JP5381763B2 - 空燃比検出センサ異常診断装置 - Google Patents
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Description
一方、この空燃比センサに異常が生じた場合には、排気ガス性能が低下するおそれがある。それ故、この空燃比検出センサの異常を診断する技術が開発されている。このような技術の一例を示す文献(例えば、特許文献1)には、O2センサの出力電圧が、所定の閾値を超える回数を検出することで、O2センサの異常を診断する技術が開示されている。
本発明はこのような課題に鑑みてなされたもので、排気ガスの空燃比を検出する空燃比検出センサの反応遅れをより的確に判定して、空燃比検出センサの異常をより的確に診断することができるようにした空燃比検出センサ異常診断装置を提供することを目的とする。
また、該反応遅れ判定手段が、該燃料カット制御の終了後におけるシリンダへの流入空気量の積算値が所定流入量に達してから該実空燃比のリッチ側への変動が検出されるまでの期間を、該復帰後遅れ期間としてカウントすることが好ましい(請求項3)。
本実施形態の空燃比検出センサ異常診断装置は、車両50に適用されている。
図1に示すように、車両50に搭載された四気筒エンジン1のシリンダヘッド2には、シリンダ3毎に点火プラグ11が設けられている。この点火プラグ11には高電圧の電力を供給する点火コイル(図示略)が接続されている。
また、吸気マニホールド15には、スロットルバルブ16が設けられている。このスロットルバルブ16により、吸気マニホールド15を流れる吸気量を調整できるようになっている。
また、シリンダヘッド2には、シリンダ3毎に排気ポート6が形成されている。この排気ポート6には、排気マニホールド25の上流端が接続されている。
この三元触媒27は、エンジン1から排出された排気ガスに含まれる一酸化炭素(CO),炭化水素(HC)および窒素酸化物(NOx)を、窒素(N2),二酸化炭素(CO2)および水(H2O)へ化学変化させることで、排気ガスを浄化するようになっている。
エンジン回転数演算部42は、エンジン1のクランクシャフト角度θCLを検出するクランクシャフト角度センサ4の検出結果に基づいて、エンジン回転数NEを演算するものである。
条件(1):図示しないアクセルペダル開度センサによってアクセルペダルの踏み込み量ACCがゼロであることが検出されたこと。
反応遅れ判定部44は、反応遅れ条件が所定回数満たされた場合に、LAFS28に反応遅れの異常が生じている旨の判定である反応遅れ判定を行なうものである。ここでいう反応遅れとは、変動する目標排気空燃比AFTに対する実排気空燃比AFAの追従性の低下(換言すれば、無駄時間遅れ)を意味する。なお、反応遅れ条件が成立する場合とは、具体的には、以下の条件(3)および(4)が満たされた場合をいう。
条件(4):燃料カット制御部43による燃料カット制御の実行が終了してからLAFS28によって実排気空燃比AFAのリッチ側への変動が検出されるまでの期間である復帰後遅れ期間TOFFaftが、復帰後判定期間TOFFthを経過(TOFFaft>TOFFth)したこと。
そして、このセンサ異常診断部45は、LAFS28が異常であると診断した場合、車両50のインストルメントパネル(図示略)に配置されている警告灯51を点灯するようになっている。これにより、LAFS28が正常に作動しておらず、早急に車両50を修理工場に持ち込む必要があることを、ドライバに対して迅速に警告することができるようになっている。なお、このセンサ異常診断部45には、いずれもサブプログラムとして、空燃比変更制御部(空燃比変更制御手段)46および空燃比閾幅設定部(空燃比閾幅設定手段)47が組み込まれている。
また、単位期間TAFとは、空燃比変更制御部46による空燃比変更制御の実行中に、目標排気空燃比AFTが、目標排気空燃比AFTの中央値14.55(即ち、理論空燃比)を24回超える(リーンからリッチ、或いは、リッチからリーンに反転する)のに要する期間である。具体的には、図2に示す時点tAから時点tB迄の期間であり、ECU40の図示しないメモリに記録されている。
図3の(D)に示すように、時点t0から時点t1迄の期間では、空燃比変更制御部46によって空燃比変更制御が実行され、LAFS28によって検出される実排気空燃比AFAはリッチ側・リーン側への振動を繰り返す。
上記のような制御及び反応遅れ判定が繰り返され、反応遅れ判定部44によりかかる反応遅れ判定が3回なされた場合に、空燃比閾幅設定部47は、実排気空燃比AFAが第1空燃比閾値AFTH1および第2空燃比閾値AFTH2を超えにくくなるように、閾幅を拡大する。つまり、空燃比閾幅設定部47は、第1空燃比閾値AFTH1をよりリーン側(図4の変更後の第1空燃比閾値AFTH1およびL2参照)に変更し、且つ、第2空燃比閾値AFTH2をよりリッチ側(図4の変更後の第2空燃比閾値AFTH2およびL2参照)に変更する。
以下、LAFS28に無駄時間遅れの異常が発生している場合の判定について、図4に示す実験結果を用いて具体的に説明する。
つまり、この場合には、実排気空燃比AFAの反転回数Nerrは異常判定閾値NTH(10回)を下回らないこととなり、LAFS28に異常が発生しているにもかかわらず、空燃比閾幅設定部47による作用を考慮しないと仮定すると、センサ異常診断部45はその判定をしないこととなる。
また、図示はしないが、本実施形態の空燃比検出センサ異常診断装置によれば、LAFS28に一次遅れの異常が発生している場合は、実排気空燃比AFAの振幅が安定的に小さくなり、空燃比閾幅設定部47による作用を考慮しなくても、実排気空燃比AFAの反転回数Nerrが容易に異常判定閾値NTH(10回)以下となるため、無駄時間遅れ判定のみならず、一次遅れ判定も可能であり、LAFS28に異常が発生していることをより正確に判定することができる。
次に、図5および図6を参照して、本発明の第2実施形態について説明する。なお、第1実施形態と重複する説明は省略する。
平均空燃比AFAVE = a×AFAVE(n-1)+(1−a)×AFA(n)
本発明の第2実施形態にかかる空燃比検出センサ異常診断装置は上述のように構成されているので、以下のような作用・効果を奏する。
しかしながら、本実施形態にかかる空燃比検出センサ異常診断装置によれば、このような場合でも、LAFS28に異常が発生しているか否かを正確に判定することができる。
つまり、この22回という値は、センサ異常診断部45による異常判定閾値NTH(10回)を下回っていないため、LAFS28に異常は生じていないこととなり、正確な判定であるといえる。
つまり、この6回という値は、センサ異常診断部45による異常判定閾値NTH(10回)を下回っており、LAFS28が正常であるにもかかわらず、異常であると誤った判定をしてしまっているものであるといえる。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
また、上述の実施形態では、単位期間TAFとは、目標排気空燃比AFTが、目標排気空燃比AFTの中央値14.55を24回超える期間としたが、これに限定されるものではなく、センサに応じた適切な回数を適宜設定すればよい。
また、上述の実施形態では、異常判定閾値NTHを10回として設定したが、これに限定されるものではなく、センサに応じて、異常を判定できる適切な回数を適宜設定すればよい。
また、上述の第1実施形態では、空燃比閾幅設定部47によって閾幅が拡大され得る場合、即ち、第1空燃比閾値AFTH1および第2空燃比閾値AFTH2が変更され得る場合を図4に示して説明したが、同様に、図6に示す第2実施形態における空燃比閾幅設定部57によっても、第1空燃比閾値AFTH11および第2空燃比閾値AFTH22が変更され得るようになっている。
2 シリンダヘッド
3 シリンダ
5 吸気ポート
6 排気ポート
11 点火プラグ
15 吸気マニホールド
16 スロットルバルブ
19 吸気管
20 エアフローセンサ
21 燃料噴射弁
22 燃料パイプ
25 排気マニホールド
26 排気管(排気通路)
27 三元触媒
28 LAFS(空燃比検出センサ)
40 ECU
41 車速演算部
42 エンジン回転数演算部
43 燃料カット制御部(燃料カット制御手段)
44 反応遅れ判定部(反応遅れ判定手段)
45 センサ異常診断部(センサ異常診断手段)
46 空燃比変更制御部(空燃比変更制御手段)
47 空燃比閾幅設定部(空燃比閾幅設定手段)
50 車両
51 警告灯
57 空燃比閾幅設定部(空燃比閾幅設定手段)
58 平均空燃比算出部(平均空燃比算出手段)
60 ECU
Qin 流入空気量
VW 回転速度
VS 車速
θCL クランクシャフト角度
NE エンジン回転数
AFT 目標排気空燃比(目標空燃比)
AFA 実排気空燃比(実空燃比)
AFAVE 平均空燃比
a フィルタ定数
AFTH1,AFTH11,AFTH100 第1空燃比閾値
AFTH2,AFTH22,AFTH200 第2空燃比閾値
NTH 異常判定閾値
Nerr 反転回数
TONaft カット後遅れ期間
TONth カット後判定期間
TOFFaft 復帰後遅れ期間
TOFFth 復帰後判定期間
TAF 単位期間
ACC アクセルペダル踏み込み量
Claims (3)
- エンジンの排気通路に設けられ排気ガスの実空燃比を検出する空燃比検出センサと、
燃料カット条件が成立すると、該エンジンの燃料噴射を一時的に中止する燃料カット制御を実行する燃料カット制御手段と、
該燃料カット制御手段が該燃料カット制御を実行してから該空燃比検出センサによって該実空燃比のリーン側への変動が検出されるまでの期間であるカット後遅れ期間が、所定のカット後判定期間を経過し、且つ、該燃料カット制御手段による該燃料カット制御の実行が終了してから該空燃比検出センサによって該実空燃比のリッチ側への変動が検出されるまでの期間である復帰後遅れ期間が、所定の復帰後判定期間を経過した、という条件を所定回数満たした場合、該空燃比検出センサの反応に遅れが生じていると判定する反応遅れ判定手段と、
該反応遅れ判定手段での判定結果と該空燃比検出センサで検出される実空燃比とに基づき該空燃比検出センサの異常を診断するセンサ異常診断手段とを備え、
該センサ異常診断手段は、
該エンジンから排出される該排気ガスの空燃比の目標値をリッチ側とリーン側とに繰り返し変更する空燃比変更制御を実行する空燃比変更制御手段と、
該空燃比の目標値を挟んで所定の閾幅を設定する空燃比閾幅設定手段とを有し、かつ、該空燃比検出センサで検出された該実空燃比が、該空燃比変更制御手段による該空燃比変更制御の実行中に、該閾幅を超えた回数が異常判定閾値以下である場合に、該空燃比検出センサが異常であると診断するものであり、
該空燃比閾幅設定手段は、該反応遅れ判定手段により少なくとも1回の該反応遅れが生じているとの判定がなされた場合に、該閾幅を拡大する
ことを特徴とする、空燃比検出センサ異常診断装置。 - 該空燃比検出センサによって検出された該排気ガスの実空燃比の平均値である平均空燃比を算出する平均空燃比算出手段を備え、
該空燃比閾幅設定手段は、該平均空燃比算出手段によって算出された該平均空燃比に基づいて該閾幅を設定する
ことを特徴とする、請求項1記載の空燃比検出センサ異常診断装置。 - 該反応遅れ判定手段が、該燃料カット制御の終了後におけるシリンダへの流入空気量の積算量が所定量に達してから該実空燃比のリッチ側への変動が検出されるまでの期間を、該復帰後遅れ期間としてカウントする
ことを特徴とする、請求項1又は2記載の空燃比検出センサ異常診断装置。
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