JP5393000B2 - 軌道推定装置および軌道推定方法 - Google Patents
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Description
従来方式における推定精度は、リファレンス局数、リファレンス局の配置、観測時間等の条件に依存する。例えば、リファレンス局数が多い程、リファレンス局が互いに離れている程、また、観測時間が長い程、高い精度を得ることができる。従って、これらのような条件を満たさない場合には、推定精度が必ずしも十分でない問題があった。
本発明の軌道推定装置は、到来時間差とドップラー周波数差情報により衛星の軌道を推定する際に、地球監視局による衛星の角度観測情報を併用することを技術的特徴とするものである。
図1は、本発明の実施の形態1における軌道推定方法の概念図である。図1に示すように、衛星の監視を行う地球監視局のアンテナは、衛星からの電波を受信すべく、アンテナ面を衛星方向へ向ける必要がある。このため、常時、アンテナから見た衛星の方角を観測している。そこで、この角度観測値を、従来のTDOAおよびFDOAによる軌道推定方法に併用する方法について説明する。
本実施の形態2では、TDOA/FDOA観測値による軌道推定方式により得られた推定結果が、局所解か最適解かを、推定結果から判定する方法について説明する。
ここでは、角度情報を用いた判定方法を説明する。図4は、本実施の形態2における局所解と最適解の判別方法の概念図である。まず、軌道推定結果に基づいて地上局からの衛星の見かけの角度を計算する。そして、この計算結果が仰角および方位角の観測値と大きく異なる場合には、局所解と見なす事ができる。例えば、下式(22)、(23)の判定式を適用することが考えられる。
ここでは、緯度、経度情報を用いた判定方法を説明する。静止衛星は、衛星運用会社により軌道管理されており、そのおおまかな緯度、経度は、一般公開されている。このため、推定結果から各衛星の経度および緯度を計算し、その値が、衛星運用会社による公表値などから著しく逸脱している場合には、正しい解と言えないため、局所解と見なすことができる。例えば、下式(28)、(29)の判別式が考えられる。
ここでは、衛星の3次元位置および速度情報を用いた判定方法を説明する。静止衛星は、みかけの3次元位置の動きが小さく、速度も最大数m/sと小さい。従って、このような値を著しく超える運動幅や速度をもつ軌道は、静止衛星ではないため、局所解と見なすことができる。
Claims (14)
- 複数の移動体を介して得られる同一電波の到来時間差およびドップラー周波数差を第1の情報として入力し、軌道決定パラメータおよび前記第1の情報を含む評価関数を最小化するように収束演算を行い、前記軌道決定パラメータの解を推定する収束演算部と、
前記収束演算部で収束演算されることにより推定された前記軌道決定パラメータの解が、所定の収束条件判定式を満たす場合には、前記軌道決定パラメータの解を最適解と判定する収束判定部と
を備えた軌道推定装置において、
前記収束演算部は、前記複数の移動体の角度観測情報を第2の情報としてさらに入力し、前記軌道決定パラメータおよび前記第1の情報に加え前記第2の情報も加味した評価関数を最小化するように収束演算を行い、前記軌道決定パラメータの解を推定する
ことを特徴とする軌道推定装置。 - 請求項1に記載の軌道推定装置において、
前記収束演算部は、前記第2の情報も加味した前記評価関数として、前記第1の情報に関する重みをα(ただし、αは、0≦α≦1の実数)とし、前記第2の情報に関する重みを(1−α)とし、αを所定値として設定することにより規定される関数を適用することを特徴とする軌道推定装置。 - 請求項1または2に記載の軌道推定装置において、
前記収束演算部は、複数の移動体として複数の衛星を介して得られる同一電波の到来時間差およびドップラー周波数差を含む第1の情報と、前記複数の衛星の角度観測情報を含む第2の情報とを入力として取り込み、前記複数の衛星の軌道決定パラメータの解を推定することを特徴とする軌道推定装置。 - 請求項3に記載の軌道推定装置において、
前記収束判定部は、前記収束演算部で収束演算されることにより推定された前記軌道決定パラメータの解に基づいて、前記複数の衛星の見かけ角度を算出し、算出した前記見かけ角度と前記第2の情報に含まれる前記複数の衛星の角度観測情報との差分が所定許容角度差以下の場合には、前記軌道決定パラメータの解を最適解と判定することを特徴とする軌道推定装置。 - 請求項3に記載の軌道推定装置において、
前記収束判定部は、所定期間にわたって前記収束演算部で収束演算されることにより推定された前記軌道決定パラメータの解の遷移に基づいて、前記複数の衛星の見かけ角度の遷移を算出し、前記所定期間にわたって算出した前記見かけ角度の遷移が所定の許容角度運動幅以内の場合には、最終的に推定たれた軌道決定パラメータの解を最適解と判定することを特徴とする軌道推定装置。 - 請求項3に記載の軌道推定装置において、
前記収束判定部は、前記収束演算部で収束演算されることにより推定された前記軌道決定パラメータの解に基づいて、前記複数の衛星の見かけ角度を算出し、さらに、前回算出した見かけ角度と今回算出した見かけ角度との差から角速度を算出し、算出した前記角速度が所定の許容角速度以内の場合には、今回推定した軌道決定パラメータの解を最適解と判定することを特徴とする軌道推定装置。 - 請求項3に記載の軌道推定装置において、
前記収束判定部は、前記収束演算部で収束演算されることにより推定された前記軌道決定パラメータの解に基づいて、前記複数の衛星の経度および緯度を算出し、前記経度および緯度の算出値と前記複数の衛星の経度および緯度の公表値との差分が所定許容差以下の場合には、前記軌道決定パラメータの解を最適解と判定することを特徴とする軌道推定装置。 - 請求項3に記載の軌道推定装置において、
前記収束判定部は、所定期間にわたって前記収束演算部で収束演算されることにより推定された前記軌道決定パラメータの解の遷移に基づいて、前記複数の衛星の経度および緯度の遷移を算出し、前記所定期間にわたって算出した前記経度および緯度の算出値の遷移が所定の許容幅以内の場合には、最終的に推定たれた軌道決定パラメータの解を最適解と判定することを特徴とする軌道推定装置。 - 請求項3に記載の軌道推定装置において、
前記収束判定部は、前記収束演算部で収束演算されることにより推定された前記軌道決定パラメータの解に基づいて、前記複数の衛星の経度および緯度を算出し、さらに、前回算出した経度および緯度の値と今回算出した経度および緯度の値との差から角速度を算出し、算出した前記角速度が所定の許容角速度以内の場合には、今回推定した軌道決定パラメータの解を最適解と判定することを特徴とする軌道推定装置。 - 請求項3に記載の軌道推定装置において、
前記収束判定部は、所定期間にわたって前記収束演算部で収束演算されることにより推定された前記軌道決定パラメータの解の遷移に基づいて、前記複数の衛星の3次元位置の遷移を算出し、前記所定期間にわたって算出した前記3次元位置の遷移が所定の許容幅以内の場合には、最終的に推定たれた軌道決定パラメータの解を最適解と判定することを特徴とする軌道推定装置。 - 請求項3に記載の軌道推定装置において、
前記収束判定部は、前記収束演算部で収束演算されることにより推定された前記軌道決定パラメータの解に基づいて、前記複数の衛星の3次元位置を算出し、さらに、前回算出した3次元位置の値と今回算出した3次元位置の値との差から角速度を算出し、算出した前記角速度が所定の許容角速度以内の場合には、今回推定した軌道決定パラメータの解を最適解と判定することを特徴とする軌道推定装置。 - 複数の移動体を介して得られる同一電波の到来時間差およびドップラー周波数差を第1の情報として入力し、軌道決定パラメータおよび前記第1の情報を含む評価関数を最小化するように収束演算を行い、前記軌道決定パラメータの解を推定する収束演算ステップと、
前記収束演算ステップで収束演算されることにより推定された前記軌道決定パラメータの解が、所定の収束条件判定式を満たす場合には、前記軌道決定パラメータの解を最適解と判定する収束判定ステップと
を備えた軌道推定方法において、
前記収束演算ステップは、前記複数の移動体の角度観測情報を第2の情報としてさらに入力し、前記軌道決定パラメータおよび前記第1の情報に加え前記第2の情報も加味した評価関数を最小化するように収束演算を行い、前記軌道決定パラメータの解を推定する
ことを特徴とする軌道推定方法。 - 請求項12に記載の軌道推定方法において、
前記収束演算ステップは、前記第2の情報も加味した前記評価関数として、前記第1の情報に関する重みをα(ただし、αは、0≦α≦1の実数)とし、前記第2の情報に関する重みを(1−α)とし、αを所定値として設定することにより規定される関数を適用することを特徴とする軌道推定方法。 - 請求項12または13に記載の軌道推定方法において、
前記収束演算ステップは、複数の移動体として複数の衛星を介して得られる同一電波の到来時間差およびドップラー周波数差を含む第1の情報と、前記複数の衛星の角度観測情報を含む第2の情報とを入力として取り込み、前記複数の衛星の軌道決定パラメータの解を推定することを特徴とする軌道推定方法。
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