JP5381324B2 - 画像形成制御装置、画像形成装置および画像形成制御方法 - Google Patents

画像形成制御装置、画像形成装置および画像形成制御方法 Download PDF

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Description

本発明は、画像形成制御装置、画像形成装置および画像形成制御方法に関する。
感光体や転写ベルト上の印刷領域外にテストパターンを作成し、その反射率のデータから濃度や位置情報を類推して画像濃度や画像位置等に関する画像形成プロセス条件を制御する方法は広く知られている。例えば、特許文献1では、画像領域外に画像形成プロセス条件を決定するための制御用テストパターンを複数箇所に作成し、その複数箇所の各々のテストパターン検出結果に応じて画像形成プロセス条件を決定することにより、位置による濃度偏差が発生した場合でも、画像形成プロセス条件の決定に対して濃度偏差の影響を受けにくくすることが可能となり、画像重ね精度が高い中間転写方式を採用しながら、かつクリーニング装置の低コスト化、省スペース化を実現すると共に、テストパターンを用いた画像形成のためのプロセス制御による装置のダウンタイムを低減し、かつ安定した画像品質を得るための構成が開示されている。
ところで、近年においては、チラシ、カタログ、報告書、請求書などの大量のカラードキュメントを高速に出力するカラーオンデマンドプリントを実現するカラープロダクションプリンタが開発されている。このようなカラープロダクションプリンタは、例えば数千万件分の電話料金の請求書や領収書を1週間程度の発行期限で発行するような場合に利用されるものであって、1週間という期間においては昼夜を問わない状況で連続印刷を行う(言い換えれば、1分間に数百枚の高速プリントを数十時間の単位で連続運転する)。このような状況から、高速タイプのカラープロダクションプリンタは、連続稼働中に装置を止めることは絶対にできない、という特性を有している。これは、装置を止めることで膨大な部数の発行期限に間に合わなくなることが生じるためである。この点で、高速タイプのカラープロダクションプリンタは、オフィスに設置されるようなプリンタ(MFP:Multifunction Peripheral)とは技術的に大きく異なるものとなっている。
一方、特許文献1で開示されているような画像形成プロセス条件の制御は「オフライン制御」であるため、プリント動作を止めなければならない。したがって、特許文献1で開示されているような画像形成プロセス条件の制御は、頻繁に行うことはできない。特に、上述したような高速タイプのカラープロダクションプリンタのように1分間に数百枚の高速プリントを数十時間の単位で連続運転するような場合には、数分に1回の頻度でプリント動作を止めて画像形成プロセス条件の制御を実行することになり、上述したような連続稼働中に装置を絶対に止めることはできないという高速タイプのカラープロダクションプリンタの特性に反することになる。また、画像形成プロセス条件の制御を実行せずに連続稼動してしまうと、プロセスの状態が大きく変わってしまい、画質が劣化してしまう。すなわち、高速タイプのカラープロダクションプリンタに対しては、プリント動作を止めることなく、しかも、常時、リアルタイムに画像形成プロセス条件の制御を実行することができるような新しい構成が必要となる。
そこで、非特許文献1には、中間転写ベルト上のトナー付着量、あるいは、紙に定着された画像を測定して、リアルタイムに、電子写真のプロセスを用いた画像形成エンジンにおける帯電装置、露光装置、現像装置の設定値を調整・最適化するためのフィードバック制御系の構成法が開示されている。
電子写真のプロセスを用いた画像形成エンジンにおける帯電装置、露光装置、現像装置などには相互作用があるために、それらの動作を設定するパラメータを独立に決めることはできない。また、測定される画像も、複数の色、あるいは、複数の輝度値・濃度値であるため、複数の操作量を同時に決定する「多入力多出力制御」を行う必要がある。ここで、制御系における「操作量」あるいは「制御入力」は、帯電装置、露光装置、現像装置の設定値であり、「制御量」あるいは「出力」は、定着された紙上で測定される色、あるいは、濃度・輝度である。さらに、「多入力多出力制御」に加えて、電子写真のプロセスにおける入出力関係は一般に複雑であり、動作環境(温度・湿度など)や稼動時間などにより、同じ入力に対して、同一の出力が得られるとは限らない。このようにプロセスのモデルには不確定要因が含まれるという問題がある。
このような問題の解決のために、非特許文献1では、「ロバスト制御」の手法を用いて、出力の目標値との差を0に近づけて、かつ、想定されるプロセスの動作の不確定性のすべてのケースもとでの安定性を保証するようなコントローラの設計法が述べられている。
ところで、非特許文献1によれば、制御入力と出力画像の階調性や色再現性との間の関係を「線形モデル」として表現し、モデルの非線形性や不確定性に対する制御系のロバスト性を保証するような、フィードバック制御系が開示されている。この非特許文献1に開示された方法では、プリント動作を止めることなく、しかも、リアルタイムに頻繁にプロセスの制御を行うことが可能にはなる。
ところが、電子写真のプロセスを用いた画像形成エンジンにおける帯電装置、露光装置、現像装置などの設定値(帯電バイアス、露光強度、現像バイアスなど)には、さまざまな制約条件がある。それぞれの設定値には、上限・下限、あるいは、一度に変動させられる値の範囲などに強い制限がある。さらに、相互拘束もあり、たとえば、帯電電位は現像バイアスに対して、ある一定の範囲に収まる必要がある。さらに、帯電装置、露光装置、現像装置などの設定値と、最終的に紙に定着される色、濃度・輝度の関係は、非線形性が高い。
このように、非特許文献1に開示された方法では、電子写真のプロセスを用いた画像形成エンジンにおける帯電装置、露光装置、現像装置の設定値などの「操作量」あるいは「制御入力」に対する制約条件(上限や下限など)を考慮できないことが大きな問題である。
また、制御入力と出力画像の階調性や色再現性との間の関係は、非線形になる。本来、「非線形系」である対象を「線形系」として近似して「ロバスト制御」を適用しているために、過渡応答性が悪い「保守的」な制御系になってしまう、という問題もある。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、画像形成に係るプロセスモデルの不確定性に対するロバスト性を向上させることができる画像形成制御装置、画像形成装置および画像形成制御方法を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、電子写真のプロセスを用いてトナー像を形成する画像形成部を制御する画像形成制御装置において、前記トナー像の色の測定値を取得する測定値取得手段と、前記測定値をフィードバックし、フィードバックされた前記測定値と予め設定されている目標値との差に基づいて決定される操作量に応じて画像形成に係るプロセスパラメータに対する設定値を決定する設定値決定手段と、を備え、前記設定値決定手段は、フィードバック制御の繰り返しによる前記トナー像の状態の時系列変化を近似する予測式を用いて前記操作量に対する制約条件に係る制約付評価関数を最小化しつつ、前記トナー像が現在の状態から所望の状態になるまでの理想的な時間変化を表す参照軌道に近くなるように前記操作量の系列を求め、前記予測式は、前記プロセスパラメータの変化に対する出力変化を表す行列を含み、当該行列は直前の前記プロセスパラメータに対する設定値に応じて変更される、ことを特徴とする。
また、本発明の画像形成装置は、電子写真のプロセスを用いてトナー像を形成する画像形成部と、前記トナー像の色を測定する色測定手段と、前記色測定手段による測定値を取得する測定値取得手段と、前記測定値をフィードバックし、フィードバックされた前記測定値と予め設定されている目標値との差に基づいて決定される操作量に応じて画像形成に係るプロセスパラメータに対する設定値を決定する設定値決定手段と、を備え、前記設定値決定手段は、フィードバック制御の繰り返しによる前記トナー像の状態の時系列変化を近似する予測式を用いて前記操作量に対する制約条件に係る制約付評価関数を最小化しつつ、前記トナー像が現在の状態から所望の状態になるまでの理想的な時間変化を表す参照軌道に近くなるように前記操作量の系列を求め、前記予測式は、前記プロセスパラメータの変化に対する出力変化を表す行列を含み、当該行列は直前の前記プロセスパラメータに対する設定値に応じて変更される、ことを特徴とする。
また、本発明は、電子写真のプロセスを用いてトナー像を形成する画像形成装置で実行される画像形成制御方法であって、前記画像形成装置は、制御部と記憶部を備え、前記制御部において実行される、測定値取得手段が、前記トナー像の色の測定値を取得するステップと、設定値決定手段が、前記測定値をフィードバックし、フィードバックされた前記測定値と予め設定されている目標値との差に基づいて決定される操作量に応じて画像形成に係るプロセスパラメータに対する設定値を決定するステップと、を含み、前記設定値決定手段は、フィードバック制御の繰り返しによる前記トナー像の状態の時系列変化を近似する予測式を用いて前記操作量に対する制約条件に係る制約付評価関数を最小化しつつ、前記トナー像が現在の状態から所望の状態になるまでの理想的な時間変化を表す参照軌道に近くなるように前記操作量の系列を求め、前記予測式は、前記プロセスパラメータの変化に対する出力変化を表す行列を含み、当該行列は直前の前記プロセスパラメータに対する設定値に応じて変更される、ことを特徴とする。
本発明によれば、先のトナー像の状態の変化を予測した上で画像形成に係るプロセスパラメータの設定値を最適に設定することができるので、画像形成に係るプロセスモデルの不確定性に対するロバスト性を向上させることができる、という効果を奏する。
図1は、本発明の実施の一形態にかかるカラープロダクションプリンタを部分的に示す概略構成図である。 図2は、画像形成ユニットを示す概略構成図である。 図3は、プリンタが備える各部の電気的な接続を示すブロック図である。 図4は、パラメータ制御処理にかかる機能構成を示すブロック図である。 図5は、パラメータ制御処理の流れを示すフローチャートである。 図6は、パッチパターンの一例を示す平面図である。 図7は、画像形成に係るフィードバック制御系の構造を示す模式図である。 図8は、L成分の変化をプロセスパラメータの関数として表現したグラフである。 図9は、参照軌道と計算された制御入力との例を示すグラフである。 図10は、フィードバック制御による出力値の変化を示すグラフである。 図11は、フィードバック制御によるプロセスパラメータの変化を示すグラフである。
以下に添付図面を参照して、この発明にかかる画像形成制御装置、画像形成装置および画像形成制御方法の最良な実施の形態を詳細に説明する。
本発明の実施の一形態を図1ないし図11に基づいて説明する。本実施の形態は画像形成装置として、請求書などの大量のカラードキュメントを高速に出力するカラーオンデマンドプリントを実現するカラープロダクションプリンタを適用した例である。このようなカラープロダクションプリンタは、例えば数千万件分の電話料金の請求書や領収書を1週間程度で発行するような場合に利用されるものであって、1週間という期間で昼夜を問わない状況で連続印刷を行う(言い換えれば、1分間に数百枚の高速プリントを数十時間の単位で連続運転する)。
図1は、本発明の実施の一形態にかかるカラープロダクションプリンタ100を部分的に示す概略構成図である。図1は、カラープロダクションプリンタ(以下、プリンタという)100のうち、露光、帯電、現像、転写、定着を行う電子写真のプロセスを用いた画像形成工程部分(プロセスエンジン部)のみを示している。プリンタ100には、図1に示した構成部材の他に、記録材である転写紙115の供給を行う給紙装置、転写紙115を手差し給紙させるための手差しトレイ、及び画像形成済みの転写紙115が排紙される排紙トレイなど(いずれも図示せず)が設けられている。
図1に示すように、プリンタ100には、中間転写体である無端ベルト状の中間転写ベルト105が設けられている。中間転写ベルト105は、4つの支持ローラ112、113、114、119に張架された状態で駆動ローラとしての機能を有する支持ローラ112によって回転駆動される。
中間転写ベルト105の張架部分には、イエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)、ブラック(K)の各色用の4つの画像形成ユニット101Y、101C、101M、101Kが配設されている。各色用の4つの画像形成ユニット101Y、101C、101M、101Kは同じ構成で同じ構成部材からなり、図1では同じ構成部材は数字部分を同じ数字で表し、末尾に色識別符号Y(イエロー)、C(シアン)、M(マゼンタ)、K(ブラック)を付している。各画像形成ユニット101Y、101C、101M、101Kには、それぞれ感光体ドラム103Y、103C、103M、103K、現像装置102Y、102C、102M、102K、中間転写ベルト105を帯電する帯電装置としての1次転写装置106Y、106C、106M、106Kが配置されている。現像装置102Y、102C、102M、102Kには、トナーボトル104K、104Y、104C、104Mからトナーが補給されるようになっている。
各画像形成ユニット101Y、101C、101M、101Kの下方には、露光装置200が設けられており、画像情報に基づいて、露光装置200の内部に設けられている図示しないレーザ露光ユニットから半導体レーザを駆動して書込光Lbを出射し、像担持体としての感光体ドラム103Y、103C、103M、103K上に静電潜像を形成する。ここで、書込光の出射は、レーザに限るものではなく、例えばLED(light emitting diode)であってもよい。
ここで、画像形成ユニット101Y、101C、101M、101Kの構成について図2を参照しつつ説明する。以下では、図2により黒色のトナー像を形成する画像形成ユニット101Kを例に挙げて説明するが、他の色のトナー像を形成する画像形成ユニット101Y、101C、101Mも同様の構成を有する。
図2に示すように、黒トナー用の画像形成ユニット101Kの構成部材は、本来、符号末尾にKの符号を付すのであるが、ここでは省略して示している。画像形成ユニット101には、感光体ドラム103の周囲に、感光体ドラム103を帯電する帯電装置301、現像装置102、感光体クリーニング装置311が設けられている。また、感光体ドラム103に対して中間転写ベルト105を介して対向する位置には、帯電装置としての1次転写装置106が設けられている。1次転写装置106としては、1次転写ローラを採用しており、中間転写ベルト105を挟んで感光体ドラム103に押し当てるようにして設置されている。なお、1次転写装置106は、ローラ形状のものでなくても、導電性のブラシ形状のものや、非接触のコロナチャージャなどを採用してもよい。
帯電装置301は、帯電ローラを採用した接触帯電方式のものであり、感光体ドラム103に接触して電圧を印加することにより感光体ドラム103の表面を一様に帯電する。この帯電装置301には、非接触のスコロトロンチャージャなどを採用した非接触帯電方式のものも採用できる。
また、現像装置102では、磁性キャリアと非磁性トナーからなる二成分現像剤を使用している。なお、現像剤としては一成分現像剤を使用してもよい。この現像装置102は、現像ケース内に設けられた攪拌部303と現像部304とに大別できる。攪拌部303では、二成分現像剤(以下、単に「現像剤」という)が攪拌されながら搬送されて現像剤担持体としての現像スリーブ305上に供給される。
攪拌部303には、平行な2本のスクリュー306が設けられている。これら2本のスクリュー306の間には、両端部で互いが連通するように仕切るための仕切り板309が設けられている。また、現像スリーブ305や2本のスクリュー306などを収納する現像ケース308には、現像装置102内の現像剤のトナー濃度を検出するためのトナー濃度センサ418が取り付けられている。一方、現像部304では、現像スリーブ305に付着した現像剤のうちのトナーが感光体ドラム103に転移される。
現像部304には、現像ケースの開口を通して感光体ドラム103と対向する現像スリーブ305が設けられており、その現像スリーブ305内には図示しないマグネットが固定配置されている。また、現像スリーブ305に先端が接近するようにドクタブレード307が設けられている。本実施の形態では、このドクタブレード307と現像スリーブ305との間の最接近部における間隔が0.9mmとなるように設定されている。この現像装置102では、現像剤を2本のスクリュー306で攪拌しながら搬送循環し、現像スリーブ305に供給する。現像スリーブ305に供給された現像剤は、マグネットにより汲み上げて保持される。現像スリーブ305に汲み上げられた現像剤は、現像スリーブ305の回転に伴って搬送され、ドクタブレード307により適正な量に規制される。規制された現像剤は攪拌部303に戻される。
このようにして感光体ドラム103と対向する現像領域まで搬送された現像剤は、マグネットにより穂立ち状態となり、磁気ブラシを形成する。現像領域では、現像スリーブ305に印加されている現像バイアスにより、現像剤中のトナーを感光体ドラム103上の静電潜像部分に移動させる現像電界が形成される。これにより、現像剤中のトナーは、感光体ドラム103上の静電潜像部分に転移し、感光体ドラム103上の静電潜像は可視像化され、トナー像が形成される。現像領域を通過した現像剤は、マグネットの磁力が弱い部分まで搬送されることで現像スリーブ305から離れ、攪拌部303に戻される。このような動作の繰り返しにより、攪拌部303内のトナー濃度が薄くなると、それをトナー濃度センサ418が検出し、その検出結果に基づいて攪拌部303にトナーが補給される。
感光体クリーニング装置311は、クリーニングブレード312の先端を感光体ドラム103に押し当てられるように配置される、例えばポリウレタンゴム製のクリーニングブレード312を備えている。また、本実施の形態では、クリーニング性能を高めるために感光体ドラム103に接触する導電性のファーブラシ310を併用している。このファーブラシ310には、図示しない金属製の電界ローラからバイアスが印加されており、その電界ローラには図示しないスクレーパの先端が押し当てられている。そして、クリーニングブレード312やファーブラシ310により感光体ドラム103から除去されたトナーは、感光体クリーニング装置311の内部に収容され、図示しない廃トナー回収装置にて回収される。
ここで、画像形成ユニット101の具体的な設定について説明する。感光体ドラム103の直径は40mmであり、感光体ドラム103は200mm/sの線速で駆動される。また、現像スリーブ305の直径は25mmであり、現像スリーブ305は564mm/sの線速で駆動される。現像領域に供給される現像剤中のトナーの帯電量は、およそ−10〜−30μC/gの範囲となるのが好適である。また、感光体ドラム103と現像スリーブ305との間隙である現像ギャップは、0.5〜0.3mmの範囲で設定でき、値を小さくすることで現像効率の向上を図ることが可能である。感光体ドラム103の感光層の厚みは30μmであり、露光装置200の光学系のビームスポット径は50×60μmであり、その光量は約0.47mWである。一例として帯電装置301により、感光体ドラム103の表面は−700Vに一様帯電され、露光装置200によりレーザが照射された静電潜像部分の電位は、−120Vとなる。これに対して、現像バイアスの電圧を−470Vとし、350Vの現像ポテンシャルを確保する。このようなプロセス条件は電位ポテンシャル制御の結果によって適時変更される。
以上のような図2に示す画像形成ユニット101では、感光体ドラム103の回転とともに、まず帯電装置301で感光体ドラム101の表面を一様に帯電する。次いで、プリントコントローラ410(図3参照)からの画像情報に基づいて露光装置200からレーザによる書込光Lbを照射し、感光体ドラム103上に静電潜像を形成する。その後、現像装置102により感光体ドラム103上の静電潜像が可視像化されてトナー像が形成される。このトナー像は、1次転写装置106により中間転写ベルト105上に1次転写される。1次転写後に感光体ドラム103の表面に残留した転写残トナーは、感光体クリーニング装置3011により除去され、次の画像形成に供される。
図1に戻り、中間転写ベルト105を間にして支持ローラ112と対向する位置には、2次転写装置として2次転写ローラ108が設けられている。2次転写ローラ108は、中間転写ベルト105上に形成されたトナー像を静電的な力で、給紙装置などから供給された転写紙115に転写する。転写ベルト105上のトナー像を転写紙115上に2次転写する際には、2次転写ローラ108を支持ローラ112に巻回された中間転写ベルト105部分に押し当てて2次転写を行う。2次転写装置としては2次転写ローラ108を用いた構成でなくても、例えば転写ベルトや非接触の転写チャージャを用いた構成としてもよい。
図1に示すように、2次転写ローラ108の転写紙搬送方向下流側には、転写紙115上に転写されたトナー像を定着させるための定着装置111が設けられている。この定着装置111は、加熱ローラ117に加圧ローラ118を押し当てた構成となっている。加えて、図1に示すように、定着装置111は、加熱ローラ117および加圧ローラ118の転写紙搬送方向下流側に、転写紙115上に定着後のトナー像から色情報を測定するための分光計109を備えている。
また、図1に示すように、中間転写ベルト105を間にして支持ローラ113に対向する位置には、ベルトクリーニング装置110が設けられている。このベルトクリーニング装置110は、転写紙115に中間転写ベルト105上のトナー像を転写した後に中間転写ベルト105上に残留する残留トナーを除去するためのものである。
次に、プリンタ100が備える各部の電気的な接続を説明する。図3は、プリンタ100が備える各部の電気的な接続を示すブロック図である。
図3に示すように、プリンタ100は、画像形成制御装置として機能するコンピュータ構成の本体制御部406を備えており、この本体制御部406が各部を駆動制御することにより電子写真のプロセスを用いた画像形成動作を制御する。本体制御部406は、各種演算や各部の駆動制御を実行するCPU(Central Processing Unit)402にバスライン409を介して、コンピュータプログラム等の固定的データを予め記憶するROM(Read Only Memory)405と各種データを書き換え自在に記憶するワークエリア等として機能するRAM(Random Access Memory)403とが接続されている。また、本体制御部406は、色測定手段である分光計109やトナー濃度センサ418、温湿度センサ417からの情報をデジタルデータに変換するA/D変換回路401も備えており、A/D変換回路401はCPU402にバスライン409を介して接続されている。
本体制御部406には、PC(Personal Computer)411やスキャナー412、FAX(Facsimile)413等から送られた画像データを処理して露光データに変換するプリントコントローラ410が接続されている。また、本体制御部406には、モータやクラッチ415を駆動する駆動回路414が接続されている。さらに、本体制御部406には、画像形成部(画像形成ユニット101、1次転写装置106、露光装置200、2次転写ローラ108など)に画像形成に必要な電圧を発生する高圧発生装置416も接続されている。
また、本体制御部406には、パラメータ設定部404も接続されている。パラメータ設定部404は、安定した画像濃度を得るために、分光計109などで測定された情報を元にCPU402で計算された結果に基づいて、露光装置200のレーザ強度、転写装置106の帯電印加電圧、現像装置102の現像バイアス等を変更する。
ここで、プリンタ100の動作について概略的に説明する。例えばプリンタ100によってPC411からの情報に従って印刷を行う場合、PC411にインストールされているプリンタドライバが用いられて画像データを含む印刷情報がPC411から送信される。
プリントコントローラ410は、PC411から送信された画像データを含む印刷情報を受けて、画像データを処理して露光データに変換して、本体制御部406にプリント指令を出力する。プリント指令を受けた本体制御部406のCPU402は、ROM405のコンピュータプログラムに従うことにより、電子写真のプロセスを用いた画像形成制御処理を実行する。より詳細には、本体制御部406のCPU402は、駆動回路414を介してモータやクラッチ415を駆動させ、支持ローラ112が回転駆動して中間転写ベルト105が回転駆動する。また、本体制御部406のCPU402は、これと同時に、駆動回路414および高圧発生装置416、パラメータ設定部404を介して電子写真のプロセスを用いた画像形成部(画像形成ユニット101、1次転写装置106、露光装置200、2次転写ローラ108など)を駆動する。
以下において、電子写真のプロセスを用いた画像形成部(画像形成ユニット101、1次転写装置106、露光装置200、2次転写ローラ108など)の動作について説明する。露光装置200は、プリントコントローラ410から送信された画像データに基づいて、各画像形成ユニット101Y、101C、101M、101Kの感光体ドラム103Y、103C、103M、103K上に書込光Lbをそれぞれ照射する。これにより、各感光体ドラム103Y、103C、103M、103Kにはそれぞれ静電潜像が形成され、現像装置102Y、102C、102M、102Kにより可視像化される。そして、各感光体ドラム103Y、103C、103M、103K上には、それぞれ、イエロー、シアン、マゼンタ、ブラックのトナー像が形成される。このようにして形成された各色トナー像は、各1次転写装置106Y、106C、106M、106Kにより、順次中間転写ベルト105上に重なり合うようにそれぞれ1次転写される。これにより、中間転写ベルト105上には、各色トナー像が重なり合った合成トナー像が形成される。加えて、本体制御部406は、上述のようにして中間転写ベルト105上に形成された合成トナー画像が2次転写ローラ108に対向する2次転写部に搬送されるタイミングに合わせて駆動回路414を介してモータやクラッチ415を駆動させて給紙装置(図示せず)を制御して転写紙115の供給を行う。給紙装置から供給された転写紙115は、中間転写ベルト105と2次転写ローラ108との間に送り込まれ、2次転写ローラ108により、中間転写ベルト105上の合成トナー像が転写紙115上に2次転写される。その後、転写紙115は、2次転写ローラ108に吸着した状態で定着装置111まで搬送され、定着装置111で熱と圧力が加えられてトナー像の定着処理が行われる。定着装置111を通過した転写紙115は、排紙トレイ(図示せず)に排出されスタックされる。なお、2次転写後の中間転写ベルト105上に残留した転写残トナーは、ベルトクリーニング装置110により除去される。
続いて、上述した本体制御部406のCPU402がコンピュータプログラムに従って実行する電子写真のプロセスを用いた画像形成制御処理におけるパラメータ制御処理について詳述する。ここで、図4はパラメータ制御処理にかかる機能構成を示すブロック図、図5はパラメータ制御処理の流れを示すフローチャートである。
図4に示すように、本体制御部406のCPU402がコンピュータプログラムに従うことにより、測定値取得手段10と、設定値決定手段20とを実現する。
測定値取得手段10は、記録材である転写紙115に定着されたトナー像の色を測定する分光計109による測定値を取得する。
設定値決定手段20は、測定値取得手段10で取得した測定値をフィードバックし、フィードバックされた測定値と予め設定されている目標値との差に基づいて決定される操作量に応じて画像形成に係るプロセスパラメータに対する設定値を決定する。より詳細には、設定値決定手段20は、フィードバック制御の繰り返しによるトナー像の状態の時系列変化を近似する予測式を用いて操作量に対する制約条件に係る制約付評価関数を最小化しつつ、トナー像が現在の状態から所望の状態になるまでの理想的な時間変化を表す参照軌道に近くなるように操作量の系列を求める。
図5に示すように、本体制御部406のCPU402は、印刷ジョブが開始されると(ステップS1のYes)、分光計109から転写紙115に定着されたトナー像から測定された色情報(測色データ)を取得する(ステップS2:測定値取得手段10)。
ここでは、例えば、PC411、スキャナー412、FAX413によりプリントコントローラ410に入力されたデジタル画像データを処理して、いくつかの色をサンプリングする。デジタル画像の処理としては、特開2005−275854号公報に記載されているような色パレットの抽出方法を適用する。色パレットとは、デジタル画像の全ての画素の色をクラスタリングすることによって得られた色クラスタのうち、構成画素の数が上位のものの集まりである。色パレットの中の色に対応する画素位置における定着後の色を分光計109で測定し、CPU402に入力されたものが、測色データである。
あるいは、周期的に、図6に示すようなパッチパターンを転写紙115に印刷した画像を出力し、分光計109で測定し、CPU402に入力したものを、測色データとしてもよい。
続くステップS3では、CPU402は、後述する方法によって、ステップS2において取得した測色データと対応するデジタル画像データの色とを比較することにより、プロセスパラメータに対する操作量を決める。ここで、プロセスパラメータに対する操作量は、露光装置200のレーザ強度(LDP)、転写装置106の帯電印加電圧(Cdc)、現像装置102の現像バイアス(Vb)等の画像形成に係るプロセスパラメータの設定値である。
その後、ステップS3で決定されたプロセスパラメータに対する操作量を用いてプロセスパラメータを決定し(ステップS4)、ステップS4で決定されたプロセスパラメータ(露光装置200のレーザ強度、転写装置106の帯電印加電圧、現像装置102の現像バイアス)をパラメータ設定部404に設定する(ステップS5)。ステップS3〜S4は、設定値決定手段20によって実行される。このようにしてパラメータ設定部404に設定されたプロセスパラメータ(露光装置200のレーザ強度、転写装置106の帯電印加電圧、現像装置102の現像バイアス)は、画像形成ユニット101(転写装置106、現像装置102)、露光装置200等に出力されて処理に反映される。
以上説明したようなステップS2〜S5の処理は、印刷ジョブが終了、すなわち、指定された枚数の紙の出力が完了するまで(ステップS6のYes)、繰り返される。すなわち、指定された枚数の紙の出力が完了していない場合には(ステップS6のNo)、次の転写紙115に定着されたトナー像に対して、ステップS2〜S5の処理を繰り返す。
指定された枚数の紙の出力が完了すると(ステップS6のYes)、一連のフローはここで終了する。
次に、ステップS3におけるプロセスパラメータに対する操作量を決定する方法について詳述する。
プロセスパラメータに対する操作量を決定する場合、CPU402は、入力として測色データと対応するデジタル画像データ上での色とを、例えばL*a*b*の色空間のベクトル値として受け取る。例えば、図6に示したパッチパターンのような8個の色については、測色データのベクトルと対応するデジタル画像データ上での色ベクトルとは、それぞれ8個の色についてk枚目の紙定着画像で測定されたL*a*b*の平均を並べた24次元ベクトルy(k)、デジタル画像データ上でのL*a*b*成分を並べた24次元ベクトルr0となる。
プロセスパラメータに対する操作量を決定する場合、CPU402は、図7に示すような画像形成に係るフィードバック制御系として機能するものであって、コントローラKは、k枚目(ステップk)の紙定着画像で測定された出力値y(k)と目標値r0のとの差から、制御入力v(k)および画像形成ユニット101などのパラメータ設定値u(k)を決める。定常状態におけるuとyとの関係は、時間を含まない多変数関数Gによって表される下記式にしてROM405に格納しておく。
y=G(u)
ここで、図8に示すグラフは、図6に示したパッチパターンにおける「K1」のL成分を、露光装置200のレーザ強度(LDP)、転写装置106の帯電印加電圧(Cdc)、現像装置102の現像バイアス(Vb)の多項式関数で表した場合に、CdcとLDPをいくつかの値に固定した場合について、Vbに対するL成分の変化をプロットしたグラフである。このグラフは、
L=0.00007・Cdc+0.00033・LDP−0.00014・Vb
+0.00011・Cdc・LDP−0.00005・LDP・Vb+0.00039・Vb・Cdc
+0.173・Cdc−0.315・LDP+0.172・Vb+151.12
という2次元式で表現したものである。
多変数関数Gのテーラー展開から、ステップk(k枚目の紙)における画像形成に係るプロセスパラメータu(k)と画像因子y(k)との関係は、出力初期値y(1)をノミナル設定値u(0)に対する出力とすると、次の式(1)のように記述できる。
Figure 0005381324
ここで、コントローラKは、プロセスパラメータu(k)そのものではなく、その差分v(k)を決めるものとすると、次の式(2)のように記述できる。
Figure 0005381324
また、下記式(3)に示すように、プロセスパラメータu(k)の変化に対する出力の変化を表す行列を、各ステップkにおけるヤコビアン行列と定義する。
Figure 0005381324
ただし、多変数関数Gは一般に非線形であるので、行列B(k)はステップごとに変化する。したがって、上述した式(1)で表される系は、線形時変系として、状態変数x、外乱dによって、次に示す状態方程式(4)で記述できる。
Figure 0005381324
特に、行列B(k)は、時刻k−1におけるプロセスパラメータuに依存するので、下記式のように記述することができる。
B(k)=B(u(k−1))
これは、LPV(Linear Parameter Varying)と呼ばれるシステムである。各ステップkにおいて、行列B(k)は、直前のパラメータ設定値u(k−1)に応じて毎回変更する。このようにすることによって、画像形成プロセスの非線形性が大きい系における制御を効果的に行うことが可能になる。
図7に示すように、ステップkにおいて、コントローラKは、出力値y(k)と目標値r0から、制御入力v(k)を決定する。式(2)により制御入力v(k)をu(k−1)に加算して、プロセスパラメータをu(k)に設定する。その結果のプロセスからの出力に外乱dが加わったものが、ステップk+1での出力となる。
システムのモデリングは、行列B(k)、すなわち、プロセスパラメータの変化に対する出力の変化を求めることである。例えば、図6に示したパッチパターンのように、それぞれが単色で構成される場合には、行列B(k)は下記式(5)に示すようなブロック対角構造になる。
Figure 0005381324
したがって、下記に示すように、CMYKのそれぞれのシステムを独立に考えることができる。
Figure 0005381324
Figure 0005381324
L,a,bの値は、図8に示すLのように、露光装置200のレーザ強度(LDP)、転写装置106の帯電印加電圧(Cdc)、現像装置102の現像バイアス(Vb)の関数として、下記式(6)に示すように与えられる。
Figure 0005381324
このようにL,a,bが、Cdc,LDP,Vbの多項式で表現される場合、B*(k)は3×3行列で、下記式(7)に示すように記述できる。
Figure 0005381324
ただし、一般の混色から構成されるパレット(CMYの3色のグレイ,赤・青・緑色など)の場合には、下記式(8)に示すような表現になるため,ブロック対角構造にはならない。
Figure 0005381324
ここで、図7に示したようなステップkにおけるコントローラKの設計法について検討する。コントローラKは、以下に示す条件を満たすように、出力値yおよび目標値r0から制御入力vを決定する必要がある。
(1)次のステップk+1での出力と目標値との差
‖y(k+1)−r0‖=‖y(k)+B(k)v(k)−r0‖
が小さくなること。
(2)制御入力vの変化の仕方を調整できること。すなわち、各要素のスケール因子、プロセス/モジュールごとに異なる目標値の可動性などが考慮されなくてはならない。さらに、プロセスのモデルGには不確定要因を含むため、制御入力vの過度な変動は望ましくなく、保守性と操作性を調整できることが必要である。
(3)制御入力vに対する制約条件を考慮できること。上限や下限などを考慮できることが必要である。
これら3つの条件をまとめて、(1)の条件のような「適合度」を表す項と、(2)の条件のような不適切な変動に対する「罰金」を表す項、さらに、(3)のような拘束条件も取り入れた下記に示す式(9)を最小化する2次計画問題を解くことにより、制御入力vを決定する。
Figure 0005381324
ここで、RとQは正定値対称行列であって、Rは各要素の誤差への重み付け、Qは上記条件(2)に対応して各因子に重み付けする。言い換えれば、Rは制御量のスケール因子、Qは制御入力(操作量)のスケール因子である。また、行列Aとベクトルbは、(3)の制約条件に対応する。
本実施の形態においては、上述したような考え方を直後のステップk+1だけでなく、より長い期間での制御系の振る舞いを最適化するように制御入力vを決めるように拡張したものである。このようなCPU402による制御を「モデル予測制御」とする。以下において、「モデル予測制御」について詳述する。
CPU402は、図9に示すように、pステップ後まで(k+1,k+2,・・・,k+p)の想定出力を規定する「参照軌道」(r[k+1|k],r[k+2|k],...,r[k+p|k])を決めて、式(4)を用いて出力系列(y[k+1|k],y[k+2|k],...,y[k+p|k])が「参照軌道」に近くなるように、制御入力の系列(v[k|k],v[k+1|k],...,v[k+p−1|k])を求める。その際に、制御入力vの過度な変化に対する「罰金」や、制約条件も考慮した最適決定を行う。具体的には、ステップk+1,k+2,...における将来の出力yの予測式と、制御入力vを決定するための制約付評価関数とが必要である。なお、図9においては、図6に示したパッチパターンのうちの1つのパッチ、すなわち1色分について示している。
まず、ステップk+1,k+2,...における将来の出力yの予測式について説明する。
ステップkにおけるjステップ先の予測値を[k+j|k]と表し、実際の値を(k)で表す(y(k),v(k)など)と、予測式は下記式(10)で与えられる。
Figure 0005381324
ここで、外乱dに対して、一定値の出力外乱が存在する。すなわち、
Figure 0005381324
と仮定すると、予測値は、時刻kでの測定出力と予測出力の差
Figure 0005381324
と表せる。したがって、予測式は、下記式(11)と記述することができる。
Figure 0005381324
次に、制御入力vを決定するための制約付評価関数について説明する。
ステップkにおける制約付評価関数は、予測ホライズンの長さp、参照軌道r、重み行列(正定値対称)QとRにより、下記式(12)のように記述することができる。
Figure 0005381324
式(12)におけるv_min,v_max,u_min,u_maxは、図7におけるvとuの範囲である。また、参照軌道rは、例えば下記式(13)のように与えることができる。
Figure 0005381324
コントローラKは、上述したような制約付評価関数を最小化するような最適制御入力系列(v[k|k],v[k+1|k],...,v[k+p−1|k])を、予測式を用いて計算する。最初の要素v[k|k]をv(k)として用いて、ステップkにおけるプロセスパラメータを下記の式のように更新する。
u(k)=u(k−1)+v(k)
なお、最適な制御入力系列の計算は、「2次計画問題」として解くことができる。2次計画問題としての定式化について、以下において説明する。
式(11)として表した予測式は、下記式(14)のように書き直すことができる。
Figure 0005381324
ここで、
Figure 0005381324
とおくと、
Figure 0005381324
のように、表すことができる。また、各操作量のスケール因子を考慮して、
Figure 0005381324
とおくと、制約付評価関数は、下記式(15)のようにまとめられる。
Figure 0005381324
さらに、下記に示す制約条件
Figure 0005381324
を適当な行列Cとbにより下記のように表すと、
Figure 0005381324
モデル予測制御は、下記式(16)に示すように、各ステップkにおいて最適な操作量系列Vについての2次計画問題を解く問題として定式化できるので、効率的に画像形成プロセス条件を決定することが可能になる。
Figure 0005381324
なお、式(16)の問題の解法には、内点法などの効率的アルゴリズムを使うことができる。
以上が、ステップS3におけるプロセスパラメータに対する操作量を決定する方法についての説明である。
ステップS4におけるステップS3で決定されたプロセスパラメータに対する操作量を用いたプロセスパラメータの決定においては、下記に示すような解として得られたベクトルにおいて、
Figure 0005381324
v[k|k]をv(k)として用いて、ステップkにおけるプロセスパラメータを下記式のように更新する。
u(k)=u(k−1)+v(k)
u(k)をプロセスパラメータの設定値として入力した後の出力の測定値がy(k+1)である。
ここで、図5に示したような処理を適用した場合の出力値y(k)の変化の例を、図10に示す。ここで、図10のグラフの横軸は出力された紙の番号、あるいは、すべての紙ではなく何枚かごとにフィードバック制御をかける場合には、フィードバックをかけた回数である。図10のグラフの縦軸はL*a*b*色空間での各座標値であって、点線は各座標での目標値である。このように、1枚目の紙では、目標値と出力された色の間でΔE=8.1の差があったが、プリント動作を止めることなく、リアルタイムのフィードバック制御により、出力yが目標値に追従してゆく。
また、図5に示したような処理を適用した場合のプロセスパラメータu(k)の変化の例を、図11に示す。ここで、図11のグラフの横軸は図10と同様であり、出力された紙の番号、あるいは、すべての紙ではなく何枚かごとにフィードバック制御をかける場合には、フィードバックをかけた回数である。図11のグラフの縦軸は、露光装置200のレーザ強度(LDP)、転写装置106の帯電印加電圧(Cdc)、現像装置102の現像バイアス(Vb)である。このように、プリント動作を止めることなく、リアルタイムのフィードバック制御により、プロセスパラメータが最適値に収束して行く。
このように本実施の形態によれば、フィードバック制御の繰り返しによるトナー像の状態の時系列変化を近似する予測式を用いて操作量に対する制約条件に係る制約付評価関数を最小化しつつ、トナー像が現在の状態から所望の状態になるまでの理想的な時間変化を表す参照軌道に近くなるように操作量の系列を求めるようにしたことにより、先のトナー像の状態の変化を予測した上で画像形成に係るプロセスパラメータの設定値を最適に設定することができるので、画像形成に係るプロセスモデルの不確定性に対するロバスト性を向上させることができる。
なお、本実施の形態においては、分光計109によって転写紙115上に定着後のトナー像から色情報を測定するようにしたが、これに限るものではなく、中間転写ベルト105上のトナー像から色情報を測定するようにしても良い。
10 測定値取得手段
20 設定値決定手段
100 画像形成装置
109 色測定手段
406 画像形成制御装置
特開2008−40441号公報
Perry Y Li and Sohail A Dianat "Robust Stabilization of Tone Reproduction Curves for the Xerographic Printing Process" IEEE TRANSACTIONS ON CONTROL SYSTEMS TECHNOLOGY, VOL. 9, NO.2, MARCH 2001

Claims (6)

  1. 電子写真のプロセスを用いてトナー像を形成する画像形成部を制御する画像形成制御装置において、
    前記トナー像の色の測定値を取得する測定値取得手段と、
    前記測定値をフィードバックし、フィードバックされた前記測定値と予め設定されている目標値との差に基づいて決定される操作量に応じて画像形成に係るプロセスパラメータに対する設定値を決定する設定値決定手段と、を備え、
    前記設定値決定手段は、フィードバック制御の繰り返しによる前記トナー像の状態の時系列変化を近似する予測式を用いて前記操作量に対する制約条件に係る制約付評価関数を最小化しつつ、前記トナー像が現在の状態から所望の状態になるまでの理想的な時間変化を表す参照軌道に近くなるように前記操作量の系列を求め
    前記予測式は、前記プロセスパラメータの変化に対する出力変化を表す行列を含み、当該行列は直前の前記プロセスパラメータに対する設定値に応じて変更される、
    ことを特徴とする画像形成制御装置。
  2. 前記設定値決定手段は、前記制約付評価関数を最小化する最適な前記操作量の系列を求めるに際し、2次計画問題の解法を適用する、
    ことを特徴とする請求項1記載の画像形成制御装置。
  3. 電子写真のプロセスを用いてトナー像を形成する画像形成部と、
    前記トナー像の色を測定する色測定手段と、
    前記色測定手段による測定値を取得する測定値取得手段と、
    前記測定値をフィードバックし、フィードバックされた前記測定値と予め設定されている目標値との差に基づいて決定される操作量に応じて画像形成に係るプロセスパラメータに対する設定値を決定する設定値決定手段と、
    を備え、
    前記設定値決定手段は、フィードバック制御の繰り返しによる前記トナー像の状態の時系列変化を近似する予測式を用いて前記操作量に対する制約条件に係る制約付評価関数を最小化しつつ、前記トナー像が現在の状態から所望の状態になるまでの理想的な時間変化を表す参照軌道に近くなるように前記操作量の系列を求め
    前記予測式は、前記プロセスパラメータの変化に対する出力変化を表す行列を含み、当該行列は直前の前記プロセスパラメータに対する設定値に応じて変更される、
    ことを特徴とする画像形成装置。
  4. 前記設定値決定手段は、前記制約付評価関数を最小化する最適な前記操作量の系列を求めるに際し、2次計画問題の解法を適用する、
    ことを特徴とする請求項記載の画像形成装置。
  5. 電子写真のプロセスを用いてトナー像を形成する画像形成装置で実行される画像形成制御方法であって、
    前記画像形成装置は、制御部と記憶部を備え、前記制御部において実行される、
    測定値取得手段が、前記トナー像の色の測定値を取得するステップと、
    設定値決定手段が、前記測定値をフィードバックし、フィードバックされた前記測定値と予め設定されている目標値との差に基づいて決定される操作量に応じて画像形成に係るプロセスパラメータに対する設定値を決定するステップと、
    を含み、
    前記設定値決定手段は、フィードバック制御の繰り返しによる前記トナー像の状態の時系列変化を近似する予測式を用いて前記操作量に対する制約条件に係る制約付評価関数を最小化しつつ、前記トナー像が現在の状態から所望の状態になるまでの理想的な時間変化を表す参照軌道に近くなるように前記操作量の系列を求め
    前記予測式は、前記プロセスパラメータの変化に対する出力変化を表す行列を含み、当該行列は直前の前記プロセスパラメータに対する設定値に応じて変更される、
    ことを特徴とする画像形成制御方法。
  6. 前記設定値決定手段は、前記制約付評価関数を最小化する最適な前記操作量の系列を求めるに際し、2次計画問題の解法を適用する、
    ことを特徴とする請求項記載の画像形成制御方法。
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