JP5383519B2 - 電流差動保護継電装置 - Google Patents

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Description

本発明は、電力系統、特に送電線を保護する電流差動保護継電装置に関するものである。
一般に、送電線系統では、送電線の保護区間の両端に電流差動継電装置を配置し、この電流差動継電装置間において、検出した電流値を互いに伝送しあい、その二つの電流のベクトル和から保護区間内の事故であるか、保護区間外の事故であるかを判別している。
このような電流差動保護継電装置において、各電流差動継電装置に入力される各電気所に設置された電流変換器の2次電流をそれぞれIAおよびIBとし、各々自端側から他端側に向かって流れる電流の方向を正としてベクトル和を求めると、送電線に異常がなければ、IA≒−IBであるので、IA+IB≒0となる。また、保護区間外の事故時には、同様に、IA≒−IBであるので、IA+IB≒0となる。一方、保護区間内の事故時には、IA+IB>0となる。したがって、所定の整定値であるリレー感度Ikを保持しておき、IA+IB>Ikの場合に故障と判別している。
ただし、IA、IBには電流変換器固有の誤差や充電電流などの系統固有の誤差、保護継電装置が持つ誤差などが含まれ、IA=IAtrue+IAerr(ここで、IAtrue:真値、IAerr:誤差),IB=IBtrue+IBerr(ここで、IBtrue:真値、IBerr:誤差)となるため、IAerr,IBerrが大きい場合には、送電線に異常がない場合であっても、あるいは保護区間外の事故が発生している場合であっても、IA+IB>Ikとなり、誤動作する虞がある。このような誤動作を解決する技術として、下記特許文献1などが存在する。
特許文献1に示された技術では、電流変換器の飽和特性に着目し、電流変換器の2次電流に対する1次電流の値をテーブル化し、この電流変換器の飽和特性を補正する技術が開示されている。
特開昭60−237814号公報
しかしながら、特許文献1に示された技術では、電流変換器固有の誤差や、送電線の充電電流などの系統固有の誤差、および保護継電装置が持つ誤差などを補正することができない、という問題があった。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、電流変換器固有の誤差、送電線の充電電流などの系統固有の誤差、および電流差動保護継電装置が持つ誤差を補正することを可能とする電流差動保護継電装置を得ることを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、送電線の保護区間の両端に配置され、前記保護区間の各端の電流値を互いに伝送し合う電流差動保護継電装置であって、前記保護区間の各端に配置された電流変換器からの計測電流値が入力され、前記計測電流値をディジタルデータに変換するAD変換部と、前記AD変換部から入力された自端の入力電流値および他端から伝送された他端の前記入力電流値に基づき、自端の前記入力電流値に含まれる誤差を補正する補正値を演算する演算処理部と、前記入力電流値毎の前記補正値が書き込まれる補正テーブルと、を備えることを特徴とする。
この発明によれば、電流変換器固有の誤差、送電線の充電電流などの系統固有の誤差、および電流差動保護継電装置が持つ誤差を補正することが可能となる、という効果を奏する。
図1は、実施の形態1にかかる電流差動保護継電装置が配置された電力系統の一構成例を示す図である。 図2は、実施の形態1にかかる補正テーブルの一例を示す図である。 図3は、補正テーブルの作成手順について説明するための図である。 図4は、補正テーブルの作成手順について説明するための図である。 図5は、実施の形態2にかかる補正テーブルの一例を示す図である。
以下に、添付図面を参照して、本発明の実施の形態にかかる電流差動保護継電装置を詳細に説明する。なお、この実施の形態により本発明が限定されるものではない。
実施の形態1.
図1は、実施の形態1にかかる電流差動保護継電装置が配置された電力系統の一構成例を示す図である。図1において、送電線TLは、遮断器2Aを介して断路器6A1,6A2に接続され、断路器6A1を介して電気所Aの母線1A1に接続され、断路器6A2を介して電気所Aの母線1A2に接続されている。また、送電線TLは、遮断器2Bを介して電気所Bの母線1Bに接続されている。
遮断器2Aは、送電線TLにおいて事故が発生した場合に、送電線TLを母線1A1あるいは母線1A2から切り離す。また、同様に、遮断器2Bは、送電線TLにおいて事故が発生した場合に、送電線TLを母線1Bから切り離す。
断路器6A1は、送電線TLを母線1A1に接続する場合に閉路する。また、同様に、断路器6A2は、送電線TLを母線1A2に接続する場合に閉路する。
電流変換器3Aは、断路器6A1,6A2と遮断器2Aとの間に設けられ、送電線TLに流れる1次側電流を変換した2次側電流を計測電流値として電流変換器3Aの2次側線路4Aを介して電流差動保護継電装置5Aに出力する。また、同様に、電流変換器3Bは、母線1Bと遮断器2Bとの間に設けられ、送電線TLに流れる1次側電流を変換した2次側電流を計測電流値として電流変換器3Bの2次側線路4Bを介して電流差動保護継電装置5Bに出力する。なお、以下の説明では、電気所A側をA端、電気所B側をB端として説明する。
実施の形態1にかかる電流差動保護継電装置5A,5Bの構成および動作について説明する。なお、各電流差動保護継電装置5A,5Bの構成は同一であるので、ここでは、A端の電流差動保護継電装置5Aについて説明する。
実施の形態1にかかる電流差動保護継電装置5Aは、AD変換部5A1、保護演算処理を行う演算処理部5A2、電流値の送受信を行う伝送部5A3、電流値毎の補正値が書き込まれた補正テーブル5A4、および遮断器2Aのトリップ信号を出力する出力部5A5を備えている。
実施の形態1にかかる電流差動保護継電装置5Aは、送電線TLに事故が発生していない正常な場合において、演算処理部5A2および電流差動保護継電装置5Bの演算処理部への入力電流値を用いて補正テーブルを作成する。そして、電流差動保護継電装置5Aは、通常運用時において、その補正テーブルに書き込まれた補正値で入力電流値を補正し、補正後の電流値に基づいて送電線TLの保護・制御を行う。
つぎに、補正テーブル5A4に書き込まれる補正値の導出について説明する。図1に示すように、送電線TLに1次側電流Iが流れている場合に、A端の電流変換器3Aの2次側電流をIA、B端の電流変換器3Bの2次側電流をIBとする。2次側電流IAは、電流差動保護継電装置5Aに、2次側電流IBは、電流差動保護継電装置5Bに、それぞれ入力される。
2次側電流IAは、電流変換器3A固有の誤差、および送電線TLの充電電流などの系統固有の誤差を含んでいる。同様に、2次側電流IBは、電流変換器3B固有の誤差、および送電線TLの充電電流などの系統固有の誤差を含んでいる。なお、系統固有の誤差は、図1に示す断路器6A1,6A2の状態、すなわち、断路器6A1が閉路、断路器6A2が開路し送電線TLが母線1A1に接続されているか、あるいは断路器6A1が開路、断路器6A2が閉路し送電線TLが母線1A2に接続されているかによって変化する。
AD変換部5A1は、電流変換器3Aから入力された2次側電流IAをディジタルデータに変換し、入力電流値IA’とする。この入力電流値IA’は、さらに電流差動保護継電装置5A固有の誤差を含む値となる。同様に、電流差動保護継電装置5BのAD変換部は、電流変換器3Bから入力された2次側電流IBをディジタルデータに変換し、入力電流値IB’として出力する。この入力電流値IB’は、さらに電流差動保護継電装置5B固有の誤差を含む値となる。以下、電流変換器3A,3B固有の誤差、送電線TLの充電電流などの系統固有の誤差、および電流差動保護継電装置5A,5B固有の誤差を、特段に区別する必要がない場合は、これらの誤差を単に「誤差」という。
入力電流値IA’は、演算処理部5A2に出力され、入力電流値IB’は、電流差動保護継電装置5Bの演算処理部に出力される。
伝送部5A3は、入力電流値IA’を電流差動保護継電装置5Bの伝送部に送信するとともに、電流差動保護継電装置5Bの伝送部からB端の入力電流値IB’を受信する。
演算処理部5A2は、入力電流値IA’および伝送部5A3が受信したB端の入力電流値IB’を用いて、入力電流値IA’を補正するための補正値を演算する。
ここで、入力電流値IA’,IB’は、上述した誤差を含んでいるので、これらの誤差分をそれぞれIAerr,IBerrとし、誤差分を含まない真値をそれぞれIAtrue,IBtrueとすると、IA’=IAtrue+IAerr、IB’=IBtrue+IBerrと表すことができる。
電流差動保護継電装置5Aおよび電流差動保護継電装置5Bそれぞれの端部において、自端側から他端側に向かって流れる電流の方向を正とすると、送電線TLが事故を発生していない正常な場合は、誤差分を含まない真値IAtrue,IBtrueの関係は、IAtrue=−IBtrueである。さらに入力電流値IA’,IB’が上述した誤差を含まない場合には、IA’=IAtrue,IB’=IBtrueであるので、入力電流値IA’,IB’の関係は、IA’=−IB’となり、入力電流値IA’,IB’のベクトル和は0となる。
しかし、入力電流値IA’,IB’は、それぞれ上述した誤差分IAerr,IBerrを含んでいるので、入力電流値IA’,IB’のベクトル和は、IAerr+IBerrとなる。演算処理部5A2は、このベクトル和をA端側の誤差値IerrAとし、IerrA/2を入力電流値IA’に対応する補正値IrevAとする。
一方、電流差動保護継電装置5Bの演算処理部は、同様に入力電流値IA’,IB’のベクトル和であるIAerr+IBerrを演算し、このベクトル和をB端側の誤差値IerrBとし、IerrB/2を入力電流値IB’に対応する補正値IrevBとする。
ここで、上述した補正値IrevA,IrevBを適用した場合の処理について説明する。
演算処理部5A2は、入力電流値IA’から補正値IrevAを減算して補正後の電流値IA”を演算する。この演算を入力電流値IA’に含まれる真値IAtrueおよび誤差分IAerrと、入力電流値IB’に含まれる誤差分IBerrとに分解すると、以下の(1)式となる。
IA”=IA’−IrevA
=(IAtrue+IAerr)−IerrA/2
=(IAtrue+IAerr)−(IAerr+IBerr)/2
=IAtrue+IAerr/2−IBerr/2・・・(1)
一方、電流差動保護継電装置5Bの演算処理部は、入力電流値IB’から補正値IrevBを減算して補正後の電流値IB”を演算する。この演算を入力電流値IB’に含まれる真値IBtrueおよび誤差分IBerrと、入力電流値IA’に含まれる誤差分IAerrとに分解すると、以下の(2)式となる。
IB”=IB’−IrevB
=(IBtrue+IBerr)−IerrB/2
=(IBtrue+IBerr)−(IAerr+IBerr)/2
=IBtrue−IAerr/2+IBerr/2・・・(2)
(1)式および(2)式の右辺および左辺をそれぞれ加算することにより、IA”+IB”=IAtrue+IBtrueが得られる。つまり、演算処理部5A2は、補正後の電流値IA”と補正後の電流値IB”とを加算した値により保護演算処理を行うことにより、入力電流値IA’に含まれる誤差分IAerrおよび入力電流値IB’に含まれる誤差分IBerrの影響を軽減することができる。
つぎに、実施の形態1にかかる電流差動保護継電装置の補正テーブルについて説明する。図2は、実施の形態1にかかる補正テーブルの一例を示す図である。以下、電流差動保護継電装置5Aおよび電流差動保護継電装置5Bにおける補正テーブルは同様であるので、ここではA端側の補正テーブル5A4について説明する。図2(b)において、横軸は入力電流値IA’を示し、縦軸は補正値IrevAを示している。補正テーブル5A4は、図2(a)に示すように、入力電流値IA’毎に補正値IrevAが書き込まれテーブル化されている。
つぎに、補正テーブルの作成手順について、図1、図3、および図4を参照して説明する。図3および図4は、補正テーブルの作成手順について説明するための図である。
図1に示すように、A端において送電線TLに接続可能な母線が2系統である場合には、送電線が接続される母線毎に、補正テーブル5A4を作成する。ここでは、まず、断路器6A1が閉路、断路器6A2が開路し、送電線TLが母線1A1に接続された場合における補正テーブル5A4aを作成する(図3(a)参照)。
演算処理部5A2は、まず、IA’=αのときの誤差値IerrAを求め、この誤差値IerrAの半値を入力電流値αに対応する補正値IrevAとし、この補正値IrevAの値XXXを、補正テーブル5A4aの入力電流値αに対応する補正値として入力する(図3(a)参照)。
つぎに、演算処理部5A2は、同様に、送電線TLに流れる1次側電流Iの値が異なる場合、例えば、送電線TLへの負荷が高負荷である状態でのIA’=βのときの誤差値IerrAを求め、この誤差値IerrAの半値を入力電流値βに対応する補正値IrevAとし、この補正値IrevAの値YYYを、補正テーブル5A4aの入力電流値βに対応する補正値として入力する(図3(a)参照)。
送電線TLへの負荷がさらに高負荷であり、実際の電力系統では実現が困難な場合(IA’=γ)、入力電流値γに対応する補正値IrevAの値ZZZを、図示しない外部機器(例えば、パーソナルコンピュータなど)から補正テーブル5A4aの入力電流値γに対応する補正値として入力する(図3(a)参照)。この場合の補正値ZZZは、理論値や図示しない別の電力系統での実績値あるいは近似値であってもよい。
演算処理部5A2は、入力電流値αにおける補正値XXX、入力電流値βにおける補正値YYY、および入力電流値γにおける補正値ZZZを、例えば直線近似することにより(図4(c)参照)、入力電流値αと入力電流値βとの間、および入力電流値βと入力電流値γとの間の各入力電流値における補正値を演算し、図4(a)に示す補正テーブル5A4aを生成する。
続いて、演算処理部5A2は、同様の手順で、断路器6A1が開路、断路器6A2が閉路し、送電線TLが母線1A2に接続された場合の補正テーブル5A4bを作成する(図4(b)参照)。このように、送電線TLが母線1A1接続される場合の補正テーブル5A4aと、送電線TLが母線1A2接続される場合の補正テーブル5A4bとを保持することにより、通常運用時において、送電線TLがいずれの母線に接続されているかによって各補正テーブル5A4a,5A4bを切り替えて運用する。なお、各補正テーブル5A4a,5A4bは、例えば遮断器2Aの開閉タイミングで、自動で切り替わるように構成することも可能であるし、また、例えば試験運用時などの際に、操作者が手動で切り替えることも可能である。
つぎに、通常運用時における動作について、図1および図4を参照して説明する。演算処理部5A2は、通常運用時において、入力電流値IA’に応じて補正値IrevAを補正テーブル5A4aから読み出し(図4(a)参照)、入力電流値IA’からこのときの補正値IrevAを減算することにより、補正後の電流値IA”を演算する。同様に、電流差動保護継電装置5Bの演算処理部は、補正後の電流値IB”を演算する。
伝送部5A3は、補正後の電流値IA”を電流差動保護継電装置5Bの伝送部に送信するとともに、電流差動保護継電装置5Bの伝送部からB端の補正後の電流値IB”を受信する。
演算処理部5A2は、補正後の電流値IA”とB端の補正後の電流値IB”を加算し、保護演算処理を行う。IA”+IB”の値が所定の整定値であるリレー感度Ik以上となった場合に、演算処理部5A2は、出力部5A5に遮断器2Aのトリップ信号の出力を指示する。そして、出力部5A5は、演算処理部5A2からの指示に基づき、遮断器2Aのトリップ信号を出力する。
以上のように、本発明の実施の形態1にかかる電流差動保護継電装置によれば、送電線に事故が発生していない正常な場合において、自端の演算処理部への入力電流値および他端から伝送された他端の演算処理部への入力電流値に基づいて、自端の入力電流値を補正する補正値を演算して補正テーブルを作成し、通常運用時において、補正テーブルに書き込まれた補正値に基づいて自端の入力電流値を補正するようにしたので、電流変換器固有の誤差、送電線の充電電流などの系統固有の誤差、および電流差動保護継電装置固有の誤差を軽減することができる。
また、送電線の保護区間の各端において、送電線に接続する母線を切り替え可能である場合に、送電線の両端に接続される母線の組み合わせ毎に補正テーブルを作成し、通常運用時において、送電線の両端に接続される母線の組み合わせに応じて補正テーブルを切り替えるようにしたので、常に適切な補正テーブルを用いて運用することができる。
また、電流変換器固有の誤差、送電線の充電電流などの系統固有の誤差、および電流差動保護継電装置固有の誤差を軽減することにより、リレー感度をより高感度にすることができるので、保護演算精度が向上し、高感度な事故検出が可能となる。
実施の形態2.
実施の形態1では、送電線に流れる1次側電流の周波数の基本波成分に対応した補正テーブルにより演算処理部への入力電流値を補正するように構成したが、電流変換器が飽和した場合には、演算処理部への入力電流の波形が歪み、高調波成分を含む入力電流となる。したがって、実施の形態2では、送電線に流れる1次側電流の周波数の基本波成分に加え、複数の高調波成分に対応した複数の補正値により、演算処理部への入力電流値を補正する構成とする。
図5は、実施の形態2にかかる補正テーブルの一例を示す図である。実施の形態2にかかる補正テーブル5A41は、演算処理部5A2への入力電流値IA’毎に、送電線TLに流れる1次側電流Iの周波数の基本波成分に対応する補正値IrevAa、2次高調波成分に対応する補正値IrevAb、3次高調波成分に対応する補正値IrevAc、あるいはそれ以上の高調波成分毎に対応する補正値IrevAnが書き込まれている。
つぎに、実施の形態2にかかる電流差動保護継電装置の動作について、図5を参照して説明する。なお、補正テーブル5A41に書き込まれる補正値の導出方法については、実施の形態1と同一であるので省略する。
まず、演算処理部5A2は、送電線TLが事故を発生していない正常な場合において、通常運用時あるいは試験運用時の入力電流値IA’,IB’を基本波成分および複数の高調波成分に分離し、各周波数成分毎に各補正値IrevAa〜IrevAnを演算して補正テーブル5A41を生成する。
つぎに、演算処理部5A2は、通常運用時において、入力電流値IA’に応じて各補正値IrevAa〜IrevAnを補正テーブル5A41から読み出し、入力電流値IA’からこのときの各補正値IrevAa〜IrevAnを減算することにより、補正後の電流値IA”を演算する。同様に、電流差動保護継電装置5Bの演算処理部は、補正後の電流値IB”を演算する。以降の保護制御動作については、実施の形態1と同様であるので省略する。
以上のように、本発明の実施の形態2にかかる電流差動保護継電装置によれば、送電線を流れる1次側電流の周波数の基本波成分および高調波成分毎に複数の補正値を演算して補正テーブルを生成し、通常運用時において、複数の補正値に基づいて自端の入力電流値を補正するようにしたので、実施の形態1による効果に加え、電流変換器が飽和した場合に含まれる高調波電流による誤差をも補正することができる。
なお、実施の形態では、各端の入力電流値に対する誤差を加算した値の1/2値を、その入力電流値に対応する補正値としたが、補正値の導出方法はこれに限らず、例えば演算した誤差の入力電流値に対する比率を演算して補正値を求める構成としてもよい。
また、実施の形態では、電流差動保護継電装置の場合を例に説明したが、その他の距離継電装置、過電流継電装置などにも利用できる。また、実施の形態では、2端子の場合の構成例を示したが、3端子以上の場合にも適用が可能である。
また、以上の実施の形態に示した構成は、本発明の構成の一例であり、別の公知の技術と組み合わせることも可能であるし、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、一部を省略する等、変更して構成することも可能であることは言うまでもない。
以上のように、本発明にかかる電流差動保護継電装置は、電流変換器固有の誤差、送電線の充電電流などの系統固有の誤差、および電流差動保護継電装置が持つ誤差を軽減することができる発明として有用である。
TL 送電線
A,B 電気所
1A1,1A2,1B 母線
2A,2B 遮断器
3A,3B 電流変換器
4A,4B 電流変換器の2次側線路
5A,5B 電流差動保護継電装置
5A1 AD変換部
5A2 演算処理部
5A3 伝送部
5A4,5A4a,5A4b,5A41 補正テーブル
5A5 出力部
6A1,6A2 断路器

Claims (4)

  1. 送電線の保護区間の両端に配置され、前記保護区間の各端の電流値を互いに伝送し合う電流差動保護継電装置であって、
    前記保護区間の各端に配置された電流変換器からの計測電流値が入力され、前記計測電流値をディジタルデータに変換するAD変換部と、
    前記AD変換部から入力された自端の入力電流値および他端から伝送された他端の前記入力電流値に基づき、自端の前記入力電流値に含まれる誤差を補正する補正値を演算する演算処理部と、
    前記入力電流値毎の前記補正値が書き込まれる補正テーブルと、
    を備える
    ことを特徴とする電流差動保護継電装置。
  2. 前記演算処理部は、前記送電線に接続する複数の母線毎に、前記補正値を演算することを特徴とする請求項1に記載の電流差動保護継電装置。
  3. 前記演算処理部は、前記送電線を流れる電流の周波数の基本波成分および高調波成分毎に、複数の前記補正値を演算することを特徴とする請求項1または2に記載の電流差動保護継電装置。
  4. 前記演算処理部は、前記入力電流値を前記補正値に基づいて補正した補正後電流値および他端から伝送された前記補正後電流値に基づいて、保護演算処理を行うことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の電流差動保護継電装置。
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