以下、この発明の実施形態を、携帯端末が携帯電話端末である場合を例にとって、図を参照しながら説明する。
[実施形態の携帯電話端末の概要および使用状況確認方法の概略]
図1は、この実施形態の携帯端末である携帯電話端末を用いた使用状況確認方法の概略を説明するための図である。この実施形態では、ある携帯電話端末の使用者が、他の使用者の携帯電話端末に対して、この発明による使用状況確認方法を実行することで、前記他の使用者の安否や、当該他の使用者の行動状況などを推察することができるようにしている。
図1においては、右側の携帯電話端末100Aは、使用状況確認の問い合わせを行う問い合わせ側端末であり、左側の携帯電話端末100Bは、使用状況確認の問い合わせを受ける被問い合わせ側端末である。
なお、図1は、一方から問い合わせをして、その応答を説明するためのものであるため、問い合わせ側端末と被問い合わせ端末とに分けたが、携帯電話端末100Aおよび100Bは同じ構成を有し、問い合わせ側端末と、被問い合わせ端末のどちらにもなる。
この実施形態の携帯電話端末が特に備える機能について説明する。
この実施形態の携帯電話端末は、使用者による携帯電話端末の使用状況を確認するための情報を収集して蓄積する端末使用状況情報収集機能を備える。
この実施形態では、収集することができる情報を3つのグループに分類する。その1つは、双方向通信の頻度情報である。この双方向通信頻度情報には、音声通話の発着信、メール送受信、チャットの頻度情報が含まれる。
分類の2つ目は、携帯電話端末の物理的変化の情報である。物理的変化としては、この例では、携帯電話端末が存在している位置変化、携帯電話端末の筐体の物理的な動きを表わす加速度変化、携帯電話端末の周辺の温度変化などが含まれる。
分類の3つ目は、双方向通信ではない携帯電話端末のその他の操作の頻度情報(以下、その他操作頻度情報と言う)である。双方向通信ではない携帯電話端末のその他の操作としては、この例では、音楽再生操作、動画再生操作、ネット閲覧操作、スリープモードからの復帰操作、ゲームなど各種アプリケーションの起動/終了操作などが含まれる。
そして、この実施形態の携帯電話端末においては、各グループ毎に収集した情報から、それぞれの各グループの収集情報により表わされる使用状況を象徴する象徴化データを生成する象徴化情報生成機能を備える。この実施形態では、この象徴化データが、使用状況の問い合わせに対して相手方に送信されるデータとされる。
また、この実施形態の携帯電話端末は、3つのグループの象徴化データを、使用者が表示画面において見ることができるようにする可視化データに変換する変換機能を備える。この例では、色空間にマッピングすることにより、3つのグループの象徴化データに対応する色情報に変換することで、この可視化変換機能を実現している。すなわち、この実施形態の携帯電話端末は、象徴化データと色情報との変換テーブルを備え、この変換テーブルを用いて、象徴化データを色情報に変換する可視化変換機能を備える。
そして、この実施形態の携帯電話端末は、象徴化データを変換して得た色情報を、ディスプレイの表示画面に表示する表示機能を備える。
また、この実施形態の携帯電話端末は、使用者が、例えば機能メニューから、使用状況確認の問い合わせ発信を行えるようにする問い合わせ機能を備える。この実施形態では、使用状況確認の問い合わせ発信の操作がなされると、携帯電話端末は、使用状況確認のための象徴データの取得要求を意味する問い合わせ発信を行う。
この例では、この問い合わせ発信は、SMS(ショートメッセージサービス)が用いられて実行される。この場合の問い合わせのSMSのメッセージは、予め登録されて記憶されている。そして、相手方の電話番号を入力を受け付けた後、問い合わせのSMSのメッセージが自動的に読み出されて問い合わせSMS発信が実行される。この問い合わせのSMSのメッセージには、受信側において使用状況確認のための象徴データの取得要求であることを識別するための識別データが含まれる。
そして、この実施形態の携帯電話端末は、取得要求である問い合わせSMSを受信したと判別すると、記憶している象徴化データを読み出してSMSメッセージに含めて、取得要求してきた相手端末に送信する問い合わせ返信機能を備える。この問い合わせ返信機能は、端末使用状況情報送出機能に相当する。
ここで、この実施形態の携帯電話端末は、SMSデータを受信すると、当該受信したSMSデータに前記識別データが含まれているか否かにより、使用状況確認のための象徴データの取得要求である問い合わせSMSであるか否か判別する。
そして、前記取得要求である問い合わせSMSを受信したと判別すると、記憶している象徴化データを読み出して、取得要求してきた相手端末に、SMSメッセージに含めて送信するようにする。この例では、この返信のSMSメッセージには、携帯電話端末に予め登録されている発信者の名前を示す文字群が象徴化データに加えて含められている。
問い合わせSMS発信をした携帯電話端末は、被問い合わせ側の相手の携帯電話端末から送られてくるSMSメッセージを受信すると、そのメッセージ中から象徴化データを抽出する。そして、この実施形態の携帯電話端末は、抽出した象徴化データを、保持している変換テーブルを用いて変換機能により色情報に変換し、当該変換して得た色情報を、表示画面に表示するようにする。
図1の例においては、以上の機能を備える携帯電話端末100Aから、問い合わせSMSが、以上の機能を備える携帯電話端末100Bに宛てて送られる。この問い合わせSMSが携帯電話端末100Bで受信されると、携帯電話端末100Aと100Bとの間で、通信路が確立される。
そして、問い合わせSMSを受信した携帯電話端末100Bは、収集した使用状況を確認するための情報から生成して保持している象徴化データと、発信名を含む返信のSMSメッセージを、問い合わせをしてきた携帯電話端末100Aに送る。
携帯電話端末100Aは、返信のSMSメッセージを受信すると、そのメッセージから象徴化データを抽出し、変換機能を用いて色情報に変換する。そして、図1の右側の携帯電話端末100Aの表示画面201の所定の位置に、例えば、当該色情報の色の相手状況表示マーク202が表示されると共に、そのマーク202の右横に、当該相手の名前が表示される。
なお、図1では、相手状況表示マーク202は、携帯電話端末100Aで生成された色情報の色の丸型マークとしたが、どのような形のマークでも良いことはいうまでもない。
なお、この実施形態では、携帯電話端末は、設定登録した特定の相手からの問い合わせのみに対して、返信をすることができるように構成されている。これにより、この実施形態では、使用者のプライバシー保護を、より強固にしている。
また、この実施形態では、問い合わせの受け付けを許容する時間帯を設定登録することが可能に構成されている。そして、この実施形態の携帯電話端末は、当該許容時間帯のみで収集された情報に基づく使用状況を問い合わせをしてきた相手方に知らせるように構成されている。これにより、他人には行動などを知られたくない時間帯を外すことができ、使用者のプライバシー保護が図れる。
このことを実現するため、この実施形態の携帯電話端末は、問い合わせ相手や問い合わせ許容時間帯の設定入力を受け付ける設定受付機能を備えている。
[実施形態の携帯電話端末のハードウエア構成例]
図2は、この実施形態の携帯電話端末100(100Aや100Bを代表するものとする)のハードウエア構成例を示すブロック図である。すなわち、この実施形態の携帯電話端末100においては、制御バス101およびデータバス102からなるシステムバスに対して、制御部11と、通信回路12と、メモリ13と、表示部14と、キー操作部15と、音楽再生部16と、動画再生部17とが接続されている。
また、データバス102には、通話時の受話音声を再生するための手段として、D/Aコンバータ18を通じてスピーカ18SPが接続されている。さらに、データバス102には、通話時の送話音声を当該データバス102に供給するための手段として、A/Dコンバータ19を通じてマイクロホン19MCが接続されている。
さらに、この実施形態では、制御バス101およびデータバス102からなるシステムバスには、物理的変化の情報を取得するために、インターフェース21,22,23が接続される。そして、インターフェース21には、加速度センサ24が接続される。また、インターフェース22には、GPS測位部25が接続される。さらに、インターフェース23には、温度センサ26が接続される。
制御部11は、マイクロコンピュータで構成され、CPU(Central Processing Unit)111と、ROM(Read Only Memory)112と、RAM(Random Access Memory)113とからなる。
制御部11のROM112には、上述した各種機能を実行するためのソフトウエアプログラムが格納されている。すなわち、上述した端末使用状況情報収集機能、象徴化データ生成機能、問い合わせ機能、問い合わせ返信機能、象徴化データを色データに変換する可視化変換機能、可視化情報の表示機能、また、設定受付機能のプログラムが格納されている。
CPU111は、上記の各種機能をROM112のプログラムにしたがって、RAM113をワークエリアとして使用して実行する。
通信回路12は、基地局および携帯電話ネットワークを通じて電話通信やその他の情報通信を行なうための携帯電話通信用の無線通信部であり、アンテナ12Aを通じて通信データを送受する。
メモリ13は、この実施形態においては、携帯電話端末100における電話帳データやメールアドレス、インターネットを通じてアクセスする相手のURL(Uniform Resource Locator)などのデータが格納される。
また、この実施形態では、メモリ13には、当該携帯電話端末100が備える機能に付随する蓄積データが格納されると共に、後述する設定データなども格納されるように構成されている。また、メモリ13には、象徴化データを色データに変換する変換するための変換テーブルの情報も格納されている。さらに、メモリ13には、音楽データや、動画データなども格納される。
表示部14は、液晶ディスプレイ(LCD)などの表示素子を備え、当該表示素子に制御部11の制御を受けながら、種々の表示画面を表示したり、動画再生部17で再生された動画像をモニター表示したりするようにする機能を備える。
操作部15は、テンキーや上下左右方向キー、その他のキーを備える。制御部11は、操作部15を通じていかなるキーが操作されたかを検知し、当該操作されたキーに対応する制御処理動作を実行するように構成されている。
音楽再生部16は、操作部15を通じた音楽再生指示に応じてメモリ13から読み出された音楽データを再生する。そして、音楽再生部16は、再生した音楽データをヘッドホン出力端子16Tに送出する。
動画再生部17は、操作部15を通じた動画再生指示に応じてメモリ13から読み出された動画データを再生する。再生された動画データは、データバスを通じて表示部14に供給されて、その表示画面に動画像が表示される。
加速度センサ24は、携帯電話端末100の筐体に対して加わる加速度を検出し、その加速度検出出力をインターフェース21を通じてシステムバスに送出する。この実施形態では、制御部11は、後述するように、この加速度検出出力を所定の条件に従い収集して、メモリ13に蓄積する。
GPS測位部25は、GPS衛星からの電波を受信して、自端末の現在地位置を検出し、インターフェース22を通じてシステムバスに送出する機能を備える。この実施形態では、制御部11は、所定の時間間隔、例えば10分ごとや1時間ごとに、自端末の現在地位置をGPS測位部25から収集して、メモリ13に蓄積する。
温度センサ26は、携帯電話端末100の周辺の温度を検出して、インターフェース23を通じてシステムバスに送出する機能を備える。この実施形態では、制御部11は、所定の時間間隔、例えば10分ごとや1時間ごとに、温度センサ26で検出された温度情報を収集して、メモリ13に蓄積する。
次に、この実施形態の携帯電話端末100の各種機能の処理動作について説明する。
[設定受付機能]
図3および図4は、この設定受付機能の処理動作を説明するためのフローチャートである。携帯電話端末100において、使用者は、操作部15の所定のキーを操作することにより、機能一覧メニューを表示部14の表示画面に表示する。そして、使用者が、その機能一覧メニューから「設定受付」の項目を選択すると、制御部11により、図3および図4の処理が開始される。
制御部11は、先ず、使用者の操作入力を監視して、選択された設定項目が問い合わせ許容相手の設定入力であるか否か判別し(ステップS1)、問い合わせ許容相手の設定入力が選択されたと判別したときには、問い合わせ許容相手として、不特定多数が選択されたか否か判別する(ステップS2)。
ステップS2で、問い合わせ許容相手として不特定多数が選択されたと判別したときには、制御部11は、問い合わせ許容相手は任意であるとして受け付け(ステップS3)、受け付けた設定をメモリ13に格納する(ステップS5)。
また、ステップS2で、問い合わせ許容相手は不特定多数ではないと判別したときには、制御部11は、問い合わせ許容相手の入力画面を表示部14の表示する。そして、問い合わせ許容相手の電話番号の入力を受け付ける(ステップS4)。ここで、電話番号が設定入力される問い合わせ許容相手としては、一人ではなく、複数人を受け付けることができる。なお、電話帳と関連付けることができる場合には、設定入力事項は、電話番号ではなく、電話帳に電話番号が登録されている相手の名前であっても良い。
ステップS4の次には、ステップS5に進み、制御部11は、受け付けた問い合わせ許容相手の電話番号を、メモリ13に格納する。
ステップS5の次には、制御部11は、ステップS6に進み、使用者による操作入力を監視して、この設定受付処理を終了するか否か判別する。このステップS6で終了ではないと判別したときには、ステップS1に戻る。
そして、ステップS1で、選択された設定項目が問い合わせ許容相手の設定ではないと判別したときには、制御部11は、問い合わせ許容時間帯の設定であるか否か判別する(図4のステップS11)。
ステップS11で、選択された設定項目が問い合わせ許容時間帯の設定であると判別したときには、制御部11は、問い合わせ許容時間帯の入力画面を表示部14の表示画面に表示して、問い合わせ許容時間帯の入力を受け付ける(ステップS12)。この場合、この例では、問い合わせ許容時間帯としては、1日24時間のうちから設定される。
そして、制御部11は、受け付けた問い合わせ許容時間帯の情報をメモリ13に格納する(ステップS13)。その後、制御部11は、ステップS6に進む。
また、ステップS11で、選択された設定項目が問い合わせ許容時間帯の設定ではないと判別したときには、制御部11は、設定中止が選択されたか否か判別する(ステップS14)。そして、制御部11は、ステップS14で、設定中止が選択されたと判別したときには、この処理ルーチンを終了し、また、設定中止が選択されてはいないと判別したときには、ステップS1に戻り、このステップS1以降の処理を繰り返す。
[端末使用状況情報収集機能]
端末使用状況情報は、下記のようにして収集され、メモリ13に蓄積される。この場合に、この実施形態では、3つのグループの情報は、各グループ毎に別々のメモリ領域に格納される。
そして、この実施形態では、各グループ毎のメモリ領域は、リングバッファ形式のメモリ管理アルゴリズムが採用されており、蓄積情報が所定数を超えたときには、最も古い蓄積情報が消去されて空き領域が生成され、その空き領域に最新の情報が書き込まれる。
<双方向通信頻度情報の収集>
図5は、双方向通信頻度情報の収集蓄積処理の一例を説明するためのフローチャートである。
制御部11は、先ず、発信操作あるいは送信操作がなされたか否か判別する(ステップS21)。ここで発信操作は、電話通信の発信操作であり、送信操作は、メールなどの送信操作である。
ステップS21で、発信操作あるいは送信操作がなされたと判別したときには、制御部11は、現在時刻が設定時間帯内であるか否か判別する(ステップS22)。設定時間帯が24時間であって、実質上、時間帯の設定が無いときには、このステップS22の処理は、行わないようにすることもできる。
ステップS22で、現在時刻が設定時間帯内であると判別したときには、発信操作あるいは送信操作がなされた日付けおよび時刻を、双方向通信頻度情報としてメモリ13の双方向通信頻度情報のメモリ領域に格納して記録する(ステップS24)。
ステップS22で、現在時刻が設定時間帯内ではないと判別したときには、制御部11は、情報の記録をせずに、ステップS21に戻り、このステップS21以降の処理を繰り返す。
ステップS21で、発信操作あるいは送信操作はなされていないと判別したときには、制御部11は、着信応答あるいは受信応答の操作があったか否か判別する(ステップS23)。ここで着信応答は電話の着信に対する応答であり、また、受信応答は、メールの受信に対してメールを開封して読む動作を意味するものである。
ステップS23で、着信応答あるいは受信応答の操作があったと判別したときには、制御部11は、現在時刻が設定時間帯内であるか否か判別する(ステップS22)。ステップS22で、現在時刻が設定時間帯内であると判別したときには、着信応答あるいは受信応答の操作がなされた日付けおよび時刻を、双方向通信頻度情報としてメモリ13の双方向通信頻度情報のメモリ領域に格納して記録する(ステップS24)。
ステップS22で、現在時刻が設定時間帯内ではないと判別したときには、制御部11は、情報の記録をせずに、ステップS21に戻り、このステップS21以降の処理を繰り返す。
携帯電話端末100は、以上の処理を継続する。
<物理的変化情報の収集>
図6は、物理的変化情報の収集蓄積処理の一例を説明するためのフローチャートである。
制御部11は、加速度センサ24からの加速度検出出力を監視して、携帯電話端末100の筐体に対して、予め定められている一定閾値を超える加速度が加わったか否かを判別する(ステップS31)。
ステップS31で、携帯電話端末100の筐体に対して、一定閾値を超える加速度が加わったと判別したときには、制御部11は、現在時刻が設定時間帯内であるか否か判別する(ステップS32)。設定時間帯が24時間であって、実質上、時間帯の設定が無いときには、このステップS32の処理は、行わないようにすることもできる。
ステップS32で、現在時刻が設定時間帯内であると判別したときには、一定閾値を超える加速度が加わったことを検出した日付けおよび時刻を、メモリ13の物理的変化情報のメモリ領域に格納して記録する(ステップS33)。
ステップS32で、現在時刻が設定時間帯内ではないと判別したときには、制御部11は、情報の記録をせずに、ステップS31に戻り、このステップS31以降の処理を繰り返す。
ステップS31で、携帯電話端末100の筐体に対して、一定閾値を超える加速度が加わってはいないと判別したときには、制御部11は、前の測定から一定時間、例えば1時間経過したか否か判別する(ステップS34)。
ステップS34で、一定時間を経過してはいないと判別したときには、制御部11は、ステップS31に戻り、このステップS31以降の処理を繰り返す。
また、ステップS34で、一定時間を経過したと判別したときには、制御部11は、現在時刻が設定時間帯内であるか否か判別する(ステップS35)。設定時間帯が24時間であって、実質上、時間帯の設定が無いときには、このステップS35の処理は、行わないようにすることもできる。
ステップS35で、現在時刻が設定時間帯内であると判別したときには、制御部11は、GPS測位部25で測定された現在位置情報と、温度センサ26で検出された現在温度情報とを、その日付けおよび時刻と共に、メモリ13の物理的変化情報のメモリ領域に格納して記録する(ステップS36)。
ステップS35で、現在時刻が設定時間帯内ではないと判別したときには、制御部11は、情報の記録をせずに、ステップS31に戻り、このステップS31以降の処理を繰り返す。
携帯電話端末100は、以上の処理を継続する。
<その他操作頻度情報の収集>
図7は、その他操作頻度情報の収集蓄積処理の一例を説明するためのフローチャートである。
制御部11は、ゲームなど各種アプリケーションの起動あるいは終了操作がなされたか否か判別する(ステップS41)。
ステップS41で、各種アプリケーションの起動あるいは終了操作がなされたと判別したときには、制御部11は、現在時刻が設定時間帯内であるか否か判別する(ステップS42)。設定時間帯が24時間であって、実質上、時間帯の設定が無いときには、このステップS42の処理は、行わないようにすることもできる。
ステップS42で、現在時刻が設定時間帯内であると判別したときには、各種アプリケーションの起動あるいは終了操作がなされた日付けおよび時刻を、メモリ13のその他操作頻度情報のメモリ領域に格納して記録する(ステップS43)。
ステップS41で、各種アプリケーションの起動あるいは終了操作はなされていないと判別したときには、制御部11は、音楽や動画の再生開始あるいは再生終了操作があったか否か判別する(ステップS44)。
ステップS44で、音楽や動画の再生開始あるいは再生終了操作があったと判別したときには、制御部11は、現在時刻が設定時間帯内であるか否か判別する(ステップS42)。ステップS42で、現在時刻が設定時間帯内であると判別したときには、音楽や動画の再生開始あるいは再生終了操作がなされた日付けおよび時刻を、メモリ13のその他操作頻度情報のメモリ領域に格納して記録する(ステップS43)。
また、ステップS44で、音楽や動画の再生開始あるいは再生終了操作は無かったと判別したときには、制御部11は、スリープモードからの復帰操作がなされたか否か判別する(ステップS45)。
ステップS45で、スリープモードからの復帰操作がなされたと判別したときには、制御部11は、現在時刻が設定時間帯内であるか否か判別する(ステップS42)。ステップS42で、現在時刻が設定時間帯内であると判別したときには、スリープモードからの復帰操作がなされた日付けおよび時刻を、メモリ13のその他操作頻度情報のメモリ領域に格納して記録する(ステップS43)。
ステップS42で、現在時刻が設定時間帯内ではないと判別したときには、制御部11は、情報の記録をせずに、ステップS41に戻り、このステップS41以降の処理を繰り返す。
携帯電話端末100は、以上の処理を継続する。
[象徴化データ生成機能]
この実施形態の携帯電話端末100では、上記のようにして使用状況情報を収集するようにするが、収集した使用状況情報が変化する毎に、当該使用状況情報から象徴化データを生成更新して、メモリ13に格納しておくようにする。
この実施形態では、象徴化データとしては、使用状況を数値化したデータとするようにする。数値化データは、この例では、使用状況情報を構成する3種の情報、すなわち、双方向通信頻度情報、物理的変化情報、その他操作頻度情報のそれぞれを、単位時間当たりの変化として数値化したものとする。
例えば、双方向通信頻度は、使用状況情報が変化した時点を起点として、当該起点よりも単位時間前までの操作頻度数の逆数を、数値化データGP1とする。
同様に、物理的変化情報も、使用状況情報が変化した時点を起点として、当該起点よりも単位時間前までの変化の頻度数の逆数を、数値化データGP2とする。この場合に、位置変化の大きさに応じて、位置変化の頻度数には重みをつけるようにしてもよい。
その他操作頻度も、使用状況情報が変化した時点を起点として、当該起点よりも単位時間前までの操作頻度数の逆数を、数値化データGP3とする。
象徴化データは、この例では、3種の数値化データGP1,GP2,GP3からなるものとしている。
図8は、象徴化データの生成処理の一例を説明するためのフローチャートである。
制御部11は、3種の情報のいずれかが変化したことにより使用状況情報が変化したか否か判別し(ステップS51)、変化がなければ、変化するのを待つ。
ステップS51で、使用状況情報が変化したと判別したときには、制御部11は、双方向通信頻度情報、物理的変化情報、その他操作頻度情報の3種のグループの情報の記録要素を、単位時間当たりの頻度数に対応する値に数値化する(ステップS52)。
そして、制御部11は、各グループについて求めた数値化データGP1,GP2,GP3を、当該時点における象徴化データとして、メモリ13の象徴化データ記録領域に記録する(ステップS53)。この場合に、メモリ13の象徴化データ記録領域には、更新された最新の象徴化データのみを記録するようにしても良いが、過去の象徴化データをも、象徴化データ記録領域にリングバッファ形式で記録するようにしても良い。
ステップS53の次には、制御部ステップS51に戻り、このステップS51以降の処理を繰り返す。
この象徴化データとして数値化データを得る手法としては、上述の例に限られるものではない。その他の例としては、幾つかの例が挙げられる。
例えば、第1の例は、標準的なユーザモデルを設定し、それに対する比率で数値化する手法である。すなわち、例えば双方向通信頻度情報の場合には、
数値化データ=(計測された通話頻度+計測されたメール送受信頻度+計測されたチャット頻度)÷(標準モデルの通話頻度+標準モデルのメール送受信頻度+標準モデルのチャット頻度)
とする手法である。
また、第2の例は、計測されたデータを一定時間蓄積し、その一定時間蓄積値の平均値と、単位時間当たりの計測データの頻度との差分で数値化する手法である。すなわち、例えば双方向通信頻度情報の場合には、
数値化データ=(計測された単位時間当たりの通話頻度+計測された単位時間当たりのメール送受信頻度+計測された単位時間当たりのチャット頻度)÷(平均の通話頻度+平均のメール送受信頻度+平均のチャット頻度)
とする手法である。
その他、種々の手法を採用できることは言うまでもない。
[象徴化データの可視化データへの変換]
この実施形態の携帯電話端末100は、前述したように、象徴化データを、表示画面に表示して可視化する可視化変換機能を備える。この例における可視化情報について説明する。
この実施形態では、上述した3種の使用状況情報により色空間を形成するようにする。すなわち、例えば図9に示すように、双方向通信頻度の情報に対しては、緑色を割り当て、物理的変化の情報に対しては、青色を割り当て、更に、その他操作頻度情報に対しては赤色を割り当てて、三角形の色空間を想定する。
この色空間において、各頂点は、それぞれの情報の数値化データがゼロであることを意味している。そして、前述した3種の情報についての数値化データGP1,GP2,GP3のそれぞれは、図9に示すように、各頂点からの距離に対応するものとして、3種の数値化データを当該色空間における座標値(GP1,GP2,GP3)とすることができる。
前述したように、数値化データGP1,GP2,GP3は、この例では、頻度数の逆数としたので、例えば数値化データが大きいときには、頻度が少ない状態を示し、数値化データが小さいときには、頻度が大きいことを示すものとなる。
したがって、当該座標値(GP1,GP2,GP3)に対応する色空間上の色データを、数値化された象徴化データに対応する可視化データとしての色データとすることができる。
この実施形態の携帯電話端末100は、3種の情報についての数値化データGP1,GP2,GP3からなる座標値(GP1,GP2,GP3)と、色データとの対応関係を示す変換テーブルを、メモリ13あるいはROM112に格納して保持している。
したがって、座標値(GP1,GP2,GP3)を引数として変換テーブルを参照することにより、対応する色データを得ることができる。
次に、この実施形態の携帯電話端末100を用いて端末使用状況の問い合わせ確認方法を実行する場合における、問い合わせ側端末の処理動作および被問い合わせ側端末の処理動作について説明する。
[問い合わせ側端末の処理動作]
図10は、問い合わせ側端末の処理動作の一例を説明するためのフローチャートである。
この図10の処理フローは、問い合わせを行おうとする使用者が、携帯電話端末100の機能一覧メニューから、「問い合わせ発信」の項目を選択することにより起動される。
制御部11は、使用者により「問い合わせ発信」の項目が選択されると、問い合わせの相手先の電話番号の入力画面を表示部14の表示画面に表示して、当該電話番号の入力を受け付ける(ステップS61)。
次に、制御部11は、使用者により問い合わせSMSの発信操作がなされたか否か判別し(ステップS62)、発信操作がなされていないと判別したときには、他の操作がなされたか否か判別する(ステップS63)。
ステップS63で、他の操作がなされたと判別したときには、制御部11は、当該他の処理を実行する(ステップS64)。また、ステップS63で、他の操作がなされていないと判別したときには、制御部11は、ステップS62に戻り、このステップS62以降の処理を繰り返す。
また、ステップS62で、使用者により問い合わせSMSの発信操作がなされたと判別したときには、制御部11は、予めメモリ13に記憶されて用意されている問い合わせSMSのメッセージデータを読み出し、ステップS61で入力された相手先電話番号宛に、当該SMSメッセージを送信する(ステップS65)。前述したように、この問い合わせのSMSのメッセージには、受信側において使用状況確認のための象徴データの取得要求であることを識別するための識別データが含まれている。
後述するように、被問い合わせ側端末からは、当該問い合わせSMSに対する返信のSMSメッセージが送られてくる。しかし、被問い合わせ側端末が、問い合わせ許容相手設定により、返信を拒否している場合もある。
そこで、制御部11は、相手先である被問い合わせ側端末からの返信のSMSメッセージを受信したか否か判別する(ステップS66)。
このステップS66で、返信のSMSメッセージを受信したと判別したときには、受信したSMSメッセージデータをメモリ13に保存し、通信路を切断する(ステップS67)。
そして、制御部11は、保存したSMSメッセージデータから象徴化データとしての数値化データGP1,GP2,GP3を抽出し、変換テーブルを用いて、座標(GP1,GP2,GP3)に対応する色データを得、この色データから表示データを生成する(ステップS68)。
次に、制御部11は、生成した表示データにより表示部14の表示画面に、図1に示したような相手状況表示マーク202を表示して、可視化表示する(ステップS69)。
次に、制御部11は、使用者による終了操作があったか否か判別し(ステップS70)、終了操作がなかったと判別したときには、ステップS69に戻り、このステップS69以降の処理を繰り返す。また、ステップS70で、終了操作があったと判別したときには、制御部11は、この処理ルーチンを終了する。
また、ステップS66で、返信のSMSメッセージを受信しないと判別したときには、制御部11は、確立した通信路を切断し、被問い合わせ側端末から使用状況情報を取得できない旨を表示部14の表示画面に表示して、使用者に通知する(ステップS71)。
そして、制御部11は、使用者による終了操作があったか否か判別し(ステップS72)、終了操作がなかったと判別したときには、ステップS71に戻り、このステップS71以降の処理を繰り返す。また、ステップS72で、終了操作があったと判別したときには、制御部11は、この処理ルーチンを終了する。
[被問い合わせ側端末の処理動作]
図11は、被問い合わせ側端末の処理動作の一例を説明するためのフローチャートである。
制御部11は、SMSメッセージを受信したか否か判別し(ステップS81)、SMSメッセージを受信していなければ、その他の処理を行う(ステップS82)。
ステップS81で、SMSメッセージを受信したと判別したときには、制御部11は、受信したSMSメッセージは、問い合わせSMSであるか否か判別する(ステップS83)。このステップS83で、問い合わせSMSではないと判別したときには、制御部11は、通常のSMSメッセージの受信処理を行う(ステップS84)。
ステップS83で、受信したSMSメッセージは、問い合わせSMSであると判別したときには、制御部11は、設定登録された相手からの問い合わせSMSであるか否かを送信側の電話番号から判別する(ステップS85)。
ステップS85で、設定登録された相手からの問い合わせSMSではないと判別したときには、制御部11は、使用状況情報の象徴化データの送出を拒否して送らず(ステップS86)、そのまま通信路を切断し(ステップS90)、この処理ルーチンを終了する。
ステップS85で、設定登録された相手からの問い合わせSMSであると判別したときには、制御部11は、設定された時間帯内の問い合わせであるか否か判別する(ステップS87)。設定時間帯内ではないと判別したときには、制御部11は、そのまま通信路を切断し(ステップS90)、この処理ルーチンを終了する。
また、ステップS87で、設定された時間帯内の問い合わせであると判別したときには、制御部11は、使用状況情報の象徴化データをメモリ13から読み出す(ステップS88)。そして、制御部11は、読み出した象徴化データを、返信のSMSメッセージに含めて問い合わせ側端末に送信する(ステップS89)。その後、通信路を切断し(ステップS90)、この処理ルーチンを終了する。
[保存された象徴化データの利用]
問い合わせ側端末は、以上のようにして、取得した相手側の使用状況情報の象徴化データをメモリ13に保持している。そこで、この実施形態の携帯電話端末においては、使用者がメニュー一覧から、問い合わせ結果一覧の項目を選択することで、過去に取得した全ての相手方の使用状況の返信情報を一覧表示することができるように構成されている。
図12に、この過去に取得した全ての相手側の使用状況についての一覧表示の例を示す。この図12に示すように、一覧表示としては、それぞれ相手状況表示マーク2021,2022,2023,2024が、それぞれの相手の名前表示2031,2032,2033,2034と、対応付けられて表示される。
相手状況表示マーク2021,2022,2023,2024は、それぞれの相手の使用状況情報の象徴化データに対応する色データの色のマークである。
更に、この実施形態では、この一覧表示から特定の相手方が選択されると、その相手の相手状況表示マークが、図9に示した色空間上のどの位置にあるかを示す詳細表示をするようにしている。図13は、その詳細表示の例である。
すなわち、図13に示すように、この例では、図9に示した3種の情報を用いた三角形の色空間を表わすカラー図形上に、詳細表示が指示された相手の名前と、当該相手の象徴化データの座標位置が表示されることで、詳細表示される。図13の例では、当該相手の象徴化データの座標位置は、黒丸で示してある。
この図13の表示情報によれば、3種の情報の内容が詳細名で表示されているので、相手の使用状況が、どのようなものであるかを把握することができる。例えば、図13の例であれば、その他操作頻度が比較的多い状況であることが判る。
図14は、上述した問い合わせ結果一覧処理の流れの一例を示すフローチャートである。
制御部11は、機能一覧メニューから、問い合わせ結果一覧の項目が選択されたか否か判別する(ステップS101)。問い合わせ結果一覧の項目が選択されてはいないと判別したときには、制御部11は、使用者により選択された機能項目についての処理をする(ステップS102)。
また、ステップS101で、問い合わせ結果一覧の項目が選択されたと判別したときには、メモリ13に記憶されている全ての問い合わせ結果を、図12に示したようにして一覧表示する(ステップS103)。
次に、制御部11は、この一覧表示から特定の相手方が使用者により選択されたか否か判別する(ステップS104)。このステップS104で、選択されていないと判別したときには、制御部11は、終了操作がなされた否か判別して(ステップS105)、終了操作がなされたと判別したときには、その処理ルーチンを終了する。
また、ステップS105で終了操作がなされていないと判別したときには、ステップS104に戻る。
そして、ステップS104で、一覧表示から特定の相手方が使用者により選択されたと判別したときには、選択された相手の状況可視化データを、図13に示したように詳細表示する(ステップS106)。
そして、制御部11は、終了操作がなされた否か判別して(ステップS107)、終了操作がなされたと判別したときには、その処理ルーチンを終了する。
また、ステップS107で終了操作がなされていないと判別したときには、戻る操作が使用者によりなされたか否か判別し(ステップS108)、戻る操作がなされていないと判別したときには、ステップS107に戻り、このステップS107以降の処理を繰り返す。
また、ステップS108で戻る操作がなされた判別したときには、制御部11は、ステップS103に戻り、このステップS103以降の処理を繰り返す。
[実施形態の効果]
以上のようにして、この実施形態の携帯電話端末によれば、相手端末に問い合わせSMSを送信すると、自動的に相手端末から、使用状況の象徴化データが送られてきて、それにより、表示画面に相手の使用状況を可視化することができる。そして、この可視化表示から、相手の携帯電話端末の使用状況を知ることができる。
例えば、被問い合わせ側端末の使用者が、頻繁に通話や通信を行なっている状況か、頻繁に移動している状況か、携帯電話端末を使用していない状況であるかなどの使用者の携帯電話端末についての利用状況を容易に把握することができる。
そして、この実施形態においては、被問い合わせ側端末から問い合わせ側端末に送信する情報は、使用状況を象徴化したデータであって、詳細な使用状況を直接に示すものではないので、使用者のプライバシーを保護することができるという顕著な効果を奏する。
また、上述の実施形態によれば、問い合わせを許容する相手を設定することができるので、使用状況を知られたくない相手には、使用状況に関するデータを通知せずにプライバシーを保護することができる。
また、問い合わせを許容する時間帯を設定することができるため、使用状況を知られたくない時間帯を排除することができ、プライバシーを保護することができる。
[他の実施形態および変形例]
上述の実施形態では、象徴化データの可視化に当たっての色空間は、赤(R)、緑(G)、青(B)の3原色のRGB色空間を用いるようにしたが、色空間は、これに限られるものではない。例えば、シアン(C)、イエロー(Y)、マゼンタ(M)の3色からなるCMY色空間を用いるようにしても良い。また、色相(Hue)、彩度(Saturation)、明度(Value)からなるHSV色空間を用いるようにしてもよい。
また、象徴化データに対する可視化データは、色データとするようにしたが、可視化データは、色データに限られるわけではない。例えば、象徴化データの数値データに対応する記号に変換するようにしてもよい。また、例えば、双方向通信頻度情報、物理的変化情報、その他操作頻度情報のそれぞれに対応する図形を設定し、3種のそれぞれの情報の数値化データの値に応じて、対応する図形の大きさを変化させて表示するようにしても良い。
また、上述の実施形態では、問い合わせに対しては、最新の使用状況情報に対応する象徴化データのみを返信するようにしたが、一定期間の過去分の使用状況情報を問い合わせ要求して取得するようにしても良い。その場合には、被問い合わせ側端末では、メモリに記憶してある過去分の象徴化データを、その生成時刻情報と共に、問い合わせ側端末に送信するようにする。
そして、この場合には、問い合わせ側端末は、受信した一定期間の過去分の象徴化データから生成した可視化表示データを時系列に表示するようにすることができる。問い合わせ側端末の使用者は、その過去分の可視化表示データの時系列表示から、相手の使用状況の変遷を知覚することができて便利である。
また、上述の実施形態では、端末の使用状況情報を3種の情報に分類するようにしたが、どのように分類するかは、この発明の本質ではない。この発明は、要は、使用状況を象徴化するデータに変換することができ、象徴化データを可視化データに変換することができればよい。
また、上述の実施形態では、携帯端末は、携帯電話端末であったが、携帯端末は、通信機能を備える端末であれば、携帯電話端末に限られるものではないことは言うまでもない。
また、上述の実施形態では、問い合わせは、SMSメッセージを用いたが、これに限られるものではないことは言うまでもない。