JP5380844B2 - 画像形成装置の製造方法、及び画像形成装置の部材間接触圧力の調整方法 - Google Patents
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しかしながらこの方法では、接触圧力を正確に把握することや、細かい調整をすること等が難しかった。例えば電子写真感光体と各手段とが、実際に、目的とする接触圧力で接しているか否かの判断や、接触面内でどのような接触圧力分布を有しているか等の把握等が難しかった。
本発明は上述の課題に鑑みてなされたものである。即ち、本発明の目的は、電子写真感光体と、その電子写真感光体に接して配置される手段との部材間接触圧力が正確に調整された画像形成装置や、上記部材間接触圧力の調整方法、及び上記部材間接触圧力の調整方法を利用した画像形成装置の製造方法を提供することにある。
本発明の画像形成装置、画像形成装置の部材間接触圧力の調整方法、及び画像形成装置の製造方法についてそれぞれ説明する。
まず、本発明の画像形成装置について説明する。本発明の画像形成装置は、電子写真感光体と、上記電子写真感光体を帯電させる帯電手段と、帯電した上記電子写真感光体に対し像露光を行い、静電潜像を形成する像露光手段と、上記電子写真感光体上に形成された上記静電潜像にトナーを付着させてトナー像を形成する現像手段と、上記電子写真感光体上の上記トナー像を被転写体に転写する転写手段と、上記被転写体に転写されたトナーを定着させる定着手段とを備え、上記帯電手段、上記像露光手段、上記現像手段、上記転写手段、及び上記定着手段のうち少なくとも一つが上記電子写真感光体と接触して配置されるものである。
本発明の画像形成装置においては、帯電手段、像露光手段、現像手段、転写手段、及び定着手段のうちの一つの手段のみが、電子写真感光体と接触して配置されていてもよく、また二つ以上の手段がそれぞれ電子写真感光体と接触して配置されていてもよい。
上記部材間接触圧力の測定に用いられる接触圧力調整用フィルムには、そのすべり特性の規定方法の違いから2つの実施態様がある。以下、それぞれの実施態様についてわけて説明する。
まず、第1の実施態様における接触圧力調整用フィルムは、本発明に係る電子写真感光体の周面の一部に接触圧力調整用フィルムを巻装し、前記接触圧力調整用フィルムの一端に荷重をかけ、前記電子写真感光体を回転させた状態で他端における引張り荷重値を測定した際の前記引張り荷重値の変動幅が15%以下となるようなフィルムである。
(引張り荷重値の最大値/引張り荷重値の最小値−1)×100
が、15%以下であることを表す。画像形成装置を均一な品質で効率よく、多数生産することが可能となるため、この変動幅は13%以下であることが好ましく、特に10%以下であることが好ましい。
第2の実施態様における接触圧力調整用フィルムは、後述する電子写真感光体の表面粗さRzopcと接触圧力調整用フィルムの表面粗さRzfilmとの和が、通常0.30μm以上となるものであり、好ましくは0.32μm以上、より好ましくは0.35μm以上である。また通常3.5μm以下、好ましくは3.0μm以下、より好ましくは2.5μm以下である。
接触圧力調整用フィルムの表面粗さRzfilmとしては、通常0.20μm以上、好ましくは0.22μm以上、特に0.25μm以上である。また通常3.0μm以下、好ましくは2.8μm以下、より好ましくは2.5μm以下である。
上記接触圧直調整用フィルムの表面粗さRzfilmは、JIS B 0601:2001の規定に準拠する測定方法により測定される値である。
なお、本実施態様における接触圧力調整用フィルムの形状、厚さ、弾性率、硬度、引張り伸び率、及び材料等については、第1の実施態様で説明したものと同様とすることができる。
次に、部材間接触圧力の調整方法について図4を用いて説明する。部材間接触圧力の調整方法として具体的には、上記接触圧力調整用フィルム101を、例えば図5に示すような静止している画像形成装置110の電子写真感光体1と、上記接触配置手段(ここでは現像手段4の現像ローラ44)との接触部に挿入する。この際、上記接触圧力調整用フィルム101の先端が、電子写真感光体1と接触配置手段44との接触位置から通常10mm以上、30mm以下潜りこむように接触圧力調整用フィルム101を挿入する。またこの際、電子写真感光体1のギア(図示せず)側の端部から、電子写真感光体1の幅の通常5%以上中央側の領域、好ましくは10%以上中央側の領域、また通常20%以下中央側の領域、好ましくは15%以下中央側の領域に、接触圧力調整用フィルム101がかかるように、上記接触圧力調整用フィルム101を挿入する。これにより、接触配置手段44がクラウン量を有するように(ローラ端部の外径を傾斜が付くように端部方向に小さくした形状に)形成されている場合等であっても、部材間接触圧力を好適な範囲に調整することができる。
次に、本発明における画像形成装置について説明する。
本発明における画像形成装置は、電子写真感光体と、上記電子写真感光体を帯電させる帯電手段と、帯電した上記電子写真感光体に対し像露光を行い、静電潜像を形成する像露光手段と、上記電子写真感光体上に形成された上記静電潜像にトナーを付着させてトナー像を形成する現像手段と、上記電子写真感光体上の上記トナー像を被転写体に転写する転写手段と、上記被転写体に転写されたトナーを定着させる定着手段とを備え、上記帯電手段、上記像露光手段、上記現像手段、上記転写手段、及び上記定着手段のうち少なくとも一つが上記電子写真感光体と接触して配置されるものである。
図5に示すように、画像形成装置は、電子写真感光体1、帯電手段2、像露光手段3及び現像手段4、転写手段5、及び定着手段7を備え、必要に応じてクリーニング手段6や除電手段(図示せず)を備え、例えばこの電子写真感光体1の外周面に沿って、帯電手段2、像露光手段3、現像手段4、転写手段5及びクリーニング手段6等がそれぞれ配置されている。
本発明においては、上述したように、上記手段のうち1つ、または2つ以上の手段が上記電子写真感光体1と接触して配置される。
以下、本発明の画像形成装置の各部材について説明する。
上記電子写真感光体1は、本発明において特に制限はなく、従前知られた何れの構成も使用することができる。図5ではその一例として、円筒状の導電性支持体の表面に感光層を形成したドラム状の感光体を示している。電子写真感光体のより具体的な構成としては、例えば、導電性支持体上に、電荷発生物質を含有する電荷発生層と電荷輸送物質を含有する電荷輸送層とから構成される積層型感光層を有する構成や、導電性支持体上に、電荷輸送物質を含有する層中に電荷発生物質を分散させた単層型感光層を有する構成等とすることができる。
帯電手段2は、電子写真感光体1を帯電させるもので、電子写真感光体1の表面を所定電位に均一帯電させることが可能なものであれば特に限定されない。図5では帯電手段2の一例としてローラ型の帯電手段(帯電ローラ)を示しているが、他にもコロトロンやスコロトロン等のコロナ帯電手段、帯電ブラシ等の接触型帯電手段などがよく用いられる。接触型帯電手段の材料としては、導電性を付与した弾性体が一般的である。
像露光手段3は、電子写真感光体1に像露光を行なって電子写真感光体1の感光面に静電潜像を形成することができるものであれば、その種類に特に制限はない。具体例としては、 ハロゲンランプ、蛍光灯、半導体レーザー、LEDなどが挙げられる。また、感光体内部露光方式によって露光を行なうようなものであってよい。露光を行なう際の光は、通常波長380nm〜800nmの単色光を用いることができ、本発明において特に制限はない。
現像手段4は、上記電子写真感光体1上に形成された上記静電潜像にトナーを付着させてトナー像を形成することが可能なものであれば、その種類に特に制限はなく、カスケード現像、一成分導電トナー現像、二成分磁気ブラシ現像などの乾式現像方式や、湿式現像方式などの任意の手段を用いることができる。図5では、現像手段4は、現像槽41、アジテータ42、供給ローラ43、現像ローラ44、及び、規制部材45からなり、現像槽41の内部にトナーTを貯留している構成となっている。
また、必要に応じ、トナーTを補給する補給装置(図示せず)を現像手段4に付帯させる構成としてもよい。この補給装置は、ボトル、カートリッジなどの容器からトナーTを補給することが可能となるように構成される。
また多くの場合、トナーTはトナーカートリッジ中に蓄えられ、画像形成装置本体から取り外し可能に設計される。使用しているトナーカートリッジ中のトナーTが無くなった場合に、このトナーカートリッジを画像形成装置本体から取り外し、別の新しいトナーカートリッジを装着することができるような構成とすることが、トナーTの補給の利便性等の面から好ましい。
転写手段5は、上記電子写真感光体1上に形成されたトナー像を被転写体に転写することが可能なものであれば、その種類に特に制限はなく、コロナ転写、ローラ転写、ベルト転写などの静電転写法、圧力転写法、粘着転写法など、任意の方式を用いた手段とすることができる。例えば転写手段5が電子写真感光体1に対向して配置された転写チャージャー、転写ローラ、転写ベルト等から構成されるものとすることができる。この転写手段5は、トナーTの帯電電位とは逆極性で所定電圧値(転写電圧)を印加し、電子写真感光体1に形成されたトナー像を被転写体(記録紙)Pに転写する。
クリーニング手段6は、電子写真感光体1に付着している残留トナーをクリーニング部材で掻き落とし、残留トナーを回収するものである。その種類に特に制限はなく、ブラシクリーナー、磁気ブラシクリーナー、静電ブラシクリーナー、磁気ローラクリーナー、ブレードクリーナーなど、任意のクリーニング手段を用いることができる。但し、クリーニング手段6、電子写真感光体1表面に残留するトナーが少ないか、殆ど無い場合には、クリーニング手段6は無くても構わない。
定着手段7は、例えば上部定着部材(加圧ローラ)71及び下部定着部材(定着ローラ)72から構成されるもの等とすることができ、通常、定着部材71または72の内部には加熱装置73が通常備えられる。図5では、上部定着部材71の内部に加熱装置73が備えられた例を示す。上部及び下部の各定着部材71、72は、ステンレス、アルミニウムなどの金属素管にシリコンゴムを被覆した定着ロール、更にテフロン(登録商標)樹脂で被覆した定着ロール、定着シートなどが公知の熱定着部材を使用することができる。更に、各定着部材71、72は、離型性を向上させる為にシリコーンオイル等の離型剤を供給する構成としてもよく、バネ等により互いに強制的に圧力を加える構成としてもよい。
なお、定着手段についてもその種類に特に限定はなく、ここで用いたものをはじめ、熱ローラ定着、フラッシュ定着、オーブン定着、圧力定着など、任意の方式による定着手段を設けることができる。
除電手段としては、上記電子写真感光体1の除電を行うことが可能な手段であれば特に限定されるものではない。除電方法としては、通常、蛍光灯、LED等を用いて電子写真感光体1にエネルギーを照射する方法が挙げられる。なお上記除電工程で用いる光は、強度としては像露光の際の露光光の3倍以上の露光エネルギーを有する光である場合が多い。
次に、本発明における画像形成装置の部材間接触圧力の調整方法について説明する。本発明における画像形成装置の部材間接触圧力の調整方法は、電子写真感光体と、上記電子写真感光体を帯電させる帯電手段と、帯電した上記電子写真感光体に対し像露光を行い、静電潜像を形成する像露光手段と、上記電子写真感光体上に形成された上記静電潜像にトナーを付着させて現像する現像手段と、上記電子写真感光体上の上記トナーを被転写体に転写する転写手段と、上記被転写体に転写されたトナーを定着させる定着手段とを備え、上記帯電手段、上記像露光手段、上記現像手段、上記転写手段、及び上記定着手段のうち少なくとも一つが上記電子写真感光体と接触して配置される画像形成装置の、上記電子写真感光体と上記電子写真感光体に接触して配置される手段との部材間接触圧力を調整する方法である。
以下、上記部材間接触圧力の調整方法、本発明が適用可能な画像形成装置、及び本発明を行う時期について説明する。また、所定のすべり特性を有する接触圧力調整用フィルムについては、上述した「A.画像形成装置」で説明したものと同様とすることができる。
本発明における部材間接触圧力の調整は、上記引張り力を調整することにより行なわれる。すなわち、所定のすべり特性を有する接触圧力調整用フィルムを電子写真感光体と接触配置手段との間に挿入し、電子写真感光体を回転させた際の前記接触圧力調整用フィルムの引張り力が所定の範囲内となるように、電子写真感光体及び接触配置手段との距離や位置等を調整することにより上記部材間接触圧力を調整する。接触圧力調整用フィルムの引張り力は、電子写真感光体と接触配置部材との部材間接触圧力に比例して変化するものであるから、予め良好な部材間接触圧力となる場合における動摩擦力(引張り力)の数値範囲を求めておく。次いでこの数値範囲に接触圧力調整用フィルムの引張り力の測定値が入るように電子写真感光体と接触配置部材との距離等を調整して設定する。これにより、上記部材間接触圧力が良好な範囲となるように調整することができる。なお、良好な部材間接触圧力となる場合における引張り力の数値範囲は、実際に画像形成を行い、形成される画像品質を基準にして決定することができる。
このような部材間接触圧力の具体的な態様については、上述した「A.画像形成装置」の部材間接触圧力の調整方法で説明した態様と同様とすることができる。
本発明の部材間接触圧力の調整方法が適用可能な画像形成装置としては、帯電手段、像露光手段、現像手段、転写手段、及び上記定着手段を少なくとも備え、上記手段のうち少なくとも一つが上記電子写真感光体と接触して配置される画像形成装置であれば特に限定されず、上記帯電手段、上記像露光手段、上記現像手段、上記転写手段、及び上記定着手段のうちの一つの手段のみが、上記電子写真感光体と接触して配置されていてもよく、また二つ以上の手段がそれぞれ上記電子写真感光体と接触して配置されていてもよい。二つ以上の手段が、電子写真感光体と接触して配置されている場合には、電子写真感光体と接触して配置されている手段のうちの一部の手段と電子写真感光体との部材間接触圧力のみを上記接触圧力調整用フィルムを用いて調整してもよい。また電子写真感光体と接触して配置されている全ての手段と電子写真感光体との部材間接触圧力を、上記接触圧力調整用フィルムを用いて調整してもよい。
なお、本発明を適用可能な画像形成装置の具体例としては、上述した「A.画像形成装置」で説明したものと同様とすることができる。なお、本発明の要旨を逸脱しない限り、上記画像形成装置に限定されるものではなく、いかなる変更を行なうことも可能である。
本発明は、例えば上述したような画像形成装置を組み立てた後に行う調整の一環として上記方法を行ってもよく、また例えば上記画像形成装置に不具合が生じた場合に上記方法を行ってもよい。またさらに画像形成装置の定期的な検査として上記方法を行ってもよい。なお、本発明の要旨を逸脱しない限り、上記時期に限定されるものではない。
次に、本発明の画像形成装置の製造方法について説明する。本発明は、電子写真感光体と、前記電子写真感光体を帯電させる帯電手段と、帯電した前記電子写真感光体に対し像露光を行い、静電潜像を形成する像露光手段と、前記電子写真感光体上に形成された前記静電潜像にトナーを付着させてトナー像を形成する現像手段と、前記電子写真感光体上の前記トナー像を被転写体に転写する転写手段と、前記被転写体に転写されたトナーを定着させる定着手段とを備え、かつ前記帯電手段、前記像露光手段、前記現像手段、前記転写手段、及び前記定着手段のうち少なくとも一つが前記電子写真感光体と接触して配置される画像形成装置の製造方法である。
以下、上記部材間接触圧力を設定する工程、及びその他の工程について説明する。なお、本発明により製造される画像形成装置の例としては、上述した「A.画像形成装置」で説明した画像形成装置の例と同様とすることができる。なお、本発明の要旨を逸脱しない限り、上記画像形成装置に限定されるものではなく、いかなる変更を行なうことも可能である。また、所定のすべり特性を有する接触圧力調整用フィルムについては、上述した「A.画像形成装置」で説明したものと同様とすることができる。
本発明において部材間接触圧力を設定する工程は、所定のすべり特性を有する電子写真感光体と接触配置手段との間に挿入し、電子写真感光体を回転させた際の前記接触圧力調整用フィルムの引張り力が所定の範囲内となるように、電子写真感光体と接触配置手段との距離や位置等を調整することにより上記部材間接触圧力を調整する工程とすることができる。接触圧力調整用フィルムの引張り力は、電子写真感光体と規制部材との接触圧力に比例して変化するものであるから、予め良好な部材間接触圧力となる場合における動摩擦力(引張り力)の数値範囲を求めておき、この数値範囲に接触圧力調整用フィルムの引張り力の測定値が入るように電子写真感光体と接触配置部材との距離等を調整して設定することによって、電子写真感光体と接触配置手段との部材間接触圧力を目的とする範囲に調整することができる。
本発明は、上述した部材間接触圧力を設定する工程以外にも、必要に応じて適宜他の手段を有していてもよく、例えば上記各手段を形成する工程や、上記各手段を所定の位置に配置する工程等を有するものとすることができる。
以下の実施例及び比較例において、表面粗さRzは、特に言及しない限り、JIS B 0601:2001の規定に準拠する測定方法により測定される値である。
アルミニウム押し出し管を、しごき形成し、直径24mm、長さ246mm、厚さ0.8mm、表面粗さRzが1.0μmのアルミニウム素管を作製した。前記アルミニウム素管を陽極酸化処理し、6μmの陽極酸化皮膜を有する導電性支持体を作製した。
アルミニウム素管として、アルミニウム押し出し管を引き抜き加工し、更に天然ダイヤモンドの焼結体の平バイトを用い、切り込み量30μm、切削送り速度200μm/rev.として切削加工を行い、直径24mm、長さ246mm、厚さ0.8mm、表面粗さRzが0.7μmのアルミニウム素管を用いた以外は、導電性支持体Aと同様にして導電性支持体Bを作製した。
CuKα特性X線によるX線回折において、ブラッグ角(2θ±0.2)9.6°,27.2゜に強い回折ピークを示すオキシチタニウムフタロシアニン10重量部と、1,2−ジメトキシエタン140重量部とを混合し、サンドグラインドミルで2時間粉砕して微粒化分散処理を行なった。続いてこの微粒化分散処理液と、10重量部のポリビニルブチラール(電気化学工業(株)製、商品名「デンカブチラール」#6000C)、487重量部の1,2−ジメトキシエタン、85重量部の4−メトキシ−4−メチル−2−ペンタノンを混合して、固形分濃度3.4重量%の電荷発生層用塗布液を製造した。
下記式(1)で表される化合物47重量部、下記式(2)で表される化合物3重量部、下記式(3)で表される化合物1.5重量部、下記式(4)で表される化合物8重量部、下記式(5)で表される化合物1重量部、シリコーンオイル0.03重量部、および下記式(6)で表されるポリカーボネート樹脂(粘度平均分子量30,200)100重量部を、テトラヒドロフランとトルエンとの混合溶媒(テトラヒドロフラン70重量%、トルエン30重量%)680重量部に混合し、電荷輸送層形成用塗布液を製造した。
上記導電性支持体Aの表面上に、前記電荷発生層用塗布液を、乾燥後の膜厚が0.35μmとなるように浸漬塗布、乾燥して電荷発生層を形成した。更に、該電荷発生層上に、前記電荷輸送層用塗布液を、乾燥後の膜厚が22μmになるように浸漬塗布、乾燥して、積層型感光層を有する電子写真感光体を作製した。更に同様の方法により、同構成の電子写真感光体を合計3個作製した。これらの電子写真感光体を、電子写真感光体1、電子写真感光体2、及び電子写真感光体3とする。電子写真感光体1、2、及び3の表面粗さRzopcは、それぞれ0.32μm、0.29μm、0.31μmであった。
また、上記導電性支持体Bの表面上に、前記電荷発生層用塗布液を、乾燥後の膜厚が0.35μmとなるように浸漬塗布、乾燥して電荷発生層を形成した。更に、該電荷発生層上に、前記電荷輸送層用塗布液を、乾燥後の膜厚が22μmになるように浸漬塗布、乾燥して、積層型感光層を有する電子写真感光体を作製した。更に同様の方法により、同構成の電子写真感光体を合計3個作製した。これらの電子写真感光体を、電子写真感光体4、電子写真感光体5、及び電子写真感光体6とする。電子写真感光体4、5、及び6の表面粗さRzopcは、それぞれ0.09μm、0.11μm、0.10μmであった。
(接触圧力調整用フィルムA)
厚さ38μm、表面粗さRzfilm0.36μmであるポリエチレンテレフタレートフィルム(商品名T100:三菱化学ポリエステルフィルム(株)社製)を、幅5mm、長さ110mmに切断し、接触圧力調整用フィルムAとした。
厚さ38μm、表面粗さRzfilm0.21μmであるポリエチレンテレフタレートフィルム(商品名ルミラーS10:東レ(株)社製)を、幅5mm、長さ110mmに切断し、接触圧力調整用フィルムBとした。
厚さ40μm、表面粗さRzfilm0.12μmであるポリプロピレンフィルムを、幅5mm、長さ110mmに切断し、接触圧力調整用フィルムCとした。
・電子写真感光体1と接触圧力調整用フィルムAとの組み合わせ
前記電子写真感光体1を水平に設置し、上記接触圧力調整用フィルムAの一端に50gの重りを装着し、前記接触圧力調整用フィルムAを上記電子写真感光体の周面1/4に巻装して、接触圧力調整用フィルムAの他端を水平に保持した。なお、接触圧力調整用フィルムAの他端には、Digital Force Gauge(IMADA(株)製)を取り付けた。また、接触圧力調整用フィルムの巻装位置は、電子写真感光体1のギア側の端部から40mmの位置にかかる位置とした。
この状態で、前記電子写真感光体を回転速度50rpmで、接触圧力調整用フィルムAがテンションゲージから離れて引っ張られるような方向に回転させ、前記接触圧力調整用フィルムAの他端にかかる引張り荷重の値を、0.5秒間隔でDigital Force Gauge(IMADA(株)製)からの出力信号として、記録した。
同様の方法により、接触圧力調整用フィルムBについても、電子写真感光体1を用いて引張り荷重値を測定したところ、引張り荷重値の変動幅は、12.8%であった。引張り荷重値の測定値を図7のグラフに示す。
同様の方法により、接触圧力調整用フィルムCについても、電子写真感光体1を用いて引張り荷重値を測定したところ、引張り荷重値の変動幅は、24.8%であった。引張り荷重値の測定値を図8のグラフに示す。
同様の方法により、電子写真感光体4を用い、接触圧力調整用フィルムAについて引張り荷重値を測定したところ、引張り荷重値の変動幅は、12.4%であった。引張り荷重値の測定値を図9のグラフに示す。
同様の方法により、電子写真感光体4を用い、接触圧力調整用フィルムBについて引張り荷重値を測定したところ、引張り荷重値の変動幅は、14.3%であった。引張り荷重値の測定値を図10のグラフに示す。
同様の方法により、電子写真感光体4を用い、接触圧力調整用フィルムCについて引張り荷重値を測定したところ、引張り荷重値の変動幅は、48.3%であった。引張り荷重値の測定値を図11のグラフに示す。
(画像形成装置a)
上記電子写真感光体1〜3を、沖データ(株)社製カラープリンタC3400nのカートリッジに搭載し、画像形成装置aとした。
上記電子写真感光体4〜6を、沖データ(株)社製カラープリンタC3400nのカートリッジに搭載し、画像形成装置bとした。
上記接触圧力調整用フィルムAの一端にテンションゲージ(Digital Force Gauge(IMADA(株)製)を取り付けた。次いで、上記接触圧力調整用フィルムAの他端を、電子写真感光体1を用いた画像形成装置aの帯電ローラと、電子写真感光体1との間に挿入した。この際、電子写真感光体1のギア側の端部から40mmの位置にかかるように、上記接触圧力調整用フィルムAを挿入した。
電子写真感光体と帯電ローラとの軸中心を結ぶ線に対して垂直な方向に接触圧力調整用フィルムAを引っ張るように、テンションゲージを構え、電子写真感光体及び帯電ローラを回転速度50rpmで回転させ、このときのテンションゲージの指針(引張り力)を読み取った。続いてこの画像形成装置aにより画像形成を行ない、得られた画像濃度が低ければ上記引張り力を大きくなるように調整し、画像濃度が高ければ引張り力が小さくなるように調整した。この調整を繰り返し、最適濃度となったときの上記引張り力を記録した。
次に、電子写真感光体2を用いた画像形成装置aについて、上記電子写真感光体1の画像濃度が最適となった引張り力と同じとなるように、上記引張り力を調整した。この際、画像形成は行なわなかった。同様に電子写真感光体3を用いた画像形成装置aについても調整した。
電子写真感光体4を用いた画像形成装置b及び上記接触圧力調整用フィルムCを用いた以外は、実施例1と同様に、最適濃度となったときの上記引張り力を記録した。さらに電子写真感光体5及び6を用いた画像形成装置bについて、上記電子写真感光体1の画像濃度が最適となった引張り力と同じとなるように、上記引張り力を調整した。、
電子写真感光体2及び3を用い、接触圧力調整用フィルムAにて調整した画像形成装置aにおいては、いずれも良好な画像を形成することができたが、電子写真感光体5及び6を用い、接触圧力調整用フィルムCにて調整した画像形成装置bにおいては、ブレが大きく、かすれや白抜け等が見られた。また特に画像端部に濃淡(色むら)が見られた。
2 帯電装置(帯電ローラ)
3 露光装置
4 現像装置
5 転写装置
6 クリーニング装置
7 定着装置
41 現像槽
42 アジテータ
43 供給ローラ
44 現像ローラ
45 規制部材
71 上部定着部材(加圧ローラ)
72 下部定着部材(定着ローラ)
73 加熱装置
T トナー
P 被転写体
101 接触圧力調整用フィルム
102 板
103 テンションゲージ
Claims (4)
- 電子写真感光体と、前記電子写真感光体を帯電させる帯電手段と、帯電した前記電子写真感光体に対し像露光を行い、静電潜像を形成する像露光手段と、前記電子写真感光体上に形成された前記静電潜像にトナーを付着させてトナー像を形成する現像手段と、前記電子写真感光体上の前記トナー像を被転写体に転写する転写手段と、前記被転写体に転写されたトナーを定着させる定着手段とを備え、
前記帯電手段、前記像露光手段、前記現像手段、前記転写手段、及び前記定着手段のうち少なくとも一つが前記電子写真感光体と接触して配置される画像形成装置の、前記電子写真感光体と前記電子写真感光体に接触して配置される手段との部材間接触圧力を調整する方法であって、
水平に設置された前記電子写真感光体の周面の一部に接触圧力調整用フィルムを巻装し、前記接触圧力調整用フィルムの一端に50gの荷重をかけ、前記接触圧力調整用フィルムの他端を水平に保持し、前記電子写真感光体を50rpmで回転させた状態で、前記接触圧力調整用フィルムの他端における引張り荷重を測定した際の前記引張り荷重値の変動幅が、15%以下となるような、前記接触圧力調整用フィルムを、前記電子写真感光体と前記電子写真感光体に接触して配置される手段との間に挿入し、前記電子写真感光体を回転させた際の前記接触圧力調整用フィルムの引張り力が所定の範囲内となるように調整することにより、前記部材間接触圧力を調整する
ことを特徴とする画像形成装置の部材間接触圧力の調整方法。 - 前記電子写真感光体の表面粗さRzopcと接触圧力調整用フィルムの表面粗さRzfilmとの和が、0.30μm以上である接触圧力調整用フィルムを、前記電子写真感光体と前記電子写真感光体に接触して配置される手段との間に挿入し、前記電子写真感光体を回転させた際の前記接触圧力調整用フィルムの引張り力が所定の範囲内となるように調整することにより、前記部材間接触圧力を調整する
ことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置の部材間接触圧力の調整方法。 - 電子写真感光体と、前記電子写真感光体を帯電させる帯電手段と、帯電した前記電子写真感光体に対し像露光を行い、静電潜像を形成する像露光手段と、前記電子写真感光体上に形成された前記静電潜像にトナーを付着させてトナー像を形成する現像手段と、前記電子写真感光体上の前記トナー像を被転写体に転写する転写手段と、前記被転写体に転写されたトナーを定着させる定着手段とを備え、
かつ前記帯電手段、前記像露光手段、前記現像手段、前記転写手段、及び前記定着手段のうち少なくとも一つが前記電子写真感光体と接触して配置される画像形成装置の製造方法であって、
水平に設置された前記電子写真感光体の周面の一部に接触圧力調整用フィルムを巻装し、前記接触圧力調整用フィルムの一端に50gの荷重をかけ、前記接触圧力調整用フィルムの他端を水平に保持し、前記電子写真感光体を50rpmで回転させた状態で、前記接触圧力調整用フィルムの他端における引張り荷重を測定した際の前記引張り荷重値の変動幅が、15%以下となるような、前記接触圧力調整用フィルムを、接触圧力調整用フィルムを前記電子写真感光体と前記電子写真感光体に接触して配置される手段との間に挿入し、前記電子写真感光体を回転させた際の前記接触圧力調整用フィルムの引張り力が所定の範囲内となるように調整することにより、前記電子写真感光体と前記電子写真感光体に接触して配置される手段との部材間接触圧力を調整する工程を有する
ことを特徴とする画像形成装置の製造方法。 - 前記電子写真感光体の表面粗さRzopcと接触圧力調整用フィルムの表面粗さRzfilmとの和が、0.30μm以上である接触圧力調整用フィルムを、前記電子写真感光体と前記電子写真感光体に接触して配置される手段との間に挿入し、前記電子写真感光体を回転させた際の前記接触圧力調整用フィルムの引張り力が所定の範囲内となるように調整することにより、前記電子写真感光体と前記電子写真感光体に接触して配置される手段との部材間接触圧力を調整する工程を有する
ことを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置の製造方法。
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