JP5399573B2 - セメント系深層混合処理用添加剤及びこの添加剤を用いたセメント系深層混合処理改良体の造成方法 - Google Patents
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Description
αW/Cが大きいと強度は低く、αW/C
が小さいと強度は高くなり、同一の土でのその関係は、一種の減衰曲線を描く。セメント系深層混合処理工法では、一般的に自然含水比の低い土は強度が高くなり、自然含水比の高い土は強度が低くなる所以である。
一方、セメント系深層混合処理工法の実施工において、土粒子が細かく粘性が非常に強い地盤等の攪拌混合しにくい土などの場合には、セメントスラリーを注入し攪拌混合しても混合物が攪拌羽根において団子状になり、充分に混ざらないケースがある。その場合には水セメント比を極端に大きくし、例えばW/C=150%にした工事事例もあった。その場合にはセメントスラリーが材料分離を起こす問題があり、目標とする強度を得るためにセメント添加量を大幅に多くした施工を余儀なくされ、セメントスラリーが土中に充分に入りきらず、上方に溢れ出すなどの施工上の支障をきたしてきた。
水セメント比を小さくしセメントスラリーの注入量を少なくした方が高強度の変動係数の小さい良質な固化体が得られる。また、注入量は少ない方が側方への応力を少なくすることができ、周辺への影響を減少することができる。
また、長時間にわたって流動性が維持され、また硬化後の強度の高いソイルセメントの造成のために、カルボン酸またはその1価塩を主要構成単量体単位とする低分子量重合体およびアルカリ金属炭酸塩を併用するものが提案されている(特許文献2)。
本発明が解決しようとする第1の課題は、セメントスラリーの流動性を高め、かつ、改良体を強固に固化する方法を提供することである。
すなわち、セメント系改良材と水に加えてアルカリ金属炭酸塩、無機塩化物及び高分子系分散剤を主体とした材料からなる添加剤を付加混合し、地盤に注入しつつ攪拌混合して強固なセメント系深層混合処理改良体を構築し、構造物の耐久性を向上させることを特徴とする高品質のセメント系深層混合処理用添加剤及びこの添加剤を用いたセメント系深層混合処理改良体の造成方法を提供することを目的とする。
セメント系改良材は凝集性が高く水の中でかなり激しく攪拌しても個々の粒子は完全にばらばらにならず、数個から数十個の粒子が集合した凝集体を形成する。分散剤は添加すると水の中で解離して負の電荷を帯びた分子となり、これがセメント粒子に吸着して凝集体中の個々のセメント粒子を互いに反発させることによって凝集体を破壊し、フロックの生成を抑制させるような働きがある。
減水剤、AE減水剤は、ポリオール複合体、リグニンスルホン酸塩などを主成分とするものが多く、ほとんどが陰イオン系界面活性剤に属する。
高性能減水剤の基剤として最も有名なのは、ナフタレンスルホン酸塩、メラミンスルホン酸塩及びポリカルボン酸塩で、いずれもセメントの水和反応を阻害せず、起泡作用もないので多量に使用してもセメントの凝結は遅延せず、空気量もほとんど増加しない。
従って、高性能減水剤に相当する高分子系分散剤の使用によるセメント系深層混合処理工法の高強度化、セメントスラリーの高流動化は、セメントスラリー中のセメント粒子を空隙の多い凝集状態から均一な分散状態にすることにより、強度のみならず耐久性、水密性など諸特性の優れたセメント系深層混合処理改良体が得られることが予測できた。
前記高分子系分散剤は、ナフタレンスルホン酸塩、メラミンスルホン酸塩、ポリカルボン酸塩のいずれも使用可能であるが、アルカリ金属炭酸塩及び無機塩化物と混合して粉体状の混合物を得る上では粉末状のナフタレンスルホン酸塩又はメラミンスルホン酸塩が特に好ましい。
高分子系分散剤は、基本要因として、分散質への吸着(親和性)、分散媒への親和性そして分散時の斥力付与と相反する性能を分子中に有する必要がある。それらを司る官能基の分子内における分布も分散性に大きな影響を及ぼす。高分子系分散剤は、ある分子量では分散性が良好であるが、その分子量からずれると分散性能が悪化する傾向が見られ、分散効果を示す最適な分子量領域を有する。その分子量領域を越えて大きくなりすぎると粒子間架橋を引き起こし、分散剤としてよりもむしろ凝集剤的な効果を示す。また一方で最適な分子量領域よりも小さいと吸着速度は速くても分散剤としての効果は小さくなる。高分子系分散剤は低分子量の集合体であることを念頭におき悪影響を及ぼす領域を出来るだけなくすことが重要である。
一方、高性能減水剤に使用されている基剤は、その殆どが工業的に作られる合成高分子化合物である。代表的な高分子系分散剤は、ナフタレンスルホン酸塩、メラミンスルホン酸塩及びポリカルボン酸塩であり、その重量平均分子量は通常3,000〜30,000程度である。これら高分子系分散剤は、カルボキシル基やスルホン基といった官能基の総数が多くなるので、セメント粒子に大きな電荷を与えることが出来るが、種々実験の結果、添加剤としては、重量平均分子量が10,000〜25,000のものが特に好ましい。
(2)また、本発明の添加剤を添加したときの一軸圧縮強度は、添加剤無しに比べて大幅に高くなっている。また、添加剤に無機塩化物を加えたものは、アルカリ金属炭酸塩と高分子系分散剤だけの組合せよりもさらに強度発現性に優れていることが確認できた。
(3)さらに、本発明によるセメント系深層混合処理用添加剤は、少ない添加量で最大の効果を得ることができる。
(4)セメント系改良材と水に、本発明の添加剤を混合して得られる流動性の高いセメントスラリーを地盤に注入し、攪拌混合して従来にないような強固な改良体を構築することができる。
また、いずれの工法の場合においても、水平攪拌方法、垂直攪拌方法、斜め攪拌方法があり、攪拌軸は単軸から8軸までの複数軸で、攪拌方式には機械攪拌式と高圧噴射式、また、両者の併用方式がある。
セメント系深層混合処理工法は、対象とする土を用いた室内配合試験において、最適なセメントの種類、セメント添加量、W/Cを決定する。土質はシルト、シルト質粘土、粘土、砂質土、有機質土、腐食土等様々な土質に適応して用いることができ、本発明の添加剤はいずれの土質にも効果を発揮することができ、適応範囲も広い。
すなわち、塩化物は、セメント中の酸化カルシウムあるいは水酸化カルシウムと反応して塩化カルシウムを形成する。塩化カルシウムがそのまま溶出するとセメントが多孔質化し、また各種の鉱物組織(例えばエトリンガイトなど)と反応すると膨張現象を引き起こしセメントの崩壊をもたらすとされている。
しかし一方では、塩化カルシウムは、セメントの「凝結促進剤」としての働きも期待できる。これはカルシウムイオンの減少を補い水和反応を促進する働きと考えられる。
セメント硬化体中へのイオンの拡散による塩化物の破壊効果の大きさはマグネシウム塩>カルシウム塩>ナトリウム塩>カリウム塩の順といわれており、ナトリウム塩やカリウム塩を選べば、塩化物の弊害を最小限に抑え凝結を進めることが可能である。
本発明の添加剤組成物においては、塩化物(塩化ナトリウム、塩化カリウム)に良好な凝結促進効果が確認され、必須成分と位置づけられる。
さらに詳しくは、セメント系改良材に加水すると水和反応が始まりセメント系改良材粒子の表面には正の電荷が発生し、不安定な状態になる。このためセメント系改良材粒子は、お互いに凝集し合ってフロックを形成することで少しでも安定な状態を作ろうとする。しかし、高分子系分散剤を添加すると、セメント系改良材粒子の表面に強い負電荷を帯び高分子系分散剤が吸着する結果、セメント系改良材粒子間に強い斥力が働いて大きな分散状態が得られる。
陸上部におけるセメント系深層混合処理工事では、添加剤を使用するとW/C=60%の施工でも、W/C=100%の施工と同様の流動性が確保され、改良体の強度増加が図られ、セメント系改良材使用量の削減と注入したセメントスラリー量が少ないために排泥量を抑えることが可能になり、経済性の向上並びに環境負荷低減への貢献など付加価値が生じる。
また、最近の海上工事における深層混合処理工法では、特に盛り上がり土を少なくしてほしいとの要望が多々あり、従来のW/C=60%の施工の見直しも見込まれ、排泥量を少なくし、処分費が高額である事後浚渫費及び土砂処分費用を削減できるなど、添加剤の効果的な活用が期待される。
一方、止水壁とか耐震構造物の基礎に深層混合処理工法を用いる場合は、要求される改良体の設計強度が非常に高く、W/Cを小さくすることにより強度を高くする必要に迫られる。その場合、添加剤を使用することによりW/C=50%程度までの施工も考慮する必要があるが、添加剤を使用したW/C=60%のセメントスラリーの性状から判断して条件が整えば施工可能である。
また、土と混合したときの混合直後のまだ固まらない改良土のせん断強さが小さいために地盤との混合攪拌性能が非常に良い。すなわち、深層混合処理工法の実施工では地盤に注入した直後のセメントスラリーと土との混合攪拌度合いが改良体の強度に大きく影響するが、その混合攪拌性能が飛躍的に向上する。
従来より、深層混合処理改良体の良好な品質を確保するために、混合処理機の1分間当たりの貫入・引き抜き速度、攪拌羽根の段数、及び回転数などは、ある一定の基準値を満たす施工を行ってきたが、添加剤を使用することにより基準値を下げても同様の改良体の品質が確保され、施工効率の大幅なアップが見込まれ、施工コストを下げることが出来るなど経済的な施工が行える。
以上のような配合としたことにより本発明の目的を実現した。
・炭酸ナトリウム 19重量%
・塩化ナトリウム 28重量%
・塩化カリウム 24重量%
・ナフタレンスルホン酸塩系の高分子系分散剤 29重量%
・炭酸ナトリウム 31重量%
・炭酸カリウム 40重量%
・ナフタレンスルホン酸塩系の高分子系分散剤 29重量%
・炭酸ナトリウム 19重量%
・塩化ナトリウム 28重量%
・塩化カリウム 24重量%
・メラミンスルホン酸塩系の高分子系分散剤 29重量%
・炭酸ナトリウム 31重量%
・炭酸カリウム 40重量%
・メラミンスルホン酸塩系の高分子系分散剤 29重量%
・炭酸ナトリウム 19重量%
・塩化ナトリウム 28重量%
・塩化カリウム 24重量%
・ポリカルボン酸塩系の高分子系分散剤 29重量%
・炭酸ナトリウム 31重量%
・炭酸カリウム 40重量%
・ポリカルボン酸塩系の高分子系分散剤 29重量%
これに対し、W/C=60%に比較例の添加剤1−1を1.0%添加すると、スラリー粘度が急激に上昇することはなく、点線の特性線のように長時間スラリーの流動性を保つことが出来る。同様に、W/C=60%に比較例の添加剤1−2を1.0%添加すると、スラリー粘度が急激に上昇することはなく、特性線のように長時間スラリーの流動性を保つことが出来る。
ここで、本発明の添加剤1−1は、アルカリ金属炭酸塩とナフタレンスルホン酸塩系の高分子系分散剤に無機塩化物を加えたもので、これらの合計をセメント系改良材に対して重量比で1.0%及び0.7%加えたものである。W/C=60%に本発明の添加剤1−1を加えることで、施工が困難であった60%のセメントスラリーでの施工に全く問題がない結果が得られた。また、これらの特性線に見るように、無機塩化物がセメントスラリーの粘度及び流動性保持効果に悪影響を与えないことも確認出来た。
比較例の添加剤1−2は、アルカリ金属炭酸塩とナフタレンスルホン酸塩系の高分子系分散剤だけからなるもので、これらの合計をセメント系改良材に対して重量比で1.0%及び0.7%加えたものである。
ここで、本発明の添加剤2−1は、アルカリ金属炭酸塩とメラミンスルホン酸塩系の高分子系分散剤に無機塩化物を加えたもので、これらの合計をセメントに対して重量比で1.0%及び0.7%加えたものである。
また、本発明の添加剤3−1は、アルカリ金属炭酸塩とポリカルボン酸塩系の高分子系分散剤に無機塩化物を加えたもので、これらの合計をセメントに対して重量比で1.0%及び0.7%加えたものである。
これらの結果から、無機塩化物はナフタレンスルホン酸塩系の高分子系分散剤だけでなく、メラミンスルホン酸塩系の高分子系分散剤、ポリカルボン酸塩系の高分子系分散剤と組み合わせても全く問題がないことが確認出来た。
図3から明らかなように、本発明の添加剤を添加したときの一軸圧縮強度は、添加剤無しに比べて大幅に高くなっている。また、添加剤に無機塩化物を加えたものは、アルカリ金属炭酸塩と高分子系分散剤だけの組合せよりもさらに強度発現性に優れていることがわかる。
図6から明らかなように、本発明の添加剤を添加したときの一軸圧縮強度は、添加剤無しに比べて大幅に高くなっている。また、添加剤に無機塩化物を加えたものは、アルカリ金属炭酸塩と高分子系分散剤だけの組合せよりもさらに強度発現性に優れていることがわかる。
また、塩化物を含有しない比較例の添加剤を添加した場合と比較して、本発明による塩化物を含有する添加剤を添加した場合の方がすべての場合において一軸圧縮強度は高くなっていることが確認できた。
また、水セメント比を小さくすればするほど強度は高くなっており、本発明の添加剤を使用して、W/C=60%での施工を行うことにより、添加剤無しに比べて高品質なセメント系深層混合処理改良体が得られることが確認された。
一方、アルカリ金属炭酸塩及び無機塩化物の必要量としては、本発明の添加剤のセメント系改良材重量に対する添加率を1%とした種々の要素実験結果から、セメントスラリーの粘稠度と、土と混合したときの流動性及び強度を基に、性能に問題のない範囲を設定し、0.2%から0.6%が適切であることがわかった。
以上より、添加剤の高分子系分散剤の配合割合を20〜65重量%に設定した。
この添加剤の最良の配合の一例は、添加剤を1としたときは次の通りである。
・炭酸ナトリウム及び/又は炭酸カリウム 10〜40重量%
・塩化ナトリウム及び/又は塩化カリウム 1〜60重量%
・高分子系分散剤 20〜65重量%
塩化ナトリウム及び塩化カリウムは、炭酸塩と共にセメント水和の促進を図る目的で添加される成分である。
添加剤における炭酸塩の含有率を10〜40重量%の範囲としたのは、炭酸塩の含有率が10重量%未満では、供給される塩素イオン、ナトリウムイオン、カリウムイオンの添加効果が改良体において発揮されず、炭酸塩が40重量%を超え、塩化物が60重量%を超えると、各イオンが過剰となり、改良体への添加効果が頭打ちとなるからである。
塩化物に関しては、海上工事の場合には、陸上施工とは別配合が必要になる。陸上部におけるセメント系深層混合処理工法の施工には真水を使用するが、海上部の施工では海水を使用する。海水中には塩分が3.2%から3.7%(平均3.5%)含まれており、その組成は一般的に塩化ナトリウム78%、塩化マグネシウム10%、硫酸マグネシウム6%、硫酸カルシウム4%、塩化カリウム2%程度といわれている。添加剤に含まれる塩化物に海水中のそれを加えると塩分が過剰になり、海水に溶解しきれない沈降物が発生する。従って、海水を使用する場合には、添加剤中の塩化物の含有率を大幅に減らすか、下限値を0又は1重量%とするようにしてもよい。
セメント硬化体中へのイオンの拡散による塩化物の破壊効果の大きさはマグネシウム塩>カルシウム塩>ナトリウム塩>カリウム塩の順といわれており、ナトリウム塩やカリウム塩を選べば、安価で、塩化物の弊害を最小限に抑え凝結を進めることが可能である。
本特許の添加剤組成物においては、塩化物(塩化ナトリウム、塩化カリウム)に良好な凝結促進効果が確認され、必須成分と位置づけられる。
添加剤は粉体状であり、色調は淡茶褐色を呈し、溶解した場合のpHは10.0〜11.0で、密度は1.15〜1.20g/cm3である。
添加剤の添加率は、実験結果により、3.0%以上の添加率の場合、添加剤が水に充分溶解せず、フロック状の沈殿物が生じる。従って、添加率の上限は3.0%とし、好ましくは2.0%と設定した。また、添加率の下限値は、高分子系分散剤の標準添加率を大きく下回らないことが条件であることから0.5%とした。本発明の添加剤は、セメント系深層混合処理のセメント系改良材1重量部に対して0.5〜3.0重量%の割合で添加することを特徴とする。
本発明によるセメント系深層混合処理改良体は、その強度を高くするには、次のような構成からなる。
セメント系改良材は、その水和反応によりさまざまな水和物を生成する。水和反応はセメント系改良材と水とが反応して不溶性のセメント水和物を作り凝結固化する。セメント系改良材の水和反応は複雑で、長い年月にわたって変化し、セメント系改良材のクリンカ鉱物であるエーライト、ビーライト、アルミネート相、フェライト相が水と反応し水和物を形成、水和反応が進むとエトリンガイトやモノサルフェートといった水和物も形成される。本発明の添加剤を混合することにより、改良体が石灰含有量を増大し、アルカリ性の組成となること、さらには急速な水和反応によって水和阻止効果の及ぶ前に固化を達成することで、アルミン酸石灰水和物の水和反応を促進しエトリンガイトの生成をより多くするもので、これら塩基は改良体の強度を高くするものである。
すなわち、地盤にセメント系改良材を注入しつつ撹拌翼で撹拌して、改良体を構築する混合処理工法としての設備は大きさには違いはあるがどの工法においても同じ形式である。添加剤を使用することは、これらのいずれの工法においても施工性が損なわれることはない。計量された粉体状の添加剤は、直接スラリープラント設備に投入し攪拌しセメントスラリー液としても良いし、粉体状の添加剤をあらかじめ25%水溶液(4倍希釈液)としてストックし、液体状にしてスラリープラント設備に投入することもできる。
添加剤の粒子径は、1,000マイクロメートルより大きいと溶解に時間がかかり、また10マイクロメートルより小さいと飛散しやすくなり、取り扱いが難しくなる。添加剤は、アルカリ金属炭酸塩と無機塩化物及び高分子系分散剤から構成されるが、このうちアルカリ金属炭酸塩は、炭酸ナトリウム、炭酸カリウムを少なくとも1種以上含む材料からなり、無機塩化物は塩化ナトリウム、塩化カリウムを少なくとも1種以上含む材料からなり、高分子系分散剤を含むこれらの原料成分がすべて粉体であり、粉体状の粒子径が数マイクロメートル〜1,000マイクロメートルであることを特徴とする。
改良体が目標とする強度を得るためには、一般的に、粘性土の場合にはセメント添加量は比較的少なく平均的に80〜120kg/m3であり、砂質土の場合には150〜200kg/m3、有機質土の場合には200〜300kg/m3程度である。また、住宅地盤に用いられる柱状コラム工法の場合などは安全側に見てセメント添加量は250〜300kg/m3を使用している場合が多い。
この添加剤のセメント系改良材への添加量は、添加効果を加味して適宜決められる。例えば、改良対象土が自然含水比の多い性状を示す土の場合は、セメント系改良材に対する添加剤の添加割合を少なく、自然含水比の少ない性状を示す土の場合は、セメント系改良材に対する添加剤の添加割合を多くする。
Claims (4)
- セメント系改良材と水を地盤に注入攪拌混合するセメント系深層混合処理に付加混合される添加剤が、アルカリ金属炭酸塩、無機塩化物及び高分子系分散剤を必須成分とし、前記添加剤の全重量を1としたとき、アルカリ金属炭酸塩として炭酸ナトリウム及び/又は炭酸カリウムを10〜40重量%、無機塩化物として塩化ナトリウム及び/又は塩化カリウムを1〜60重量%、さらに高分子系分散剤としてナフタレンスルホン酸塩、メラミンスルホン酸塩又はポリカルボン酸塩を20〜65重量%を含む混合物からなることを特徴とするセメント系深層混合処理用添加剤。
- ・炭酸ナトリウム 19重量%
・塩化ナトリウム 28重量%
・塩化カリウム 24重量%
・ナフタレンスルホン酸塩系、メラミンスルホン酸塩系、ポリカルボン酸塩系の中から選ばれる1つ以上の高分子系分散剤 29重量%
を含む混合物からなることを特徴とする請求項1記載のセメント系深層混合処理用添加剤。 - セメント系改良材と水に、請求項1又は2のいずれかに記載の添加剤を混合して得られる流動性の高いセメントスラリーを地盤に注入し、攪拌混合して強固な改良体を構築することを特徴とするセメント系深層混合処理改良体の造成方法。
- セメント系改良材1重量部に対して、請求項1又は2のいずれかに記載の添加剤を0.5〜3.0重量%の割合で添加することを特徴とする請求項3に記載のセメント系深層混合処理改良体の造成方法。
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