JP5392282B2 - 立体造形装置と立体造形物の製造方法 - Google Patents

立体造形装置と立体造形物の製造方法 Download PDF

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本発明は、粉末材料に対して造形液を塗布することにより立体造形物を形成する立体造形装置と立体造形物の製造方法に関する。
従来、粉末材料に造形液を塗布することで立体造形物を形成する種々の立体造形装置が提案されている。例えば、特許文献1の立体造形装置では、ステージ上に供給された粉末材料をカウンターローラーによりステージ上に拡散させて、粉末材料の堆積面を平坦化する。
そして、平坦化された粉末材料に対して立体造形物の断面形状データに基づいて、インクジェットヘッドから結合剤が吐出される。これにより粉末材料の所定の領域に結合剤が吐出されて、粉末材料の粒子同士が結合剤により結合される。
このとき、特許文献1の造形装置では、結合剤が立体造形物の断面形状の輪郭の外側に染み出すのを防止するために、断面形状データに沿って吐出された結合剤の輪郭に沿って、別のインクジェットノズルから染み出し防止液を吐出させる。
特開2005−7572号公報
しかしながら、上記従来技術では、粉末材料を結合する結合剤のほかに別途染み出し防止液が必要であり、また、各層の下側に存在する成形領域ではない非成形領域への粉末材料に対する結合剤の染み込みについては考慮されていなかった。
本発明は、粉末材料に造型液を塗布して層を形成する場合に、別途染み出し防止液などを用いることなく、層の下側の非成形領域の粉末材料への造型液の染み込みを軽減することにより、立体造形物の造形性を向上させることができる立体造形装置と立体造形物の製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、第1発明の立体造形装置はステージに供給された成形領域の粉末材料に対して造型液を塗布して層を形成し、前記層の上に次の層を積層させることを繰り返して立体造形物を形成する立体造形装置であって、前記立体造形物の位置データを取得するデータ取得部と、前記ステージに供給された前記成形領域の前記粉末材料に対して、前記データ取得部により取得された前記位置データに従って前記造型液を吐出する吐出部と、前記吐出部から前記成形領域に対して塗布される前記造型液の塗布量を制御する制御部とを有し、前記制御部は、前記層の上側に前記次の層を形成させる場合に、前記次の層の成形領域のうち、下側に前記層が存在する第1領域よりも、下側に前記層が存在しない第2領域の方が面積当たりの前記造型液の塗布量が少なくなるように、前記吐出部を制御することを特徴とする。
第2発明の立体造形装置は、上記第1発明の構成に加えて、前記吐出部から前記造型液の吐出量を変更可能に制御する吐出制御部を有し、前記第1領域よりも前記第2領域の方が前記粉末材料へ前記吐出部から前記造型液を吐出する吐出量が少なくなるように、前記制御部は前記吐出制御部を制御することを特徴とする。
第3発明の立体造形装置は、上記第2発明に加えて、前記第2領域は分割された複数の分割領域を有し、前記複数の分割領域のうち、前記第1領域に最も近い側から最も遠い側へ順番に、前記造型液の吐出量が少なくなるように、前記制御部は前記吐出制御部を制御することを特徴とする。
第4発明の立体造形装置は、上記第1ないし第3発明のいずれかにおいて、前記吐出部を前記ステージに対して水平方向に相対移動させる移動駆動部を有し、前記成形領域における面積当たりの前記吐出部からの前記造型液の吐出回数が、前記第1領域よりも前記第2領域の方が少なくなるように、前記制御部は前記移動駆動部を制御することを特徴とする。
第5発明の立体造形装置は、上記第1ないし第4発明のいずれかにおいて、前記制御部は、前記次の層の上側にその次の層を形成させる場合に、前記その次の層の成形領域のうち、下側に前記次の層の前記第1領域が存在する第4領域よりも、下側に前記次の層の前記第2領域が存在する第3領域の方が面積当たりの前記造型液の塗布量が多くなるように、前記吐出部を制御することを特徴とする。
第6発明の立体造形物の製造方法は、ステージに供給された成形領域の粉末材料に対して造型液を塗布して層を形成し、前記層の上に次の層を積層させることを繰り返して立体造形物を製造する立体造形物の製造方法であって、前記立体造形物の位置データを取得するデータ取得工程と、前記ステージに供給された前記成形領域の前記粉末材料に対して、前記データ取得工程により取得された前記位置データに従って前記造型液を吐出する吐出工程と、前記吐出工程において前記成形領域に対して塗布される前記造型液の塗布量を制御する制御部を有し、前記制御部は、前記層の上側に前記次の層を形成させる場合に、前記次の層の成形領域のうち、下側に前記層が存在する第1領域よりも、下側に前記層が存在しない第2領域の方が面積当たりの前記造型液の塗布量が少なくなるように、前記吐出部を制御することを特徴とする。
第1発明の立体造形装置によれば、層の上側に次の層を形成させる場合に、次の層の成形領域のうち、下側に層が存在する第1領域よりも、下側に層が存在しない第2領域の方が面積当たりの前記造型液の塗布量が少ない。そのため、第2領域の下側の成形領域でない非成形領域の粉末材料への造型液の余分な染み込みを軽減できる。これにより、立体造形の造形性を向上させることができる。
第2発明の立体造形装置によれば、第1発明の効果に加え、吐出部から造型液の吐出量を変更可能に制御する吐出制御部を有し、第1領域よりも第2領域の方が粉末材料へ吐出部から造型液を吐出する吐出量が少なくなるように、制御部は吐出制御部を制御する。そのため各領域に対する造型液の塗布量を、吐出部からの造型液の吐出量を制御することで調整しやすい。これにより、確実に造形性を向上させることができる。
第3発明の立体造形装置によれば、第2発明に加え、第2領域は分割された複数の分割領域を有し、複数の分割領域のうち、第1領域に最も近い側から最も遠い側へ順番に、造型液の吐出量が少なくなるように、制御部は吐出制御部を制御する。そのため、造型液の吐出量を第2領域の複数の分割領域のうち第1領域に近い側が多くなるようにすることで、第2領域のインクの染み込み方が、さらに、その層の水平方向において、成形領域と非成形領域の境界に近づくほど相対的に少なくなり、造形性が向上する。
第4発明の立体造形装置によれば、第1発明ないし第3発明のいずれかに加え、吐出部をステージに対して水平方向に相対移動させる移動駆動部を有し、成形領域における面積当たりの吐出部からの造型液の吐出回数が、第1領域よりも前記第2領域の方が少なくなるように、制御部は移動駆動部を制御する。そのため各領域に対する造型液の塗布量を、吐出部からの造型液の吐出回数を制御することで調整しやすい。これにより、造形性をより向上させることができる。
第5発明の立体造形装置によれば、第1発明ないし第4発明のいずれかに加え、制御部は、その次の層の成形領域のうち、下側に次の層の第1領域が存在する第4領域よりも、下側に次の層の第2領域が存在する第3領域の方が面積当たりの前記造型液の塗布量が多くなるように、吐出部を制御する。そのため、第2領域に相当する下側の層の成形領域に造型液を染み込ませて下側の層の強度を向上させることができる。これにより、確実に造形性を向上させることができる。
第6発明の立体造形物の製造方法によれば、層の上側に次の層を形成させる場合に、次の層の成形領域のうち、下側に層が存在する第1領域よりも、下側に層が存在しない第2領域の方が面積当たりの前記造型液の塗布量が少ない。そのため、第2領域の下側の成形領域でない非成形領域に余分な造型液の染み込みを低減することができる。これにより、立体造形物の造形性を向上させることができる。
本発明の実施形態の立体造形装置を示す外観図である。 図1の立体造形装置の正面視における概略構成を示す図である。 図1の立体造形装置の側面視における内部の概略構成を示す図である。 ステージを拡大して示す概略斜視図である。 ヘッドを拡大して示す概略斜視図である。 ローラと粉末供給部を拡大して示す概略斜視図である。 立体造形装置の電気的構成を示すブロック図である。 ステージ周辺の上面視における拡大模式図である。 立体造形物の外観を拡大して示す概略斜視図である。 立体造形物の第2層の平面図である。 図10の第2層を11−11線で切断した断面図である。 立体造形物の第3層の平面図である。 図12の第3層を13−13線で切断した断面図である。 立体造形物の第2層の別例の平面図である。 図14の第2層を15−15線で切断した断面図である。 図9の立体造形物の座標データ、色データ、領域データを示す表である。 立体造形装置の動作制御を示すフローチャートである。 図17の構造形成処理を示すフローチャートである。 図17の吐出処理を示すフローチャートである。
以下に、図1〜図6を用いて、本発明の好ましい実施形態を示す。図1に示すように、本実施形態の立体造形装置1は、例えば、ネットワーク300を介してパーソナルコンピュータ(以下、PCとする)200で作成された立体造形物の座標データ、色データ、領域データを受信する。座標データ、色データ、領域データについては後述する。
立体造形装置1は受信した座標データ等に基づいて、ステージ5上の粉末材料にインクジェットヘッド21から造型液を吐出して図9の立体造形物400を作成する。以下、各構成について説明する。
立体造形装置1は、図1に示すように、X軸方向を長手方向とする略直方体形状の筐体2を有している。また、立体造形装置1の側面を示す図3において、Y軸方向(図1の筐体2の前後方向)に伸びる2本のレール3が列設されている。
図1において、2本のレ−ル3は、筐体2のY軸負側(筐体2の手前側)に設けられた支持部31と、Y軸正側の支持部(図示せず)にそれぞれ支持されている。
図4のステージ支持台12の貫通孔14はこのレール3に挿通されており、ステージ支持台12はレール3に沿ってY軸方向(図1の筐体2前後方向)に移動可能である。
図3において、レール3のY軸正方向(図1の筐体2後方)端部には後述のステージ駆動モータ57(図7参照)が設けられる。ステージ支持台12は、ステージ駆動モータ57の駆動によってレール3に沿ってY軸方向に往復移動されるようになっている。これによりステージ支持台12の上部に固定されたステージ5がY軸方向へ移動する。
ステージ5は、図1に示すように箱型形状であり、その中央部は直方体形状の空洞部56を有している。また、ステージ支持台12の中央には、空洞部56に連通する円柱状の空洞部13が形成されている。
ステージ5のY軸正方向(図1の筐体2の後方)には、図3及び図4のようにローラ8によって移動された余剰分の粉末を回収するための粉末回収口87が設けられる。粉末回収口87に投入された粉末材料は、回収路89を通って図2の粉末回収部85へ回収される。
粉末回収部85に回収された粉末材料はユーザによって、図1及び図6の粉末供給部7へ投入される。また、図示しない吸引機構などにより、粉末供給部7へ自動的に再投入されるようにしてもよい。
昇降板51は、図1及び図4のように、ステージ5の空洞部56内をZ軸方向へ移動可能に設けられる。昇降板51はステージ5上面と同じ位置から下方向(Z軸負方向)へ、成形する立体造形物の層の厚みに応じて移動する。
図1において、昇降板51の下面の中央には昇降板51を支持するためのボールねじ54が設けられる。昇降板51は後述の昇降板モータ53(図7参照)の駆動によりボールねじ54が回転することで、空洞部56の内部をZ軸方向に移動する。なお、ボールねじ54は昇降板モータ53を介して、ステージ5の空洞部56に図示しない支持部材によりベアリングを介して設けられる。
また、図1及び図2に示すように、ガイドレール9は筐体2のY軸方向の略中央で、かつ、ステージ5の上方に架設される。ガイドレール9は、インクジェットヘッド21のX軸方向への移動を案内する。このガイドレール9のX軸負側(筐体2の左側)の端部付近に設けられた後述のヘッドモータ24(図7参照)と、X軸正側(筐体2の右側)の端部付近に設けられた図示しないプーリーとの間にキャリッジベルトがX軸方向にわたって架設されている。
キャリッジベルトは後述のヘッドモータ24(図7参照)を介して駆動し、これによりインクジェットヘッド21が筐体2のX軸方向に往復移動されるようになっている。
また、立体造形装置1は、カラーの立体造形物を作成可能であり、立体造形用のシアンインク,マゼンタインク,イエローインク,ブラックインク、クリアインクが用いられている。図2のように、立体造形装置1のフレーム22内のX軸負側には、各インクを収容したインク収容部30がそれぞれ設けられている。
図2のインク収容部30は、インク供給用チューブ10を介して、図5のように各色のインクジェットヘッド21に接続されている。尚、このインク供給用チューブ10は、ポリエチレン等からなる可撓性のチューブであり、立体造形装置1において、インクジェットヘッド21の移動等に対応して屈曲や捩れが生じるような柔軟性を有する。
インクジェットヘッド21は、各インクを噴射するための、噴射チャンネル(図示外)をそれぞれ備えている。各噴射チャンネルには、各々個別に駆動される圧電アクチュエータが設けられ、各噴射チャンネルに対応してインクジェットヘッド21の底面に孔設された微細な噴射ノズルから下向きに、インクの液滴が噴射されるように制御されている。なお、インクジェットヘッド21は本発明の吐出部に相当する。
また、インクジェットヘッド21がガイドレール9の左端(X軸負側)の退避位置に移動した位置には、各インクジェットヘッド21のノズル面に対して密着・離脱が可能な吸引キャップを有するヘッド吸引機構23が設けられている。
ヘッド吸引機構23は、図示外の吸引ポンプとキャップを有する。ヘッド吸引機構23は、図示外の昇降機構によってZ軸方向に昇降可能に構成される。インクジェットヘッド21が、ヘッド吸引機構23の上側に移動されると、ヘッド吸引機構23はZ軸正方向に上昇する。
上昇したヘッド吸引機構23は、インクジェットヘッド21面に密着し、インクジェットヘッド21の吐出口に各色の造形液が達するまで吸引を行う。各吸引キャップがインクジェットヘッド21に密着しているときに、ポンプに接続された吸引キャップを介してインクの吸引を行うことが可能となっている。また、印刷が行われないときには、吸引キャップでインクジェットヘッド21のノズル面が覆われ、インクの乾燥が防止される。
図1の粉末供給部7は立体造形に用いる粉末材料を収容するための箱形状の容器であって、ステージ5の上方であって筐体2のX軸正側(筐体2の右側)に設けられる粉末回収部85に図示しない固定部材によって支持されている。図6に示すように、粉末供給部7の上方の開放された投入口により、ユーザによって粉末材料が投入される。
粉末供給部7は、図6においてステージ5上のX軸方向に線上に伸びる全領域に粉末材料を供給可能なように、粉末供給部7の下部に開口部71を備えている。そのため、この開口部71は、ステージ5のX軸方向に延びてステージのX軸方向の長さとほぼ同じ長さを有する。
粉末供給部7の開口部71は図示しないシャッタ部材を有している。ステージ5上へ粉末供給を開始するときには、後述のシャッタモータ72(図7参照)を介してシャッタ部材が移動して開口部71が開放される。これにより、ステージ5上へ所定量の粉末材料が投下される。そして、ステージ5上への粉末供給が終わると、シャッタモータ72によりシャッタ部材が開口部71を閉鎖する。
ローラ8は、図3及び図6に示すステージ5上に供給された粉末材料を平坦化するために設けられる。図6において、ローラ8は回転軸81に接続された後述のローラモータ83(図7参照)により図6の矢印B方向(反時計回り)へ回転する。ローラは回転軸81が回転可能なように、図示しないベアリングなどを介して固定部材によりX軸正側に設けられた粉末回収部85に固定されている(図1、図2参照)。
ブレード82は図6に示すように、ローラ8に付着した粉末材料を除去するために設けられ、平板状である。ローラ8に対向するブレード82の先端部はローラ8の表面に押圧するように接している。
また、ブレード82はローラ8に対向する側の反対側が粉末供給部7に固定部84により固定される。このとき、ブレード82が粉末供給部7に固定される位置は、開口部71よりも平坦化領域に近い側に配置される。
そして、図1に示すように、筐体2のX軸正側のフレーム部22の正面には、立体造形装置1の操作を行うための操作パネル28が設けられている。操作パネル28には、各種のランプ、ディスプレイが設けられている。また、操作パネル28には、操作指示のための各種のボタンが設けられている。
次に、図7を用いて、本実施形態の立体造形装置1の電気的構成を説明する。立体造形装置1は制御部40を備え、制御部40はCPU110、ROM120、フラッシュRAM130を有している。CPU110は立体造形装置1の主制御を司る。CPU110には、バス190を介し、ROM120、フラッシュRAM130が接続されている。
CPU110は、フラッシュRAM130及びROM120と協動して、各種演算、処理を行う。ROM120は、立体造形装置1の動作を制御するための制御プログラム、印刷処理を実行するための印刷実行プログラム等が記憶している。フラッシュRAM130には、PC200から通信制御部160を介して受信した後述の座標データ、色データ、領域データが記憶される。なお、CPU110は本発明の吐出制御部に相当する。
またCPU110には、バス190を介して、ヘッド駆動部140と、モータ駆動部150と、通信制御部160とが接続されている。
ヘッド駆動部140は、インク噴射を行うインクジェットヘッド21の各噴射チャンネルに設けられた圧電アクチュエータ(図示外)を駆動させる。ヘッド駆動部140は、CPU110からの吐出信号と後述の座標データと座標データに対応付けられた色データ、領域データに従って、造形液の吐出タイミングと吐出すべき造形液の色や吐出量を決定する。
インクジェットヘッド21は、CPU110からの色選択信号に従って、各色のヘッドのうち、吐出すべき色のヘッドから造形液を吐出する。
また、インクジェットヘッド21は、CPU110からの吐出量信号に従って、各色のヘッドから吐出すべき量の造形液を吐出する。なお、吐出量信号の値は各色のヘッドに内蔵されているピエゾ素子に供給される電圧値に相当する値である。吐出量信号の値が大きいほど各ヘッドより吐出される造型液の量が多くなる。
ここで、インクジェットヘッド21から吐出される造型液の量は、後述のように、第3領域>第1領域>第2領域の関係になるように、あらかじめ設定されている。
モータ駆動部150は、ヘッドモータ24、ステージ駆動モータ57、昇降板モータ53、ローラモータ83、シャッタモータ72をそれぞれ制御して駆動させる。
ヘッドモータ24は、インクジェットヘッド21を搭載したキャリッジ(図示外)を駆動する。これにより、図8のように、インクジェットヘッド21がX軸方向へ移動する(図1では筐体2の左右方向)。なお、ヘッドモータ24は、本発明の移動駆動部に相当する。
ステージ駆動モータ57は、粉末材料が載置されたステージ5を送り出すタイミングや速度を調整するステージローラ(図示外)を駆動する。これにより、図8のように、ステージ5がY軸方向へ移動する(図1では筐体2の前後方向)。
昇降板モータ53は、昇降板51を支持するボールねじ54を回転させることで、昇降板51をZ軸方向に移動させる(図1参照)。
ローラモータ83は、ローラ8の回転軸81を回転させることで、ローラ8を所定の方向に回転させる。ここでは、ローラモータ83の駆動により、ローラ8が図6の矢印B方向(反時計回り)へ回転する。
シャッタモータ72は粉末供給部7の図6の開口部71を塞ぐシャッタ(図示外)を移動させる。シャッタが移動することにより、粉末供給部7の開口部71が開放されたり塞がれたりする。開口部71が開放されると粉末供給部7内の粉末材料がステージ5へ投下される。
これらのモータは、エンコーダを内蔵するステッピングモータ等であり、移動量、原点位置、回転速度等を検出可能である。検出されたこれらの移動量、原点位置、回転速度等のデータはバス190を介してCPU110に送信される。CPU110は送信されてきたこれらのデータに基づいてモータ駆動部150に駆動のための信号を送信する。
さらに、CPU110には、バス190を介して、通信制御部160、操作パネル500、ヘッド吸引機構23が接続されている。
通信制御部160は、立体造形装置1と外部との通信を行う。外部装置であるPC200から、この通信制御部160を介して立体造形に必要な後述の座標データを受信してフラッシュRAM130に記憶する。
操作パネル28は立体造形装置1の起動、停止、印刷開始等の操作をユーザから受け付けるための様々な入力ボタンを有する。操作パネル28に対して入力されたユーザからの操作は、操作信号としてCPU110に送信される。
ヘッド吸引機構23は、CPU110からの信号に従い、Z軸方向への昇降、図5のインクジェットヘッド21への図示しないキャップの装着、及びインクジェットヘッド21の吸引を行う。
<各成形領域と造型液の吐出量の関係について>
続いて、図9〜図15を用いて、立体造形物400を作製する場合における各層の成形領域と造型液の吐出量の関係について説明する。図9の立体造形物400はステージ上の成形領域の粉末材料に造型液が吐出されて層が形成され、その層の上に次の層が繰り返して積層されることで形成される。なお、図9の立体造形物400は、図13において立体造形が終了した後に、非成形領域500の粉末材料がユーザにより除去されて形成される。
(1)第1領域と第2領域の造型液の吐出量について
まず、第1領域と第2領域の造型液の吐出量について説明する。例えば、図11の第1層410の上側に第2層420を形成する場合を説明する。第1層410は矩形状であり、第2層420は第1層410よりもX軸負方向とY軸正方向に大きな矩形状である(図9参照)。
前回成形した第1層410の上側に、図10に示すように、第2層420を成形する。今回成形する第2層420は、中央に矩形状の第1領域421と、第1領域421の左側(X軸負方向)と上側(Y軸正方向)に隣接する第2領域422を有している。なお、図中において、座標は説明のためのものであり、座標間の長さ等は考慮されていない。以下、同様である。
図11の断面図において、第2層420の第1領域421はその下側(Z軸負方向)に第1層410の成形領域が存在する。一方、第2領域422はその下側に非成形領域500が存在する。
座標データについては後述するが、具体的に、第1領域421は図11において、座標(5,−5,1)、(−5,−5,1)、(−5,5,1)、(5,5,1)で囲まれた領域である。また、第2領域422は座標(−5,−5,1)、(−11,−5,1)、(−11,11,1)、(5,11,1)、(5,5,1)、(−5,5,1)で囲まれた領域である。
従来、立体造形装置で各層を形成する場合に、層と層との間を確実に結合させるために、各層の厚み分よりも多少多めに造型液が成形領域に塗布される。そのため、下側に非成形領域が存在する第2領域では、下側の非成形領域の粉末材料へ造型液が染み込みやすい。
非成形領域の粉末材料に造型液が余分に染み込むと、余計な粉末材料が結合して成形領域と非成形領域の境界がずれてあいまいになる。また、成形領域と非成形領域の境界に凸凹が生じたりして、立体造形物の造形性が悪くなり外観上も問題が生じる。
そこで、本実施形態ではインクジェットヘッド21の造型液の吐出量は、第1領域421よりも第2領域422への面積当たりの造型液の塗布量が少なくなるように設定される。これにより、第1領域では十分に造型液を吐出することができると共に、第2領域では造型液の吐出量を少なくして、その層の下側の非成形領域に余分に造型液が染み込むのを軽減できる。
例えば、第1領域に対する造型液の吐出量は層1層分の厚み分より多少多めに吐出されるように設定され、第2領域では第1層分の厚み分吐出されるように設定されるなどでもよい。造型液の吐出量は、用いる粉末材料や造型液によって、適宜、吐出量が調整される。
一例として、15mm×15mmの成形領域について、厚みを0.15mmの層を形成するような場合に、通常、造型液を約0.00089g/cm程度吐出するとする。このとき得られる層の厚みをマイクロメータで測定すると、約0.355mmである。これは下層との結合を強くするために、多少多めに造型液が塗布されるためである。
一方、造型液の量を少なくして、15mm×15mmの成形領域について、この成形領域に造型液を約0.00667g/cm程度吐出する。このとき得られる層の厚みは約0.161mm程度である。造型液の吐出量を少なくすると、成形領域ではない粉末材料への造型液の染み込み量が少なくなる。
(2)第1領域と第2領域と第3領域の造型液の吐出量について
次に、第1領域と第2領域と第3領域の造型液の吐出量について説明する。例えば、図13のように、第3層430が第2層420の上側に形成される場合を説明する。第2層420は矩形状であり、第3層430は第2層420よりもX軸負方向とY軸正方向に大きな矩形状である(図9参照)。
前回成形した第2層420の上側に、図12に示すように、第3層430を成形する。今回成形する第3層430は、中央に矩形状の第1領域431と、第1領域431の左側(X軸負方向)と上側(Y軸正方向)に隣接する第3領域433と、第3領域433の左側(X軸負方向)と上側(Y軸正方向)に隣接する第2領域432を有している。
座標データについては後述するが、具体的には、図12において、第1領域431は座標(5,−5,2)、(−5,−5,2)、(−5,5,2)、(5,5,2)で囲まれた領域である。また、第3領域433は座標(−5,−5,2)、(−11,−5,2)、(−11,11,2)、(5,11,2)、(5,5,2)、(−5,5,2)で囲まれた領域である。そして、第2領域432は座標(−11,−5,2)、(−17,−5,2)、(−17,17,2)、(5,17,2)、(5,11,2)、(−11,11,2)で囲まれた領域である。
図13の断面図において、第3層430の第1領域431はその下側(Z軸負方向)に第2層420の第1領域421が存在する。そして、第3領域433はその下側(Z軸負方向)に第2層420の第2領域422が存在する。また、第2領域432はその下側は非成形領域500である。なお、第3層430の第1領域431は本発明の第4領域に相当する。
ここで、上述のように第2領域は第1領域よりも造型液の吐出量が少ない。そのため場合によっては、第1領域よりも第2領域は層の強度が弱くなることが懸念される。
そこで、本実施形態では、第2層420の第2領域422の上側に相当する第3層430の第3領域433では、第1領域431よりも造型液の吐出量が多くなるように造型液が吐出される。なお、第2領域432では上述と同様に、第1領域431よりも吐出量が少なくなるように造型液が吐出される。造型液の吐出量の関係は第3領域433>第1領域431>第2領域432である。
このように、第3層430の第3領域433から下側の第2層420の第2領域422へ余分に造型液が染み込むことで、第2層420の第2領域422の粉末材料の結合が促進される。これにより、第2層420の第2領域422の強度や第2層420の第2領域422と第3層430の第3領域433との層同士が確実に結合される。なお、第3層430の第3領域433への造型液の吐出量は、第2層420の第2領域422の下側の非成形領域までは造型液が染み込まないように調整される。
(3)第2領域が分割領域を有する場合について
続いて、上述した第2領域は図14のように複数に分割された分割領域を有していてもよい。この場合の造型液の吐出量について説明する。例えば、図15の断面図のように、第2層420が第1層410の上側に形成される場合を説明する。前述と同様に、第1層410は矩形状であり、第2層420は第1層410よりもX軸負方向とY軸正方向に大きな矩形状である(図9参照)。
前回成形した第1層410の上側に、図14に示すように、第2層420を成形する。今回成形する第2層420は、中央に矩形状の第1領域421と、第1領域421の左側(X軸負方向)と上側(Y軸正方向)に隣接する第2領域422を有している。さらに、第2領域422は、第1領域421の左側と上側に隣接する第1分割領域422Aと、第1分割領域422Aの左側と上側に隣接する第2分割領域422Bと、第2分割領域422Bの左側と上側に隣接する第3分割領域422Cを有する。
図15の断面図において、第1分割領域422A、第2分割領域422B、第3分割領域422Cはその下側が非成形領域である。
座標データについては後述するが、具体的には、図14において、第1分割領域422Aは座標(−5,−5,1)、(−7,−5,1)、(−7,7,1)、(5,7,1)、(5,5,1)、(−5,5,1)で囲まれた領域である。また、第2分割領域422Bは座標(−7,−5,1)、(−9,−5,1)、(−9,9,1)、(5,9,1)、(5,7,1)、(−7,7,1)で囲まれた領域である。そして、第3分割領域422Cは座標(−9,−5,1)、(−11,−5,1)、(−11,11,1)、(5,11,1)、(5,9,1)、(−9,9,1)、(−9,−5,1)で囲まれた領域である。
これらの分割領域のうち、第1領域421に近い第1分割領域422A、第2分割領域422B、第3分割領域422Cの順に造型液の吐出量が少なくなるように、インクジェットヘッド21から造型液が吐出される。なお、第1分割領域422A、第2分割領域422B、第3分割領域422Cは全て、第1領域421よりも少ない吐出量になるように、造型液が吐出される。
これにより、図15の点線のように、第2領域422は、第1領域421に近い第1分割領域422Aほど造型液の吐出量が多く粉末材料へ染み込み、第2分割領域422B、第3分割領域422Cになるほど、造型液の粉末材料への染み込み方が少なくなる。そのため、第2領域422において、立体造形物の断面視において、下側(Z軸負側)が滑らかな曲線形状に近づく。これにより、立体造形物の外観が良好になり造形性や成形性が向上する。
<座標データ、色データ、領域データについて>
次に、図16を用いて、座標データ、色データ、領域データについて説明する。座標データは、立体造形装置1により造形される立体造形物の位置を示す座標(X、Y、Z)であり、ステージ5上の座標(X,Y,Z)に対応するデータである。なお、座標データは本発明の位置データに相当する。
色データは、座標(X、Y、Z)において、インクジェットヘッド21から吐出される造型液の色を示すデータである。領域データは、座標(X,Y,Z)の成形領域を示すデータである。本実施形態では領域は、第1領域、第2領域、第3領域のいずれかである。なお、上述のように、第2領域として、さらに第1分割領域、第2分割領域、第3分割領域を設定してもよい。
座標データ、色データ、領域データは、以下のように生成される。まず、ユーザがPC200を操作し、これから造形する図9の立体造形物400に対応するカラーの立体画像データを作成する。この立体画像データに基づいて、各層ごとに座標データに対応付けて色データと領域データが立体造形用のプログラムに従って生成される。例えば、立体画像データをステージ5の移動量に対応させて、各層ごとのスライスデータを作成する。そして、各層ごとに対応する座標データ、領域データ、色データが作成される。
座標データと色データと領域データは、ネットワーク300を介して立体造形装置1に送信される。立体造形装置1に受信された座標データと色データと領域データは、フラッシュRAM130に記憶される。なお、座標データは、PC200の表示手段に表示される仮想の堆積面上の空間に対し割り振られた直交座標系における座標(X、Y、Z)であり、ステージ5上の座標(X、Y、Z)と対応している。
座標データに対応付けて色データと領域データは、各層ごとに少なくとも全ての成形領域の座標についてフラッシュRAM130に記憶される。
具体的に、例えば、図10の第2層420を形成する場合の座標データについて説明する。なお、図9の第1層410については、本実施形態では第1層410の全ての成形領域の座標に対して、特に図示しないが領域データとして「第1領域」が対応付けられて記憶される。
例えば、図10において、インクジェットヘッド21の初期位置が座標(−20,−5,1)であるとする。図16のように、座標(−20,−5,1)は色データが記憶されていないので、インクジェットヘッド21がこの座標上に位置していても、インクジェットヘッド21からの造型液の吐出は行われない。
インクジェットヘッド21が初期位置から往路L1を右方向(X軸正方向)へ移動して、座標(−10,−5,1)上に移動したとする。座標(−10,−5,1)は色データ「シアン」と領域データ「第2領域」が対応付けられてフラッシュRAM130に記憶されている。インクジェットヘッド21は座標(−10,−5,1)上で、対応ヘッドより、あらかじめ第2領域として定められる吐出量のシアンの造型液を吐出する。
同様に、座標(−3、−5、1)は色データ「マゼンタ」と領域データ「第1領域」とが対応付けられてフラッシュRAM130に記憶されている。インクジェットヘッド21は座標(−3,−5,1)上で、対応ヘッドより、あらかじめ第1領域として定められる吐出量のマゼンタの造型液を吐出する。
なお、特に図示しないが、第3層430についても成形領域の全ての座標に対応して色データと領域データがフラッシュRAM130に記憶されている。また、第2層420が分割領域を有する場合も同様に領域データとしてどの分割領域に該当するか座標ごとに対応付けてフラッシュRAM130に記憶されている。
次に、図17〜図19を用いて、立体造形装置1の動作制御について説明する。
図17に示す処理では、まず、制御部40に電源ONの指令が供給され、立体造形装置1の駆動が開始される。立体造形装置1の駆動が開始されると、ステップS0(以下、S0とする)で初期化処理が行われる。具体的には、ヘッド吸引機構23により、インクジェットヘッド21の下面の複数の吐出口に造形液が達するまで吸引が行われる(図1参照)。この吸引により、インクジェットヘッド21が吐出可能な状態となる。
また、図1に示す昇降板51をステージ5表面と同じ位置から、初期設定として予め定められるZ座標分だけ、図7のモータ駆動部150、昇降板モータ53を介して昇降板51をZ軸負方向に移動させる。
初期化処理が行われると、S1では、PC200からの座標データ、色データ、領域データの受信があったか否かが判断される。座標データ、色データ、領域データを受信すると、フラッシュRAM130に座標データを記憶する(S2)。なお、制御部40がS2の座標データ、色データ、領域データを受信する処理を行う制御部40が本発明のデータ取得部及びデータ取得工程に相当する。
座標データ等を受信していないと判定されると(S1:No)、ユーザにより立体造形物に関するデータがPC200、及びバス190を介して制御部40に供給されていないため、ループ待機する。
一方、S2で受信した座標データ等をフラッシュRAM130に記憶すると、処理が次のS3に移る。最初にS2からS3に処理が移るとき、フラッシュRAM130により記憶されている座標データのZ座標のうち、最小のZ座標を有する座標データが造形する層の座標Zとして設定される。
次に、S3で構造形成処理が行われる。この構造形成処理により、ステージ5が一層分降下し、そのステージ上に少なくとも1層分の粉末材料が供給される。また、ステージ5に供給された粉末材料が平坦化される。
S4では、吐出処理が行われる。この吐出処理により、ステージ5に供給された粉末材料に造形液が吐出される。造形液の吐出により、粉末材料が造型液に溶解して互いに結合される。粉末材料が結合されることで、造形される立体造形物のうちの1層の造形がなされる。また、2層以上積層させる場合には、下層との結合造形もなされる。
S5は、造形が終了したか否かが判定される。造形終了でないと判定されると(S5:No)、処理がS6に移る。処理がS6に移ると、現在の座標Zを、フラッシュRAM130に記憶されている座標Zのうち、現在の座標Zの次に大きい座標Zに変更する。
そして、その次に大きいZ座標に対応させて、モータ駆動部150、昇降板モータ53を介して昇降板51をZ軸負方向に移動させ、S3の構造形成処理に移る。
一方、S5において、造形終了と判定されると(S5:Yes)、このフローが終了する。具体的には、制御部40に電源OFFの指令が供給されたか、またはフラッシュRAM130に記憶されている全ての座標Zに対する処理が完了したときに、造形終了と判定される。
次に、図18を用いて、図17の構造形成処理S3について具体的に説明する。図18に示す構造形成処理では、まず、S30でステージを一層分の座標Zに対応して所定量降下させる。一例として、約100μm程度である。S31で現在の座標Zにおける座標データがフラッシュRAM130から読み出される。読み出されるデータは、座標Zを有する全ての座標(X、Y,Z)の座標データ、色データ、領域データである。
S32では、粉末供給処理が行われる。図6のように、粉末供給部7の開口部71はシャッタが移動することにより開放されて、ステージ5の一端部にX軸方向に線状に供給される。ここで、供給される粉末材料の量は、現在の座標Zにおけるステージ5上の成形領域の全ての座標(X、Y)に対し、粉末材料が供給される量に調整される。
そして、図7のローラモータ83を駆動させることにより、ローラ8を回転させる(図6参照)。ローラ8の回転数は、一例として5rpm/s程度である。
S33では、粉末材料を平坦化するために、図7のモータ駆動部150、ステージ駆動モータ57を介して、図8のステージ5がY軸負方向(図中左側)へ移動させる制御を行う。これにより、ローラ8はステージ5の一端部から他端部のY軸正方向(図中右側)へ相対的に水平移動する。一例として、ステージ5の移動速度は概ね50〜300mm/s程度である。
S33の処理が行われると、図18に示す構造形成処理が完了し、図17に示すS4の吐出処理に移る。
続いて、図19を用いて、図17の吐出処理S4について詳細に説明する。まず、S400で、現在の座標Zにおける座標データがフラッシュRAM130から読み出される。
読み出される座標データは、造形対象の層の座標Zを有する全領域の座標(X、Y,Z)と、座標(X、Y,Z)と対応付けて記憶されている色データと領域データである。
例えば、第1層410を形成する場合には、座標Zが0である座標データと、その座標データに対応付けられた色データ、領域データが全て読み出される。同様に、図10の第2層420を形成する場合には、座標Zが1である全ての座標(X,Y,Z)の座標データ、座標(X,Y,Z)ごとに対応付けられた色データ、領域データが読み出される。
S401では、インクジェットヘッド21が初期位置に相対移動される。例えば、第2層420を形成するときの初期位置は、図10に示す座標(−20、−5、1)である。
S402はインクジェットヘッド21が所定の速度で往路L1をX軸正方向(図10の右方向)へ移動される。インクジェットヘッド21は所定距離だけ往路移動される。一例として、所定距離は100μm程度である。
インクジェットヘッド21が往路L1を移動すると、フラッシュRAM130に記憶されている次にXが大きい座標(X、Y,Z)にインクジェットヘッド21が位置しているかを判定する(S403)。例えば、初期位置(−20、−5、1)から移動した場合には、次に大きいX座標を有するのは(−19,−5,1)になる。
ここで、インクジェットヘッド21が座標(X、Y、Z)に位置しているとは、インクジェットヘッド21の中心がフラッシュRAM130に記憶されている座標(X、Y,Z)に対応したステージ5上の座標(X、Y、Z)の上方に配置されることを意味する。
インクジェットヘッド21が次の座標(X、Y,Z)に入ったと判断されると(S403:Yes)、S404へ進む。一方、インクジェットヘッド21が次の座標(X、Y,Z)に入っていないと判断されると(S403:No)、S405へ進む。
S404では、インクジェットヘッド21の対応ヘッドにより、座標(X,Y,Z)に対応付けられた領域データの各領域ごとに、あらかじめ定められた所定量の造型液が吐出される。なお、S404と後述のS412で行われる造型液吐出の処理が本発明の吐出工程に相当する。
ここで、対応ヘッドとは、インクジェットヘッド21のうち、座標データ(X、Y,Z)と対応付けられてフラッシュRAM130に記憶されている色データに対応する色の造型液を吐出するヘッドである。なお、座標データ(X、Y、Z)に色データが対応付けて記憶されていない場合には、インクジェットヘッド21からは造型液は吐出されない。
対応ヘッドにより造形液が吐出されると、往路L1を移動終了か否かが判定される(S405)。具体的には、インクジェットヘッド21のステージ5上の現在の座標Xよりも大きい座標Xを有する座標(X,Y,Z)が色データと対応付けられてフラッシュRAM130に記憶されているか否かが判定される。
往路L1の移動が終了と判断された場合には(S405:Yes)、S410へ移る。往路L1の移動が終了でないと判断された場合には(S405:No)、S402へ移る。
例えば、図16のように、第2層410において、座標が(5,−5,1)であるとすると、次に大きいX座標を有する座標(6,−5,1)は色データと対応付けられてフラッシュRAM130に記憶されていないので、往路L1の移動が終了と判定される。
S405において、往路L1の移動が終了と判定されると(S405:Yes)、インクジェットヘッド21がフラッシュRAM130に記憶されている座標データのうち、最も大きいX座標を有する座標(X、Y)に対応するステージ5上の座標(X、Y)まで相対移動される。
例えば、図10、図16のように、第2層420において、最も大きいX座標を有する座標は(20,−5,1)であるので、座標(20,−5,1)までインクジェットヘッド21が相対移動される。
インクジェットヘッド21がこの位置まで相対移動されると、インクジェットヘッド21は所定の距離だけ復路L2をX軸負側(図10の左側)へ移動される(S410)。
また、このときの所定の距離は、S402においてインクジェットヘッド21が相対移動される距離と等しい。例えば、所定の距離は100μmである。以下、復路L2におけるS411〜S412の処理は、インクジェットヘッド21のX軸上の移動行方向が異なるだけであり、往路L1におけるS403〜S404の処理と同様であるので説明を省略する。
S412で対応ヘッドにより造形液が吐出されると、復路L2への移動が終了か否かが判定される(S413)。具体的には、インクジェットヘッド21のステージ5上の現在の座標Xよりも小さい座標Xを有する座標(X,Y,Z)が色データと対応付けられてフラッシュRAM130に記憶されているか否かが判定される。
復路L2の移動が終了と判断された場合には(S413:Yes)、S414へ移る。復路L2への移動が終了でないと判断された場合には(S413:No)、S410へ移る。
S414では吐出終了か否かが判定される。具体的には、インクジェットヘッド21のステージ5上の現在の座標Yよりも大きい座標YがフラッシュRAM130により記憶されているか否かが判定される。
吐出終了でないと判定されると(S414:No)、ステージ5がステージ駆動モータを介して、インクジェットヘッド21がY軸方向に所定の距離だけ相対移動される(S415)。所定の距離は本実施形態において、100μmである。
吐出終了である判定されると(S414:Yes)、図19に示す吐出処理が終了して、図17のS5の処理へ移る。
本実施形態によれば、各領域への造型液の吐出量を予め定められたと吐出量で対応ヘッドより吐出するように制御を行うため、各領域に対する造型液の塗布量を、吐出部からの造型液の吐出量を制御することで調整しやすい。これにより、確実に造形性を向上させることができる。
<造型液の吐出回数を変更する場合>
次に、第2実施形態の立体造形装置1の動作制御について説明する。立体造形装置1の構成は第1実施形態と同様であるので、説明を省略する。
第2実施形態では、第1領域よりも第2領域の方が造型液の塗布量が少なくなるように、成形領域の面積当たりのインクジェットヘッド21の吐出回数を制御する。以下に、第2実施形態における立体造形装置1の動作制御について説明する。
第1実施形態の図17、図18については同じ動作を行うので説明を省略する。図19において、第2実施形態ではS412において以下の処理が行われる。なお、図19のそのほかの処理は、上述した第1実施形態と同じ処理が行われるので説明を省略する。ここでは、領域データとして第1領域と第2領域が対応付けられている場合を説明する。
S412では、座標データに領域データが第1領域と、色データが対応付けられていた場合には、対応ヘッドにより、第1領域としてあらかじめ定められた所定量の造型液が吐出される。
一方、座標データに領域データが第2領域が対応付けられていた場合には、インクジェットヘッド21から造型液は吐出されない。なお、座標データに色データが対応付けられていても、領域データとして第2領域が対応付けられていた場合にはインクジェットヘッド21から造型液は吐出されない。そして、S413以降の処理へ進む。
このように、第2実施形態では、第1領域の座標において往路と復路でインクジェットヘッド21より造型液が吐出されるが、第2領域の座標においては往路のみインクジェットヘッド21より造型液が吐出される。
これにより、第1領域よりも第2領域の面積当たりの造型液の吐出量が少なくなる。そのため、立体造形物の層を形成する場合に、第2領域の下側から造型液が染み出すのを軽減して造形性を向上させることができる。
なお、座標データに第3領域が対応付けられる場合には、インクジェットヘッドの同じ移動ラインにおいて、往路、復路、往路と3回移動を行って、第3領域には往路、復路、往路と全て造型液の吐出を行い、第2領域には往路のみ、第1領域には往路と復路で造型液の吐出を行ってもよい。
その後、Y方向へステージを移動させて、移動後のインクジェットヘッドの同じ移動ラインにおいて、復路、往路、復路と3回移動を行って、第3領域には復路、往路、復路と全て造型液の吐出を行い、第2領域には復路のみ、第1領域には復路と往路で造型液の吐出を行ってもよい。
以上説明した実施形態では、インクジェットヘッド21からの造型液の吐出を往路と復路とで同じ座標に2回行っているが、往路で造型液の吐出を1回行ったらステージを所定量だけ移動させて、復路で別の座標に造型液を吐出してもよい。
また、本実施形態では、第3領域を設定して立体造型液の塗布量を第1領域よりも多くなるようにしたが、第3領域は設定されなくてもよい。
加えて、上述の第2領域は第1分割領域と第2分割領域と第3分割領域の3つの領域に分割される例を説明したが、分割領域の数は限定されない。また、分割領域の形状はそれぞれが相似形状であるが、それぞれが相似形状でなくてもよく、異なる形状であってもよい。また、第2領域が複数の分割領域を有していなくてもよい。
本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、本開示の要旨を逸脱しない範囲において種々変更を加えてもよい。
1 立体造形装置
5 ステージ
21 インクジェットヘッド
24 ヘッドモータ
400 立体造形物
410 第1層
420 第2層
421、431 第1領域
422、432 第2領域
430 第3層
433 第3領域

Claims (6)

  1. ステージに供給された成形領域の粉末材料に対して造型液を塗布して層を形成し、前記層の上に次の層を積層させることを繰り返して立体造形物を形成する立体造形装置であって、
    前記立体造形物の位置データを取得するデータ取得部と、
    前記ステージに供給された前記成形領域の前記粉末材料に対して、前記データ取得部により取得された前記位置データに従って前記造型液を吐出する吐出部と、
    前記吐出部から前記成形領域に対して塗布される前記造型液の塗布量を制御する制御部とを有し、
    前記制御部は、前記層の上側に前記次の層を形成させる場合に、前記次の層の成形領域のうち、下側に前記層が存在する第1領域よりも、下側に前記層が存在しない第2領域の方が面積当たりの前記造型液の塗布量が少なくなるように、前記吐出部を制御することを特徴とする立体造形装置。
  2. 前記吐出部から前記造型液の吐出量を変更可能に制御する吐出制御部を有し、
    前記第1領域よりも前記第2領域の方が前記粉末材料へ前記吐出部から前記造型液を吐出する吐出量が少なくなるように、前記制御部は前記吐出制御部を制御することを特徴とする請求項1に記載の立体造形装置。
  3. 前記第2領域は分割された複数の分割領域を有し、
    前記複数の分割領域のうち、前記第1領域に最も近い側から最も遠い側へ順番に、前記造型液の吐出量が少なくなるように、前記制御部は前記吐出制御部を制御することを特徴とする請求項2に記載の立体造形装置。
  4. 前記吐出部を前記ステージに対して水平方向に相対移動させる移動駆動部を有し、
    前記成形領域における面積当たりの前記吐出部からの前記造型液の吐出回数が、前記第1領域よりも前記第2領域の方が少なくなるように、前記制御部は前記移動駆動部を制御することを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の立体造形装置。
  5. 前記制御部は、前記次の層の上側にその次の層を形成させる場合に、前記その次の層の成形領域のうち、下側に前記次の層の前記第1領域が存在する第4領域よりも、下側に前記次の層の前記第2領域が存在する第3領域の方が面積当たりの前記造型液の塗布量が多くなるように、前記吐出部を制御することを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の立体造形装置。
  6. ステージに供給された成形領域の粉末材料に対して造型液を塗布して層を形成し、前記層の上に次の層を積層させることを繰り返して立体造形物を製造する立体造形物の製造方法であって、
    前記立体造形物の位置データを取得するデータ取得工程と、
    前記ステージに供給された前記成形領域の前記粉末材料に対して、前記データ取得工程において、取得された前記位置データに従って前記造型液を吐出する吐出工程と、
    前記吐出工程において、前記成形領域に対して塗布される前記造型液の塗布量を制御する制御部を有し、
    前記制御部は、前記層の上側に前記次の層を形成させる場合に、前記次の層の成形領域のうち、下側に前記層が存在する第1領域よりも、下側に前記層が存在しない第2領域の方が面積当たりの前記造型液の塗布量が少なくなるように、前記吐出部を制御することを特徴とする立体造形物の製造方法。
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