JP4937613B2 - 軌道決定装置、軌道決定方法、及びコンピュータプログラム - Google Patents
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Description
宇宙機の軌道を決定する手法として、RARR法(Range and Range Rate)がある。このRARR法では、地上観測局から電波を宇宙機に送信し、宇宙機がその電波を地上観測局に送り返すようにしている。そして、電波が地上観測局と宇宙機とを往復するのに必要な時間を計測し、地上観測局から宇宙機までの視線距離(Range)と、視線距離の変化率(Range Rate)とを観測する。このような視線距離(Range)と、視線距離の変化率(Range Rate)とからなる観測値を多数取得し、取得した観測値を、宇宙機の動きを表すモデルに当てはめて、宇宙機の軌道を求める。
さらに、宇宙機と、位置が既知である参照電波源(準星等の天体)との相対位置を、電波干渉計を用いて複数回測定し、測定した結果を宇宙機の動きを表すモデルに当てはめて、宇宙機の軌道を求める方法がある。この電波干渉計を用いる方法では、宇宙機からの電波が複数のアンテナで受信されたときの相対時間差を測定値としているために、単独の測定では宇宙機の方位の絶対値を求めることができない。そこで、宇宙機からの電波と、参照電波源からの電波とを同時に又は交互に測定し、測定した結果を用いて参照電波源からの相対角距離を求め、求めた相対角距離に基づいて、宇宙機の方位の絶対値を求めるようにしている。
さらに、GPS受信機を宇宙機に搭載し、宇宙機自身で時々刻々の位置を計測し、計測した結果を宇宙機の動きを表すモデルに当てはめて、宇宙機の軌道を決定する方法もある。
また、前述した角度測定法は、ドップラ周波数測定法と同様に、RARR法と比較すると高い軌道決定能力を期待できず、あくまで宇宙機の今後の追跡に必要な程度の軌道決定しか出来ず、測地などに利用できるような高い精度を期待できない。
GPS受信機を宇宙機に搭載して宇宙機の軌道を決定する方法では、宇宙機に専用の受信機とアンテナを搭載する必要があり、計測した位置情報を宇宙機から地上に送出することが必要となる。
本発明は、このような問題点に鑑みてなされたものであり、宇宙機の軌道を、簡易な設備で高精度に求めることができるようにすることを目的とする。
図1は、軌道決定システムの構成の一例を示した図である。
図1において、軌道10上を宇宙機20が移動している。本実施形態では、高度1400kmの軌道10を周回している低軌道周回軌道衛星を宇宙機20としている。一方、地上には、宇宙機20から送出される単一周波数信号(電波)30を受信する3台の受信装置40a〜40cが設けられている。3台の受信装置40a〜40cは、宇宙機20から送出されたテレメトリ信号を、単一周波数信号30として受信するようにしている。具体的にこのテレメトリ信号は、例えば6.85GHzの周波数を有している。尚、以下の説明では、宇宙機20から送出される単一周波数信号30を、宇宙機20から送出されるテレメトリ信号30又は単にテレメトリ信号30と略称する。
軌道演算装置60は、位相差検出装置61と、データ解析装置62と、軌道表示装置63とを有している。軌道演算装置60は、例えばパーソナルコンピュータを用いることにより実現することができる。
位相差検出装置61は、受信装置40a〜40cにおけるテレメトリ信号30の受信時間差を位相差として検出するための装置である。
データ解析装置62は、位相差検出装置61で検出されたテレメトリ信号30の位相差の時間変化率を求め、求めたテレメトリ信号30の位相差の時間変化率を用いて、宇宙機20の軌道10を求めるための装置である。この位相差の時間変化率は、宇宙機20の角速度を表すものである。尚、以下の説明では、位相差の時間変化率を、必要に応じて位相差変化率と略称する。
軌道表示装置63は、データ解析装置62で求められた宇宙機20の軌道10に関する情報を表示装置に表示するためのものである。
図2において、受信装置40aは、アンテナ41と、アンテナ駆動装置42と、前置増幅器43と、基準信号発生源44と、位相同期発振器45と、周波数変換増幅器46と、GPS(Global Positioning System)受信機47と、記録装置48とを有している。
アンテナ駆動装置42は、アンテナ41を駆動させるための装置である。このアンテナ駆動装置42により、アンテナ41は所望の方向を向くようになる。
前置増幅器43は、アンテナ41で受信されたテレメトリ信号30を増幅するためのものである。
基準信号発生源44は、各受信装置30a〜30bを位相同期させて動作させるための高安定基準信号44aを発生させるための信号発生源である。
周波数変換増幅器46は、位相同期発振器45で発生された局部発振信号45aを用いて、前置増幅器43で増幅されたテレメトリ信号30を、記録装置48で処理可能な周波数帯及び信号強度に変換するためのものである。
GPS受信機47は、図示しない衛星から信号を受信し、受信した信号に基づいて、受信装置40aの内部で形成されているクロック信号に基づく時刻を補正し、補正した時刻を示す時刻同期信号47a(例えば1pps信号)を記録装置48に出力するためのものである。
ξB(t12)={φA(t2)−φA(t1)}/(t2−t1) ・・・(1)
図6(a)は、位相差検出装置61から送信された位相差観測値621a(図4に示した位相差観測値61e)の一例を示し、図6(b)は、その位相差観測値621aを数値微分して得られた位相差変化率観測値621dの一例を示した図である。
図7(a)において、位相差φE(ti)、φE(tj)を線形近似して数値微分すると位相差変化率ξF(tij)が得られる。ところが、得られた位相差変化率ξF(tij)と、実際の位相差変化率ξG(tij)とは一致せず、差が生じる。この差δξHが数値微分誤差である。即ち、数値微分誤差δξHは、以下の(2)式で表される。
δξH=ξF(tij)−ξG(tij)・・・(2)
従って、数値微分する時間間隔Δtを小さくする程、数値微分誤差δξHは小さくなる。
ξB(tij)={φA(tj)−φA(ti)}/Δt ・・・(3)
|δφrand|<σφ ・・・(4)
そうすると、時間間隔Δtで数値微分する場合、位相差変化率ξB(tij)には、最大で2δσφ/Δtの誤差が含まれることになる。
従って、数値微分する時間間隔Δtを小さくする程、位相差変化率ξB(tij)に含まれる誤差は大きくなる。
後述する状態量推定フィルタは、ランダム誤差δξrandのみが含まれる状況において最適な解を導出するフィルタである。よって、線形近似する時間間隔Δtを可能な限り大きくしつつ、数値微分誤差δξHの影響がランダム誤差δξrandの影響と比較して小さくなるようにする必要がある。
図5に示す第1次状態量推定フィルタ処理部622bは、前述したようにして数値微分処理部622aから出力された位相差変化率観測値621bと、宇宙機20の初期軌道621cと、力学モデル(運動モデル)621dとを入力する。そして、入力した初期軌道621cと、力学モデル621dと、位相差変化率観測値621bとを、状態量推定フィルタに与えて、宇宙機20の第1次最適軌道621eを求めると共に、宇宙機20の第1次最適軌道621eの統計誤差621fを求める。ここで、宇宙機20の初期軌道621cには、宇宙機20の初期位置のx,y,z成分の値と、宇宙機20の初期速度のx,y,z成分の値とが含まれている。この宇宙機20の初期軌道621cに含まれるデータは、過去の観測から得られた値であり、ある程度の誤差を含んだ値である。また、初期軌道621cと、力学モデル621dは、例えば、軌道演算装置60に設けられているユーザインターフェース(キーボードやマウス等)を用いた入力操作に基づいて、軌道演算装置60に設けられているHDD等の記録媒体に記録されているものである。
まず、位相差推定処理部622cは、第1次最適軌道621eを入力すると共に、力学モデル621gを入力する。ここで、第1次最適軌道621eは、第1次状態量推定フィルタ処理部622bで求められたものである。また、力学モデル621gは、例えば、軌道演算装置60に設けられているユーザインターフェース(キーボードやマウス等)を用いた入力操作に基づいて、軌道演算装置60に設けられているHDD等の記録媒体に記録されているものである。
数値微分処理部622dは、位相差推定処理部622cで求められた位相差推定値621hを数値微分して、第1の位相差変化率推定値621iを求める。
以上のように、第1の位相差変化率推定値621iは、力学モデル621iを用いて得られた位相差推定値621hを数値微分して得たものであるので、数値微分誤差を含む。一方、第2の位相差変化率推定値621kは、力学モデル621jを用いて直接得られたものであるので、数値微分誤差を含まない。
そこで、差分処理部622fは、第1の位相差変化率推定値621iから、第2の位相差変化率推定値621kを減算して、数値微分誤差621l((2)式に示した数値微分誤差δξH)を求める。
図9において、ECIは赤道面基準慣性座標系を示し、ECI−X、ECI−Y、ECI−Zは、それぞれ赤道面基準慣性座標系のX軸、Y軸、Z軸の値であることを示す。そして、白抜きのグラフが、宇宙機20の初期軌道621cと宇宙機20の真の軌道10との差を表し、塗り潰されたグラフが、宇宙機20の最適軌道621oと、宇宙機20の真の軌道10との差を表わしている。例えば、宇宙機20の初期軌道621cと宇宙機20の真の軌道10との、赤道面基準慣性座標系におけるX軸方向の差は、13817mであり、宇宙機20の最適軌道621oと、宇宙機20の真の軌道10との、赤道面基準慣性座標系におけるX軸方向の差は、564mとなる。
尚、実際には、宇宙機20の真の軌道を知ることはできない。この観測データの解析例では、別の軌道決定手段(本実施形態の手法よりも高い精度を持つ)によって得られた軌道を「仮の真軌道」と定義し、その軌道に対する初期軌道及び最適軌道の位置誤差を数値で示している。あくまでもこの数値例は、初期軌道よりも、最適軌道の方が真の軌道に近くなることを示すものである。
具体的に位相差推定処理部622iは、最適軌道621oと、力学モデル621qとを入力する。ここで、最適軌道621oは、第2次状態量推定フィルタ処理部622hで求められたものである。また、力学モデル621qは、例えば、軌道演算装置60に設けられているユーザインターフェース(キーボードやマウス等)を用いた入力操作に基づいて、軌道演算装置60に設けられているHDD等の記録媒体に記録されているものである。
差分処理部622jは、位相差検出装置61から出力された位相差観測値621a(図3に示した位相差観測値61e)から、位相差推定処理部622iで求められた位相差推定値621rを減算して、ランダム誤差621s(図7(b)に示したランダム誤差δφrand)を求める。
図10(a)は、位相差推定処理部622iで求められた位相差推定値621rの一例を示した図であり、図10(b)は、位相差検出装置61から出力された位相差観測値621a(位相差観測値61e)の一例を示した図である。そして、図11は、図10(b)に示した位相差観測値621a(図3に示した位相差観測値61e)から、図10(a)に示した位相差推定値621rを減算した値(即ち、ランダム誤差621s)と、それらの値の平均直線とを示した図である。尚、図10(a)では、ランダム誤差621sを■で示している。
図11に示すように、平均直線1101の傾きは、0.0030rad/minとなり、約0(ゼロ)である。そして、ランダム誤差621sは、平均直線に対し、0.082radの標準偏差に基づいてランダムに変動している。即ち、ランダム誤差621sは、平均直線に対し、受信装置40の感度から与えられる位相の変動幅と同程度の幅でランダムに変動している。従って、宇宙機20の軌道10が正確に決定されたと自己評価できる。
尚、前記において、図5に示した力学モデル621d、621g、621j、621n、621qは、同じ力学モデルである。
また、参照信号源を必要としないので、単一周波数のテレメトリ信号30を宇宙機20から受信装置40に送信すればよい。従って、3台の受信装置40a〜40cと、軌道演算装置60とが通信する際のネットワーク50の通信速度を遅く(伝送帯域を狭く)することができる。
また、本実施形態では、単一周波数のテレメトリ信号30を宇宙機20から受信装置40に送信する場合を例に挙げて説明したが、この単一周波数のテレメトリ信号30の代わりに、例えば、狭帯域のテレメトリ信号を用いるようにしてもよい。
また、アンテナ41の口径が1.2mである場合を例に挙げて説明したが、アンテナ41の口径は1.2mに限定されず、宇宙機20からのテレメトリ信号30の受信電力に応じて増減させることができる。本実施形態のように宇宙機20が低軌道地球周回衛星であれば、例えばアンテナ41の口径を1mにすることもできる。
また、前述した実施形態は、何れも本発明を実施するにあたっての具体化の例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。すなわち、本発明はその技術思想、またはその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。
20 宇宙機
30 テレメトリ信号
40 受信装置
50 ネットワーク
60 軌道演算装置
61 位相差検出装置
62 データ解析装置
63 軌道表示装置
Claims (5)
- 互いに間隔を有して配設され、宇宙機から送出された電波を受信する複数の受信装置と、
前記複数の受信装置により受信された電波の位相差を検出する位相差検出手段と、
前記位相差検出手段により検出された電波の位相差から、前記電波の位相差の時間変化率を求める位相差時間変化率導出手段と、
前記位相差時間変化率導出手段により求められた電波の位相差の時間変化率と、前記宇宙機の位置のx、y、z成分の初期値と、前記宇宙機の速度のx、y、z成分の初期値からなる初期状態量と、前記宇宙機の軌道に影響を及ぼす重力場を表す力学モデルとを状態量推定フィルタに入力し、当該状態量推定フィルタによって、前記宇宙機の位置のx、y、z成分の初期値の改訂値と、前記宇宙機の速度のx、y、z成分の初期値の改訂値とからなる前記宇宙機の状態量を推定し、当該状態量から各時刻の前記宇宙機の軌道を求める軌道演算手段とを有し、
前記軌道演算手段は、
前記位相差時間変化率導出手段により求められた電波の位相差の時間変化率と、前記宇宙機の位置のx、y、z成分の初期値と、前記宇宙機の速度のx、y、z成分の初期値からなる初期状態量と、前記宇宙機の軌道に影響を及ぼす重力場を表す力学モデルとを状態量推定フィルタに入力し、当該状態量推定フィルタによって、前記宇宙機の位置のx、y、z成分の初期値の改訂値と、前記宇宙機の速度のx、y、z成分の初期値の改訂値とからなる前記宇宙機の状態量を推定し、当該状態量から各時刻の前記宇宙機の軌道を暫定的に求める暫定軌道導出手段と、
前記暫定軌道導出手段により暫定的に求められた宇宙機の軌道と、前記電波の位相差の時間変化率と、前記宇宙機の軌道に影響を及ぼす重力場を表す力学モデルとを状態量推定フィルタに入力し、当該状態量推定フィルタによって、前記宇宙機の位置のx、y、z成分の初期値の最終改訂値と、前記宇宙機の速度のx、y、z成分の初期値の最終改訂値とからなる前記宇宙機の最終状態量を推定し、当該状態量から各時刻の前記宇宙機の軌道を求める最終軌道導出手段と、
前記位相差時間変化率導出手段により電波の位相差が微分された際に生じた数値微分誤差を求める数値微分誤差導出手段と、
前記位相差時間変化率導出手段により求められた電波の位相差の時間変化率から、前記数値微分誤差導出手段により求められた数値微分誤差を減算する減算手段と、を更に有し、
前記位相差時間変化率導出手段は、
前記位相差検出手段により検出された電波の位相差を微分して、前記電波の位相差の時間変化率を求め、
前記数値微分誤差導出手段は、
前記暫定軌道導出手段により暫定的に求めた前記宇宙機の軌道から、前記電波の位相差の推定値を求める位相差推定値導出手段と、
前記位相差推定値導出手段により求められた電波の位相差の推定値を微分して、前記電波の位相差の時間変化率の推定値を求める第1の時間変化率推定値導出手段と、
前記暫定軌道導出手段により暫定的に求められた宇宙機の軌道から、前記電波の位相差の時間変化率の推定値を求める第2の時間変化率推定値導出手段とを更に有し、
前記第1の時間変化率推定値導出手段により求められた、前記電波の位相差の時間変化率の推定値から、前記第2の時間変化率推定値導出手段により求められた、前記電波の位相差の時間変化率の推定値を減算して数値微分誤差を求め、
前記最終軌道導出手段は、前記暫定軌道導出手段により暫定的に求められた前記宇宙機の軌道と、前記減算手段により数値微分誤差が減算された前記電波の位相差の時間変化率とを用いて、前記宇宙機の軌道を求め、
前記最終軌道導出手段により求められた宇宙機の軌道を最終的な宇宙機の軌道とすることを特徴とする軌道決定装置。 - 前記受信装置は、前記宇宙機から送出された電波を受信するためのアンテナと、
前記複数の受信装置を同期させて動作させるための基準信号と、時刻信号とを用いて、前記アンテナで受信された電波をデジタル信号に変換する信号変換手段とを有し、
前記位相差検出手段は、前記変換手段によりデジタル信号に変換された電波の位相差を検出することを特徴とする請求項1に記載の軌道決定装置。 - 前記状態量推定フィルタは、電波の位相差の時間変化率を用いて、最小二乗法により前記宇宙の位置のx、y、z成分の初期値の改訂値と、前記宇宙機の速度のx、y、z成分の初期値の改訂値からなる前記宇宙機の状態量を推定するフィルタであることを特徴とする請求項1又は2に記載の軌道決定装置。
- 宇宙機から送出された電波を、互いに間隔を有して配設された複数の受信装置により受信する受信ステップと、
前記複数の受信装置により受信された電波の位相差を検出する位相差検出ステップと、
前記位相差検出ステップにより検出された電波の位相差から、前記電波の位相差の時間変化率を求める位相差時間変化率導出ステップと、
前記位相差時間変化率導出ステップにより求められた電波の位相差の時間変化率と、前記宇宙機の位置のx、y、z成分の初期値と、前記宇宙機の速度のx、y、z成分の初期値からなる初期状態量と、前記宇宙機の軌道に影響を及ぼす重力場を表す力学モデルとを状態量推定フィルタに入力し、当該状態量推定フィルタによって、前記宇宙機の位置のx、y、z成分の初期値の改訂値と、前記宇宙機の速度のx、y、z成分の初期値の改訂値とからなる前記宇宙機の状態量を推定し、当該状態量から各時刻の前記宇宙機の軌道を求める軌道演算ステップとを有し、
前記軌道演算ステップは、
前記位相差時間変化率導出ステップにより求められた電波の位相差の時間変化率と、前記宇宙機の位置のx、y、z成分の初期値と、前記宇宙機の速度のx、y、z成分の初期値からなる初期状態量と、前記宇宙機の軌道に影響を及ぼす重力場を表す力学モデルとを状態量推定フィルタに入力し、当該状態量推定フィルタによって、前記宇宙機の位置のx、y、z成分の初期値の改訂値と、前記宇宙機の速度のx、y、z成分の初期値の改訂値とからなる前記宇宙機の状態量を推定し、当該状態量から各時刻の前記宇宙機の軌道を暫定的に求める暫定軌道導出ステップと、
前記暫定軌道導出ステップにより暫定的に求められた宇宙機の軌道と、前記電波の位相差の時間変化率と、前記宇宙機の軌道に影響を及ぼす重力場を表す力学モデルとを状態量推定フィルタに入力し、当該状態量推定フィルタによって、前記宇宙機の位置のx、y、z成分の初期値の最終改訂値と、前記宇宙機の速度のx、y、z成分の初期値の最終改訂値とからなる前記宇宙機の最終状態量を推定し、当該状態量から各時刻の前記宇宙機の軌道を求める最終軌道導出ステップと、
前記位相差時間変化率導出ステップにより電波の位相差が微分された際に生じた数値微分誤差を求める数値微分誤差導出ステップと、
前記位相差時間変化率導出ステップにより求められた電波の位相差の時間変化率から、前記数値微分誤差導出ステップにより求められた数値微分誤差を減算する減算ステップと、を更に有し、
前記位相差時間変化率導出ステップは、
前記位相差検出ステップにより検出された電波の位相差を微分して、前記電波の位相差の時間変化率を求め、
前記数値微分誤差導出ステップは、
前記暫定軌道導出ステップにより暫定的に求めた前記宇宙機の軌道から、前記電波の位相差の推定値を求める位相差推定値導出ステップと、
前記位相差推定値導出ステップにより求められた電波の位相差の推定値を微分して、前記電波の位相差の時間変化率の推定値を求める第1の時間変化率推定値導出ステップと、
前記暫定軌道導出ステップにより暫定的に求められた宇宙機の軌道から、前記電波の位相差の時間変化率の推定値を求める第2の時間変化率推定値導出ステップとを更に有し、
前記第1の時間変化率推定値導出ステップにより求められた、前記電波の位相差の時間変化率の推定値から、前記第2の時間変化率推定値導出ステップにより求められた、前記電波の位相差の時間変化率の推定値を減算して数値微分誤差を求め、
前記最終軌道導出ステップは、前記暫定軌道導出ステップにより暫定的に求められた前記宇宙機の軌道と、前記減算ステップにより数値微分誤差が減算された前記電波の位相差の時間変化率とを用いて、前記宇宙機の軌道を求め、
前記最終軌道導出ステップにより求められた宇宙機の軌道を最終的な宇宙機の軌道とすることを特徴とする軌道決定方法。 - 互いに間隔を有して配設され、宇宙機から送出された電波を受信する複数の受信装置により受信された前記電波の位相差を検出する位相差検出ステップと、
前記位相差検出ステップにより検出された電波の位相差から、前記電波の位相差の時間変化率を求める位相差時間変化率導出ステップと、
前記位相差時間変化率導出ステップにより求められた電波の位相差の時間変化率と、前記宇宙機の位置のx、y、z成分の初期値と、前記宇宙機の速度のx、y、z成分の初期値からなる初期状態量と、前記宇宙機の軌道に影響を及ぼす重力場を表す力学モデルとを状態量推定フィルタに入力し、当該状態量推定フィルタによって、前記宇宙機の位置のx、y、z成分の初期値の改訂値と、前記宇宙機の速度のx、y、z成分の初期値の改訂値とからなる前記宇宙機の状態量を推定し、当該状態量から各時刻の前記宇宙機の軌道を求める軌道演算ステップとをコンピュータに実行させ、
前記軌道演算ステップは、
前記位相差時間変化率導出ステップにより求められた電波の位相差の時間変化率と、前記宇宙機の位置のx、y、z成分の初期値と、前記宇宙機の速度のx、y、z成分の初期値からなる初期状態量と、前記宇宙機の軌道に影響を及ぼす重力場を表す力学モデルとを状態量推定フィルタに入力し、当該状態量推定フィルタによって、前記宇宙機の位置のx、y、z成分の初期値の改訂値と、前記宇宙機の速度のx、y、z成分の初期値の改訂値とからなる前記宇宙機の状態量を推定し、当該状態量から各時刻の前記宇宙機の軌道を暫定的に求める暫定軌道導出ステップと、
前記暫定軌道導出ステップにより暫定的に求められた宇宙機の軌道と、前記電波の位相差の時間変化率と、前記宇宙機の軌道に影響を及ぼす重力場を表す力学モデルとを状態量推定フィルタに入力し、当該状態量推定フィルタによって、前記宇宙機の位置のx、y、z成分の初期値の最終改訂値と、前記宇宙機の速度のx、y、z成分の初期値の最終改訂値とからなる前記宇宙機の最終状態量を推定し、当該状態量から各時刻の前記宇宙機の軌道を求める最終軌道導出ステップと、
前記位相差時間変化率導出ステップにより電波の位相差が微分された際に生じた数値微分誤差を求める数値微分誤差導出ステップと、
前記位相差時間変化率導出ステップにより求められた電波の位相差の時間変化率から、前記数値微分誤差導出ステップにより求められた数値微分誤差を減算する減算ステップと、を更に有し、
前記位相差時間変化率導出ステップは、
前記位相差検出ステップにより検出された電波の位相差を微分して、前記電波の位相差の時間変化率を求め、
前記数値微分誤差導出ステップは、
前記暫定軌道導出ステップにより暫定的に求めた前記宇宙機の軌道から、前記電波の位相差の推定値を求める位相差推定値導出ステップと、
前記位相差推定値導出ステップにより求められた電波の位相差の推定値を微分して、前記電波の位相差の時間変化率の推定値を求める第1の時間変化率推定値導出ステップと、
前記暫定軌道導出ステップにより暫定的に求められた宇宙機の軌道から、前記電波の位相差の時間変化率の推定値を求める第2の時間変化率推定値導出ステップとを更に有し、
前記第1の時間変化率推定値導出ステップにより求められた、前記電波の位相差の時間変化率の推定値から、前記第2の時間変化率推定値導出ステップにより求められた、前記電波の位相差の時間変化率の推定値を減算して数値微分誤差を求め、
前記最終軌道導出ステップは、前記暫定軌道導出ステップにより暫定的に求められた前記宇宙機の軌道と、前記減算ステップにより数値微分誤差が減算された前記電波の位相差の時間変化率とを用いて、前記宇宙機の軌道を求め、
前記最終軌道導出ステップにより求められた宇宙機の軌道を最終的な宇宙機の軌道とすることを特徴とするコンピュータプログラム。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2006079274A JP4937613B2 (ja) | 2006-03-22 | 2006-03-22 | 軌道決定装置、軌道決定方法、及びコンピュータプログラム |
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