JP5386699B2 - 導電パターン形成基板の製造方法 - Google Patents

導電パターン形成基板の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP5386699B2
JP5386699B2 JP2009037973A JP2009037973A JP5386699B2 JP 5386699 B2 JP5386699 B2 JP 5386699B2 JP 2009037973 A JP2009037973 A JP 2009037973A JP 2009037973 A JP2009037973 A JP 2009037973A JP 5386699 B2 JP5386699 B2 JP 5386699B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
conductive pattern
group
conductive layer
poly
pattern forming
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2009037973A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2010192387A (ja
Inventor
洋介 国司
秀樹 鈴木
順一 池野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Shin Etsu Polymer Co Ltd
Saitama University NUC
Original Assignee
Shin Etsu Polymer Co Ltd
Saitama University NUC
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Shin Etsu Polymer Co Ltd, Saitama University NUC filed Critical Shin Etsu Polymer Co Ltd
Priority to JP2009037973A priority Critical patent/JP5386699B2/ja
Publication of JP2010192387A publication Critical patent/JP2010192387A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5386699B2 publication Critical patent/JP5386699B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Manufacturing Of Electric Cables (AREA)

Description

本発明は、タッチパネル、プラズマディスプレイの電磁波シールド等、画像表示装置の前面に設けられる導電パターン形成基板を製造する方法に関する。
タッチパネルにおいては、液晶ディスプレイ等の画像表示装置の前面に、電極シートとして、透明基材の表面に透明導電層を形成した導電性基板を有する入力装置が設置されている。
入力装置の導電性基板の透明導電層を構成する材料としては錫ドープ酸化インジウムが多く使用されているが、インジウムは枯渇が懸念されるため、近年では、有機導電体の使用が検討されている。有機導電体としては、ポリチオフェン、ポリピロール、ポリアニリンなどのπ共役系導電性高分子が広く知られている。
ところで、タッチパネル用入力装置に使用される導電性基板においては、回路パターンやアンテナアレイパターンを形成することがある。
パターンの形成方法としては、例えば、特許文献1には、透明基材の表面の全面に、塗工により透明導電層を形成した後、COレーザやQスイッチを利用したパルス幅100n秒程度のYAGレーザを照射して、絶縁にする部分の透明導電層をアブレーションにより除去する方法が開示されている。
特許文献2,3には、スクリーン印刷法やグラビア印刷法等の印刷により透明基材の表面に導電部を所定のパターンで形成する方法が開示されている。
特許文献4には、透明基材の表面の全面に、塗工により透明導電層を形成した後、プラズマエッチングにより、絶縁にする部分の透明導電層を除去する方法が開示されている。
特開2004−118381号公報 特開2005−527048号公報 特開2008−300063号公報 特開2009−26639号公報
一般に、上記有機導電体は緑〜青に着色している。そのため、上記の方法で透明基材に導電パターンを形成すると、有機導電体を有する導電部は有色、透明基材のみの絶縁部は無色になる。したがって、得られた導電パターン形成基板を画像表示装置の前面に設置した際には、導電パターンが視認されてしまうという問題が生じた。
この問題に対して、有機導電体の補色に着色した色調補正フィルムを積層することも考えられるが、全面が着色した色調補正フィルムを用いた場合には、導電パターンが視認される問題は解決されず、導電部に重なる部分のみ着色した色調補正フィルムを用いた場合には、正確な位置合わせが求められるため、現実的ではない。
本発明は、前記事情に鑑みてなされたものであり、有機導電体の導電パターンが形成されているにもかかわらず、導電パターンが視認されにくい導電パターン形成基板を容易に製造できる導電パターン形成基板の製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、以下の構成を有する。
[1] 透明基材の少なくとも一方の面に形成された有機導電体製の透明導電層に、パルス幅1p秒未満の極短パルスのレーザ光を、透明導電層に照射するレーザ光のエネルギ密度を5×10 14 〜1.5×10 15 W/m として所定のパターンで照射して、透明導電層のレーザ光を照射した部分を絶縁化することを特徴とする導電パターン形成基板の製造方法。
] レーザ光を集光する集光手段を介して、レーザ光を透明導電層に照射することを特徴とする[1]に記載の導電パターン形成基板の製造方法。
] 集光手段として凸レンズを用い、
集光手段を、透明導電層と集光手段との間にレーザ光の焦点が位置するように設けることを特徴とする[]に記載の導電パターン形成基板の製造方法。
] レーザ光を透明導電層の同一部分に断続的に複数回照射することを特徴とする[1]〜[]のいずれかに記載の導電パターン形成基板の製造方法。
] 有機導電体としてポリアルキレンジオキシチオフェンを含むものを用いることを特徴とする[1]〜[]のいずれかに記載の導電パターン形成基板の製造方法。
本発明の導電パターン形成基板の製造方法によれば、有機導電体の導電パターンが形成されているにもかかわらず、導電パターンが視認されにくい導電パターン形成基板を容易に製造できる。
本発明の導電パターン形成基板の製造方法の一実施形態例を示す模式図である。 本発明の導電パターン形成基板の製造方法の他の実施形態例を示す模式図である。
本発明の導電パターン形成基板の製造方法の一実施形態例について説明する。
本実施形態例の導電パターン形成基板の製造方法では、透明基材の一方の面に形成された有機導電体製の透明導電層に極短パルスのレーザ光を所定のパターンで照射する方法である。
以下、本実施形態例の製造方法について、より詳細に説明するが、以下の説明において、透明基材と、透明基材の一方の面に形成された透明導電層とを有する積層体のことを、導電パターン形成基板作製用積層体という。
図1に、本実施形態例の導電パターン形成基板の製造方法で使用する製造装置を示す。この製造装置1は、レーザ光Lを発生させるレーザ光発生手段10と、レーザ光Lを集光する集光手段としての凸レンズ20と、導電パターン形成基板作製用積層体Aが載置されるステージ30とを備える。
この製造装置1におけるレーザ光発生手段10としては、パルス幅が1p秒未満の可視光または赤外線のレーザ光(いわゆるフェムト秒レーザ光)を発生させるものが使用される。また、容易に利用できる点では、レーザ光Lのパルス幅は0.01p秒以上であることが好ましい。
凸レンズ20は、透明導電層Aと凸レンズ20との間にレーザ光Lの焦点Fが位置するように配置されている。これにより、透明基材Aおよびステージ30に当たるレーザ光Lのスポット径が、透明導電層Aに当たるレーザ光Lのスポット径より大きくなり、透明基材Aおよびステージ30に当たるレーザ光Lのエネルギ密度が小さくなるため、透明基材Aおよびステージ30の損傷を防止できる。
本実施形態例のように、透明基材Aの片面に形成した透明導電層Aを絶縁化する場合には、凸レンズ20としては、高い開口数(NA>0.5)のものが好ましい。凸レンズ20の開口数が0.5より高いと、透明基材Aおよびステージ30に当たるレーザ光Lのスポット径がより大きくなるため、透明基材Aおよびステージ30の損傷をより防止できる。
本実施形態例におけるステージ30は、水平方向に2次元的に移動可能になっている。ステージ30は、少なくとも上面側が透明な部材または光線吸収性を有する部材で構成されていることが好ましい。
上記製造装置1を用いた導電パターン形成基板の製造方法について説明する。
まず、ステージ30の上面に導電パターン形成基板作製用積層体Aを、透明導電層Aが透明基材Aより上に配置されるように載置する。
次いで、レーザ光発生手段10よりレーザ光Lを出射させ、レーザ光Lを凸レンズ20により集光する。その集光したレーザ光Lの、焦点Fを過ぎてスポット径が広がった部分を透明導電層Aに照射する。その際、ステージ30を、レーザ光Lの照射が所定のパターンになるように移動させる。
透明導電層Aに照射するレーザ光のエネルギ密度は5×1014〜1.5×1015W/mにすることが好ましい。透明導電層Aに照射するレーザ光のエネルギ密度を5×1014W/m以上にすれば、照射部分を確実に絶縁化でき、1.5×1015W/m以下にすれば、アブレーションによる加工痕の発生を防止でき、導電パターンの視認をより防止できる。
前記エネルギ密度にするためには、例えば、凸レンズ20の上下方向の位置を調節して、透明導電層Aに当たるレーザ光のスポット径を調整すればよい。また、レーザ光Lの出力自体を調整してもよい。
また、精度の高い導電パターンを形成する点では、透明導電層Aの同一部分にレーザ光Lを断続的に複数回照射することが好ましい。具体的には、断続的に3〜500回照射することが好ましく、20〜200回照射することがより好ましい。3回以上の照射であれば、より確実に絶縁化でき、500回以下であれば、レーザ光Lが照射された部分が除去されることを防止できる。
上記製造方法に使用される導電パターン形成基板作製用積層体Aは、以下に示すものである。
導電パターン形成基板作製用積層体Aの透明導電層Aを構成する有機導電体としては、π共役系導電性高分子とポリアニオンとを必須成分として含み、導電性無機粒子、バインダ樹脂を任意成分として含有するものが挙げられる。
π共役系導電性高分子としては、主鎖がπ共役系で構成されている有機高分子であれば特に制限されず、例えば、ポリピロール類、ポリチオフェン類、ポリアセチレン類、ポリフェニレン類、ポリフェニレンビニレン類、ポリアニリン類、ポリアセン類、ポリチオフェンビニレン類、及びこれらの共重合体等が挙げられる。空気中での安定性の点からは、ポリピロール類、ポリチオフェン類及びポリアニリン類が好ましく、ポリチオフェン類がより好ましい。
π共役系導電性高分子は無置換のままでも、充分な導電性、バインダ樹脂への相溶性を得ることができるが、導電性及び相溶性をより高めるためには、アルキル基、カルボキシ基、スルホ基、アルコキシ基、ヒドロキシ基等の官能基をπ共役系導電性高分子に導入することが好ましい。
π共役系導電性高分子の具体例としては、ポリピロール、ポリ(N−メチルピロール)、ポリ(3−メチルピロール)、ポリ(3−エチルピロール)、ポリ(3−n−プロピルピロール)、ポリ(3−ブチルピロール)、ポリ(3−オクチルピロール)、ポリ(3−デシルピロール)、ポリ(3−ドデシルピロール)、ポリ(3,4−ジメチルピロール)、ポリ(3,4−ジブチルピロール)、ポリ(3−カルボキシピロール)、ポリ(3−メチル−4−カルボキシピロール)、ポリ(3−メチル−4−カルボキシエチルピロール)、ポリ(3−メチル−4−カルボキシブチルピロール)、ポリ(3−ヒドロキシピロール)、ポリ(3−メトキシピロール)、ポリ(3−エトキシピロール)、ポリ(3−ブトキシピロール)、ポリ(3−メチル−4−ヘキシルオキシピロール)、ポリチオフェン、ポリ(3−メチルチオフェン)、ポリ(3−エチルチオフェン)、ポリ(3−プロピルチオフェン)、ポリ(3−ブチルチオフェン)、ポリ(3−ヘキシルチオフェン)、ポリ(3−ヘプチルチオフェン)、ポリ(3−オクチルチオフェン)、ポリ(3−デシルチオフェン)、ポリ(3−ドデシルチオフェン)、ポリ(3−オクタデシルチオフェン)、ポリ(3−ブロモチオフェン)、ポリ(3−クロロチオフェン)、ポリ(3−ヨードチオフェン)、ポリ(3−シアノチオフェン)、ポリ(3−フェニルチオフェン)、ポリ(3,4−ジメチルチオフェン)、ポリ(3,4−ジブチルチオフェン)、ポリ(3−ヒドロキシチオフェン)、ポリ(3−メトキシチオフェン)、ポリ(3−エトキシチオフェン)、ポリ(3−ブトキシチオフェン)、ポリ(3−ヘキシルオキシチオフェン)、ポリ(3−ヘプチルオキシチオフェン)、ポリ(3−オクチルオキシチオフェン)、ポリ(3−デシルオキシチオフェン)、ポリ(3−ドデシルオキシチオフェン)、ポリ(3−オクタデシルオキシチオフェン)、ポリ(3−メチル−4−メトキシチオフェン)、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)、ポリ(3−メチル−4−エトキシチオフェン)、ポリ(3−カルボキシチオフェン)、ポリ(3−メチル−4−カルボキシチオフェン)、ポリ(3−メチル−4−カルボキシエチルチオフェン)、ポリ(3−メチル−4−カルボキシブチルチオフェン)、ポリアニリン、ポリ(2−メチルアニリン)、ポリ(3−イソブチルアニリン)、ポリ(2−アニリンスルホン酸)、ポリ(3−アニリンスルホン酸)等が挙げられる。これらの中でも、導電性、耐熱性から、ポリ(アルキレンジオキシチオフェン)、例えば、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)が好ましい。
ポリアニオンとしては、例えば、置換若しくは未置換のポリアルキレン、置換若しくは未置換のポリアルケニレン、置換若しくは未置換のポリイミド、置換若しくは未置換のポリアミド、置換若しくは未置換のポリエステルであって、アニオン基を有する構成単位のみからなるポリマー、アニオン基を有する構成単位とアニオン基を有さない構成単位とからなるポリマーが挙げられる。
ポリアルキレンとは、主鎖がメチレンの繰り返しで構成されているポリマーである。
ポリアルケニレンとは、主鎖に不飽和二重結合(ビニル基)が1個含まれる構成単位からなる高分子である。
ポリイミドとしては、ピロメリット酸二無水物、ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,2’−[4,4’−ジ(ジカルボキシフェニルオキシ)フェニル]プロパン二無水物等の酸無水物と、オキシジアミン、パラフェニレンジアミン、メタフェニレンジアミン、ベンゾフェノンジアミン等のジアミンとからのポリイミドを例示できる。
ポリアミドとしては、ポリアミド6、ポリアミド6,6、ポリアミド6,10等を例示できる。
ポリエステルとしては、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等を例示できる。
上記ポリアニオンが置換基を有する場合、その置換基としては、アルキル基、ヒドロキシ基、アミノ基、カルボキシ基、シアノ基、フェニル基、フェノール基、エステル基、アルコキシ基等が挙げられる。有機溶媒への溶解性、耐熱性及び樹脂への相溶性等を考慮すると、アルキル基、ヒドロキシ基、フェノール基、エステル基が好ましい。
アルキル基としては、例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル、イソブチル、t−ブチル、ペンチル、へキシル、オクチル、デシル、ドデシル等のアルキル基と、シクロプロピル、シクロペンチル及びシクロヘキシル等のシクロアルキル基が挙げられる。
ヒドロキシ基としては、ポリアニオンの主鎖に直接又は他の官能基を介在して結合したヒドロキシ基が挙げられ、他の官能基としては、炭素数1〜7のアルキル基、炭素数2〜7のアルケニル基、アミド基、イミド基などが挙げられる。ヒドロキシ基は、これらの官能基の末端又は中に置換されている。
アミノ基としては、ポリアニオンの主鎖に直接又は他の官能基を介在して結合したアミノ基が挙げられ、他の官能基としては、炭素数1〜7のアルキル基、炭素数2〜7のアルケニル基、アミド基、イミド基などが挙げられる。アミノ基は、これらの官能基の末端又は中に置換されている。
フェノール基としては、ポリアニオンの主鎖に直接又は他の官能基を介在して結合したフェノール基が挙げられ、他の官能基としては、炭素数1〜7のアルキル基、炭素数2〜7のアルケニル基、アミド基、イミド基などが挙げられる。フェノール基は、これらの官能基の末端又は中に置換されている。
置換基を有するポリアルキレンの例としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリペンテン、ポリヘキセン、ポリビニルアルコール、ポリビニルフェノール、ポリ(3,3,3−トリフルオロプロピレン)、ポリアクリロニトリル、ポリアクリレート、ポリスチレン等を例示できる。
ポリアルケニレンの具体例としては、プロペニレン、1−メチルプロペニレン、1−ブチルプロペニレン、1−デシルプロペニレン、1−シアノプロペニレン、1−フェニルプロペニレン、1−ヒドロキシプロペニレン、1−ブテニレン、1−メチル−1−ブテニレン、1−エチル−1−ブテニレン、1−オクチル−1−ブテニレン、1−ペンタデシル−1−ブテニレン、2−メチル−1−ブテニレン、2−エチル−1−ブテニレン、2−ブチル−1−ブテニレン、2−ヘキシル−1−ブテニレン、2−オクチル−1−ブテニレン、2−デシル−1−ブテニレン、2−ドデシル−1−ブテニレン、2−フェニル−1−ブテニレン、2−ブテニレン、1−メチル−2−ブテニレン、1−エチル−2−ブテニレン、1−オクチル−2−ブテニレン、1−ペンタデシル−2−ブテニレン、2−メチル−2−ブテニレン、2−エチル−2−ブテニレン、2−ブチル−2−ブテニレン、2−ヘキシル−2−ブテニレン、2−オクチル−2−ブテニレン、2−デシル−2−ブテニレン、2−ドデシル−2−ブテニレン、2−フェニル−2−ブテニレン、2−プロピレンフェニル−2−ブテニレン、3−メチル−2−ブテニレン、3−エチル−2−ブテニレン、3−ブチル−2−ブテニレン、3−ヘキシル−2−ブテニレン、3−オクチル−2−ブテニレン、3−デシル−2−ブテニレン、3−ドデシル−2−ブテニレン、3−フェニル−2−ブテニレン、3−プロピレンフェニル−2−ブテニレン、2−ペンテニレン、4−プロピル−2−ペンテニレン、4−プロピル−2−ペンテニレン、4−ブチル−2−ペンテニレン、4−ヘキシル−2−ペンテニレン、4−シアノ−2−ペンテニレン、3−メチル−2−ペンテニレン、4−エチル−2−ペンテニレン、3−フェニル−2−ペンテニレン、4−ヒドロキシ−2−ペンテニレン、ヘキセニレン等から選ばれる一種以上の構成単位を含む重合体を例示できる。
ポリアニオンのアニオン基としては、−O−SO 、−SO 、−COO(各式においてXは水素イオン、アルカリ金属イオンを表す。)が挙げられる。
すなわち、ポリアニオンは、スルホ基及び/又はカルボキシ基を含有する高分子酸である。これらの中でも、π共役系導電性高分子へのドーピング効果の点から、−SO 、−COOが好ましい。
また、このアニオン基は、隣接して又は一定間隔をあけてポリアニオンの主鎖に配置されていることが好ましい。
上記ポリアニオンの中でも、溶媒溶解性及び導電性の点から、ポリイソプレンスルホン酸、ポリイソプレンスルホン酸を含む共重合体、ポリスルホエチルメタクリレート、ポリスルホエチルメタクリレートを含む共重合体、ポリ(4−スルホブチルメタクリレート)、ポリ(4−スルホブチルメタクリレート)を含む共重合体、ポリメタリルオキシベンゼンスルホン酸、ポリメタリルオキシベンゼンスルホン酸を含む共重合体、ポリスチレンスルホン酸、ポリスチレンスルホン酸を含む共重合体等が好ましい。
ポリアニオンの重合度は、モノマー単位が10〜100,000個の範囲であることが好ましく、溶媒溶解性及び導電性の点からは、50〜10,000個の範囲がより好ましい。
ポリアニオンの含有量は、π共役系導電性高分子1モルに対して0.1〜10モルの範囲であることが好ましく、1〜7モルの範囲であることがより好ましい。ポリアニオンの含有量が0.1モルより少なくなると、π共役系導電性高分子へのドーピング効果が弱くなる傾向にあり、導電性が不足することがある。その上、溶媒への分散性及び溶解性が低くなり、均一な分散液を得ることが困難になる。また、ポリアニオンの含有量が10モルより多くなると、π共役系導電性高分子の含有量が少なくなり、やはり充分な導電性が得られにくい。
なお、ポリアニオンは、π共役系導電性高分子に配位している。そのため、π共役系導電性高分子とポリアニオンとは複合体を形成している。
無機導電性粒子としては、例えば、酸化錫、または酸化錫にアンチモン、亜鉛、フッ素よりなる群から選ばれる1種以上の元素がドープされた導電性無機酸化物、酸化インジウムまたは酸化インジウムに錫、亜鉛、テルル、銀、ガリウム、ジルコニウム、ハフニウム、マグネシウムよりなる群から選ばれる1種以上の元素がドープされた導電性無機酸化物、五酸化アンチモン、酸化亜鉛、または酸化亜鉛にアルミニウム、ガリウム、インジウム、ホウ素、フッ素、マンガンよりなる群から選ばれる1種以上の元素がドープされた導電性無機酸化物が挙げられる。
また、無機導電性粒子として、銀、金、ニッケル等の金属微粒子、カーボンブラック等のカーボン微粒子が挙げられる。
バインダ樹脂としては、例えば、下記(a)の単量体および(b)の単量体からなる群から選ばれる少なくとも1種の単量体を重合して得た重合体が挙げられる。
(a)グリシジル基を有するアクリル単量体(以下、単量体(a)という。)。
(b)アリル基、ビニルエーテル基、メタクリル基、アクリル基、メタクリルアミド基、アクリルアミド基から選ばれる1種と、ヒドロキシ基とを有するアクリル単量体(以下、単量体(b)という。)。
さらに、単量体(a)としては、下記(a−1)〜(a−3)のアクリル単量体が挙げられる。
(a−1):グリシジル基と、アリル基、ビニルエーテル基、メタクリル基、アクリル基、メタクリルアミド基、アクリルアミド基から選ばれる1種とを有するアクリル単量体。
(a−2):グリシジル基を2つ以上有するアクリル単量体。
(a−3):グリシジル基を1つ有するアクリル単量体であって、単量体(a−1)以外の単量体。
単量体(a−1)のうち、グリシジル基とアクリル(メタクリル)基を有する単量体として、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート等が挙げられる。
グリシジル基とアリル基を有する単量体として、アリルグリシジルエーテル、2−メチルアリルグリシジルエーテル、アリルフェノールグリシジルエーテル等が挙げられる。
グリシジル基とヒドロキシ基とを有する単量体として、1,4−ジヒドロキシメチルベンゼンジグリシジルエーテル、グリセリンジグリシジルエーテル等が挙げられる。
グリシジル基とヒドロキシ基とアリル基とを有する単量体として、3−アリル−1,4−ジヒドロキシメチルベンゼンジグリシジルエーテル等が挙げられる。
なお、グリシジル基とヒドロキシ基とを有する単量体、グリシジル基とヒドロキシ基とアリル基とを有する単量体は単量体(b)でもある。
単量体(a−2)としては、例えば、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ジエチレングリコールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、ビスフェノールAジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、ダイマー酸ジグリシジルエステル、フタル酸ジグリシジルエステル、トリグリシジルイソシアヌレート、テトラグリシジルジアミノジフェニルメタン、ジグリシジルテトラフタレート等が挙げられ1種類または2種類以上の混合として用いることができる。
単量体(a−3)としては、例えば、アルキルグリシジルエーテル、エチレングリコールグリシジルエーテル、メチルグリシジルエーテル、フェニルグリシジルエーテル、ブチルフェニルグリシジルエーテル、クレジルグリシジルエーテル等が挙げられる。
単量体(b)のうち、例えば、ヒドロキシ基とビニルエーテル基とを有する単量体として、2−ヒドロキシエチルビニルエーテル、4−ヒドロキシブチルビニルエーテル、ジエチレングリコールモノビニルエーテル等が挙げられる。
ヒドロキシ基とアクリル(メタクリル)基を有する単量体として、2−ヒドロキシエチルアクリレート(メタクリレート)、2−ヒドロキシプロピルアクリレート(メタクリレート)、4−ヒドロキシブチルアクリレート(メタクリレート)、エチル−α−ヒドロキシメチルアクリレート、ジペンタエリストリトールモノヒドロキシペンタアクリレート等が挙げられる。
ヒドロキシ基とアクリルアミド(メタクリルアミド)基を有する単量体として、2−ヒドロキシエチルアクリルアミド、2−ヒドロキシエチルメタクリルアミドが挙げられる。
また、バインダ樹脂は多官能アクリル単量体が共重合されていてもよい。
多官能アクリル単量体の具体例としては、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、変性ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、ジメチロールジシクロペンタジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(以下、PEGと表記する。)400ジ(メタ)アクリレート、PEG300ジ(メタ)アクリレート、PEG600ジ(メタ)アクリレート、N,N’−メチレンビスアクリルアミド等の2官能アクリルモノマー、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンエトキシトリ(メタ)アクリレート、グリセリンプロポキシトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、エトキシ化グリセリントリアクリレート等の3官能アクリルモノマー、ペンタエリスリトールエトキシテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(ペンタ)(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールモノヒドロキシペンタ(メタ)アクリレート等の4官能以上のアクリルモノマー、ソルビトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート等の5官能以上のアクリルモノマー、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ソルビトールヘキサアクリレート、アルキレンオキサイド変性ヘキサアクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート等の6官能以上のアクリルモノマー、2官能以上のウレタンアクリレートが挙げられる。
有機導電体には、導電性がより高くなることから、2つ以上のヒドロキシ基を有する芳香族化合物を含有することが好ましい。
2つ以上のヒドロキシ基を有する芳香族化合物としては、1,4−ジヒドロキシベンゼン、1,3−ジヒドロキシベンゼン、2,3−ジヒドロキシ−1−ペンタデシルベンゼン、2,4−ジヒドロキシアセトフェノン、2,5−ジヒドロキシアセトフェノン、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2,6−ジヒドロキシベンゾフェノン、3,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、3,5−ジヒドロキシベンゾフェノン、2,4’−ジヒドロキシジフェニルスルフォン、2,2’,5,5’−テトラヒドロキシジフェニルスルフォン、3,3’,5,5’−テトラメチル−4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルフォン、ヒドロキシキノンカルボン酸及びその塩類、2,3−ジヒドロキシ安息香酸、2,4−ジヒドロキシ安息香酸、2,5−ジヒドロキシ安息香酸、2,6−ジヒドロキシ安息香酸、3,5−ジヒドロキシ安息香酸、1,4−ヒドロキノンスルホン酸及びその塩類、4,5−ヒドロキシベンゼン−1,3−ジスルホン酸及びその塩類、1,5−ジヒドロキシナフタレン、1,6−ジヒドロキシナフタレン、2,6−ジヒドロキシナフタレン、2,7−ジヒドロキシナフタレン、2,3−ジヒドロキシナフタレン、1,5−ジヒドロキシナフタレン−2,6−ジカルボン酸、1,6−ジヒドロキシナフタレン−2,5−ジカルボン酸、1,5−ジヒドロキシナフトエ酸、1,4−ジヒドロキシ−2−ナフトエ酸フェニルエステル、4,5−ジヒドロキシナフタレン−2,7−ジスルホン酸及びその塩類、1,8−ジヒドロキシ−3,6−ナフタレンジスルホン酸及びその塩類、6,7−ジヒドロキシ−2−ナフタレンスルホン酸及びその塩類、1,2,3−トリヒドロキシベンゼン(ピロガロール)、1,2,4−トリヒドロキシベンゼン、5−メチル−1,2,3−トリヒドロキシベンゼン、5−エチル−1,2,3−トリヒドロキシベンゼン、5−プロピル−1,2,3−トリヒドロキシベンゼン、トリヒドロキシ安息香酸、トリヒドロキシアセトフェノン、トリヒドロキシベンゾフェノン、トリヒドロキシベンゾアルデヒド、トリヒドロキシアントラキノン、2,4,6−トリヒドロキシベンゼン、テトラヒドロキシ−p−ベンゾキノン、テトラヒドロキシアントラキノン、ガーリック酸メチル(没食子酸メチル)、ガーリック酸エチル(没食子酸エチル)等が挙げられる。
透明基材Aとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルイミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリフェニレンスルフィド、ポリアリレート、ポリイミド、ポリカーボネート、セルローストリアセテート、セルロースアセテートプロピオネートなどのフィルムまたはシートが挙げられる。また、ガラス基板、シリコン基板なども使用できる。
導電パターン形成基板作製用積層体Aは、透明基材Aに、π共役系導電性高分子およびポリアニオンを含有する導電性高分子溶液を塗工することにより得られる。導電性高分子溶液の塗工方法として、例えば、コンマコーティング、リバースコーティング、リップコーティング、マイクログラビアコーティング等が適用される。
導電性高分子溶液における溶媒は水であるが、水以外の有機溶媒を含んでも構わない。有機溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール等のアルコール類、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート等のカーボネート化合物、クレゾール、フェノール、キシレノール等のフェノール類、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類 、ヘキサン、ベンゼン、トルエン等の炭化水素類、ジオキサン、2−メチルテトラヒドロフラン、ジエチルエーテル等のエーテル化合物、アセトニトリル、グルタロジニトリル、メトキシアセトニトリル、プロピオニトリル、ベンゾニトリル等のニトリル化合物、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、ヘキサメチレンホスホルトリアミド、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジン、ジメチルイミダゾリン、酢酸エチル、ジメチルスルホキシド、スルホラン、ジフェニルスルホン酸等が挙げられる。これらの溶媒は、1種を単独で用いてもよいし、2種類以上の混合物としてもよいし、他の有機溶媒との混合物としてもよい。
前記有機溶媒の中でも、取り扱い性の点から、アルコール類が好ましい。
導電性高分子溶液には、ポリアニオンの酸性を中和するための中和剤を含有することが好ましい。中和剤としては、例えば、無機アルカリや有機アルカリが挙げられる。
無機アルカリとしては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、アンモニアなどが挙げられる。
有機アルカリとしては、脂肪族アミン、芳香族アミン、4級アミン、金属アルコキシドなどが挙げられる。
脂肪族アミンとしては、例えば、エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン、へキシルアミン、オクチルアミン、ステアリルアミシ、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、ジブチルアミン、ジオクチルアミン、メチルエチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン等が挙げられる。
芳香族アミンとしては、例えば、アニリン、ベンジルアミン、 ピロール、ピリジン及びその誘導体、イミダゾール及びその誘導体、ピリミジン及びその誘導体、ピラジン及びその誘導体、トリアジン及びその誘導体等が挙げられる。これらのうち、ピリジン及びその誘導体、イミダゾール及びその誘導体、ピリミジン及びその誘導体、ピラジン及びその誘導体、トリアジン及びその誘導体等は導電性向上剤としても機能する。
4級アミンとしては、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、テトラプロピルアンモニウムヒドロキシド、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド、テトラヘキシルアンモニウムヒドロキシド、テトラオクチルアンモニウムヒドロキシド等が挙げられる。アミン以外の窒素含有化合物としては、例えば、N−メチル−ピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ヘキサメチレンホスホルトリアミド、N−ビニルピロリドン、N−ビニルホルムアミド、N−ビニルアセトアミド等が挙げられる。
金属アルコキシドとしては、例えば、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド等のナトリウムアルコキシド、カリウムアルコキシド、カルシウムアルコキシド等が挙げられる。
中和剤の中でも、容易に中和できることから、脂肪族アミン、芳香族アミン、4級アミン、金属アルコキシドよりなる群から選ばれる1種以上の成分からなる有機アルカリが好ましい。
中和剤により中和することによって導電性高分子溶液のpH(25℃にて測定)は4〜10になっていることが好ましく、5〜9になっていることがより好ましい。pHが4未満であると、腐食性を持つようになり、10を超えると、透明導電層Aの形成が困難になったり、透明導電層Aを形成できても導電性が低下したりすることがある。
導電性高分子溶液におけるπ共役系導電性高分子とポリアニオンの合計の含有量は0.05〜5.0質量%であり、0.5〜4.0質量%であることが好ましい。π共役系導電性高分子とポリアニオンの合計の含有量が0.05質量%未満であると、充分な導電性が得られないことがあり、5.0質量%を超えると、均一な透明導電層Aが得られないことがある。
また、導電パターン形成基板作製用積層体Aは、π共役系導電性高分子のモノマーとポリアニオンと酸化剤とを含む水溶液を透明基材Aの表面に塗工し、乾燥時にモノマーを重合させることによって透明導電層Aを形成して作製してもよい。
以上説明した導電パターン形成基板の製造方法では、パルス幅1p秒未満のレーザ光を照射することにより、透明導電層Aのレーザ光Lが照射された部分を絶縁化できる。それにもかかわらず、透明導電層Aのレーザ光Lが照射された部分は除去されておらず、しかも変色(無色化)も防止されている。
また、上記製造方法では、集光手段である凸レンズ20によってスポット径を小さくしたレーザ光Lを透明導電層Aに照射するため、高精細な導電パターンを容易に形成できる。
しかも、透明導電層Aおよび凸レンズ20を、透明導電層Aと凸レンズ20との間にレーザ光Lの焦点Fが位置するように設けているため、透明導電層Aに当たるレーザ光Lのスポット径よりも透明基材Aに当たるレーザ光Lのスポット径が大きくなる。そのため、透明導電層Aに当たるレーザ光Lのエネルギ密度よりも透明基材Aに当たるレーザ光Lのエネルギ密度が小さくなるため、透明基材Aの損傷をより防止できる。
なお、本発明は、上記実施形態例に限定されない。
例えば、上記実施形態例において、凸レンズ20と焦点Fとの間に、焦点Fの集光スポット径を大きくしてエネルギ密度を低くするために、ガラス板等の屈折率の大きな部材からなる収差増強材を設置することができる。収差増強材を設置することにより、焦点Fにおける空気のプラズマ化を防止し、レーザ光Lのエネルギをより有効に透明導電層Aに照射することができる。
また、上記実施形態例では、ステージ30を移動させることにより、透明導電層Aにレーザ光Lを所定のパターンで照射したが、ステージ30を固定し、レーザ光発生手段10を水平方向に2次元的に移動させて、透明導電層Aにレーザ光Lを所定のパターンで照射してもよい。
また、集光手段は凸レンズ20に限らず、凹面鏡等の反射を利用した集光手段であってもよい。また、集光手段を省略して、レーザ光発生手段からレーザ光を導電パターン形成基板作製用積層体に直接照射しても構わない。
また、ステージ30の代わりに、ガルバノセルを用いても構わない。
また、上記実施形態例では、導電パターン形成基板作製用積層体Aは、透明基材Aの片面のみに透明導電層Aが形成されていたが、透明基材Aの両面に透明導電層Aが形成されたものを使用してもよい。
図2に示すように、透明基材Aの両面に透明導電層Aが形成されている場合、凸レンズ20として焦点距離が50mm以上で開口数が0.2未満のものを使用すると、レーザ光Lの広がりを小さくできる。そのため、レンズの位置調整が容易になると共に、透明基材Aの両面におけるスポット径の差が小さくなり、両方の透明導電層Aに当たるエネルギ密度が略同等になるため、両面の透明導電層Aに同一の絶縁パターンを一括して形成させることができる。
また、透明基材Aの両面に形成された透明導電層Aのうち、片面側の透明導電層A1のみを絶縁化する場合には、凸レンズ20として開口数が0.5より大きいものを使用することが好ましい。凸レンズ20として開口数が0.5より大きいものを使用すれば、片面側の透明導電層Aのみ絶縁化させることができる。
以下、本発明の実施例を具体的に示すが、本発明は実施例により限定されるものではない。
(製造例1)ポリスチレンスルホン酸の調製
1000mlのイオン交換水に206gのスチレンスルホン酸ナトリウムを溶解し、80℃で攪拌しながら、予め10mlの水に溶解した1.14gの過硫酸アンモニウム酸化剤溶液を20分間滴下し、この溶液を2時間攪拌した。
これにより得られたスチレンスルホン酸ナトリウム含有溶液に10質量%に希釈した硫酸を1000mlと10000mlのイオン交換水を添加し、限外ろ過法を用いてポリスチレンスルホン酸含有溶液の約10000ml溶液を除去し、残液に10000mlのイオン交換水を加え、限外ろ過法を用いて約10000ml溶液を除去した。上記の限外ろ過操作を3回繰り返した。
さらに、得られたろ液に約10000mlのイオン交換水を添加し、限外ろ過法を用いて約10000ml溶液を除去した。この限外ろ過操作を3回繰り返した。
限外ろ過条件は下記の通りとした(他の例でも同様)。
限外ろ過膜の分画分子量:30000
クロスフロー式
供給液流量:3000ml/分
膜分圧:0.12Pa
得られた溶液中の水を減圧除去して、無色の固形状のポリスチレンスルホン酸を得た。
(製造例2)ポリスチレンスルホン酸ドープポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)水溶液の調製
14.2gの3,4−エチレンジオキシチオフェンと、36.7gの製造例1で得たポリスチレンスルホン酸を2000mlのイオン交換水に溶かした溶液とを20℃で混合した。
これにより得られた混合溶液を20℃に保ち、掻き混ぜながら、200mlのイオン交換水に溶かした29.64gの過硫酸アンモニウムと8.0gの硫酸第二鉄の酸化触媒溶液とをゆっくり添加し、3時間攪拌して反応させた。
得られた反応液に2000mlのイオン交換水を添加し、限外ろ過法を用いて約2000ml溶液を除去した。この操作を3回繰り返した。
そして、上記ろ過処理が行われた処理液に200mlの10質量%に希釈した硫酸と2000mlのイオン交換水を加え、限外ろ過法を用いて約2000mlの処理液を除去し、これに2000mlのイオン交換水を加え、限外ろ過法を用いて約2000mlの液を除去した。この操作を3回繰り返した。
さらに、得られた処理液に2000mlのイオン交換水を加え、限外ろ過法を用いて約2000mlの処理液を除去した。この操作を5回繰り返し、約1.5質量%の青色のポリスチレンスルホン酸ドープポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)(PEDOT−PSS)水溶液を得た。
(製造例3)導電性高分子溶液の調製
製造例2で得たPEDOT−PSS水溶液600gに、イミダゾール20.1g(ポリアニオンに対して2モル当量)を添加し、攪拌して、イミダゾールを含有したPEDOT−PSS水溶液を調製した。
これとは別に、2,3,3’,4,4’,5’−ヘキサヒドロキシベンゾフェノン3.6g、イルガキュア127(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)0.9g、2−ヒドロキシエチルアクリルアミド18g、ペンタエリスリトールトリアクリレート7.0g、エタノール300g、錫がドープされた酸化インジウム(住友金属鉱山社製;X500シリーズ、平均粒子径;100〜140nm)0.3g(π共役系導電性高分子とポリアニオンの合計100質量%に対して4.1質量%)を添加し、攪拌した。これにより得た溶液に、前記イミダゾールを含有したPEDOT−PSS水溶液を添加し、攪拌して、導電性高分子溶液Aを得た。
(製造例4)導電パターン形成基板作製用積層体の作製
導電性高分子溶液Aをポリエチレンテレフタレートフイルム(東洋紡績製A4300、厚さ;188μm)に、リバースコーターにより塗布し、100℃、2分間、赤外線照射により乾燥した後、紫外線(高圧水銀灯120W、360mJ/cm、178mW/cm)照射し、硬化させて、透明導電層を形成して、導電パターン形成基板作製用積層体を得た。導電パターン形成基板作製用積層体は50×10mmの短冊状に切り出して、使用した。
(実験例1)
図1に示す製造装置1を用い、以下のように、導電パターン形成基板作製用積層体Aにレーザ光Lを照射して、導電パターンを有する導電パターン形成基板を製造した。
具体的には、まず、厚さ5mmの透明アクリル板を上面に有するステージ30の上に導電パターン形成基板作製用積層体Aを、透明導電層Aが透明基材Aより上に位置するように載せた。
ついで、波長780nm、発振周波数1kHz、パルス幅200f秒(0.2p秒)、ビーム径8mm、出力10mWのレーザ光をレーザ光発生手段10により発生させ、凸レンズ20(焦点距離:50mm)に出射させた。そして、凸レンズ20を通過したレーザ光を、透明導電層Aに照射した。
その際、レーザ光の焦点Fが透明導電層Aの表面から1.4mm凸レンズ側に位置するように凸レンズ20の位置を調整した。また、短冊状の導電パターン形成基板作製用積層体Aの幅方向に沿ってレーザ光Lが繰り返し照射されるように、ステージ30を1.0mm/秒の速度で往復動させた。
以上のようにレーザ光Lを照射し、透明導電層Aに絶縁部を形成して、導電パターン形成基板を得た。
(実験例2〜4)
レーザ光の焦点Fを、透明導電層Aの表面から、各々、1.0mm側、2.0mm側、2.8mm凸レンズ側に位置させたこと以外は実験例1と同様にして、導電パターン形成基板を得た。
(実験例5〜8)
ステージ30の移動速度を、各々、0.1mm/秒、0.3mm/秒、3.0mm/秒、10mm/秒に変更したこと以外は実験例1と同様にして、導電パターン形成基板を得た。
(実験例9)
レーザ光として、波長1064nm、発振周波数10Hz、パルス幅6秒、ビーム径8mm、出力12mWのYAGレーザ光を用い、焦点Fの位置を凸レンズ側0.1mmになるように調整したこと以外は実験例1と同様にして、導電パターン形成基板を作製した。
得られた導電パターン形成基板について、テスタにより、レーザ光を照射した部分を挟んで電気抵抗を測定した。また、導電パターンの視認性を目視により評価した。評価結果を表1に示す。
なお、導電性パターンの視認性は、以下の基準で評価した。
○:導電パターンが視認されなかった。
△:導電パターンが僅かに視認された。
×:導電パターンがはっきりと視認された。
Figure 0005386699
透明導電層にパルス幅0.2p秒のレーザ光を照射した実験例1〜8の製造方法によれば、有機導電体の導電パターンが形成されていた。それにもかかわらず、導電パターンが視認されにくかった。
透明導電層にYAGレーザ光を照射した実験例9の製造方法では、導電パターンが視認された。
本発明の製造方法で得られた導電パターン形成基板は、タッチパネルの入力装置、プラズマディスプレイの電磁波シールド、透明メンブレンスイッチなどに利用できる。
1 導電パターン形成基板の製造装置
10 レーザ光発生手段
20 凸レンズ
30 ステージ
A 導電パターン形成基板作製用積層体
透明導電層
透明基材

Claims (5)

  1. 透明基材の少なくとも一方の面に形成された有機導電体製の透明導電層に、パルス幅1p秒未満の極短パルスのレーザ光を、透明導電層に照射するレーザ光のエネルギ密度を5×10 14 〜1.5×10 15 W/m として所定のパターンで照射して、透明導電層のレーザ光を照射した部分を絶縁化することを特徴とする導電パターン形成基板の製造方法。
  2. レーザ光を集光する集光手段を介して、レーザ光を透明導電層に照射することを特徴とする請求項1に記載の導電パターン形成基板の製造方法。
  3. 集光手段として凸レンズを用い、
    集光手段を、透明導電層と集光手段との間にレーザ光の焦点が位置するように設けることを特徴とする請求項に記載の導電パターン形成基板の製造方法。
  4. レーザ光を透明導電層の同一部分に断続的に複数回照射することを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の導電パターン形成基板の製造方法。
  5. 有機導電体としてポリアルキレンジオキシチオフェンを含むものを用いることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の導電パターン形成基板の製造方法。
JP2009037973A 2009-02-20 2009-02-20 導電パターン形成基板の製造方法 Active JP5386699B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009037973A JP5386699B2 (ja) 2009-02-20 2009-02-20 導電パターン形成基板の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009037973A JP5386699B2 (ja) 2009-02-20 2009-02-20 導電パターン形成基板の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2010192387A JP2010192387A (ja) 2010-09-02
JP5386699B2 true JP5386699B2 (ja) 2014-01-15

Family

ID=42818188

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009037973A Active JP5386699B2 (ja) 2009-02-20 2009-02-20 導電パターン形成基板の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5386699B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5736184B2 (ja) * 2011-02-10 2015-06-17 信越ポリマー株式会社 導電パターン形成基板の製造方法
JP2013097996A (ja) * 2011-10-31 2013-05-20 Shin Etsu Polymer Co Ltd 透明配線板及びこれを用いた入力装置
JP2013109460A (ja) * 2011-11-18 2013-06-06 Shin Etsu Polymer Co Ltd 透明配線シート

Family Cites Families (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6269657A (ja) * 1985-09-24 1987-03-30 Toshiba Corp 半導体装置
JPH07192790A (ja) * 1993-12-27 1995-07-28 Showa Denko Kk 異方導電性接続材料
JP4928687B2 (ja) * 2001-08-02 2012-05-09 独立行政法人科学技術振興機構 超短パルスレーザーを用いた表面剥離洗浄方法とその装置
JP4397571B2 (ja) * 2001-09-25 2010-01-13 株式会社半導体エネルギー研究所 レーザ照射方法およびレーザ照射装置、並びに半導体装置の作製方法
JP3871562B2 (ja) * 2001-12-10 2007-01-24 日東電工株式会社 光学素子機能を有する透明導電膜およびその製造方法
JP2005302387A (ja) * 2004-04-07 2005-10-27 Polymatech Co Ltd 立体成形elシートおよびel一体樹脂成形品
KR100638965B1 (ko) * 2004-12-29 2006-10-26 동부일렉트로닉스 주식회사 금속 잔류물 검사 장비 및 방법
JP2009000636A (ja) * 2007-06-22 2009-01-08 Panasonic Corp パターン形成装置およびパターン形成方法、それを用いて作製されたデバイスおよび該デバイスを有する電子機器

Also Published As

Publication number Publication date
JP2010192387A (ja) 2010-09-02

Similar Documents

Publication Publication Date Title
TWI388636B (zh) 導電性高分子溶液、導電性塗膜及輸入裝置
JP5244361B2 (ja) 抵抗膜式タッチパネル
JP5674522B2 (ja) 導電性高分子溶液、導電性塗膜および入力デバイス
JP5094317B2 (ja) 導電性高分子溶液、導電性塗膜および入力デバイス
US10251267B2 (en) Transparent electrode, organic electronic element, and method for producing transparent electrode
JP5987843B2 (ja) 透明電極形成用組成物、透明電極、有機電子素子および透明電極の製造方法
JP2009170408A (ja) 導電性シートおよびその製造方法、ならびに入力デバイス
JP2011038002A (ja) 導電性高分子溶液および帯電防止性シート
JP5888084B2 (ja) 有機電子素子用透明電極、有機電子素子用透明電極の製造方法、及び有機電子素子
JP2008300063A (ja) 導電性インク、透明導電層、入力デバイス及び表示デバイス
JP2009102601A (ja) 導電性高分子溶液、導電性塗膜および入力デバイス
JP5386699B2 (ja) 導電パターン形成基板の製造方法
JP5337494B2 (ja) 透明導電シートおよびタッチパネル
JP6452265B2 (ja) 導電性高分子分散液及び導電性塗膜
US9640762B2 (en) Method for producing transparent electrode and organic EL element
JP2015131890A (ja) 導電性高分子分散液及び導電性塗膜
JP2009176651A (ja) 透明導電体およびその製造方法、ならびに入力デバイス
US20030170454A1 (en) Material for making a conductive
JP6134102B2 (ja) 配線基板の製造方法
JP5337468B2 (ja) 導電性シートおよびその製造方法、ならびに入力デバイス
JP2014104409A (ja) 透明電極の製造方法
JP2009093872A (ja) 導電性高分子溶液、導電性塗膜および入力デバイス
JP2010061856A (ja) 入力デバイス
JP5581084B2 (ja) 透明導電体及びその製造方法、入力デバイス
JP5337469B2 (ja) 導電性シートおよびその製造方法、ならびに入力デバイス

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20110907

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A711

Effective date: 20130405

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20130419

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20130405

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20130521

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20130627

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20130813

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20130911

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Ref document number: 5386699

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250