JP5379591B2 - 電子線照射装置 - Google Patents

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Description

本発明は、電子線照射装置に関する。
従来から、様々な構成の電子線照射装置が知られている。これらの電子線照射装置を開示するものとしては、例えば下記特許文献1がある。特許文献1には、電子線管、載置台、及び電子線管と載置台との間に位置するグリッド電極を備え、載置台及びグリッド電極に所定の電圧が印加される硬化処理ユニットが記載されている。
特許第4037431号
しかし、特許文献1に記載の硬化処理ユニットでは、所定の電圧が印加されたグリッド電極に電子線管からの電子線を通過させたり、載置台に所定の電圧を印加することで、その電子線のエネルギーを弱めたり、電子の数を減少させる。よって、この硬化処理ユニットでは、電子線管からの電子線そのものを制御して利用するので、基板処理等に用いられる電子のエネルギーにばらつきが生じたり、電子の数が少なくなってしまう場合がある。
本発明は、上記問題点を解消するためになされたものであり、エネルギーが制御された電子を大量に照射することが可能な電子線照射装置を提供することをその目的とする。
本発明に係る電子線照射装置は、1次電子を取り出す電子線出射窓を備えた電子線源と、2次電子生成空間を挟んで電子線源と対向するように配置された載置台と、2次電子生成空間中に電子線出射窓及び載置台に離間して配置されたグリッド電極と、を備え、2次電子生成空間は、ガス雰囲気の下で電子線出射窓から取り出された1次電子により2次電子を生成する空間であり、載置台は電気的に接地されており、グリッド電極が載置台及び電子線出射窓に対して負電位となっている。
本発明に係る電子線照射装置では、2次電子生成空間において、ガス雰囲気の下で電子線出射窓から取り出された1次電子により2次電子が生成される。そして、2次電子生成空間中に電子線出射窓及び載置台に離間してグリッド電極が配置されており、載置台は電気的に接地されており、グリッド電極は載置台及び電子線出射窓に対して負電位となっている。そのため、1次電子のエネルギーを低下させつつ、1次電子によって生成した大量の2次電子を載置台に向かって所定のエネルギーで加速させることができる。従って、本発明に係る電子線照射装置によれば、エネルギーが制御された大量の電子を得ることができる。
また、載置台に照射される電子には、2次電子生成空間のうちグリッド電極と載置台との間の空間で生成される2次電子が含まれることが好適である。これにより、所定のエネルギーの電子を効率よく載置台に照射することができる。また、電子線出射窓が、電気的に接地されていることが好適である。これにより、電子線出射窓に対するグリッド電極の電位が安定し、これに伴い電子線出射窓とグリッド電極との間の電界が安定するので、2次電子が安定的に生成される。
また、グリッド電極に印加する電圧を変化可能な電圧印加手段を備えることが好適である。これにより、載置台に照射される電子のエネルギーを所望の値に制御することが可能となる。さらに、ガス雰囲気が、大気であることが好適である。これにより、1次電子が効率よくガスを電離して大量の2次電子を生成するので、高い2次電子発生効率を得ることができるとともに、載置台上に配置される被照射物の交換時にガス充填等の必要がないので、照射作業の効率が向上される。また、電子線出射窓とグリッド電極との間に距離を調整可能な第1距離調節手段を更に備えることが好適である。これにより、電子線出射窓から取り出された1次電子のエネルギーに応じて電子線出射窓とグリッド電極との間に距離を適切に制御し、載置台に照射される電子のエネルギー及び量を適切に制御することが可能となる。
また、グリッド電極と載置台との間に距離を調整可能な第2距離調節手段を更に備えることが好適である。これにより、載置台に照射される電子のエネルギー及び量を適切に制御することが可能となる。
本発明によれば、エネルギーが制御された電子を大量に照射することが可能な電子線照射装置が提供される。
本実施形態に係る電子線照射装置の構成を概略的に示す概略図である。 本実施形態に係る電子線照射装置の動作を説明するための図である。 図1に示されている照射チャンバ部の第1変形例を示す図面である。 図1に示されている照射チャンバ部の第2変形例を示す図面である。
本発明の知見は、例示として示された添付図面を参照して以下の詳細な記述を考慮することによって容易に理解できる。引き続いて、添付図面を参照しながら、本発明の電子線照射装置に係る好適な実施形態について詳細に説明する。なお、図面の説明において、同一要素には同一符号を付し、重複する説明を省略する。
図1は、本実施形態に係る電子線照射装置1の構成を概略的に示す概略図である。電子線照射装置1は、例えば半導体製造プロセスに用いられる薄膜改質用の処理装置である。電子線照射装置1は、電子線源3と照射チャンバ部5とを備える。電子線源3は、電子線EBを出射する電子銃11、真空容器13及び電子線出射窓15を備える。真空容器13は、電子線EBを出射する電子銃11を構成するフィラメント11A及び中間電極11Bを収容して気密に封止して真空状態にするための容器である。真空容器13は、出射される電子線EBの出射方向に沿って延びる円筒状に形成されており、その一端に電子銃11が配置され、他端が電子線出射窓15によって封止されている。真空容器13は、真空排気口17により真空排気され、真空容器13の内部は高真空が保たれている。
フィラメント11Aには図示しない回路によって、負の高電圧が印加され、電子線EBとなる熱電子を発生する。フィラメント11Aと電子線出射窓15との間に配置されている中間電極11Bには、図示しない回路によって、フィラメント11Aから熱電子を引き出すための電圧が印加されている。フィラメント11Aと中間電極11Bとの間に生じる電界によって、フィラメント11Aにおいて発生した熱電子が電子線EBとして引き出される。フィラメント11Aから引き出された熱電子の加速電圧は、フィラメント11Aと中間電極11Bの間に印加されている電圧VG1である。フィラメント11Aから出射された電子線EBは中間電極11Bを介して電子線出射窓15に到達する。
電子線出射窓15は、電子銃11から出射された電子線EBを真空容器13の外部へ出射するための膜状の部材であり、電子線EBを透過しやすい材料(例えばベリリウム、チタン、シリコンなど)からなる。電子線出射窓15は、例えば数μm〜数10μmといった厚さに形成されており、また電気的に接地されている。本実施形態における一例としては、フィラメント11Aから放出される熱電子に対する加速電圧VG1が70kVの場合、電子線出射窓15を通過した後の電子線EB(1次電子)のエネルギーは約60keV程度となる。
照射チャンバ部5は、処理室を形成するケーシング21を有する。ケーシング21の内部は空洞となっている。ケーシング21の内部の中央にはサンプルステージ23Aと、サンプルステージ23Aを支持する支持台23Bとからなる載置台23が配置されている。ケーシング21の上面には開口部25が設けられている。電子線源3は、ケーシング21の上面であってサンプルステージ23Aに対向する位置に設けられている。詳細には、電子線源3は、電子線出射窓15がケーシング21の開口部25を塞ぐと共にサンプルステージ23Aと平行となるように配置されている。ケーシング21の上面には、筒状の絶縁支持構造体27が開口部25を囲むように設けられている。筒状の絶縁支持構造体27の開口は、電子線出射窓15を含むような大きさとなっている。絶縁支持構造体27の底面は、サンプルステージ23Aと所定の間隔で離間している。絶縁支持構造体27により、電子線出射窓15とサンプルステージ23Aとの間に、円筒状の絶縁支持構造体27の内径により決定された2次電子生成空間Sが区画される。なお、2次電子生成空間Sは、本実施形態においては絶縁支持構造体27の内径で区画されているが、本来、電子線出射窓15と載置台23(サンプルステージ23A)との間におけるガス雰囲気空間のことを指す。
2次電子生成空間S中には、電子線出射窓15及びサンプルステージ23Aと離間して、且つ電子線出射窓15及びサンプルステージ23Aに平行にグリッド電極29が設けられている。グリッド電極29は、格子状部、またはメッシュ状部等の、電界を形成しつつも電子が通過可能な形状を有する電極であって、絶縁支持構造体27に固定されている。グリッド電極29に印加する電圧は電圧印加部30により可変に制御することもできる。真空容器13の電子線出射窓15から出射された1次電子はケーシング21の2次電子生成空間Sに入射され、2次電子生成空間Sのガス分子を電離して2次電子を生成する。
2次電子生成空間Sを含むケーシング21の内部の空洞中は所定のガス雰囲気、例えば大気で満たされていることができる。これにより、1次電子が効率よくガスを電離して大量の2次電子を生成するので、高い2次電子発生効率を得ることができるとともに、載置台23上に配置される被照射物の交換時にガス充填等の必要がないので、照射作業の効率が向上される。しかし、ケーシング21の内部のガス雰囲気は大気に限定されず、窒素ガス、アルゴンガス、ヘリウムガス等のガス雰囲気であってもよい。ケーシング21の内部が、ヘリウム等の軽元素ガスのガス雰囲気の場合には、加速される2次電子の飛程が長くなる。また、ケーシング21の内部の空洞中は大気圧でもよく、例えばロータリーポンプで排気可能な0.1Torr程度の減圧状態であってもよい。減圧状態の場合にも、加速される2次電子の飛程が長くなる。
図2(a)は、2次電子生成量の電子線出射窓15からの距離の依存性を示す図である。図2(a)において、縦軸は電子の進行方向における電子線出射窓15からの距離を示し、横軸は2次電子生成量を示す。図2(a)において、横軸と平行な点線Xはグリッド電極29が配置されている位置を示し、縦軸上の距離d1及びd2それぞれは電子線出射窓15からグリッド電極29までの距離及びグリッド電極29からサンプルステージ23Aまでの距離を示す。縦軸における距離dは電子線出射窓15からサンプルステージ23Aまでの距離を示す。図2(a)に示すように、電子線出射窓15から出射された1次電子による2次電子生成空間S中の空気の電離により生成される2次電子は、電子線出射窓15からサンプルステージ23Aへ移動するにつれ、その生成量が減少する。サンプルステージ23Aが配置されている電子線出射窓15から距離dだけ離れた位置では2次電子がほとんど生成されなくなる。
電子線出射窓15は電気的に接地されており、グリッド電極29には負の電圧V−G2が印加されている。そのため、2次電子生成空間Sのうちグリッド電極29の上側における電場の強さはE=V−G2/d1となる。これにより、2次電子生成空間Sのうちグリッド電極29の上側の空間において、電子線出射窓15からグリッド電極29の方向に移動する1次電子がE=V−G2/d1によってエネルギーが低下して、これに伴いその1次電子及の速度が減速される。一方、この空間において生成された2次電子のほとんどは電子線出射窓15とグリッド電極29の間の電界に沿って、電子線出射窓15の方向に向かう。
また、グリッド電極29には負の電圧V−G2が印加されており、サンプルステージ23Aは接地されている。そのため、2次電子生成空間Sのうちグリッド電極29の下側における電場の強さはE=V−G2/d2となる。これにより、2次電子生成空間Sのうちグリッド電極29の下側の空間において、グリッド電極29からサンプルステージ23Aの間で1次電子によって生成された2次電子がE=V−G2/d2に対応してエネルギーが上昇して、これに伴い2次電子が加速される。
距離d1及びd2は、以下のことを考慮しながら、フィラメント11Aと中間電極11Bとの間に印加されている加速電圧VG1に依存して決定することが好ましい。すなわち、グリッド電極29と電子線出射窓15およびサンプルステージ23Aとの間に放電が発生しないように離間されていることや、1次電子が十分に減速できるような距離があることに加え、グリッド電極29に負の電圧V−G2が印加されているときに、グリッド電極29に流入する電子及びイオンによる電流が、グリッド電極29に負の電圧V−G2を印加するための電源の許容範囲を超えないように、グリッド電極29は2次電子生成量が少ない領域に配置されること、つまり電子線出射窓15とグリッド電極29が近接しすぎないこと、及びグリッド電極29で加速して2次電子を効率よく被照射物に照射させるために、距離d2が加速される2次電子の飛程に対して長すぎないことが考慮されて決定されることが好ましい。
例えば、加速電圧VG1が70kVである本実施形態の場合には、電子線出射窓15とグリッド電極29との間の距離d1は例えば50〜60mmの範囲内であり、グリッド電極29とサンプルステージ23Aとの距離d2は例えば20〜10mmの範囲内であることが好ましい。また、電子線出射窓15とグリッド電極29との間の距離d1及びグリッド電極29とサンプルステージ23Aとの距離d2それぞれが55mm及び15mmであることがより好ましい。
図2(b)は、電子数の電子線出射窓15からの距離の依存性を示す図である。図2(b)において、縦軸は電子の進行方向における電子線出射窓15からの距離を示し、横軸は電子数を示す。図2(b)において、横軸と平行な点線Xはグリッド電極29が配置されている位置を示し、距離d1及びd2それぞれは電子線出射窓15からグリッド電極29までの距離及びグリッド電極29からサンプルステージ23Aまでの距離を示す。縦軸における距離dは電子線出射窓15からサンプルステージ23Aまでの距離を示す。図2(b)において、点線は電子線出射窓15から取り出されてサンプルステージ23Aに向かって移動する1次電子の数を表す。また、実線は、2次電子生成空間Sにおいて1次電子により生成された2次電子の数を示す。1次電子はグリッド電極29の下側まで到達するが、サンプルステージ23Aまではほとんど到達しないように制御される。
図2(b)に示すように、電子線出射窓15からサンプルステージ23Aまでの領域において、1次電子の数は2次電子生成量に比べて非常に少ない。上述したように、電子線出射窓15から第2グリッド電極29までは主に1次電子に対する減速領域となり、第2グリッド電極29からサンプルステージ23Aまでは主に2次電子に対する加速領域となる。そのため、1次電子の数が減少する距離にグリッド電極29を配置することで、2次電子と比べて高エネルギーとなる1次電子の被照射物への照射を抑制しつつ、グリッド電極29を通過した1次電子によって生成された2次電子(図中に斜線部分P)が主に被照射物へ照射される電子とすることができる。
以上の構成を備える本実施形態の電子線照射装置1の動作について説明する。まず、負の高電圧がフィラメント11Aに印加される。この印加された電圧によりフィラメント11Aから熱電子が放出される。フィラメント11Aから放出された熱電子からなる電子線EBは、フィラメント11Aと中間電極11Bの間の電位差である加速電圧VG1によって加速され、電子線出射窓15を透過して、電子線源3の外部へ出射される。真空容器13の電子線出射窓15から出射された電子線はケーシング21の2次電子生成空間Sに入射される。入射された電子線EB(1次電子)により、2次電子生成空間Sのガスが電離されて2次電子が生成される。生成された2次電子は、グリッド電極29と載置台23(サンプルステージ23A)との間に形成された加速電界によって加速されてサンプルステージ23A上の被照射物に照射される。
本実施形態に係る電子線照射装置1では、2次電子生成空間Sにおいて、ガス雰囲気の下で電子線出射窓15から取り出された1次電子により2次電子が生成される。このように、2次電子の生成に固体のターゲットではなくガス雰囲気が用いられるので大量の2次電子が広範囲な空間で生成される。例えば、60keVの電子がガス雰囲気中で全てのエネルギーを電離に用いた場合、約1700個程度の2次電子を生成することができる。
また、2次電子生成空間S中に電子線出射窓15及び載置台23に離間してグリッド電極29が配置されており、載置台23及び電子線出射窓15は電気的に接地されており、グリッド電極29は載置台23及び電子線出射窓15に対して負電位となっている。そのため、1次電子のエネルギーを低下させつつ、1次電子によって生成した大量の2次電子を載置台23に向かって所定のエネルギーで加速させることができる。従って、電子線照射装置1によれば、エネルギーが制御された電子を載置台23上の被照射物に向かって大量に照射することができる。
特に、電子を電子線出射窓15を透過させて取り出すには、電子に電子線出射窓15を透過できるだけのエネルギーが必要となる。そうして取り出した1次電子のエネルギーを減速電界のみで所定のエネルギーにして照射するのは、望むエネルギー値が低くなるほど困難である。電子線照射装置1においては、1次電子によって大量の2次電子を生成し、熱的な挙動のみが支配的でエネルギーの小さい2次電子をグリッド電極29に印加する電圧によって制御する。よって、所望のエネルギーで加速させることができるので、特に低エネルギーの電子線を照射したい場合に好ましい。例えば、電子線照射装置1が、本実施形態のように、半導体製造プロセスにおける薄膜改質用の処理装置として用いられる場合においては、例えば60keVで取り出した1次電子によって生成した2次電子のエネルギーを制御して、2keVのエネルギーをもった電子として加速して照射することができるので、薄膜が例えば200nmの厚さのものであっても、電子が透過してしまい薄膜下のデバイス部にダメージを与えることを防ぐことができる。
また、載置台23を接地電位とし、グリッド電極29を負電位にすることで、2次電子の加速電界を形成するために載置台23上の被照射物に電圧が印加されてしまうことがないので、被照射物への電圧印加による破損を抑制することができる。また、載置台23に照射される電子は、主に2次電子生成空間Sのうちグリッド電極29と載置台23との間の空間で生成される2次電子であるので低エネルギーの電子を効率よく載置台23上の被照射物に照射することができる。
また、電子線出射窓15が、電気的に接地されているので、電子線出射窓15に対するグリッド電極29の電位が安定する。そのため、電子線出射窓15とグリッド電極29との間の電界が安定し、2次電子が安定的に生成される。
グリッド電極29に印加する電圧V−G2を変化可能な電圧印加部30を有する。これにより、載置台23に照射される電子のエネルギーを所望の値に制御することが可能となる。更に、1次電子に対しては、1次電子のエネルギーに応じて適切に減速させることが可能となり、1次電子の載置台23への照射を効率よく防止することが可能となる。
ここで、電子線照射装置1の構成は様々な変形が可能であり、以下において照射チャンバ部5の変形例を説明する。
図3は、本実施形態に係る電子線照射装置1の照射チャンバ部5の第1変形例を示す図面である。図3に示すように、第1変形例に係る照射チャンバ部5Aは、電子線出射窓15とグリッド電極29との間に距離を変化させる第1距離調節部31を更に備える点において照射チャンバ部5と相違する。その他の構成は、電子線出射窓15と同等である。第1変形の照射チャンバ部5Aによれば、第1距離調節部31を更に有することにより、照射チャンバ部5により得られる効果に加えて、電子線出射窓15から取り出された1次電子のエネルギーに応じて電子線出射窓15とグリッド電極29との間に距離を適切に制御し、載置台23に照射される2次電子のエネルギー及び量を適切に制御することが可能となる。また、グリッド電極29への印加電圧を変更することなく、電子線出射窓15とグリッド電極29との間の電界強度を調整することもできる。
図4は、本実施形態に係る電子線照射装置1の照射チャンバ部5の第2変形例を示す図面である。図4に示すように、第2の変形例に係る照射チャンバ部5Bは、照射チャンバ部5がグリッド電極29と載置台23との間に距離を変化させる第2距離調節部33を更に備える点において照射チャンバ部5Aと相違する。その他の構成は、電子線出射窓15と同等である。第2変形例の照射チャンバ部5Bによれば、第2距離調節部33を更に有することにより、照射チャンバ部5Aにより得られる効果に加えて、載置台23に照射される2次電子のエネルギー及び量を適切に制御することとなる。また、グリッド電極29への印加電圧を変更することなく、グリッド電極29と載置台23との間の電界強度を調整することもできる。
以上、本発明の好適な実施形態について説明してきたが、本実施形態は本発明の要旨を逸脱しない範囲で様々な変更が可能である。具体的には、電子線源3が、電子線出射窓15がケーシング21の開口部25を塞ぐように配置されているが、これに限定されずに電子線出射窓15がケーシング21の開口部25の上側に配置されていてもよい。また、筒状の絶縁支持構造体27の開口は、電子線出射窓15を含むような大きさとなっているが、十分な2次電子が生成される程度である限り、電子線出射窓15より小さくてもよい。
1…電子線照射装置、3…電子線源、15…電子線出射窓、23…載置台、29…グリッド電極、S…2次電子生成空間。

Claims (7)

  1. 1次電子を取り出す電子線出射窓を備えた電子線源と、
    2次電子生成空間を挟んで前記電子線源と対向するように配置された載置台と、
    前記2次電子生成空間中に前記電子線出射窓及び前記載置台に離間して配置されたグリッド電極と、
    を備え、
    前記2次電子生成空間は、ガス雰囲気の下で前記電子線出射窓から取り出された前記1次電子により2次電子を生成する空間であり、
    前記載置台は電気的に接地されており、前記グリッド電極が前記載置台及び前記電子線出射窓に対して負電位となっている電子線照射装置。
  2. 前記載置台に照射される電子には、前記2次電子生成空間のうち前記グリッド電極と前記載置台との間の空間で生成される前記2次電子が含まれる請求項1に記載の電子線照射装置。
  3. 前記電子線出射窓が、電気的に接地されている請求項1又は2に記載の電子線照射装置。
  4. 前記グリッド電極に印加する電圧を変化可能な電圧印加手段を備える請求項1〜3の何れか一項に記載の電子線照射装置。
  5. 前記ガス雰囲気が、大気である請求項1〜4の何れか一項に記載の電子線照射装置。
  6. 前記電子線出射窓と前記グリッド電極との間に距離を調整可能な第1距離調節手段を更に備える請求項1〜5の何れか一項に記載の電子線照射装置。
  7. 前記グリッド電極と前記載置台との間に距離を調整可能な第2距離調節手段を更に備える請求項1〜6の何れか一項に記載の電子線照射装置。

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