JP5394908B2 - コークス炉壁観察装置のカメラ校正方法およびプログラム - Google Patents
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Description
しかるに、特許文献1の方法では、図20(A)に示すようにカメラの向きを炉壁に対して正面としているため、幅が数十センチメートルのコークス炉の場合、カメラと炉壁との距離が短く、カメラで撮影できる視野が限られ、炉壁全体について迅速に観察することは困難であった。
また、カメラで撮影した映像は録画されるが、その録画された映像を観察する場合、映像をはじめから再生する必要があるため、確認作業に時間のかかるものであり、一見して炉壁全体の状況を把握できるものではなかった。
図20(B)に示すように、カメラの向きを炉壁に対して斜めとすれば、撮影できる視野を広くすることができ、炉壁全体について迅速に観察することが可能となる。また、合成された炉壁全体画像により一見して炉壁全体の状況を把握することが可能となる。
また、この誤差を含んだ視点変換画像を張り合わせて炉壁全体画像の合成を行うと、視点変換画像の繋ぎ目で不一致を生じ、炉壁状態の観察に支障が出るという問題がある。
そこで、ソフトウェア側でカメラの取り付けを校正することが考えられるが、一般に行われる校正用ターゲットを用いての校正は、高温となるコークス炉内に校正用ターゲットを設置することができないため実施することができない。
第2発明のコークス炉壁観察装置のレンガ目地カメラ校正プログラムは、コークス炉内に挿入されたカメラで撮影された、該コークス炉内の炉壁の斜視像である炉壁画像を取り込むことのできるコンピュータに、請求項1記載のコークス炉壁観察装置のレンガ目地カメラ校正方法に用いるための処理を行わせるプログラムであって、前記炉壁画像を取り込み、下記の(a)、(b)、(c)、(d)のステップのうち、いずれか一つ、または、2つ以上のステップにより、入力されたカメラ校正の量を表すカメラ校正パラメータに従ってカメラ校正処理をするとともに、視点変換処理をして、前記炉壁画像から校正後の前記視点変換画像を生成し、該校正後の視点変換画像を表示する処理をコンピュータに行わせることを特徴とする。(a)前記カメラ校正パラメータの1つが、前記カメラの左右の回転の量を表すパン校正パラメータであり、入力された前記パン校正パラメータの値に従って、前記炉壁画像から前記カメラの左右の回転を校正した前記校正後の視点変換画像を生成するステップ(b)前記カメラ校正パラメータの1つが、前記カメラの上下の回転の量を表すチルト校正パラメータであり、入力された前記チルト校正パラメータの値に従って、前記炉壁画像から前記カメラの上下の回転を校正した前記校正後の視点変換画像を生成するステップ(c)前記カメラ校正パラメータの1つが、前記カメラの光軸周りの回転の量を表すロール校正パラメータであり、入力された前記ロール校正パラメータの値に従って、前記炉壁画像から前記カメラの光軸周りの回転を校正した前記校正後の視点変換画像を生成するステップ(d)前記カメラ校正パラメータの1つが、前記カメラに取り付けられたレンズの歪曲の量を表す歪曲校正パラメータであり、入力された前記歪曲校正パラメータの値に従って、前記炉壁画像から前記カメラのレンズの歪を校正した前記校正後の視点変換画像を生成するステップ
第3発明のコークス炉壁観察装置のレンガ目地カメラ校正プログラムは、第2発明において、下記の(a)、(b)、(c)、(d)のステップのうち、いずれか一つ、または、2つ以上のステップにより、入力されたカメラ校正の量を表すカメラ校正パラメータに従ってカメラ校正処理をするとともに、視点変換処理をして、前記炉壁画像から校正後の前記視点変換画像を生成することを特徴とする。(a)前記カメラの光学中心から前記炉壁上へ垂線を下ろした時の交点を通る前記コークス炉の垂直軸を回転軸とし、該回転軸周りの回転量が前記パン校正パラメータであり、前記炉壁画像を視点変換処理して視点変換画像を生成した後に、入力された前記パン校正パラメータの値に従って、前記視点変換画像を前記回転軸周りに回転させた前記校正後の視点変換画像を生成するステップ(b)前記カメラの光学中心から前記炉壁上へ垂線を下ろした時の交点を通る前記コークス炉の炉幅方向の軸を回転軸とし、該回転軸周りの回転量を前記チルト校正パラメータとし、前記炉壁画像を視点変換処理して視点変換画像を生成した後に、入力された前記チルト校正パラメータの値に従って、前記視点変換画像を前記回転軸周りに回転させた前記校正後の視点変換画像を生成するステップ(c)前記カメラの光軸を回転軸とし、該回転軸周りの回転量を前記ロール校正パラメータとし、入力された前記ロール校正パラメータの値に従って、前記炉壁画像を前記回転軸周りに回転させた校正後の炉壁画像を生成した後に、該校正後の炉壁画像を視点変換処理して前記校正後の視点変換画像を生成するステップ(d)前記カメラに取り付けられたレンズの歪曲の量を前記歪曲校正パラメータとし、入力された前記歪曲校正パラメータの値に従って、前記炉壁画像の歪曲を調整した校正後の炉壁画像を生成した後に、該校正後の炉壁画像を視点変換処理して前記校正後の視点変換画像を生成するステップ
第4発明のコークス炉壁観察装置の炉入口カメラ校正方法は、カメラをコークス炉内に挿入し、該コークス炉内の炉壁を斜視像である炉壁画像として撮影し、該炉壁画像を視点変換処理して前記炉壁を正面から見た視点変換画像を生成するコークス炉壁観察装置における、前記カメラの取り付け誤差を含んだ前記視点変換画像を校正するためのカメラ校正方法であって、前記カメラで実際の炉壁画像を撮影し、前記コークス炉の設計値と、前記カメラの前記コークス炉内におけるカメラ位置から仮想の炉入口を算出し、下記の(a)、(b)、(c)の工程のうち、いずれか一つ、または、2つ以上の工程により、カメラ校正の量を表す取り付け誤差パラメータを調整することを特徴とする。(a)前記取り付け誤差パラメータの1つが、前記カメラの左右の回転の量を表すパン取り付け誤差パラメータであり、前記パン取り付け誤差パラメータを、前記実際の炉壁画像に表示される前記炉入口と、前記仮想の炉入口のずれが最小となるように調整する工程(b)前記取り付け誤差パラメータの1つが、前記カメラの上下の回転の量を表すチルト取り付け誤差パラメータであり、前記チルト取り付け誤差パラメータを、前記実際の炉壁画像に表示される前記炉入口と、前記仮想の炉入口のずれが最小となるように調整する工程(c)前記取り付け誤差パラメータの1つが、前記カメラの光軸周りの回転の量を表すロール取り付け誤差パラメータであり、前記ロール取り付け誤差パラメータを、前記実際の炉壁画像に表示される前記炉入口と、前記仮想の炉入口のずれが最小となるように調整する工程
第5発明のコークス炉壁観察装置の炉入口カメラ校正プログラムは、コークス炉内に挿入されたカメラで撮影された、該コークス炉内の炉壁の斜視像である炉壁画像と、前記カメラの前記コークス炉内におけるカメラ位置を取り込むことのできるコンピュータに、請求項4記載のコークス炉壁観察装置の炉入口カメラ校正方法に用いるための処理を行わせるプログラムであって、前記炉壁画像と前記カメラ位置を取り込み、前記炉壁画像に表示される前記炉入口の座標を決定し、前記コークス炉の設計値と、前記カメラ位置から仮想の炉入口の座標を算出し、下記の(a)、(b)、(c)の工程のうち、いずれか一つ、または、2つ以上の工程により、カメラ校正の量を表す取り付け誤差パラメータを決定する処理をコンピュータに行わせることを特徴とする。(a)前記取り付け誤差パラメータの1つが、前記カメラの左右の回転の量を表すパン取り付け誤差パラメータであり、前記パン取り付け誤差パラメータを、前記炉壁画像に表示される前記炉入口の座標と、前記仮想の炉入口の座標のずれが最小となるように決定する工程(b)前記取り付け誤差パラメータの1つが、前記カメラの上下の回転の量を表すチルト取り付け誤差パラメータであり、前記チルト取り付け誤差パラメータを、前記炉壁画像に表示される前記炉入口の座標と、前記仮想の炉入口の座標のずれが最小となるように決定する工程(c)前記取り付け誤差パラメータの1つが、前記カメラの光軸周りの回転の量を表すロール取り付け誤差パラメータであり、前記ロール取り付け誤差パラメータを、前記炉壁画像に表示される前記炉入口の座標と、前記仮想の炉入口の座標のずれが最小となるように決定する工程
第6発明のコークス炉壁観察装置の炉入口カメラ校正プログラムは、第5発明において、前記炉壁画像を画像解析し、前記炉壁画像に表示される前記炉入口の座標を検出することを特徴とする。
第7発明のコークス炉壁観察装置の炉入口カメラ校正プログラムは、第5発明において、前記炉壁画像を表示し、前記炉壁画像における座標の指定を受け、該指定された座標を、前記炉壁画像に表示される前記炉入口の座標とすることを特徴とする。
第8発明のコークス炉壁観察装置の炉入口カメラ校正プログラムは、第5、第6または第7発明において、前記取り付け誤差パラメータを順次変化させながら、前記炉壁画像に表示される前記炉入口の座標と、前記仮想の炉入口の座標のずれが最小となる、前記取り付け誤差パラメータを探索することを特徴とする。
第2発明によれば、入力されたカメラ校正パラメータに従って校正後の視点変換画像を表示するので、表示された視点変換画像を確認しながらカメラ校正パラメータを決定することができ、校正用ターゲットを使用せず、画像処理の専門知識がなくても容易にカメラ校正ができる。また、校正用ターゲットを用いないため、校正用ターゲットを高温となるコークス炉内に設置する必要がない。
第3発明によれば、コークス炉の垂直軸を回転軸として回転させた視点変換画像を表示するので、表示された視点変換画像を確認しながらカメラの左右の回転を校正することができる。また、視点変換画像のみに対する演算であるので処理を単純にすることができる。また、コークス炉の炉幅方向の軸を回転軸として回転させた視点変換画像を表示するので、表示された視点変換画像を確認しながらカメラの上下の回転を校正することができる。また、視点変換画像の単純な回転であるので処理を単純にすることができる。また、カメラの光軸を回転軸として回転させた視点変換画像を表示するので、表示された視点変換画像を確認しながらカメラの光軸周りの回転を校正することができる。また、炉壁画像の単純な回転であるので処理を単純にすることができる。また、レンズの歪曲を調整した視点変換画像を表示するので、表示された視点変換画像を確認しながらカメラの光軸周りの回転を校正することができる。また、炉壁画像のみに対する演算であるので処理を単純にすることができる。
第4発明によれば、カメラの取り付け誤差の影響のない視点変換画像を生成することができ、炉壁全体画像の合成を行っても視点変換画像の繋ぎ目で不一致が生じることがない。また、コークス炉の炉入口を指標としてカメラ校正を行うため、校正用ターゲットを高温となるコークス炉内に設置する必要がない。また、実際の炉壁画像に表示される炉入口と仮想の炉入口のずれが最小となるようにカメラ校正を行うため、校正用ターゲットを使用せず、画像処理の専門知識がなくてもカメラ校正ができる。さらに、炉壁画像とコークス炉の設計値とカメラ位置とからカメラ校正を行うので、オペレータの操作が少なく、カメラ校正の作業が容易である。
第5発明によれば、炉壁画像に表示される炉入口の座標と仮想の炉入口の座標のずれが最小となるように取り付け誤差パラメータを決定するので、校正用ターゲットを使用せず、画像処理の専門知識がなくてもカメラ校正ができる。また、炉壁画像とコークス炉の設計値とカメラ位置とから取り付け誤差パラメータを決定するので、オペレータの操作が少なく、カメラ校正の作業が容易である。
第6発明によれば、画像解析して炉入口の座標を検出するので、さらにオペレータの操作が少なく、カメラ校正の作業が容易である。
第7発明によれば、オペレータの操作により炉入口の座標を決定するので、画像解析の必要がなく、処理を単純にすることができる。
第8発明によれば、取り付け誤差パラメータを順次変化させながら探索するので、解析的に解く必要がなく、処理を単純にすることができる。
つぎに、本発明の実施形態を図面に基づき説明する。
図1に示すように、コークス炉10は高さ数メートル、奥行き十数メートルの対となるレンガ造りの炉壁11が数十センチメートルの間隔を隔てて設けられた、狭窄な炉である。コークス炉10内で製造されたコークスCは、コークス炉10の片側の炉入口12から押出機20が挿入されることにより反対側の炉出口13へと押し出される。
押出機20は、押板21とビーム22とからなり、ビーム22が図示しない駆動装置に接続されており、この駆動装置の動作により押板21がコークス炉10の炉入口12から炉出口13まで移動自在となっている。押板21がコークス炉10の断面と同形状をしているため、押板21の移動によりコークスCを押し出すことができる。
コンピュータ50は主に、CPU51、メモリ52、ハードディスク53、モニタ54からなり、炉壁画像とカメラ位置情報から後述する画像処理を行い、その結果をモニタ54に表示する。
つぎに、本発明の一実施形態に係るコークス炉壁観察装置を用いた炉壁観察について説明する。
炉壁観察は大きく分けて、(1)炉壁画像から視点変換画像を生成し、その視点変換画像を押出機移動中に観察する即時観察、(2)視点変換画像から炉壁全体画像を合成、保存し、その炉壁全体画像を押出機の運用とは別の時期に観察する後日観察の2種類を行う。
即時観察は、押出機20の運転者などが、コークス押出のための押出機の通常運用を行う際に同時に行う観察である。
この際に得られる炉壁画像OIは、図2に示すように、カメラ30はコークスCの押出方向と逆方向を向くように取り付けられているため、炉壁画像OIの中央には炉入口12が映し出される。また、カメラ30には広角レンズが取り付けられているため左右の炉壁11が、炉壁画像OIの左右に映し出される。なお図中、14はコークス炉の天井、15はコークス炉の底である。実際には、押出機20のビーム22も映し出されるが、説明のため省略してある。
そこで、CPU51によりメモリ52に記憶された炉壁画像OIを視点変換処理して、炉壁11を正面から見た視点変換画像TIを生成する。
視点変換処理は例えば以下のように行われる。
一般に、画像処理により画像を変換して新たな画像を生成する場合、変換後の画像の各画素が変換前の画像のどの画素を参照すればよいかが分かればよい。すなわち、本実施形態の場合、視点変換画像TIの各画素が炉壁画像OIのどの画素を参照すればよいかが分かればよい。そのためには、図3に示すように、視点変換画像TI上の座標から炉壁画像OI上の座標を参照するための座標変換を導くことが必要である。
ここで、カメラ30がCCDカメラである場合、視点変換画像TI上の座標から炉壁画像OI上の座標への座標変換とは、炉壁11上のある点から出た光がカメラ30のCCD上のどこへ到達するか、という問題に置き換えることができる。つまり、カメラ30、その光学系および炉壁11の特性値および位置関係から座標変換を導くことができる。
以上の通りに定義した場合、最近接距離 D[pixel] は、炉壁画像OI上での画素スケールを k[mm/pixel]とすると次式で与えられる(図5(A)参照)。
このように、光学中心を通る光線のみで撮像系をモデル化する手法をピンホールカメラモデルによるモデル化という。
図5(A)より、x から u への変換は以下の通りに記述できる。
また、図5(B)より、y から v への変換は以下の通りに記述できる。
これら数2、数3が視点変換画像TI上の座標から炉壁画像OI上の座標への座標変換となる。
しかしながら、この座標変換に要する計算コストは非常に大きい。またカメラ30などのハードウェアや、カメラ30と炉壁11との距離が変化しない限り、座標変換のためのパラメータも変化しないため、視点変換画像TIを生成するたびに同じ計算を繰り返すことは無駄である。
そこで、視点変換画像TIの全画素について一度だけ座標変換の演算を行い、その結果を保存しておくことが好ましい。より具体的には、視点変換画像TIの各画素 (x,y) に対応する炉壁画像OI上の座標 (u,v) をテーブル(以下、座標変換テーブルとする。)として生成し、ハードディスク53に保存しておく。座標変換テーブルは、例えば図6(A)および(B)に示すようなテーブルであって、視点変換画像TI上の座標を示す視点変換画像座標行c1と壁画像OI上の座標を示す炉壁画像座標行c2とからなり、視点変換画像座標 (x,y) に対応する炉壁画像座標 (u,v) の値が炉壁画像座標行c2に記録されている。
なお、図6においては視点変換画像TIを 1000×1000[pixel] とし、炉壁画像座標 (u,v) として例示的な値を示している。
通常運用時の視点変換処理においてはこの座標変換テーブルを参照し、視点変換画像TIの各画素の色情報を炉壁画像OIの対応する画素の色情報とすることで、視点変換処理を高速に行うことができる。
以上の視点変換処理で生成された視点変換画像TIは図7に示すようになる。図7は片方の炉壁11に対する視点変換画像TIであるが、同様の視点変換画像TIを、左右の炉壁11それぞれに対して1枚得ることができる。図7に示される視点変換画像TIとして映し出される炉壁11の範囲は、図4に示す視野Vに対応する。カメラ30の手前側の手前側画像では、カメラ30の上下の視野角の範囲外となる視野範囲外領域O(上下一対の三角形の領域)が現れる。そのため、視点変換画像TIは、その手前側画像は高さ方向の視野が狭く、カメラ30から奥側の奥側画像は高さ方向の視野が広くなる。なお、視点変換画像TIに表示される複数の垂直および水平な線は炉壁11のレンガ目地16である。
後日観察は、視点変換画像TIから炉壁11全体の画像を合成し、それを炉壁全体画像WIとして保存しておき、押出機の運用とは別の時期にその炉壁全体画像WIを用いて行う観察である。炉壁全体画像WIは、一見して炉壁11全体の状況を把握することを容易にするために生成される。
CPU51は、このメモリ52に一時記憶された視点変換画像TIを、それに対応するカメラ位置情報をもとに適当な位置に配置し、つなぎ合せることで、炉壁全体画像WIを合成する。
前述の視点変換処理は、カメラ30の光軸が炉壁11に対して平行、かつ、押出機20の押出方向に対して平行である理想的な状態として演算を行っている。
しかし、カメラ30を押出機20に取り付ける際、実際には理想的な取り付け角度から誤差を持って取り付けられてしまう。また、押出機20は移動により振動するので、その振動により徐々に取り付け誤差が生じてくる。このカメラ30の取り付けを校正せず、数2、数3のみに従った視点変換処理を行うと、炉壁11の正面に対して取り付け誤差分だけずれた視点から見た視点変換画像TIを生成してしまう。
この誤差を含んだ視点変換画像TIを張り合わせて炉壁全体画像WIの合成を行うと、視点変換画像TIの繋ぎ目で不一致を生じ、炉壁状態の観察に支障が出る。
また、本実施形態において、カメラ30には広角レンズが取り付けられているが、安価な広角レンズを取り付けた場合、レンズの外周は画像に歪曲が生じる場合がある。
本実施形態において、カメラ30の光軸は、理想的には炉壁11およびカメラ30の進行方向に対して平行であるので、カメラ30の取り付け誤差をこの理想的な光軸に対するパン、チルト、ロールの3軸回転として扱う。パンとはカメラ30の左右の回転、チルトとはカメラ30の上下の回転、ロールとはカメラ30の光軸周りの回転である。
より詳細には、カメラ30のパンとチルトの校正により、実炉壁RWから理想炉壁IWへの変換を行い、ついで前述の視点変換とロールと歪曲の校正により、理想炉壁IWからCCD面への変換を行う。ここで、ロールの校正を理想炉壁IWからCCD面への変換において行うのは、この方が単純な画像の回転となり、変換が容易であるためである。
以下、各校正について説明する。
図10(A)に示すように、パン校正前の視点変換画像TIは、奥もしくは手前方向にあおられた画像となる。パンの校正は、図10(B)に示される点A(図9における点A と同一)を通り y軸に平行な直線(コークス炉10における垂直軸)を回転軸とし、その回転軸周りの回転として行われる。したがって、パン校正後のある点(x,y)[pixel]に対応するパン校正前の点(u,v)[pixel]は以下の通りに記述できる。
図11(A)に示すように、チルト校正前の視点変換画像TIは、画像平面内で回転した画像となる。チルトの校正は、図11(B)に示される点A を通り画像平面に垂直な直線(コークス炉10における炉幅方向の軸)を回転軸とし、その回転軸周りの回転として行われる。したがって、チルト校正後のある点(x,y)[pixel]に対応するチルト校正前の点(u,v)[pixel]は以下の通りに記述できる。
図12(A)に示すように、ロール校正前の炉壁画像OIは、画像平面内で回転した画像となる。ロールの校正は、図12(B)に示される炉壁画像OIの中心を通り画像平面に垂直な直線(カメラ光軸)を回転軸とし、その回転軸周りの回転として行われる。したがって、ロール校正後のある点(x,y)[pixel]に対応するロール校正前の点(u,v)[pixel]は以下の通りに記述できる。
図13に示すように、歪曲校正前の炉壁画像OIは、樽型や糸巻き型に歪曲した画像となる。歪曲の原点を炉壁画像OIの中心とすると、歪曲校正後のある点(x,y)[pixel]に対応する歪曲校正前の点(u,v)[pixel]は一般に以下の通りに近似できる。
すなわち、視点変換画像TI上のある点(x,y)[pixel]に対応する炉壁画像OI上の点を(u,v)[pixel]とすると、x から u への変換は、歪曲校正の数10、ロール校正の数8、視点変換の数2、チルト校正の数6、パン校正の数4をこの順に、各式の出力 u を次の式の入力 x とした演算であり、y から v への変換は、歪曲校正の数11、ロール校正の数9、視点変換の数3、チルト校正の数7、パン校正の数5をこの順に、各式の出力 v を次の式の入力 y とした演算である。
カメラ校正パラメータの値を決定するためには、後に詳説するように、カメラ校正処理をするとともに視点変換処理を行い、視点変換画像TIを生成して、その生成された視点変換画像TIを観察して誤差の影響がなくなるようにカメラ校正パラメータを調整することで行う。この際、カメラ校正パラメータを調整する指標となるのが視点変換画像に表示されるレンガ目地16である。
レンガ目地カメラ校正を行うために、カメラ30で撮影した炉壁画像OIを取り込み、入力されたカメラ校正パラメータに従ってカメラ校正処理をするとともに、視点変換処理をして、炉壁画像OIから視点変換画像TIを生成し、その視点変換画像TIを表示することが可能なレンガ目地カメラ校正プログラムを用いる。
まず、オペレータがレンガ目地カメラ校正プログラムを起動すると、CPU51はモニタ54にレンガ目地カメラ校正画面60を表示するとともに、カメラ校正パラメータ α、θ、φ、κ を初期化する(ステップSTA1)。初期化は、カメラ校正が必要のない場合の各カメラ校正パラメータの値は 0 であるので、各カメラ校正パラメータの値を 0 とすればよい。
この段階では、カメラ校正パラメータは初期化されている状態であるので、画像表示部66には、カメラ校正前の視点変換画像TIが表示されることになる。
より詳細には、図16に示すように、画像表示部66に表示された視点変換画像TIのレンガ目地16の垂直および水平な線が歪曲している場合には、直線に表示されるように歪曲校正パラメータを調整する(図16(A)参照)。レンガ目地16の複数の垂直な線が互いに平行でない場合には、互いに平行に表示されるようにロール校正パラメータを調整する(図16(B)参照)。レンガ目地16の垂直および水平な線が傾いている場合には、レンガ目地16が垂直および水平に表示されるようにチルト校正パラメータを調整する(図16(C)参照)。レンガ目地16の複数の水平な線が互いに平行でない場合には、互いに平行に表示されるようにパン校正パラメータを調整する(図16(D)参照)。
このように、カメラ校正の指標が分かりやすいのでカメラ校正が容易にできる。
カメラ校正処理STA3では、数10および数11で表される歪曲校正STA3.1、数8および数9で表されるロール校正STA3.2、数2および数3で表される視点変換STA3.3、数6および数7で表されるチルト校正STA3.4、数4および数5で表されるパン校正STA3.5をこの順で行う。
これらの処理は、炉壁画像OIもしくは視点変換画像TIのみに対する演算であるので処理を単純にすることができる。
オペレータは、一方の炉壁の視点変換画像についてカメラ校正が完了したと判断した場合には、画像切替オプションボタン62で他方の視点変換画像に切り替え、同様のカメラ校正作業を行い、そのカメラ校正も完了したと判断した場合には、座標変換テーブル保存ボタン64を押下する。そうすると、CPU51はカメラ校正処理STA3により更新された座標変換テーブルをハードディスク53に保存する(ステップSTA8)。
最後にオペレータは終了ボタン65を押下し、CPU51はレンガ目地カメラ校正プログラムを終了する。
また、レンガ目地16を指標としてカメラ校正を行うため、一般的に用いられる校正用ターゲットを高温となるコークス炉内に設置する必要がない。
さらに、モニタ54に表示された視点変換画像を確認しながらカメラ校正パラメータ決定することができるので、校正用ターゲット使用せず、画像処理の専門知識がなくても容易にカメラ校正ができる。
前述のレンガ目地カメラ校正は炉壁11のレンガ目地16を指標としてカメラ校正を行うが、コークス炉10の炉入口12を指標としてもカメラ校正を行うことができる。以下、炉入口12を指標としたカメラ校正を、炉入口カメラ校正と称する。
炉入口カメラ校正は、主に以下の3つのステップで行う。
(1)まず、カメラ30の取り付け誤差を理想的な光軸に対するパン、チルト、ロールの3軸回転として、カメラ30とコークス炉10の設計値およびカメラ位置から、仮想の炉入口12を幾何学的に算出する。
(2)つぎに、実際に撮影された炉壁画像OIに表示される炉入口12と、幾何学的に算出された仮想の炉入口12が一致するようにパン、チルト、ロールの3軸回転(取り付け誤差)を決定する。
(3)最後に、決定した取り付け誤差から、炉壁11上(視点変換画像TI上)のある点に対応する炉壁画像OI上の点を幾何学的に算出し、その結果から視点変換画像TIを生成する。
以下、(1)から(3)の3つのステップについて詳説する。
図17(A)に示すように、炉壁画像OI上の位置を表す炉壁画像座標系(u,v) を、原点を炉壁画像OIの中心として定義する。また、図17(B)に示すように、コークス炉10内の位置を表す炉内座標系(XO,YO,ZO) と、カメラ30の撮像系を表すカメラ座標系(XC,YC,ZC) を定義する。炉壁座標系とカメラ座標系の原点はどちらもカメラ30の光学中心とする。炉内座標系の ZO軸は、炉壁11に対して平行、かつ、コークス炉10の水平面に対して平行であり、取り付け誤差のない理想的な状態のカメラ30の光軸を表す。そして XO軸は炉幅方向を、YO軸はコークス炉10の垂直方向を表す。カメラ座標系の ZC軸は、取り付け誤差を含んだ実際のカメラ30の光軸を表す。そして XC軸はカメラ30の左右方向を、YC軸はカメラ30の上下方向を表す。
数12における座標変換は、未知数が取り付け誤差のη、ζ、ξの3変数であるから、変換前後で対応する点を数点調べて、連立方程式を立てて解くことにより、取り付け誤差を求めることができる。しかしながら、数12を展開すると大変複雑な式となり、実際には解析的に解く事は困難である。そこで取り付け誤差η、ζ、ξの採りうる値の範囲を限定し、探索的に解くことが好ましい。
例えば、取り付け誤差は各軸周りに±10°以内の範囲に収まると仮定すると、取り付け誤差を各軸に対して0.1°単位で全数探索しても8,000,000パターンであり、一般的なコンピュータでも数秒で探索を完了できる。さらに最適探索手法を取り入れれば、十分に短時間で探索が可能である。
また図18(B)に示すように、コークス炉10の設計値およびカメラ位置から算出される炉入口12の四隅 b1,b2,b3,b4 の座標が、炉内座標系でb1(b1x,b1y,b1z)、b2(b2x,b2y,b2z)、b3(b3x,b3y,b3z)、b4(b4x,b4y,b4z)であるとする。
そこで、a1,a2,a3,a4 と c1,c2,c3,c4 のずれが最小となるη、ζ、ξを探索することにより取り付け誤差を求める。
ここで、a1,a2,a3,a4 と c1,c2,c3,c4 のずれを評価するための評価値は、例えば炉壁画像座標系における炉入口12の四隅の各座標のずれの二乗和とすればよい。この場合、この評価値を最小化する取り付け誤差η、ζ、ξが解となる。
取り付け誤差η、ζ、ξを決定する事により、炉内座標系での任意の点が炉壁画像座標系でのどの点に対応するかを、数12から数14を用いて求めることができる。
そこで、炉内座標系における炉壁11上の視点変換画像TIに相当するエリアを、視点変換画像TIの画素に対応するピッチで走査しながら、炉壁画像座標系での対応する座標を演算し、視点変換画像TIの各画素の色情報を炉壁画像OIの対応する画素の色情報とすることで、視点変換画像TIを生成する。
つぎに、図19に示すフローチャートに基づいて本発明の一実施形態に係る炉入口カメラ校正プログラムの処理を説明する。
まず、CPU51は取り付け誤差パラメータη、ζ、ξを初期化する(ステップSTB1)。ここで、η はチルト取り付け誤差パラメータ、ζ パン取り付け誤差パラメータ、ξ はロール取り付け誤差パラメータである。初期化は、取り付け誤差がない状態であるとして各値を 0 としてもよいし、以前に実行した炉入口カメラ校正プログラムにおいて取り付け誤差パラメータの結果を記憶しているのであれば、その値で初期化してもよい。あるいは、ステップSTB4における取り付け誤差探索の探索方法に適した値に初期化を行う。
画像解析により座標を検出した場合には、オペレータの作業が少なくなるので、カメラ校正の作業が容易となる。一方、オペレータが指定する場合には、画像解析の必要がないので、処理を単純にすることができる。
ここで前述のとおり、ステップSTB5の処理は、取り付け誤差パラメータη、ζ、ξを順次変化させながら、ずれが最小となる値を探索する。そのため数12から数14を解析的に解く必要がなく、処理を単純にすることができる。
また、取り付け誤差パラメータを保存する場合には、ハードウェア側でカメラの取り付けを調整する場合に、取り付け誤差パラメータを調整の参考とすることができ、調整作業が容易となる。
また、炉入口12を指標としてカメラ校正を行うため、一般的に用いられる校正用ターゲットを高温となるコークス炉内に設置する必要がない。そして、校正用ターゲットを用いないため画像処理の専門知識がなくてもカメラ校正ができる。
さらに、オペレータの操作が少ないので、カメラ校正の作業が容易である。
TI 視点変換画像
WI 炉壁全体画像
V 視野
O 視野範囲外領域
10 コークス炉
11 炉壁
12 炉入口
16 レンガ目地
20 押出機
30 カメラ
40 エンコーダ
50 コンピュータ
60 レンガ目地カメラ校正画面
Claims (8)
- カメラをコークス炉内に挿入し、該コークス炉内の炉壁を斜視像である炉壁画像として撮影し、該炉壁画像を視点変換処理して前記炉壁を正面から見た視点変換画像を生成するコークス炉壁観察装置における、前記カメラの取り付け誤差および/またはレンズ歪を含んだ前記視点変換画像を校正するためのカメラ校正方法であって、
前記カメラで前記炉壁画像を撮影し、
該炉壁画像を視点変換処理して前記視点変換画像を生成し、
下記の(a)、(b)、(c)、(d)の工程のうち、いずれか一つ、または、2つ以上の工程により、カメラ校正の量を表すカメラ校正パラメータを調整する
ことを特徴とするコークス炉壁観察装置のレンガ目地カメラ校正方法。
(a)前記カメラ校正パラメータの1つが、前記カメラの左右の回転の量を表すパン校正パラメータであり、
前記パン校正パラメータを、前記炉壁のレンガ目地の複数の水平な線が、前記視点変換画像において互いに平行に表示されるように調整する工程
(b)前記カメラ校正パラメータの1つが、前記カメラの上下の回転の量を表すチルト校正パラメータであり、
前記チルト校正パラメータを、前記炉壁のレンガ目地の垂直および水平な線が、前記視点変換画像において垂直および水平に表示されるように調整する工程
(c)前記カメラ校正パラメータの1つが、前記カメラの光軸周りの回転の量を表すロール校正パラメータであり、
前記ロール校正パラメータを、前記炉壁のレンガ目地の複数の垂直な線が、前記視点変換画像において互いに平行に表示されるように調整する工程
(d)前記カメラ校正パラメータの1つが、前記カメラに取り付けられたレンズの歪曲の量を表す歪曲校正パラメータであり、
前記歪曲校正パラメータを、前記炉壁のレンガ目地の垂直および水平な線が、前記視点変換画像において直線に表示されるように調整する工程 - コークス炉内に挿入されたカメラで撮影された、該コークス炉内の炉壁の斜視像である炉壁画像を取り込むことのできるコンピュータに、請求項1記載のコークス炉壁観察装置のレンガ目地カメラ校正方法に用いるための処理を行わせるプログラムであって、
前記炉壁画像を取り込み、
下記の(a)、(b)、(c)、(d)のステップのうち、いずれか一つ、または、2つ以上のステップにより、入力されたカメラ校正の量を表すカメラ校正パラメータに従ってカメラ校正処理をするとともに、視点変換処理をして、前記炉壁画像から校正後の前記視点変換画像を生成し、
該校正後の視点変換画像を表示する
処理をコンピュータに行わせる
ことを特徴とするコークス炉壁観察装置のレンガ目地カメラ校正プログラム。
(a)前記カメラ校正パラメータの1つが、前記カメラの左右の回転の量を表すパン校正パラメータであり、
入力された前記パン校正パラメータの値に従って、前記炉壁画像から前記カメラの左右の回転を校正した前記校正後の視点変換画像を生成するステップ
(b)前記カメラ校正パラメータの1つが、前記カメラの上下の回転の量を表すチルト校正パラメータであり、
入力された前記チルト校正パラメータの値に従って、前記炉壁画像から前記カメラの上下の回転を校正した前記校正後の視点変換画像を生成するステップ
(c)前記カメラ校正パラメータの1つが、前記カメラの光軸周りの回転の量を表すロール校正パラメータであり、
入力された前記ロール校正パラメータの値に従って、前記炉壁画像から前記カメラの光軸周りの回転を校正した前記校正後の視点変換画像を生成するステップ
(d)前記カメラ校正パラメータの1つが、前記カメラに取り付けられたレンズの歪曲の量を表す歪曲校正パラメータであり、
入力された前記歪曲校正パラメータの値に従って、前記炉壁画像から前記カメラのレンズの歪を校正した前記校正後の視点変換画像を生成するステップ - 下記の(a)、(b)、(c)、(d)のステップのうち、いずれか一つ、または、2つ以上のステップにより、入力されたカメラ校正の量を表すカメラ校正パラメータに従ってカメラ校正処理をするとともに、視点変換処理をして、前記炉壁画像から校正後の前記視点変換画像を生成する
ことを特徴とする請求項2記載のコークス炉壁観察装置のレンガ目地カメラ校正プログラム。
(a)前記カメラの光学中心から前記炉壁上へ垂線を下ろした時の交点を通る前記コークス炉の垂直軸を回転軸とし、該回転軸周りの回転量が前記パン校正パラメータであり、
前記炉壁画像を視点変換処理して視点変換画像を生成した後に、
入力された前記パン校正パラメータの値に従って、前記視点変換画像を前記回転軸周りに回転させた前記校正後の視点変換画像を生成するステップ
(b)前記カメラの光学中心から前記炉壁上へ垂線を下ろした時の交点を通る前記コークス炉の炉幅方向の軸を回転軸とし、該回転軸周りの回転量を前記チルト校正パラメータとし、
前記炉壁画像を視点変換処理して視点変換画像を生成した後に、
入力された前記チルト校正パラメータの値に従って、前記視点変換画像を前記回転軸周りに回転させた前記校正後の視点変換画像を生成するステップ
(c)前記カメラの光軸を回転軸とし、該回転軸周りの回転量を前記ロール校正パラメータとし、
入力された前記ロール校正パラメータの値に従って、前記炉壁画像を前記回転軸周りに回転させた校正後の炉壁画像を生成した後に、
該校正後の炉壁画像を視点変換処理して前記校正後の視点変換画像を生成するステップ
(d)前記カメラに取り付けられたレンズの歪曲の量を前記歪曲校正パラメータとし、
入力された前記歪曲校正パラメータの値に従って、前記炉壁画像の歪曲を調整した校正後の炉壁画像を生成した後に、
該校正後の炉壁画像を視点変換処理して前記校正後の視点変換画像を生成するステップ - カメラをコークス炉内に挿入し、該コークス炉内の炉壁を斜視像である炉壁画像として撮影し、該炉壁画像を視点変換処理して前記炉壁を正面から見た視点変換画像を生成するコークス炉壁観察装置における、前記カメラの取り付け誤差を含んだ前記視点変換画像を校正するためのカメラ校正方法であって、
前記カメラで実際の炉壁画像を撮影し、
前記コークス炉の設計値と、前記カメラの前記コークス炉内におけるカメラ位置から仮想の炉入口を算出し、
下記の(a)、(b)、(c)の工程のうち、いずれか一つ、または、2つ以上の工程により、カメラ校正の量を表す取り付け誤差パラメータを調整する
ことを特徴とするコークス炉壁観察装置の炉入口カメラ校正方法。
(a)前記取り付け誤差パラメータの1つが、前記カメラの左右の回転の量を表すパン取り付け誤差パラメータであり、
前記パン取り付け誤差パラメータを、前記実際の炉壁画像に表示される前記炉入口と、前記仮想の炉入口のずれが最小となるように調整する工程
(b)前記取り付け誤差パラメータの1つが、前記カメラの上下の回転の量を表すチルト取り付け誤差パラメータであり、
前記チルト取り付け誤差パラメータを、前記実際の炉壁画像に表示される前記炉入口と、前記仮想の炉入口のずれが最小となるように調整する工程
(c)前記取り付け誤差パラメータの1つが、前記カメラの光軸周りの回転の量を表すロール取り付け誤差パラメータであり、
前記ロール取り付け誤差パラメータを、前記実際の炉壁画像に表示される前記炉入口と、前記仮想の炉入口のずれが最小となるように調整する工程 - コークス炉内に挿入されたカメラで撮影された、該コークス炉内の炉壁の斜視像である炉壁画像と、前記カメラの前記コークス炉内におけるカメラ位置を取り込むことのできるコンピュータに、請求項4記載のコークス炉壁観察装置の炉入口カメラ校正方法に用いるための処理を行わせるプログラムであって、
前記炉壁画像と前記カメラ位置を取り込み、
前記炉壁画像に表示される前記炉入口の座標を決定し、
前記コークス炉の設計値と、前記カメラ位置から仮想の炉入口の座標を算出し、
下記の(a)、(b)、(c)の工程のうち、いずれか一つ、または、2つ以上の工程により、カメラ校正の量を表す取り付け誤差パラメータを決定する
処理をコンピュータに行わせる
ことを特徴とするコークス炉壁観察装置の炉入口カメラ校正プログラム。
(a)前記取り付け誤差パラメータの1つが、前記カメラの左右の回転の量を表すパン取り付け誤差パラメータであり、
前記パン取り付け誤差パラメータを、前記炉壁画像に表示される前記炉入口の座標と、前記仮想の炉入口の座標のずれが最小となるように決定する工程
(b)前記取り付け誤差パラメータの1つが、前記カメラの上下の回転の量を表すチルト取り付け誤差パラメータであり、
前記チルト取り付け誤差パラメータを、前記炉壁画像に表示される前記炉入口の座標と、前記仮想の炉入口の座標のずれが最小となるように決定する工程
(c)前記取り付け誤差パラメータの1つが、前記カメラの光軸周りの回転の量を表すロール取り付け誤差パラメータであり、
前記ロール取り付け誤差パラメータを、前記炉壁画像に表示される前記炉入口の座標と、前記仮想の炉入口の座標のずれが最小となるように決定する工程 - 前記炉壁画像を画像解析し、前記炉壁画像に表示される前記炉入口の座標を検出する
ことを特徴とする請求項5記載のコークス炉壁観察装置の炉入口カメラ校正プログラム。 - 前記炉壁画像を表示し、
前記炉壁画像における座標の指定を受け、
該指定された座標を、前記炉壁画像に表示される前記炉入口の座標とする
ことを特徴とする請求項5記載のコークス炉壁観察装置の炉入口カメラ校正プログラム。 - 前記取り付け誤差パラメータを順次変化させながら、
前記炉壁画像に表示される前記炉入口の座標と、前記仮想の炉入口の座標のずれが最小となる、前記取り付け誤差パラメータを探索する
ことを特徴とする請求項5、6または7記載のコークス炉壁観察装置の炉入口カメラ校正プログラム。
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