JP5391969B2 - 回転軸用荷重測定装置 - Google Patents
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Description
このうちのハウジングは、例えば工作機械のケーシング等が対応するもので、使用時にも回転しない。
又、前記回転軸は、それぞれが予圧を付与された複数の転がり軸受により、このハウジングの内側に回転自在に支持されている。
又、前記エンコーダは、鋼材等の磁性材により造られて、前記回転軸の一部に支持固定されたもので、この回転軸と同心の被検出面を有する。
又、前記センサは、この被検出面にそれぞれの検出部を対向させた状態で前記ハウジングに、直接又は他の部材を介して支持されている。
そして、前記センサの出力信号の位相に関する情報に基づいて、前記回転軸に作用する荷重を求める。
又、前記センサは、1個の永久磁石と、1対のホール素子と、ICとを備える。
このうちの永久磁石は、前記被検出面と前記検出部とが対向する方向(被検出面に直交する方向)に着磁されている。
又、前記両ホール素子は、前記永久磁石の着磁方向両端面のうちでこの被検出面と対向する端面に、前記回転軸の回転方向に離隔して配置されている。言い換えれば、前記永久磁石は、前記両ホール素子に掛け渡した状態で設けられている。
又、前記ICは、前記両ホール素子が検出する磁束密度の差を求め、更にこの差を表す信号と互いに異なる2種類の閾値とを比較する事で生成したディジタル信号を出力する。
更に、本発明の回転軸用荷重測定装置の場合には、前記センサの出力信号の位相に関する情報を、前記ディジタル信号のうち、前記回転軸の回転方向後側(センサの走査方向に関して出口側)に存在する前記除肉部の端縁に基づいて変化する部分で求める。
この様な請求項2に記載した回転軸用荷重測定装置を実施する場合に、例えば請求項3に記載した発明の様に、前記エンコーダを、鋼材等の磁性材により円筒状に造って前記回転軸に外嵌固定する。そして、前記被検出面を、このエンコーダの外周面とする。
又、前記除肉部を、この外周面に形成された凹溝とする。この凹溝は、前記エンコーダの軸方向中間部を境に、軸方向両側部分がこのエンコーダの軸方向に対して互いに逆に傾斜した「く」字形とする。
そして、前記両センサのうちの一方のセンサの検出部を前記凹溝に、前記エンコーダの軸方向片側寄り部分で対向させ、同じく他方のセンサの検出部をこの凹溝に、このエンコーダの軸方向他側寄り部分で対向させる。
この様な請求項4に記載した回転軸用荷重測定装置を実施する場合に、例えば請求項5に記載した発明の様に、前記エンコーダを、磁性材により円筒状に造って前記回転軸に外嵌固定する。そして、前記被検出面を、このエンコーダの外周面とする。
又、前記除肉部を、この外周面に形成された複数の凹溝とする。これら各凹溝は、前記エンコーダの軸方向に対する傾斜方向が互いに異なる1対の凹溝を、このエンコーダの回転方向に隣り合わせて対としたものとし、単一のセンサの検出部をこれら各凹溝に対向させる。
即ち、本発明によれば、単一の永久磁石を組み込んで小型に構成できる差動式ホールICを使用し、且つ、エンコーダとして磁気特性が変化する部分の境界を、低コストで精度良く規制できる、磁性材に除肉部を形成したものを使用した構造で、出力信号中に存在するオーバシュートやアンダシュートに起因する測定精度の悪化を防止できる。
この為、小型に構成できるだけでなく、特に調達コストが嵩む部品を使用しなくても、大きな荷重は勿論、小さな荷重でも、精度良く測定できる。
請求項1〜3に対応する実施の形態の第1例の構造、及び、当該構造により回転軸の変位量を精度良く求められる理由に就いて、図1〜10により説明する。
本例は、本発明の回転軸用荷重測定装置を、工作機械の主軸13に加わるアキシアル荷重を測定する為に構成した場合に就いて示している。工作機械のハウジング(主軸頭)14の内径側に前記主軸13を、多列転がり軸受ユニット15により回転自在に支持すると共に、電動モータ17により、前記主軸13を回転駆動自在としている。尚、前記多列転がり軸受ユニット15を構成する複数個の転がり軸受16a〜16dのうち、先端寄りに配置した2個の転がり軸受16a、16bと、基端寄りに配置した2個の転がり軸受16c、16dとには、互いに逆向きの接触角を付与すると共に、これら各軸受16a〜16dに、予圧を付与している。従って、前記主軸13は前記ハウジング14に対して、ラジアル荷重及び両方向のスラスト荷重を支承される状態で、がたつきなく、回転自在に支持されている。前記工作機械の運転時には、前記主軸13の先端部(図1の左端部)に固定した工具(図示省略)を、高速で回転しつつ被加工物に押し付け、この被加工物に、切削等の加工を施す。この様にして加工を施す際に、前記主軸13には、この被加工物に前記工具を押し付ける事の反作用として、各方向の荷重が加わる。本例の場合には、このうち、前記主軸13の軸方向に一致する、アキシアル方向の荷重を求められる様にしている。
これら両センサ6a、6bはそれぞれ、図5、6、8に示す様に、1個の永久磁石21と、1対のホール素子22a、22bと、IC23とを備える。
このうちの永久磁石21は、前記エンコーダ4aの外周面と前記センサユニット18の検出部とが対向する方向である、このエンコーダ4aの径方向に着磁されている。本例の場合には、図5に示す様に、前記両センサ6a、6bに組み込む永久磁石21、21の着磁方向を互いに同じ(前記エンコーダ4aの径方向に関して内側をN極、外側をS極)としている。
本例の場合、前記位相差を求める為のポイントを、前記各凹溝19、19の通過に伴って前記両センサ6a、6bの出力信号が変化する部分のうち、これら両センサ6a、6bの走査方向に関して出口側に対応して変化する部分、即ち、図7の中段に示した、一点鎖線cで示した電圧信号と二点鎖線dで示した閾値との交点αとしている。前記位相差を求める為の起点としては、この交点αの他、前記実線cで示した電圧信号と鎖線eで示した閾値との交点βがある。図7の上段の実線a及び破線bで示す様に、前記各ホール素子22a、22bが検出する磁束の密度が、前記凹溝19の通過に伴って、この凹溝19部分の凹凸に対応して滑らかに変化し、これら各ホール素子22a、22bの検出値同士の間の差として求められる、図7の中段に一点鎖線cで示した電圧信号も滑らかに変化するのであれば、荷重測定の為の位相差を求める為に使用する点として、前記両交点α、βの何れを利用しても良い。
図11〜12は、請求項1〜3に対応する、本発明の実施の形態の第2例を示している。本例の場合には、一方のセンサ6aとして、上述した実施の形態の第1例と同じ構成のものを使用している。これに対して、他方のセンサ6cとして、永久磁石21aの着磁方向が、前記一方のセンサ6aとは逆のものを使用している。そして、これら両センサ6a、6cを、前記実施の形態の第1例の場合と同様に、それぞれの端子24、24を互いに対向させると共に、円周方向に所定距離だけずらせた状態で組み合わせている。本例の場合には、この様に、前記両センサ6a、6cに組み込む永久磁石21、21aの着磁方向を互いに逆にする事で、これら両センサ6a、6cの組み付け方向の相違に拘らず、これら両センサ6a、6cの検出部がエンコーダ4aの外周面の同種の部分に対向した状態で、これら両センサ6a、6cの出力信号の変化の方向が互いに同じになる様にしている。
図13〜16は、請求項1、4、5に対応する、本発明の実施の形態の第3例を示している。本例は、前述した特許文献2の図15に記載された構造に本発明を適用した場合に就いて示している。前述した実施の形態の第1例及び上述した実施の形態の第2例が、何れも1対のセンサを設け、これら両センサの出力信号同士の間の位相差に基づいて主軸13の軸方向変位量を求める様に構成していた。これに対して本例の場合には、単一のセンサ6dの出力信号のタイミング比により、荷重を求める為に使用する、位相に関する情報を求める様にしている。この為に前記センサ6dは、エンコーダ4bの被検出面の性状に基づき、出力信号が1周期の途中で変化するものとする。又、このセンサ6dとエンコーダ4bとの相対変位に伴って、この1周期の間で変化するタイミング(1周期の初めから途中で変化する瞬間迄の時間)がずれるものとする。
2 ハブ
3 転動体
4、4a、4b エンコーダ
5 カバー
6a、6b、6c、6d センサ
7 透孔
8 柱部
9 第一の特性変化部
10 第二の特性変化部
11 ホールIC
12 永久磁石
13 主軸
14 ハウジング
15 多列転がり軸受ユニット
16a〜16d 転がり軸受
17 電動モータ
18 センサユニット
19、19a、19b 凹溝
20 ホルダ
21、21a 永久磁石
22a、22b ホール素子
23 IC
24 端子
Claims (5)
- 回転しないハウジングと、それぞれが予圧を付与された複数の転がり軸受により、このハウジングの内側に回転自在に支持された回転軸と、磁性材により造られてこの回転軸の一部に支持固定された、この回転軸と同心の被検出面を有するエンコーダと、この被検出面にそれぞれの検出部を対向させた状態で前記ハウジングに、直接又は他の部材を介して支持された少なくとも1個のセンサとを備え、このセンサの出力信号の位相に関する情報に基づいて、前記回転軸に作用する荷重を求める回転軸用荷重測定装置であって、
前記エンコーダの被検出面は、円周方向の一部に、前記センサの検出部との距離が残部に比べて大きくなる除肉部を、この被検出面の幅方向に形成したものであって、この除肉部は、少なくとも一部が、測定すべき荷重の作用方向に対して傾斜した形状を有するものであり、
前記センサは、前記被検出面と前記検出部とが対向する方向に着磁された1個の永久磁石と、この永久磁石の着磁方向両端面のうちでこの被検出面と対向する端面に、前記回転軸の回転方向に離隔して配置された1対のホール素子と、これら両ホール素子が検出する磁束密度の差を求め、更にこの差を表す信号と互いに異なる2種類の閾値とを比較する事で生成したディジタル信号を出力するICとを備えたものであり、
前記センサの出力信号の位相に関する情報を、前記ディジタル信号のうち、前記回転軸の回転方向後側に存在する前記除肉部の端縁に基づいて変化する部分で求める事を特徴とする回転軸用荷重測定装置。 - 1対のセンサを備えており、荷重を求める為に使用する位相に関する情報がこれら両センサの出力信号同士の間に存在する位相差である、請求項1に記載した回転軸用荷重測定装置。
- エンコーダが磁性材により円筒状に造られたものであって回転軸に外嵌固定されており、被検出面がこのエンコーダの外周面であり、除肉部が、この外周面に形成された凹溝であって、この凹溝は、このエンコーダの軸方向中間部を境に、軸方向両側部分がこのエンコーダの軸方向に対して互いに逆に傾斜した「く」字形であり、1対のセンサのうちの一方のセンサの検出部が前記凹溝に、前記エンコーダの軸方向片側寄り部分で対向し、同じく他方のセンサの検出部がこの凹溝に、このエンコーダの軸方向他側寄り部分で対向する、請求項2に記載した回転軸用荷重測定装置。
- 単一のセンサを備えており、このセンサは、エンコーダの被検出面の性状に基づき、出力信号が1周期の途中で変化するものであって、このセンサとエンコーダとの相対変位に伴って、この1周期の間で変化するタイミングがずれるものであり、荷重を求める為に使用する位相に関する情報が、このセンサの出力信号の1周期に対する上記タイミングの比である、請求項1に記載した回転軸用荷重測定装置。
- エンコーダが磁性材により円筒状に造られたものであって回転軸に外嵌固定されており、被検出面がこのエンコーダの外周面であり、除肉部が、この外周面に形成された複数の凹溝であって、これら各凹溝は、このエンコーダの軸方向に対する傾斜方向が互いに異なる1対の凹溝をこのエンコーダの回転方向に隣り合わせて対としたものであり、単一のセンサの検出部がこれら各凹溝に対向する、請求項4に記載した回転軸用荷重測定装置。
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