JP5393712B2 - ラチェット式テンショナ - Google Patents

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Description

本発明は、エンジンのカムシャフト等を駆動するタイミングチェーンに緊張力を与えるラチェット式テンショナに関する。
従来、エンジンのカムシャフト等を駆動するタイミングチェーンに用いて、ハウジングに摺動可能に嵌挿されてハウジングとの間で油室を形成するプランジャにスプリングと外部油圧による突出力を作用させてタイミングチェーンに緊張力を与えるようにしたテンショナが知られている。
このような従来のテンショナとして、例えば、図16に示すように、ハウジング512にプランジャ514の摺動方向と直交する方向に摺動可能に嵌挿されてハウジング512との間で副油室520を形成するピストン526と、副油室520に外部油圧を作用させるための油路544と、ピストン526を副油室520に向かって付勢する第2スプリング534を内装して副油室520の反対側においてハウジング512とピストン526により区画形成された大気室528と、大気室528に嵌合されたキャップ530とを有し、この大気室528に大気と連通して副油室520に外部油圧が作用してピストン526が第2スプリング534の付勢力に抗して移動したときにピストン526によって閉塞される大気連通孔532を設け、プランジャ514のハウジング512に囲繞される部分にラック538を刻設し、ピストン526に固定されたロッド524の先端にラック538に噛合可能な複数の噛合歯536を設け、噛合歯536とラック538のプランジャ後退阻止歯面をプランジャ514の進退方向に直角な歯面に形成したテンショナ500が採用されている(特許文献1参照)。
実用新案登録第2559664号公報(実用新案登録請求の範囲、図1)。
前述した従来のテンショナ500では、プランジャ514がスプリング518により前進突出するように付勢されているため、エンジン内に装着する際にプランジャ514をハウジング512のプランジャ摺動穴内に押し込んで後退させることができず、ハウジング512を装着した後にスプリング518を内包保持した状態のプランジャ514をハウジング512のプランジャ摺動穴内に差し込み装着しなければならないという問題があり、しかも、エンジン部品の交換作業は、プランジャ514を後方に戻した位置でプランジャ514を固定することにより可能になるが、複数の噛合歯536を設けたロッド524が大気室528の内部に収容されてキャップ530により封止されているため、プランジャ514を任意に押し戻して後退させようとしても、ロッド524の噛合歯536とプランジャ514のラック538との噛み合いを解除することができず、車両からエンジンを降ろしてからの作業となり、大がかりな作業負担を強いられるというエンジンメンテナンス作業上の厄介な問題があった。
そして、この一連のメンテナンス作業は、図示していないが、エンジンブロック壁を覆うエンジンカバーに設けられたメンテナンスホールを介して実施されるが、このようなメンテナンスホール付近は不可視的な空間の場合が多く、作業者は感触と経験とに頼っており、できるだけ簡便にラチェットの噛み合いを解除してプランジャを固定できるようにしなければならないというエンジンメンテナンス作業上の厄介な問題があった。
そして、前述したような従来のテンショナ500では、プランジャ514とピストン526とが円柱体で構成されているため、エンジン駆動時におけるプランジャ514の振動に対してプランジャ514のラック538とピストン526の噛合歯536との間の噛み合いで過度の回り止め状態を呈してピストン526の噛合歯536が歯欠けし易くなり、やがては、歯幅全域に亙って捩れを生じて噛み合い不整合となって噛合歯536とラック538からなるラチェット機構の誤動作を生じるという耐久性能上の問題があった。
また、前述したような従来のテンショナ500では、噛合歯536とラック538のプランジャ後退阻止歯面をプランジャ514の進退方向に直角な歯面で形成しているため、エンジンの温度変化等で発生するチェーン張力過多によって発生するプランジャ514の後退方向の動きも規制してしまい、プランジャ514が焼き付いたり、チェーンが過大な張力のまま走行してチェーンへの負担や騒音が増加するというエンジン音の問題があった。
そこで、本発明は、従来の問題を解決するものであって、すなわち、本発明の目的は、エンジン内への装着やエンジンメンテナンスの際にプランジャとラチェットとの噛み合いを簡便に解除し、さらに、エンジン稼働の際にプランジャとラチェットとの噛み合いを確実に作動させて長期放置後のエンジン始動時にタイミングチェーンから受けるプランジャの反力に対するバックラッシュを抑制してバタツキ音を低減するとともにエンジン始動後のチェーン張力過多によって生じるプランジャの後退方向の動きを許容してプランジャの焼き付きを防止するラチェット式テンショナを提供することである。
まず、請求項1に係る発明は、外部圧油の油供給路を形成したハウジング本体と該ハウジング本体のプランジャ収容穴から走行チェーンに向けて摺動自在に突出するプランジャと前記ハウジング本体のプランジャ収容穴とプランジャの中空部との間に形成される高圧油室に収納されてプランジャの突出方向に付勢するプランジャ付勢用ばねと前記ハウジング本体のラチェット収容穴に嵌挿されてプランジャの進退方向と直交する方向に摺動する円柱状のラチェットと該ラチェットのプランジャ側先端領域に設けたラチェット歯をプランジャ側面のラック歯に向けて付勢するラチェット付勢用ばねと前記ラチェット収容穴の後端近傍に嵌め込まれてラチェット付勢用ばねを着座させるばね係止用プラグとを備えたラチェット式テンショナにおいて、前記プランジャのラック歯に対するラチェットのラチェット歯の噛み合いを工具ピンで解除するラチェット解除機構が、前記ハウジング本体に形成して工具ピンのピン先端部をラチェットのプランジャ側先端領域に向けて刺し入れるラチェット解除用ピン誘導穴と前記ラチェットのプランジャ側先端領域に形成してラチェット解除用ピン誘導穴から刺し入れた工具ピンのピン先端部を誘導して係合させるラチェット解除用ピン係合穴とで構成されていることにより、前述したような課題を解決したものである。
請求項2に係る発明は、請求項1に係る発明の構成に加えて、前記ハウジング本体のラチェット解除用ピン誘導穴が、前記ハウジング本体の外表面からラチェットのラチェット解除用ピン係合穴に向けてロート状に縮径するように形成されているとともに、前記ラチェットのラチェット解除用ピン係合穴が、前記ラチェットの外周面からラチェットの摺動方向に沿ったラチェット中心軸に向けてロート状に縮径するように形成されていることにより、前述したような課題を解決したものである。
請求項3に係る発明は、請求項1または請求項2に係る発明の構成に加えて、前記ラチェットのラチェット解除用ピン係合穴が、前記プランジャのラック歯とラチェットのラチェットとを噛み合わせた状態で前記ハウジング本体のラチェット解除用ピン誘導穴よりラチェット歯の歯丈寸法を超えたラチェットのプランジャ側先端領域に離間して設けられていることより、前述したような課題を解決したものである。
請求項4に係る発明は、請求項1乃至請求項3のいずれか一つに係る発明の構成に加えて、前記ハウジング本体からプランジャの突出を工具ピンで一時制止するプランジャ制止機構が、前記ハウジング本体に形成して工具ピンのピン先端部をプランジャのプランジャ突出端領域に向けて挿入するプランジャ制止用ピン挿入穴と前記プランジャのプランジャ突出端領域に形成してプランジャ制止用ピン挿入穴から挿入された工具ピンを係止させるプランジャ制止用ピン係止溝とで構成されていることにより、前述したような課題を解決したものである。
請求項5に係る発明は、請求項4に係る発明の構成に加えて、前記工具ピンのピン先端部をラチェット解除用ピン誘導穴からプランジャ制止用ピン挿入穴へ摺接状態で誘導する工具ピン用ガイド溝が、前記ハウジング本体に形成されていることにより、前述したような課題を解決したものである。
請求項6に係る発明は、請求項5に係る発明の構成に加えて、前記工具ピン用ガイド溝が、前記ラチェット解除用ピン誘導穴からプランジャ制止用ピン挿入穴に向けて縮幅状態で形成されていることにより、前述したような課題を解決したものである。
請求項7に係る発明は、請求項1乃至請求項6のいずれか一つに係る発明の構成に加えて、前記ラチェット付勢用ばねの付勢力が、エンジン始動時に走行チェーン側からプランジャを後退させる反力で発生するラチェットの摺動方向の分力より大きく設定されているとともにエンジン始動後のチェーン張力過多時に走行チェーン側からプランジャを後退させる反力で発生するラチェットの摺動方向の分力より小さく設定されていることにより、前述したような課題を解決したものである。
請求項8に係る発明は、請求項1乃至請求項7のいずれか一つに係る発明の構成に加えて、前記プランジャのラック歯が、前記ラチェットの摺動方向に対してプランジャ前進側に傾斜するストップ面と前記ラチェットの摺動方向に対してプランジャ後退側に傾斜する摺動面とで凹凸状に形成されているとともに、前記ラチェットのラチェット歯が、前記ラチェットの摺動方向に対してプランジャ前進側に傾斜するストップ対向面と前記ラチェットの摺動方向に対してプランジャ後退側に傾斜する摺動対向面とで凹凸状に形成されていることにより、前述したような課題を解決したものである。
請求項9に係る発明は、請求項8に係る発明の構成に加えて、前記ストップ面の傾斜角が、前記摺動面の傾斜角より小さく形成されていることにより、前述したような課題を解決したものである。
請求項10に係る発明は、請求項1乃至請求項9のいずれか一つに係る発明の構成に加えて、前記ラチェットが、ラチェット外径寸法より大きなラチェット全長寸法を備えていることにより、前述したような課題を解決したものである。
請求項11に係る発明は、請求項1乃至請求項10のいずれか一つに係る発明の構成に加えて、前記ラチェット付勢用ばねが、前記ラチェットのばね収容穴内で摺動方向に沿って挿着されていることにより、前述したような課題を解決したものである。
そこで、本発明のラチェット式テンショナは、外部圧油の油供給路を形成したハウジング本体と該ハウジング本体のプランジャ収容穴から走行チェーンに向けて摺動自在に突出するプランジャと、ハウジング本体のプランジャ収容穴とプランジャの中空部との間に形成される高圧油室に収納されてプランジャの突出方向に付勢するプランジャ付勢用ばねと、ハウジング本体のラチェット収容穴に嵌挿されてプランジャの進退方向と直交する方向に摺動する円柱状のラチェットと、このラチェットのプランジャ側先端領域に設けたラチェット歯をプランジャ側面のラック歯に向けて付勢するラチェット付勢用ばねと、ラチェット収容穴の後端近傍に嵌め込まれてラチェット付勢用ばねを着座させるばね係止用プラグとを備えていることにより、エンジン内のタイミングチェーンにラチェット式テンショナのプランジャから緊張力を与えることができるばかりでなく、以下のような本発明に特有の効果を奏することができる。
すなわち、請求項1に係る本発明のラチェット式テンショナによれば、プランジャのラック歯に対するラチェットのラチェット歯の噛み合いを工具ピンで解除するラチェット解除機構が、ハウジング本体に形成して工具ピンのピン先端部をラチェットのプランジャ側先端領域に向けて刺し入れるラチェット解除用ピン誘導穴と前記ラチェットのプランジャ側先端領域に形成してラチェット解除用ピン誘導穴から刺し入れた工具ピンのピン先端部を誘導して係合させるラチェット解除用ピン係合穴とで構成されていることにより、工具ピンのピン先端部をラチェット解除用ピン誘導穴からラチェット解除用ピン係合穴に係合させてプランジャのラック歯に対するラチェットのラチェット歯の噛み合いを確実に解除してプランジャを押し戻しながら後退させるため、タイミングチェーンを弛緩させた状態におけるラチェット式テンショナ、タイミングチェーンの位置決め、部品交換などの保守メンテナンスの作業負担を大幅に軽減することができる。
請求項2に係る本発明のラチェット式テンショナによれば、請求項1に係る発明が奏する効果に加えて、ハウジング本体のラチェット解除用ピン誘導穴がハウジング本体の外表面からラチェットのラチェット解除用ピン係合穴に向けてロート状に縮径するように形成されているとともに、前記ラチェットのラチェット解除用ピン係合穴がラチェットの外周面からラチェットの摺動方向に沿ったラチェット中心軸に向けてロート状に縮径するように形成されていることにより、プランジャのラック歯に対するラチェットのラチェット歯の噛み合いを工具ピンで解除する際に、工具ピンのピン先端部がハウジング本体の外表面からロート状に縮径したラチェット解除用ピン誘導穴に沿って摺接誘導されてラチェット解除用ピン係合穴へ辿り着いた後、このロート状に縮径したラチェット解除用ピン係合穴に沿って摺接しながら位置決めされてラチェットのラチェット中心軸に向けて刺し入れられるため、タイミングチェーンを弛緩させてラチェット式テンショナ、タイミングチェーンの位置決め作業、部品交換作業などの保守メンテナンスを行う際にエンジンブロック壁を覆うエンジンカバーに設けられたメンテナンスホール付近の狭い空間内であっても、工具ピンのピン先端部をラチェット解除用ピン誘導穴からラチェット解除用ピン係合穴に確実に係合させてプランジャのラック歯に対するラチェットのラチェット歯の噛み合いを簡便に解除することができる。
請求項3に係る本発明のラチェット式テンショナによれば、請求項1または請求項2に係る発明が奏する効果に加えて、ラチェットのラチェット解除用ピン係合穴が、プランジャのラック歯とラチェットのラチェット歯とを噛み合わせた状態でハウジング本体のラチェット解除用ピン誘導穴よりラチェット歯の歯丈寸法を超えたラチェットのプランジャ側先端領域に離間して設けられていることにより、プランジャのラック歯に対するラチェットのラチェット歯の噛み合いを工具ピンで解除する際に、ラチェット解除用ピン誘導穴から刺し入れた工具ピンのピン先端部がラチェット解除用ピン係合穴を介してプランジャのラック歯からラチェットのラチェット歯をこのラチェット歯の歯丈寸法を超えて引き離すため、プランジャのラック歯に対するラチェットのラチェット歯の噛み合いを確実に解除することができる。
請求項4に係る本発明のラチェット式テンショナによれば、請求項1乃至請求項3のいずれか一つに係る発明が奏する効果に加えて、ハウジング本体からプランジャの突出を工具ピンで一時制止するプランジャ制止機構が、ハウジング本体に形成して工具ピンのピン先端部をプランジャのプランジャ突出端領域に向けて挿入するプランジャ制止用ピン挿入穴と前記プランジャのプランジャ突出端領域に形成してプランジャ制止用ピン挿入穴から挿入された工具ピンを係止させるプランジャ制止用ピン係止溝とで構成されていることにより、プランジャをハウジング本体のプランジャ収容穴に押し込んだ状態で工具ピンのピン先端部をプランジャ制止用ピン挿入穴からプランジャ制止用ピン係止溝に係合させてハウジング本体からプランジャの突出を一時制止することが可能になるため、エンジン内へのテンショナ装着やエンジンメンテナンス時におけるラチェット式テンショナ、タイミングチェーンの位置決め、部品交換などの保守メンテナンスの作業負担を大幅に軽減することができる。
請求項5に係る本発明のラチェット式テンショナによれば、請求項4に係る発明が奏する効果に加えて、工具ピンのピン先端部をラチェット解除用ピン誘導穴からプランジャ制止用ピン挿入穴へ摺接状態で誘導する工具ピン用ガイド溝がハウジング本体に形成されていることにより、プランジャのラック歯に対するラチェットのラチェット歯の噛み合いを解除させた状態でハウジング本体からプランジャの突出を工具ピンで一時制止する際に、ラチェット解除用ピン誘導穴から引き抜かれた工具ピンのピン先端部をラチェット解除用ピン誘導穴とプランジャ制止用ピン挿入穴とに連設された工具ピン用ガイド溝を作業員の触感により辿りながらプランジャ制止用ピン挿入穴へ摺接状態で誘導することが可能になるため、タイミングチェーンを弛緩させてラチェット式テンショナ、タイミングチェーンの位置決め作業、部品交換作業などの保守メンテナンスを行う際にエンジンブロック壁を覆うエンジンカバーに設けられたメンテナンスホール付近の不可視的な空間内であっても、工具ピンのピン先端部をラチェット解除用ピン誘導穴からプランジャ制止用ピン挿入穴に確実に挿入させることができる。
請求項6に係る本発明のラチェット式テンショナによれば、請求項5に係る発明が奏する効果に加えて、ラチェット解除用ピン誘導穴からプランジャ制止用ピン挿入穴に向けて縮幅状態で形成されていることにより、プランジャのラック歯に対するラチェットのラチェット歯の噛み合いを解除させた状態でハウジング本体からプランジャの突出を工具ピンで一時制止する際に、ラチェット解除用ピン誘導穴から引き抜かれた工具ピンのピン先端部に位置ズレを生じていても工具ピンのピン先端部をラチェット解除用ピン誘導穴とプランジャ制止用ピン挿入穴とに連設された工具ピン用ガイド溝を辿りながらプランジャ制止用ピン挿入穴へ徐々に位置決めしつつ誘導することが可能になるため、タイミングチェーンを弛緩させてラチェット式テンショナ、タイミングチェーンの位置決め作業、部品交換作業などの保守メンテナンスを行う際にエンジンブロック壁を覆うエンジンカバーに設けられたメンテナンスホール付近の狭い不可視的な空間内であっても、工具ピンのピン先端部をラチェット解除用ピン誘導穴からプランジャ制止用ピン挿入穴に簡便かつより確実に挿入させることができる。
請求項7に係る発明は、請求項1乃至請求項6のいずれか一つに係る発明が奏する効果に加えて、ラチェット付勢用ばねの付勢力が、エンジン始動時に走行チェーン側からプランジャを後退させる反力で発生するラチェットの摺動方向の分力より大きく設定されていることによって、エンジン始動時にプランジャを後退させる反力が発生すると、ラチェット付勢用ばねの付勢力がラチェットのラチェット歯に作用してプランジャのラック歯と噛み合うため、バックラッシュが生じたプランジャの後退方向の動きを規制して後退変位を阻止し、タイミングチェーンのバタツキ音を低減することができるばかりでなく、プランジャ付勢用ばねの付勢力が単にプランジャを突出付勢させる付勢力のみで充足されるため、特殊な高荷重対応のプランジャ付勢用ばねやオリフィス機構やオイルリザーブ機構を必要とせず、部品点数や製造コストを低減してテンショナ自体を小型化することができる。
また、ラチェット付勢用ばねの付勢力がエンジン始動後のチェーン張力過多時に走行チェーン側からプランジャを後退させる反力で発生するラチェットの摺動方向の分力より小さく設定されていることにより、エンジン始動後のチェーン張力過多時にプランジャを後退させる反力が発生すると、ラチェット付勢用ばねの付勢力がラチェットのラチェット歯に作用してラチェットのラチェット歯とプランジャのラック歯とが噛み外れ、ラチェット付勢用ばねの付勢力がラチェットの摺動方向の分力よりも相対的に大きくなるまでプランジャを後退させるため、エンジンの温度変化などでプランジャが過剰に前進してバックストップによる過荷重が発生してもプランジャの後退方向の動きを規制せず後退変位を許容してプランジャの焼き付きを防止することができるばかりでなく、このラチェット付勢用ばねの付勢力を調整することによりエンジン始動後のチェーン張力過多による噛み外れのタイミングが調整可能になるため、プランジャの焼き付きを確実に防止することができる。
請求項8に係る発明は、請求項1乃至請求項7のいずれか一つに係る発明が奏する効果に加えて、プランジャのラック歯がラチェットの摺動方向に対してプランジャ前進側に傾斜するストップ面とプランジャ後退側に傾斜する摺動面とで凹凸状に形成されているとともに、ラチェットのラチェット歯がラチェットの摺動方向に対してプランジャ前進側に傾斜するストップ対向面とプランジャ後退側に傾斜する摺動対向面とで凹凸状に形成されていることにより、エンジン始動後のチェーン張力過多時にプランジャを後退させる反力が発生すると、この反力がプランジャ側のストップ面を介してラチェットのストップ対向面に分力として作用し、このラチェットのストップ対向面に作用した分力がラチェットの摺動方向の更に小さな分力としてラチェットのラチェット歯をプランジャのラック歯と噛み外れるように作用し、プランジャのラック歯がラチェットのストップ対向面を経て摺動対向面を滑動して1歯分戻すため、エンジン始動後のチェーン張力過多時にラチェットのラチェット歯とプランジャのラック歯に生じがちな歯欠けなどの摩損を防止しつつプランジャの後退方向の動きを規制せず後退変位を円滑に許容することができるとともにラチェット付勢用ばねに対する過度の衝撃も回避して優れた耐久性を発揮することができる。
請求項9に係る本発明のラチェット式テンショナによれば、請求項8に係る発明が奏する効果に加えて、ストップ面の傾斜角が摺動面の傾斜角より小さく形成されていることにより、エンジン始動時にプランジャを後退させる反力が発生してもプランジャのラック歯とラチェットのラチェット歯との噛み外れを阻止するため、エンジン始動時にバックラッシュが生じたプランジャの後退方向の動きを規制して後退変位を阻止することができる。
請求項10に係る本発明のラチェット式テンショナによれば、請求項1乃至請求項9のいずれか一つに係る発明が奏する効果に加えて、ラチェットがラチェット外径寸法より大きなラチェット全長寸法を備えていることにより、ラチェットに過剰な荷重が負荷された場合であってもラチェット収容穴内の摺動方向に対して生じがちなラチェットの傾きを抑制してラチェットの偏摩耗を防止するため、プランジャとラチェットからなるラチェット機構をより円滑に作動させることができる。
また、請求項11に係る本発明のラチェット式テンショナによれば、請求項1乃至請求項10のいずれか一つに係る発明が奏する効果に加えて、ラチェット付勢用ばねがラチェットのばね収容穴内へ摺動方向に沿って挿着されていることにより、ラチェット付勢用ばねがラチェットのばね収容穴内にほぼ挿入された状態となるため、ラチェット付勢用ばねをラチェットの外周面に外嵌した場合に比較して、ラチェット収容穴に対するラチェットの取り付け形態を簡素化かつ小型化することができる。
本発明の一実施例であるラチェット式テンショナ100の使用態様図。 図1に示すラチェット式テンショナ100の要部拡大図。 ラック歯とラチェット歯の噛み合いを示した拡大図。 ラチェットとラチェット付勢用ばねとばね係止用プラグとの分解図。 ラチェット解除用工具ピン係合穴を備えたラチェットの断面図。 ラチェット解除機構のラチェット解除用ピン誘導穴に工具ピンが挿し込まれる状態を示すものであって、(a)は、その斜視図であり、(b)は、その主要部の断面図。 ラチェット解除機構のラチェット解除用ピン誘導穴を経てラチェット解除用ピン係合穴に工具ピンが挿し込まれる状態を示すものであって、(a)は、その斜視図であり、(b)は、その主要部の断面図。 ラチェット解除機構のラチェット解除用ピン係合穴に工具ピンが係合してラチェットが解除された状態を示すものであって、(a)は、その斜視図であり、(b)は、その主要部の断面図。 プランジャ制止機構へ移動させる工具ピンがラチェット解除機構のラチェット解除用ピン誘導穴から抜き取られる状態を示すものであって、(a)は、その斜視図であり、(b)は、その主要部の断面図。 ラチェット解除機構からプランジャ制止機構のプランジャ制止用ピン挿入穴へ工具ピンが移行する状態を示すものであって、(a)は、その斜視図であり、(b)は、その主要部の断面図。 プランジャ制止機構のプランジャ制止用ピン挿入穴を経てプランジャ制止用ピン係止溝に工具ピンが係止されてプランジャの突出が一時制止された状態を示すものであって、(a)は、その斜視図であり、(b)は、その主要部の断面図。 エンジン始動時のプランジャ突出動作に伴う噛み合い状態を示す図。 エンジン始動時のプランジャ後退動作に伴う噛み合い状態を示す図。 チェーン張力過多によるプランジャ後退開始時の噛み合い状態を示す図。 チェーン張力過多によるプランジャ後退動作中の噛み外れ状態を示す図。 チェーン張力過多によるプランジャ後退終了時の噛み合い状態を示す図。 エンジン内へのメンテナンス実施態様図。 エンジン内への別のメンテナンス実施態様図。 式テンショナ500の断面図。
本発明のラチェット式テンショナは、外部圧油の油供給路を形成したハウジング本体とこのハウジング本体のプランジャ収容穴から走行チェーンに向けて摺動自在に突出するプランジャと前記ハウジングプランジャ収容穴とプランジャの中空部との間に形成される高圧油室に収納されてプランジャの突出方向に付勢するプランジャ付勢用ばねと前記ハウジング本体のラチェット収容穴に嵌挿されてプランジャの進退方向と直交する方向に摺動する円柱状のラチェットとこのラチェットのプランジャ側先端領域に設けたラチェット歯をプランジャ側面のラック歯に向けて付勢するラチェット付勢用ばねと前記ラチェット収容穴の後端近傍に嵌め込まれてラチェット付勢用ばねを着座させるばね係止用プラグとを備え、プランジャのラック歯に対するラチェットのラチェット歯の噛み合いを工具ピンで解除するラチェット解除機構がハウジング本体に形成して工具ピンのピン先端部をラチェットのプランジャ側先端領域に向けて刺し入れるラチェット解除用ピン誘導穴と前記ラチェットのプランジャ側先端領域に形成してラチェット解除用ピン誘導穴から刺し入れた工具ピンのピン先端部を誘導して係合させるラチェット解除用ピン係合穴とで構成され、エンジン内への装着やエンジンメンテナンスの際にプランジャとラチェットとの噛み合いを簡便に解除し、エンジン稼働の際にプランジャとラチェットとの噛み合いを確実に作動させて長期放置後のエンジン始動時にタイミングチェーンから受けるプランジャの反力に対するバックラッシュを抑制してバタツキ音を低減するとともにエンジン始動後のチェーン張力過多によって生じるプランジャの後退方向の動きを許容してプランジャの焼き付きを防止するものであれば、その具体的な態様は如何なるものであっても構わない。
たとえば、本発明のラチェット式テンショナにおけるハウジング本体の基本的な形態については、オイルポンプから供給される圧油をハウジング本体に形成した油供給路に直接的に導入するもの、あるいは、オイルポンプから供給される圧油をハウジング本体に形成した油供給路に導入する前にハウジング本体の背面部分に一旦貯溜する油リザーバー部を凹設したもののいずれであっても何ら構わない。
また、本発明のラチェット式テンショナの場合、高圧油室内から油供給路へ圧油の逆流を阻止する逆止弁ユニットがプランジャ収容穴の底部に組み込まれているもの、あるいは、逆止弁ユニットがプランジャ収容穴の底部に組み込まれていないものの、いずれであっても良い。
さらに、前述した逆止弁ユニットを備えたラチェット式テンショナの場合、その具体的なユニット形態は、プランジャ収容穴の底部に組み込まれて高圧油室内の圧油の油供給路への逆流を阻止するものであれば、如何なる形態のものであっても良く、例えば、油供給路に連通して高圧油室側へ圧油を供給するボールシートとこのボールシートの弁座に対向するチェックボールとこのチェックボールをボールシートに押圧付勢するボール付勢用ばねとチェックボールの移動量を規制する鐘状リテーナとを備えたものであっても何ら構わない。
そして、本発明のラチェット式テンショナに用いられるラチェット付勢用ばねの付勢力については、エンジン始動時に走行チェーン側からプランジャを後退させる反力で発生するラチェットの摺動方向の分力より大きく設定されているとともにエンジン始動後のチェーン張力過多時にプランジャを後退させる反力で発生するラチェットの摺動方向の分力より小さく設定されていれば如何なる絶対値の付勢力であっても良く、プランジャのラック歯とラチェットのラチェット歯との間の摩擦係数も考慮した付勢力に設定されるのがより好ましい。
さらに、本実施例で用いたハウジング本体に設けるラチェット解除用ピン誘導穴の具体的な内周面形態については、工具ピンのピン先端部をラチェットのプランジャ側先端領域に設けたラチェット解除用ピン係合穴に向けて刺し入れるものであれば、逆円錐型内周面、逆ドーム型内周面、擂鉢型内周面、ラッパ型内周面などのいずれであっても良く、また、プランジャ制止機構を構成するプランジャ制止用ピン挿入穴の具体的な内周面形態については、工具ピンよりほぼ同径か、あるいは、稍大き目の内径を有して工具ピンを円滑に挿入する円筒状内周面を呈するものであれば良い。
そして、本実施例で用いたプランジャに形成するプランジャ制止用ピン係止溝の具体的な溝形態については、プランジャをハウジング本体のプランジャ収容穴に押し込んだ状態で工具ピンのピン先端部をプランジャ制止用ピン挿入穴からプランジャ制止用ピン係止溝に係合させてハウジング本体からプランジャの突出を一時制止するものであれば、プランジャのプランジャ突出端領域全周にわたって形成した環状溝、プランジャ突出端領域の一部周囲に形成した切欠溝のいずれであっても何ら差支えない。
また、本実施例で用いるラチェットのラチェット歯の具体的な形態については、プランジャ側面に刻設したラック歯に対して歯幅全域に亙って捩れることなく噛み合う数枚のラチェット歯をラチェットのプランジャ側先端領域に備えたものであれば良い。
例えば、ラチェット歯の具体的な歯形態については、等ピッチの歯間隔および同一の歯丈を備えた2枚以上のラチェット歯を備えたものであれば、プランジャ側面のラック歯に向けて均等に噛み合い荷重を分散して噛み合うことができるので、より好ましい。
また、ラチェットのプランジャ側先端領域に設けるラチェット解除用ピン係合穴の具体的な内周面形態については、ラチェットの外周面からラチェットの摺動方向に沿ったラチェット中心軸に向けてロート状に縮径するように形成されてプランジャとラチェットとの噛み合いを解除する際に工具ピンのピン先端部がハウジング本体の外表面からラチェット解除用ピン誘導穴に沿って摺接誘導されてラチェット解除用ピン係合穴へ辿り着けるものであれば、逆円錐型内周面、逆ドーム型内周面、擂鉢型内周面、ラッパ型内周面などのいずれであっても良い。
また、ラチェット解除用ピン係合穴の具体的な設置位置については、プランジャのラック歯に対するラチェットのラチェット歯の噛み合いを確実に解除するように、プランジャのラック歯とラチェットのラチェットとを噛み合わせた状態でハウジング本体のラチェット解除用ピン誘導穴よりラチェット歯の歯丈寸法を超えたラチェットのプランジャ側先端領域に離間して設けられていれば良く、換言すれば、プランジャのラック歯とラチェットのラチェットとを噛み合わせた状態でラチェットのラチェット解除用ピン係合穴の中心線がハウジング本体のラチェット解除用ピン誘導穴の中心線より少なくともラチェット歯の歯丈寸法だけラチェットのプランジャ側先端寄りに設置されていれば良い。
そして、プランジャのラック歯に対するラチェットのラチェット歯の噛み合いを確実に解除するために、ラチェット解除用ピン係合穴におけるハウジング側開口部の口径がハウジング本体のラチェット解除用ピン誘導穴におけるラチェット側開口部の口径より大きく、ラチェット解除用ピン係合穴のハウジング側開口部がプランジャのラック歯とラチェットのラチェットとを噛み合わせた状態でラチェット解除用ピン誘導穴のラチェット側開口部を内包しているのが、より好ましい。
以下、本発明の一実施例であるラチェット式テンショナ100を図1乃至図16に基づいて説明する。
ここで、図1は、本発明の一実施例であるラチェット式テンショナ100の使用態様図であり、図2は、図1に示すラチェット式テンショナ100の要部拡大図であり、図3は、ラック歯とラチェット歯の噛み合いを示した拡大図であり、図4は、ラチェットとラチェット付勢用ばねとばね係止用プラグとの分解図であり、図5は、ラチェット解除用工具ピン係合穴を備えたラチェットの断面図である。
そして、図6乃至図11は、ラチェット解除機構およびプランジャ制止機構を説明するものであり、図6は、ラチェット解除機構のラチェット解除用ピン誘導穴に工具ピンが挿し込まれる状態を示すものであって、(a)は、その斜視図であり、(b)は、その主要部の断面図であり、図7は、ラチェット解除機構のラチェット解除用ピン誘導穴を経てラチェット解除用ピン係合穴に工具ピンが挿し込まれる状態を示すものであって、(a)は、その斜視図であり、(b)は、その主要部の断面図であり、図8は、ラチェット解除機構のラチェット解除用ピン係合穴に工具ピンが係合してラチェットが解除された状態を示すものであって、(a)は、その斜視図であり、(b)は、その主要部の断面図であり、図9は、プランジャ制止機構へ移動させる工具ピンがラチェット解除機構のラチェット解除用ピン誘導穴から抜き取られる状態を示すものであって、(a)は、その斜視図であり、(b)は、その主要部の断面図であり、図10は、ラチェット解除機構からプランジャ制止機構のプランジャ制止用ピン挿入穴へ工具ピンが移行する状態を示すものであって、(a)は、その斜視図であり、(b)は、その主要部の断面図であり、図11は、プランジャ制止機構のプランジャ制止用ピン挿入穴を経てプランジャ制止用ピン係止溝に工具ピンが係止されてプランジャの突出が一時制止された状態を示すものであって、(a)は、その斜視図であり、(b)は、その主要部の断面図である。
また、図12乃至図16は、プランジャの動作を説明するものであって、図12は、エンジン始動時プランジ突出動作に伴う噛み合い状態を示す図であり、図13は、エンジン始動時のプランジャ後退動作に伴う噛み合い状態を示す図であり、図14は、チェーン張力過多によるプランジャ後退開始時の噛み合い状態を示す図であり、図15は、チェーン張力過多によるプランジャ後退動作中の噛み外れ状態を示す図であり、図16は、チェーン張力過多によるプランジャ後退終了時の噛み合い状態を示す図である。
さらに、図17は、エンジン内へのメンテナンス実施態様図であり、図18は、エンジン内への別のメンテナンス実施態様図である。
まず、図1に示すように、本発明の第1実施例であるラチェット式テンショナ100は、エンジンのクランクシャフトで回転される駆動側スプロケットS1とカムシャフトに固定されている被駆動側スプロケットS2の間に掛け廻されているタイミングチェーンCの弛み側でエンジン本体に取り付けられて、そのハウジング本体110の前面からプランジャ120が出没自在に突出しており、プランジャ120がエンジン本体側に揺動自在に支持されている可動レバーLの揺動端近傍の背面を押圧することにより、可動レバーLを介してタイミングチェーンCの弛み側に張力を付与している。
なお、タイミングチェーンCの張り側にはタイミングチェーンCの走行を案内する固定ガイドGがエンジン本体側に取り付けられている。
そして、駆動側スプロケットS1が矢印の方向に回転すると、タイミングチェーンCが矢印の方向に走行し、次いで、このタイミングチェーンCの走行によって被駆動側スプロケットS2が矢印の方向に回動し、駆動側スプロケットS1の回動が被駆動側スプロケットS2に伝達するようになっている。
そこで、図2に示すように、本実施例のラチェット式テンショナ100は、エンジンブロック側から供給された外部圧油を導入する油供給路111を形成したハウジング本体110と、このハウジング本体110に形成したプランジャ収容穴112から走行チェーン(図示せず)に向けて摺動自在に突出する円柱状のプランジャ120と、前記ハウジング本体110のプランジャ収容穴112とプランジャ120の中空部121との間に形成される高圧油室Rに収納されてプランジャ120の突出方向に付勢するプランジャ付勢用ばね130と、プランジャ収容穴112の底部に組み込まれて高圧油室R内から油供給路111へ圧油の逆流を阻止する逆止弁ユニット140と、前記ハウジング本体110に形成した円筒状のラチェット収容穴113に嵌挿されてプランジャ120の進退方向と直交する方向に摺動する円柱状のラチェット150と、このラチェット150のプランジャ側先端領域に設けたラチェット歯151をプランジャ側面に刻設したラック歯122に向けて噛み合うように付勢するラチェット付勢用ばね160と、前記ラチェット収容穴113の後端近傍に嵌め込まれてラチェット付勢用ばね160を抜け止めして着座させるばね係止用プラグ170とを備えている。
(逆止弁ユニット140の具体的なユニット構造について)
前述した逆止弁ユニット140の具体的なユニット構造については、プランジャ収容穴112の底部に組み込まれて高圧油室R内から油供給路111へ圧油の逆流を阻止するものであれば、公知の如何なるものであっても差し支えないが、本実施例では、前述したハウジング本体110の油供給路111に繋がる油路141aを有するボールシート141と、このボールシート141の弁座141bに着座するチェックボール142と、このチェックボール142をボールシート141に押圧付勢するボール付勢用ばね143と、このボール付勢用ばね143を支持し且つチェックボール142の移動量を規制する鐘状リテーナ144とから構成された逆止弁ユニット140が採用されている。
(ラチェット150の具体的な配置形態について)
前述したラチェット150は、図4に示すように、ラチェット外径寸法Dより大きなラチェット全長寸法Wを備え、これによって、ラチェット150に過剰な荷重が負荷された場合であっても、ラチェット収容穴113内の摺動方向に対して生じがちなラチェット150の傾きを抑制してラチェット150の偏摩耗を防止し、プランジャ120とラチェット150とをより円滑に作動させるようになっている。
なお、本実施例におけるラチェット150は、プランジャ側面に刻設したラック歯122に向けて均等に噛み合い荷重を分散して噛み合うため、図2乃至図4に示すように、ラック歯122と等ピッチの歯間隔および同一の歯丈を備えた3枚のラチェット歯151がプランジャ側先端領域に設けられている。
また、前述したラチェット付勢用ばね160は、図4に示すように、ラチェット150内へ摺動方向に沿って同心円状に挿着され、これによって、ラチェット付勢用ばね160がラチェット150のばね収容穴153内にほぼ挿入された状態となり、ラチェット付勢用ばね160をラチェット150の外周面に外嵌した場合に比較して、ラチェット収容穴113に対するラチェット150の取り付け形態が簡素化かつ小型化されている。
そして、ラチェット付勢用ばね160の付勢力については、エンジン始動時に走行チェーン側からプランジャ120を後退させる反力で発生するラチェット150の摺動方向の分力より大きく設定されているとともにエンジン始動後のチェーン張力過多時にプランジャ120を後退させる反力で発生するラチェット150の摺動方向の分力より小さく設定されている。
これにより、エンジン始動時にプランジャ120の後退変位を抑制してタイミングチェーンのバタツキ音を低減するとともにエンジン始動後のチェーン張力過多によってプランジャ120の後退変位を許容してプランジャ120の焼き付きを防止し、特殊な高荷重対応のプランジャ付勢用ばね160やオリフィス機構やオイルリザーブ機構を必要とせず、部品点数や製造コストを低減してテンショナ自体を小型化している。
さらに、前述したばね係止用プラグ170は、図2に示すように、ラチェット収容穴113の後端近傍に嵌め込んで抜け止めするための弾力性を発揮する多数の突出舌片171を周設した、いわゆる、抜け止め用座金であって、これにより、図2および図4に示すように、ラチェット付勢用ばね160の後端を着座させている。
(ラチェット解除機構Xの具体的な設置形態について)
本実施例のラチェット式テンショナ100が最も特徴とするプランジャ120のラック歯122に対するラチェット150のラチェット歯151との噛み合いを工具ピンTで解除するラチェット解除機構Xの具体的な設置形態を、図5および図6乃至図8に基づいて更に詳しく説明する。
まず、図5および図6乃至図8に示すように、前述したラチェット解除機構Xは、ハウジング本体110に形成したラチェット解除用ピン誘導穴114と前記ラチェット150のプランジャ側先端領域に形成したラチェット解除用ピン係合穴155とで構成されている。
これにより、ラチェット解除用ピン誘導穴114から刺し入れた工具ピンTのピン先端部T1が、図8に示すように、ラチェット解除用ピン誘導穴114からラチェット解除用ピン係合穴155に誘導されて係合するため、プランジャ120のラック歯122に対するラチェット150のラチェット歯151の噛み合いを確実に解除してプランジャ120を押し戻しながら後退させることが可能になっている。
そして、前述したハウジング本体110のラチェット解除用ピン誘導穴114は、図6乃至図8に示すように、ハウジング本体110の外表面からラチェット150のラチェット解除用ピン係合穴155に向けてロート状に縮径するように形成されているとともに、ラチェット150のラチェット解除用ピン係合穴155は、ラチェット150の外周面からラチェット150の摺動方向に沿ったラチェット中心軸Oに向けてロート状に縮径するように形成されている。
これにより、プランジャ120に対するラチェット150の噛み合いを工具ピンTで解除する際に、工具ピンTのピン先端部T1が、図6に示すように、ハウジング本体110の外表面からロート状に縮径したラチェット解除用ピン誘導穴114に沿って摺接誘導され、図7に示すように、ラチェット解除用ピン係合穴155へ辿り着いた後、このロート状に縮径したラチェット解除用ピン係合穴155に沿って摺接しながら位置決めされ、図8に示すように、ラチェット150のラチェット中心軸Oに向けて刺し入れられるようになっている。
また、ラチェット150のラチェット解除用ピン係合穴155は、図6に示すように、プランジャ120のラック歯122とラチェット150のラチェット歯151とを噛み合わせた状態でハウジング本体110のラチェット解除用ピン誘導穴114よりラチェット歯151の歯丈寸法Hを超えたラチェット150のプランジャ側先端領域に離間して設けられている。
これにより、プランジャ120に対するラチェット150の噛み合いを工具ピンTで解除する際に、ラチェット解除用ピン誘導穴114から刺し入れた工具ピンTのピン先端部T1が、図8に示すように、ラチェット解除用ピン係合穴155を介してプランジャ120のラック歯122からラチェット150のラチェット歯151をこのラチェット歯151の歯丈寸法Hを超えて引き離すようになっている。
(プランジャ制止機構Yの具体的な設置形態について)
本実施例のラチェット式テンショナ100に設けたハウジング本体110からプランジャ120の突出を工具ピンTで一時制止するプランジャ制止機構Yの具体的な設置形態を、図9乃至図11に基づいて更に詳しく説明する。
まず、前述したプランジャ制止機構Yは、ハウジング本体110に形成したプランジャ制止用ピン挿入穴115とプランジャ120のプランジャ突出端領域にプランジャ制止用ピン係止溝123とで構成されている。
これにより、図9乃至図10に示すように、プランジャ120をハウジング本体110のプランジャ収容穴112に押し込んだ状態で、工具ピンTのピン先端部T1が、図11に示すように、プランジャ制止用ピン挿入穴115からプランジャ120のプランジャ突出端領域に向けて挿入されてプランジャ制止用ピン係止溝123に係合して、ハウジング本体110からプランジャ120の突出を一時制止することが可能になっている。
さらに、ハウジング本体110には、図9乃至図11に示すように、工具ピンTのピン先端部T1をラチェット解除用ピン誘導穴114からプランジャ制止用ピン挿入穴115へ摺接状態で誘導する工具ピン用ガイド溝116が形成されている。
これにより、プランジャ120のラック歯122に対するラチェット150のラチェット歯151の噛み合いを解除してプランジャ120を後退させた状態でハウジング本体110からプランジャ120の突出を工具ピンTで一時制止する際に、図9に示すように、ラチェット解除用ピン誘導穴114から引き抜かれた工具ピンTのピン先端部T1が、図10に示すように、ラチェット解除用ピン誘導穴114とプランジャ制止用ピン挿入穴115とに連設された工具ピン用ガイド溝116を作業員の触感により辿りながらプランジャ制止用ピン挿入穴115へ摺接状態で誘導されるようになっている。
しかも、前述した工具ピン用ガイド溝116は、図9乃至図11に示すように、ラチェット解除ピン誘導穴114からプランジャ制止用ピン挿入穴115に向けて縮幅状態で形成されている。
これにより、プランジャ120のラック歯122に対するラチェット150のラチェット歯151の噛み合いを解除してプランジャ120を後退させた状態で本体110からプランジャ120の突出を工具ピンTで一時制止する際に、ラチェット解除用ピン誘導穴114から引き抜かれた工具ピンTのピン先端部T1が位置ズレを生じていても、工具ピンTのピン先端部T1がラチェット解除用ピン誘導穴114とプランジャ制止用ピン挿入穴115とに連設された工具ピン用ガイド溝116を辿りながらプランジャ制止用ピン挿入穴115へ徐々に位置決めしつつ誘導されるようになっている。
(プランジャとラチェットとの噛み外れ動作について)
本実施例のラチェット式テンショナ100におけるプランジャ120のラック歯122とラチェット150のラチェット歯151とラチェット付勢用ばね160との相互関係について、図3および図12乃至図14に基づいて更に詳しく説明する。
まず、図12で示すように、エンジン始動時およびエンジン始動後の通常運転時においてプランジャ120が突出する際、常に、f1>Fsとなり、プランジャ120は、ラチェット150を押し戻しながら前進する。
ここで、本実施例で用いたラチェット付勢用ばね160の付勢力Fsは、図13で示すようなエンジン始動時に走行チェーン側からプランジャ120を後退させる反力F1で発生するラチェット150の摺動方向の分力f1より大きく設定されているとともに、図14で示すようなエンジン始動後のチェーン張力過多時に走行チェーン側からプランジャ120を後退させる反力F2で発生するラチェット150の摺動方向の分力f2より小さく設定されている。
これにより、図12に示すようなエンジン始動時のプランジャ突出動作中は、常に、f1>Fsとなり、プランジャ120は、レバー(図示せず)に追従して前進する。そして、図13に示すようなエンジン始動時に走行チェーン側からプランジャ120を後退させる反力F1が発生すると、前述したラチェット150の摺動方向の分力f1よりも大きいラチェット付勢用ばね160の付勢力Fsがラチェット150のラチェット歯151に作用してプランジャ120のラック歯122と噛み合って、バックラッシュが生じたプランジャ120の後退方向の動きを規制して後退変位を阻止する。
さらに、図14に示すようなエンジン始動後のチェーン張力過多時に走行チェーン側からプランジャ120を後退させる反力F2が発生すると、前述したラチェット150の摺動方向の分力f2がラチェット付勢用ばね160の付勢力Fsよりも大きくなり、図15に示すようにラチェット150のラチェット歯151とプランジャ120のラック歯122とが噛み外れ、ラチェット付勢用ばね160の付勢力Fsがラチェットの摺動方向の分力f2よりも相対的に大きくなるまでプランジャ120をラック歯122の1歯分もしくは数歯分だけ後退させるため、エンジン始動後のチェーン張力過多によってバックラッシュが生じたプランジャ120の後退方向の動きを規制せず図16に示すような後退変位を許容するようになっている。
したがって、プランジャ付勢用ばね130の付勢力は、ラチェット付勢用ばね160の付勢力Fsよりも大きいが、プランジャ120を突出付勢させる付勢力であれば良く、このような範囲でラチェット付勢用ばね160の付勢力Fsを調整することによってエンジン始動後のチェーン張力過多による噛み外れのタイミングを調整することも可能である。
さらに、詳細に説明すると、本実施例のラチェット式テンショナ100は、図3に示すように、プランジャ120のラック歯122がラチェット150の摺動方向に対してプランジャ前進側に傾斜するストップ面122aとラチェット150の摺動方向に対してプランジャ後退側に傾斜する摺動面122bとで凹凸状に形成されているとともに、ラチェット150のラチェット歯151がラチェット150の摺動方向に対してプランジャ前進側に傾斜するストップ対向面151aとラチェット150の摺動方向に対してプランジャ後退側に傾斜する摺動対向面151bとで凹凸状に形成されている。
これにより、図14に示すように、エンジン始動後のチェーン張力過多時に走行チェーン側からプランジャ120を後退させる反力F2が発生すると、この反力F2がプランジャ側のストップ面122aを介してラチェット150のストップ対向面151aに分力fhとして作用し、このラチェット150のストップ対向面151aに作用した分力fhがラチェット150の摺動方向の更に小さな分力f2としてラチェット150のラチェット歯151をプランジャ120のラック歯122と噛み外れるように作用し、図15乃至図16に示すように、プランジャ120のラック歯122がラチェット150のストップ対向面151aを経て摺動対向面151bを滑動して1歯分もしくは数歯分戻すようになっている。
そして、前述したプランジャ120に形成されたストップ面122aの傾斜角θは、摺動対向面122bの傾斜角αより小さく設定されている。
これにより、エンジン始動時に走行チェーン側からプランジャ120を後退させる反力F1が発生してもプランジャ120のラック歯122とラチェット150のラチェット歯151との噛み外れを阻止するようになっている。
したがって、前述したように、エンジンの温度変化などでプランジャ120が過剰に前進して、バックストップによる過荷重が発生しても、図15に示すようなエンジン始動後のチェーン張力過多時に走行チェーン側からプランジャ120を後退させる反力F2で発生するラチェット150の摺動方向の分力f2とラチェット付勢用ばね160の付勢力Fsと大小関係は、
f2=F2×cosθ×sinθ×μ
f2>Fs
となる。
なお、ここで言うμとは、プランジャ120のラック歯122とラチェット150のラチェット歯151との間の摩擦係数である。
また、前述したエンジン始動時にバックラッシュが生じたプランジャ120の後退方向の動きを規制して後退変位を阻止する際に、図13に示すようなエンジン始動時に走行チェーン側からプランジャ120を後退させる反力F1で発生するラチェット150の摺動方向の分力f1とラチェット付勢用ばね160の付勢力Fsと大小関係は、
f1=F1×cosθ×sinθ×μ
f1<Fs
となる。
なお、ここで言うμとは、プランジャ120のラック歯122とラチェット150のラチェット歯151との間の摩擦係数である。
つぎに、本実施例のラチェット式テンショナ100が最も特徴とするエンジン始動後のチェーン張力過多時におけるプランジャ120のラック歯122とラチェット150のラチェット歯151との噛み外れ動作について、図14乃至図16に基づいて、以下に説明する。
なお、図14乃至図16のプランジャ先端側に示す仮想線は、エンジン始動後にチェーン張力過多が発生した時、すなわち、図14に示す状態のプランジャ120の先端位置を示している。また、図15乃至図16のラチェット近傍側に示す仮想線は、エンジン始動後にチェーン張力過多が発生した時、すなわち、図14に示す状態のラチェット150の位置を示している。
まず、エンジン始動後のチェーン張力過多時に走行チェーン側からプランジャ120を後退させる反力F2が発生すると、図14に示すように、この反力F2がプランジャ120側のストップ面122aを介してラチェット150のストップ対向面151aに分力fhとして作用し、このラチェット150のストップ対向面151aに作用した分力fhがラチェット150の摺動方向の更に小さな分力f2として作用する。
そして、前述したラチェット150の摺動方向の分力f2が作用すると、図15に示すように、プランジャ側のストップ面122aがラチェット150側のストップ対向面151aを滑動しながらプランジャ120が後退し始めて、プランジャ120のラック歯122がラチェット150のラチェット歯151と外れていく。
次いで、プランジャ120のラック歯122がラチェット150のラチェット歯151と外れると同時に、プランジャ側の摺動面122bがラチェット150側の摺動対向面151bを滑動し始めながらプランジャ120が後退し続けていく。
さらに、プランジャ側の摺動面122bがラチェット側の摺動対向面151bを滑動し始めながらプランジャ120が後退し続けると、図16に示すように、プランジャ120側の後続する新たなストップ面122aがラチェット150側のストップ対向面151aに当接して後退変位を許容し、プランジャ120がラック歯122の1歯分もしくは数歯分を戻すことにより、エンジンの温度変化などで発生するプランジャ120の過剰な飛び出しによる過荷重を解除するようになっている。
このようにして得られた本発明の第1実施例のラチェット式テンショナ100は、エンジンブロック壁E1内のタイミングチェーンCにプランジャ120から緊張力を与えることができるばかりでなく、プランジャ120に対するラチェット150の噛み合いを工具ピンTで解除するラチェット解除機構Xが、ハウジング本体110の外表面からラチェット150のラチェット解除用ピン係合穴155に向けてロート状に縮径するようにハウジング本体110に形成して工具ピンTのピン先端部T1をラチェット150のプランジャ側先端領域に向けて刺し入れるラチェット解除用ピン誘導穴114と前記ラチェット150の外周面からラチェット150の摺動方向に沿ったラチェット中心軸Oに向けてロート状に縮径するようにラチェット150のプランジャ側先端領域に形成してラチェット解除用ピン誘導穴114から刺し入れた工具ピンTのピン先端部T1を誘導して係合させるラチェット解除用ピン係合穴155とで構成されているとともに、ラチェット150のラチェット解除用ピン係合穴155が、プランジャ120のラック歯122とラチェット150のラチェット歯151とを噛み合わせた状態でハウジング本体110のラチェット解除用ピン誘導穴114よりラチェット歯151の歯丈寸法Hを超えたラチェット150のプランジャ側先端領域に離間して設けられていることにより、タイミングチェーンCを弛緩させてラチェット式テンショナ、タイミングチェーンCの位置決め作業、部品交換作業などの保守メンテナンスを行う際に、図17、あるいは、図18に示すようなエンジンブロック壁E1を覆うエンジンカバーE2に設けられたメンテナンス用開閉蓋E3が開閉自在なメンテナンスホールE4付近の狭い空間内であっても、工具ピンTのピン先端部T1をラチェット解除用ピン誘導穴114からラチェット解除用ピン係合穴155に確実に係合させてプランジャ120のラック歯122に対するラチェット150のラチェット歯151の噛み合いを確実かつ簡便に解除することができる。
そして、ハウジング本体110からプランジャ120の突出を工具ピンTで一時制止するプランジャ制止機構Yが、ハウジング本体110に形成して工具ピンTのピン先端部T1をプランジャ120のプランジャ突出端領域に向けて挿入するプランジャ制止用ピン挿入穴115と前記プランジャ120のプランジャ突出端領域に形成してプランジャ制止用ピン挿入穴115から挿入された工具ピンTを係止させるプランジャ制止用ピン係止溝123とで構成されていることにより、テンショナ装着やエンジンメンテナンス時におけるラチェット式テンショナ、タイミングチェーンCの位置決め、部品交換などの保守メンテナンスの作業負担を大幅に軽減することができる。
しかも、工具ピンTのピン先端部T1をラチェット解除用ピン誘導穴114からプランジャ制止用ピン挿入穴115へ摺接状態で誘導する工具ピン用ガイド溝116が、ラチェット解除用ピン誘導穴114からプランジャ制止用ピン挿入穴115に向けて縮幅状態でハウジング本体110に形成されていることにより、タイミングチェーンCを弛緩させてラチェット式テンショナ、タイミングチェーンCの位置決め作業、部品交換作業などの保守メンテナンスを行う際に、図17、あるいは、図18に示すようなエンジンブロック壁E1を覆うエンジンカバーE2に設けられたメンテナンス用開閉蓋E3が開閉自在なメンテナンスホールE4付近の不可視的な空間内であっても、工具ピンTのピン先端部T1をラチェット解除用ピン誘導穴114からプランジャ制止用ピン挿入穴115に簡便かつ確実に挿入させることができるなど、その効果は甚大である。
100 ・・・ ラチェット式テンショナ
110 ・・・ ハウジング本体
111 ・・・ 油供給路
112 ・・・ プランジャ収容穴
113 ・・・ ラチェット収容穴
113a・・・ ハウジング側凹溝
114 ・・・ ラチェット解除用ピン誘導穴
115 ・・・ プランジャ制止用ピン挿入穴
116 ・・・ 工具ピン用ガイド溝
120 ・・・ プランジャ
121 ・・・ 中空部
122 ・・・ ラック歯
122a・・・ ストップ面
122b・・・ 摺動面
123 ・・・ プランジャ制止用ピン係止溝
130 ・・・ プランジャ付勢用ばね
140 ・・・ 逆止弁ユニット
141 ・・・ ボールシート
141a・・・ 油路
141b・・・ 弁座
142 ・・・ チェックボール
143 ・・・ ボール付勢用ばね
144 ・・・ 鐘状リテーナ
150 ・・・ ラチェット
151 ・・・ ラチェット歯
151a・・・ ストップ対向面
151b・・・ 摺動対向面
153 ・・・ ばね収容穴
155 ・・・ ラチェット解除用ピン係合穴
160 ・・・ ラチェット付勢用ばね
170 ・・・ ばね係止用プラグ
171 ・・・ 突出舌片
S1 ・・・ 駆動側スプロケット
S2 ・・・ 被駆動側スプロケット
C ・・・ タイミングチェーン
E1 ・・・ エンジンブロック壁
E2 ・・・ エンジンカバー
E3 ・・・ メンテナンス用開閉蓋
E4 ・・・ メンテナンスホール
L ・・・ 可動レバー
G ・・・ 固定ガイド
R ・・・ 高圧油室
D ・・・ ラチェット外径寸法
W ・・・ ラチェット全長寸法
O ・・・ ラチェット中心軸
H ・・・ ラチェット歯の歯丈寸法
X ・・・ ラチェット解除機構
Y ・・・ プランジャ制止機構
Fs ・・・ ラチェット付勢用ばねの付勢力
F1 ・・・ エンジン始動時にプランジャを後退させる反力
F2 ・・・ エンジン始動後のチェーン張力過多時にプランジャを後退させる反力
f1 ・・・ 反力F1で発生するラチェットの摺動方向の分力
f2 ・・・ 反力F2で発生するラチェットの摺動方向の分力
fh ・・・ 反力F2でプランジャのストップ面に作用する分力
θ ・・・ プランジャに形成されたストップ面の傾斜角
α ・・・ プランジャに形成された摺動面の傾斜角
T ・・・ 工具ピン
T1 ・・・ ピン先端部
500 ・・・ 従来のラチェット式テンショナ
512 ・・・ ハウジング
514 ・・・ プランジャ
516 ・・・ 油室
518 ・・・ スプリング
520 ・・・ 副油室
524 ・・・ ロッド
526 ・・・ ピストン
528 ・・・ 大気室
530 ・・・ キャップ
532 ・・・ 大気連通孔
534 ・・・ 第2スプリング
536 ・・・ 噛合歯
538 ・・・ ラック
544 ・・・ 油路
548 ・・・ 油路
550 ・・・ 油溜り

Claims (11)

  1. 外部圧油の油供給路を形成したハウジング本体と該ハウジング本体のプランジャ収容穴から走行チェーンに向けて摺動自在に突出するプランジャと前記ハウジング本体のプランジャ収容穴とプランジャの中空部との間に形成される高圧油室に収納されてプランジャの突出方向に付勢するプランジャ付勢用ばねと前記ハウジング本体のラチェット収容穴に嵌挿されてプランジャの進退方向と直交する方向に摺動する円柱状のラチェットと該ラチェットのプランジャ側先端領域に設けたラチェット歯をプランジャ側面のラック歯に向けて付勢するラチェット付勢用ばねと前記ラチェット収容穴の後端近傍に嵌め込まれてラチェット付勢用ばねを着座させるばね係止用プラグとを備えたラチェット式テンショナにおいて、
    前記プランジャのラック歯に対するラチェットのラチェット歯の噛み合いを工具ピンで解除するラチェット解除機構が、前記ハウジング本体に形成して工具ピンのピン先端部をラチェットのプランジャ側先端領域に向けて刺し入れるラチェット解除用ピン誘導穴と前記ラチェットのプランジャ側先端領域に形成してラチェット解除用ピン誘導穴から刺し入れた工具ピンのピン先端部を誘導して係合させるラチェット解除用ピン係合穴とで構成されていることを特徴とするラチェット式テンショナ。
  2. 前記ハウジング本体のラチェット解除用ピン誘導穴が、前記ハウジング本体の外表面からラチェットのラチェット解除用ピン係合穴に向けてロート状に縮径するように形成されているとともに、
    前記ラチェットのラチェット解除用ピン係合穴が、前記ラチェットの外周面からラチェットの摺動方向に沿ったラチェット中心軸に向けてロート状に縮径するように形成されていることを特徴とする請求項1記載のラチェット式テンショナ。
  3. 前記ラチェットのラチェット解除用ピン係合穴が、
    前記プランジャのラック歯とラチェットのラチェットとを噛み合わせた状態で前記ハウジング本体のラチェット解除用ピン誘導穴よりラチェット歯の歯丈寸法を超えたラチェットのプランジャ側先端領域に離間して設けられていることを特徴とする請求項1または請求項2記載のラチェット式テンショナ。
  4. 前記ハウジング本体からプランジャの突出を工具ピンで一時制止するプランジャ制止機構が、前記ハウジング本体に形成して工具ピンのピン先端部をプランジャのプランジャ突出端領域に向けて挿入するプランジャ制止用ピン挿入穴と前記プランジャのプランジャ突出端領域に形成してプランジャ制止用ピン挿入穴から挿入された工具ピンを係止させるプランジャ制止用ピン係止溝とで構成されていることを特徴とする請求項1乃至請求3のいずれか一つに記載のラチェット式テンショナ。
  5. 前記工具ピンのピン先端部をラチェット解除用ピン誘導穴からプランジャ制止用ピン挿入穴へ摺接状態で誘導する工具ピン用ガイド溝が、前記ハウジング本体に形成されていることを特徴とする請求項4記載のラチェット式テンショナ。
  6. 前記工具ピン用ガイド溝が、前記ラチェット解除用ピン誘導穴からプランジャ制止用ピン挿入穴に向けて縮幅状態で形成されていることを特徴とする請求項5記載のラチェット式テンショナ。
  7. 前記ラチェット付勢用ばねの付勢力が、エンジン始動時に走行チェーン側からプランジャを後退させる反力で発生するラチェットの摺動方向の分力より大きく設定されているとともにエンジン始動後のチェーン張力過多時に走行チェーン側からプランジャを後退させる反力で発生するラチェットの摺動方向の分力より小さく設定されていることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか一つに記載のラチェット式テンショナ。
  8. 前記プランジャのラック歯が、前記ラチェットの摺動方向に対してプランジャ前進側に傾斜するストップ面と前記ラチェットの摺動方向に対してプランジャ後退側に傾斜する摺動面とで凹凸状に形成されているとともに、
    前記ラチェットのラチェット歯が、前記ラチェットの摺動方向に対してプランジャ前進側に傾斜するストップ対向面と前記ラチェットの摺動方向に対してプランジャ後退側に傾斜する摺動対向面とで凹凸状に形成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれか一つに記載のラチェット式テンショナ。
  9. 前記ストップ面の傾斜角が、前記摺動面の傾斜角より小さく形成されていることを特徴とする請求項8記載のラチェット式テンショナ。
  10. 前記ラチェットが、ラチェット外径寸法より大きなラチェット全長寸法を備えていることを特徴とする請求項1乃至請求項9のいずれか一つに記載のラチェット式テンショナ。
  11. 前記ラチェット付勢用ばねが、前記ラチェットのばね収容穴内で摺動方向に沿って挿着されていることを特徴とする請求項1乃至請求項10のいずれか一つに記載のラチェット式テンショナ。
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