以下本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。
(実施の形態1)
本実施の形態の液体微細化装置1は、図1に示すように、垂直方向に配置され、上方開口部2および下方開口部3を有する霧化筒4と、この霧化筒4の前記下方開口部3下に配置された水受皿5とを備えている。
霧化筒4内には、垂直方向に向けて配置した回転軸6と、この回転軸6の回転駆動手段7と、前記回転軸6の上下方向に所定間隔をおいて配置された複数の回転板8a〜8dと、これら複数の回転板8a〜8dのうち、上方の回転板8a上に水を供給する水供給手段9とを備えている。
回転軸6の上端は回転駆動手段7に連結する構成とし、回転軸6の下端は水受皿5に向かって垂直方向に延びた構成としている。
複数の回転板8a〜8dは、親水性を有する樹脂で平板状に形成し、水供給手段9は、上方の回転板8a上面の中心付近に水を供給する構成とする構成としている。
本実施の形態では、複数の回転板8a〜8d間の前記霧化筒4内面に、霧化筒4内の水を捕集する水捕集手段として、上面が開口したリング状の貯水部10a〜10cを設けている。そして、この貯水部10a〜10cにより捕集した水を下方の回転板8b〜8d上に供給する捕集水供給手段として、雨樋上の水路11a〜11cが設けられている。
次に、水受皿5と、霧化筒4および水受皿5により構成される風路の構成について詳細に説明する。
本実施の形態において、水受皿5は、図2(a)(b)に詳細に示すように、底面12と、この底面12の外周から立ち上がる縁部13とを有し、この縁部13の上端を、図1に示すように霧化筒4の下端に連結させる構成としている。
図1に示すように、水受皿5の上端を霧化筒4の下端と連結することにより、霧化筒4に設けた上方開口部2と下方開口部3の間を通風する有底筒状の風路(図1に示す実線A)が構成されることとなる。
本実施の形態では、下方開口部3の上流に送風機(図示せず)を連結する構成とし、前記送風機からの空気を下方開口部3に強制的に流入させ、水受皿5内を介して霧化筒4内を下側から上向きに、霧化筒4の内壁と、複数の回転板8a〜8dおよび貯水部10a〜10cならびに水路11a〜11cとの隙間を通風し、霧化筒4の上方開口部2から排出する構成としている(図1に示す実線A)。
また、本実施の形態における霧化筒4の下方開口部3は、図1に示すように霧化筒4の下端の一部を切り欠いた構成とし、この下方開口部3に接する水受皿5の縁部13には、図2に示すように切り欠き14を設けた構成としている。
このようにすると、前記送風機からの空気が下方開口部3および切り欠き14を介して水受皿5内に流入される構成となり、下方開口部3への空気流入面積を水受皿5の底面12に向けて下方に拡大した構成としている。
また、水受皿5の底面12には、下方開口部3からの空気流入方向と直交する方向に溝部15を設けている。この溝部15に接する水受皿5の前後の底面12は、それぞれ前記溝部15に向けて下方に傾斜させる構成としている。
そして、水受皿5には、霧化筒4の下方開口部3の非対向部分に、外側に突出する突出部16を設け、この突出部16内に水位検知手段としてフロート17を配置する構成としている。
次に突出部16について説明する。
本実施の形態における突出部16は、図2に示すように、水受皿5の縁部13において、下方開口部3の非対向部分に開口18を設け、この開口18に対して、水受皿5側の側面を開放して中空に形成した直方体を連結した形状に構成している。そして、この直方体に形成した突出部16の下面にフロート17を配置している。さらに、フロート17を配置した突出部16の下面は、水受皿5の底面12に設けた溝部15の下面とほぼ同じ高さに構成している。
そして、本実施の形態の液体微細化装置1には、図1に示す水供給手段9および回転駆動手段7、ならびに上述の送風機(図示せず)のそれぞれの運転を制御する制御部(図示せず)を備える構成としている。そして、前記制御部は、フロート17が検知した水位に基づいて、前記水供給手段9と、前記回転駆動手段7と、上述の送風機(図示せず)の運転停止を制御する構成となっている。
以上のような構成において、次に液体微細化装置1の水の霧化運転の動作を説明する。
図1に示す液体微細化装置1において、図示しない制御部からの信号により回転駆動手段7を駆動すると、霧化筒4の内部で回転軸6が高速回転し、それにともない回転板8a〜8bが高速回転される。
同時に、前述の制御部からの信号により、送風機(図示せず)から霧化筒4の下方開口部3に強制的に空気が流入され、水受皿5内を介して霧化筒4内を下から上向きに、霧化筒4の内壁と複数の回転板8a〜8dおよび貯水部10a〜10cならびに水路11a〜11cとの隙間を通風し、霧化筒4の上方開口部2から排出される上昇気流が発生する(図1に示す実線A)。
このとき、前述の制御部からの信号により水供給手段9は、高速回転する上方の回転板8aの上面の中心付近に水を供給する。上方の回転板8aの上面に供給された水は、高速回転による遠心力によって回転板8aの中心付近から外周方向に向かって薄膜状に広がり、この薄膜状になった水は、回転板8aの外周縁から外周方向へと高速で吹き飛ばされる。
そして、遠心力によって上方の回転板8aの外縁から高速で飛散する水滴の大部分は、霧化筒4の内壁に衝突し、放散された液滴がこの衝突によって破砕され、微細化が促進される。
また、霧化筒4の内壁に衝突して破砕された水滴は、霧化筒4の内壁と回転板8aとの隙間の通風空間内で飛び散り、高速回転する回転板8aや、隣接する霧化筒4の内壁に再び衝突して破砕され、水の微細化がさらに促進される。
このように、水供給手段9から上方の回転板8aの上面に供給された水の大部分は、高速回転する回転板8aから放散され、霧化筒4の内壁に衝突して、この時点で大部分が微細化され、このような微細水滴は上述の上昇気流(図1の実線A)と接触して微細化状態で搬送される。
一方、上方の回転板8aから遠心力により飛散した水滴のうち、微細化された後に結露した微量の水滴、あるいは、微細化できなかった水滴は、貯水部10aに流れ落ちて集められ、水路11aを介して、下方の回転板8bの上面へと運ばれる。
そして、回転板8bに運ばれた僅かな水も、回転板8bの高速回転の遠心力により同様に微細化が促進され、そして霧化筒4内で水滴化した水、あるいは、回転板8bにより微細化できなかった水滴は、貯水部10bおよび水路11aを介して、下方の回転板8cの上面へと運ばれる。
つまり、水捕集手段としての貯水部10a,貯水部10b,貯水部10cにおいて水を捕集し、捕集水供給手段としての水路11a、水路11b、水路11cを介し、下方の回転板8b、回転板8c、回転板8d上面に再供給する構成としている。
このように本発明の実施の形態では、水供給手段9から最上方の回転板8a上面に供給された水を、複数の回転板8a〜8dを利用して飛散させ、微細化している。そのため、最下方の回転板8dの下では下方へと滴る残水の量を極めて少なくすることができる。
上述のように、水の霧化運転中に水受皿5の底面12から流れ落ちて溝部15に溜まる残水は極めて少ないため、縁部13に設けた開口18を介して突出部16内へ流れ込み、水受皿5の溝部15の下面とほぼ同じ高さに構成している突出部16の下面に溜まる残水も極めて少なくなっている。このためフロート17はせいぜい、突出部16の下面から僅かに浮きあがる程度の水位に維持されている。
次に水の霧化運転停止後の乾燥運転について説明する。
水の霧化運転の停止後は、上述の制御部(図示せず)からの信号により、水供給手段9への水供給を停止する一方、回転駆動手段7の回転駆動と、上述の送風機(図示せず)による送風運転とを一定時間継続する乾燥運転を行うことで、霧化筒4および水受皿5の内部を乾燥させる構成としている。
すなわち、上述の水の霧化運転の後は、霧化筒4や水受皿5の内部全体が濡れた状態となっている。この状態で、水受皿5の内部にわずかに残水が残っている場合、フロート17は、突出部16の下面から僅かに浮きあがる程度の水位に維持されて、通常水位を検知する。フロート17の検知した水位により制御部は回転駆動手段7および送風機(図示せず)に信号を送信し、回転駆動手段7が回転駆動することで、複数の回転板8a〜8dの表面に付着した水滴は遠心力で霧化され、上述の送風機(図示せず)によって下方開口部3から水受皿5を介して、上方開口部2へと霧化筒4内を上昇する気流(図1の実線A)によって、上方開口部2から装置外へと排出されてしまう。また、前記気流は下方開口部3から水受皿5内へと送風されるので、乾燥した空気は前記気流と直交する方向に設けた溝部15の下面や溝部15の前後の底面12に付着した水と接触する。この結果、水受皿5内の残水の気化を促進し、水受皿5の底面12の溝部15に残った極めて少量の残水も乾燥させることができる。
この間、水受皿5内の乾燥が進むにつれ、突出部16内部に配置したフロート17の検知する水位は、水の霧化運転時と同程度の通常水位から次第に下がって、乾燥運転が終了する時点では水位はほぼ0となり、自然に乾燥される程度となっている。
このように、液体微細化装置1内に極めて僅かに水が残ったとしても、乾燥運転により残水を乾燥させることができる程度であるので、液体微細化装置1内の残水の排水処理が不要となる。
一方、水の霧化運転中に、例えば、水供給手段9の故障などにより、あらかじめ定めた流量以上の水が上方の回転板8aに供給され、下方の回転板8b〜8dによっても霧化されない場合、水受皿5において、底面12の溝部15に通常水位以上の余剰水が溜まってしまう。このような場合、突出部16内に配置したフロート17は、開口18を介して突出部16内に流れ込んで突出部16の下面に溜まった水の水位異常を検知し、これにより制御部(図示せず)が水供給手段9と、回転駆動手段7と、上述の送風機(図示せず)の運転を停止する。
このようにフロート17が水位異常を正しく検知することにより、例えば水受皿5の上端と霧化筒4の下端との継ぎ目等から装置外へ水が漏出する前に水の霧化運転を停止して、不測の事態が発生するのを未然に防止することができる。
上に述べたように、水の霧化運転において液体微細化装置1内に発生する残水は、極めて僅かであって、仮に残水が残ったとしてもフロート17が液体微細化装置1内の通常水位を正しく検知して、乾燥運転により乾燥させることができ、また水供給手段9の故障などが発生した場合も、液体微細化装置1内の水位異常を正しく検知することができるので、液体微細化装置1内の残水の排水処理が不要となるだけでなく、液体微細化装置1の運転の安定性を向上することができる。
すなわち、フロート17は、下方開口部3の非対向部分に外側に突出する突出部16内に配置した構成としているので、上述の送風機からの送風(図1の実線A)が、フロート17に直接影響を与えることが少なく、また突出部16内に流れ込んで残水の表面を波立たせるといった間接的な影響をも少なくすることができ、この結果、フロート17によって液体微細化装置1内の水位を正確に検知することができるので、水位異常が発生したとしても水受皿5から装置外への水漏れ等を未然に回避することができるのである。
以上のような構成と動作により、本実施の形態1においては、従来必要であった排水経路の設置工事が不要となって工事性が良好となる。
なお、水受皿5の底面12に溝部15を設け、この溝部15に接する前記水受皿5の前記底面12は、前記溝部に向けて下方に傾斜させる構成としているので、水受皿5内へと滴り落ちた僅かな残水を効率良く集めることができる。
さらに、溝部15は、下方開口部3からの空気流入方向と直交する方向に設ける構成としているので、霧化運転後の乾燥運転において、上述の送風機から送風される気流(図1の実線A)が、溝部15に溜まった僅かな残水と接触する面積を大きくすることができるので、溝部15に溜まった残水の気化を促進することができる。
また、突出部16の下面は、水受皿5の溝部15の下面とほぼ同じ高さに構成しているので、溝部15の下面に溜まった残水と、開口18を介して突出部16の下面に流れこんだ残水は、ほぼ同じ水位に維持されることになり、この結果、フロート17は水受皿5内に溜まった残水の水位を正しく検知することができる。
なお、本実施の形態1において霧化筒4の下方開口部3は、図1に示すように霧化筒4の下端の一部を切り欠いた構成とし、この下方開口部3に接する水受皿5の縁部13には、切り欠き14を設けた構成としたことにより、上述の送風機からの空気が流入する開口面積が霧化筒4の下方の水受皿5の底面12に向けて下方に拡大されるので、空気が流入する開口面積が広くなり、通風抵抗を低下させることができる。
さらに、霧化筒4の下方開口部3および切り欠き14で空気流入口を形成した構成としているので、送風機から流入される空気の流入面積は、水受皿5の底面12に向けて下方に拡大した構成となるので、前記送風機から下方開口部3を介して霧化筒4内に流入する乾燥空気が、下方開口部3下に配置された水受皿5の底面12や溝部15に接するように旋回するとともに、上方開口部2へと上昇する気流が発生するので、この乾燥空気が底面12や溝部15の表面にわずかに残った水滴と接することで、より一層残水の気化を促進することが可能となる。
(実施の形態2)
本実施の形態2では、実施の形態1の液体微細化装置を水の微細化に用いることによりその効果を特に生かすことができることから、サウナ装置の実施形態において説明する。
なお、実施の形態1の構成と同一の構成については、同一の符号を参照し、その説明を簡略化する。
図3には、本実施の形態2における液体微細化装置の一実施例としてサウナ装置20を浴室等のサウナ室(図示せず)の天井面に設置した状態を示している。
また、サウナ装置20には図示していないガス湯沸かし器や電気温水器等の熱源からのパイプおよび市水を供給する水道管を接続する構成としている(図示せず)。
図3に示すサウナ装置20は、下面に吸込口21と排気口22を有する本体ケース23と、この本体ケース23内の吸込口21と排気口22とを結ぶ風路に設けた加熱手段としての大容量の熱交換器24および送風機25と、図1で説明した実施の形態1の液体微細化装置の霧化筒4および水受皿5とを備えている。すなわち、本体ケース23内には、吸込口21から熱交換器24、送風機25、霧化筒4を順に経由して排気口22に至る風路(図3に示す実線B)を備えた構成としている。
また、この霧化筒4の上方開口部2には、加熱手段として小容量の熱交換器26が連結され、その下流に本体ケース23の排気口22がサウナ室の天井排気口(図示せず)に連結されている。
加熱手段としての熱交換器24および熱交換器26には、上述の熱源からのパイプ(図示せず)を接続し、温水を循環させる構成としている。
つまり、サウナ室(図示せず)の天井吸気口(図示せず)から、吸込口21を介して本体ケース23内に吸引された空気は、霧化筒4の上流側に配置されている大容量の熱交換器24で加熱後、送風機25により霧化筒4の図1に示す下方開口部3から水受皿5を介して上方開口部2に向けて送風され、この上方開口部2から排出される空気は図3に示す小型の熱交換器26により再加熱されて、排気口22からサウナ室(図示せず)内に供給される構成となっている。
さらに、サウナ装置20には制御部(図5の30)を備えており、この制御部(図5の30)は、送風機25および霧化筒4内の回転駆動手段7それぞれと電気的に接続され、それらを制御する構成としている。
また、制御部(図5の30)は、前述の熱源等から熱交換器24および熱交換器26に高温の温水を循環供給するための循環温水止水弁(図示せず)と電気的に接続されており、この循環温水止水弁の開閉状態を切り替える構成としている。また、制御部(図5の30)は、霧化筒4の水供給手段9に水を供給するための給水用止水弁(図示せず)と電気的に接続され、この給水用止水弁の開閉状態を切り替える構成としている。
すなわち、本実施の形態2においては、循環温水止水弁(図示せず)を介して、熱交換器24および熱交換器26に高温の温水を供給する構成となっており、給水用止水弁(図示せず)を介して、市水の水道管から水供給手段9へ水を供給する構成としている。
そして、本実施の形態2のサウナ装置20には、図4に示すリモコン27を備える構成とし、リモコン27と上述の制御部(図5の30)とは、図示しない電気ワイヤまたは無線により、相互に信号の送受信が可能な状態に接続された構成としている。
リモコン27にはサウナ運転および停止の選択が可能な操作部28と、サウナ装置20の運転状況を表示する表示部29とを備えた構成としている。
サウナ装置20の使用者がリモコン27の操作部28で操作すると、前述の制御部(図5の30)に信号が送信され、この信号を受けた制御部(図5の30)は送風機25および回転駆動手段7の運転停止を制御するとともに、循環温水止水弁(図示せず)の開閉を切り替えることにより、熱交換器24および熱交換器26の運転停止を制御し、さらに、給水用止水弁(図示せず)の開閉を切り替えることにより、水供給手段9への水供給を制御する構成としている。
また、リモコン27の表示部29は、サウナ装置20の運転状況を表示する構成としている。また、フロート17が水受皿5内の水位異常を検知した場合、フロート17から制御部(図5の30)に信号が送信され、この信号を受けた制御部(図5の30)からリモコン27に信号が送信されて、表示部29に水位異常が表示される構成としている。
すなわち、図5のブロック図に示すように、本実施の形態2のサウナ装置20における制御部30は、リモコン27からの入力を受けて、熱交換器24と、送風機25と、回転駆動手段7と、水供給手段9それぞれの運転停止を制御するとともに、リモコン27に出力してサウナ装置20の動作状態を表示させる構成となっている。また、制御部30は、フロート17が検知した水位異常に基づいて、熱交換器24と、送風機25と、回転駆動手段7と、水供給手段9それぞれの運転停止を制御するとともに、リモコン27に出力してサウナ装置20の水位異常を表示させる構成となっている。
以上の構成において、本実施の形態2の液体微細化装置を利用したサウナ装置20において、水霧化運転を利用したサウナ運転の動作およびサウナ運転中に水位異常が発生した場合の動作について説明する(括弧内は図7のフローチャートの各Stepを示す)。
図4のリモコン27の操作部28においてサウナ運転を選択すると、リモコン27からの信号を受けた制御部(図5の30)は、図3に示す送風機25および回転駆動手段7に信号を送信し、この信号を受けた送風機25および回転駆動手段7の運転が開始される。また、このとき制御部(図5の30)は、上述の循環温水止水弁(図示せず)に信号を送信して開放状態に切り替え、この結果、熱交換器24および熱交換器26に高温の温水が循環供給されて加熱運転状態となる。そして制御部(図5の30)はさらに、上述の給水用止水弁(図示せず)に信号を送信して開放状態に切り替え、その結果、水供給手段9からの上方の回転板8aへの水供給が開始される(Step1)。
以下、サウナ運転を詳細に説明する。
図3に示す吸込口21を介して本体ケース23内に吸引された空気は、霧化筒4の上流側に配置されている大容量の熱交換器24で加熱され、高温乾燥状態で送風機25により図1に示す霧化筒4の下方開口部3に強制的に流入され、水受皿5内を介して霧化筒4内を下側から上向きに、霧化筒4の内壁と複数の回転板8a〜8dおよび貯水部10a〜10cならびに水路11a〜11cとの隙間を通風し、上方開口部2に向けて送風されている。
また、図1に示す霧化筒4において、回転駆動手段7により回転軸6は高速回転させており、その状態で、水供給手段9により、上方の回転板8a上に水が供給される。
すると、上方の回転板8aの外周から水が勢いよく飛散されて霧化され、また一部は前記霧化筒4の内面に衝突して霧化され、この霧化された水は図3の送風機25によって前記霧化筒4の下方開口部3から上方開口部2に向けて流れる温風に搬送され、熱交換器26で再加熱後、図3に示す本体ケース23の排気口22を介してサウナ室の天井排気口(図示せず)からサウナ室内に高温多湿の蒸気として供給される。
また、図1に戻って説明を続けると、前記霧化筒4の内面に衝突したが霧化されなかった水は、貯水部10aにより捕集された後に雨樋状の水路11aを介して下方の回転板8b上に供給され、次に回転板8bの外周から水が勢いよく飛散されて霧化され、また一部は前記霧化筒4の内面に衝突して霧化され、この霧化された水は上記送風機25により、前記霧化筒4の下方開口部3から上方開口部2に向けて流れる温風に搬送され、熱交換器26で加熱後、図1に示す本体ケース23の排気口22を介してサウナ室の天井排気口(図示せず)からサウナ室内に供給される。
以降この繰り返しが4段の回転板8a〜8dで行われ、十分な量の霧化された水が温風とともにサウナ室内に供給されるのであるが、このような作用により、本実施形態では、霧化筒4の下方へと滴り落ちる水の量を極めて少なくすることができる。
上記のサウナ運転中、突出部16に設けたフロート17は、水受皿5の底面12から流れ落ちて溝部15に溜まるとともに、開口18を介して突出部16の下面に溜まった残水の水位に異常がないか検知する(Step2)。
このとき、上述のようにサウナ運転中に水受皿5の底面12から流れ落ちて溝部15に溜まる残水は極めて少ないため、溝部15の下面とほぼ同じ高さに構成している突出部16の下面に開口18を介して流れ込む残水も極めて少ない状態となっている。このためフロート17はせいぜい、突出部16の下面から僅かに浮きあがる程度の水位に維持されている。
以上のように水位異常を検知しない状態では、使用者がリモコン27により選択したサウナ運転が継続される(Step1)。
したがって、このサウナ運転中は、図6に示すように、熱交換器24、送風機25、回転駆動手段7、水供給手段9のそれぞれは、すべて運転状態となっている。
一方、上述のサウナ運転中に、例えば、水供給手段9の故障などにより、あらかじめ定めた流量以上の水が上方の回転板8aに供給され、下方の回転板8b〜8dによっても霧化されない場合、水受皿5において、底面12の溝部15に通常水位以上の余剰水が溜まってしまう。
このような水位異常時には、突出部16内に配置したフロート17は、突出部16の下面の水位異常を検知して(Step2)、制御部(図5の30)に信号を送信し、リモコン27に信号を送信して表示部29に水位異常を表示する(Step3)。
一方、制御部(図5の30)は、上述の給水用止水弁に出力して閉鎖状態に切り替える(Step4)ことにより、水供給手段9から上方の回転板8aへの水供給を停止する。
すなわち、水供給手段9から上方の回転板8aへの水供給を停止した状態(Step4)では、霧化筒4および水受皿5内を乾燥させるための乾燥運転(Step5)が行われることとなる。この乾燥運転において、上述の循環温水止水弁は開放状態のまま、熱交換器24への温水循環を継続するとともに、送風機25の運転を継続し、そして回転駆動手段7の回転駆動は継続する。
したがって、フロート17が水位異常を検知した時は、図6に示すとおり、熱交換器24、送風機25、回転駆動手段7のそれぞれは運転状態となっている一方、水供給手段9は停止状態となっている。
この乾燥運転において、あらかじめ設定した所定時間、例えば10分を経過(Step6)すると、制御部(図5の30)は、回転駆動手段7の回転駆動を停止するとともに、送風機25の運転を停止し、そして、上述の循環温水止水弁を閉鎖状態に切り替えて、熱交換器24および熱交換器26への温水供給を停止する(Step7)。
そして、突出部16内部に配置したフロート17の検知する水位は、上記の乾燥運転により、サウナ運転時と同程度の通常水位から次第に下がって、乾燥運転が終了する時点では水位はほぼ0となり、自然に乾燥される程度となっている。
以上のような構成と動作により、本実施の形態2においては、従来液体微細化装置をサウナ運転に利用する場合に必要であったサウナ室への排水経路の設置工事が不要となって工事性が良好となる。
つまり、上記構成と動作によれば、供給した水を4段の回転板8a〜8dによって霧化し、十分な量の霧化された水が蒸気としてサウナ室内に供給される一方、霧化筒4の下方へと滴り落ちる水の量を極めて少なくすることができるので、排水処理が不要となり、サウナ室の美観を保つことが可能となる。
そして、上述のようにサウナ運転においてサウナ装置20内に発生する残水は、極めて僅かである上、仮に水供給手段9の故障などが発生した場合も、フロート17が水位異常を正しく検知することにより、例えば水受皿5の上端と霧化筒4の下端との継ぎ目等から装置外へ水が漏出する前に、水供給手段9からの給水を停止することができるので、不測の事態が発生するのを未然に防止することができるだけでなく、乾燥運転を一定時間行うことにより、サウナ装置20の内部を乾燥させることができるので、サウナ装置20内の残水の排水処理が不要となるだけでなく、サウナ装置20の動作の安定性を向上することができる。
すなわち、フロート17は、下方開口部3の非対向部分に外側に突出する突出部16内に配置した構成としているので、サウナ運転時だけでなく、フロート17が水位異常を検知した後の乾燥運転においても、フロート17は正しく水位を検知することができ、その結果、制御部(図5の30)は各出力先の運転停止を適切に制御することができる。
そして、水位異常を検知した後の乾燥運転時には、霧化筒4の上流側に備えた大型の熱交換器24を運転して温風を送風する構成としているため、霧化筒4内の温度を高めてより飽和水蒸気量を増加させることができるので、霧化筒4内の残水をすばやく乾燥させることが可能である。
上述の、乾燥運転においても、フロート17は、水受皿5の下方開口部3の非対向部分に設けた突出部16の内部に配置する構成としているので、送風機25からの送風が、フロート17に直接影響を与えることが少なくなり、また突出部16の下面に流れ込んだ残水の表面を波立たせるといった間接的な影響をも少なくすることができる。この結果、フロート17によって水受皿5内の水位を正確に検知することができる。
このように、通常のサウナ運転後の乾燥運転の効率が高まるだけでなく、水位異常が発生したとしても、フロート17により水位異常を正しく検知して乾燥運転を行うことにより装置内を乾燥させて、水受皿から装置外への水漏れ等を未然に回避することができるのである。
なお、フロート17により水位異常を検知したときは、リモコン27に水位異常を表示させる構成としているので、上記の乾燥運転を行って通常の水位に戻すことができるだけでなく、利用者に装置の異常を知らせて点検や修理を促すことが可能となる。
また、霧化筒4の上流側に加熱手段として大型の熱交換器24を備える構成としているので、サウナ装置として使用者の快適性を高めることができるとともに、通常のサウナ運転において残水が発生したとしても、フロート17がサウナ装置20の残水の水位を正しく検知することができるので、サウナ運転後に所定の時間内乾燥運転を行うように切り替えるようにすれば、サウナ装置20内を乾燥させることができるので、以降のサウナ運転の動作を安定化することが可能になる。
つまり、サウナ運転時には、霧化筒4の上流側に備えた図3の熱交換器24を運転して霧化筒4内に温風を送風しているので、通常のサウナ運転を停止した直後や水位異常が発生した場合、霧化筒4内の空気の温度はまだ高い状態となっている。このような状態で、サウナ運転から乾燥運転に切り替えるので、霧化筒4内の残熱を利用して、効率良く乾燥させることができる。
なお、上記の乾燥運転において、送風機25は、サウナ運転時に比べて送風能力を低下させた状態で運転させるのが好ましい。
具体的には、送風機25は、サウナ運転時に比べて送風能力を略半分程度に低下させた状態で運転を行う。
すなわち、本実施の形態2においては、上述のごとく、霧化筒4内面を伝って下方に滴る水は貯水部10a〜10cで捕集し、その後水路11a〜11cにより下方の回転板8b〜8d上に供給することで、霧化効果を高めているが、乾燥運転時に送風機25により、霧化筒4の下方開口部3から水受皿5を介して上方開口部2に向けて送風する大量の風により乾燥を行うと、貯水部10a〜10cや水路11a〜11cには残存している水が少ないことが起因し、貯水部10a〜10cや水路11a〜11c部分で水が乾燥し、そこにスケールが形成されてしまい、このようになると以降の水の遠心霧化作用が不安定となる。
そこで、本実施の形態2においては、通常のサウナ運転後や水位異常発生後の乾燥運転時には、送風機25は、サウナ運転時に比べて送風能力を低下させた状態で運転させる構成としたので、貯水部10a〜10cや水路11a〜11c部分から下方の回転板8b〜8d上へと水が流れる状態で乾燥が継続され、この結果としてこの貯水部10a〜10cや水路11a〜11c部分でのスケール形成が抑制され、その結果として、以降の水の遠心霧化作用を安定化させることができるのである。
なお、この乾燥運転時は、前記回転駆動手段7は、サウナ運転時に比べて回転数を低下させた状態で運転させても良く、こうすれば省エネルギー効果を高めることができる。
さらに、この乾燥運転において、制御部(図5の30)は、所定時間経過後に、回転駆動手段7の回転駆動を停止し、送風機25および熱交換器24の運転を停止する構成としたので、通常のサウナ運転で発生したわずかな残水の水位が溜まったときにも、水受皿5に多量の水が溜まる異常時にも、フロート17の検知した残水の水位の高さに基づいて、水受皿5内の乾燥に必要な時間だけ乾燥運転を行うことも可能であり、そうすればさらに省エネルギー効果を高めることができる。
なお、本実施の形態においては、給水用止水弁(図示せず)を介して、市水の水道管から水供給手段9へ水を供給する構成としているが、上述の熱源からの温水循環を分岐し、給水用止水弁を設けて水供給手段9へ高い温度の水を供給することも可能であり、このようにすると、霧化筒4内での気化作用による温度の低下を抑えることが可能となり、これにより飽和水蒸気量の低下を防いで、霧化筒4内の残水が発生しにくくなり、また乾燥運転時には、より早く乾燥させることが可能となる。