JP5379661B2 - 補助噴出口付き排気器具、及び、その補助噴出口付き排気器具を用いた排気ユニット - Google Patents

補助噴出口付き排気器具、及び、その補助噴出口付き排気器具を用いた排気ユニット Download PDF

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Description

本発明は、室内で発生する汚染気体や蒸気などの排出に用いる補助噴出口付き排気器具、及び、その補助噴出口付き排気器具を用いた排気ユニットに関し、
詳しくは、排気対象域に開口させた状態で排気対象域の域内気体を吸い込ませる排気口を形成するとともに、排気対象域に対して補助気体を前記排気口の周縁近傍から排気口の開口面に沿う方向で排気口外向きに噴出させる補助噴出口を設けてある補助噴出口付き排気器具、及び、その補助噴出口付き排気器具を用いた排気ユニットに関する。
この種の補助噴出口付き排気器具は、図9(a)に示す如く、補助噴出口11からの噴出補助気体Sによる周囲域内気体Rの誘引により図中破線で示す如き誘引境界流fkを排気口2の近傍に形成するようにしたものであり、この誘引境界流fkは当初、排気口2の吸い込み作用で排気口2へ向かう域内気体Rの吸込流frとともに、その吸込流frと周囲域内気体Rとの間の境界部K(図中、二点鎖線で示す)を排気口2に向かって流れ、その後、排気口2の周縁近傍で域内気体Rの吸込流frから分かれて補助気体Sの噴出流fsに合流する気流である。
即ち、この種の補助噴出口付き排気器具は、この誘引境界流fkの形成により、補助噴出口11を備えない図9(b)に示す如き一般の排気器具(すなわち、域内気体Rの吸込流frの等速線nが同心円となる無指向性の器具)に比べ、排気口2を中心とする吸い込み作用の拡がり角度θ(言わば吸込範囲)を制限して排気口2の吸い込み作用に指向性を与える。
また、その指向性の付与により排気口2から一定距離Zの位置での吸込風速Vzを増大させ、これにより、排気対象域1において局所的に発生する汚染気体や蒸気などの排気対象の局所発生気体Gを集中的に効率良く排出する集中排気機能を持たせるようにしたものである。
従って、この補助噴出口付き排気器具を用いれば、排気口2の吸込風量Qeを小さくしながらも、排気対象の局所発生気体Gが域内に拡散するのを効果的に防止して局所発生気体Gをより確実に排出することができ、これにより、排気ファンの小型化による設備コストや運転コストの低減が可能になり、また、吸込風量Qeが大きいことで冷暖房の効果が低減したり作業環境の悪化を招いたりするなどのことも回避することができる。
なお、排気口2から一定距離Zの位置での吸込風速Vzの増大は、排気口2の吸い込み作用が及ぶ限界吸込距離Zm(厳密には吸込流frの風速Vzが所定の下限値となる距離)の増大に等しい。
米国特許4,043,257号公報 特開2007−100978号公報
しかし、この補助噴出口付き排気器具については、設備コストや運転コストの一層の低減を図る上で、また、種々の使用条件の下で十分な集中排気機能を確実に得られるようにする上で、集中排気機能の一層の向上が望まれている。
この実情に鑑み、本発明の主たる課題は、合理的な改良により、補助噴出口付き排気器具の集中排気機能を一層向上させるとともに、その補助噴出口付き排気器具を用いた利便性の高い排気ユニットを提供する点にある。
本発明の第1特徴構成は補助噴出口付き排気器具に係り、その特徴は、
排気対象域に開口させた状態で排気対象域の域内気体を吸い込ませる排気口を形成するとともに、排気対象域に対して補助気体を前記排気口の周縁近傍から排気口の開口面に沿う方向で排気口外向きに噴出させる補助噴出口を設けてある補助噴出口付き排気器具であって、
前記排気口の中央部に部分的に位置して排気対象域に対する排気口面積を制限する中央遮風部材を設け
前記中央遮風部材における排気口奥側に向う部分の形状を、排気口奥側ほど断面積が漸次的に小さくなる状態で中央遮風部材の最大太さ寸法より長く排気口奥側に延びる形状にしてある点にある。
つまり、この種の補助噴出口付き排気器具についてさらに説明すると、図6(b)に示す器具要部の諸元の内容は次の通りである。
Qe:排気口2の吸込風量(m3/h)
Ae:排気口2の面積(m2)
De:排気口2の直径(m)
Ve:排気口2における吸込風速(m/s)
Qs:補助噴出口11の補助気体噴出風量(m3/h)
As:補助噴出口11の面積(m2)
Vs:補助噴出口11における補助気体噴出風速(m/s)
Z:排気口2からの距離
Vz:排気口からの距離Zの位置での吸込風速
この種の補助噴出口付き排気器具の集中排気性能は、排気口2における吸込気体Rの運動量と補助噴出口11における噴出補助気体Sの運動量との比を示す次のI値をもって表すことができる。
I値=(Qs・Vs)/(Qe・Ve)………〔式1〕
そして、排気口2における吸込風速Ve及び排気口2の面積Aeが等しい条件下では、このI値が大きいほど、排気口2を中心とする吸い込み作用の拡がり角度θ(吸込範囲)が小さくなるとともに、排気口2から一定距離Zの位置での吸込気体Rの吸込風速Vzが大きくなり、集中排気機能が高くなる。
図7のグラフは、横軸に排気口直径Deと排気口2からの距離Zとの比である比吸込距離(Z/De)を採り、縦軸に排気口2における吸込風速Veと排気口2からの距離Zの位置での吸込風速Vzとの比である比吸込風速(Vz/Ve)を採ったものであり、これら比吸込距離(Z/De)及び比吸込風速,(Vz/Ve)とI値との関係を示すものである。
ここで、排気口2に中央遮蔽部材を設けない従来器具H′(図6(b)参照)と、この従来器具H′に上記の如き中央遮蔽部材18を設けて排気口面積Aeを従来器具H′の半分(ここでは説明の簡略化のため、この半分の開口面積をAe/2と表現する)にした本発明器具H(図6(a)参照)とを比較してみる。
従来器具H′のI値を1.2と仮定すると上記の〔式1〕から次式が成り立つ。
I値(従来)=(Qs・Vs)/(Qe・Ve)=1.2………〔式2〕
これに対し、本発明器具Hは排気口2の面積Aeが従来器具H′の半分(Ae/2)で排気口2における吸込風速Veが従来器具H′の2倍(2Veと表現する)となることから、本発明器具HのI値は次式で表すことができる。
I値(本発明)=(Qs・Vs)/(Qe・2Ve)
=1/2×(Qs・Vs)/(Qe・Ve)………〔式3〕
〔式3〕に〔式2〕を代入すると、
I値(本発明)=1/2×1.2となり、本発明器具HのI値は0.6になる。(但し、中央遮蔽部材18による圧力損失の影響は無視している)
これを基に、図7のグラフにおいて例えば比吸込距離(Z/De)=3の箇所に注目すると、I値=1.2の従来器具H′では、
(Z/De)=3における比吸込風速(Vz/Ve)=0.038となり、
I値=0.6の本発明器具Hでは、
(Z/De)=3における比吸込風速(Vz/Ve)=0.032となる。
しかし、これら比吸込風速(Vz/Ve)から距離Zの位置での吸込風速Vzを求めると、従来器具H′の排気口2における吸込風速Veに対して本発明器具Hの排気口2における吸込風速Veは2倍(2Ve)であるから次のようになる。
従来器具H′の距離Zの位置での吸込風速Vz=0.038×Ve
本発明器具Hの距離Zの位置での吸込風速Vz=0.032×2Ve
=0.064×Ve
即ち、排気口2からの距離Zの位置での吸込風速Vzが、中央遮風部材18を設ける本発明器具Hでは中央遮風部材を設けない従来器具H′の1.68倍(=0.064/0.038倍)となり、本発明器具Hの集中排気機能の方が従来器具H′の集中排気機能よりも高くなる。そして、このことは実験によっても確認された。
以上のことから明らかなように、上記の第1特徴構成によれば、排気対象域において局所的に発生する汚染気体や蒸気などの排気対象の局所発生気体Gを集中的に効率良く排出する集中排気機能(即ち、排気口を中心とする吸引作用の拡がり角度θを小さくして排気口から一定距離Zの位置での吸込風速Vzを増大させる機能)を先述した従来の補助噴出口付き排気器具に比べ一層向上させることができる。
ちなみに、排気口2における吸込風速Veを大きくするには、上記の如き中央遮風部材18を設けるのに代え、排気口2の直径Deそのものを小さくして排気口面積Aeを小さくする方式も考えられる。
しかし、中央遮風部材18を設けて排気口面積Aeを従来器具H′の半分(Ae/2)にする上述の本発明器具H(図8(a)参照)と、排気口2の直径Deを小さくして排気口面積Aeを従来器具H′の半分(Ae/2)にする比較器具H″(図8(b)参照)とを比較すると、本発明器具Hでは見かけ上、排気口2の直径Deが従来器具H′と等しい(ここではDeと表現する)と見なせるのに対し、比較器具H″では排気口面積Aeを従来器具H′の半分(Ae/2)にするのに排気口2の直径Deが従来器具H′の約70%程度(ここでは0.7Deと表現する)になる。
このことは、相似則からして、同一の吸込風速Vzを得ることができる排気口2からの距離Zが、比較器具H″では本発明器具Hの70%(ここでは0.7Zと表現する)になることを意味しており、このことから判るように本発明器具Hの集中排気機能の方が比較器具H″の集中排気機能よりも高くなる。
また、排気口2における吸込風速(2Ve)の分布について見ると、図8(b)に示すように比較器具H″では排気口2の中央部の吸込風速(2Ve)が大きくなるのに対し、図8(a)に示すように本発明器具Hでは排気口2における中央遮風部材18の周囲の吸込風速(2Ve)が大きくなる。
ここで一般に、排気口2へ向かう吸込流frと周囲域内気体Rとの間の境界部の近くでは、吸込流frの風速Vzが小さくなるほど吸込対象気体Rの周囲への拡散が助長されるが、本発明器具Hでは上記の如く排気口2における中央遮風部材18の周囲の吸込風速Veが大きくなることで吸込対象気体Rの周囲への拡散も抑止され、このことからも本発明器具Hの集中排気機能の方が比較器具H″の集中排気機能よりも高くなる。
即ち、上記の第1特徴構成によれば、中央遮風部材を設けない従来の補助噴出口付き排気器具H′に比べ、また、排気口直径Deそのものを小さくして排気口における吸込風速Veを大きくする上記比較器具H″に比べても、集中排気機能を一層向上させることができ、補助噴出口付き排気器具の集中排気機能を極めて効果的に向上させることができる。
なお、第1特徴構成の実施において排気口の形状は円形に限られるものではなく、四角形等の多角形や楕円形あるいはライン状の偏平長方形など、どのような形状であってもよい。
さらに、第1特徴構成では、前記中央遮風部材における排気口奥側に向う部分の形状を、排気口奥側ほど断面積が漸次的に小さくなる状態で中央遮風部材の最大太さ寸法より長く排気口奥側に延びる形状にしてあるため、次の作用効果も奏する。
つまり、排気口に吸い込まれた後の中央遮風部材の周りにおける吸い込み気体の流れ、及び、それに続く中央遮風部材よりも下流側での吸い込み気体の流れを、中央遮風部材の上記の如き排気口奥側への延び形状により円滑化するとともに安定化することができ、これにより、所期の集中排気機能の向上を一層確実かつ一層効果的に達成することができる。
本発明の第2特徴構成は、第1特徴構成の実施に好適な実施形態を特定するものであり、その特徴は、
前記中央遮風部材における排気対象域の側に向かう部分の形状を錐状又は半球状の尖頭形状にしてある点にある。
つまり、この構成によれば、排気口への吸い込み気体が中央遮風部材に衝突することで排気口の近傍において渦流が生じることを、中央遮風部材の上記の如き尖頭形状により抑止することができ、これにより、排気口における吸い込み気体の流れを円滑化するとともに安定化して、所期の集中排気機能の向上を一層確実かつ一層効果的に達成することができる。
本発明の第特徴構成は、第1又は第2特徴構成のいずれかの実施に好適な実施形態を特定するものであり、その特徴は、
前記排気口から排気対象域の側に向って拡がる形状の排気フードを設け、この排気フードの先端周縁部に前記補助噴出口を配置してある点にある。
つまり、この構成によれば、中央遮風部材の付設による前述の如き集中排気機能の向上と、排気口から拡設した上記排気フードの吸い込み気体に対する拡散抑止機能とが相俟って、所期の集中排気機能の向上を一層効果的に達成することができ、特に各種の処理槽やコンロ等の燃焼器具において煙状に発生する汚染気体を集中的に排気するのに好適な排気器具にすることができる。
本発明の第特徴構成は、第1〜第特徴構成のいずれかの実施に好適な実施形態を特定するものであり、その特徴は、
前記補助噴出口の補助気体噴出向きを前記排気口の開口面方向に対して前記排気口への吸い込み気体の流れ方向上流側へ傾斜させてある点にある。
つまり、この構成によれば、補助気体を排気口の開口面と平行な方向で排気口外向きに噴出させるのに比べ、排気口を中心とする吸い込み作用の拡がり角度をより小さくする(換言すれば、吸い込み作用の指向性をより強くする)ことができて、排気口から一定距離の位置での吸込風速をより増大させることができ、このことと中央遮風部材の付設による前述の如き集中排気機能の向上とにより、所期の集中排気機能の向上を一層効果的に達成することができる。
本発明の第5特徴構成は、第1〜第4特徴構成のいずれかの実施に好適な実施形態を特定するものであり、その特徴は、
前記中央遮風部材の変形により前記排気口面積を調整することで、前記中央遮風部材による前記排気口面積の制限度合を調整する構成にしてある点にある。
つまり、この構成によれば、前記中央遮風部材による前記排気口の排気対象域に対する排気口面積の制限度合を使用条件などに応じて随時調整することができる。
本発明の第6特徴構成は、第1〜第5特徴構成のいずれかによる補助噴出口付き排気器具を用いた排気ユニットに係り、その特徴は、
前記排気口と前記補助噴出口と前記中央遮風部材とを備える補助噴出口付き排気器具をユニット基体から突設し、前記排気口から気体吸入する排気ファン及び前記補助噴出口から補助気体を噴出させる補助気体ファンを前記ユニット基体に搭載してある点にある。
つまり、この構成によれば、汚染気体等の局所発生がある場所に排気ユニットを持ち込んで、ユニット基体に突設した上記補助噴出口付き排気器具の排気口を汚染気体等の発生源に向けるとともに、ユニット基体に搭載した上記排気ファン及び補助気体ファンを運転することで、その発生源において発生する汚染気体等を集中的かつ効率的に排気口から排気することができる。
即ち、各所に持ち込んで汚染気体等を集中的かつ効率的に排気することができる利便性の高い排気ユニットとなる。
なお、この構成の実施においてユニット基体をキャスタや駆動車輪を備える移動車体にすれば、排気ユニットの運搬や汚染気体等の発生源に対する排気ユニットの位置調整などを一層容易にすることができる。
実施形態を示す補助噴出口付き排気器具の構造図 喫煙所などへの適用例を示す図 別実施形態を示す補助噴出口付き排気器具の構造図 排気フードを備える補助噴出口付き排気器具の概略構造図 排気ユニットへの適用例を示す図 本発明器具と従来器具との対比図 I値と比吸込距離と比吸込風速との関係を示すグラフ 本発明器具と比較器具との対比図 補助噴出口付き排気器具と補助噴出口を備えない一般排気器具との対比図
図1(a)は工場や厨房の換気あるいはオフィスや喫煙所の換気などに用いる補助噴出口付き排気器具Hの構造を縦断面視で示し、図1(b)は同排気器具Hの構造を横断面視で示す。
この排気器具Hは、先端側の開口を排気対象域1に対して臨ませる排気口2(即ち、排気用吸込口)とし、かつ、後端側の開口を排気ダクト3の接続口とする排気筒4を基体としている。
この排気筒4には、その先端から排気口2の開口面と平行な方向で排気口2の外方へ延出する表側案内板5、及び、排気筒4の先端部の外側に補助空気室6を形成する囲壁7の夫々を、排気口2の周方向全体にわたらせて設けてある。
また、囲壁7には、その先端から排気口2の開口面と平行な方向で排気口2の外方へ延出する裏側案内板8を、同じく排気口2の周方向全体にわたらせて設けてある。
囲壁7には空気供給管9を接続する接続口10を形成してあり、この接続口10に接続した空気供給管9を通じて補助空気ファンにより清浄な補助空気Sを補助空気室6に供給する。
表側案内板5と裏側案内板8との間には補助空気案内路11aとしての隙間を形成し、これら案内板5,8の先端縁どうしの間に形成される環状のスリット状開口(即ち、排気口2の周方向全体にわたるスリット状の開口)を補助空気噴出用の補助噴出口11にしてある。
排気筒4に接続する排気ダクト3は排気ファンの吸入口から延設したものであり、この排気器具Hでは、排気ファンの運転により排気対象域1の域内空気Rを排気口2から吸込み、これに併行して、空気供給管9を通じ補助空気室6に供給される補助空気Sを両案内板5,8の間の隙間経路11aを通じて補助噴出口11から排気口2の開口面とほぼ平行な方向で排気口外向きに(即ち、放射状に)、かつ、排気口2の周方向について均等な噴出風量Qs及び均等な噴出速度Vsで噴出させる。
この補助噴出口付き排気器具は、例えば図2に示す如く喫煙所Cを排気対象域1として、その天井部に設置するなど、排気対象域1において排気対象である汚染気体や蒸気などが局所的に発生することに対し、その局所発生気体Gの発生源に排気口2を向けた状態で設置する。
そして、このような設置状態において上記の如く排気口2から域内空気Rを吸い込むのに伴い補助噴出口11から補助空気Sを噴出させることで、補助空気Sの噴出流fsによる周囲域内空気Rの誘引により、排気口2の吸い込み作用で排気口2へ向かう域内空気Rの吸込流frとともにその吸込流frと周囲域内空気Rとの間の境界部K(図中、二点鎖線で示す)を排気口2に向かって流れ、その後、排気口2の周縁近傍で域内空気Rの吸込流frから離れて補助気体Sの噴出流fsに合流する誘引境界流fkを形成する(図1(a)及び図9(a)参照)。
つまり、この誘引境界流fkの形成により、図9(b)に示す如き補助噴出口11を備えない一般の排気器具に比べ、排気口2を中心とする吸い込み作用の拡がり角度θ(言わば吸込範囲)を制限して排気口2の吸い込み作用に指向性を与え、また、その指向性の付与に伴い排気口2から一定距離Zの位置での吸込風速Vzを増大させ、これにより、排気対象の局所的発生気体Gを集中的に効率良く排気対象域1から排出する集中排気機能を持たせるようにして、局所発生気体Gの域内拡散を効果的に防止する。
また、この排気器具Hでは、図1(a),(b)に示す如く、排気口2の中央部に部分的に位置させる状態(換言すれば、排気口中央部に限定的に位置させる状態)で、排気口2の中央部に中央遮風部材18を配置し、これにより、排気口2の実質的開口部を排気口2における中央遮風部材18周りの環状部分2aに限って排気口2の開口面積Aeを制限することで、排気口2における吸い込み域内空気R(吸込流fr)の吸込風速Veをこのような中央遮風部材18を設けない場合よりも増大させるようにしてある。
即ち、この中央遮風部材18を設けることで、先述した本発明の第1特徴構成の説明で示したように、中央遮風部材18を設けない場合と比べ、排気口2からの距離Zが等しい位置での吸込風速Vzを効果的に増大させて、この排気器具Hの上記の如き集中排気機能を一層効果的に高めるようにしてある。
中央遮風部材18は、その最太部18aを吸い込み域内空気Rの流れ方向上流側(即ち、排気対象域Rの側)に位置させて配置するとともに、この最太部18aから排気口2の奥側に向かう下流側部分18cの形状を、排気口奥側ほど断面積が漸次的に小さくなる状態で最太部18aの太さ寸法dよりも長く排気口奥側に延びる細長の錐状形状にしてある。
つまり、中央遮風部材18の下流側部分18cをこのような細長の錐状形状にすることにより、排気口2に吸い込まれた後の中央遮風部材18の周りにおける吸い込み空気Rの流れ、及び、それに続く中央遮風部材18よりも下流側での吸い込み空気Rの流れを円滑化及び安定化するようにしてある。
なお、図1に示す排気器具Hでは、中央遮風部材18における排気対象域1の側に向かう上流側部分18bの形状(即ち、本例では最太部18aにおける排気対象域1の側の形状)を排気口2の開口面と平行な平面形状にして、排気口2からの突出部の存在を無くすようにしている。
しかし、これに代え、中央遮風部材18における排気対象域1の側に向かう上流側部分18bの形状を図3に示す如き錐状や半球状の尖頭形状にし、これにより、吸い込み空気Rの中央遮風部材18への衝突で排気口2の近傍に渦流が生じることを防止して、排気口2における吸い込み空気Rの流れを円滑化及び安定化するようにしてもよい。
また、図1に示す排気器具Hでは、表側案内板8及び裏側案内板8の夫々を排気口2の開口面と平行姿勢に配置して、補助空気S(噴出流fs)を補助噴出口11から排気口2の開口面と平行な方向に噴出させるが、場合によっては同図3に示す如く、表側案内板8及び裏側案内板8の夫々をその先端側ほど吸い込み空気S(吸込流fr)の流れ方向上流側に位置する傾斜姿勢にするなどして、補助噴出口11からの補助空気Sの噴出向きを排気口2の開口面に対して排気対象域1の側へ傾斜する噴出向きにし、これにより、集中排気機能の一層の向上を図るようにしてもよい。
図4は、中央遮風部材18を設けた上記の如き補助噴出口付き排気器具Hに排気フードを組み合わせた例を示し、排気口2を形成する排気筒4の先端部からメッキ処理槽などの汚染気体発生源Tに向って拡幅する排気フード19を連設してある。
そして、補助噴出口11を排気フード19の先端周縁部に配置し、この補助噴出口11から補助空気S(噴出流fs)を排気口2の開口面に対して排気対象域1における汚染気体発生源Tの側に傾斜する噴出向き(さらに言えば、排気フード19の傾斜壁19aに沿う傾斜噴出向き)で噴出させるようにしてある。
即ち、補助噴出口付き排気器具Hに対して、このように排気フード19を組み合わせることにより、排気対象の局所発生気体Gに対する集中排気機能の一層の向上を図るようにしてある。
なお、図4に示す排気構造では、排気フード19の拡幅開口が中央遮風部材18を備える補助噴出口付き排気器具の排気口に該当すると見なしてもよい。
図5は、中央遮風部材18を設けた補助噴出口付き排気器具Hを排気ユニットに適用した例を示し、この排気ユニットUでは、ユニット基体としての箱状のユニットケース20に排気ファンFe及び補助空気ファンFsを内装し、この排気ファンFeの吸入口に接続した排気ダクト3を固定状態でユニットケース20から突設するとともに、補助空気ファンFsの吐出口に接続した補助空気供給管9を同じくユニットケース20から突設してある。
また、排気ダクト3の先端に排気側のフレキシブルダクト3aを接続するとともに、補助空気供給管9の先端に補助空気側のフレキシブルダクト9aを接続してある。
そして、排気側のフレキシブルダクト3aの先端を排気器具Hにおける排気筒4の排気ダクト接続側の開口に接続して、排気側のフレキシブルダクト3aの先端に排気器具Hを装備し、この排気器具Hの囲壁7に設けた接続口10に補助空気側のフレキシブルダクト9aの先端を接続してある。
即ち、この排気ユニットUを汚染気体の局所発生がある場所に持ち込んだ状態で、排気側フレキシブルダクト3a及び補助空気側フレキシブルダクト9aの屈曲及び伸縮により排気器具Hを向き調整して、その排気器具Hの排気口2を汚染気体等の発生源Tに向ける。
そして、このように排気器具Hを向き調整した状態で排気ファンFe及び補助空気ファンFsを運転することにより、その発生源Tにおいて発生する汚染気体Gを排気器具Hにより集中的かつ効率的に排気する。
ユニット基体としてのユニットケース20にはストッパ付きのキャスタ21を取り付けてあり、これにより、排気ユニットUの運搬及び排気ユニットUの設置場所での移動や位置調整を容易に行なえるようにしてある。
(その他の実施形態)
次に、中央遮風部材18を備える上記の如き補助噴出口付き排気器具Hのその他の実施形態を列記する。
排気対象の気体Rは汚染気体や蒸気などの局所発生気体Gを含む空気に限られるものではなく、排気を必要とする気体であれば、どのような気体であってもよい。
また、補助噴出口11から噴出させる補助気体Sも空気に限らず、排気対象域1への噴出が許される気体であれば、どのような気体であってもよい。
補助噴出口11からの補助気体Sの噴出向きは排気口2の開口面と平行な向きに限られるものではなく、補助気体Sを排気口2の開口面に沿う方向で排気口外向き噴出させる向きであれば、排気口2の開口面に対して吸い込み気体Rの流れ方向における上流側ないし下流側に傾斜する噴出向きであってもよい。
排気口2の開口形状は円形に限られるものではなく、四角形等の多角形や楕円形あるいはライン状の偏平長方形など、どのような形状であってもよく、また、補助噴出口11は排気口2の開口形状や用途などに応じて、排気口2の周縁部の全周にわたらせて連続的に設ける形態に限らず、排気口2の周縁部の全周に分散させて設ける形態や、排気口2の周縁部のうちの一部にのみ設ける形態を採ってもよい。
排気口2の中央部に中央遮風部材18を設けて排気口2の開口面積Aeを制限するのに、排気口2の開口面積Aeをどの程度に制限するかは用途や排気条件等に応じて適宜決定すればよい。
また、中央遮風部材18をその変形により排気口2の開口面積Aeを自在に調整できる構造にし、これにより、中央遮風部材18による排気口面積Aeの制限度合を使用条件などに応じて随時調整できるようにしてもよい。
あるいはまた、排気口2における中央遮風部材18の位置や姿勢を自在に調整できる構造にし、その位置調整や姿勢調整により排気対象気体R,Gの吸い込み形態を使用条件などに応じて調整できるようにしてもよい。
中央遮風部材18の具体的形状構造は前述の実施形態で示した形状構造に限らず種々の変更が可能にしてもよい。
排気口2からの気体吸込風量Qeと補助噴出口11からの補助気体噴出風量Qsとの比率、あるいは、排気口2における気体吸込風速Veと補助噴出口11からの補助気体噴出風速Vsとの比率を適宜調整できる構造にし、これら比率調整により排気対象気体R,Gの吸い込み形態を使用条件などに応じて調製できるようにしてもよい。
本発明による補助噴出口付き排気器具は種々の気体の排気が要求される各種分野において使用することができる。
1 排気対象域
R 域内気体
2 排気口
S 補助気体
11 補助噴出口
H 排気器具
Ae 排気口面積
18 中央遮風部材
18b 中央遮風部材の排気対象域の側に向かう部分
18d 中央遮風部材の排気口奥側に向かう部分
19 排気フード
20 ユニット基体
Fe 排気ファン
Fs 補助気体ファン

Claims (6)

  1. 排気対象域に開口させた状態で排気対象域の域内気体を吸い込ませる排気口を形成するとともに、排気対象域に対して補助気体を前記排気口の周縁近傍から排気口の開口面に沿う方向で排気口外向きに噴出させる補助噴出口を設けてある補助噴出口付き排気器具であって、
    前記排気口の中央部に部分的に位置して排気対象域に対する排気口面積を制限する中央遮風部材を設け、
    前記中央遮風部材における排気口奥側に向う部分の形状を、排気口奥側ほど断面積が漸次的に小さくなる状態で中央遮風部材の最大太さ寸法より長く排気口奥側に延びる形状にしてある補助噴出口付き排気器具。
  2. 前記中央遮風部材における排気対象域の側に向かう部分の形状を錐状又は半球状の尖頭形状にしてある請求項1記載の補助噴出口付き排気器具。
  3. 前記排気口から排気対象域の側に向って拡がる形状の排気フードを設け、この排気フードの先端周縁部に前記補助噴出口を配置してある請求項1又は2記載の補助噴出口付き排気器具。
  4. 前記補助噴出口の補助気体噴出向きを前記排気口の開口面方向に対して前記排気口への吸い込み気体の流れ方向上流側へ傾斜させてある請求項1〜3のいずれか1項に記載の補助噴出口付き排気器具。
  5. 前記中央遮風部材の変形により前記排気口面積を調整することで、前記中央遮風部材による前記排気口面積の制限度合を調整する構成にしてある請求項1〜4のいずれか1項に記載の補助噴出口付き排気器具。
  6. 請求項1〜のいずれか1項に記載の補助噴出口付き排気器具を用いた排気ユニットであって、
    前記排気口と前記補助噴出口と前記中央遮風部材とを備える補助噴出口付き排気器具をユニット基体から突設し、前記排気口から気体吸入する排気ファン及び前記補助噴出口から補助気体を噴出させる補助気体ファンを前記ユニット基体に搭載してある排気ユニット。
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