JP6009131B1 - 速度推定装置 - Google Patents

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Abstract

対応する衛星(2a,2b)を介して、移動体(3)から送信された信号及びリファレンス局(4)から送信された信号を受信する受信アンテナ(11a,11b)と、対応する受信アンテナ(11a,11b)により受信された移動体(3)からの信号の周波数及びリファレンス局(4)からの信号の周波数を計測する周波数計測部(161a,161b)と、対応する周波数計測部(161a,161b)により計測された周波数から、移動体(3)から対応する衛星(2a,2b)へのアップリンクでのドップラ周波数を計算するドップラ周波数計算部(162a,162b)と、ドップラ周波数計算部(162a,162b)により計算されたドップラ周波数から、移動体(3)の速度を計算する速度計算部(163)とを備えた。

Description

この発明は、移動体の速度を推定する速度推定装置に関するものである。
従来から、2つの衛星を介して得られる信号間の到来時間差(TDOA:Time Difference Of Arrival)及びドップラ周波数差(FDOA:Frequency Difference Of Arrival)を用いて、移動体(電波源)の位置及び速度を推定する方式が提案されている(例えば特許文献1参照)。この方式では、TDOA及びFDOAを複数回観測し、それらの値から移動体の地表面における位置及び速度を推定する。また、この方式では、移動体は等速直線運動をするという仮定を置いている。
特開2010−60303号公報
ここで、従来構成では2回以上の観測が必要であり、この場合、各観測値が同一移動体からのものであるかを判定する手段が必要となる。しかしながら、未知の移動体に対する上記判定は非常に難しいという課題がある。そして、この判定を間違うと、異なる移動体からの観測値を同一の移動体のものとして処理することとなり、誤った位置及び速度を推定してしまうことになる。
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、1回の観測で、移動体の速度を正確に推定することが可能な速度推定装置を提供することを目的としている。
この発明に係る速度推定装置は、位置及び速度が既知の2つの静止衛星毎に設けられ、対応する静止衛星を介して、送信周波数及び位置が既知の移動体から送信された信号、及び、送信周波数及び位置が既知の静止した参照局から送信された信号を、受信する受信アンテナと、受信アンテナ毎に設けられ、対応する受信アンテナにより受信された移動体からの信号の周波数及び参照局からの信号の周波数を計測する周波数計測部と、周波数計測部毎に設けられ、対応する周波数計測部により計測された周波数から、移動体から対応する静止衛星へのアップリンクでのドップラ周波数を計算するドップラ周波数計算部と、2つのドップラ周波数計算部により計算されたドップラ周波数から、移動体の速度を計算する速度計算部とを備え、2つのドップラ周波数計算部は、対応する周波数計測部により計測された移動体から送信された信号に対応する信号の周波数から、当該周波数計測部により計測された参照局から送信された信号に対応する信号の周波数を減算した値を用いて、静止衛星毎にドップラ周波数を計算するものである。
この発明によれば、上記のように構成したので、1回の観測で、移動体の速度を正確に推定することが可能である。
この発明の実施の形態1に係る速度推定装置のハードウェア構成例を示す図である。 この発明の実施の形態1における速度計算プロセッサの機能構成例を示す図である。 この発明の実施の形態1に係る速度推定装置の動作例を示すフローチャートである。 この発明の実施の形態1に係る速度推定装置における、衛星と地球の座標系の定義を示す図である。 この発明の実施の形態1に係る速度推定装置における、2つの衛星を介した移動体及びリファレンス局からの信号受信を示す図である。 この発明の実施の形態1に係る速度推定装置における、地表面上での速度平面と方向の定義を示す図である。 この発明の実施の形態1に係る速度推定装置における、等ドップラ周波数fup1曲線及び等ドップラ周波数fup2曲線を示す図である。 この発明の実施の形態4における速度計算プロセッサの機能構成例を示す図である。 この発明の実施の形態4に係る速度推定装置における、等ドップラ周波数fup1,fup2の比曲線を示す図である。 この発明の実施の形態4における移動方向推定部の動作例を示すフローチャートである。 この発明の実施の形態5における速度計算プロセッサの機能構成例を示す図である。 この発明の実施の形態5に係る速度推定装置における、等ドップラ周波数fup1,fup2の比曲線の逆正接関数を示す図である。
以下、この発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1に係る速度推定装置1のハードウェア構成例を示す図である。
速度推定装置1は、図1に示すように、受信アンテナ11a,11b、バンドパスフィルタ12a,12b、局部発振器13、ダウンコンバータ14a,14b、A/Dコンバータ15a,15b、速度計算プロセッサ16、表示器17及びメモリ18を備えている。
受信アンテナ11aは、静止衛星(以下、衛星と称す)2aを介して、移動体3から送信された信号及びリファレンス局(参照局)4から送信された信号を受信するものである。なお、衛星2aは、3次元位置ベクトル(以下、位置と称す)及び3次元速度ベクトル(以下、速度と称す)が既知である。また、移動体3は、送信周波数及び3次元位置ベクトル(以下、位置と称す)が既知である。また、リファレンス局4は、送信周波数及び3次元位置ベクトル(以下、位置と称す)が既知であり、静止している。なお実施の形態1では、移動体3の送信周波数とリファレンス局4の送信周波数は近似しているものとする。また、受信アンテナ11aの3次元位置ベクトル(以下、位置と称す)も既知である。なお、これらの情報は例えばメモリ18に記憶されている。この受信アンテナ11aにより受信された信号は、バンドパスフィルタ12aに送られる。
受信アンテナ11bは、静止衛星(以下、衛星と称す)2bを介して、移動体3から送信された信号及びリファレンス局4から送信された信号を受信するものである。なお、衛星2bは、3次元位置ベクトル(以下、位置と称す)及び3次元速度ベクトル(以下、速度と称す)が既知である。また、受信アンテナ11bの3次元位置ベクトル(以下、位置と称す)も既知である。なお、これらの情報は例えばメモリ18に記憶されている。この受信アンテナ11bにより受信された信号は、バンドパスフィルタ12bに送られる。
バンドパスフィルタ12aは、受信アンテナ11aにより受信された信号に対してフィルタ処理を行うことで、所望の周波数チャンネルに存在する信号を通過させて、他を排除するものである。このバンドパスフィルタ12aを通過した信号は、ダウンコンバータ14aに送られる。
バンドパスフィルタ12bは、受信アンテナ11bにより受信された信号に対してフィルタ処理を行うことで、所望の周波数チャンネルに存在する信号を通過させて、他を排除するものである。このバンドパスフィルタ12bを通過した信号は、ダウンコンバータ14bに送られる。
局部発振器13は、周波数信号を発生するものである。この局部発振器13により発生された周波数信号はダウンコンバータ14a及びダウンコンバータ14bに送られる。
ダウンコンバータ14aは、局部発振器13により発生された周波数信号を用いて、バンドパスフィルタ12aを通過した信号の周波数を低く変換するものである。このダウンコンバータ14aにより周波数が変換された信号は、A/Dコンバータ15aに送られる。
ダウンコンバータ14bは、局部発振器13により発生された周波数信号を用いて、バンドパスフィルタ12bを通過した信号の周波数を低く変換するものである。このダウンコンバータ14bにより周波数が変換された信号は、A/Dコンバータ15bに送られる。
A/Dコンバータ15aは、ダウンコンバータ14aにより周波数が変換された信号(アナログ信号)をデジタル信号に変換するものである。このA/Dコンバータ15aによりデジタル信号に変換された信号は、速度計算プロセッサ16に送られる。
A/Dコンバータ15bは、ダウンコンバータ14bにより周波数が変換された信号(アナログ信号)をデジタル信号に変換するものである。このA/Dコンバータ15bによりデジタル信号に変換された信号は、速度計算プロセッサ16に送られる。
なお、バンドパスフィルタ12a,12b、局部発振器13、ダウンコンバータ14a,14b及びA/Dコンバータ15a,15bは、受信アンテナ11a,11bにより受信された信号に対して受信処理を行う受信装置19を構成する。なお、受信装置19の内部構成は、後段の速度計算プロセッサ16で移動体3の速度を計算可能な信号に受信処理するものであればよく、適宜変更可能である。
速度計算プロセッサ16は、A/Dコンバータ15aによりデジタル信号に変換された信号及びA/Dコンバータ15bによりデジタル信号に変換された信号を用いて、移動体3の速度を計算するものである。なお、速度計算プロセッサ16は、メモリ18に記憶されたプログラムを実行することで、上記機能を実現する。この速度計算プロセッサ16は、例えば、単一回路、複合回路、プログラム化したプロセッサ、並列プログラム化したプロセッサ、ASIC、FPGA、又はこれらを組み合わせたものが該当する。この速度計算プロセッサ16により計算された移動体3の速度を示す情報(速度情報)は、表示器17に送られる。
表示器17は、速度計算プロセッサ16からの情報を表示するものである。実施の形態1では、速度計算プロセッサ16により計算された移動体3の速度を示す情報を表示する。なお、表示器17は速度推定装置1に必須の構成ではなく、速度推定装置1の外部に接続された別体の表示器を用いてもよい。
メモリ18は、速度計算プロセッサ16の機能を実現するためのプログラムを格納するものである。このメモリ18としては、例えば、RAM、ROM、フラッシュメモリ、EPROM、EEPROM等の不揮発性又は揮発性の半導体メモリや、磁気ディスク、フレキシブルディスク、光ディスク、コンパクトディスク、ミニディスク、DVD等が該当する。
次に、速度計算プロセッサ16の詳細について、図2を参照しながら説明する。
速度計算プロセッサ16は、図2に示すように、周波数計測部161a,161b、ドップラ周波数計算部162a,162b及び速度計算部163を備えている。
周波数計測部161aは、A/Dコンバータ15aによりデジタル信号に変換された信号を用いて、受信アンテナ11aにより受信された信号の周波数を計測するものである。この際、周波数計測部161aは、例えばA/Dコンバータ15aからの信号をフーリエ変換することで、上記周波数を計測する。この周波数計測部161aにより計測された周波数を示す情報は、ドップラ周波数計算部162aに送られる。
周波数計測部161bは、A/Dコンバータ15bによりデジタル信号に変換された信号を用いて、受信アンテナ11bにより受信された信号の周波数を計測するものである。この際、周波数計測部161bは、例えばA/Dコンバータ15bからの信号をフーリエ変換することで、上記周波数を計測する。この周波数計測部161bにより計測された周波数を示す情報は、ドップラ周波数計算部162bに送られる。
ドップラ周波数計算部162aは、周波数計測部161aにより計測された周波数から、移動体3から衛星2aへのアップリンクでのドップラ周波数を計算するものである。この際、実施の形態1におけるドップラ周波数計算部162aでは、周波数計測部161aにより計測された移動体3から送信された信号に対応する信号の周波数から、周波数計測部161aにより計測されたリファレンス局4から送信された信号に対応する信号の周波数を減算することで、上記ドップラ周波数を計算する。このドップラ周波数計算部162aにより計算されたドップラ周波数を示す情報は、速度計算部163に送られる。
ドップラ周波数計算部162bは、周波数計測部161bにより計測された周波数から、移動体3から衛星2bへのアップリンクでのドップラ周波数を計算するものである。この際、実施の形態1におけるドップラ周波数計算部162bでは、周波数計測部161bにより計測された移動体3から送信された信号に対応する信号の周波数から、周波数計測部161bにより計測されたリファレンス局4から送信された信号に対応する信号の周波数を減算することで、上記ドップラ周波数を計算する。このドップラ周波数計算部162bにより計算されたドップラ周波数を示す情報は、速度計算部163に送られる。
速度計算部163は、ドップラ周波数計算部162aにより計算されたドップラ周波数及びドップラ周波数計算部162bにより計算されたドップラ周波数から、移動体3の速度を計算するものである。この速度計算部163により計算された移動体3の速度を示す情報は、表示器17に送られる。
次に、上記のように構成された速度推定装置1の動作例について、図3〜8を参照しながら説明する。
速度推定装置1の動作例では、図3に示すように、まず、受信アンテナ11aは、衛星2aを介して、移動体3から送信された信号及びリファレンス局4から送信された信号を受信する。同様に、受信アンテナ11bは、衛星2bを介して、移動体3から送信された信号及びリファレンス局4から送信された信号を受信する(ステップST31)。なお、移動体3としては、例えば、衛星2a,2bに干渉波等の不法電波を送信(アップリンク)してくる電波源が挙げられる。
次いで、受信装置19は、受信アンテナ11a,11bにより受信された信号に対して受信処理を行う(ステップST32)。すなわち、受信アンテナ11aにより受信された信号に対して、バンドパスフィルタ12aでフィルタ処理を行い、ダウンコンバータ14aで低周波数に変換し、A/Dコンバータ15aでデジタル信号に変換する。同様に、受信アンテナ11bにより受信された信号に対して、バンドパスフィルタ12bでフィルタ処理を行い、ダウンコンバータ14bで低周波数に変換し、A/Dコンバータ15bでデジタル信号に変換する。
ここで、図4,5に示すように、移動体3は地表面を移動している。そして、実施の形態1では、移動体3から送信された信号を、2つの衛星2a,2bで受信し、速度推定装置1の2つの受信アンテナ11a,11bにダウンリンクする。
なお、衛星2aの位置p及び速度vを示す軌道情報及び衛星2bの位置p及び速度vを示す軌道情報は、衛星2a,2bの運営会社等から入手できるため既知である。また、移動体3の送信周波数f及び位置pも既知である。なお、移動体3の位置pは、例えば、他の衛星からの衛星画像をモニタして不法電波を送信していると疑われる電波源の位置を取得したり、その電波源の周辺まで監視用の航空機や車等を走らせてその位置を取得したりすることで得られる。また、受信アンテナ11aの位置pb1及び受信アンテナ11bの位置pb2も既知である。
そして、移動体3から送信された信号の周波数fは、衛星2aを介して受信アンテナ11aに送られるまでに様々な影響を受ける。具体的には、移動体3から衛星2aへのアップリンクでのドップラ周波数fup1、衛星2aのトランスポンダ内での周波数シフトfs1、衛星2aから受信アンテナ11aへのダウンリンクでのドップラ周波数fdn1等の影響を受ける。そのため、受信アンテナ11aにより受信された信号の周波数fb1は、移動体3の送信周波数fとは異なる周波数となる。
同様に、移動体3から送信された信号の周波数fは、衛星2bを介して受信アンテナ11bに送られるまでに様々な影響を受ける。具体的には、移動体3から衛星2bへのアップリンクでのドップラ周波数fup2、衛星2bのトランスポンダ内での周波数シフトfs2、衛星2bから受信アンテナ11bへのダウンリンクでのドップラ周波数fdn2等の影響を受ける。そのため、受信アンテナ11bにより受信された信号の周波数fb2は、移動体3の送信周波数fとは異なる周波数となる。
また実施の形態1では、図5に示すように、リファレンス局4から送信された信号も2つの衛星2a,2bで受信し、速度推定装置1の2つの受信アンテナ11a,11bにダウンリンクしている。
なお、リファレンス局4は、送信周波数f及び位置pが既知であり、静止している。また実施の形態1では、リファレンス局4の送信周波数fは、移動体3の送信周波数fに近似しているものとする(f≒f)。
そして、リファレンス局4から送信された信号の周波数fは、衛星2aを介して受信アンテナ11aに送られるまでに様々な影響を受ける。具体的には、リファレンス局4から衛星2aへのアップリンクでのドップラ周波数frup1、衛星2aのトランスポンダ内での周波数シフトfs1、衛星2aから受信アンテナ11aへのダウンリンクでのドップラ周波数frdn1(≒fdn1)等の影響を受ける。そのため、受信アンテナ11aにより受信された信号の周波数frb1は、リファレンス局4の送信周波数fとは異なる周波数となる。
同様に、リファレンス局4から送信された信号の周波数fは、衛星2bを介して受信アンテナ11bに送られるまでに様々な影響を受ける。具体的には、リファレンス局4から衛星2bへのアップリンクでのドップラ周波数frup2、衛星2bのトランスポンダ内での周波数シフトfs2、衛星2bから受信アンテナ11bへのダウンリンクでのドップラ周波数frdn2(≒fdn2)等の影響を受ける。そのため、受信アンテナ11bにより受信された信号の周波数frb2は、リファレンス局4の送信周波数fとは異なる周波数となる。
このようにして、受信アンテナ11a,11bにより受信されて受信装置19により受信処理が行われた信号は、速度計算プロセッサ16に送られる。
次いで、速度計算プロセッサ16の周波数計測部161aは、A/Dコンバータ15aによりデジタル信号に変換された信号を用いて、受信アンテナ11aにより受信された信号の周波数fb1,frb1を計測する。同様に、速度計算プロセッサ16の周波数計測部161bは、A/Dコンバータ15bによりデジタル信号に変換された信号を用いて、受信アンテナ11bにより受信された信号の周波数fb2,frb2を計測する(ステップST33)。この際、周波数計測部161aは、例えばA/Dコンバータ15aからの信号をフーリエ変換することで、上記周波数fb1,frb1を計測する。同様に、周波数計測部161bは、例えばA/Dコンバータ15bからの信号をフーリエ変換することで、上記周波数fb2,frb2を計測する。
次いで、ドップラ周波数計算部162aは、周波数計測部161aにより計測された周波数fb1,frb1から、移動体3から衛星2aへのアップリンクでのドップラ周波数fup1を計算する。同様に、ドップラ周波数計算部162bは、周波数計測部161bにより計測された周波数fb2,frb2から、移動体3から衛星2bへのアップリンクでのドップラ周波数fup2を計算する(ステップST34)。この際、実施の形態1におけるドップラ周波数計算部162aでは、周波数計測部161aにより計測された移動体3から送信された信号に対応する信号の周波数fb1から、周波数計測部161aにより計測されたリファレンス局4から送信された信号に対応する信号の周波数frb1を減算することで、上記ドップラ周波数fup1を計算する。同様に、実施の形態1におけるドップラ周波数計算部162bでは、周波数計測部161bにより計測された移動体3から送信された信号に対応する信号の周波数fb2から、周波数計測部161bにより計測されたリファレンス局4から送信された信号に対応する信号の周波数frb2を減算することで、上記ドップラ周波数fup2を計算する。
上述したように、受信アンテナ11a,11bにより受信された信号の周波数fb1,fb2は、周波数シフトfs1,fs2及びドップラ周波数fup1,fup2,fdn1,fdn2等の様々な影響を受けている。これらのうち周波数シフトfs1,fs2は一般的に外部に情報開示されていないため未知であり、計測及び推定を行うことは困難である。そこで、リファレンス局4を用いて、この周波数シフトfs1,fs2をキャンセルする。その結果、受信アンテナ11a,11bにより受信された信号の周波数fb1,fb2,frb1,frb2から、最終的に、アップリンク時のドップラに起因する周波数fup1,fup2だけを抽出することができる。
また、リファレンス局4の利用は、上記の効果だけではなく、衛星2a,2bの軌道情報に誤差が含まれている場合に、その誤差の影響をキャンセルする働きもある。
以下、ドップラ周波数計算部162a,162bによる処理の詳細について説明する。
まず、受信アンテナ11aにより受信された信号の周波数fb1,frb1は、次式(1),(2)で表すことができる。
Figure 0006009131

Figure 0006009131
同様に、受信アンテナ11bにより受信された信号の周波数fb2,frb2は、次式(3),(4)で表すことができる。
Figure 0006009131

Figure 0006009131
また、リファレンス局4から衛星2aへのアップリンクでのドップラ周波数frup1は、衛星2aの軌道情報等から、次式(5)の通り計算できる。
Figure 0006009131
ここで、λはリファレンス局4からのアップリンク時の信号の波長である。
同様に、リファレンス局4から衛星2bへのアップリンクでのドップラ周波数frup2は、衛星2bの軌道情報等から、次式(6)の通り計算できる。
Figure 0006009131
ここで、式(1)のダウンリンク項fs1,fdn1と式(2)のダウンリンク項fs1,frdn1はほぼ同じ値である。また実施の形態1では、移動体3の送信周波数fとリファレンス局4の送信周波数fもほぼ同じ値である。よって、式(1)から式(2)を減算すると、移動体3から衛星2aへのアップリンクでのドップラ周波数fup1は次式(7)となる。
Figure 0006009131
よって、周波数計測部161aにより計測された周波数fb1,frb1と、式(5)より計算したドップラ周波数frup1とを、式(7)に代入することで、ドップラ周波数fup1の計測値を得ることができる。
同様に、式(3)のダウンリンク項fs2,fdn2と式(4)のダウンリンク項fs2,frdn2はほぼ同じ値である。また実施の形態1では、移動体3の送信周波数fとリファレンス局4の送信周波数fもほぼ同じ値である。よって、式(3)から式(4)を減算すると、移動体3から衛星2bへのアップリンクでのドップラ周波数fup2は次式(8)となる。
Figure 0006009131
よって、周波数計測部161aにより計測された周波数fb2,frb2と、式(6)より計算したドップラ周波数frup2とを、式(8)に代入することで、ドップラ周波数fup2の計測値を得ることができる。
一方、移動体3から衛星2aへのアップリンクでのドップラ周波数fup1は、衛星2aの軌道情報等から、次式(9)の通り計算できる。
Figure 0006009131
ここで、λは移動体3からのアップリンク時の信号の波長であり、vは移動体3の未知の3次元速度ベクトル(以下、速度と称す)である。
同様に、移動体3から衛星2bへのアップリンクでのドップラ周波数fup2は、衛星2bの軌道情報等から、次式(10)の通り計算できる。
Figure 0006009131
ここで、衛星2aの位置p及び速度v、衛星2bの位置p及び速度v、移動体3の位置pは、既知である。そこで、式(9)から衛星2aの速度vに係る項を減算したものをドップラ周波数fup1と新たに定義し、同様に、式(10)から衛星2bの速度vに係る項を減算したものをドップラ周波数fup2と新たに定義する。これにより、式(9),(10)を簡略化することができ、次式(11),(12)のような連立方程式を得ることができる。
Figure 0006009131

Figure 0006009131
この式(11),(12)において、未知変数は移動体3の速度vのみである。しかしながら、移動体3の速度は3次元速度ベクトルであるから、このままでは、方程式の数が2つであるのに対して、未知変数が3つであるため、解くことができない。
そこで、移動体3の速度vを未知変数が2つとなるように2次元に落とし込む。具体的には、図6に示すように、移動体3は地表面を次式(13)に示す2次元速度vt,surfで移動するものとする。
Figure 0006009131
この際、移動体3の地表面上の既知の位置を緯度経度で次式(14)のように表記する。
Figure 0006009131
ここでRは地球半径、lonEは経度(東経)、latNは緯度(北緯)である。
この場合、移動体3の速度vと、移動体3の位置pを原点とした平面座標系における2次元速度vt,surfとの変換式は、次式(15)となる。
Figure 0006009131
なお、Dは次式(16)で表される。
Figure 0006009131
よって、式(15)を式(11),(12)に代入すると、次式(17),(18)のように未知変数の数は2つとなる。
Figure 0006009131

Figure 0006009131
なお、移動体3の速度vを2次元に落とし込むに際には、地表面に限らずとも、任意の2次元平面に落とし込めばよい。
このようにして、ドップラ周波数計算部162a,162bにより計算されたドップラ周波数fup1,fup2を示す情報(式(7),(8),(17),(18)を示す情報)は、速度計算部163に送られる。
次いで、速度計算部163は、ドップラ周波数計算部162a,162bにより計算されたドップラ周波数fup1,fup2から、移動体3の速度vを計算する(ステップST35)。この際、速度計算部163は、次式(19)のような一般的な最小二乗法等を用いて、移動体3の速度vを計算する。
Figure 0006009131
なお、fup1,obsは式(7)により得られたドップラ周波数fup1の計測値であり、fup1(vt,surf)は式(17)で示されているドップラ周波数fup1に対応する。同様に、fup2,obsは式(8)により得られたドップラ周波数fup2の計測値であり、fup2(vt,surf)は式(18)で示されているドップラ周波数fup2に対応する。また、Rは周波数計測誤差共分散行列であり、次式(20)で表される。
Figure 0006009131
ここで、σFOA は周波数計測誤差分散値である。周波数計測誤差分散値σFOA とは、周波数計測部161a,161bで周波数を計測した際に生じる計測誤差を分散値で表記したものである。分散とは、確率論において、確率変数の分布が期待値からどれだけ散らばっているか、すなわち誤差が生じているかを示す値である。この場合、期待値とは周波数の真値である。
なお、上記のドップラ周波数fup1,fup2から移動体3の速度vを計算する際の最適化問題の解法については、最小二乗法以外にも種々の方法が知られているため、その詳細な説明は省略する。
また、式(17),(18)は線形連立方程式であるので、明示的に解を導出することも可能である。これについても、詳細な説明は省略する。
次いで、表示器17は、速度計算プロセッサ16により計算された移動体3の速度vを示す情報を表示する(ステップST36)。
なお図7は、等ドップラ周波数fup1曲線及び等ドップラ周波数fup2曲線の一例を示す図であり、ドップラ周波数fup1,fup2と速度vとの関係を示している。この図7において、横軸は東西方向を示し、縦軸は南北方向を示している。また、等ドップラ周波数fup1曲線は実線で示し、等ドップラ周波数fup2曲線は破線で示している。そして、この図7において、等ドップラ周波数fup1曲線と等ドップラ周波数fup2との交点が速度vとなる。
以上のように、この実施の形態1によれば、対応する衛星2a,2bを介して、移動体3から送信された信号及びリファレンス局4から送信された信号を受信する受信アンテナ11a,11bと、対応する受信アンテナ11a,11bにより受信された信号の周波数fb1,fb2,frb1,frb2を計測する周波数計測部161a,161bと、対応する周波数計測部161a,161bにより計測された周波数fb1,fb2,frb1,frb2から、移動体3から対応する衛星2a,2bへのアップリンクでのドップラ周波数fup1,fup2を計算するドップラ周波数計算部162a,162bと、ドップラ周波数計算部162a,162bにより計算されたドップラ周波数fup1,fup2から、移動体3の速度vを計算する速度計算部163とを備えたので、1回の観測で、移動体3の速度vを正確に推定することが可能である。すなわち、従来構成のような2回以上の観測は不要であり、各観測値が同一の移動体3からのものであるかという難しい判定は不要となり、誤判定を回避することができる。また、1回の観測であるため、従来のように移動体3の運動に仮定を置く必要がなく、移動体3の速度vを正確に推定することができる。
また、従来構成では移動体3の位置が未知であり推定する必要があるのに対し、実施の形態1に係る速度推定装置では移動体3の位置が既知であり、推定する変数の数が減る。その結果、実施の形態1に係る速度推定装置は、従来構成に対して推定精度が高くなることが期待される。
実施の形態2.
実施の形態1では、移動体3の送信周波数fとリファレンス局4の送信周波数fが近似している場合を想定して説明を行ったが、常時、そのようなリファレンス局4を選択できるとは限らない。すなわち、移動体3の送信周波数fに対してリファレンス局4の送信周波数fをその差が無視できる程度に近づけることが、機器の制約上困難な場合がある。この場合、移動体3の送信周波数fとリファレンス局4の送信周波数fの値自体は両者ともGHzオーダーであるが、その差がMHzオーダーとなる場合がある。そのため、リファレンス局4を用いてもダウンリンク項をキャンセルしきれない。そこで、実施の形態2では、上記のような場合に、リファレンス局4でキャンセルしきれない成分をキャンセルする方式について説明する。なお以下では、衛星2aの系統のみを用いて説明を行うが、衛星2bの系統についても同様である。
なお、実施の形態2に係る速度推定装置1の基本的な構成は、図1に示す実施の形態1に係る速度推定装置1の構成と同一である。
但し、実施の形態2におけるドップラ周波数計算部162aでは、まず、移動体3の送信周波数f、リファレンス局4の送信周波数f、受信アンテナ11aの位置pb1、及び、衛星2aの位置p及び速度vから、補正値Cを算出する。そして、ドップラ周波数計算部162aは、周波数計測部161aにより計測された移動体3から送信された信号に対応する信号の周波数fb1から、周波数計測部161aにより計測されたリファレンス局4から送信された信号に対応する信号の周波数frb1及び上記補正値Cを減算することで、ドップラ周波数fup1を計算する。以下、ドップラ周波数計算部162aによる処理の詳細について説明する。
受信アンテナ11aにより受信された信号の周波数fb1,frb1は、実施の形態1の場合と同様に、次式(21),(22)で表される。
Figure 0006009131

Figure 0006009131
この場合、実施の形態1と同様に、式(21)から式(22)を減算すると次式(23)のようになる。
Figure 0006009131
この式(23)を整理すると、次式(24)のようになる。
Figure 0006009131
ここで、f≠fであり、fdn1≠frdn1でもあるため、式(24)の右辺に次式(25)の項が残る。
Figure 0006009131
これらの中で、影響が大きいのは(f−f)の項である。すなわち、それぞれがGHzオーダーの値をもっているため、それぞれの値が少し違うだけでも計測精度に大きく影響する。
そして、実施の形態2では、上記(f−f)+(fdn1−frdn1)の項を打ち消すために、移動体3の送信周波数f、リファレンス局4の送信周波数f、受信アンテナ11aの位置pb1、及び、衛星2aの位置p及び速度vから、補正値Cを計算し、式(24)の右辺から減算する。
なお、送信周波数f,fは既知のため、ドップラ周波数fdn1,frdn1が計算できれば式(25)より補正値Cを計算することができる。
ここで、衛星2aから受信アンテナ11aへのダウンリンクでのドップラ周波数fdn1,frdn1は、衛星2aの軌道情報等から、次式(26),(27)の通り計算できる。
Figure 0006009131

Figure 0006009131
ここで、λa1は衛星2aからのダウンリンク時の移動体3から送信された信号に対応する信号の波長である。また、λra1は衛星2aからのダウンリンク時のリファレンス局4から送信された信号に対応する信号の波長である。
よって、式(24)の右辺から式(25)で求められる補正値Cを減算することで、次式(28)のように(f−f)+(fdn1−frdn1)の項をキャンセルすることができ、残りの項は実施の形態1と同様に計算することで、ドップラ周波数fup1を得ることができる。
Figure 0006009131
なお、ドップラ周波数fup2についても上記と同様に計算することができる。
実施の形態3.
実施の形態3では、移動体3の送信周波数fとリファレンス局4の送信周波数fが近似ではない場合の対処法として、スケーリングを用いる場合について説明する。なお以下では、衛星2aの系統のみを用いて説明を行うが、衛星2bの系統についても同様である。
なお、実施の形態3に係る速度推定装置1の基本的な構成は、図1に示す実施の形態1に係る速度推定装置1の構成と同一である。
但し、実施の形態3におけるドップラ周波数計算部162aでは、まず、移動体3の送信周波数f、リファレンス局4の送信周波数f、受信アンテナ11aの位置pb1、及び、衛星2aの位置p及び速度vから、補正値Cを算出する。また、ドップラ周波数計算部162aは、周波数計測部161aにより計測されたリファレンス局4から送信された信号に対応する周波数frb1を、移動体3の送信周波数f及びリファレンス局4の送信周波数fを用いてスケーリングする。そして、ドップラ周波数計算部162aは、周波数計測部161aにより計測された移動体3から送信された信号に対応する信号の周波数fb1から、上記スケーリングした周波数及び上記補正値Cを減算することで、ドップラ周波数fup1を計算する。以下、ドップラ周波数計算部162aによる処理の詳細について説明する。
受信アンテナ11aにより受信された信号の周波数fb1,frb1は、実施の形態1の場合と同様に、次式(29),(30)で表される。
Figure 0006009131

Figure 0006009131
この場合にも、実施の形態2と同様に、影響が大きいのは送信周波数f,fである。すなわち、移動体3の送信周波数fとリファレンス局4の送信周波数fの値はGHzのオーダーをもつため、それぞれの値が少し違うだけでも計測精度に大きく影響する。よって、式(29),(30)に対して、受信アンテナ11aにより受信される信号の周波数frb1を次式(31)のようにスケーリングして差をとる。
Figure 0006009131
この式(31)を整理すると次式(32)のようになる。
Figure 0006009131
ここで、f≠fであり、fdn1≠frdn1でもあるため、式(32)の右辺に次式(33)の項が残る。
Figure 0006009131
そして、実施の形態3では、上記のfs1(1−(f/f))+(fdn1−(f/f)frdn1)の項を打ち消すために、移動体3の送信周波数f、リファレンス局4の送信周波数f、受信アンテナ11aの位置pb1、及び、衛星2aの位置p及び速度vから、補正値Cを計算し、式(32)の右辺から減算する。
なお、送信周波数f,fは既知のため、ドップラ周波数fdn1,frdn1が計算できれば式(33)より補正値Cを計算することができる。
ここで、衛星2aから受信アンテナ11aへのダウンリンクでのドップラ周波数fdn1,frdn1は、衛星2aの軌道情報等から、次式(34),(35)の通り計算できる。
Figure 0006009131

Figure 0006009131
よって、式(32)の右辺から式(33)で求められる補正値Cを減算することで、次式(36)のようにfs1(1−(f/f))+(fdn1−(f/f)frdn1)の項をキャンセルすることができる。
Figure 0006009131
ここで、移動体3の送信周波数fとリファレンス局4の送信周波数fの値がMHzのオーダーで異なっていても、値自体は両者ともGHzオーダーであるため、(f/f)はほぼ1に近い。そのため、式(36)は近似的に次式(37)のように表すことができ、残りの項は実施の形態1と同様に計算することで、ドップラ周波数fup1を得ることができる。
Figure 0006009131
なお、ドップラ周波数fup2についても上記と同様に計算することができる。
なお、上述したように、移動体3の送信周波数fとリファレンス局4の送信周波数fの値の差がMHzのオーダーであっても、値自体は両者ともGHzオーダーの比較的近い値どうしであるため、(f/f)はほぼ1に近い。それに対し、周波数シフトfs1はMHzオーダーであり、補正値Cの値は非常に小さい。このため、計測誤差の範囲とみなし、補正値Cを減算しない選択肢もある。
実施の形態4.
図8はこの発明の実施の形態4における速度計算プロセッサ16の機能構成例を示す図である。図8に示す実施の形態4における速度計算プロセッサ16は、図2に示す実施の形態1における速度計算プロセッサ16に移動方向推定部164を追加したものである。その他の構成は同様であり、同一の符号を付して異なる部分についてのみ説明を行う。
移動方向推定部164は、ドップラ周波数計算部162a,162bにより計算されたドップラ周波数の比曲線から、移動体3の移動方向を推定するものである。この際、移動方向推定部164は、比曲線で生じる移動方向のアンビギュイティを上記ドップラ周波数の符号から解く。この移動方向推定部164により推定された移動体3の移動方向を示す情報(移動方向情報)は、表示器17に送られる。
また、表示器17は、実施の形態1における機能に加え、移動方向推定部164により推定された移動体3の移動方向を示す情報も表示する。
図7に示した等ドップラ周波数fup1曲線と等ドップラ周波数fup2曲線との比を取ると、図9に示すような等比曲線(fup1/fup2)が得られる。この図9を見ると、等比曲線(fup1/fup2)は、原点を中心として放射状に等曲線が得られていることが分かる。そして、この比の値を計算することで、移動体3の速度vの大きさはわからないものの、移動方向は推定できる。
なお、等比曲線(fup1/fup2)は、零割により±∞に発散する方向があるが、その他の移動方向は推定できる。また、この速度付近では、等比曲線(fup1/fup2)の値が±∞から0へ、急激に変化するため、図9のように等曲線が密になっている。また、この等比曲線(fup1/fup2)では、移動方向のアンビギュイティが生じる。例えば図9において、1.05は北東方向と南西方向に見られるが、どちらが正しいかは不明であるような状況が生じる。しかしながら、ドップラ周波数fup1,fup2の符号から解くことが可能である。例えば図9において、1.05は北東方向と南西方向に見られるが、ドップラ周波数fup1とドップラ周波数fup2の両符号が正であれば北東、負であれば南西が正しい移動方向となる。
なお、移動方向推定部164では、例えば、図9に示すような等比曲線(fup1/fup2)に基づく各方向に対する比曲線の値を、移動方向データベースとして保持している。
次に、移動方向推定部164による動作例について、図10を参照しながら説明する。
移動方向推定部164では、図10に示すように、まず、ドップラ周波数計算部162a,162bにより計算されたドップラ周波数fup1,fup2の比曲線(fup1/fup2)を計算する(ステップST111)。
次いで、移動方向推定部164は、保持している移動方向データベースを照合して、移動体3の移動方向の候補を選択する(ステップST112)。すなわち、計算した比曲線(fup1/fup2)が、図9のどの線上の値と最も近いかを求めることで、移動方向の候補を選択する。
次いで、移動方向推定部164は、比曲線(fup1/fup2)で生じる移動方向のアンビギュイティをドップラ周波数fup1,fup2の符号から解く(ステップST113)。すなわち、比曲線(fup1/fup2)で生じる移動方向にはアンビギュイティが存在するため、ドップラ周波数fup1,fup2の符号から、このアンビギュイティを解く。これにより、移動体3の移動方向を推定することができる。
なお上記では、実施の形態1における速度計算プロセッサ16に移動方向推定部164を追加した場合を示した。しかしながら、これに限るものではなく、実施の形態2,3における速度計算プロセッサ16に移動方向推定部164を追加してもよい。
実施の形態5.
図11はこの発明の実施の形態5における速度計算プロセッサ16の機能構成例を示す図である。図11に示す実施の形態5における速度計算プロセッサ16は、図2に示す実施の形態1における速度計算プロセッサ16に移動方向推定部165を追加したものである。その他の構成は同様であり、同一の符号を付して異なる部分についてのみ説明を行う。
移動方向推定部165は、ドップラ周波数計算部162a,162bにより計算されたドップラ周波数の比曲線の逆正接関数から、移動体3の移動方向を推定するものである。この際、移動方向推定部165は、比曲線の逆正接関数で生じる移動方向のアンビギュイティを上記ドップラ周波数の符号から解く。この移動方向推定部165により推定された移動体3の移動方向を示す情報(移動方向情報)は、表示器17に送られる。
また、表示器17は、実施の形態1における機能に加え、移動方向推定部165により推定された移動体3の移動方向を示す情報も表示する。
実施の形態5では、実施の形態4に類似し、比曲線(fup1/fup2)の代わりに、比曲線(fup1/fup2)の逆正接関数arctan(fup1/fup2)を用いる。このように逆正接関数を取ることで、比曲線(fup1/fup2)が±∞となる速度で、±π/2となるため、読み取りが容易になる。ただし、比曲線(fup1/fup2)が±∞となる速度と0となる速度が近いため、この場合、逆正接関数arctan(fup1/fup2)は±π/2から0へ、値が急激に切り替わる。よって、図12においても、その速度付近では等曲線が密になっている。
なお、移動方向推定部165の動作は、実施の形態4の移動方向推定部164と同様であるため、その説明を省略する。
なお上記では、実施の形態1における速度計算プロセッサ16に移動方向推定部165を追加した場合を示した。しかしながら、これに限るものではなく、実施の形態2,3における速度計算プロセッサ16に移動方向推定部165を追加してもよい。
また、本願発明はその発明の範囲内において、各実施の形態の自由な組み合わせ、あるいは各実施の形態の任意の構成要素の変形、もしくは各実施の形態において任意の構成要素の省略が可能である。
1 速度推定装置、2a,2b 衛星、3 移動体、4 リファレンス局、11a,11b 受信アンテナ、12a,12b バンドパスフィルタ、13 局部発振器、14a,14b ダウンコンバータ、15a,15b A/Dコンバータ、16 速度計算プロセッサ、17 表示器、18 メモリ、19 受信装置、161a,161b、 周波数計算部、162a,162b、 ドップラ周波数計算部、163 速度計算部、164,165 移動方向推定部。

Claims (7)

  1. 位置及び速度が既知の2つの静止衛星毎に設けられ、対応する前記静止衛星を介して、送信周波数及び位置が既知の移動体から送信された信号、及び、送信周波数及び位置が既知の静止した参照局から送信された信号を、受信する受信アンテナと、
    前記受信アンテナ毎に設けられ、対応する前記受信アンテナにより受信された前記移動体からの信号の周波数及び前記参照局からの信号の周波数を計測する周波数計測部と、
    前記周波数計測部毎に設けられ、対応する前記周波数計測部により計測された周波数から、前記移動体から対応する前記静止衛星へのアップリンクでのドップラ周波数を計算するドップラ周波数計算部と、
    2つの前記ドップラ周波数計算部により計算されたドップラ周波数から、前記移動体の速度を計算する速度計算部とを備え
    2つの前記ドップラ周波数計算部は、対応する前記周波数計測部により計測された前記移動体から送信された信号に対応する信号の周波数から、当該周波数計測部により計測された前記参照局から送信された信号に対応する信号の周波数を減算した値を用いて、前記静止衛星毎に前記ドップラ周波数を計算する
    ことを特徴とする速度推定装置。
  2. 位置及び速度が既知の2つの静止衛星毎に設けられ、対応する前記静止衛星を介して、送信周波数及び位置が既知の移動体から送信された信号、及び、送信周波数及び位置が既知の静止した参照局から送信された信号を、受信する受信アンテナと、
    前記受信アンテナ毎に設けられ、対応する前記受信アンテナにより受信された前記移動体からの信号の周波数及び前記参照局からの信号の周波数を計測する周波数計測部と、
    前記周波数計測部毎に設けられ、対応する前記周波数計測部により計測された周波数から、前記移動体から対応する前記静止衛星へのアップリンクでのドップラ周波数を計算するドップラ周波数計算部と、
    2つの前記ドップラ周波数計算部により計算されたドップラ周波数から、前記移動体の速度を計算する速度計算部とを備え、
    前記ドップラ周波数計算部は、前記移動体の送信周波数、前記参照局の送信周波数、対応する前記受信アンテナの位置、及び、対応する前記静止衛星の位置及び速度から補正値を算出し、前記周波数計測部により計測された前記移動体から送信された信号に対応する信号の周波数から、当該周波数計測部により計測された前記参照局から送信された信号に対応する信号の周波数及び前記補正値を減算した値を用いて、前記ドップラ周波数を計算する
    ことを特徴とする速度推定装置。
  3. 位置及び速度が既知の2つの静止衛星毎に設けられ、対応する前記静止衛星を介して、送信周波数及び位置が既知の移動体から送信された信号、及び、送信周波数及び位置が既知の静止した参照局から送信された信号を、受信する受信アンテナと、
    前記受信アンテナ毎に設けられ、対応する前記受信アンテナにより受信された前記移動体からの信号の周波数及び前記参照局からの信号の周波数を計測する周波数計測部と、
    前記周波数計測部毎に設けられ、対応する前記周波数計測部により計測された周波数から、前記移動体から対応する前記静止衛星へのアップリンクでのドップラ周波数を計算するドップラ周波数計算部と、
    2つの前記ドップラ周波数計算部により計算されたドップラ周波数から、前記移動体の速度を計算する速度計算部とを備え、
    前記ドップラ周波数計算部は、前記移動体の送信周波数、前記参照局の送信周波数、対応する前記受信アンテナの位置、及び、対応する前記静止衛星の位置及び速度から補正値を算出し、前記周波数計測部により計測された前記参照局から送信された信号に対応する信号の周波数を前記移動体の送信周波数及び前記参照局の送信周波数を用いてスケーリングし、前記周波数計測部により計測された前記移動体から送信された信号に対応する信号の周波数から、前記スケーリングした周波数及び前記補正値を減算した値を用いて、前記ドップラ周波数を計算する
    ことを特徴とする速度推定装置。
  4. 2つの前記ドップラ周波数計算部により計算されたドップラ周波数の比曲線から、前記移動体の移動方向を推定する移動方向推定部を備えた
    ことを特徴とする請求項1から請求項3のうちのいずれか1項記載の速度推定装置。
  5. 前記移動方向推定部は、前記比曲線で生じる移動方向のアンビギュイティを、2つの前記ドップラ周波数計算部により計算されたドップラ周波数の符号から解く
    ことを特徴とする請求項記載の速度推定装置。
  6. 2つの前記ドップラ周波数計算部により計算されたドップラ周波数の比曲線の逆正接関数から、移動方向を推定する移動方向推定部を備えた
    ことを特徴とする請求項1から請求項3のうちのいずれか1項記載の速度推定装置。
  7. 前記移動方向推定部は、前記比曲線の逆正接関数で生じる移動方向のアンビギュイティを、2つの前記ドップラ周波数計算部により計算されたドップラ周波数の符号から解く
    ことを特徴とする請求項記載の速度推定装置。
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