JP5569318B2 - コークス炉の炭化室の壁面測定方法、コークス炉の炭化室の壁面測定装置、及びコンピュータプログラム - Google Patents

コークス炉の炭化室の壁面測定方法、コークス炉の炭化室の壁面測定装置、及びコンピュータプログラム Download PDF

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Description

本発明は、コークス炉の炭化室の壁面測定方法、コークス炉の炭化室の壁面測定装置、及びコンピュータプログラムに関し、特に、コークス炉の炭化室の炉壁の状態を測定するために用いて好適なものである。
鉄鋼業では室式と呼ばれるコークス炉が使われている。コークス炉は、耐火煉瓦等で形成された炉壁を介して、多数の炭化室と燃焼室とが交互に配置されて構成されている。コークス炉でコークスを生成する場合には、まず、炭化室の頂部にある石炭装入口から石炭を装入する。そして、ガスを燃やすことにより燃焼室で発生した熱によって、1000℃以上の高温を凡そ20時間、炭化室内の石炭に加える。これにより石炭が乾留され、コークスケーキ(以下、単にコークスと称する)が製造される。コークスが製造されると、炭化室の両端にある扉を開けて、炭化室の側方から押出機によりコークスを押し出し、コークスを炭化室から取り出す。このようにしてコークスを製造するための炭化室は、例えば、長さが15m、高さが6m、幅が0.4m程度の大きさを有しており、長さと高さに比較して幅が狭い構造を有しているのが特徴である。ここで、押出機がある側をプッシャーサイド(PS)、またコークス排出側をコークサイド(CS)と呼ぶ。
コークス炉は通常30年以上の長期間にわたって使用される。稼動を中断して炉の温度を下げると煉瓦構造体の強度が著しく低下してしまうので、長期間常時高温に維持されているのがコークス炉の特徴である。幅が僅か40cmでなお且つ1000℃の高温であるため、炉内に人が入って壁面の状態を直接観察することは極めて難しい。
コークス炉の炭化室を構成する耐火煉瓦は、長期間に渡る加熱や、コークスの押出操業の繰返しといった、熱的要因及び機械的要因によって、次第に劣化が進行する。炭化室の耐火煉瓦の劣化の進行度合によっては、コークスの押し詰まりや、煉瓦壁(耐火煉瓦)の破壊を招く虞がある。このような現象が発生すると、大規模な補修作業が必要となり、操業に著しい影響を及ぼすことになる。したがって、炭化室の奥行方向の各点及び高さ方向の各点の壁表面位置を測定して炉壁プロフィール(壁面の凹凸)を得て、炭化室の内形状の乱れや、耐火煉瓦の劣化状況を把握し、これらの変化の傾向も把握して、補修等の管理をしていくことは、コークス炉の操業及び設備管理上極めて重要となる。
本発明者らは、炭化室の壁面に生じる局所的な凹凸損傷の位置や形状を認識し得る技術として、特許文献1に記載の技術を開発している。特許文献1に記載の壁面観察装置では、ラインCCDカメラの線状視野に、当該線状視野の上下斜め方向からレーザ光を照射して、レーザスポットの画像を炉壁画像に重畳させ、そのレーザスポットの画像が重畳された炉壁画像から、炭化室の炉壁の凹凸の計測を行う。この炭化室の炉壁の凹凸は、画像上で、レーザスポットの画像の壁面高さ方向の変位として観測される。よって、レーザスポットの画像が重畳された炉壁画像を得れば、レーザ光の出射角度、ラインCCDカメラの視野角・視野サイズといった幾何学的条件から、三角測量の原理で、炭化室の炉壁の凹凸量が求まる。複数本のレーザ光線を壁面高さ方向に、略煉瓦段数の間隔を空けて投射することで、炭化室の全長、全高にわたって炉壁の凹凸量を計測することができる。
コークス炉の操業を極力妨げない短時間で炉壁を診断する要求がある。そこで、壁面観察装置を1回炉内に入れるだけで、炉壁の損傷状態を視覚的に把握できる"画像データ"と、凹凸の発生状況を定量的に把握する"3次元プロフィールデータ"とを同時に得るために、以上のような画像計測方法を採用している。
特許第3895928号公報
ところで、前述した画像計測方法では、炉壁の熱画像からレーザ線を識別する画像処理(線分追跡処理)が必要になる。この際、特許文献1に記載の技術では、炉長方向において輝度の高い箇所を順次追跡するようにしている。
しかしながら、炉壁に、耐火煉瓦よりも高温であり高輝度となるカーボンや、カーボンが詰まっている煉瓦目地が外乱となるため、このような線分追跡処理を行うだけでは、トレースすべきレーザスポットの画像と異なる箇所をトレースしてしまう虞がある。レーザスポットの画像の輝度が相対的に低い場合には特に線分追跡処理のエラーが頻発する。そうすると、炉壁の凹凸量の計測結果として不正確な凹凸情報が得られてしまう。また、このように線分追跡処理のエラーが発生した場合には、オペレータが手動でレーザスポットの画像のトレース位置を修正するが、線分追跡処理のエラーが頻発すると、この修正の作業時間及び作業負荷がかかる。
本発明は以上のような問題点に鑑みてなされたものであり、コークス炉の炭化室の炉壁に対して炉長方向に移動させながらレーザ光を照射し、レーザスポットの画像を炉壁の画像に重畳させた画像から壁面の凹凸量を測定するに際し、レーザスポットの画像を正確に抽出できるようにすることを目的とする。
本発明のコークス炉の炭化室の壁面測定方法は、コークス炉の炭化室の壁面に対して、当該炭化室の奥行方向に移動しながらレーザ光を照射する照射工程と、前記炭化室の壁面に現れるレーザスポットの画像が重畳された、当該炭化室の壁面の画像を撮像する撮像工程と、前記撮像工程で得られた画像の相対的に高輝度の領域のうち、前記レーザスポットの画像の、前記炭化室の高さ方向における長さとして想定される長さと、前記炭化室の高さ方向における長さが同じである領域の輝度だけを、空間フィルタを用いて強調する強調工程と、前記レーザスポットの画像の、前記炭化室の奥行方向に延びる線分を追跡する追跡工程と、前記追跡工程によって追跡されたレーザスポットの画像の線分に基づいて、前記炭化室の壁面の凹凸を検出する検出工程と、を有するコークス炉の炭化室の壁面測定方法であって、前記照射工程は、前記炭化室の壁面を構成する煉瓦の目地の画像の、前記炭化室の高さ方向における長さと、前記レーザスポットの画像の、前記炭化室の高さ方向における長さとが異なるように、コークス炉の炭化室の壁面に対してレーザ光を照射し、前記追跡工程は、前記強調工程により輝度が強調された画像を用いて、前記レーザスポットの画像の、前記炭化室の奥行方向に延びる線分を追跡することを特徴とする。
本発明のコークス炉の炭化室の壁面測定装置は、コークス炉の炭化室の壁面に対して当該炭化室の奥行方向に移動しながらレーザ光が照射されることによって当該炭化室の壁面に現れるレーザスポットの画像が重畳された、当該炭化室の壁面の画像を取得する取得手段と、前記取得手段で得られた画像の相対的に高輝度の領域のうち、前記レーザスポットの画像の、前記炭化室の高さ方向における長さとして想定される長さと、前記炭化室の高さ方向における長さが同じである領域の輝度だけを、空間フィルタを用いて強調する強調手段と、前記レーザスポットの画像の、前記炭化室の奥行方向に延びる線分を追跡する追跡手段と、前記追跡手段によって追跡されたレーザスポットの画像の線分に基づいて、前記炭化室の壁面の凹凸を検出する検出手段と、を有するコークス炉の炭化室の壁面測定装置であって、前記炭化室の壁面を構成する煉瓦の目地の画像の、前記炭化室の高さ方向における長さと、前記レーザスポットの画像の、前記炭化室の高さ方向における長さとが異なっており、前記追跡手段は、前記強調手段により輝度が強調された画像を用いて、前記レーザスポットの画像の、前記炭化室の奥行方向に延びる線分を追跡することを特徴とする。
本発明のコンピュータプログラムは、前記コークス炉の炭化室の壁面測定装置の各手段としてコンピュータを機能させることを特徴とする。
本発明によれば、炭化室の壁面を構成する煉瓦の目地の画像の、炭化室の高さ方向における長さと、レーザスポットの画像の、炭化室の高さ方向における長さとが異なるように、コークス炉の炭化室の壁面に対してレーザ光を照射する。そして、レーザスポットの画像が重畳された、炭化室の壁面の画像の相対的に高輝度の領域のうち、レーザスポットの画像の、炭化室の高さ方向における長さとして想定される長さと、前記炭化室の高さ方向における長さが同じである領域の輝度だけを、空間フィルタを用いて強調し、当該強調した画像を用いて、レーザスポットの画像の、炭化室の奥行方向に延びる線分を追跡するようにした。したがって、レーザスポットの画像と炉壁の画像とを重畳させた画像から壁面の凹凸量を測定するに際し、レーザスポットの画像を正確に抽出することができる。
本発明の実施形態を示し、コークス炉の壁面観察装置の外観構成の一例を示す図である。 本発明の実施形態を示し、垂直柱の内部の、透光板が設けられた部分の様子の一例を示す図である。 本発明の実施形態を示し、垂直柱とミラー管の配置関係の一例を示す図である。 本発明の実施形態を示し、炭化室の炉壁に現れるレーザスポットの一例を示す図である。 本発明の実施形態を示し、コークス炉の壁面測定装置の機能構成の一例を示す図である。 本発明の実施形態を示し、炭化室の炉壁の画像のうち、炉壁の高さ方向で隣接する2つの耐火煉瓦の領域を抜き出したものの一例を概念的に示す図である。 本発明の実施形態を示し、レーザ線分強調処理の一例を説明する図である。 本発明の実施形態を示し、レーザ線分追跡処理の一例を説明する図である。 本発明の実施形態を示し、レーザ線分の追跡結果の一例を示す図である。 本発明の実施形態を示し、コークス炉の壁面測定装置の処理の一例を説明するフローチャートである。 本発明の実施形態を示し、レーザ線分強調処理を行わずにレーザ線分追跡処理を行った結果の一例を示す図である。 本発明の実施形態を示し、図11(b)に示すカーボンが外乱となる場合について、レーザ線分強調処理を行わずにレーザ線分追跡処理を行った結果と、レーザ線分強調処理を行ってレーザ線分追跡処理を行った結果を示す図である。 本発明の実施形態を示し、図11(a)に示す耐火煉瓦の目地が外乱となる場合について、レーザ線分強調処理を行わずにレーザ線分追跡処理を行った結果と、レーザ線分強調処理を行ってレーザ線分追跡処理を行った結果を示す図である。
以下、図面を参照しながら、本発明の一実施形態を説明する。
(壁面観察装置)
図1は、コークス炉の壁面観察装置100の外観構成の一例を示す図である。図1では、コークス炉の炭化室11のPS側から、炭化室11の奥行方向に、壁面観察装置が挿入されたときの様子を示している。
壁面観察装置100は、コークス炉の炭化室11の壁面全体の画像を観察する装置である。
壁面観察装置100は、ベースビームBBと、アッパビームUBと、垂直柱1と、ミラー管2とが一体となって形成された水冷ランスを有している。水冷ランスは、高耐熱のステンレス製の2重管であり、内管と外管との間に冷却水が流されるようになっている。このようにして、冷却水が流されるようにすることによって、水冷ランスの内部が高熱に曝されないようにしている。
具体的に、炭化室11の奥行方向に延設されているアッパビームUBの先端面と、同じく炭化室11の奥行方向に延設されているベースビームBBの先端上面に、炭化室11の高さ方向に延設される垂直柱1が取り付けられている。また、ベースビームBBの先端面と、垂直柱1の上端側先端面に、炭化室11の高さ方向に延設されるミラー管2が取り付けられている。前述したように、垂直柱1と、ミラー管2と、アッパビームUBと、ベースビームBBとは、一体で形成されており、互いに共通の内空間を有している。
垂直柱1の先端側側面には、透光板3a〜3dが、所定の間隔で高さ方向に設けられている。垂直柱1の内部に設けられた4つのリニアイメージカメラ5a〜5dが設置されている。図2に示すように、最上段のリニアイメージカメラ5aは、透光板3aを通して、また、図示しないリニアイメージカメラ5b〜5dは、同様に夫々透光板3b〜3dを通して、ミラー管2に映し出された画像を撮影する。すなわち、リニアイメージカメラ5a〜5dは、炭化室11の右側・左側の炉壁14R、14Lの画像を撮影する(図2及び図3を参照)。
また、透光板3a、3bの間と、透光板3c、3dの間には、夫々透光板4a、4bが設けられている。垂直柱1の内部に設けられた、例えば複数の半導体レーザからなるレーザ投光器群8は、透光板4a、4bを通して、ミラー管2を介して、炭化室11の右側・左側の炉壁14R、14L上のリニアイメージカメラ5の視野に、レーザ光を投光する(図2及び図3を参照)。
また、垂直柱1の底面の先端側には、炭化室11の炉壁(床面)14Fに乗ったシューSHが形成されている。このシューSHを介して水冷ランスの先端部が炭化室11の炉壁(床面)14Fで支持される。尚、水冷ランスの後端部は、水冷ランス挿入装置(図示を省略)に装着され支持されている。
炭化室11のPS側から、ミラー管2を先頭にして水冷ランスを、炉外の水冷ランス挿入装置(図示を省略)を用いて炭化室11の奥行方向に挿入する。これにより、水冷ランスが、炭化室11の奥行方向(CS側の方向)に進入する。
図2は、垂直柱1の内部の、透光板3a、4aが設けられた部分の様子の一例を示す図である。
図2に示すように、垂直柱1の内部の位置であって、透光板3aと対向する位置に、第1のリニアイメージカメラ5aが設けられている。また、垂直柱1の内部の位置であって、透光板4aと対向する位置には、11個のレーザ投光器からなるレーザ投光器群8aと、同じく11個のレーザ投光器からなるレーザ投光器群8bとが設けられている。第1のリニアイメージカメラ5aと、レーザ投光器群8a、8bとの間には、減速機を内蔵した第1の電気モータ6aが設けられている。この第1の電気モータ6aは、垂直柱1に固定されている。また、第1の電気モータ6aの回転軸(出力軸)に、第1のリニアイメージカメラ5aと支持板7aとが結合されている。そして、支持板7aに、レーザ投光器群8a、8bが固定されている。
レーザ投光器群8aは、その上方にある第1のリニアイメージカメラ5aで撮影されるレーザスポットを、炉壁14上に形成するためのものである。一方、レーザ投光器群8bは、その下方にある図示しない第2のリニアイメージカメラ5bで撮影されるレーザスポットを形成するためのものである。レーザ投光器群8bの下方にある第2のリニアイメージカメラは、垂直柱1の内部の位置であって、透光板3bと対向する位置に設けられている。この第2のリニアイメージカメラ5bは、第1のリニアイメージカメラ5aと同様に、減速機を内蔵した図示しない第2の電気モータ6bの回転軸に結合されている。また、第2の電気モータ6bは垂直柱1に固定されている。尚、第2の電気モータ6bと、第2のリニアイメージカメラ5bには、レーザ投光器群8a、8bは結合されていない。
第1のリニアイメージカメラ5aと、レーザ投光器群8a、8bとがミラー管2の管軸をねらっている状態で、第1の電気モータ6aが正転すると、第1のリニアイメージカメラ5aと、レーザ投光器群8a、8bは、炭化室11の左側の炉壁14Lと対面する位置まで回動する。一方、第1の電気モータ6aが逆転すると、第1のリニアイメージカメラ5aと、レーザ投光器群8a、8bは、炭化室11の右側の炉壁14Rと対面する位置まで回動する。
第1の電気モータ6aの正転に伴い、第2の電気モータ6も正転する。これにより、第2のリニアイメージカメラ5も、炭化室11の左側の炉壁14Lと対面する位置まで回動する。同様に、第1の電気モータ6aの逆転に伴い、第2の電気モータ6も逆転する。これにより、第2のリニアイメージカメラ5も、炭化室11の右側の炉壁14Rと対面する位置まで回動する。
以上のような第1及び第2のリニアイメージカメラ5a、5bと、レーザ投光器群8a、8bと、第1及び第2の電気モータ6a、6bと同様の構成が、垂直柱1の内部の領域であって、透光板3c、3d、4bが形成されている領域にも形成されている。このように、本実施形態では、垂直柱1の内部に、リニアイメージカメラ5とレーザ投光器群8との組みが、4組設けられている。
図3は、垂直柱1とミラー管2の配置関係の一例を示す図である。具体的に図3は、垂直柱1とミラー管2とを、それらの軸に垂直な方向から切ったときの断面の概略を示す図である。また、前述したように、垂直柱1の内部には、リニアイメージカメラ5とレーザ投光器群8との組みを4組設けるようにしているが、各組は、撮影する場所が異なるだけである。よって、以下では、第1のリニアイメージカメラ5aと、レーザ投光器群8との組みの説明を行い、その他の組みの詳細な説明を必要に応じて省略する。
前述したように、第1のリニアイメージカメラ5aとレーザ投光器群8aは、垂直柱1の管軸を回転軸として旋回駆動をし得る。ミラー管2には、炭化室11の左側の炉壁14Lを正面から観察するための左鏡面9Lと、炭化室11の右側の炉壁14Rを正面から観察するための右鏡面9Rとが形成されている。これらの鏡面9L、9Rは、例えば、ステンレス製の外管の表面を鏡面研磨して鏡面化した後、クロムメッキを施すことにより形成される。
第1のリニアイメージカメラ5aと、レーザ投光器群8aとを、例えば左鏡面9Lをねらう位置に回動させると、レーザ投光器群8aから出射されるレーザ光線が、左鏡面9Lに当って反射され、炭化室11の左側の炉壁14Lに当る。そうすると、炭化室11の左側の炉壁14Lに、レーザスポット42が現われる(図4を参照)。本実施形態では、例えば、水平方向の長さ(幅)が30mm、高さ方向の長さ(厚み)が2mmの線状のレーザスポット42が現われる。前述したように、レーザ投光器群8aは、11個のレーザ投光器からなるので、11個のレーザスポット42a〜42kが、炉壁14の高さ方向に現われる。一方、本実施形態の炭化室11を構成する耐火煉瓦の目地の、高さ方向の長さを、3mm〜5mm程度のものとしている。このように本実施形態では、炉壁14に現れるレーザスポット42と耐火煉瓦の目地の、壁面高さ方向における長さの差が1mmを超えるようにしている。詳細は後述するが、このようにするのは、レーザスポット42の画像と耐火煉瓦の目地の画像との、炉壁14の高さ方向における長さが異なることを画像データから認識できるようにするためである。
そして、本実施形態では、炭化室11の炉壁14が平らである場合には、これら11個のレーザスポット42a〜42kと、レーザ投光器群8a以外の3つのレーザ投光器群8によって形成されるレーザスポットとが、概ね130mm間隔(この間隔は、耐火煉瓦の炉壁14の高さ方向の間隔に略等しい)で、炉壁14の高さ方向に現われるように、合計44個のレーザ投光器から投光されるレーザ光線の投光角度が調整されている。よって、本実施形態では、44個(11個×4セット)のレーザスポット42が、炉壁14の高さ方向に現れる。
本実施形態では、リニアイメージカメラ5aは、炭化室11の炉壁14の高さ方向を撮影する1次元カメラである。例えば、第1のリニアイメージカメラ5aと、レーザ投光器群8aとが、左鏡面9Lをねらっているときには、図4(a)に示すように、炭化室11の炉壁14の高さ方向に、第1のリニアイメージカメラ5aの撮影視野41が形成される。
水平方向(炭化室11の奥行方向)に長さを有するレーザスポット42を形成することにより、レーザスポット42が形成される領域が、炭化室11の奥行方向に多少ずれても、リニアイメージカメラ5の撮影視野41から完全に逸脱しない範囲にレーザスポット42を存在させることができる。
炭化室11の炉壁14は粗面であるので、レーザスポット42から各方向にレーザ光が散乱する。この散乱したレーザ光の一部が、例えば左鏡面9Lに当って反射され、第1のリニアイメージカメラ5aに入る。
尚、炉壁14の赤熱発光に対してレーザスポット42を強調するため、狭帯域の特定波長のみを透過する光学干渉フィルタをカメラに取り付けてある。この光学干渉フィルタは斜めから光が入射すると透過波長が短波長側にシフトする特性がある。そこで、本実施形態では、波長685nm付近の光を透過するフィルタを採用し、レーザ投光器群8を構成するレーザ投光器のうち、撮影視野41の中心付近にレーザスポットを形成するレーザ投光器は、フィルタの透過帯域と合致した685nmの波長のレーザ光を投光し、撮影視野の周辺部にスポットを形成するレーザ投光器は、670nmの波長のレーザ光を投光するようにしている。
ここで、炭化室11の炉壁14に凹部が存在していると、炉壁14が平らな場合に比べて、鏡面9Lと炉壁14との間の距離が増大する。すると、図4(b)に示すように、リニアイメージカメラ5aの画面上では、レーザスポット42が上方向にシフトする(図4(b)に示すレーザスポット42´を参照)。レーザ光がリニアイメージカメラ5aの下方から斜めに投光されているためである。一方、炭化室11の炉壁14に凸部が存在していると、炉壁14が平らな場合に比べて、鏡面9Lと炉壁14との間の距離が減少する。したがって、図4(c)に示すように、リニアイメージカメラ5aの画面上では、レーザスポット42が下方向にシフトする(図4(c)に示すレーザスポット42´を参照)。
尚、第1のリニアイメージカメラ5aのように、対応するレーザ投光器群8よりも上方にあるリニアイメージカメラ5では、前述したように、凹部が存在している所で、撮影画面上のレーザスポット42´が上方向にシフトし、凸部が存在している所で、撮影画面上のレーザスポット42´が下方向にシフトする。一方、第2のリニアイメージカメラ5のように、対応するレーザ投光器群8よりも下方にあるリニアイメージカメラ5では、凹部が存在している所で、撮影画面上のレーザスポット42´が下方向にシフトし、凸部が存在している所で、撮影画面上のレーザスポット42´が上方向にシフトする。
以上のようにして、炭化室11の炉壁14に形成されたレーザスポット42´を撮影するに際し、リニアイメージカメラ5と、レーザ投光器群8との指向方向を左鏡面9Lにすると、炭化室11の左側の炉壁14Lを正面から見る画像が得られる。また、レーザ投光器群8との指向方向を右鏡面9Rにすると、炭化室11の右側の炉壁14Rを正面から見る画像が得られる。
次に、壁面観察装置100の使用態様の一例を説明する。各リニアイメージカメラ5の指向方向を、右鏡面9Rに設定して、炭化室11内に水冷ランスを前進させる。水冷ランスが40mm移動する度に発せられる移動同期パルスが1パルス発生すると、壁面観察装置100に設けられたA/D変換器は、各リニアイメージカメラ5の1ライン分の画像信号をA/D変換する。そして、壁面観察装置100に設けられたCPUは、A/D変換された画像信号を、どのリニアイメージカメラ5で撮影されたものであるのかを区別できる状態で、RAMにより構成される右壁面用メモリ領域に書き込む。
炭化室11の奥行方向の略全長に渡って、以上の処理を終えると、各リニアイメージカメラ5の指向方向を、左鏡面9Lに設定して、水冷ランスを後退させながら、同様に計測を行う。
尚、壁面観察装置100については、例えば、国際公開第00/55575パンフレットや、特開2005−249698号公報等に記載されている。
(壁面測定装置)
図5は、コークス炉の壁面測定装置500の機能構成の一例を示す図である。尚、コークス炉の壁面測定装置500のハードウェアは、例えば、パーソナルコンピュータ等、CPU、ROM、RAM、HDD、画像入出力ボード、及び各種のインターフェースを備えた装置である。
[壁面画像取得部501]
壁面画像取得部501は、壁面観察装置100に設けられた右壁面用メモリ領域又は左壁面用メモリ領域に記憶されている画像データを取得する。例えば、壁面画像取得部501は、右壁面用メモリ領域に記憶されている「炭化室11の右側の炉壁14R」の画像データを読み出し、後述するようにして炭化室11の右側の炉壁14Rの凹凸量が算出された後に、左壁面用メモリ領域に記憶されている「炭化室11の左側の炉壁14L」の画像データを読み出すようにする。
壁面画像取得部501は、例えば、通信インターフェースが、壁面観察装置100に記憶されている画像データを受信し、CPUが、コンピュータプログラムに従って、受信された画像データをHDD等に記憶することにより実現できる。
[レーザ線分強調部502]
図6は、壁面観察装置100によって撮像された「炭化室11の炉壁14の画像」のうち、炉壁14の高さ方向で隣接する2つの耐火煉瓦の領域を抜き出したものの一例を概念的に示す図である。
前述した壁面観察装置100を用いることによって初めて炭化室11の炉壁14の画像を得ることができるようになった。前述したように、壁面観察装置100は炭化室11の奥行方向に動きながら炉壁14の画像を得るので、レーザスポット42の画像は、炭化室11の奥行方向に延びる線分として見える(以下の説明では、この「レーザスポット42の画像の「炭化室11の奥行方向の線分」を必要に応じて「レーザ線分」と称する)。
本発明者らは、炭化室11の炉壁14の画像を調査した結果、レーザ線分601の輝度と、耐火煉瓦の目地の画像602(以下の説明では、この「耐火煉瓦の目地の画像」を必要に応じて「耐火煉瓦の目地」と略称する)の輝度とが、約140〜180(256階調)で略同等となっていることを見出した。リニアイメージカメラ5a、5bの絞りや露光時間を調整すれば、当然画像全体の輝度は変わるが、これらの調整を行ってもレーザ線分601の輝度と耐火煉瓦の目地の輝度とが同等になることは変わらない。そして、本発明者らは、このようにレーザ線分601の輝度と、耐火煉瓦の目地602の輝度とが略同じであることに起因して、特許文献1に記載されているような線分追跡処理では、レーザ線分601と耐火煉瓦の目地602とを分別できなくなることを見出した。尚、図6において、耐火煉瓦の地肌の画像603は、その輝度が約70〜90(256階調)であり、レーザ線分601及び耐火煉瓦の目地602と明確に区別される。
以上のような知見の下、本発明者らは、レーザ線分601の幅(炉壁14の高さ方向の長さ。以下同じ。)と耐火煉瓦の目地602の幅(炉壁14の高さ方向の長さ。以下同じ。)とを異ならせた上で、レーザ線分601のみを強調する処理を行えば、線分追跡処理において、レーザ線分601と耐火煉瓦の目地602とを明確に分別できるようになるという技術的思想に想到した。このように、かかる技術的思想は、本発明者らのみが知り得る「炭化室11の炉壁14の画像」を調査することによって想到できたものである。
ここで、レーザ線分601の幅と耐火煉瓦の目地602の幅とを異ならせるとは、これらの幅に対応する画素数が異なることを示し、これらの想定される画素数の差は「1」あればよい。ただし、レーザ線分601の幅が厳密に一定でないことや、耐火煉瓦の目地602の幅が一定でないことを考慮し、これらの想定される画素数の差を「2」又は「3」又はそれ以上にすることができる。
本実施形態では、レーザスポット42の想定される幅(炉壁14の高さ方向の長さ。以下同じ。)を2mmとしている。本実施形態では、1mmが1画素に対応するようにしている。よって、レーザ線分601の想定される幅は2画素である。尚、このようにしてレーザ線分601の想定される幅が2画素となるように、レーザスポット42を撮像した場合、レーザ線分601の幅は概ね2画素で一定であったが、一部分で3画素になるところがあった。一方、炭化室11を構成する耐火煉瓦の目地の幅(炉壁14の高さ方向の長さ。以下同じ。)は4mmのところと5mmのところがあり、耐火煉瓦の目地602の幅は4画素及び5画素となった。
レーザ線分強調部502は、壁面画像取得部501により取得された「炭化室11の右側の炉壁14Rの画像データ」又は「炭化室11の左側の炉壁14Lの画像データ」の各画素の輝度値に対し、予め設定されているフィルタ係数を掛けることによりレーザ線分強調処理として行い、レーザ線分601の少なくとも一画素の線分の輝度を現在の輝度よりも高くしてレーザ線分601のみを強調する。
図7は、レーザ線分強調処理の一例を説明する図である。
図7に示すように、炭化室11の炉壁の画像データの輝度分布701(以下の説明では、この「炭化室11の炉壁の画像データの輝度分布」を必要に応じて「炭化室11の炉壁の輝度分布」と称する)において、相対的に高輝度の領域701a〜701eがある。これらのうち、領域701aの幅(炉壁14の高さ方向の長さ。以下同じ。)は2画素であるので、領域701aはレーザ線分601に対応する。また、領域701bの幅は3画素であるので、領域701bもレーザ線分601に対応する。また、領域701c、701dの幅はそれぞれ4画素、5画素であるので、領域701c、701dはともに耐火煉瓦の目地602に対応する。また、領域701eは耐火煉瓦にカーボンが広範囲に亘って付着している領域に対応する。
本実施形態では、レーザ線分強調部502は、図7に示すフィルタ係数702を予め記憶している。フィルタ係数702は、レーザ線分601の想定される幅と同じ幅の高輝度領域の輝度を元の輝度よりも高くし、且つ、低輝度領域の輝度を元の輝度よりも低くし、且つ、レーザ線分601の想定される幅と異なる幅の高輝度領域の輝度を、レーザ線分601の想定される幅との差が大きくなるほど、元の輝度よりも低くするように設定される。
具体的には、レーザ線分601の想定される幅である2画素の輝度値に掛け合わされるフィルタ係数702の値を「0.4」とし、その上下2画素の輝度値に掛け合わされるフィルタ係数702の値を「−0.2」としている。このようなフィルタ係数702を記憶しておくことにより、レーザ線分601の想定される幅が2画素であることが設定される。
尚、レーザ線分601として想定される幅と同じ幅の高輝度領域の輝度だけを元の輝度よりも高くすることができれば、フィルタ係数702の値や数は、図7に示したものに限定されない。例えば、レーザ線分601として想定される幅の高輝度領域の輝度のみを元の輝度よりも高くし、その他の領域の輝度を変えないようにすることもできる。
また、本実施形態では、画像を256階調で表しているので、フィルタ係数702の値は、レーザ線分強調処理の後の輝度値が256階調に収まる範囲で決定する。
本実施形態では、フィルタ係数702は、6行、3列のマトリックスとなっている。よって、レーザ線分強調部502は、炭化室11の炉壁の輝度分布701のうちの、レーザ線分強調処理後の輝度値を求めたい画素を、例えば図7の炭化室11の炉壁の輝度分布701中の画素710とすると、フィルタ係数702の6行、3列の要素と、炭化室11の炉壁の輝度分布701のうちの6行、3列のマトリックス状の領域720とを対応付ける。その上で、6行、3列のマトリックス状の各画素の輝度値と、当該画素に対応するフィルタ係数702の値とを掛けた値の総和をレーザ線分強調処理後の画素710の輝度値として、レーザ線分強調処理後の輝度分布703の画素730に値を書き込む。レーザ線分強調処理後の輝度分布703のうち、画素730の輝度値「192」は、以下の(1)式のように、炭化室11の炉壁の輝度分布701の画素領域720の各画素の輝度値と、当該画素に対応するフィルタ係数702の値とを掛けた値の総和となる。
80×−0.2+80×−0.2+80×−0.2+80×−0.2+80×−0.2+80×−0.2+160×0.4+160×0.4+160×0.4+160×0.4+160×0.4+160×0.4+80×−0.2+80×−0.2+80×−0.2+80×−0.2+80×−0.2+80×−0.2=192 ・・・(1)
ここで、以上のようにして得られる「レーザ線分強調処理後の画素の輝度値」が負の値となった場合、フィルタ係数702は、当該画素の輝度値として「0(ゼロ)」を設定する。同様に、炭化室11の炉壁の輝度分布701の他の画素についても、レーザ線分強調処理後の画素の輝度値を計算して、レーザ線分強調処理後の輝度分布703の対応する画素に値を書き込むことで、レーザ線分強調処理後の輝度分布703を求める。
図7に示すように、レーザ線分強調処理を行うと、レーザ線分601に対応する領域701aが最も強調され(領域703aを参照)、レーザ線分601に対応する領域701bもやや強調される(領域703bを参照)。一方、耐火煉瓦の目地602に対応する領域701c、701dや、耐火煉瓦にカーボンが広範囲に亘って付着している領域に対応する領域701eや、健全な耐火煉瓦の領域(領域701a〜701e以外の輝度値が「80」の領域)は輝度が消失又は著しく低下する(領域703cを参照)。
レーザ線分強調部502は、例えば、CPUが、コンピュータプログラムに従って、炭化室11の炉壁14の画像データとフィルタ係数702のデータとをHDD等から読み出してレーザ線分強調処理(空間フィルタ処理)を実行し、その結果(レーザ線分強調処理後の各画素の輝度値)をHDD等に記憶することにより実現される。
[レーザ線分追跡部503]
レーザ線分追跡部503は、レーザ線分強調部502によってレーザ線分強調処理がなされた後の画像データからレーザ線分601を追跡するレーザ線分追跡処理を行う。
図8は、レーザ線分追跡処理の一例を説明する図である。具体的に図8(a)は、レーザ線分601の通常の追跡処理の方法の一例を示す図である。また、図8(b)及び図8(c)は、レーザ線分601が明瞭でない場合の追跡処理の方法の一例を示す図である。また、図8(d)は、炉壁14の高さ方向におけるレーザ線分601の変位が大きい場合の追跡処理の方法の一例を示す図である。
本実施形態では、オペレータが開始点Sを指定する(図8(a)を参照)。本実施形態では、画像のPSに位置するレーザ線分601の座標を開始点Sとして指定するものとする。このようにするために、本実施形態では、炉壁14の画像データに基づく画像を液晶ディスプレイ等の表示装置に表示する。オペレータは、ユーザインターフェースを操作して、この画像に対して開始点Sを設定する。
ここで、開始点Sの「炉壁14の奥行方向(y方向)の座標」をy0とする。また、開始点Sの「炉壁14の高さ方向(z方向)の座標」をz0とする。そうすると、レーザ線分追跡部503は、開始点Sからy方向(炭化室11の奥行方向(CS方向))にm(mは正の整数)画素進んだ位置(y1=y0+m)の画素と、その画素のy方向における前後の2つの画素との3つの画素を特定する。次に、レーザ線分追跡部503は、特定した画素を中央としてz方向に並ぶn(nは正の整数)画素の3つの領域801a〜801cを特定する。次に、レーザ線分追跡部503は、3つの領域801a〜801cに含まれる画素のうち、z方向の位置が同じ3つの画素の輝度値の平均を、領域801a〜801cのz方向の全ての画素について求める。そして、レーザ線分追跡部503は、求めた平均の輝度値のうち、最も大きな輝度値を有するz方向の位置を輝度ピーク位置として求める。ここでは、レーザ線分追跡部503は、炉壁14の奥行方向(y方向)の座標がy1(=y0+m)、炉壁14の高さ方向(z方向)の座標がz1の座標を輝度ピーク位置として求める。
次に、レーザ線分追跡部503は、輝度ピーク位置からy方向(炭化室11の奥行方向(CS方向))にm(mは正の整数)画素進んだ位置(y2=y1+m)の画素と、その画素のy方向における前後の2つの画素との3つの画素を特定する。次に、レーザ線分追跡部503は、特定した画素を中央としてz方向に並ぶn(nは正の整数)画素の3つの領域802a〜802cを特定する。次に、レーザ線分追跡部503は、3つの領域802a〜802cに含まれる画素のうち、z方向の位置が同じ3つの画素の輝度値の平均を、領域802a〜802cのz方向の全ての画素について求める。そして、レーザ線分追跡部503は、求めた平均輝度値のうち、最も大きな輝度値(輝度ピーク値)を有するz方向の位置を輝度ピーク位置として求める。ここでは、レーザ線分追跡部503は、炉壁14の奥行方向(y方向)の座標がy2(=y1+m)、炉壁14の高さ方向(z方向)の座標がz2の座標を輝度ピーク位置として求める。
以上のようにしてレーザ線分追跡部503は、y方向m画素のピッチで、z方向のレーザ線分601の座標を順次求め、求めた座標のデータをメモリに書き込む。尚、ここでは、輝度ピーク位置を求めるために、3つの領域801a〜801c、802a〜802cに含まれる画素のうち、z方向の位置が同じ3つの画素の輝度値の平均を求めるようにした。しかしながら、必ずしもこのようにする必要はない。例えば、z方向の位置が同じ3つの画素の輝度値の加算値を求め、この加算値が最大となるz方向の位置を輝度ピーク位置としてもよい。
ここで、y方向の座標がyiである輝度ピーク位置の平均輝度値(輝度ピーク値)が、予め設定された閾値Th1よりも小さい場合には、図8(b)に示すように、レーザ線分追跡部503は、y方向(炭化室11の奥行方向(CS方向))に1ピッチ(m画素)進めた位置での輝度ピーク位置を求めるようにする。すなわち、図8(b)に示すように、y方向の座標がy1の位置で前述したようにして求められた輝度ピーク値(輝度ピーク位置の平均輝度値)が、予め設定されている閾値Th1よりも小さい場合、レーザ線分追跡部503は、y方向の座標がy1である輝度ピーク位置のz方向の座標(=z1)を、1つ前の輝度ピーク位置の座標(=z0)と1つ後の輝度ピーク位置の座標(=z2)との加算値を1/2倍した値(z1=(z0+z2)/2)に変更する。
また、図8(c)に示すように、y方向の座標がy2における輝度ピーク値が、予め設定された閾値Th1よりも小さい場合、レーザ線分追跡部503は、y方向の座標がy2である輝度ピーク位置のz方向の座標(=z2)を、1つ前の輝度ピーク位置の座標(=z1)に変更するようにしてもよい。
また、y方向の座標がyiである輝度ピーク位置のz方向の座標ziと、1ピッチ前に得られたy方向の座標がyi-1である輝度ピーク位置のz方向の座標zi-1との差(の絶対値)が、予め設定された閾値Th2よりも大きい場合には、図8(d)に示すように、レーザ線分追跡部503は、1ピッチ前の輝度ピーク位置のz方向の座標zi-1を、輝度ピーク位置のz方向の座標ziとする。すなわち、レーザ線分追跡部503は、y方向の座標がy2である輝度ピーク位置のz方向の座標(=z2)を、y方向の座標がy1である輝度ピーク位置のz方向の座標(=z1)に変更する。
レーザ線分追跡部503は、例えば、CPUが、コンピュータプログラムに従って、レーザ線分強調処理が実行された後の画像データをHDD等から読み出し、前述した処理を行って輝度ピーク位置のy方向及びz方向の座標を求めてRAM等の記憶することを、当該画像データに含まれるレーザ線分601の全てについて行うことにより実現される。
図9は、レーザ線分601の追跡結果の一例を示す図である。図9において、レーザ線分追跡部503により求められたレーザ線分601の座標から、レーザ線分601の追跡結果901が得られる。レーザ線分601の追跡結果901は、炭化室11の高さ方向(z方向)における位置と、炭化室11の奥行方向(y方向)の位置とをパラメータとする曲線となる。図9に示すように、本実施形態では、レーザ線分601を、炭化室11の奥行方向(PS側からCS側に向かう方向)に追跡する。前述したように本実施形態では、44個(11個×4セット)のレーザ線分601が得られるので、レーザ線分601の追跡結果が、1つの炉壁14について44個得られることになる。
[凹凸量算出部504]
凹凸量算出部504は、レーザ線分追跡部503により得られたレーザ線分601の追跡結果901と、レーザ光の出射角度、及びリニアイメージカメラ5の視野角・視野サイズ等の幾何学的条件とに基づいて、三角測量の原理で、炭化室11の炉壁14の凹凸量を算出する。炭化室11の炉壁14に凹凸部が存在していると、レーザ線分601のそれぞれは、炭化室11の高さ方向において上下にシフトする(図9を参照)。したがって、レーザ線分601の追跡結果901を用いることにより、炭化室11の炉壁14全体に亘って凹凸量を検出することができる。
尚、本実施形態では、壁面画像取得部501、レーザ線分強調部502、レーザ線分追跡部503、及び凹凸量算出部504は、炭化室11の右側の炉壁14Rについての処理が終わった後に、左側の炉壁14Lについての処理を行う。よって、炭化室11の右側の炉壁14Rの凹凸量が算出された後に、左側の炉壁14Lの凹凸量が算出される。
凹凸量算出部504は、例えば、CPUが、コンピュータプログラムに従って、レーザ線分601の追跡結果901をRAM等から読み出すと共に幾何学的条件をHDD等から読み出し、前述した処理を行って炉壁14の凹凸量を算出してRAM等に記憶することによって実現される。
[凹凸量表示部505]
凹凸量表示部505は、凹凸量算出部504によって算出された炉壁14の凹凸量を示すデータを液晶ディスプレイ等の表示装置に表示させる。このとき、凹凸量表示部505は、炭化室11の右側の炉壁14Rの凹凸量のデータと、左側の炉壁14Lの凹凸量のデータとを区別すると共に、オペレータがそれらを実際の画像と対比できるような表示形態(炉壁14のどの位置にどれだけの凹凸があるのかを示す表示形態)を採用する。すなわち、線分追跡処理を行ったオリジナルの炉壁画像と凹凸データとを見比べて、線分追跡が正しく行われているかや、凹凸が生じている部分の煉瓦の状態をチェックすることが可能となる。
凹凸量表示部505は、例えば、CPUが、コンピュータプログラムに従って、炉壁14の凹凸量をRAM等から読み出して当該凹凸量の表示データを生成し、表示装置に出力することによって実現される。
[動作フローチャート]
次に、図10のフローチャートを参照しながら、コークス炉の壁面測定装置500の処理の一例を説明する。
まず、ステップS1において、壁面画像取得部501は、壁面観察装置100で得られた炉壁14の画像データを取得する。
次に、ステップS2において、レーザ線分強調部502は、HDD等に記憶されているフィルタ係数702を読み出す。
次に、ステップS3において、レーザ線分強調部502は、レーザ線分強調処理を行う。すなわち、レーザ線分強調部502は、ステップS1で取得された「炭化室11の炉壁14の画像データ」の各画素の輝度値と、ステップS2で読み出したフィルタ係数702の「当該画素に対応する値」とを掛けた値の総和を求める。
次に、ステップS4において、レーザ線分追跡部503は、ステップS1で得られた炉壁14の画像データに基づく画像を液晶ディスプレイ等の表示装置に表示し、その画像に対して、レーザ線分601の開始点Sが、オペレータのユーザインターフェースの操作によって指定されるまで待機する。
そして、レーザ線分601の開始点Sが指定されると、ステップS5に進み、レーザ線分追跡部503は、指定された開始点Sからy方向にm画素だけ進めた位置での輝度ピーク位置を求める。ここでは、図8(a)を参照しながら説明した方法で輝度ピーク位置を求める。
次に、ステップS6に進み、レーザ線分追跡部503は、ステップS5で求めた輝度ピーク位置の平均輝度値(輝度ピーク値)が閾値Th1よりも小さいか否かを判定する。この判定の結果、ステップS5で求めた輝度ピーク位置の平均輝度値(輝度ピーク値)が閾値Th1よりも小さい場合には、ステップS7に進み、そうでない場合には、ステップS7を省略して後述するステップS8に進む。
ステップS7に進むと、レーザ線分追跡部503は、ステップS5で求めた輝度ピーク位置(のz方向の座標)を変更する。ここでは、図8(b)、図8(c)を参照しながら説明した方法で輝度ピーク位置を変更する。
次に、ステップS8において、レーザ線分追跡部503は、ステップS5で求められた輝度ピーク位置(ステップS7で輝度ピーク位置が変更されている場合には当該変更された輝度ピーク位置)のz方向の座標と、1ピッチ前に得られた輝度ピーク位置(前回のステップS5又はS8で得られた輝度ピーク位置)のz方向の座標との差が(の絶対値)が閾値Th2よりも小さいか否かを判定する。この判定の結果、今回の輝度ピーク位置のz方向の座標と前回の輝度ピーク位置のz方向の座標との差(の絶対値)が閾値Th2よりも小さくない(大きい)場合には、ステップS9に進み、そうでない場合には、ステップS9を省略して後述するステップS10に進む。
ステップS9に進むと、レーザ線分追跡部503は、ステップS5で求めた輝度ピーク位置(のz方向の座標)を変更する。ここでは、図8(d)を参照しながら説明した方法で輝度ピーク位置を変更する。
次に、ステップS10において、レーザ線分追跡部503は、ステップS4で開始点Sが指定されたレーザ線分601について、CSの所定の位置まで輝度ピーク位置を得たか否かを判定する。この判定の結果、ステップS4で開始点Sが指定されたレーザ線分601について、CSの所定の位置まで輝度ピーク位置を得た場合には、ステップS11に進み、そうでない場合には、ステップS5に戻る。ステップS5に戻ると、レーザ線分追跡部503は、前回求めた輝度ピーク位置のy方向の座標をm画素だけ進めた位置での輝度ピーク位置を求める。
以上のようにしてCSの所定の位置まで輝度ピーク位置が得られると、ステップS11に進む。ステップS11に進むと、レーザ線分追跡部503は、ステップS3でレーザ線分強調処理が行われて輝度が強調された全ての線分(レーザ線分601)についての処理を行ったか否かを判定する。この判定の結果、全ての線分(レーザ線分601)についての処理を行っていない場合には、ステップS4に戻り、別のレーザ線分601についての処理を行う。
そして、全ての線分(レーザ線分601)についての処理を行うと、ステップS12に進む。ステップS12に進むと、凹凸量算出部504は、ステップS4〜S10の処理の結果(レーザ線分601の追跡結果901)と、レーザ光の出射角度、及びリニアイメージカメラ5の視野角・視野サイズ等の幾何学的条件とに基づいて、三角測量の原理で、炭化室11の炉壁14の凹凸量を算出する。
次に、ステップS13において、凹凸量表示部505は、ステップS12で算出された炉壁14の凹凸量を示すデータを表示装置に表示させる。
[画像例]
図11は、レーザ線分強調処理を行わずにレーザ線分追跡処理を行った結果の一例を示す図である。具体的に図11(a)は、耐火煉瓦の目地602が外乱となり、レーザ線分601の追跡に失敗した例を示し、図11(b)は、耐熱煉瓦に付着したカーボンが外乱となりレーザ線分601の追跡に失敗した例を示す。
図11(a)では、領域1111a〜1111eにおいて、耐熱煉瓦の目地602をレーザ線分と判断してしまっていることが分かる(追跡結果1112b、1112d、1112fを参照)。また、図11(b)では、領域1121a、1121bにおいて、カーボンの存在によってレーザ線分を見失っていることが分かる(追跡結果1122a、1122gを参照)。
図12は、図11(b)に示すカーボンが外乱となる場合(領域1121b)について、レーザ線分強調処理を行わずにレーザ線分追跡処理を行った結果と、レーザ線分強調処理を行ってレーザ線分追跡処理を行った結果を示す図である。具体的に図12(a)は、炉壁14の画像(原画像)を示し、図12(b)は、図12(a)に示す原画像に対し、レーザ線分強調処理を実行せずにレーザ線分追跡処理を実行した結果を示す。また、図12(c)は、図12(a)に示す原画像に対し、レーザ線分強調処理を実行した画像(レーザ線分強調処理画像)を示し、図12(d)は、図12(c)に示すレーザ線分強調処理画像に対し、レーザ線分追跡処理を実行した結果を示す。
図12(b)に示すように、レーザ線分強調処理を実行せずにレーザ線分追跡処理を実行すると、カーボンの存在によってレーザ線分を見失っているのに対し(追跡結果1122gを参照)、図12(d)に示すように、レーザ線分強調処理を実行してからレーザ線分追跡処理を実行すると、カーボンが存在していても、レーザ線分を見失わずに正確に追跡できることが分かる(追跡結果1222を参照)。
図13は、図11(a)に示す耐熱煉瓦の目地602が外乱となる場合(領域1111b)について、レーザ線分強調処理を行わずにレーザ線分追跡処理を行った結果と、レーザ線分強調処理を行ってレーザ線分追跡処理を行った結果を示す図である。具体的に図13(a)は、炉壁14の画像(原画像)を示し、図13(b)は、図13(a)に示す原画像に対し、レーザ線分追跡処理を実行せずにレーザ線分追跡処理を実行した結果を示す。また、図13(c)は、図13(a)に示す原画像に対し、レーザ線分強調処理を実行した画像(レーザ線分強調処理画像)を示し、図13(d)は、図13(c)に示すレーザ線分強調処理画像に対し、レーザ線分追跡処理を実行した結果を示す。
図13(b)に示すように、レーザ線分強調処理を実行せずにレーザ線分追跡処理を実行すると、耐熱煉瓦の目地602をレーザ線分と判断してしまうのに対し(追跡結果1112bを参照)、図13(d)に示すように、レーザ線分強調処理を実行してからレーザ線分追跡処理を実行すると、レーザ線分を見失わずに正確に追跡できることが分かる(追跡結果1312を参照)。
以上のように本実施形態では、壁面観察装置100によって、炭化室11の炉壁14に対して奥行方向に移動しながらレーザ光を照射し、レーザスポット42の画像が重畳された「炉壁14の画像」を取得する。このとき、レーザスポット42の奥行方向に延びる線分(レーザ線分601)の幅(炭化室11の高さ方向の長さ)が、耐火煉瓦の目地602の幅よりも短くなるようにレーザ光を照射する。そして、レーザスポット42の奥行方向に延びる線分(レーザ線分601)として想定される幅と同じ幅の高輝度領域の輝度だけを元の輝度よりも高くするレーザ線分強調処理を実行した上で、レーザ線分601を追跡するレーザ線分追跡処理を実行する。したがって、例えば、耐火煉瓦よりも高温となっているため高輝度の画像として現れるカーボン付着領域や、カーボンが付着しているため高輝度の画像として現れる耐火煉瓦目地部といった外乱の影響を従来よりも受けずに、レーザ線分追跡処理を安定して行える。よって、レーザ線分追跡処理に失敗することにより、炉壁14の凹凸量の算出結果が不正確になったり、レーザ線分追跡処理のエラーにより、オペレータが手動でレーザ線分のトレース位置を修正する作業の負担が増大したりすることを従来よりも低減することができる。
また、本実施形態では、レーザ線分601と炉壁14の画像とを重ね合わせた画像を壁面観察装置100で撮像して表示すると共に、炉壁14のどの位置にどれだけの凹凸があるのかを表示するようにしたので、炉壁14の凹凸量(凹凸形状)と、炉壁14の画像とを対応付けてオペレータに把握させることができる。よって、オペレータは、炉壁14の補修箇所の判断を容易に且つ正確に行うことができる。
尚、本実施形態では、レーザスポット42の奥行方向に延びる線分(レーザ線分601)の幅が、耐火煉瓦の目地602の幅よりも短くなるようにレーザ光を照射するようにした。しかしながら、必ずしもこのようにする必要はなく、レーザ線分601の幅と耐火煉瓦の目地の幅が異なればよいので、レーザスポット42の奥行方向に延びる線分(レーザ線分601)の幅が、耐火煉瓦の目地602の幅よりも長くなるようにレーザ光を照射するようにしてもよい。このようにした場合にも、レーザスポット42の奥行方向に延びる線分(レーザ線分601)として想定される幅と同じ幅の高輝度領域の輝度だけを元の輝度よりも高くするようにフィルタ係数を設定することは勿論である。
また、本実施形態では、レーザスポット42の奥行方向に延びる線分(レーザ線分601)として想定される幅を2画素としたが、レーザスポット42の奥行方向に延びる線分(レーザ線分601)として想定される幅は2画素に限定されない。例えば、レーザスポット42の奥行方向に延びる線分(レーザ線分601)として想定される幅を3画素としてもよい。このようにした場合にも、レーザスポット42の奥行方向に延びる線分(レーザ線分601)として想定される幅と同じ幅の高輝度領域の輝度だけを元の輝度よりも高くするようにフィルタ係数を設定することは勿論である。
また、本実施形態では、レーザスポット42の奥行方向に延びる線分(レーザ線分601)として想定される幅と同じ幅の高輝度領域の輝度だけを元の輝度よりも高くするにした。しかしながら、レーザ線分601の幅と、耐火煉瓦の目地602の幅とを異ならせるようにし、レーザ線分601として想定される幅と同じ幅の高輝度領域を他の領域と区別して抽出することができれば、必ずしもこのようにする必要はない。例えば、レーザ線分601として想定される幅の情報を予め記憶しておき、炉壁14の画像の全ての画素の輝度の情報から、レーザ線分601として想定される幅と同じ幅の高輝度領域を抽出するようにすることができる。このようにした場合には、2画素及び3画素というように、レーザ線分601として想定される幅として、複数の幅(画素)を設定することができる。
尚、本実施形態では、例えば、壁面観察装置100を炭化室11内に挿入しながら、レーザ投光器群8により炉壁14にレーザ光を照射して、レーザスポット42の画像を含む炉壁14の画像をリニアイメージカメラ5により撮像することによって、照射工程と撮像工程の一例が実現される。また、例えば、図10のステップS4〜S11の処理を行うことによって追跡工程の一例が実現される。また、例えば、図10のステップS12の処理を行うことによって検出工程の一例が実現される。また、例えば、ステップS2、S3の処理を行うことによって強調工程の一例が実現される。
また、例えば、壁面画像取得部501によって取得手段の一例が実現され、レーザ線分強調部502によって強調手段の一例が実現され、レーザ線分追跡部503によって追跡手段の一例が実現され、凹凸量算出部504によって検出手段の一例が実現される。
ここで、レーザスポットの画像の、炭化室の奥行方向に延びる線分の一例は、レーザ線分601である。また、画像の相対的に高輝度の領域の一例は、例えば、領域701a〜701eである。また、レーザスポットの画像の、炭化室の高さ方向における長さとして想定される長さと、前記炭化室の高さ方向における長さが同じである領域の一例は、領域701aである。
尚、以上説明した本発明の実施形態は、コンピュータがプログラムを実行することによって実現することができる。また、プログラムをコンピュータに供給するための手段、例えばかかるプログラムを記録したCD−ROM等のコンピュータ読み取り可能な記録媒体、又はかかるプログラムを伝送する伝送媒体も本発明の実施の形態として適用することができる。また、前記プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体などのプログラムプロダクトも本発明の実施の形態として適用することができる。前記のプログラム、コンピュータ読み取り可能な記録媒体、伝送媒体及びプログラムプロダクトは、本発明の範疇に含まれる。
また、以上説明した本発明の実施形態は、何れも本発明を実施するにあたっての具体化の例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。すなわち、本発明はその技術思想、またはその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。
11 炭化室
100 壁面観察装置
500 壁面測定装置
501 壁面画像取得部
502 レーザ線分強調部
503 レーザ線分追跡部
504 凹凸量算出部
505 凹凸量表示部
601 レーザ線分
602 耐火煉瓦の目地
701 炭化室の炉壁の輝度分布
702 フィルタ係数
703 レーザ線分強調処理後の輝度分布
901、1112、1122、1222、1312 レーザ線分の追跡結果

Claims (3)

  1. コークス炉の炭化室の壁面に対して、当該炭化室の奥行方向に移動しながらレーザ光を照射する照射工程と、
    前記炭化室の壁面に現れるレーザスポットの画像が重畳された、当該炭化室の壁面の画像を撮像する撮像工程と、
    前記撮像工程で得られた画像の相対的に高輝度の領域のうち、前記レーザスポットの画像の、前記炭化室の高さ方向における長さとして想定される長さと、前記炭化室の高さ方向における長さが同じである領域の輝度だけを、空間フィルタを用いて強調する強調工程と、
    前記レーザスポットの画像の、前記炭化室の奥行方向に延びる線分を追跡する追跡工程と、
    前記追跡工程によって追跡されたレーザスポットの画像の線分に基づいて、前記炭化室の壁面の凹凸を検出する検出工程と、を有するコークス炉の炭化室の壁面測定方法であって、
    前記照射工程は、前記炭化室の壁面を構成する煉瓦の目地の画像の、前記炭化室の高さ方向における長さと、前記レーザスポットの画像の、前記炭化室の高さ方向における長さとが異なるように、コークス炉の炭化室の壁面に対してレーザ光を照射し、
    前記追跡工程は、前記強調工程により輝度が強調された画像を用いて、前記レーザスポットの画像の、前記炭化室の奥行方向に延びる線分を追跡することを特徴とするコークス炉の炭化室の壁面測定方法。
  2. コークス炉の炭化室の壁面に対して当該炭化室の奥行方向に移動しながらレーザ光が照射されることによって当該炭化室の壁面に現れるレーザスポットの画像が重畳された、当該炭化室の壁面の画像を取得する取得手段と、
    前記取得手段で得られた画像の相対的に高輝度の領域のうち、前記レーザスポットの画像の、前記炭化室の高さ方向における長さとして想定される長さと、前記炭化室の高さ方向における長さが同じである領域の輝度だけを、空間フィルタを用いて強調する強調手段と、
    前記レーザスポットの画像の、前記炭化室の奥行方向に延びる線分を追跡する追跡手段と、
    前記追跡手段によって追跡されたレーザスポットの画像の線分に基づいて、前記炭化室の壁面の凹凸を検出する検出手段と、を有するコークス炉の炭化室の壁面測定装置であって、
    前記炭化室の壁面を構成する煉瓦の目地の画像の、前記炭化室の高さ方向における長さと、前記レーザスポットの画像の、前記炭化室の高さ方向における長さとが異なっており、
    前記追跡手段は、前記強調手段により輝度が強調された画像を用いて、前記レーザスポットの画像の、前記炭化室の奥行方向に延びる線分を追跡することを特徴とするコークス炉の炭化室の壁面測定装置。
  3. 請求項に記載のコークス炉の炭化室の壁面測定装置の各手段としてコンピュータを機能させることを特徴とするコンピュータプログラム。
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