JP5398450B2 - コネクタ付き光伝送体、光コネクタ、光コネクタの組立方法 - Google Patents
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Description
また、特許文献2には、フェルールに形成されたスロットに融着接続部が配置された構造の光コネクタが開示されている。
第1の発明は、光ファイバとこの光ファイバの長手方向に沿って延在する抗張力体とが外装被覆によって覆われてなる光伝送体の先端に光コネクタが組み立てられたコネクタ付き光伝送体であって、前記光コネクタは、フェルールと、該フェルールに内挿固定された内蔵光ファイバの前記フェルール先端の接続端面とは反対の後側に突出された後端部を前記光伝送体端末に口出しされた前記光ファイバの先端部に融着接続した融着接続部及び前記光伝送体端末に口出しされた前記抗張力体を前記融着接続部を収納した補強チューブの内側に設けられた熱可塑性樹脂である補強材中に埋め込んだ融着補強部とをコネクタハウジングに収納してなり、前記コネクタハウジングは、胴体スリーブと、この胴体スリーブの前端側に設けられ前記フェルールを収納するフェルールハウジングとを具備して構成され、前記融着補強部は、前記補強チューブの一端が前記フェルールハウジング後端部の筒状のチューブ固定部に、他端が前記光伝送体端末にそれぞれ固定され、前記チューブ固定部に内挿された前記内蔵光ファイバの前記チューブ固定部から後側に突出された部分及び前記光伝送体の光ファイバの前記光伝送体端末から延出された部分が前記融着接続部及び前記抗張力体とともに前記補強材中に埋め込まれ、しかも前記補強チューブ、前記補強チューブと前記補強材との境界、前記補強材の前記境界に沿う外周部、から選択される1以上に、その周方向全周にわたって、前記補強チューブの中心軸線に沿って前記補強チューブの略全長に亘って延在する前記抗張力体とは異なる線状の抗張力部材が分散配置されていることを特徴とするコネクタ付き光伝送体を提供する。
第2の発明は、前記ブーツは、前記胴体スリーブの後端部からその後側へ延出する先細りのテーパ状に形成された柔軟なテーパ筒部を有し、前記コネクタハウジングの内側に、前記胴体スリーブ内側の胴体スリーブ内孔と前記ブーツの前記テーパ筒部内側に形成された融着補強部収納孔部とが互いに連通してなる融着補強部収納部を有し、該融着補強部収納部に前記融着補強部が収納されていることを特徴とする第1の発明のコネクタ付き光伝送体を提供する。
第3の発明は、前記補強チューブにはその形成樹脂に挿入された棒状の補強芯材が該補強チューブの中心軸線方向の略全長にわたって延在するように設けられ、前記補強チューブは前記補強芯材の一端を前記フェルールハウジングのチューブ固定部に固定し、他端を前記光伝送体の端末に固定して設けられていることを特徴とする第1又は2の発明のコネクタ付き光伝送体を提供する。
第4の発明は、前記フェルールハウジングは、スリーブ状のプラグフレームと、このプラグフレームの後端側に取り付けられたストップリングとからなり、前記ストップリングの後端に前記チューブ固定部を有することを特徴とする第1〜3のいずれか1つの発明のコネクタ付き光伝送体を提供する。
第5の発明は、前記フェルールハウジング内に前記フェルールを該フェルールハウジングに対して前側へ弾性付勢するスプリングを収納してなるフェルール収納ユニットを具備することを特徴とする第1〜4のいずれか1つの発明のコネクタ付き光伝送体を提供する。
第6の発明は、光ファイバとこの光ファイバの長手方向に沿って延在する抗張力体とが外装被覆によって覆われてなる光伝送体の端末に組み立てられる光コネクタであって、フェルールと、熱収縮性の補強チューブの内面側に熱可塑性樹脂が設けられたスリーブ状に形成され、前記フェルールに内挿固定された内蔵光ファイバの前記フェルール先端の接続端面とは反対の後側に突出された後端部を前記光伝送体端末に口出しした前記光ファイバの先端部に融着接続した融着接続部を収納するための融着部補強用スリーブと、前記融着部補強用スリーブの加熱によって収縮させた前記補強チューブの内側に前記融着接続部及び前記光伝送体端末に口出しされた前記抗張力体を前記加熱によって溶融させた前記熱可塑性樹脂が固化してなる補強材中に埋め込んで形成される融着補強部を前記フェルールとともに収納するためのコネクタハウジングとを具備し、前記コネクタハウジングは、胴体スリーブと、この胴体スリーブの前端側に設けられて前記フェルールを収納するフェルールハウジングとを具備し、前記融着補強部は、前記補強チューブの一端を前記フェルールハウジング後端部の筒状のチューブ固定部に、他端を前記光伝送体端末にそれぞれ固定し、前記チューブ固定部に内挿された前記内蔵光ファイバの前記フェルールハウジングから後側に突出された部分及び前記光伝送体の光ファイバの前記光伝送体端末から延出された部分を前記融着接続部及び前記抗張力体とともに前記熱可塑性樹脂中に埋め込んで、前記コネクタハウジングの前記胴体スリーブの中心軸線に沿って延在形成されるようになっており、前記融着部補強用スリーブは、前記補強チューブ、前記補強チューブと前記熱可塑性樹脂との境界、前記熱可塑性樹脂、から選択される1以上に、その周方向の全周にわたって、前記補強チューブの中心軸線に沿って前記補強チューブの略全長に亘って延在する前記抗張力体とは異なる線状の抗張力部材が分散配置されてなることを特徴とする光コネクタを提供する。
第7の発明は、前記融着部補強用スリーブが、前記補強チューブの内側に、前記熱可塑性樹脂からなる内チューブを収納してなる二重管構造とされていることを特徴とする第6の発明の光コネクタを提供する。
第8の発明は、前記融着部補強用スリーブの前記補強チューブの形成樹脂中に、該補強チューブの中心軸線に沿って延在する棒状の補強芯材が挿入されていることを特徴とする第6又は7の発明の光コネクタを提供する。
第9の発明は、前記フェルールハウジング内に前記フェルールを該フェルールハウジングに対して前側へ弾性付勢するスプリングを収納してなるフェルール収納ユニットを具備することを特徴とする第6〜8のいずれか1つの発明の光コネクタを提供する。
第10の発明は、光ファイバとこの光ファイバの長手方向に沿って延在する抗張力体とが外装被覆によって覆われてなる光伝送体の端末に、第6〜9のいずれか1つの発明の光コネクタを組み立てる方法であって、前記フェルールに内挿固定されている内蔵光ファイバの前記フェルールハウジングの前記チューブ固定部から後側に突出された後端部を、前記光伝送体端末に口出しされた前記光ファイバの先端部に融着接続して融着接続部を形成する融着工程と、この融着工程の後、予め前記光伝送体に外挿しておいた前記融着部補強用スリーブを前記フェルールハウジング側に移動してその内側に前記融着接続部と前記光伝送体端末に口出しされた前記抗張力体とを収納するとともに、該融着部補強用スリーブを、その一端をフェルールハウジングの前記チューブ固定部に外挿し他端を前記光伝送体端末に外挿した状態で加熱して前記補強チューブを収縮させ前記熱可塑性樹脂を溶融させた後、降温により、前記融着接続部及び前記光伝送体の前記抗張力体を溶融状態の熱可塑性樹脂が固化してなる前記補強材中に埋め込み、前記補強チューブを該補強チューブの熱収縮による圧着力及び/又は前記熱可塑性樹脂の接着力によって前記チューブ固定部及び前記光伝送体端末に固定してなる前記融着補強部を形成する融着補強部形成工程と、この融着補強部形成工程の後、前記コネクタハウジングを組み立てて前記融着補強部を収納するハウジング組立工程とを具備することを特徴とする光コネクタ組立方法を提供する。
第1の発明は、光ファイバとこの光ファイバの長手方向に沿って延在する抗張力体とが外装被覆によって覆われてなる光伝送体の先端に光コネクタが組み立てられたコネクタ付き光伝送体であって、前記光コネクタは、フェルールと、該フェルールに内挿固定された内蔵光ファイバの前記フェルール先端の接続端面とは反対の後側に突出された後端部を前記光伝送体端末に口出しされた前記光ファイバの先端部に融着接続した融着接続部及び前記光伝送体端末に口出しされた前記抗張力体を前記融着接続部を収納した補強チューブの内側に設けられた熱可塑性樹脂である補強材中に埋め込んだ融着補強部とをコネクタハウジングに収納してなり、前記コネクタハウジングは、胴体スリーブと、この胴体スリーブの前端側に設けられ前記フェルールを収納するフェルールハウジングと、前記胴体スリーブの後端部に装着され前記光伝送体が内挿されたブーツとを具備して構成され、前記融着補強部は、前記補強チューブの一端が前記フェルールハウジング後端部の筒状のチューブ固定部に、他端が前記光伝送体端末にそれぞれ外挿固定され、前記チューブ固定部に内挿された前記内蔵光ファイバの前記チューブ固定部から後側に突出された部分及び前記光伝送体の光ファイバの前記光伝送体端末から延出された部分が前記融着接続部及び前記抗張力体とともに前記補強材中に埋め込まれ、前記フェルールハウジングからその後側へ延出するように形成され、しかも前記補強チューブ、前記補強チューブと前記補強材との境界、前記補強材の前記境界に沿う外周部、から選択される1以上に、その周方向全周にわたって、前記補強チューブの中心軸線に沿って延在する線状の抗張力部材が分散配置されていることを特徴とするコネクタ付き光伝送体を提供する。
第2の発明は、前記ブーツは、前記胴体スリーブの後端部からその後側へ延出する先細りのテーパ状に形成された柔軟なテーパ筒部を有し、前記コネクタハウジングの内側に、前記胴体スリーブ内側の胴体スリーブ内孔と前記ブーツの前記テーパ筒部内側に形成された融着補強部収納孔部とが互いに連通してなる融着補強部収納部を有し、該融着補強部収納部に前記融着補強部が収納されていることを特徴とする第1の発明のコネクタ付き光伝送体を提供する。
第3の発明は、前記補強チューブにはその形成樹脂に挿入された棒状の補強芯材が該補強チューブの中心軸線方向の略全長にわたって延在するように設けられ、前記補強チューブは前記補強芯材の一端を前記フェルールハウジングのチューブ固定部に固定し、他端を前記光伝送体の端末に固定して設けられていることを特徴とする第1又は2の発明のコネクタ付き光伝送体を提供する。
第4の発明は、前記フェルールハウジングは、スリーブ状のプラグフレームと、このプラグフレームの後端側に取り付けられたストップリングとからなり、前記ストップリングの後端に前記チューブ固定部を有することを特徴とする第1〜3のいずれかの発明のコネクタ付き光伝送体を提供する。
第5の発明は、前記フェルールハウジング内に前記フェルールを該フェルールハウジングに対して前側へ弾性付勢するスプリングを収納してなるフェルール収納ユニットを具備することを特徴とする第1〜4のいずれかの発明のコネクタ付き光伝送体を提供する。
第6の発明は、光ファイバとこの光ファイバの長手方向に沿って延在する抗張力体とが外装被覆によって覆われてなる光伝送体の端末に組み立てられる光コネクタであって、フェルールと、熱収縮性の補強チューブの内面側に熱可塑性樹脂が設けられたスリーブ状に形成され、前記フェルールに内挿固定された内蔵光ファイバの前記フェルール先端の接続端面とは反対の後側に突出された後端部を前記光伝送体端末に口出しした前記光ファイバの先端部に融着接続した融着接続部を収納するための融着部補強用スリーブと、前記融着部補強用スリーブの加熱によって収縮させた前記補強チューブの内側に前記融着接続部及び前記光伝送体端末に口出しされた前記抗張力体を前記加熱によって溶融させた前記熱可塑性樹脂が固化してなる補強材中に埋め込んで形成される融着補強部を前記フェルールとともに収納するためのコネクタハウジングとを具備し、前記コネクタハウジングは、胴体スリーブと、この胴体スリーブの前端側に設けられて前記フェルールを収納するフェルールハウジングと、前記光伝送体に外挿して前記胴体スリーブの後端部に装着されるブーツとを具備し、前記融着補強部は、前記補強チューブの一端を前記フェルールハウジング後端部の筒状のチューブ固定部に、他端を前記光伝送体端末にそれぞれ外挿固定し、前記チューブ固定部に内挿された前記内蔵光ファイバの前記フェルールハウジングから後側に突出された部分及び前記光伝送体の光ファイバの前記光伝送体端末から延出された部分を前記融着接続部及び前記抗張力体とともに前記熱可塑性樹脂中に埋め込んで、前記フェルールハウジングからその後側へ前記コネクタハウジングの前記胴体スリーブの中心軸線に沿って延在形成されるようになっており、前記融着部補強用スリーブは、前記補強チューブ、前記補強チューブと前記熱可塑性樹脂との境界、前記熱可塑性樹脂、から選択される1以上に、その周方向の全周にわたって、前記補強チューブの中心軸線に沿って延在する線状の抗張力部材が分散配置されてなることを特徴とする光コネクタを提供する。
第7の発明は、前記融着部補強用スリーブが、前記補強チューブの内側に、前記熱可塑性樹脂からなる内チューブを収納してなる二重管構造とされていることを特徴とする第6の発明の光コネクタを提供する。
第8の発明は、前記融着部補強用スリーブの前記補強チューブの形成樹脂中に、該補強チューブの中心軸線に沿って延在する棒状の補強芯材が挿入されていることを特徴とする第6又は7の発明の光コネクタを提供する。
第9の発明は、前記フェルールハウジング内に前記フェルールを該フェルールハウジングに対して前側へ弾性付勢するスプリングを収納してなるフェルール収納ユニットを具備することを特徴とする第6〜8のいずれかの発明の光コネクタを提供する。
第10の発明は、光ファイバとこの光ファイバの長手方向に沿って延在する抗張力体とが外装被覆によって覆われてなる光伝送体の端末に、第6〜9のいずれかの発明の光コネクタを組み立てる方法であって、前記フェルールに内挿固定されている内蔵光ファイバの前記フェルールハウジングの前記チューブ固定部から後側に突出された後端部を、前記光伝送体端末に口出しされた前記光ファイバの先端部に融着接続して融着接続部を形成する融着工程と、この融着工程の後、予め前記光伝送体に外挿しておいた前記融着部補強用スリーブを前記フェルールハウジング側に移動してその内側に前記融着接続部と前記光伝送体端末に口出しされた前記抗張力体とを収納するとともに、該融着部補強用スリーブを、その一端をフェルールハウジングの前記チューブ固定部に外挿し他端を前記光伝送体端末に外挿した状態で加熱して前記補強チューブを収縮させ前記熱可塑性樹脂を溶融させた後、降温により、前記融着接続部及び前記光伝送体の前記抗張力体を溶融状態の熱可塑性樹脂が固化してなる前記補強材中に埋め込み、前記補強チューブを該補強チューブの熱収縮による圧着力及び/又は前記熱可塑性樹脂の接着力によって前記チューブ固定部及び前記光伝送体端末に固定してなる前記融着補強部を形成する融着補強部形成工程と、この融着補強部形成工程の後、前記コネクタハウジングを組み立てて前記融着補強部を収納するハウジング組立工程とを具備することを特徴とする光コネクタ組立方法を提供する。
また、本発明では、フェルールに内挿固定されている内蔵光ファイバの後端部を光伝送体端末に口出しされた光ファイバの先端部に融着接続して融着接続部を形成すれば良いので、フェルールから離隔した所で融着接続作業を楽に行うことができ、融着接続の作業性の確保も容易である。
このため、例えば光コネクタ後端から延出する光伝送体のサイドプル、光コネクタの側方からの押圧力によるコネクタハウジングの撓み変形(例えばコネクタハウジング後端部のブーツの曲げ)等に起因する曲げ力によって融着補強部に撓み変形が生じるとき、前記抗張力部材が、融着補強部の撓み変形の外周側部分の伸びを抑制して、融着補強部の全長にわたって、撓み変形による融着補強部の湾曲半径を大きく保つ機能を果たす。
したがって、本発明によれば、融着補強部の曲げ方向に対する依存性無しに、融着補強部内の光ファイバの断線防止を容易に実現できる。また、このことも、コネクタ付き光伝送体の長期信頼性の向上に有効に寄与することは言うまでもない。
まず、本発明の1実施形態であるコネクタ付き光ファイバコード(コネクタ付き光伝送体)を、図1〜図8(a)、(b)等を参照して説明する。
図1および図2(a)、(b)に示すように、このコネクタ付き光ファイバコードは、光ファイバコード21(光伝送体)の端末に、光コネクタ1を組み立てたものである。
なお、以下の説明において、図2(a)、(b)における左側を前、右側を後として説明する。
抗張力体23としては、アラミド繊維が好適に用いられるが、ガラス繊維、炭素繊維なども使用できる。
図2(a)、(b)に示すように、前記光コネクタ1は、フェルール4と、フェルール4を前方に弾性付勢するためのコイルスプリング5(スプリング)と、前記フェルール4に内挿固定された短尺の光ファイバ12(以下、内蔵光ファイバとも言う)のフェルール4の後側に延出された部分の端部(後端部12b)を前記光ファイバコード21端末に口出しされた光ファイバ22と融着接続した融着接続部15を該融着接続部15に外挿した樹脂製の補強チューブ10の内側に充填された熱可塑性樹脂である補強材11中に埋め込んでなる融着補強部20とを、カップリング2(つまみ)を組み付けたコネクタハウジング25内に収納した概略構成となっている。
前記光ファイバコード21の光ファイバ22は、単心の光ファイバ心線、光ファイバ素線といった単心の光ファイバである。
また、内蔵光ファイバ12の、光ファイバ導入孔13cのファイバ孔部13c1から後側のテーパ孔部13c2、拡張孔部13c3に内挿された部分は、テーパ孔部13c2、拡張孔部13c3に充填された接着剤26中に埋め込むようにして接着固定されている。
但し、フェルール4における内蔵光ファイバ12の接着固定は、内蔵光ファイバ12の光ファイバ導入孔13cに挿入された部分のうち少なくとも被覆付きファイバ部123について確実に行われていれば良く、ファイバ孔部13c1内における内蔵光ファイバ12の先端部12aの固定は接着剤26を用いることなく、該ファイバ孔部13c1内への先端部12aの圧入による固定であっても良い。
内蔵光ファイバ12の先端部12aの端面は、該端面における光軸に対する垂直面であっても良いが、例えばフェルール4(詳細にはキャピラリ部13)に対する内蔵光ファイバ12の内挿固定後に接続端面13aの研磨を行うこと等によって、接続端面13aと連続する研磨面をなしていても良い。
この内蔵光ファイバ12の被覆付きファイバ部123はフェルールハウジング3から後側へ延出されている。内蔵光ファイバ12の前記後側延出部のうち、フェルールハウジング3内に位置する部分はその全長が被覆付きファイバ部123とされている。
図2(a)、(b)、図3に示すように、前記コネクタハウジング25は、フェルール4及びコイルスプリング5を収納したスリーブ状のフェルールハウジング3と、このフェルールハウジング3の後端側に組み付けてフェルールハウジング3から後側に延出するようにして設けられた保護筒部18(以下、胴体スリーブとも言う)と、この胴体スリーブ18の後端部に外嵌めして装着されたブーツ19とを具備して構成されている。
前記フェルールハウジング3は、スリーブ状(図示例では角筒状)のプラグフレーム6と、プラグフレーム6の後端部に嵌合して取り付けられたスリーブ状(図示例では円筒状)のストップリング7とによって、全体としてスリーブ状に形成されている。ストップリング7は、その前端部をプラグフレーム6後端部の内側に嵌め込んでプラグフレーム6に取り付けられている。
前記ストップリング7は、スリーブ状(具体的には円筒状)の本体部8と、この本体部8よりも小径の筒状(円筒状)に形成され前記本体部8から後方に延びるチューブ固定部9とを有する。前記チューブ固定部9には、前記融着補強部20の補強チューブ10の長手方向片端(前端部)が外挿固定されている。
前記ストッパ突起6aとストップリング7前端部との間には、フェルール4のフランジ部14の前後方向の移動を可能にするクリアランスが確保されており、このクリアランスによるフランジ部14の前後方向の可動量がフェルールハウジング3内におけるフェルール4の前後方向の可動量となっている。
ストップリング7前端部は、その前側からフランジ部14が当接されることでフェルール4のそれ以上の後側への移動を規制するストッパ片として機能する。
ストップリング7の内側を貫通する貫通孔(ストップリング貫通孔)の前端部には、スリーブ状のフェルールハウジング3と同軸に設けられたコイルスプリング5の後端部を収納するためのスプリング収納穴部7aが、ストップリング貫通孔のスプリング収納穴部7aから後側の部分に比べて内径が大きい拡張穴として形成されている。ストップリング7内側の前記係止段部8aは具体的には、前記スプリング収納穴部7aと、ストップリング貫通孔のスプリング収納穴部7aから後側の部分との間の内径差によって形成された段差面である。図示例のストップリング7にあっては、前記係止段部8a(段差面)はストップリング7の本体部8の内面に形成されている。
そして、図2(b)に示すように、この光コネクタ1は、他の光コネクタ1aとの突き合わせ接続時に、フェルール4がコイルスプリング5の弾性付勢力に抗してコイルスプリング5が押し縮めながらコネクタハウジング25に対して後側に押し込まれることで、前記コイルスプリング5の弾性付勢力によって他の光コネクタ1aとフェルール4との間の突き合わせ力を与えることができるようになっている。
これにより、フェルール4のコネクタハウジング25に対する後側への変位(押し込み)に伴う、内蔵光ファイバ12の後側延出部のフェルールハウジング3内での湾曲変形が大きくなって(湾曲半径が小さくなる)曲げ損失が生じたり、内蔵光ファイバ12を折損するといった不都合の発生を防止することができる。
前記カップリング2は角筒状の部材であり、角筒状のプラグフレーム6の後端部に円筒状のストップリング7を内嵌めして組み立てられたフェルールハウジング3と、前記ストップリング7にその後側から嵌合して取り付けられた胴体スリーブ18とからなるハウジング本体に、その前後方向に若干の可動範囲を確保してスライド移動可能に外挿されており、光コネクタアダプタ、光コネクタレセプタクルといったコネクタ位置決めハウジングに対して、プラグフレーム6と協働して、通常のSC形光コネクタに設けられるものと同様のスライドロック機構を構成している。
カップリングは、プラグフレームと協働して、コネクタ位置決めハウジングに対するスライドロック機構を構成するもの、すなわちプラグフレームに対するコネクタ前後方向のスライド移動によって、コネクタ位置決めハウジング内部の弾性爪のプラグフレームに対する係合状態のロック及びロック解除を切り換えるものであり、その具体的構成はコネクタ位置決めハウジングやプラグフレームの構成に応じて適宜変更されるものである。
図示例では、環状凸部9aは断面矩形状であるが、環状凸部の断面形状はこれに限定されず、半円状、逆V字状などとすることができる。環状凸部の数は1でもよいし、複数でもよい。
図示例の光コネクタ1において、胴体スリーブ18の前記係止穴18aは胴体スリーブ18前端開口部を介して両側の口縁部から前側に突出された突片である一対の係止片18cにそれぞれ形成されており、ストップリング7の外周面の両側に胴体スリーブ18の2つの係止穴18aに対応させて突設された係止凸部8bとそれぞれ嵌合させている。
なお、胴体スリーブ18の係止穴18a、ストップリング7の係止凸部8bの形成数はそれぞれ2つに限定されず、3以上であっても良い。
また、胴体スリーブ18の係止穴18aは胴体スリーブ18の係止片18cに形成した構成に限定されず、胴体スリーブ18のスリーブ状部分の前端部の肉厚を貫通する窓孔状等であっても良い。
図2(a)、(b)に示すように、このブーツ19は、前記装着用筒部191を、その内側に突設された係止突起19aを胴体スリーブ18外面の係止凹部18bに嵌め込んで、胴体スリーブ18の後端部にコネクタ前後方向の移動を規制した状態で外嵌めし、前記テーパ筒部192が胴体スリーブ18から後側へ延出されるようにして取り付けられている。
前記テーパ筒部貫通孔19bは、その前端側の融着補強部収納孔部19b1と、この融着補強部収納孔部19b1に比べて細径に形成され前記融着補強部収納孔部19b1後端からテーパ筒部192後端まで貫設された伝送体収納孔部19b2とからなる。前記光ファイバコード21は、ブーツ19に固定せずに前記伝送体収納孔部19b2に引き通して、その端末をコネクタハウジング25内に引き込んだ状態とされている。光ファイバコード21の前記端末とは反対の側はブーツ19後端から後側へ延出されている。
融着補強部収納孔部19b1は、融着補強部20を収納するために、融着補強部20の断面外形に比べて充分に大きい断面寸法で形成されている。
前記補強チューブ10の一端(前端)は前記フェルールハウジング3後端部のチューブ固定部9に外挿して固定され、他端(後端)は前記光ファイバコード21端末(シース24端末)に外挿して固定されている。
この抗張力部材32は、融着補強部20において補強チューブ10あるいは補強材11の形成樹脂中に埋め込まれてその形成樹脂に固着、一体化された状態となり、融着補強部20に作用する引っ張り力を負担して融着補強部20の伸びを抑える機能を果たす。
なお、図5(a)、(b)、(c)に例示した二重管構造の補強用スリーブ30の補強チューブ10、内チューブ31は、いずれも円筒状に形成されている。
図6、図8(a)等に例示した補強用スリーブ30における、熱可塑性樹脂の補強チューブ10長手方向(中心軸線方向)における延在範囲(熱可塑性樹脂の延在長)は、内蔵光ファイバ12の後端部12bと光ファイバコード21の光ファイバ22との融着接続を完了したときのフェルールハウジング3後端と光ファイバコード21端末(シース24先端面)との間の距離に略一致されている。
また、補強チューブ10内面に熱可塑性樹脂層(補強材層)が被着状態に形成され補強チューブ10と熱可塑性樹脂層とが一体化された構成の補強用スリーブ30にあっては、抗張力部材32は、補強チューブ10の形成樹脂中への埋め込み固着、熱可塑性樹脂層の形成樹脂中への埋め込み固着、補強チューブ10と熱可塑性樹脂層との間への介在配置(埋め込み)、から選択される1以上を採用して設けられる。
いずれの構成の補強用スリーブ30についても抗張力部材32は、補強用スリーブ30の周方向全周にわたって多数本を分散配置して設けられる。
この補強用スリーブ30Aは、補強チューブ10の内側に該補強チューブ10とは別体の熱可塑性樹脂製の内チューブ31を収納した二重管構造のものであり、補強チューブ10として、その形成樹脂中に線状の抗張力部材32を該補強チューブ10の長手方向略全長にわたって延在(縦添え)するように埋め込んだもの(補強チューブ10A)を採用し、この補強チューブ10Aの内側に抗張力部材32を埋め込んでいない内チューブ31(図中符号31Aを付記する)を収納した構成になっている。
図5(b)に例示する補強用スリーブ30Bは、抗張力部材32が埋め込まれていない補強スリーブ10(図中符号10Bを付記する)及び内チューブ31Aを用い、前記補強スリーブ10Bと内チューブ31Aとの間(補強スリーブ10Bと内チューブ31Aとの境界)に補強スリーブ10B及び内チューブ31Aの中心軸線方向(補強用スリーブ30の長手方向)に沿って延在(縦添え)するように抗張力部材32を介在配置させた構成になっている。
この補強用スリーブ30Aにあっては、補強チューブ10Aに埋め込まれている抗張力部材32が、その長手方向全長にわたって縦添えされた構成になっている。
補強用スリーブ30B、30Cについては、抗張力部材32は内チューブ31の両端から延出され補強チューブ10の全長と略一致する範囲に設けられるようにして縦添えされる。
補強スリーブ21としては、熱収縮性の樹脂からなるものが使用され、例えば100〜160℃で収縮するポリオレフィン系樹脂などを使用できる。
また、この熱可塑性樹脂としては、補強チューブ10の収縮温度において軟化することが好ましい。この軟化温度は、例えば100〜160℃である。
図8(a)では、フェルールハウジング3のチューブ固定部9、光ファイバコード21端末にそれぞれ補強チューブ10の張出部を外挿し、熱可塑性樹脂(内チューブ31)をチューブ固定部9と光ファイバコード21端末との間に、チューブ固定部9、光ファイバコード21端末に対して重ならないように配置した構成を例示しているが、チューブ固定部9及び/又は光ファイバコード21端末に対して、補強用スリーブ30の熱可塑性樹脂が設けられている部分を外挿しても良い。
図8(b)に示すように、図示例では、光ファイバコード21端末に対する補強チューブ10の固着(固定)は、光ファイバコード21のシース24外周面と補強チューブ10との間に介在させた熱可塑性樹脂による接着固定によって実現している。光ファイバコード21のシース24外周面と補強チューブ10との間へは、補強チューブ10の熱収縮に伴い、チューブ固定部9と光ファイバコード21端末との間から溶融状態の熱可塑性樹脂の押し出しが生じることで、熱可塑性樹脂を入り込ませることができる。
なお、図示例では、光ファイバコード21として、そのシース24外径がチューブ固定部9外径よりも小さいものを採用しており、光ファイバコード21のシース24外周面と補強チューブ10との間への加熱溶融状態の熱可塑性樹脂の入り込みが生じやすくなっている。補強用スリーブ30の補強チューブ10外径はその長手方向全長にわたって一定である。
熱可塑性樹脂による接着固定は、溶融状態の熱可塑性樹脂がチューブ固定部9外周の環状凸部9a間の凹所に入り込むことで実現される。環状凸部9a間の凹所は、補強チューブ10の熱収縮に伴う、チューブ固定部9と光ファイバコード21端末との間からの溶融状態の熱可塑性樹脂の押し出しによって、溶融状態の熱可塑性樹脂の流入が生じ得る。この熱可塑性樹脂の流入が生じない場合は、チューブ固定部9に対する補強チューブ10の固着(固定)は、該補強チューブ10の熱収縮による圧着固定のみとなる。
補強チューブ10は、該補強チューブ10の熱収縮による圧着固定のみでもチューブ固定部9に対する充分な固定力が得られるが、環状凸部9a間の凹所に入り込んだ熱可塑性樹脂による接着固定が付加されることで、さらに高い固定力が得られる。
補強チューブ10のチューブ固定部9に対する固定は、該補強チューブ10の熱収縮による圧着力及び/又は熱可塑性樹脂の接着力によって実現可能である。
また、光ファイバコード21端末に対する補強チューブ10の固着(固定)も、補強チューブ10の熱収縮による圧着力及び/又は熱可塑性樹脂の接着力によって実現可能である。
なお、光ファイバコード21に対する補強チューブ10の固定は、光ファイバコード21に対する補強チューブ10の固定力確保のため、補強チューブ10の光ファイバコード21先端部に外挿した部分の出来るだけ広範囲を固定することが好ましい。
また、融着補強部20は、その長手方向の略全長に抗張力部材32が縦添えされている構成により、高い引張強度を確保できる。
図2(a)に示すように、図示例の光コネクタ1にあっては、予め光ファイバコード21に外挿しておいた胴体スリーブ18をフェルールハウジング3側に移動してその前端部をフェルールハウジング3に嵌め込むようにして取り付け、フェルールハウジング3と、胴体スリーブ18と、この胴体スリーブ18の後端部に外嵌めして取り付けたブーツ19とからなるコネクタハウジング25を組み立てることで、その内側(融着補強部収納部28)に融着補強部20を収納することができる。
コネクタハウジング25全体の組み立て、及びプラグフレーム6に対するカップリング2の組み付けを行うことで、光コネクタ1の組み立てが完了する。
補強スリーブ30’の加熱は、該補強スリーブ30’の内側に、フェルールハウジング3後端(チューブ固定部9後端)と光ファイバコード21端末との間に位置する内蔵光ファイバ12、光ファイバ22、融着接続部15、抗張力体23を収納した状態で行う。
しかも、融着補強部20は、その補強チューブ10の前端部をチューブ固定部9に外挿固定して形成されているため、コネクタハウジング25内で揺動しにくい。このため、例えば既述の特許文献1のように融着補強部の繰り返し揺動によって内蔵光ファイバをいためるといった不都合を防止できる。
このため、本発明にかかる光コネクタ1では、融着補強部20を形成してフェルールハウジング3と光ファイバコード21とを融着補強部20を介して連結するだけで、光ファイバコード21をコネクタハウジング25に対して充分な引き留め力(固定力)を以て引き留めることができる。したがって、この光コネクタ1では、既述の特許文献1のように光ファイバコード端末に露出させた抗張力体をかしめリングを用いてハウジング後端に圧着固定する構成に比べて、光ファイバコード21の引き留めを極めて簡単に行うことができる。また、これにより、光コネクタ1全体の組み立てを短時間で効率良く行える、部品点数が少なくて済み低コスト化できる、といった効果も得られる。
図11(b)に示すように、本発明に係る光コネクタ1の融着補強部20の撓み変形は、フェルールハウジング3に片持ち状態に支持された融着補強部20の曲げ変形(撓み変形)、すなわち融着固定部20のフェルールハウジング3に固定された前端部とは反対の後端部に作用した曲げ荷重Pによる融着補強部20の撓み変形、として考えることができる。
したがって、光ファイバコード21のサイドプル等に起因する曲げ力による融着補強部20の撓み変形時に、融着補強部20にその内部の光ファイバの断線が生じるような湾曲半径で曲げ変形が与えられた箇所が存在しないように、融着補強部20の全長にわたって大きい湾曲半径を維持できれば、融着補強部20内部の光ファイバの断線を防止できる。
融着補強部20において前記抗張力部材32は、融着補強部20の前記曲げ力による撓み変形の外周側に位置する部分に作用する引っ張り力を負担して該部分の伸びを抑えることで前記曲げ力に対する抵抗力を発揮して、融着補強部20にその内部の光ファイバの断線が生じるような曲げ(撓み)が与えられることを防ぐ。また、融着補強部20の前記曲げ力による撓み変形の外周側に位置する部分に作用する引っ張り力を抗張力部材32が負担して該部分の伸びを抑える結果、融着補強部20の撓み変形自体も抑えることができる。つまり、前記融着補強部20は抗張力部材32によって撓みにくなる。
これにより、融着補強部20の長手方向全長にわたって撓み変形時の湾曲半径を大きく保つことができ、融着補強部20内部の光ファイバ(内蔵光ファイバ12、光ファイバコード21の光ファイバ22の延出部)の断線を防ぐことができる。
本発明に係る補強用スリーブ30を用いて形成した融着補強部20にあっては、前記抗張力部材32は、補強チューブ10の形成樹脂中、及び/又は補強材11の補強チューブ10内周面付近に埋め込まれて縦添え状態に設けられる。このため、抗張力部材32は、融着補強部20の撓み変形の外周側に位置する部分の伸びの抑制に有効に機能する。
図11(a)に示す融着補強部50は、光ファイバコード21のサイドプル等によって曲げ力(曲げ荷重P)が与えられたときに、補強チューブ10、その内側の補強材、補強芯材、光ファイバコード端末に口出しされて融着補強部50の補強材中に埋め込まれ固着されている抗張力体が前記曲げ力に抵抗する抵抗力を発揮する。
補強芯材33、補強材中の抗張力体は、その引っ張り強度により、融着補強部50の撓み変形の特に外周側部分に作用する引っ張り力を負担することで、融着補強部50の曲げ変形の抑制に有効に機能する。
補強芯材33は、SUS304等のステンレス鋼等からなる棒状の抗張力体である。
図11(a)に示す融着補強部50は、前記曲げ力による撓み変形の外周側に補強芯材33が位置するときは、補強芯材33が前記撓み変形によって融着補強部50に作用する引っ張り力を負担して融着補強部50の撓み変形の外周側部分の伸び抑制に有効に機能し、融着補強部50の撓み変形を効果的に抑えることができる。
しかしながら、補強芯材33の位置が、融着補強部50の撓み変形の外周側部分からずれた位置であるときは、補強芯材33が融着補強部50の撓み変形の外周側部分の伸び抑制に有効に機能せず、この補強芯材33による融着補強部50の曲げ変形抑制効果は小さくなる。
しかしながら、既述のように、補強芯材、光ファイバコードの抗張力体の補強材への埋め込みによって曲げ力に対する抵抗力を高める構成では前記曲げ力の向きに対する融着補強部50の曲げ変形抑制効果のばらつきが生じやすいため、光ファイバコードのサイドプル方向に対する依存性無しに融着補強部の曲げ変形抑制効果を高めて、融着補強部50内の光ファイバの断線防止を図るといったことは困難である。
このため、テーパ筒部192内側に融着補強部収納孔部19b1を有する構成のブーツ19の採用によって、光コネクタ1の短尺化を容易に実現できる。
光伝送体としては、光ファイバとこの光ファイバの長手方向に沿って延在する抗張力体とが外装被覆によって覆われてなる構成のものであれば良く、光ファイバコード21に限定されない。例えば、図12に示すように、単心の光ファイバ心線、光ファイバ素線等の単心の被覆付き光ファイバである光ファイバ61と、この光ファイバ61の両側に配置され光ファイバ61に沿って縦添えされた抗張力体62とが被覆材63(外装被覆)中に埋め込まれている構成の光ファイバケーブル60等も採用可能である。この光ファイバケーブル60は、光ドロップケーブル、光インドアケーブル等として用いることが可能なものである。抗張力体62としては、例えばアラミド繊維、FRP等の引っ張り強度や弾力性に優れた抗張力部材(抗張力繊維)が採用される。
光ファイバケーブル60端末への光コネクタ1の組み立て(光コネクタの組立方法)は、光ファイバコード21にかえて光ファイバケーブル60を用いること、図8(a)に示すように融着部形成工程にて融着接続部15を収納する位置に配置した補強用スリーブ30の内側に光ファイバコード21端末に露出させた抗張力体23を収納することにかえて、補強用スリーブ30の内側に光ファイバケーブル60端末に露出させた一対の抗張力体62を収納すること、以外は全て同様にすることで実現できる。
例えば、胴体スリーブが、フェルールハウジングにコネクタ前後方向への可動範囲を確保してスライド移動可能として組み付けられている構成、すなわち胴体スリーブがカップリングを兼ねる構成も含む。
また、本発明に係る光コネクタとしては、カップリングを具備していない構成も採用可能である。この場合フェルールハウジングのプラグフレームとして、例えば、SC形光コネクタのプラグフレーム、LC形光コネクタ(LC:ルーセントテクノロジー社商標)のハウジング等を採用できる。
Claims (10)
- 光ファイバ(22、61)とこの光ファイバの長手方向に沿って延在する抗張力体(23、62)とが外装被覆(24、63)によって覆われてなる光伝送体(21、60)の先端に光コネクタ(1)が組み立てられたコネクタ付き光伝送体であって、
前記光コネクタは、フェルール(4)と、該フェルールに内挿固定された内蔵光ファイバ(12)の前記フェルール先端の接続端面(13a)とは反対の後側に突出された後端部(12b)を前記光伝送体端末に口出しされた前記光ファイバの先端部(22a)に融着接続した融着接続部(15)及び前記光伝送体端末に口出しされた前記抗張力体を前記融着接続部を収納した補強チューブ(10、10A、10B、10’、10A’)の内側に設けられた熱可塑性樹脂である補強材(11)中に埋め込んだ融着補強部(20、20’)とをコネクタハウジング(25)に収納してなり、
前記コネクタハウジングは、胴体スリーブ(18)と、この胴体スリーブの前端側に設けられ前記フェルールを収納するフェルールハウジング(3)とを具備して構成され、
前記融着補強部は、前記補強チューブの一端が前記フェルールハウジング後端部の筒状のチューブ固定部(9)に、他端が前記光伝送体端末にそれぞれ固定され、前記チューブ固定部に内挿された前記内蔵光ファイバの前記チューブ固定部から後側に突出された部分及び前記光伝送体の光ファイバの前記光伝送体端末から延出された部分が前記融着接続部及び前記抗張力体とともに前記補強材中に埋め込まれ、しかも前記補強チューブ、前記補強チューブと前記補強材との境界、前記補強材の前記境界に沿う外周部、から選択される1以上に、その周方向全周にわたって、前記補強チューブの中心軸線に沿って前記補強チューブの略全長に亘って延在する前記抗張力体とは異なる線状の抗張力部材が分散配置されていることを特徴とするコネクタ付き光伝送体。 - 前記胴体スリーブの後端部に装着され前記光伝送体が内挿されたブーツ(19)をさらに備え、
前記ブーツは、前記胴体スリーブの後端部からその後側へ延出する先細りのテーパ状に形成された柔軟なテーパ筒部(192)を有し、前記コネクタハウジングの内側に、前記胴体スリーブ内側の胴体スリーブ内孔(18d)と前記ブーツの前記テーパ筒部内側に形成された融着補強部収納孔部(19b1)とが互いに連通してなる融着補強部収納部(28)を有し、該融着補強部収納部に前記融着補強部が収納されていることを特徴とする請求項1に記載のコネクタ付き光伝送体。 - 前記補強チューブにはその形成樹脂に挿入された棒状の補強芯材(33)が該補強チューブの中心軸線方向の略全長にわたって延在するように設けられ、前記補強チューブは前記補強芯材の一端を前記フェルールハウジングのチューブ固定部に固定し、他端を前記光伝送体の端末に固定して設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載のコネクタ付き光伝送体。
- 前記フェルールハウジングは、スリーブ状のプラグフレーム(6)と、このプラグフレームの後端側に取り付けられたストップリング(7)とからなり、前記ストップリングの後端に前記チューブ固定部(9)を有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のコネクタ付き光伝送体。
- 前記フェルールハウジング内に前記フェルールを該フェルールハウジングに対して前側へ弾性付勢するスプリング(7)を収納してなるフェルール収納ユニット(27)を具備することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のコネクタ付き光伝送体。
- 光ファイバ(22、61)とこの光ファイバの長手方向に沿って延在する抗張力体(23、62)とが外装被覆(24、63)によって覆われてなる光伝送体(21、60)の端末に組み立てられる光コネクタであって、
フェルール(4)と、熱収縮性の補強チューブ(10、10A、10B、10’、10A’)の内面側に熱可塑性樹脂(11、34)が設けられたスリーブ状に形成され、前記フェルールに内挿固定された内蔵光ファイバ(12)の前記フェルール先端の接続端面(13a)とは反対の後側に突出された後端部(12b)を前記光伝送体端末に口出しした前記光ファイバ(22)の先端部(22a)に融着接続した融着接続部(15)を収納するための融着部補強用スリーブ(30、30A、30B、30C、30’、30A’)と、前記融着部補強用スリーブの加熱によって収縮させた前記補強チューブの内側に前記融着接続部及び前記光伝送体端末に口出しされた前記抗張力体を前記加熱によって溶融させた前記熱可塑性樹脂が固化してなる補強材(11)中に埋め込んで形成される融着補強部(20、20’)を前記フェルールとともに収納するためのコネクタハウジング(25)とを具備し、
前記コネクタハウジングは、胴体スリーブ(18)と、この胴体スリーブの前端側に設けられて前記フェルールを収納するフェルールハウジング(3)とを具備し、
前記融着補強部は、前記補強チューブの一端を前記フェルールハウジング後端部の筒状のチューブ固定部(9)に、他端を前記光伝送体端末にそれぞれ固定し、前記チューブ固定部に内挿された前記内蔵光ファイバの前記フェルールハウジングから後側に突出された部分及び前記光伝送体の光ファイバの前記光伝送体端末から延出された部分を前記融着接続部及び前記抗張力体とともに前記熱可塑性樹脂中に埋め込んで、前記コネクタハウジングの前記胴体スリーブの中心軸線に沿って延在形成されるようになっており、
前記融着部補強用スリーブは、前記補強チューブ、前記補強チューブと前記熱可塑性樹脂との境界、前記熱可塑性樹脂、から選択される1以上に、その周方向の全周にわたって、前記補強チューブの中心軸線に沿って前記補強チューブの略全長に亘って延在する前記抗張力体とは異なる線状の抗張力部材が分散配置されてなることを特徴とする光コネクタ(1)。 - 前記融着部補強用スリーブが、前記補強チューブの内側に、前記熱可塑性樹脂からなる内チューブを収納してなる二重管構造とされていることを特徴とする請求項6に記載の光コネクタ。
- 前記融着部補強用スリーブの前記補強チューブの形成樹脂中に、該補強チューブの中心軸線に沿って延在する棒状の補強芯材(33)が挿入されていることを特徴とする請求項6又は7に記載の光コネクタ。
- 前記フェルールハウジング内に前記フェルールを該フェルールハウジングに対して前側へ弾性付勢するスプリング(7)を収納してなるフェルール収納ユニット(27)を具備することを特徴とする請求項6〜8のいずれか1項に記載の光コネクタ。
- 光ファイバ(22、61)とこの光ファイバの長手方向に沿って延在する抗張力体(23、62)とが外装被覆(24、63)によって覆われてなる光伝送体(21、60)の端末に、請求項6〜9のいずれか1項に記載の光コネクタ(1)を組み立てる方法であって、
前記フェルールに内挿固定されている内蔵光ファイバの前記フェルールハウジングの前記チューブ固定部から後側に突出された後端部を、前記光伝送体端末に口出しされた前記光ファイバ(22)の先端部(22a)に融着接続して融着接続部(15)を形成する融着工程と、
この融着工程の後、予め前記光伝送体に外挿しておいた前記融着部補強用スリーブ(30、30A、30B、30C)を前記フェルールハウジング側に移動してその内側に前記融着接続部と前記光伝送体端末に口出しされた前記抗張力体とを収納するとともに、該融着部補強用スリーブを、その一端をフェルールハウジングの前記チューブ固定部(9)に外挿し他端を前記光伝送体端末に外挿した状態で加熱して前記補強チューブを収縮させ前記熱可塑性樹脂を溶融させた後、降温により、前記融着接続部及び前記光伝送体の前記抗張力体を溶融状態の熱可塑性樹脂が固化してなる前記補強材中に埋め込み、前記補強チューブを該補強チューブの熱収縮による圧着力及び/又は前記熱可塑性樹脂の接着力によって前記チューブ固定部及び前記光伝送体端末に固定してなる前記融着補強部(20)を形成する融着補強部形成工程と、
この融着補強部形成工程の後、前記コネクタハウジングを組み立てて前記融着補強部を収納するハウジング組立工程とを具備することを特徴とする光コネクタの組立方法。
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