JP2007256004A - 軌道決定装置、軌道決定方法、及びコンピュータプログラム - Google Patents

軌道決定装置、軌道決定方法、及びコンピュータプログラム Download PDF

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Abstract

【課題】宇宙機の軌道を、簡易な設備で高精度に求めることができるようにする。
【解決手段】位相差検出装置61は、受信装置40a〜40cにおけるテレメトリ信号30の受信時間差を位相差として検出し、データ解析装置62は、位相差検出装置61で検出されたテレメトリ信号30の位相差の時間変化率を求め、求めたテレメトリ信号30の位相差の時間変化率を用いて、宇宙機20の軌道10を求める。
【選択図】図1

Description

本発明は、軌道決定装置、軌道決定方法、及びコンピュータプログラムに関し、特に、宇宙機の軌道を決定するために用いて好適なものである。
人工衛星、人工惑星、及びロケット等の宇宙機の軌道(位置と速度)を逐次把握することは、宇宙機を運用する上で、非常に重要である。
宇宙機の軌道を決定する手法として、RARR法(Range and Range Rate)がある。このRARR法では、地上観測局から電波を宇宙機に送信し、宇宙機がその電波を地上観測局に送り返すようにしている。そして、電波が地上観測局と宇宙機とを往復するのに必要な時間を計測し、地上観測局から宇宙機までの視線距離(Range)と、視線距離の変化率(Range Rate)とを観測する。このような視線距離(Range)と、視線距離の変化率(Range Rate)とからなる観測値を多数取得し、取得した観測値を、宇宙機の動きを表すモデルに当てはめて、宇宙機の軌道を求める。
宇宙機及び地上観測局が慣性空間に対して運動していることにより、ドップラ効果が生じるため、宇宙機から固定周波数で電波を送信しても、地上観測局側で受信する周波数は逐次変化する(以下、この逐次変化する周波数をドップラ周波数と称する)。このドップラ周波数の観測値を多数取得し、取得した観測値を、宇宙機の動きを表すモデルに当てはめて、宇宙機の軌道を求めることが可能である(以下、このようにして宇宙機の軌道を求める手法をドップラ周波数測定法と称する)。
また、地上観測局に対する宇宙機の方向(方位角・仰角)の観測値を多数取得し、取得した観測値を、宇宙機の動きを表すモデルに当てはめて、宇宙機の軌道を求めることが可能である(以下、このようにして宇宙機の軌道を求める手法を角度測定法と称する)。地上観測局に対する宇宙機の方向の測定方法は複数ある。例えば、宇宙機からの電波強度が強い方向を検出し、検出したときのアンテナの角度を測定値とする場合、及び、実際に宇宙機を望遠鏡で観測して、方角を測定する場合がある。
また、宇宙機の表面に取り付けられた反射鏡に向けて地上観測局からレーザを送出し、送出したレーザが地上観測局に戻ってくるまでの時間を計測し、計測した結果を宇宙機の動きを表すモデルに当てはめて、宇宙機の軌道を求める方法がある。
さらに、宇宙機と、位置が既知である参照電波源(準星等の天体)との相対位置を、電波干渉計を用いて複数回測定し、測定した結果を宇宙機の動きを表すモデルに当てはめて、宇宙機の軌道を求める方法がある。この電波干渉計を用いる方法では、宇宙機からの電波が複数のアンテナで受信されたときの相対時間差を測定値としているために、単独の測定では宇宙機の方位の絶対値を求めることができない。そこで、宇宙機からの電波と、参照電波源からの電波とを同時に又は交互に測定し、測定した結果を用いて参照電波源からの相対角距離を求め、求めた相対角距離に基づいて、宇宙機の方位の絶対値を求めるようにしている。
さらに、GPS受信機を宇宙機に搭載し、宇宙機自身で時々刻々の位置を計測し、計測した結果を宇宙機の動きを表すモデルに当てはめて、宇宙機の軌道を決定する方法もある。
しかしながら、前述したRARR法では、地上観測局から電波を送出する必要があるので、地上観測局と宇宙機との双方の通信機に精度の高い調整が必要となる。そのため、任意の衛星の軌道を求めることが困難であるという問題点があった。また、RARR法では、地上観測局から宇宙機までの視線距離とその変化率とを観測するので、宇宙機の視線方向への運動が小さいと、求めた宇宙機の軌道に大きな誤差が生じてしまうという問題点があった。
前述したドップラ周波数測定法では、RARR法で必要であった地上観測局からの電波の送出が不要である代わりに、宇宙機側の送信機から送信される電波の固定周波数の不安定性の影響を受けるため、RARR法よりも軌道決定能力が劣る。また、RARR法と同様に、宇宙機の視線方向への運動が小さいと、求めた宇宙機の軌道に大きな誤差が生じるという問題点がある。
また、前述した角度測定法は、ドップラ周波数測定法と同様に、RARR法と比較すると高い軌道決定能力を期待できず、あくまで宇宙機の今後の追跡に必要な程度の軌道決定しか出来ず、測地などに利用できるような高い精度を期待できない。
また、レーザを用いて宇宙機の軌道を求める従来の方法は、天候が快晴でなければ行うことができないという問題点があった。さらに、測定対象となる宇宙機以外の他の宇宙機や航空機にレーザを当ててはいけないため、測定時間帯に大きな制約が生じてしまうという問題点があった。この他、電波を利用した場合と比較すると、測定間隔が長い(数十秒〜数分)ため、軌道を高精度に求めるために必要なデータ数を確保することが困難であるという問題点があった。
また、電波干渉計を用いて宇宙機の軌道を求める従来の方法では、参照電波源からの相対角距離を求める必要があるために、参照信号源を宇宙機の近くに確保する必要があるが、宇宙機の近くに参照信号源を常に確保することは困難であるという問題点があった。また、参照信号源として用いられる準星等の天体から発せられる電波の強度は微弱であるために、大型のアンテナと超高感度の受信機とを用いる必要があり、受信設備が大規模になるという問題点があった。
GPS受信機を宇宙機に搭載して宇宙機の軌道を決定する方法では、宇宙機に専用の受信機とアンテナを搭載する必要があり、計測した位置情報を宇宙機から地上に送出することが必要となる。
以上のように、従来の技術では、宇宙機の軌道を、簡易な設備で高精度に求めることができないという問題点があった。
本発明は、このような問題点に鑑みてなされたものであり、宇宙機の軌道を、簡易な設備で高精度に求めることができるようにすることを目的とする。
本発明の軌道決定装置は、互いに間隔を有して配設され、宇宙機から送出された電波を受信する複数の受信装置と、前記複数の受信装置により受信された電波の位相差を検出する位相差検出手段と、前記位相差検出手段により検出された電波の位相差から、前記電波の位相差の時間変化率を求める位相差時間変化率導出手段と、前記位相差時間変化率導出手段により求められた電波の位相差の時間変化率を用いて、前記宇宙機の軌道を求める軌道演算手段とを有することを特徴とする。
本発明の軌道決定方法は、宇宙機から送出された電波を、互いに間隔を有して配設された複数の受信装置により受信する受信ステップと、前記複数の受信装置により受信された電波の位相差を検出する位相差検出ステップと、前記位相差検出ステップにより検出された電波の位相差から、前記電波の位相差の時間変化率を求める位相差時間変化率導出ステップと、前記位相差時間変化率導出ステップにより求められた電波の位相差の時間変化率を用いて、前記宇宙機の軌道を求める軌道演算ステップとを有することを特徴とする。
本発明のコンピュータプログラムは、互いに間隔を有して配設され、宇宙機から送出された電波を受信する複数の受信装置により受信された前記電波の位相差を検出する位相差検出ステップと、前記位相差検出ステップにより検出された電波の位相差から、前記電波の位相差の時間変化率を求める位相差時間変化率導出ステップと、前記位相差時間変化率導出ステップにより求められた電波の位相差の時間変化率を用いて、前記宇宙機の軌道を求める軌道演算ステップとをコンピュータに実行させることを特徴とする。
本発明によれば、宇宙機に搭載する送信機を一般的な送信機にすることができると共に、位置が既知である参照電波源を使用する必要がなくなるので、宇宙機の軌道を、簡易な設備で高精度に求めることができるようになる。
以下に、本発明の一実施形態を説明する。
図1は、軌道決定システムの構成の一例を示した図である。
図1において、軌道10上を宇宙機20が移動している。本実施形態では、高度1400kmの軌道10を周回している低軌道周回軌道衛星を宇宙機20としている。一方、地上には、宇宙機20から送出される単一周波数信号(電波)30を受信する3台の受信装置40a〜40cが設けられている。3台の受信装置40a〜40cは、宇宙機20から送出されたテレメトリ信号を、単一周波数信号30として受信するようにしている。具体的にこのテレメトリ信号は、例えば6.85GHzの周波数を有している。尚、以下の説明では、宇宙機20から送出される単一周波数信号30を、宇宙機20から送出されるテレメトリ信号30又は単にテレメトリ信号30と略称する。
図1に示すように、受信装置40a、40bは東西方向に可及的に長い基線がとられるように配置されており、受信装置40b、40cは南北方向に可及的に長い基線がとられるように配置されている。このようにして受信装置40a、40b間の基線及び受信装置40b、40c間の基線を長くとると、宇宙機20の東西方向及び南北方向の動きを効率よく捉えることができる。具体的に本実施形態では、受信装置40a、40b間の基線及び受信装置40b、40c間の基線の長さを、約50mとしている。
3台の受信装置40a〜40cは、ネットワーク50を介して軌道演算装置60と相互に接続されている。ネットワーク50としては、インターネット等が挙げられる。3台の受信装置40a〜40cと、軌道演算装置60とが、ネットワーク50を介して通信するときの通信速度(伝送帯域)は、例えば、10000bit/秒(10kbps)である。
軌道演算装置60は、位相差検出装置61と、データ解析装置62と、軌道表示装置63とを有している。軌道演算装置60は、例えばパーソナルコンピュータを用いることにより実現することができる。
位相差検出装置61は、受信装置40a〜40cにおけるテレメトリ信号30の受信時間差を位相差として検出するための装置である。
データ解析装置62は、位相差検出装置61で検出されたテレメトリ信号30の位相差の時間変化率を求め、求めたテレメトリ信号30の位相差の時間変化率を用いて、宇宙機20の軌道10を求めるための装置である。この位相差の時間変化率は、宇宙機20の角速度を表すものである。尚、以下の説明では、位相差の時間変化率を、必要に応じて位相差変化率と略称する。
軌道表示装置63は、データ解析装置62で求められた宇宙機20の軌道10に関する情報を表示装置に表示するためのものである。
図2は、受信装置40の構成の一例を示した図である。図1に示した3台の受信装置40a〜40cの構成は、それぞれ同じである。従って、ここでは受信装置40aの構成について説明し、残りの受信装置40b、40cの構成の説明を省略する。
図2において、受信装置40aは、アンテナ41と、アンテナ駆動装置42と、前置増幅器43と、基準信号発生源44と、位相同期発振器45と、周波数変換増幅器46と、GPS(Global Positioning System)受信機47と、記録装置48とを有している。
アンテナ41は、宇宙機20から送出されたテレメトリ信号30を受信するためのものである。本実施形態では、口径が1.2mのアンテナ41を用いている。
アンテナ駆動装置42は、アンテナ41を駆動させるための装置である。このアンテナ駆動装置42により、アンテナ41は所望の方向を向くようになる。
前置増幅器43は、アンテナ41で受信されたテレメトリ信号30を増幅するためのものである。
基準信号発生源44は、各受信装置30a〜30bを位相同期させて動作させるための高安定基準信号44aを発生させるための信号発生源である。
位相同期発振器45は、基準信号発生源44で発生された高安定基準信号44aに位相同期した局部発振信号45aを発生させるためのものである。
周波数変換増幅器46は、位相同期発振器45で発生された局部発振信号45aを用いて、前置増幅器43で増幅されたテレメトリ信号30を、記録装置48で処理可能な周波数帯及び信号強度に変換するためのものである。
GPS受信機47は、図示しない衛星から信号を受信し、受信した信号に基づいて、受信装置40aの内部で形成されているクロック信号に基づく時刻を補正し、補正した時刻を示す時刻同期信号47a(例えば1pps信号)を記録装置48に出力するためのものである。
記録装置48は、基準信号発生源44で発生された高安定基準信号44aに基づくサンプリング信号を生成し、生成したサンプリング信号と、GPS受信機47から出力された時刻同期信号47aとを用いて、周波数変換増幅器46で周波数帯及び信号強度が変換されたテレメトリ信号30をデジタル信号に変換する。このようしてテレメトリ信号30がデジタル信号に変換されると、アンテナ41で受信された際の位相を示す位相情報が、受信時刻情報としてテレメトリ信号30に付加される。そして、記録装置48は、デジタル信号に変換したテレメトリ信号30を記録媒体に記録し、ネットワーク50を介して軌道演算装置60に設けられた位相差検出装置61に送信する。
図3は、軌道演算装置60に設けられた位相差検出装置61が有する機能構成の一例を示した図である。尚、位相差検出装置61が有する機能は、例えば、軌道演算装置60に設けられたCPUが、ROMに記憶されたコンピュータプログラムを、RAM等を用いて実行することにより実現することができる。尚、図3において、二重で囲まれたブロック61dは、処理を表すブロックであり、他のブロック61a〜61c、61eは、データを表すブロックである。
図3において、位相差算出処理部61dは、受信装置40a〜40cからネットワーク50を介して送信されたテレメトリ信号61a〜61cを受信する。そして、受信したテレメトリ信号61a〜61cの相互相間処理を行い、テレメトリ信号61a〜61c間の位相差を求める。図4は、テレメトリ信号61a〜61c間の位相差の一例を概念的に示した図である。
宇宙機20の運動により、宇宙機20から各受信装置40a〜40cにテレメトリ信号30が到来する時間が変わるので、図4(a)に示すように、テレメトリ信号61a〜61c間の位相差は、2πrad(=360°)の範囲で時間変化する。図4(a)では、0rad〜−2πradの間で変化する例を示しているが、この場合では、テレメトリ信号61a〜61c間の位相差は、−2πradよりも減少すると、一旦0radに戻り、再び減少するような変化を示す。そこで、位相差算出処理部61dは、この変化を解析することにより、図4(a)に示すテレメトリ信号61a〜61c間の位相差を接続する。そうすると、図4(b)に示すように、0rad〜−2πradの範囲を超えた変化を示す位相差が、テレメトリ信号61a〜61c間の位相差として得られる。
位相差算出処理部61dは、このようにして得られたテレメトリ信号61a〜61c間の位相差を求める。そして、求めたテレメトリ信号61a〜61c間の位相差を位相差観測値61eとして、データ解析装置62に送信する。
図5は、データ解析装置62が有する機能構成の一例を示した図である。尚、データ解析装置62が有する機能は、例えば、軌道演算装置60に設けられたCPUが、ROMに記憶されたコンピュータプログラムを、RAM等を用いて実行することにより実現することができる。尚、図5において、二重で囲まれたブロック622a〜622jは、処理を表すブロックであり、他のブロック621a〜621sは、データを表すブロックである。
図5において、数値微分処理部622aは、位相差検出装置61から送信された位相差観測値621a(図4に示した位相差観測値61e)を受信すると、受信した位相差観測値621aを数値微分して位相差変化率観測値621bを求め、求めた位相差変化率観測値621bを第1次状態量推定フィルタ処理部622bに出力する。この位相差変化率観測値621bは、力学モデルから算出される位相差変化率推定値と直接比較することができるものである。
位相差観測値621aは、受信装置40a〜40cにおけるテレメトリ信号30の受信時刻の差分によって変動し、その値は最初の観測値を0(ゼロ)としたときの相対的な変動量を示すものであるので、その絶対値には根拠がない。従って、位相差観測値621aを後述する状態量推定フィルタで取り扱うことができない。そこで、本実施形態では、数値微分処理部622aにより、位相差観測値621aを数値微分して位相差変化率観測値621bを求め、求めた位相差変化率観測値621bを第1次状態量推定フィルタ処理部622bに出力するようにしている。
ここで、時刻t1の位相差観測値621aをφA(t1)とし、時刻t2の位相差観測値621aをφA(t2)とすると、位相差変化率ξB(t12)は、以下の(1)式で表される。
ξB(t12)={φA(t2)−φA(t1)}/(t2−t1) ・・・(1)
図6(a)は、位相差検出装置61から送信された位相差観測値621a(図4に示した位相差観測値61e)の一例を示し、図6(b)は、その位相差観測値621aを数値微分して得られた位相差変化率観測値621dの一例を示した図である。
以上のように、位相差変化率観測値621bは、位相差観測値621aを数値微分することにより得られる値であるので、数値微分を行うことにより生じる誤差がある。即ち、数値微分は、ある時間間隔を線形近似して計算するため、位相差観測値621aが非線形で変化する領域では、求めた位相差変化率観測値621bに、数値微分誤差が含まれる。また、位相差変化率観測値621bには、位相差観測値621aを得る際に発生するランダム誤差も含まれる。
図7(a)は、数値微分誤差を説明する図であり、図7(b)は、ランダム誤差を説明する図である。
図7(a)において、位相差φE(ti)、φE(tj)を線形近似して数値微分すると位相差変化率ξF(tij)が得られる。ところが、得られた位相差変化率ξF(tij)と、実際の位相差変化率ξG(tij)とは一致せず、差が生じる。この差δξHが数値微分誤差である。即ち、数値微分誤差δξHは、以下の(2)式で表される。
δξH=ξF(tij)−ξG(tij)・・・(2)
従って、数値微分する時間間隔Δtを小さくする程、数値微分誤差δξHは小さくなる。
一方、図7(b)において、位相差変化率ξB(tij)は、位相差観測値φA(ti)、φA(tj)と、線形近似する時間間隔Δtとを用いると、以下の(3)式で表される。
ξB(tij)={φA(tj)−φA(ti)}/Δt ・・・(3)
ここで、位相差観測値621aを得る際に発生するランダム誤差δφrandを以下の(4)式で定義する。
|δφrand|<σφ ・・・(4)
そうすると、時間間隔Δtで数値微分する場合、位相差変化率ξB(tij)には、最大で2δσφ/Δtの誤差が含まれることになる。
従って、数値微分する時間間隔Δtを小さくする程、位相差変化率ξB(tij)に含まれる誤差は大きくなる。
位相差観測値にランダム誤差δφrandが含まれているので、それを数値微分した位相差変化率には数値微分誤差δξHに加えて、ランダム誤差δξrandが含まれる。
後述する状態量推定フィルタは、ランダム誤差δξrandのみが含まれる状況において最適な解を導出するフィルタである。よって、線形近似する時間間隔Δtを可能な限り大きくしつつ、数値微分誤差δξHの影響がランダム誤差δξrandの影響と比較して小さくなるようにする必要がある。
そこで、本実施形態では、以下のようにして、宇宙機20の軌道10を決定するようにしている。
図5に示す第1次状態量推定フィルタ処理部622bは、前述したようにして数値微分処理部622aから出力された位相差変化率観測値621bと、宇宙機20の初期軌道621cと、力学モデル(運動モデル)621dとを入力する。そして、入力した初期軌道621cと、力学モデル621dと、位相差変化率観測値621bとを、状態量推定フィルタに与えて、宇宙機20の第1次最適軌道621eを求めると共に、宇宙機20の第1次最適軌道621eの統計誤差621fを求める。ここで、宇宙機20の初期軌道621cには、宇宙機20の初期位置のx,y,z成分の値と、宇宙機20の初期速度のx,y,z成分の値とが含まれている。この宇宙機20の初期軌道621cに含まれるデータは、過去の観測から得られた値であり、ある程度の誤差を含んだ値である。また、初期軌道621cと、力学モデル621dは、例えば、軌道演算装置60に設けられているユーザインターフェース(キーボードやマウス等)を用いた入力操作に基づいて、軌道演算装置60に設けられているHDD等の記録媒体に記録されているものである。
状態推定フィルタは、ある時刻における宇宙機20の状態量(宇宙機20の位置及び速度)について、複数の時刻における位相差変化率観測値621bと、力学モデル621dとを用いて、最も確率の高い状態量(宇宙機20の位置のx,y,z成分の値と、宇宙機20の速度のx,y,z成分の値)を求めるためのものである。この状態量推定フィルタを用いると、ランダム誤差δξrandが観測値に含まれている場合に最適な状態量を求めることができると共に、求めた状態量に含まれる統計誤差を計算することができる。尚、この状態推定フィルタは、宇宙機20の位置及び速度(即ち、宇宙機20の軌道10)を求めるものに限らず、力学モデルが明らかであれば、測定値から様々な最適な状態を決定することができる汎用的なものである。状態量推定フィルタとしては、例えば、最小自乗フィルタ(バッチ推定フィルタ)を用いることができる。
以上のようにして第1次状態量推定フィルタ処理部622bで求められた宇宙機20の第1次最適軌道621eは、初期軌道621cに基づいて求められたものであるので、位相変化率観測値621bの傾向を大まかに反映したものとなる。また、数値微分誤差δξHと、ランダム誤差δξrandとの双方を含む位相差変化率観測値621bに、状態推定フィルタを適用している。従って、状態推定フィルタは、位相差変化率観測値621bに含まれている数値微分誤差δξHをランダム誤差δξrandと見なして第1次最適軌道621eを求めることになる。従って、第1次最適軌道621eは、本来の最適軌道とは異なるものになると共に、第1次状態量推定フィルタ処理部622bで求められた統計誤差621fは、不正確なものになる。
そこで、本実施形態では、以下のようにして、数値微分誤差δξHと、ランダム誤差δξrandとの双方を含む位相差変化率観測値621bから、数値微分誤差δξHを除去するようにして、ランダム誤差δξrandだけが誤差として含まれるようにしている。
まず、位相差推定処理部622cは、第1次最適軌道621eを入力すると共に、力学モデル621gを入力する。ここで、第1次最適軌道621eは、第1次状態量推定フィルタ処理部622bで求められたものである。また、力学モデル621gは、例えば、軌道演算装置60に設けられているユーザインターフェース(キーボードやマウス等)を用いた入力操作に基づいて、軌道演算装置60に設けられているHDD等の記録媒体に記録されているものである。
そして、位相差推定処理部622cは、第1次最適軌道621eを、力学モデル621gに適用して、位相差推定値621hを求める。
数値微分処理部622dは、位相差推定処理部622cで求められた位相差推定値621hを数値微分して、第1の位相差変化率推定値621iを求める。
一方、位相差変化率推定処理部622eは、第1次最適軌道621eを入力すると共に、力学モデル621jを入力する。ここで、第1次最適軌道621eは、第1次状態量推定フィルタ処理部622bで求められたものである。また、力学モデル621iは、例えば、軌道演算装置60に設けられているユーザインターフェース(キーボードやマウス等)を用いた入力操作に基づいて、軌道演算装置60に設けられているHDD等の記録媒体に記録されているものである。
そして、位相差変化率推定処理部622eは、第1次最適軌道621eを、力学モデル621jに適用して、第2の位相差変化率推定値621kを求める。
以上のように、第1の位相差変化率推定値621iは、力学モデル621iを用いて得られた位相差推定値621hを数値微分して得たものであるので、数値微分誤差を含む。一方、第2の位相差変化率推定値621kは、力学モデル621jを用いて直接得られたものであるので、数値微分誤差を含まない。
そこで、差分処理部622fは、第1の位相差変化率推定値621iから、第2の位相差変化率推定値621kを減算して、数値微分誤差621l((2)式に示した数値微分誤差δξH)を求める。
前述したように、位相差変化率観測値621bには、数値微分誤差δξHと、ランダム誤差δξrandとの双方が含まれている。そこで、位相差変化率観測値算出処理部622gは、位相差変化率観測値621bから、数値微分誤差621lを減算して、ランダム誤差δξrandだけが誤差として含まれる位相差変化率観測値621mを求める。
前述したように、状態推定フィルタは、ランダム誤差δξrandが観測値に含まれている場合に最適な状態量を求めることができるものであるので、以上のようにして、ランダム誤差δξrandだけが誤差として含まれる位相差変化率観測値621mを状態量推定フィルタに与えると、最適な状態量を求めることができることになる。
そこで、第2の状態量推定フィルタ処理部622hは、第1の最適軌道621eと、位相差変化率観測値621mと、力学モデル621nとを入力する。ここで、第1の最適軌道621eは、第1次状態量推定フィルタ処理部622bで求められたものである。位相差変化率観測値621mは、位相差変化率観測値算出処理部622gで求められたものであって、ランダム誤差δξrandだけが誤差として含まれるものである。力学モデル621nは、例えば、軌道演算装置60に設けられているユーザインターフェース(キーボードやマウス等)を用いた入力操作に基づいて、軌道演算装置60に設けられているHDD等の記録媒体に記録されているものである。
そして、第2の状態量推定フィルタ処理部622hは、第1の最適軌道621eと、位相差変化率観測値621mと、力学モデル621nとを、状態推定フィルタに与えて、宇宙機20の最適軌道621oを宇宙機20の軌道10として求めると共に、宇宙機20の最適軌道621oの統計誤差621pを求める。そして、第2の状態量推定フィルタ処理部622hは、求めた宇宙機20の最適軌道621oを、軌道表示装置63に送信する。軌道表示装置63は、第2の状態量推定フィルタ処理部622hから送信された宇宙機20の最適軌道621oを表示装置に表示する。
図8は、以上のようにして実際に求めた宇宙機20の初期軌道621c及び最適軌道621oと、宇宙機20の真の軌道10との関係の一例を示した図である。また、図9は、以上のようにして実際に求めた宇宙機20の初期軌道621c及び最適軌道621oと、宇宙機20の真の軌道10との差の一例をグラフ化して示した図である。
図9において、ECIは赤道面基準慣性座標系を示し、ECI−X、ECI−Y、ECI−Zは、それぞれ赤道面基準慣性座標系のX軸、Y軸、Z軸の値であることを示す。そして、白抜きのグラフが、宇宙機20の初期軌道621cと宇宙機20の真の軌道10との差を表し、塗り潰されたグラフが、宇宙機20の最適軌道621oと、宇宙機20の真の軌道10との差を表わしている。例えば、宇宙機20の初期軌道621cと宇宙機20の真の軌道10との、赤道面基準慣性座標系におけるX軸方向の差は、13817mであり、宇宙機20の最適軌道621oと、宇宙機20の真の軌道10との、赤道面基準慣性座標系におけるX軸方向の差は、564mとなる。
尚、実際には、宇宙機20の真の軌道を知ることはできない。この観測データの解析例では、別の軌道決定手段(本実施形態の手法よりも高い精度を持つ)によって得られた軌道を「仮の真軌道」と定義し、その軌道に対する初期軌道及び最適軌道の位置誤差を数値で示している。あくまでもこの数値例は、初期軌道よりも、最適軌道の方が真の軌道に近くなることを示すものである。
図8及び図9に示すように、初期軌道621cに比べると、最適軌道621oは、の真の軌道10に極めて近いことが分かる。最適軌道621oと真の軌道10との差は、位相差検出装置61で検出される位相差観測値61e(位相差観測値621a)に含まれるランダム誤差δφrandの大きさと、第1次及び第2次状態量推定フィルタ処理部622b、622hで使用される状態推定フィルタに入力するデータ数と、位相差観測値61e(位相差観測値621a)を得るための観測時間(ただし、この観測時間は、データ取得開始時刻からデータ取得終了時刻までの間の時間であり、宇宙機20が不可視になる時間も含む)とによって変動する。具体的に、ランダム誤差δφrandが小さく、状態推定フィルタに入力するデータ数が多く、観測時間が長いと、最適軌道621oと真の軌道10との差は小さくなる傾向になる。
図5に説明を戻し、本実施形態のデータ解析装置62では、以上のようにして第2次状態量推定フィルタ処理部62hで求められた最適軌道621oの精度を自己評価することができるようにしている。
具体的に位相差推定処理部622iは、最適軌道621oと、力学モデル621qとを入力する。ここで、最適軌道621oは、第2次状態量推定フィルタ処理部622hで求められたものである。また、力学モデル621qは、例えば、軌道演算装置60に設けられているユーザインターフェース(キーボードやマウス等)を用いた入力操作に基づいて、軌道演算装置60に設けられているHDD等の記録媒体に記録されているものである。
そして、位相差推定処理部622iは、最適軌道621oを、力学モデル621qに適用して、位相差推定値621rを求める。
差分処理部622jは、位相差検出装置61から出力された位相差観測値621a(図3に示した位相差観測値61e)から、位相差推定処理部622iで求められた位相差推定値621rを減算して、ランダム誤差621s(図7(b)に示したランダム誤差δφrand)を求める。
図10(a)は、位相差推定処理部622iで求められた位相差推定値621rの一例を示した図であり、図10(b)は、位相差検出装置61から出力された位相差観測値621a(位相差観測値61e)の一例を示した図である。そして、図11は、図10(b)に示した位相差観測値621a(図3に示した位相差観測値61e)から、図10(a)に示した位相差推定値621rを減算した値(即ち、ランダム誤差621s)と、それらの値の平均直線とを示した図である。尚、図10(a)では、ランダム誤差621sを■で示している。
ランダム誤差621sの平均直線の傾きが0(ゼロ)に近く、且つランダム誤差621sの平均直線に対するばらつき(位相差推定値621rに対する誤差成分)がランダムである場合に、宇宙機20の軌道10が正確に決定されたと自己評価できる。
図11に示すように、平均直線1101の傾きは、0.0030rad/minとなり、約0(ゼロ)である。そして、ランダム誤差621sは、平均直線に対し、0.082radの標準偏差に基づいてランダムに変動している。即ち、ランダム誤差621sは、平均直線に対し、受信装置40の感度から与えられる位相の変動幅と同程度の幅でランダムに変動している。従って、宇宙機20の軌道10が正確に決定されたと自己評価できる。
尚、前記において、図5に示した力学モデル621d、621g、621j、621n、621qは、同じ力学モデルである。
以上のように本実施形態では、位相差検出装置61は、受信装置40a〜40cにおけるテレメトリ信号30の受信時間差を位相差として検出し、データ解析装置62は、位相差検出装置61で検出されたテレメトリ信号30の位相差の時間変化率を求め、求めたテレメトリ信号30の位相差の時間変化率を用いて、宇宙機20の軌道10を求めるようにした。
これにより、宇宙機20の軌道10を求めるために宇宙機20に搭載する機器を、一般的な送信機だけにすることができる。宇宙機20に搭載する機器には、高い性能と高度な取扱い技術が要求される。従って、宇宙機20に搭載する機器を少なくすることにより、宇宙機20のコスト、重量、及び開発の負担を低減することができるのに加え、観測時に地上観測局から宇宙機20に、送信モードを変更するといった運用コマンドを送ることが不要になる。これにより、宇宙機20にコマンドを送ることが許可されていない地上観測局も観測ネットワークに参加することが可能になる。例えば、本実施形態の方法では、GPS受信機を宇宙機20に搭載して宇宙機20の軌道10を決定する方法よりも、宇宙機20に搭載する機器を減らすことができる。
また、電波干渉計を用いた従来の軌道決定方法のように、参照信号源を確保する必要がないので、参照信号源を用いた場合に比べ、地上における受信設備を簡単な構成にすることができる。また、参照信号源を宇宙機の近くに確保する等の制約が減るので、宇宙機20の軌道10を決定するための測定時間をより多く確保することができる。
また、参照信号源を必要としないので、単一周波数のテレメトリ信号30を宇宙機20から受信装置40に送信すればよい。従って、3台の受信装置40a〜40cと、軌道演算装置60とが通信する際のネットワーク50の通信速度を遅く(伝送帯域を狭く)することができる。
さらに、RARR法やレーザを用いた従来の軌道決定方法のように、宇宙機20の軌道10を決定するために、地上に送信設備を設ける必要がなくなる。また、電波干渉計を用いた従来の軌道決定方法に比べ、小口径のパラボラアンテナを用いることができる。
また、RARR法やドップラ周波数測定法では、宇宙機20の視線方向以外の位置及び速度を測定することができないという欠点がある。これに対して、本実施形態の方法では、宇宙機20の視線方向に垂直な方向の位置の変化を測定することができる。従って、RARR法やドップラ周波数測定法と本実施形態の方法とを相互に補間して、宇宙機20の軌道10を決定することもできる。視線方向に垂直な方向の位置の変化を測定する点では、角度測定法も同様の特性を有する。しかしながら、単一のアンテナを用いて電波強度から方角を決定したり、望遠鏡を用いて方角を決定したりする手法よりも、複数のアンテナを用いて電波の位相差を測定する本実施形態の手法は、測定精度の面で大きな優位性を持つ。
尚、宇宙機20は、低軌道周回軌道衛星に限定されず、人工衛星、人工惑星、及びロケット等、軌道10を移動する物体であればどのようなものであってもよい。
また、本実施形態では、単一周波数のテレメトリ信号30を宇宙機20から受信装置40に送信する場合を例に挙げて説明したが、この単一周波数のテレメトリ信号30の代わりに、例えば、狭帯域のテレメトリ信号を用いるようにしてもよい。
また、本実施形態では、受信装置40a、40b間の基線及び受信装置40b、40c間の基線の長さを50mとした場合を例に挙げて説明したが、受信装置40a、40b間の基線及び受信装置40b、40c間の基線の長さは50mより短くても長くてもよい。例えば、受信装置40a〜40cのアンテナ41の間隔を長くし、宇宙機20の運動に対する位相差観測値61eの感度を高くすることで、宇宙機20の軌道10を精度良く決定することができるので、受信装置40a、40b間の基線及び受信装置40b、40c間の基線の長さを数十kmにすることができる。
また、アンテナ41の口径が1.2mである場合を例に挙げて説明したが、アンテナ41の口径は1.2mに限定されず、宇宙機20からのテレメトリ信号30の受信電力に応じて増減させることができる。本実施形態のように宇宙機20が低軌道地球周回衛星であれば、例えばアンテナ41の口径を1mにすることもできる。
また、本実施形態では、受信装置40が3台の場合を例に挙げて説明したが、受信装置40の数は2台以上であれば、何台であってもよい。受信装置40の数が多い程、計算量は増大するが、測定精度は向上する。また、受信装置40が2台の場合には、2台の受信装置40のアンテナ41間の方向に対して垂直な方向の成分については、アンテナ41におけるテレメトリ信号30の受信時間差が発生しない(感度を持たない)ことになる。
また、本実施形態では、基準信号発生源44と、GPS受信機47とを受信装置40a〜40cの夫々が備えるようにしたが、受信装置40a〜40cの間の距離が短い場合には、受信装置40a〜40cが、基準信号発生源44と、GPS受信機47を共用するようにしてもよい。
また、本実施形態では、軌道表示装置63は、第2の状態量推定フィルタ処理部622hから送信された宇宙機20の最適軌道621oを表示装置に表示するようにしたが、軌道表示装置63がこの他の情報を表示するようにしてもよい。例えば、図8〜図10に示した内容を画像化して表示するようにしてもよい。
尚、本発明の実施形態は、コンピュータがプログラムを実行することによって実現することができる。また、プログラムをコンピュータに供給するための手段、例えばかかるプログラムを記録したCD−ROM等のコンピュータ読み取り可能な記録媒体、又はかかるプログラムを伝送する伝送媒体も本発明の実施の形態として適用することができる。また、上記プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体などのプログラムプロダクトも本発明の実施の形態として適用することができる。上記のプログラム、コンピュータ読み取り可能な記録媒体、伝送媒体及びプログラムプロダクトは、本発明の範疇に含まれる。
また、前述した実施形態は、何れも本発明を実施するにあたっての具体化の例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。すなわち、本発明はその技術思想、またはその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。
本発明の実施形態を示し、軌道決定システムの構成の一例を示した図である。 本発明の実施形態を示し、受信装置の構成の一例を示した図である。 本発明の実施形態を示し、位相差検出装置が有する機能構成の一例を示した図である。 本発明の実施形態を示し、テレメトリ信号間の位相差の一例を概念的に示した図である。 本発明の実施形態を示し、データ解析装置が有する機能構成の一例を示した図である。 本発明の実施形態を示し、位相差検出装置から送信された位相差観測値と、その位相差観測値を数値微分して得られた位相差変化率観測値の一例を示した図である。 本発明の実施形態を示し、数値微分誤差と、ランダム誤差を説明する図である。 本発明の実施形態を示し、宇宙機の初期軌道及び最適軌道と、宇宙機の真の軌道との関係の一例を示した図である。 本発明の実施形態を示し、宇宙機の初期軌道及び最適軌道と、宇宙機の真の軌道との差の一例をグラフ化して示した図である。 本発明の実施形態を示し、位相差推定処理部で求められた位相差推定値の一例と、位相差検出装置から出力された位相差観測値の一例を示した図である。 本発明の実施形態を示し、位相差観測値から、位相差推定値を減算した値(ランダム誤差)と、それらの値の平均直線とを示した図である。
符号の説明
10 軌道
20 宇宙機
30 テレメトリ信号
40 受信装置
50 ネットワーク
60 軌道演算装置
61 位相差検出装置
62 データ解析装置
63 軌道表示装置

Claims (7)

  1. 互いに間隔を有して配設され、宇宙機から送出された電波を受信する複数の受信装置と、
    前記複数の受信装置により受信された電波の位相差を検出する位相差検出手段と、
    前記位相差検出手段により検出された電波の位相差から、前記電波の位相差の時間変化率を求める位相差時間変化率導出手段と、
    前記位相差時間変化率導出手段により求められた電波の位相差の時間変化率を用いて、前記宇宙機の軌道を求める軌道演算手段とを有することを特徴とする軌道決定装置。
  2. 前記受信装置は、前記宇宙機から送出された電波を受信するためのアンテナと、
    前記複数の受信装置を同期させて動作させるための基準信号と、時刻信号とを用いて、前記アンテナで受信された電波をデジタル信号に変換する信号変換手段とを有し、
    前記位相差検出手段は、前記変換手段によりデジタル信号に変換された電波の位相差を検出することを特徴とする請求項1に記載の軌道決定装置。
  3. 前記軌道演算手段は、前記位相差時間変化率導出手段により求められた電波の位相差の時間変化率と、前記宇宙機の初期軌道とを用いて、前記宇宙機の軌道を暫定的に求める暫定軌道導出手段と、
    前記暫定軌道導出手段により暫定的に求められた宇宙機の軌道と、前記電波の位相差の時間変化率とを用いて、前記宇宙機の軌道を求める最終軌道導出手段手段とを更に有し、
    前記最終軌道導出手段により求められた宇宙機の軌道を最終的な宇宙機の軌道とすることを特徴とする請求項1又は2に記載の軌道決定装置。
  4. 前記位相差時間変化率導出手段は、前記位相差検出手段により検出された電波の位相差を微分して、前記電波の位相差の時間変化率を求め、
    前記軌道演算手段は、前記位相差時間変化率導出手段により電波の位相差が微分された際に生じた数値微分誤差を求める数値微分誤差導出手段と、
    前記位相差時間変化率導出手段により求められた電波の位相差の時間変化率から、前記数値部分誤差導出手段により求められた数値微分誤差を減算する減算手段とを有し、
    前記最終軌道導出手段手段は、前記暫定軌道導出手段により暫定的に求められた宇宙機の軌道と、前記減算手段により数値微分誤差が減算された電波の位相差の時間変化率とを用いて、前記宇宙機の軌道を求めることを特徴とする請求項3に記載の軌道決定装置。
  5. 前記数値微分誤差導出手段は、前記暫定軌道導出手段により暫定的に求めた宇宙機の軌道から、前記電波の位相差の推定値を求める位相差推定値導出手段と、
    前記位相差推定値導出手段により求められた電波の位相差の推定値を微分して、前記電波の位相差の時間変化率の推定値を求める第1の時間変化率推定値導出手段と、
    前記暫定軌道導出手段により暫定的に求められた宇宙機の軌道から、前記電波の位相差の時間変化率の推定値を求める第2の時間変化率推定値導出手段とを更に有し、
    前記第1の時間変化率推定値導出手段により求められた、電波の位相差の時間変化率の推定値から、前記第2の時間変化率推定値導出手段により求められた、電波の位相差の時間変化率の推定値を減算して数値微分誤差を求めることを特徴とする請求項4に記載の軌道決定装置。
  6. 宇宙機から送出された電波を、互いに間隔を有して配設された複数の受信装置により受信する受信ステップと、
    前記複数の受信装置により受信された電波の位相差を検出する位相差検出ステップと、
    前記位相差検出ステップにより検出された電波の位相差から、前記電波の位相差の時間変化率を求める位相差時間変化率導出ステップと、
    前記位相差時間変化率導出ステップにより求められた電波の位相差の時間変化率を用いて、前記宇宙機の軌道を求める軌道演算ステップとを有することを特徴とする軌道決定方法。
  7. 互いに間隔を有して配設され、宇宙機から送出された電波を受信する複数の受信装置により受信された前記電波の位相差を検出する位相差検出ステップと、
    前記位相差検出ステップにより検出された電波の位相差から、前記電波の位相差の時間変化率を求める位相差時間変化率導出ステップと、
    前記位相差時間変化率導出ステップにより求められた電波の位相差の時間変化率を用いて、前記宇宙機の軌道を求める軌道演算ステップとをコンピュータに実行させることを特徴とするコンピュータプログラム。
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