JP5396981B2 - エレベータの非常用電源装置 - Google Patents
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Description
図1から図3は、この発明の実施の形態1に係るもので、図1はエレベータの非常電源装置の全体構成を示すブロック図、図2は遮断回路の内部構成を示す回路図、図3はエレベータの非常電源装置の各部分における電圧の時系列変化を示す図である。
当該エレベータは通常時において商用三相交流電源3から三相交流電圧の供給を受けて運転動作するものであり、この商用三相交流電源3からの三相交流電圧は、エレベータ制御盤1内に設けられたインバータ4により、所望の三相交流電圧へと変換された上で、当該エレベータの運転すなわちエレベータかご2の昇降を駆動する駆動モータ5へと出力される。商用三相交流電源3とインバータ4との間には、過電流が流れると自動的に電路を遮断するいわゆるノーヒューズブレーカなどの配線用遮断器等からなる主電源遮断スイッチ6が設けられている。
このバッテリ7は、通常時すなわち商用三相交流電源3が遮断・停電されていない時において、エレベータ制御盤1内に設けられた充電器9により商用三相交流電源3から供給される電力を用いて充電される。そして、バッテリ7と充電器9との間には主電源遮断スイッチ6と同じく配線用遮断器等からなるバッテリ電源遮断スイッチ8が設けられている。なお、バッテリ7と充電器9の間には第1の逆阻止ダイオード10aが設けられており、バッテリ7から充電器9への逆電流はこれにより阻止されている。
エレベータかご2には、バッテリ7により供給された電力から所望の電圧を生成するとともに給電のオン/オフ制御を行う給電処理回路13が設けられており、これらの停電灯11及びインターホン12の動作に必要な電力は、この給電処理回路13から供給される。
これらの停電灯11、インターホン12、給電処理回路13及び地震感知器14は停電時において動作する必要のある負荷であるバックアップ機器である。
また、エレベータ制御盤1内には、商用三相交流電源3からの電力供給消失を検知して停電発生を検出する停電検出回路16、及び、停電検出回路16の検出結果に基づいて、停電発生時からの経過時間を計測して所定時間が経過するとバッテリ遮断信号を出力する時限タイマ17が設けられており、遮断回路15は、この時限タイマ17により停電発生から所定時間の経過が計測されて出力されるバッテリ遮断信号を受けると、バッテリ7と全てのバックアップ機器とを結ぶ電路を完全に切り離して、バッテリ7から全てのバックアップ機器への電力供給を遮断するものである。
すなわち、図において、10b、10c、10dは逆電流を防止するための第2、第3、第4の逆阻止ダイオードであり、18a、18b、18cは例えばMOSFET等のゲートに電圧が印加されるとオンとなりソース・ドレイン間で電流が流れる電界効果型トランジスタからなる第1、第2、第3の半導体スイッチである。また、19a、19b、19c、19d、19eは、それぞれ第1、第2、第3、第4、第5の抵抗である。
そして、20はバッテリ7電圧を入力として直流電圧を生成する電源回路であり、この電源回路20により生成された直流電源は、停電検出回路16及び時限タイマ17を動作させるための制御電源21となる。22は、この制御電源21の出力を平滑するための平滑コンデンサである。
そして、第2の逆阻止ダイオード10bと第2の抵抗19bとの間には第1の半導体スイッチ18aのゲートが接続され、この第1の半導体スイッチ18aのソースはバッテリ7の−極に、ドレインは第3の抵抗19cを介して第2の半導体スイッチ18bのゲートにそれぞれ接続されている。
そして、第2の半導体スイッチ18bのドレインは、第5の抵抗19eと第4の逆阻止ダイオード10dとを経て第1の半導体スイッチ18aのゲートへと接続されて、自己保持回路が形成されている。
そして、遮断回路15の出力の+−極間には、バッテリ7電圧から制御電源21を生成する電源回路20が接続されており、この制御電源21と遮断回路15出力の−極(バッテリ7の−極)との間には平滑コンデンサ22が挿設されている。
従って、この商用三相交流電源電圧Aにより、充電器9は出力電圧を発生し(通常時における充電器出力B)、遮断回路15においては、第1の抵抗19a、第2の逆阻止ダイオード10b及び第2の抵抗19bを介して、第1の半導体スイッチ18aのゲートに電圧が印加されて第1の半導体スイッチ18aがオンとなる。
充電器出力Bが消失しても、第2の半導体スイッチ18bは自己保持されてオン状態が継続するため、遮断回路出力Eは消失せずに電圧を継続出力しバックアップ機器に給電可能な状態は維持される。このため、バッテリ電圧Cはバックアップ機器に電力を消費されて徐々にゆっくりと低下していく。この状態が長時間継続すると図3のバッテリ電圧Cの破線で示すごとく電圧が低下し続け、ある時点を越えるとバッテリ7は過放電となって電圧が急激に低下して放電終止電圧に達し、バッテリ7が劣化する可能性がある。
そして、タイマ出力Dによって第3の半導体スイッチ18cのゲートに電圧が印加されて第3の半導体スイッチ18cがオンとなり、よって、第1の半導体スイッチ18aがオフとなって、続いて第2の半導体スイッチ18bもオフとなる。
従って、バッテリの長寿命化を図るとともに、省電力・省エネルギーであって、環境に対する負荷を軽減することが可能である。
また、時限タイマ及び遮断回路をエレベータ制御盤内に設けることにより、非常用電源装置を、構成が簡潔であって保守点検作業等を容易なものとすることが可能である。
図4は、この発明の実施の形態2に係るもので、エレベータの非常電源装置の全体構成を示すブロック図である。
前述した実施の形態1の構成においては、遮断回路並びに停電検出回路及び時限タイマをエレベータ制御盤内に設け、全てのバックアップ機器に対する給電を一括して制御するようにしたが、ここで説明する実施の形態2は、これらの回路やタイマを個々のバックアップ機器側に設け、それぞれのバックアップ機器毎に個別に給電制御するようにしたものである。
すなわち、14は所定以上の地震動を感知した場合に当該エレベータを地震時管制運転に移行させるために当該エレベータの昇降路内に設けられた地震感知器であり、所定以上の地震動を感知する地震感知機能14aを備えている。
この地震感知機能14aは停電時において動作する必要のあるバックアップ機器であって、エレベータ制御盤1内に設けられた非常用電源であるバッテリ7と接続されている。
また、商用三相交流電源3から生成される充電器9からの出力は、遮断回路15へと入力されるとともに、地震感知器14内に設けられた停電検出回路16へも入力されている。
そして、時限タイマ17は、停電発生時からの経過時間を計測して所定時間が経過するとバッテリ遮断信号を遮断回路15へと出力し、このバッテリ遮断信号を受けた遮断回路15は、バッテリ7と地震感知機能14aとを結ぶ電路を完全に切り離して、バッテリ7からの電力供給を遮断する。
また、ここでは、停電検出回路は充電器出力をモニタすることにより停電検出を行ったが、商用三相交流電源電圧を直接モニタする方法を含め、商用三相交流電源電圧と連動する出力をモニタする他の方法を用いて停電検出を行ってもよい。
この場合において、バックアップ機器が複数ある場合には、それぞれのバックアップ機器に応じて複数の遮断回路及び時限タイマを設け、これらの時限タイマにおいて予め設定される停電発生時からバッテリ遮断信号を出力するまでの所定時間(タイマカウント)は、それぞれの時限タイマが設置されるバックアップ機器の性能や機能等に応じて、それぞれ個別に設定するようにしてもよい。
また、時限タイマ及び遮断回路を複数のバックアップ機器に応じて複数設け、複数の時限タイマの所定時間を、当該時限タイマが設けられるバックアップ機器に応じてそれぞれ個別に設定することにより各バックアップ機器毎に時間設定を最適化することができ、より効果的に不必要なバッテリ放電の進行を未然に防止することが可能である。
2 エレベータかご
3 商用三相交流電源
4 インバータ
5 駆動モータ
6 主電源遮断スイッチ
7 バッテリ
8 バッテリ電源遮断スイッチ
9 充電器
10a 第1の逆阻止ダイオード
10b 第2の逆阻止ダイオード
10c 第3の逆阻止ダイオード
10d 第4の逆阻止ダイオード
11 停電灯
12 インターホン
13 給電処理回路
14 地震感知器
14a 地震感知機能
15 遮断回路
16 停電検出回路
17 時限タイマ
18a 第1の半導体スイッチ
18b 第2の半導体スイッチ
18c 第3の半導体スイッチ
19a 第1の抵抗
19b 第2の抵抗
19c 第3の抵抗
19d 第4の抵抗
19e 第5の抵抗
20 電源回路
21 制御電源
22 平滑コンデンサ
Claims (4)
- 停電時に動作する必要のある複数のバックアップ機器と、
全ての前記複数のバックアップ機器と電気的に接続され、停電時に全ての前記複数のバックアップ機器に給電するバッテリと、
停電検出後所定時間の経過を計測する時限タイマと、
前記バッテリと全ての前記複数のバックアップ機器との間に設けられ、前記時限タイマが停電検出後所定時間の経過を計測すると前記バッテリと全ての前記複数のバックアップ機器との接続を完全に切り離す遮断回路と、を備え、
前記バッテリと前記遮断回路との間には、停電時に動作すべき前記バックアップ機器が存在しないことを特徴とするエレベータの非常用電源装置。 - 前記バックアップ機器には、前記バッテリにより供給された電力から所望の電圧を生成する給電処理回路が含まれ、
前記給電処理回路は、当該給電処理回路以外の前記バックアップ機器の少なくとも一部と前記バッテリとの間に設けられることを特徴とする請求項1に記載のエレベータの非常用電源装置。 - 前記時限タイマ及び前記遮断回路は、前記複数のバックアップ機器側に設けられることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のエレベータの非常用電源装置。
- 前記時限タイマ及び前記遮断回路は、前記複数のバックアップ機器に応じて複数設けられ、
複数の前記時限タイマの前記所定時間は、前記時限タイマが設けられる前記バックアップ機器に応じてそれぞれ個別に設定されることを特徴とする請求項3に記載のエレベータの非常用電源装置。
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