JP5391611B2 - 誤差拡散処理装置、誤差拡散処理方法、及び誤差拡散処理プログラム - Google Patents

誤差拡散処理装置、誤差拡散処理方法、及び誤差拡散処理プログラム Download PDF

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Description

本発明は、誤差拡散処理装置、誤差拡散処理方法、及び誤差拡散処理プログラムに関し、特に入力値を非線形変換した後、誤差拡散を行う誤差拡散処理装置、誤差拡散処理方法、及び誤差拡散処理プログラムに関する。
近年、パーソナルコンピュータや携帯電話など、様々な電子装置において、画像を表示する表示装置が用いられている。画像は画素の集合として表現されることが多い。このような画像を表示するときは、各画素を独立した点として表示する「ラスタ画像表示装置」が用いられる。ラスタ画像表示装置には、一般の液晶ディスプレイ(Liquid Crystal Display(LCD))等がある。以降、ラスタ画像表示装置を、単純に「表示装置」という。
画像を構成する各画素や表示装置の各画素の輝度は、所定の段階数を持つ離散的な数値で表現されることがある。この段階を「階調」といい、各画素の輝度が何段階目の階調であるかを示す数値を「階調値」という。画像や表示装置の各画素の階調の数は所定の段階数に制限されていることがあり、その段階数を「分解能」という。例えば、「この表示装置は256階調の分解能を持つ」というような表現が用いられる。分解能が256階調の画像の場合には、表示可能な最も暗い画素の階調値は0、最も明るい画素の階調値は255というように、各画素の輝度は階調値を用いて表現される。
表示装置は、その表示装置の分解能よりも大きな分解能を持った信号又は連続値の信号からなる画像を、擬似的に表示することができる。このように、表示装置が持つ分解能よりも高い分解能で擬似的に表示を行うことは、「擬似階調表示」、「擬似中間調表示」等と呼ばれる。擬似階調表示とは、処理対象の画素である「注目画素」とその周辺の「周辺画素」を併せた、複数の画素のそれぞれの輝度を制御し、それらの画素の平均輝度として目標の輝度を実現する表示方法である。
「周辺画素」には、空間的周辺画素及び時間的周辺画素が含まれる。「空間的周辺画素」とは通常の意味での「周辺画素」であり、同時刻において位置的に注目画素の周辺に存在する画素である。これに対し、「時間的周辺画素」とは、注目画素と同じ空間的位置にある画素で、現在の注目画素の、時間的に前後に存在する画素を意味する。
擬似階調表示を行う方法には、誤差拡散法や組織的ディザ法がある。本発明では、誤差拡散法を用いた擬似階調表示を取り扱うので、誤差拡散法のみについて説明する。誤差拡散法には、誤差の拡散方向が異なる2種類の方法がある。その方法の1つは、空間方向の誤差拡散(spatial error diffusion)で、他の1つは時間方向の誤差拡散(temporal error diffusion)である。図17(a)、(b)に、空間方向の誤差拡散と時間方向の誤差拡散の処理の概要を示す。
図17(a)のように、「空間方向の誤差拡散」を用いた擬似階調表示では、誤差を空間的周辺画素に分配する。ここで誤差とは、例えば、ある分解能を持った、注目画素の理想的な輝度を、それよりも低い分解能の輝度に低分解能化したとき、分解能の差が原因となって生じた、理想的な輝度と低分解能の輝度との差である。このような誤差を空間的周辺画素に分配することにより、注目画素と空間的周辺画素の平均輝度が、当初の目標の輝度である理想輝度に等しくなる。そのため、擬似的に低分解能化前の階調で表示を行うことができる。
一方、「時間方向の誤差拡散」を用いた擬似階調表示では、図17(b)のように、誤差を時間的周辺画素に分配する。そして、現在の注目画素の、時間的に後の注目画素の輝度を制御することによって、時間的な平均として目標の輝度での表示を実現する。すなわち、現在の注目画素の輝度の誤差を補償するために、次の表示タイミングで誤差の分だけ輝度を増減するという、注目画素の輝度の時間的制御を行う。このように、注目画素の輝度を時間的に変化させることによって、輝度の時間平均が理想輝度に等しくなるので、擬似的に低分解能化前の階調で表示を行うことができる。なお、空間方向の誤差拡散と時間方向の誤差拡散とは、併用することが可能である。具体的な誤差拡散法の処理内容については後述する。
次に、誤差拡散を用いた擬似階調表示について説明する。表示しようとする画像の各画素の分解能と比較して、表示装置の分解能が常に同等以上であるとは限らない。なぜなら、表示装置は、分解能が低いほど、処理負荷、制御回路の規模やコストの面で有利だからである。そこで、用途を考慮した結果、表示装置によっては分解能が低く抑えられることがある。表示装置の分解能が画素の分解能よりも低い場合、擬似階調表示を用いることによって、画素の分解能を保ったまま、表示を行うことができる。例えば、階調値として0、2、4、6、8が設定可能な、5階調の分解能を持つ表示装置を用いて、9階調(0、1、・・・、8)の表示を行うことができる。このとき、階調値「3」を表示するためには、階調値「2」での表示と階調値「4」での表示の、平均輝度を利用すればよい。
このように、擬似階調表示では、注目画素と周辺画素からなる複数画素の輝度の平均を求めることによって、階調を表現する。輝度の平均値を求める操作は、実際には人間の目が行っている。すなわち、人間の目には、複数の画素の集まりで構成される注目部分の輝度は、中心の画素の輝度とその周辺の画素の輝度とが平均化された輝度に見える。ただし、画素の大きさは、人間の目が個々の画素を識別できない程度に細かいことが必要である。
以上の議論は、周辺画素が空間的周辺画素である場合だけでなく、時間的周辺画素である場合にも当てはまる。空間的周辺画素の大きさとは画素の空間的大きさであり、時間的周辺画素の大きさとは画素が表示されている時間的な長さを意味する。
ところで、表示装置が表示している輝度と、実際に人間が感じる輝度とは、一般的に比例関係にはない。以降、表示装置が実際に表示している輝度を「表示輝度」、表示輝度を見ている人間が感じる明るさを「視覚輝度」、視覚輝度と表示輝度との関係を「視覚応答特性」という。視覚応答特性は、上記のように、非線形である。なお、視覚輝度は人間の感覚に基づく輝度なので、その単位は任意である。
視覚応答特性としては、種々の研究の結果、様々な特性として表現されている。例えば、特許文献1には、視覚応答特性として、表示輝度Bd[Cd]と視覚輝度Bvとの関係が、
Bd=Bv2.2 (1)
と表現されるものが記載されている。(1)式の視覚応答特性を、図18に示す。この特性の場合は、人間が感じる視覚輝度を2倍にするためには、表示輝度を22.2=4.6倍にしなければならないことを意味する。
また、表示装置へ各画素の輝度である階調値を設定するときには、階調値の取り扱い上、階調値と視覚輝度とが比例していることが望ましい。そこで、非線形な視覚応答特性を補償するために、視覚輝度が階調値に比例するように、階調値と表示輝度との関係に補正を加えることが一般に行われている。このような、視覚応答特性に対応するための、階調値と表示輝度との関係の補正は、例えば、特許文献1、2に記載されている。
上記の補正を行うことにより、階調値で表現された各画素の表示輝度とその画素の視覚輝度とが比例するようにすることができる。すなわち、階調値Lと表示輝度Bdとの関係を、
Bd=k・L2.2 (kは正の定数) (2)
と補正することによって、階調値Lと視覚輝度Bvとの関係を、次のような関係に補正することができる。
Bv=k’・L (k’は正の定数) (3)
上記のような、階調値Lと表示輝度Bdとの関係の補正は、「γ(ガンマ)補正」と呼ばれることがある。
特開2001−337642号公報 (第2−3頁、図36、37) 特開2000−259118号公報 (第6頁、図12)
上記のように、擬似階調表示を行っているときの、複数の画素の輝度の平均化は、非線形な視覚応答特性を持つ、人間の目によって行われる。そのため、人間の目によって平均化された結果として感じられる視覚輝度と、各画素の階調値の平均値が表す表示輝度を人間が見たときの視覚輝度とは一致しない。
例えば、階調値「2」に対応する表示輝度と階調値「4」に対応する表示輝度の、平均の表示輝度は、階調値「3」に対応する表示輝度を実際に見たときの視覚輝度に一致しない。次に、その理由を説明する。
表示装置において、階調値と表示輝度との関係は、(3)式を満足するように補正されているものとする。このとき、階調値「2」と「4」に対応する視覚輝度を実現するために必要な表示輝度は、相対値として、それぞれ22.2=4.6と42.2=21.1である。従って、表示装置は、階調値「2」の画素と階調値「4」の画素を、それぞれ表示輝度を「4.6」、「21.1」で表示する。
このとき、この2つの画素の輝度の平均として人間の目に認識される視覚輝度は、2つの画素の表示輝度の平均値として(4.6+21.1)/2=12.9となる。この平均表示輝度に対応する階調値は、12.91/2.2=3.2であり、本来表現すべき階調値「3」とは異なる値になる。このように、擬似階調表示には、目によって平均化された表示輝度と、平均化された階調値とが対応しないという問題がある。
次に、上記の問題が発生する原因が、視覚応答特性の非線形性にあることを、図を用いて、一般的に説明する。図19は、階調値Lと表示輝度Bdの対応を示すグラフである。曲線301は、階調値Lと表示輝度Bdの対応の、単調増加性及び非線形性の傾向のみを示すものであり、厳密性は有していない。画素の階調値には、0から8までのすべての整数が設定できる。これに対し、表示装置の分解能は5階調であり、表示輝度として、偶数の階調値(0、2、4、6、8)のみ設定可能であるものとする。視覚応答特性は、(1)式を一般化すると、次の関数で表される。
Bd=f(Bv) (4)
このときは、表示輝度Bdを、階調値Lに対して、
Bd=f(L) (5)
と補正すればよいことがわかる。ただし、比例定数は省略した。なお、関数f(x)は、視覚応答特性に対応するものなので、単調増加関数である。(5)式が成り立つように補正されているとき、(3)式のように、階調値と視覚輝度は比例する。
階調値Lが偶数である画素は、Lをそのまま表示装置に設定することによって、表示することができる。ところが、階調値Lが奇数である画素は、そのままでは表示装置で表示できないので、擬似階調表示を用いる。
奇数の階調値L=2n+1(n=0、1、2、3)を持つ画素P0を表示するときは、2n+1を挟む2個の偶数の階調値2n、2(n+1)を持つ、2個の画素P1、P2を用いて擬似的に表示する。すなわち、P0の階調値2n+1を、表示装置が表示可能な階調値2つの偶数の階調値2n、2(n+1)に低分解能化する。そして、P1の表示輝度f(2n)とP2の表示輝度f(2(n+1))の平均値によって、表示輝度f(2n+1)を実現する。このとき、P0、P1、P1の表示輝度Br0、Br1、Br2は、それぞれ
Bd0=f(2n+1) (6)
Bd1=f(2n) (7)
Bd2=f(2(n+1)) (8)
となる。画素P1、P2の表示輝度の平均値は、(7)、(8)より、
Bd’=(Bd1+Bd2)/2
=(f(2n)+f(2(n+1)))/2 (9)
となる。従って、人間の目には、画素が表示輝度Bd’で表示されているように感じられる。
階調値の観点で考えると、(9)式の表示輝度Bd’で表示される画素は、階調値L’が
L’=f-1(Bd’) (10)
である画素を表示していることに相当する。
本来表示したい階調値Lと、実際に表示される階調値L’との差Δlは、
Δl=L’−(2n+1) (11)
である。そこで、次に、L’がLに一致するか否かを検討する。
本来実現すべき表示輝度Bd0は(6)式の通りなので、Bd0とBd’との差Δdは(6)、(9)より、
Δd=Bd’−Bd0
=(f(2n)+f(2(n+1)))/2−f(2n+1) (11)
である。Δl=0になるための条件と、Δd=0になるための条件は同じであることは図19から明らかである。
そこで、(11)式で、Δd=0とおくと、
(f(2n)+f(2(n+1)))/2−f(2n+1)=0
(f(2n)+f(2(n+1))=2・f(2n+1)
f(2(n+1))−f(2n+1)=f(2n+1)−f(2n)
となり、nが1だけ増加したときの、f(L)の増分が一定となる。
よって、Δd=0になるためのf(L)の条件は、区間[2n、2(n+1)]で、
f(L)=a・L+b (a,bは定数)
という形、すなわち、関数f(L)が線形であることである。ところが、前述のように、視力応答特性は非線形であるため、f(L)は非線形であり、Δd=0になることはない。
従って、Δl=0になることはなく、平均表示輝度を用いた方法では、視覚輝度を正確に当初の階調値に対応させることはできない。このように、階調値の平均値に着目して擬似階調表示を行う方法には、非線形な視覚応答特性に起因した問題がある。
特許文献1、2の誤差拡散法では、目標の階調値を、低い分解能の階調値に変換し、そのときに発生した誤差を誤差拡散によって補償している。これは、階調値の平均値が、目標の階調値になるように、制御していることに相当する。そのため、上記の議論の通り、実際に表示されるときの平均の表示輝度と、視覚輝度とは正確に対応しない。上記の議論では簡単のために、低分解能化した2つの階調値を用いる例を用いて説明した。しかし、さらに多くの画素を用いて平均化したり、周辺の多数の画素へ誤差を拡散したり、時間方向の誤差拡散法を用いたりしても、本質的には同じである。複数の階調値を平均化し、目標階調値を実現しようとする限り、上記の問題が発生する。
以上の問題は、誤差拡散法等、複数の画素の平均階調値を実現する方法自体の問題ではないことに注意が必要である。すなわち、特許文献1、2の方法でも、誤差拡散法によって、複数の画素の階調値の平均値を、正確に目標階調値に一致させることはできる。平均値をある値に一致させるという面で、誤差拡散法を用いること自体に問題はない。問題の本質は、複数の表示輝度の平均値を取るときに、階調値の平均値が目標階調値になるように誤差拡散を行っていることにある。階調値の平均値が目標階調値とされ、非線形な視覚応答特性が考慮されていないために、上述の問題が発生するのである。
また、上記の問題は、表示装置における、階調値Lと表示輝度Bdとの関係の補正(γ補正)の精度の問題でもない。表示装置では、設定可能な階調値Lに対しては正確に表示輝度Bdを補正することができる。この意味で、表示装置における補正には問題がない。ところが、擬似階調表示では、表示装置の分解能よりも高い階調の表示を行う。そのため、擬似階調表示では、表示装置に設定可能な階調のみでなく、設定が不可能な階調の表示も行う。設定が可能な階調は、そのまま表示装置に設定され、通常通り表示される。ところが、表示装置に設定可能な階調はそのまま表示することはできない。そのため、設定が不可能な階調は、2つの設定可能な階調値を使って、それらの中間の階調を擬似的に発生させて表示する。このような、本来は表示装置に設定できない階調値に対しては、表示装置では、階調値と表示輝度との非線形関係を線形の関係に補正することはできない。そのために、階調値の平均と表示輝度の平均が対応しないという、上記のような問題が発生するのである。
以上、表示装置における画素の擬似階調表示の、視覚応答特性の非線形性に起因する問題について説明した。同様の問題は、一般化することが可能である。すなわち、ある分解能で表現された数値Nを、それよりも少ない分解能で表現された複数の数値M1、M2、・・・の平均値で擬似的に表現する場合にも、同様の問題が発生する。例えば、あるビット数nで表された数値Nを、数値Nの上位mビットである数値Mに丸め、MとM+1等の平均値で数値Nを擬似的に表現するような場合にも、同様の問題は発生する。
(発明の目的)
本発明は上記のような技術的課題に鑑みて行われたもので、入力値を変換する非線形特性を考慮し、正確に誤差拡散処理を行うことができる、誤差拡散処理装置、誤差拡散処理方法、及び誤差拡散処理プログラムを提供することを目的とする。
本発明の誤差拡散処理装置は、空間的又は時間的な第1の位置の状態を第1の分解能で表現する第1の数値を、単調増加性又は単調減少性及び非線形特性を含む所定の変換特性に基づいて、第1の変換値に変換する変換部と、第1の位置へ拡散されてきた誤差を加算し、累積誤差を求める誤差累積部と、第1の変換値から累積誤差を減算し、補正変換値を求める誤差加算部と、第1の分解能よりも少ない第2の分解能で表現された第2の数値を変換特性に基づいて変換した数値である第2の変換値を求める分解能変換部と、第2の変換値から補正変換値を減算し、生成誤差を求める誤差検出部と、生成誤差を、第1の位置の周辺の位置に拡散する誤差拡散部を備えることを特徴とする。
本発明の誤差拡散処理方法は、空間的又は時間的な第1の位置の状態を第1の分解能で表現する第1の数値を、単調増加性又は単調減少性及び非線形特性を含む所定の変換特性に基づいて、第1の変換値に変換するステップと、第1の位置へ拡散されてきた誤差を加算し、累積誤差を求めるステップと、第1の変換値から累積誤差を減算し、補正変換値を求めるステップと、第1の分解能よりも少ない第2の分解能で表現された第2の数値を変換特性に基づいて変換した数値である第2の変換値を求めるステップと、第2の変換値から補正変換値を減算し、生成誤差を求めるステップと、生成誤差を、第1の位置の周辺の位置に拡散するステップを備えることを特徴とする。
本発明の誤差拡散処理プログラムは、記憶部を備えるコンピュータを、空間的又は時間的な第1の位置の状態を第1の分解能で表現する第1の数値を、記憶部に記憶された単調増加性又は単調減少性及び非線形特性を含む所定の変換特性に基づいて、第1の変換値に変換する手段と、第1の位置へ拡散されてきた誤差を加算し、累積誤差を求める手段と、第1の変換値から累積誤差を減算し、補正変換値を求める手段と、第1の分解能よりも少ない第2の分解能で表現された第2の数値を変換特性に基づいて変換した数値である第2の変換値を求める手段と、第2の変換値から補正変換値を減算し、生成誤差として求める手段と、生成誤差を、第1の位置の周辺の位置に拡散する手段として機能させることを特徴とする。
本発明の誤差拡散処理装置、誤差拡散処理方法、誤差拡散処理プログラムは、入力値を非線形変換した変換値を用いて誤差を求め、その誤差を用いて誤差拡散を行う。従って、非線形変換の変換結果に対する誤差が周囲の位置に拡散される。そのため、入力値に対して非線形変換を含む変換を行う場合であっても、精度良く誤差拡散処理を行うことができるという効果がある。
(第1の実施形態)
次に本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。図1は本発明の第1の実施形態の表示処理装置のブロック図である。図2は第1の実施形態の動作を説明するためのグラフである。図3は非線形変換に対応していない、基本的な誤差拡散処理装置のブロック図である。
図1、図2、図3を用いて、本発明の第1の実施形態について説明する。第1の実施形態は、各画素を、所望の階調数よりも少ない階調数を持つ表示装置を用いて表示するために、階調数を削減し、誤差拡散法を用いて擬似階調表示を行う表示処理装置である。画像の表示処理において、階調を削減して低分解能化することは、一般に「減色」と呼ばれる。
初めに、誤差拡散の一般的な処理内容について説明する。画素を表示する際に減色を行った場合、分解能が低下したことに起因して、表示輝度に誤差が発生する。そこで、誤差拡散法を用いて、各画素で発生した誤差を、空間方向又は時間方向の周辺画素で補償するために、誤差を周辺画素に分配する。「誤差拡散」とは、このように誤差を周辺画素に分配することを意味する。
例えば、階調値0から階調値8までの9階調の画像を、偶数の階調値のみの5階調の解像度しか持たない表示装置を用いて表示する場合を考える。このとき、ある画素を奇数の階調値「3」で表示したい場合、その画素を例えば階調値「2」で表示する。そして、周辺画素を階調値3よりも大きい階調値「4」で表示する。このような階調値の調整により、表示装置を見る人間には、階調値の平均値である階調値「3」を持つ画素が表示されているように見える。
上記の場合は、周辺画素に誤差+1を拡散したことに相当する。画素が格子状に並んでいる場合には、周囲の複数の周辺画素に、誤差+1を、合計が+1になるように、所定の比率で分配して拡散してもよい。拡散方向は、空間方向でも時間方向でもよい。時間方向に拡散する場合は、以降の表示輝度の更新タイミングで、階調値を増減させればよい。
なお、擬似階調表示の効果を得るためには、画素サイズが十分に小さい、すなわち、表示装置の「解像度」が十分に高いことが必要である。なぜなら、擬似階調処理では、本来は1個である画素の表示のために、複数の画素を使用しており、そのために、実際に表示される画像の解像度が低下するからである。
次に、誤差拡散法の基本的な処理内容について説明する。一般に、画像は画素ごとに異なる輝度を持っており、輝度は階調値で表現されている。そこで、誤差拡散処理は、画素ごとに各画素が持つ階調値に対して行われる。現在の処理対象の画素を「注目画素」といい、注目画素の周辺の画素を「周辺画素」という。注目画素では、周辺画素から拡散されてきた全誤差を、注目画素自身の階調値から減算する。そして、誤差が減算された注目画素の階調値を減色し、減色によって発生した誤差を周辺画素に拡散する。
以上の基本的な誤差拡散処理の動作を、図3を用いて説明する。図3の表示処理装置は、誤差累算部101、誤差加算部102、低分解能化変換部103、誤差検出部104、誤差拡散部105を備える。
各信号の意味は次の通りである。入力階調値201は、注目画素が持つ誤差拡散の処理前の階調値で、所定の分解能で表現されている。拡散誤差202は、周辺画素から拡散されてきた誤差である。累積誤差203は、拡散誤差の総計である。理想階調値204は、入力階調値201から累積誤差203を減算した値で、注目画素で表示すべき理想的な階調値である。出力階調値205は、実際にこの画素で表示される階調値で、理想階調値204を表示装置の分解能に合わせて低分解能化した階調値である。生成誤差206は、出力階調値205から理想階調値204を減算した値で、注目画素において発生した誤差である。分配誤差207は、生成誤差206を所定の比率で分割した誤差で、注目画素から周辺画素へ拡散される誤差である。
図3の表示処理装置では、まず理想階調値204を算出し、次に表示装置の分解能に従って減色処理を行い、そして出力階調値205を求める。そして、減色処理の際に発生した生成誤差206を周辺画素へ拡散する。周辺画素では、自身が注目画素として処理されるときに、上記と同様の処理が行われる。すなわち、拡散されてきた拡散誤差202を総計した後、入力階調値201から減算し、理想階調値204を求める。以降の処理も同様である。
次に、図3の表示処理装置の各ブロックの動作を説明する。誤差累算部101は、拡散誤差202を総計し、累積誤差203を算出する。誤差加算部102は、入力階調値201から累積誤差203を減算し、理想階調値204を求める。
低分解能化変換部103は、理想階調値204に対して減色処理を行う。すなわち、理想階調値204に低分解能化した階調値である、低分解能階調値を対応付ける。ここでの減色処理は、小さい分解能の階調値へ「階調値を丸める」処理である。前述の表示装置のように、偶数の5つの階調値(0、2、4、6、8)のみが設定可能である表示装置の場合には、奇数の理想階調値「3」は出力階調値「2」に丸められる。出力階調値205は、注目画素の階調値として、表示装置へ出力される。表示装置では、設定された階調値に従い、画素の表示輝度を設定する。
誤差検出部104は、出力階調値205から理想階調値204を減算し、生成誤差206を求める。生成誤差206とは、理想階調値204の階調値がそのまま表示装置で表示できないために、表示装置の分解能に合わせて低分解能化された際に発生する誤差である。上記の例では理想階調値204が「3」で出力階調値が「2」なので、生成誤差206は−1である。これは、本来表示したい階調値に対して、−1だけ小さい階調値で実際に表示されることを意味する。なお、ここでの生成誤差は、2個の階調値の差であるから、取りうる値は整数のみである。
誤差拡散部105は、生成誤差206を分配誤差207に分割し、周辺画素へ拡散する。分配誤差207は、空間方向又は時間方向に拡散される。空間方向、時間方向への誤差の拡散が意味するところは、図17に示した通りである。このように、生成誤差206は適切な係数をかけることによって分割され、分配誤差207として複数の周辺画素に分配される。このときの係数は、分配誤差207の合計が生成誤差206と等しくなるように適切に選択する。例えば、−1の生成誤差を分配する場合、2個の周辺誤差に対してそれぞれ等しい誤差、−0.5、−0.5を分配してもよい。あるいは、3個の周辺誤差に対してそれぞれ異なる分配比で分配してもよく、例えば、−0.1、−0.6、−0.3等を分配してもよい。このように誤差を周辺画素に拡散させるときの、分配比のパターンについては、空間方向誤差拡散の場合、時間方向誤差拡散の場合ともに種々のものが一般的に知られている(例えば、特許文献2参照)。
周辺画素では、自身の階調値から拡散されてきた拡散誤差202を総計して累積誤差203を求める。そして、入力階調値から累積誤差203を減算し、理想階調値204とする。そのため、拡散されてきた誤差の分だけ小さな階調値が、理想階調値204として生成される。従って、注目画素と周辺画素を全体としてみれば、平均で見れば理想出力通りの値が表示されているように見える。例えば、生成誤差が正の場合は、注目画素が理想出力よりも大きな階調値で表示されたことを意味する。この場合は、注目画素で階調値が大きくなった分だけ、周辺画素では階調値を小さく表示する。逆に、生成誤差が負の場合は、注目画素が理想出力よりも小さな階調値で表示されたことを意味する。この場合は、周辺画素では、生成誤差の分だけ、階調値を小さく表示する。このようにして、誤差拡散法を用いた擬似階調表示が実現できる。
本実施形態の表示処理装置では、入力階調値をそのまま用いて誤差拡散処理するのではなく、入力階調値を所定の非線形特性に基づいて補正した後、誤差拡散処理する。そのために、非線形特性が考慮された誤差拡散処理が可能である。
図1は本実施形態の表示処理装置のブロック図を示す。本実施形態の表示処理装置は、図3の表示処理装置に加え、非線形変換部106及び逆非線形変換部107を備える。
また、各信号の意味は次の通りである。入力階調値201は、図3の表示処理装置における入力階調値と同じ意味である。すなわち、注目画素が持つ誤差拡散の処理前の階調値で、所定の分解能で表現されている。
変換値208は、入力階調値201に、視覚応答特性に基づく非線形変換を行って得られた値である。拡散誤差202は、周辺画素から拡散されてきた誤差である。累積誤差203は、拡散誤差202の総計である。補正変換値209は、変換値208から累積誤差203を減算した値で、注目画素で表示すべき、理想的な表示輝度である。
出力表示輝度210は、実際にこの画素で表示される表示輝度である。表示装置の表示輝度は階調値に基づいて制御される。そのため、設定可能な階調値の段階数である分解能と、階調値に応じて表示輝度が変化するときの段階数は等しい。その意味で、表示輝度の分解能は、表示装置の分解能と等しい。そのため、補正変換値209に、出力表示輝度210を、表示装置が出力可能な表示輝度として対応付けることができる。
出力階調値205は、出力表示輝度210に、非線形変換と逆変換の関係にある逆非線形変換を施した結果得られる階調値である。すなわち、ここでの逆非線形変換とは、視覚輝度に、表示輝度がその視覚輝度になるように、表示装置に設定すべき階調値を対応させる変換である。出力階調値205は表示装置に設定される。そして、注目画素は出力階調値205が示す輝度で表示装置に表示される。
生成誤差206は、出力表示輝度210から補正変換値209を減算した値で、注目画素において発生した誤差である。本実施形態における生成誤差206は、2つの表示輝度の差であり、階調値のスケールではなく、変換値のスケールで表現される。そのため、階調値のように、必ずしも整数になるとは限らない。
拡散誤差207は、生成誤差206を所定の比率で分割した誤差で、注目画素から周辺画素へ拡散される誤差である。
図1の各信号は、図3の場合と同じ名称であっても、意味が異なるものがある。各信号は、2種類の異なるスケールのいずれか一方を用いて数値が表現されている。2種類のスケールとは、階調値のスケールと表示輝度のスケールである。階調値は整数であり、同じステップで増減する。しかし、表示輝度は階調値を非線形変換したものなので、表示輝度が変化するときのステップは階調値によって異なる。入力階調値、出力階調値は階調値のステップで表現される。その他の信号、すなわち、変換値、累積誤差、理想表示輝度、出力表示輝度、生成誤差、及び拡散誤差は、表示輝度のスケールで表現される。図1では、階調値で表現される信号は破線で示し、表示輝度のスケールで表現される信号は実線で示されている。
図2は、第1の実施形態の動作を説明するグラフである。曲線301は、視覚応答特性に基づいた非線形特性の例を示す。曲線301は、視覚応答特性が持つ単調増加性及び非線形性の傾向のみを示すものであり、厳密性は有していない。横軸は階調値Lであり、縦軸は表示輝度Bdである。入力階調値Lの分解能は9であり、Lの値は0から8までの整数である。これに対し、表示装置の分解能は5階調である。従って、本実施形態の表示処理装置では、分解能9の入力階調値Lに、分解能5の出力階調値L’を対応付ける。この対応付けが「減色」である。L’の値は、0、2、4、6、8の5段階である。分解能9の入力階調値が表す注目画素の表示輝度は、分解能5の出力階調値を持つ注目画素及び周辺画素を用いて、擬似的に表現することができる。
非線形特性を関数f(L)で表し、入力階調値Lが例えばL=2n+1(n=0、1、2、3)であった場合を例として説明する。本実施形態の処理は、L=2nのときも同様である。入力階調値Lは非線形変換fによって、変換値f(L)に変換される。f(L)から累積誤差Δ1(図2の例ではΔ1<0である)を減算し、補正変換値f(L)−Δ1=f(L)’を求める。補正変換値f(L)’は、周辺画素で発生した生成誤差を補償するための補正分が加味された、理想的な表示輝度である。しかし、低分解能化するために、補正変換値f(L)’には、分解能5の表示輝度が対応付けられる。
すなわち、f(L)’には、分解能5の変換値(f(2m)、m=0、1、2、3、4)の中で、f(L)’に最も近いf(2(n+1))が対応付けられる。
この対応付けによって、生成誤差Δ2=f(2(n+1))−f(L)’が発生する。この生成誤差Δ2は周辺画素に拡散され、それぞれの周辺画素の誤差拡散処理の際に、累積誤差の算出に利用される。
このように、本実施形態の表示処理装置では、入力階調値Lを変換値f(L)に変換した後、誤差拡散処理を行う。そのため、誤差拡散を用いて擬似的に実現しようとする目標となる表示輝度はf(L)となる。このとき、階調値のスケールで考えると、目標となる階調値はLであり、目標となる階調値に関する誤差は発生しない。
なお、「周辺画素」の「周辺」が意味する物理的な次元は、長さ、又は時間のいずれであってもよい。「注目画素」とは、現在処理対象となっている画素を意味する。従って、「周辺」には、空間的周辺、又は時間的周辺の2種類の意味を持たせることができる。すなわち、「周辺位置」は、同じ時刻に注目画素の近傍に存在する画素、又は、注目画素とは空間的には同じ位置であって、時間的に前後の時刻の画素を意味する。ただし、誤差拡散処理は画素ごとに順次行うため、誤差を拡散するときは時間的に後の周辺位置へ拡散し、誤差を累積するときは時間的に前の周辺位置からの誤差を累積する。
空間方向の誤差拡散では、注目画素の視覚輝度を、周辺画素の表示輝度を増減することによって、擬似的に実現する。時間方向の誤差拡散では、注目画素の視覚輝度を、以降の注目画素の表示輝度を増減することによって、擬似的に実現する。両者は、誤差を拡散させる方向の次元が、位置と時間というように異なるのみであり、本実施形態を実施するに当たっての本質的な違いはない。厳密には、空間方向の誤差拡散では表示装置の解像度(画素の細かさ)に影響を受け、時間方向の誤差拡散ではリフレッシュ・レートに影響を受けるが、それらは実用面を考慮し、適切な値に設定すればよい。
なお、空間方向の誤差拡散では各画素の輝度を時間的に変化させる制御は行わないが、時間方向の誤差拡散ではその制御を積極的に行う。人間の目には、表示輝度の変化に対する時間的な応答遅れ(視覚輝度の変化遅れ)があると考えられる。そのため、空間方向の誤差拡散に適した視覚応答特性と、時間方向の誤差拡散に適した視覚応答特性とが、必ずしも同じとは限らない。従って、それぞれに適した視覚応答特性を求め、それを使用してもよい。また、空間方向の誤差拡散と時間方向の誤差拡散を併用してもよいことは言うまでもない。
(第1の実施形態の効果)
以上のように、第1の実施形態の表示処理装置は、階調値を非線形変換して得られる変換値を目標値として誤差拡散処理を行うので、変換値としての表示輝度の擬似階調表現が正確に実現できる。そのため、階調値を目標値として誤差拡散を行う表示処理装置に比べて、精度の高い擬似階調表示を行うことができる。従って、表示装置の表示品質が向上するという効果がある。
(第2の実施形態)
表示装置は、常に暗所に置かれるとは限らない。表示装置の表示内容の見やすさ(視認性)は、周囲の明るさ(照度)によって変化する。図4は周囲の照度が変化したときの、表示輝度の変化を示すグラフである。図4(a)、(b)に示すように、表示輝度には、周辺の照明の反射等による成分が加算されることがある。そのため、表示装置の表示輝度が同じであっても、周囲の照度が変化すると、視覚輝度は変化する。
液晶表示装置には、周囲の照度の輝度に基づいて、画素の輝度を制御するものがある。このような液晶表示装置は、例えば、特開2004−272156に記載されている。この液晶表示装置では、階調値に対する表示視覚の非線形な補正曲線を、周囲の照度及びバックライトの輝度に応じて変更している。具体的には、周囲の照度又はバックライトの輝度が高いときは、輝度の低い領域の階調値に対する表示輝度の変化率を高める。逆に、周囲の照度又はバックライトの輝度が低いときは、輝度の低い領域の階調値に対する表示輝度の変化率を下げる。これによって、周囲の照度による画質の劣化を抑制している。
本発明の第2の実施形態では、上記のような、周辺環境による視認性の変化を考慮して、誤差拡散の処理を行う。
図5は本発明の第2の実施形態の表示処理装置のブロック図である。図6は第2の実施形態の動作を説明するためのグラフである。図5の表示処理装置では、視覚応答特性に基づく非線形変換と逆非線形変換を行う際に、周囲照度を検出する周囲照度検出部401の検出結果に基づいて、それぞれの変換特性を変更する。すなわち、周囲照度検出部401は特性変更信号402を、非線形変換部106及び逆非線形変換部107へ出力し、変換特性を変更する。このように、変換特性を周囲環境に応じて変更することによって、階調値に対する表示輝度の変換を周辺環境に適応させる。
変換特性へ周囲照度を反映させる具体的な方法の例としては、図6に示すように、周囲照度の検出信号に基づき、視覚応答特性曲線を変更する方法がある。
第2の実施形態において、階調値から変換値に変換する際の非線形変換特性、及び出力表示輝度から出力階調値へ変換する際の逆非線形変換特性は、上記のように周囲照度に従って変更される。表示処理自体は、第1の実施形態の表示処理装置と同じなので、動作の説明は省略する。
なお、周囲照度以外にも、視覚応答特性に影響を与える他の環境条件に基づいて、非線形変換特性及び逆非線形特性を変更してもよいことは言うまでもない。 その他、表示装置の製造上のばらつきによる、階調値に対する表示輝度のズレや、高輝度領域での表示輝度の飽和などの現象により、階調値と視覚輝度との関係は種々に変わりうる。このような場合には、階調値に対して正しい表示輝度で画素が表示されるように、特性を変更する必要が生じた原因をパラメータとして、非線形変換特性及び逆非線形変換特性に変更を加えればよい。
(第2の実施形態の効果)
以上のように、第2の実施形態の表示処理装置は、周辺環境の変動に応じて、視覚応答特性に基づく非線形変換及び逆非線形変換特性を変化させる。そのため、周囲の環境に応じて、正確に擬似階調表現を行うことができる。
(第3の実施形態)
本発明の第3の実施形態では、信号処理により発生する、階調表示の不自然さを除去するために、追加の処理を行う。図7は、本発明の第3の実施例の表示処理装置のブロック図である。第3の実施例の表示処理装置では、人間の目が空間方向に持つ特性を考慮して、自然な階調表現を得るための変更を加えている。
誤差拡散を用いた擬似階調表示では、注目画素の階調値と表示装置で表示可能な階調値との差によって、表示状態に差が表れる。すなわち、注目画素の階調値が表示装置で表示可能な階調値と近い場合には、拡散される誤差が小さいため、注目画素の周辺画素の輝度は同程度の値になる可能性が高い。すなわち、注目画素の周辺に、輝度の変化が少ない領域が現れる可能性が高い。
一方、注目画素の階調値と、表示装置で表示可能な階調値との差が大きい場合には、注目画素の周辺に、階調値が大きい周辺画素と小さい周辺画素が混在する。例えば、表示可能な階調値2n(nは自然数)とその次の階調値2(n+1)との、ちょうど中間の輝度2n+1を表示しようとした場合などは、階調値2nの周辺画素と階調値2(n+1)の周辺画素が同数混在する可能性がある。従って、グラデーションのある画像など、階調値が緩やかに変化する画像を表示する場合には、同じ階調値を持つ画素が連続する領域と、異なる階調値を持つ画素が混在する領域が交互に並んだ画像が生成されることがある。
人間の目は空間方向の変化(輪郭など)に敏感に反応するため、階調値の変化が多い領域と少ない領域との間に線が存在するように認識される。そして、その線が、領域を分離する境界線として認識される。このように、擬似的に境界線が認識されるような階調表示の例を図9(a)に示す。図9(a)の階調表示には、階調値の変化が多い領域Aと階調値の変化が少ない領域Bがある。領域Bは、輝度が均一な一つの帯状の領域として認識される。そのため、領域Aと領域Bとの間に、境界線が存在するように見える。図9(a)の階調表示は、階調値が緩やかに変化する画像の表示の例であり、実際には画像中に境界線は存在しない。
第3の実施例では、減色前の階調値が、表示装置で表示可能な階調値と近いか否かを検出し、近い画素ほどノイズを多く加算することにより、階調変化が少ない領域の発生を抑える。
図7の第3の実施例の表示処理装置では、減色前の階調値と表示装置で表示可能な階調値との差を検出するために、入力階調値201を非線形変換し、変換値208を求め、累積誤差203を減算する。ここで、求めた補正変換値209は、減色前の、表示輝度として理想的な輝度であり、表示装置の分解能が十分に高い場合にはそのまま表示装置に設定することが望ましい輝度である。
ところが、補正変換値209をそのまま表示装置に設定するのではなく、低分解能の表示装置を用いて擬似階調表示を行う場合には、上記のような問題が発生する。すなわち、補正変換値209がその表示装置に設定可能な階調値に近い場合、拡散される誤差が少ないため、複数の画素が、ほぼ同一の輝度からなる領域として表示される。そのため、その周囲の、拡散誤差が多い領域との間に擬似境界線が現れる。
そこで、補正変換値209と、表示装置に設定可能な階調値との差を求め、その差に応じてノイズを補正変換値209に加算する。
補正変換値209と、表示装置に設定可能な階調値との差を求めるために、低分解能化変換部501で補正変換値209を低分解能化する。低分解能化とは、表示装置に設定可能な低分解能階調値506を対応付けることを意味する。
そして、加算器502を用いて、低分解能化前の補正変換値209から低分解能階調値506を減算し、差507を求める。差507が、補正変換値204と、表示装置に設定可能な階調値との差である。なお、差507は階調値のスケールで表現されているが、累積誤差203が減算されているため、整数値になるとは限らない。
差507は、第1及び第2の実施形態における生成誤差に相当する。しかし、第3の実施形態では、差507を生成誤差とはしない。後述のように、第3の実施形態では、差507に基づいたノイズを補正変換値209に加算した後、低分解能化し、生成誤差を求める。低分解能化変換部501と低分解能化変換部103は同じ処理を行うので、ハードウェアやソフトウェアのルーチンを共通化してもよい。
そして、差507の大きさに応じて、ゲイン制御部503ではゲイン制御信号508を発生する。差507とゲイン制御信号508との関係は図7中に示した、グラフ509の通りである。すなわち、差507が0のときにはゲインを最大にする。そして、差が最大、すなわち、差が+0.5又は−0.5のときは、ゲインを最小にする。
乱数発生部504は乱数510を発生する。乱数510とは、注目画素に対してノイズを1個加算するために、1回の誤差拡散処理ごと、すなわち1つの注目画素ごとに1つのランダム値を発生する。乱数510を時間で平均したときの平均値は0である必要がある。
乱数510は、ゲイン制御信号508に従って、増幅部505によって増幅され、ノイズ信号511となる。ノイズ信号511は、加算部512によって補正変換値209に加算され、補正変換値513となる。以降の処理は、第1の実施形態と同じである。
図8は、第3の実施形態の動作を説明するグラフである。基本的な動作は第1の実施形態の表示処理装置と共通なので、異なる動作のみ説明する。第3の実施形態の表示処理装置でも、入力階調値Lを非線形変換fによって変換値f(L)に変換した後、累積誤差Δ1を減算し、補正変換値f(L)−Δ1=f(L)’を求める。そして、f(L)’を低分解能化したときに対応付けられる、分解能5の変換値f(2(n+1))との差dを求める。dは階調値のスケールで求めるものとする。dは正負の値を取り、絶対値の最小値は0、最大値は0.5である。
次に、差dの表示処理における意味について説明する。差dが大きいときは、拡散される生成誤差が大きいので、周辺画素に分配される拡散誤差も大きくなる。そのため、注目画素と周辺画素の表示輝度は異なる可能性が高い。一方、差dが小さいときは、拡散される生成誤差が小さいので、周辺画素に分配される拡散誤差も小さくなる。そのため、注目画素と周辺画素の表示輝度がほぼ等しくなる可能性が高い。極端なケースでは、差dが0ならば、拡散される生成誤差が0であり、拡散誤差も0となる。そのため、注目画素と周辺画素の表示輝度は等しくなる。従って、差dが小さいときには、図9(a)を用いて説明したように、差dが大きい領域との間に、擬似的な境界線が現れる可能性が高くなる。このように、差dの大きさによって、擬似的な境界線が現れる可能性の大小を判断することができる。
そこで、第3の実施形態の表示処理装置では、差dに基づいて大きさを制御したノイズBnを、補正変換値f(L)’に加算する。そして、f(L)’+Bnを、理想的な表示輝度として誤差拡散処理を行う。以降の、ノイズ加算後の補正変換値f(L)’+Bnに対して行う動作は、第1の実施形態において補正変換値f(L)’に対して行う処理と同じである。
このように、本実施形態の表示処理装置では、入力階調値Lを変換値f(L)に変換した後、累積誤差を減算し、補正変換値を求める。そして、補正変換値とそれを低分解能化したときの差に基づいたノイズを、補正変換値に加算する。この処理は、実質的に、低分解能化したときに現れる擬似的な境界線の位置を、画素ごとにランダムに移動させることに相当する。そのため、境界線が分断され、結果的に人間の目に境界線が認識されないようにできる。
擬似的な境界線が現れている図9(a)の画像に、上記のようにして、表示階調値にノイズを加算し、表示装置で表示したときの画像の例を図9(b)に示す。このように、境界線が現れる領域付近に近いほど大きなノイズが加算されるため、明確な境界線が現れないようにすることができる。
(第3の実施形態の効果)
第3の実施形態の表示処理装置では、理想表示輝度と実際に表示装置で表示可能な輝度との差に基づいて発生させたノイズを、理想表示輝度に加算する。そのため、表示したときに階調変化が少なく、擬似的な境界線が現れる領域に対して、適当な階調変化を発生させることができる。従って、人間の目に、擬似的な境界線が認識されにくくなる効果が得られる。
なお、以上の実施形態は各々他の実施形態と組み合わせることができる。例えば、第2の実施形態と第3の実施形態を組み合わせ、外部の照度に基づく補正及び誤差拡散処理時のノイズの加算の両方を行ってもよい。
第1乃至第3の実施形態の表示処理は、画素の輝度に対してのみ行った。その意味で、これらの実施形態の処理は、白黒画像等、単色画像における濃淡処理である。しかし、実施形態は、カラー画像の表示処理にも適用可能である。すなわち、カラー画像を表示するときは、例えばRGBの3原色のそれぞれの輝度について、第1乃至第3の実施形態のような表示処理を行えばよい。その際、R、G、Bそれぞれに使用する非線形特性を、各色に対する視覚輝度特性に合わせて別個に設定してもよい。
ところで、各実施形態の説明では、視覚応答特性の非線形特性を例として説明した。しかし、非線形特性は視覚の非線形な応答特性のみに限定されない。視覚応答は人間の光(明るさ)に対する応答である。その他にも、ある現象を表現する物理量とその現象への人体の応答(感じ方)とが線形特性にならないものにも、本発明は適用できる。このような現象の例としては、音の大きさ、人体に感じる振動の大きさなどがある。例えば、振動の大きさが大、中、小の3段階で制御可能なバイブレータを用いて、人間には無段階に感じるような振動の大きさの制御を、擬似的に実現することも可能である。
(第4の実施形態)
第1乃至第3の実施形態では、視覚応答特性の非線形性に起因する問題を解決する表示処理装置の例を示した。ところが、本発明の誤差拡散法は、ある刺激に対する人間の応答自体を利用したり、人間の応答に何らかの操作を加えたりするものではない。従って、本発明の誤差拡散法は、非線形特性に基づいた変換を行う場合にも一般的に適用可能である。つまり、本発明の誤差拡散法は、一部に非線形特性を含む所定の特性に従って入力信号を変換するような応用であって、かつ高分解能の出力信号と同等の効果を、低分解能の複数の出力信号の組み合わせを用いて擬似的に得る用途に適用できる。
図10は、本発明を一般化し、本発明に必須の要素のみで構成した誤差拡散処理装置のブロック図である。
入力値201は、ある注目位置の状態を示す値で、分解能N(Nは自然数)で表現されている。すなわち、入力値201は、状態を表す値が最大でN段階であるとき、注目位置の状態がN段階のいずれの段階にあるかを表す数値である。
非線形変換部106は、入力値201を所定の非線形特性に基づいて変換し、変換値208を出力する。ここでの非線形変換特性は、処理対象範囲内の入力値201に対して、単調増加であるものとする。従って、変換値208は入力値201に1対1に対応付けられるので、変換値208も最大N段階の値を持つ。その意味で、変換値208の分解能もNである。ただし、変換値208の値によって、段階の大きさ(入力値201が1だけ変化したときの変換値208の変化量)は異なる。図11の非線形変換特性の場合は、変換値208が大きいほど、段階の大きさは大きくなる。
誤差累積部101は、注目位置の周辺位置からの拡散誤差202を累積し、総計である累積誤差203を求める。このとき、処理を簡略化するため等の目的で、値が小さく、無視しても実質的な影響がない拡散誤差202については加算を省略してもよい。加算を省略する拡散誤差202の、値の範囲については予め定めておけばよい。誤差加算部102は、変換値208から累積誤差203を減算し、補正変換値209を出力する。
低分解能化変換部103は、補正変換値209を、分解能M(Mは、M<Nの自然数)の低分解能変換値210に対応付ける。分解能Mの低分解能変換値210とは、分解能Mの入力値を非線形特性に従って変換した変換値である。上記のように、本実施形態の非線形変換では入力値と出力値は1対1に対応するので、変換前後で分解能は変化しない。
誤差検出部104は、低分解能変換値210から補正変換値209を減算し、生成誤差206を求める。本実施形態における生成誤差206は、2つの変換値の差なので、階調値のスケールではなく、変換値のスケールで表現される。
誤差拡散部105は、生成誤差206を複数の周辺位置に拡散する。拡散とは、生成誤差206を所定の比率で分割し、分割誤差207として周辺位置に分配することを意味する。周辺位置が処理対象の位置、つまり注目位置になったとき、他の周辺位置から拡散されてきた分割誤差207を拡散誤差202として受け取る。そして、拡散誤差202を総計し、累積誤差203を求め、誤差拡散処理を行う。
図11は、第4の実施形態の動作を説明するグラフである。基本的な処理内容は、第1の実施形態と同じである。曲線301は、非線形特性を示す。横軸は変換される対象の入力値であり、縦軸は入力値の変換後の値である変換値である。入力値Xの分解能は9であり、Xの値は0から8までの整数である。なお、曲線301は、視覚応答特性が持つ単調増加性及び非線形性の傾向のみを示すものであり、厳密性は有していない。
非線形特性を関数f(X)で表すと、入力値Xは非線形変換fによって、変換値f(X)に変換される。f(X)から累積誤差Δ1(図11の例ではΔ1>0である)を減算し、補正変換値f(X)−Δ1=f(X)’を求める。補正変換値f(X)’は、周囲位置で発生した生成誤差を補償するための補正分が加味された、理想的な変換値である。しかし、低分解能化するために、補正変換値f(X)’は分解能5の変換値に対応付けられる。すなわち、f(X)’には、分解能5の変換値(f(2m)、m=0、1、2、3、4)の中で、f(X)’に最も近いf(2n)が対応付けられる。
この対応付けによって、生成誤差Δ2=f(2n)−f(X)’が発生する。この生成誤差Δ2は周辺位置に拡散され、それぞれの周辺位置の誤差拡散処理の際に、累積誤差の算出に利用される。
このように、本実施形態の誤差拡散処理装置では、入力値Xを変換値f(X)に非線形変換した後、誤差拡散処理を行う。従って、誤差拡散を用いて擬似的に実現しようとする目標となる変換値はf(X)となる。このように、誤差拡散処理に、非線形変換の効果が加味されているため、正確な処理が可能である。擬似階調表現を行った場合には、階調値のスケールで考えると、目標となる階調値は実質的にX’となり、目標となる階調値に関する誤差は発生しない。
なお、「注目位置」における「位置」という概念、及び「周辺画素」における「周辺」という概念が持つ物理的な次元は、長さ、又は時間のいずれであってもよい。注目位置とは、現在処理対象となっている「空間的位置」、又は「時間的位置」を意味する。従って、「周辺」にも、空間的周辺、又は時間的周辺の2種類の意味を持たせることができる。すなわち、「周辺位置」は同じ時刻における注目位置の近傍の地点、又は、注目位置とは空間的には同じ位置であって、時間的に前後の時点を意味する。ただし、誤差拡散処理は位置ごとに順次行うため、誤差を拡散するときは時間的に後の周辺位置へ拡散し、誤差を累積するときは時間的に前の周辺位置からの誤差を累積する。
図10の本実施形態の構成に、変換値に対して非線形変換の逆変換(逆非線形変換)を施す逆非線形変換部を追加してもよい。逆非線形変換部を追加することによって、分解能9の入力値Xに、分解能5の低分解能の変換値Yを対応付けることができる。Yの値は、0、2、4、6、8の5段階である。このとき、分解能9の入力値が示す注目位置の状態は、分解能5の出力値を持つ注目位置及び周辺画素を用いて、擬似的に表現することができる。
第1乃至第4の実施形態においては、下に凸である非線形特性を用いて説明したが、上に凸である非線形特性にも本発明は適用可能である(図12(a))。また、光、音等の物理的な刺激に対する人間の応答特性は、基本的には単調増加傾向があると考えられるが、本発明は単調減少の傾向を持つ非線形特性にも適用できる(図12(b)、(c))。また、人間の応答特性のように、入力が0のとき応答も0になるような特性、すなわち原点を通る非線形特性である必要もなく、所定のオフセットを持つ特性であってもよい(図13)。
非線形特性が、単調増加の区間と単調減少の区間を含むならば、それぞれについて個別に本発明を適用してもよい。図14に、単調増加区間及び単調減少区間、並びに下に凸の区間及び上に凸の区間のすべてを含む非線形特性の例を示す。この非線形特性は、1)単調増加で上に凸の区間A、2)単調減少で上に凸の区間B、3)単調減少で下に凸の区間C、4)単調増加で下に凸の区間D、の4種類の区間を持つ。なお、それぞれの区間は、一部に線形な区間を含んでもよい。非線形特性が、図14のような非線形特性の場合は、累積誤差203が加算された変換値である、補正変換値209の値によって、区間A、区間Bと区間C、区間Dの3つの区間に区分し、それぞれについて本発明の誤差拡散法を適用すればよい。その際、累積誤差203が加算された変換値である、補正変換値209の値によって、区間を区分し処理を行う。単調性のある区間ごとに処理を行う必要がある理由は、擬似階調表現を行うためには、表現しようとしている階調値より大きい階調値及び小さい階調値の両方が必要だからである。
(第4の実施形態の効果)
以上のように、第4の実施形態では、入力値の非線形変換後の変換値を用いて誤差を求め、誤差拡散を行う。そのため、変換特性の非線形性に起因する誤差が減少し、正確な擬似拡散処理を行うことができるという効果がある。
(第5の実施形態)
第4の実施形態の誤差拡散は、すべての処理を、ハードウェアを用いて行ってもよいが、演算装置を用いたプログラム処理によって行うこともできる。図15は、第5の実施形態の誤差拡散処理装置のブロック図を示す。
本誤差拡散処理装置は、中央処理装置などで実現される処理部601、非線形特性情報テーブル、処理プログラム、及び処置に必要な各種の情報を記憶する記憶部602を備える。非線形特性情報テーブルとは、変換される値に非線形変換後の値を対応付けた情報テーブルである。
図16は、図15の誤差拡散処理装置が処理する処理プログラムのフローチャートである。初めに、生成誤差、累積誤差、及び処理位置を識別する処理位置番号を初期化する(ステップS1)。次に、入力値Xを非線形変換fし、変換値f(X)を求める(ステップS2)。また、他の位置で生成され、拡散されてきた拡散誤差をすべて加算し、累積誤差Δ1を求める(ステップS3)。そして、変換値f(X)から累積誤差Δ1を減算し、補正変換値f(X)’を求める(ステップS4)。なお、S2とS3の処理は、逆の順序での処理、あるいは並行処理であってもよい。
次に、補正変換値f(X)’を低分解能化する(ステップS5)。すなわち、補正変換値f(X)’に、低分解能の変換値のうち、f(X)’に最も近い変換値f(n))を対応付ける。
そして、f(n)からf(X)’を減算し、生成誤差Δ2を求める(ステップS6)。さらに、生成誤差Δ2を分配誤差に分割し、周辺位置に拡散する(ステップS7)。拡散の具体的な処理の例としては、記憶部502内に、処理する位置ごとに拡散誤差の記憶領域を設け、その領域に拡散する誤差を格納する方法がある。あるいは、その記憶領域のその時点の値に、拡散する誤差を加算し、書き戻してもよい。この場合は、累積誤差の算出ステップS3が不要となり、記憶領域も削減できる。
最後に、処理位置番号を確認し、すべての位置についての処理が完了したか否かを確認し(ステップS8)、完了した場合は誤差拡散処理を終了する。すべての位置についての処理が完了していないときは、ステップS2からS7までの処理を繰り返す。
(第5の実施形態の効果)
このように、本発明の誤差拡散処理は、演算装置を用いたプログラム処理によって行うことができる。そのため、演算装置を他の処理と兼用することができるので、ハードウェアを削減することができる。また、誤差拡散のアルゴリズムに修正を加える等の、設計変更にも柔軟に対応することができる。
本発明の各実施形態は、それぞれ必要に応じて組み合わせることができる。
本発明の第1の実施形態の表示処理装置の構成を示すブロック図である。 本発明の第1の実施形態の表示処理装置の動作を説明するためのグラフである。 誤差拡散処理装置の基本構成のブロック図である。 周囲照度が変化したときの、階調値と表示輝度の関係を示すグラフである。 本発明の第2の実施形態の表示処理装置の構成を示すブロック図である。 本発明の第2の実施形態の表示処理装置の動作を説明するためのグラフである。 本発明の第3の実施形態の表示処理装置の構成を示すブロック図である。 本発明の第3の実施形態の表示処理装置の動作を説明するためのグラフである。 ノイズを加算しない場合、及びノイズを加算した場合の画像の表示の例である。 本発明の第4の実施形態の表示処理装置の構成を示すブロック図である。 本発明の第4の実施形態の表示処理装置の動作を説明するためのグラフである。 非線形特性の一例を示すグラフである。 非線形特性の一例を示すグラフである。 非線形特性の一例を示すグラフである。 本発明の第5の実施形態を示すブロック図である。 本発明の第5の実施形態の動作を示すフローチャートである。 空間方向の誤差拡散及び時間方向の誤差拡散の概念を示す図である。 視覚応答特性の一例を示すグラフである。 関連する誤差拡散処理方法の問題を説明するグラフである。
符号の説明
102、104 加算部
201 入力階調値
202 拡散誤差
203 累積誤差
204 理想階調値
205 出力階調値
206 生成誤差
207 分配誤差
208 変換値
209 補正変換値
210 出力表示輝度
301 曲線
402 特性変更信号
502、512 加算部
505 増幅部
506 低分解能階調値
507 差
508 ゲイン制御信号
509 グラフ
510 乱数
511 ノイズ信号
513 補正変換値

Claims (16)

  1. 画素により構成された画像における、空間的又は時間的な第1の位置にある前記画素である注目画素が表示装置によって表示されたとき表示輝度が、階調が一定である第1の特性に従って第1の分解能で表現された第1の数値を、単調増加性又は単調減少性及び非線形特性を含む所定の変換特性に基づいて、階調が一定でない第2の特性に従う第1の変換値に変換する変換部と、
    前記注目画素の周辺の位置の周辺画素から前記注目画素へ拡散されてきた、前記周辺画素における理想的な輝度と低分解能の輝度との差である誤差を加算し、累積誤差を求める誤差累積部と、
    前記第1の変換値から前記累積誤差を減算し、補正変換値を求める誤差加算部と、
    前記第1の分解能よりも少ない第2の分解能で表現された第2の数値を前記変換特性に基づいて変換した数値である第2の変換値を求める分解能変換部と、
    前記第2の変換値から前記補正変換値を減算し、生成誤差を求める誤差検出部と、
    前記生成誤差を、前記第1の位置の周辺の位置に拡散する誤差拡散部
    を備え、
    前記変換特性は、前記表示輝度と、前記表示輝度を人間が知覚したときの視覚輝度との関係を示す視覚応答特性に基づき設定された非線形特性である
    誤差拡散処理装置。
  2. 前記第2の変換値を、前記変換と逆変換の関係にある逆変換特性に基づいて変換する逆変換部
    を備えることを特徴とする請求項1記載の誤差拡散処理装置。
  3. 前記分解能変換部は、前記第2の変換値のうち、前記第1の変換値に最も近い変換値を、前記第1の変換値に対応付ける
    ことを特徴とする請求項1又は2記載の誤差拡散処理装置。
  4. 所定の情報に基づいて、前記変換特性を変更するための特性変更信号を出力する特性変更部
    を備えることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の誤差拡散処理装置。
  5. 前記第1の数値に基づいてノイズを発生するノイズ発生部と、
    前記補正変換値に前記ノイズを加算するノイズ加算部
    を備えることを特徴とする請求項1乃至4記載のいずれかに誤差拡散処理装置。
  6. 前記ノイズ発生部は、前記補正変換値に基づいて前記第2の変換値を求めたときに発生する低分解能化誤差に基づいて前記ノイズを発生する
    ことを特徴とする請求項5記載の誤差拡散処理装置。
  7. 前記ノイズ発生部は、前記低分解能化誤差が最小のとき最大の前記ノイズを発生し、前記低分解能化誤差が最大のとき最小の前記ノイズを発生する
    ことを特徴とする請求項6記載の誤差拡散処理装置。
  8. 前記周辺の位置は、前記第1の位置が示す場所以外で、前記場所から所定の距離内にある、空間的周辺位置である
    ことを特徴とする請求項1乃至7記載の誤差拡散処理装置。
  9. 前記周辺の位置は、前記第1の位置が示す時刻以降で、前記時刻から所定の時間内にある、時間的周辺位置である
    ことを特徴とする請求項1乃至7記載の誤差拡散処理装置。
  10. 前記周辺の位置は、前記第1の位置が示す場所以外で、前記場所から所定の距離内にある空間的周辺位置、及び前記第1の位置が示す時刻以降で、前記時刻から所定の時間内にある時間的周辺位置を含み、
    前記誤差拡散部は、前記生成誤差を、前記空間的周辺位置及び前記時間的周辺位置に拡散する
    ことを特徴とする請求項1乃至7記載の誤差拡散処理装置。
  11. 前記第1の位置は、処理対象の画素である注目画素の位置であり、
    前記状態は、前記注目画素が表示装置によって表示されるときの輝度であり、
    前記第1の数値は、前記注目画素の前記輝度を示す階調値である
    ことを特徴とする請求項1乃至10記載の誤差拡散処理装置。
  12. 請求項2記載の誤差拡散処理装置を備え、
    前記逆変換部の出力値を用いて、前記第1の分解能で表現された前記第1の位置の状態を前記第2の分解能で擬似的に表現する
    ことを特徴とする擬似階調表現装置。
  13. 請求項2記載の誤差拡散処理装置を備え、
    前記第1の位置は、注目画素の位置であり、
    前記状態は、画素が表示装置によって表示されるときの輝度であり、
    前記第1の数値は、前記注目画素の前記輝度を示す階調値であり、
    前記逆変換部の出力値を用いて、前記第1の分解能で表現された前記注目画素の輝度を、前記第2の分解能で擬似的に表示する
    ことを特徴とする擬似階調表示装置。
  14. 画素により構成された画像における、空間的又は時間的な第1の位置にある前記画素である注目画素が表示装置によって表示されたとき表示輝度が、階調が一定である第1の特性に従って第1の分解能で表現された第1の数値を、単調増加性又は単調減少性及び非線形特性を含む所定の変換特性に基づいて、階調が一定でない第2の特性に従う第1の変換値に変換するステップと、
    前記注目画素の周辺の位置の周辺画素から前記注目画素へ拡散されてきた、前記周辺画素における理想的な輝度と低分解能の輝度との差である誤差を加算し、累積誤差を求めるステップと、
    前記第1の変換値から前記累積誤差を減算し、補正変換値を求めるステップと、
    前記第1の分解能よりも少ない第2の分解能で表現された第2の数値を前記変換特性に基づいて変換した数値である第2の変換値を求めるステップと、
    前記第2の変換値から前記補正変換値を減算し、生成誤差を求めるステップと、
    前記生成誤差を、前記第1の位置の前記周辺の位置に拡散するステップ
    を備える誤差拡散処理方法であって、
    前記変換特性は、前記表示輝度と、前記表示輝度を人間が知覚したときの視覚輝度との関係を示す視覚応答特性に基づき設定された非線形特性である
    誤差拡散処理方法。
  15. 記憶部を備えるコンピュータを、
    画素により構成された画像における、空間的又は時間的な第1の位置にある前記画素である注目画素が表示装置によって表示されたとき表示輝度が、階調が一定である第1の特性に従って第1の分解能で表現された第1の数値を、前記記憶部に記憶された、単調増加性又は単調減少性及び非線形特性を含む所定の変換特性に基づいて、階調が一定でない第2の特性に従う第1の変換値に変換する手段と、
    前記注目画素の周辺の位置の周辺画素から前記注目画素へ拡散されてきた、前記周辺画素における理想的な輝度と低分解能の輝度との差である誤差を加算し、累積誤差を求める手段と、
    前記第1の変換値から前記累積誤差を減算し、補正変換値を求める手段と、
    前記第1の分解能よりも少ない第2の分解能で表現された第2の数値を前記変換特性に基づいて変換した数値である第2の変換値を求める手段と、
    前記第2の変換値から前記補正変換値を減算し、生成誤差として求める手段と、
    前記生成誤差を、前記第1の位置の前記周辺の位置に拡散する手段
    として機能させるための誤差拡散処理プログラムであって、
    前記変換特性は、前記表示輝度と、前記表示輝度を人間が知覚したときの視覚輝度との関係を示す視覚応答特性に基づき設定された非線形特性である
    誤差拡散処理プログラム。
  16. 請求項15記載の誤差拡散処理プログラムを記憶したコンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
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