JP5389863B2 - 多層構造即席麺及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、多層構造即席麺及びその製造方法に関する。
即席麺は、切り出された生麺線をα化処理した後、フライ乾燥、熱風乾燥、凍結乾燥等の方法によって乾燥させたもので、熱湯を注加して3〜5分程度放置するだけ、あるいは1〜3分程度炊いて調理するだけで簡単に喫食でき、極めて簡便性の高い即席食品である。上述のような所定の調理時間に、十分に復元し瑞々しい食感となることは、即席麺の重要な要素である。しかし、麺線が太い場合には、熱湯を注加して3〜5分程度放置するだけでは内部に復元しない芯が残ることがあった。特に近年、消費者のニーズの多様化により、太い麺線からなる即席麺を求める声が高まっており、復元性を改善する方法は、即席麺の分野において非常に有用な技術となっている。
即席麺の復元性を改善するための技術が既に開発されており、その中には食塩を使用した方法も存在する。特許文献1には、食塩を含まない水で茹で処理した後、特定濃度の食塩水での茹で処理をする早戻し麺類の製造方法及びその製造方法により得られた早戻し麺類が開示されている。特許文献2には、常法により製造した麺帯又は麺線を60〜130℃の高温食塩水中に浸漬した後、乾燥する即席乾燥麺類の製造法が開示されている。特許文献3には、高塩濃度の溶液で麺線を茹で処理した後、水洗を経て製造された即席麺類が開示されている。特許文献4には、生麺線を蒸熱し、次いで食塩水溶液又は食塩含有水系乳化液に浸漬し茹でた後、脱液してから40〜100℃の温度で予備乾燥し、続いて110〜200℃の温度で本乾燥する事を特徴とする即席麺類の製造法が開示されている。
特許第4234051号公報 特開昭53−81641号公報 特開2000−189089号公報 特公昭56−9096号公報
本発明は、即席麺の復元性をさらに改善するため技術を提供することを目的とする。即席麺の良好な復元性を妨げる一因として、蒸し工程や、茹で工程において、麺線内部の澱粉のα化が十分に進行しないことが考えられていた。これは、特に麺線が太い場合において顕著である。
本発明者等は、即席麺の製造工程において、主原料に対する食塩の配合量が増加するにつれ、麺線内の澱粉のα化が進行するという新規の知見を得た。この知見、及び所定の層状構造を即席麺に適用することにより、従来には得られなかった即席麺の復元性の改善効果が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、内層麺帯を外層麺帯で挟み、1枚の麺帯に複合し、圧延し、麺線を形成し、α化し、乾燥する工程を経て製造される多層構造即席麺であって、前記外層麺帯の食塩の配合量に比較して、前記内層麺帯の食塩の配合量が多いことを特徴とする多層構造即席麺、に関する。
内層麺帯の食塩の配合量が主原料100質量部に対して、4〜12質量部であることを特徴とする多層構造即席麺、に関する。
内層麺帯を外層麺帯で挟む前の、外層麺帯の厚みの合計と、内層麺帯の厚みの比が2:1〜2:8であることを特徴とする多層構造即席麺、に関する。
また本発明は、多層構造即席麺の製造方法であって、以下の工程、すなわち、
(1)外層麺帯と、内層麺帯とを形成する工程、
(2)内層麺帯を外層麺帯で挟み、1枚の麺帯に複合する工程と、
(3)前記複合した多層構造の麺帯をさらに圧延した後、切り出して生麺線を形成する工程、
(4)前記生麺線をα化する工程、
(5)前記α化後の麺線を乾燥する工程と、
を具備し、前記外層麺帯の食塩の配合量に比較して、前記内層麺帯の食塩の配合量が多いことを特徴とする、多層構造即席麺の製造方法、に関する。
本発明によれば、特に太い麺線の内部の澱粉を十分にα化することができ、大幅に復元性が改善された即席麺を得ることができる。
本発明の製造工程における、麺帯の断面を示す概念図の一例である。 実施例1−1の蒸し直後の麺線の内層の断面を撮影した走査型電子顕微鏡写真である。 実施例1−1の蒸し直後の麺線の外層の断面を撮影した走査型電子顕微鏡写真である。 比較例1−1の蒸し直後の麺線の内層の断面を撮影した走査型電子顕微鏡写真である。 比較例1−1の蒸し直後の麺線の外層の断面を撮影した走査型電子顕微鏡写真である。 比較例1−2の蒸し直後の麺線の内層の断面を撮影した走査型電子顕微鏡写真である。 比較例1−2の蒸し直後の麺線の外層の断面を撮影した走査型電子顕微鏡写真である。
本発明は、内層麺帯を外層麺帯で挟み、1枚の麺帯に複合し、圧延し、麺線を形成し、α化し、乾燥する工程を経て製造される多層構造即席麺であって、外層麺帯の食塩の配合量に比較して、内層麺帯の食塩の配合量が多いことを特徴とする。
以下、本発明の多層構造即席麺の実施形態について、本発明者等がこのような構成に至った理由と併せて説明する。なお、本発明においては、「質量」は「重量」と同義語として扱い、「質量%」は「重量%」と同義語として扱う。
食塩の配合量
本発明において、外層麺帯の主原料の総和を100質量部とした場合の外層麺帯の食塩の配合量に比較して、内層麺帯の主原料の総和を100質量部とした場合の内層麺帯の食塩の配合量が多いことを特徴とする。主原料としては、小麦粉、そば粉、ライ麦粉、大麦粉、澱粉等の粉体原料が挙げられ、これらを単独または組み合わせて用いられる。小麦粉としては、麺類の製造に用いられる全ての種類が使用可能である。澱粉としては、麺類の製造に用いられる全ての種類が使用可能である。例えば、馬鈴薯澱粉、タピオカ澱粉、ワキシーコーンスターチ、コーンスターチ、小麦澱粉、サゴ澱粉、米澱粉等が挙げられる。また、これらを原料として得られるα化澱粉、さらにはエーテル化澱粉、エステル化澱粉、架橋澱粉、酸化澱粉等の化工澱粉も使用可能である。本発明においては、主原料に対する食塩の配合量が重要である。
一般に、水溶液中の澱粉の糊化に各種の塩類が影響を及ぼすことは広く知られており、食塩(塩化ナトリウム)は、糊化温度を上昇させると言われている。これは、塩類により構造水が増大し、自由水が減少するためと考えられている。(澱粉科学の事典 P198)。しかし、これはあくまで水が豊富に存在する水溶液中における挙動である。本発明者等はまず、一般に水分30〜45質量%程度である即席麺用の麺線内において、食塩が澱粉のα化に与える影響について検討するため、以下の予備実験を実施した。
予備実験
主原料である小麦粉100質量部に対し、それぞれ2、4、6、8、10質量部の食塩を溶解させた練り水を添加し、それぞれ混練して麺生地を得た。これらの麺生地を個別に複合、圧延し得た1.2mmの麺帯を20番角刃により切り出し、麺線を形成した。各麺線を2分間100℃で蒸した後、酵素消化法によりこれらの麺線のα化度を測定した。測定結果を表1に示す。
Figure 0005389863
上述した水溶液内の挙動とは異なり、食塩の配合量が増加するにつれ、麺線内の澱粉のα化が進行することが判明した。この知見に加え、麺帯、麺線を以下のように多層構造とすることで、本発明の目的を達成することができる。
多層構造
本発明において多層構造とは、三層以上の層を有する層状構造(図1)をいい、内層麺帯を外層麺帯で挟み、それらを1枚の麺帯に複合することにより得られる。内層は単数の層から構成されてもよいし、複数の層から構成されてもよい。内層麺帯を外層麺帯で挟む前の、外層麺帯の厚みの合計と内層麺帯の厚みの比は2:1〜2:8であることが好ましく、より好ましくは2:1〜2:4、さらに好ましくは2:1〜2:3である。
本発明において、外層麺帯の食塩の配合量に比較して、内層麺帯の食塩の配合量が多いことが重要である。外層麺帯の食塩の配合量に比較して、内層麺帯の食塩の配合量が少ないか、同じであると、それらの麺帯を複合し、圧延し、切り出し、麺線を形成した後のα化工程において、外層が早期にα化し、ペースト状の層が麺線を覆う。このペースト状の層は、α化工程において水蒸気や熱湯が内層まで進入することを妨げ、結果として、内層のα化が進行せず、本発明の効果が得られないと考えられる。内層麺帯の食塩の配合量は、主原料100質量部に対して4〜12質量部が好ましい。12質量部を超えると、復元性は良好ではあるが、製麺工程において麺帯又は麺線が切れやすく、連続生産が困難となる。
食塩含量
また、本発明の即席麺は、乾燥処理後の麺塊全体の食塩含量を低く抑えることができる。具体的に、麺塊全体の食塩含量は5.5質量%以下が好ましい。5.5質量%を超えると、復元時の麺から湯への塩分の溶出により湯の塩濃が高くなり、一旦復元に用いた湯を廃棄しなければならない。新たな湯を加えて、その後、粉末スープ、濃縮液体スープ等を加えなければならなく、即席麺の調理に簡便性を求める消費者のニーズに応えることができない。また、1.0mm〜3.0mmの範囲の太さの麺線からなる麺塊においては、食塩含量3.0質量%以下がより好ましく、さらに好ましくは1.7質量%以下である。このように太い麺線においては、細い麺線と比較して、麺線の単位質量当たりの、復元時に湯と接触する表面積が小さい。従って、細い麺線と比較して復元時に麺から湯への塩の溶出量が少ないため、喫食時に麺の塩味が過度に強くなってしまう。なお、本発明において、麺線全体の食塩含量とは、乾燥工程終了後の、即席麺質量の全体に対する食塩質量の割合であり、電量滴定法で測定することができる。
電量滴定法
即席麺塊サンプルを適宜ミルで粉砕し、ビニール袋内にて均一化した。この試料約5gを50mLのるつぼに精秤し、ホットプレート上で煙が出なくなるまで予備灰化後、マッフル炉にて550℃、1晩灰化した。放冷後、灰化物を蒸留水にて50mLにメスアップした。これをろ過(東洋ろ紙No.5A)し、分析用試料とした。共洗いした専用シリンジ(容量20μL)を用いて、塩分分析計(SAT-500:東亜電波工業)に分析用試料を注入し、測定する。測定は2点平衡で行い、2点の差が±0.010内であれば、2点の平均値を塩分計測定値(w/v%)として採用した。2点の差が±0.010を超える場合は、再測定を実施した。得られた塩分計測定値から、以下の数式により食塩含量を測定した。
Figure 0005389863
特許文献1には、麺線内部の食塩含量が、周縁部の食塩含量よりも低く、かつ麺類の食塩含量が7〜25質量%である早戻り麺類が記載されている。しかし、特許文献1に記載の早戻り麺類は、食塩含有量が最低でも7質量%であり、調理した後、その高い塩分の湯への溶出のため、喫食前にザルで湯切りすることが実質上必須である。一方、本発明の即席麺にあっては、食塩含有量を5.5質量%以下とすることが可能である。このような食塩含有量の即席麺にあっては、加熱調理後の湯への塩分の溶出は多くなく、復元に用いた湯を、湯切りにより廃棄する必要もない。そのまま喫食、若しくは粉末スープ等を加えて喫食することができ、即席麺の調理に簡便性、迅速性を求める消費者のニーズに十分応えることができる。また、麺の塩味も即席麺として好ましい。
また、本発明において、麺線の断面形状は特に限定されず、方形、円形、楕円形のいずれであってもよい。
本発明の麺線の太さは特に限定されないが、上述の1.0mm〜3.0mmの範囲の太さを例示することができる。特に1.5mm〜3.0mmの範囲の太さを有する麺線は、一般的な復元条件によって良好に復元がなされ、喫食が可能となる。以下、本発明の即席麺の製造方法を、具体的に説明する。
原料配合
本発明においては、多層構造を構成する全ての麺帯において、通常即席麺の原料として使用される原料をいずれも使用可能である。具体的には、上述した主原料に、食塩、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、リン酸類のカリウム塩又はナトリウム塩、乳化剤、増粘安定剤、酸化防止剤、着色料、pH調整剤、調味料、強化剤、グルテン、増粘類、色素、食用油等の副原料を、練り水に溶解させて加えるか、又は練り水とは別に加えて用いられる。なお、それぞれの麺帯において、食塩の配合量は勿論のこと、食塩以外の配合量、そして配合物を変えることも勿論可能である。
混練
即席麺の製造の常法に従って、各層毎に上記の主原料にその他副原料、練り水を加えた後、ミキサーを用いて混練して麺生地を作成する。
麺帯形成
次に、外層麺帯と、内層麺帯とを形成する。これらの麺帯は、混練により得られた麺生地を複合し、単数又は複数の圧延ロールにより圧延して得ることもできるし、混練により得られた麺生地を押し出し成形機により押し出して得ることもできる。ここで、前記外層麺帯の主原料の総和を100質量部とした場合の外層麺帯の食塩の配合量に比較して、前記内層麺帯の主原料の総和を100質量部とした場合の内層麺帯の食塩の配合量が多いことが重要である。麺帯に対する食塩の添加は、前記原料配合の段階で練り水に加えて行ってもよいし、麺帯形成の段階で、複合前の麺帯を食塩水に浸漬し、又は複合前の麺帯に食塩水を噴霧して行ってもよい。
複合
内層麺帯を、外層麺帯で挟み、複合ロールにより1枚の麺帯に複合する。なお、本発明は三層に限らず、四層以上の多層構造とすることもできる。この場合、本発明では、内層を二層、三層、それ以上の多層に増やすことができる。
圧延及び切り出し
前記複合した多層構造の麺帯をさらに圧延した後、切り出して生麺線を形成する。
α化
次いで、生麺線をα化する。本発明においては、蒸し工程、茹で工程を単独又は組み合わせて使用することができる。蒸し工程においては、飽和蒸気、過熱蒸気が使用可能である。
乾燥
α化後の麺線を乾燥する。本発明では乾燥工程の種類は特に限定されず、即席麺の製造において一般的に使用されている乾燥方法を使用することができる。具体的には、フライ乾燥のほか、熱風乾燥、凍結乾燥、マイクロ波乾燥、低温での送風乾燥といったノンフライ乾燥処理が挙げられる。これらを組み合わせて乾燥工程を実施することもできる。具体的な条件は特に限定されないが、例えばフライ乾燥処理の場合は通常130〜160℃で1〜3分間、熱風乾燥処理の場合は通常60〜140℃で15〜180分程度の処理を実施する。乾燥後の麺線の水分含量は、フライ乾燥処理の場合で1〜5質量%、熱風乾燥処理の場合で5〜10%程度とすればよい。
以下に、実施例を掲げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
実験1<フライ麺における効果の検証>
実施例1−1
小麦粉750g、澱粉250gからなる主原料1kgに、食塩50g、リン酸塩5gを溶解した練り水450mlを加えて、これをミキサーで良く混練して麺生地を得た。この麺生地を成形して厚み4mmの麺帯形状とし、これを内層麺帯とした。次に、小麦粉750g、澱粉250gからなる主原料粉1kgに、リン酸塩5gを溶解した練り水410mlを加えて、これをミキサーで良く混練して麺生地を得た。この麺生地を成形し圧延して2枚の厚み4mmの外層麺帯を得た。前者の厚み4mmの内層麺帯と、後者の厚み4mmの外層麺帯を、外層/内層/外層に合わせ、複合し、三層麺帯とした。
この三層麺帯を、ロール圧延機で強く圧延し、圧延後の最終麺帯厚を1.7mmとした。この麺帯を角刃9番の切刃ロールで切り出して、生麺線を得た。この生麺線を、1分30秒間蒸し、蒸し麺線を得た。この蒸し麺線を90℃の茹で槽に5秒間浸漬し、続けてほぐし液に浸漬した後、麺線をカットして、1食分150gを容量380mlのリテーナーに充填した。その後、温度約150℃のパーム油で2分間フライして乾燥した。得られた即席フライ麺を実施例1−1とした。
比較例1−1
外層麺帯の食塩の量を主原料1kgに対し28g(練り水435ml)、内層麺帯の食塩の量を主原料1kgに対し28g(練り水435ml)とし、その他は実施例1−1と同様の配合、工程で得られた即席フライ麺を比較例1−1とした。
比較例1−2
外層麺帯の食塩の量を主原料1kgに対し50g(練り水450ml)とし、内層麺帯には食塩を加えず(練り水410ml)、その他は実施例1−1と同様の配合、工程で得られた即席フライ麺を比較例1−2とした。
官能評価
この実施例1−1及び比較例1−1、1−2の各即席フライ麺をスチロール性のカップ容器に投入し、その上に粉末スープ7.1gを加えて熱湯400mlを注加し、蓋をして5分間静置した。5分間静置して復元させた麺を良く掻き混ぜて6人のパネラーで喫食し食感評価を行なった。
評価は5段階で各人評価し、6人の平均を四捨五入したものである。評価基準は、1:硬く復元していない、2:硬く復元していない箇所がある、3:硬めであるが復元している、4:概ね復元している、5:良く復元している。結果を表2に示す。












Figure 0005389863
電子顕微鏡による解析
実施例1−1、比較例1−1及び比較例1−2のそれぞれについて、蒸し直後の麺線を数cm採取した。このサンプリングした麺線を急速凍結庫(急速凍結装置BLIZZAR;C&C製)にてー40℃で急速凍結した。完全に凍結した麺線の両端をー40℃程度の環境下で、冷却したラテックス製手袋を装着して持ち、物理的に力を加え、麺線の中央部分を割断することで割断面とした。次に、割断した凍結麺線は凍結乾燥機(FD−81:東京理化製)を用い、最終真空度10pa以下となるように、10時間以上凍結乾燥を行った。当該凍結乾燥した麺線断面に対して、10N SPUTTER(JFC−1100E:日本電子製)を用いて、90秒間、10mAの定電流で、真空金蒸着を行い、観察に用いた。電子顕微鏡観察は走査型電子顕微鏡(JSM−6380LA:日本電子製)を用いて低真空モードで形態観察を行った、撮影した電子顕微鏡写真を図2〜4に示す。比較例1−1、1−2の内層(図3A、図4A)と比較して、実施例1−1の内層(図2A)は、澱粉粒子が崩壊し、ペースト状の構造を有しており、澱粉のα化が十分に進行していることがわかる。
実験2<ノンフライ麺における効果の検証>
実施例2−1
小麦粉750g、澱粉250gからなる主原料1kgに、食塩50g、リン酸塩6gを溶解した練り水450mlを加えて、これをミキサーで良く混練して麺生地を得た。この麺生地を成形して厚み12mmの麺帯形状とし、これを内層麺帯とした。次に、小麦粉750g、澱粉250gからなる主原料粉1kgに、リン酸塩6gを溶解した練り水410mlを加えて、これをミキサーで良く混練して麺生地を得た。この麺生地を成形し圧延して2枚の厚み4mmの外層麺帯を得た。前者の厚み12mmの内層麺帯と、後者の厚み4mmの外層麺帯を、外層/内層/外層に合わせ、複合し、三層麺帯とした。この三層麺帯を、ロール圧延機で強く圧延し、圧延後の最終麺帯厚を2.0mmとした。この各麺帯を角刃9番の切刃ロールで切り出して、生麺線を得た。この生麺線を、1分30秒間蒸し、蒸し麺線を得た。この蒸し麺線を95℃の茹で槽に30秒間浸漬し、続けてほぐし液に浸漬した後、麺線をカットして、1食分180gを容量380mlのリテーナーに充填した。その後、60分間、80〜140℃の熱風で乾燥した。得られた即席ノンフライ麺を実施例2−1とした。
実施例2−2
外層麺帯の食塩の量を主原料1kgに対し80g(練り水480ml)、内層麺帯の食塩の添加量を主原料1kgに対し0g(練り水410ml)とし、その他は実施例2−1と同様の配合、工程で得られた即席ノンフライ麺を実施例2−2とした。
比較例2−1
外層麺帯の食塩の添加量を主原料1kgに対し28g(練り水425ml)、内層麺帯の食塩の添加量を主原料1kgに対し28g(練り水425ml)とし、その他は実施例2−1と同様の配合、工程で得られた即席ノンフライ麺を比較例2−1とした。実施例2−1、実施例2−2、比較例2−1の官能評価の結果を表3に示す。
Figure 0005389863
実験3<層の数の違いによる効果の検証>
次に、多層構造を構成する層の数による本発明の効果を検証した。
実施例3−1(三層)
実施例1−1から、外層麺帯の厚みを3mm、内層麺帯の厚みを6mm、外層麺帯の食塩の量を10g(練り水420ml)、最終麺帯厚1.8mmに変更し、その他は実施例1−1と同様の工程、配合で、実施例3−1の即席フライ麺を得た。
実施例3−2(四層)
小麦粉750g、澱粉250gからなる主原料1kgに、食塩50g、リン酸塩5gを溶解した練り水450mlを加えて、これをミキサーで良く混練して麺生地を得た。この麺生地を成形し圧延して厚み3mmの2枚の内層麺帯を得た。次に、小麦粉750g、澱粉250gからなる主原料粉1kgに、食塩10g、リン酸塩5gを溶解した練り水420mlを加えて、これをミキサーで良く混練して麺生地を得た。この麺生地を成形し圧延して厚み3mmの2枚の外層麺帯を得た。厚み3mmの2枚の内層麺帯と、後者の厚み3mmの2枚の外層麺帯を、外層/内層/内層/外層に合わせ、複合し、四層麺帯とした。この四層麺帯を、ロール圧延機で強く圧延し、圧延後の最終麺帯厚を1.8mmとした。この各麺帯を角刃9番の切刃ロールで切り出して、生麺線を得た。この生麺線を、実施例3−1と同様の条件で蒸し、茹で、そして乾燥した。得られた四層構造の即席フライ麺を、実施例3−2とした。
比較例3−1(二層)
小麦粉750g澱粉250gからなる主原料粉1kgに、食塩10g、リン酸塩5gを溶解した練り水420mlを加えて、これをミキサーで良く混練して麺生地を得た。この麺生地を成形して厚み6mmの麺帯形状とした。この厚み6mmの麺帯を合わせ、二層麺帯とした。この二層麺帯を、ロール圧延機で強く圧延し、圧延後の最終麺帯厚を1.8mmとした。この麺帯を角刃9番の切刃ロールで切り出して、生麺線を得た。この生麺線を、実施例3−1、3−2と同様の条件で蒸し、茹で、そして乾燥した。得られた二層構造の即席フライ麺を、比較例3−1とした。得られた実施例3−1、3−2、比較例3−1を実験1と同様に官能評価を行った。結果を表4に示す。
Figure 0005389863
実験4<外層麺帯、内層麺帯の厚みの比率の違いによる効果の検証>
外層麺帯、内層麺帯の厚みの比率を変更し、本発明の効果を検証した。
主原料1kgに対し、外層麺帯の食塩の量を10g(練り水420ml)、内層麺帯の食塩の配合量を50g(練り水450ml)とし、表5のように、外層麺帯、内層麺帯の厚みを変更した。最終麺帯厚は1.8mmとした。その他は実施例1−1と同様の配合、工程により、実施例4−1〜4−7の即席フライ麺を得た。同表に官能評価の結果を示す。























Figure 0005389863
外層麺帯の厚みの合計と内層麺帯の厚みの比は2:1〜2:8であることが好ましく、より好ましくは2:1〜2:4、さらに好ましくは2:1〜2:3であった。
実験5<食塩の配合量の違いによる効果の検証>
表6のように、外層麺帯、内層麺帯の食塩の配合量を変更し、本発明の効果を検証した。内層麺帯を外層麺帯で挟む前の、外層/内層/外層の厚みはそれぞれ3mm/6mm/3mmとし、最終麺帯厚は1.8mmとした。その他は実施例1−1と同様の配合、工程により、実施例5−2〜5−10、比較例5−1〜5−4の即席フライ麺を得た。同表に官能評価の結果を示す。
Figure 0005389863
11・・・内層麺帯
12・・・外層麺帯

Claims (6)

  1. 内層麺帯を外層麺帯で挟み、1枚の麺帯に複合し、圧延し、麺線を形成し、α化し、乾燥する工程を経て製造される多層構造即席麺であって、
    前記外層麺帯の食塩の配合量に比較して、前記内層麺帯の食塩の配合量が多く、
    主原料100質量部に対する、前記内層麺帯の食塩の配合量から、前記外層麺帯の食塩の配合量を減じた値が、2質量部以上であることを特徴とする多層構造即席麺。
  2. 前記内層麺帯の食塩の配合量が主原料100質量部に対して、4〜12質量部であること
    を特徴とする請求項1記載の多層構造即席麺。
  3. 前記内層麺帯を前記外層麺帯で挟む前の、前記外層麺帯の厚みの合計と、前記内層麺帯の
    厚みの比が2:1〜2:8であることを特徴とする請求項1又は2のいずれかに記載の多
    層構造即席麺。
  4. 多層構造即席麺の製造方法であって、以下の工程、すなわち、
    (1)外層麺帯と、内層麺帯とを形成する工程、
    (2)前記内層麺帯を前記外層麺帯で挟み、1枚の麺帯に複合する工程と、
    (3)前記複合した多層構造の麺帯をさらに圧延した後、切り出して生麺線を形成する工
    程、
    (4)前記生麺線をα化する工程、
    (5)前記α化後の麺線を乾燥する工程と、
    を具備し、前記外層麺帯の食塩の配合量に比較して、前記内層麺帯の食塩の配合量が多く、
    主原料100質量部に対する、前記内層麺帯の食塩の配合量から、前記外層麺帯の食塩の配合量を減じた値が、2質量部以上であることを特徴とする、多層構造即席麺の製造方法。
  5. 前記内層麺帯の食塩の配合量が主原料100質量部に対して、4〜12質量部であること
    を特徴とする請求項4記載の多層構造即席麺の製造方法。
  6. 前記内層麺帯を前記外層麺帯で挟む前の、前記外層麺帯の厚みの合計と、前記内層麺帯の
    厚みの比が2:1〜2:8であることを特徴とする請求項4又は5のいずれかに記載の多
    層構造即席麺の製造方法。
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