JP5387140B2 - 回転体の角度位置/速度検出装置および動力試験システム - Google Patents

回転体の角度位置/速度検出装置および動力試験システム Download PDF

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Description

本発明は、シャシーダイナモメータやパワートレインテスタなどのように車両や供試体など外部からの駆動力により回されるモータなどの一対の回転体の角度位置/速度を検出する装置、およびこの角度位置/速度検出により一対の回転体の位相/速度を同期制御する動力試験システムに係り、特に4WD車の前輪と後輪でそれぞれ駆動される一対の回転体の角度位置/速度検出および位相/速度の同期制御に関する。
シャシーダイナモメータやパワートレインテスタなどのような動力試験システムは、モータとインバータなどの角度位置制御装置でダイナモメータを構成し、角度位置制御装置ではモータなどの回転体の角度位置/速度をレゾルバやエンコーダで検出し、これらがダイナモメータの速度指令や角度位置指令に一致するようモータ電流の大きさ・周波数・位相を制御する。
エンコーダには、パルスピックアップのパルス出力を計数することで高速回転での検出ができるインクリメンタルエンコーダと、多桁コード出力を発生することで高精度、高分解能の位置検出ができるアブソリュートエンコーダがある。
(1)インクリメンタルエンコーダを使用するシステム
図4は、4WDシャシーダイナモメータ(CHDY)等でインクリメンタルエンコーダを使用して前後輪の同期制御を行う動力試験システムの構成図を示し、動力伝達系を前後輪の2つの駆動系に分けて2WDダイナモメータ上で試験を行なうシステムである(例えば、特許文献1参照)。
なお、ダイナモメータや速度検出器、表示器などの機械要素を除いた部分は、DDC(Direct Digital Control:直接計算機制御)と呼ばれるコンピュータ処理による制御装置として構成される。
試験車両になる4WD車1は、その前輪と後輪が載せられる前後ローラに前後輪シャシーダイナモメータ(誘導機)2A,2Bが結合され、4WD車1の駆動力を吸収制御する。この吸収制御には独立した制御盤で構成されている2台の前輪インバータ制御装置3Aと後輪インバータ制御装置3Bが発生する電流制御で行う。
インバータ制御装置3A,3Bに与える制御指令は、コンピュータ処理を行う主制御部4が速度/トルク/走行抵抗制御のいずれかの演算結果として発生する。主制御部4のフィードバック処理に必要な前後輪(前後ローラ)の速度はパルスピックアップ5A,5Bと車速検出回路6A,6Bで検出する。トルクはロードセル(LC)7A,7Bとそのトルクアンプ8A,8Bで検出する。平均車速検出部9は、車速検出部6A,6Bから出力される前後輪の速度検出値の加算と1/2で平均車速を求める。合計トルク検出部10は、トルクアンプ8A,8Bの出力の加算で前後輪の出力トルクの合計トルクを求める。パルスピックアップ5A,5Bで検出する前後輪速度(パルス信号)は、計測・表示回路11での速度の計測・表示信号としても取り込まれる。
同期制御コントローラ12は、車速検出部6A,6Bの出力になる前後輪速度成分(回転速度)から、前後輪位相/速度の同期制御に必要な補正信号を発生する。
図5は、同期制御コントローラ12の具体的なブロック構成図を示す。前後輪位相検出部12A,12Bは速度検出値からその積分等によって前後輪位相を検出し、これら前後輪の位相差を位相差検出部12Cで検出する。同期設定部12Dは前後輪の同期設定値を発生し、前後輪の位相を一致させるための位相差設定値「0」を設定する。同期制御アンプ12Eは、前後輪の検出位相差と同期指令になる位相差「0」との偏差に応じた比例(P)演算を行い、その演算結果として前後輪速度差制御指令を得る。
前後輪車速検出部12F,12Gはエンコーダ出力波形から前後輪車速を検出し、これら前後輪の車速差を車速差検出部12Hで検出する。差動制御部12Iは、前後輪速度差制御指令と車速差との偏差に応じた比例積分(PI)演算を行い、その演算結果として前後輪の補正信号を発生する。
前後輪電流指令部12J、12Kは、主制御部4が発生する速度/トルク/走行抵抗の制御指令を差動制御部12Iが発生する補正信号で補正してインバータ制御装置3A、3Bへの制御指令とする。
インバータ制御装置3A,3Bに搭載する制御装置用速度検出部13A,13Bは、パルスピックアップ5A,5Bから前輪と後輪の速度検出信号を取得し、インバータ制御装置3A,3Bにおけるインバータ制御演算での角度位置(位相)信号と周波数信号として利用する。
以上のように、インクリメンタルエンコーダを使用するシステムでは、パルスピックアップからは高速度領域では十分な周波数のパルス信号が得られることから、インクリメンタルエンコーダのパルス信号を用いて速度検出と機械角度検出を行い、必要な制御応答時間と精度、分解能を確保することができる。
(2)アブソリュートエンコーダを使用するシステム
図6は、4WDシャシーダイナモメータ(CHDY)等でアブソリュートエンコーダを使用して前後輪の同期制御を行う動力試験システムの構成図を示す。同図が図4と異なる部分は、アブソリュートエンコーダ14A、14Bを前後輪シャシーダイナモメータ2A,2Bに結合し、インバータ制御装置3A,3Bには速度検出部13A,13Bに代えて、ABS検出部15A,15Bを設けた点にある。
なお、ダイナモメータや速度検出器、表示器などの機械要素を除いた部分は、DDC(Direct Digital Control:直接計算機制御)と呼ばれるコンピュータによるデジタル制御装置として構成される場合を示す。このデジタル制御では、機械角度検出信号は一般に自分自身のタイミングで信号を出すのではなく、受け側の制御装置(例えば速度検出信号を必要とするインバータ制御装置)からリクエスト信号を受けた時のタイミングでその時の機械角度情報をシリアル通信などによりインバータ制御装置に送信する送受信方法としている。
図6のシステム構成では、16bit以上の高精度、高分解能の位置検出のできるアブソリュートエンコーダを使用することにより、瞬時の機械角度検出と精度、分解能では上記のインクリメンタルエンコーダに比べて優れる。
特開平7−20006号公報
(1)図4に示すように、インクリメンタルエンコーダを角度位置検出に使用するシステムにおいては、比較的低速回転領域での角度位置検出をするとき、インクリメンタルエンコーダの出力パルス数は3000P/R〜6000P/R程度のものが多い。これはパルス周期から速度演算するための内部クロックと最高回転数での分解能や精度の関係から入力最大周波数を100kHz程度にするためにエンコーダのパルス数が3000P/R〜6000P/R程度のものを選定している。
この時の検出分解能は6000P/Rのエンコーダを使用している例でも0.06deg/Pulseであり48インチCHDYのローラ表面では0.638mm/Pulseの分解能である。
最近の4WD用CHDY等で前後のローラ表面で1mm以下の同期制御を行うことが要求されることが多くなり、上記の分解能で制御した場合では停止時や低速度時の同期制御で前後のローラ表面で1mm以下の同期を行うには速度検出更新時間(1ms以下)内のパルス数がまだ不足で速度検出遅れが大きく応答が上がらないためもう一桁大きなパルス検出が必要となる。しかし、インクリメンタルエンコーダ製品の種類や前述の速度演算するための内部クロックと最高回転数での分解能や精度の関係が有り、インクリメンタルエンコーダ検出の分解能を高くすることは容易ではない。
このため、以前はインクリメンタルエンコーダで全速度域の前後同期制御を行っていたが、停止時や低速度時からの前後同期制御においては高精度、高分解能を求められるようになってからはインクリメンタルエンコーダでは要求に応えられなくなってきた。
(2)前記のように、アブソリュートエンコーダを角度位置検出に使用する図6のシステムにおいて、その機械角度検出信号はインバータ制御装置3A,3Bからリクエスト信号を送信し、これを受けたタイミングでアブソリュートエンコーダ14A,14Bからその時点の機械角度情報をシリアル通信などによりインバータ制御装置3A,3Bに送信する送受信方法としている。
このため、2台のインバータでモータなどを同期した位置制御を行う場合は主体となるモータの位置検出信号を追従するモータの制御装置の位置指令にして運転することが一般的である。しかし、4WDシャシーダイナモメータ(CHDY)等では制御は通常走行抵抗制御であり、速度制御で同期運転する試験は僅かである。
したがって、車両から前後輪のCHDYが駆動される運転がほとんどの試験パターンで用いられ、車両からの駆動力を前後輪のCHDY制御装置が吸収すると同時に前後輪の同期制御や等速度制御をしなければ前輪と後輪の車速は異なる値になる。これでは路上試験と同じように前輪と後輪の車速が同じにならないため、CHDY側で前輪と後輪ローラの機械角度位置と車速を一致させる同期制御を行っている。これが4WD車用CHDYの前後輪同期制御である。
この場合、2台のインバータ制御装置は独立した制御盤で構成されているのでアブソリュートエンコーダに機械角度信号をリクエストするタイミングはバラバラで同期していない。それ故に仮に前後輪のCHDYの機械角度位置が一致して回っていても検出する信号はリクエストタイミングが異なるため、同じ機械角度位置を検出しないことになる。
このリクエストタイミングは、非常に短い周期(例えば500μs以下)で行われているため、前後輪の機械角度検出信号の誤差は小さいものであるが、車速が高くなるに連れて前後輪の同期制御を行う制御装置(DDC)に取り込む時に誤差が大きくなり、それを修正するように制御装置が働き、トルク変動や速度変動が大きく出るし、前後輪の機械角度差を演算すると図7に示すように位相差は凸凹の信号になるので正しい計測が行われているとは言えない。
また、図6のように、ABS検出部15A,15Bとアブソリュートエンコーダ14A,14Bとの通信による角度位置/速度検出信号を送受信する場合、インバータ制御装置3A,3Bを経由して同期制御コントローラ12に信号を渡すと、インバータ制御装置と同期制御周期は一般に異なるため、例えば一定速度で回転しているモータの機械角度をインバータ制御装置経由して同期制御コントローラで機械角度信号を受け取ると一定の機械角度変化になるべきところ制御周期の差異があるため異なる機械角度変化を検出することがある。このため、この機械角度信号から速度を演算するとヒゲ状のノイズが発生することになり、速度検出としては不適当な信号となる。
この対策としてアブソリュートエンコーダの検出信号を同期制御コントローラに直接送る方法があるが、この場合はインバータ制御装置の検出部を経由しないため制御装置に機械角度信号が入らなくなる。インバータ制御装置はパルス検出信号でも制御することはできるが、ベクトル制御を行う関係上、機械角度位置、電気角が正確に検出できる方が制御精度が高くなり、ダイナモメータに要求される小さなトルク変動で運転することができるのでアブソリュートエンコーダの検出信号でインバータ制御装置を制御することが望ましい。
また、アブソリュートエンコーダは、モータの軸端に取り付けるタイプであり、片方の軸に2個直列に取り付けることは構造上できない。このため、片側に2個のアブソリュートエンコーダを取り付けてインバータ制御装置とDDC(同期制御コントローラや主制御部)に直接検出信号を送ることができない。
本発明は、上記のような課題を解決するために成されたものであり、一対のアブソリュートエンコーダからそれぞれ受信するエンコーダ波形から、高精度で同期した角度位置/速度検出ができる装置、および両回転体の位相/速度を高精度で同期制御できる回転体の動力試験システムを得ることを目的とする。
本発明は、前記の課題を解決するため、一対の回転体の軸には2出力のエンコーダ波形を出力できる構成のアブソリュートエンコーダをそれぞれ結合し、回転体別の一対の制御装置用ABS検出部からはそれぞれ非同期で発生するリクエスト信号のタイミングで回転体別のアブソリュートエンコーダの一方のエンコーダ波形出力から回転体別の角度位置/速度を検出して回転体別の角度位置/速度制御信号とし、新たに設けた1つのABS検出部は同期した一対のリクエスト信号の発信によって回転体別のアブソリュートエンコーダの他方のエンコーダ波形出力から両回転体の位相/速度を検出して両回転体の同期制御信号とするもので、以下の構成を特徴とする。
(1)一対の回転体の軸にそれぞれアブソリュートエンコーダを結合し、回転体の角度位置/速度の検出には両アブソリュートエンコーダに対するリクエスト信号を発信し、両アブソリュートエンコーダがリクエスト信号を受信した時点で出力するエンコーダ波形から検出する両回転体の角度位置/速度検出信号で回転体別の角度位置/速度を制御すると共に両回転体の位相/速度を同期制御するための回転体の角度位置/速度検出装置であって、
前記アブソリュートエンコーダは、それぞれ2出力のエンコーダ波形を出力できる構成とし、
前記両アブソリュートエンコーダの一方の出力端に非同期でリクエスト信号をそれぞれ発信し、このリクエスト信号の発信タイミングでの該両アブソリュートエンコーダの回転体別のエンコーダ波形出力から回転体別の角度位置/速度制御信号を得る一対の制御装置用ABS検出部と、
前記両アブソリュートエンコーダの他方の出力端に同期したリクエスト信号をそれぞれ発信し、このリクエスト信号の発信タイミングでの該両アブソリュートエンコーダの回転体別のエンコーダ波形出力から両回転体の位相/速度を検出して両回転体の同期制御信号とする1つの同期制御用ABS検出部と、
を備えたことを特徴とする回転体の角度位置/速度検出装置。
(2)一対の回転体の軸にそれぞれアブソリュートエンコーダを結合し、回転体の角度位置/速度の検出には両アブソリュートエンコーダに対するリクエスト信号を発信し、両アブソリュートエンコーダがリクエスト信号を受信した時点で出力するエンコーダ波形から検出する両回転体の角度位置/速度検出信号で回転体別の角度位置/速度を制御すると共に両回転体の位相/速度を同期制御する動力試験システムであって、
前記アブソリュートエンコーダは、それぞれ2出力のエンコーダ波形を出力できる構成とし、
前記両アブソリュートエンコーダの一方の出力端に非同期でリクエスト信号をそれぞれ発信し、このリクエスト信号の発信タイミングでの該両アブソリュートエンコーダの回転体別のエンコーダ波形出力から回転体別の角度位置/速度制御信号を得る一対の制御装置用ABS検出部と、
前記両アブソリュートエンコーダの他方の出力端に同期したリクエスト信号をそれぞれ発信し、このリクエスト信号の発信タイミングでの該両アブソリュートエンコーダの回転体別のエンコーダ波形出力から両回転体の位相/速度を検出して両回転体の同期制御信号とする1つの同期制御用ABS検出部と、
を備えたことを特徴とする回転体の動力試験システム。
以上のとおり、本発明によれば、一対の回転体の軸には2出力のエンコーダ波形を出力できる構成のアブソリュートエンコーダをそれぞれ結合し、回転体別の一対の制御装置用ABS検出部からはそれぞれ非同期で発生するリクエスト信号のタイミングで回転体別のアブソリュートエンコーダの一方のエンコーダ波形出力から回転体別の角度位置/速度を検出して回転体別の角度位置/速度制御信号とし、新たに設けた1つのABS検出部は同期した一対のリクエスト信号の発信によって回転体別のアブソリュートエンコーダの他方のエンコーダ波形出力から両回転体の位相/速度を検出して両回転体の同期制御信号とするため、高精度で同期した角度位置/速度検出ができる。
また、回転体別の角度位置/速度の検出値を基にした回転体の動力試験システムは、両回転体の位相/速度を高精度で同期制御できる。
また、インバータ制御装置にも角度位置/速度検出信号を取り込むことができ、制御性能の良いベクトル制御で安定したトルクで運転できる。
また、計測においても正確な検出信号で機械角、前後機械角度差を計測表示することができる。
本発明の実施形態を示す4WD車の動力試験システムの構成図。 実施形態における前後輪の車速差と位相差の波形図。 2出力アブソリュートエンコーダとABS検出部の送受信処理回路。 従来の4WD車の動力試験システムの構成図。 同期制御コントローラの具体的なブロック構成図。 従来の他の4WD車の動力試験システムの構成図。 前後輪の同期制御における位相差、車速差の波形図。
図1は、本発明の実施形態を示す4WD車の動力試験システムの構成図である。同図が図6と異なる部分は、アブソリュートエンコーダ14A,14Bに代えて角度位置/速度のエンコーダ波形を2出力できるアブソリュートエンコーダ21A,21Bとし、この一方のエンコーダ波形は従来と同様に制御装置用ABS検出部15A,15Bに取り込み、他方のエンコーダ波形は新たに設けた同期制御用ABS検出部22に取り込む構成としている。
独立した制御盤で構成されている2台のインバータ制御装置3A,3Bに搭載する制御装置用ABS検出部15A,15Bは、例えば125μs周期のリクエスト信号を非同期で発生し、アブソリュートエンコーダ21A,21Bから前輪と後輪の角度位置/速度検出信号を取得し、インバータ制御装置3A,3Bにおける角度位置/速度制御演算での角度位置(位相)信号と周波数信号として利用する。
1つの同期制御用ABS検出部22は、例えば100μs周期の一対のリクエスト信号を互いに同期させて発生し、このリクエスト信号のタイミングでアブソリュートエンコーダ21A,21Bから前輪と後輪のエンコーダ波形を取得し、このエンコーダ波形から得る速度検出信号を主制御部4における平均車速検出に必要な前後輪の速度信号として利用し、さらにエンコーダ波形から得る角度位置/速度信号を同期制御コントローラ12における前後輪の位相/速度検出信号として利用する。
ここで、ABS検出部22による前輪と後輪の角度位置/速度検出信号の取得は、同期したリクエスト信号によって行うため、前後輪のダイナモメータ2A,2Bの同じ機械位置を検出すること、すなわち前後輪の角度位置/速度検出信号の誤差は殆どなくなり、インバータ制御装置3A,3Bによる角度位置/速度検出信号の誤差によってダイナモメータ2A、2Bにトルク変動や速度変動が出ることはなくなる。
なお、ABS検出部15A,15Bによる角度位置/速度信号の検出には、リクエスト信号のタイミングが異なり、これらの検出信号によるダイナモメータ2A、2Bの同期制御機能はないが、同期制御コントローラ12による同期制御によって機能が確保される。
図2は、本実施形態におけるシステム構成で、車速変化させた場合の前後輪の車速差と位相差の波形を示し、前記の図7に比べて、車速差および位相差は車速が大きい領域でも小さくなり、高い繰り返しで正負が反転することもない。
また、アブソリュートエンコーダ21A,21Bは、2出力が可能なものを使用するため、モータの軸端に取り付けるタイプであっても、片方の軸に1出力のエンコーダを2個直列に取り付けることを必要としない。
図3は、2つのABS検出部からそれぞれリクエスト信号を発信して2出力のアブソリュートエンコーダから角度位置/速度検出信号をそれぞれ取得するデータ送受信処理回路の例を示す。同図ではABS検出部15AとABS検出部22がエンコーダ21Aから角度位置/速度検出信号をそれぞれ取得するための回路構成を示す。
ABS検出部15A、22とエンコーダ21Aとは、それぞれツイストペアシールドケーブル31A,31Bの伝送線で結合され、ケーブル31A,31Bにはコマンドやシリアルデータを伝送するためのドライバ/レシーバ32A,32B,33A,33Bを設ける。
アブソリュートエンコーダ21Aには、多桁並列ビット信号になるエンコーダ波形をシリアルデータに変換するP/S変換器34を設け、送受信シーケンス回路35A,35Bはシリアルデータを逐次バッファリングしておくと共に受信モードに制御しておき、リクエスト信号を受信したときにシリアルデータをドライバ/レシーバ33A,33Bで送信する。
ABS検出部15A,22では、送受信シーケンス回路36A,36Bからリクエスト信号を発信し、これをドライバ/レシーバ32A,32Bでエンコーダ側に送信し、このリクエスト信号に対してエンコーダ側からの角度位置/速度の検出信号をシリアルデータとして受信する。S/P変換器37A,37Bは送受信シーケンス回路36A,36Bで受信したシリアルデータをパラレルデータに変換して角度位置/速度の検出信号を得る。
これらリクエスト信号の送信と角度位置/速度の検出は、ABS検出部15AとABS検出部22とは互いに非同期の送受信で行い、それぞれのリクエストタイミングでの角度位置/速度の検出を行うことができる。ただし、ABS検出部22ではアブソリュートエンコーダ21A,21Bに対して送受信シーケンス回路36Bを共通のものにすることで同期したリクエスト信号を発信し、同じタイミングでの角度位置/速度の検出信号を得る。
以上のことから、本実施形態では、一対の回転体の軸には2出力のエンコーダ波形を出力できる構成のアブソリュートエンコーダ21A,21Bをそれぞれ結合し、回転体別の一対の制御装置用ABS検出部15A,15Bとは別に設けた1つの同期制御用のABS検出部22は同期した一対のリクエスト信号の発信によって回転体別のアブソリュートエンコーダ21A、21Bの他方のエンコーダ波形出力から回転体別の角度位置/速度を検出するため、高精度で同期した角度位置/速度検出ができる。さらに、同期した角度位置/速度検出信号を同期制御コントローラ12に取り込むため、角度位置誤差を極力小さくした同期制御を行うことができ、ダイナモメータ2A、2Bにトルク変動や速度変動が出ることなく、前後輪の位相/速度を高精度で同期制御できる。
また、インバータ制御装置にも高精度の角度位置信号を取り込むことができて制御性能の良いベクトル制御で安定したトルクで運転できる。また、計測・表示回路12においても正確な検出信号で機械角、前後機械角度差を計測表示することができる。
1 4WD車
2A,2B シャシーダイナモメータ
3A,3B インバータ制御装置
4 主制御部
5A,5B パルスピックアップ
7A、7B ロードセル
14A,14B アブソリュートエンコーダ
15A,15B 制御装置用ABS検出部
12 同期制御コントローラ
21A,21B 2出力アブソリュートエンコーダ
22 同期制御用ABS検出部

Claims (2)

  1. 一対の回転体の軸にそれぞれアブソリュートエンコーダを結合し、回転体の角度位置/速度の検出には両アブソリュートエンコーダに対するリクエスト信号を発信し、両アブソリュートエンコーダがリクエスト信号を受信した時点で出力するエンコーダ波形から検出する両回転体の角度位置/速度検出信号で回転体別の角度位置/速度を制御すると共に両回転体の位相/速度を同期制御するための回転体の角度位置/速度検出装置であって、
    前記アブソリュートエンコーダは、それぞれ2出力のエンコーダ波形を出力できる構成とし、
    前記両アブソリュートエンコーダの一方の出力端に非同期でリクエスト信号をそれぞれ発信し、このリクエスト信号の発信タイミングでの該両アブソリュートエンコーダの回転体別のエンコーダ波形出力から回転体別の角度位置/速度制御信号を得る一対の制御装置用ABS検出部と、
    前記両アブソリュートエンコーダの他方の出力端に同期したリクエスト信号をそれぞれ発信し、このリクエスト信号の発信タイミングでの該両アブソリュートエンコーダの回転体別のエンコーダ波形出力から両回転体の位相/速度を検出して両回転体の同期制御信号とする1つの同期制御用ABS検出部と、
    を備えたことを特徴とする回転体の角度位置/速度検出装置。
  2. 一対の回転体の軸にそれぞれアブソリュートエンコーダを結合し、回転体の角度位置/速度の検出には両アブソリュートエンコーダに対するリクエスト信号を発信し、両アブソリュートエンコーダがリクエスト信号を受信した時点で出力するエンコーダ波形から検出する両回転体の角度位置/速度検出信号で回転体別の角度位置/速度を制御すると共に両回転体の位相/速度を同期制御する動力試験システムであって、
    前記アブソリュートエンコーダは、それぞれ2出力のエンコーダ波形を出力できる構成とし、
    前記両アブソリュートエンコーダの一方の出力端に非同期でリクエスト信号をそれぞれ発信し、このリクエスト信号の発信タイミングでの該両アブソリュートエンコーダの回転体別のエンコーダ波形出力から回転体別の角度位置/速度制御信号を得る一対の制御装置用ABS検出部と、
    前記両アブソリュートエンコーダの他方の出力端に同期したリクエスト信号をそれぞれ発信し、このリクエスト信号の発信タイミングでの該両アブソリュートエンコーダの回転体別のエンコーダ波形出力から両回転体の位相/速度を検出して両回転体の同期制御信号とする1つの同期制御用ABS検出部と、
    を備えたことを特徴とする回転体の動力試験システム。
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