JP5396123B2 - 流体噴射装置 - Google Patents
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Description
特許文献1におけるインクジェットプリンターは、複数のインクジェットヘッドをメンテナンスすべく、インクジェットヘッドの下方に配置されている紙葉類を支持する無端状の搬送ベルトを弛ませてインクジェットヘッドと搬送ベルトとの間を離間させた後、メンテナンスユニットを上昇させてインクジェットヘッドのノズル面にキャップを密着させて所望のクリーニング処理を行う構成となっている。
特許文献2におけるインクジェットプリンターは、インクを記録媒体上に正確に着弾させて記録画像の高画質化を図るべく、給紙部にセットされた記録媒体の種類を紙種センサーで検出し、その種類に応じて予め設定されたインクジェットヘッドとプラテン/記録媒体との間の間隔距離の設定値を取得し、間隔センサーを用いてを実測すると共に、設置値と実測値とが異なる場合にインクジェットヘッドをプラテンに対して変位させて、記録媒体に対するインクの噴射距離を最適な距離に調整する構成となっている。
他方、特許文献2においては、インクジェットヘッドを可動する構成であることから、インクジェットヘッドがクリーニング処理時、ノズル面にキャップを密着させる際の荷重に耐えられずに、ノズル面とキャップとの間の密着不良が生じ、キャップを介したインク吸引動作の能率を低下させる等といったメンテナンス不良を引き起こす問題がある。
また、本発明においては、流体を噴射する複数のノズルが設けられた噴射面から上記流体を媒体に噴射する流体噴射ヘッドを備える流体噴射装置であって、上記媒体を支持して搬送する搬送路の一部を構成する媒体支持部材と、上記流体噴射ヘッドの噴射面と対向して配置され、上記流体を受ける流体受け部材と、上記媒体支持部材を、上記流体噴射ヘッドと上記キャップ部材との間を遮る遮蔽位置と、上記遮蔽位置から退避する非遮蔽位置との間において移動させる第1媒体支持部材移動装置と、上記媒体支持部材を、上記流体噴射ヘッドの噴射面と対向する対向方向において移動させる第2媒体支持部材移動装置とを有するという構成を採用する。
このような構成を採用することによって、本発明では、対向する流体噴射ヘッドと流体受け部材との間に配置された媒体支持部材を、遮蔽位置から非遮蔽位置に移動させることにより流体受け部材を露出させ、流体噴射ヘッドと流体受け部材とを直接対向させることが可能となり、また、媒体支持部材を流体噴射ヘッドの噴射面と対向する方向に移動させることにより媒体に対する流体噴射距離を調整することが可能となる。
このような構成を採用することによって、本発明では、ローラー部により媒体支持部材を支持しつつ媒体支持部材の遮蔽位置と非遮蔽位置との間の移動をガイドし、ローラー部と媒体支持部材との接点位置を対向方向において移動させることで、媒体支持部材を対向方向に移動させて媒体に対する流体噴射距離を調整することが可能となる。
このような構成を採用することによって、本発明では、シャフトを回転させ、対向方向で媒体支持部材を支持するローラー部を、異なる径を有するローラー部のうちから選択することで、媒体支持部材を対向方向に移動させて媒体に対する流体噴射距離を調整することが可能となる。
このような構成を採用することによって、本発明では、シャフトを回転させ、対向方向で媒体支持部材を支持するローラー部を、シャフトの回転軸に対して回転軸の距離が異なる同径のローラー部のうちから選択することで、媒体支持部材を対向方向に移動させて媒体に対する流体噴射距離を調整することが可能となる。
このような構成を採用することによって、本発明では、媒体の厚さに応じて媒体支持部材を対向方向に移動させることで、その媒体に適切な流体噴射距離で記録処理を行うことが可能となる。
このような構成を採用することによって、本発明では、流体受け部材の短辺方向に媒体支持部材を移動させることが可能となるため、遮蔽位置と非遮蔽位置との間の移動距離を短くすることができる。
このような構成を採用することによって、本発明では、一方の領域での流体受け部材を遮蔽する占有面積を低減でき、遮蔽位置と非遮蔽位置との間の移動に要する距離及び時間の短縮を図ることが可能となる。
なお、図2〜図4に示すように、記録用紙(媒体)Pの搬送方向をX方向と、該搬送方向と直交する搬送路幅方向をY方向と、X方向及びY方向と直交する高さ方向をZ方向と称して以下説明する場合がある。
記憶装置3は、記録処理に係る各種構成機器の動作プログラムや入力装置2から入力されるデータを記憶するものである。
制御装置4は、各種構成機器の動作を電気的に制御するものであり、入力装置2、記憶装置3、記録用紙搬送装置5、記録ヘッド6、キャッピング装置7、第1プラテン移動装置8、第2プラテン移動装置9との間でデータ授受を行う各種入出力インターフェイス回路や、該データに基づき所定の演算処理等を行うCPU等を有する。
記録ヘッド6は、インクを噴射する複数のノズル17が設けられたノズル形成面(噴射面)21Aを有する。この記録ヘッド6は、ノズル形成面21Aが−Z方向に向くように配置されている。
図5は、本発明の実施形態におけるノズル形成面21Aにおけるノズル17の配列状態を示す図である。図6は、本発明の実施形態における記録ヘッド6の内部構成を示す部分断面図である。
キャップ部材71は、記録ヘッド6に対向する側が開口する略枡形状を有する(図2参照)。なお、キャップ部材71の開口縁部をリップ部(当接部)71Aと称する。リップ部71Aは、ゴム部材等の弾性部材から形成され、複数のノズル17を囲うようにノズル形成面21Aと当接可能な構成となっている。キャップ部材71の内には、インクを吸収するスポンジ等の吸収部材75が設けられている。このキャップ部材71は、キャップ部材移動装置71B(図2において不図示、図3参照)により、上下方向(Z方向)に移動可能な構成となっている。なお、図2に示す基台100には、キャップ部材71がZ方向に移動可能に貫通する開口部102が設けられている。
大気開放バルブ73は、上記気密室の負圧状態を解除するものであり、キャップ部材71の底部に接続された配管77に設けられる。
廃インクタンク74は、各配管76と接続され各キャップ部材71からのインクを貯溜する構成となっている。
本実施形態の第2プラテン移動装置9は、Y方向に延びるシャフト(シャフト部)91と、シャフト91に設けられる複数のローラー(ローラー部)92と、シャフト91を回転させる回転駆動装置93とを有する。
具体的には、これらローラー92の中で最も小さい径のローラーが厚紙用ローラー92aであり、次に大きい径のローラーが普通紙用ローラー92bであり、その次に大きい径のローラーが薄紙用ローラー92cであり、最も大きい径のローラーが極薄紙用ローラー92dである。
図7は、本発明の実施形態におけるインクジェットプリンター1の動作を示すフローチャートである。図8は、本発明の実施形態におけるインクジェットプリンター1のプラテン81の高さを調整する動作を説明する図である。図9は、本発明の実施形態におけるインクジェットプリンター1のクリーニングをする動作を説明する図である。図10は、本発明の実施形態におけるインクジェットプリンター1のクリーニングをする動作を説明する図である。
記録用紙Pの種類のデータは、例えば、入力装置2を用いたユーザーの操作、あるいは、記録用紙搬送装置5に設けられた紙厚検出センサー等の検出結果の伝送により、制御装置4に入力される。制御装置4は、該データに基づいて、記録用紙Pが、普通紙、厚紙、薄紙等であるかを判断する。
具体的には、記録用紙Pが厚紙である場合、制御装置4は、図8(a)に示すように、回転駆動装置93を駆動させて、シャフト91を回転させる。該回転により、プラテン81を支持する支持位置には、普通紙用ローラー92bに代わり厚紙用ローラー92aが位置する。厚紙用ローラー92aは普通紙用ローラー92bよりも径が小さいため、その厚紙用ローラー92aに支持されるプラテン81の位置が−Z方向に移動する。このため、記録ヘッド6とプラテン81のZ方向における相対距離が広くなる。したがって、厚紙に適切なPGで記録処理を実行することが可能となる。
なお、本実施形態の第1プラテン移動装置8は、ラック82とピニオンギア83とを備えるが、ピニオンギア83の回転軸の方向がZ方向と一致するような向きで設けられていることから、プラテン81と共にラック82がZ方向に移動しても、ラック82がピニオンギア83の歯に沿って移動するため、噛合状態を維持でき、且つ、衝突・干渉することを防止できる。また、ピニオンギア83は、第2プラテン移動装置9によるプラテン81の移動幅に応じた歯幅を有するため、ラック82がピニオンギア83から抜けることがなく、また、フランジ83aによりプラテン81の移動幅を制限できるため、プラテン81と記録ヘッド6あるいはキャップ部材71との衝突を回避できる。
そして、制御装置4は、駆動時間あるいは印字枚数をカウントすると共に、それらが所定の閾値を超えた場合に、クリーニング処理が必要であると判断する(ステップS4)。
例えば、制御装置4は、印字枚数(例えば5〜10枚)毎に、クリーニング処理が必要であると判断し、記録ヘッド6のフラッシング動作を実行させる。
具体的には、制御装置4は、2つのピニオンギア83を同期して回転させることで、第1プラテン81a及び第2プラテン81bを、互いに隣り合う遮蔽位置から、互いに離間する非遮蔽位置へと、互いに逆方向で同時に移動させる。
また、本実施形態では、プラテン81を搬送方向に移動させることで、キャップ部材71の短辺方向にプラテン81を移動させることができ、遮蔽位置と非遮蔽位置との間の移動距離を短くすることができる。さらに、上記のように第1プラテン81a及び第2プラテン81bを用いることで、一方の領域でのキャップ部材71を遮蔽する占有面積を低減でき、遮蔽位置と非遮蔽位置との間の移動に要する距離が2分の1となる。このため、移動時間が短縮され、記録処理及びクリーニング処理の迅速な切り替えに寄与することが可能となる。
記録ヘッド6は、使用時間によってノズル17内のインク増粘、あるいはノズル17開口近傍へのゴミの付着によって吐出不良が生じてくるおそれがある。そのため、非記録処理時にノズル17からインクを予備噴射させて増粘したインクやゴミ等を排出させるフラッシング動作を行うことで、記録ヘッド6の噴射特性を維持或いは回復させる。
なお、プラテン81は、記録用紙Pを支えるものであるため略板形状に薄くすることができ、キャップ部材71が離間位置にいても記録ヘッド6との隙間は大きくならず、フラッシング動作時に噴射されたインクがミスト化することがない。
本実施形態では、プラテン81をZ方向に移動させてPGを調整する構成であることから、記録ヘッド側が可動の場合と比べて、ノズル形成面21Aとキャップ部材71との間の密着不良が生じ難くなる。したがって、キャップ部材71を介したインク吸引動作の能率の低下を抑制することが可能となる。
以上の工程が完了したら、インクジェットプリンター1は、記録用紙Pを搬送し、記録ヘッド6からインクを噴射して記録処理を行う。
したがって、本実施形態によれば、PGを調整可能で、且つ、メンテナンス不良を防止しつつクリーニング処理と記録処理とを迅速に切り替えることができるインクジェットプリンター1を提供することができる。
さらに、時計やカメラ等の精密機械にピンポイントで潤滑油を噴射する流体噴射装置、光通信素子等に用いられる微小半球レンズ(光学レンズ)などを形成するために紫外線硬化樹脂等の透明樹脂液を基板上に噴射する流体噴射装置、基板などをエッチングするために酸又はアルカリ等のエッチング液を噴射する流体噴射装置、ジェルを噴射する流状体噴射装置、トナーなどの粉体を例とする固体を噴射するトナージェット式記録装置であってもよい。そして、これらのうちいずれか一種の流体噴射装置に本発明を適用することができる。
Claims (6)
- 流体を噴射する複数のノズルが設けられた噴射面から前記流体を媒体に噴射する流体噴射ヘッドを備える流体噴射装置であって、
前記媒体を支持して搬送する搬送路の一部を構成する媒体支持部材と、
前記流体噴射ヘッドの前記噴射面と対向して配置され、前記流体を受ける流体受け部材と、
前記媒体支持部材を、前記流体噴射ヘッドと前記流体受け部材との間を遮る遮蔽位置と、前記遮蔽位置から退避する非遮蔽位置との間において移動させる第1媒体支持部材移動装置と、
前記媒体支持部材を、前記流体噴射ヘッドの前記噴射面と対向する対向方向において移動させる第2媒体支持部材移動装置と、
前記媒体支持部材を支持し、前記媒体支持部材の前記第1媒体支持部材移動装置による移動方向に沿って回転自在なローラー部とを有し、
前記第2媒体支持部材移動装置は、前記ローラー部と前記媒体支持部材との接点位置を前記対向方向において移動させることを特徴とする流体噴射装置。 - 前記第2媒体支持部材移動装置は、互いに径の異なる前記ローラー部を周方向に所定間隔をおいて複数有すると共に所定位置において回転自在に支持されるシャフト部と、
前記複数のローラー部のうちいずれか一つを、前記媒体支持部材を前記対向方向において支持する支持位置に位置させるように前記シャフト部を回転させる回転駆動装置とを有することを特徴とする請求項1に記載の流体噴射装置。 - 前記第2媒体支持部材移動装置は、同径の前記ローラー部を周方向に所定間隔をおいて複数有すると共に所定位置において回転自在に支持されるシャフト部と、
前記ローラー部のそれぞれの回転軸と前記シャフト部の回転軸との間の距離を、互いに異ならせるように支持する支持部と、
前記複数のローラー部のうちいずれか一つを、前記媒体支持部材を前記対向方向において支持する支持位置に位置させるように前記シャフト部を回転させる回転駆動装置とを有することを特徴とする請求項1に記載の流体噴射装置。 - 前記媒体の厚さに応じて前記回転駆動装置の駆動を制御する制御装置を有することを特徴とする請求項2または3に記載の流体噴射装置。
- 前記第1媒体支持部材移動装置による前記媒体支持部材の移動方向は、前記媒体の搬送方向であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の流体噴射装置。
- 前記媒体支持部材は、第1媒体支持部及び第2媒体支持部を有し、
前記第1媒体支持部材移動装置は、前記第1媒体支持部及び第2媒体支持部を、互いに隣り合う前記遮蔽位置と、互いに離間する前記非遮蔽位置との間を、互いに逆方向で同時に移動させることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の流体噴射装置。
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