JP5393984B2 - 燃料電池 - Google Patents

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Description

本発明は、燃料電池に関する
近年、エネルギー変換効率が高く、かつ、発電反応により有害物質を発生しない燃料電池が注目を浴びている。こうした燃料電池の一つとして、100℃以下の低温で作動する固体高分子形燃料電池が知られている。
固体高分子形燃料電池は、電解質膜である固体高分子膜を燃料極と空気極との間に配した基本構造を有し、燃料極に水素を含む燃料ガス、空気極に酸素を含む酸化剤ガスを供給し、以下の電気化学反応により発電する装置である。
燃料極:H2→2H+ + 2e- ・・・・(1)
空気極:1/2O2 + 2H+ + 2e- → H2O ・・・・(2)
アノードおよびカソードは、それぞれ触媒層とガス拡散層が積層した構造からなる。各電極の触媒層が固体高分子膜を挟んで対向配置され、燃料電池を構成する。触媒層は、触媒を担持した炭素粒子がイオン交換樹脂により結着されてなる層である。ガス拡散層は酸化剤ガスや燃料ガスの通過経路となる。
アノードにおいては、供給された燃料中に含まれる水素が上記式(1)に示されるように水素イオンと電子に分解される。このうち水素イオンは固体高分子電解質膜の内部を空気極に向かって移動し、電子は外部回路を通って空気極に移動する。一方、カソードにおいては、カソードに供給された酸化剤ガスに含まれる酸素が燃料極から移動してきた水素イオンおよび電子と反応し、上記式(2)に示されるように水が生成する。このように、外部回路では燃料極から空気極に向かって電子が移動するため、電力が取り出される(特許文献1参照)。
特開平05−036418号公報
従来、一般的な触媒層はカーボン担持触媒にナフィオンなどのイオン交換体を混ぜたタイプである。従来の燃料電池で使用されている触媒層(ナフィオン混合タイプ)は、触媒金属の利用率が低い。これは、燃料ガスと触媒金属とイオン交換体の三相界面が効率的に形成されていないためである。より具体的には、触媒金属にナフィオンなどのイオン交換体が均一に混合されておらず分厚くなっている部分(イオン交換体が塊になっている部分)があるため、ガスの拡散が良好でなく、プロトン伝導パスが切れている部分があることが原因として挙げられる。
本発明はこうした課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、燃料電池で使用される触媒層の燃料ガス拡散性とイオン伝導性を向上させる技術の提供にある。
本発明のある態様は、燃料電池である。当該燃料電池は、電解質膜と、前記電解質膜の一方の面に接合したカソードと、前記電解質膜の他方の面に接合したアノードと、を備え、前記カソードおよび/またはアノードが、少なくとも2層の触媒層を有し、前記少なくとも2層の触媒層のうちの第1の触媒層は、触媒金属と、前記触媒金属に吸着または結合可能な第1の官能基、およびイオン伝導性を付与する第2の官能基を持ち、前記第1の官能基が前記触媒金属に吸着または結合しており、かつ前記第2の官能基が前記触媒金属に接しているイオン交換体と、を含み、前記少なくとも2層の触媒層のうちの第2の触媒層は、第1の触媒層中のイオン交換体とは異なるイオン交換体を含む触媒層であり、前記第1の官能基が、−SH、−NHR、−NH、−N、−OH、−OR、−SOH、−CN、−PR、−P(OR)、−SR、−PO 2−から選択される少なくとも1種であり、前記第2の官能基がスルホン酸基、リン酸基またはこれらの組み合わせであることを特徴とする。
(ここで、上記−OR、−PR 、−P(OR) 、−SR 中のRは、炭化水素系の官能基、芳香族系の官能基、アルコキシ基、アミド基またはこれらの組み合わせである。)
上記態様の燃料電池によれば、触媒金属とイオン交換体との密着性が高まり、均一に触媒金属に付くため、ガス拡散性とイオン伝導性が向上する。
上記態様の燃料電池において、第1の官能基と触媒金属との結合が、化学結合または静電的相互作用による結合であってもよい。なお、化学結合としては、共有結合、配位結合、イオン結合などが挙げられる。
記態様の燃料電池において、イオン交換体が直鎖状ポリマーであってもよい。この態様によれば、触媒金属を基点とするプロトン伝導パスがより遠くまで伸びるため、媒層のイオン伝導性をより一層向上させることができる。
また、上記態様の燃料電池において、イオン交換体が樹状分岐型ポリマーであってもよい。これによれば、イオン交換体が樹状構造をなしているため、プロトン伝導パスが3次元的に広がる。その結果、隣接するイオン交換体同士の接触が多くなるため、プロトン伝導性をより一層向上させることができる。また、この場合に、触媒金属を担持する炭素材料をさらに備えてもよい
発明によれば、燃料電池に用いられる触媒層のイオン伝導性およびガス拡散性を向上させることができる。
参考の形態1)
図1は、参考の形態1に係る電極触媒およびこれを用いた燃料電池10の構造を模式的に示す斜視図である。図2は、図1のA−A線上の断面図である。燃料電池10は、平板状のセル50を備え、このセル50の両側にはセパレータ34およびセパレータ36が設けられている。この例では一つのセル50のみを示すが、セパレータ34やセパレータ36を介して複数のセル50を積層して、燃料電池10が構成されてもよい。セル50は、固体高分子電解質膜20、アノード22およびカソード24とを有する。アノード22は、触媒層26およびガス拡散層28からなる積層体を有する。同様に、カソード24は、触媒層30およびガス拡散層32からなる積層体を有する。アノード22の触媒層26とカソード24の触媒層30は、固体高分子電解質膜20を挟んで対向するように設けられている。
アノード22側に設けられるセパレータ34にはガス流路38が設けられている。燃料供給用のマニホールド(図示せず)から燃料ガスがガス流路38に分配され、ガス流路38を通じてセル50に燃料ガスが供給される。同様に、カソード24側に設けられるセパレータ36にはガス流路40が設けられている。酸化剤供給用のマニホールド(図示せず)から酸化剤ガスがガス流路40に分配され、ガス流路40を通じてセル50に酸化剤ガ
スが供給される。具体的には、燃料電池10の運転時、燃料ガス、例えば水素ガスがガス流路38内をガス拡散層28の表面に沿って上方から下方へ流通することにより、アノード22に燃料ガスが供給される。一方、燃料電池10の運転時、酸化剤ガス、たとえば、空気がガス流路40内をガス拡散層32の表面に沿って上方から下方へ流通することにより、カソード24に酸化剤ガスが供給される。これにより、セル50内で反応が生じる。ガス拡散層28を介して触媒層26に水素ガスが供給されると、ガス中の水素がプロトンとなり、このプロトンが固体高分子電解質膜20中をカソード24側へ移動する。このとき放出される電子は外部回路に移動し、外部回路からカソード24に流れ込む。一方、ガス拡散層32を介して触媒層30に空気が供給されると、酸素がプロトンと結合して水となる。この結果、外部回路においてはアノード22からカソード24に向かって電子が流れることとなり、電力を取り出すことができる。
固体高分子電解質膜20は、湿潤状態において良好なイオン伝導性を示し、アノード22およびカソード24の間でプロトンを移動させるイオン交換膜として機能する。固体高分子電解質膜20は、含フッ素重合体や非フッ素重合体等の固体高分子材料によって形成され、例えば、スルホン酸型パーフルオロカーボン重合体、ポリサルホン樹脂、ホスホン酸基又はカルボン酸基を有するパーフルオロカーボン重合体等を用いることができる。スルホン酸型パーフルオロカーボン重合体の例として、ナフィオン(デュポン社製:登録商標)112などがあげられる。また、非フッ素重合体の例として、スルホン化された、芳香族ポリエーテルエーテルケトン、ポリスルホンなどが挙げられる。
図3は、アノード22を構成する触媒層26の構造を示す概念図である。触媒層26は、図3に示すように、触媒金属60、炭素粒子62、イオン交換体64を含む。触媒金属60は、炭素粒子62に担持されている。イオン交換体64は、後述する触媒金属と吸着可能または結合可能な官能基を介して触媒金属60に吸着または結合している。触媒金属60とイオン交換体64との結合は、化学結合または静電的相互作用による結合が挙げられる。さらに、化学結合としては、共有結合、配位結合、イオン結合などが挙げられる。
炭素粒子62に担持される触媒金属60としては、例えば、Sc、Y、Ti、Zr、V、Nb、Fe、Co、Ni、Ru、Rh、Pd、Pt、Os、Ir、ランタノイド系列元素やアクチノイド系列の元素の中から選ばれる合金や単体が挙げられる。また触媒金属60を担持する炭素粒子62には、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、カーボンナノチューブなどがある。
参考の形態のイオン交換体64は、直鎖状ポリマーである。直鎖状ポリマーとしては、芳香族による炭化水素やフッ素系イオン交換体などが挙げられる。
イオン交換体64として機能する直鎖状ポリマーは、触媒金属と吸着可能または結合可能な官能基を有する。触媒金属と吸着可能または結合可能な官能基としては、−SH、−NHR、−NH、−N、−OH、−OR、−SOH、−CN、−PR、−P(OR)、−SR、−PO 2−、ジスルフォドなど、硫黄、酸素、窒素、リン、炭素、ホウ素、ハロゲン原子の少なくとも1つを含む官能基が挙げられる。上記Rは、炭化水素系の官能基、芳香族系の官能基、アルコキシ基、アミド基またはこれらの組み合わせが挙げられる。
また、イオン交換体64として機能する直鎖状ポリマーは、イオン伝導性を確保するための官能基を有する。イオン伝導性を確保するための官能基は、1以上のスルホン酸基、リン酸基、またはこれらの組み合わせが挙げられる。
参考の形態の触媒層26によれば、イオン交換体64が直鎖状であるため、触媒金属か
らの伝導パスがより遠くまで伸びるので、イオン伝導性を向上させることができる。また、隣接するイオン交換体同士の接触が比較的少ないため、ガスの流通経路が確保されるので、ガス拡散性を向上させることができる。
アノード22の説明に戻り、アノード22を構成するガス拡散層28は、アノードガス拡散基材、およびアノードガス拡散基材に塗布された微細孔層を有する。アノードガス拡散基材は、電子伝導性を有する多孔体で構成されることが好ましく、たとえばカーボンペーパー、カーボンの織布または不織布などを用いることができる。
アノードガス拡散基材に塗布された微細孔層は、導電性粉末と撥水剤とを混練して得られるペースト状の混練物である。導電性粉末としては、たとえば、カーボンブラックを用いることができる。また、撥水剤としては、四フッ化エチレン樹脂(PTFE)などのフッ素系樹脂を用いることができる。なお、撥水剤は結着性を有することが好ましい。ここで、結着性とは、粘りの少ないものやくずれやすいものをつなぎ合わせ、粘りのあるもの(状態)にすることができる性質をいう。撥水剤が結着性を有することにより、導電性粉末と撥水剤とを混練することにより、ペーストを得ることができる。
カソード24を構成する触媒層30およびガス拡散層32は、それぞれアノード22を構成する触媒層26およびガス拡散層28と同様な構成である。このため、触媒層30およびガス拡散層32の説明を省略する。
(触媒層作製方法)
ここで、参考の形態に係る燃料電池で使用される触媒層の作製方法について説明する。まず、カーボン担持触媒にチオール基を持つ直鎖状ポリマーのイオン交換体の溶液を混合することで触媒層インクを作製する。カーボン担持触媒として、Sc、Y、Ti、Zr、V、Nb、Fe、Co、Ni、Ru、Rh、Pd、Pt、Os、Ir、ランタノイド系列元素やアクチノイド系列の元素の中から選ばれる合金や単体が挙げられる。
イオン交換体の溶液とは、直鎖状ポリマーが溶解または分散している溶液である。溶媒としてはメタノール、エタノール、プロパノール、ブタノールおよびイオン交換水などが挙げられる。直鎖状ポリマーとしては、芳香族による炭化水素やフッ素系イオン交換体などが挙げられる。
イオン交換体、触媒および溶媒の混合比はイオン交換体:触媒:溶媒 = 0.5g : 5g: 9.5gとする。なお、参考例における有機溶媒中のイオン交換体の割合は、上述の5%であるが、1〜20%の間であればよい。また、参考例における触媒インク中のイオン交換体の割合は3%であるが、0.5〜15%の間であればよい。
その後、電解質膜のカソード側、アノード側にそれぞれ触媒層インクをスプレー塗布する。触媒インク中の溶媒は、熱風、真空、低湿風等により乾燥される。乾燥温度としては80〜350℃が好ましく、100〜250℃がより好ましい。次に、ホットプレス(5MPa、150℃、90秒)により、触媒層および電解質膜全体を熱圧着する。以上の工程により、参考の形態に係る触媒層を作製することができる。
参考の形態2)
図4は、参考の形態2に係る燃料電池が有する触媒層26の構造を示す概念図である。参考の形態では、イオン交換体64として、樹状分岐型ポリマーが用いられている。樹状分岐型ポリマーは、任意形状の樹枝状の分岐構造を有するポリマーである。樹状分岐型ポリマーとしては、デンドリマー、デンドロン、ハイパーブランチポリマーなどが挙げられる。
樹状分岐型ポリマーは、上述した直鎖状ポリマーと同様に、触媒金属60と吸着可能または結合可能な官能基およびイオン伝導性を確保するための官能基を有する。図5に示すように、樹状分岐型ポリマー80は、触媒金属60と吸着可能または結合可能な官能基82を介して、触媒金属60に吸着または結合している。また、参考の形態では、少なくとも1つのイオン伝導性を確保するための官能基84が炭素粒子62に担持された触媒金属60に接している。なお、図5に示すように、炭素粒子62には複数の触媒金属60が担持されていてもよく、この場合に、樹状分岐型ポリマー80の官能基84は、官能基82が吸着または結合した触媒金属60近傍の触媒金属60と接していてもよい。また、樹状分岐型ポリマー80の官能基84は、炭素粒子62に接していてもよい。
参考の形態では、イオン交換体64が樹状構造をなしているため、イオン(プロトン)伝導パスが3次元に広がる。その結果、隣接するイオン交換体64同士の接触が多くなるため、イオン(プロトン)伝導性を向上させることができる。また、スルホン酸基などのイオン(プロトン)伝導性を確保するための官能基が触媒金属60に接していることにより、プロトンが生成する場所を増やすことができる。また、触媒金属60にイオン交換体が均一な厚みで均等に付いているので、ガス拡散性が良好になる。なお、炭素粒子62は触媒層26中で十分に近接しているので、電子伝導パスは十分に確保されている(図3〜9は、イオン伝導パスを強調した模式図であり、電子伝導パスは3次元的に形成されている)。
(チオール基を有する樹状分岐型ポリマーの合成方法)
ここで、チオール基を有する樹状分岐型ポリマーの合成方法について説明する。まず、3,5-bis[3,5-bis(benzyloxy)benzyloxy]benzyl bromide 1.62g(2.0mmol)化合物Aとチオ尿素0.18g(2.4mmol)を、溶媒(ジメチルスルホキシド(DMSO)10mL)に混合し、室温で12時間攪拌を行う。得られた反応混合物に10wt%水酸化ナトリウム5mLを加えて室温で1時間攪拌する。その後、希塩酸でpHが3になるように調整して、酢酸エチルで抽出を行う。得られた酢酸エチル層を硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を除去する。これにより、下記化学式で示されるチオール基を有する樹状分岐型化合物を得ることができる。
その後、10%硫酸水溶液とチオール基を有する樹状分岐型化合物を混合し、10時間室温で攪拌する。その結果、下記化学式で示される、ベンゼン環がスルホン化された、チオール基を有する樹状分岐型イオン交換体を得ることができる。

Figure 0005393984

Figure 0005393984
参考の形態3)
図6は、参考の形態3に係る燃料電池が有する触媒層26の構造を示す概念図である。参考の形態3に係る触媒層26は、参考の形態1の触媒層の構成に加えて、ナフィオン(登録商標)などの電解質90をさらに備える。これによれば、電解質90に被覆されていない触媒金属60に直鎖状のイオン交換体が吸着または結合することで、活性な触媒金属60が増加し、三層界面が増加する。
(触媒層作製方法)
まず、カーボン担持触媒として白金担持カーボンを用いて、アルドリッチ社製5wt%ナフィオン溶液を混合した。ナフィオンの混合量は、一般的にイオン交換体をナフィオンのみで作製する触媒層よりも少量であることが好ましい。次に、直鎖状ポリマーからなるイオン交換体溶液をスプレー塗布などの操作により加える。これ以降は、参考の形態1と同様の作製方法を適用することにより参考の形態3に係る触媒層が作製される。
参考の形態4)
図7は、参考の形態4に係る燃料電池が有する触媒層26の構造を示す概念図である。参考の形態4に係る触媒層26は、参考の形態2の触媒層の構成に加えて、ナフィオンなどの電解質90をさらに備える。これによれば、電解質90に被覆されていない触媒金属60に樹状分岐型ポリマーが吸着または結合することで、活性な触媒金属60が増加し、三層界面が増加する。また、隣接する樹状分岐型ポリマー同士が接触することにより、プロトン伝導パスがさらに繋がるので、イオン伝導性が向上する。
(触媒層作製方法)
まず、カーボン担持触媒として白金担持カーボンを用いて、アルドリッチ社製5wt%ナフィオン溶液を混合した。ナフィオンの混合量は、一般的にイオン交換体をナフィオンのみで作製する触媒層よりも少量であることが好ましい。次に、樹状分岐型ポリマーからなるイオン交換体溶液をスプレー塗布などの操作により加える。これ以降は、参考の形態1と同様の作製方法を適用することにより参考の形態4に係る触媒層が作製される。
参考の形態5)
参考の形態1および2では、カーボン担持触媒での例が示されているが、図8に示すように、触媒金属60としてカーボンに担持されていない白金ブラックなどを用いてもよい。参考の形態5に係る触媒層26では、触媒金属60に樹状分岐型ポリマーからなるイオン交換体64が吸着または結合している。一般的に、白金ブラックは、カーボン担持触媒と比較して触媒金属量を増加させることができる。この他、触媒金属60に直鎖状ポリマーを吸着または結合させてもよい。
(触媒層作製方法)
参考の形態の触媒層は、触媒粒子として白金ブラックを用いることを除いて、参考の形態1と同様な手法により作製可能である。
参考例1)
参考例1として、下記手順にしたがって参考の形態5の具体例となるセルを作製した。
(触媒スラリーの調整)
触媒として白金ブラック5gに水10gを加え、撹拌する。参考の形態2において説明した樹状分岐型イオン交換体0.5g(化2参照)にDMSO(dimethyl sulfoxide)9.5gを加えて撹拌し、樹状分岐型イオン交換体DMSO溶液を作製した。撹拌した触媒に樹状分岐型イオン交換体DMSO溶液を加えて混合物を得た。この混合物を十分に撹拌させて触媒スラリーを得た。
(触媒層作製)
上述したガス拡散層32に上記触媒スラリーをスプレー塗布することにより、触媒が4〜6mg/cmになるようにしてカソードを作製した。アノードに関しては白金担持カーボン触媒にナフィオンを混合した触媒スラリーを用いて、スクリーン印刷により、触媒が0.5mg/cmになるように上述したガス拡散層28の上に形成した。
(セルの作製)
150℃、90秒、2.1kNで、カソードとアノードとの間にナフィオン膜を挟んでホットプレスを行い、電極面積4cmのセルを作製した。このセルを参考例1に係るセルとし、これを用いて後述するように発電装置で単セルの特性を評価した。
(実施の形態6)
上述した参考の形態1から5では、触媒層が単層であるが、触媒層を多層構造としてもよい。実施の形態6では、図10に示すように、触媒層26は、第1層100および第2層110からなる2層構造を有する。また、触媒層30は、第1層120および第2層130からなる2層構造を有する。各層は、下記触媒構造のいずれかの組み合わせとすることができる。
・従来知られた白金担持カーボンにナフィオンを混合した触媒構造A:具体的には、触媒構造Aは、図9に示すように、白金からなる触媒金属60が炭素粒子62に担持され、触媒金属60および炭素粒子62の周りに、ナフィオン63が被覆された構造を有する。
参考の形態1に示した、白金担持カーボンに直鎖状ポリマーからなるイオン交換体を吸着または結合させた触媒構造B
参考の形態2に示した、白金担持カーボンに樹状分岐型ポリマーからなるイオン交換体を触媒金属に吸着または結合させた触媒構造C
参考の形態3に示した、ナフィオンを混合した後、直鎖状ポリマーからなるイ
オン交換体を吸着または結合させた触媒構造D
参考の形態4に示した、ナフィオンを混合した後、樹状分岐型ポリマーからなるイオン交換体を吸着または結合させた触媒構造E
表1に、触媒層が2層構造の場合の具体的な触媒構成の組み合わせを示す。

Figure 0005393984
以上の触媒層によれば、ガス拡散性およびプロトン伝導性が向上するので、三相界面を増加させることができる。
(実施の形態7)
実施の形態7では、図11に示すように、触媒層26は、第1層100、第2層110、および第3層112からなる3層構造を有する。また、触媒層30は、第1層120、第2層130、および第3層132からなる3層構造を有する。各触媒層は、上述した触媒構造のいずれかの組み合わせとすることができる。
表2に、触媒層が3層構造の場合の具体的な触媒構成の組み合わせを示す。


Figure 0005393984
以上の触媒層によれば、三層界面を維持しながら、ガス拡散性およびプロトン伝導性を向上させることができる。
(比較例1)
参考例1ではカソード用の触媒スラリーを調整する際に、樹状分岐型イオン交換体(化2参照)を用いた。参考例1との対比のため、比較例1として、樹状分岐型化合物(化1参照)を用いてカソード用の触媒スラリーを用いて下記手順にしたがってセルを作製した。
(触媒スラリーの調整)
触媒として白金ブラック5gに水10gを加え、撹拌する。参考の形態2で説明した樹状分岐型化合物0.5g(化1参照)にDMSO9.5gを加えて溶解し、樹状分岐型化合物DMSO溶液を作製した。撹拌した触媒に樹状分岐型化合物DMSO溶液を加えて混合物を得た。この混合物を十分に撹拌させて触媒スラリーを得た。この触媒スラリーを用いて参考例1と同様の方法を用いてセルを作製した。
(発電特性試験)
参考例1および比較例1のセルを用いてそれぞれ発電特性の比較を行った。具体的には、発電温度60℃、水素流量200ml/分、空気流量620ml/分で発電を行った。その結果を図12に示す。結果として、樹状分岐型化合物の水素をスルホン酸基に置換させることで、性能の差が見られることがわかった。スルホン酸基に置換していないものではイオン伝導性がないため、触媒から電解質膜までプロトンが移動することができない。そのため、電解質膜近傍で起こった反応のみしか発電に寄与せず、得られた電流密度に差が現れたと考えられる。
参考の形態1に係る燃料電池の構造を模式的に示す斜視図である。 図1のA−A線上の断面図である。 参考の形態1に係るアノードを構成する触媒層の構造を示す概念図である。 参考の形態2に係る燃料電池が有する触媒層の構造を示す概念図である。 参考の形態2に係る燃料電池が有する触媒層の構造を示す要部拡大図である。 参考の形態3に係る燃料電池が有する触媒層の構造を示す概念図である。 参考の形態4に係る燃料電池が有する触媒層の構造を示す概念図である。 参考の形態5に係る燃料電池が有する触媒層の構造を示す概念図である。 触媒構造Aを示す概略図である。 実施の形態6に係る燃料電池が有する触媒層の構造を示す概念図である。 実施の形態7に係る燃料電池が有する触媒層の構造を示す概念図である。 参考例セル1および比較例セル1の発電特性測定結果を示すグラフである。
10 燃料電池、20 固体高分子電解質膜、22 アノード、24 カソード、26、30 触媒層、28、32 ガス拡散層、34、36 セパレータ、50 セル、60 触媒金属、62 炭素粒子、64 イオン交換体。

Claims (5)

  1. 電解質膜と、前記電解質膜の一方の面に接合したカソードと、前記電解質膜の他方の面に接合したアノードと、を備え、前記カソードおよび/またはアノードが、少なくとも2層の触媒層を有し、前記少なくとも2層の触媒層のうちの第1の触媒層は、触媒金属と、前記触媒金属に吸着または結合可能な第1の官能基、およびイオン伝導性を付与する第2の官能基を持ち、前記第1の官能基が前記触媒金属に吸着または結合しており、かつ前記第2の官能基が前記触媒金属に接しているイオン交換体と、を含み、前記少なくとも2層の触媒層のうちの第2の触媒層は、第1の触媒層中のイオン交換体とは異なるイオン交換体を含む触媒層であり、前記第1の官能基が、−SH、−NHR、−NH、−N、−OH、−OR、−SOH、−CN、−PR、−P(OR)、−SR、−PO 2−から選択される少なくとも1種であり、前記第2の官能基がスルホン酸基、リン酸基またはこれらの組み合わせであることを特徴とする燃料電池。
    (ここで、上記−OR、−PR 、−P(OR) 、−SR 中のRは、炭化水素系の官能基、芳香族系の官能基、アルコキシ基、アミド基またはこれらの組み合わせである。)
  2. 前記第1の官能基と前記触媒金属との結合が、化学結合または静電的相互作用による結合であることを特徴とする請求項1に記載の燃料電池。
  3. 前記イオン交換体が直鎖状ポリマーであることを特徴とする請求項1または2に記載の燃料電池。
  4. 前記イオン交換体が樹状分岐型ポリマーであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の燃料電池。
  5. 前記触媒金属を担持する炭素材料をさらに備えていることを特徴とする請求項4に記載の燃料電池。
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