(第1の実施形態)
以下、本発明をパチンコ遊技機に具体化した第1の実施形態を図1〜図9にしたがって説明する。
パチンコ遊技機の遊技盤10のほぼ中央には、液晶ディスプレイ型の画像表示部GHを有する表示手段としての演出表示装置11が配設されている。演出表示装置11には、複数列(本実施形態では3列)の図柄列を変動させて行う図柄変動ゲームを含み、該ゲームに関連して実行される各種の表示演出が画像表示される。本実施形態において演出表示装置11の図柄変動ゲームでは、複数列(本実施形態では3列)の図柄からなる図柄組み合わせを導出する。なお、演出表示装置11の図柄変動ゲームは、表示演出を多様化するための飾り図柄(演出図柄)を用いて行われる。また、演出表示装置11の右下には、7セグメント型の特別図柄表示装置12が配設されている。特別図柄表示装置12では、複数種類の特別図柄を変動させて表示する図柄変動ゲームが行われる。特別図柄は、大当りか否かの内部抽選(大当り抽選)の結果を示す報知用の図柄である。
そして、演出表示装置11には、特別図柄表示装置12の表示結果に応じた表示結果が表示される。具体的に言えば、特別図柄表示装置12に大当りを認識し得る大当り図柄(大当り表示結果)が確定停止表示される場合には、演出表示装置11にも大当り図柄(大当り表示結果)が確定停止表示される。また、特別図柄表示装置12にはずれを認識し得るはずれ図柄(はずれ表示結果)が確定停止表示される場合には、演出表示装置11にもはずれ図柄(はずれ表示結果)が確定停止表示される。
なお、演出表示装置11に確定停止表示される大当り図柄は、全列の飾り図柄が同一図柄となる図柄組み合わせによって構成される。また、演出表示装置11に確定停止表示されるはずれ図柄は、全列の飾り図柄が異なる飾り図柄となる図柄組み合わせや、1列の飾り図柄が他の2列の飾り図柄とは異なる飾り図柄となる図柄組み合わせによって構成される。また、演出表示装置11では、遊技者側から見て左列→右列→中列の順に図柄列の変動が停止するようになっており、特定の2列(本実施形態では左右の2列)に同一の飾り図柄が一旦停止表示(ゆれ変動表示)された場合、リーチが形成される。
また、遊技盤10において特別図柄表示装置12の右方には、普通図柄表示装置13が配設されている。普通図柄表示装置13では、複数種類の普通図柄を変動させて1つの普通図柄を導出する普通図柄変動ゲーム(以下、単に「普図ゲーム」と示す)が行われる。本実施形態の普通図柄表示装置13は、図示しない発光体(LEDやランプなど)をレンズカバー(図1では表面に「○(丸)」と「×(ばつ)」を装飾したもの)で覆って構成した複数個(本実施形態では2個)の普通図柄表示部から構成されている。普通図柄表示装置13では、当りか否かの当り抽選とは別に行う普図当りか否かの内部抽選(後述する普図当り抽選)の抽選結果を表示する。
また、特別図柄表示装置12の左下方には、複数個(本実施形態では4個)の特別図柄保留発光部を備えた特別図柄保留記憶表示装置Raが配設されている。特別図柄保留記憶表示装置Raは、機内部で記憶した特別図柄用の始動保留球の記憶数(以下、「特図始動保留記憶数」と示す)を遊技者に報知する。特図始動保留記憶数は、遊技盤10に配設した始動入賞口(上始動入賞口14又は下始動入賞口15)に遊技球が入球することで1加算される一方で、図柄変動ゲームの開始により1減算される。したがって、図柄変動ゲーム中に始動入賞口へ遊技球が入球すると、特図始動保留記憶数はさらに加算されるとともに、所定の上限数(本実施形態では4個)まで累積される。
また、演出表示装置11の下方には、遊技球の入球口14aを有する上始動入賞口14と遊技球の入球口15aを有する下始動入賞口15が上下方向に並ぶように配置されている。上始動入賞口14は、常時遊技球の入球を許容し得るように入球口14aを常時開放させた構成とされている。一方で、下始動入賞口15は普通電動役物とされ、図示しないアクチュエータ(ソレノイド、モータなど)の作動により開閉動作を行う開閉羽根16を備えており、開閉羽根16が開動作することにより遊技球の入球を許容し得るように入球口15aを開放させる構成とされている。
上始動入賞口14と下始動入賞口15の各奥方には、入球した遊技球を検知する始動口スイッチSW1,SW2(図2に示す)が配設されている。上始動入賞口14と下始動入賞口15は、入球した遊技球を検知することにより、図柄変動ゲームの始動条件と予め定めた個数の賞球としての遊技球の払出条件を付与し得る。
下始動入賞口15の下方には、図示しないアクチュエータ(ソレノイド、モータなど)の作動により開閉動作を行う大入賞口扉17を備えた大入賞口(特別電動役物)18が配設されている。大入賞口18の奥方には、入球した遊技球を検知するカウントスイッチSW3(図2に示す)が配設されている。大入賞口18は、入球した遊技球を検知することにより、予め定めた個数の賞球としての遊技球の払出条件を付与し得る。大入賞口18は、大当り遊技中に大入賞口扉17の開動作によって開放されることで遊技球の入球が許容される。このため、大当り遊技中、遊技者は、賞球を獲得できるチャンスを得ることができる。
また、演出表示装置11の左方には、普通図柄作動ゲート19が配設されている。普通図柄作動ゲート19の奥方には、該普通図柄作動ゲート19へ入球し通過した遊技球を検知する普通図柄変動スイッチSW4(図2に示す)が設けられている。普通図柄作動ゲート19は、遊技球の通過を契機に、普図ゲームの始動条件のみを付与し得る。本実施形態のパチンコ遊技機では、遊技球が普通図柄作動ゲート19を通過(普通図柄変動スイッチSW4が遊技球を検知)したことを抽選条件とし、この抽選条件の成立を契機として、下始動入賞口15を開閉する開閉羽根16を閉状態から開状態へ動作させるか否かの開放抽選としての普図当り抽選が内部的に行われる。
また、本実施形態のパチンコ遊技機は、確率変動(以下、「確変」と示す)機能を備えている。確変機能は、確変大当りに当選したことを条件として、大当り遊技終了後に大当り抽選の抽選確率状態を高確率状態(高確率抽選状態)とする確変状態を付与する機能である。また、確変状態は、次回の大当りが生起される迄の間、付与される。確変状態は、大当り抽選の当選確率が高確率に変動して大当りが生起され易くなるため、遊技者にとって有利な状態となり得る。本実施形態では、大当り遊技終了後に確変状態を付与する大当りが確変大当りとなり、大当り遊技終了後に確変状態が付与されない(非確変状態が付与される)大当りが非確変大当りとなる。そして、何れの大当りとするかは、大当り抽選に当選した際に決定する特別図柄(大当り図柄)の種類に応じて決定される。特別図柄(大当り図柄)の決定には、後述する特図振分用乱数が用いられ、その特図振分用乱数の抽出値をもとに特別図柄が選択されるようになっている。そして、特図振分用乱数の値は、大当りの種類毎に対応する各特別図柄に対して、所定個数ずつ(例えば、1つずつ)振分けられている。
また、本実施形態のパチンコ遊技機は、変動時間短縮(以下、「変短」と示す)機能を備えている。変短機能は、普図ゲームの変動時間が短縮されるとともに、普通図柄作動ゲート19の通過に基づく普図当り抽選の当選確率(抽選確率)を低確率から高確率に変動させる変短状態を付与する機能である。また、変短状態中は、1回の普図当り抽選に当選したことに基づく開閉羽根16の合計開放時間が、非変短状態中に比して長くなる。そして、変短状態は、予め定めた回数の図柄変動ゲームが行われる迄の間、又は前記回数に達する前に大当りが生起される迄の間、付与される。なお、変短状態が付与されると、非変短状態時に比して、普図当りか否かの普図当り判定(普図当り抽選)の当選確率が高くなる。また、変短状態時に行われる普図ゲームの変動時間は、非変短状態時に行われる普図ゲームの変動時間よりも短縮される。さらに、普図当りとなる普図ゲームの終了後、普図当り時の遊技状態に応じて開閉羽根16の開放態様が異なる。具体的には、非変短状態には開閉羽根16が、第1開放時間(例えば、0.3(秒))で第1回数(例えば、1(回))分開放される一方で、変短状態時には開閉羽根16が、第2開放時間(例えば、1.4(秒))で第2回数(例えば、3(回))分開放される。
以下、本実施形態に設定されている大当りの種類について説明する。
本実施形態の大当りの種類には、16R(ラウンド)確変大当り遊技を付与する大当りの種別としての16R確変大当りと、7R確変大当り遊技を付与する大当りの種別としての7R確変大当りと、7R非確変大当り遊技を付与する大当りの種別としての7R非確変大当りと、が設定されている。
16R確変大当り及び7R確変大当りに基づく大当り遊技の終了後には、大当り抽選の当選時における遊技状態に関係なく、確変状態が次回の大当りが生起される迄の間付与される。その一方で、7R非確変大当りに基づく大当り遊技の終了後には、大当り抽選の当選時における遊技状態に関係なく、非確変状態が付与される。また、16R確変大当り又は7R確変大当りに当選した場合、その確変状態の終了時まで変短状態が付与される一方で、7R非確変大当りに当選した場合、大当り遊技の終了後、100回の図柄変動ゲームの終了時まで変短状態が付与されるようになっている。また、16R確変大当り遊技では、規定ラウンド数を「16回」としている一方で、7R確変大当り遊技及び7R非確変大当り遊技では、規定ラウンド数を「7回」としている。
本実施形態では、規定ラウンド数に関係なく、1回のラウンド遊技における入球上限個数を「9球」に設定するとともに、1回のラウンド遊技時間を「25秒」としている。これにより、規定ラウンド数が多いほど、獲得し得る賞球数が多くなる。本実施形態では、獲得し得る賞球数及び確変状態の有無が「特典」となる。また、本実施形態では、16R確変大当り及び7R確変大当りが特定大当りとなる一方で、7R非確変大当りが非特定大当りとなる。また、16R確変大当りが第1特定大当りとなる一方で、7R確変大当りが第2特定大当りとなる。
また、本実施形態では、図柄変動ゲームの終了時に大当り遊技が開始されることがないとともに特図始動保留記憶数が存在しない(0(零)である)場合、図柄変動ゲームが行われていない状態(変動停止中)となる。すなわち、図柄変動ゲームが途切れている次回の図柄変動ゲームの開始を待機する待機状態となる。待機状態は、一旦生起させると該待機状態中に図柄変動ゲームの始動条件が成立することを終了条件として該終了条件が成立するまで継続される。
そして、本実施形態のパチンコ遊技機では、待機状態中に該待機状態であることを示すデモンストレーション演出(以下、「デモ演出」と示す)が実行されるようになっている(図5参照)。デモ演出は、パチンコ遊技機が待機状態であることを、演出表示装置11にて報知し、客寄せ効果を得るための演出である。本実施形態のデモ演出は、待機デモ演出と該待機デモ演出の終了に伴い開始されるタイトルデモ演出とから構成されており、1回の待機デモ演出と1回のタイトルデモ演出とから1回のデモ演出を構成している。なお、待機デモ演出及びタイトルデモ演出には、各演出を実行する演出時間(本実施形態では、待機デモ演出に50秒、タイトルデモ演出に25秒)が予め定められている。このため、これらの演出時間により1回のデモ演出を実行する演出時間(本実施形態では、75秒)が特定されるようになっている。そして、待機状態が生起されると、該待機状態中に図柄変動ゲームの始動条件が成立するまで、待機デモ演出→タイトルデモ演出→待機デモ演出→タイトルデモ演出の順に、デモ演出が繰り返し実行される。
待機デモ演出は、演出表示装置11でデモ画像(待機画像)を画像表示させる演出内容である。そして、本実施形態のパチンコ遊技機では、待機状態の生起に伴って直前の図柄変動ゲームで最終的に停止表示されている飾り図柄(図柄組み合わせ)を待機画像として横方向に一回転させるなどの演出態様で待機デモ演出が実行される。また、タイトルデモ演出は、当該パチンコ遊技機に設定される演出で登場するキャラクタなどを用いたパチンコ遊技機の宣伝(アピール)画像を画像表示(動画)させる演出内容である。
次に、パチンコ遊技機の制御構成を図2に従って説明する。
機裏側には、パチンコ遊技機全体を制御する主制御基板30が装着されている。主制御基板30は、パチンコ遊技機全体を制御するための各種処理を実行するとともに、該処理結果に応じた各種の制御信号(制御コマンド)を出力する。また、機裏側には、サブ統括制御基板31が装着されている。サブ統括制御基板31は、主制御基板30からの制御指令を入力し、その制御指令をもとに遊技演出を制御するための各種処理を実行するとともに、該処理結果に応じた各種の制御指令(制御コマンド)を出力する。また、機裏側には、演出表示制御基板32が装着されている。演出表示制御基板32は、サブ統括制御基板31が出力した制御指令に基づき、演出表示装置11(画像表示部GH)の表示内容(表示動作)を制御する。
以下、主制御基板30、サブ統括制御基板31及び演出表示制御基板32の具体的構成を説明する。
主制御基板30には、制御動作を所定の手順で実行する主制御用CPU30aと、主制御用CPU30aの制御プログラムを格納する主制御用ROM30bと、必要なデータの書き込み及び読み出しができる主制御用RAM30cが設けられている。そして、主制御用CPU30aには、各種スイッチSW1〜SW4、特別図柄表示装置12、普通図柄表示装置13、及び特別図柄保留記憶表示装置Raが接続されている。
また、主制御用CPU30aは、大当り判定用乱数、リーチ判定用乱数、特図振分用乱数、普図当り判定用乱数、及び変動パターン振分用乱数などの各種乱数の値を所定の周期毎に更新する乱数更新処理(乱数生成処理)を実行する。大当り判定用乱数は、大当り抽選で用いる乱数である。リーチ判定用乱数は、大当り抽選に当選しなかった場合、すなわちはずれの場合にリーチを形成するか否かのリーチ抽選(リーチ判定)で用いる乱数である。特図振分用乱数は、大当り図柄を決定する際に用いる乱数である。普図当り判定用乱数は、普図当りか否かの普図当り抽選で用いる乱数である。変動パターン振分用乱数は、変動パターンを選択する際に用いる乱数である。また、主制御用RAM30cには、パチンコ遊技機の動作中に適宜書き換えられる各種情報(乱数値、タイマ値、フラグなど)が記憶(設定)される。
主制御用ROM30bには、メイン制御プログラムや複数種類の変動パターンが記憶されている。変動パターンは、図柄変動ゲームが開始してから図柄変動ゲームが終了する迄の間の演出(表示演出、発光演出、音声演出)のベースとなるパターンであって、図柄変動ゲームの演出内容及び変動時間(演出時間)を特定し得る。そして、変動パターンは、大当り演出用、はずれリーチ演出用及びはずれ演出用からなる変動内容毎に分類されている。
大当り演出は、図柄変動ゲームが、リーチ演出を経て最終的に大当り図柄を確定停止表示させるように展開される演出である。また、はずれリーチ演出は、図柄変動ゲームが、リーチ演出を経て最終的にはずれ図柄を確定停止表示させるように展開される演出である。また、はずれ演出は、図柄変動ゲームが、リーチ演出を経ることなく最終的にはずれ図柄を確定停止表示させるように展開される演出である。リーチ演出は、演出表示装置11の飾り図柄による図柄変動ゲームにおいて、リーチが形成されてから最終的に図柄組み合わせ(大当り図柄又ははずれ図柄)が導出される迄の間に行われる演出である。なお、特別図柄表示装置12では、図柄変動ゲームが開始されると、リーチ演出を行うことなく変動時間の経過時迄図柄の変動が継続される。
ここで、本実施形態において、変動パターンに基づき実行される図柄変動ゲームの変動内容を図3及び図4にしたがって説明する。なお、以下に説明する変動内容は、演出表示装置11で実行される図柄変動ゲームの変動内容である。
図3(a)は、はずれ演出用の変動パターンP1に基づく通常変動の変動内容である。通常変動では、その変動時間が「12秒」に定められている。そして、「通常変動」では、図柄変動ゲームの開始後、所定時間の経過後に図柄列の変動が順次停止し、はずれ図柄が導出される。一方、図3(b)は、はずれ演出用の変動パターンP2に基づく短縮変動の変動内容である。短縮変動では、その変動時間が「6秒」に定められている。そして、「短縮変動」では、図柄変動ゲームの開始後、通常変動における変動表示に係る時間よりも短い時間の経過後に各列の変動がほぼ同一のタイミングで停止し、はずれ図柄が導出される。
図3(c)は、はずれリーチ演出用の変動パターンP3又は大当り演出用の変動パターンP4に基づくリーチ変動の変動内容である。リーチ変動では、図柄変動ゲームの開始後、所定時間の経過後に特定列(本実施形態では左右列)の変動が順次停止することによってリーチが形成され、その後にリーチ演出を経て、はずれ図柄又は大当り図柄が導出される。
図3(d)〜(g)は、はずれリーチ演出用の変動パターンP7又は大当り演出用の変動パターンP8に基づく擬似変動の変動内容である。擬似変動は、1回の図柄変動ゲームにおいて、図柄(飾り図柄)の変動開始から図柄(飾り図柄)の変動停止までを1回とする変動サイクルを複数回実行させる変動内容である。1回の図柄変動ゲームは、図柄(特別図柄と飾り図柄)の変動開始によって開始し、図柄の変動が停止した後に図柄が確定停止表示されることによって終了し、1球の始動保留球に対して実行される。この擬似変動を伴う1回の図柄変動ゲームは、内部制御において1回の図柄変動ゲームを、恰も複数回の図柄変動ゲームが連続して行われているかのように擬似的に演出表現してなされるものである。
なお、図3(d)〜(g)は、3回の変動サイクルを含む擬似3回変動の変動内容を示している。本実施形態の擬似3回変動では、1,2回目の変動サイクルが、通常変動又は短縮変動で行われるようになっている。また、3回目(最終回の)変動サイクルでは、リーチを形成するまでの変動が、「短縮変動」又は「通常変動」で行われるようになっている。ちなみに、図3(c),(e)では、リーチが形成されるまでに要する時間が、図3(a)に示す通常変動における右列の変動が停止するまでの時間と同一時間に設定されている。一方、図3(d),(f),(g)では、リーチが形成されるまでに要する時間が、図3(b)に示す短縮変動における右列の変動が停止するまでの時間と同一時間に設定されている。これにより、本実施形態では、説明の便宜上、図3(c),(e)に示すリーチ変動でリーチが形成されるまでに要する時間を「通常変動」と示す。その一方で、図3(d),(f),(g)に示すリーチ変動でリーチが形成されるまでに要する時間を「短縮変動」と示す。
また、擬似3回変動における短縮変動と通常変動の組み合わせとしては、以下に示す4種類が設定されている。即ち、擬似3回用の短縮内容(図3(d))「短縮(以下、「短」と示す)+短+短」、擬似3回用の第1通常内容(図3(e))「短+短+通常(以下、「通」と示す)」、擬似3回用の第2通常内容(図3(f))「短+通+短」、及び擬似3回用の第3通常内容(図3(g))「通+短+短」である。そして、最終変動サイクルとなる3回目の変動サイクルでリーチ変動が実行されるとともに、その3回目の変動サイクルで最終的なゲーム結果となるはずれ図柄又は大当り図柄が導出される。これらの変動内容のうちどの変動内容にするかは、サブ統括制御基板31で決定される。
このような組み合わせにより、擬似3回用の第1〜第3通常内容では、通常変動で行われる変動サイクルの順番が異なるものの、擬似変動を構成する組み合わせが同一であるため、図柄変動ゲームの開始から最終回の変動サイクルでリーチが形成される迄に要する時間は、同一となる。一方、擬似3回用の短縮内容では、擬似3回用の第1〜第3通常内容と異なり、擬似変動を構成する変動内容に通常変動を含んでいないため、図柄変動ゲームの開始から最終回の変動サイクルでリーチが形成される迄に要する時間が、擬似3回用の第1〜第3通常内容よりも「6秒」短い。その一方で、擬似3回用の短縮内容及び擬似3回用の第1〜第3通常内容では、リーチ形成後、図柄の組み合わせが確定停止表示されるまでの時間が同一である。ただし、擬似3回用の短縮内容及び擬似3回用の第1〜第3通常内容は、1つの変動パターンに対応付けられているため、その変動時間は最終回の変動サイクルでリーチが形成されるタイミングにかかわらず一定時間(34秒)となっている。また、擬似3回用の短縮内容及び擬似3回用の第1〜第3通常内容では、図柄変動ゲームの開始から最終回の変動サイクルでリーチが形成される迄に要する時間が異なるものの、1回の図柄変動ゲームを構成する変動サイクル数が同一回数に設定されている。
なお、ここでは図示しないが、擬似2回変動及び擬似4回変動においても、擬似3回変動と同様、全ての変動サイクルが「短縮変動」を含むパターンと、全ての変動サイクルのうち1つの変動サイクルが「通常変動」を含むパターンが、1つの変動パターンに対応付けられている。具体的に説明すると、擬似2回変動用の変動パターンP5,P6には、擬似2回変動における短縮変動と通常変動の組み合わせとして、以下に示す3種類が設定されている。すなわち、擬似2回用の短縮内容「短+短」、擬似2回用の第1通常内容「短+通」、及び擬似2回用の第2通常内容「通+短」である。一方、擬似4回変動用の変動パターンP9,P10には、擬似4回変動における短縮変動と通常変動の組み合わせとして、以下に示す5種類が設定されている。すなわち、擬似4回用の短縮内容「短+短+短+短」、擬似4回用の第1通常内容「短+短+短+通」、擬似4回用の第2通常内容「短+短+通+短」、擬似4回用の第3通常内容「短+通+短+短」、及び擬似4回用の第4通常内容「通+短+短+短」である。
そして、擬似2回変動用の変動パターンP5,P6及び擬似4回変動用の変動パターンP9,P10においても、通常変動で行われる変動サイクルの順番が異なるものの、擬似変動を構成する組み合わせが同一であるため、「通常内容」において図柄変動ゲームの開始から最終回の変動サイクルでリーチが形成される迄に要する時間は、同一となる。また、擬似2回用の短縮内容及び擬似2回用の第1,第2通常内容は、1つの変動パターンに対応付けられているため、その変動時間は最終回の変動サイクルでリーチが形成されるタイミングにかかわらず一定時間(28秒)となっているとともに、1回の図柄変動ゲームを構成する変動サイクル数が同一回数に設定されている。同様に、擬似4回用の短縮内容及び擬似4回用の第1〜第4通常内容は、1つの変動パターンに対応付けられているため、その変動時間は最終回の変動サイクルでリーチが形成されるタイミングにかかわらず一定時間(40秒)となっているとともに、1回の図柄変動ゲームを構成する変動サイクル数が同一回数に設定されている。また、以下の説明では、擬似2回〜擬似4回用の短縮内容を纏めて「短縮内容」と示す一方で、擬似2回〜擬似4回用の通常内容を纏めて「通常内容」と示す場合がある。
なお、擬似変動では、最終変動サイクルよりも前の変動サイクルでははずれ図柄が導出されるようになっており、これらの変動サイクルにおける図柄の変動停止は一旦停止表示である。すなわち、擬似変動では、最終変動サイクルのみでリーチが形成される一方で、最終変動サイクルよりも前の変動サイクルではリーチが形成されない。また、擬似変動の各変動サイクル中には、擬似変動が実行されていることを遊技者に報知する擬似変動報知演出(専用の演出)が行われる。これにより、遊技者は、図柄変動ゲームの変動内容が擬似変動であることを認識し得る。また、1回の変動サイクルには、特定の図柄組み合わせ(大当りの組み合わせやチャンス目)を一旦停止表示させた後、再変動演出を実行させる場合、その再変動演出を含み、再変動演出のみを1回の変動サイクルとしてカウントしない。そして、本実施形態では、擬似変動の変動サイクル数が多くなるほど、実行中の図柄変動ゲームが大当りとなるか否かの可能性を示す大当り期待度が高くなるように設定している。大当り期待度は、大当り時の出現率とはずれ時の出現率を合算した全体の出現率に対する大当り時の出現率によって規定されている。
また、主制御用ROM30bには、大当り判定値が記憶されている。大当り判定値は、大当り抽選で用いる判定値であり、大当り判定用乱数の取り得る数値(0〜1422までの全1423通りの整数)の中から定められている。そして、大当り判定値は、非確変状態時の大当り抽選で用いる低確率用の大当り判定値と、確変状態時の大当り抽選で用いる高確率用の大当り判定値とがある。高確率用の大当り判定値の設定数(本実施形態では40個)は、低確率用の大当り判定値の設定数(本実施形態では4個)よりも多く設定されている。このような設定によれば、非確変状態時の大当り抽選で当選する確率は1423分の4となる一方で、確変状態時の大当り抽選で当選する確率は1423分の40となる。
また、主制御用ROM30bには、リーチ判定値が記憶されている。リーチ判定値は、リーチ抽選で用いる判定値であり、リーチ判定用乱数の取り得る数値(0〜240迄の全241通りの整数)の中から定められている。また、主制御用ROM30bには、普図当り判定値が記憶されている。普図当り判定値は、普図当りか否かの内部抽選(普図当り抽選)で用いる判定値であり、普図当り判定用乱数の取り得る数値(0〜250迄の全251通りの整数)の中から定められている。
次に、サブ統括制御基板31について説明する。
サブ統括制御基板31には、制御動作を所定の手順で実行する統括制御用CPU31aと、統括制御用CPU31aの制御プログラムを格納する統括制御用ROM31bと、必要なデータの書き込み及び読み出しができる統括制御用RAM31cが設けられている。また、統括制御用RAM31cには、パチンコ遊技機の動作中に適宜書き換えられる各種情報(乱数値、タイマ値、フラグなど)が記憶(設定)される。
次に、演出表示制御基板32について説明する。
演出表示制御基板32には、制御動作を所定の手順で実行する表示制御用CPU32aと、表示制御用CPU32aの制御プログラムを格納する表示制御用ROM32bと、必要なデータの書き込み及び読み出しができる表示制御用RAM32cが設けられている。表示制御用CPU32aには、演出表示装置11が接続されている。また、表示制御用ROM32bには、各種の画像データ(図柄、背景、文字、キャラクタなどの画像データ)が記憶されている。また、画像データには、待機デモ演出の演出用データと、タイトルデモ演出用の画像データが記憶されている。さらに、表示制御用RAM32cには、パチンコ遊技機の動作中に適宜書き換えられる各種情報(タイマ値、フラグなど)が記憶(設定)される。
以下、主制御基板30の主制御用CPU30aが、メイン制御プログラムに基づき実行する特別図柄入力処理や特別図柄開始処理などの各種処理について説明する。本実施形態において主制御用CPU30aは、所定の制御周期(例えば、4ms)毎に特別図柄入力処理や特別図柄開始処理などの各種処理を実行する。なお、特別図柄入力処理は始動入賞口への入球を契機に実行する処理である一方で、特別図柄開始処理は図柄変動ゲームの開始を契機に実行する処理である。
最初に、特別図柄入力処理について説明する。
主制御用CPU30aは、上始動入賞口14又は下始動入賞口15へ遊技球が入球し、該遊技球を検知した始動口スイッチSW1,SW2が出力する検知信号を入力すると、大当り判定用乱数、リーチ判定用乱数、特図振分用乱数、及び変動パターン振分用乱数の値を主制御用RAM30cから取得する。そして、主制御用CPU30aは、これらの値を主制御用RAM30cに記憶されている特図始動保留記憶数に対応付けて主制御用RAM30cに一時的に記憶する。なお、主制御用CPU30aは、特図始動保留記憶数が上限数(本実施形態では4)に達していない場合、特図始動保留記憶数を1加算して特図始動保留記憶数を書き換える一方で、特図始動保留記憶数が上限数に達している場合、上限数を超える特図始動保留記憶数の書き換えを行わないとともに、前述した各種乱数の値も取得しない。そして、主制御用CPU30aは、特図始動保留記憶数を書き換えた場合、特別図柄保留記憶表示装置Raの表示内容(点灯態様)を変更する。
次に、特別図柄開始処理について説明する。
主制御用CPU30aは、図柄(特別図柄及び飾り図柄)が変動表示中ではなく、大当り遊技中ではないときに、特図始動保留記憶数の値が「0(零)」よりも大きいか否か(保留中の図柄変動ゲームが存在するか否か)を判定する。この判定結果が否定の場合、保留中の図柄変動ゲームが存在しないことになる。この場合、主制御用CPU30aは、デモ演出の実行を開始させるデモ指定コマンドを既に出力したか否かを判定する。この判定結果が否定の場合(デモ指定コマンドを出力していない場合)、主制御用CPU30aは、保留が途切れる直前の図柄変動ゲームの終了に伴ってデモ指定コマンドを出力した後、特別図柄開始処理を終了する。また、デモ指定コマンドを既に出力していた場合、主制御用CPU30aは、そのまま特別図柄開始処理を終了する。
一方、特図始動保留記憶数が1以上の場合、主制御用CPU30aは、保留中の図柄変動ゲームが存在するので、特図始動保留記憶数を−1(1減算)する。また、主制御用CPU30aは、1減算後の特図始動保留記憶数を表すように特別図柄保留記憶表示装置Raの表示内容(点灯態様)を変更する。
その後、主制御用CPU30aは、特図始動保留記憶数に対応付けられて主制御用RAM30cに記憶した大当り判定用乱数の値を読み出す。このとき、主制御用CPU30aは、主制御用RAM30cに記憶されている始動保留球のうち、最も早く記憶した始動保留球に対応する大当り判定用乱数の値を読み出す。そして、主制御用CPU30aは、該値と大当り判定値とを比較し、大当りか否かの大当り判定(大当り抽選)を行う。なお、大当り判定において主制御用CPU30aは、遊技状態が非確変状態である場合には、低確率用の大当り判定値と大当り判定用乱数の値を比較する一方で、遊技状態が確変状態である場合には、高確率用の大当り判定値と大当り判定用乱数の値を比較する。大当り判定の判定結果が肯定の場合、主制御用CPU30aは、取得した特図振分用乱数の値に基づき、特別図柄表示装置12に確定停止表示させる大当り図柄を決定する。なお、特別図柄の大当り図柄は、前述したように大当りの種類毎に設定されていることから、大当り図柄を決定することによって遊技者に付与する大当りの種類を決定したことになる。大当りを決定した場合、主制御用CPU30aは、変動パターン振分用乱数の値に基づき、大当り演出用の変動パターンを選択し、決定する。
また、主制御用CPU30aは、大当り判定の判定結果が否定の場合、はずれを決定する。そして、主制御用CPU30aは、特別図柄表示装置12に確定停止表示させる特別図柄としてはずれ図柄を決定する。また、はずれを決定した主制御用CPU30aは、リーチ判定用乱数の値とリーチ判定値とを比較し、はずれリーチ変動を実行するか否かのリーチ判定を行う。
そして、リーチ判定の判定結果が肯定の場合、主制御用CPU30aは、変動パターン振分用乱数の値に基づき、はずれリーチ演出用の変動パターンを選択し、決定する。一方、リーチ判定結果が否定の場合、主制御用CPU30aは、変動パターン振分用乱数の値に基づき、はずれ演出用の変動パターンを選択し、決定する。
特別図柄及び変動パターンを決定した主制御用CPU30aは、決定事項に従って生成した制御コマンドを所定のタイミングでサブ統括制御基板31(統括制御用CPU31a)に出力する。具体的に言えば、主制御用CPU30aは、変動パターンを指示するとともに図柄変動ゲームの開始を指示する変動パターン指定コマンドを図柄変動ゲームの開始に際して最初に出力する。本実施形態では、これらの変動パターンによって、1回の図柄変動ゲームを構成する全変動サイクル数を特定することが可能となる。
また、主制御用CPU30aは、特別図柄を指示する特別図柄用の停止図柄指定コマンドを変動パターン指定コマンドの出力後、次に出力する。そして、主制御用CPU30aは、指示した変動パターンに定められている変動時間の経過時に図柄変動ゲームの終了(図柄の確定停止)を指示する図柄停止コマンドを前記変動時間の経過に伴って出力する。
そして、主制御用CPU30aは、大当りを決定した場合、決定した変動パターンに基づく図柄変動ゲームの終了後、最終停止図柄に基づき特定された種類の大当り遊技の制御を開始する。
また、各大当り遊技を終了させた主制御用CPU30aは、大当り遊技終了後に確変状態を付与する場合、確変状態を付与することを示す確変フラグに「1」を設定するとともに、確変状態を付与することを示す確変コマンドを出力する。また、主制御用CPU30aは、大当り遊技の終了後に非確変状態を付与する場合、確変フラグに「0」を設定する。この場合、主制御用CPU30aは、非確変状態を付与することを示す非確変コマンドを出力する。同様に、主制御用CPU30aは、大当り遊技の終了後に変短状態を付与する場合、変短状態を付与することを示す作動フラグに「1」を設定する。この場合、主制御用CPU30aは、変短状態を付与することを示す変短コマンドを出力する。なお、本実施形態において主制御用CPU30aは、7R非確変大当りに当選している場合、作動回数に「100回」を設定し、図柄変動ゲームが実行される毎に作動回数を1減算し、作動回数が「0(零)」になると、変短状態を終了させ、作動フラグに「0」を設定する。この場合、主制御用CPU30aは、非変短状態を付与することを示す非変短コマンドを出力する。
次に、サブ統括制御基板31の統括制御用CPU31aが制御プログラムに基づき実行する各種処理について説明する。
統括制御用CPU31aは、変動パターン指定コマンドを入力すると、該コマンドを演出表示制御基板32に出力する。なお、入力した変動パターン指定コマンドが擬似変動パターンであった場合、統括制御用CPU31aは、変動パターン指定コマンドに加えて、擬似パターン指定コマンドを演出表示制御基板32に出力する(図4)。擬似パターン指定コマンドは、図柄変動ゲームを構成する変動サイクル単位の変動内容(演出)を指示するコマンドである。このコマンドは、擬似変動パターンが選択されたときにしか演出表示制御基板32に出力されないようになっている。
以下、擬似パターン指定コマンドの種類、及び当該コマンドの出力態様を図4にしたがって具体的に説明する。
本実施形態では、前述したように擬似変動パターンには、各変動サイクルの変動内容(通常変動又は短縮変動)が異なる複数の変動内容が対応付けられている。したがって、統括制御用CPU31aは、擬似変動パターンが指示されると、複数の変動内容のうちどの変動内容(短縮内容及び通常内容)にするかを抽選で決定する。ちなみに、本実施形態では、複数の変動内容がほぼ同一の割合で選択されるように選択用の乱数値を対応付けている。そして、変動内容を決定した統括制御用CPU31aは、選択した変動内容に対応する値を統括制御用RAM31cにおける変動内容フラグにセットする。例えば、変動パターンP7が指示された際に擬似3回用の短縮内容を選択した場合、統括制御用CPU31aは、変動内容フラグに「0」をセットする一方で、擬似3回用の第1通常内容を選択した場合、変動内容フラグに「1」をセットする。同様に、統括制御用CPU31aは、擬似3回用の第2通常内容を選択した場合、変動内容フラグに「2」をセットする一方で、擬似3回用の第3通常内容を選択した場合、変動内容フラグに「3」をセットする。これらの値と変動パターン指定コマンドとの組み合わせによって、統括制御用CPU31aは、どの変動パターンが選択され、かつ決定した変動内容の種類を把握することができる。本実施形態では、統括制御用CPU31aが、演出内容決定手段として機能する。
これにより、例えば、擬似3回変動用の変動パターンP7を指示する変動パターン指定コマンドを入力したときに、統括制御用CPU31aが短縮内容(短+短+短)を選択したとすると、図柄変動ゲームの開始時に、変動パターン指定コマンドとともに短縮内容を指示する擬似パターン指定コマンドを演出表示制御基板32に出力する。同様に、擬似3回変動用の変動パターンP7を指示する変動パターン指定コマンドを入力したときに、統括制御用CPU31aが第1通常内容(短+短+通)を選択したとすると、図柄変動ゲームの開始時に、変動パターン指定コマンドとともに第1通常内容を指示する擬似パターン指定コマンドを演出表示制御基板32に出力する。
このように、サブ統括制御基板31には、変動パターン指定コマンドに応じて、変動サイクル単位の変動内容を指示する擬似パターン指定コマンドが設定されている。したがって、1回の図柄変動ゲームで出力される擬似パターン指定コマンドにより、1回の図柄変動ゲームを構成する全変動サイクルの変動時間及び各変動サイクルの変動内容を特定することができる。
また、統括制御用CPU31aは、特別図柄用の停止図柄指定コマンドを入力すると、当該コマンドで指示される特別図柄と変動パターン指定コマンドで指示される変動内容をもとに演出表示装置11に確定停止表示させる飾り図柄の図柄組み合わせを決定する。なお、擬似変動パターンが指示されている場合、統括制御用CPU31aは、最終回の変動サイクルで確定停止表示させる飾り図柄の図柄組み合わせを決定することになる。ちなみに、擬似変動パターンが指示されている場合、最終回よりも前の変動サイクルにおける図柄組み合わせは、表示制御用CPU32aが決定するようになっている。
統括制御用CPU31aは、特別図柄としてはずれ図柄が指示され、かつはずれ演出用の変動パターンが指示されている場合、飾り図柄としてリーチ図柄を含まないはずれ図柄を決定する。また、統括制御用CPU31aは、特別図柄としてはずれ図柄が指示され、かつはずれリーチ演出用の変動パターンが指示されている場合、飾り図柄としてリーチ図柄を含むはずれ図柄を決定する。また、統括制御用CPU31aは、特別図柄として大当り図柄が指示され、かつ大当り演出用の変動パターンが指示されている場合、飾り図柄として大当り図柄を決定する。
具体的に言えば、統括制御用CPU31aは、特別図柄として16R確変大当りに対応する大当り図柄が指示されている場合、飾り図柄として確変大当りを確定的に認識し得る図柄組み合わせを決定する。なお、本実施形態における確変大当りを確定的に認識し得る図柄組み合わせは、[111]、[333]、[555]、及び[777]で示す4種類となっている。
一方、7R確変大当りに対応する大当り図柄が指示されている場合、飾り図柄として確変大当りを確定的に認識し得る図柄組み合わせ、又は確変大当りを確定的に認識し得ない図柄組み合わせを決定する。なお、本実施形態における確変大当りを確定的に認識し得ない図柄組み合わせは、[222]、[444]、[666]、及び[888]で示す4種類となっている。また、統括制御用CPU31aは、特別図柄として7R非確変大当りに対応する大当り図柄が指示されている場合、飾り図柄として確変大当りを確定的に認識し得ない図柄組み合わせを決定する。したがって、[222]、[444]、[666]、及び[888]のうちいずれかの図柄組み合わせが導出された場合、この図柄組み合わせからは確変状態が付与されるのか否かを判別することができない。また、以下の説明では、確変大当りを確定的に認識し得る図柄組み合わせを構成する図柄を「確定図柄」と示す一方で、確変大当りを確定的に認識し得ない図柄組み合わせを構成する図柄を「チャンス図柄(非確定図柄)」と示す。
なお、本実施形態では、大当りの図柄組み合わせを構成する図柄がリーチ形成図柄となるので、大当りの図柄組み合わせを決定することによってリーチ形成図柄も決定されることになる。同様に、リーチ図柄を含むはずれの図柄組み合わせを構成する図柄がリーチ形成図柄となるので、リーチ図柄を含むはずれの図柄組み合わせを決定することによってリーチ形成図柄も決定されることになる。
そして、統括制御用CPU31aは、決定した飾り図柄を指示する飾り図柄用の停止図柄指定コマンドを表示制御用CPU32aに出力する。また、統括制御用CPU31aは、図柄停止コマンドを入力すると、該コマンドを表示制御用CPU32aに出力する。また、統括制御用CPU31aは、デモ指定コマンドを入力すると、最初に、待機デモ演出の実行を演出表示装置11に指示するための待機デモコマンドを演出表示制御基板32に出力する。続いて、統括制御用CPU31aは、待機デモコマンドの出力後、50秒の経過時にタイトルデモ演出の実行を演出表示装置11に指示するためのタイトルデモコマンドを演出表示制御基板32に出力する。本実施形態におけるタイトルデモ演出では、図5に示すように、動画K1、動画K2、動画K3、動画K4、動画K5、動画K6、動画K7、動画K8、動画K9、及び動画K10で示す10種類の動画が設定されている。なお、動画K1〜K3の演出時間は、「1秒」に定められるとともに、動画K4〜K6の演出時間は、「2秒」に定められる。また、動画K7,K8の演出時間は、「3秒」に定められるとともに、動画K9の演出時間は、「4秒」に定められ、さらに動画K10の演出時間は、「6秒」に定められる。そして、統括制御用CPU31aは、動画K1〜動画K10に対応する動画指定コマンドを、順次、表示制御用CPU32aに出力することで、タイトルデモ演出を実行させている。
そして、統括制御用CPU31aは、タイトルデモコマンドの出力後、25秒の経過時に待機デモコマンドを演出表示制御基板32に出力する。その後、統括制御用CPU31aは、変動パターン指定コマンドを入力するまでの間、待機デモ演出及びタイトル演出の実行を交互に指示する。
次に、演出表示制御基板32の表示制御用CPU32aが表示制御プログラムに基づき実行する各種処理について説明する。
表示制御用CPU32aは、変動パターン指定コマンドを入力すると、当該コマンドに指示される変動内容をもとに、画像表示用データを選択する。表示制御用CPU32aは、画像表示用データをもとに図柄変動ゲームを画像表示させるように演出表示装置11の表示内容を制御する。このとき、表示制御用CPU32aは、変動パターン指定コマンドとともに擬似パターン指定コマンドを入力しているのであれば、最終回よりも前の各変動サイクルの終了時に一旦停止表示させる飾り図柄の図柄組み合わせを決定する。具体的には、表示制御用CPU32aは、一旦停止表示される飾り図柄の図柄組み合わせとして、リーチ図柄を含まないはずれの図柄組み合わせを決定する。そして、表示制御用CPU32aは、擬似パターン指定コマンドで指定される内容にしたがって、最終回よりも前の各変動サイクルの終了時間に到達したことに従って、決定した図柄組み合わせを一旦停止表示させる。また、表示制御用CPU32aは、図柄変動ゲーム中に図柄停止コマンドを入力すると、飾り図柄用の停止図柄指定コマンドで指定される飾り図柄を演出表示装置11に確定停止表示させて図柄変動ゲームを終了させる。
また、表示制御用CPU32aは、待機デモコマンドを入力すると、待機デモ演出用の画像データによる待機デモ演出を開始させるべく演出表示装置11を制御する。また、表示制御用CPU32aは、動画指定コマンドを入力すると、該コマンドに対応するタイトルデモ用の画像データによるタイトルデモ演出を開始させるべく演出表示装置11を制御する。
前述したように、本実施形態のパチンコ遊技機では、擬似変動を特定する1つの変動パターン(擬似変動パターン)に対して、図柄変動ゲームの開始から最終回の変動サイクルでリーチが形成される迄に要する時間が異なる複数の変動内容が対応付けられている。これにより、擬似変動を構成する変動サイクル数に応じて大当り期待度を設定することができるものの、図柄変動ゲームの開始から最終回の変動サイクルでリーチが形成される迄に要する時間が異なることになる。したがって、本実施形態において統括制御用CPU31aは、擬似変動パターンが指定された場合、1つの変動パターンに基づいて実行される演出の総実行時間を統一するために、リーチが形成されるタイミングに応じて、変動パターンに定められた総変動時間に占める遊技演出の演出時間の割合を変化させている。つまり、リーチ形成までに要する時間が短い場合、遊技演出を実行することによって変動パターンに定められた演出時間を埋めるようになっている。加えて、遊技演出によって大当り期待度を示唆するようにしている。
具体的に説明すると、本実施形態では、最終回の変動サイクルにおいてリーチが形成されてから変動パターンに定められた変動時間が経過するまでの間に、タイトルデモ演出として実行された動画を構成する演出内容を断片的に再生する動画再生演出が、遊技演出として実行されるようになっている。より詳しくは、リーチ演出自体の演出時間とは異なる動画再生演出専用の時間を変動パターンに定められた変動時間内に別途割り当て、その割り当てた時間で動画再生演出を実行させるようになっている。なお、本実施形態では、動画再生演出をリーチ演出中に実行させるようになっている。これにより、内部的には、変動パターンに定められた実行タイミング、かつ動画再生演出用に割り当てられた時間内で動画再生演出が実行されることになるが、見た目上、リーチ演出が中断されて動画再生演出が行なわれ、動画再生演出の終了後にリーチ演出が再開されたかのような態様で実行されることになる。そして、図5に示すように、動画再生演出の対象となる動画は、動画K1〜動画K10で示す10種類が設定されており、使用する画像データがタイトルデモ演出と共通化されている。
ただし、前述したように、「短縮内容」には、擬似変動パターンに定められた変動時間よりも短い変動時間が定められている。したがって、「短縮内容」が選択された場合のみ、擬似変動パターンに定められた変動時間と短縮内容の変動時間(リーチ演出の演出時間も含む)との差分に相当する時間、動画再生演出が実行される。より具体的に説明すると、本実施形態における動画再生演出では、擬似変動パターンに定められた変動時間と短縮内容の変動時間(リーチ演出の演出時間も含む)との差分に相当する時間が動画再生演出の実行時間となり、その残り時間が「0秒」となるまで動画再生演出を実行させる構成としている。したがって、残り時間未満の演出時間が定められた動画が選択された際には、1回の動画再生演出で複数の動画が再生されることになる。また、本実施形態では、「短縮内容」が決定された場合にしか動画再生演出を実行させることができないので、動画再生演出の演出時間が「6秒」又は「0秒」となることが、リーチ形成タイミングに応じて動画再生演出の演出時間の割合を可変させていることになる。
以下、統括制御用CPU31aが、動画を選択するために行う動画選択処理について図6に従って説明する。なお、動画選択処理は、図柄変動ゲームの開始時に実行される。
まず、統括制御用CPU31aは、擬似変動パターンが指示されているか否かを判定する(ステップS11)。この判定結果が否定の場合、動画再生演出を実行する必要がないので、統括制御用CPU31aは、そのまま動画選択処理を終了する。
一方、ステップS11の判定結果が肯定(擬似変動パターンが指示されている)の場合、統括制御用CPU31aは、擬似変動に対応付けられた複数の変動内容のうち、全ての変動サイクルに短縮変動を含む短縮内容を選択したか否かを確認する(ステップS12)。このとき、統括制御用CPU31aは、変動内容フラグの値を確認し、短縮内容を示す値(擬似3回用の短縮内容の場合は「0」)がセットされているのであればステップS12を肯定判定する一方で、通常内容を示す値(擬似3回用の通常内容の場合は「1」〜「3」)がセットされているのであればステップS12を否定判定することになる。そして、ステップS12を否定判定した場合、通常内容の変動時間は擬似変動パターンに定められた変動時間と一致するため、動画再生演出を実行することができないので、統括制御用CPU31aは、動画選択処理を終了する。
一方、ステップS12の判定結果が肯定の場合、統括制御用CPU31aは、動画を選択するための演算処理を行うときに参照する所定の演算領域に「6秒」をセットする(ステップS13)。この「6秒」で示す時間は、擬似変動パターンに定められた変動時間から短縮内容に定められた変動時間(リーチ演出の演出時間も含む)を減算した値である。
その後、統括制御用CPU31aは、実際に動画を選択するために行う選択処理を実行する(ステップS14)。なお、選択処理では、動画再生演出の残り時間に応じて、後に詳述する動画選択テーブル(図8)から動画を選択する処理が行われるようになっている。そして、ステップS14において1つの動画を選択した統括制御用CPU31aは、所定の演算領域に設定した動画再生演出の残り時間から選択した動画に定められた演出時間を減算する(ステップS15)。
その後、統括制御用CPU31aは、ステップS15で算出した値が「0」であるか否か、すなわち、所定の演算領域に設定した動画再生演出の残り時間が「0」であるか否かを判定する(ステップS16)。この判定結果が肯定の場合、統括制御用CPU31aは、動画再生演出の残り時間が「0秒」となったことを認識し、動画選択処理を終了する。一方、ステップS16の判定結果が否定(残り時間>0)の場合、統括制御用CPU31aは、再度、ステップS14の処理に移行し、残り時間に応じて動画を選択する。したがって、短縮内容を選択した場合、統括制御用CPU31aは、リーチ形成後、擬似変動パターンに定められた変動時間が経過するまでの間、つまり、動画再生演出の残り時間が0となるまで動画を選択するので、残り時間未満の動画が選択された際には1回の動画再生演出において複数の動画が再生される場合もある。
次に、動画選択処理においてステップS14で実行される選択処理について図7に従って説明する。
まず、統括制御用CPU31aは、所定の演算領域に設定した動画再生演出の残り時間が「6秒」であるか否かを判定する(ステップS21)。ステップS21の判定結果が肯定の場合、統括制御用CPU31aは、動画選択テーブルT1〜T5の中から、動画選択テーブルT1を選択する(ステップS22)。
図8(a)〜(e)に示すように、本実施形態では、動画選択テーブルT1,T2,T3,T4,T5の5種類のテーブルが設定されている。これらの動画選択テーブルT1〜T5は、動画再生演出の残り時間に応じて対応付けられたテーブルである。具体的には、動画選択テーブルT1は、動画再生演出の残り時間が6秒の場合に参照されるテーブルである一方で、動画選択テーブルT2は、動画再生演出の残り時間が6秒未満4秒以上の場合に参照されるテーブルである。また、動画選択テーブルT3は、動画再生演出の残り時間が4秒未満3秒以上の場合に参照されるテーブルである一方で、動画選択テーブルT4は、動画再生演出の残り時間が3秒未満2秒以上の場合に参照されるテーブルである。また、動画選択テーブルT5は、動画再生演出の残り時間が2秒未満1秒以上の場合に参照されるテーブルである。さらに、これらの動画選択テーブルT1〜T5では、動画再生演出の残り時間、及び図柄変動ゲームが大当りとなるか否かに応じて動画K1〜K10の選択確率が異なるように設定されている。
これらの動画選択テーブルT1〜T5では、大当り演出用の擬似変動パターン(例えば、変動パターンP8)が指定されている場合、はずれリーチ演出用の擬似変動パターン(例えば、変動パターンP7)が指示されている場合に比して、演出時間が長く設定された動画が選択される確率が高くなるように、動画選択用の振分値が設定されている。その一方で、動画選択テーブルT1〜T5では、はずれリーチ演出用の擬似変動パターンが指定されている場合、大当り演出用の擬似変動パターンが指示されている場合に比して、演出時間が短く設定された動画が選択される確率が高くなるように、動画選択用の振分値が設定されている。これにより、動画再生演出で再生される動画の1回あたりの演出時間が長いほど、大当り期待度が高くなる。ただし、本実施形態における基本的な大当り期待度は、擬似変動を構成する変動サイクル数によって規定されている。したがって、動画再生演出で再生される動画の演出時間に基づく大当り期待度は、同一変動サイクル数の場合に限定される。すなわち、擬似2回変動の場合に動画K9(4秒)が選択される一方で、擬似3回変動の場合に動画K4(2秒)が選択されたとしても、擬似3回変動の方が大当り期待度が高いことになる。
そして、図8(a)に示す動画選択テーブルT1(図中、テーブルT1と示す)では、大当り抽選に当選している場合に限り、最も演出時間が長く設定された動画K10(6秒)が選択可能となるように動画選択用の振分値が設定されている。そして、動画K10は、大当り抽選に当選している場合のみ選択可能となっているため、動画K10が出現した時点で、大当り抽選に当選していることを認識させることが可能となる。本実施形態では、動画K10が特定遊技演出(特殊遊技演出)となる。
一方、図8(b)に示す動画選択テーブル(図中、テーブルT2と示す)では、動画K10に動画選択用の振分値を設定していない。ただし、大当り抽選に当選している場合、大当り抽選に当選していない場合に比して、演出時間として「4秒」が定められた動画K9の選択確率が高くなるように動画選択用の振分値が設定されている。
また、図8(c)に示す動画選択テーブル(図中、テーブルT3と示す)では、動画K9,K10に動画選択用の振分値を設定していない。ただし、大当り抽選に当選している場合、大当り抽選に当選していない場合に比して、演出時間として「3秒」が定められた動画K7,K8の選択確率が高くなるように動画選択用の振分値が設定されている。
さらに、図8(d)に示す動画選択テーブル(図中、テーブルT4と示す)では、動画K7〜K10に動画選択用の振分値を設定していない。ただし、大当り抽選に当選している場合、大当り抽選に当選していない場合に比して、演出時間として「2秒」が定められた動画K4〜K6の選択確率が高くなるように動画選択用の振分値が設定されている。
なお、図8(e)に示す動画選択テーブル(図中、テーブルT5と示す)では、動画K4〜K10に動画選択用の振分値を設定しておらず、演出時間として「1秒」が定められた動画K1〜K3のうちいずれかが選択されるように動画選択用の振分値が設定されている。このようなテーブル構成により、動画再生演出の残り時間よりも演出時間が長く設定された動画が選択されることがなくなる。
図7の説明に戻り、ステップS22において動画選択テーブルT1を選択した統括制御用CPU31aは、ステップS23の処理に移行する。一方、ステップS21の判定結果が否定(6秒未満)の場合、統括制御用CPU31aは、所定の演算領域に設定した動画再生演出の残り時間が6秒未満「4秒」以上であるか否かを判定する(ステップS24)。この判定結果が肯定(6秒未満4秒以上)の場合、統括制御用CPU31aは、前述したように、動画再生演出の残り時間が6秒未満4秒以上である場合に選択される動画選択テーブルT2を選択した後(ステップS25)、ステップS23の処理に移行する。
また、ステップS24の判定結果が否定(4秒未満)の場合、統括制御用CPU31aは、所定の演算領域に設定した動画再生演出の残り時間が4秒未満「3秒」以上であるか否かを判定する(ステップS26)。この判定結果が肯定(4秒未満3秒以上)の場合、統括制御用CPU31aは、前述したように、動画再生演出の残り時間が4秒未満3秒以上である場合に選択される動画選択テーブルT3を選択した後(ステップS27)、ステップS23の処理に移行する。
同様に、ステップS26の判定結果が否定(3秒未満)の場合、統括制御用CPU31aは、所定の演算領域に設定した動画再生演出の残り時間が3秒未満「2秒」以上であるか否かを判定する(ステップS28)。この判定結果が肯定(3秒未満2秒以上)の場合、統括制御用CPU31aは、前述したように、動画再生演出の残り時間が3秒未満2秒以上である場合に選択される動画選択テーブルT4を選択した後(ステップS29)、ステップS23の処理に移行する。一方、ステップS28の判定結果が否定(2秒未満)の場合、統括制御用CPU31aは、動画再生演出の残り時間が2秒未満1秒以上である場合に選択される動画選択テーブルT5を選択した後(ステップS30)、ステップS23の処理に移行する。
ステップS23に移行した統括制御用CPU31aは、選択した動画選択テーブルの中から大当り抽選の抽選結果に基づいて1の動画を選択する。そして、ステップS23において動画を選択した統括制御用CPU31aは、選択処理を終了し、ステップS15に移行する。
そして、動画を選択した統括制御用CPU31aは、選択した動画に対応する動画指定コマンドを、リーチを形成してから5秒経過後に、順次、表示制御用CPU32aに出力する。そして、動画指定コマンドを入力した表示制御用CPU32aは、動画再生演出の開始に伴ってタイマの値から制御周期毎(例えば、4ms毎)に当該制御周期分の時間を減算することによって、動画再生演出の実行時間を管理する。具体的には、統括制御用CPU31aは、動画指定コマンドの入力順に動画再生演出を実行させるように、タイマの値から制御周期毎に当該制御周期分の時間を減算するとともに、各動画指定コマンドに定められた演出時間の間、動画を再生させる。ちなみに、表示制御用CPU32aは、変動パターン指定コマンドに定められた変動時間の計測を中断することなく、動画再生演出の演出時間を別途計測している。そして、動画に定められた演出時間が経過したのであれば、表示制御用CPU32aは、次に指示された動画指定コマンドに対応する画像データに定められた演出時間の間、動画を再生させる。このような制御を繰り返し実行し、その後、表示制御用CPU32aは、タイマに設定した値が「0」となった場合、動画再生演出を終了させるように演出表示装置11の表示内容を制御する。
このように、短縮内容に定められた変動時間(リーチ演出の演出時間も含む)と擬似変動パターンに定められた変動時間の差分に相当する時間、動画再生演出を実行することで、変動サイクル数に基づく大当り期待度を統一しつつ、1つの擬似変動パターンに基づく図柄変動ゲームの総演出時間を統一することができる。また、動画再生演出を実行することで、総演出時間を統一することができることに加え、動画の1回あたりの演出時間の長さによって、実行中の図柄変動ゲームが大当りとなるか否かについても示唆することができる。本実施形態では、動画再生演出を実行させる統括制御用CPU31a及び表示制御用CPU32aが実行制御手段として機能する。
ちなみに、本実施形態において統括制御用CPU31aは、通常変動を含む変動内容を決定した場合、通常変動で実行する変動サイクルにおいて、動画再生演出とは異なる予告演出(例えば、「チャンス」からなるメッセージの表示)を実行することによって、実行中の図柄変動ゲームが大当りとなるか否かの可能性を示唆するようになっている。なお、本実施形態における予告演出の演出時間は、通常変動に定められた変動時間(12秒)よりも短く、かつ短縮変動に定められた変動時間(6秒)よりも長い時間となっている。つまり、統括制御用CPU31aは、通常変動を含む変動内容(例えば、擬似3回用の第1〜第3通常内容)を決定した場合のみ、通常変動で実行される変動サイクルにて予告演出を実行させる一方で、通常変動を含まない変動内容(例えば、擬似3回用の短縮内容)を決定した場合は、予告演出を実行させない。これにより、統括制御用CPU31aが通常変動を含む変動内容を決定した場合、動画再生演出が実行されない一方で、短縮変動を含む変動内容を決定した場合、予告演出が実行されないことになる。本実施形態では、予告演出を実行させる統括制御用CPU31a及び表示制御用CPU32aが、予告演出制御手段として機能する。
以下、動画選択処理で選択された動画に基づく動画再生演出の実行態様を図9(a)〜(d)に従って説明する。ちなみに、図9(a)は、擬似3回用の短縮内容(短+短+短)が決定された例を示している一方で、図9(b)は、擬似3回用の第1通常内容(短+短+通)が決定された例を示している。また、図9(c)は、擬似3回用の第2通常内容(短+通+短)が決定された例を示している一方で、図9(d)は、擬似3回用の第3通常内容(通+短+短)が決定された例を示している。
図9(a)では、1,2回目の変動サイクルが「短縮変動」で実行されるため、各変動サイクルの変動時間は「6秒」となるとともに、変動サイクル中に予告演出が実行されない。そして、前述したように、3回目(最終回)の変動サイクルにおいてリーチ形成までに要する時間が短縮変動における右列の変動が停止するまでの時間と同一時間に設定されているため、3回目の変動サイクルにおいて動画再生演出が実行されることになる。
この場合、演出時間として「4秒」が定められた動画K9を最初に選択したとすると、統括制御用CPU31aは、2つ目の動画として6秒から4秒を減算した値である「2秒以内」に完結する動画を再度選択することになる(この例では、動画K6)。そして、残り時間としての「2秒」から選択した動画K6に対応付けられた演出時間「2秒」を減算した値は「0(零)」となるため、統括制御用CPU31aは、動画選択処理を終了することになる。
したがって、3回目の変動サイクルにおいて、リーチ演出が開始してから5秒経過後に動画K9が再生され、動画K9が再生されてから4秒後に動画K6が再生される。そして、動画K6が再生されてから2秒後にリーチ演出が再開される。これにより、見た目上、リーチ演出が中断されて動画再生演出が行なわれ、動画再生演出の終了後にリーチ演出が再開されたかのような態様で実行されることになる。
一方、図9(b)〜(d)に示す例では、変動パターンP7,P8に定められた変動時間と第1〜第3通常内容に定められた変動時間(リーチ演出の演出時間も含む)が一致するため、動画再生演出が実行されることがない。ところが、第1〜第3通常内容には、通常変動を含む変動サイクルが設定されているため、通常変動の内容で実行される変動サイクルにおいて動画再生演出とは異なる予告演出(「チャンス」からなるメッセージの表示など)を実行することによって、実行中の図柄変動ゲームが大当りとなるか否かの可能性を示唆するようになっている。
これにより、擬似変動パターンが指定されている場合に短縮内容が選択されたとしても、最終回の変動サイクルにおいて、短縮変動の変動時間(リーチ演出の演出時間も含む)と擬似変動パターンに対応付けられた変動時間の差分に対応する時間だけ動画再生演出を実行することで、擬似変動パターンに定められた総演出時間を統一することができる。
したがって、本実施形態によれば、以下に示す効果を得ることができる。
(1)1回の図柄変動ゲームを構成する変動サイクル数が同一回数に設定される一方で、図柄変動ゲームの開始から最終回の変動サイクルでリーチが形成されるまでの時間が異なり、かつリーチ形成後、図柄組み合わせが確定停止表示されるまでの時間が同一である複数の演出内容を1つの変動パターンに設定した。そして、前記演出内容に定められた時間に応じて、変動パターンに定められた総変動時間に占める動画再生演出(遊技演出)の時間を可変とした。また、動画再生演出によって実行中の図柄変動ゲームが大当りとなる可能性を示唆するようにした。これにより、最終回の変動サイクルにおいてリーチが形成されるまでの時間が異なる複数の変動内容を同一の変動パターンに基づいて実行させることができるとともに、変動時間を統一できる。さらに、変動サイクルの回数毎に大当り図柄が導出される期待度を同程度とすることを、少ない変動パターン数で実現することができる。
(2)実行中の図柄変動ゲームが大当りとなるとともに短縮内容が決定された場合に限って、動画K10(特定遊技演出)を再生させるようにした。これにより、大当りの図柄組み合わせが導出される前であっても、動画K10によって大当り抽選に当選していることを確定的に示唆することができる。
(3)統括制御用CPU31a及び表示制御用CPU32a(予告演出制御手段)は、通常変動で行われる変動サイクル中に予告演出を実行させる一方で、短縮変動で行われる変動サイクル中に予告演出を実行させない。なお、本実施形態では、予告演出の演出時間が、通常変動(12秒)よりも短く、かつ短縮変動(6秒)よりも長く設定されている。これにより、演出時間の関係上、短縮変動で行われる変動サイクルでは予告演出が実行されないが、最終回の変動サイクルでリーチ形成後に行われる動画再生演出によって大当りの可能性が示唆されることになる。
(4)動画再生演出で再生される動画として、タイトルデモ演出として実行される動画を共通化した。これにより、動画再生演出専用の演出を新たに設定しなくても済むので、データ容量を圧迫しない。
(5)大当りに当選しているほど、演出時間が長く設定された動画が選択されるようにした。これにより、動画が複数実行されることよりも、動画1つあたりの演出時間の長さによって遊技者が抱く期待感を異ならせることができる。
(第2の実施形態)
次に、本発明を具体化した第2の実施形態を説明する。なお、以下に説明する実施形態では、既に説明した実施形態と同一構成に同一符号を付すなどして、その重複する説明を省略又は簡略する。
本実施形態では、最終回の変動サイクルにおいて、大当りとなる場合における大当りの展開(確変大当りか否か、又は大当り遊技を構成するラウンド数の違い)を動画選択演出によって示唆している点が、第1の実施形態とは異なる。なお、本実施形態における「示唆」には、1つの事項のみが特定されることを指す確定的な示唆と、2つ以上の事項のどちらとも取れることを指し、1つの事項を特定できないことを指す非確定的な示唆とがある。
まず、本実施形態では、動画選択テーブルが、リーチ形成図柄として確定図柄が決定されたか否かに応じて設定されている。なお、確定図柄が決定された場合、動画の種類によって大当りとなる場合には大当り遊技を構成するラウンド数が示唆されるようになっている。一方、リーチ形成図柄としてチャンス図柄が決定された場合、動画の種類によって大当りとなる場合には確変状態が付与されるか否かが示唆されるようになっている。
以下の説明では、リーチ形成図柄として確定図柄が決定されている場合に参照されるテーブルを、確定図柄用の動画選択テーブルと示す。一方、リーチ形成図柄としてチャンス図柄が決定されている場合に参照されるテーブルを、チャンス図柄用の動画選択テーブルと示す。そして、これらの動画選択テーブルも、第1の実施形態と同様、動画再生演出の残り時間に応じて設定されている。つまり、残り時間が6秒の場合の動画選択テーブル、残り時間が6秒未満4秒以上の場合の動画選択テーブル、4秒未満3秒以上の場合の動画選択テーブル、3秒未満2秒以上の場合の動画選択テーブル、及び2秒未満1秒以上の場合の動画選択テーブルである。なお、本実施形態では、動画再生演出の残り時間が6秒である場合に参照される確定図柄用の動画選択テーブルT6(図10)及び動画再生演出の残り時間が6秒である場合に参照されるチャンス図柄用の動画選択テーブルT11(図11)を例示している。
また、これらのテーブルにおいても、動画再生演出の残り時間、及び図柄変動ゲームが大当りとなるか否かに応じて動画K1〜K10の選択確率が異なるように設定されている。すなわち、大当り演出用の擬似変動パターンが指定されている場合、はずれリーチ演出用の擬似変動パターンが指示されている場合に比して、演出時間が長く設定された動画が選択される確率が高くなるように、動画選択用の振分値が設定されている。その一方で、はずれリーチ演出用の擬似変動パターンが指定されている場合、大当り演出用の擬似変動パターンが指示されている場合に比して、演出時間が短く設定された動画が選択される確率が高くなるように、動画選択用の振分値が設定されている。また、各動画選択テーブルでは、残り以上の演出時間が設定された動画を選択することがないよう、これらの動画には動画選択用の振分値を設定していない。これにより、本実施形態においても、動画再生演出で再生される動画の1回あたりの演出時間が長いほど、大当り期待度が高くなる。
また、本実施形態における確定図柄用の動画選択テーブルでは、大当り演出用の擬似変動パターンが選択された場合、決定された大当りの種類によってさらに動画の選択確率が異なるように設定されている。具体的には、16R確変大当りが決定されている場合、7R確変大当りが決定されている場合に比して、演出時間が長く設定された動画が選択される確率が高くなるように、動画選択用の振分値が設定されている。その一方で、7R確変大当りが決定されている場合、16R確変大当りが決定されている場合に比して、演出時間が短く設定された動画が選択される確率が高くなるように、動画選択用の振分値が設定されている。さらに、はずれリーチ演出用の擬似変動パターンが選択された場合、7R確変大当りが決定されている場合に比して、演出時間が短く設定された動画が選択される確率が高くなるように、動画選択用の振分値が設定されている。
同様に、チャンス図柄用の動画選択テーブルにおいても、7R確変大当りが決定されている場合、7R非確変大当りが決定されている場合に比して、演出時間が長く設定された動画が選択される確率が高くなるように、動画選択用の振分値が設定されている。その一方で、7R非確変大当りが決定されている場合、7R確変大当りが決定されている場合に比して、演出時間が短く設定された動画が選択される確率が高くなるように、動画選択用の振分値が設定されている。さらに、はずれリーチ演出用の擬似変動パターンが選択された場合、7R非確変大当りが決定されている場合に比して、演出時間が短く設定された動画が選択される確率が高くなるように、動画選択用の振分値が設定されている。
そして、図10に示す確定図柄用の動画選択テーブルT6では、16R確変大当りが決定されている場合のみ、動画K10(6秒)が選択されるように動画選択用の振分値が設定されている。同様に、図11に示すチャンス図柄用の動画選択テーブルT11では、7R確変大当りが決定されている場合のみ、動画K10が選択されるように動画選択用の振分値が設定されている。
これにより、本実施形態において確定図柄でリーチが形成された場合、動画K10が再生された時点で、大当り抽選に当選するとともに16R確変大当りとなることが確定的に示唆されることになる。また、演出時間が長く設定された動画が再生された時点で、大当り抽選に当選した場合には、16R確変大当りとなる可能性が高いことが示唆されることになる。また、確定図柄でリーチが形成されたことにより、大当りとなる場合には確変状態が付与されることが示唆されることになる。
同様に、本実施形態においてチャンス図柄でリーチが形成された場合、動画K10が再生された時点で、大当り抽選に当選するとともに確変状態が付与されることが確定的に示唆されることになる。また、演出時間が長く設定された動画が再生された時点で、大当り抽選に当選した場合には、確変状態が付与される可能性が高いことが示唆されることになる。また、チャンス図柄でリーチが形成されたことにより、大当りとなる場合には確変状態が付与される可能性があることが示唆される。
以下、本実施形態における動画選択処理について、図12に従って説明する。なお、図12に示す動画選択処理では、第1の実施形態における動画選択処理(図8)と同一の処理内容については、同一の符号を付しており、その説明を省略する。
統括制御用CPU31aは、第1の実施形態同様、ステップS11〜S13の処理を実行する。そして、統括制御用CPU31aは、確定図柄用の動画選択テーブル(例えば、図10)又はチャンス図柄用の動画選択テーブル(例えば、図11)のうちどちらを参照すべきかを判定するために、以下の処理を実行する。すなわち、統括制御用CPU31aは、ステップS14の実行前に、決定したリーチ形成図柄(最終回の変動サイクルで導出する図柄組み合わせを構成する図柄)を確認する(ステップS17)。
確定図柄を決定していた場合、統括制御用CPU31aは、動画再生処理の残り時間、大当り抽選の抽選結果、及び大当り抽選に当選していたときには、決定された大当りの種類に応じて確定図柄用の動画選択テーブルの中から動画を選択する。なお、本実施形態において統括制御用CPU31aは、大当り抽選に当選していたか否かを、入力した変動パターン指定コマンドによって判断する。また、統括制御用CPU31aは、大当りの種類を、入力した特別図柄用の停止図柄指定コマンドによって判断する。
一方、チャンス図柄を決定していた場合、統括制御用CPU31aは、動画再生処理の残り時間、大当り抽選の抽選結果、及び大当り抽選に当選していたときには、決定された大当りの種類に応じてチャンス図柄用の動画選択テーブルの中から動画を選択する。
このような制御を実行することで、本実施形態においては、総演出時間を統一することができることに加え、動画の1回あたりの演出時間の長さによって、大当りとなる場合に付与される特典を推測(示唆)させることができる。例えば、確定図柄でリーチが形成された後に動画再生演出が実行されたのであれば、その動画の種類によって、大当りとなる場合、大当り遊技を構成するラウンド数が示唆されることになる。すなわち、演出時間が長く定められた動画が表示されるほど、大当りとなる場合には16R確変大当りに当選している可能性が高い一方で、演出時間が短く定められた動画が表示されるほど、大当りとなる場合には7R確変大当りに当選している可能性が高いことが示唆される。一方、チャンス図柄でリーチが形成された後に動画再生演出が実行されたのであれば、その動画の種類によって、大当りとなる場合、大当り遊技終了後に確変状態が付与される期待度の高低が示唆されることになる。すなわち、演出時間が長く定められた動画が表示されるほど、大当りとなる場合には確変大当りに当選している可能性が高い一方で、演出時間が短く定められた動画が表示されるほど、大当りとなる場合には非確変大当りに当選している可能性が高いことが示唆される。また、本実施形態においても、動画再生演出で再生される動画の1回あたりの演出時間によって、大当りか否かを推測することができる。
そして、本実施形態では、同じ動画が再生された場合であっても、リーチ図柄を形成する図柄の種類によって、その動画が示す示唆内容も異なってくる。例えば、動画K10が再生された場合、大当りとなる場合には、大当りの図柄組み合わせから想定し得る特典の中で最も有利な特典が付与されることに違いはないが、確定図柄の場合、動画K10によって大当りとなる場合には16R確変大当り遊技が付与されることが確定的に示唆される。その一方で、チャンス図柄の場合、動画K10によって大当りとなる場合には大当り遊技終了後に確変状態が付与されることが確定的に示唆される。
また、同一の大当りが決定されている場合であっても、リーチ形成図柄によって動画の選択確率が異なる。例えば、7R確変大当りが決定された際に確定図柄が決定された場合、演出時間が長く設定された動画(動画K10を含む)の選択確率が低くなるように設定されている。また、7R確変大当りが決定された際に、チャンス図柄が決定された場合、演出時間が長く設定された動画(動画K10を含む)の選択確率が高くなるように設定されている。本実施形態では、動画K10が特定遊技演出(特殊遊技演出)となる。
したがって、本実施形態によれば、第1の実施形態の効果(1)〜(5)に加えて、以下に示す効果を得ることができる。
(6)大当り抽選で大当りに当選するとともに短縮内容が決定された場合、大当り抽選に当選しないとともに短縮内容が決定された場合に比して、動画K10(特定遊技演出)を高確率で実行させた。これにより、大当りの図柄組み合わせが導出される前であっても、動画K10によって大当り抽選に当選する可能性の高低を示唆することができる。また、動画K10が選択されなかったとしても、演出時間が長く設定された動画が再生された際には、大当りとなることに期待を持たせやすい。
(7)7R確変大当り(特定大当り)が決定されるとともに短縮内容が決定され、且つチャンス図柄(非確定図柄)によってリーチが形成される場合、7R非確変大当り(非特定大当り)が決定されるとともに短縮内容が決定され、且つチャンス図柄によってリーチが形成される場合に比して、特定遊技演出(実施形態では、動画K10)を高確率で実行させるようにした。また、16R確変大当り(第1特定大当り)が決定されるとともに短縮内容が決定され、且つ確定図柄によってリーチが形成される場合、7R確変大当り(第2特定大当り)が決定されるとともに短縮内容が決定され、且つ確定図柄によってリーチが形成される場合に比して、特定遊技演出を高確率で実行させるようにした。これにより、大当りの図柄組み合わせが導出される前であっても、動画K10及びリーチ形成図柄によって、大当り抽選に当選していること及びそのリーチ形成図柄と同一の図柄で形成される大当り図柄に対応する大当りのうち、遊技者にとって有利度の高い大当りに当選している可能性が高いことを示唆することができる。また、動画K10が選択されなかったとしても、演出時間が長く設定された動画が再生された際には、大当りとなった場合に遊技者にとって有利度の高い大当りが決定されていることに期待を持たせ易い。
(8)リーチ図柄を構成する図柄とは異なる観点で、大当りとなる場合における大当りの種類を示唆するよう、動画再生演出を実行させた。これにより、同じ動画再生演出が実行された場合であっても、リーチ図柄を構成する図柄が何であったのかによってその意味合いが異なってくるため、遊技者に対して有利な展開となることに期待を持たせることができる。
(9)リーチ図柄が確定図柄で形成された状態時では、大当りとなる場合に、大当り遊技終了時点で獲得し得る総賞球数(実施形態では、規定ラウンド数)を確定的又は非確定的に示唆する動画再生演出を実行させる。その一方で、リーチ図柄がチャンス図柄で形成された状態時では、大当りとなる場合に、少なくとも大当り抽選の抽選確率を確定的又は非確定的に示唆する動画再生演出を実行させるようにした。これにより、同じ動画再生演出が実行された場合であっても、リーチ図柄が何であったのかによってその意味合いが異なってくる。そして、どのような図柄でリーチが形成された場合であっても、大当りとなる場合には、動画再生演出の種類によって遊技者にとって有利な展開となることに対して期待を持たせることができる。
(10)同一の大当りが決定されている場合であっても、リーチ形成図柄によって動画の選択確率を異ならせた。例えば、7R確変大当りが決定された際に、確定図柄が決定されたとする。この場合、演出時間が長く設定された動画(動画K10を含む)の選択確率が低くなるように設定されている。また、7R確変大当りが決定された際に、チャンス図柄が決定されたとする。この場合、演出時間が長く設定された動画(動画K10を含む)の選択確率が高くなるように設定されている。これにより、同じ大当りに当選している場合であっても、確定停止表示された大当りの図柄組み合わせに応じて夫々異なる演出が展開されることになり、演出の展開にバリエーションを持たせることができる。
なお、上記各実施形態は以下のように変更しても良い。
・ 各実施形態は、各変動サイクルの開始時に統括制御用CPU31aから表示制御用CPU32aに各変動サイクルの変動内容を示す副制御用の変動パターン指定コマンドを出力することで擬似変動を制御するパチンコ遊技機に採用しても良い。例えば、擬似3回用の短縮内容(短+短+短)を決定した場合、統括制御用CPU31aは、1,2回目の変動サイクルの開始時に、変動パターンP2に対応する変動パターン指定コマンドと同一の内容である副制御用の変動パターン指定コマンドをそれぞれ出力する。そして、3回目の変動サイクルの開始時に、統括制御用CPU31aは、リーチ形成までに要する時間が短縮変動において右列の変動が停止するまでに要する時間と同一時間に設定され、かつ動画再生演出の実行を指示する副制御用の変動パターン指定コマンドを出力する。これにより、最終回の変動サイクルにおいて動画再生演出を実行することが可能となる。
・ 各実施形態において動画再生演出の演出時間及び動画再生演出で使用する動画の種類を変更しても良い。例えば、実施形態では、選択可能な動画の種類として、「6秒」、「4秒」、「3秒」、「2秒」、及び「1秒」の動画を設定していたが、タイトルデモ演出を「6秒」、「3秒」、及び「1秒」毎に区切って形成した動画を設定しても良い。
・ 各実施形態において、動画再生演出として同一時間の動画を連続して再生する場合、直前に選択された動画とは異なる動画が選択されるようにしても良い。例えば、「動画K8(3秒)」を決定した場合、統括制御用CPU31aが、動画K8を除くその他の動画を選択するようにしても良い。この場合、動画K8が選択対象ではない旨を示すフラグを設定することで、動画K8を選択しないように設定しても良い。また、動画K8が選択された場合、動画再生演出の残り時間が3秒以上の場合に参照されるテーブルT3(図8(c))において、動画K8に振分値を設定しないようにしても良い。
・ 各実施形態において、今回演出時間の短い動画を選択した場合、次回は、演出時間の長い動画を強制的に選択させるようにしても良い。例えば、動画再生演出の残り時間が「6秒」であるときに動画K1(1秒)が選択された場合、次回は、動画K9(4秒)が選択されるようにしても良い。この場合、動画K9を選択させる旨を示すフラグを設定することで、動画K9を一義的に選択させても良い。また、今回選択された動画と残り時間に応じて、演出時間の長い動画のみ選択されるように振分値を設定したテーブルを設定しても良い。
・ 各実施形態における動画再生演出の実行時期は、リーチ演出の演出内容が複数段階に発展する発展リーチ演出が実行される場合、最終回の変動サイクルでリーチが形成されてからリーチ演出が次の段階に発展する前までの間であっても良い。
・ 第1の実施形態において、大当りに当選している場合、演出時間が短く設定された動画の選択確率を高めても良い。
・ 第2の実施形態において、遊技者にとって有利な特典を付与する大当りに当選している場合、演出時間が短く設定された動画の選択確率を高めても良い。
・ 第2の実施形態における特定遊技演出として、演出時間は同一であるが、演出内容が異なるものを設定しても良い。この場合、特定遊技演出のうちある演出内容が定められた遊技演出の方が、遊技者にとって有利な特典を付与する大当りに当選している場合に選択される確率を高く設定することになる。
・ 第2の実施形態における特殊遊技演出として、演出内容は同一であるが(例えば、キャラクタ)、演出時間が異なるものを設定しても良い。この場合、特殊遊技演出のうちある演出時間が定められた遊技演出の方が、遊技者にとって有利な特典を付与する大当りに当選している場合に選択される確率を高く設定することになる。
・ 各実施形態における大当りの種類を変更しても良い。例えば、7R非確変大当りと16R非確変大当りを設定しても良い。このような場合、チャンス図柄が確定停止表示されたときに、遊技演出の種類によって確変状態が付与されるか否かに加えて、規定ラウンド数をも示唆することができる。
・ 各実施形態において、16R確変大当りに当選した場合であっても、チャンス図柄が決定されるようにしても良い。このような場合、チャンス図柄が確定停止表示されたとしても、遊技者にとって最も有利な16R確変大当りに当選していることに対して期待を持たせることができる。また、16R確変大当りに当選した場合にチャンス図柄で構成された大当りの図柄組み合わせを導出させる場合、大当り中ラウンド昇格演出を実行させるようにしても良い。大当り中ラウンド昇格演出では、16R確変大当りに当選している場合には、1ラウンド目〜6ラウンド目のうち何れかのラウンドで、特定演出によって16Rに昇格する旨が報知される。
・ 各実施形態において、再抽選演出を実行させるようにしても良い。なお、再抽選演出とは、図柄変動ゲーム中に仮の大当り図柄(飾り図柄による図柄組み合わせ)を一旦停止表示させた後、最終的に確定停止表示される大当り図柄(飾り図柄による図柄組み合わせ)を導出する演出態様で行われる。したがって、再抽選演出を実行する場合には、仮の大当り図柄を構成する図柄に基づいて動画が選択されることになる。
・ 各実施形態における動画再生演出では、タイトルデモ演出を「6秒」毎に区切ることにより、動画再生演出が1回の動画再生で終了しても良い。
・ 各実施形態における遊技演出として、タイトルデモ演出として実行される動画を流用するのではなく、新たに専用の演出(例えば、キャラクタ紹介画像など)を設定しても良い。
・ 各実施形態における擬似変動は、各変動サイクルにおいて図柄の変動が開始したことを1回の変動サイクルとして計数するようにしても良い。すなわち、1回の変動サイクルにおいて図柄が一旦停止しない場合であっても、次の変動開始時には、次の変動サイクルが開始されたとみなしても良い。このような態様としては、1回の変動サイクルにおける図柄の変動中に画像表示部GHの表示画面が暗転し、暗転後には図柄の変動が開始されることで新たな変動サイクルが開始されるような態様などが含まれる。
・ 各実施形態において、擬似変動を構成する変動パターンに定められた変動サイクルの組み合わせを変更しても良い。例えば、変動パターンP7に対して、「短+通+通」、「通+通+通」などを対応付けても良い。この場合、動画再生演出の演出時間が変動内容に短縮変動を幾つ含むかによって異なる。具体的に説明すると、「短+通+通」を設定した場合、その変動時間が「40秒(6+12+22)」となるため、擬似3回変動用の変動パターンP7,P8に定められる変動時間も「40秒」となる。この場合、擬似3回用の短縮内容(短+短+短)の演出時間は28秒(6+6+16)であるため、擬似3回用の短縮内容が選択された場合における動画再生演出の演出時間は、「12秒(40−28)」となる。一方、擬似3回用の第1通常内容(短+短+通)の演出時間は34秒(6+6+22)であるため、擬似3回用の通常内容が選択された場合における動画再生演出の演出時間は、「6秒(40−34)」となる。これにより、動画再生演出の演出時間が選択された演出内容が短縮内容であるか通常内容であるかによって、1つの変動パターンに定められた総変動時間に占める動画再生演出の演出時間の割合が変化することになる。同様に、「通+通+通」を設定した場合、その変動時間が「46秒(12+12+22)」となるため、擬似3回変動用の変動パターンP7,P8に定められる変動時間も「46秒」となる。この場合、擬似3回用の短縮内容(短+短+短)の演出時間は28秒であるため、擬似3回用の短縮内容が選択された場合における動画再生演出の演出時間は、「18秒(46−28)」となる。一方、擬似3回用の第1通常内容(短+短+通)の演出時間は34秒であるため、擬似3回用の通常内容が選択された場合における動画再生演出の演出時間は、「12秒(46−34)」となる。このような場合も、動画再生演出の演出時間が選択された演出内容が短縮内容であるか通常内容であるかによって、1つの変動パターンに定められた総変動時間に占める動画再生演出の演出時間の割合が変化する。
・ 各実施形態における動画再生演出は、大当りの図柄組み合わせが確定停止表示された後に実行させても良い。
・ 各実施形態における動画再生演出は、確定図柄が確定停止表示された場合のみ、実行させるようにしても良い。
・ 各実施形態における動画再生演出は、チャンス図柄が確定停止表示された場合のみ、実行させるようにしても良い。
・ 各実施形態において、サブ統括制御基板31と演出表示制御基板32を1つの制御基板としても良い。この場合、サブ統括制御基板31が実行していた擬似パターン指定コマンドを演出表示制御基板32に出力する制御が省略されることになる。また、サブ統括制御基板31と演出表示制御基板32を兼用する制御基板が、最終回の変動サイクルで確定停止表示させる図柄組み合わせ、及び最終回よりも前の変動サイクルで一旦停止表示させる図柄組み合わせを決定することになる。
・ 各実施形態は、1つの特別図柄を用いるパチンコ遊技機に具体化したが、第1の特別図柄と第2の特別図柄からなる2つの特別図柄を用いるパチンコ遊技機に具体化しても良い。
・ 各実施形態において、特別図柄と飾り図柄を用いるパチンコ遊技機に具体化したが、特別図柄のみを用いるパチンコ遊技機に具体化しても良い。
次に、上記実施形態及び別例から把握できる技術的思想を以下に追記する。
(イ)前記遊技演出の時間は、前記変動パターンに定められた総変動時間から前記最終回の変動サイクルでリーチが形成されるまでの時間及びリーチ演出の演出時間を加算した値を減算した差分であることを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
(ロ)前記リーチ演出の演出内容が複数段階に発展する発展リーチ演出が実行される場合、前記実行制御手段は、前記最終回の変動サイクルでリーチが形成されてからリーチ演出が次の段階に発展する前までに前記遊技演出を実行させることを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
(ハ)演出決定手段は、複数種類の遊技演出の中から1の遊技演出を決定した後、決定した該遊技演出に定められている演出時間を前記変動パターンに定められた総変動時間に占める前記遊技演出の残り時間から減算した時間内で終了する遊技演出を新たに決定し、残り時間が零となるまで前記遊技演出を選択することを特徴とする請求項1〜請求項5のうちいずれか一項に記載の遊技機。