以下、実施形態の詳細を、図面を使って説明する。実施形態の原理について基本的な事を詳細に説明する。
最初に、金属の微細構造体(ナノ構造体)によるプラズモン共鳴による増強電場効果について記述する。図1は、光が照射される微細構造体を示す図である。金属の微細構造体100に光を照射した場合、その微細構造体100の寸法が入射光の波長もしくはそれよりも小さい構造であると、表面プラズモンの励起が起こることが知られている。光が微細構造体100へ照射されると、微細構造体100の自由電子が光の進行方向に対して垂直に振動する。その際に微細構造体100端部では自由電子の振動により図1(a)のように電子が密な部分と電子が疎な部分が生じる。その結果、図1(b)のように、微細構造体100の端部近傍に光の進行方向と平行に振動する局在電場が発生する。このとき生じる局在電場は入射光により発生する電場の数百倍にも及び、この増強電場は、光電変換素子の電子・正孔対の生成を促進させると考えられる。
次に、金属の微細構造体100による強い局在電場の様子を図2に示す。微細構造体としては、メッシュ状の構造(多孔質薄膜)や、微小体などが考えられるが、ここでは一例としてAlメッシュについて述べる。図2(a)に示すような、Si/Al(30nm)/空気の構造、すなわち1対のSi層10の間にAlで形成したメッシュ101を設け、Si層10に挟まれたAlメッシュ101の隙間をSiが満たす構成を仮定した。Alメッシュ101の開口径rを100nm、ピッチlを200nmに固定した。このような構造について、Finite Diffrence Time Domain(FDTD)法によるシミュレーションを行った結果を図2(b)に示す。図2(b)は、上記構造に入射光L(λ=1000nm、進行方向)を与えた時の電場強度を示したものである。シミュレーションの結果から、電場がAlメッシュ101の端部近傍で増強され、局在電場が発生していることがわかる。
微細構造体がメッシュ状の場合について説明したが、例えば粒子状の金属を複数配置した場合にも、同様に、粒子状の金属の端部近傍で電場が増強され、局所電場が発生する。
例えばメッシュ状の微細構造体を用いた場合には、1つあたりの面積の平均が80nm2以上0.8μm2以下の開口を複数有する形状とすることにより局所電場が発生することが明らかになっている。メッシュ状の微細構造体は、厚さが2nm以上200nm以下であり、径の平均が10nm以上1μm以下である複数の開口を有し、隣り合う2つの開口の間に存在する金属部位の幅の平均値が10nm以上1μm以下であることがより好ましい。
微細構造体として微小体を用いる場合には、体積平均が4nm3以上0.52μm3以下の形状とすることにより、局所電場が発生することが明らかになっている。微小体は、複数配置することとする。隣り合う前記微小体の間隔の平均は、微小体の体積が4×10−3μm3未満である場合には0.62×(1つの微小体の体積)1/3の値以上、微小体の体積が4×10−3μm3以上である場合には100nm以上1μm以下であることがより好ましい。
次に、微細構造体の直下に、屈折率の低い材料もしくは空気をストライプ状もしくは柱状、または層状に形成した構造により、増強電場のピーク波長のシフトの様子を調べるため、FDTD法によるシミュレーションを行った。
最初に、図3(a)に示すような、Si層10の上に複数の柱状のSiO2構造体201を形成し、SiO2構造体201の上にメッシュ状のAg(厚さ30nm)101を形成した構造を仮定した。図3(a)はその構造の断面図を示す。SiO2構造体201の間には空気202が充填されていることとした。SiO2構造体201とその間の空気202を有する層を、波長変換層200と呼ぶ。そのAg101の開口径を100nm、ピッチを200nmに固定して、SiO2構造体201の深さ、すなわち柱状のSiO2構造体201の高さを10nmから50nmの範囲で変化させた。柱状のSiO2構造体201の、高さ方向に垂直な断面における最大径は10nmとした。
Ag101側から光を入射し、その時のSi層10とAg101の間に生じた電場強度の波長依存性を調べた。その結果を図3(b)に示す。横軸は波長を表し、縦軸はSi層による吸収スペクトルを表す。SiO2構造体201が存在しない場合、すなわちSiO2構造体201の厚さが0nmでは1100nmを超えたところに電場増強のピークが発生する。電場増強のピーク位置はAg101、すなわち微細構造体の物性と周りの誘電体の屈折率によって決まることが分かっており、基本的に微細構造体の周りの誘電体が高いほど長波長側にピークが発生する。そのため、波長変換層がない場合には、Si10の屈折率は4前後と大きいことから長波長に電場増強のピークが発生することとなる。SiO2構造体201は屈折率が1.45であり、空気202の屈折率が1であることから、SiO2構造体201の厚さが大きくなるほど短波長側へ電場増強のピークがシフトしていくことが図3(b)からわかる。結果、10nm、20nmとSiO2構造体201の厚さが大きくなると電場増強のピークがシフトして1000nm付近になった。SiO2構造体の厚さが30nm以上ではそれほどシフトは起こらなくて飽和傾向になった。このことから表面から20nm程度までの実効誘電率が効いていることがわかり20nm以上では波長変換層の実効誘電率が一定となることから電場増強のピークが飽和することとなる。
波長変換層に柱状の構造体を低屈折率の材料でも受ける場合について説明したが、例えば、ドット状の構造体、すなわち粒子状の構造体を設けることも可能である。あるいは、積層方向から垂直な方向から見てストライプ状になる構造体を設けることも可能である。
この結果から、SiO2構造体の平均厚みは10nmもあれば電場増強のピークをシフトさせることが可能であり、多くとも100nmもあれば十分にピークが飽和する。また、SiO2構造体の大きさ(厚み方向に垂直な断面における最大径)は、上記のシミュレーションにおいては10nmと非常に小さいため、空気とSiO2の平均化された屈折率が実効誘電率の構造とみなされる。微細構造体の平均大きさに関しては光の散乱が起きないように100nm以下のサイズが適当である。
次に、図4(a)に示すような、Si/Ag(30nm)/空気の構造で、Si層10とメッシュ状のAg101の間にはSiO2の薄膜210を形成した。SiO2の薄膜210を波長変換層200と呼ぶ。そのAg101の開口径を100nm、ピッチを200nmに固定して、SiO2薄膜210の厚さを1から10nmの範囲で変化させた。メッシュ状のAg側から光を入射し、その時のSiとAgの界面に生じた電場強度の波長依存性を調べた。その結果を図4(b)に示す。SiO2薄膜210が存在しない場合、すなわちSiO2薄膜210の厚さが0nmでは、上記と同様に1100nmを超えたところに電場増強のピークが発生する。SiO2薄膜210の厚さが大きくなるほど短波長側へ電場増強のピークがシフトしていくことが図4(b)からわかる。SiO2薄膜210に1nm膜厚があると電場増強のピークシフトが100nmあることがわかり、ほんの極薄膜でも大きなピークシフトを起こせることが分かった。また、図4(b)の結果ではSi層がない場合(SiO2Only)のシミュレーションの結果も示しており、この場合ピーク波長は500nmになる。つまり、SiO2薄膜を十分大きくすると500nmまでシフトさせることが可能となる。しかしながら、Siに電場増強が発生しないと光電変換されないため、このシミュレーションの結果から判断するとSiO2は10nm以下とする。
このように、局所電場が生じる微細構造体の端部から少なくとも5nmの範囲内に半導体層よりも低屈折率の材料が設けられていると、電場増強のピークを短波長側へシフトさせることができる。なお、ここでいう端部とは、半導体層と微細構造体の積層方向に垂直な断面における外縁を意味する。SiとAgの界面に生じる局在電場はAgの端部で発生し、端部から数十nm以内に分布している。そのため、屈折率が低い誘電体が微細構造体から離れすぎていると誘電体に局在電場が及ばなくなり、効果がなくなってしまう。そのため、十分に微細構造体による電場増強のピークをシフトさせるには誘電体は微細構造体から5nm以内の位置に存在した方がよい。
次に、微細構造体および波長変換層200の屈折率と電場増強のピーク波長の関係について説明する。上記に示してあるように、電場増強のピーク位置を短波長側へシフトさせるには微細構造体および波長変換層の屈折率を低くすれよいこととなる。波長変換層が複数の柱状の構造体を有する場合(図3)には、柱状の構造体の間隔を満たすのが空気(屈折率は1.0)であれば、シフト幅を大きくすることができる。実際に半導体層の屈折率は低いものでも2.5はあるため、柱状の構造体の屈折率は2.0以下であれば十分に電場増強のピークを短波長側へシフトさせることが可能となる。また、屈折率の低い誘電体の屈折率は1.3である。屈折率の低い材料を柱状の構造体の間に満たしても良い。例えば、柱状の誘電体、あるいは柱状の誘電体の間に満たす部分の材料としては、SiO2、SiN、SiON、SiO:F、a−CF、SiO:CH3、Al2O3、MgO、Y2O3、HfO2等があげられる。
上記の光電変換素子の作製方法について述べる。光電変換素子の一例として太陽電池を例にして説明する。
1つ目は、図3(a)に示すような、AgメッシュとSiO2の微細な構造体を有する太陽電池の作製方法に関して述べる。SiO2の微細な構造体をブロックポリマーの相分離パターンを利用して形成する方法に関して述べる。
まず、n−Si層12の表面にn+Si層11を形成する。次いでn−Si層12の裏面にAl電極を形成する。n+Si層11上へ有機SOG組成物(OCD−T7 5500−T(商品名)、東京応化工業株式会社製)の薄膜500を形成する。
次いで、ポリスチレンPS(Mw58000)401:ポリメタクリル酸メチル樹脂PMMA(Mw:130000)402のブロックポリマーに、PMMA(Mw:1500)404を重量比6:4で混合したブロックポリマー溶液を塗布、気化し薄膜を形成する。
次いで、窒素雰囲気中でアニールを行い、PS401とPMMA402の相分離を行い、ドットパターンを形成する(図5(a))。
その後、酸素RIEすることにより、相分離したPS−PMMAのうちPMMA402を選択的にエッチングしPSドットパターン401を形成する(図5(b))。
次いで、PSドットパターン401をマスクとして、フッ素系のガスによるRIEでSOGドットパターン501を形成した(図5(c))。
次いで、そのSOGドットパターン501をマスクとして、塩素ガスRIEにより、n+Si層中へピラーパターン111を形成する(図5(d))。
次いで、ピラーパターン111が形成されたn+Si層上へALD(Atomic Layer Deposition)法によりSiO2膜203を形成し、Siピラーパターン121をSiO2で埋め込んだ(図5(e))。
次いで、埋め込まれた部分以外のSiO2膜203を除去するため、フッ素系のガスによるRIEでエッチングしn+Si層12を露出させる(図5(f))。以上の工程でn+Si層12中へ柱状のSiO2の微細な構造体201を形成した。
次いで、基板11裏面にAl1を蒸着法により形成し、オーミック接触を有する電極とする。
次いで、n+Si層12および柱状のSiO2の微細な構造体201の表面にAg101を蒸着法により30nm形成する(図6(g))。
次に、基板表面に形成したAg101上へレジスト300を形成する(図6(h))。そして、200nmの大きさを持つ凸形状が形成された石英のモールド310(形状は9cm2内に形成されている)を用意し、レジスト300付き基板1を加熱した状態で石英のモールド310の凸形状がある方をレジストに押し付けてインプリントを行う(図5(i))。インプリント後、基板12を冷却し石英モールドをリリースする。ナノインプリント後、レジスト300上へ200nmの大きさの凹形状が形成される(図6(j))。
次に、凹パターンが形成されたレジスト300を、CF4のリアクティブイオンエッチング(RIE)によりエッチングし底だしを行う(図6(k))。底だし後、イオンミリング法によりAgのエッチングを行う。Agエッチング後、残留したレジスト300を取り除くことによりAg101中へ開口を持つ形状を形成した(図6(l))。
最後に表側電極として櫛型電極(不図示)を形成し太陽電池を完成させた。
2つ目は、図4(a)に示すような、AgメッシュとSiとの間に波長変換層としてSiO2薄膜を有する太陽電池に関して述べる。
200nm以下の開口を有する金属電極パターンを形成するには、半導体集積回路で用いられている最新の露光装置や、EB描画装置を用いる必要が去る。しかし、最新の露光装置やEB描画装置を用いると大面積でかつ低コストで形成することは不可能であると思われる。大面積でかつ低コストで形成可能な方法の一つとしてナノインプリントを用いる方法がある。以下、ナノインプリントによるナノメッシュ型電極の形成方法について記述する。
基板として、10^16cm−3のドーピング濃度を有するp型Si基板12を用意する。そのp型Si基板12の表面にPを熱拡散によりドーピングし表面濃度を10^20cm−3にしてpn接合を形成する。すなわち、p型Si層12上にn型Si層11を設ける。
次いで、熱酸化法によりn型Si層11上へSiO2膜200を2nm形成する。
次いで、p型Si基板12裏面にAl1を蒸着法により形成し、オーミック接触を有する電極を形成する。
次いで、基板表面にAg101を蒸着法により30nm形成する(図7(a))。
次に、基板表面に形成したAg101上へレジスト300を形成する(図7(b))。そして、200nmの大きさを持つ凸形状が形成された石英のモールド310(形状は9cm2内に形成されている)を用意し、レジスト300付き基板1を加熱した状態で石英のモールド310の凸形状がある方をレジストに押し付けてインプリントを行う(図7(c))。インプリント後、基板12を冷却し石英モールドをリリースする。ナノインプリント後、レジスト300上へ200nmの大きさの凹形状が形成される(図7(d))。
次に、凹パターンが形成されたレジスト300を、CF4のリアクティブイオンエッチング(RIE)によりエッチングし底だしを行う(図7(e))。底だし後、イオンミリング法によりAgのエッチングを行う。Agエッチング後、残留したレジスト300を取り除くことによりAg101中へ開口を持つ形状を形成した(図7(f))。
最後に表側電極として櫛型電極(不図示)を形成し太陽電池を完成させた。
以上のプロセスによりナノメッシュ型金属101とSiO2薄膜200を有する太陽電池が完成する。
また、化合物半導体においても上記と同様のプロセスで、ナノメッシュ金属を有する太陽電池を形成できる。尚、化合物半導体としてGaAs、CdTe、CIS系などがあげられる。
尚、材料の屈折率は分光エリプソメーターから求められる値とする。微細な構造体の形状自体はSEM観察から明らかになり、材質はSIMS、XPS等の組成分析から明らかにされる。微細構造体と波長変換層および半導体層の分光エリプソメーターから反射率と波長の関係を調べることにより波長変換層の屈折率は明らかになる。波長変換層をストライプ状、ドット状、柱状の構造体で形成する場合には、構造体の平均大きさ(最大径)と平均厚さは断面SEM観察の画像解析によって求められる。平均厚さは光電変換層内へ形成された各々の構造体の金属電極側に一番近い部分と一番遠い部分の差を厚さとし、その厚さの平均を平均厚さとする。平均大きさは光電変換層内へ形成された各々の構造体内の平均幅を大きさとしてその構造体の平均幅の平均を平均大きさとする。半導体層表面には自然酸化膜が存在する場合もあるが、その自然酸化膜が形成される場合も適用できる。
実施例によって更に詳細に説明する。太陽電池は9cm2の大きさで作製して特性を評価した。なお実施例ではナノメッシュの作製方法はナノインプリント法に関して記述してあるが、それ以外の方法、例えば自己組織化を利用する方法などでも同様に作製できる。
(実施例1)(ナノメッシュ+SiO2薄膜)
10^16cm−3のドーピング濃度を有するp型Si基板を準備した。そのp型Si基板の表面にPを熱拡散によりドーピングし10^20cm−3にしてp−n+接合を形成した。
次いで、熱酸化法によりn+層上へSiO2膜を2nm形成した。
次いで、基板裏面にAlを蒸着法により100nm形成し、裏面はオーミック接触を有する電極を形成した。次いで、基板表面にAgを蒸着法により30nm形成した(図7(a))。
次に、基板表面に形成したAg上へレジスト(THMR IP3250、(株)東京応化工業)を乳酸エチル(EL)で1:2に希釈した溶液を2000rpm、30秒でスピンコートを行ったのち、ホットプレート上において110℃で90秒間加熱して溶媒を蒸発させた(図7(b))。レジストの膜厚は150nmであった。次いで、200nmのピッチ、大きさ100nm、高さ150nmの高さを持つ凸形状が形成された石英のモールド(形状は9cm2内に形成されている)を用意し、レジスト付き基板を120℃に加熱した状態で石英のモールドの凸形状がある方をレジストに10MPaの圧力で押し付けてインプリントを行った(図7(c))。インプリント後、基板を室温まで冷却し石英モールドをリリースした(図7(d))。インプリント後、レジスト上へ200nmのピッチ大きさ100nm、深さ100nmの凹形状が形成された。
次に、凹パターンが形成されたレジストパターンを、CF4:30sccm、10mTorr、RFパワー100Wの条件で30秒間エッチングを行った。CF4RIE後、レジストの底だしが行われAgが露出した(図7(e))。
次いで、イオンミリング装置を用いて、加速電圧500V、イオン電流40mAの条件で80秒間、Ag層のエッチングを行って開口部を有する金属電極層を形成させた。イオンミリングによりAgに200nmピッチ、100nmの開口を有するパターンが形成された。残留したレジストを有機溶媒により取り除いた。
表電極の作製は、エポキシ系熱硬化型のAgペーストを用いたスクリーン印刷法により櫛型電極を作製し、ナノメッシュ電極付きSi太陽電池を完成させた(図7(f))。
比較のため、前述と同様にしてSiO2膜が存在しないナノメッシュ金属付きSi太陽電池を作製した。
(太陽電池セルの特性)
上記のようにして作製した太陽電池にAM1.5の擬似太陽光を照射し、室温における光電変換効率を評価した。その結果、SiO2膜2nm存在するナノメッシュ金属付きSi太陽電池の光電変換効率は10.5%と良好な値を示した。一方、SiO2膜が存在しないナノメッシュ金属付きSi太陽電池の光電変換効率は9.5%であった。
この結果から、SiO2膜を挿入することで電場増強のピーク波長を短波長側にシフトしたことにより光電変換率が上昇したことを示した。
(実施例2)(ナノメッシュ+SiO2薄膜)
実施例1と同様なp型Si基板を準備し、そのp型Si基板の表面にPを熱拡散によりドーピングし10^20cm−3にしてp−n+接合を形成した。
次いで、熱酸化法によりn+層上へSiO2膜を2nm形成した。
次いで、基板裏面にAlを蒸着法により100nm形成し、裏面はオーミック接触を有する電極を形成した。次いで、基板表面にAuを蒸着法により30nm形成した(図7(a))。
次に、基板表面に形成したAu上へレジスト(THMR IP3250、(株)東京応化工業)を乳酸エチル(EL)で1:2に希釈した溶液を2000rpm、30秒でスピンコートを行ったのち、ホットプレート上において110℃で90秒間加熱して溶媒を蒸発させた(図7(b))。レジストの膜厚は150nmであった。次いで、200nmのピッチ、大きさ100nm、高さ150nmの高さを持つ凸形状が形成された石英のモールド(形状は9cm2内に形成されている)を用意し、レジスト付き基板を120℃に加熱した状態で石英のモールドの凸形状がある方をレジストに10MPaの圧力で押し付けてインプリントを行った(図7(c))。インプリント後、基板を室温まで冷却し石英モールドをリリースした(図7(d))。インプリント後、レジスト上へ200nmのピッチ大きさ100nm、深さ100nmの凹形状が形成された。
次に、凹パターンが形成されたレジストパターンを、O2:30sccm、10mTorr、RFパワー100Wの条件で30秒間エッチングを行った。O2RIE後、レジストの底だしが行われAuが露出した(図7(e))。
次いで、イオンミリング装置を用いて、加速電圧500V、イオン電流40mAの条件で90秒間、Au層のエッチングを行って開口部を有する金属電極層を形成させた。イオンミリングによりAuに200nmピッチ、100nmの開口を有するパターンが形成された。残留したレジストを有機溶媒により取り除いた。
表電極の作製は、エポキシ系熱硬化型のAgペーストを用いたスクリーン印刷法により櫛型電極を作製し、ナノメッシュ電極付きSi太陽電池を完成させた(図7(f))。
比較のため、前述と同様にしてSiO2膜が存在しないナノメッシュ金属付きSi太陽電池を作製した。
(太陽電池セルの特性)
上記のようにして作製した太陽電池にAM1.5の擬似太陽光を照射し、室温における光電変換効率を評価した。その結果、SiO2膜2nm存在するナノメッシュ金属付きSi太陽電池の光電変換効率は10.4%と良好な値を示した。一方、SiO2膜が存在しないナノメッシュ金属付きSi太陽電池の光電変換効率は9.5%であった。
この結果から、SiO2膜を挿入することで電場増強のピーク波長を短波長側にシフトしたことにより光電変換率が上昇したことを示した。
(実施例3)(ナノメッシュ+SiO2薄膜)
実施例1と同様なp型Si基板を準備し、そのp型Si基板の表面にPを熱拡散によりドーピングし10^20cm−3にしてp−n+接合を形成した。
次いで、熱酸化法によりn+層上へSiO2膜を2nm形成した。
次いで、基板裏面にAlを蒸着法により100nm形成し、裏面はオーミック接触を有する電極を形成した。次いで、基板表面にAlを蒸着法により30nm形成した(図7(a))。
次に、基板表面に形成したAl上へレジスト(THMR IP3250、(株)東京応化工業)を乳酸エチル(EL)で1:2に希釈した溶液を2000rpm、30秒でスピンコートを行ったのち、ホットプレート上において110℃で90秒間加熱して溶媒を蒸発させた(図7(b))。レジストの膜厚は150nmであった。次いで、200nmのピッチ、大きさ100nm、高さ150nmの高さを持つ凸形状が形成された石英のモールド(形状は9cm2内に形成されている)を用意し、レジスト付き基板を120℃に加熱した状態で石英のモールドの凸形状がある方をレジストに10MPaの圧力で押し付けてインプリントを行った(図7(c))。インプリント後、基板を室温まで冷却し石英モールドをリリースした(図7(d))。インプリント後、レジスト上へ200nmのピッチ大きさ100nm、深さ100nmの凹形状が形成された。
次に、凹パターンが形成されたレジストパターンを、O2:30sccm、10mTorr、RFパワー100Wの条件で30秒間エッチングを行った。O2RIE後、レジストの底だしが行われAuが露出した(図7(e))。
次いで、Cl2:15sccm、Ar:15sccm、RFパワー100Wの条件でRIEを60秒間行った。塩素系ガスのRIEによりAlに200nmピッチ、100nmの開口を有するパターンが形成された。残留したレジストを酸素アッシングにより取り除いた。
表電極の作製は、エポキシ系熱硬化型のAgペーストを用いたスクリーン印刷法により櫛型電極を作製し、ナノメッシュ電極付きSi太陽電池を完成させた(図7(f))。
比較のため、前述と同様にしてSiO2膜が存在しないナノメッシュ金属付きSi太陽電池を作製した。
(太陽電池セルの特性)
上記のようにして作製した太陽電池にAM1.5の擬似太陽光を照射し、室温における光電変換効率を評価した。その結果、SiO2膜2nm存在するナノメッシュ金属付きSi太陽電池の光電変換効率は10.2%と良好な値を示した。一方、SiO2膜が存在しないナノメッシュ金属付きSi太陽電池の光電変換効率は9.5%であった。
この結果から、SiO2膜を挿入することで電場増強のピーク波長を短波長側にシフトしたことにより光電変換率が上昇したことを示した。
(実施例4)(ナノメッシュ+SiN薄膜)
実施例1と同様なp型Si基板を準備し、そのp型Si基板の表面にPを熱拡散によりドーピングし10^20cm−3にしてp−n+接合を形成した。
次いで、熱酸化法によりn+層上へSiN膜を4nm形成した。
次いで、基板裏面にAlを蒸着法により100nm形成し、裏面はオーミック接触を有する電極を形成した。次いで、基板表面にAgを蒸着法により30nm形成した(図7(a))。
次に、基板表面に形成したAg上へレジスト(THMR IP3250、(株)東京応化工業)を乳酸エチル(EL)で1:2に希釈した溶液を2000rpm、30秒でスピンコートを行ったのち、ホットプレート上において110℃で90秒間加熱して溶媒を蒸発させた(図7(b))。レジストの膜厚は150nmであった。次いで、200nmのピッチ、大きさ100nm、高さ150nmの高さを持つ凸形状が形成された石英のモールド(形状は9cm2内に形成されている)を用意し、レジスト付き基板を120℃に加熱した状態で石英のモールドの凸形状がある方をレジストに10MPaの圧力で押し付けてインプリントを行った(図7(c))。インプリント後、基板を室温まで冷却し石英モールドをリリースした(図7(d))。インプリント後、レジスト上へ200nmのピッチ大きさ100nm、深さ100nmの凹形状が形成された。
次に、凹パターンが形成されたレジストパターンを、CF4:30sccm、10mTorr、RFパワー100Wの条件で30秒間エッチングを行った。CF4RIE後、レジストの底だしが行われAgが露出した(図7(e))。
次いで、イオンミリング装置を用いて、加速電圧500V、イオン電流40mAの条件で80秒間、Ag層のエッチングを行って開口部を有する金属電極層を形成させた。イオンミリングによりAgに200nmピッチ、100nmの開口を有するパターンが形成された。残留したレジストを有機溶媒により取り除いた。
表電極の作製は、エポキシ系熱硬化型のAgペーストを用いたスクリーン印刷法により櫛型電極を作製し、ナノメッシュ電極付きSi太陽電池を完成させた(図7(f))。
比較のため、前述と同様にしてSiN膜が存在しないナノメッシュ金属付きSi太陽電池を作製した。
(太陽電池セルの特性)
上記のようにして作製した太陽電池にAM1.5の擬似太陽光を照射し、室温における光電変換効率を評価した。その結果、SiN膜4nm存在するナノメッシュ金属付きSi太陽電池の光電変換効率は11.0%と良好な値を示した。一方、SiN膜が存在しないナノメッシュ金属付きSi太陽電池の光電変換効率は9.5%であった。
この結果から、SiN膜を挿入することとその膜厚を厚くすることで電場増強のピーク波長を短波長側にシフトしたことにより光電変換率が上昇したことを示した。
(実施例5)(ナノメッシュ+SiON薄膜)
実施例1と同様なp型Si基板を準備し、そのp型Si基板の表面にPを熱拡散によりドーピングし10^20cm−3にしてp−n+接合を形成した。
次いで、CVD法によりn+層上へSiON膜を3nm形成した。
次いで、基板裏面にAlを蒸着法により100nm形成し、裏面はオーミック接触を有する電極を形成した。次いで、基板表面にAgを蒸着法により30nm形成した(図7(a))。
次に、基板表面に形成したAg上へレジスト(THMR IP3250、(株)東京応化工業)を乳酸エチル(EL)で1:2に希釈した溶液を2000rpm、30秒でスピンコートを行ったのち、ホットプレート上において110℃で90秒間加熱して溶媒を蒸発させた(図7(b))。レジストの膜厚は150nmであった。次いで、200nmのピッチ、大きさ100nm、高さ150nmの高さを持つ凸形状が形成された石英のモールド(形状は9cm2内に形成されている)を用意し、レジスト付き基板を120℃に加熱した状態で石英のモールドの凸形状がある方をレジストに10MPaの圧力で押し付けてインプリントを行った(図7(c))。インプリント後、基板を室温まで冷却し石英モールドをリリースした(図7(d))。インプリント後、レジスト上へ200nmのピッチ大きさ100nm、深さ100nmの凹形状が形成された。
次に、凹パターンが形成されたレジストパターンを、CF4:30sccm、10mTorr、RFパワー100Wの条件で30秒間エッチングを行った。CF4RIE後、レジストの底だしが行われAgが露出した(図7(e))。
次いで、イオンミリング装置を用いて、加速電圧500V、イオン電流40mAの条件で80秒間、Ag層のエッチングを行って開口部を有する金属電極層を形成させた。イオンミリングによりAgに200nmピッチ、100nmの開口を有するパターンが形成された。残留したレジストを有機溶媒により取り除いた。
表電極の作製は、エポキシ系熱硬化型のAgペーストを用いたスクリーン印刷法により櫛型電極を作製し、ナノメッシュ電極付きSi太陽電池を完成させた(図7(f))。
比較のため、前述と同様にしてSiON膜が存在しないナノメッシュ金属付きSi太陽電池を作製した。
(太陽電池セルの特性)
上記のようにして作製した太陽電池にAM1.5の擬似太陽光を照射し、室温における光電変換効率を評価した。その結果、SiON膜3nm存在するナノメッシュ金属付きSi太陽電池の光電変換効率は10.8%と良好な値を示した。一方、SiON膜が存在しないナノメッシュ金属付きSi太陽電池の光電変換効率は9.5%であった。
この結果から、SiON膜を挿入することとで電場増強のピーク波長を短波長側にシフトしたことにより光電変換率が上昇したことを示した。
(実施例6)(ナノメッシュ+SiO:F薄膜)
実施例1と同様なp型Si基板を準備し、そのp型Si基板の表面にPを熱拡散によりドーピングし10^20cm−3にしてp−n+接合を形成した。
次いで、CVD法によりn+層上へSiO:F膜を5nm形成した。
次いで、基板裏面にAlを蒸着法により100nm形成し、裏面はオーミック接触を有する電極を形成した。次いで、基板表面にAgを蒸着法により30nm形成した(図7(a))。
次に、基板表面に形成したAg上へレジスト(THMR IP3250、(株)東京応化工業)を乳酸エチル(EL)で1:2に希釈した溶液を2000rpm、30秒でスピンコートを行ったのち、ホットプレート上において110℃で90秒間加熱して溶媒を蒸発させた(図7(b))。レジストの膜厚は150nmであった。次いで、200nmのピッチ、大きさ100nm、高さ150nmの高さを持つ凸形状が形成された石英のモールド(形状は9cm2内に形成されている)を用意し、レジスト付き基板を120℃に加熱した状態で石英のモールドの凸形状がある方をレジストに10MPaの圧力で押し付けてインプリントを行った(図7(c))。インプリント後、基板を室温まで冷却し石英モールドをリリースした(図7(d))。インプリント後、レジスト上へ200nmのピッチ大きさ100nm、深さ100nmの凹形状が形成された。
次に、凹パターンが形成されたレジストパターンを、CF4:30sccm、10mTorr、RFパワー100Wの条件で30秒間エッチングを行った。CF4RIE後、レジストの底だしが行われAgが露出した(図7(e))。
次いで、イオンミリング装置を用いて、加速電圧500V、イオン電流40mAの条件で80秒間、Ag層のエッチングを行って開口部を有する金属電極層を形成させた。イオンミリングによりAgに200nmピッチ、100nmの開口を有するパターンが形成された。残留したレジストを有機溶媒により取り除いた。
表電極の作製は、エポキシ系熱硬化型のAgペーストを用いたスクリーン印刷法により櫛型電極を作製し、ナノメッシュ電極付きSi太陽電池を完成させた(図7(f))。
比較のため、前述と同様にしてSiO:F膜が存在しないナノメッシュ金属付きSi太陽電池を作製した。
(太陽電池セルの特性)
上記のようにして作製した太陽電池にAM1.5の擬似太陽光を照射し、室温における光電変換効率を評価した。その結果、SiO:F膜5nm存在するナノメッシュ金属付きSi太陽電池の光電変換効率は11.3%と良好な値を示した。一方、SiO:F膜が存在しないナノメッシュ金属付きSi太陽電池の光電変換効率は9.5%であった。
この結果から、低屈折率のSiO:F膜を挿入することとその膜厚を厚くすることで電場増強のピーク波長を短波長側にシフトしたことにより光電変換率が上昇したことを示した。
(実施例7)(ナノメッシュ+SiO2構造体)
実施例1と同様なp型Si基板を準備し、そのp型Si基板の表面にPを熱拡散によりドーピングし10^20cm−3にしてp−n+接合を形成した。
次に、n+Si層上へ有機SOG組成物(OCD−T7 5500−T(商品名)、東京応化工業株式会社製)をELで1:1に希釈した溶液を3000rpm、30秒でスピンコートを行ったのち、ホットプレート上において110℃で90秒間加熱して溶媒を蒸発させた。次いでレジストを窒素雰囲気下において250℃でアニール行い熱硬化させた。硬化後の膜厚は50nmであった。
次いで、PS(Mw58000):PMMA(Mw:130000)のブロックポリマーに、PMMA(Mw:1500)を重量比6:4で混合したポリマーをプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)に2wt%で溶かした液をスピンコート法で2000rpm、30秒で塗布した後、110℃,90秒でプリベークして溶剤を気化し80nmの膜厚を得た。
次いで、窒素雰囲気中で210℃,4時間のアニールを行い、PSとPMMAの相分離を行い、直径70nm程度のポリスチレンのドットパターンを形成した(図5(a))。 その後、O2 =30sccm、圧力13.3Pa(100mTorr)、パワー=100Wの条件下で15秒間RIEすることにより、相分離したPS−PMMAのうちPMMAを選択的にエッチングしPSドットパターンを形成した(図5(b))。
次いで、PSドットパターンをマスクとして、CF4流量30sccm、圧力1.33Pa(10mTorr)、パワー100Wで90秒間エッチングしSOGドットパターンを形成した(図5(c))。
次いで、そのSOGドットパターンをマスクとして、Cl2:15sccm、Ar:15sccm、RFパワー100Wの条件でRIEを60秒間行った。塩素ガスRIE後、n+Si層中へ大きさ40nm、高さ50nmのピラーパターンが形成された(図5(d))。
次いで、ピラーパターンが形成されたn+Si層上へALD(Atomic Layer Deposition)法によりSiO2膜を形成し、SiピラーパターンをSiO2で埋め込んだ(図5(e))。
次いで、埋め込んでn+Si層上へ形成されたSiO2を除去するため、CF4流量30sccm、圧力1.33Pa(10mTorr)、パワー100Wで30秒間エッチングしn+Siを露出させた。以上の工程でn+Si層中へSiO2の微細な構造体を形成した(図5(f))。
次いで、基板裏面にAlを蒸着法により100nm形成し、裏面はオーミック接触を有する電極を形成した。次いで、基板表面にAgを蒸着法により30nm形成した(図6(g))。
次に、基板表面に形成したAl上へレジスト(THMR IP3250、(株)東京応化工業)を乳酸エチル(EL)で1:2に希釈した溶液を2000rpm、30秒でスピンコートを行ったのち、ホットプレート上において110℃で90秒間加熱して溶媒を蒸発させた(図6(h))。レジストの膜厚は150nmであった。次いで、200nmのピッチ、大きさ100nm、高さ150nmの高さを持つ凸形状が形成された石英のモールド(形状は9cm2内に形成されている)を用意し、レジスト付き基板を120℃に加熱した状態で石英のモールドの凸形状がある方をレジストに10MPaの圧力で押し付けてインプリントを行った(図6(i))。インプリント後、基板を室温まで冷却し石英モールドをリリースした(図6(j))。インプリント後、レジスト上へ200nmのピッチ大きさ100nm、深さ100nmの凹形状が形成された。
次に、凹パターンが形成されたレジストパターンを、CF4:30sccm、10mTorr、RFパワー100Wの条件で30秒間エッチングを行った。CF4RIE後、レジストの底だしが行われAgが露出した(図6(k))。
次いで、イオンミリング装置を用いて、加速電圧500V、イオン電流40mAの条件で80秒間、Ag層のエッチングを行って開口部を有する金属電極層を形成させた。イオンミリングによりAgに200nmピッチ、100nmの開口を有するパターンが形成された。残留したレジストを有機溶媒により取り除いた。
表電極の作製は、エポキシ系熱硬化型のAgペーストを用いたスクリーン印刷法により櫛型電極を作製し、ナノメッシュ電極付きSi太陽電池を完成させた(図6(l))。
比較のため、SiO2の微細な構造体が存在しないナノメッシュ金属付きSi太陽電池を作製した。
(太陽電池セルの特性)
上記のようにして作製した太陽電池にAM1.5の擬似太陽光を照射し、室温における光電変換効率を評価した。その結果、SiO2の微細な構造体が存在するナノメッシュ金属付きSi太陽電池の光電変換効率は10.2%と良好な値を示した。一方、SiO2の微細な構造体が存在しないナノメッシュ金属付きSi太陽電池の光電変換効率は9.5%であった。
この結果から、SiO2の微細な構造体を挿入することで電場増強のピーク波長を短波長側にシフトしたことにより光電変換率が上昇したことを示した。
(実施例8)(ナノメッシュ+Al2O3構造体)
実施例1と同様なp型Si基板を準備し、そのp型Si基板の表面にPを熱拡散によりドーピングし10^20cm−3にしてp−n+接合を形成した。
次に、n+Si層上へ有機SOG組成物(OCD−T7 5500−T(商品名)、東京応化工業株式会社製)をELで1:1に希釈した溶液を3000rpm、30秒でスピンコートを行ったのち、ホットプレート上において110℃で90秒間加熱して溶媒を蒸発させた。次いでレジストを窒素雰囲気下において250℃でアニール行い熱硬化させた。 硬化後の膜厚は50nmであった。
次いで、PS(Mw:120000):PMMA(Mw:45000)のブロックポリマーに、PS(Mw:1800)を重量比8:2で混合したポリマーをプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)に2wt%で溶かした液をスピンコート法で2000rpm、30秒で塗布した後、110℃,90秒でプリベークして溶剤を気化し70nmの膜厚を得た。
次いで、窒素雰囲気中で210℃,4時間のアニールを行い、PSとPMMAの相分離を行い、直径60nm程度のポリスチレンのホールパターンを形成した(図5(a))。
その後、O2 =30sccm、圧力13.3Pa(100mTorr)、パワー=100Wの条件下で12秒間RIEすることにより、相分離したPS−PMMAのうちPMMAを選択的にエッチングしPSホールパターンを形成した(図5(b))。
次いで、PSドットパターンをマスクとして、CF4流量30sccm、圧力1.33Pa(10mTorr)、パワー100Wで90秒間エッチングしSOGホールパターンを形成した(図5(c))。
次いで、そのSOGホールパターンをマスクとして、Cl2:15sccm、Ar:15sccm、RFパワー100Wの条件でRIEを60秒間行った。塩素ガスRIE後、n+Si層中へ大きさ35nm、高さ40nmのホールパターンが形成された(図5(d))。
次いで、ホールパターンが形成されたn+Si層上へALD(Atomic Layer Deposition)法によりAl2O3膜を形成し、SiホールパターンをAl2O3で埋め込んだ(図5(e))。
次いで、埋め込んでn+Si層上へ形成されたAl2O3を除去するため、Cl2:15sccm、Ar:15sccm、RFパワー100Wの条件でRIEを30秒間行いn+Siを露出させた(図5(f))。以上の工程でn+Si層中へAl2O3の微細な構造体を形成した。
次いで、基板裏面にAlを蒸着法により100nm形成し、裏面はオーミック接触を有する電極を形成した。次いで、基板表面にAgを蒸着法により30nm形成した(図6(g))。
次に、基板表面に形成したAl上へレジスト(THMR IP3250、(株)東京応化工業)を乳酸エチル(EL)で1:2に希釈した溶液を2000rpm、30秒でスピンコートを行ったのち、ホットプレート上において110℃で90秒間加熱して溶媒を蒸発させた(図6(h))。レジストの膜厚は150nmであった。次いで、200nmのピッチ、大きさ100nm、高さ150nmの高さを持つ凸形状が形成された石英のモールド(形状は9cm2内に形成されている)を用意し、レジスト付き基板を120℃に加熱した状態で石英のモールドの凸形状がある方をレジストに10MPaの圧力で押し付けてインプリントを行った(図6(i))。インプリント後、基板を室温まで冷却し石英モールドをリリースした(図6(j))。インプリント後、レジスト上へ200nmのピッチ大きさ100nm、深さ100nmの凹形状が形成された。
次に、凹パターンが形成されたレジストパターンを、CF4:30sccm、10mTorr、RFパワー100Wの条件で30秒間エッチングを行った。CF4RIE後、レジストの底だしが行われAgが露出した(図6(k))。
次いで、イオンミリング装置を用いて、加速電圧500V、イオン電流40mAの条件で80秒間、Ag層のエッチングを行って開口部を有する金属電極層を形成させた。イオンミリングによりAgに200nmピッチ、100nmの開口を有するパターンが形成された。残留したレジストを有機溶媒により取り除いた。
表電極の作製は、エポキシ系熱硬化型のAgペーストを用いたスクリーン印刷法により櫛型電極を作製し、ナノメッシュ電極付きSi太陽電池を完成させた(図6(l))。
比較のため、Al2O3の微細な構造体が存在しないナノメッシュ金属付きSi太陽電池を作製した。
(太陽電池セルの特性)
上記のようにして作製した太陽電池にAM1.5の擬似太陽光を照射し、室温における光電変換効率を評価した。その結果、Al2O3の構造体が存在するナノメッシュ金属付きSi太陽電池の光電変換効率は10.5%と良好な値を示した。一方、Al2O3の微細な構造体が存在しないナノメッシュ金属付きSi太陽電池の光電変換効率は9.5%であった。
(実施例9)(ナノメッシュ+SiN構造体)
実施例1と同様なp型Si基板を準備し、そのp型Si基板の表面にPを熱拡散によりドーピングし10^20cm−3にしてp−n+接合を形成した。
次に、n+Si層上へ有機SOG組成物(OCD−T7 5500−T(商品名)、東京応化工業株式会社製)をELで1:1に希釈した溶液を3000rpm、30秒でスピンコートを行ったのち、ホットプレート上において110℃で90秒間加熱して溶媒を蒸発させた。次いでレジストを窒素雰囲気下において250℃でアニール行い熱硬化させた。硬化後の膜厚は50nmであった。
次いで、PS(Mw:120000):PMMA(Mw:45000)のブロックポリマーに、PS(Mw:1800)を重量比8:2で混合したポリマーをプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)に2wt%で溶かした液をスピンコート法で2000rpm、30秒で塗布した後、110℃,90秒でプリベークして溶剤を気化し70nmの膜厚を得た。
次いで、窒素雰囲気中で210℃,4時間のアニールを行い、PSとPMMAの相分離を行い、直径60nm程度のポリスチレンのホールパターンを形成した(図5(a))。
その後、O2 =30sccm、圧力13.3Pa(100mTorr)、パワー=100Wの条件下で12秒間RIEすることにより、相分離したPS−PMMAのうちPMMAを選択的にエッチングしPSホールパターンを形成した(図5(b))。
次いで、PSドットパターンをマスクとして、CF4流量30sccm、圧力1.33Pa(10mTorr)、パワー100Wで90秒間エッチングしSOGホールパターンを形成した(図5(c))。
次いで、そのSOGホールパターンをマスクとして、Cl2:15sccm、Ar:15sccm、RFパワー100Wの条件でRIEを60秒間行った。塩素ガスRIE後、n+Si層中へ大きさ35nm、高さ40nmのホールパターンが形成された(図5(d))。
次いで、ホールパターンが形成されたn+Si層上へALD(Atomic Layer Deposition)法によりSiN膜を形成し、SiホールパターンをSiNで埋め込んだ(図5(e))。
次いで、埋め込んでn+Si層上へ形成されたSiNを除去するため、CF4流量30sccm、圧力1.33Pa(10mTorr)、パワー100Wで30秒間エッチングしn+Siを露出させた。以上の工程でn+Si層中へSiNの微細な構造体を形成した(図5(f))。
次いで、基板裏面にAlを蒸着法により100nm形成し、裏面はオーミック接触を有する電極を形成した。次いで、基板表面にAgを蒸着法により30nm形成した(図6(g))。
次に、基板表面に形成したAl上へレジスト(THMR IP3250、(株)東京応化工業)を乳酸エチル(EL)で1:2に希釈した溶液を2000rpm、30秒でスピンコートを行ったのち、ホットプレート上において110℃で90秒間加熱して溶媒を蒸発させた(図6(h))。レジストの膜厚は150nmであった。次いで、200nmのピッチ、大きさ100nm、高さ150nmの高さを持つ凸形状が形成された石英のモールド(形状は9cm2内に形成されている)を用意し、レジスト付き基板を120℃に加熱した状態で石英のモールドの凸形状がある方をレジストに10MPaの圧力で押し付けてインプリントを行った(図6(i))。インプリント後、基板を室温まで冷却し石英モールドをリリースした(図6(j))。インプリント後、レジスト上へ200nmのピッチ大きさ100nm、深さ100nmの凹形状が形成された。
次に、凹パターンが形成されたレジストパターンを、CF4:30sccm、10mTorr、RFパワー100Wの条件で30秒間エッチングを行った。CF4RIE後、レジストの底だしが行われAgが露出した(図6(k))。
次いで、イオンミリング装置を用いて、加速電圧500V、イオン電流40mAの条件で80秒間、Ag層のエッチングを行って開口部を有する金属電極層を形成させた。イオンミリングによりAgに200nmピッチ、100nmの開口を有するパターンが形成された。残留したレジストを有機溶媒により取り除いた。
表電極の作製は、エポキシ系熱硬化型のAgペーストを用いたスクリーン印刷法により櫛型電極を作製し、ナノメッシュ電極付きSi太陽電池を完成させた(図6(l))。
比較のため、SiNの微細な構造体が存在しないナノメッシュ金属付きSi太陽電池を作製した。
(太陽電池セルの特性)
上記のようにして作製した太陽電池にAM1.5の擬似太陽光を照射し、室温における光電変換効率を評価した。その結果、SiNの構造体が存在するナノメッシュ金属付きSi太陽電池の光電変換効率は10.3%と良好な値を示した。一方、SiNの微細な構造体が存在しないナノメッシュ金属付きSi太陽電池の光電変換効率は9.5%であった。
(実施例10)(ドット+SiO2薄膜)
本実施例においては、微細構造体として、積層方向に垂直な平面に広がる微小体をドット状に配置したものとする。断面構造については、メッシュ状の微細構造体と同様に金属部分が間隔をあけて配置されたものとなるため、図7を使って説明する。
10^16cm−3のドーピング濃度を有するp型Si基板を準備した。そのp型Si基板の表面にPを熱拡散によりドーピングし10^20cm−3にしてp−n+接合を形成した。
次いで、熱酸化法によりn+層上へSiO2膜を3nm形成した。
次いで、基板裏面にAlを蒸着法により100nm形成し、裏面はオーミック接触を有する電極を形成した。次いで、基板表面にAuを蒸着法により30nm形成した(図7(a))。
次に、基板表面に形成したAu上へレジスト(THMR IP3250、(株)東京応化工業)を乳酸エチル(EL)で1:2に希釈した溶液を3000rpm、30秒でスピンコートを行ったのち、ホットプレート上において110℃で90秒間加熱して溶媒を蒸発させた(図7(b))。レジストの膜厚は120nmであった。次いで、大きさ60nm、高さ100nmの高さを持つ凹形状が形成された石英のモールド(形状は9cm2内に形成されている)を用意し、レジスト付き基板を120℃に加熱した状態で石英のモールドの凸形状がある方をレジストに10MPaの圧力で押し付けてインプリントを行った(図7(c))。インプリント後、基板を室温まで冷却し石英モールドをリリースした(図7(d))。インプリント後、レジスト上へドット状で大きさ60nm、深さ70nmの凹形状が形成された。
次に、凹パターンが形成されたレジストパターンを、O2:30sccm、10mTorr、RFパワー100Wの条件で30秒間エッチングを行った。O2RIE後、レジストの底だしが行われAgが露出した(図7(e))。
次いで、イオンミリング装置を用いて、加速電圧500V、イオン電流40mAの条件で60秒間、Au層のエッチングを行って開口部を有する金属電極層を形成させた。イオンミリングによりAuにドット状で大きさ60nmのパターンが形成された。残留したレジストを有機溶媒により取り除いた。
表電極の作製は、エポキシ系熱硬化型のAgペーストを用いたスクリーン印刷法により櫛型電極を作製し、ドット付きSi太陽電池を完成させた(図7(f))。
比較のため、前述と同様にしてSiO2膜が存在しないドット付きSi太陽電池を作製した。
(太陽電池セルの特性)
上記のようにして作製した太陽電池にAM1.5の擬似太陽光を照射し、室温における光電変換効率を評価した。その結果、SiO2膜3nm存在するドット付きSi太陽電池の光電変換効率は11.5%と良好な値を示した。一方、SiO2膜が存在しないナノメッシュ金属付きSi太陽電池の光電変換効率は10.0%であった。
(実施例11)(ドット+SiN薄膜)
10^16cm−3のドーピング濃度を有するp型Si基板を準備した。そのp型Si基板の表面にPを熱拡散によりドーピングし10^20cm−3にしてp−n+接合を形成した。
次いで、熱酸化法によりn+層上へSiN膜を5nm形成した。
次いで、基板裏面にAlを蒸着法により100nm形成し、裏面はオーミック接触を有する電極を形成した。次いで、基板表面にAlを蒸着法により30nm形成した(図7(a))。
次に、基板表面に形成したAl上へレジスト(THMR IP3250、(株)東京応化工業)を乳酸エチル(EL)で1:2に希釈した溶液を3000rpm、30秒でスピンコートを行ったのち、ホットプレート上において110℃で90秒間加熱して溶媒を蒸発させた(図7(b))。レジストの膜厚は120nmであった。次いで、大きさ60nm、高さ100nmの高さを持つ凹形状が形成された石英のモールド(形状は9cm2内に形成されている)を用意し、レジスト付き基板を120℃に加熱した状態で石英のモールドの凸形状がある方をレジストに10MPaの圧力で押し付けてインプリントを行った(図7(c))。インプリント後、基板を室温まで冷却し石英モールドをリリースした(図7(d))。インプリント後、レジスト上へドット状で大きさ60nm、深さ70nmの凹形状が形成された。
次に、凹パターンが形成されたレジストパターンを、O2:30sccm、10mTorr、RFパワー100Wの条件で30秒間エッチングを行った。O2RIE後、レジストの底だしが行われAlが露出した(図7(e))。
次いで、Cl2:15sccm、Ar:15sccm、RFパワー100Wの条件でRIEを60秒間行った。塩素系ガスのRIEによりAlに大きさ60nmのドットパターンが形成された。残留したレジストを酸素アッシングにより取り除いた。
表電極の作製は、エポキシ系熱硬化型のAgペーストを用いたスクリーン印刷法により櫛型電極を作製し、ドット付きSi太陽電池を完成させた(図7(f))。
比較のため、前述と同様にしてSiN膜が存在しないドット付きSi太陽電池を作製した。
(太陽電池セルの特性)
上記のようにして作製した太陽電池にAM1.5の擬似太陽光を照射し、室温における光電変換効率を評価した。その結果、SiN膜5nm存在するドット付きSi太陽電池の光電変換効率は11.3%と良好な値を示した。一方、SiN膜が存在しないナノメッシュ金属付きSi太陽電池の光電変換効率は10.1%であった。
(実施例12)(ドット+SiO2構造体)
実施例1と同様なp型Si基板を準備し、そのp型Si基板の表面にPを熱拡散によりドーピングし10^20cm−3にしてp−n+接合を形成した。
次に、n+Si層上へ有機SOG組成物(OCD−T7 5500−T(商品名)、東京応化工業株式会社製)をELで1:1に希釈した溶液を3000rpm、30秒でスピンコートを行ったのち、ホットプレート上において110℃で90秒間加熱して溶媒を蒸発させた。次いでレジストを窒素雰囲気下において250℃でアニール行い熱硬化させた。硬化後の膜厚は50nmであった。
次いで、PS(Mw58000):PMMA(Mw:130000)のブロックポリマーに、PMMA(Mw:1500)を重量比6:4で混合したポリマーをプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)に2wt%で溶かした液をスピンコート法で2000rpm、30秒で塗布した後、110℃,90秒でプリベークして溶剤を気化し80nmの膜厚を得た。
次いで、窒素雰囲気中で210℃,4時間のアニールを行い、PSとPMMAの相分離を行い、直径70nm程度のポリスチレンのドットパターンを形成した(図5(a))。
その後、O2 =30sccm、圧力13.3Pa(100mTorr)、パワー=100Wの条件下で15秒間RIEすることにより、相分離したPS−PMMAのうちPMMAを選択的にエッチングしPSドットパターンを形成した(図5(b))。
次いで、PSドットパターンをマスクとして、CF4流量30sccm、圧力1.33Pa(10mTorr)、パワー100Wで90秒間エッチングしSOGドットパターンを形成した(図5(c))。
次いで、そのSOGドットパターンをマスクとして、Cl2:15sccm、Ar:15sccm、RFパワー100Wの条件でRIEを60秒間行った。塩素ガスRIE後、n+Si層中へ大きさ40nm、高さ50nmのピラーパターンが形成された(図5(d))。
次いで、ピラーパターンが形成されたn+Si層上へALD(Atomic Layer Deposition)法によりSiO2膜を形成し、SiピラーパターンをSiO2で埋め込んだ(図5(e))。
次いで、埋め込んでn+Si層上へ形成されたSiO2を除去するため、CF4流量30sccm、圧力1.33Pa(10mTorr)、パワー100Wで30秒間エッチングしn+Siを露出させた。以上の工程でn+Si層中へSiO2の微細な構造体を形成した(図5(f))。
次いで、基板裏面にAlを蒸着法により100nm形成し、裏面はオーミック接触を有する電極を形成した。次いで、基板表面にAuを蒸着法により30nm形成した(図6(g))。
次に、基板表面に形成したAu上へレジスト(THMR IP3250、(株)東京応化工業)を乳酸エチル(EL)で1:2に希釈した溶液を3000rpm、30秒でスピンコートを行ったのち、ホットプレート上において110℃で90秒間加熱して溶媒を蒸発させた(図6(h))。レジストの膜厚は120nmであった。次いで、大きさ60nm、高さ100nmの高さを持つ凹形状が形成された石英のモールド(形状は9cm2内に形成されている)を用意し、レジスト付き基板を120℃に加熱した状態で石英のモールドの凸形状がある方をレジストに10MPaの圧力で押し付けてインプリントを行った(図6(i))。インプリント後、基板を室温まで冷却し石英モールドをリリースした(図6(J))。インプリント後、レジスト上へドット状で大きさ60nm、深さ70nmの凹形状が形成された。
次に、凹パターンが形成されたレジストパターンを、O2:30sccm、10mTorr、RFパワー100Wの条件で30秒間エッチングを行った。O2RIE後、レジストの底だしが行われAuが露出した(図6(k))。
次いで、イオンミリング装置を用いて、加速電圧500V、イオン電流40mAの条件で60秒間、Au層のエッチングを行って開口部を有する金属電極層を形成させた。イオンミリングによりAuにドット状で大きさ60nmのパターンが形成された。残留したレジストを有機溶媒により取り除いた。
表電極の作製は、エポキシ系熱硬化型のAgペーストを用いたスクリーン印刷法により櫛型電極を作製し、ドット付きSi太陽電池を完成させた(図6(l))。
比較のため、前述と同様にしてSiO2構造体が存在しないドット付きSi太陽電池を作製した。
(太陽電池セルの特性)
上記のようにして作製した太陽電池にAM1.5の擬似太陽光を照射し、室温における光電変換効率を評価した。その結果、SiO2構造体の存在するドット付きSi太陽電池の光電変換効率は11.2%と良好な値を示した。一方、SiO2構造体が存在しないナノメッシュ金属付きSi太陽電池の光電変換効率は10.0%であった。
(実施例13)(ドット+SiN構造体)
実施例1と同様なp型Si基板を準備し、そのp型Si基板の表面にPを熱拡散によりドーピングし10^20cm−3にしてp−n+接合を形成した。
次に、n+Si層上へ有機SOG組成物(OCD−T7 5500−T(商品名)、東京応化工業株式会社製)をELで1:1に希釈した溶液を3000rpm、30秒でスピンコートを行ったのち、ホットプレート上において110℃で90秒間加熱して溶媒を蒸発させた。次いでレジストを窒素雰囲気下において250℃でアニール行い熱硬化させた。硬化後の膜厚は50nmであった。
次いで、PS(Mw58000):PMMA(Mw:130000)のブロックポリマーに、PMMA(Mw:1500)を重量比6:4で混合したポリマーをプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)に2wt%で溶かした液をスピンコート法で2000rpm、30秒で塗布した後、110℃,90秒でプリベークして溶剤を気化し80nmの膜厚を得た。
次いで、窒素雰囲気中で210℃,4時間のアニールを行い、PSとPMMAの相分離を行い、直径70nm程度のポリスチレンのドットパターンを形成した(図5(a))。
その後、O2 =30sccm、圧力13.3Pa(100mTorr)、パワー=100Wの条件下で15秒間RIEすることにより、相分離したPS−PMMAのうちPMMAを選択的にエッチングしPSドットパターンを形成した(図5(b))。
次いで、PSドットパターンをマスクとして、CF4流量30sccm、圧力1.33Pa(10mTorr)、パワー100Wで90秒間エッチングしSOGドットパターンを形成した(図5(c))。
次いで、そのSOGドットパターンをマスクとして、Cl2:15sccm、Ar:15sccm、RFパワー100Wの条件でRIEを60秒間行った。塩素ガスRIE後、n+Si層中へ大きさ40nm、高さ50nmのピラーパターンが形成された(図5(d))。
次いで、ピラーパターンが形成されたn+Si層上へALD(Atomic Layer Deposition)法によりSiN膜を形成し、SiピラーパターンをSiO2で埋め込んだ(図5(e))。
次いで、埋め込んでn+Si層上へ形成されたSiNを除去するため、CF4流量30sccm、圧力1.33Pa(10mTorr)、パワー100Wで30秒間エッチングしn+Siを露出させた。以上の工程でn+Si層中へSiNの微細な構造体を形成した(図5(f))。
次いで、基板裏面にAlを蒸着法により100nm形成し、裏面はオーミック接触を有する電極を形成した。次いで、基板表面にAgを蒸着法により30nm形成した(図6(g))。
次に、基板表面に形成したAg上へレジスト(THMR IP3250、(株)東京応化工業)を乳酸エチル(EL)で1:2に希釈した溶液を3000rpm、30秒でスピンコートを行ったのち、ホットプレート上において110℃で90秒間加熱して溶媒を蒸発させた(図6(h))。レジストの膜厚は120nmであった。次いで、大きさ60nm、高さ100nmの高さを持つ凹形状が形成された石英のモールド(形状は9cm2内に形成されている)を用意し、レジスト付き基板を120℃に加熱した状態で石英のモールドの凸形状がある方をレジストに10MPaの圧力で押し付けてインプリントを行った(図6(i))。インプリント後、基板を室温まで冷却し石英モールドをリリースした(図6(j))。インプリント後、レジスト上へドット状で大きさ60nm、深さ70nmの凹形状が形成された。
次に、凹パターンが形成されたレジストパターンを、CF4:30sccm、10mTorr、RFパワー100Wの条件で30秒間エッチングを行った。CF4RIE後、レジストの底だしが行われAgが露出した(図6(k))。
次いで、イオンミリング装置を用いて、加速電圧500V、イオン電流40mAの条件で60秒間、Ag層のエッチングを行って開口部を有する金属電極層を形成させた。イオンミリングによりAgにドット状で大きさ60nmのパターンが形成された。残留したレジストを有機溶媒により取り除いた。
表電極の作製は、エポキシ系熱硬化型のAgペーストを用いたスクリーン印刷法により櫛型電極を作製し、ドット付きSi太陽電池を完成させた(図6(l))。
比較のため、前述と同様にしてSiN構造体が存在しないドット付きSi太陽電池を作製した。
(太陽電池セルの特性)
上記のようにして作製した太陽電池にAM1.5の擬似太陽光を照射し、室温における光電変換効率を評価した。その結果、SiN構造体の存在するドット付きSi太陽電池の光電変換効率は11.6%と良好な値を示した。一方、SiN構造体が存在しないナノメッシュ金属付きSi太陽電池の光電変換効率は10.0%であった。
(実施例14)(ナノメッシュ+SiO2薄膜)
以下の実施例においては、実施例1の電極1を電極つき基板として太陽電池を形成する。また、半導体層としてはポリシリコンを用いている。電極付き基板より上の構成については、図7と同じであるので、図7を使って説明する。各構成の材料については、以下に説明するとおりである。
SiH4とPH3の混合ガスでプラズマCVD法により電極付きガラス基板1へp型ポリシリコン12を5μm形成した。
次にそのまま連続してCVD法によりn+型ポリシリコン11を0.3μm形成した。次いで、CVD法によりn+層11上へSiO2膜200を5nm形成した。
次いで、SiO2膜200表面にAg101を蒸着法により30nm形成した(図7(a))。
次に、Ag101上へレジスト300(THMR IP3250、(株)東京応化工業)を乳酸エチル(EL)で1:2に希釈した溶液を2000rpm、30秒でスピンコートを行ったのち、ホットプレート上において110℃で90秒間加熱して溶媒を蒸発させた(図7(b))。レジスト300の膜厚は150nmであった。次いで、200nmのピッチ、大きさ100nm、高さ150nmの高さを持つ凸形状が形成された石英のモールド310(形状は9cm2内に形成されている)を用意し、レジスト付き基板を120℃に加熱した状態で石英のモールド310の凸形状がある方をレジスト300に10MPaの圧力で押し付けてインプリントを行った(図7(c))。インプリント後、基板1を室温まで冷却し石英モールド310をリリースした(図7(d))。インプリント後、レジスト300上へ200nmのピッチ大きさ100nm、深さ100nmの凹形状が形成された。
次に、凹パターンが形成されたレジストパターン300を、CF4:30sccm、10mTorr、RFパワー100Wの条件で30秒間エッチングを行った。CF4RIE後、レジスト300の底だしが行われAgが露出した(図7(e))。
次いで、イオンミリング装置を用いて、加速電圧500V、イオン電流40mAの条件で80秒間、Ag層101のエッチングを行って開口部を有する金属電極層を形成させた。イオンミリングによりAg層101に200nmピッチ、100nmの開口を有するパターンが形成された。残留したレジスト300を有機溶媒により取り除いた。
表電極の作製は、エポキシ系熱硬化型のAgペーストを用いたスクリーン印刷法により櫛型電極を作製し、ナノメッシュ電極付きSi太陽電池を完成させた(図7(f))。
比較のため、前述と同様にしてSiO2膜が存在しないナノメッシュ金属付きポリシリコン太陽電池を作製した。
(太陽電池セルの特性)
上記のようにして作製した太陽電池にAM1.5の擬似太陽光を照射し、室温における光電変換効率を評価した。その結果、SiO2膜5nm存在するナノメッシュ金属付きポリシリコン太陽電池の光電変換効率は8.5%と良好な値を示した。一方、SiO2膜が存在しないナノメッシュ金属付きポリシリコン太陽電池の光電変換効率は7.5%であった。
この結果から、ポリシリコン太陽電池においてもSiO2膜を挿入することで電場増強のピーク波長を短波長側にシフトしたことにより光電変換率が上昇したことを示した。
(実施例15)(ナノメッシュ+SiN薄膜)
本実施例が実施例14と異なる点は、波長変換層であるSiO2膜をSiN膜とした点である。電極より上の構成については図7の通りであるので図7を使って説明する。SiH4とPH3の混合ガスでプラズマCVD法により電極付きガラス基板へp型ポリシリコンを5μm形成した。
次にそのまま連続してCVD法によりn+型ポリシリコンを0.3μm形成した。次いで、CVD法によりn+層上へSiN膜を3nm形成した。
次いで、基板表面にAgを蒸着法により30nm形成した(図7(a))。
次に、基板表面に形成したAg上へレジスト(THMR IP3250、(株)東京応化工業)を乳酸エチル(EL)で1:2に希釈した溶液を2000rpm、30秒でスピンコートを行ったのち、ホットプレート上において110℃で90秒間加熱して溶媒を蒸発させた(図7(b))。レジストの膜厚は150nmであった。次いで、200nmのピッチ、大きさ100nm、高さ150nmの高さを持つ凸形状が形成された石英のモールド(形状は9cm2内に形成されている)を用意し、レジスト付き基板を120℃に加熱した状態で石英のモールドの凸形状がある方をレジストに10MPaの圧力で押し付けてインプリントを行った(図7(c))。インプリント後、基板を室温まで冷却し石英モールドをリリースした(図7(d))。インプリント後、レジスト上へ200nmのピッチ大きさ100nm、深さ100nmの凹形状が形成された。
次に、凹パターンが形成されたレジストパターンを、CF4:30sccm、10mTorr、RFパワー100Wの条件で30秒間エッチングを行った。CF4RIE後、レジストの底だしが行われAgが露出した(図7(e))。
次いで、イオンミリング装置を用いて、加速電圧500V、イオン電流40mAの条件で80秒間、Ag層のエッチングを行って開口部を有する金属電極層を形成させた。イオンミリングによりAgに200nmピッチ、100nmの開口を有するパターンが形成された。残留したレジストを有機溶媒により取り除いた。
表電極の作製は、エポキシ系熱硬化型のAgペーストを用いたスクリーン印刷法により櫛型電極を作製し、ナノメッシュ電極付きSi太陽電池を完成させた(図7(f))。
比較のため、前述と同様にしてSiN膜が存在しないナノメッシュ金属付きポリシリコン太陽電池を作製した。
(太陽電池セルの特性)
上記のようにして作製した太陽電池にAM1.5の擬似太陽光を照射し、室温における光電変換効率を評価した。その結果、SiN膜3nm存在するナノメッシュ金属付きポリシリコン太陽電池の光電変換効率は8.0%と良好な値を示した。一方、SiO2膜が存在しないナノメッシュ金属付きポリシリコン太陽電池の光電変換効率は7.5%であった。
この結果から、ポリシリコン太陽電池においてもSiN膜を挿入することで電場増強のピーク波長を短波長側にシフトしたことにより光電変換率が上昇したことを示した。
(実施例16)(ナノメッシュ+SiON薄膜)
本実施例が実施例14と異なる点は、波長変換層であるSiO2膜をSiON膜とした点である。構成については図7を使って説明する。
SiH4とPH3の混合ガスでプラズマCVD法により電極付きガラス基板へp型ポリシリコンを5μm形成した。
次にそのまま連続してCVD法によりn+型ポリシリコンを0.3μm形成した。次いで、CVD法によりn+層上へSiN膜を3nm形成した。
次いで、基板表面にAuを蒸着法により30nm形成した(図7(a))。
次に、基板表面に形成したAu上へレジスト(THMR IP3250、(株)東京応化工業)を乳酸エチル(EL)で1:2に希釈した溶液を2000rpm、30秒でスピンコートを行ったのち、ホットプレート上において110℃で90秒間加熱して溶媒を蒸発させた(図7(b))。レジストの膜厚は150nmであった。次いで、200nmのピッチ、大きさ100nm、高さ150nmの高さを持つ凸形状が形成された石英のモールド(形状は9cm2内に形成されている)を用意し、レジスト付き基板を120℃に加熱した状態で石英のモールドの凸形状がある方をレジストに10MPaの圧力で押し付けてインプリントを行った(図7(c))。インプリント後、基板を室温まで冷却し石英モールドをリリースした(図7(d))。インプリント後、レジスト上へ200nmのピッチ大きさ100nm、深さ100nmの凹形状が形成された。
次に、凹パターンが形成されたレジストパターンを、CF4:30sccm、10mTorr、RFパワー100Wの条件で30秒間エッチングを行った。CF4RIE後、レジストの底だしが行われAgが露出した(図7(e))。
次いで、イオンミリング装置を用いて、加速電圧500V、イオン電流40mAの条件で90秒間、Au層のエッチングを行って開口部を有する金属電極層を形成させた。イオンミリングによりAuに200nmピッチ、100nmの開口を有するパターンが形成された。残留したレジストを有機溶媒により取り除いた。
表電極の作製は、エポキシ系熱硬化型のAgペーストを用いたスクリーン印刷法により櫛型電極を作製し、ナノメッシュ電極付きSi太陽電池を完成させた(図7(f))。
比較のため、前述と同様にしてSiN膜が存在しないナノメッシュ金属付きポリシリコン太陽電池を作製した。
(太陽電池セルの特性)
上記のようにして作製した太陽電池にAM1.5の擬似太陽光を照射し、室温における光電変換効率を評価した。その結果、SiON膜3nm存在するナノメッシュ金属付きポリシリコン太陽電池の光電変換効率は8.2%と良好な値を示した。一方、SiON膜が存在しないナノメッシュ金属付きポリシリコン太陽電池の光電変換効率は7.5%であった。
この結果から、ポリシリコン太陽電池においてもSiON膜を挿入することで電場増強のピーク波長を短波長側にシフトしたことにより光電変換率が上昇したことを示した。
(実施例17)(ドット+SiO2薄膜)
本実施例が実施例14と異なる点は、波長変換層であるSiO2膜をSiO2膜とし、微細構造体を積層方向に垂直な平面に広がるドット状に配置された微小体とした点である。構成については図7を使って説明する。
SiH4とPH3の混合ガスでプラズマCVD法により電極付きガラス基板へp型ポリシリコンを5μm形成した。電極より上の構成については、図7と同じであるので、図7を使って説明する。各構成の材料については、以下に説明するとおりである。
次にそのまま連続してCVD法によりn+型ポリシリコンを0.3μm形成した。次いで、CVD法によりn+層上へSiO2膜を3nm形成した。
次いで、基板表面にAuを蒸着法により30nm形成した(図7(a))。
次に、基板表面に形成したAu上へレジスト(THMR IP3250、(株)東京応化工業)を乳酸エチル(EL)で1:2に希釈した溶液を3000rpm、30秒でスピンコートを行ったのち、ホットプレート上において110℃で90秒間加熱して溶媒を蒸発させた(図7(b))。レジストの膜厚は120nmであった。次いで、大きさ60nm、高さ100nmの高さを持つ凹形状が形成された石英のモールド(形状は9cm2内に形成されている)を用意し、レジスト付き基板を120℃に加熱した状態で石英のモールドの凸形状がある方をレジストに10MPaの圧力で押し付けてインプリントを行った(図7(c))。インプリント後、基板を室温まで冷却し石英モールドをリリースした(図(d))。インプリント後、レジスト上へドット状で大きさ60nm、深さ70nmの凹形状が形成された。
次に、凹パターンが形成されたレジストパターンを、O2:30sccm、10mTorr、RFパワー100Wの条件で30秒間エッチングを行った。O2RIE後、レジストの底だしが行われAuが露出した(図7(e))。
次いで、イオンミリング装置を用いて、加速電圧500V、イオン電流40mAの条件で60秒間、Au層のエッチングを行って開口部を有する金属電極層を形成させた。イオンミリングによりAuにドット状で大きさ60nmのパターンが形成された。残留したレジストを有機溶媒により取り除いた。
表電極の作製は、エポキシ系熱硬化型のAgペーストを用いたスクリーン印刷法により櫛型電極を作製し、ドット付きポリシリコン太陽電池を完成させた(図7(f))。
比較のため、前述と同様にしてSiO2膜が存在しないドット付きポリシリコン太陽電池を作製した。
(太陽電池セルの特性)
上記のようにして作製した太陽電池にAM1.5の擬似太陽光を照射し、室温における光電変換効率を評価した。その結果、SiO2膜3nm存在するドット付きポリシリコン太陽電池の光電変換効率は8.5%と良好な値を示した。一方、SiO2膜が存在しないナノメッシュ金属付きポリシリコン太陽電池の光電変換効率は7.5%であった。
(実施例18)(ドット+SiON薄膜)
本実施例が実施例14と異なる点は、波長変換層であるSiO2膜をSiON膜とし、微細構造体を積層方向に垂直な平面に広がるドット状に配置された微小体とした点である。構成については図7を使って説明する。
SiH4とPH3の混合ガスでプラズマCVD法により電極付きガラス基板へp型ポリシリコンを5μm形成した。電極より上の構成については、図7と同じであるので、図7を使って説明する。各構成の材料については、以下に説明するとおりである。
次にそのまま連続してCVD法によりn+型ポリシリコンを0.3μm形成した。次いで、CVD法によりn+層上へSiON膜を4nm形成した。
次いで、基板表面にAgを蒸着法により30nm形成した(図7(a))。
次に、基板表面に形成したAg上へレジスト(THMR IP3250、(株)東京応化工業)を乳酸エチル(EL)で1:2に希釈した溶液を3000rpm、30秒でスピンコートを行ったのち、ホットプレート上において110℃で90秒間加熱して溶媒を蒸発させた(図7(b))。レジストの膜厚は120nmであった。次いで、大きさ60nm、高さ100nmの高さを持つ凹形状が形成された石英のモールド(形状は9cm2内に形成されている)を用意し、レジスト付き基板を120℃に加熱した状態で石英のモールドの凸形状がある方をレジストに10MPaの圧力で押し付けてインプリントを行った(図7(c))。インプリント後、基板を室温まで冷却し石英モールドをリリースした(図7(d))。インプリント後、レジスト上へドット状で大きさ60nm、深さ70nmの凹形状が形成された。
次に、凹パターンが形成されたレジストパターンを、O2:30sccm、10mTorr、RFパワー100Wの条件で30秒間エッチングを行った。O2RIE後、レジストの底だしが行われAgが露出した(図7(e))。
次いで、イオンミリング装置を用いて、加速電圧500V、イオン電流40mAの条件で60秒間、Ag層のエッチングを行って開口部を有する金属電極層を形成させた。イオンミリングによりAgにドット状で大きさ60nmのパターンが形成された。残留したレジストを有機溶媒により取り除いた。
表電極の作製は、エポキシ系熱硬化型のAgペーストを用いたスクリーン印刷法により櫛型電極を作製し、ドット付きSi太陽電池を完成させた(図7(f))。
比較のため、前述と同様にしてSiON膜が存在しないドット付きポリシリコン太陽電池を作製した。
(太陽電池セルの特性)
上記のようにして作製した太陽電池にAM1.5の擬似太陽光を照射し、室温における光電変換効率を評価した。その結果、SiON膜4nm存在するドット付きポリシリコン太陽電池の光電変換効率は8.3%と良好な値を示した。一方、SiON膜が存在しないナノメッシュ金属付きポリシリコン太陽電池の光電変換効率は7.5%であった。
(実施例19)(ナノメッシュ+SiN構造体)
本実施例が実施例14と異なる点は、波長変換層であるSiO2膜をSiNの柱状の構造体とした点である。構成については図5、6を使って説明する。
SiH4とPH3の混合ガスでプラズマCVD法により電極付きガラス基板1へp型ポリシリコン12を5μm形成した。
次にそのまま連続してCVD法によりn+型ポリシリコン11を0.3μm形成した。
次に、n+層11上へ有機SOG組成物500(OCD−T7 5500−T(商品名)、東京応化工業株式会社製)をELで1:1に希釈した溶液を3000rpm、30秒でスピンコートを行ったのち、ホットプレート上において110℃で90秒間加熱して溶媒を蒸発させた。次いでレジストを窒素雰囲気下において250℃でアニール行い熱硬化させた。硬化後の膜厚は50nmであった。
次いで、PS401(Mw58000):PMMA402(Mw:130000)のブロックポリマーに、PMMA402(Mw:1500)を重量比6:4で混合したポリマーをプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)に2wt%で溶かした液をスピンコート法で2000rpm、30秒で塗布した後、110℃,90秒でプリベークして溶剤を気化し80nmの膜厚を得た。
次いで、窒素雰囲気中で210℃,4時間のアニールを行い、PS401とPMMA402の相分離を行い、直径70nm程度のポリスチレンのドットパターンを形成した(図5(a))。
その後、O2 =30sccm、圧力13.3Pa(100mTorr)、パワー=100Wの条件下で15秒間RIEすることにより、相分離したPS−PMMAのうちPMMAを選択的にエッチングしPSドットパターン403を形成した(図5(b))。
次いで、PSドットパターン403をマスクとして、CF4流量30sccm、圧力1.33Pa(10mTorr)、パワー100Wで90秒間エッチングしSOGドットパターン501を形成した(図5(c))。
次いで、そのSOGドットパターン501をマスクとして、Cl2:15sccm、Ar:15sccm、RFパワー100Wの条件でRIEを60秒間行った。塩素ガスRIE後、n+層中へ大きさ40nm、高さ50nmのピラーパターン121が形成された(図5(d))。
次いで、ピラーパターンが形成されたn+層上へALD(Atomic Layer Deposition)法によりSiN膜203を形成し、Siピラーパターン121をSiN203で埋め込んだ(図5(e))。
次いで、埋め込んでn+層11上へ形成されたSiNを除去するため、CF4流量30sccm、圧力1.33Pa(10mTorr)、パワー100Wで30秒間エッチングしn+層を露出させた。以上の工程でn+層中へSiNの微細な構造体を形成した(図5(f))。
次いで、基板表面にAu101を蒸着法により30nm形成した(図6(g))。
次に、基板表面に形成したAu101上へレジスト300(THMR IP3250、(株)東京応化工業)を乳酸エチル(EL)で1:2に希釈した溶液を2000rpm、30秒でスピンコートを行ったのち、ホットプレート上において110℃で90秒間加熱して溶媒を蒸発させた(図6(h))。レジスト300の膜厚は150nmであった。次いで、200nmのピッチ、大きさ100nm、高さ150nmの高さを持つ凸形状が形成された石英のモールド310(形状は9cm2内に形成されている)を用意し、レジスト300付き基板を120℃に加熱した状態で石英のモールド310の凸形状がある方に10MPaの圧力で押し付けてインプリントを行った(図6(i))。インプリント後、基板を室温まで冷却し石英モールドをリリースした(図6(j))。インプリント後、レジスト300上へ200nmのピッチ大きさ100nm、深さ100nmの凹形状が形成された。
次に、凹パターンが形成されたレジストパターンを、CF4:30sccm、10mTorr、RFパワー100Wの条件で30秒間エッチングを行った。CF4RIE後、レジストの底だしが行われAu101露出した(図6(k))。
次いで、イオンミリング装置を用いて、加速電圧500V、イオン電流40mAの条件で80秒間、Au層101のエッチングを行って開口部を有する金属電極層101を形成させた。イオンミリングによりAuに200nmピッチ、100nmの開口を有するパターンが形成された。残留したレジストを有機溶媒により取り除いた。
表電極の作製は、エポキシ系熱硬化型のAgペーストを用いたスクリーン印刷法により櫛型電極を作製し、ナノメッシュ電極付きポリシリコン太陽電池を完成させた(図6(l))。
比較のため、前述と同様にしてSiN膜が存在しないナノメッシュ金属付きポリシリコン太陽電池を作製した。
(太陽電池セルの特性)
上記のようにして作製した太陽電池にAM1.5の擬似太陽光を照射し、室温における光電変換効率を評価した。その結果、SiN構造体を有するナノメッシュ金属付きポリシリコン太陽電池の光電変換効率は8.2%と良好な値を示した。一方、SiN構造体が存在しないナノメッシュ金属付きポリシリコン太陽電池の光電変換効率は7.5%であった。
(実施例20)(ドット+SiO2構造体)
本実施例が実施例14と異なる点は、波長変換層であるSiO2膜をSiO2の柱状の構造体とし、微細構造体をドット状に配置された微小体とした点である。構成については図5、6を使って説明する。
SiH4とPH3の混合ガスでプラズマCVD法により電極付きガラス基板へp型ポリシリコンを5μm形成した。
次にそのまま連続してCVD法によりn+型ポリシリコンを0.3μm形成した。次に、n+層上へ有機SOG組成物(OCD−T7 5500−T(商品名)、東京応化工業株式会社製)をELで1:1に希釈した溶液を3000rpm、30秒でスピンコートを行ったのち、ホットプレート上において110℃で90秒間加熱して溶媒を蒸発させた。次いでレジストを窒素雰囲気下において250℃でアニール行い熱硬化させた。硬化後の膜厚は50nmであった。
次いで、PS(Mw58000):PMMA(Mw:130000)のブロックポリマーに、PMMA(Mw:1500)を重量比6:4で混合したポリマーをプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)に2wt%で溶かした液をスピンコート法で2000rpm、30秒で塗布した後、110℃,90秒でプリベークして溶剤を気化し80nmの膜厚を得た。
次いで、窒素雰囲気中で210℃,4時間のアニールを行い、PSとPMMAの相分離を行い、直径70nm程度のポリスチレンのドットパターンを形成した(図5(a))。
その後、O2 =30sccm、圧力13.3Pa(100mTorr)、パワー=100Wの条件下で15秒間RIEすることにより、相分離したPS−PMMAのうちPMMAを選択的にエッチングしPSドットパターンを形成した(図5(b))。
次いで、PSドットパターンをマスクとして、CF4流量30sccm、圧力1.33Pa(10mTorr)、パワー100Wで90秒間エッチングしSOGドットパターンを形成した(図5(c))。
次いで、そのSOGドットパターンをマスクとして、Cl2:15sccm、Ar:15sccm、RFパワー100Wの条件でRIEを60秒間行った。塩素ガスRIE後、n+層中へ大きさ40nm、高さ50nmのピラーパターンが形成された(図5(d))。
次いで、ピラーパターンが形成されたn+層上へALD(Atomic Layer Deposition)法によりSiO2膜を形成し、SiピラーパターンをSiO2で埋め込んだ(図5(e))。
次いで、埋め込んでn+層上へ形成されたSiO2を除去するため、CF4流量30sccm、圧力1.33Pa(10mTorr)、パワー100Wで30秒間エッチングしn+層を露出させた。以上の工程でn+層中へSiO2の微細な構造体を形成した(図5(f))。
次いで、基板表面にAgを蒸着法により30nm形成した(図6(g))。
次に、基板表面に形成したAg上へレジスト(THMR IP3250、(株)東京応化工業)を乳酸エチル(EL)で1:2に希釈した溶液を3000rpm、30秒でスピンコートを行ったのち、ホットプレート上において110℃で90秒間加熱して溶媒を蒸発させた(図6(h))。レジストの膜厚は120nmであった。次いで、大きさ60nm、高さ100nmの高さを持つ凹形状が形成された石英のモールド(形状は9cm2内に形成されている)を用意し、レジスト付き基板を120℃に加熱した状態で石英のモールドの凸形状がある方をレジストに10MPaの圧力で押し付けてインプリントを行った(図8(i))。インプリント後、基板を室温まで冷却し石英モールドをリリースした(図6(j))。インプリント後、レジスト上へドット状で大きさ60nm、深さ70nmの凹形状が形成された。
次に、凹パターンが形成されたレジストパターンを、CF4:30sccm、10mTorr、RFパワー100Wの条件で30秒間エッチングを行った。CF4RIE後、レジストの底だしが行われAgが露出した(図6(k))。
次いで、イオンミリング装置を用いて、加速電圧500V、イオン電流40mAの条件で60秒間、Ag層のエッチングを行って開口部を有する金属電極層を形成させた。イオンミリングによりAgにドット状で大きさ60nmのパターンが形成された。残留したレジストを有機溶媒により取り除いた。
表電極の作製は、エポキシ系熱硬化型のAgペーストを用いたスクリーン印刷法により櫛型電極を作製し、ドット付きポリシリコン太陽電池を完成させた(図6(l))。
比較のため、前述と同様にしてSiO2構造体が存在しないドット付きポリシリコン太陽電池を作製した。
(太陽電池セルの特性)
上記のようにして作製した太陽電池にAM1.5の擬似太陽光を照射し、室温における光電変換効率を評価した。その結果、SiO2構造体の存在するドット付きポリシリコン太陽電池の光電変換効率は8.0%と良好な値を示した。一方、SiO2構造体が存在しないドット付きポリシリコン太陽電池の光電変換効率は7.5%であった。
(実施例21)(ナノメッシュ+SiO2薄膜)
以下の実施例においては、半導体層としてアモルファスシリコンを用いている。メッシュ状の微細構造体を用い、波長変換層としてSiO2薄膜を用いる。構成については図7を使って説明する。
SiH4とPH3の混合ガスでプラズマCVD法により電極付きガラス基板へp型アモルファスシリコンを5μm形成した。
次にそのまま連続してCVD法によりn+型アモルファスシリコンを0.3μm形成した。次いで、CVD法によりn+層上へSiO2膜を5nm形成した。
次いで、基板表面にAgを蒸着法により30nm形成した(図7(a))。
次に、基板表面に形成したAg上へレジスト(THMR IP3250、(株)東京応化工業)を乳酸エチル(EL)で1:2に希釈した溶液を2000rpm、30秒でスピンコートを行ったのち、ホットプレート上において110℃で90秒間加熱して溶媒を蒸発させた(図7(b))。レジストの膜厚は150nmであった。次いで、200nmのピッチ、大きさ100nm、高さ150nmの高さを持つ凸形状が形成された石英のモールド(形状は9cm2内に形成されている)を用意し、レジスト付き基板を120℃に加熱した状態で石英のモールドの凸形状がある方をレジストに10MPaの圧力で押し付けてインプリントを行った(図7(c))。インプリント後、基板を室温まで冷却し石英モールドをリリースした(図7(d))。インプリント後、レジスト上へ200nmのピッチ大きさ100nm、深さ100nmの凹形状が形成された。
次に、凹パターンが形成されたレジストパターンを、CF4:30sccm、10mTorr、RFパワー100Wの条件で30秒間エッチングを行った。CF4RIE後、レジストの底だしが行われAgが露出した(図7(e))。
次いで、イオンミリング装置を用いて、加速電圧500V、イオン電流40mAの条件で80秒間、Ag層のエッチングを行って開口部を有する金属電極層を形成させた。イオンミリングによりAgに200nmピッチ、100nmの開口を有するパターンが形成された。残留したレジストを有機溶媒により取り除いた。
表電極の作製は、エポキシ系熱硬化型のAgペーストを用いたスクリーン印刷法により櫛型電極を作製し、ナノメッシュ電極付きSi太陽電池を完成させた(図7(f))。
比較のため、前述と同様にしてSiO2膜が存在しないナノメッシュ金属付きアモルファスシリコン太陽電池を作製した。
(太陽電池セルの特性)
上記のようにして作製した太陽電池にAM1.5の擬似太陽光を照射し、室温における光電変換効率を評価した。その結果、SiO2膜5nm存在するナノメッシュ金属付きアモルファスシリコン太陽電池の光電変換効率は6.5%と良好な値を示した。一方、SiO2膜が存在しないナノメッシュ金属付きアモルファスシリコン太陽電池の光電変換効率は5.0%であった。
この結果から、アモルファスシリコン太陽電池においてもSiO2膜を挿入することで電場増強のピーク波長を短波長側にシフトしたことにより光電変換率が上昇したことを示した。
(実施例22)(ナノメッシュ+SiN薄膜)
本実施例と実施例21の異なる点は、波長変換層としてSiO2薄膜の変わりにSiN薄膜を用いている点である。構成については図7を使って説明する。
SiH4とPH3の混合ガスでプラズマCVD法により電極付きガラス基板へp型アモルファスシリコンを5μm形成した。
次にそのまま連続してCVD法によりn+型アモルファスシリコンを0.3μm形成した。次いで、CVD法によりn+層上へSiN膜を3nm形成した。
次いで、基板表面にAgを蒸着法により30nm形成した(図7(a))。
次に、基板表面に形成したAg上へレジスト(THMR IP3250、(株)東京応化工業)を乳酸エチル(EL)で1:2に希釈した溶液を2000rpm、30秒でスピンコートを行ったのち、ホットプレート上において110℃で90秒間加熱して溶媒を蒸発させた(図7(b))。レジストの膜厚は150nmであった。次いで、200nmのピッチ、大きさ100nm、高さ150nmの高さを持つ凸形状が形成された石英のモールド(形状は9cm2内に形成されている)を用意し、レジスト付き基板を120℃に加熱した状態で石英のモールドの凸形状がある方をレジストに10MPaの圧力で押し付けてインプリントを行った(図7(c))。インプリント後、基板を室温まで冷却し石英モールドをリリースした(図7(d))。インプリント後、レジスト上へ200nmのピッチ大きさ100nm、深さ100nmの凹形状が形成された。
次に、凹パターンが形成されたレジストパターンを、CF4:30sccm、10mTorr、RFパワー100Wの条件で30秒間エッチングを行った。CF4RIE後、レジストの底だしが行われAgが露出した(図7(e))。
次いで、イオンミリング装置を用いて、加速電圧500V、イオン電流40mAの条件で80秒間、Ag層のエッチングを行って開口部を有する金属電極層を形成させた。イオンミリングによりAgに200nmピッチ、100nmの開口を有するパターンが形成された。残留したレジストを有機溶媒により取り除いた。
表電極の作製は、エポキシ系熱硬化型のAgペーストを用いたスクリーン印刷法により櫛型電極を作製し、ナノメッシュ電極付きSi太陽電池を完成させた(図7(f))。
比較のため、前述と同様にしてSiN膜が存在しないナノメッシュ金属付きアモルファスシリコン太陽電池を作製した。
(太陽電池セルの特性)
上記のようにして作製した太陽電池にAM1.5の擬似太陽光を照射し、室温における光電変換効率を評価した。その結果、SiN膜3nm存在するナノメッシュ金属付きアモルファスシリコン太陽電池の光電変換効率は6.3%と良好な値を示した。一方、SiO2膜が存在しないナノメッシュ金属付きアモルファスシリコン太陽電池の光電変換効率は5.0%であった。
この結果から、アモルファスシリコン太陽電池においてもSiN膜を挿入することで電場増強のピーク波長を短波長側にシフトしたことにより光電変換率が上昇したことを示した。
(実施例23)(ナノメッシュ+SiON薄膜)
本実施例と実施例21の異なる点は、波長変換層としてSiO2薄膜の変わりにSiON薄膜を用いている点である。構成については図7を使って説明する。
SiH4とPH3の混合ガスでプラズマCVD法により電極付きガラス基板へp型アモルファスシリコンを5μm形成した。
次にそのまま連続してCVD法によりn+型アモルファスシリコンを0.3μm形成した。次いで、CVD法によりn+層上へSiN膜を3nm形成した。
次いで、基板表面にAuを蒸着法により30nm形成した(図7(a))。
次に、基板表面に形成したAu上へレジスト(THMR IP3250、(株)東京応化工業)を乳酸エチル(EL)で1:2に希釈した溶液を2000rpm、30秒でスピンコートを行ったのち、ホットプレート上において110℃で90秒間加熱して溶媒を蒸発させた(図7(b))。レジストの膜厚は150nmであった。次いで、200nmのピッチ、大きさ100nm、高さ150nmの高さを持つ凸形状が形成された石英のモールド(形状は9cm2内に形成されている)を用意し、レジスト付き基板を120℃に加熱した状態で石英のモールドの凸形状がある方をレジストに10MPaの圧力で押し付けてインプリントを行った(図7(c))。インプリント後、基板を室温まで冷却し石英モールドをリリースした(図7(d))。インプリント後、レジスト上へ200nmのピッチ大きさ100nm、深さ100nmの凹形状が形成された。
次に、凹パターンが形成されたレジストパターンを、CF4:30sccm、10mTorr、RFパワー100Wの条件で30秒間エッチングを行った。CF4RIE後、レジストの底だしが行われAgが露出した(図7(e))。
次いで、イオンミリング装置を用いて、加速電圧500V、イオン電流40mAの条件で90秒間、Au層のエッチングを行って開口部を有する金属電極層を形成させた。イオンミリングによりAuに200nmピッチ、100nmの開口を有するパターンが形成された。残留したレジストを有機溶媒により取り除いた。
表電極の作製は、エポキシ系熱硬化型のAgペーストを用いたスクリーン印刷法により櫛型電極を作製し、ナノメッシュ電極付きSi太陽電池を完成させた(図7(f))。
比較のため、前述と同様にしてSiN膜が存在しないナノメッシュ金属付きアモルファスシリコン太陽電池を作製した。
(太陽電池セルの特性)
上記のようにして作製した太陽電池にAM1.5の擬似太陽光を照射し、室温における光電変換効率を評価した。その結果、SiON膜3nm存在するナノメッシュ金属付きアモルファスシリコン太陽電池の光電変換効率は6.4%と良好な値を示した。一方、SiON膜が存在しないナノメッシュ金属付きアモルファスシリコン太陽電池の光電変換効率は5.0%であった。
この結果から、アモルファスシリコン太陽電池においてもSiON膜を挿入することで電場増強のピーク波長を短波長側にシフトしたことにより光電変換率が上昇したことを示した。
(実施例24)(ドット+SiO2薄膜)
本実施例と実施例21の異なる点は、微細構造体を積層方向に垂直な平面に広がるドット状に配置された微小体とする点である。構成については図7を使って説明する。
SiH4とPH3の混合ガスでプラズマCVD法により電極付きガラス基板へp型アモルファスシリコンを5μm形成した。
次にそのまま連続してCVD法によりn+型アモルファスシリコンを0.3μm形成した。次いで、CVD法によりn+層上へSiO2膜を3nm形成した。
次いで、基板表面にAuを蒸着法により30nm形成した(図7(a))。
次に、基板表面に形成したAu上へレジスト(THMR IP3250、(株)東京応化工業)を乳酸エチル(EL)で1:2に希釈した溶液を3000rpm、30秒でスピンコートを行ったのち、ホットプレート上において110℃で90秒間加熱して溶媒を蒸発させた(図7(b))。レジストの膜厚は120nmであった。次いで、大きさ60nm、高さ100nmの高さを持つ凹形状が形成された石英のモールド(形状は9cm2内に形成されている)を用意し、レジスト付き基板を120℃に加熱した状態で石英のモールドの凸形状がある方をレジストに10MPaの圧力で押し付けてインプリントを行った(図7(c))。インプリント後、基板を室温まで冷却し石英モールドをリリースした(図7(d))。インプリント後、レジスト上へドット状で大きさ60nm、深さ70nmの凹形状が形成された。
次に、凹パターンが形成されたレジストパターンを、O2:30sccm、10mTorr、RFパワー100Wの条件で30秒間エッチングを行った。O2RIE後、レジストの底だしが行われAuが露出した(図7(e))。
次いで、イオンミリング装置を用いて、加速電圧500V、イオン電流40mAの条件で60秒間、Au層のエッチングを行って開口部を有する金属電極層を形成させた。イオンミリングによりAuにドット状で大きさ60nmのパターンが形成された。残留したレジストを有機溶媒により取り除いた。
表電極の作製は、エポキシ系熱硬化型のAgペーストを用いたスクリーン印刷法により櫛型電極を作製し、ドット付きアモルファスシリコン太陽電池を完成させた(図7(f))。
比較のため、前述と同様にしてSiO2膜が存在しないドット付きアモルファスシリコン太陽電池を作製した。
(太陽電池セルの特性)
上記のようにして作製した太陽電池にAM1.5の擬似太陽光を照射し、室温における光電変換効率を評価した。その結果、SiO2膜3nm存在するドット付きアモルファスシリコン太陽電池の光電変換効率は6.3%と良好な値を示した。一方、SiO2膜が存在しないナノメッシュ金属付きアモルファスシリコン太陽電池の光電変換効率は5.0%であった。
(実施例25)(ドット+SiON薄膜)
本実施例と実施例21の異なる点は、金属電極を積層方向に垂直な平面に広がるドット状とし、波長変換層としてSiO2薄膜の変わりにSiON薄膜を用いている点である。構成については図7を使って説明する。
SiH4とPH3の混合ガスでプラズマCVD法により電極付きガラス基板へp型アモルファスシリコンを5μm形成した。
次にそのまま連続してCVD法によりn+型アモルファスシリコンを0.3μm形成した。次いで、CVD法によりn+層上へSiON膜を4nm形成した。
次いで、基板表面にAgを蒸着法により30nm形成した(図7(a))。
次に、基板表面に形成したAg上へレジスト(THMR IP3250、(株)東京応化工業)を乳酸エチル(EL)で1:2に希釈した溶液を3000rpm、30秒でスピンコートを行ったのち、ホットプレート上において110℃で90秒間加熱して溶媒を蒸発させた(図7(b))。レジストの膜厚は120nmであった。次いで、大きさ60nm、高さ100nmの高さを持つ凹形状が形成された石英のモールド(形状は9cm2内に形成されている)を用意し、レジスト付き基板を120℃に加熱した状態で石英のモールドの凸形状がある方をレジストに10MPaの圧力で押し付けてインプリントを行った(図7(c))。インプリント後、基板を室温まで冷却し石英モールドをリリースした(図7(d))。インプリント後、レジスト上へドット状で大きさ60nm、深さ70nmの凹形状が形成された。
次に、凹パターンが形成されたレジストパターンを、O2:30sccm、10mTorr、RFパワー100Wの条件で30秒間エッチングを行った。O2RIE後、レジストの底だしが行われAgが露出した(図7(e))。
次いで、イオンミリング装置を用いて、加速電圧500V、イオン電流40mAの条件で60秒間、Ag層のエッチングを行って開口部を有する金属電極層を形成させた。イオンミリングによりAgにドット状で大きさ60nmのパターンが形成された。残留したレジストを有機溶媒により取り除いた。
表電極の作製は、エポキシ系熱硬化型のAgペーストを用いたスクリーン印刷法により櫛型電極を作製し、ドット付きSi太陽電池を完成させた(図7(f))。
比較のため、前述と同様にしてSiON膜が存在しないドット付きアモルファスシリコン太陽電池を作製した。
(太陽電池セルの特性)
上記のようにして作製した太陽電池にAM1.5の擬似太陽光を照射し、室温における光電変換効率を評価した。その結果、SiON膜4nm存在するドット付きアモルファスシリコン太陽電池の光電変換効率は6.2%と良好な値を示した。一方、SiON膜が存在しないナノメッシュ金属付きアモルファスシリコン太陽電池の光電変換効率は5.0%であった。
(実施例26)(ナノメッシュ+SiN構造体)
本実施例と実施例21の異なる点は、波長変換層としてSiO2薄膜の変わりに柱状のSiN構造体を用いている点である。構成については図5、6を使って説明する。
SiH4とPH3の混合ガスでプラズマCVD法により電極付きガラス基板へp型アモルファスシリコンを5μm形成した。
次にそのまま連続してCVD法によりn+型アモルファスシリコンを0.3μm形成した。次に、n+層上へ有機SOG組成物(OCD−T7 5500−T(商品名)、東京応化工業株式会社製)をELで1:1に希釈した溶液を3000rpm、30秒でスピンコートを行ったのち、ホットプレート上において110℃で90秒間加熱して溶媒を蒸発させた。次いでレジストを窒素雰囲気下において250℃でアニール行い熱硬化させた。硬化後の膜厚は50nmであった。
次いで、PS(Mw58000):PMMA(Mw:130000)のブロックポリマーに、PMMA(Mw:1500)を重量比6:4で混合したポリマーをプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)に2wt%で溶かした液をスピンコート法で2000rpm、30秒で塗布した後、110℃,90秒でプリベークして溶剤を気化し80nmの膜厚を得た。
次いで、窒素雰囲気中で210℃,4時間のアニールを行い、PSとPMMAの相分離を行い、直径70nm程度のポリスチレンのドットパターンを形成した(図5(a))。
その後、O2 =30sccm、圧力13.3Pa(100mTorr)、パワー=100Wの条件下で15秒間RIEすることにより、相分離したPS−PMMAのうちPMMAを選択的にエッチングしPSドットパターンを形成した(図5(b))。
次いで、PSドットパターンをマスクとして、CF4流量30sccm、圧力1.33Pa(10mTorr)、パワー100Wで90秒間エッチングしSOGドットパターンを形成した(図5(c))。
次いで、そのSOGドットパターンをマスクとして、Cl2:15sccm、Ar:15sccm、RFパワー100Wの条件でRIEを60秒間行った。塩素ガスRIE後、n+層中へ大きさ40nm、高さ50nmのピラーパターンが形成された(図5(d))。
次いで、ピラーパターンが形成されたn+層上へALD(Atomic Layer Deposition)法によりSiN膜を形成し、SiピラーパターンをSiNで埋め込んだ(図5(e))。
次いで、埋め込んでn+層上へ形成されたSiNを除去するため、CF4流量30sccm、圧力1.33Pa(10mTorr)、パワー100Wで30秒間エッチングしn+層を露出させた。以上の工程でn+層中へSiNの微細な構造体を形成した(図5(f))。
次いで、基板表面にAuを蒸着法により30nm形成した(図6(g))。
次に、基板表面に形成したAu上へレジスト(THMR IP3250、(株)東京応化工業)を乳酸エチル(EL)で1:2に希釈した溶液を2000rpm、30秒でスピンコートを行ったのち、ホットプレート上において110℃で90秒間加熱して溶媒を蒸発させた(図6(h))。レジストの膜厚は150nmであった。次いで、200nmのピッチ、大きさ100nm、高さ150nmの高さを持つ凸形状が形成された石英のモールド(形状は9cm2内に形成されている)を用意し、レジスト付き基板を120℃に加熱した状態で石英のモールドの凸形状がある方をレジストに10MPaの圧力で押し付けてインプリントを行った(図6(i))。インプリント後、基板を室温まで冷却し石英モールドをリリースした(図6(j))。インプリント後、レジスト上へ200nmのピッチ大きさ100nm、深さ100nmの凹形状が形成された。
次に、凹パターンが形成されたレジストパターンを、CF4:30sccm、10mTorr、RFパワー100Wの条件で30秒間エッチングを行った。CF4RIE後、レジストの底だしが行われAu露出した(図6(k))。
次いで、イオンミリング装置を用いて、加速電圧500V、イオン電流40mAの条件で80秒間、Au層のエッチングを行って開口部を有する金属電極層を形成させた。イオンミリングによりAuに200nmピッチ、100nmの開口を有するパターンが形成された。残留したレジストを有機溶媒により取り除いた。
表電極の作製は、エポキシ系熱硬化型のAgペーストを用いたスクリーン印刷法により櫛型電極を作製し、ナノメッシュ電極付きアモルファスシリコン太陽電池を完成させた(図6(l))。
比較のため、前述と同様にしてSiN膜が存在しないナノメッシュ金属付きアモルファスシリコン太陽電池を作製した。
(太陽電池セルの特性)
上記のようにして作製した太陽電池にAM1.5の擬似太陽光を照射し、室温における光電変換効率を評価した。その結果、SiN構造体を有するナノメッシュ金属付きアモルファスシリコン太陽電池の光電変換効率は5.9%と良好な値を示した。一方、SiN構造体が存在しないナノメッシュ金属付きアモルファスシリコン太陽電池の光電変換効率は5.0%であった。
(実施例27)(ドット+SiO2構造体)
本実施例と実施例21の異なる点は、波長変換層としてSiO2薄膜の変わりに柱状のSiO2構造体を用い、微細構造体を積層方向に垂直な平面に広がるドット状に配置された微小体としている点である。構成については図7を使って説明する。
SiH4とPH3の混合ガスでプラズマCVD法により電極付きガラス基板へp型アモルファスシリコンを5μm形成した。電極より上の構成については、図5、6と同じであるので、図5、6を使って説明する。各構成の材料については、以下に説明するとおりである。
次にそのまま連続してCVD法によりn+型アモルファスシリコンを0.3μm形成した。次に、n+層上へ有機SOG組成物(OCD−T7 5500−T(商品名)、東京応化工業株式会社製)をELで1:1に希釈した溶液を3000rpm、30秒でスピンコートを行ったのち、ホットプレート上において110℃で90秒間加熱して溶媒を蒸発させた。次いでレジストを窒素雰囲気下において250℃でアニール行い熱硬化させた。硬化後の膜厚は50nmであった。
次いで、PS(Mw58000):PMMA(Mw:130000)のブロックポリマーに、PMMA(Mw:1500)を重量比6:4で混合したポリマーをプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)に2wt%で溶かした液をスピンコート法で2000rpm、30秒で塗布した後、110℃,90秒でプリベークして溶剤を気化し80nmの膜厚を得た。
次いで、窒素雰囲気中で210℃,4時間のアニールを行い、PSとPMMAの相分離を行い、直径70nm程度のポリスチレンのドットパターンを形成した(図5(a))。
その後、O2 =30sccm、圧力13.3Pa(100mTorr)、パワー=100Wの条件下で15秒間RIEすることにより、相分離したPS−PMMAのうちPMMAを選択的にエッチングしPSドットパターンを形成した(図5(b))。
次いで、PSドットパターンをマスクとして、CF4流量30sccm、圧力1.33Pa(10mTorr)、パワー100Wで90秒間エッチングしSOGドットパターンを形成した(図5(c))。
次いで、そのSOGドットパターンをマスクとして、Cl2:15sccm、Ar:15sccm、RFパワー100Wの条件でRIEを60秒間行った。塩素ガスRIE後、n+層中へ大きさ40nm、高さ50nmのピラーパターンが形成された(図5(d))。
次いで、ピラーパターンが形成されたn+層上へALD(Atomic Layer Deposition)法によりSiO2膜を形成し、SiピラーパターンをSiO2で埋め込んだ(図5(e))。
次いで、埋め込んでn+層上へ形成されたSiO2を除去するため、CF4流量30sccm、圧力1.33Pa(10mTorr)、パワー100Wで30秒間エッチングしn+層を露出させた。以上の工程でn+層中へSiO2の微細な構造体を形成した(図5(f))。
次いで、基板表面にAgを蒸着法により30nm形成した(図6(g))。
次に、基板表面に形成したAg上へレジスト(THMR IP3250、(株)東京応化工業)を乳酸エチル(EL)で1:2に希釈した溶液を3000rpm、30秒でスピンコートを行ったのち、ホットプレート上において110℃で90秒間加熱して溶媒を蒸発させた(図6(h))。レジストの膜厚は120nmであった。次いで、大きさ60nm、高さ100nmの高さを持つ凹形状が形成された石英のモールド(形状は9cm2内に形成されている)を用意し、レジスト付き基板を120℃に加熱した状態で石英のモールドの凸形状がある方をレジストに10MPaの圧力で押し付けてインプリントを行った(図6(i))。インプリント後、基板を室温まで冷却し石英モールドをリリースした(図6(j))。インプリント後、レジスト上へドット状で大きさ60nm、深さ70nmの凹形状が形成された。
次に、凹パターンが形成されたレジストパターンを、CF4:30sccm、10mTorr、RFパワー100Wの条件で30秒間エッチングを行った。CF4RIE後、レジストの底だしが行われAgが露出した(図6(k))。
次いで、イオンミリング装置を用いて、加速電圧500V、イオン電流40mAの条件で60秒間、Ag層のエッチングを行って開口部を有する金属電極層を形成させた。イオンミリングによりAgにドット状で大きさ60nmのパターンが形成された。残留したレジストを有機溶媒により取り除いた。
表電極の作製は、エポキシ系熱硬化型のAgペーストを用いたスクリーン印刷法により櫛型電極を作製し、ドット付きアモルファスシリコン太陽電池を完成させた(図6(l))。
比較のため、前述と同様にしてSiO2構造体が存在しないドット付きアモルファスシリコン太陽電池を作製した。
(太陽電池セルの特性)
上記のようにして作製した太陽電池にAM1.5の擬似太陽光を照射し、室温における光電変換効率を評価した。その結果、SiO2構造体の存在するドット付きアモルファスシリコン太陽電池の光電変換効率は6.0%と良好な値を示した。一方、SiO2構造体が存在しないドット付きアモルファスシリコン太陽電池の光電変換効率は5.0%であった。
(実施例28)(ナノメッシュ+SiO2薄膜)
以下に半導体層としてGaAsを用いた実施例について説明する。本実施例においては、微細構造体としてメッシュ状の電極を用い、波長変換層としてSiO2薄膜を用いる。図7と構成は同じであるので図7を使って説明する。
10^16cm−3のドーピング濃度を有するp型GaAs基板12を準備した。P型GaAs基板上へMOCVD法によりn+型GaAs層11を0.2μm形成した。
次いでp型GaAs基板の裏面にAu−Ge(1%)を蒸着法により100nm形成した。形成後、窒素雰囲気下によって450℃、30分間アニールを行った。アニール後、裏面にオーミック接触を有する電極1が形成された。
次いで、CVD法によりn+層上へSiO2膜200を5nm形成した。
次いで、基板表面にAg101を蒸着法により30nm形成した(図7(a))。
次に、基板表面に形成したAg101上へレジスト300(THMR IP3250、(株)東京応化工業)を乳酸エチル(EL)で1:2に希釈した溶液を2000rpm、30秒でスピンコートを行ったのち、ホットプレート上において110℃で90秒間加熱して溶媒を蒸発させた(図7(b))。レジスト300の膜厚は150nmであった。次いで、150nmのピッチ、大きさ100nm、高さ150nmの高さを持つ凸形状が形成された石英のモールド310(形状は9cm2内に形成されている)を用意し、レジスト付き基板を120℃に加熱した状態で石英のモールド310の凸形状がある方をレジスト300に10MPaの圧力で押し付けてインプリントを行った(図7(c))。インプリント後、基板を室温まで冷却し石英モールド310をリリースした(図7(d))。インプリント後、レジスト300上へ200nmのピッチ大きさ100nm、深さ100nmの凹形状が形成された。
次に、凹パターンが形成されたレジストパターンを、CF4:30sccm、10mTorr、RFパワー100Wの条件で30秒間エッチングを行った。CF4RIE後、レジストの底だしが行われAgが露出した(図7(e))。
次いで、イオンミリング装置を用いて、加速電圧500V、イオン電流40mAの条件で80秒間、Ag層101のエッチングを行って開口部を有する金属電極層を形成させた。イオンミリングによりAgに200nmピッチ、100nmの開口を有するパターンが形成された。残留したレジストを有機溶媒により取り除いた。
表電極の作製は、エポキシ系熱硬化型のAgペーストを用いたスクリーン印刷法により櫛型電極を作製し、ナノメッシュ電極付きGaAs太陽電池を完成させた(図7(f))。
比較のため、前述と同様にしてSiO2膜が存在しないナノメッシュ金属付きGaAs太陽電池を作製した。
(太陽電池セルの特性)
上記のようにして作製した太陽電池にAM1.5の擬似太陽光を照射し、室温における光電変換効率を評価した。その結果、SiO2膜5nm存在するナノメッシュ金属付きGaAs太陽電池の光電変換効率は10.0%と良好な値を示した。一方、SiO2膜が存在しないナノメッシュ金属付きGaAs太陽電池の光電変換効率は8.5%であった。
この結果から、GaAs太陽電池においてもSiO2膜を挿入することで電場増強のピーク波長を短波長側にシフトしたことにより光電変換率が上昇したことを示した。
(実施例29)(ナノメッシュ+SiN薄膜)
本実施例と実施例28の異なる点は、波長変換層としてSiN薄膜を用いている点である。図7と構成は同じであるので、図7を使って説明する。
10^16cm−3のドーピング濃度を有するp型GaAs基板を準備した。P型GaAs基板上へMOCVD法によりn+型GaAs層を0.2μm形成した。
次いでp型GaAs基板の裏面にAu−Ge(1%)を蒸着法により100nm形成した。形成後、窒素雰囲気下によって450℃、30分間アニールを行った。アニール後、裏面にオーミック接触を有する電極が形成された。
次いで、CVD法によりn+層上へSiN膜を3nm形成した。
次いで、基板表面にAgを蒸着法により30nm形成した(図7(a))。
次に、基板表面に形成したAg上へレジスト(THMR IP3250、(株)東京応化工業)を乳酸エチル(EL)で1:2に希釈した溶液を2000rpm、30秒でスピンコートを行ったのち、ホットプレート上において110℃で90秒間加熱して溶媒を蒸発させた(図7(b))。レジストの膜厚は150nmであった。次いで、200nmのピッチ、大きさ100nm、高さ150nmの高さを持つ凸形状が形成された石英のモールド(形状は9cm2内に形成されている)を用意し、レジスト付き基板を120℃に加熱した状態で石英のモールドの凸形状がある方をレジストに10MPaの圧力で押し付けてインプリントを行った(図7(c))。インプリント後、基板を室温まで冷却し石英モールドをリリースした(図7(d))。インプリント後、レジスト上へ200nmのピッチ大きさ100nm、深さ100nmの凹形状が形成された。
次に、凹パターンが形成されたレジストパターンを、CF4:30sccm、10mTorr、RFパワー100Wの条件で30秒間エッチングを行った。CF4RIE後、レジストの底だしが行われAgが露出した(図7(e))。
次いで、イオンミリング装置を用いて、加速電圧500V、イオン電流40mAの条件で80秒間、Ag層のエッチングを行って開口部を有する金属電極層を形成させた。イオンミリングによりAgに200nmピッチ、100nmの開口を有するパターンが形成された。残留したレジストを有機溶媒により取り除いた。
表電極の作製は、エポキシ系熱硬化型のAgペーストを用いたスクリーン印刷法により櫛型電極を作製し、ナノメッシュ電極付きGaAs太陽電池を完成させた(図7(f))。
比較のため、前述と同様にしてSiN膜が存在しないナノメッシュ金属付きGaAs太陽電池を作製した。
(太陽電池セルの特性)
上記のようにして作製した太陽電池にAM1.5の擬似太陽光を照射し、室温における光電変換効率を評価した。その結果、SiN膜3nm存在するナノメッシュ金属付きGaAs太陽電池の光電変換効率は9.9%と良好な値を示した。一方、SiO2膜が存在しないナノメッシュ金属付きGaAs太陽電池の光電変換効率は8.5%であった。
この結果から、GaAs太陽電池においてもSiN膜を挿入することで電場増強のピーク波長を短波長側にシフトしたことにより光電変換率が上昇したことを示した。
(実施例30)(ナノメッシュ+SiON薄膜)
本実施例と実施例28の異なる点は、波長変換層としてSiON薄膜を用いている点である。図7と構成は同じであるので、図7を使って説明する。
10^16cm−3のドーピング濃度を有するp型GaAs基板を準備した。P型GaAs基板上へMOCVD法によりn+型GaAs層を0.2μm形成した。
次いでp型GaAs基板の裏面にAu−Ge(1%)を蒸着法により100nm形成した。形成後、窒素雰囲気下によって450℃、30分間アニールを行った。アニール後、裏面にオーミック接触を有する電極が形成された。
次いで、CVD法によりn+層上へSiON膜を3nm形成した。
次いで、基板表面にAuを蒸着法により30nm形成した(図7(a))。
次に、基板表面に形成したAu上へレジスト(THMR IP3250、(株)東京応化工業)を乳酸エチル(EL)で1:2に希釈した溶液を2000rpm、30秒でスピンコートを行ったのち、ホットプレート上において110℃で90秒間加熱して溶媒を蒸発させた(図7(b))。レジストの膜厚は150nmであった。次いで、200nmのピッチ、大きさ100nm、高さ150nmの高さを持つ凸形状が形成された石英のモールド(形状は9cm2内に形成されている)を用意し、レジスト付き基板を120℃に加熱した状態で石英のモールドの凸形状がある方をレジストに10MPaの圧力で押し付けてインプリントを行った(図7(c))。インプリント後、基板を室温まで冷却し石英モールドをリリースした(図7(d))。インプリント後、レジスト上へ200nmのピッチ大きさ100nm、深さ100nmの凹形状が形成された。
次に、凹パターンが形成されたレジストパターンを、CF4:30sccm、10mTorr、RFパワー100Wの条件で30秒間エッチングを行った。CF4RIE後、レジストの底だしが行われAgが露出した(図7(e))。
次いで、イオンミリング装置を用いて、加速電圧500V、イオン電流40mAの条件で90秒間、Au層のエッチングを行って開口部を有する金属電極層を形成させた。イオンミリングによりAuに200nmピッチ、100nmの開口を有するパターンが形成された。残留したレジストを有機溶媒により取り除いた。
表電極の作製は、エポキシ系熱硬化型のAgペーストを用いたスクリーン印刷法により櫛型電極を作製し、ナノメッシュ電極付きGaAs太陽電池を完成させた(図7(f))。
比較のため、前述と同様にしてSiON膜が存在しないナノメッシュ金属付きGaAs太陽電池を作製した。
(太陽電池セルの特性)
上記のようにして作製した太陽電池にAM1.5の擬似太陽光を照射し、室温における光電変換効率を評価した。その結果、SiON膜3nm存在するナノメッシュ金属付きGaAs太陽電池の光電変換効率は10.0%と良好な値を示した。一方、SiON膜が存在しないナノメッシュ金属付きGaAs太陽電池の光電変換効率は8.5%であった。
この結果から、GaAs太陽電池においてもSiON膜を挿入することで電場増強のピーク波長を短波長側にシフトしたことにより光電変換率が上昇したことを示した。
(実施例31)(ドット+SiO2薄膜)
本実施例と実施例28の異なる点は、微細構造体を微小体とし、微小体をドット状に配置している点である。図7と構成は同じであるので、図7を使って説明する。
10^16cm−3のドーピング濃度を有するp型GaAs基板を準備した。P型GaAs基板上へMOCVD法によりn+型GaAs層を0.2μm形成した。
次いでp型GaAs基板の裏面にAu−Ge(1%)を蒸着法により100nm形成した。形成後、窒素雰囲気下によって450℃、30分間アニールを行った。アニール後、裏面にオーミック接触を有する電極が形成された。
次いで、CVD法によりn+層上へSiO2膜を3nm形成した。
次いで、基板表面にAuを蒸着法により30nm形成した(図7(a))。
次に、基板表面に形成したAu上へレジスト(THMR IP3250、(株)東京応化工業)を乳酸エチル(EL)で1:2に希釈した溶液を3000rpm、30秒でスピンコートを行ったのち、ホットプレート上において110℃で90秒間加熱して溶媒を蒸発させた(図7(b))。レジストの膜厚は120nmであった。次いで、大きさ60nm、高さ100nmの高さを持つ凹形状が形成された石英のモールド(形状は9cm2内に形成されている)を用意し、レジスト付き基板を120℃に加熱した状態で石英のモールドの凸形状がある方をレジストに10MPaの圧力で押し付けてインプリントを行った(図7(c))。インプリント後、基板を室温まで冷却し石英モールドをリリースした(図7(d))。インプリント後、レジスト上へドット状で大きさ60nm、深さ70nmの凹形状が形成された。
次に、凹パターンが形成されたレジストパターンを、O2:30sccm、10mTorr、RFパワー100Wの条件で30秒間エッチングを行った。O2RIE後、レジストの底だしが行われAuが露出した(図7(e))。
次いで、イオンミリング装置を用いて、加速電圧500V、イオン電流40mAの条件で60秒間、Au層のエッチングを行って開口部を有する金属電極層を形成させた。イオンミリングによりAuにドット状で大きさ60nmのパターンが形成された。残留したレジストを有機溶媒により取り除いた。
表電極の作製は、エポキシ系熱硬化型のAgペーストを用いたスクリーン印刷法により櫛型電極を作製し、ドット付きGaAs太陽電池を完成させた(図7(f))。
比較のため、前述と同様にしてSiO2膜が存在しないドット付きGaAs太陽電池を作製した。
(太陽電池セルの特性)
上記のようにして作製した太陽電池にAM1.5の擬似太陽光を照射し、室温における光電変換効率を評価した。その結果、SiO2膜3nm存在するドット付きGaAs太陽電池の光電変換効率は10.5%と良好な値を示した。一方、SiO2膜が存在しないナノメッシュ金属付きGaAs太陽電池の光電変換効率は8.5%であった。
(実施例32)(ドット+SiON薄膜)
本実施例と実施例28の異なる点は、微細構造体として微小体をドット状に配置して用い、波長変換層としてSiON薄膜を用いている点である。図7と構成は同じであるので、図7を使って説明する。
10^16cm−3のドーピング濃度を有するp型GaAs基板を準備した。P型GaAs基板上へMOCVD法によりn+型GaAs層を0.2μm形成した。
次いでp型GaAs基板の裏面にAu−Ge(1%)を蒸着法により100nm形成した。形成後、窒素雰囲気下によって450℃、30分間アニールを行った。アニール後、裏面にオーミック接触を有する電極が形成された。
次いで、CVD法によりn+層上へSiON膜を4nm形成した。
次いで、基板表面にAgを蒸着法により30nm形成した(図7(a))。
次に、基板表面に形成したAg上へレジスト(THMR IP3250、(株)東京応化工業)を乳酸エチル(EL)で1:2に希釈した溶液を3000rpm、30秒でスピンコートを行ったのち、ホットプレート上において110℃で90秒間加熱して溶媒を蒸発させた(図7(b))。レジストの膜厚は120nmであった。次いで、大きさ60nm、高さ100nmの高さを持つ凹形状が形成された石英のモールド(形状は9cm2内に形成されている)を用意し、レジスト付き基板を120℃に加熱した状態で石英のモールドの凸形状がある方をレジストに10MPaの圧力で押し付けてインプリントを行った(図7(c))。インプリント後、基板を室温まで冷却し石英モールドをリリースした(図7(d))。インプリント後、レジスト上へドット状で大きさ60nm、深さ70nmの凹形状が形成された。
次に、凹パターンが形成されたレジストパターンを、O2:30sccm、10mTorr、RFパワー100Wの条件で30秒間エッチングを行った。O2RIE後、レジストの底だしが行われAgが露出した(図7(e))。
次いで、イオンミリング装置を用いて、加速電圧500V、イオン電流40mAの条件で60秒間、Ag層のエッチングを行って開口部を有する金属電極層を形成させた。イオンミリングによりAgにドット状で大きさ60nmのパターンが形成された。残留したレジストを有機溶媒により取り除いた。
表電極の作製は、エポキシ系熱硬化型のAgペーストを用いたスクリーン印刷法により櫛型電極を作製し、ドット付きSi太陽電池を完成させた(図7(f))。
比較のため、前述と同様にしてSiON膜が存在しないドット付きGaAs太陽電池を作製した。
(太陽電池セルの特性)
上記のようにして作製した太陽電池にAM1.5の擬似太陽光を照射し、室温における光電変換効率を評価した。その結果、SiON膜4nm存在するドット付きGaAs太陽電池の光電変換効率は10.3%と良好な値を示した。一方、SiON膜が存在しないナノメッシュ金属付きGaAs太陽電池の光電変換効率は8.5%であった。
(実施例33)(ナノメッシュ+SiN構造体)
本実施例と実施例28の異なる点は、波長変換層として柱状のSiN構造体を用いている点である。図5、6と構成は同じであるので、図5、6を使って説明する。
10^16cm−3のドーピング濃度を有するp型GaAs基板を準備した。P型GaAs基板上へMOCVD法によりn+型GaAs層を0.2μm形成した。
次いでp型GaAs基板の裏面にAu−Ge(1%)を蒸着法により100nm形成した。形成後、窒素雰囲気下によって450℃、30分間アニールを行った。アニール後、裏面にオーミック接触を有する電極が形成された。
次に、n+層上へ有機SOG組成物(OCD−T7 5500−T(商品名)、東京応化工業株式会社製)をELで1:1に希釈した溶液を3000rpm、30秒でスピンコートを行ったのち、ホットプレート上において110℃で90秒間加熱して溶媒を蒸発させた。次いでレジストを窒素雰囲気下において250℃でアニール行い熱硬化させた。硬化後の膜厚は50nmであった。
次いで、PS(Mw58000):PMMA(Mw:130000)のブロックポリマーに、PMMA(Mw:1500)を重量比6:4で混合したポリマーをプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)に2wt%で溶かした液をスピンコート法で2000rpm、30秒で塗布した後、110℃,90秒でプリベークして溶剤を気化し80nmの膜厚を得た。
次いで、窒素雰囲気中で210℃,4時間のアニールを行い、PSとPMMAの相分離を行い、直径70nm程度のポリスチレンのドットパターンを形成した(図5(a))。
その後、O2 =30sccm、圧力13.3Pa(100mTorr)、パワー=100Wの条件下で15秒間RIEすることにより、相分離したPS−PMMAのうちPMMAを選択的にエッチングしPSドットパターンを形成した(図5(b))。
次いで、PSドットパターンをマスクとして、CF4流量30sccm、圧力1.33Pa(10mTorr)、パワー100Wで90秒間エッチングしSOGドットパターンを形成した(図5(c))。
次いで、そのSOGドットパターンをマスクとして、Cl2:15sccm、Ar:15sccm、RFパワー100Wの条件でRIEを60秒間行った。塩素ガスRIE後、n+層中へ大きさ40nm、高さ25nmのピラーパターンが形成された(図5(d))。
次いで、ピラーパターンが形成されたn+層上へALD(Atomic Layer Deposition)法によりSiN膜を形成し、SiピラーパターンをSiNで埋め込んだ(図5(e))。
次いで、埋め込んでn+層上へ形成されたSiNを除去するため、CF4流量30sccm、圧力1.33Pa(10mTorr)、パワー100Wで30秒間エッチングしn+層を露出させた。以上の工程でn+層中へSiNの微細な構造体を形成した(図5(f))。
次いで、基板表面にAuを蒸着法により30nm形成した(図6(g))。
次に、基板表面に形成したAu上へレジスト(THMR IP3250、(株)東京応化工業)を乳酸エチル(EL)で1:2に希釈した溶液を2000rpm、30秒でスピンコートを行ったのち、ホットプレート上において110℃で90秒間加熱して溶媒を蒸発させた(図6(h))。レジストの膜厚は150nmであった。次いで、200nmのピッチ、大きさ100nm、高さ150nmの高さを持つ凸形状が形成された石英のモールド(形状は9cm2内に形成されている)を用意し、レジスト付き基板を120℃に加熱した状態で石英のモールドの凸形状がある方をレジストに10MPaの圧力で押し付けてインプリントを行った(図6(i))。インプリント後、基板を室温まで冷却し石英モールドをリリースした(図6(j))。インプリント後、レジスト上へ200nmのピッチ大きさ100nm、深さ100nmの凹形状が形成された。
次に、凹パターンが形成されたレジストパターンを、CF4:30sccm、10mTorr、RFパワー100Wの条件で30秒間エッチングを行った。CF4RIE後、レジストの底だしが行われAu露出した(図6(k))。
次いで、イオンミリング装置を用いて、加速電圧500V、イオン電流40mAの条件で80秒間、Au層のエッチングを行って開口部を有する金属電極層を形成させた。イオンミリングによりAuに200nmピッチ、100nmの開口を有するパターンが形成された。残留したレジストを有機溶媒により取り除いた。
表電極の作製は、エポキシ系熱硬化型のAgペーストを用いたスクリーン印刷法により櫛型電極を作製し、ナノメッシュ電極付きGaAs太陽電池を完成させた(図6(l))。
比較のため、前述と同様にしてSiN構造体が存在しないナノメッシュ金属付きGaAs太陽電池を作製した。
(太陽電池セルの特性)
上記のようにして作製した太陽電池にAM1.5の擬似太陽光を照射し、室温における光電変換効率を評価した。その結果、SiN構造体を有するナノメッシュ金属付きGaAs太陽電池の光電変換効率は9.6%と良好な値を示した。一方、SiN構造体が存在しないナノメッシュ金属付きGaAs太陽電池の光電変換効率は8.5%であった。
(実施例34)(ドット+SiO2構造体)
本実施例と実施例28の異なる点は、波長変換層として柱状のSiO2構造体を用い、電極として積層方向に垂直な平面に広がるドット状のものを用いている点である。図5、6と構成は同じであるので、図5、6を使って説明する。
10^16cm−3のドーピング濃度を有するp型GaAs基板を準備した。P型GaAs基板上へMOCVD法によりn+型GaAs層を0.2μm形成した。
次いでp型GaAs基板の裏面にAu−Ge(1%)を蒸着法により100nm形成した。形成後、窒素雰囲気下によって450℃、30分間アニールを行った。アニール後、裏面にオーミック接触を有する電極が形成された。
次に、n+層上へ有機SOG組成物(OCD−T7 5500−T(商品名)、東京応化工業株式会社製)をELで1:1に希釈した溶液を3000rpm、30秒でスピンコートを行ったのち、ホットプレート上において110℃で90秒間加熱して溶媒を蒸発させた。次いでレジストを窒素雰囲気下において250℃でアニール行い熱硬化させた。硬化後の膜厚は50nmであった。
次いで、PS(Mw58000):PMMA(Mw:130000)のブロックポリマーに、PMMA(Mw:1500)を重量比6:4で混合したポリマーをプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)に2wt%で溶かした液をスピンコート法で2000rpm、30秒で塗布した後、110℃,90秒でプリベークして溶剤を気化し80nmの膜厚を得た。
次いで、窒素雰囲気中で210℃,4時間のアニールを行い、PSとPMMAの相分離を行い、直径70nm程度のポリスチレンのドットパターンを形成した(図5(a))。
その後、O2 =30sccm、圧力13.3Pa(100mTorr)、パワー=100Wの条件下で15秒間RIEすることにより、相分離したPS−PMMAのうちPMMAを選択的にエッチングしPSドットパターンを形成した(図5(b))。
次いで、PSドットパターンをマスクとして、CF4流量30sccm、圧力1.33Pa(10mTorr)、パワー100Wで90秒間エッチングしSOGドットパターンを形成した(図5(c))。
次いで、そのSOGドットパターンをマスクとして、Cl2:15sccm、Ar:15sccm、RFパワー100Wの条件でRIEを60秒間行った。塩素ガスRIE後、n+層中へ大きさ40nm、高さ25nmのピラーパターンが形成された(図5(d))。
次いで、ピラーパターンが形成されたn+層上へALD(Atomic Layer Deposition)法によりSiO2膜を形成し、SiピラーパターンをSiO2で埋め込んだ(図5(e))。
次いで、埋め込んでn+層上へ形成されたSiO2を除去するため、CF4流量30sccm、圧力1.33Pa(10mTorr)、パワー100Wで30秒間エッチングしn+層を露出させた。以上の工程でn+層中へSiO2の微細な構造体を形成した(図5(f))。
次いで、基板表面にAgを蒸着法により30nm形成した(図6(g))。
次に、基板表面に形成したAg上へレジスト(THMR IP3250、(株)東京応化工業)を乳酸エチル(EL)で1:2に希釈した溶液を3000rpm、30秒でスピンコートを行ったのち、ホットプレート上において110℃で90秒間加熱して溶媒を蒸発させた(図6(h))。レジストの膜厚は120nmであった。次いで、大きさ60nm、高さ100nmの高さを持つ凹形状が形成された石英のモールド(形状は9cm2内に形成されている)を用意し、レジスト付き基板を120℃に加熱した状態で石英のモールドの凸形状がある方をレジストに10MPaの圧力で押し付けてインプリントを行った(図6(i))。インプリント後、基板を室温まで冷却し石英モールドをリリースした(図6(j))。インプリント後、レジスト上へドット状で大きさ60nm、深さ70nmの凹形状が形成された。
次に、凹パターンが形成されたレジストパターンを、CF4:30sccm、10mTorr、RFパワー100Wの条件で30秒間エッチングを行った。CF4RIE後、レジストの底だしが行われAgが露出した(図6(k))。
次いで、イオンミリング装置を用いて、加速電圧500V、イオン電流40mAの条件で60秒間、Ag層のエッチングを行って開口部を有する金属電極層を形成させた。イオンミリングによりAgにドット状で大きさ60nmのパターンが形成された。残留したレジストを有機溶媒により取り除いた。
表電極の作製は、エポキシ系熱硬化型のAgペーストを用いたスクリーン印刷法により櫛型電極を作製し、ドット付きGaAs太陽電池を完成させた(図6(l))。
比較のため、前述と同様にしてSiO2構造体が存在しないドット付きGaAs太陽電池を作製した。
(太陽電池セルの特性)
上記のようにして作製した太陽電池にAM1.5の擬似太陽光を照射し、室温における光電変換効率を評価した。その結果、SiO2構造体の存在するドット付きGaAs太陽電池の光電変換効率は9.7%と良好な値を示した。一方、SiO2構造体が存在しないドット付きGaAs太陽電池の光電変換効率は8.5%であった。
(実施例35)(ナノメッシュ+SiO2薄膜)
以下の実施例は、半導体層としてCIGSを用いたものである。本実施例の太陽電池について、図8を使って説明する。
ソーダライムガラスからなる基板2に下部電極となるMo電極1を真空蒸着によって形成した。次に、Cu、In、Gaをスパッタリングで付着させ、プリカーサ層を形成した。その後、H2Seガスの雰囲気中500℃でアニールすることによりCIGS層13を形成した。
次いで、CVD法によりCIGS層上へSiO2膜200を2nm形成した。
次いで、基板表面にAg101を蒸着法により30nm形成した(図8(a))。
次に、基板表面に形成したAg101上へレジスト300(THMR IP3250、(株)東京応化工業)を乳酸エチル(EL)で1:2に希釈した溶液を2000rpm、30秒でスピンコートを行ったのち、ホットプレート上において110℃で90秒間加熱して溶媒を蒸発させた(図8(b))。レジスト300の膜厚は150nmであった。次いで、150nmのピッチ、大きさ100nm、高さ150nmの高さを持つ凸形状が形成された石英のモールド310(形状は9cm2内に形成されている)を用意し、レジスト付き基板を120℃に加熱した状態で石英のモールド310の凸形状がある方をレジストに10MPaの圧力で押し付けてインプリントを行った(図8(c))。インプリント後、基板を室温まで冷却し石英モールドをリリースした(図8(d))。インプリント後、レジスト上へ200nmのピッチ大きさ100nm、深さ100nmの凹形状が形成された。
次に、凹パターンが形成されたレジストパターンを、CF4:30sccm、10mTorr、RFパワー100Wの条件で30秒間エッチングを行った。CF4RIE後、レジストの底だしが行われAg101が露出した(図8(e))。
次いで、イオンミリング装置を用いて、加速電圧500V、イオン電流40mAの条件で80秒間、Ag層のエッチングを行って開口部を有する金属電極層を形成させた。イオンミリングによりAgに200nmピッチ、100nmの開口を有するパターンが形成された。残留したレジスト300を有機溶媒により取り除いた。
表電極の作製は、エポキシ系熱硬化型のAgペーストを用いたスクリーン印刷法により櫛型電極を作製し、ナノメッシュ電極付きCIGS太陽電池を完成させた(図8(f))。
比較のため、前述と同様にしてSiO2膜が存在しないナノメッシュ金属付きCIGS太陽電池を作製した。
(太陽電池セルの特性)
上記のようにして作製した太陽電池にAM1.5の擬似太陽光を照射し、室温における光電変換効率を評価した。その結果、SiO2膜2nm存在するナノメッシュ金属付きCIGS太陽電池の光電変換効率は7.0%と良好な値を示した。一方、SiO2膜が存在しないナノメッシュ金属付きCIGS太陽電池の光電変換効率は6.0%であった。
この結果から、CIGS太陽電池においてもSiO2膜を挿入することで電場増強のピーク波長を短波長側にシフトしたことにより光電変換率が上昇したことを示した。
(実施例36)(ナノメッシュ+SiN薄膜)
本実施例と実施例35が異なる点は、波長変換層としてSiN薄膜を用いている点である。本実施例の太陽電池について、図8を使って説明する。
ソーダライムガラスからなる基板に下部電極となるMo電極を真空蒸着によって形成した。次に、Cu、In、Gaをスパッタリングで付着させ、プリカーサ層を形成した。その後、H2Seガスの雰囲気中500℃でアニールすることによりCIGS層を形成した。
次いで、CVD法によりCIGS層上へSiN膜を2nm形成した。
次いで、基板表面にAgを蒸着法により30nm形成した(図8(a))。
次に、基板表面に形成したAg上へレジスト(THMR IP3250、(株)東京応化工業)を乳酸エチル(EL)で1:2に希釈した溶液を2000rpm、30秒でスピンコートを行ったのち、ホットプレート上において110℃で90秒間加熱して溶媒を蒸発させた(図8(b))。レジストの膜厚は150nmであった。次いで、200nmのピッチ、大きさ100nm、高さ150nmの高さを持つ凸形状が形成された石英のモールド(形状は9cm2内に形成されている)を用意し、レジスト付き基板を120℃に加熱した状態で石英のモールドの凸形状がある方をレジストに10MPaの圧力で押し付けてインプリントを行った(図8(c))。インプリント後、基板を室温まで冷却し石英モールドをリリースした(図8(d))。インプリント後、レジスト上へ200nmのピッチ大きさ100nm、深さ100nmの凹形状が形成された。
次に、凹パターンが形成されたレジストパターンを、CF4:30sccm、10mTorr、RFパワー100Wの条件で30秒間エッチングを行った。CF4RIE後、レジストの底だしが行われAgが露出した(図8(e))。
次いで、イオンミリング装置を用いて、加速電圧500V、イオン電流40mAの条件で80秒間、Ag層のエッチングを行って開口部を有する金属電極層を形成させた。イオンミリングによりAgに200nmピッチ、100nmの開口を有するパターンが形成された。残留したレジストを有機溶媒により取り除いた。
表電極の作製は、エポキシ系熱硬化型のAgペーストを用いたスクリーン印刷法により櫛型電極を作製し、ナノメッシュ電極付きCIGS太陽電池を完成させた(図8(f))。
比較のため、前述と同様にしてSiN膜が存在しないナノメッシュ金属付きCIGS太陽電池を作製した。
(太陽電池セルの特性)
上記のようにして作製した太陽電池にAM1.5の擬似太陽光を照射し、室温における光電変換効率を評価した。その結果、SiN膜2nm存在するナノメッシュ金属付きCIGS太陽電池の光電変換効率は6.7%と良好な値を示した。一方、SiN膜が存在しないナノメッシュ金属付きCIGS太陽電池の光電変換効率は6.0%であった。
この結果から、CIGS太陽電池においてもSiN膜を挿入することで電場増強のピーク波長を短波長側にシフトしたことにより光電変換率が上昇したことを示した。
(実施例37)(ナノメッシュ+SiON薄膜)
本実施例と実施例35が異なる点は、波長変換層としてSiON薄膜を用いている点である。本実施例の太陽電池について、図8を使って説明する。
ソーダライムガラスからなる基板に下部電極となるMo電極を真空蒸着によって形成した。次に、Cu、In、Gaをスパッタリングで付着させ、プリカーサ層を形成した。その後、H2Seガスの雰囲気中500℃でアニールすることによりCIGS層を形成した。
次いで、CVD法によりCIGS層上へSiON膜を2nm形成した。
次いで、基板表面にAuを蒸着法により30nm形成した(図8(a))。
次に、基板表面に形成したAu上へレジスト(THMR IP3250、(株)東京応化工業)を乳酸エチル(EL)で1:2に希釈した溶液を2000rpm、30秒でスピンコートを行ったのち、ホットプレート上において110℃で90秒間加熱して溶媒を蒸発させた(図8(b))。レジストの膜厚は150nmであった。次いで、200nmのピッチ、大きさ100nm、高さ150nmの高さを持つ凸形状が形成された石英のモールド(形状は9cm2内に形成されている)を用意し、レジスト付き基板を120℃に加熱した状態で石英のモールドの凸形状がある方をレジストに10MPaの圧力で押し付けてインプリントを行った(図8(c))。インプリント後、基板を室温まで冷却し石英モールドをリリースした(図8(d))。インプリント後、レジスト上へ200nmのピッチ大きさ100nm、深さ100nmの凹形状が形成された。
次に、凹パターンが形成されたレジストパターンを、CF4:30sccm、10mTorr、RFパワー100Wの条件で30秒間エッチングを行った。CF4RIE後、レジストの底だしが行われAgが露出した(図8(e))。
次いで、イオンミリング装置を用いて、加速電圧500V、イオン電流40mAの条件で90秒間、Au層のエッチングを行って開口部を有する金属電極層を形成させた。イオンミリングによりAuに200nmピッチ、100nmの開口を有するパターンが形成された。残留したレジストを有機溶媒により取り除いた。
表電極の作製は、エポキシ系熱硬化型のAgペーストを用いたスクリーン印刷法により櫛型電極を作製し、ナノメッシュ電極付きCIGS太陽電池を完成させた(図8(f))。
比較のため、前述と同様にしてSiON膜が存在しないナノメッシュ金属付きCIGS太陽電池を作製した。
(太陽電池セルの特性)
上記のようにして作製した太陽電池にAM1.5の擬似太陽光を照射し、室温における光電変換効率を評価した。その結果、SiON膜3nm存在するナノメッシュ金属付きCIGS太陽電池の光電変換効率は6.9%と良好な値を示した。一方、SiON膜が存在しないナノメッシュ金属付きCIGS太陽電池の光電変換効率は6.0%であった。
この結果から、CIGS太陽電池においてもSiON膜を挿入することで電場増強のピーク波長を短波長側にシフトしたことにより光電変換率が上昇したことを示した。
(実施例38)(ドット+SiO2薄膜)
本実施例と実施例35が異なる点は、微細構造体として微小体を用い、積層方向に垂直な平面に広がるドット状に配置している点である。本実施例の太陽電池について、図8を使って説明する。
ソーダライムガラスからなる基板に下部電極となるMo電極を真空蒸着によって形成した。次に、Cu、In、Gaをスパッタリングで付着させ、プリカーサ層を形成した。その後、H2Seガスの雰囲気中500℃でアニールすることによりCIGS層を形成した。
次いで、CVD法によりCIGS上へSiO2膜を2nm形成した。
次いで、基板表面にAuを蒸着法により30nm形成した(図8(a))。
次に、基板表面に形成したAu上へレジスト(THMR IP3250、(株)東京応化工業)を乳酸エチル(EL)で1:2に希釈した溶液を3000rpm、30秒でスピンコートを行ったのち、ホットプレート上において110℃で90秒間加熱して溶媒を蒸発させた(図8(b))。レジストの膜厚は120nmであった。次いで、大きさ60nm、高さ100nmの高さを持つ凹形状が形成された石英のモールド(形状は9cm2内に形成されている)を用意し、レジスト付き基板を120℃に加熱した状態で石英のモールドの凸形状がある方をレジストに10MPaの圧力で押し付けてインプリントを行った(図8(c))。インプリント後、基板を室温まで冷却し石英モールドをリリースした(図8(d))。インプリント後、レジスト上へドット状で大きさ60nm、深さ70nmの凹形状が形成された。
次に、凹パターンが形成されたレジストパターンを、O2:30sccm、10mTorr、RFパワー100Wの条件で30秒間エッチングを行った。O2RIE後、レジストの底だしが行われAuが露出した(図8(e))。
次いで、イオンミリング装置を用いて、加速電圧500V、イオン電流40mAの条件で60秒間、Au層のエッチングを行って開口部を有する金属電極層を形成させた。イオンミリングによりAuにドット状で大きさ60nmのパターンが形成された。残留したレジストを有機溶媒により取り除いた(図8(f))。
次いで、Auドット上にCdS層を70nm形成した。CdS層の上には透明導電膜としてZnOをMOCVDにより形成した。
表電極の作製は、エポキシ系熱硬化型のAgペーストを用いたスクリーン印刷法により櫛型電極を作製し、ドット付きCIGS太陽電池を完成させた。
比較のため、前述と同様にしてSiO2膜が存在しないドット付きCIGS太陽電池を作製した。
(太陽電池セルの特性)
上記のようにして作製した太陽電池にAM1.5の擬似太陽光を照射し、室温における光電変換効率を評価した。その結果、SiO2膜3nm存在するドット付きCIGS太陽電池の光電変換効率は7.5%と良好な値を示した。一方、SiO2膜が存在しないナノメッシュ金属付きCIGS太陽電池の光電変換効率は6.5%であった。
(実施例39)(ドット+SiON薄膜)
本実施例と実施例35が異なる点は、微細構造体として微小体を積層方向に垂直な平面に広がるドット状に配置したものを用い、波長変換層としてSiON薄膜を用いている点である。本実施例の太陽電池について、図8を使って説明する。
ソーダライムガラスからなる基板に下部電極となるMo電極を真空蒸着によって形成した。次に、Cu、In、Gaをスパッタリングで付着させ、プリカーサ層を形成した。その後、H2Seガスの雰囲気中500℃でアニールすることによりCIGS層を形成した。
次いで、CVD法によりCIGS層上へSiON膜を4nm形成した。
次いで、基板表面にAgを蒸着法により30nm形成した(図8(a))。
次に、基板表面に形成したAg上へレジスト(THMR IP3250、(株)東京応化工業)を乳酸エチル(EL)で1:2に希釈した溶液を3000rpm、30秒でスピンコートを行ったのち、ホットプレート上において110℃で90秒間加熱して溶媒を蒸発させた(図8(b))。レジストの膜厚は120nmであった。次いで、大きさ60nm、高さ100nmの高さを持つ凹形状が形成された石英のモールド(形状は9cm2内に形成されている)を用意し、レジスト付き基板を120℃に加熱した状態で石英のモールドの凸形状がある方をレジストに10MPaの圧力で押し付けてインプリントを行った(図8(c))。インプリント後、基板を室温まで冷却し石英モールドをリリースした(図8(d))。インプリント後、レジスト上へドット状で大きさ60nm、深さ70nmの凹形状が形成された。
次に、凹パターンが形成されたレジストパターンを、O2:30sccm、10mTorr、RFパワー100Wの条件で30秒間エッチングを行った。O2RIE後、レジストの底だしが行われAgが露出した(図8(e))。
次いで、イオンミリング装置を用いて、加速電圧500V、イオン電流40mAの条件で60秒間、Ag層のエッチングを行って開口部を有する金属電極層を形成させた。イオンミリングによりAgにドット状で大きさ60nmのパターンが形成された。残留したレジストを有機溶媒により取り除いた(図8(f))。
次いで、Auドット上にCdS層を70nm形成した。CdS層の上には透明導電膜としてZnOをMOCVDにより形成した。
表電極の作製は、エポキシ系熱硬化型のAgペーストを用いたスクリーン印刷法により櫛型電極を作製し、ドット付きSi太陽電池を完成させた。
比較のため、前述と同様にしてSiON膜が存在しないドット付きCIGS太陽電池を作製した。
(太陽電池セルの特性)
上記のようにして作製した太陽電池にAM1.5の擬似太陽光を照射し、室温における光電変換効率を評価した。その結果、SiON膜4nm存在するドット付きCIGS太陽電池の光電変換効率は7.3%と良好な値を示した。一方、SiON膜が存在しないナノメッシュ金属付きCIGS太陽電池の光電変換効率は6.5%であった。
(実施例40)(ナノメッシュ+SiN構造体)
本実施例と実施例35が異なる点は、波長変換層として柱状のSiN構造体を用いている点である。本実施例の太陽電池について、図9、10を使って説明する。
ソーダライムガラスからなる基板2に下部電極となるMo電極1を真空蒸着によって形成した。次に、Cu、In、Gaをスパッタリングで付着させ、プリカーサ層を形成した。その後、H2Seガスの雰囲気中500℃でアニールすることによりCIGS層13を形成した。
次に、CIGS層13上へ有機SOG組成物500(OCD−T7 5500−T(商品名)、東京応化工業株式会社製)をELで1:1に希釈した溶液を3000rpm、30秒でスピンコートを行ったのち、ホットプレート上において110℃で90秒間加熱して溶媒を蒸発させた。次いでレジストを窒素雰囲気下において250℃でアニール行い熱硬化させた。硬化後の膜厚は50nmであった。
次いで、PS401(Mw58000):PMMA402(Mw:130000)のブロックポリマーに、PMMA402(Mw:1500)を重量比6:4で混合したポリマーをプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)に2wt%で溶かした液をスピンコート法で2000rpm、30秒で塗布した後、110℃,90秒でプリベークして溶剤を気化し80nmの膜厚を得た。
次いで、窒素雰囲気中で210℃,4時間のアニールを行い、PS401とPMMA402の相分離を行い、直径70nm程度のポリスチレンのドットパターンを形成した(図9(a))。
その後、O2 =30sccm、圧力13.3Pa(100mTorr)、パワー=100Wの条件下で15秒間RIEすることにより、相分離したPS−PMMAのうちPMMA402を選択的にエッチングしPSドットパターン403を形成した(図9(b))。
次いで、PSドットパターン403をマスクとして、CF4流量30sccm、圧力1.33Pa(10mTorr)、パワー100Wで90秒間エッチングしSOGドットパターン501を形成した(図9(c))。
次いで、そのSOGドットパターン501をマスクとして、Cl2:15sccm、Ar:15sccm、RFパワー100Wの条件でRIEを60秒間行った。塩素ガスRIE後、CIGS層中へ大きさ40nm、高さ20nmのピラーパターン111が形成された(図9(d))。
次いで、ピラーパターンが形成されたCIGS層上へALD(Atomic Layer Deposition)法によりSiN膜を形成し、SiピラーパターンをSiN203で埋め込んだ(図9(e))。
次いで、埋め込んでCIGS層13上へ形成されたSiNを除去するため、CF4流量30sccm、圧力1.33Pa(10mTorr)、パワー100Wで30秒間エッチングしCIGS層を露出させた。以上の工程でCIGS層中へSiNの微細な構造体を形成した(図9(f))。
次いで、基板表面にAu101を蒸着法により30nm形成した(図10(g))。
次に、基板表面に形成したAu101上へレジスト300(THMR IP3250、(株)東京応化工業)を乳酸エチル(EL)で1:2に希釈した溶液を2000rpm、30秒でスピンコートを行ったのち、ホットプレート上において110℃で90秒間加熱して溶媒を蒸発させた(図10(h))。レジスト300の膜厚は150nmであった。次いで、200nmのピッチ、大きさ100nm、高さ150nmの高さを持つ凸形状が形成された石英のモールド310(形状は9cm2内に形成されている)を用意し、レジスト付き基板を120℃に加熱した状態で石英のモールド310の凸形状がある方をレジストに10MPaの圧力で押し付けてインプリントを行った(図10(i))。インプリント後、基板を室温まで冷却し石英モールド310をリリースした(図10(j))。インプリント後、レジスト上へ200nmのピッチ大きさ100nm、深さ100nmの凹形状が形成された。
次に、凹パターンが形成されたレジストパターンを、CF4:30sccm、10mTorr、RFパワー100Wの条件で30秒間エッチングを行った。CF4RIE後、レジストの底だしが行われAu101が露出した(図10(k))。
次いで、イオンミリング装置を用いて、加速電圧500V、イオン電流40mAの条件で80秒間、Au層101のエッチングを行って開口部を有する金属電極層を形成させた。イオンミリングによりAuに200nmピッチ、100nmの開口を有するパターンが形成された。残留したレジストを有機溶媒により取り除いた。
表電極の作製は、エポキシ系熱硬化型のAgペーストを用いたスクリーン印刷法により櫛型電極を作製し、ナノメッシュ電極付きCIGS太陽電池を完成させた(図10(l))。
比較のため、前述と同様にしてSiN構造体が存在しないナノメッシュ金属付きCIGS太陽電池を作製した。
(太陽電池セルの特性)
上記のようにして作製した太陽電池にAM1.5の擬似太陽光を照射し、室温における光電変換効率を評価した。その結果、SiN構造体を有するナノメッシュ金属付きCIGS太陽電池の光電変換効率は6.8%と良好な値を示した。一方、SiN構造体が存在しないナノメッシュ金属付きCIGS太陽電池の光電変換効率は6.0%であった。
(実施例41)(ドット+SiO2構造体)
本実施例と実施例35が異なる点は、微細構造体として微小体をドット状に設け、波長変換層として柱状のSiO2構造体を用いている点である。本実施例の太陽電池について、図9、10を使って説明する。
ソーダライムガラスからなる基板に下部電極となるMo電極を真空蒸着によって形成した。次に、Cu、In、Gaをスパッタリングで付着させ、プリカーサ層を形成した。その後、H2Seガスの雰囲気中500℃でアニールすることによりCIGS層を形成した。
次に、CIGS層上へ有機SOG組成物(OCD−T7 5500−T(商品名)、東京応化工業株式会社製)をELで1:1に希釈した溶液を3000rpm、30秒でスピンコートを行ったのち、ホットプレート上において110℃で90秒間加熱して溶媒を蒸発させた。次いでレジストを窒素雰囲気下において250℃でアニール行い熱硬化させた。硬化後の膜厚は50nmであった。
次いで、PS(Mw58000):PMMA(Mw:130000)のブロックポリマーに、PMMA(Mw:1500)を重量比6:4で混合したポリマーをプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)に2wt%で溶かした液をスピンコート法で2000rpm、30秒で塗布した後、110℃,90秒でプリベークして溶剤を気化し80nmの膜厚を得た。
次いで、窒素雰囲気中で210℃,4時間のアニールを行い、PSとPMMAの相分離を行い、直径70nm程度のポリスチレンのドットパターンを形成した(図9(a))。
その後、O2 =30sccm、圧力13.3Pa(100mTorr)、パワー=100Wの条件下で15秒間RIEすることにより、相分離したPS−PMMAのうちPMMAを選択的にエッチングしPSドットパターンを形成した(図9(b))。
次いで、PSドットパターンをマスクとして、CF4流量30sccm、圧力1.33Pa(10mTorr)、パワー100Wで90秒間エッチングしSOGドットパターンを形成した(図9(c))。
次いで、そのSOGドットパターンをマスクとして、Cl2:15sccm、Ar:15sccm、RFパワー100Wの条件でRIEを60秒間行った。塩素ガスRIE後、CIGS層中へ大きさ40nm、高さ20nmのピラーパターンが形成された(図9(d))。
次いで、ピラーパターンが形成されたCIGS層上へALD(Atomic Layer Deposition)法によりSiO2膜を形成し、SiピラーパターンをSiO2で埋め込んだ(図9(e))。
次いで、埋め込んでCIGS層上へ形成されたSiO2を除去するため、CF4流量30sccm、圧力1.33Pa(10mTorr)、パワー100Wで30秒間エッチングしCIGS層を露出させた。以上の工程でCIGS層中へSiO2の微細な構造体を形成した(図9(f))。
次いで、基板表面にAgを蒸着法により30nm形成した(図10(g))。
次に、基板表面に形成したAg上へレジスト(THMR IP3250、(株)東京応化工業)を乳酸エチル(EL)で1:2に希釈した溶液を3000rpm、30秒でスピンコートを行ったのち、ホットプレート上において110℃で90秒間加熱して溶媒を蒸発させた(図10(h))。レジストの膜厚は120nmであった。次いで、大きさ60nm、高さ100nmの高さを持つ凹形状が形成された石英のモールド(形状は9cm2内に形成されている)を用意し、レジスト付き基板を120℃に加熱した状態で石英のモールドの凸形状がある方をレジストに10MPaの圧力で押し付けてインプリントを行った(図10(i))。インプリント後、基板を室温まで冷却し石英モールドをリリースした(図10(j))。インプリント後、レジスト上へドット状で大きさ60nm、深さ70nmの凹形状が形成された。
次に、凹パターンが形成されたレジストパターンを、CF4:30sccm、10mTorr、RFパワー100Wの条件で30秒間エッチングを行った。CF4RIE後、レジストの底だしが行われAgが露出した(図10(k))。
次いで、イオンミリング装置を用いて、加速電圧500V、イオン電流40mAの条件で60秒間、Ag層のエッチングを行って開口部を有する金属電極層を形成させた。イオンミリングによりAgにドット状で大きさ60nmのパターンが形成された。残留したレジストを有機溶媒により取り除いた(図10(l))。
次いで、Auドット上にCdS層を70nm形成した。CdS層の上には透明導電膜としてZnOをMOCVDにより形成した。
表電極の作製は、エポキシ系熱硬化型のAgペーストを用いたスクリーン印刷法により櫛型電極を作製し、ドット付きCIGS太陽電池を完成させた。
比較のため、前述と同様にしてSiO2構造体が存在しないドット付きCIGS太陽電池を作製した。
(太陽電池セルの特性)
上記のようにして作製した太陽電池にAM1.5の擬似太陽光を照射し、室温における光電変換効率を評価した。その結果、SiO2構造体の存在するドット付きCIGS太陽電池の光電変換効率は7.2%と良好な値を示した。一方、SiO2構造体が存在しないドット付きCIGS太陽電池の光電変換効率は6.5%であった。
(実施例42)(ナノメッシュ+SiO2薄膜)
以下の実施例においては、半導体層としてCdTeを用いた太陽電池について説明する。構成は図8と同じであるので、図8を用いて説明する。
グラファイトからなる基板に近接昇華法によりCdTe層を形成した。
次いで、CVD法によりCdTe層上へSiO2膜を2nm形成した。
次いで、基板表面にAgを蒸着法により30nm形成した(図8(a))。
次に、基板表面に形成したAg上へレジスト(THMR IP3250、(株)東京応化工業)を乳酸エチル(EL)で1:2に希釈した溶液を2000rpm、30秒でスピンコートを行ったのち、ホットプレート上において110℃で90秒間加熱して溶媒を蒸発させた(図8(b))。レジストの膜厚は150nmであった。次いで、150nmのピッチ、大きさ100nm、高さ150nmの高さを持つ凸形状が形成された石英のモールド(形状は9cm2内に形成されている)を用意し、レジスト付き基板を120℃に加熱した状態で石英のモールドの凸形状がある方をレジストに10MPaの圧力で押し付けてインプリントを行った(図8(c))。インプリント後、基板を室温まで冷却し石英モールドをリリースした(図8(d))。インプリント後、レジスト上へ200nmのピッチ大きさ100nm、深さ100nmの凹形状が形成された。
次に、凹パターンが形成されたレジストパターンを、CF4:30sccm、10mTorr、RFパワー100Wの条件で30秒間エッチングを行った。CF4RIE後、レジストの底だしが行われAgが露出した(図8(e))。
次いで、イオンミリング装置を用いて、加速電圧500V、イオン電流40mAの条件で80秒間、Ag層のエッチングを行って開口部を有する金属電極層を形成させた。イオンミリングによりAgに200nmピッチ、100nmの開口を有するパターンが形成された。残留したレジストを有機溶媒により取り除いた。
表電極の作製は、エポキシ系熱硬化型のAgペーストを用いたスクリーン印刷法により櫛型電極を作製し、ナノメッシュ電極付きCdTe太陽電池を完成させた(図8(f))。
比較のため、前述と同様にしてSiO2膜が存在しないナノメッシュ金属付きCdTe太陽電池を作製した。
(太陽電池セルの特性)
上記のようにして作製した太陽電池にAM1.5の擬似太陽光を照射し、室温における光電変換効率を評価した。その結果、SiO2膜2nm存在するナノメッシュ金属付きCDTE太陽電池の光電変換効率は9.0%と良好な値を示した。一方、SiO2膜が存在しないナノメッシュ金属付きCdTe太陽電池の光電変換効率は8.0%であった。
この結果から、CdTe太陽電池においてもSiO2膜を挿入することで電場増強のピーク波長を短波長側にシフトしたことにより光電変換率が上昇したことを示した。
(実施例43)(ナノメッシュ+SiN薄膜)
本実施例と実施例42の異なる点は、波長変換層としてSiN薄膜を用いている点である。構成は図8と同じであるので、図8を用いて説明する。
グラファイトからなる基板に近接昇華法によりCdTe層を形成した。
次いで、CVD法によりCdTe層上へSiN膜を2nm形成した。
次いで、基板表面にAgを蒸着法により30nm形成した(図8(a))。
次に、基板表面に形成したAg上へレジスト(THMR IP3250、(株)東京応化工業)を乳酸エチル(EL)で1:2に希釈した溶液を2000rpm、30秒でスピンコートを行ったのち、ホットプレート上において110℃で90秒間加熱して溶媒を蒸発させた(図8(b))。レジストの膜厚は150nmであった。次いで、200nmのピッチ、大きさ100nm、高さ150nmの高さを持つ凸形状が形成された石英のモールド(形状は9cm2内に形成されている)を用意し、レジスト付き基板を120℃に加熱した状態で石英のモールドの凸形状がある方をレジストに10MPaの圧力で押し付けてインプリントを行った(図8(c))。インプリント後、基板を室温まで冷却し石英モールドをリリースした(図8(d))。インプリント後、レジスト上へ200nmのピッチ大きさ100nm、深さ100nmの凹形状が形成された。
次に、凹パターンが形成されたレジストパターンを、CF4:30sccm、10mTorr、RFパワー100Wの条件で30秒間エッチングを行った。CF4RIE後、レジストの底だしが行われAgが露出した(図8(e))。
次いで、イオンミリング装置を用いて、加速電圧500V、イオン電流40mAの条件で80秒間、Ag層のエッチングを行って開口部を有する金属電極層を形成させた。イオンミリングによりAgに200nmピッチ、100nmの開口を有するパターンが形成された。残留したレジストを有機溶媒により取り除いた。
表電極の作製は、エポキシ系熱硬化型のAgペーストを用いたスクリーン印刷法により櫛型電極を作製し、ナノメッシュ電極付きCdTe太陽電池を完成させた(図8(f))。
比較のため、前述と同様にしてSiN膜が存在しないナノメッシュ金属付きCdTe太陽電池を作製した。
(太陽電池セルの特性)
上記のようにして作製した太陽電池にAM1.5の擬似太陽光を照射し、室温における光電変換効率を評価した。その結果、SiN膜2nm存在するナノメッシュ金属付きCDTE太陽電池の光電変換効率は8.8%と良好な値を示した。一方、SiO2膜が存在しないナノメッシュ金属付きCdTe太陽電池の光電変換効率は8.0%であった。
この結果から、CdTe太陽電池においてもSiN膜を挿入することで電場増強のピーク波長を短波長側にシフトしたことにより光電変換率が上昇したことを示した。
(実施例44)(ナノメッシュ+SiON薄膜)
本実施例と実施例42の異なる点は、波長変換層としてSiON薄膜を用いている点である。構成は図8と同じであるので、図8を用いて説明する。
グラファイトからなる基板に近接昇華法によりCdTe層を形成した。
次いで、CVD法によりCdTe層上へSiON膜を2nm形成した。
次いで、基板表面にAuを蒸着法により30nm形成した(図8(a))。
次に、基板表面に形成したAu上へレジスト(THMR IP3250、(株)東京応化工業)を乳酸エチル(EL)で1:2に希釈した溶液を2000rpm、30秒でスピンコートを行ったのち、ホットプレート上において110℃で90秒間加熱して溶媒を蒸発させた(図8(b))。レジストの膜厚は150nmであった。次いで、200nmのピッチ、大きさ100nm、高さ150nmの高さを持つ凸形状が形成された石英のモールド(形状は9cm2内に形成されている)を用意し、レジスト付き基板を120℃に加熱した状態で石英のモールドの凸形状がある方をレジストに10MPaの圧力で押し付けてインプリントを行った(図8(c))。インプリント後、基板を室温まで冷却し石英モールドをリリースした(図8(d))。インプリント後、レジスト上へ200nmのピッチ大きさ100nm、深さ100nmの凹形状が形成された。
次に、凹パターンが形成されたレジストパターンを、CF4:30sccm、10mTorr、RFパワー100Wの条件で30秒間エッチングを行った。CF4RIE後、レジストの底だしが行われAgが露出した(図8(e))。
次いで、イオンミリング装置を用いて、加速電圧500V、イオン電流40mAの条件で90秒間、Au層のエッチングを行って開口部を有する金属電極層を形成させた。イオンミリングによりAuに200nmピッチ、100nmの開口を有するパターンが形成された。残留したレジストを有機溶媒により取り除いた。
表電極の作製は、エポキシ系熱硬化型のAgペーストを用いたスクリーン印刷法により櫛型電極を作製し、ナノメッシュ電極付きCdTe太陽電池を完成させた(図8(f))。
比較のため、前述と同様にしてSiON膜が存在しないナノメッシュ金属付きCDTE太陽電池を作製した。
(太陽電池セルの特性)
上記のようにして作製した太陽電池にAM1.5の擬似太陽光を照射し、室温における光電変換効率を評価した。その結果、SiON膜3nm存在するナノメッシュ金属付きCDTE太陽電池の光電変換効率は8.9%と良好な値を示した。一方、SiON膜が存在しないナノメッシュ金属付きCDTE太陽電池の光電変換効率は8.0%であった。
この結果から、CDTE太陽電池においてもSiON膜を挿入することで電場増強のピーク波長を短波長側にシフトしたことにより光電変換率が上昇したことを示した。
(実施例45)(ドット+SiO2薄膜)
本実施例と実施例42の異なる点は、微細構造体としてドット状のものを用い、波長変換層としてSiO2薄膜を用いている点である。構成は図8と同じであるので、図8を用いて説明する。
グラファイトからなる基板に近接昇華法によりCdTe層を形成した。
次いで、CVD法によりCdTe上へSi2膜を2nm形成した。
次いで、基板表面にAuを蒸着法により30nm形成した(図8(a))。
次に、基板表面に形成したAu上へレジスト(THMR IP3250、(株)東京応化工業)を乳酸エチル(EL)で1:2に希釈した溶液を3000rpm、30秒でスピンコートを行ったのち、ホットプレート上において110℃で90秒間加熱して溶媒を蒸発させた(図8(b))。レジストの膜厚は120nmであった。次いで、大きさ60nm、高さ100nmの高さを持つ凹形状が形成された石英のモールド(形状は9cm2内に形成されている)を用意し、レジスト付き基板を120℃に加熱した状態で石英のモールドの凸形状がある方をレジストに10MPaの圧力で押し付けてインプリントを行った(図8(c))。インプリント後、基板を室温まで冷却し石英モールドをリリースした(図8(d))。インプリント後、レジスト上へドット状で大きさ60nm、深さ70nmの凹形状が形成された。
次に、凹パターンが形成されたレジストパターンを、O2:30sccm、10mTorr、RFパワー100Wの条件で30秒間エッチングを行った。O2RIE後、レジストの底だしが行われAuが露出した(図8(e))。
次いで、イオンミリング装置を用いて、加速電圧500V、イオン電流40mAの条件で60秒間、Au層のエッチングを行って開口部を有する金属電極層を形成させた。イオンミリングによりAuにドット状で大きさ60nmのパターンが形成された。残留したレジストを有機溶媒により取り除いた(図8(f))。
次いで、Auドット上にCdS層を70nm形成した。CdS層の上には透明導電膜としてZnOをMOCVDにより形成した。
表電極の作製は、エポキシ系熱硬化型のAgペーストを用いたスクリーン印刷法により櫛型電極を作製し、ドット付きCdTe太陽電池を完成させた(図8(g))。
比較のため、前述と同様にしてSiO2膜が存在しないドット付きCdTe太陽電池を作製した。
(太陽電池セルの特性)
上記のようにして作製した太陽電池にAM1.5の擬似太陽光を照射し、室温における光電変換効率を評価した。その結果、SiO2膜3nm存在するドット付きCdTe太陽電池の光電変換効率は9.2%と良好な値を示した。一方、SiO2膜が存在しないナノメッシュ金属付きCdTe太陽電池の光電変換効率は8.0%であった。
(実施例46)(ドット+SiON薄膜)
本実施例と実施例42の異なる点は、微細構造体としてドット状のものを用い、波長変換層としてSiON薄膜を用いている点である。構成は図8と同じであるので、図8を用いて説明する。
グラファイトからなる基板に近接昇華法によりCdTe層を形成した。
次いで、CVD法によりCdTe層上へSiON膜を4nm形成した。
次いで、基板表面にAgを蒸着法により30nm形成した(図8(a))。
次に、基板表面に形成したAg上へレジスト(THMR IP3250、(株)東京応化工業)を乳酸エチル(EL)で1:2に希釈した溶液を3000rpm、30秒でスピンコートを行ったのち、ホットプレート上において110℃で90秒間加熱して溶媒を蒸発させた(図8(b))。レジストの膜厚は120nmであった。次いで、大きさ60nm、高さ100nmの高さを持つ凹形状が形成された石英のモールド(形状は9cm2内に形成されている)を用意し、レジスト付き基板を120℃に加熱した状態で石英のモールドの凸形状がある方をレジストに10MPaの圧力で押し付けてインプリントを行った(図8(c))。インプリント後、基板を室温まで冷却し石英モールドをリリースした(図8(d))。インプリント後、レジスト上へドット状で大きさ60nm、深さ70nmの凹形状が形成された。
次に、凹パターンが形成されたレジストパターンを、O2:30sccm、10mTorr、RFパワー100Wの条件で30秒間エッチングを行った。O2RIE後、レジストの底だしが行われAgが露出した(図8(e))。
次いで、イオンミリング装置を用いて、加速電圧500V、イオン電流40mAの条件で60秒間、Ag層のエッチングを行って開口部を有する金属電極層を形成させた。イオンミリングによりAgにドット状で大きさ60nmのパターンが形成された。残留したレジストを有機溶媒により取り除いた(図8(f))。
次いで、Auドット上にCdS層を70nm形成した。CdS層の上には透明導電膜としてZnOをMOCVDにより形成した。
表電極の作製は、エポキシ系熱硬化型のAgペーストを用いたスクリーン印刷法により櫛型電極を作製し、ドット付きSi太陽電池を完成させた(図8(g))。
比較のため、前述と同様にしてSiON膜が存在しないドット付きCdTe太陽電池を作製した。
(太陽電池セルの特性)
上記のようにして作製した太陽電池にAM1.5の擬似太陽光を照射し、室温における光電変換効率を評価した。その結果、SiON膜4nm存在するドット付きCdTe太陽電池の光電変換効率は9.4%と良好な値を示した。一方、SiON膜が存在しないナノメッシュ金属付きCdTe太陽電池の光電変換効率は8.3%であった。
(実施例47)(ナノメッシュ+SiN構造体)
本実施例と実施例42の異なる点は、波長変換層として柱状のSiN構造体を用いている点である。構成は図9、10と同じであるので、図9、10を用いて説明する。
グラファイトからなる基板に近接昇華法によりCdTe層を形成した。
次に、CdTe層上へ有機SOG組成物(OCD−T7 5500−T(商品名)、東京応化工業株式会社製)をELで1:1に希釈した溶液を3000rpm、30秒でスピンコートを行ったのち、ホットプレート上において110℃で90秒間加熱して溶媒を蒸発させた。次いでレジストを窒素雰囲気下において250℃でアニール行い熱硬化させた。硬化後の膜厚は50nmであった。
次いで、PS(Mw58000):PMMA(Mw:130000)のブロックポリマーに、PMMA(Mw:1500)を重量比6:4で混合したポリマーをプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)に2wt%で溶かした液をスピンコート法で2000rpm、30秒で塗布した後、110℃,90秒でプリベークして溶剤を気化し80nmの膜厚を得た。
次いで、窒素雰囲気中で210℃,4時間のアニールを行い、PSとPMMAの相分離を行い、直径70nm程度のポリスチレンのドットパターンを形成した(図9(a))。
その後、O2 =30sccm、圧力13.3Pa(100mTorr)、パワー=100Wの条件下で15秒間RIEすることにより、相分離したPS−PMMAのうちPMMAを選択的にエッチングしPSドットパターンを形成した(図9(b))。
次いで、PSドットパターンをマスクとして、CF4流量30sccm、圧力1.33Pa(10mTorr)、パワー100Wで90秒間エッチングしSOGドットパターンを形成した(図9(c))。
次いで、そのSOGドットパターンをマスクとして、Cl2:15sccm、Ar:15sccm、RFパワー100Wの条件でRIEを60秒間行った。塩素ガスRIE後、CdTe層中へ大きさ40nm、高さ20nmのピラーパターンが形成された(図9(d))。
次いで、ピラーパターンが形成されたCDTE層上へALD(Atomic Layer Deposition)法によりSiN膜を形成し、SiピラーパターンをSiNで埋め込んだ(図9(e))。
次いで、埋め込んでCdTe層上へ形成されたSiNを除去するため、CF4流量30sccm、圧力1.33Pa(10mTorr)、パワー100Wで30秒間エッチングしCdTe層を露出させた。以上の工程でCdTe層中へSiNの微細な構造体を形成した(図9(f))。
次いで、基板表面にAuを蒸着法により30nm形成した(図10(g))。
次に、基板表面に形成したAu上へレジスト(THMR IP3250、(株)東京応化工業)を乳酸エチル(EL)で1:2に希釈した溶液を2000rpm、30秒でスピンコートを行ったのち、ホットプレート上において110℃で90秒間加熱して溶媒を蒸発させた(図10(h))。レジストの膜厚は150nmであった。次いで、200nmのピッチ、大きさ100nm、高さ150nmの高さを持つ凸形状が形成された石英のモールド(形状は9cm2内に形成されている)を用意し、レジスト付き基板を120℃に加熱した状態で石英のモールドの凸形状がある方をレジストに10MPaの圧力で押し付けてインプリントを行った(図10(i))。インプリント後、基板を室温まで冷却し石英モールドをリリースした(図10(j))。インプリント後、レジスト上へ200nmのピッチ大きさ100nm、深さ100nmの凹形状が形成された。
次に、凹パターンが形成されたレジストパターンを、CF4:30sccm、10mTorr、RFパワー100Wの条件で30秒間エッチングを行った。CF4RIE後、レジストの底だしが行われAu露出した。
次いで、イオンミリング装置を用いて、加速電圧500V、イオン電流40mAの条件で80秒間、Au層のエッチングを行って開口部を有する金属電極層を形成させた。イオンミリングによりAuに200nmピッチ、100nmの開口を有するパターンが形成された。残留したレジストを有機溶媒により取り除いた。
表電極の作製は、エポキシ系熱硬化型のAgペーストを用いたスクリーン印刷法により櫛型電極を作製し、ナノメッシュ電極付きCdTe太陽電池を完成させた(図10(l))。
比較のため、前述と同様にしてSiN構造体が存在しないナノメッシュ金属付きCdTe太陽電池を作製した。
(太陽電池セルの特性)
上記のようにして作製した太陽電池にAM1.5の擬似太陽光を照射し、室温における光電変換効率を評価した。その結果、SiN構造体を有するナノメッシュ金属付きCdTe太陽電池の光電変換効率は68.8%と良好な値を示した。一方、SiN構造体が存在しないナノメッシュ金属付きCdTe太陽電池の光電変換効率は8.0%であった。
(実施例48)(ドット+SiO2構造体)
本実施例と実施例42の異なる点は、波長変換層として柱状のSiO2構造体を用いている点である。構成は図9、10と同じであるので、図9、10を用いて説明する。
グラファイトからなる基板に近接昇華法によりCdTe層を形成した。
次に、CdTe層上へ有機SOG組成物(OCD−T7 5500−T(商品名)、東京応化工業株式会社製)をELで1:1に希釈した溶液を3000rpm、30秒でスピンコートを行ったのち、ホットプレート上において110℃で90秒間加熱して溶媒を蒸発させた。次いでレジストを窒素雰囲気下において250℃でアニール行い熱硬化させた。硬化後の膜厚は50nmであった。
次いで、PS(Mw58000):PMMA(Mw:130000)のブロックポリマーに、PMMA(Mw:1500)を重量比6:4で混合したポリマーをプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)に2wt%で溶かした液をスピンコート法で2000rpm、30秒で塗布した後、110℃,90秒でプリベークして溶剤を気化し80nmの膜厚を得た。
次いで、窒素雰囲気中で210℃,4時間のアニールを行い、PSとPMMAの相分離を行い、直径70nm程度のポリスチレンのドットパターンを形成した(図9(a))。
その後、O2 =30sccm、圧力13.3Pa(100mTorr)、パワー=100Wの条件下で15秒間RIEすることにより、相分離したPS−PMMAのうちPMMAを選択的にエッチングしPSドットパターンを形成した(図9(b))。
次いで、PSドットパターンをマスクとして、CF4流量30sccm、圧力1.33Pa(10mTorr)、パワー100Wで90秒間エッチングしSOGドットパターンを形成した(図9(c))。
次いで、そのSOGドットパターンをマスクとして、Cl2:15sccm、Ar:15sccm、RFパワー100Wの条件でRIEを60秒間行った。塩素ガスRIE後、CdTe層中へ大きさ40nm、高さ20nmのピラーパターンが形成された(図9(d))。
次いで、ピラーパターンが形成されたCDTE層上へALD(Atomic Layer Deposition)法によりSiO2膜を形成し、SiピラーパターンをSiO2で埋め込んだ(図9(e))。
次いで、埋め込んでCdTe層上へ形成されたSiO2を除去するため、CF4流量30sccm、圧力1.33Pa(10mTorr)、パワー100Wで30秒間エッチングしCdTe層を露出させた。以上の工程でCDTE層中へSiO2の微細な構造体を形成した(図9(f))。
次いで、基板表面にAgを蒸着法により30nm形成した(図10(g))。
次に、基板表面に形成したAg上へレジスト(THMR IP3250、(株)東京応化工業)を乳酸エチル(EL)で1:2に希釈した溶液を3000rpm、30秒でスピンコートを行ったのち、ホットプレート上において110℃で90秒間加熱して溶媒を蒸発させた(図10(h))。レジストの膜厚は120nmであった。次いで、大きさ60nm、高さ100nmの高さを持つ凹形状が形成された石英のモールド(形状は9cm2内に形成されている)を用意し、レジスト付き基板を120℃に加熱した状態で石英のモールドの凸形状がある方をレジストに10MPaの圧力で押し付けてインプリントを行った(図10(i))。インプリント後、基板を室温まで冷却し石英モールドをリリースした(図10(j))。インプリント後、レジスト上へドット状で大きさ60nm、深さ70nmの凹形状が形成された。
次に、凹パターンが形成されたレジストパターンを、CF4:30sccm、10mTorr、RFパワー100Wの条件で30秒間エッチングを行った。CF4RIE後、レジストの底だしが行われAgが露出した(図10(k))。
次いで、イオンミリング装置を用いて、加速電圧500V、イオン電流40mAの条件で60秒間、Ag層のエッチングを行って開口部を有する金属電極層を形成させた。イオンミリングによりAgにドット状で大きさ60nmのパターンが形成された。残留したレジストを有機溶媒により取り除いた(図10(l))。
次いで、Auドット上にCdS層を70nm形成した。CdS層の上には透明導電膜としてZnOをMOCVDにより形成した。
表電極の作製は、エポキシ系熱硬化型のAgペーストを用いたスクリーン印刷法により櫛型電極を作製し、ドット付きCdTe太陽電池を完成させた。
比較のため、前述と同様にしてSiO2構造体が存在しないドット付きCdTe太陽電池を作製した。
(太陽電池セルの特性)
上記のようにして作製した太陽電池にAM1.5の擬似太陽光を照射し、室温における光電変換効率を評価した。その結果、SiO2構造体の存在するドット付きCdTe太陽電池の光電変換効率は9.0%と良好な値を示した。一方、SiO2構造体が存在しないドット付きCdTe太陽電池の光電変換効率は8.3%であった。
上述の実施形態によれば、メッシュ状、あるいは粒子状など第2の金属層の端部による電場増強のピーク波長を短波長側にシフトさせることができる。従って、例えば太陽電池などの光電変換層において可視光の波長を光電変換することができ、変換効率を高めることができる。
なお、上述の実施形態は本発明の一例であり、発明の範囲はこれらに限られない。なお、図面は模式的または概念的なものであり、各部分の厚みと幅との関係、部分間の大きさの比率などは、必ずしも現実のものと同一とは限らない。また、同じ部分を表す場合であっても、図面により互いの寸法や比率が異なって表される場合もある。