JP2005088432A - 三次元造形物の製造方法及びこれに使用する製造装置 - Google Patents
三次元造形物の製造方法及びこれに使用する製造装置 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】 短時間にかつ低コストで、強度に優れ、表面光沢度や透明性が高く、着色された外観を有する三次元造形物を製造する方法及びこの方法に使用する製造装置を提供すること。
【解決手段】 支持体上に粉末材料を所定の厚さを有する層に形成する工程、及び造形対象物を平行な断面で切断した断面形状になるように粉末材料層を結合剤により結合させる工程を順次繰り返すことを含む三次元造形物の製造方法において、造形物の最外層に、造形物の内部に付与する結合剤量の1.05〜5.0倍の結合剤を付与することを特徴とする三次元造形物の製造方法及びこの方法に使用する製造装置。
【選択図】 図1
【解決手段】 支持体上に粉末材料を所定の厚さを有する層に形成する工程、及び造形対象物を平行な断面で切断した断面形状になるように粉末材料層を結合剤により結合させる工程を順次繰り返すことを含む三次元造形物の製造方法において、造形物の最外層に、造形物の内部に付与する結合剤量の1.05〜5.0倍の結合剤を付与することを特徴とする三次元造形物の製造方法及びこの方法に使用する製造装置。
【選択図】 図1
Description
本発明は、三次元造形物の製造方法及びこれに使用する製造装置に関し、更に詳しくは、対象とする三次元造形物を平行な複数の断面により切断した断面形状を逐次積層することにより三次元造形物を製造する方法及びこれに使用する製造装置に関する。
従来から、立体的な造形対象物を平行な複数の面で切断した各断面形状に対応させて粉末の薄層を結合剤により結合し、この結合された薄層よりなる断面形状を順次積層させることによって、造形対象物の三次元モデルとなる造形物を作成する技術が知られている。
このような技術は、ラピッドプロトタイピングと呼ばれ、部品試作及びデザイン確認用途などに利用することができる。近年、安価かつ高速、さらにはカラーモデリング作成に適するインクジェットを利用する方式のものが提案されており、例えば特許文献1に開示されたものがある。この立体造形の具体的な手順を以下に説明する。
まず、ブレード機構により粉末を平らな表面上に均一な厚さを有する薄層に拡げ、この粉末の薄層表面に、インクジェットノズルヘッドを走査させて、造形対象物を平行な断面により切断した断面形状に対応させて、結合剤を吐出する。結合剤が吐出された領域の粉末材料は、必要な操作を施すことにより、粉末を接合状態にするとともに、既に形成済の下層の断面形状とも結合する。そして、造形物全体が完成するまで、粉末薄層を上部に順次積層しながら、結合剤を吐出する工程を繰り返す。最終的に、結合剤が吐出されなかった領域は、粉末が個々に独立して互いに接合しない状態であるため、造形物を装置から取り出す際に、粉末は容易に除去することができ、目的とする造形物が分離できる。以上の操作により、所望の三次元造形物が製造できる。
また、同様な方法で、イエロー(Y)、マゼンタ(M)又はシアン(C)のいずれかに着色を施した結合剤を吐出することにより、着色した三次元造形物を得る、例えば特許文献2が開示されている。
しかしながら、上記の手法では、造形物の特性(質感、色)が所望の物に比べ、満足できるレベルには至らないのが実状である。特に、透明感の必要な三次元造形物を得ることは、粉末と結合剤の性質の違いなどの理由から、従来の方法では不可能とされている。さらに、表面光沢度や透明性が高く、着色された外観がなめらかさを有するようにするためには、上塗り、研磨処理を人手により行わなければならないため時間と費用が必要となる。
一方で、製造直後の三次元造形物は結合剤による接合力のみにより形作られているため、三次元造形物の取り扱い方法によっては強度が弱く壊れてしまう場合もある。そこで、従来、製造後の三次元造形物の粉末粒子の間に樹脂及びワックスなどを含浸させることにより強度を増大させてきた。しかしながら、このような工程は手間と時間を要する。
本発明は、短時間にかつ低コストで、強度に優れ、表面光沢度や透明性が高く、着色された外観を有する三次元造形物を製造する方法及びこの方法に使用する製造装置を提供することを目的としている。
本発明が解決しようとする上記課題は、以下の手段により達成された。
(1)支持体上に粉末材料を所定の厚さを有する層に形成する工程、及び造形対象物を平行な断面で切断した断面形状になるように粉末材料層を結合剤により結合させる工程を順次繰り返すことを含む三次元造形物の製造方法において、造形物の最外層に、造形物の内部に付与する結合剤量の1.05〜5.0倍の結合剤を付与することを特徴とする三次元造形物の製造方法、
(2)結合剤として、少なくとも1種の着色された結合剤、白色で着色された結合剤、及び無色の、好ましくは無色透明の結合剤よりなる群から選ばれた2種以上の結合剤を使用する(1)記載の三次元造形物の製造方法、
(3)着色された結合剤が、イエロー結合剤、マゼンタ結合剤、及びシアン結合剤の少なくとも3つの結合剤よりなる(1)または(2)に記載の三次元造形物の製造方法。
(4)着色された結合剤が、イエロー結合剤、マゼンタ結合剤、シアン結合剤、及びブラック結合剤の少なくとも4つの結合剤よりなる(1)〜(3)いずれか1つに記載の三次元造形物の製造方法、
(5)結合剤は紫外線硬化性化合物を含む請求項1〜4いずれか1つに記載の三次元造形物の製造方法、
(6)紫外線硬化性化合物を含む結合剤を小滴として粉末材料の層に吐出するインクジェットヘッドと、粉末材料層に吐出された結合剤に光を照射する光源とを備え、インクジェットヘッドを用いて、造形対象物を平行な断面で切断した断面形状の情報に応じて、結合剤を吐出する三次元造形物の製造装置において、造形物の最外層に、造形物の内部に吐出する結合剤量の1.05〜5.0倍の結合剤を吐出することを特徴とする三次元造形物の製造装置。
(1)支持体上に粉末材料を所定の厚さを有する層に形成する工程、及び造形対象物を平行な断面で切断した断面形状になるように粉末材料層を結合剤により結合させる工程を順次繰り返すことを含む三次元造形物の製造方法において、造形物の最外層に、造形物の内部に付与する結合剤量の1.05〜5.0倍の結合剤を付与することを特徴とする三次元造形物の製造方法、
(2)結合剤として、少なくとも1種の着色された結合剤、白色で着色された結合剤、及び無色の、好ましくは無色透明の結合剤よりなる群から選ばれた2種以上の結合剤を使用する(1)記載の三次元造形物の製造方法、
(3)着色された結合剤が、イエロー結合剤、マゼンタ結合剤、及びシアン結合剤の少なくとも3つの結合剤よりなる(1)または(2)に記載の三次元造形物の製造方法。
(4)着色された結合剤が、イエロー結合剤、マゼンタ結合剤、シアン結合剤、及びブラック結合剤の少なくとも4つの結合剤よりなる(1)〜(3)いずれか1つに記載の三次元造形物の製造方法、
(5)結合剤は紫外線硬化性化合物を含む請求項1〜4いずれか1つに記載の三次元造形物の製造方法、
(6)紫外線硬化性化合物を含む結合剤を小滴として粉末材料の層に吐出するインクジェットヘッドと、粉末材料層に吐出された結合剤に光を照射する光源とを備え、インクジェットヘッドを用いて、造形対象物を平行な断面で切断した断面形状の情報に応じて、結合剤を吐出する三次元造形物の製造装置において、造形物の最外層に、造形物の内部に吐出する結合剤量の1.05〜5.0倍の結合剤を吐出することを特徴とする三次元造形物の製造装置。
本発明の製造方法により、採寸精度が高く、機械的強度、表面光沢度及び質感に優れた三次元造形物の製造が可能になり、今まで不可能とされていた高品位三次元造形物が簡便に安価に作成可能となった。
以下に、本発明を詳細に説明する。三次元造形物の製造方法について説明した後、三次元造形物の製造に使用する製造装置について説明する。
本発明は造形物の最外層に、造形物の内部に付与する結合剤量の1.05〜5.0倍、好ましくは1.1〜2.5倍の結合剤を付与することを特徴とする。以下、この倍率を「吐出倍率(付与倍率)」ともいう。また、本発明において、「造形物の最外層」とは、造形物の外部から通常の観察方法により見える表面をいう。造形物が一体のものである場合には、この造形物の外部の輪郭であり、底を形成する最下層の断面形状全体、途中の断面形状の輪郭部分、及び天部を形成する最上層断面形状が該当する。中空の一体造形物である場合、造形物の外表面への結合剤の吐出量を増やせばよく、通常見えない内表面への吐出量は造形物内部と同じ吐出量でもよい。一方、例えば、ボールベアリングのような複数の部材が組み合わされた造形物においては、2つの同心円状のリング及びこの間に嵌入された複数のボールの表面が外部から見える部分であり、2つのリング及び複数のボールのすべての外表面が最外層に相当する。断面形状を更に微視的に見て格子状に細分化されたビットマップの格子点と最外層との関係については後に説明する。
本発明は造形物の最外層に、造形物の内部に付与する結合剤量の1.05〜5.0倍、好ましくは1.1〜2.5倍の結合剤を付与することを特徴とする。以下、この倍率を「吐出倍率(付与倍率)」ともいう。また、本発明において、「造形物の最外層」とは、造形物の外部から通常の観察方法により見える表面をいう。造形物が一体のものである場合には、この造形物の外部の輪郭であり、底を形成する最下層の断面形状全体、途中の断面形状の輪郭部分、及び天部を形成する最上層断面形状が該当する。中空の一体造形物である場合、造形物の外表面への結合剤の吐出量を増やせばよく、通常見えない内表面への吐出量は造形物内部と同じ吐出量でもよい。一方、例えば、ボールベアリングのような複数の部材が組み合わされた造形物においては、2つの同心円状のリング及びこの間に嵌入された複数のボールの表面が外部から見える部分であり、2つのリング及び複数のボールのすべての外表面が最外層に相当する。断面形状を更に微視的に見て格子状に細分化されたビットマップの格子点と最外層との関係については後に説明する。
本発明に使用する粉末材料の平均粒子径は、0.1〜1,000μmであることが好ましく、1〜50μmであることがより好ましく、3〜30μmであることが最も好ましい。粒径分布は広くても良いが、狭い方が好ましい。粒径分布は単分散に近い方が好ましく、粒径分布の変動係数は20%以下が好ましく、15%以下であることが特に好ましい。粉末材料は有機材料、無機材料、無機・有機複合材料のいずれでも良い。詳細な説明は後に行う。
粉末材料を敷設する支持体としては、任意の表面形状を有する支持体が使用できるが、なめらかな表面を有する支持体が好ましく、平坦な面を有する支持体が好ましく使用できる。本発明の製造方法において、製造する三次元造形物の高さ以上に伸長可能な枠を周囲に有する水平な支持体を使用することが好ましい。
粉末材料層の所定の厚さとしては、1スライスピッチあたり10〜500μmの厚さの層とすることが好ましく、50〜150μmの厚さとすることがより好ましい。層形成工程および着色断面形状形成工程を1回繰り返すごとに粉末材料層全体の積層厚さを前記のスライスピッチずつ増大させる。
着色断面形状とは、造形対象物を平行な多数の面で切断した一切断面の形状を有し、かつ、形状に対応する彩色を伴うものを言う。断面形状は特に不透明な造形物の場合には、中空の造形物としても良く、この場合には、形状の輪郭近傍の形状を再現すれば充分である。彩色も造形物表面の色彩を再現すれば良く、形状の輪郭の色再現が重要である。
粉末材料層の所定の厚さとしては、1スライスピッチあたり10〜500μmの厚さの層とすることが好ましく、50〜150μmの厚さとすることがより好ましい。層形成工程および着色断面形状形成工程を1回繰り返すごとに粉末材料層全体の積層厚さを前記のスライスピッチずつ増大させる。
着色断面形状とは、造形対象物を平行な多数の面で切断した一切断面の形状を有し、かつ、形状に対応する彩色を伴うものを言う。断面形状は特に不透明な造形物の場合には、中空の造形物としても良く、この場合には、形状の輪郭近傍の形状を再現すれば充分である。彩色も造形物表面の色彩を再現すれば良く、形状の輪郭の色再現が重要である。
本発明の三次元造形物の製造方法の概要を図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の三次元造形物の製造方法の一実施態様について主要な工程を示す模式図である。
本発明の製造方法においては、粉末材料の薄層1が三次元造形部3に設けられた支持体(造形ステージ)4の上に形成される。支持体4は、垂直方向移動部5により支持されており、周囲を枠6により取り囲まれている。粉末供給部から支持体4上に供給された余分の粉末材料上を、Y方向(紙面と垂直な方向)に長く伸びたブレード7がX方向(紙面上左から右方向)に移動することにより薄層1が形成される。このように形成された薄層1の上に、結合剤付与部のインクジェットヘッド8から、断面形状データにしたがって、結合剤が粉末材料の薄層1上に供給され、結合剤付与領域2を形成する。この結合剤付与領域2は、紫外線照射部9から照射される紫外線により硬化することにより、粉末材料をその結合剤付与領域2において薄層全体の厚さにわたり結合して断面形状を形成し、かつそのすぐ下の断面形状とも結合する。
引き続いて、垂直方向移動部5を1スライスピッチだけ下方に移動させ、新たな粉末材料層を形成する。
新たに形成された薄層の上に、結合剤付与部のインクジェットヘッドから、隣接する次の断面形状データにしたがって、結合剤が供給され、新たな結合剤付与領域が形成される。この領域に紫外線照射して硬化させることにより粉末材料を結合する。
粉末材料の薄層1の形成、結合剤の供給及び硬化を必要な回数順次繰り返した後、結合剤が付与されていない領域の粉末材料を分離することにより、三次元造形物10を得ることができる。
図2は、上記のような三次元造形物の製造において隣接する各層に形成された断面形状を模式的に示す斜視図である。
図1は、本発明の三次元造形物の製造方法の一実施態様について主要な工程を示す模式図である。
本発明の製造方法においては、粉末材料の薄層1が三次元造形部3に設けられた支持体(造形ステージ)4の上に形成される。支持体4は、垂直方向移動部5により支持されており、周囲を枠6により取り囲まれている。粉末供給部から支持体4上に供給された余分の粉末材料上を、Y方向(紙面と垂直な方向)に長く伸びたブレード7がX方向(紙面上左から右方向)に移動することにより薄層1が形成される。このように形成された薄層1の上に、結合剤付与部のインクジェットヘッド8から、断面形状データにしたがって、結合剤が粉末材料の薄層1上に供給され、結合剤付与領域2を形成する。この結合剤付与領域2は、紫外線照射部9から照射される紫外線により硬化することにより、粉末材料をその結合剤付与領域2において薄層全体の厚さにわたり結合して断面形状を形成し、かつそのすぐ下の断面形状とも結合する。
引き続いて、垂直方向移動部5を1スライスピッチだけ下方に移動させ、新たな粉末材料層を形成する。
新たに形成された薄層の上に、結合剤付与部のインクジェットヘッドから、隣接する次の断面形状データにしたがって、結合剤が供給され、新たな結合剤付与領域が形成される。この領域に紫外線照射して硬化させることにより粉末材料を結合する。
粉末材料の薄層1の形成、結合剤の供給及び硬化を必要な回数順次繰り返した後、結合剤が付与されていない領域の粉末材料を分離することにより、三次元造形物10を得ることができる。
図2は、上記のような三次元造形物の製造において隣接する各層に形成された断面形状を模式的に示す斜視図である。
本発明の三次元造形物の製造方法における好ましい一実施態様について、以下に説明する。以下の5ステップは、(粉末)層形成工程および着色断面形状形成工程に先立って、3次元形状色彩データ作成工程および断面毎の着色断面形状データ作成工程を実施するものである。
第1ステップでは、コンピュータに、表面に着色模様等が施された三次元造形対象物を表現したモデルデータを作成させる。造形するための基になるモデルデータには、一般の3D−CADモデリングソフトウェアで作成されるカラー三次元モデルデータを使用することができる。また、三次元形状入力装置で計測された三次元着色形状のデータおよびテクスチャを利用することも可能である。
第2ステップでは、コンピュータが上記のモデルデータから造形対象物を水平方向にスライスした各断面ごとの断面データを作成する。モデルデータから積層する粉末の一層分の厚みに相当するピッチ(層厚t)でスライスされた断面体を切り出し、断面の存在する領域を示す形状データおよび彩色データを断面データとして作成する。なお、本発明において、「形状データ」および「彩色データ」を併せて「着色(断面)形状データ」ともいう。
続いて、造形対象物を造形する際における粉末層の厚さ(断面データ作成の際のスライスピッチ)及び積層数(着色形状データのセット数)に関する情報が、コンピュータからパターン作成装置の駆動制御部に入力される。
続いて、造形対象物を造形する際における粉末層の厚さ(断面データ作成の際のスライスピッチ)及び積層数(着色形状データのセット数)に関する情報が、コンピュータからパターン作成装置の駆動制御部に入力される。
第3ステップでは、造形ステージにおいて三次元造形物を製造する材料となる粉末材料の供給を行う。粉末材料のカウンター回転機構(以降「カウンターローラー」と称する。)を用いて、粉末材料を均一な厚さを有する層状に敷き詰め、所定量の粉末を供給完了した後、粉末材料の供給を停止する。
なお、本発明において、「層形成工程及び断面形状形成工程を順次繰り返す」とは、(1)新たな層形成工程を完了した後にその新たな層全面に対して断面形状を形成する工程を実施する以外に、(2)新たな層形成工程を実施しながら、その新たな層の形成が完結する前に、新たに形成された層の領域に対して断面形状を形成することを含むものである。後者の例は、特開2002−307562に例示されている。
なお、本発明において、「層形成工程及び断面形状形成工程を順次繰り返す」とは、(1)新たな層形成工程を完了した後にその新たな層全面に対して断面形状を形成する工程を実施する以外に、(2)新たな層形成工程を実施しながら、その新たな層の形成が完結する前に、新たに形成された層の領域に対して断面形状を形成することを含むものである。後者の例は、特開2002−307562に例示されている。
第4ステップでは、駆動制御部の制御の下に、切断面の着色形状データに基づき着色した断面形状を形成する工程である。この工程は非接触の方式を採用することが好ましい。代表例としてインクジェット方式を例にとり以下説明する。
第2ステップで作成された形状データおよび彩色データに基づき、格子状に細分化したCMY各色のビットマップ情報に変換して、インクジェットヘッドをXY平面内に移動させる。そして、移動中に彩色データに基づいて各インクジェット吐出ノズルから紫外線(UV)硬化性結合剤の吐出を適宜に行わせる。結合剤としては、少なくとも1種の着色された結合剤、白色の結合剤、及び無色透明の結合剤よりなる群から選ばれた2種以上の結合剤を使用する。
第2ステップで作成された形状データおよび彩色データに基づき、格子状に細分化したCMY各色のビットマップ情報に変換して、インクジェットヘッドをXY平面内に移動させる。そして、移動中に彩色データに基づいて各インクジェット吐出ノズルから紫外線(UV)硬化性結合剤の吐出を適宜に行わせる。結合剤としては、少なくとも1種の着色された結合剤、白色の結合剤、及び無色透明の結合剤よりなる群から選ばれた2種以上の結合剤を使用する。
本発明は造形物の最外層に位置する少なくとも1つの格子点に、造形物の内部に位置する格子点に付与する結合剤量の1.05〜5.0倍、好ましくは1.1〜2.5倍の結合剤を付与ものである。結合倍率が後記の範囲であると、造形物の表面光沢度や強度が高くなり、好ましい。
造形物の最外層に位置する少なくとも1つの格子点とは、造形物の最下層断面形状全体の格子点、最上層の断面形状全体の格子点、及び最下層と最上層の中間に位置する途中層の断面形状の外部輪郭形状を構成する格子点(輪郭格子点)を含み、適宜、これらに隣接する1つ又は複数の格子点(隣接格子点)を含んでも良いことを意味する。この場合、輪郭格子点と隣接格子点とに必ずしも同程度に増量した結合剤を吐出する必要はない。適当な勾配を付けて吐出倍率を調節することができる。調節する場合にも輪郭格子点を最大倍率にする必要はなく、輪郭格子点にすぐ隣り合う隣接格子点の吐出倍率を最大にすることも可能である。
吐出倍率は、適宜選択することができる。あまり吐出倍率を大きくしすぎると輪郭の滲みを生じるおそれがあり、逆に吐出倍率が小さいと目的とする表面効果が得られない。
造形物の最下層の断面形状及び最上層の断面形状を構成する輪郭格子点に内部格子点よりも多量の結合剤を吐出させる場合、必要に応じて隣接する断面形状の隣接格子点にも吐出倍率を高くすることができる。粉末材料層の層厚が薄い場合や強度を特に要する部分などには、必要に応じて輪郭格子点に隣接する、同じ断面形状または隣接する断面形状中の1つ以上の隣接格子点の結合剤吐出倍率を高くすることができる。
吐出倍率は、適宜選択することができる。あまり吐出倍率を大きくしすぎると輪郭の滲みを生じるおそれがあり、逆に吐出倍率が小さいと目的とする表面効果が得られない。
造形物の最下層の断面形状及び最上層の断面形状を構成する輪郭格子点に内部格子点よりも多量の結合剤を吐出させる場合、必要に応じて隣接する断面形状の隣接格子点にも吐出倍率を高くすることができる。粉末材料層の層厚が薄い場合や強度を特に要する部分などには、必要に応じて輪郭格子点に隣接する、同じ断面形状または隣接する断面形状中の1つ以上の隣接格子点の結合剤吐出倍率を高くすることができる。
図3は第2ステップで生成される格子状に細分化された断面データの一例を示す平面図である。図3において、斜線を付した格子が結合剤の吐出される領域である。このとき、造形物の最外層に位置する格子点の吐出倍率を上記の範囲内で高くする。途中の断面形状では外表面に相当する輪郭格子点に内部格子点よりも多量の結合剤を吐出させる。輪郭格子点に隣接する数格子分の隣接格子点にまで吐出倍率を高くしてもよい。隣接する数格子とは、1〜10格子分であることが好ましく、1〜5格子分とすることがより好ましい。
吐出倍率の調節は、1回の吐出量を変化すること、及び/又は、同じ格子点への吐出回数を多くすることにより、可能である。
吐出倍率の調節は、1回の吐出量を変化すること、及び/又は、同じ格子点への吐出回数を多くすることにより、可能である。
輪郭格子点のみの吐出倍率を大きくすることが、制御が単純である。例えば、輪郭格子点のみの吐出倍率を内部格子点の2倍にする等である。隣接格子点の1つおきに吐出倍率を2倍とすることも可能である。吐出回数のみの制御ですめば、1回の吐出量を調節するよりも簡便な制御で済むことになる。例えば、輪郭格子点及び1層の隣接格子点に対する吐出量を、1回、2回又は3回の吐出回数の調節により多くすることが、一つの好ましい実施態様である。
結合剤の1回あたりの吐出量を0.66〜1.5倍に調節することにより、吐出倍率をさらに細かく調節できる。また、1格子点への吐出回数の調節と併用すると、更に微妙な吐出倍率の調製が可能である。
輪郭格子点への吐出量を増やすと、結合剤が所定の領域を超えて滲み出し、得られる三次元造形物の表面平滑性が損なわれる傾向もある。このような場合には、結合剤とは相溶しない滲み出し防止液を造形物断面形状の輪郭格子点の外側にこの輪郭に沿って配置する等の手段により結合剤の滲み出しを防止することもできる。
結合剤として後述する紫外線硬化性化合物を使用する場合、滲み出し防止液として、この化合物と相溶性のない、水、メタノール、エタノール、ブタノール、ヘキサノール、エチレングリコール、ブタンジオール、グリセリン、ジエチルエーテル、プロピルエーテル、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン、炭素数が14までの炭化水素を、単独又は混合物して使用することができる。
結合剤として後述する紫外線硬化性化合物を使用する場合、滲み出し防止液として、この化合物と相溶性のない、水、メタノール、エタノール、ブタノール、ヘキサノール、エチレングリコール、ブタンジオール、グリセリン、ジエチルエーテル、プロピルエーテル、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン、炭素数が14までの炭化水素を、単独又は混合物して使用することができる。
着色された結合剤としては、減色法の3原色である、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)の3色の組み合わせとすることが好ましい。本発明において、イエローに着色された結合剤を「イエロー結合剤」、マゼンタに着色された結合剤を「マゼンタ結合剤」、シアンに着色された結合剤を「シアン結合剤」という。M染料及びC染料は濃淡2種類に着色した結合剤としても良い。無色の結合剤は、CMYの色濃度を調節するために使用することができる。また、チタンホワイト等の白色顔料を含む結合剤(白色結合剤)や黒(ブラック)染料で着色した結合剤(ブラック結合剤)を併用して所望の効果を発現させることができる。
着色した結合剤、無色の結合剤及び白色結合剤の吐出総量は単位面積あたり、例えば1格子点当たり、又は隣接4格子点当たり、一定となるようにすることが好ましい。ただし、既に説明したように、輪郭格子点においては、これらの結合剤の総量を、所定の吐出倍率とするのが本発明の特徴である。
なお、着色した断面形状の別の形成工程例として、形状データに基づき無色のUV硬化性結合剤のみを粉末材料に吐出して紫外線照射により硬化した後に、その層の彩色データに基づき、結合剤を含まない通常のCMYインクジェットを結合した粉末材料層上に吐出する2段階の工程とすることもできる。この場合には、無色の結合剤の吐出倍率を輪郭格子点で高くすることにより、本発明の目的を達成することができる。
着色した結合剤、無色の結合剤及び白色結合剤の吐出総量は単位面積あたり、例えば1格子点当たり、又は隣接4格子点当たり、一定となるようにすることが好ましい。ただし、既に説明したように、輪郭格子点においては、これらの結合剤の総量を、所定の吐出倍率とするのが本発明の特徴である。
なお、着色した断面形状の別の形成工程例として、形状データに基づき無色のUV硬化性結合剤のみを粉末材料に吐出して紫外線照射により硬化した後に、その層の彩色データに基づき、結合剤を含まない通常のCMYインクジェットを結合した粉末材料層上に吐出する2段階の工程とすることもできる。この場合には、無色の結合剤の吐出倍率を輪郭格子点で高くすることにより、本発明の目的を達成することができる。
紫外線硬化性結合剤の吐出と同時または吐出後にUV露光装置により吐出した結合剤の表面にUV露光をおこなうことにより、粉末材料の接合体が生成される。
UV照射の雰囲気を窒素やアルゴン等の不活性ガス雰囲気にするとラジカル重合性の重合性化合物の酸素による遅延効果を低減できる。
UV照射の雰囲気を窒素やアルゴン等の不活性ガス雰囲気にするとラジカル重合性の重合性化合物の酸素による遅延効果を低減できる。
ここで使用するインクジェット方式とは、主としてオンデマンドインクジェット方式を指し、ピエゾオンデマンドインクジェット方式、サーマルオンデマンドインクジェット方式、静電オンデマンドインクジェット方式等が挙げられ、好ましくは、UV硬化性結合剤の安定性から、ピエゾオンデマンドインクジェット方式、静電オンデマンドインクジェット方式が挙げられる。
さらに、第3ステップ及び第4ステップを繰り返しおこなうことで、目的の三次元造形物が得られる。
なお、結合剤が塗布されない粉末材料の領域では粉末が個々に独立した状態を保持している。
さらに、第3ステップ及び第4ステップを繰り返しおこなうことで、目的の三次元造形物が得られる。
なお、結合剤が塗布されない粉末材料の領域では粉末が個々に独立した状態を保持している。
第5ステップでは、結合剤が付与されていない領域の粉末材料を分離して、結合剤により結合された粉末の結合体(三次元造形物)を取り出す。なお、結合されなかった粉末材料は回収して、再度材料として利用することが可能である。
第3ステップ〜第4ステップを順次繰り返すことにより、造形対象物を複数の面で切断した切断面に対応する粉末材料の着色した結合体を順次積層形成して三次元造形物を製造することができる。
屈折率n1を有する粉末材料の層を屈折率n2を与える結合剤により着色した断面形状に接合させること(ただし、−0.1≦(n1−n2)≦0.1である。)により、透明ないし略透明な3次元造形物を製造することができる。
第3ステップ〜第4ステップを順次繰り返すことにより、造形対象物を複数の面で切断した切断面に対応する粉末材料の着色した結合体を順次積層形成して三次元造形物を製造することができる。
屈折率n1を有する粉末材料の層を屈折率n2を与える結合剤により着色した断面形状に接合させること(ただし、−0.1≦(n1−n2)≦0.1である。)により、透明ないし略透明な3次元造形物を製造することができる。
得られた三次元造形物に対して掃除、熱処理、樹脂またはワックス浸透、研磨などの後処理工程を行っても良い。掃除は、上記三次元造形物をブローすることによって、及びブラシ掛けをして隙間に残されたあらゆる粉を取り除くことによって行われ、余分な粉末が取り除かれる。熱処理は、上記三次元造形物の強度および耐久性を増加させる。ワックス浸透は間隙率を低下させ、上記三次元造形物を耐水性にし、より研磨仕上をしやすくすることができる。研磨仕上は表面平滑性を改良する。
本発明の製造方法により得られる三次元造形物の20°における表面光沢度は、20%が好ましく、30%以上がより好ましく、40%以上がさらに好ましい。
ここで、本発明における表面光沢度とは、デジタル変角光沢計UGV−6P(スガ試験機製)を用いて入射角20°で測定した光沢度をいう。
ここで、本発明における表面光沢度とは、デジタル変角光沢計UGV−6P(スガ試験機製)を用いて入射角20°で測定した光沢度をいう。
本発明で使用する各成分について、以下に説明する。ただし、具体的内容については、以下の説明内容に限定されるものではない。
(粉末材料)
粉末材料としては、無機粉末及び有機粉末、さらには無機・有機複合粉末すべてが使用できる。無機粉末として、例えば、金属、酸化物、複合酸化物、水酸化物、炭酸塩、硫酸塩、ケイ酸塩、リン酸塩、窒化物、炭化物硫化物及びこれらの少なくとも2種以上の複合化物等を挙げることができる。具体的には、水酸化マグネシウム、シリカゲル、アルミナ、水酸化アルミニウム、硝子、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化ジルコン、酸化錫、チタン酸カリウム、硼酸アルミニウム、酸化マグネシウム、硼酸マグネシウム、水酸化カルシウム、塩基性硫酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、リン酸カルシウム、窒化珪素、窒化チタン、窒化アルミ、炭化珪素、炭化チタン、硫化亜鉛及びこれらの少なくとも2種以上の複合化物等が挙げられる。好ましくは、水酸化マグネシウム、シリカゲル、アルミナ、水酸化アルミニウム、硝子、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム等が挙げられる。
(粉末材料)
粉末材料としては、無機粉末及び有機粉末、さらには無機・有機複合粉末すべてが使用できる。無機粉末として、例えば、金属、酸化物、複合酸化物、水酸化物、炭酸塩、硫酸塩、ケイ酸塩、リン酸塩、窒化物、炭化物硫化物及びこれらの少なくとも2種以上の複合化物等を挙げることができる。具体的には、水酸化マグネシウム、シリカゲル、アルミナ、水酸化アルミニウム、硝子、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化ジルコン、酸化錫、チタン酸カリウム、硼酸アルミニウム、酸化マグネシウム、硼酸マグネシウム、水酸化カルシウム、塩基性硫酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、リン酸カルシウム、窒化珪素、窒化チタン、窒化アルミ、炭化珪素、炭化チタン、硫化亜鉛及びこれらの少なくとも2種以上の複合化物等が挙げられる。好ましくは、水酸化マグネシウム、シリカゲル、アルミナ、水酸化アルミニウム、硝子、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム等が挙げられる。
有機粉末としては、例えば合成樹脂粒子、天然高分子粒子等が挙げられ、具体的にはアクリル樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイド、ポリエチレンイミン、ポリスチレン、ポリウレタン、ポリウレア、ポリエステル、ポリアミド、ポリイミド、カルボキシメチルセルロールス、ゼラチン、デンプン、キチン、キトサン等であり、好ましくはアクリル樹脂、ポリウレタン、ゼラチン、ポリスチレン等である。
有機粉末材料として、結合剤モノマーを塊状重合して粉砕した粉末粒子を用いることができる。結合剤モノマーを懸濁重合またはパール重合して所望の粒径を有する粉末材料とすることができる。この場合には、粉末材料と結合剤の両者が与える屈折率を等しくすることができる。
無機有機複合粉末としては、例えば、上記有機粉末と無機粉末の複合化物が挙げられる。
粉末材料の平均粒子径は、好ましくは0.8〜50μm、より好ましくは3〜30μmの範囲である。ここで、平均粒子径とは、体積平均粒子径を意味し、例えばコールター社のCOULTER MULTISIZERによって測定することができる。
粉末材料の形状としては、無定型、球形、平板状、針状、多孔質状等どのようなものでも使用可能である。
無機有機複合粉末としては、例えば、上記有機粉末と無機粉末の複合化物が挙げられる。
粉末材料の平均粒子径は、好ましくは0.8〜50μm、より好ましくは3〜30μmの範囲である。ここで、平均粒子径とは、体積平均粒子径を意味し、例えばコールター社のCOULTER MULTISIZERによって測定することができる。
粉末材料の形状としては、無定型、球形、平板状、針状、多孔質状等どのようなものでも使用可能である。
粉末材料の屈折率n1の範囲は、1.4〜1.7であることが好ましい。
粉末材料を相互に結合する状態の接合剤の屈折率をn2とする。エチレン性不飽和モノマーを結合剤として使用する場合には、このモノマーが重合してできる接合剤の屈折率をn2とする。(n1−n2)は、その絶対値が小さいほど得られる造形物の透明性が高くなる。屈折率の差の絶対値が0.1以下で透明感が高くなり、0.06以下で透明に近い造形物が得られる。ここで、本発明において「透明に近い」とは、光路1cmあたり透過率が50%以上のことをいう。
粉末材料を相互に結合する状態の接合剤の屈折率をn2とする。エチレン性不飽和モノマーを結合剤として使用する場合には、このモノマーが重合してできる接合剤の屈折率をn2とする。(n1−n2)は、その絶対値が小さいほど得られる造形物の透明性が高くなる。屈折率の差の絶対値が0.1以下で透明感が高くなり、0.06以下で透明に近い造形物が得られる。ここで、本発明において「透明に近い」とは、光路1cmあたり透過率が50%以上のことをいう。
(結合剤)
結合剤としては、紫外線硬化性化合物を含むUV硬化性結合剤が好ましく使用できる。UV硬化性結合剤は、光重合開始剤及び少なくとも1種の重合性化合物を必須成分とし、ほぼすべての構成材料がUV光により硬化し、粉末材料を結着する機能を有する。各構成材料の割合としては、光重合開始剤を、重合性化合物及び光重合開始剤の総量に対して、好ましくは0.05〜10重量%、より好ましくは0.1〜5重量%含有する。重合性化合物の含量は、好ましくは90〜99.5重量%、より好ましくは95〜99.9重量%である。
結合剤の液粘度(25℃)は、5〜100mPa・sが好ましく、10〜50mPa・sが更に好ましい。この粘度範囲になるように、粘度の高い多官能モノマーと粘度の低い単官能モノマーとを適宜混合して使用することが好ましい。
結合剤としては、紫外線硬化性化合物を含むUV硬化性結合剤が好ましく使用できる。UV硬化性結合剤は、光重合開始剤及び少なくとも1種の重合性化合物を必須成分とし、ほぼすべての構成材料がUV光により硬化し、粉末材料を結着する機能を有する。各構成材料の割合としては、光重合開始剤を、重合性化合物及び光重合開始剤の総量に対して、好ましくは0.05〜10重量%、より好ましくは0.1〜5重量%含有する。重合性化合物の含量は、好ましくは90〜99.5重量%、より好ましくは95〜99.9重量%である。
結合剤の液粘度(25℃)は、5〜100mPa・sが好ましく、10〜50mPa・sが更に好ましい。この粘度範囲になるように、粘度の高い多官能モノマーと粘度の低い単官能モノマーとを適宜混合して使用することが好ましい。
[重合性化合物]
UV硬化性結合剤に使用できる重合性化合物としては、UV光照射により、光重合開始剤から生じるラジカル種またはカチオン種等により、付加重合又は開環重合が開始され、重合体を生じるものが好ましく使用される。付加重合の重合様式として、ラジカル、カチオン、アニオン、メタセシス、配位重合が挙げられる。また、開環重合の重合様式として、カチオン、アニオン、ラジカル、メタセシス、配位重合が挙げられる。
付加重合性化合物としては、少なくとも1個のエチレン性不飽和二重結合を有する化合物が例示できる。付加重合性化合物として、末端エチレン性不飽和結合を少なくとも1個、好ましくは2個以上有する化合物が好ましく使用できる。このような末端エチレン性不飽和化合物群は当該産業分野において広く知られるものである。本発明においては結合剤組成物をインクジェットノズルから安定に吐出できる限り、特に限定無く使用することができる。
エチレン性不飽和重合性化合物は、単官能の重合性化合物及び多官能の重合性化合物、(すなわち2官能、3官能および4〜6官能の重合性化合物等)、またはそれらの混合物の化学的形態をもつ。単官能の重合性化合物としては、不飽和カルボン酸(例えば、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、マレイン酸など)や、そのエステル類、アミド類が挙げられる。多官能の重合性化合物としては、不飽和カルボン酸と脂肪族の多価アルコール化合物とのエステル、不飽和カルボン酸と脂肪族の多価アミン化合物とのアミド類が用いられる。
UV硬化性結合剤に使用できる重合性化合物としては、UV光照射により、光重合開始剤から生じるラジカル種またはカチオン種等により、付加重合又は開環重合が開始され、重合体を生じるものが好ましく使用される。付加重合の重合様式として、ラジカル、カチオン、アニオン、メタセシス、配位重合が挙げられる。また、開環重合の重合様式として、カチオン、アニオン、ラジカル、メタセシス、配位重合が挙げられる。
付加重合性化合物としては、少なくとも1個のエチレン性不飽和二重結合を有する化合物が例示できる。付加重合性化合物として、末端エチレン性不飽和結合を少なくとも1個、好ましくは2個以上有する化合物が好ましく使用できる。このような末端エチレン性不飽和化合物群は当該産業分野において広く知られるものである。本発明においては結合剤組成物をインクジェットノズルから安定に吐出できる限り、特に限定無く使用することができる。
エチレン性不飽和重合性化合物は、単官能の重合性化合物及び多官能の重合性化合物、(すなわち2官能、3官能および4〜6官能の重合性化合物等)、またはそれらの混合物の化学的形態をもつ。単官能の重合性化合物としては、不飽和カルボン酸(例えば、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、マレイン酸など)や、そのエステル類、アミド類が挙げられる。多官能の重合性化合物としては、不飽和カルボン酸と脂肪族の多価アルコール化合物とのエステル、不飽和カルボン酸と脂肪族の多価アミン化合物とのアミド類が用いられる。
また、ヒドロキシル基や、アミノ基、メルカプト基等の求核性置換基を有する不飽和カルボン酸エステルまたはアミド類と単官能もしくは多官能イソシアネート類、エポキシ類との付加反応物、単官能もしくは、多官能のカルボン酸との脱水縮合反応物等も使用できる。また、イソシアネート基やエポキシ基等の親電子性置換基を有する不飽和カルボン酸エステルまたはアミド類と、単官能もしくは多官能のアルコール類、アミン類およびチオール類との付加反応物、さらに、ハロゲン基やトシルオキシ基等の脱離性置換基を有する不飽和カルボン酸エステルまたはアミド類と、単官能もしくは多官能のアルコール類、アミン類およびチオール類との置換反応物も使用できる。
不飽和カルボン酸と脂肪族多価アルコール化合物とのエステルであるラジカル重合性化合物の具体例としては、(メタ)アクリル酸エステルが代表的であり、具体例として、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、テトラメチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ((メタ)アクリロイルオキシプロピル)エーテル、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,4−シクロヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ソルビトールトリ(メタ)アクリレート、ソルビトールテトラ(メタ)アクリレート、ソルビトールペンタ(メタ)アクリレート、ソルビトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリ((メタ)アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、ポリエステル(メタ)アクリレートオリゴマー、ビス〔p−(3−(メタ)アクリルオキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)フェニル〕ジメチルメタン、ビス−〔p−((メタ)アクリルオキシエトキシ)フェニル〕ジメチルメタン等が挙げられる。
ここで上記の(メタ)アクリル酸エステルの表記はメタクリル酸エステルおよびアクリル酸エステルの両方の構造をとり得ることを表す省略的表記である。
(メタ)アクリル酸エステルの他に、イタコン酸エステル、クロトン酸エステル、イソクロトン酸エステル、マレイン酸エステル等も重合性化合物として使用することができる。
イタコン酸エステルとしては、エチレングリコールジイタコネート、プロピレングリコールジイタコネート、1,3−ブタンジオールジイタコネート、1,4−ブタンジオールジイタコネート、テトラメチレングリコールジイタコネート、ペンタエリスリトールジイタコネート、ソルビトールテトライタコネート等がある。
イタコン酸エステルとしては、エチレングリコールジイタコネート、プロピレングリコールジイタコネート、1,3−ブタンジオールジイタコネート、1,4−ブタンジオールジイタコネート、テトラメチレングリコールジイタコネート、ペンタエリスリトールジイタコネート、ソルビトールテトライタコネート等がある。
クロトン酸エステルとしては、エチレングリコールジクロトネート、テトラメチレングリコールジクロトネート、ペンタエリスリトールジクロトネート、ソルビトールテトラジクロトネート等がある。
イソクロトン酸エステルとしては、エチレングリコールジイソクロトネート、ペンタエリスリトールジイソクロトネート、ソルビトールテトライソクロトネート等がある。
マレイン酸エステルとしては、エチレングリコールジマレート、トリエチレングリコールジマレート、ペンタエリスリトールジマレート、ソルビトールテトラマレート等がある。
その他のエステルの例として、例えば、特公昭46−27926、特公昭51−47334、特開昭57−196231記載の脂肪族アルコール系エステル類や、特開昭59−5240、特開昭59−5241、特開平2−226149記載の芳香族系骨格を有するもの、特開平1−165613記載のアミノ基を含有するもの等も使用できる。
また、不飽和カルボン酸と脂肪族多価アミン化合物とのアミドのモノマーの具体例としては、メチレンビス−アクリルアミド、メチレンビス−メタクリルアミド、1,6−ヘキサメチレンビス−アクリルアミド、1,6−ヘキサメチレンビス−メタクリルアミド、ジエチレントリアミントリスアクリルアミド、キシリレンビスアクリルアミド、キシリレンビスメタクリルアミド等がある。
その他の好ましいアミド系モノマーの例としては、特公昭54−21726記載のシクロへキシレン構造を有するものを挙げることができる。
また、イソシアネートと水酸基の付加反応を用いて製造されるウレタン系付加重合性化合物も好適であり、そのような具体例としては、例えば、特公昭48−41708号公報中に記載されている1分子に2個以上のイソシアネート基を有するポリイソシアネート化合物に、下記式(I)で示される水酸基を含有するビニルモノマーを付加させた1分子中に2個以上の重合性ビニル基を含有するビニルウレタン化合物等が挙げられる。
式(I)
CH2=C(R1)COOCH2CH(R2)OH
(ただし、R1およびR2は、HまたはCH3を示す。)
式(I)
CH2=C(R1)COOCH2CH(R2)OH
(ただし、R1およびR2は、HまたはCH3を示す。)
本発明において、エポキシ基及び/又はオキセタン基等の環状エーテル基を分子内に1つ以上有するカチオン開環重合性の化合物をUVカチオン重合開始剤と共にUV硬化性の結合剤として使用することができる。
以下、本発明に好ましく用いられるカチオン重合性化合物全般について説明する。カチオン重合性化合物としては、開環重合性基を含む硬化性化合物が挙げられ、この中でもヘテロ環状基含有硬化性化合物が好ましい。このような硬化性化合物としてエポキシ誘導体、オキセタン誘導体、テトラヒドロフラン誘導体、環状ラクトン誘導体、環状カーボネート誘導体、オキサゾリン誘導体などの環状イミノエーテル類、ビニルエーテル類などが挙げられ、特にエポキシ誘導体及びオキセタン誘導体、ビニルエーテル類が好ましい。
好ましいエポキシ誘導体の例としては、例えば単官能グリシジルエーテル類、多官能グリシジルエーテル類、単官能脂環式エポキシ類、多官能脂環式エポキシ類などに大別される。
好ましいエポキシ誘導体の例としては、例えば単官能グリシジルエーテル類、多官能グリシジルエーテル類、単官能脂環式エポキシ類、多官能脂環式エポキシ類などに大別される。
単官能及び多官能グリシジルエーテル類の具体的な化合物を例示すると、ジグリシジルエーテル類(例えばエチレングリコールジグリシジルエーテル、ビスフェノールAジグリシジルエーテル)、3官能以上のグリシジルエーテル類(トリメチロールエタントリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、グリセロールトリグリシジルエーテル、トリグリシジルトリスヒドロキシエチルイソシアヌレートなど)、4官能以上のグリシジルエーテル類(ソルビトールテトラグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールテトラグリシルエーテル、クレゾールノボラック樹脂のポリグリシジルエーテル、フェノールノボラック樹脂のポリグリシジルエーテルなど)、脂環式エポキシ類(セロキサイド2021P、セロキサイド2081、エポリードGT−301、エポリードGT−401(以上、ダイセル化学工業(株)製))、EHPE(ダイセル化学工業(株)製)、フェノールノボラック樹脂のポリシクロヘキシルエポキシメチルエーテルなど)、オキセタン類(OX−SQ、PNOX−1009(以上、東亞合成(株)製)など)などが挙げられるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
本発明には脂環式エポキシ誘導体を好ましく使用できる。「脂環式エポキシ基」とは、シクロペンテン基、シクロヘキセン基等のシクロアルケン環の二重結合を過酸化水素、過酸等の適当な酸化剤でエポキシ化した部分構造を言う。
脂環式エポキシ化合物としては、シクロヘキセンオキシド基又はシクロペンテンオキシド基を1分子内に2個以上有する多官能脂環式エポキシ類が好ましい。単官能又は多官能の脂環式エポキシ化合物の具体例としては、4−ビニルシクロヘキセンジオキサイド、(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチル−3,4−エポキシシクロヘキシルカルボキシレート、ジ(3,4−エポキシシクロヘキシル)アジペート、ジ(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)アジペート、ビス(2,3−エポキシシクロペンチル)エーテル、ジ(2,3−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチル)アジペート、ジシクロペンタジエンジオキサイド、が挙げられる。
脂環式エポキシ化合物は1種類を使用しても、2種以上の混合物を使用しても良い。
種々の脂環式エポキシ化合物が市販されており、ユニオンカーバイド日本(株)、ダイセル化学工業(株)等から入手できる。
脂環式エポキシ化合物としては、シクロヘキセンオキシド基又はシクロペンテンオキシド基を1分子内に2個以上有する多官能脂環式エポキシ類が好ましい。単官能又は多官能の脂環式エポキシ化合物の具体例としては、4−ビニルシクロヘキセンジオキサイド、(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチル−3,4−エポキシシクロヘキシルカルボキシレート、ジ(3,4−エポキシシクロヘキシル)アジペート、ジ(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)アジペート、ビス(2,3−エポキシシクロペンチル)エーテル、ジ(2,3−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチル)アジペート、ジシクロペンタジエンジオキサイド、が挙げられる。
脂環式エポキシ化合物は1種類を使用しても、2種以上の混合物を使用しても良い。
種々の脂環式エポキシ化合物が市販されており、ユニオンカーバイド日本(株)、ダイセル化学工業(株)等から入手できる。
分子内に脂環式構造を有しない通常のエポキシ基を有するグリシジル化合物を単独で使用したり、上記の脂環式エポキシ化合物と併用することもできる。
このような通常のグリシジル化合物としては、グリシジルエーテル化合物やグリシジルエステル化合物を挙げることができるが、グリシジルエーテル化合物を併用することが好ましい。
グリシジルエーテル化合物の具体例を挙げると、1,3−ビス(2,3−エポキシプロピロキシ)ベンゼン、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポシキ樹脂、フェノール・ノボラック型エポキシ樹脂、クレゾール・ノボラック型エポキシ樹脂、トリスフェノールメタン型エポキシ樹脂等の芳香族グリシジルエーテル化合物、1,4−ブタンジオールグリシジルエーテル、グリセロールトリグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリトリグリシジルエーテル等の脂肪族グリシジルエーテル化合物が挙げられる。グリシジルエステルとしては、リノレン酸ダイマーのグリシジルエステルを挙げることができる。
グリシジルエーテル類は油化シェルエポキシ(株)等から市販品を入手することができる。
このような通常のグリシジル化合物としては、グリシジルエーテル化合物やグリシジルエステル化合物を挙げることができるが、グリシジルエーテル化合物を併用することが好ましい。
グリシジルエーテル化合物の具体例を挙げると、1,3−ビス(2,3−エポキシプロピロキシ)ベンゼン、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポシキ樹脂、フェノール・ノボラック型エポキシ樹脂、クレゾール・ノボラック型エポキシ樹脂、トリスフェノールメタン型エポキシ樹脂等の芳香族グリシジルエーテル化合物、1,4−ブタンジオールグリシジルエーテル、グリセロールトリグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリトリグリシジルエーテル等の脂肪族グリシジルエーテル化合物が挙げられる。グリシジルエステルとしては、リノレン酸ダイマーのグリシジルエステルを挙げることができる。
グリシジルエーテル類は油化シェルエポキシ(株)等から市販品を入手することができる。
本発明において4員環の環状エーテルであるオキセタニル基を有する化合物(以下、単に「オキセタン化合物」ともいう。)を使用することができる。オキセタニル基含有化合物は、1分子中にオキセタニル基を1個以上有する化合物である。このオキセタニル基含有化合物は、1分子中に1個のオキセタニル基を有する単官能オキセタン化合物と、1分子中に2個以上のオキセタニル基を有する多官能オキセタン化合物に大別される。
(F017)
単官能オキセタン化合物としては、以下の一般式(1)で表される化合物が好ましい。
単官能オキセタン化合物としては、以下の一般式(1)で表される化合物が好ましい。
R2の炭化水素基としては、フェニル基やベンジル基も採りうるが、炭素数6ないし8のアルキル基が好ましく、2−エチルへキシル基等の分岐アルキル基が特に好ましい。R2がフェニル基であるオキセタン化合物の例は、特開平11−140279号公報に記載されている。R2が置換されていても良い、ベンジル基であるオキセタン化合物の例は、特開平6−16804号公報に記載されている。
本発明においては、多官能オキセタン化合物が使用できるが、好ましい化合物群は、下記の一般式(2)で表される。
Zは酸素原子が好ましく、R3はエチル基が好ましく、mは2が好ましく、R4としては、炭素数が1ないし16の線形又は分岐アルキレン基、線形又は分岐ポリ(アルキレンオキシ)基が好ましく、R3、R4、Z、及びmに対する好ましい例の内から任意の2つ以上を組み合わせた化合物は更に好ましい。
本発明のUV硬化性結合剤として、ラジカル重合性のエチレン性不飽和化合物とカチオン重合性の環状エーテル類(エポキシ誘導体及び/又はオキセタン誘導体)とを併用することも好ましい。相互貫入ポリマー網(IPN)の構造を取るためにバランスの取れた物性を有する結合体が得られる利点がある。この場合には、光重合開始剤として光ラジカル重合開始剤と光カチオン重合開始剤(オニウム塩等)とを併用することが好ましい。
UV硬化性結合剤の硬化後の揮発成分は5重量%以下であることが好ましい。このために結合剤に有機溶媒を使用しない無溶媒処方とすることが好ましい。
硬化後の揮発成分を低減するために、3次元造形物を製造した後に、残存モノマーをUV光照射または加熱により後重合させることができる。
硬化後の揮発成分を低減するために、3次元造形物を製造した後に、残存モノマーをUV光照射または加熱により後重合させることができる。
[粘度調整用重合性化合物]
粘度調整用重合性化合物としては、低粘度かつ重合性化合物と共重合可能な化合物が用いられる。例えば、アクリレート、メタアクリレート、アクリルアミド類が挙げられる。具体的には、トリルオキシエチル(メタ)アクリレート、フェニルオキシエチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、メチル(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジビニルベンゼン、メチレンビスアクリルアミド、1,6−ジ(メタ)アクリロイルオキシヘキサン等、好ましくは、トリルオキシエチル(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ジ(メタ)アクリロイルオキシヘキサン等が挙げられる。
開環重合性の環状エーテル類においても、2官能以上の環状エーテル類は、一般に反応性が高いが粘度が高い。単官能の環状エーテル類を低粘度に調整するために併用することができる。
粘度調整用重合性化合物としては、低粘度かつ重合性化合物と共重合可能な化合物が用いられる。例えば、アクリレート、メタアクリレート、アクリルアミド類が挙げられる。具体的には、トリルオキシエチル(メタ)アクリレート、フェニルオキシエチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、メチル(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジビニルベンゼン、メチレンビスアクリルアミド、1,6−ジ(メタ)アクリロイルオキシヘキサン等、好ましくは、トリルオキシエチル(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ジ(メタ)アクリロイルオキシヘキサン等が挙げられる。
開環重合性の環状エーテル類においても、2官能以上の環状エーテル類は、一般に反応性が高いが粘度が高い。単官能の環状エーテル類を低粘度に調整するために併用することができる。
[光重合開始剤]
本発明で使用する硬化性結合剤は、熱重合開始剤により硬化させることもできるが、光重合開始剤を用いて硬化させることが好ましい。
本発明に用いられる光重合開始剤とは、活性エネルギー線により活性なラジカル種又はカチオン種を発生し、結合剤の重合反応を開始、促進する化合物を示す。活性エネルギー線として、放射線、ガンマー線、アルファー線、電子線、紫外線などが用いられる。この中でも紫外線により硬化させる方法が特に好ましい。
本発明で使用する硬化性結合剤は、熱重合開始剤により硬化させることもできるが、光重合開始剤を用いて硬化させることが好ましい。
本発明に用いられる光重合開始剤とは、活性エネルギー線により活性なラジカル種又はカチオン種を発生し、結合剤の重合反応を開始、促進する化合物を示す。活性エネルギー線として、放射線、ガンマー線、アルファー線、電子線、紫外線などが用いられる。この中でも紫外線により硬化させる方法が特に好ましい。
本発明に使用できる熱重合開始剤は、公知であり結合解離エネルギーの小さな結合を有する化合物を使用することができる。熱重合開始剤は、単独で使用しても又は2種以上を併用して用いることができる。
熱重合開始剤としては、例えば、有機ハロゲン化化合物、カルボニル化合物、有機過酸化化合物、アゾ系重合開始剤、アジド化合物、メタロセン化合物、ヘキサアリールビイミダゾール化合物、有機ホウ酸化合物、ジスルホン酸化合物、オニウム塩化合物、が挙げられる。
光の作用によりラジカルを発生させる重合開始剤の例としてはアセトフェノン系化合物、ベンゾイン系化合物、ベンゾフェノン系化合物、チオキサントン系化合物、ベンジル系化合物等が好ましい。アセトフェノン系化合物としては、例えば、2,2−ジエトキシアセトフェノン、2−ヒドロキシメチル−1−フェニルプロパン−1−オン、4’−イソプロピル−2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオフェノン、p−ジメチルアミノアセトン、p−tert−ブチルジクロロアセトフェノン、p−tert−ブチルトリクロロアセトフェノン、p−アジドベンザルアセトフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン等が挙げられる。ベンゾイン系化合物としては、例えば、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾイン−n−プロピルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾイン−n−ブチルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンジルジメチルケタール等が挙げられる。ベンゾフェノン系化合物としては、例えば、ベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル、ミヒラーズケトン、4,4’−ビスジエチルアミノベンゾフェノン、4,4’−ジクロロベンゾフェノン等が挙げられる。チオキサントン系化合物としては、例えば、チオキサントン、2−メチルチオキサントン、2−エチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、4−イソプロピルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン等が挙げられる。ベンジル系化合物としては、例えば、ベンジル、ベンジル−β−メトキシエチルアセタール等が挙げられる。
上記で挙げたように通常、光カチオン発生剤として用いられるスルホニウム塩やヨードニウム塩なども紫外線照射によりラジカル発生剤として作用するため、本発明ではこれらを単独で用いてもよい。また、感度を高める目的で重合開始剤に加えて、増感剤を用いてもよい。増感剤の例には、n−ブチルアミン、トリエチルアミン、トリ−n−ブチルホスフィン、及びチオキサントン誘導体等が含まれる。
上記で挙げたように通常、光カチオン発生剤として用いられるスルホニウム塩やヨードニウム塩なども紫外線照射によりラジカル発生剤として作用するため、本発明ではこれらを単独で用いてもよい。また、感度を高める目的で重合開始剤に加えて、増感剤を用いてもよい。増感剤の例には、n−ブチルアミン、トリエチルアミン、トリ−n−ブチルホスフィン、及びチオキサントン誘導体等が含まれる。
紫外線によって活性なカチオン種を発生させる光重合開始剤としては、トリアリールスルホニウム塩等の芳香族ヨードニウム塩、ジアリールヨードニウム塩等の芳香族ヨードニウム塩等のオニウム塩開始剤が有用であり、スルホン酸のニトロベンジルエステルなどの非イオン性開始剤も使用できる。その他、有機エレクトロニクス材料研究会編、“イメージング用有機材料”ぶんしん出版社刊(1997)などに記載されている公知の光重合開始剤も使用できる。
光反応開始剤としては、芳香族スルフォニウム塩等が、熱的に比較的安定であるために、好ましい。
芳香族スルフォニウム塩及び芳香族ヨードニウム塩をオニウム塩光反応開始剤として使用する場合、その対アニオンとしては、BF4 -、AsF6 -、SbF6 -、PF6 -、PF6 -、B(C6F5)4 -などが挙げられる。開始剤としては、芳香族スルフォニウムのPF6塩又はSbF6塩が、溶解性と適度の重合活性を有するために好ましく使用できる。又、溶解性を改良するために、芳香族基ヨードニウム塩又は芳香族スルフォニウム塩の芳香族基、通常はフェニル基に、1ないし10の炭素を有する、アルキル基又はアルコキシ基を1つ以上導入した化学構造が好ましい。
芳香族スルフォニウム塩のPF6塩又はSbF6塩は、ユニオンカーバイド日本(株)等から市販されている。旭電化工業(株)からも、アデカオプトマーSPシリーズの商品名で芳香族スルフォニウムのPF6塩が市販されている。
芳香族スルフォニウム塩は約360nmまでに吸収を有し、芳香族ヨードニウム塩は約320nmまでに吸収を有するので、硬化させるには、この領域の分光エネルギーを含む紫外線を照射することが好ましい。
芳香族スルフォニウム塩及び芳香族ヨードニウム塩をオニウム塩光反応開始剤として使用する場合、その対アニオンとしては、BF4 -、AsF6 -、SbF6 -、PF6 -、PF6 -、B(C6F5)4 -などが挙げられる。開始剤としては、芳香族スルフォニウムのPF6塩又はSbF6塩が、溶解性と適度の重合活性を有するために好ましく使用できる。又、溶解性を改良するために、芳香族基ヨードニウム塩又は芳香族スルフォニウム塩の芳香族基、通常はフェニル基に、1ないし10の炭素を有する、アルキル基又はアルコキシ基を1つ以上導入した化学構造が好ましい。
芳香族スルフォニウム塩のPF6塩又はSbF6塩は、ユニオンカーバイド日本(株)等から市販されている。旭電化工業(株)からも、アデカオプトマーSPシリーズの商品名で芳香族スルフォニウムのPF6塩が市販されている。
芳香族スルフォニウム塩は約360nmまでに吸収を有し、芳香族ヨードニウム塩は約320nmまでに吸収を有するので、硬化させるには、この領域の分光エネルギーを含む紫外線を照射することが好ましい。
(着色剤)
本発明の製造方法において使用できる着色剤は染料と顔料に大別され、染料を好ましく使用することができる。
染料としては、減色法の3原色であるイエロー(Y)、マゼンタ(M)及びシアン(C)の染料を使用することにより広い範囲の色相を異なる彩度で再現することができる。本発明において、カラー写真のカラープリントに利用される染料を使用することが好ましい。以下に詳しく述べる。
本発明の製造方法において使用できる着色剤は染料と顔料に大別され、染料を好ましく使用することができる。
染料としては、減色法の3原色であるイエロー(Y)、マゼンタ(M)及びシアン(C)の染料を使用することにより広い範囲の色相を異なる彩度で再現することができる。本発明において、カラー写真のカラープリントに利用される染料を使用することが好ましい。以下に詳しく述べる。
イエロー染料としては、米国特許3,933,501号、同4,022,620号、同4,326,024号、同4,401,752号、同4,248,961号、特公昭58−10739号、英国特許1,425,020号、同1,476,760号、米国特許3,973,968号、同4,314,023号、同4,511,649号、欧州特許249,473A号、同502,424A号の式(I),(II)で表されるカプラー、同513,496A号の式(1),(2)で表されるカプラー(特に18頁のY−28)、同568,037A号のクレーム1の式(I)で表されるカプラー、米国特許5,066,576号のカラム1の45〜55行の一般式(I)で表されるカプラー、特開平4−274425号の段落0008の一般式(I)で表されるカプラー、欧州特許498,381A1号の40頁のクレーム1に記載のカプラー(特に18頁のD−35)、同447,969A1号の4頁の式(Y)で表されるカプラー(特に、Y−1(17頁),Y−54(41頁))、米国特許4,476,219号のカラム7の36〜58行の式(II)〜(IV)で表されるカプラー(特にII−17,19(カラム17),II−24(カラム19))から得られるケトイミン型染料が挙げられる。 好ましくは、特開2001−294773号公報、特開2002−121414号公報、特開2002−105370号公報、特開2003−26974号公報、特開2003−73598号公報に記載の染料が挙げられ、なかでも特開2003−73598号公報に記載の一般式(Y−II)で表されるピラゾール化合物がより好ましく用いられ、以下に示すY−1が例示できる。
(Y−1)
(Y−1)
マゼンタ染料としては、特開2001−181549号公報、特開2002−121414号公報、特開2002−105370号公報、特開2003−12981号公報、特開2003−26974号公報に記載の染料が挙げられる。
なかでも特開2002−121414号公報に記載の一般式(III)で表されるピラゾロトリアゾールアゾメチン化合物が好ましく用いられ、以下に示すM−1及びM−6が例示できる。
なかでも特開2002−121414号公報に記載の一般式(III)で表されるピラゾロトリアゾールアゾメチン化合物が好ましく用いられ、以下に示すM−1及びM−6が例示できる。
シアン染料としては、特開2002−121414号公報、特開2002−105370号公報、特開2003−3109号公報、特開2003−26974号公報に記載の染料が挙げられる。
特開2002−121414号公報に記載の一般式(IV−1a)で表されるピロロトリアゾールアゾメチン化合物ならびに一般式(C−II−1)及び(C−II−2)で表されるフタロシアニン化合物が好ましく用いられ、以下に示すC−1、C−101及びC−105が例示できる。
特開2002−121414号公報に記載の一般式(IV−1a)で表されるピロロトリアゾールアゾメチン化合物ならびに一般式(C−II−1)及び(C−II−2)で表されるフタロシアニン化合物が好ましく用いられ、以下に示すC−1、C−101及びC−105が例示できる。
必要に応じて、CMY3原色に黒(ブラック)染料を併用しても良い。黒染料はCMY3染料を混合して作ることができる。
上記以外の染料としては、印刷の技術分野(例えば印刷インキ、感熱インクジェット記録、静電写真記録等のコピー用色材または色校正版など)で一般に用いられるものを使用することができる。
例えば、有機合成化学協会編「染料便覧」丸善株式会社(1970年刊)、安部田貞治、今田邦彦「解説 染料化学」(株)色染社(1988年刊)、大河原信編「色素ハンドブック」(株)講談社(1986年刊)、インクジェットプリンタ用ケミカルス−材料の開発動向・展望調査−」(株)シーエムシー(1997年刊)、前記の甘利武司「インクジェットプリンタ−技術と材料」等に記載の染料類が挙げられる。
例えば、有機合成化学協会編「染料便覧」丸善株式会社(1970年刊)、安部田貞治、今田邦彦「解説 染料化学」(株)色染社(1988年刊)、大河原信編「色素ハンドブック」(株)講談社(1986年刊)、インクジェットプリンタ用ケミカルス−材料の開発動向・展望調査−」(株)シーエムシー(1997年刊)、前記の甘利武司「インクジェットプリンタ−技術と材料」等に記載の染料類が挙げられる。
(顔料)
顔料としては、特に限定されるものではなく、一般に市販されているすべての有機顔料及び無機顔料、または顔料を、分散媒として不溶性の樹脂等に分散させたもの、あるいは顔料表面に樹脂をグラフト化したもの等を用いることができる。また、樹脂粒子を染料で染色したもの等も用いることができる。
顔料としては、特に限定されるものではなく、一般に市販されているすべての有機顔料及び無機顔料、または顔料を、分散媒として不溶性の樹脂等に分散させたもの、あるいは顔料表面に樹脂をグラフト化したもの等を用いることができる。また、樹脂粒子を染料で染色したもの等も用いることができる。
本発明おいて造形物の外表面に彩色するためには、断面形状の輪郭に上記のYMC結合剤による着色画像を形成し、この着色画像の直下に白色反射層を設けることが好ましい。白色反射層は、例えばカラープリントにおける下地に相当する役割を有し、白色顔料を含む結合剤(白色結合剤)を着画像のすぐ内側に使用することが好ましい。
白色顔料の具体例としては、塩基性炭酸鉛(2PbCO3Pb(OH)2、いわゆる、シルバーホワイト)、酸化亜鉛(ZnO、いわゆる、ジンクホワイト)、酸化チタン(TiO2、いわゆる、チタンホワイト)、チタン酸ストロンチウム(SrTiO3、いわゆる、チタンストロンチウムホワイト)などが利用可能である。
白色顔料の具体例としては、塩基性炭酸鉛(2PbCO3Pb(OH)2、いわゆる、シルバーホワイト)、酸化亜鉛(ZnO、いわゆる、ジンクホワイト)、酸化チタン(TiO2、いわゆる、チタンホワイト)、チタン酸ストロンチウム(SrTiO3、いわゆる、チタンストロンチウムホワイト)などが利用可能である。
ここで、酸化チタンは他の白色顔料と比べて比重が小さく、屈折率が大きく、化学的、物理的にも安定であるため、顔料としての隠蔽力や着色力が大きく、さらに、酸やアルカリ、その他の環境に対する耐久性にも優れている。したがって、白色顔料としては酸化チタンを利用することが好ましい。もちろん、粉末材料や結合剤成分の種類に応じて他の白色顔料(列挙した白色顔料以外であってもよい。)を使用してもよい。
本発明においてCMY染料に替えてCMY顔料を使用することもできる。
有機顔料及び無機顔料の具体例としては、例えば、イエロー色を呈するものとして、C.I.ピグメントイエロー1(ファストイエローG等),C.I.ピグメントイエロー74の如きモノアゾ顔料、C.I.ピグメントイエロー12(ジスアジイエローAAA等)、C.I.ピグメントイエロー17の如きジスアゾ顔料、C.I.ピグメントイエロー180の如き非ベンジジン系のアゾ顔料、C.I.ピグメントイエロー100(タートラジンイエローレーキ等)の如きアゾレーキ顔料、C.I.ピグメントイエロー95(縮合アゾイエローGR等)の如き縮合アゾ顔料、C.I.ピグメントイエロー115(キノリンイエローレーキ等)の如き酸性染料レーキ顔料、C.I.ピグメントイエロー18(チオフラビンレーキ等)の如き塩基性染料レーキ顔料、フラバントロンイエロー(Y−24)の如きアントラキノン系顔料、イソインドリノンイエロー3RLT(Y−110)の如きイソインドリノン顔料、キノフタロンイエロー(Y−138)の如きキノフタロン顔料、イソインドリンイエロー(Y−139)の如きイソインドリン顔料、C.I.ピグメントイエロー153(ニッケルニトロソイエロー等)の如きニトロソ顔料、C.I.ピグメントイエロー117(銅アゾメチンイエロー等)の如き金属錯塩アゾメチン顔料等が挙げられる。
有機顔料及び無機顔料の具体例としては、例えば、イエロー色を呈するものとして、C.I.ピグメントイエロー1(ファストイエローG等),C.I.ピグメントイエロー74の如きモノアゾ顔料、C.I.ピグメントイエロー12(ジスアジイエローAAA等)、C.I.ピグメントイエロー17の如きジスアゾ顔料、C.I.ピグメントイエロー180の如き非ベンジジン系のアゾ顔料、C.I.ピグメントイエロー100(タートラジンイエローレーキ等)の如きアゾレーキ顔料、C.I.ピグメントイエロー95(縮合アゾイエローGR等)の如き縮合アゾ顔料、C.I.ピグメントイエロー115(キノリンイエローレーキ等)の如き酸性染料レーキ顔料、C.I.ピグメントイエロー18(チオフラビンレーキ等)の如き塩基性染料レーキ顔料、フラバントロンイエロー(Y−24)の如きアントラキノン系顔料、イソインドリノンイエロー3RLT(Y−110)の如きイソインドリノン顔料、キノフタロンイエロー(Y−138)の如きキノフタロン顔料、イソインドリンイエロー(Y−139)の如きイソインドリン顔料、C.I.ピグメントイエロー153(ニッケルニトロソイエロー等)の如きニトロソ顔料、C.I.ピグメントイエロー117(銅アゾメチンイエロー等)の如き金属錯塩アゾメチン顔料等が挙げられる。
マゼンタ色を呈するものとして、C.I.ピグメントレッド3(トルイジンレッド等)の如きモノアゾ系顔料、C.I.ピグメントレッド38(ピラゾロンレッドB等)の如きジスアゾ顔料、C.I.ピグメントレッド53:1(レーキレッドC等)やC.I.ピグメントレッド57:1(ブリリアントカーミン6B)の如きアゾレーキ顔料、C.I.ピグメントレッド144(縮合アゾレッドBR等)の如き縮合アゾ顔料、C.I.ピグメントレッド174(フロキシンBレーキ等)の如き酸性染料レーキ顔料、C.I.ピグメントレッド81(ローダミン6G’レーキ等)の如き塩基性染料レーキ顔料、C.I.ピグメントレッド177(ジアントラキノニルレッド等)の如きアントラキノン系顔料、C.I.ピグメントレッド88(チオインジゴボルドー等)の如きチオインジゴ顔料、C.I.ピグメントレッド194(ペリノンレッド等)の如きペリノン顔料、C.I.ピグメントレッド149(ペリレンスカーレット等)の如きペリレン顔料、C.I.ピグメントレッド122(キナクリドンマゼンタ等)の如きキナクリドン顔料、C.I.ピグメントレッド180(イソインドリノンレッド2BLT等)の如きイソインドリノン顔料、C.I.ピグメントレッド83(マダーレーキ等)の如きアリザリンレーキ顔料等が挙げられる。
シアン色を呈する顔料として、C.I.ピグメントブルー25(ジアニシジンブルー等)の如きジスアゾ系顔料、C.I.ピグメントブルー15(フタロシアニンブルー等)の如きフタロシアニン顔料、C.I.ピグメントブルー24(ピーコックブルーレーキ等)の如き酸性染料レーキ顔料、C.I.ピグメントブルー1(ビクロチアピュアブルーBOレーキ等)の如き塩基性染料レーキ顔料、C.I.ピグメントブルー60(インダントロンブルー等)の如きアントラキノン系顔料、C.I.ピグメントブルー18(アルカリブルーV−5:1)の如きアルカリブルー顔料等が挙げられる。
(UV露光)
UV硬化性結合剤を硬化させるためのUV露光に関しては、一般に用いられる高圧水銀ランプ、低圧水銀ランプ、DeepUVランプ、ハロゲンランプ等が使用可能であり、露光波長は450〜250nm、好ましくは、400〜300nmとすることができる。露光エネルギーは500mJ/cm2以下が好ましく、10〜400mJ/cm2がより好ましい。UV光源からUV透過性の光ファイバーを用いて粉末材料面にUV光を導くことができる。
UV硬化性結合剤を硬化させるためのUV露光に関しては、一般に用いられる高圧水銀ランプ、低圧水銀ランプ、DeepUVランプ、ハロゲンランプ等が使用可能であり、露光波長は450〜250nm、好ましくは、400〜300nmとすることができる。露光エネルギーは500mJ/cm2以下が好ましく、10〜400mJ/cm2がより好ましい。UV光源からUV透過性の光ファイバーを用いて粉末材料面にUV光を導くことができる。
次に本発明の三次元造形物の製造装置について説明する。
本発明の製造装置は、紫外線硬化性化合物を含む結合剤を小滴として支持体の上に形成される粉末材料層に吐出するインクジェットヘッド、粉末材料層に吐出された結合剤に光を照射する光源、及び造形物の最外層に結合剤の吐出倍率を1.05〜5.0倍に調節する制御手段を備える。
本発明の製造装置は、紫外線硬化性化合物を含む結合剤を小滴として支持体の上に形成される粉末材料層に吐出するインクジェットヘッド、粉末材料層に吐出された結合剤に光を照射する光源、及び造形物の最外層に結合剤の吐出倍率を1.05〜5.0倍に調節する制御手段を備える。
本発明の製造装置は、造形物の最外層に、造形物の内部に吐出する結合剤量を1.05〜5.0倍の倍率に調整する制御手段を有し、具体的には、前記の輪郭格子点への吐出回数を調節し、必要に応じて、1回の吐出量を調節する制御手段を具備することを特徴とする。造形物の最外層に結合剤吐出量を簡便に調節するには、最外層への吐出回数を増やす手段を設ければよい。
また、本発明の製造装置に、さらに結合剤の吐出量を増減させる制御手段を併せて設け、最外層への吐出量を細かく調節することもできる。
また、本発明の製造装置に、さらに結合剤の吐出量を増減させる制御手段を併せて設け、最外層への吐出量を細かく調節することもできる。
本発明の製造装置には光源として、各インクジェットヘッドから吐出される結合剤の光硬化感度に合った波長光を発する光源が配置されている。
インクジェットヘッドから吐出された結合剤の小滴は粉末材料層に着弾し、光源からの光照射によって完全に硬化する。
インクジェットヘッドから吐出された結合剤の小滴は粉末材料層に着弾し、光源からの光照射によって完全に硬化する。
以下、本発明を実施例により説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
本発明の実施例で使用する材料は以下の通りである。
KAYARAD DPCA60(カプトラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート:日本化薬(株)製)
HDDA(1,6−ヘキサンジオールジアクリレート:ダイセル・ユーシービー製)
2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオフェノン(チバスペシャリティケミカルズ(チバS.C.)製)
1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニルケトン(チバS.C.製)
酸化チタン(チタン工業製KRONOS KA−15;粒径0.4μm)
本発明の実施例で使用する材料は以下の通りである。
KAYARAD DPCA60(カプトラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート:日本化薬(株)製)
HDDA(1,6−ヘキサンジオールジアクリレート:ダイセル・ユーシービー製)
2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオフェノン(チバスペシャリティケミカルズ(チバS.C.)製)
1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニルケトン(チバS.C.製)
酸化チタン(チタン工業製KRONOS KA−15;粒径0.4μm)
(測定方法)
(1)粉末材料の平均粒子径
粉末材料の平均粒子径は、コールター社のCOULTER MULTISIZERにより細孔径100μmの条件で測定した。
(2)表面光沢度
表面光沢度は、デジタル変角光沢計UGV−6Pを用いて入射角20°で測定した。
(1)粉末材料の平均粒子径
粉末材料の平均粒子径は、コールター社のCOULTER MULTISIZERにより細孔径100μmの条件で測定した。
(2)表面光沢度
表面光沢度は、デジタル変角光沢計UGV−6Pを用いて入射角20°で測定した。
(評価方法)
<質感>
得られた三次元造形物の表面のなめらかさを手で触った感触及び目視で官能評価し質感の指標とし、以下のランクに分けた。
○ ・・・良
△ ・・・やや良
× ・・・不良
<質感>
得られた三次元造形物の表面のなめらかさを手で触った感触及び目視で官能評価し質感の指標とし、以下のランクに分けた。
○ ・・・良
△ ・・・やや良
× ・・・不良
<実施例1>
(UV硬化性結合剤「無色透明結合剤」の作製)
重合性化合物:KAYARAD DPCA60 5.2g
重合性化合物:HDDA 14.8g
光重合開始剤:2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオフェノン 0.6g
以上の成分を撹拌混合し、25℃における粘度が約20mPa・sの無色透明な結合剤を得た。
(UV硬化性結合剤「無色透明結合剤」の作製)
重合性化合物:KAYARAD DPCA60 5.2g
重合性化合物:HDDA 14.8g
光重合開始剤:2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオフェノン 0.6g
以上の成分を撹拌混合し、25℃における粘度が約20mPa・sの無色透明な結合剤を得た。
(UV硬化性結合剤「白色結合剤」の作製)
重合性化合物:KAYARAD DPCA60 5.2g
重合性化合物:HDDA 14.8g
光重合開始剤:2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオフェノン 0.6g
白色顔料:酸化チタン 3g
以上の成分を3本ロールミルで混練し、25℃における粘度が約25mPa・sの白色結合剤を得た。
重合性化合物:KAYARAD DPCA60 5.2g
重合性化合物:HDDA 14.8g
光重合開始剤:2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオフェノン 0.6g
白色顔料:酸化チタン 3g
以上の成分を3本ロールミルで混練し、25℃における粘度が約25mPa・sの白色結合剤を得た。
(UV硬化性結合剤「イエロー結合剤」の作製)
重合性化合物:KAYARAD DPCA60 5.2g
重合性化合物:HDDA 14.8g
光重合開始剤:1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニルケトン 0.5g
着色剤:Y−1 0.8g
上記Y−1、下記M−6および下記C−105は発明の開示の欄に記載したとおりである。
以上の成分を撹拌混合し、25℃における粘度が約20mPa.sのイエロー結合剤を得た。
重合性化合物:KAYARAD DPCA60 5.2g
重合性化合物:HDDA 14.8g
光重合開始剤:1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニルケトン 0.5g
着色剤:Y−1 0.8g
上記Y−1、下記M−6および下記C−105は発明の開示の欄に記載したとおりである。
以上の成分を撹拌混合し、25℃における粘度が約20mPa.sのイエロー結合剤を得た。
(UV硬化性結合剤「マゼンタ結合剤」の作製)
重合性化合物:KAYARAD DPCA60 5.2g
重合性化合物:HDDA 14.8g
光重合開始剤:1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニルケトン 0.5g
着色剤:M−6 0.8g
以上の成分を撹拌混合し、25℃における粘度が約20mPa・sのマゼンタ結合剤を得た。
重合性化合物:KAYARAD DPCA60 5.2g
重合性化合物:HDDA 14.8g
光重合開始剤:1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニルケトン 0.5g
着色剤:M−6 0.8g
以上の成分を撹拌混合し、25℃における粘度が約20mPa・sのマゼンタ結合剤を得た。
(UV硬化性結合剤「シアン結合剤」の作製)
重合性化合物:KAYARAD DPCA60 5.2g
重合性化合物:HDDA 14.8g
光重合開始剤:1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニルケトン 0.5g
着色剤:C−105 0.8g
以上の成分を撹拌混合し、25℃における粘度が約20mPa・sのシアン結合剤を得た。
重合性化合物:KAYARAD DPCA60 5.2g
重合性化合物:HDDA 14.8g
光重合開始剤:1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニルケトン 0.5g
着色剤:C−105 0.8g
以上の成分を撹拌混合し、25℃における粘度が約20mPa・sのシアン結合剤を得た。
(UV硬化性結合剤「ブラック結合剤」の作製)
重合性化合物:KAYARAD DPCA60 5.2g
重合性化合物:HDDA 14.8g
光重合開始剤:1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニルケトン 0.5g
着色剤:Y−1 0.3g
M−6 0.2g
C−105 0.4g
以上の成分を撹拌混合し、25℃における粘度が約20mPa・sのブラック結合剤を得た。
重合性化合物:KAYARAD DPCA60 5.2g
重合性化合物:HDDA 14.8g
光重合開始剤:1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニルケトン 0.5g
着色剤:Y−1 0.3g
M−6 0.2g
C−105 0.4g
以上の成分を撹拌混合し、25℃における粘度が約20mPa・sのブラック結合剤を得た。
(三次元モデル作成)
粉末材料としてポリメタクリル酸メチル(MBX−15、積水化成製;平均粒子径 15μm)を約100μmの厚さになるようロッドで1層分の粉末材料層を敷設した後、彩色データにもとづいて各インクジェット吐出ノズルから着色結合剤(イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック)、白色結合剤及び無色透明結合剤の吐出を適宜に行わせる。
該UV硬化性結合剤をインクとしたインクジェット方式により、600dpiの解像度(約42μmのドット間隔)で、各ドットが連続した線になるように液滴を吐出した。次いで、1スライスピッチに相当する厚さ分厚くした粉末材料層を形成して、その断面に該当する断面形状に対応する結合剤を供給することを繰り返すことにより三次元造形物を作製、評価した。
最外層(最下層、最上層及び途中層の断面形状の輪郭格子点)への結合剤の吐出量は、造形物内部への吐出量の3.0倍とした。
粉末材料としてポリメタクリル酸メチル(MBX−15、積水化成製;平均粒子径 15μm)を約100μmの厚さになるようロッドで1層分の粉末材料層を敷設した後、彩色データにもとづいて各インクジェット吐出ノズルから着色結合剤(イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック)、白色結合剤及び無色透明結合剤の吐出を適宜に行わせる。
該UV硬化性結合剤をインクとしたインクジェット方式により、600dpiの解像度(約42μmのドット間隔)で、各ドットが連続した線になるように液滴を吐出した。次いで、1スライスピッチに相当する厚さ分厚くした粉末材料層を形成して、その断面に該当する断面形状に対応する結合剤を供給することを繰り返すことにより三次元造形物を作製、評価した。
最外層(最下層、最上層及び途中層の断面形状の輪郭格子点)への結合剤の吐出量は、造形物内部への吐出量の3.0倍とした。
<実施例2>
実施例1において、最外層への結合剤の吐出量を造形物内部への吐出量の2.0倍とした以外は実施例1と同様にして三次元造形物を作製、評価した。
実施例1において、最外層への結合剤の吐出量を造形物内部への吐出量の2.0倍とした以外は実施例1と同様にして三次元造形物を作製、評価した。
<実施例3>
実施例1において、最外層への結合剤の吐出量を造形物内部への吐出量の1.5倍とした以外は実施例1と同様にして三次元造形物を作製、評価した。
実施例1において、最外層への結合剤の吐出量を造形物内部への吐出量の1.5倍とした以外は実施例1と同様にして三次元造形物を作製、評価した。
<比較例1>
実施例1において、最外層への結合剤の吐出量を造形物内部への吐出量の1.0倍とした以外は実施例1と同様にして三次元造形物を作製、評価した。
実施例1において、最外層への結合剤の吐出量を造形物内部への吐出量の1.0倍とした以外は実施例1と同様にして三次元造形物を作製、評価した。
以上の結果を表1にまとめた。
1 薄層
2 結合剤付与領域
3 三次元造形部
4 支持体(造形ステージ)
5 垂直方向移動部
6 枠
7 ブレード
8 インクジェットヘッド
9 紫外線照射部
10 三次元造形物
2 結合剤付与領域
3 三次元造形部
4 支持体(造形ステージ)
5 垂直方向移動部
6 枠
7 ブレード
8 インクジェットヘッド
9 紫外線照射部
10 三次元造形物
Claims (6)
- 支持体上に粉末材料を所定の厚さを有する層に形成する工程、及び造形対象物を平行な断面で切断した断面形状になるように粉末材料層を結合剤により結合させる工程を順次繰り返すことを含む三次元造形物の製造方法において、
造形物の最外層に、造形物の内部に付与する結合剤量の1.05〜5.0倍の結合剤を付与することを特徴とする三次元造形物の製造方法。 - 結合剤として、少なくとも1種の着色された結合剤、白色で着色された結合剤、及び無色の結合剤よりなる群から選ばれた2種以上の結合剤を使用する請求項1記載の三次元造形物の製造方法。
- 着色された結合剤が、イエロー結合剤、マゼンタ結合剤、及びシアン結合剤の少なくとも3つの結合剤よりなる請求項1または2に記載の三次元造形物の製造方法。
- 着色された結合剤が、イエロー結合剤、マゼンタ結合剤、シアン結合剤、及びブラック結合剤の少なくとも4つの結合剤よりなる請求項1〜3いずれか1つに記載の三次元造形物の製造方法。
- 結合剤は紫外線硬化性化合物を含む請求項1〜4いずれか1つに記載の三次元造形物の製造方法。
- 紫外線硬化性化合物を含む結合剤を小滴として粉末材料の層に吐出するインクジェットヘッドと、
粉末材料層に吐出された結合剤に光を照射する光源とを備え、
インクジェットヘッドを用いて、造形対象物を平行な断面で切断した断面形状の情報に応じて、結合剤を吐出する三次元造形物の製造装置において、
造形物の最外層に、造形物の内部に吐出する結合剤量の1.05〜5.0倍の結合剤を吐出する制御手段を有することを特徴とする三次元造形物の製造装置。
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- 2003-09-18 JP JP2003326414A patent/JP2005088432A/ja active Pending
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