JP6413226B2 - 三次元造形物の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、三次元造形物の製造方法に関する。
従来より、例えば、三次元CADソフト等で生成した三次元物体のモデルを基にして、三次元物体を形成する方法が知られている。
三次元物体を形成する方法の一つとして、積層法が知られている。積層法では、一般的に、三次元物体のモデルを多数の二次元断面層に分割した後、各二次元断面層に対応する断面部材を順次形成しつつ、断面部材を順次積層することによって三次元物体を形成する。
積層法は、造形しようとする三次元物体のモデルさえあれば、直ちに形成することが可能であり、造形に先立って金型を作成するなどの必要がないので、迅速にしかも安価に三次元物体を形成することが可能である。また、薄い板状の断面部材を一層ずつ積層して形成するので、例えば内部構造を有する複雑な物体であっても、複数の部品に分けることなく一体の造形物として形成することが可能である。
このような積層法の一つとして、特許文献1に記載されたような、粉末剤材料と結合剤材料を用いて各断面部材を形成する技術が知られている。しかしながら、粉末材料を用いて形成された断面部材は、一般的に脆く、破損しやすい傾向があった。
そこで、これを解決するために、例えば三次元物体を造形した後に、ディッピング等により三次元物体の外表面に保護層を設けるという試みが行われてきた。
図15に、ディッピングによって形成した保護層を備える三次元物体の断面図を示す。凹凸状の外表面61を三次元物体60に、ディッピングにより保護層65を設けようとすると、凹部62にディップ液が溜まりやすく、図15に示すように、凹部62における保護層65の膜厚b2が、凸部63における保護層65の膜厚b1よりも厚くなってしまう。そのため、凸部63を十分に保護することができず、衝撃や摩擦等により凸部63が特に破損しやすくなってしまう。
このように、三次元物体の表面形状によっては、ディッピング等により均一な膜厚の保護層を設けることが難しく、三次元物体全体を十分に保護することが難しい。
また、ディッピング等により保護層を設ける方法は、三次元物体と保護層との密着性が低く、三次元造形物を十分に保護することができない。
特開平6−218712号公報
本発明の目的は、衝撃や摩擦等に対する耐久性に優れた三次元造形物を効率よく製造することができる三次元造形物の製造方法を提供することにある。
このような目的は、下記の本発明により達成される。
本発明の三次元造形物の製造方法は、
硬化性樹脂を含むインクを付与して硬化させることで形成された単位層を積層して得られる三次元造形物を製造する三次元造形物の製造方法であって、
前記三次元造形物は、外周部と、該外周部を被覆する透明な被覆層とを備え、
前記単位層を形成するに際し、前記外周部に相当する第1の領域に外周部形成用インクを付与し、前記被覆層に相当する第2の領域に被覆層形成用インクを付与し、前記外周部形成用インクおよび前記被覆層形成用インクを硬化し、
前記被覆層形成用インクは、シリコーン系界面活性剤を含有することを特徴とする。
これにより、衝撃や摩擦等に対する耐久性に優れた三次元造形物を効率よく製造することができる。
本発明の三次元造形物の製造方法では、
前記単位層を形成するに際し、前記第1の領域に前記外周部形成用インクを付与し、前記第2の領域に前記被覆層形成用インクを付与した後に、前記外周部形成用インクおよび前記被覆層形成用インクを硬化させることが好ましい。
これにより、衝撃や摩擦等に対する耐久性にさらに優れた三次元造形物を効率よく製造することができる。
本発明の三次元造形物の製造方法では、前記単位層を形成するに際し、前記第2の領域に前記被覆層形成用インクを付与しつつ硬化させ、次いで、前記第1の領域に前記外周部形成用インクを付与しつつ硬化させることが好ましい。
これにより、三次元造形物の寸法精度をより高くすることができる。
本発明の三次元造形物の製造方法では、
前記単位層を形成するに際し、前記第1の領域に前記外周部形成用インクを付与しつつ硬化させ、次いで、前記第2の領域に前記被覆層形成用インクを付与しつつ硬化させることが好ましい。
これにより、三次元造形物の寸法精度をより高くすることができる。
本発明の三次元造形物の製造方法では、前記被覆層形成用インクは、無機ナノ粒子を含有することが好ましい。
これにより、被覆層の硬度をさらに高めることができ、三次元造形物の耐衝撃性をさらに向上させることができる
本発明の三次元造形物の製造方法では、前記被覆層形成用インクに含有されている硬化性樹脂は、光硬化性樹脂であることが好ましい。
これにより、単位層を比較的短時間で形成することができ、三次元造形物の生産性をより高めることができる。
本発明の三次元造形物の製造方法では、前記光硬化性樹脂は、アクリル系樹脂であることが好ましい。
これにより、透明性に特に優れ、硬度がより高い被覆層を得ることができる。
本発明の三次元造形物の製造方法では、前記アクリル系樹脂は、ウレタン(メタ)アクリレートおよびエポキシ(メタ)アクリレートのうちの少なくとも一方を含有することが好ましい。
これにより、透明性にさらに優れ、硬度がさらに高い被覆層を得ることができる。
本発明の三次元造形物の製造方法では、前記被覆層に対し、後加工を施すことが好ましい。
本発明の三次元造形物の製造方法によれば、被覆層と外周部との密着性を特に向上させることができる。このため、被覆層と外周部とを剥離させることを特に効果的に防止することができ、後加工をより容易に行うことがきる。
本発明の三次元造形物の製造方法では、前記後加工は、粗面加工であることが好ましい。
本発明の三次元造形物の製造方法によれば、被覆層と外周部との密着性を特に向上させることができる。このため、被覆層と外周部とを剥離させることを特に効果的に防止することができ、粗面加工をより容易に行うことがきる。
本発明の三次元造形物の製造方法では、前記単位層を形成するに際し、前記後加工において除去する厚さ分、余計に厚く前記被覆層を形成することが好ましい。
これにより、被覆層の一部を除去する際に、外周部が不本意に露出してしまうこと防止することができる。
本発明の三次元造形物の製造方法では、前記被覆層の平均厚さが、10μm以上1000μm以下であることが好ましい。
これにより、外周部の外観(形状、色等)を十分に認識することができるとともに、衝撃や摩擦等により外周部が破損することをより確実に防ぐことができる。
本発明の三次元造形物の製造方法では、前記外周部の平均膜厚が、30μm以上200μm以下であることが好ましい。
これにより、発色性に特に優れた三次元造形物を得ることができる。
本発明の三次元造形物の製造方法では、前記外周部形成用インクは着色剤を含有することが好ましい。
これにより、発色性と耐光性に特に優れた三次元造形物を得ることができる
第1実施形態の三次元造形物を示す図であって、(a)は、斜視図、(b)は、三次元造形物を構成する各単位層を概念的に示す図である。 三次元造形物を製造する三次元造形物製造装置を示す概略図である。 図2に示す三次元造形物製造装置が有する制御部のブロック図である。 三次元造形物の製造方法の、全体の手順を示すフローチャートである。 単位層データ生成工程の手順を示すフローチャートである。 造形工程の手順を示すフローチャートである。 インク付与処理および硬化処理を示す図である。 単位層の平面視形状を示す図である。 三次元造形物の断面図(拡大詳細図)である。 後工程を経て得られた三次元造形物を示す模式図である。 三次元造形物の他の一例を示す拡大詳細図である。 三次元造形物の他の一例を示す拡大詳細図である。 第2実施形態の造形工程の手順を示すフローチャートである。 第3実施形態の造形工程の手順を示すフローチャートである。 ディッピングによって形成した保護層を備える三次元物体の断面図である。
以下、添付する図面を参照しつつ、本発明の好適な実施形態について詳細な説明をする。
<第1実施形態>
まず、本発明の三次元造形物およびその製造方法の第1実施形態について説明する。
図1は、第1実施形態の三次元造形物を示す図であって、(a)は、斜視図、(b)は、三次元造形物を構成する各単位層を概念的に示す図である。
なお、以下の説明において、図1の上側を「上」、下側を「下」、右側を「右」、左側を「左」として説明する。
まず、本実施形態の三次元造形物の製造方法を説明するに先立って、当該製造方法により得られた三次元造形物1について説明する。
≪三次元造形物≫
図1(a)に示す三次元造形物1は、全体形状が立方体であり、図1(b)に示すような平面視形状が正方形である薄膜状の単位層7を、多数個積層することにより得られる。単位層7は、硬化性樹脂を含むインク2(図2参照)を硬化することにより得られたものである。
なお、図1(b)には、10個の単位層7が示されているが、単位層7の積層数は、特に限定されず、通常、数十〜数万程度とされる。
三次元造形物1は、その中心部側に位置する実像部4と、実像部4の少なくとも一部(本実施形態では全部)を覆う被覆層5とで構成されている。
実像部4は、その中心部に位置するコア部41と、実像部4の外表面45側に位置し、コア部41の外表面44全面を覆う外周部42とで構成されている。
コア部41は、コア部形成用インクを用いて造形されている。外周部42は、外周部形成用インクを用いて造形されている。また、被覆層5は、被覆層形成用インクを用いて造形されている。
なお、コア部形成用インク、外周部形成用インク、および被覆層形成用インクを総称してインク2(図2参照)という。また、コア部形成用インク、および外周部形成用インクを総称して実像部形成用インクという。
なお、インク2の構成材料等については後に詳述する。
コア部41の色は、いかなる色であってもよい。すなわち、コア部41の色は、透明であってもよし、赤色、青色、黄色等の有彩色、白色、黒色、灰色等の無彩色、金色、銀色等の金属光沢色であってもよい。中でも、コア部41の色は、白色にすることが好ましい。これにより、実像部4全体の発色性を良好にすることができる。
外周部42の色は、透明以外の色であれば、いかなる色であってもよい。すなわち、外周部42の色は、有彩色、無彩色、および金属光沢色から選択される色であれば、いかなる色であってもよい。
被覆層5の色は、実質的に透明(無色透明、有色透明または半透明)である。
上記のように、外周部42の色が透明以外の色であり、被覆層5が透明であるため、外周部42は、三次元造形物1の見た目上の輪郭を構成している。また、外周部42によりコア部41は、外部から視認されないようになっている。
一方、被覆層5は、実像部4を保護する保護層として役割を有しており、摩擦や衝撃等により実像部4が破損することを防ぐ機能を有する。また、被覆層5は、必要に応じて、三次元造形物1の例えばマット調やグロス調等の質感を表現する部分としても機能する。
なお、コア部41および外周部42の彩度や明度は、それぞれ特に限定されない。また、コア部41は、その領域内全てが同じ色であってもよいし、異なる色であってもよい。また、外周部42についても同様である。
また、外周部42の平均厚さは、特に限定されないが、30μm以上200μm以下であるのが好ましく、50μm以上150μm以下であることが好ましい。平均厚さが前記下限値未満であると、比較的濃い色の三次元造形物1を形成することが難しい。一方、平均厚さが前記上限値を超えると、外周部42の発色性が低下してしまう。
また、被覆層5の平均厚さは、特に限定されないが、10μm以上1000μm以下であるのが好ましく、50μm以上500μm以下であることが好ましい。これにより、実像部4の外観(形状、色等)を十分に認識することができるとともに、衝撃や摩擦等により実像部4が破損することをより確実に防ぐことができる。
また、コア部41の平均厚さは、三次元造形物1の大きさにもよるが、少なくとも、10μm以上あるのが好ましく、20μm以上あることが好ましい。平均厚さが前記下限値未満であると、外周部42の発色性が低下する可能性がある。
以下、三次元造形物1を製造する三次元造形物製造装置30を備える三次元造形物製造システム100について、以下に説明する。
≪三次元造形物製造システム100≫
図2は、三次元造形物を製造する三次元造形物製造装置を示す概略図である。図3は、図2に示す三次元造形物製造装置が有する制御部のブロック図である。
三次元造形物製造システム(以下、単に「造形システム」ということもある)100は、単位層7のモデルを生成し、そのモデルに基づいて各単位層7を順次形成しつつ、各単位層7を順次積層することにより、三次元造形物1を形成する装置である。
図2、図3に示すように、造形システム100は、単位層7のモデルの生成等を行うコンピューター20と、三次元造形物1を形成する三次元造形物製造装置(以下、単に「造形装置」ということもある)30とを有している。
以下、造形システム100を構成する各部について詳細に説明する。
[造形装置30]
図2に示すように、造形装置30は、基板31を保持するテーブル(支持体)32と、テーブル移動装置33と、ヘッドユニット341を有するキャリッジ34と、キャリッジ移動装置36と、硬化装置37と、駆動制御部35とを有している。ヘッドユニット341には、インクジェット方式で、インク(液状材料)2の液滴を吐出する液滴吐出ヘッド345(図3参照)が搭載されている。
造形装置30は、ヘッドユニット341と基板31との相対位置を変化させつつ、液滴吐出ヘッド345からインク2の液滴を基板31に向けて吐出し、基板31に付与されたインク2を硬化装置37を用いて硬化させることにより単位層7を形成する装置である。
なお、図2中のY方向は基板31の移動方向を示し、X方向は平面視でY方向とは直交する方向を示している。また、X方向およびY方向によって規定されるXY平面と直交する方向は、Z方向として規定される。
図2に示すように、テーブル移動装置33は、Y方向に延びている基台331と、基台331の上面331a上に、Y方向に延びている一対のガイドレール332aおよびガイドレール332bとを有している。また、テーブル移動装置33は、その内部に内蔵されたテーブル移動モーター335(図3参照)と、テーブル位置検出装置336(図3参照)とを有している。
ガイドレール332aおよびガイドレール332bには、テーブル移動モーター335の駆動軸に伝達機構を介して連結されたテーブル32が配設されている。テーブル移動モーター335が駆動されると、テーブル32は、ガイドレール332aおよびガイドレール332bによって、Y方向に沿って往復移動する。
また、テーブル移動装置33は、テーブル位置検出装置336により、テーブル32の位置を検出する機能を有している。
テーブル32の上面32aには、例えばガラスや石英などで構成された矩形状の描画面31aを有した基板31が載置されている。テーブル32は、上面32aが温度調整可能にテーブル加温機構を有していてもよい。
キャリッジ移動装置36は、基台331を挟んでX方向に互いに対峙する支柱362aおよび支柱362bと、支柱362aおよび支柱362bに支持されたガイド部材361とを有している。また、キャリッジ移動装置36は、その内部に内蔵されたキャリッジ移動モーター365(図3参照)と、テーブル位置検出装置336(図3参照)とを有している。
ガイド部材361には、ガイド部材361が延びている方向(X方向)に沿ってガイドレール363が配設されている。ガイドレール363には、キャリッジ移動モーター365(図3参照)の駆動軸に伝達機構を介して連結されたキャリッジ34が配設されている。
支柱362aは、Z方向に沿って延在しているガイドレール364aを有している。また、支柱362bは、Z方向に沿って延在しているガイドレール364bを有している。ガイドレール364aおよびガイドレール364bには、キャリッジ移動モーター365の駆動軸に伝達機構を介して連結されたガイド部材361が配設されている。
キャリッジ移動モーター365が駆動されると、キャリッジ34は、ガイドレール363によって、X方向に沿って往復移動したり、Z軸に平行な軸の回りに沿って回転移動したりする。また、キャリッジ移動モーター365が駆動されると、ガイド部材361に配設されたキャリッジ34は、ガイドレール364aおよびガイドレール364bによって、Z軸方向に昇降する。
また、キャリッジ移動装置36は、キャリッジ位置検出装置366により、キャリッジ34の位置を検出する機能を有している。
キャリッジ34は、ヘッドユニット341を支持している。
ヘッドユニット341は、インク2の液滴を吐出する複数の液滴吐出ヘッド345(図3参照)と、インク2を収容しておく収容部(図示せず)とを有している。また、インク2を吐出するヘッドユニット341と紫外線を照射するLEDランプ(図示せず)とがキャリッジ34に一体的に設けられていてもよい。
本実施形態では、いわゆるピエゾ駆動方式の液滴吐出ヘッド345が採用されている。
また、前記収容部(図示せず)は、チューブ349を介して、インク2が収容されたタンク348に接続されている。
また、キャリッジ34とテーブル32とが平面視で互いに重畳した状態において、テーブル32とキャリッジ34との間には隙間が保たれている。
硬化装置37は、支柱371によって、Y軸方向に移動可能に支持されている。硬化装置37は、基板31上に付与されたインク2の液滴を硬化させる機能を有している。硬化装置37は、基台331のY方向における一端側に設けられている。
硬化装置37は、支柱371の梁部371aからZ方向の下方に向かって吊り下げられ、平面視で、基台331に重なる位置に設けられている。硬化装置37とテーブル32とが平面視で互いに重畳した状態において、テーブル32と硬化装置37との間には隙間が保たれている。
硬化装置37は、紫外光を発する光源375(図3参照)を有している。光源375としては、例えば、水銀ランプ、メタルハライドランプ、キセノンランプ、エキシマランプ等が採用され得る。
光源375からの紫外光は、硬化装置37から基台331に向かって照射される。このため、テーブル32と硬化装置37とが平面視で互いに重畳した状態において、硬化装置37からの紫外光は、テーブル32に載置された基板31に届き得る。
なお、本実施形態では、硬化装置37には、紫外線を照射する光源375が設けられているが、硬化装置37には、例えば、X線、電子線等の各種エネルギー線を照射するものや、熱を発する熱源等が設けられていてもよい。
図3に示すように、駆動制御部35は、モーター制御部351と、位置検出制御部353と、吐出制御部355と、露光制御部357とを有している。
モーター制御部351は、コンピューター20が有するCPU22からの指令に基づいて、テーブル移動モーター335の駆動と、キャリッジ移動モーター365の駆動とを個別に制御する。
位置検出制御部353は、CPU22からの指令に基づいて、テーブル位置検出装置336と、キャリッジ位置検出装置366とを個別に制御する。
吐出制御部355は、CPU22からの指令に基づいて、液滴吐出ヘッド345の駆動を制御する。
露光制御部357は、CPU22からの指令に基づいて、光源375の発光状態を制御する。
[コンピューター20]
図2、図3に示すように、コンピューター20は、造形装置30の各部の動作を制御する制御部21と、受信部24と、画像生成部25とを有している。
制御部21は、CPU(Central Processing Unit)22と、記憶部23とを有している。
CPU22は、プロセッサーとして各種の演算処理を行い、制御プログラム231を実行する。
記憶部23は、ROM(Read Only Memory)や、RAM(Randam Access Memory)等を有している。記憶部23には、造形装置30における動作の制御手順が記述された制御プログラム231を記憶する領域や、各種のデータを一時的に展開する領域であるデータ展開部232などが設定されている。記憶部23は、データバス29を介してCPU22に接続されている。
また、制御部21には、データバス29を介して、画像生成部25および受信部24が接続されている。また、制御部21には、入出力インターフェース28とデータバス29とを介して造形装置30の駆動制御部35が接続されている。
画像生成部25は、三次元造形物1のモデル等を製造する機能を有している。画像生成部25は、三次元CAD(computer−aided design)等の三次元物体を生成するソフト等で構成されている。
画像生成部25は、三次元造形物1のモデルを生成する三次元造形物モデル1x(図5参照)を生成する機能や、STL(Standard Triangukated Language)等の三次元造形物モデル1xの外表面15x(図5参照)等を三角形や四角形といった多角形等の二次元モデルで表現する機能等を有している。
また、画像生成部25は、三次元造形物モデル1xを層状に切断して単位層モデル7x(図5参照)を生成する機能等も有している。
画像生成部25で生成された各種データは、記憶部23にて保存される。各種データは、入出力インターフェース28とデータバス29とを介して造形装置30の駆動制御部35に伝達される。伝達された各種データに基づいて、造形装置30が駆動することとなる。
受信部24は、例えばUSB(Universal Serial BUS)ポート、LANポート等を備えている。受信部24は、スキャナ等の外部デバイス(図示せず)等から、三次元造形物モデル1xを生成するための原物体の画像ファイル等を受信する機能を有している。
また、図2に示すように、コンピューター20には、モニター(表示装置)26や、キーボード(入力装置)27が接続されている。モニター26およびキーボード27は、それぞれ、入出力インターフェース28とデータバス29を介して制御部21に接続されている(図3参照)。
モニター26は、画像表示領域261に、受信部24で取得した画像ファイル等を表示する機能を有している。モニター26を備えることにより、作業者は、画像ファイル等を視覚的に把握することができる。
なお、入力装置としては、キーボード27に限らず、マウス、トラックボール、タッチパネル等であってもよい。
上記のような構成の造形システム100を用いることにより、所望の形状の三次元造形物1を効率よく形成することができる。なお、前述した造形システム100は、一例であり、他の構成の装置(システム)を用いてもよいことは、言うまでもない。
次に、本発明の三次元造形物の製造方法について説明する。
≪三次元造形物の製造方法≫
図4は、三次元造形物の製造方法の、全体の手順を示すフローチャートである。図5は、単位層データ生成工程の手順を示すフローチャートである。図6は、造形工程の手順を示すフローチャートである。図7は、インク付与処理と硬化処理を示す図である。図8は、単位層の平面視形状を示す図である。図9は、三次元造形物の断面図(拡大詳細図)である。図10は、後工程を経て得られた三次元造形物を示す模式図である。図11、図12は、三次元造形物の他の一例を示す拡大詳細図である。
図4に示すように、三次元造形物1の製造方法は、単位層データ生成工程S1と、造形工程S2と、後工程S3とを有している。
単位層データ生成工程S1では、三次元造形物モデル(三次元造形物1のモデル)1xを生成し、三次元造形物モデル1xを基に、単位層データを生成する(図5参照)。
造形工程S2では、単位層データに基づいて、単位層7を順次形成しつつ、単位層7を順次積層することによって三次元造形物1を形成する。
後工程S3では、得られた三次元造形物1の外表面15の一部、すなわち被覆層5の一部を除去する加工を行う。
なお、三次元造形物を形成するのに先立って、作業者は、三次元造形物1の原物体を用意し、原物体の画像ファイル等を取得しておく。この画像ファイルとしては、例えば、原物体を、二次元または三次元スキャナ等で読み込むことにより得られた画像ファイルや、写真、スケッチ等、いかなるものであってもよい。
以下、三次元造形物1の製造方法について詳細に説明する。
まず、記憶部23に記憶された制御プログラム231に従って、CPU22からの指示により三次元造形物1を製造する処理が開始される。
次に、処理は、単位層データ生成工程S1に移行する。
[単位層データ生成工程S1]
図5は、単位層データ生成工程S1の手順を示すフローチャートである。
本工程では、まず、ステップS11において、前述したコンピューター20の受信部24により原物体の画像ファイルを受信する。受信した画像ファイルは、モニター26の画像表示領域261に表示される。
次に、ステップS12において、受信した画像ファイルを基に、画像生成部25により、コア部モデル41xと外周部モデル42xとを有する実像部モデル4x(立体物のデータ)が生成される(図5(A)参照)。このとき、画像生成部25により、コア部モデル41xおよび外周部モデル42xの、それぞれの色(色相、彩度、明度)、形状、寸法等が設定される。
次に、ステップS13において、画像生成部25により、実像部モデル4xを覆う被覆層モデル5x(立体物のデータ)が生成される。これにより、三次元造形物モデル1xが生成される(図5(B)参照)。このとき、画像生成部25により、被覆層モデル5xの、色(色相、彩度、明度)、形状、寸法等が設定される。
ここで、本実施形態の三次元造形物1は、前述したように、後工程において、被覆層5の一部を除去する加工を行う。したがって、被覆層モデル5xを生成する際には、後工程S3において被覆層5を除去する厚さ分、余計に厚く被覆層モデル5xが生成される。
次に、ステップS14において、画像生成部25により、コア部モデル41xの外表面44x、外周部モデル42xの外表面45x、および被覆層モデル5xの外表面15xが二次元モデルで表現される。
二次元モデルは、一般的に用いられる方法により得たものであればいかなるものであってもよい。本実施形態では、STL形式により、各外表面44x、45x、15xが多数個の三角形の二次元モデルで表現される。
次に、ステップS15において、画像生成部25により、三次元造形物モデル1xの積層方向が決定される。次いで、画像生成部25により、図5(C)に示すように、三次元造形物モデル1xを、積層方向(Z軸方向)に厚さtでX−Y平面に対して水平に分割する。これにより、厚さtの単位層モデル7xがn個生成される。
次いで、ステップS16において、画像生成部25により、各単位層モデル7xの厚さtと、三次元造形物モデル1xの色等を基に、各単位層モデル7xの各単位層データが生成される。単位層モデル7xがn個ある場合には、単位層データは、n個生成される。このステップS16において、付与されるインク2の液滴の大きさ、数量、色等、位置、材質等の情報としての単位層データが得られる。
全単位層データ(1、2、・・・、n−1、n個)は、記憶部23に一時記憶される。この全単位層データは、後述する造形工程S2で必要になる度に参照される。
そして、得られた単位層データ等は、コンピューター20の出力部(図示せず)から、造形装置30の駆動制御部35に出力される。
上記のようなステップ(S11〜S16)を経て、単位層データ生成工程S1は終了する。
なお、上述した単位層データ生成工程S1では、必ずしも全てのステップ(S11〜S16)が実行されていなくてもよい。例えば、予め用意された単位層データ等を受信部24から読み込んでもよく、その場合には、単位層データ生成工程S1を省略してもよい。
上記のような単位層データ生成工程S1が終了した後、処理は、造形工程S2に移行する(図4参照)。
[造形工程S2]
図6は、造形工程の手順を示すフローチャートである。
図6に示すように、造形工程S2は、インク付与処理(ステップS21)と、硬化処理(ステップS22)とを有している。
なお、以下の説明において、実像部4に相当する領域、すなわち実像部4を形成する予定の領域を第1の領域という。また、被覆層5に相当する領域、すなわち被覆層5を形成する予定の領域を第2の領域という。また、コア部41に相当する領域、すなわちコア部41を形成する予定の領域を内側領域といい、外周部42に相当する領域、すなわち外周部42を形成する予定の領域を外側領域という。
以下、各処理について順に説明する。
まず、駆動制御部35が、入出力インターフェース28およびデータバス29を介して単位層データを取得する。
(インク付与処理)
次に、ステップS21において、インク2を目的の部位に付与していく。
ステップS21では、まず、CPU22の指令に基づいて、モーター制御部351により、テーブル移動装置33およびキャリッジ移動装置36を駆動させ、テーブル32とキャリッジ34とを吐出開始地点に位置させておく。このとき、テーブル32とヘッドユニット341とが平面視で互いに重畳した状態に位置することとなる。
次いで、CPU22からのインク2の吐出を開始するインク吐出指令が出力される。
吐出制御部355は、CPU22からの指令により、液滴吐出ヘッド345を駆動させる。液滴吐出ヘッド345は、1層分の単位層データに基づいて、液滴吐出ヘッド345が有するノズル(図示せず)からインク2の液滴を基板31の描画面31aに向けて吐出する。また、モーター制御部351は、キャリッジ移動装置36の駆動を制御して、キャリッジ34のX方向の往復移動を開始させる。また、モーター制御部351は、テーブル移動装置33の駆動を制御して、テーブル32のY方向の移動を開始させる。
テーブル32をY方向に移動させつつ、キャリッジ34をX方向に往復移動させることにより、ヘッドユニット341とテーブル32との相対位置を変化させつつ、液滴吐出ヘッド345からインク2の液滴を基板31に向けて吐出していく。これにより、目的の部位にインク2が付与される(着弾する)。なお、必要に応じてキャリッジ34をZ軸に平行な軸の回りに沿って回転移動させてもよい。
そして、1層分の単位層データが処理され、一層分の単位層7に相当する分のインク2の吐出が全て完了したら、CPU22からの指令に基づき、吐出制御部355は、液滴吐出ヘッド345の駆動を停止させる。また、モーター制御部351は、キャリッジ移動装置36およびテーブル移動装置33の駆動を制御して、キャリッジ34およびテーブル32の移動を停止させる。これにより、図7(a)に示すような、一層分の未硬化な単位層7に相当する塗布層75が得られる。
また、インク付与処理(ステップS21)では、インクジェット法によりインク2を付与しているため、インク2の付与パターンが微細な形状のものであっても再現性よくインク2を付与することができる。
(硬化処理)
次に、インク付与処理(ステップS21)が終了すると、塗布層75を硬化させる硬化処理(ステップS22)に移る。
ステップS22では、まず、CPU22の指令に基づき、モーター制御部351により、テーブル移動装置33を駆動させ、テーブル32をY軸方向に沿って移動させる。このとき、テーブル32上の基板31と硬化装置37とが平面視で互いに重畳した状態となるように、テーブル32を移動させる。
次いで、CPU22から露光指令が出力される。
露光制御部357は、CPU22からの指令により、硬化装置37の光源375への電力供給を行う。光源375は、基板31の描画面31a上の塗布層75に対して紫外線を照射する。紫外線を照射することにより、塗布層75を乾燥、硬化させる。露光制御部357は、制御プログラム231に基づき、所定の照射時間が経過すると、光源375への電力の供給を遮断する。これにより、図7(b)に示すような、単位層7が得られる。なお、得られた単位層7は、完全硬化の状態でも半硬化の状態であってもよい。
また、本実施形態では、紫外線を照射することにより塗布層75を硬化させて単位層7を形成しているが、例えば、赤外線、X線、電子線等の各種エネルギー線等を照射ことにより単位層7を形成してもよい。
次に、図6に示すように、硬化処理(ステップS22)により単位層7を造形した後、全ての単位層データを処理したか否かを判断する(ステップS23)。このとき、全ての単位層データ、すなわち総数n個の単位層データが処理された(ステップS23:Yes)と判断された場合には、造形工程S2は終了する。
一方、未だ全単位層7を形成しておらず単位層データが残っている、すなわち処理された単位層データが総数n個に到達していない(ステップS23:No)と判断された場合には、単位層データを1つインクリメントし、前述したインク付与処理(ステップS21)に戻る。そして、全ての単位層データが処理された(ステップS23:Yes)と判断されるまで、インク付与処理(ステップS21)と、硬化処理(ステップS22)とを繰り返す。インク付与処理(ステップS21)と、硬化処理(ステップS22)を繰り返すことで、各単位層データに対応する単位層7を順次形成しつつ、各単位層7を積層していく。
ここで、2層目の単位層7を形成する際には、第1層目の単位層7に対して位置合わせし、その位置合わせをした状態で、第1層目の単位層7の上にインク2の液滴を付与する。これにより、図7(c)に示すように、第1層目の単位層7の上に、第2層目の塗布層75が形成されることとなる。そして、第2層目の塗布層75を硬化することで、図7(d)に示すように、第1層目の単位層7の上に第2層目の単位層7が形成される。このように、2層目以降の単位層7(2、3、・・・、n−1、n)を形成する際には、当該単位層7(2、3、・・・、n−1、n)は、先に形成された単位層7の上に形成される。
また、2層目以降の単位層7を形成するときには、インク付与処理(ステップS21)において、インクを吐出する前に、キャリッジ移動装置36により、キャリッジ34を、単位層7の厚さtに相当する分だけ上昇させておく。これにより、付与されたインク2の液滴の大きさを、各塗布層75ごと揃えることができ、よって、寸法精度に優れた三次元造形物1を形成することができる。
上記のような造形工程S2を経て、図1(a)に示すような、実像部4と、被覆層5とを備えた三次元造形物1を得ることできる。また、本実施形態では、後述する後工程において除去する厚さ分余計に厚く形成された被覆層5が得られる。
また、造形工程S2では、付与するインク2の種類によって、図8(a)〜図8(c)に示すような3種類の単位層7、すなわち、第1の単位層7A、第2の単位層7B、および第3の単位層7Cが形成される。
図8(a)は、被覆層形成用インクのみを用いて形成された第1の単位層7Aの平面視形状を示している。このような第1の単位層7Aを形成する場合には、まず、第2の領域内に被覆層形成用インクを付与し、塗布層75を形成する。そして、塗布層75に紫外線を照射して塗布層75を硬化させる。これにより、図8(a)に示すような、被覆層5の一部5aに相当する第1の単位層7Aが形成される。本実施形態では、少なくとも1層目およびn層目が、図8(a)に示すような第1の単位層7Aで構成されている。
図8(b)は、外周部形成用インクと被覆層形成用インクとを用いて形成された第2の単位層7Bの平面視形状を示している。このような第2の単位層7Bを形成する場合には、まず、第1の領域の外側領域内に外周部形成用インクを、第2の領域内に被覆層形成用インクを付与し、塗布層75を形成する。そして、塗布層75に紫外線を照射して塗布層75を硬化させる。これにより、図8(b)に示すような、外周部42の一部42aと、被覆層5の一部5aとに相当する第2の単位層7Bが形成される。本実施形態では、第1の単位層7Aよりも1層分、三次元造形物1の中心部側を構成している層が、図8(b)に示すような第2の単位層7Bである。
図8(c)は、コア部形成用インクと外周部形成用インクと被覆層形成用インクとを用いて形成された第3の単位層7Cの平面視形状を示している。このような第3の単位層7Cを形成する場合には、まず、第1の領域の内側領域内にコア部形成用インクを、第1の領域の外側領域内に外周部形成用インクを、第2の領域内に被覆層形成用インクを付与し、塗布層75を形成する。そして、塗布層75に紫外線を照射して塗布層75を硬化させる。これにより、図8(c)に示すような、コア部41の一部41aと、外周部42の一部42aと、被覆層5の一部5aとに相当する第3の単位層7Cが形成される。本実施形態では、三次元造形物1の中心部付近を構成する層が、図8(c)に示すような第3の単位層7Cである。
また、図9に、三次元造形物1の断面図(拡大詳細図)を示す。具体的には、図9は、第3の単位層7Cの平面視における拡大図を示している。なお、図9中二点鎖線は、ディッピングにより得られた被覆層5’の外表面を示している。
図9に示すように、実像部4は、その角部46および側面部47ともに被覆層5によって保護されている。また、角部46の被覆層5の膜厚a3は、側面部47の膜厚a4よりも厚くなっている。このような被覆層5を設けることにより、側面部47に比べて衝撃や摩擦に弱く破損しやすい角部46を、より確実に保護することができる。したがって、三次元造形物1全体としての耐擦性や耐衝撃性をさらに向上させることができる。
このように、前述した造形工程S2によれば、角部46のような衝撃や摩擦に比較的弱い箇所に対して、他の部分(側面部47)よりも膜厚の厚い被覆層5を形成することができる。また、前述したような造形工程S2によれば、本実施形態のような形状の被覆層5に限らず、設計により被覆層形成用インクを付与する箇所や量を調整することで、所望の箇所に所望の厚さの被覆層5をより確実かつ容易に形成することができる。
これに対して、ディッピングにより得られた被覆層5’は、角部46における膜厚b3が、側面部47における膜厚b4よりも薄くなっている。このように、ディッピングにより被覆層5’を設けようとすると、一般的に角部46にはディップ液が溜まりにくいために、角部46の被覆層5’の膜厚b3が、側面部47の被覆層5の膜厚b4よりも薄くなってしまう傾向がある。そして、得られた被覆層5は、角部46の被覆層5の膜厚b3が側面部47の被覆層5の膜厚b4よりも薄いために、摩擦や衝撃等から角部46を十分に保護することができない。
また、前述したような造形工程S2によれば、実像部4と被覆層5とをほぼ同時に形成していくため、実像部4(コア部41および外周部42)と被覆層5との密着性に特に優れている。したがって、例えばディッピング等により、実像部4を造形した後に外周部42を造形したものに比べ、実像部4および被覆層5の密着性を向上させることができる。このため、摩擦や衝撃等により、実像部4と被覆層5との界面剥離が特に生じ難く、耐衝撃性、耐摩擦性に優れた三次元造形物1を得ることができる。
また、このような造形方法により得られた三次元造形物1は、各単位層7同士の密着性にも特に優れており、各単位層7同士の界面剥離も特に生じ難い。
また、このような造形方法によれば、実像部4と被覆層5とを同時に造形していくことができ、三次元造形物1の生産性を向上させることができる。
また、得られた各単位層7の厚さは、特に限定されないが、30μm以上500μm以下であるのが好ましく、70μm以上150μm以下であるのがより好ましい。これにより、三次元造形物1の生産性を十分に優れたものとしつつ、三次元造形物1における不本意な凹凸の発生等をより効果的に防止し、三次元造形物1の寸法精度を特に優れたものとすることができる。
上記のような造形工程S2が終了した後、処理は、後工程S3に移行する(図4参照)。
[後工程S3]
図10は、後工程を経て得られた三次元造形物を示す模式図である。なお、図10中[X]は、外表面15の一部を拡大した図である。
本工程(後工程S3)では、取り出した三次元造形物1の外表面15に対して粗面加工を施し、被覆層5の一部を除去する。これにより、三次元造形物1の外表面15を粗面化することができる(図10参照)。
また、粗面加工は、ショットブラスト、サンドブラスト等のブラスト処理、サンディング等を用いた研磨処理、エッチング処理等、いかなる処理による加工であってもよい。
また、前述したように、造形工程S2では、除去する厚さ分余計に厚く被覆層5が形成されている。このため、本工程(後工程S3)において、被覆層5の一部を除去する際に、実像部4が不本意に露出していしてしまうことを防止することができる。
また、前述したように、造形工程S2を経て得られた三次元造形物1は、実像部4の角部46における被覆層5の膜厚a3が、側面部47の被覆層5の膜厚a4よりも厚く形成されており、被覆層5によって、角部46がより確実に保護されている。このため、本工程(後工程S3)において、被覆層5の一部を除去する際に、角部46が不本意に露出してしまうことをより確実に防止することができる。
また、前述したように、造形工程S2を経て得られた三次元造形物1は、被覆層5と実像部4との密着性が良好で、実像部4と被覆層5との界面剥離が特に生じ難く、耐衝撃性、耐摩擦性に優れている。そのため、本工程において、三次元造形物1に対して粗面加工を施しても、被覆層5が実像部4から剥離したり、被覆層5に亀裂が発生するという欠陥が特に生じ難い。それゆえに、造形工程S2を経て得られた三次元造形物1によれば、特に容易かつ確実に被覆層5の一部を除去することができる。
なお、本実施形態では、本工程(後工程S3)において、粗面加工を施したが、本工程にて施す処理は、これに限定されない。例えば、外表面15に鏡面加工を施してもよい。また、三次元造形物1の角部46に対して、機械加工(研削、研磨、切削等)や化学処理等により丸み付けや面取りを施してもよい。また、三次元造形物1に他部材を付着する付着加工や、圧力等をかけて三次元造形物1を変形させる変形加工を施してもよい。
以上のような後工程S3を経て、三次元造形物1の製造する処理は終了する(図4参照)。
以上説明したように、本実施形態の三次元造形物1の製造方法によれば、実像部4の保護層として機能する被覆層5を容易かつ確実に得ることができ、耐擦性や耐久性に特に優れた三次元造形物1を得ることができる。
また、図11、図12に、本実施形態の三次元造形物の製造方法により得られた三次元造形物1の他の一例の拡大詳細図を示す。
前述したように、本実施形態の三次元造形物の製造方法によれば、被覆層形成用インクを付与する箇所や量を調整することができ、所望の箇所に所望の厚さの被覆層5をより確実かつ容易に形成することができる。このため、本実施形態の三次元造形物の製造方法によれば、実像部4の表面形状や色彩等の条件に応じて、所望の寸法の被覆層5を容易に形成することが可能である。
例えば、図11に示すように、被覆層5は、膜厚が厚い部分52と、膜厚が薄い部分53とを有していてもよい。このように、被覆層5の厚さを部分的に変更することにより、三次元造形物1の質感(例えばマット調やグロス調)等を容易に変更することができる。また、例えば、実像部4が部分的に異なる色を有する場合に、実像部4の色に合わせて被覆層5の膜厚を部分的に変更することで、外表面15の立体感を容易に表現することができる。
また、例えば、図12に示すように、実像部4の表面形状が凹凸を有するものである場合、被覆層5の形状を、実像部4の凹凸形状に合わせた形状にすることも可能である。すなわち、凸部48の被覆層5の膜厚a1と、凹部49の被覆層5の膜厚a2とをほぼ同じに設定することができる。
このように、本実施形態の三次元造形物1の製造方法によれば、設計により(付与する被覆層形成用インクのパターンにより)、被覆層5の膜厚を、いかようにも調整することができる。そのため、衝撃や摩擦等に対する耐久性に優れた三次元造形物1を容易に得ることができる。
これに対して、ディッピングにより被覆層5’を設けようとすると、凹部49に液溜まりが生じ、凹部49の被覆層5’の膜厚b2が、凸部48の被覆層5の膜厚b1の膜厚よりも厚くなってしまう傾向がある。このように、ディッピングにより被覆層5’を設ける方法では、被覆層5’の膜厚を均一にすることが難しい。また、ディッピングにより被覆層5’を設ける方法は、実像部4の表面形状に依存するため、所望の箇所に、所望の膜厚の被覆層5’を設けることも難しい。そのため、ディッピングにより被覆層5’を設ける方法では、十分優れた耐擦性や耐衝撃性を得ることが難しい。
また、本実施形態の三次元造形物の製造方法によれば、被覆層5に限らず、設計により、所望の箇所に所望の厚さの実像部4(コア部41および外周部42)をより確実かつ容易に形成することもできる。また、被覆層5と同様に、実像部4(コア部41および外周部42)の膜厚についても、いかようにも調整することができる。
また、従来は、図11や図12に示すような複雑な表面形状の三次元造形物1に対して後加工を施すと、被覆層5と実像部4とが剥離してしまうという問題が生じやすかった。これに対して、本実施形態の三次元造形物1の製造方法によれば、前述したように、被覆層5と実像部4との密着性が良好なため、表面形状が複雑な三次元造形物1であっても、粗面加工等の後加工を施すことが容易である。
以上説明したように、本実施形態の三次元造形物の造形方法によれば、衝撃や摩擦等に対する耐久性に優れた三次元造形物1を得ることができる。
≪インク≫
以下、インク2について詳述する。
以下、被覆層形成用インク、外周部形成用インク、コア部形成用インクの順に説明する。
[被覆層形成用インク]
被覆層形成用インクは、前述したように、透明なインクである。
被覆層形成用インクは、硬化性樹脂を含む材料で構成されており、さらに、必要に応じて、無機ナノ粒子、界面活性剤、紫外線吸収剤、溶剤等の成分が含まれていてもよい。
(硬化性樹脂)
硬化性樹脂としては、例えば、熱硬化性樹脂;可視光領域の光により硬化する可視光硬化性樹脂(狭義の光硬化性樹脂)、紫外線硬化性樹脂、赤外線硬化性樹脂等の各種光硬化性樹脂;X線硬化性樹脂等が挙げられ、これらから選択される1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。これらの中でも特に、被覆層形成用インクの保存安定性等の観点から、紫外線硬化性樹脂であるのが好ましい。また、紫外線硬化性樹脂を用いることにより、単位層7を比較的に短時間で形成することができ、三次元造形物1の生産性をより高めることができる。なお、本実施形態では、被覆層形成インクは、紫外線硬化性樹脂を含んでいる。
紫外線硬化性樹脂(重合性化合物)としては、紫外線照射により、光重合開始剤から生じるラジカル種またはカチオン種等により、付加重合または開環重合が開始され、重合体を生じるものが好ましく使用される。付加重合の重合様式として、ラジカル、カチオン、アニオン、メタセシス、配位重合が挙げられる。また、開環重合の重合様式として、カチオン、アニオン、ラジカル、メタセシス、配位重合が挙げられる。
ラジカル種を活性種とする重合反応によって硬化するラジカル重合型の紫外線硬化性樹脂としては、例えば、アクリル系樹脂、不飽和ポリエステル系樹脂等が挙げられる。
アクリル系樹脂としては、例えば、エステル(メタ)アクリレート系樹脂、エポキシ(メタ)アクリレート系樹脂、およびウレタン(メタ)アクリレート系樹脂等が挙げられる。
カチオン種を活性種とする重合反応によって硬化するラジカル重合型の紫外線硬化性樹脂としては、例えば、エポキシ系樹脂、オキセタン系樹脂、ビニルエーテル系樹脂、およびシリコーン系樹脂が挙げられる。
シリコーン系樹脂としては、アクリルシリコーン系樹脂、ポリエステルシリコーン樹脂、エポキシシリコーン樹脂、およびメルカプトシリコーン樹脂等が挙げられる。
これらの中でも特に、紫外線硬化性樹脂としては、アクリル系樹脂を用いることが好ましく、ウレタン(メタ)アクリレートおよびエポキシ(メタ)アクリレートのうちの少なくとも1種を含むことがより好ましい。これにより、形成された被覆層5は、高い透明性を有するとともに、適度な硬度を有する。そのため、アクリル系樹脂を含む被覆層形成用インクを用いれば、実像部4の視認性を阻害することなく、摩擦や衝撃等により実像部4が破損等することをより効果的に防ぐことが可能な被覆層5を形成することができる。特に、ウレタン(メタ)アクリレートおよびエポキシ(メタ)アクリレートのうちの少なくとも1種であると、上述した効果が優れたものとなる。
また、被覆層形成用インク中における硬化性樹脂の含有率は、80質量%以上であるのが好ましく、85質量%以上であるのがより好ましい。これにより、最終的に得られるコア部41の機械的強度を特に優れたものとすることができ、よって、三次元造形物1の機械的強度をより高めることができる。
(無機ナノ粒子)
被覆層形成用インクは、無機ナノ粒子を含んでいるものが好ましい。
本明細書において、無機ナノ粒子とは、無機材料で構成されたものであり、平均粒径が1nm以上100nm以下の粒子のことをいう。
なお、本発明において、平均粒径とは、体積基準の平均粒径を言い、例えば、サンプルをメタノールに添加し、超音波分散器で3分間分散した分散液をコールターカウンター法粒度分布測定器(COULTER ELECTRONICS INS製TA−II型)にて、50μmのアパチャーを用いて測定することにより求めることができる。
無機ナノ粒子は、一般的に有機ナノ粒子に比べて硬く、破損しにくい。したがって、被覆層形成用インクが無機ナノ粒子を含むことで、被覆層5の硬度をより高くすることができる。その結果、三次元造形物1の耐衝撃性や、耐擦傷性をより高めることができる。
無機ナノ粒子としては、金属や金属化合物で構成された粒子であることが好ましい。これにより、形成された被覆層5の硬度を適度なものとすることができる。
金属としては、特に限定されず、例えば、金、銀、銅、白金、パラジウム、ニッケル、コバルト、鉄、マンガン、チタン、ジルコニウム、タングステン、モリブデン、クロム、亜鉛、およびアルミニウム等が挙げられる。
金属化合物としては、例えば、シリカ、アルミナ、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化ジルコン、酸化錫、酸化マグネシウム、チタン酸カリウム等の各種金属酸化物;水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化カルシウム等の各種金属水酸化物;窒化珪素、窒化チタン、窒化アルミ等の各種金属窒化物;炭化珪素、炭化チタン等の各種金属炭化物;硫化亜鉛等の各種金属硫化物;炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム等の各種金属の炭酸塩;硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム等の各種金属の硫酸塩;ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム等の各種金属のケイ酸塩;リン酸カルシウム等の各種金属のリン酸塩;ホウ酸アルミニウム、ホウ酸マグネシウム等の各種金属のホウ酸塩や、これらの複合化物等が挙げられる。
無機ナノ粒子としては、上記の金属および金属化合物のなかでも、金属酸化物であることが好ましく、酸化ケイ素、および酸化アルミニウムのうちの少なくとも1種を含むものであるのがより好ましい。これにより、被覆層5の硬度をより適度なものとすることができ、三次元造形物1の耐衝撃性や、耐擦傷性をさらに高めることができる。
また、前述したように、無機ナノ粒子の形状は、特に限定されず、球状、楕円球状、直方体や長方体などの四方体状などの粉粒状;円柱状、円盤状、楕円盤状、鱗片状などの多角板状;針状等がいかなるものであってもよいが、特に、球状であることが好ましい。これにより、被覆層形成用インク中における無機ナノ粒子の分散性を特に高めることができ、三次元造形物1全体として、摩擦や衝撃等による耐久性に特に優れたものとなる。
また、前述したように、無機ナノ粒子の平均粒径は、1nm以上100nm以下であればよいが、特に、5nm以上50nm以下であることが好ましく、10nm以上30nm以下であることがより好ましい。これにより、適度な硬化性を有する被覆層5を形成することができ、摩擦や衝撃等による耐久性に特に優れた三次元造形物1を得ることができる。
また、被覆層形成用インク中に無機ナノ粒子を含む場合には、被覆層形成用インク中における無機ナノ粒子の含有率は、5質量%以上30質量%以下であるのが好ましく、15質量%以上25質量%以下であるのがより好ましい。これにより、三次元造形物1の耐擦性および耐衝撃性を特に高めることができる。
(界面活性剤)
また、被覆層形成用インクは、界面活性剤を含んでいるものが好ましい。
被覆層形成用インクが界面活性剤を含むものであることで、被覆層形成用インクの表面張力を適度なものとすることができ、被覆層形成用インクの濡れ性を適度なものとすることができる。そのため、被覆層5と実像部4との密着性に特に優れた三次元造形物1を得ることができ、摩擦や衝撃等により、被覆層5と実像部4との界面剥離が生じることがより確実に防止された三次元造形物1を得ることができる。それゆえ、被覆層形成用インクが界面活性剤を含むものであると、耐擦性、耐衝撃性に特に優れた三次元造形物1を得ることができる。
また、各単位層7同士の密着性にも特に優れた三次元造形物1を得ることができ、各単位層7同士の界面で界面剥離が生じることを、より確実に防止することができる。
界面活性剤としては、特に限定されないが、例えば、シリコーン系界面活性剤、ポリオキシエチレン系界面活性剤、およびアセチレンジオール等が挙げられ、これらのうち1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。これらの中でも特に、シリコーン系界面活性剤であるのが好ましい。これにより、耐擦性、耐衝撃性に特に優れた三次元造形物1を得ることができる。また、シリコーン系界面活性剤を含むことにより、被覆層5の外表面15を特に滑らかにすることができる。そのため、耐擦性に特に優れるとともに、外表面15の平滑性に特に優れた三次元造形物1を得ることができる。
シリコーン系界面活性剤としては、例えば、ポリエステル変性シリコーン、アクリル末端ポリエステル変性シリコーン、ポリエーテル変性シリコーン、アクリル末端ポリエーテル変性シリコーン、ポリグリセリン変性シリコーン、アミノプロピル変性シリコーン等を用いることができる。シリコーン系界面活性剤としては、中でも、ポリエーテル変性ポリジメチルシロキサンまたはポリエステル変性ポリジメチルシロキサンを用いるのが好ましい。これにより、耐擦性にさらに優れるとともに、外表面15の平滑性をさらに向上させることができる。
(紫外線吸収剤)
被覆層形成用インクは、硬化性樹脂として紫外線硬化性樹脂を用いる場合には、紫外線吸収剤を含むことが好ましい。これにより、被覆層形成用インク、および被覆層形成用インクを用いて形成された被覆層5の耐候性(耐光性)を向上させることができる。
紫外線吸収剤としては、例えば、ベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系、サリシレート系、アボベンゾン系、ヒンダートアミン系、ベンゾイルメタン系、オキシベンゾン系、酸化セリウム、酸化亜鉛、および酸化チタンから選択される1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
(溶剤)
被覆層形成用インクは、溶剤を含むものであってもよい。これにより、被覆層形成用インクの粘度調整を好適に行うことできる。
溶剤としては、例えば、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル等の(ポリ)アルキレングリコールモノアルキルエーテル類;酢酸エチル、酢酸n−プロピル、酢酸iso−プロピル、酢酸n−ブチル、酢酸iso−ブチル等の酢酸エステル類;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;メチルエチルケトン、アセトン、メチルイソブチルケトン、エチル−n−ブチルケトン、ジイソプロピルケトン、アセチルアセトン等のケトン類;エタノール、プロパノール、ブタノール等のアルコール類等が挙げられ、これらから選択される1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
(その他の成分)
また、被覆層形成用インクは、前述した材料以外の成分を含むものであってもよい。このような成分としては、例えば、分散剤;界面活性剤;重合開始剤;重合促進剤;浸透促進剤;湿潤剤(保湿剤);定着剤;防黴剤;防腐剤;酸化防止剤;キレート剤;pH調整剤;増粘剤;フィラー;凝集防止剤;消泡剤等が挙げられる。
また、被覆層形成用インクの粘度は、10mPa・s以上25mPa・s以下であるのが好ましく、15mPa・s以上20mPa・s以下であるのがより好ましい。これにより、インクジェット法により被覆層形成用インクを吐出する場合に、被覆層形成用インクの吐出安定性を特に優れたものとすることができる。なお、本明細書中において、粘度とは、E型粘度計(東京計器社製 VISCONIC ELD)を用いて25℃において測定される値をいう。
なお、1つの三次元造形物1を形成するにあたり、使用する被覆層形成用インクは、1種類に限定されず、含有する成分の種類が異なる2種以上の被覆層形成用インクを用いてもよい。例えば、硬化性樹脂の種類が異なる2種以上の被覆層形成用インクを用いてもよい。2種以上の被覆層形成用インクを用いることで、その被覆層形成用インクの組み合わせにより、1つの三次元造形物1内で異なったテクスチャ(質感、手触り等)を表現することができる。
[外周部形成用インク]
次に、外周部形成用インクについて詳細に説明する。
外周部形成用インクは、硬化性樹脂および着色剤を含む材料で構成されており、さらに、必要に応じて、界面活性剤、紫外線吸収剤、溶剤等の成分が含まれていてもよい。
外周部形成用インクの構成成分としては、被覆層形成用インクで述べた成分を用いることができる。
また、外周部形成用インクは、被覆層形成用インクと、異なる構成成分を含む材料で構成されていてもよいし、同一または同種の構成成分を含む材料で構成されていてもよい。
また、外周部形成用インクとして、被覆層形成用インクにて述べた好ましい材料を用いることにより、被覆層形成用インクで述べたことと同等の効果が得られる。
特に、外周部形成用インクに含まれる硬化性樹脂は、被覆層形成用インクに含まれる硬化性樹脂と同一のものであるのが好ましい。これにより、外周部42と被覆層5との密着性にさらに優れた三次元造形物1を得ることができる。このため、被覆層5と外周部42との界面で生じる界面剥離を特に効果的に防止することができる。それゆえ、摩擦や衝撃等に対する耐久性に特に優れた三次元造形物1を得ることができる。
(着色剤)
また、外周部形成用インクは、前述したように、着色剤を含んでいる。これにより、所望の色の外周部42をより容易に得ることができる。
着色剤としては、顔料や染料等が挙げられる。特に、着色剤としては、顔料を含むことが好ましい。これにより、外周部42の耐候性(耐光性)を良好なものとすることができる。
また、顔料としては、無機顔料および有機顔料のいずれも使用することができる。
無機顔料としては、例えば、ファーネスブラック、ランプブラック、アセチレンブラック、チャネルブラック等のカーボンブラック(C.I.ピグメントブラック7)類、酸化鉄、酸化チタン等が挙げられ、これらから選択される1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
前記無機顔料の中でも、好ましい白色を呈するためには、酸化チタンが好ましい。
有機顔料としては、例えば、不溶性アゾ顔料、縮合アゾ顔料、アゾレーキ、キレートアゾ顔料等のアゾ顔料、フタロシアニン顔料、ペリレンおよびペリノン顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、ジオキサン顔料、チオインジゴ顔料、イソインドリノン顔料、キノフタロン顔料等の多環式顔料、染料キレート(例えば、塩基性染料型キレート、酸性染料型キレート等)、染色レーキ(塩基性染料型レーキ、酸性染料型レーキ)、ニトロ顔料、ニトロソ顔料、アニリンブラック、昼光蛍光顔料等が挙げられ、これらから選択される1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
外周部形成用インクが顔料を含むものである場合、当該顔料の平均粒径は、300nm以下であるのが好ましく、50nm以上250nm以下であるのがより好ましい。これにより、外周部形成用インク中における顔料の分散安定性を特に優れたものとすることができる。また、発色性に優れた外周部42を得ることができる。
また、染料としては、例えば、酸性染料、直接染料、反応性染料、および塩基性染料等が挙げられ、これらから選択される1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
また、外周部形成用インク中における着色剤の含有率は、1質量%以上20質量%以下であるのが好ましい。これにより、特に発色性に優れた外周部42が得られる。
特に、外周部形成用インクが着色剤として酸化チタンを含むものである場合、当該外周部形成用インク中における酸化チタンの含有率は、12質量%以上18質量%以下であるのが好ましく、14質量%以上16質量%以下であるのがより好ましい。これにより、外周部42の寸法精度を特に優れたものとすることができる。
(分散剤)
外周部形成用インクが顔料を含む場合には、分散剤をさらに含むことが好ましい。分散剤を含むことにより、外周部形成用インク中における顔料の分散性をより良好なものとすることができる。
分散剤としては、特に限定されないが、例えば、高分子分散剤等の顔料分散液を調製するのに慣用されている分散剤が挙げられる。
高分子分散剤の具体例としては、例えば、ポリオキシアルキレンポリアルキレンポリアミン、ビニル系ポリマーおよびコポリマー、アクリル系ポリマーおよびコポリマー、ポリエステル、ポリアミド、ポリイミド、ポリウレタン、アミノ系ポリマー、含珪素ポリマー、含硫黄ポリマー、含フッ素ポリマー、およびエポキシ樹脂のうち1種以上を主成分とするもの等が挙げられる。
また、外周部形成用インクの粘度は、被覆層形成用インクで述べたのと同様の条件を満足するのが好ましい。これにより、被覆層形成用インクで述べたことと同等の効果が得られる。
なお、1つの三次元造形物1を形成するにあたり、使用する外周部形成用インクは、1種類に限定されず、含有する成分の種類が異なる2種以上の外周部形成用インクを用いてもよい。例えば、着色剤の種類が異なる2種以上の外周部形成用インクを用いてもよい。2種以上の被覆層形成用インクを用いることで、その外周部形成用インクの組み合わせにより、表現できる色再現領域を広くすることができる。
[コア部形成用インク]
次に、コア部形成用インクについて詳細に説明する。
コア部形成用インクは、硬化性樹脂を含む材料で構成されており、さらに、必要に応じて、着色剤、界面活性剤、紫外線吸収剤、溶剤等の成分が含まれていてもよい。
外周部形成用インクの構成成分としては、被覆層形成用インクおよびコア部形成用インクで述べた成分を用いることができる。
また、コア部形成用インクは、被覆層形成用インクおよび外周部形成用インクと、異なる構成成分を含む材料で構成されていてもよいし、同一または同種の構成成分を含む材料で構成されていてもよい。
また、コア部形成用インクとして、外周部形成用インクおよび被覆層形成用インクにて述べた好ましい材料を用いることにより、被覆層形成用インクおよび外周部形成用インクで述べたことと同等の効果が得られる。
特に、コア部形成用インクに含まれる硬化性樹脂は、外周部形成用インクに含まれる硬化性樹脂と同一のものであるのが好ましい。これにより、外周部42とコア部41との密着性にさらに優れた三次元造形物1を得ることができる。このため、外周部42とコア部41との界面で生じる界面剥離を特に効果的に防止することができる。それゆえ、摩擦や衝撃等に対する耐久性に特に優れた三次元造形物1を得ることができる。
また、コア部形成用インク、外周部形成用インク、および被覆層形成用インクは共に、アクリル系樹脂を含むことが好ましく、ウレタン(メタ)アクリレートおよびエポキシ(メタ)アクリレートのうちの少なくとも1種を含むことがより好ましい。これにより、コア部41と外周部42との密着性と、外周部42と被覆層5との密着性とを特に優れたものとすることができ、摩擦や衝撃等による耐久性にさらに優れた三次元造形物1を得ることができる。
なお、1つの三次元造形物1を形成するにあたり、使用するコア部形成用インクは、1種類に限定されず、含有する成分の種類が異なる2種以上のコア部形成用インクを用いてもよい。例えば、透明なコア部形成用インクと、白色のコア部形成用インクとを用いてもよい。この場合には、透明なコア部形成用インクによる形成された部分を内側に、白色のコア部形成用インクによる形成された部分を外側にすることが好ましい。これにより、耐衝撃性に優れるとともに、発色性に特に優れた三次元造形物1を得ることができる。
<第2実施形態>
次に、本発明の三次元造形物の製造方法、および当該製造方法により得られた三次元造形物の第2実施形態について説明する。
図13は、第2実施形態の造形工程の手順を示すフローチャートである。
以下、この図を参照し、本発明の三次元造形物の製造方法、および当該製造方法により得られた三次元造形物の第2実施形態について説明するが、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項はその説明を省略する。
第2実施形態では、造形工程S2が異なること以外は前記第1実施形態と同様である。
第1実施形態の造形工程S2では、被覆層形成用インクおよび実像部形成用インクを、それぞれ付与した後に、被覆層形成用インクおよび実像部形成用インクを硬化させることにより、一層分の単位層7を形成していた。
これに対して、第2実施形態の造形工程S2では、まず、被覆層形成用インクを付与して硬化させ(ステップS211)、次いで、外周部形成用インクを付与して硬化させ(ステップS212)、最後に、コア部形成用インクを付与して硬化させる(ステップS213)ことにより、一層分の単位層7を形成する。
以下、第2実施形態の造形工程S2について、詳細に説明する。
[被覆層形成用インク付与・硬化処理]
まず、ステップS211において、被覆層形成用インク付与・硬化処理を行う。
ステップS211では、第1実施形態と同様に、テーブル32とヘッドユニット341とが平面視で互いに重畳した状態に位置させる。
次いで、液滴吐出ヘッド345が有するノズル(図示せず)から被覆層形成用インクの液滴を吐出し、第2の領域に被覆層形成用インクを付与する。
次いで、第2の領域に被覆層形成用インクを付与された後、第1実施形態と同様に、テーブル32上の基板31と硬化装置37とが平面視で互いに重畳した状態となるように、テーブル32を移動させる。
そして、光源375から、被覆層形成用インクの液滴に対して紫外線が照射される。これにより、被覆層形成用インクの液滴が硬化され、被覆層5の一部5aが得られる。
なお、単位層データに被覆層モデル5xに関するデータが無い場合には、被覆層形成用インク付与・硬化処理(ステップS211)は省略し、次の、外周部形成用インク付与・硬化処理(ステップS212)へと進む。
[外周部形成用インク付与・硬化処理]
次に、ステップS212において、外周部形成用インク付与・硬化処理を行う。
ステップS212では、まず、テーブル32とヘッドユニット341とが平面視で互いに重畳した状態に位置させる。
次いで、液滴吐出ヘッド345が有するノズル(図示せず)から外周部形成用インクの液滴を吐出し、第1の領域の外側領域に外周部形成用インクを付与する。
次いで、外側領域に外周部形成用インクを付与された後、第1実施形態と同様に、テーブル32上の基板31と硬化装置37とが平面視で互いに重畳した状態となるように、テーブル32を移動させる。
そして、光源375から、外周部形成用インクの液滴に対して紫外線が照射される。これにより、外周部形成用インクの液滴が硬化され、外周部42の一部42aが得られる。
なお、単位層データに外周部モデル42xに関するデータが無い場合には、外周部形成用インク付与・硬化処理(ステップS212)は省略し、次の、コア部形成用インク付与・硬化処理(ステップS213)へと進む。
また、外周部形成用インク付与・硬化処理(ステップS212)は、前述した被覆層形成用インク付与・硬化処理(ステップS211)が終了するよりも前に開始してもよい。例えば、既に付与された被覆層形成用インクを硬化させながら、外周部形成用インクを付与する処理を行ってもよい。その場合には、例えば、インク2を吐出するヘッドユニット341と紫外線を照射する光源375とがキャリッジ34に一体的に設けられている造形装置(図示せず)を用いればよい。
[コア部形成用インク付与・硬化処理]
次に、ステップS213において、コア部形成用インク付与・硬化処理を行う。
ステップS213では、まず、テーブル32とヘッドユニット341とが平面視で互いに重畳した状態に位置させる。
次いで、液滴吐出ヘッド345が有するノズル(図示せず)からコア部形成用インクの液滴を吐出し、第1の領域の内側領域にコア部形成用インクを付与する。
次いで、内側領域にコア部形成用インクを付与された後、第1実施形態と同様に、テーブル32上の基板31と硬化装置37とが平面視で互いに重畳した状態となるように、テーブル32を移動させる。
そして、光源375から、コア部形成用インクの液滴に対して紫外線が照射される。これにより、コア部形成用インクの液滴が硬化され、コア部41の一部41aが得られる。
なお、単位層データにコア部モデル41xに関するデータが無い場合には、コア部形成用インク付与・硬化処理(ステップS213)は省略し、次のステップS23へと進む。
また、コア部形成用インク付与・硬化処理(ステップS213)は、前述した被覆層形成用インク付与・硬化処理(ステップS211)や、外周部形成用インク付与・硬化処理(ステップS212)が終了するよりも前に開始してもよい。
以上のステップ(S211、S212、S213)を経て、1層分の単位層7が形成される。
そして、第1実施形態と同様に、全ての単位層データを処理したか否かを判断する(ステップS23)。ステップS23における判断は前述した第1実施形態と同様である。
以上のような第2実施形態のおける造形工程S2によっても、第1実施形態と同様に、図1に示すような三次元造形物1を得ることができる。
また、前述したように、第2実施形態では、一層分の単位層7を形成するに際し、被覆層5の一部5aした後に、外周部42の一部42aおよびコア部41の一部41aを形成している。このようにして1層分の単位層7を形成することにより、各一部5a、41a、42aの寸法精度をさらに高くすることができる。また、被覆層形成用インクと外周部形成用インクとコア部形成用インクとの液滴同士の不本意な混在をさらに防ぐことができる。そのため、各部(被覆層5、外周部42、コア部41)の界面をさらに明確にすることができる。
<第3実施形態>
次に、本発明の三次元造形物の製造方法、および当該製造方法により得られた三次元造形物の第3実施形態について説明する。
図14は、第3実施形態の造形工程の手順を示すフローチャートである。
以下、この図を参照し、本発明の三次元造形物の製造方法、および当該製造方法により得られた三次元造形物の第3実施形態について説明するが、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項はその説明を省略する。
第3実施形態では、造形工程S2が異なること以外は前記第2実施形態と同様である。
第2実施形態の造形工程S2では、まず、被覆層形成用インクを付与して硬化させ(ステップS211)、次いで、外周部形成用インクを付与して硬化させ(ステップS212)、最後に、コア部形成用インクを付与して硬化させる(ステップS213)ことにより、一層分の単位層7を形成した。
これに対して、第3実施形態では、図14に示すように、まず、コア部形成用インクを付与して硬化させ(ステップS213)、次いで、外周部形成用インクを付与して硬化させ(ステップS212)、最後に、被覆層形成用インクを付与して硬化させる(ステップS211)ことにより、一層分の単位層7を形成する。
以下、第3実施形態の造形工程S2について、詳細に説明する。
[コア部形成用インク付与・硬化処理]
まず、ステップS213において、第2実施形態と同様に、コア部形成用インク付与・硬化処理を行う。
第2実施形態と同様に、液滴吐出ヘッド345が有するノズル(図示せず)からコア部形成用インクの液滴を吐出し、第1の領域の内側領域にコア部形成用インクを付与する。そして、コア部形成用インクの液滴に対して紫外線を照射することにより、コア部形成用インクの液滴が硬化される。これにより、コア部41の一部41aが得られる。
なお、単位層データにコア部モデル41xに関するデータが無い場合には、コア部形成用インク付与・硬化処理(ステップS213)は省略し、次の、外周部形成用インク付与・硬化処理(ステップS212)へと進む。
[外周部形成用インク付与・硬化処理]
次に、ステップS212において、第2実施形態と同様に、外周部形成用インク付与・硬化処理を行う。
第2実施形態と同様に、液滴吐出ヘッド345が有するノズル(図示せず)から外周部形成用インクの液滴を吐出し、第1の領域の外側領域に外周部形成用インクを付与する。そして、外周部形成用インクの液滴に対して紫外線を照射することにより、外周部形成用インクの液滴が硬化される。これにより、外周部42の一部42aが得られる。
なお、単位層データに外周部モデル42xに関するデータが無い場合には、外周部形成用インク付与・硬化処理(ステップS212)は省略し、次の、被覆層形成用インク付与・硬化処理(ステップS211)へと進む。
また、外周部形成用インク付与・硬化処理(ステップS212)は、前述したコア部形成用インク付与・硬化処理(ステップS213)が終了するよりも前に開始してもよい。例えば、既に付与されたコア部形成用インクを硬化させながら、外周部形成用インクを付与する処理を行ってもよい。
[被覆層形成用インク付与・硬化処理]
次に、ステップS211において、第2実施形態と同様に、被覆層形成用インク付与・硬化処理を行う。
第2実施形態と同様に、液滴吐出ヘッド345が有するノズル(図示せず)から被覆層形成用インクの液滴を吐出し、第2の領域に被覆層形成用インクを付与する。そして、被覆層形成用インクの液滴に対して紫外線を照射することにより、被覆層形成用インクの液滴が硬化される。これにより、被覆層5の一部5aが得られる。
なお、単位層データに被覆層モデル5xに関するデータが無い場合には、被覆層形成用インク付与・硬化処理(ステップS211)は省略し、次のステップS23へと進む。
また、被覆層形成用インク付与・硬化処理(ステップS211)は、前述したコア部形成用インク付与・硬化処理(ステップS213)、および外周部形成用インク付与・硬化処理(ステップS212)が終了するよりも前に開始してもよい。
以上のステップ(S213、S212、S211)を経て、1層分の単位層7が形成される。
そして、前述した実施形態と同様に、全ての単位層データを処理したか否かを判断する(ステップS23)。ステップS23における判断は前述した実施形態と同様である。
以上のような第3実施形態のおける造形工程S2によっても、前述した実施形態と同様に、図1に示すような三次元造形物1を得ることができる。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は、これらに限定されるものではない。
例えば、本発明の三次元造形物の製造方法は、任意の製造工程が付加されていてもよい。また、本発明の三次元造形物は、本発明の三次元造形物の製造方法により製造されたものであればよく、三次元造形物を構成する各部は、同様の機能を発揮し得る任意の構成のものと置換することができる。また、本発明の三次元造形物は、任意の構成物が付加されていてもよい。
より具体的には、例えば、前述した実施形態では、インク付与処理と、硬化処理とを繰り返し行うものとして説明したが、硬化処理は、繰り返し行うものでなくてもよい。例えば、硬化されていない複数の層を備えた積層体を形成した後に一括して行うものであってもよい。
また、本発明の製造方法においては、必要に応じて、前処理工程、中間処理工程、後処理工程を行ってもよい。例えば、前処理工程としては、テーブル(支持体)の清掃工程等が挙げられる。
また、前述した実施形態では、インク付与処理をインクジェット法により行う場合について中心的に説明したが、インク付与処理は他の方法(例えば、他の印刷方法)を用いて行うものであってもよい。
また、前述した実施形態では、造形工程を経て得られた三次元造形物を構成する被覆層は、後述する後工程において除去する厚さ分余計に厚くなっていたが、例えば後工程を行わない場合には、被覆層の厚さを予定よりも余計に厚く造形しなくてもよい。すなわち、各単位層を形成するに際し、被覆層の膜厚を、後工程において除去する厚さ分余計に厚く形成することを省略してもよい。
また、前述した実施形態では、三次元造形物を製造するにあたり、造形装置とコンピューターとで構成された造形システムを用いたが、造形装置とコンピューターとが一体となった装置を用いてもよい。
また、本発明の三次元造形物の用途は、特に限定されないが、例えば、人形、フィギュア等の鑑賞物・展示物;インプラント等の医療機器等が挙げられる。
また、本発明の三次元造形物は、プロトタイプ、量産品、オーダーメード品のいずれに適用されるものであってもよい。
また、本発明の三次元造形物は、前述した実施形態では、全体形状が立方体状であったが、三次元造形物の形状は、これに限定されない。例えば、球、直方体、不定形等いかなるものであってもよい。また、三次元造形物は内部構造を有するものや、内腔を有するものであってもよい。
1…三次元造形物 15…外表面 2…インク 4…実像部 41…コア部 41a…一部(コア部41の一部) 42…外周部 42a…一部(外周部42の一部) 44…外表面(コア部の外表面) 45…外表面(外周部の外表面) 46…角部 47…側面部 48…凸部 49…凹部 5…被覆層 5a…一部(被覆層5の一部) 52…膜厚が厚い部分 53…膜厚が薄い部分 7…単位層 7A…第1の単位層 7B…第2の単位層 7C…第3の単位層 75…塗布層 1x…三次元造形物モデル 15x…外表面 4x…実像部モデル 41x…コア部モデル 42x…外周部モデル 44x…外表面(コア部モデルの外表面) 45x…外表面(外周部モデルの外表面) 5x…被覆層モデル 7x…単位層モデル 100…三次元造形物製造システム(造形システム) 20…コンピューター 21…制御部 22…CPU 23…記憶部 231…制御プログラム 232…データ展開部 24…受信部 25…画像生成部 26…モニター 261…画像表示領域 27…キーボード 28…入出力インターフェース(I/F) 29…データバス 30…三次元造形物製造装置(造形装置) 31…基板 31a…描画面 32…テーブル 32a…上面 33…テーブル移動装置 331…基台 331a…上面 332a…ガイドレール 332b…ガイドレール 335…テーブル移動モーター 336…テーブル位置検出装置 34…キャリッジ 341…ヘッドユニット 345…液滴吐出ヘッド 348…タンク 349…チューブ 35…駆動制御部 351…モーター制御部 353…位置検出制御部 355…吐出制御部 357…露光制御部 36…キャリッジ移動装置 361…ガイド部材 362a…支柱 362b…支柱 363…ガイドレール 364a…ガイドレール 364b…ガイドレール 365…キャリッジ移動モーター 366…キャリッジ位置検出装置 37…硬化装置 371…支柱 371a…梁部 375…光源 a1、a2、a3、a4…膜厚 5’…被覆層(ディッピングにより設けた被覆層) 60…三次元物体 61…外表面 62…凹部 63…凸部 65…保護層 b1、b2、b3、b4…膜厚

Claims (14)

  1. 硬化性樹脂を含むインクを付与して硬化させることで形成された単位層を積層して得られる三次元造形物を製造する三次元造形物の製造方法であって、
    前記三次元造形物は、外周部と、該外周部を被覆する透明な被覆層とを備え、
    前記単位層を形成するに際し、前記外周部に相当する第1の領域に外周部形成用インクを付与し、前記被覆層に相当する第2の領域に被覆層形成用インクを付与し、前記外周部形成用インクおよび前記被覆層形成用インクを硬化し、
    前記被覆層形成用インクは、シリコーン系界面活性剤を含有することを特徴とする三次元造形物の製造方法。
  2. 前記単位層を形成するに際し、前記第1の領域に前記外周部形成用インクを付与し、前記第2の領域に前記被覆層形成用インクを付与した後に、前記外周部形成用インクおよび前記被覆層形成用インクを硬化させる請求項1に記載の三次元造形物の製造方法。
  3. 前記単位層を形成するに際し、前記第2の領域に前記被覆層形成用インクを付与しつつ硬化させ、次いで、前記第1の領域に前記外周部形成用インクを付与しつつ硬化させる請求項1に記載の三次元造形物の製造方法。
  4. 前記単位層を形成するに際し、前記第1の領域に前記外周部形成用インクを付与しつつ硬化させ、次いで、前記第2の領域に前記被覆層形成用インクを付与しつつ硬化させる請求項1に記載の三次元造形物の製造方法。
  5. 前記被覆層形成用インクは、無機ナノ粒子を含有する請求項1ないし4のうちのいずれか1項に記載の三次元造形物の製造方法。
  6. 前記被覆層形成用インクに含有されている硬化性樹脂は、光硬化性樹脂である請求項1ないしのうちのいずれか1項に記載の三次元造形物の製造方法。
  7. 前記光硬化性樹脂は、アクリル系樹脂である請求項6に記載の三次元造形物の製造方法。
  8. 前記アクリル系樹脂は、ウレタン(メタ)アクリレートおよびエポキシ(メタ)アクリレートのうちの少なくとも一方を含有する請求項7に記載の三次元造形物の製造方法。
  9. 前記被覆層に対し、後加工を施す請求項1ないしのうちのいずれか1項に記載の三次元造形物の製造方法。
  10. 前記後加工は、粗面加工である請求項9に記載の三次元造形物の製造方法。
  11. 前記単位層を形成するに際し、前記後加工において除去する厚さ分、余計に厚く前記被覆層を形成する請求項または10に記載の三次元造形物の製造方法。
  12. 前記被覆層の平均厚さが、10μm以上1000μm以下である請求項1ないし11のうちのいずれか1項に記載の三次元造形物の製造方法。
  13. 前記外周部の平均膜厚が、30μm以上200μm以下である請求項1ないし12のうちのいずれか1項に記載の三次元造形物の製造方法。
  14. 前記外周部形成用インクは着色剤を含有する請求項1ないし13のうちのいずれか1項に記載の三次元造形物の製造方法
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