28…基端被シール部、30…制振インシュレータ、31…制振部材、32…プレート、33…トレーランスリング、34…コイルスプリング、35,35A,35D…スリーブ部、35B,35E…内側スリーブ部、35C,35F…外側スリーブ部、36,36A,36B,36C,36D…弾性部材、37…プレート底部、37R…返り部、38…プレート内壁部、39…プレート被覆部、40…リング底面、41…リング外周面、41A…スリーブ部、41B…下面、42…内周斜面、43…連結部、44…当接部、45…内側テーパ面、46,46A…外側テーパ面、47,47A…稜線。

Claims (11)

  1. 燃料噴射弁に生じる振動を制振する燃料噴射弁用制振インシュレータであって、
    前記燃料噴射弁は、シリンダヘッドに設けられる挿入孔に挿通する状態で前記シリンダヘッドに装着され、前記挿入孔の入口部分には肩部が環状に拡開形成され、前記燃料噴射弁は、前記肩部に対向するテーパ面を有するようにテーパ状に拡径した段差部を備え、前記制振インシュレータは前記段差部と前記肩部との間に介在され、
    前記制振インシュレータは、前記テーパ面に当接する円環形状のトレーランスリングと、前記燃料噴射弁に生じる振動を制振すべく前記トレーランスリングの底面に対応する円環形状に形成され前記トレーランスリングと前記肩部との間に配置される弾性部材とを備え、
    前記トレーランスリングには、前記テーパ面に対向しない前記トレーランスリングの面から延設されかつ、前記トレーランスリングと同心の円環形状からなるスリーブ部が一体に形成され、
    前記スリーブ部は、前記トレーランスリングの底面から前記肩部の方向へ前記弾性部材に沿って延設され、該スリーブ部の延設方向端部と前記肩部との間の間隔が、前記スリーブ部の延設方向に変形される前記弾性部材が弾性変形を維持できる長さに形成されている
    ことを特徴とする燃料噴射弁用制振インシュレータ。
  2. 前記弾性部材の内部には、前記弾性部材の円環形状に対応して螺旋状に配列されたコイルスプリングが埋め込まれており、
    前記スリーブ部の前記延設方向の長さは、前記コイルスプリングの各螺旋径よりも短く形成されている
    請求項1記載の燃料噴射弁用制振インシュレータ。
  3. 前記スリーブ部は、前記弾性部材の外周側に設けられている
    請求項1または2記載の燃料噴射弁用制振インシュレータ。
  4. 前記弾性部材に対向する前記スリーブ部の面は、前記コイルスプリングの各螺旋の外形に沿う形状に形成されている
    請求項3記載の燃料噴射弁用制振インシュレータ。
  5. 前記スリーブ部は、前記弾性部材の内周側及び外周側にそれぞれ設けられている
    請求項1または2記載の燃料噴射弁用制振インシュレータ。
  6. 前記内周側のスリーブ部と、前記外周側のスリーブ部との間の間隔は、前記トレーランスリングの底面から前記肩部に近づくにつれて広くなる
    請求項5記載の燃料噴射弁用制振インシュレータ。
  7. 前記スリーブ部は、前記弾性部材の内周側に設けられている
    請求項1または2記載の燃料噴射弁用制振インシュレータ。
  8. 燃料噴射弁に生じる振動を制振する燃料噴射弁用制振インシュレータであって、
    前記燃料噴射弁は、シリンダヘッドに設けられる挿入孔に挿通する状態で前記シリンダヘッドに装着され、前記挿入孔の入口部分には肩部が環状に拡開形成され、前記燃料噴射弁は、前記肩部に対向するテーパ面を有するようにテーパ状に拡径した段差部を備え、前記制振インシュレータは前記段差部と前記肩部との間に介在され、
    前記制振インシュレータは、前記テーパ面に当接する円環形状のトレーランスリングと、前記燃料噴射弁に生じる振動を制振すべく前記トレーランスリングの底面に対応する円環形状に形成され前記トレーランスリングと前記肩部との間に配置される弾性部材とを備え、
    前記トレーランスリングには、前記テーパ面に対向しない前記トレーランスリングの面から延設されかつ、前記トレーランスリングと同心の円環形状からなるスリーブ部が一体に形成され、
    前記スリーブ部は、前記挿入孔が開口される前記シリンダヘッドの表面に対向する位置まで延出され、前記弾性部材によって、前記スリーブ部と前記シリンダヘッドの表面との間には、前記弾性部材が変形されても当該弾性部材の弾性変形が維持される間隔が設けられている
    ことを特徴とする燃料噴射弁用制振インシュレータ。
  9. 前記制振インシュレータは更に、前記弾性部材と前記肩部の間に介在される円環状部分を備える金属製プレートを有し、
    前記金属製プレートは、前記トレーランスリングの内周側から、前記トレーランスリングと前記弾性部材を一体に挟持する態様で形成されている
    請求項1〜8何れか一項記載の燃料噴射弁用制振インシュレータ。
  10. 前記金属製プレートの外周縁は、前記弾性部材に向かって切り上がる返りが生じる形状に成形されている
    請求項9記載の燃料噴射弁用制振インシュレータ。
  11. 前記トレーランスリングは、前記燃料噴射弁のハウジングと同等の硬度を有する金属製の材料からなる
    請求項1〜10何れか一項記載の燃料噴射弁用制振インシュレータ。
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