JP2003202384A - 大気計測システム及び方法 - Google Patents
大気計測システム及び方法Info
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- JP2003202384A JP2003202384A JP2002001278A JP2002001278A JP2003202384A JP 2003202384 A JP2003202384 A JP 2003202384A JP 2002001278 A JP2002001278 A JP 2002001278A JP 2002001278 A JP2002001278 A JP 2002001278A JP 2003202384 A JP2003202384 A JP 2003202384A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 地上から低中高度における大気の流れを広範
囲、高精度かつ簡便に検出する。 【解決手段】 第1衛星追跡アンテナ10及び第2衛星
追跡アンテナ20は、非静止型衛星60からのビーコン
電波を受信するためのアンテナである。基準信号源35
は、信号ケーブルを介して接続された第1及び第2受信
装置15、25を同期して動作させる。相関処理装置4
0は、各アンテナ10、20で受信した信号から衛星電
波の到着時間差を求める。軌道予測計算機30は、アン
テナ10、20の方位の指示と衛星60の動きによる受
信周波数変化(ドップラーシフト)及び到着時間差の変
化の補正のためのデータを計算し、さらに、衛星60の
動きによる周波数変化と電波到着時間差の変化の補正量
を求める。データ解析装置50は、測定した到着時間差
から大気中の水蒸気分布を推定し、可視化を行い、二次
元の水蒸気分布を計算する。
囲、高精度かつ簡便に検出する。 【解決手段】 第1衛星追跡アンテナ10及び第2衛星
追跡アンテナ20は、非静止型衛星60からのビーコン
電波を受信するためのアンテナである。基準信号源35
は、信号ケーブルを介して接続された第1及び第2受信
装置15、25を同期して動作させる。相関処理装置4
0は、各アンテナ10、20で受信した信号から衛星電
波の到着時間差を求める。軌道予測計算機30は、アン
テナ10、20の方位の指示と衛星60の動きによる受
信周波数変化(ドップラーシフト)及び到着時間差の変
化の補正のためのデータを計算し、さらに、衛星60の
動きによる周波数変化と電波到着時間差の変化の補正量
を求める。データ解析装置50は、測定した到着時間差
から大気中の水蒸気分布を推定し、可視化を行い、二次
元の水蒸気分布を計算する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、大気計測システム
及び方法に係り、特に、大気中の水蒸気及び雨滴の分布
を、低高度軌道(高度数km〜数1000km)あるい
は中高度軌道(高度、数1000〜1万km程度)の地
球周回軌道を回る衛星から放射される電波を利用して、
簡便、かつ短時間で計測する大気計測システム及び方法
に関する。
及び方法に係り、特に、大気中の水蒸気及び雨滴の分布
を、低高度軌道(高度数km〜数1000km)あるい
は中高度軌道(高度、数1000〜1万km程度)の地
球周回軌道を回る衛星から放射される電波を利用して、
簡便、かつ短時間で計測する大気計測システム及び方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、地表面から数kmという低高度
又は中高度における水蒸気や雨滴の分布を調べる方法と
しては、例えば、気象衛星により撮影された可視光画像
あるいは赤外線画像を利用する方法、気象レーダーによ
り電波の反射波を計測する方法、気象観測機器を搭載し
た気球や飛行機などを飛ばして直接計測する方法、水蒸
気ラジオメータにより大気からの電波放射量を計測する
方法などがある。また、静止衛星からの電波を用い、受
信強度の変化を監視する方法や複数のアンテナ間での到
着時間差(到来時間差)を計測する方法などもある。
又は中高度における水蒸気や雨滴の分布を調べる方法と
しては、例えば、気象衛星により撮影された可視光画像
あるいは赤外線画像を利用する方法、気象レーダーによ
り電波の反射波を計測する方法、気象観測機器を搭載し
た気球や飛行機などを飛ばして直接計測する方法、水蒸
気ラジオメータにより大気からの電波放射量を計測する
方法などがある。また、静止衛星からの電波を用い、受
信強度の変化を監視する方法や複数のアンテナ間での到
着時間差(到来時間差)を計測する方法などもある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
各方法では、目に見えない雲、すなわち水蒸気のかたま
りが高層大気中の風によってどのように動いていくかを
検出することは困難である場合が想定される。例えば、
従来の測定技術のうち、気象衛星画像を利用する方法や
気象レーダーによる方法は、主に雨滴成分の検出に適し
ているが、雨滴になる前の水蒸気成分の検出は難しい場
合が想定される。また、気球や飛行機などによる直接計
測では、水蒸気と雨滴の両方が検出可能であるが、測定
点は検出器の周囲のみであり、広範囲の測定を行おうと
すると長い時間を要する。また、水蒸気ラジオメータを
用いる方法では、雨滴による吸収水蒸気と雨滴の両方を
検出することができるが、両者の分離が困難である。
各方法では、目に見えない雲、すなわち水蒸気のかたま
りが高層大気中の風によってどのように動いていくかを
検出することは困難である場合が想定される。例えば、
従来の測定技術のうち、気象衛星画像を利用する方法や
気象レーダーによる方法は、主に雨滴成分の検出に適し
ているが、雨滴になる前の水蒸気成分の検出は難しい場
合が想定される。また、気球や飛行機などによる直接計
測では、水蒸気と雨滴の両方が検出可能であるが、測定
点は検出器の周囲のみであり、広範囲の測定を行おうと
すると長い時間を要する。また、水蒸気ラジオメータを
用いる方法では、雨滴による吸収水蒸気と雨滴の両方を
検出することができるが、両者の分離が困難である。
【0004】ここで、水蒸気成分と雨滴成分の寄与を分
離することができるようにした差動ラジオメータが提案
されている。しかしながら、この差動ラジオメータを用
いた場合でも雨滴成分が多いときには水蒸気成分の検出
が非常に困難である場合が想定される。また、静止衛星
の電波を複数のアンテナで受信して到着時間差を測る方
法は、水蒸気成分の変動に対して高い感度を有している
が、天球上で電波源の位置が固定されているため、広範
囲の測定を行うことは困難である。
離することができるようにした差動ラジオメータが提案
されている。しかしながら、この差動ラジオメータを用
いた場合でも雨滴成分が多いときには水蒸気成分の検出
が非常に困難である場合が想定される。また、静止衛星
の電波を複数のアンテナで受信して到着時間差を測る方
法は、水蒸気成分の変動に対して高い感度を有している
が、天球上で電波源の位置が固定されているため、広範
囲の測定を行うことは困難である。
【0005】本発明の目的のひとつは、以上の点に鑑
み、地上から低高度乃至中高度における大気の流れを広
範囲、高精度かつ簡便に検出する大気計測システム及び
方法を提供することにある。また、本発明の他の目的
は、水滴へと成長する前の水蒸気の分布を高感度で捉え
ることができる大気計測システム及び方法を提供するこ
とにある。
み、地上から低高度乃至中高度における大気の流れを広
範囲、高精度かつ簡便に検出する大気計測システム及び
方法を提供することにある。また、本発明の他の目的
は、水滴へと成長する前の水蒸気の分布を高感度で捉え
ることができる大気計測システム及び方法を提供するこ
とにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明では、水蒸気成分
の変動に対して高い感度を有している衛星電波の到着時
間差を、非静止型の衛星の信号を用いて測定する方法に
拡張した。本発明では、静止衛星のビーコン電波の代わ
りに、非静止型衛星が出力するビーコン波、下りのユー
ザーリンク信号(顧客用信号)、下りのフィーダリンク
信号(管制用信号)等の無変調波及び/又は変調波を用
いる。これにより、従来の方法では衛星の位置が天球上
で一定であるために行うことができなかった広範囲の水
蒸気分布の計測を行うことが可能となる。また、非静止
衛星としては、近年、急速に発展してきた衛星通信用の
低軌道地球周回衛星システムあるいは中軌道地球周回衛
星システムに用いられる衛星群を使用する。この衛星群
は、常に天球上に1機ないし複数機の衛星が見えてお
り、また、それらが天球上を高速に移動していくことか
ら、広範囲の水蒸気分布の計測を短時間で実現できる。
の変動に対して高い感度を有している衛星電波の到着時
間差を、非静止型の衛星の信号を用いて測定する方法に
拡張した。本発明では、静止衛星のビーコン電波の代わ
りに、非静止型衛星が出力するビーコン波、下りのユー
ザーリンク信号(顧客用信号)、下りのフィーダリンク
信号(管制用信号)等の無変調波及び/又は変調波を用
いる。これにより、従来の方法では衛星の位置が天球上
で一定であるために行うことができなかった広範囲の水
蒸気分布の計測を行うことが可能となる。また、非静止
衛星としては、近年、急速に発展してきた衛星通信用の
低軌道地球周回衛星システムあるいは中軌道地球周回衛
星システムに用いられる衛星群を使用する。この衛星群
は、常に天球上に1機ないし複数機の衛星が見えてお
り、また、それらが天球上を高速に移動していくことか
ら、広範囲の水蒸気分布の計測を短時間で実現できる。
【0007】本発明の第1の解決手段によると、複数の
アンテナにより非静止衛星から受信した電波に基づき、
大気の水蒸気分布を計測する大気計測システムにおい
て、衛星の軌道を計算し、各アンテナを衛星に向けるよ
うに指示し、且つ、アンテナの方向・位置及び衛星の軌
道に起因する受信電波の到着時間差を計算する軌道予測
計算機と、前記軌道予測計算機からの指示に基づき衛星
を捕捉し、その後衛星の追跡を行う第1及び第2アンテ
ナと、前記第1及び第2アンテナからの受信信号に基づ
き、それぞれ、第1及び第2受信データを出力する第1
及び第2受信装置と、複数の衛星位置での測定により、
前記第1及び第2受信装置からの受信データを、前記軌
道予測計算機により計算された到着時間差で補正して第
1及び第2の補正受信データを計算し、さらに、天空上
の各位置での第1及び第2の補正受信データの位相差を
計算する相関処理装置と、複数の衛星位置での測定によ
り、前記相関処理装置で計算された位相差の時間変動に
基づき、天球上の各位置での位相揺らぎを計算し、さら
に、各測定で得られた位相ゆらぎを空間的に補間するこ
とにより、二次元の水蒸気分布を求めるデータ解析装置
と、を備えた大気測定システムを提供する。
アンテナにより非静止衛星から受信した電波に基づき、
大気の水蒸気分布を計測する大気計測システムにおい
て、衛星の軌道を計算し、各アンテナを衛星に向けるよ
うに指示し、且つ、アンテナの方向・位置及び衛星の軌
道に起因する受信電波の到着時間差を計算する軌道予測
計算機と、前記軌道予測計算機からの指示に基づき衛星
を捕捉し、その後衛星の追跡を行う第1及び第2アンテ
ナと、前記第1及び第2アンテナからの受信信号に基づ
き、それぞれ、第1及び第2受信データを出力する第1
及び第2受信装置と、複数の衛星位置での測定により、
前記第1及び第2受信装置からの受信データを、前記軌
道予測計算機により計算された到着時間差で補正して第
1及び第2の補正受信データを計算し、さらに、天空上
の各位置での第1及び第2の補正受信データの位相差を
計算する相関処理装置と、複数の衛星位置での測定によ
り、前記相関処理装置で計算された位相差の時間変動に
基づき、天球上の各位置での位相揺らぎを計算し、さら
に、各測定で得られた位相ゆらぎを空間的に補間するこ
とにより、二次元の水蒸気分布を求めるデータ解析装置
と、を備えた大気測定システムを提供する。
【0008】本発明の第2の解決手段によると、第1及
び第2のアンテナにより非静止衛星から受信した電波に
基づき、大気の水蒸気分布を計測する大気計測方法にお
いて、軌道予測計算機は、衛星の軌道を計算し、前記第
1及び第2アンテナを衛星に向けるように指示し、前記
第1及び第2アンテナは、前記軌道予測計算機からの指
示に基づき衛星を捕捉し、その後衛星の追跡を行い、第
1及び第2受信装置は、それぞれ、前記第1及び第2ア
ンテナからの受信信号に基づき、第1及び第2受信デー
タを出力し、前記軌道予測計算機は、アンテナの方向・
位置及び衛星の軌道に起因する受信電波の到着時間差を
計算し、相関処理装置は、複数の衛星位置での測定によ
り、前記第1及び第2受信装置からの受信データを、前
記軌道予測計算機により計算された到着時間差で補正し
て第1及び第2の補正受信データを計算し、さらに、天
空上の各位置での第1及び第2の補正受信データの位相
差を計算し、データ解析装置は、複数の衛星位置での測
定により、前記相関処理装置で計算された位相差の時間
変動に基づき、天球上の各位置での位相揺らぎを計算
し、さらに、各測定で得られた位相ゆらぎを空間的に補
間することにより、二次元の水蒸気分布を求めるように
した大気計測方法を提供する。
び第2のアンテナにより非静止衛星から受信した電波に
基づき、大気の水蒸気分布を計測する大気計測方法にお
いて、軌道予測計算機は、衛星の軌道を計算し、前記第
1及び第2アンテナを衛星に向けるように指示し、前記
第1及び第2アンテナは、前記軌道予測計算機からの指
示に基づき衛星を捕捉し、その後衛星の追跡を行い、第
1及び第2受信装置は、それぞれ、前記第1及び第2ア
ンテナからの受信信号に基づき、第1及び第2受信デー
タを出力し、前記軌道予測計算機は、アンテナの方向・
位置及び衛星の軌道に起因する受信電波の到着時間差を
計算し、相関処理装置は、複数の衛星位置での測定によ
り、前記第1及び第2受信装置からの受信データを、前
記軌道予測計算機により計算された到着時間差で補正し
て第1及び第2の補正受信データを計算し、さらに、天
空上の各位置での第1及び第2の補正受信データの位相
差を計算し、データ解析装置は、複数の衛星位置での測
定により、前記相関処理装置で計算された位相差の時間
変動に基づき、天球上の各位置での位相揺らぎを計算
し、さらに、各測定で得られた位相ゆらぎを空間的に補
間することにより、二次元の水蒸気分布を求めるように
した大気計測方法を提供する。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、図面を用いて本発明の実施
の形態を詳細に説明する。図1は、本発明に関する大気
計測システム100の概略構成図である。大気計測シス
テム100は、例えば、第1衛星追跡アンテナ10、第
1受信装置15、第2衛星追跡アンテナ20、第2受信
装置25、軌道予測計算機30、基準信号源35、相関
処理装置40、データ解析装置50、衛星60、記憶装
置70及び出力装置80を含む。また、記憶装置70
は、例えば、第1データファイル71及び第2データフ
ァイル72を及び第3データファイル73含む。なお、
衛星60は、例えば、地球の周回軌道を低高度(高度数
km〜数1000km)乃至中高度(高度、数1000
km〜1万km程度)で回る非静止型衛星であって、ビ
ーコン信号を放射している。
の形態を詳細に説明する。図1は、本発明に関する大気
計測システム100の概略構成図である。大気計測シス
テム100は、例えば、第1衛星追跡アンテナ10、第
1受信装置15、第2衛星追跡アンテナ20、第2受信
装置25、軌道予測計算機30、基準信号源35、相関
処理装置40、データ解析装置50、衛星60、記憶装
置70及び出力装置80を含む。また、記憶装置70
は、例えば、第1データファイル71及び第2データフ
ァイル72を及び第3データファイル73含む。なお、
衛星60は、例えば、地球の周回軌道を低高度(高度数
km〜数1000km)乃至中高度(高度、数1000
km〜1万km程度)で回る非静止型衛星であって、ビ
ーコン信号を放射している。
【0010】第1衛星追跡アンテナ10及び第2衛星追
跡アンテナ20は、非静止型衛星60からのビーコン電
波を受信するためのアンテナである。各アンテナ10、
20は、例えば、距離dだけ離して設置される。この距
離dは、検出したい大気構造の大きさにより変えること
になる。この距離dは、一例を示すと通常は100m程
度とすることができるが、この距離は適宜設定しうる。
なお、各アンテナ10、20は、この例では、同一規格
であって衛星60の動きを追跡する。第1及び第2受信
装置15、25は、各アンテナ10、20に接続され、
さらに、有線又は無線で相関処理装置40と接続され
る。第1受信装置15及び第2受信装置25は、衛星電
波(ビーコン波)の受信機であって、例えば、受信信号
を増幅・周波数変換し、計算機に取り込める信号に変換
して出力する。
跡アンテナ20は、非静止型衛星60からのビーコン電
波を受信するためのアンテナである。各アンテナ10、
20は、例えば、距離dだけ離して設置される。この距
離dは、検出したい大気構造の大きさにより変えること
になる。この距離dは、一例を示すと通常は100m程
度とすることができるが、この距離は適宜設定しうる。
なお、各アンテナ10、20は、この例では、同一規格
であって衛星60の動きを追跡する。第1及び第2受信
装置15、25は、各アンテナ10、20に接続され、
さらに、有線又は無線で相関処理装置40と接続され
る。第1受信装置15及び第2受信装置25は、衛星電
波(ビーコン波)の受信機であって、例えば、受信信号
を増幅・周波数変換し、計算機に取り込める信号に変換
して出力する。
【0011】基準信号源35は、第1受信装置15及び
第2受信装置25を同期して動作させるための同期信号
を生成する。基準信号源35は、例えば、有線又は無線
で第1及び第2受信装置15、25と接続されており、
第1受信装置15及び第2受信装置25を同期して動作
させる。ここで、各アンテナ10、20で受信した信号
間の到着時間差(到来時間差、遅延)を求めるために
は、例えば、第1受信装置15及び第2受信装置25に
含まれる周波数変換で使用する局部発振信号が基準信号
に同期している必要がある。
第2受信装置25を同期して動作させるための同期信号
を生成する。基準信号源35は、例えば、有線又は無線
で第1及び第2受信装置15、25と接続されており、
第1受信装置15及び第2受信装置25を同期して動作
させる。ここで、各アンテナ10、20で受信した信号
間の到着時間差(到来時間差、遅延)を求めるために
は、例えば、第1受信装置15及び第2受信装置25に
含まれる周波数変換で使用する局部発振信号が基準信号
に同期している必要がある。
【0012】軌道予測計算機30は、例えば、衛星の位
置・動きについてのデータを予め保持し、そのデータに
基づき、アンテナ10、20の方位の指示と衛星60の
動きによる受信周波数変化(ドップラーシフト)及び到
着時間差の変化の補正のためのデータを計算する。軌道
予測計算機30は、また、衛星60の軌道を計算し、各
アンテナ10、20を向ける方向を指示する。また、軌
道予測計算機30は、衛星60の動きによる周波数変化
と電波到着時間差の変化の補正量を求める。相関処理装
置40は、例えば、第1及び第2受信装置15、25で
受信した信号と軌道予測計算機30からのデータに基づ
き、衛星電波の到着時間差を求める。データ解析装置5
0は、例えば、測定した到着時間差から大気中の水蒸気
分布を推定し、可視化を行う。データ解析装置50は、
例えば、二次元の水蒸気分布を計算する。記憶装置70
は、第2受信装置15、25、相関処理装置40、軌道
予測計算機30等の各装置から各ファイルのデータを読
出し/書込みすることができる。出力装置80は、例え
ば、データ解析装置50により計算された水蒸気の2次
元分布を適宜の表示装置、記録媒体又は他の装置に出力
する。
置・動きについてのデータを予め保持し、そのデータに
基づき、アンテナ10、20の方位の指示と衛星60の
動きによる受信周波数変化(ドップラーシフト)及び到
着時間差の変化の補正のためのデータを計算する。軌道
予測計算機30は、また、衛星60の軌道を計算し、各
アンテナ10、20を向ける方向を指示する。また、軌
道予測計算機30は、衛星60の動きによる周波数変化
と電波到着時間差の変化の補正量を求める。相関処理装
置40は、例えば、第1及び第2受信装置15、25で
受信した信号と軌道予測計算機30からのデータに基づ
き、衛星電波の到着時間差を求める。データ解析装置5
0は、例えば、測定した到着時間差から大気中の水蒸気
分布を推定し、可視化を行う。データ解析装置50は、
例えば、二次元の水蒸気分布を計算する。記憶装置70
は、第2受信装置15、25、相関処理装置40、軌道
予測計算機30等の各装置から各ファイルのデータを読
出し/書込みすることができる。出力装置80は、例え
ば、データ解析装置50により計算された水蒸気の2次
元分布を適宜の表示装置、記録媒体又は他の装置に出力
する。
【0013】図2は、本発明に関する大気計測システム
100のフローチャートである。軌道予測計算機30
は、例えば、衛星60の軌道を計算(地平線からの出現
から地平線への没入まで)する(S101)。この際、
軌道予測計算機30は、各アンテナ10、20に対し
て、計算した衛星60の地平線からの出現位置の方向
に、アンテナ10、20を向けるように指示する。各ア
ンテナ10、20は、ステップS101で軌道予測計算
機30により指示されたように、衛星60の出現位置へ
アンテナを向け、衛星60を待ち受ける(S103)。
つぎに、各アンテナ10、20は、衛星60が出現した
か否かを判定し(S105)、衛星60が出現した後、
各アンテナ10、20は、この衛星60の追跡を行い、
第1及び第2受信装置15、25は、衛星60から送信
される信号(例えば、ビーコン波、下りのユーザーリン
ク信号(顧客用信号)、下りのフィーダリンク信号(管
制用信号)等の無変調波、変調波、あるいは、これら両
方の電波)の受信を開始して、それを連続的に受信する
(S107)。
100のフローチャートである。軌道予測計算機30
は、例えば、衛星60の軌道を計算(地平線からの出現
から地平線への没入まで)する(S101)。この際、
軌道予測計算機30は、各アンテナ10、20に対し
て、計算した衛星60の地平線からの出現位置の方向
に、アンテナ10、20を向けるように指示する。各ア
ンテナ10、20は、ステップS101で軌道予測計算
機30により指示されたように、衛星60の出現位置へ
アンテナを向け、衛星60を待ち受ける(S103)。
つぎに、各アンテナ10、20は、衛星60が出現した
か否かを判定し(S105)、衛星60が出現した後、
各アンテナ10、20は、この衛星60の追跡を行い、
第1及び第2受信装置15、25は、衛星60から送信
される信号(例えば、ビーコン波、下りのユーザーリン
ク信号(顧客用信号)、下りのフィーダリンク信号(管
制用信号)等の無変調波、変調波、あるいは、これら両
方の電波)の受信を開始して、それを連続的に受信する
(S107)。
【0014】軌道予測計算機30は、ステップS107
で各アンテナ10、20が追跡した衛星60の動きによ
る周波数のドップラーシフトによる変化分を補正するた
めのドップラ補正用データを計算し、それを第1及び2
受信装置15、25へ与える。第1及び2受信装置1
5、25は、ドップラ補正用データに基づいて、ビーコ
ン信号のドップラーシフト変化分の補正を行う(S10
9)。第1及び第2受信装置15、25は、ここでは、
受信周波数の同調をドップラーシフトの周波数分調整す
ることで、ドップラ補正を行うことができる。さらに、
軌道予測計算機30は、衛星60とアンテナ10、20
との位置・角度を考慮して、両アンテナ10、20から
受信した信号の到着時間差を計算する(S111)。な
お、これらのステップS109、S111の処理は、相
関処理装置40内で行うことも可能である。また、アン
テナ10、20の間隔が比較的短い場合、ドップラーシ
フトの差は無視できる場合がある。この場合、ドップラ
ーシフトの補正処理(S109)は省略するようにして
もよい。
で各アンテナ10、20が追跡した衛星60の動きによ
る周波数のドップラーシフトによる変化分を補正するた
めのドップラ補正用データを計算し、それを第1及び2
受信装置15、25へ与える。第1及び2受信装置1
5、25は、ドップラ補正用データに基づいて、ビーコ
ン信号のドップラーシフト変化分の補正を行う(S10
9)。第1及び第2受信装置15、25は、ここでは、
受信周波数の同調をドップラーシフトの周波数分調整す
ることで、ドップラ補正を行うことができる。さらに、
軌道予測計算機30は、衛星60とアンテナ10、20
との位置・角度を考慮して、両アンテナ10、20から
受信した信号の到着時間差を計算する(S111)。な
お、これらのステップS109、S111の処理は、相
関処理装置40内で行うことも可能である。また、アン
テナ10、20の間隔が比較的短い場合、ドップラーシ
フトの差は無視できる場合がある。この場合、ドップラ
ーシフトの補正処理(S109)は省略するようにして
もよい。
【0015】第1及び2受信装置15、25は、それぞ
れ、ステップS109でドップラ補正処理を行った第1
及び第2の受信信号(この処理を省略した場合は、その
ままの第1及び第2の受信信号)を、有線又は無線で相
関処理装置40に送信する。また、軌道予測計算機30
は、ステップS111で計算した衛星の動き自体に起因
する到着時間差を、データ相関処理装置40に送信す
る。相関処理装置40は、第1及び第2受信装置15、
25からの第1及び第2の受信信号を、軌道予測計算機
30からの到着時間差データで補正する。相関処理装置
40は、その補正された第1及び第2受信データを、軌
道予測計算機30により予め計算された天球上での衛星
60の測定時間ごとの位置に関するデータ(衛星識別
子、衛星60の方位角、仰角)と、測定時間データ(時
間)等に対応して第1データファイル71を作成し、そ
れを記憶装置70の第1データファイル71に記憶する
(S113)。到着時間差は、第1の原因として、衛星
60の動きにより衛星60と各アンテナ10、20間の
距離差が変わることにより変化する。また、到着時間差
は、第2の原因として、衛星60の動きにより衛星60
と各アンテナ10、20間の電波の伝播経路が変化し、
伝播経路中にある大気の水蒸気量の場所ごとの揺らぎを
反映して変化する。第1の原因による到着時間差の変化
は、各測定時間ごとの衛星の位置を軌道要素などを用い
て推定し、引き去ることができる。このようにすると、
第2の原因による到着時間差の変化のみが残ることにな
る。
れ、ステップS109でドップラ補正処理を行った第1
及び第2の受信信号(この処理を省略した場合は、その
ままの第1及び第2の受信信号)を、有線又は無線で相
関処理装置40に送信する。また、軌道予測計算機30
は、ステップS111で計算した衛星の動き自体に起因
する到着時間差を、データ相関処理装置40に送信す
る。相関処理装置40は、第1及び第2受信装置15、
25からの第1及び第2の受信信号を、軌道予測計算機
30からの到着時間差データで補正する。相関処理装置
40は、その補正された第1及び第2受信データを、軌
道予測計算機30により予め計算された天球上での衛星
60の測定時間ごとの位置に関するデータ(衛星識別
子、衛星60の方位角、仰角)と、測定時間データ(時
間)等に対応して第1データファイル71を作成し、そ
れを記憶装置70の第1データファイル71に記憶する
(S113)。到着時間差は、第1の原因として、衛星
60の動きにより衛星60と各アンテナ10、20間の
距離差が変わることにより変化する。また、到着時間差
は、第2の原因として、衛星60の動きにより衛星60
と各アンテナ10、20間の電波の伝播経路が変化し、
伝播経路中にある大気の水蒸気量の場所ごとの揺らぎを
反映して変化する。第1の原因による到着時間差の変化
は、各測定時間ごとの衛星の位置を軌道要素などを用い
て推定し、引き去ることができる。このようにすると、
第2の原因による到着時間差の変化のみが残ることにな
る。
【0016】図3は、第1データファイル71の説明図
である。第1データファイル71は、例えば、衛星識別
子、時間、衛星の方位角、衛星の仰角、第1受信デー
タ、第2受信データを含む。ここでは、ある衛星60の
各測定時間毎の位置を示すための汎用性のある位置デー
タは、「衛星の方位角」「衛星の仰角」で表されてい
る。なお、この例では、第1データファイル71の形式
は、各受信データ(サンプルごと)に対して、時間、衛
星の方位角、仰角が付加されているが、データは、例え
ば数万サンプル/秒であるので、各サンプルに付加デー
タ(時間、衛星の方位角、仰角)が付くとその処理およ
びデータ量も膨大になる。そこで、データをブロック化
し(例えば1秒ごとのブロック)、各ブロックの先頭に
時間、衛星の方位角、仰角を付加するようにしてもよ
い。そして、データを処理した後(例えば相関処理後)
で時間、衛星の方位角、仰角が必要なときはブロックの
先頭の情報を元にして一次関数等の関数による補間計算
により求めることができる。
である。第1データファイル71は、例えば、衛星識別
子、時間、衛星の方位角、衛星の仰角、第1受信デー
タ、第2受信データを含む。ここでは、ある衛星60の
各測定時間毎の位置を示すための汎用性のある位置デー
タは、「衛星の方位角」「衛星の仰角」で表されてい
る。なお、この例では、第1データファイル71の形式
は、各受信データ(サンプルごと)に対して、時間、衛
星の方位角、仰角が付加されているが、データは、例え
ば数万サンプル/秒であるので、各サンプルに付加デー
タ(時間、衛星の方位角、仰角)が付くとその処理およ
びデータ量も膨大になる。そこで、データをブロック化
し(例えば1秒ごとのブロック)、各ブロックの先頭に
時間、衛星の方位角、仰角を付加するようにしてもよ
い。そして、データを処理した後(例えば相関処理後)
で時間、衛星の方位角、仰角が必要なときはブロックの
先頭の情報を元にして一次関数等の関数による補間計算
により求めることができる。
【0017】つぎに、アンテナ10、20は、衛星60
が地平線へ没入したか否かを判定する(S115)。こ
こで、衛星60が没入していない場合、再びステップS
109へ戻り、以降ステップS111、S113を繰返
し、第1データファイル71へデータを追加する。一
方、ステップS115で衛星60が没入した場合、測定
した衛星60の数が所要数を満たすか否かを判定する
(S117)。ここで、所要数を満たさない場合、再び
ステップS101へ戻り、以上の処理を、出現する衛星
ごとに繰り返す。
が地平線へ没入したか否かを判定する(S115)。こ
こで、衛星60が没入していない場合、再びステップS
109へ戻り、以降ステップS111、S113を繰返
し、第1データファイル71へデータを追加する。一
方、ステップS115で衛星60が没入した場合、測定
した衛星60の数が所要数を満たすか否かを判定する
(S117)。ここで、所要数を満たさない場合、再び
ステップS101へ戻り、以上の処理を、出現する衛星
ごとに繰り返す。
【0018】つぎに、ステップS117で測定した衛星
60の数が所要数を満たす場合、相関処理装置40は、
ステップS113で作成された第1データファイル71
を読み出し、さらに、第1及び2受信装置15、25か
らの補正処理を行った受信データに対して、単位時間ご
と(たとえば、0.1秒ごと)の信号間の到着時間差を
計算する(S118:詳細は後述)。また、受信した信
号が、無変調波(例えば、正弦波振動をする信号)の場
合は、第1衛星追跡アンテナ10と第2衛星追跡アンテ
ナ20の受信信号を掛け算し、単位時間積分することに
より、到着時間差を正弦波振動の位相差という量として
求めることができる。一方、受信した信号が、変調波の
場合又は無変調波と変調波の両電波の場合にも、受信し
た信号は正弦波を重畳した信号なので、無変調波と同様
の方法で、それらの平均として位相差という量を求める
ことができる。
60の数が所要数を満たす場合、相関処理装置40は、
ステップS113で作成された第1データファイル71
を読み出し、さらに、第1及び2受信装置15、25か
らの補正処理を行った受信データに対して、単位時間ご
と(たとえば、0.1秒ごと)の信号間の到着時間差を
計算する(S118:詳細は後述)。また、受信した信
号が、無変調波(例えば、正弦波振動をする信号)の場
合は、第1衛星追跡アンテナ10と第2衛星追跡アンテ
ナ20の受信信号を掛け算し、単位時間積分することに
より、到着時間差を正弦波振動の位相差という量として
求めることができる。一方、受信した信号が、変調波の
場合又は無変調波と変調波の両電波の場合にも、受信し
た信号は正弦波を重畳した信号なので、無変調波と同様
の方法で、それらの平均として位相差という量を求める
ことができる。
【0019】データ解析装置50は、記憶された到着時
間差データ及び天球上での衛星位置データに基づいて、
天球上の各位置での水蒸気分布・位相揺らぎ(水蒸気分
布の揺らぎ)を計算する(S119:詳細は後述)。例
えば、水蒸気分布は、到着時間差の時間変動を時間積分
することにより求められる。データ解析装置50は、上
述のような複数の衛星位置による複数回の測定により、
天球上で異なる軌道に対応する水蒸気分布が求められる
ので、各測定で得られた結果を空間的に補間することに
より、二次元の水蒸気分布を求める(S121:詳細は
後述)。
間差データ及び天球上での衛星位置データに基づいて、
天球上の各位置での水蒸気分布・位相揺らぎ(水蒸気分
布の揺らぎ)を計算する(S119:詳細は後述)。例
えば、水蒸気分布は、到着時間差の時間変動を時間積分
することにより求められる。データ解析装置50は、上
述のような複数の衛星位置による複数回の測定により、
天球上で異なる軌道に対応する水蒸気分布が求められる
ので、各測定で得られた結果を空間的に補間することに
より、二次元の水蒸気分布を求める(S121:詳細は
後述)。
【0020】以下、上述のステップS119及びS12
1の処理について、具体的に説明する。 (相関処理装置40における到着時間差の算出:S11
8について)図4は、観測点から見上げたときの空(天
球面)を示す図である。天球面は、例えば、図中、大き
な円で示した地平線600と、地平線600に囲まれた
天球面内に太い実線で示した衛星60の軌道601、6
02とを含む。また、軌道602は、例えば、複数の小
区間(図中、楕円で示した領域)603に区切られる。
この小区間603の(略)中心又は重心には、偏差の代
表点604が示されている。相関処理装置40は、この
小区間603毎に衛星60から放射された電波が2台の
アンテナ10、20に到着する時間の差(位相差)を測
定する。
1の処理について、具体的に説明する。 (相関処理装置40における到着時間差の算出:S11
8について)図4は、観測点から見上げたときの空(天
球面)を示す図である。天球面は、例えば、図中、大き
な円で示した地平線600と、地平線600に囲まれた
天球面内に太い実線で示した衛星60の軌道601、6
02とを含む。また、軌道602は、例えば、複数の小
区間(図中、楕円で示した領域)603に区切られる。
この小区間603の(略)中心又は重心には、偏差の代
表点604が示されている。相関処理装置40は、この
小区間603毎に衛星60から放射された電波が2台の
アンテナ10、20に到着する時間の差(位相差)を測
定する。
【0021】図5は、大気計測システム100における
相関処理装置40での処理を示す説明図である。まず、
第1衛星追跡アンテナ10および第2衛星追跡アンテナ
20で受信した衛星60のビーコン電波s1(t)、s
2(t)は、信号の強度をA1及びA2、位相をΦ
1(t)及びΦ2(t)、周波数をfとして、 s1(t)=A1・sin(2πft+Φ1(t)) (1) s2(t)=A2・sin(2πft+Φ2(t)) (2) というように正弦波信号として表すことができる。ここ
で、tは時間である。なお、厳密には各アンテナ10、
20で衛星60の動きによるドップラーシフトの量が異
なるが、アンテナ10とアンテナ20の距離が所定範囲
(例えば、100m程度)のときは、2台の各アンテナ
10、20の間でも衛星60の動きによるドップラーシ
フトはほぼ同じなので、受信周波数が2台の各アンテナ
10、20で同じとしてもその影響は無視できる。
相関処理装置40での処理を示す説明図である。まず、
第1衛星追跡アンテナ10および第2衛星追跡アンテナ
20で受信した衛星60のビーコン電波s1(t)、s
2(t)は、信号の強度をA1及びA2、位相をΦ
1(t)及びΦ2(t)、周波数をfとして、 s1(t)=A1・sin(2πft+Φ1(t)) (1) s2(t)=A2・sin(2πft+Φ2(t)) (2) というように正弦波信号として表すことができる。ここ
で、tは時間である。なお、厳密には各アンテナ10、
20で衛星60の動きによるドップラーシフトの量が異
なるが、アンテナ10とアンテナ20の距離が所定範囲
(例えば、100m程度)のときは、2台の各アンテナ
10、20の間でも衛星60の動きによるドップラーシ
フトはほぼ同じなので、受信周波数が2台の各アンテナ
10、20で同じとしてもその影響は無視できる。
【0022】ここで、位相Φ1(t)及びΦ2(t)
は、衛星60とアンテナ10、アンテナ20のまでの距
離をそれぞれr1、r2、電波の伝播速度をv1、v2
(v1≒v2≒光の速度)とすると、 Φ1(t)=2πf・r1/v1=2πfτ1 (3) Φ2(t)=2πf・r2/v2=2πfτ2 (4) というように表される。なお、τ1、τ2は、衛星60
から放射された電波がアンテナ10およびアンテナ20
に到達するまでにかかる時間(伝播時間)である。これら
の信号の相互相関結果をc(t)とすると、次式(5)
が成り立つ。
は、衛星60とアンテナ10、アンテナ20のまでの距
離をそれぞれr1、r2、電波の伝播速度をv1、v2
(v1≒v2≒光の速度)とすると、 Φ1(t)=2πf・r1/v1=2πfτ1 (3) Φ2(t)=2πf・r2/v2=2πfτ2 (4) というように表される。なお、τ1、τ2は、衛星60
から放射された電波がアンテナ10およびアンテナ20
に到達するまでにかかる時間(伝播時間)である。これら
の信号の相互相関結果をc(t)とすると、次式(5)
が成り立つ。
【0023】
【数1】
【0024】すなわち、2つの信号の積をとり、時間T
で平均したものとして与えられる。(1)式と(2)式
を(5)式に代入し、平均時間Tが受信周波数の逆数1
/fに比べて十分に長いとすると、次式(6)が成り立
つ。
で平均したものとして与えられる。(1)式と(2)式
を(5)式に代入し、平均時間Tが受信周波数の逆数1
/fに比べて十分に長いとすると、次式(6)が成り立
つ。
【0025】
【数2】
【0026】となる。ここで、ΔΦ(t)は相互相関位
相であり、ΔΦ(t)=Φ2(t)−Φ1(t)=2π
f(τ1−τ2)である。衛星の動きによる到着時間差
の変化分を補正すると、τ1−τ2は「衛星60からア
ンテナ10を結ぶ伝播路上にある水蒸気などの揺らぎに
よる伝播時間の揺らぎ」と「衛星60からアンテナ20
を結ぶ伝播路上にある水蒸気などの揺らぎによる伝播時
間の揺らぎ」の差を表しており、位相差ΔΦ(t)もそ
れに比例した量になっている。なお、(5)式のc
(t)から直接ΔΦ(t)をもとめることはできないの
で、アンテナ20の受信信号を90度位相をずらした信
号である、 s2´(t)=A2・sin(2πft+Φ2(t)+π
/2)=A2・cos(2πft+Φ2(t)) を取り出し、これと(1)式との相互相関を計算する。
これにより、次式(7)が成り立つ。
相であり、ΔΦ(t)=Φ2(t)−Φ1(t)=2π
f(τ1−τ2)である。衛星の動きによる到着時間差
の変化分を補正すると、τ1−τ2は「衛星60からア
ンテナ10を結ぶ伝播路上にある水蒸気などの揺らぎに
よる伝播時間の揺らぎ」と「衛星60からアンテナ20
を結ぶ伝播路上にある水蒸気などの揺らぎによる伝播時
間の揺らぎ」の差を表しており、位相差ΔΦ(t)もそ
れに比例した量になっている。なお、(5)式のc
(t)から直接ΔΦ(t)をもとめることはできないの
で、アンテナ20の受信信号を90度位相をずらした信
号である、 s2´(t)=A2・sin(2πft+Φ2(t)+π
/2)=A2・cos(2πft+Φ2(t)) を取り出し、これと(1)式との相互相関を計算する。
これにより、次式(7)が成り立つ。
【0027】
【数3】
【0028】つぎに、(6)式と(7)式から、次式
(8)として求める。 ΔΦ(t)=tan−1(c´(t)/c(t)) (8)
(8)として求める。 ΔΦ(t)=tan−1(c´(t)/c(t)) (8)
【0029】図6は、大気計測システム100における
相関処理装置40での処理を主に示すフローチャートで
ある。なお、ここでは、上述のアンテナ10とアンテナ
20との位相差ΔΦ(t)を算出する際に用いた各数式
と対応させて説明する。まず、相関処理装置40は、上
述のc(t)とc´(t)との初期化を行う(S20
1)。すなわち、c(t)=0、c´(t)=0とす
る。つぎに、第1受信装置15は、アンテナ10で衛星
60からのビーコン電波s1(t)を第1データファイ
ル71から読出す(S203)。また、第2受信装置2
5は、アンテナ20で衛星60からのビーコン電波s2
(t)を第1データファイル71から読出す(S20
7)。
相関処理装置40での処理を主に示すフローチャートで
ある。なお、ここでは、上述のアンテナ10とアンテナ
20との位相差ΔΦ(t)を算出する際に用いた各数式
と対応させて説明する。まず、相関処理装置40は、上
述のc(t)とc´(t)との初期化を行う(S20
1)。すなわち、c(t)=0、c´(t)=0とす
る。つぎに、第1受信装置15は、アンテナ10で衛星
60からのビーコン電波s1(t)を第1データファイ
ル71から読出す(S203)。また、第2受信装置2
5は、アンテナ20で衛星60からのビーコン電波s2
(t)を第1データファイル71から読出す(S20
7)。
【0030】つぎに、相関処理装置40は、ステップS
205、S209で読出したデータを、次式に基づい
て、それぞれc(t)、c´(t)を算出する(S21
1)。 c(t)=c(t)+s1(t)・s2(t) c´(t)=c´(t)+s1(t)・s´2(t)
205、S209で読出したデータを、次式に基づい
て、それぞれc(t)、c´(t)を算出する(S21
1)。 c(t)=c(t)+s1(t)・s2(t) c´(t)=c´(t)+s1(t)・s´2(t)
【0031】ここで、相関処理装置40は、算出したデ
ータ数が所要数を満たすか否かを判定する(S21
3)。ここで、所要数を満たさない場合、相関処理装置
40は、再びステップS203、207へ戻り、データ
読込み、算出処理を繰返す。一方、ステップS213で
所要数を満たす場合、相関処理装置40は、ステップS
211で算出したc(t)、c´(t)を、データ数で
割ることにより、c(t)、c´(t)のそれぞれの平
均を求める(S215)。つぎに、ステップS215で
算出したc(t)、c´(t)のそれぞれの平均に基づ
いて、(8)式に従い位相差ΔΦ(t)を求める(S2
17)。
ータ数が所要数を満たすか否かを判定する(S21
3)。ここで、所要数を満たさない場合、相関処理装置
40は、再びステップS203、207へ戻り、データ
読込み、算出処理を繰返す。一方、ステップS213で
所要数を満たす場合、相関処理装置40は、ステップS
211で算出したc(t)、c´(t)を、データ数で
割ることにより、c(t)、c´(t)のそれぞれの平
均を求める(S215)。つぎに、ステップS215で
算出したc(t)、c´(t)のそれぞれの平均に基づ
いて、(8)式に従い位相差ΔΦ(t)を求める(S2
17)。
【0032】図7に、第2データファイル72の説明図
を示す。この例では、衛星識別子、時間、衛星の方位
角、衛星の仰角、位相差Φ(到着時間差)、ゆらぎσΦ
を含む。ここでは、相関処理装置40は、ゆらぎσΦ以
外のデータを第2データファイルに書込む。
を示す。この例では、衛星識別子、時間、衛星の方位
角、衛星の仰角、位相差Φ(到着時間差)、ゆらぎσΦ
を含む。ここでは、相関処理装置40は、ゆらぎσΦ以
外のデータを第2データファイルに書込む。
【0033】(データ解析装置50における位相揺らぎ
(水蒸気分布の揺らぎ)の算出:S119について)デ
ータ解析装置50は、第2データファイル72を参照
し、小領域ごとに代表点に対応して、読み出した位相差
Φに基づき、さらに到着時間差の変化(例えば、偏差σ
Φ(t))を算出する。ここで、到着時間差の変化を示
す偏差σΦ(t)について説明する。
(水蒸気分布の揺らぎ)の算出:S119について)デ
ータ解析装置50は、第2データファイル72を参照
し、小領域ごとに代表点に対応して、読み出した位相差
Φに基づき、さらに到着時間差の変化(例えば、偏差σ
Φ(t))を算出する。ここで、到着時間差の変化を示
す偏差σΦ(t)について説明する。
【0034】ステップS119の処理では、大気中の水
蒸気の局所的な不均一さを検出することを目指している
ので、測定量(到達時間差)から到着時間差の系統的な
変化(たとえば、時間の経過に対する一様な増加あるい
は減少)を引き去った後、平均からのゆらぎ(すなわ
ち、標準偏差)を求める。ここで、系統的な変化は、例
えば、水蒸気、空気の層により生じて、衛星60が出現
してから没入するまでの間に測定される大きな変動のこ
とである。この変動は、ハイパスフィルタ等により補正
された信号を所定周波数以上パスさせることで除いた
り、所定の1次、2次、3次式等の近似式を用いて除い
たりすることができる。標準偏差を、衛星60の軌道6
02の小区間603ごとに求めるようにすると、この量
は天球上の局所的な部分における水蒸気量等の空間的な
ゆらぎに対応している(参考文献:G.Brussaard and P.
A. Watson, "Atmospheric modelling and millimetre w
ave propagation, Chapman & Hall, 1995のp.54の記述
など)。
蒸気の局所的な不均一さを検出することを目指している
ので、測定量(到達時間差)から到着時間差の系統的な
変化(たとえば、時間の経過に対する一様な増加あるい
は減少)を引き去った後、平均からのゆらぎ(すなわ
ち、標準偏差)を求める。ここで、系統的な変化は、例
えば、水蒸気、空気の層により生じて、衛星60が出現
してから没入するまでの間に測定される大きな変動のこ
とである。この変動は、ハイパスフィルタ等により補正
された信号を所定周波数以上パスさせることで除いた
り、所定の1次、2次、3次式等の近似式を用いて除い
たりすることができる。標準偏差を、衛星60の軌道6
02の小区間603ごとに求めるようにすると、この量
は天球上の局所的な部分における水蒸気量等の空間的な
ゆらぎに対応している(参考文献:G.Brussaard and P.
A. Watson, "Atmospheric modelling and millimetre w
ave propagation, Chapman & Hall, 1995のp.54の記述
など)。
【0035】以上のような操作を衛星60の軌道60
1、602に沿って、また、さまざまな衛星の軌道に沿
っておこなうと、天球上(二次元空間)のさまざまな場
所での水蒸気量等の空間的なゆらぎが得られる。到着時
間差のゆらぎσΦ(t)は、相互相関位相ΔΦ(t)の
揺らぎと等価なので、相互相関位相ΔΦ(t)のゆらぎ
は、次式(9)より算出される。
1、602に沿って、また、さまざまな衛星の軌道に沿
っておこなうと、天球上(二次元空間)のさまざまな場
所での水蒸気量等の空間的なゆらぎが得られる。到着時
間差のゆらぎσΦ(t)は、相互相関位相ΔΦ(t)の
揺らぎと等価なので、相互相関位相ΔΦ(t)のゆらぎ
は、次式(9)より算出される。
【0036】
【数4】
【0037】ここで、Tはデータを平均する区間であ
り、観測点から見た衛星60の天球上での角移動速度を
u[radian/sec]、二次元画像の所要解像度をΔθとす
ると、 T=Δθ/u によって与えられる。なお、所要解像度をあまり小さく
取るとデータの信頼度が下がるので、最適な値、範囲が
存在する(例えば、Δθ=1[deg]程度)。この値又は
範囲は、アンテナの位置、気象条件、地域、気候等によ
り予め適宜定めることができる。データ解析装置50
は、第2データファイル72の該当エリアに、ゆらぎσ
Φを書込む。
り、観測点から見た衛星60の天球上での角移動速度を
u[radian/sec]、二次元画像の所要解像度をΔθとす
ると、 T=Δθ/u によって与えられる。なお、所要解像度をあまり小さく
取るとデータの信頼度が下がるので、最適な値、範囲が
存在する(例えば、Δθ=1[deg]程度)。この値又は
範囲は、アンテナの位置、気象条件、地域、気候等によ
り予め適宜定めることができる。データ解析装置50
は、第2データファイル72の該当エリアに、ゆらぎσ
Φを書込む。
【0038】図8は、相互相関位相ΔΦ(t)と、相関
位相のゆらぎσΦ(t)との対応関係を示す図である。
相互相関位相ΔΦ(t)は、例えば、上述した(6)
式、(7)式を用いて算出されるものであり、横軸を時
間tとし、さらに、横軸は、データを平均するための区
間であるT時間毎に区切られている。なお、衛星60
は、軌道602に含まれる複数の小区間603をT時間
で移動することになる。また、相関位相のゆらぎσ
Φ(t)は、例えば、上述した(9)式を用いて算出さ
れるものであり、横軸を時間tとし、さらに、縦軸に
は、小区間603に含まれる偏差の代表点604に対応
した位置での値(図中、○印)が示されている。
位相のゆらぎσΦ(t)との対応関係を示す図である。
相互相関位相ΔΦ(t)は、例えば、上述した(6)
式、(7)式を用いて算出されるものであり、横軸を時
間tとし、さらに、横軸は、データを平均するための区
間であるT時間毎に区切られている。なお、衛星60
は、軌道602に含まれる複数の小区間603をT時間
で移動することになる。また、相関位相のゆらぎσ
Φ(t)は、例えば、上述した(9)式を用いて算出さ
れるものであり、横軸を時間tとし、さらに、縦軸に
は、小区間603に含まれる偏差の代表点604に対応
した位置での値(図中、○印)が示されている。
【0039】(データ解析装置50における水蒸気の二
次元分布の算出:S121について)図9は、水蒸気の
二次元分布図を作成する際の天球面を示す図である。天
球面は、例えば、地平線600、測定の代表点(図中、
○印)610、衛星の軌道(図中、○印を含む実線)6
30、格子の交点620を含む。格子の交点620は、
例えば、上述の補間処理を用いて、二次元分布を求める
点である。
次元分布の算出:S121について)図9は、水蒸気の
二次元分布図を作成する際の天球面を示す図である。天
球面は、例えば、地平線600、測定の代表点(図中、
○印)610、衛星の軌道(図中、○印を含む実線)6
30、格子の交点620を含む。格子の交点620は、
例えば、上述の補間処理を用いて、二次元分布を求める
点である。
【0040】天球上での水蒸気量等の空間的なゆらぎの
測定点の分布は一様ではなく、衛星60の軌道に沿った
部分に局在している。二次元分布図を作るためには、ま
ず、天球面を格子状に区切り、データ解析装置50は、
第2データファイル72に記憶されたデータを読み出
し、位置データを格子状の2次元座標に変換して第3デ
ータファイルを作成し記憶する。さらに、データ解析装
置50は、第2データファイルを読み出し、記憶された
測定の代表点610のゆらぎの値等のデータから格子の
交点620でのゆらぎの値を推定する。この処理は、二
次元補間アルゴリズムにより行う。補間法としては、例
えば、二次元空間でのスプライン補間法、キュービック
コンボリューション法などの汎用のアルゴリズムを使う
ことができる。
測定点の分布は一様ではなく、衛星60の軌道に沿った
部分に局在している。二次元分布図を作るためには、ま
ず、天球面を格子状に区切り、データ解析装置50は、
第2データファイル72に記憶されたデータを読み出
し、位置データを格子状の2次元座標に変換して第3デ
ータファイルを作成し記憶する。さらに、データ解析装
置50は、第2データファイルを読み出し、記憶された
測定の代表点610のゆらぎの値等のデータから格子の
交点620でのゆらぎの値を推定する。この処理は、二
次元補間アルゴリズムにより行う。補間法としては、例
えば、二次元空間でのスプライン補間法、キュービック
コンボリューション法などの汎用のアルゴリズムを使う
ことができる。
【0041】図10は、第3データファイルの説明図を
示す。この例では、X、Y座標に対するゆらぎが記憶さ
れる。なお、上述の大気計測システム100では、2つ
のアンテナ(第1衛星追跡アンテナ10と第2衛星追跡
アンテナ20)を用いて衛星60を追跡しているが、ア
ンテナの数は、これに限られず、更に多くのアンテナを
用いることもできる。これにより、測定精度、測定効率
を上げることができる。また、本発明の応用として、ま
だ雲の動きとして捉えることができない気象前線最先端
部の大気の乱れなどを詳細に検出し、気象災害のより早
い予測に利用できることも期待できる。
示す。この例では、X、Y座標に対するゆらぎが記憶さ
れる。なお、上述の大気計測システム100では、2つ
のアンテナ(第1衛星追跡アンテナ10と第2衛星追跡
アンテナ20)を用いて衛星60を追跡しているが、ア
ンテナの数は、これに限られず、更に多くのアンテナを
用いることもできる。これにより、測定精度、測定効率
を上げることができる。また、本発明の応用として、ま
だ雲の動きとして捉えることができない気象前線最先端
部の大気の乱れなどを詳細に検出し、気象災害のより早
い予測に利用できることも期待できる。
【0042】
【発明の効果】本発明によると、以上説明した通り、地
上から高度数kmの高度における大気の流れを広範囲、
高精度かつ簡便に検出することができる。また、本発明
は、水滴へと成長する前の水蒸気の分布を高感度で捉え
ることができる。また、本発明は、従来の高層大気状態
の測定法に比べて、簡便かつ安価な方法で上層の大気の
様子を知ることができる。
上から高度数kmの高度における大気の流れを広範囲、
高精度かつ簡便に検出することができる。また、本発明
は、水滴へと成長する前の水蒸気の分布を高感度で捉え
ることができる。また、本発明は、従来の高層大気状態
の測定法に比べて、簡便かつ安価な方法で上層の大気の
様子を知ることができる。
【図1】本発明に関する大気計測システム100の概略
構成図。
構成図。
【図2】本発明に関する大気計測システム100のフロ
ーチャート。
ーチャート。
【図3】第1データファイル71の説明図。
【図4】観測点から見上げたときの空(天球面)を示す
図。
図。
【図5】大気計測システム100における相関処理装置
40での処理を示す説明図。
40での処理を示す説明図。
【図6】大気計測システム100における相関処理装置
40での処理を主に示すフローチャート。
40での処理を主に示すフローチャート。
【図7】第2データファイル72の説明図。
【図8】相互相関位相ΔΦ(t)と、相関位相のゆらぎ
σΦ(t)との対応関係を示す図。
σΦ(t)との対応関係を示す図。
【図9】水蒸気の二次元分布図を作成する際の天球面を
示す図。
示す図。
【図10】第3データファイルの説明図。
10 第1衛星追跡アンテナ
15 第1受信装置
20 第1衛星追跡アンテナ
25 第2受信装置
30 軌道予測計算機
40 相関処理装置
50 データ解析装置
60 衛星
70 記憶装置
71 第1データファイル
100 大気計測システム
Claims (10)
- 【請求項1】複数のアンテナにより非静止衛星から受信
した電波に基づき、大気の水蒸気分布を計測する大気計
測システムにおいて、 衛星の軌道を計算し、各アンテナを衛星に向けるように
指示し、且つ、アンテナの方向・位置及び衛星の軌道に
起因する受信電波の到着時間差を計算する軌道予測計算
機と、 前記軌道予測計算機からの指示に基づき衛星を捕捉し、
その後衛星の追跡を行う第1及び第2アンテナと、 前記第1及び第2アンテナからの受信信号に基づき、そ
れぞれ、第1及び第2受信データを出力する第1及び第
2受信装置と、 複数の衛星位置での測定により、前記第1及び第2受信
装置からの受信データを、前記軌道予測計算機により計
算された到着時間差で補正して第1及び第2の補正受信
データを計算し、さらに、天空上の各位置での第1及び
第2の補正受信データの位相差を計算する相関処理装置
と、 複数の衛星位置での測定により、前記相関処理装置で計
算された位相差の時間変動に基づき、天球上の各位置で
の位相揺らぎを計算し、さらに、各測定で得られた位相
ゆらぎを空間的に補間することにより、二次元の水蒸気
分布を求めるデータ解析装置と、を備えた大気測定シス
テム。 - 【請求項2】前記軌道予測計算機は、さらに、衛星の動
きによる周波数のドップラーシフトを補正するためのド
ップラー補正用データを計算し、 前記第1及び2受信装置は、さらに、前記軌道予測計算
機で計算されたドップラー補正用データに基づいて、受
信データに対してドップラーシフト変化分を補正して出
力するようにした請求項1に記載の大気計測システム。 - 【請求項3】前記相関処理装置は、前記第1及び第2受
信装置からの受信データを乗じて、単位時間で積分する
ことにより、到着時間差を正弦波振動の位相差として算
出するようにした請求項1又は2に記載の大気計測シス
テム。 - 【請求項4】前記データ解析装置は、前記相関処理装置
で計算された位相差に基づき、その平均からの揺らぎを
計算することで、衛星の軌道毎の到着時間差の変動を求
めるようにした請求項1乃至3のいずれかに記載の大気
計測システム。 - 【請求項5】前記データ解析装置は、さらに、到着時間
差の時間的に一様な変化又は系統的な変化を計算した揺
らぎから除くようにした請求項1乃至4のいずれかに記
載の大気計測システム。 - 【請求項6】前記データ解析装置により計算された水蒸
気の二次元分布を可視表示する表示装置をさらに備えた
請求項1乃至5のいずれかに記載の大気計測システム。 - 【請求項7】第1及び第2のアンテナにより非静止衛星
から受信した電波に基づき、大気の水蒸気分布を計測す
る大気計測方法において、 軌道予測計算機は、衛星の軌道を計算し、前記第1及び
第2アンテナを衛星に向けるように指示し、 前記第1及び第2アンテナは、前記軌道予測計算機から
の指示に基づき衛星を捕捉し、その後衛星の追跡を行
い、 第1及び第2受信装置は、それぞれ、前記第1及び第2
アンテナからの受信信号に基づき、第1及び第2受信デ
ータを出力し、 前記軌道予測計算機は、アンテナの方向・位置及び衛星
の軌道に起因する受信電波の到着時間差を計算し、 相関処理装置は、複数の衛星位置での測定により、前記
第1及び第2受信装置からの受信データを、前記軌道予
測計算機により計算された到着時間差で補正して第1及
び第2の補正受信データを計算し、さらに、天空上の各
位置での第1及び第2の補正受信データの位相差を計算
し、 データ解析装置は、複数の衛星位置での測定により、前
記相関処理装置で計算された位相差の時間変動に基づ
き、天球上の各位置での位相揺らぎを計算し、さらに、
各測定で得られた位相ゆらぎを空間的に補間することに
より、二次元の水蒸気分布を求めるようにした大気計測
方法。 - 【請求項8】前記軌道予測計算機は、さらに、衛星の動
きによる周波数のドップラーシフトを補正するためのド
ップラー補正用データを計算し、 前記第1及び2受信装置は、さらに、前記軌道予測計算
機で計算されたドップラー補正用データに基づいて、受
信データに対してドップラーシフト変化分を補正して出
力するようにした請求項7に記載の大気計測方法。 - 【請求項9】天球面内の衛星の軌道を複数の小領域に区
切り、その小領域の中心又は重心を代表点として、複数
の軌道に関しての各代表点での位相差を測定するように
した請求項7又は8に記載の大気計測方法。 - 【請求項10】非静止衛星からの受信信号として、無変
調波、変調波又はこれら両電波の内、いずれかを用いる
ことを特徴とする請求項7乃至9のいずれかに記載の大
気計測方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002001278A JP3733330B2 (ja) | 2002-01-08 | 2002-01-08 | 大気計測システム及び方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002001278A JP3733330B2 (ja) | 2002-01-08 | 2002-01-08 | 大気計測システム及び方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003202384A true JP2003202384A (ja) | 2003-07-18 |
JP3733330B2 JP3733330B2 (ja) | 2006-01-11 |
Family
ID=27641447
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002001278A Expired - Fee Related JP3733330B2 (ja) | 2002-01-08 | 2002-01-08 | 大気計測システム及び方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3733330B2 (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006258568A (ja) * | 2005-03-16 | 2006-09-28 | Kagoshima Univ | 風速測定システム、風速測定方法及びプログラム |
JP2007085755A (ja) * | 2005-09-20 | 2007-04-05 | Kddi Corp | 気象データ配信装置および局域気象データ配信システムならびに同システムにおける気象データ推定方法 |
JP2007256004A (ja) * | 2006-03-22 | 2007-10-04 | Kagoshima Univ | 軌道決定装置、軌道決定方法、及びコンピュータプログラム |
EP3091373A1 (en) * | 2015-05-08 | 2016-11-09 | European Space Agency | Interferometric radio occultation |
-
2002
- 2002-01-08 JP JP2002001278A patent/JP3733330B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006258568A (ja) * | 2005-03-16 | 2006-09-28 | Kagoshima Univ | 風速測定システム、風速測定方法及びプログラム |
JP4710003B2 (ja) * | 2005-03-16 | 2011-06-29 | 国立大学法人 鹿児島大学 | 風速測定システム及び風速測定方法 |
JP2007085755A (ja) * | 2005-09-20 | 2007-04-05 | Kddi Corp | 気象データ配信装置および局域気象データ配信システムならびに同システムにおける気象データ推定方法 |
JP4633588B2 (ja) * | 2005-09-20 | 2011-02-16 | Kddi株式会社 | 気象データ配信装置および局域気象データ配信システムならびに同システムにおける気象データ推定方法 |
JP2007256004A (ja) * | 2006-03-22 | 2007-10-04 | Kagoshima Univ | 軌道決定装置、軌道決定方法、及びコンピュータプログラム |
EP3091373A1 (en) * | 2015-05-08 | 2016-11-09 | European Space Agency | Interferometric radio occultation |
GB2538101A (en) * | 2015-05-08 | 2016-11-09 | Esa | Interferometric radio occultation |
US10416313B2 (en) | 2015-05-08 | 2019-09-17 | European Space Agency | Interferometric radio occultation |
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