JP5386388B2 - 異常判定装置 - Google Patents

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Description

本発明は、内燃機関の気筒間における混合気の空燃比のバラツキが大きくなる異常の発生を判定する異常判定装置に関するものである。
従来、多気筒内燃機関の排気通路の集合部分(詳しくは、各気筒から延びる通路が合流した部分)に、排気の酸素濃度を検出するための酸素センサを設けることが多用されている。また、この酸素センサの検出値に基づいて、内燃機関の気筒間における混合気の空燃比のバラツキが大きくなる異常(バラツキ異常)の発生を判定することが提案されている(特許文献1参照)。この判定は以下のような考えのもとに実行される。
多気筒内燃機関では、その吸気系や燃料供給系の構成部品の個体差あるいは劣化により、気筒間における混合気の空燃比にバラツキが生じることが避けられない。そして、このバラツキの度合いが大きくなると、内燃機関の運転中におけるトルク変動が大きくなってドライバビリティの低下を招くおそれがある。また上記バラツキの度合いが大きくなると、排気の酸素濃度が大きく変動するようになるために、機関排気通路に三元触媒が設けられた機関システムにあっては同三元触媒の排気浄化機能の低下を招くおそれがある。こうしたことから内燃機関の気筒間における空燃比のバラツキが大きくなった場合には、これを検出して適切に対処することが望ましい。
そして上記特許文献1に記載の装置では、酸素センサの検出値の変動幅が大きくなったことをもってバラツキ異常が発生したと判定される。
特開2000−220489号公報
ここで、内燃機関の排気通路に設けられる酸素センサは、その検出素子の温度に応じて酸素濃度の検出にかかる応答性(検出濃度の実濃度への追従性)が異なるとの特性を有する。そのため、内燃機関の排気温度の変化などに起因して酸素センサの検出素子の温度が変化すると、その検出応答性の変化に伴って同酸素センサの検出値の変動態様も変化してしまう。そうした酸素センサの検出値の変動態様の変化は、同検出値の変動態様に基づいてバラツキ異常の発生を判定する前記装置においては、その判定精度を低下させる一因となってしまう。したがって、酸素センサの検出値の変動幅が大きいことをもってバラツキ異常の発生を判定する前記装置では、同バラツキ異常の発生を精度良く判定することは難しい。
本発明は、そうした実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、内燃機関の気筒間における混合気の空燃比のバラツキが大きくなる異常の発生を精度良く判定することのできる異常判定装置を提供することにある。
以下、上記目的を達成するための手段及びその作用効果について説明する。
請求項1に記載の発明は、多気筒内燃機関の排気通路の集合部分に設けられて同内燃機関の排気の酸素濃度を検出する酸素センサを備え、同酸素センサの検出値の変動度合いの指標値を算出し、該算出した変動度合いの指標値と判定値との比較を通じて前記内燃機関の気筒間における混合気の空燃比のバラツキが大きくなる異常の発生を判定する異常判定装置において、前記酸素センサの検出素子の温度の指標値を検出、該検出した温度の指標値に応じて前記判定値を設定するとともに、該設定した判定値に基づいて前記異常の発生を判定することをその要旨とする。
内燃機関の気筒間における混合気の空燃比のバラツキの度合いが同一であっても、酸素センサの検出素子の温度が高いときほど、酸素センサの検出応答性が高くなるために同酸素センサの検出値が大きく変動するようになる。
上記構成によれば、そうした傾向に合わせて、言い換えれば酸素センサの検出素子の温度が高いときほど同酸素センサの検出値が大きく変動した場合に上記バラツキが大きくなる異常(バラツキ異常)が発生したと判定されるように、同バラツキ異常の判定に用いる判定値を変更することができる。これにより、バラツキ異常の発生を精度良く判定することができるようになる。
本発明を具体化した一実施の形態にかかる異常判定装置が適用される機関システムの概略構成を示す略図。 空燃比センサにより検出される酸素濃度の推移の一例を示すタイムチャート。 異常判定処理の実行手順を示すフローチャート。
以下、本発明にかかる異常判定装置について説明する。
図1は、本発明を具体化した一実施の形態にかかる異常判定装置が適用される機関システムの概略構成を示している。
同図1に示すように、内燃機関10は複数(本実施の形態では、四つ)の気筒10aを備えている。内燃機関10の吸気通路11は、各気筒10aを始点に延設された部分(各吸気分岐通路11a)とそれら吸気分岐通路11aの集合した集合部分(吸気集合通路11b)とにより構成されている。
吸気通路11における吸気集合通路11bにはスロットルバルブ12が設けられており、このスロットルバルブ12にはスロットルモータ13が連結されている。このスロットルモータ13の作動制御(スロットル制御)を通じてスロットルバルブ12の開度(スロットル開度TA)が調節される。このスロットル制御を通じて、内燃機関10の吸気通路11(詳しくは、吸気集合通路11b)の通路断面積が調節されて、同吸気通路11を介して内燃機関10の各気筒10aに吸入される空気の量が調節される。
吸気通路11における各吸気分岐通路11a(詳しくは、吸気ポート)には燃料を噴射する燃料噴射弁14が設けられている。本実施の形態では、各吸気分岐通路11aに対して一つずつ合計四つの燃料噴射弁14が設けられている。それら燃料噴射弁14の作動制御(燃料噴射制御)を通じて、内燃機関10の各吸気分岐通路11a内に噴射される燃料の量(燃料噴射量)が調節される。
内燃機関10の運転に際しては、吸気分岐通路11aを通過する吸入空気と燃料噴射弁14から噴射される燃料とが混合されつつ内燃機関10の気筒10aに吸入されることにより、各気筒10a内に混合気が形成される。
内燃機関10の各気筒10aには、それぞれ点火プラグ15が設けられている。この点火プラグ15の作動制御(点火制御)を通じて内燃機関10の各気筒10a内の混合気が着火して燃焼し、その燃焼より発生するエネルギによって内燃機関10の出力軸16に回転トルクが付与される。
内燃機関10の各気筒10a内の燃焼ガス(排気)は排気通路17に排出される。この排気通路17は、内燃機関10の各気筒10aを始点に延設された部分(各排気分岐通路17a)とそれら排気分岐通路17aの集合した集合部分(排気集合通路17b)とにより構成されている。排気通路17における排気集合通路17bには三元触媒18が設けられている。内燃機関10の各気筒10aからの排気は各排気分岐通路17aを介して排気集合通路17bに集められて三元触媒18によって浄化された後、排気通路17の外部に排出される。
本実施の形態の機関システムは、内燃機関10の運転状態を検出するための各種センサを備えている。各種センサとしては例えば、アクセルペダルなどのアクセル操作部材(図示略)の操作量(アクセル操作量ACC)を検出するためのアクセルセンサ21や、内燃機関10の吸気通路11(詳しくは、吸気集合通路11b)を通過する空気の量(通路吸気量GA)を検出するための吸気量センサ22が設けられている。また、内燃機関10の出力軸16の回転速度(機関回転速度NE)を検出するためのクランクセンサ23や、排気の酸素濃度OXを検出するための空燃比センサ24、スロットル開度TAを検出するためのスロットルセンサ25なども設けられている。
上記空燃比センサ24は詳しくは、排気通路17の排気集合通路17bにおける前記三元触媒18より排気流れ方向上流側の位置に取り付けられている。空燃比センサ24は、周知の限界電流式の酸素センサであり、ジルコニアを材料として焼結された検出素子24aを備えている。なお限界電流式の酸素センサは、排気の酸素濃度に応じた出力電流が得られるセンサであり、排気の酸素濃度と密接な関係にある混合気の空燃比が理論空燃比近傍の所定比率(具体的には、14.5)である場合には、その出力電流がほぼ「0」になる。そして、混合気の空燃比がリッチになるにつれて出力電流は負の方向に大きくなり、同空燃比がリーンになるにつれて出力電流は正の方向に大きくなる。したがって、上記空燃比センサ24の出力信号に基づき、混合気の空燃比についてそのリーン度合いやリッチ度合いを検出することができる。
また、空燃比センサ24はヒータ24bを内蔵している。このヒータ24bは検出素子24aを加熱するためのものであり、同ヒータ24bへの供給電力の調節制御(ヒータ制御)を通じて検出素子24aの温度を調節することができるようになっている。
本実施の形態の機関システムは、マイクロコンピュータなどを中心に構成される電子制御ユニット20を備えており、この電子制御ユニット20には各種センサの出力信号が取り込まれている。電子制御ユニット20は、各種センサの出力信号に基づき所定周期毎に実行される演算処理を通じて各種の演算を行い、その演算結果に基づいてスロットル制御や燃料噴射制御、点火制御、ヒータ制御などといった内燃機関10の運転にかかる各種制御を実行する。
本実施の形態のスロットル制御は次のように実行される。すなわち先ず、内燃機関10の運転状態(具体的には、アクセル操作量ACCおよび機関回転速度NE)に基づいてスロットル開度TAについての制御目標値(目標スロットル開度Tta)が算出される。そして、この目標スロットル開度Ttaと実際のスロットル開度TAとが一致するようにスロットルモータ13の作動が制御される。これにより、内燃機関10の各気筒10aに吸入される空気の量(吸入空気量)が同内燃機関10の運転状態に応じたかたちで調節され
る。
また、本実施の形態の燃料噴射制御は次のように実行される。すなわち先ず、通路吸気量GAと機関回転速度NEとに基づいて燃料噴射量についての制御目標値(目標燃料噴射量TQ)が算出される。そして、この目標燃料噴射量TQと同量の燃料が噴射されるように各燃料噴射弁14が開弁駆動される。なお本実施の形態では、通路吸気量GAと機関回転速度NEとにより定まる内燃機関10の運転状態と同内燃機関10の各気筒10a内の混合気の空燃比を所定比率(例えば、14.5)にすることの可能な燃料噴射量との関係が実験やシミュレーションの結果から予め求められて電子制御ユニット20に記憶されている。そして、この関係に基づいて上記目標燃料噴射量TQが算出される。
さらに本実施の形態では、空燃比センサ24の検出値(酸素濃度OX)に基づいて燃料噴射量をフィードバック制御する、いわゆる空燃比フィードバック制御が実行される。この空燃比フィードバック制御は、その実行条件が成立していることを条件に実行される所定周期毎の演算処理として電子制御ユニット20により実行される。空燃比フィードバック制御の実行条件が成立したことは以下の各条件が共に満たされることにより判断される。
・空燃比センサ24が活性化していること(具体的には、検出素子24aの温度が所定温度[例えば、300℃]以上になっていること)。
・内燃機関10の暖機が完了していること(具体的には、機関冷却水の温度が所定温度[例えば、70℃]以上になっていること)。
この空燃比フィードバック制御にかかる処理では、先ず空燃比センサ24により検出される排気の酸素濃度OXと所定の濃度(混合気の空燃比が前記所定比率である場合の酸素濃度)との偏差が算出されるとともに同偏差に基づいて補正項Kが算出される。そして、この補正項Kにより目標燃料噴射量TQを補正することによって新たな目標燃料噴射量TQが算出される。なお本実施の形態では、上記偏差と同偏差を速やかに縮小させることの可能な補正項Kとの関係が実験やシミュレーションの結果から予め求められて電子制御ユニット20に記憶されており、同関係に基づいて補正項Kが算出される。この補正項Kとしては基本的に、上記偏差が大きいときほど目標燃料噴射量TQを大きく補正する値が算出される。こうした空燃比フィードバック制御を通じて、内燃機関10の各気筒10aの混合気の空燃比と前記所定比率とが一致するように内燃機関10の各気筒10aへの燃料供給量が調節される。本実施の形態では、目標燃料噴射量TQおよび補正項Kとして内燃機関10の各気筒10aで共通の値、すなわち一つの値のみが設定される。
また本実施の形態のヒータ制御は以下のように実行される。
空燃比センサ24は、その検出素子24aの温度が適切な温度範囲内に調節されているのであれば、同検出素子24aの温度が高いときほど排気の酸素濃度の検出にかかる応答性が高くなるとの特性を有している。そのため、検出素子24aの温度変化によって空燃比センサ24の検出応答性が不要に変化してしまうと、同空燃比センサ24の検出値(酸素濃度OX)の変動速度や変動幅も不要に変化してしまう。したがって、空燃比フィードバック制御の実行中において検出素子24aの温度が変化すると、これに伴って同空燃比フィードバック制御において算出される前記偏差や補正項Kも変化するようになり、これが空燃比フィードバック制御の不安定化を招く一因となってしまう。こうしたことから、空燃比フィードバック制御を精度よく実行するためには空燃比センサ24の検出素子24aの温度を適正な温度で維持することが重要になると云える。この点をふまえて本実施の形態では、ヒータ制御の実行を通じて空燃比センサ24の検出素子24aの温度を適正な温度に調節するようにしている。
空燃比センサ24の検出素子24aは温度上昇に伴ってインピーダンスが小さくなると
いった特性を有している。本実施の形態のヒータ制御では、この点をふまえて、検出素子24aの印加電圧や出力電流などに基づいて同検出素子24aのインピーダンスの相関値(具体的には、アドミタンス)が検出されるとともに、その検出したアドミタンスが目標とする温度(例えば750℃)に対応する値になるようにヒータ24bへの供給電力が調節されるようになっている。この調節は具体的には、ヒータ24bへの電力の供給と供給停止とを交互に繰り返す制御(いわゆるデューティ制御)が実行されるとともに電力が供給される時間と供給されない時間との比率(デューティ比)が調節されるといったように行われる。これにより、空燃比センサ24の検出素子24aの温度が目標とする温度に調節されるようになる。
ここで上記燃料噴射制御および空燃比フィードバック制御では、内燃機関10の各気筒10aへの燃料供給量が共通の目標燃料噴射量TQおよび補正項Kをもとに同一量となるように調節される。そのため、内燃機関10の各気筒10aにおける混合気の空燃比の平均値を所定範囲(いわゆるウィンドウ)内の比率に調節することができるようになるものの、各気筒10aの混合気の空燃比を各別に調節することはできない。したがって、機関システムの吸気系(吸気ポートや吸気バルブなど)や燃料供給系(燃料噴射弁14など)の個体差、劣化などの影響によって内燃機関10の各気筒10aの混合気の空燃比にバラツキが生じることが避けられない。
そうした内燃機関10の気筒10a間における空燃比のバラツキが生じると、排気通路17の排気集合通路17bを通過する排気、すなわち三元触媒18に流入する排気の酸素濃度が周期的に変動するようになる。そして、このバラツキが大きくなると、三元触媒18に流入する排気の酸素濃度が上記ウィンドに相当する濃度範囲から周期的に外れるようになるため、同三元触媒18による排気浄化機能が低下して排気性状の悪化を招いてしまう。そのため本実施の形態では、内燃機関10の気筒10a間における空燃比のバラツキの度合いが大きくなる異常(バラツキ異常)の発生を判定するようにしている。
図2に空燃比センサ24により検出される酸素濃度OXの推移の一例を示す。なお同図2において、線L1は上記バラツキの度合いがごく小さいときにおける酸素濃度OXの推移を示しており、同図の線L2は上記バラツキの度合いが大きいときにおける酸素濃度OXの推移を示している。
図2に線L1で示すように、内燃機関10の気筒10a間における空燃比のバラツキがごく小さいときには、排気集合通路17bを通過する排気の酸素濃度がほとんど変動しないために、酸素濃度OXもほとんど変化しない。これに対して、図2に線L2で示すように、内燃機関10の気筒10a間における空燃比のバラツキが大きいときには、排気集合通路17bを通過する排気の酸素濃度の変動幅が大きくなって、酸素濃度OXの変化速度が高くなる。
この点をふまえて、本実施の形態のバラツキ異常の判定では、酸素濃度OXの変化速度が所定の判定値以上になったことに基づいてバラツキ異常が発生していると判定するようにしている。そして、バラツキ異常が発生していると判定された場合には、車室内に設けられた警告灯(図示略)を点灯させたり、電子制御ユニット20にバラツキ異常が発生した履歴を記憶したりするようにしている。これにより、バラツキ異常が発生した場合に、これに適切に対処することが可能になる。なお本実施の形態では、酸素濃度OXの変化速度が、酸素センサの検出値の変動度合いの指標値として機能する。
ここで、前述したヒータ制御を通じて空燃比センサ24の検出素子24aの温度が調節されているとはいえ、内燃機関10の排気温度の変化などに起因して同検出素子24aの温度が変化することが避けられない。そして、内燃機関10の気筒10a間における混合
気の空燃比のバラツキの度合いが同一であっても、空燃比センサ24の検出素子24aの温度が高いときほど、前述したように空燃比センサ24の検出応答性が高くなるために、同空燃比センサ24の検出値(酸素濃度OX)が大きく変動するようになる。そうした酸素濃度OXの変動態様の変化は、同酸素濃度OXの変化速度に基づきバラツキ異常の発生を判定する際に、その判定精度を低下させる一因となってしまう。すなわち、単に酸素濃度OXの変化速度と所定の判定値とを比較しても、バラツキ異常の発生を精度良く判定することは難しいと云える。
この点をふまえて本実施の形態では、空燃比センサ24の検出素子24aの温度の指標値(具体的には、検出素子24aのアドミタンス)を検出するとともに、同アドミタンスに応じて上記バラツキ異常の発生の判定に用いる判定値を設定するようにしている。この判定値としては詳しくは、空燃比センサ24の検出素子24aの温度が高いときほど、バラツキ異常が発生していると判定される速度領域が高速側の領域になる値が算出される。
これにより、空燃比センサ24の検出素子24aの温度が高いときほど酸素濃度OXが大きく変動するようになるといった傾向に合わせて、言い換えれば、同検出素子24aの温度が高いときほど酸素濃度OXが大きく変動した場合にバラツキ異常が発生したと判定されるように、上記判定値が設定されるようになる。そして、そうした判定値と酸素濃度OXとの比較を通じて、バラツキ異常の発生が精度良く判定されるようになる。
以下、そうしたバラツキ異常の判定にかかる処理(異常判定処理)について図3に示すフローチャートを参照して詳細に説明する。
なお、このフローチャートに示す一連の処理は、異常判定処理の具体的な実行手順を概念的に示したものであり、実際の処理は、実行条件が成立していることを条件に実行される所定周期毎の割り込み処理として、電子制御ユニット20により実行される。なお、異常判定処理の実行条件が成立していることは、以下の各条件が共に満たされることをもって判断される。
・空燃比フィードバック制御が実行されていること。
・機関回転速度NEが所定範囲(2000〜3000回転/分)内で安定していること。
図3に示すように、この処理では先ず、空燃比センサ24の検出素子24aのアドミタンスが検出されるとともに判定時アドミタンスADとして記憶される(ステップS101)。本実施の形態では、このアドミタンス(判定時アドミタンスAD)が検出素子の温度の指標値として機能する。
また、酸素濃度OXの変化速度を算出する処理(ステップS102)の実行が開始されて、同処理が上記変化速度の算出が完了するまで繰り返し実行される。この処理は以下のようにして実行される。
すなわち先ず、本処理の実行開始後において、同処理が実行される度に、酸素濃度OXの一階微分値を算出するとともにその一階微分値を記憶するとの処理が実行される。この一階微分値としては、具体的には、本処理の前回実行時の酸素濃度OX[i−1]と今回実行時の酸素濃度OX[i]との差(=OX[i−1]−OX[i])が算出される。そして、その記憶された一階微分値に基づいて、周期的に変動している酸素濃度OXが、実行条件の成立後において初めて一旦最小になるタイミングT1(図2参照)と、その後において一旦最大になるタイミングT2と、さらにその後において一旦最小になるタイミングT3とがそれぞれ特定される。なお、タイミングT1,T3としては一階微分値の増加過程において同一階微分値が最も「0」に近づいたタイミングが採用され、タイミングT2としては一階微分値の減少過程において同一階微分値が最も「0」に近づいたタイミングが採用される。その後、タイミングT1からタイミングT2までの期間における一階微
分値の平均値が算出され、その算出値が酸素濃度OXの増加速度Vaとして記憶される。またタイミングT2からタイミングT3までの期間における一階微分値の平均値が算出されて、その算出値が酸素濃度OXの減少速度Vbとして記憶される。なお本実施の形態では、これら増加速度Vaおよび減少速度Vbの算出に際して、タイミングT1,T2,T3において算出された一階微分値と、それらタイミングT1,T2,T3の直前のタイミングおよび直後のタイミングにおいて算出された一階微分値とは用いられない。
そして、酸素濃度OXの変化速度(具体的には、増加速度Vaおよび減少速度Vb)の算出が完了すると(図3のステップS103:YES)、上記判定時アドミタンスADに基づいて、バラツキ異常の発生の判定に用いられる判定値(詳しくは、判定値J1,J2)が算出される(ステップS104)。なお本実施の形態では、バラツキ異常の発生を精度よく判定することの可能な判定値J1,J2とアドミタンスとの関係が実験やシミュレーションの結果に基づき予め求められて電子制御ユニット20に記憶されており、同関係をもとに判定時アドミタンスADに基づいて各判定値J1,J2が算出される。具体的には、判定値アドミタンスADが高いときほど各判定値J1,J2として大きい値が設定される。
その後、酸素濃度OXの変化速度が判定値より大きくなっているか否かが判断される(ステップS105)。ここでは、以下の(判定条件イ)および(判定条件ロ)の少なくとも一方が満たされたときに、酸素濃度OXの変化速度が判定値より大きくなっていると判断される。
(判定条件イ)増加速度Vaが判定値J1より大きいこと。
(判定条件ロ)増加速度Vaと減少速度Vbの絶対値との和[Va+Vb]が判定値J2より大きいこと。
そして、酸素濃度OXの変化速度が判定値より大きくなっていると判断される場合には(ステップS105:YES)、バラツキ異常が発生していると判断される(ステップS106)。一方、(判定条件イ)および(判定条件ロ)が共に満たされない場合、すなわち酸素濃度OXの変化速度が判定値以下であると判断される場合には(ステップS105:NO)、内燃機関10の気筒10a間における混合気の空燃比のバラツキがさほど大きくなっていないとして、ステップS106の処理がジャンプされる。このように、酸素濃度OXの変化速度と所定の判定値との比較を通じてバラツキ異常の発生が判定された後、本処理は終了される。
以上説明したように、本実施の形態によれば、以下に記載する効果が得られるようになる。
・空燃比センサ24の検出素子24aのアドミタンスを検出して判定時アドミタンスADとして記憶するとともに、同判定時アドミタンスADに応じて判定値J1,J2を設定するようにしたために、バラツキ異常の発生を精度良く判定することができる。
なお、上記実施の形態は、以下のように変更して実施してもよい。
・検出素子24aのアドミタンスを検出するタイミングは、異常判定処理の実行条件が成立したタイミングに限らず、任意に変更することができる。そうした検出タイミングとしては、例えば酸素濃度OXの変化速度の算出が完了したタイミングや、同変化速度の算出中における任意のタイミングを採用することができる。また、上記変化速度の算出中の所定期間にわたって検出素子24aのアドミタンスを検出するとともにその平均値を算出して、その平均値を判定値J1,J2の算出に用いることもできる。
・検出素子24aのアドミタンスを検出することに代えて、同検出素子24aのインピーダンスを検出して、判定値J1,J2の算出に用いるようにしてもよい。また、検出素
子24aの温度を温度センサにより検出したり内燃機関10の運転状態から推定したりして、判定値J1,J2の算出に用いることもできる。要は、検出素子24aの温度と相関の高い値であれば、これを同検出素子24aの温度の指標値として検出して判定値J1,J2の算出に用いることができる。
・異常判定処理においてバラツキ異常の発生を判定するための判定条件は任意に変更することができる。具体的には、前記(判定条件イ)および(判定条件ロ)のいずれかを省略することができる。また、それら(判定条件イ)および(判定条件ロ)に代えて、あるいは併せて「減少速度Vbの絶対値が所定の判定値より大きいこと」との条件や、「増加速度Vaおよび減少速度Vbの絶対値のうちの高いほうの速度が所定の判定値より大きいこと」との条件を設定することもできる。
・酸素濃度OXの変化速度の算出方法は任意に変更することができる。例えば増加速度Vaおよび減少速度Vbの算出に際して、タイミングT1,T2,T3の直前のタイミングおよび直後のタイミングにおいて算出された一階微分値を用いるようにしたり、タイミングT1,T2,T3の直前の複数のタイミングおよび直後の複数のタイミングにおいて算出された一階微分値を用いないようにしたりしてもよい。その他、予め定めた所定タイミング(タイミングT1,T2の中間にあたるタイミングやタイミングT2,T3の中間にあたるタイミングなど)における一階微分値を同酸素濃度OXの変化速度として算出することもできる。
・酸素濃度OXの変化速度が所定の判定値より大きい場合にバラツキ異常が発生していると判定することに限らず、異常判定処理の実行中における酸素濃度OXの変動幅を算出するとともに同変動幅が所定の判定値より大きい場合にバラツキ異常が発生していると判定することもできる。同構成では、酸素濃度OXの変動幅が酸素センサの検出値の変動度合いの指標値として機能する。同構成においても、検出素子24aの温度の指標値に応じて判定値を設定することにより、上記実施の形態と同様の作用効果を得ることができる。
・本発明は、排気通路の集合部分に限界電流式の酸素センサ(いわゆる空燃比センサ)が設けられた機関システムに限らず、濃淡電池式の酸素センサ(いわゆるO2センサ)が設けられた機関システムにも適用することができる。なお濃淡電池式の酸素センサは、排気の酸素濃度が混合気の空燃比が理論空燃比よりもリッチであるときの濃度である場合には1.0ボルト程度の出力電圧になる一方、排気の酸素濃度が混合気の空燃比が理論空燃比よりもリーンであるときの濃度である場合には0ボルト程度の出力電圧になるタイプの酸素センサである。
・本発明は、内燃機関の吸気通路内に燃料を噴射する燃料噴射弁が設けられた機関システムに限らず、内燃機関の気筒内に燃料を噴射する燃料噴射弁が設けられた機関システムにも適用することができる。
10…内燃機関、10a…気筒、11…吸気通路、11a…吸気分岐通路、11b…吸気集合通路、12…スロットルバルブ、13…スロットルモータ、14…燃料噴射弁、15…点火プラグ、16…出力軸、17…排気通路、17a…排気分岐通路、17b…排気集合通路、18…三元触媒、20…電子制御ユニット、21…アクセルセンサ、22…吸気量センサ、23…クランクセンサ、24…空燃比センサ、24a…検出素子、24b…ヒータ、25…スロットルセンサ。

Claims (1)

  1. 多気筒内燃機関の排気通路の集合部分に設けられて同内燃機関の排気の酸素濃度を検出する酸素センサを備え、同酸素センサの検出値の変動度合いの指標値を算出し、該算出した変動度合いの指標値と判定値との比較を通じて前記内燃機関の気筒間における混合気の空燃比のバラツキが大きくなる異常の発生を判定する異常判定装置において、
    前記酸素センサの検出素子の温度の指標値を検出、該検出した温度の指標値に応じて前記判定値を設定するとともに、該設定した判定値に基づいて前記異常の発生を判定する
    ことを特徴とする異常判定装置。
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