JP5378052B2 - 車載動力伝達装置、車両用動力制御システム、及び車載補機の動力源の選択方法 - Google Patents

車載動力伝達装置、車両用動力制御システム、及び車載補機の動力源の選択方法 Download PDF

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Description

本発明は、車両走行用の回転電機及び駆動輪の動力分割のための回転体であって且つ互いに連動して回転する3つ以上の動力分割用回転体を備える車載動力伝達装置、及びこれを備える車両用動力制御システムに関する。また、本発明は、車両走行用の回転電機が搭載される車載補機の動力源を選択する車載補機の動力源の選択方法に関する。
車両のエネルギ消費量低減等の観点から、車載動力発生装置として、内燃機関に加えて、電動機や発電機からなる車両走行用の回転電機を備えるいわゆるハイブリッド車が実用化されている。ハイブリッド車では、低回転速度運転領域において内燃機関の効率が低いことに鑑み、低回転速度運転領域において内燃機関を稼動させない制御がなされる傾向にある。こうしたハイブリッド車の具体的な構成としては、例えば、サンギア、キャリア及びリングギアを備える遊星歯車機構を利用し、これら3つの回転体のそれぞれに、発電機、内燃機関及び電動機を連結したものも実用化されている。ここで、駆動輪は、電動機に機械的に連結されている。
ところで、上記ハイブリッド車の場合、車両の停止時においては、内燃機関、電動機、及び発電機がいずれも停止状態となる。このため、車両の停止状態においては、車載空調装置のコンプレッサの駆動力として、上記車載動力発生装置の駆動力を利用することができない。
そこで従来、こうしたハイブリッド車においては、車載空調装置のコンプレッサを駆動すべく、別途電動機を備えることも実用化されている。
なお、従来のハイブリッド車としては、他にも例えば下記特許文献1〜4に記載されたものもある。
特許第3580257号公報 特許第3626151号公報 特許第3614409号公報 特開平9−46821号公報
ただし、上記のように、車載空調装置のコンプレッサを駆動すべく別途電動機を備える場合には、電動機及びこれを駆動する装置等を新たに加える必要が生じ、部品点数が増加し、ひいてはハイブリッド車のコストパフォーマンスを低下させる要因となるおそれがある。
なお、上記車載空調装置のコンプレッサに限らず、車両走行用の回転電機を搭載する車両においては、車両走行用の回転電機からこれ以外のエネルギ消費部材(補機)へと動力を供給する際に制約が生じるこうした実情も概ね共通したものとなっている。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、車両走行用の回転電機を備えるものにおいて、回転電機から補機への動力供給の制約を好適に緩和することのできる車載動力伝達装置、及び車両用動力制御システムを提供することにある。また、本発明の目的は、車両走行用の回転電機から補機へと動力を好適に供給することのできる車載補機の動力源の選択方法に関する。
以下、上記課題を解決するための手段、及びその作用効果について記載する。
第1の発明は、車両走行用の内燃機関回転電機及び駆動輪間の動力分割のための回転体であって且つ互いに連動して回転する3つ以上の動力分割用回転体を備える車載動力伝達装置において、前記動力分割用回転体のうち前記駆動輪に機械的に連結される第1の回転体とは別の第2の回転体の回転力を車載補機に伝達可能とし、前記動力分割用回転体のうち前記第2の回転体を含む少なくとも一対の回転体が、前記回転電機に機械的に連結されており、前記一対の回転体のうちの少なくとも一方と前記回転電機とを機械的に連結する手段として、変速比を調節する変速装置を備え、前記変速装置の変速比と前記回転電機の回転速度とを制御することで、前記第1の回転体の回転速度をゼロにするとともに前記第2の回転体の回転速度をゼロ以外にし、前記動力分割用回転体は、それぞれ3つの回転体であって、互いの回転速度が共線図において1直線上に並ぶ回転体を備える第1及び第2の遊星歯車機構を備え、前記第1の遊星歯車機構及び前記第2の遊星歯車機構は、互いに機械的に連結された伝達軸回転体をそれぞれ備え、前記伝達軸回転体は前記変速装置を介して前記回転電機の回転軸に機械的に連結され、前記第1の遊星歯車機構及び前記第2の遊星歯車機構は、互いに機械的に連結された出力回転体をそれぞれ備え、前記出力回転体は、前記第1の回転体として前記駆動輪に機械的に連結され、前記第1の遊星歯車機構は、前記内燃機関に機械的に連結された起動軸回転体を備え、前記第2の遊星歯車機構は、前記回転電機に機械的に連結された回転電機回転体を備え、前記第2の回転体は、前記回転電機回転体又は前記伝達軸回転体であり、前記出力回転体及び前記起動軸回転体の回転速度が、共線図上において、前記回転電機回転体の回転速度と前記伝達軸回転体の回転速度との間にあることを特徴とする。
第2の発明は、車両走行用の回転電機及び駆動輪の動力分割のための回転体であって且つ互いに連動して回転する3つ以上の動力分割用回転体を備える車載動力伝達装置において、前記動力分割用回転体のうち前記駆動輪に機械的に連結される第1の回転体とは別の第2の回転体の回転力を車載補機に伝達可能とし、前記動力分割用回転体のうち前記第2の回転体を含む少なくとも一対の回転体が、前記回転電機に機械的に連結されており、前記一対の回転体のうちの少なくとも一方と前記回転電機とを機械的に連結する手段として、変速比を調節する変速装置と動力の伝達を遮断可能とする遮断手段とを備え、前記遮断手段を遮断して、前記変速装置の変速比と前記回転電機の回転速度とを制御することで、前記第1の回転体の回転速度をゼロにするとともに前記第2の回転体の回転速度をゼロ以外にすることを特徴とする。
第3の発明は、車両走行用の回転電機及び駆動輪の動力分割のための回転体であって且つ互いに連動して回転する3つ以上の動力分割用回転体を備える車載動力伝達装置において、前記動力分割用回転体のうち前記駆動輪に機械的に連結される第1の回転体とは別の第2の回転体の回転力を車載補機に伝達可能とし、前記動力分割用回転体のうち前記第2の回転体を含む少なくとも一対の回転体が、前記回転電機に機械的に連結されており、前記一対の回転体のうちの少なくとも一方と前記回転電機とを機械的に連結する手段として、変速比を調節する変速装置を備え、前記駆動輪に機械的に連結される回転体を、前記動力分割用回転体のうちの前記第1の回転体以外の回転体にも切り替え可能な切替手段を備え、前記第1の回転体の回転速度をゼロとなる車両の停止時に前記補機の駆動要求がある場合には、前記切替手段により前記第1の回転体を前記駆動輪に連結して、前記変速装置の変速比と前記回転電機の回転速度とを制御することで、前記第1の回転体の回転速度をゼロにするとともに前記第2の回転体の回転速度をゼロ以外にすることを特徴とする。
第4の発明は、車両走行用の内燃機関、回転電機及び駆動輪間の動力分割のための回転体であって且つ互いに連動して回転する3つ以上の動力分割用回転体を備える車載動力伝達装置において、第1の回転電機及び第2の回転電機と、前記駆動輪に機械的に連結された第1の回転体と、前記第1の回転電機に機械的に連結された第2の回転体と、前記第2の回転電機に機械的に連結された第3の回転体と、を備え、前記第2の回転体が車載補機に機械的に連結されており、前記第1の回転電機及び前記第2の回転電機の一方が電動機として機能する場合に他方が発電機として機能して、前記第1の回転体の回転速度をゼロにするとともに前記第2の回転体の回転速度をゼロ以外にし、前記動力分割用回転体は、それぞれ3つの回転体であって、互いの回転速度が共線図において1直線上に並ぶ回転体を備える第1及び第2の遊星歯車機構を備え、前記第1の遊星歯車機構及び前記第2の遊星歯車機構は、互いに機械的に連結された伝達軸回転体をそれぞれ備え、前記伝達軸回転体は前記第3の回転体として前記第2の回転電機の回転軸に機械的に連結され、前記第1の遊星歯車機構及び前記第2の遊星歯車機構は、互いに機械的に連結された出力回転体をそれぞれ備え、前記出力回転体は、前記第1の回転体として前記駆動輪に機械的に連結され、前記第1の遊星歯車機構は、前記内燃機関に機械的に連結された起動軸回転体を備え、前記第2の遊星歯車機構は、前記第1の回転電機に機械的に連結された回転電機回転体を備え、前記第2の回転体は、前記回転電機回転体であり、前記出力回転体及び前記起動軸回転体の回転速度が、共線図上において、前記回転電機回転体の回転速度と前記伝達軸回転体の回転速度との間にあることを特徴とする。
上記発明では、第2の回転体の回転力が車載補機に伝達されるため、駆動輪の回転速度とは別に、第2の回転体の回転速度を設定することができる。このため、回転電機の回転エネルギを補機に供給する際の制約を好適に緩和することができる。
さらに、第2の回転体の回転力が車載補機に伝達されるため、車両の停止時においても、第2の回転体を介して回転電機の回転エネルギを補機に供給することができる。
の発明は、第1の発明の車載動力伝達装置と、前記変速装置の変速比と前記回転電機の回転速度とを制御することで、前記第1の回転体の回転速度をゼロにするとともに前記第2の回転体の回転速度をゼロ以外に制御する制御手段とを備えることを特徴とする。
第6の発明は、第2の発明の車載動力伝達装置と、前記遮断手段を遮断して、前記変速装置の変速比と前記回転電機の回転速度とを制御することで、前記第1の回転体の回転速度をゼロにするとともに前記第2の回転体の回転速度をゼロ以外に制御する制御手段とを備えることを特徴とする。
第7の発明は、第3の発明の車載動力伝達装置と、前記第1の回転体の回転速度をゼロとなる車両の停止時に前記補機の駆動要求がある場合には、前記切替手段により前記第1の回転体を前記駆動輪に連結して、前記変速装置の変速比と前記回転電機の回転速度とを制御することで、前記第1の回転体の回転速度をゼロにするとともに前記第2の回転体の回転速度をゼロ以外に制御する制御手段とを備えることを特徴とする。
第8の発明は、第4の発明の車載動力伝達装置と、前記第1の回転電機及び前記第2の回転電機の一方が電動機として機能する場合に他方が発電機として機能して、前記第1の回転体の回転速度をゼロにするとともに前記第2の回転体の回転速度をゼロ以外に制御する制御手段とを備えることを特徴とする。
の発明は、車両走行用の回転電機が搭載される車両について、該車両に搭載される補機の動力源を選択する車載補機の動力源の選択方法において、前記補機を搭載する車両として、前記回転電機及び駆動輪の動力分割のための回転体であって且つ互いに連動して回転する3つ以上の動力分割用回転体を備える車載動力伝達装置を搭載するものを選択し、前記車載動力伝達装置は、前記動力分割用回転体のうち前記第2の回転体を含む少なくとも一対の回転体が、前記回転電機に機械的に連結されており、前記一対の回転体のうちの少なくとも一方と前記回転電機とを機械的に連結する手段として、変速比を調節する変速装置と動力の伝達を遮断可能とする遮断手段とを備えるものであって、前記動力分割用回転体のうち前記駆動輪に機械的に連結される第1の回転体とは別の第2の回転体の回転力を、前記動力源として選択し、前記遮断手段を遮断して、前記変速装置の変速比と前記回転電機の回転速度とを制御することで、前記第1の回転体の回転速度をゼロにするとともに前記第2の回転体の回転速度をゼロ以外にすることを特徴とする。
車両走行用の回転電機を搭載する車両等においては、主機として内燃機関のみを搭載する従来の車両と比べ、補機の動力源を別途設ける必要等が生じやすい。このため、補機に対して、その動力源をも含めたトータルのコストの削減や小型化に関する強い要求が生じやすいものとなっている。この点、上記発明では、車両の動力伝達装置を動力源とすることで、上記コストダウンや小型化に関する強い要求に対処すべく別途開発投資をしなくても需要者に受け入れられやすいメリットがある。
第1の実施形態にかかるシステム構成図。 同実施形態にかかる車両発進制御態様を示す図。 同実施形態にかかるエンジン始動制御態様を示す図。 同実施形態にかかるエンジンによる車両走行制御態様を示す図。 同実施形態にかかるコンプレッサの駆動制御の処理手順を示す流れ図。 同実施形態にかかるモータジェネレータの出力の利用手法を示す図。 第2の実施形態にかかるシステム構成図。 第3の実施形態にかかるシステム構成図。 同実施形態にかかるコンプレッサの駆動制御の処理手順を示す流れ図。 第4の実施形態にかかるシステム構成図。 第5の実施形態にかかるシステム構成図。 第6の実施形態にかかるシステム構成図。 第7の実施形態にかかるシステム構成図。 第8の実施形態にかかるシステム構成図。 第9の実施形態にかかるシステム構成図。 第10の実施形態にかかるシステム構成図。 第11の実施形態にかかるシステム構成図。 第12の実施形態にかかるシステム構成図。 第13の実施形態にかかるシステム構成図。 上記各実施形態の変形例にかかる動力分割装置の構成を規定する共線図。 上記各実施形態の変形例にかかる動力分割装置の構成を規定する共線図。
(第1の実施形態)
以下、本発明にかかる車載動力伝達装置及び車両用動力制御システムの第1の実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
図1に、本実施形態にかかるシステム構成図を示す。詳しくは、図1(a)に、システムの全体構成を示し、図1(b)に、動力伝達経路のスケルトン図を示す。
図示されるモータジェネレータ10は、3相交流の電動機兼発電機である。このモータジェネレータ10は、内燃機関(エンジン12)とともに、車両の主機としての機能を有する。一方、動力分割装置20は、これらモータジェネレータ10、エンジン12、及び駆動輪14間の動力を分割する装置である。
動力分割装置20は、第1遊星歯車機構22及び第2遊星歯車機構24を備えて構成されている。ここで、第1遊星歯車機構22のリングギアRと第2遊星歯車機構24のキャリアCとは互いに機械的に連結されており、また、第1遊星歯車機構22のサンギアSと第2遊星歯車機構24のサンギアSとは互いに機械的に連結されている。そして、第2遊星歯車機構24のリングギアRには、モータジェネレータ10の回転軸10aが機械的に連結されている。また、第1遊星歯車機構22のリングギアR及び第2遊星歯車機構24のキャリアCには、駆動輪14が機械的に連結されている。詳しくは、第1遊星歯車機構22のリングギアR及び第2遊星歯車機構24のキャリアCには、周知のディファレンシャルギアやドライブシャフトを介して駆動輪14が機械的に連結されている。
また、第1遊星歯車機構22のキャリアCは、クラッチ30、及びワンウェイベアリング32を介してエンジン12のクランク軸(回転軸12a)に機械的に連結可能とされている。ここで、クラッチ30は、第1遊星歯車機構22のキャリアCとワンウェイベアリング32と間の動力の伝達を遮断させるための電子制御式の遮断手段である。詳しくは、本実施形態では、ノーマリーオープン式のものを用いている。また、ワンウェイベアリング32は、エンジン12の回転軸12aの回転速度に対するクラッチ30側の回転速度が負でないことを条件に動力を伝達させる一方向伝達機構である。換言すれば、クラッチ30が連結しているとき、エンジン12の回転軸12aの回転速度の方が第1遊星歯車機構22のキャリアCの回転速度よりも大きくならない限り、第1遊星歯車機構22のキャリアCによって回転軸12aがつれまわされるものである。
第1遊星歯車機構22のサンギアS及び第2遊星歯車機構24のサンギアSとエンジン12の回転軸12aとの間には、ワンウェイベアリング34が設けられている。ワンウェイベアリング34は、上記一対のサンギアSの回転速度に対する回転軸12aの回転速度が負でないことを条件に動力を伝達させる一方向伝達機構である。換言すれば、上記一対のサンギアSの回転速度の方が回転軸12aの回転速度よりも大きくならない限り、回転軸12aによってサンギアSがつれまわされるようにするものである。
第1遊星歯車機構22及び第2遊星歯車機構24のサンギアSは、クラッチ38と無段変速装置(CVT36)とを介して、モータジェネレータ10の回転軸10aに機械的に連結されている。詳しくは、図1(b)に示されるように、CVT36は、カウンタギアCNを介して第2遊星歯車機構24のリングギアRにも機械的に連結されている。すなわち、第1遊星歯車機構22及び第2遊星歯車機構24のサンギアSは、これと係合する他の動力分割用回転体を介すことなく、モータジェネレータ10からの動力が伝達可能とされる。ちなみに、カウンタギアCNの歯数と第2遊星歯車機構24のリングギアRの歯数とは互いに同一でもよいが、相違していてもよい。ここで、CVT36として、本実施形態では、機械式のものを想定している。詳しくは、金属ベルトやゴムベルトを用いたベルト式のものを想定している。一方、クラッチ38は、CVT36と回転軸10aとの間の動力の伝達を遮断させるための電子制御式の遮断手段である。
上記第2遊星歯車機構24のリングギアRには、更に、車載空調装置(エアコン40)が機械的に連結されている。詳しくは、第2遊星歯車機構24のリングギアRには、エアコン40の備えるコンプレッサ42の従動軸42aが機械的に連結されている。図では、モータジェネレータ10の回転軸10aとコンプレッサ42の従動軸42aとをプーリ43を介して接続する例を示した。具体的には、第2遊星歯車機構24のリングギアRとコンプレッサ42との間には、これらの間の動力の伝達を遮断するための電子制御式の遮断手段(クラッチ44)が設けられている。すなわち、プーリ43と従動軸42aとは、クラッチ44によってその動力の伝達及び遮断が制御される。なお、上記コンプレッサ42は、可変容量式のものである。
制御装置50は、上記動力伝達装置を制御対象とする制御装置である。詳しくは、制御装置50は、クラッチ30,38を操作することで動力伝達態様を制御する処理や、エンジン12の制御量を制御する処理、インバータ52を操作することでモータジェネレータ10の制御量を制御する処理、コンプレッサ42の吐出容量やエネルギ供給量を制御する処理等を行う。
以下では、制御装置50によってなされる処理のうち、「1.車両の走行制御」、「2.コンプレッサ42の駆動エネルギの供給制御」の順に説明する。
<1.車両の走行制御>
ここでは、まず発進処理について説明する。
図2に、本実施形態にかかるモータジェネレータ10による車両の発進処理について説明する。ここで、図2(a)に、発進時における動力伝達経路を示し、図2(b)に、このときの動力分割装置20の共線図を、エンジン12の回転速度とともに示す。なお、上記クラッチ30は遮断状態とされており、クラッチ38は接続状態とされている。
図2に示すように、この場合には、エンジン12を停止状態とする。この場合、動力分割装置20を構成する第1遊星歯車機構22及び第2遊星歯車機構24の備える回転体の回転速度は、モータジェネレータ10の回転速度とCVT36の変速比とによって制御される。すなわち、共線図において、第1遊星歯車機構22及び第2遊星歯車機構24のサンギアSの回転速度(伝達軸回転速度)、第1遊星歯車機構22のキャリアCの回転速度(起動軸回転速度)、第1遊星歯車機構22のリングギアR及び第2遊星歯車機構24のキャリアCの回転速度(出力回転速度)、及び第2遊星歯車機構24のリングギアRの回転速度(MG回転速度)は、一直線上に並ぶ。このため、上記一対のサンギアSの回転速度と、第2遊星歯車機構24のリングギアRの回転速度とを定めることで、残りの回転体の回転速度が一義的に設定されることとなる。ちなみに、これらサンギアS,キャリアC、及びリングギアRは互いに連動して回転するものであるが、例えばサンギアSやリングギアRの回転速度によっては、キャリアCのみその回転速度がゼロとなることもある。
ここで、本実施形態にかかる動力伝達装置によれば、モータジェネレータ10を大型化することなく、モータジェネレータ10による発進に際して高トルクが生成可能となる。これは、以下の理由による。
第2遊星歯車機構24のリングギアRのギア数Zrに対するサンギアSのギア数Zsの比Zs/Zrを比ρとし、サンギアSの回転速度Nsに対するモータジェネレータ10の回転速度Nmの比Nm/Nsを比βとし、同リングギアR、サンギアS、キャリアC及びモータジェネレータ10のトルクをそれぞれトルクTr,Ts、Tc、Tmとすると、以下の式が成立する。
Tr=−Tc/(1+ρ) …(c1)
Ts=−ρTc/(1+ρ) …(c2)
β(Tm+Tr)=Ts …(c3)
上記の式(c1)及び式(c2)を用いて上記式(c3)からトルクTr,Tsを消去することで、下記の式(c4)を得る。
Tc=−(1+ρ)Tm/{(ρ/β)―1} …(c4)
上記の式(c4)によれば、比ρと比βとを近似させることで、第2遊星歯車機構24のキャリアC(動力分割装置20の出力軸)のトルクTcは、非常に大きなものとなり得ることがわかる。換言すれば、駆動輪14に伝達されるトルクが非常に大きなものとなり得ることがわかる。このため、モータジェネレータ10を大型化することなく、発進時のトルクを確保することができる。
次に、エンジン12の始動処理について説明する。
図3に、本実施形態にかかるエンジン12の始動態様を示す。ここで、図3(a)に、始動時における動力伝達経路を示し、図3(b)に、このときの動力分割装置20の共線図を、エンジン12の回転速度とともに示す。
図示されるように、この場合には、クラッチ30を連結することで、第1遊星歯車機構22のキャリアCの回転力(起動軸の回転力)を、クラッチ30及びワンウェイベアリング32を介してエンジン12の回転軸12aに付与することで、エンジン12の回転軸12aに初期回転を付与する。ここで、エンジン12の回転軸12aは、第1遊星歯車機構22のキャリアCの回転速度にて駆動される。そして、エンジン12の回転軸12aが所定速度まで上昇したとき、エンジン12の燃焼制御を開始する。ここで、燃料が初めて燃焼するいわゆる初燃焼時には、回転軸12aのトルクが急激に上昇するため、回転軸12aの回転速度が急上昇する。しかし、この際には、回転軸12aの回転速度が上記キャリアCの回転速度を上回るため、キャリアC側には動力が伝達されない。このため、動力分割装置20には、エンジン12の初燃焼に起因したトルク脈動が伝達されることはない。なお、エンジン12の始動が完了すると、クラッチ30を切断する。
図4に、上記エンジン12の始動後のエンジン12のトルクの伝達態様を示す。ここで、図4(a)に、エンジン12のトルク付与時における動力伝達経路を示し、図4(b)に、このときの動力分割装置20の共線図を、エンジン12の回転速度とともに示す。なお、この際、上記クラッチ30は遮断状態にある。
図示されるように、エンジン12の回転軸12aの回転速度が、第1遊星歯車機構22及び第2遊星歯車機構24の備える一対のサンギアSの回転速度(伝達軸の回転速度)となることで、エンジン12のトルクが動力分割装置20に付与される。ちなみに、エンジン12によるトルクが動力分割装置20に付与された後には、モータジェネレータ10を発電機として機能させたり、インバータ52の操作を停止してモータジェネレータ10を無負荷状態としたりしてもよい。
このように、本実施形態では、別途スタータを備えることなく、モータジェネレータ10による車両走行時(又はモータジェネレータ10の稼動時)にエンジン12を始動することができる。更に、エンジン12を始動するための回転体(第1遊星歯車機構22のキャリアC)と、エンジン12によりトルクが付与される回転体(第1遊星歯車機構22及び第2遊星歯車機構24のサンギアS)とを別の回転体とすることで、エンジン12の始動後、迅速にその回転速度を上昇させることができる。このため、エンジン12を効率の良い運転領域において稼動させる期間を長くすることができる。
<2.コンプレッサ42の駆動エネルギの供給制御>
上述したように、本実施形態では、第2遊星歯車機構24のリングギアRにコンプレッサ42の従動軸42aが機械的に連結されている。このため、第2遊星歯車機構24のリングギアRがコンプレッサ42の動力供給源となる。制御装置50では、コンプレッサ42の要求エネルギに応じてCVT36の変速比やモータジェネレータ10の出力を操作することで、コンプレッサ42の駆動エネルギの供給制御を行う。
図5に、上記駆動エネルギの供給制御に関する処理手順を示す。この処理は、制御装置50によって、例えば所定周期で繰り返し実行される。
この一連の処理では、まずステップS10において、車両の停止時であるか否かを判断する。この処理は、車両の走行のためにモータジェネレータ10に対して要求される出力がゼロであるか否かを判断するものである。そして、停止時であると判断される場合、ステップS12において、コンプレッサ42の駆動要求があるか否かを判断する。この処理は、モータジェネレータ10に要求される出力がゼロでないか否かを判断するためのものである。
そして、ステップS12において肯定判断される場合、ステップS14において、CVT36の変速比やモータジェネレータ10の出力を操作することで、コンプレッサ42に供給されるエネルギ量又は回転速度を制御する。なお、ここでは、コンプレッサ42への供給エネルギ量や回転速度の厳密な制御を行ってもよいが、コンプレッサ42が可変容量式のものであることに鑑みれば、供給エネルギ量や回転速度が要求値以上となるような簡易な制御を行うことも可能である。ただし、車両の停止時には、駆動輪14に対する要求が無いため、CVT36の変速比やモータジェネレータ10の出力に対する要求としては、コンプレッサ42からのもののみとなるため、厳密な制御を行うことがより望ましい。なお、この処理においては、CVT36の変速比とモータジェネレータ10の回転速度とに、駆動輪14に機械的に連結された第1遊星歯車機構22のリングギアRと第2遊星歯車機構24のキャリアCとの回転速度をゼロに制御するとの条件を設けている。また、この処理のなされる期間においては、クラッチ30は遮断状態とされ、エンジン12の回転軸12aを回転させるため力がモータジェネレータ10に要求されることはない。
一方、上記ステップS10において否定判断される場合には、ステップS16において、車両走行のためにモータジェネレータ10に要求される出力が閾値Pth以上であるか否かを判断する。この処理は、車両の走行性能を優先すべきか否かを判断するためのものである。ここで、閾値Pthは、コンプレッサ42の要求によっては、モータジェネレータ10の出力が車両の走行のための要求を満たせなくなると想定される値に設定されている。そして、ステップS16において肯定判断される場合には、コンプレッサ42への供給エネルギを制限する。この処理は、クラッチ44を遮断することで行ってもよいし、コンプレッサ42の吐出容量を制限することで行ってもよい。
なお、上記ステップS14、S18の処理が完了する場合や、ステップS12、S16において否定判断される場合には、この一連の処理を一旦終了する。
上述したように、本実施形態によれば、車両停止時においてエンジン12が停止する事態が生じるにもかかわらず、コンプレッサ42を駆動するための専用の電動機を別途備えることを回避しつつも、車両の停止時においてコンプレッサ42を好適に駆動することができる。特に、本実施形態によれば、車両停止時においてコンプレッサ42を駆動する際のモータジェネレータ10の効率を高く維持することも可能となる。これは、上述したように、本実施形態の構成が、モータジェネレータ10を大型化することなく発進時のトルクを確保することができる構成であることによる。
すなわち、モータジェネレータ10を大型化することを回避することができるため、本実施形態では、図6(a)に示すように、モータジェネレータ10の最大出力(車両用出力とエアコン用MAX出力との和)に占めるコンプレッサ42の要求最大出力(エアコン用MAX出力)の割合が大きいもの(ここでは、「50%」程度)となっている。一方、モータジェネレータ10の効率は、低出力から最大出力よりも小さい規定の出力までの領域において、出力が小さいほど効率が低下する傾向がある。このため、本実施形態の場合には、モータジェネレータ10をコンプレッサ42の駆動のためのみに稼動させたとしても、その効率を高く維持することが可能となる。これに対し、従来のハイブリッド車に搭載されるモータジェネレータのように最大出力が大きいもの(例えば「50kW以上」)の場合には、これが、コンプレッサ42に要求される最大出力(例えば「数kW」)の十倍近くから十数倍程度となる。このため、車両停止時にモータジェネレータ10を利用してコンプレッサ42を駆動したのでは、効率の非常に低い状態でモータジェネレータ10が稼動されることとなる。
更に、車両に要求される走行性能からモータジェネレータ10に対する要求出力が大きくなる場合、コンプレッサ42の駆動エネルギを制限することで、図6(b)に示すように、モータジェネレータ10の出力を車両走行に優先して利用することもできる。ここで、図6(b)に示す車両走行用の出力量は、通常走行時のものとは大きく相違する。こうした出力量は、概して、車両の加速走行時におけるドライバビリティの向上を図るうえで要求されるものである。そして、こうした要求に応じるべくモータジェネレータ10を大型化する場合には、コストアップ等が問題となる。これに対し、上記コンプレッサ42の駆動エネルギを制限することで、モータジェネレータ10を大型化することを回避しつつも、加速性能等を向上させることができ、ひいてはドライバビリティを向上させることができる。
以上詳述した本実施形態によれば、以下の効果が得られるようになる。
(1)動力分割装置20を構成する動力分割用回転体のうち駆動輪14に機械的に連結される第1の回転体(第1遊星歯車機構22のリングギアR及び第2遊星歯車機構24のキャリアC)とは別の第2の回転体(第2遊星歯車機構24のリングギアR)の回転力をコンプレッサ42の従動軸42aに伝達可能とした。これにより、駆動輪14の回転速度とは別に、コンプレッサ42の従動軸42aの回転速度を設定することができ、ひいてはモータジェネレータ10の回転エネルギをコンプレッサ42に供給することができる。
(2)モータジェネレータ10の回転軸10aを、動力分割用回転体のうち駆動輪14に機械的に連結される回転体とは相違する回転体(第2遊星歯車機構24のリングギアR)に機械的に連結した。これにより、車両の停止時においてもモータジェネレータ10の回転力によってコンプレッサ42の従動軸42aを回転させることができる。
(3)動力分割装置20を、これを構成する6つの動力分割用回転体の回転速度が共線図において1直線上に並ぶように構成して且つ、互いに回転速度の相違し得るものに対応する一対の回転体に、モータジェネレータ10を機械的に連結した。これにより、共線図上の全回転速度をモータジェネレータ10の回転速度等によって制御することができる。
(4)互いに回転速度の相違し得るものに対応する一対の回転体のうちの一方とモータジェネレータ10とをCVT36を用いて機械的に連結した。これにより、一対の回転体のそれぞれに機械的に連結される互いに相違する一対のモータジェネレータを備える場合と同様、一対の回転体の回転速度を互いに独立に制御することができる。また、一対のモータジェネレータの一方を発電機、他方を電動機として利用するモードと同様の処理を行う場合、発電機によって発電された電気エネルギを電動機に供給する際に生じるエネルギロスを排除することもできる。
(5)動力分割装置20を、サンギア、キャリア及びリングギアからなる3つの回転体を備える第1遊星歯車機構22及び第2遊星歯車機構24を備えて且つ、第1遊星歯車機構22の備える3つの回転体のうちの2つの回転体のそれぞれを、第2遊星歯車機構24の備える3つの回転体のうちの2つの回転体に割り振って互いに機械的に連結した。これにより、上記回転体の回転速度を共線図上において1直線上に並べることができる。
(6)共線図の4つの回転速度に対応する4つの回転体のうちの中間の回転速度に対応する回転体に駆動輪14を機械的に連結した。これにより、駆動輪14の正回転、停止、逆回転が容易となる。
(7)エンジン12の停止時において、その回転軸12aと動力分割装置20との間の動力の伝達を遮断する遮断手段(クラッチ30、ワンウェイベアリング34)を備えた。これにより、エンジン12の停止時においてコンプレッサ42に回転エネルギを供給するに際し、動力分割装置20とコンプレッサ42との間の動力の授受を回避することができる。このため、モータジェネレータ10からコンプレッサ42へと回転エネルギを供給するに際し、エネルギロスを低減することができる。
(8)動力分割装置20とコンプレッサ42との動力の伝達を遮断する電子制御式の遮断手段(クラッチ44)を更に備えた。これにより、コンプレッサ42の要求エネルギがゼロである状況下、モータジェネレータ10の回転力がコンプレッサ42によって消耗されることを回避することができる。
(9)モータジェネレータ10に要求される出力が閾値Pth以上となる場合、コンプレッサ42のエネルギ消費量を制限した。これにより、モータジェネレータ10の最大出力を抑制しつつも車両走行のための高出力要求に応じることが可能となる。
(第2の実施形態)
以下、第2の実施形態について、先の第1の実施形態との相違点を中心に図面を参照しつつ説明する。
図7に、本実施形態にかかるシステム構成図を示す。なお、図7において、先の図1に示した部材に対応する部材については、便宜上同一の符号を付している。
図示されるように、本実施形態では、第1遊星歯車機構22のサンギアS及び第2遊星歯車機構24のサンギアSにコンプレッサ42の従動軸42aを機械的に連結する。これは、例えばサンギアSと一体的に回転する回転部材と従動軸42aとをプーリによって接続することで行うことができる。こうした構成を有する本実施形態では、第1遊星歯車機構22のサンギアS及び第2遊星歯車機構24のサンギアSや、第2遊星歯車機構24のリングギアRの回転力がコンプレッサ42の従動軸42aに伝達可能とされる。
(第3の実施形態)
以下、第3の実施形態について、先の第1の実施形態との相違点を中心に図面を参照しつつ説明する。
図8に、本実施形態にかかるシステム構成図を示す。なお、図8において、先の図1に示した部材に対応する部材については、便宜上同一の符号を付している。
図示されるように、本実施形態では、クラッチ38とCVT36との間にコンプレッサ42の従動軸42aを接続する。この場合、クラッチ38が遮断状態となる場合には、第1遊星歯車機構22のサンギアSと第2遊星歯車機構24のサンギアSとにコンプレッサ42の従動軸42aが機械的に連結されることとなる。一方、クラッチ36が接続状態となる場合には、第2遊星歯車機構24のリングギアRにコンプレッサ42の従動軸42aが機械的に連結されることとなる。本実施形態では、この点に着目し、車両停止時におけるコンプレッサ42へのエネルギ供給制御を行う。
図9に、本実施形態にかかる駆動エネルギの供給制御に関する処理手順を示す。この処理は、制御装置50によって、例えば所定周期で繰り返し実行される。なお、図9において、先の図5に示した処理に対応する処理については、便宜上同一のステップ番号を付している。
この一連の処理では、車両の停止時においてコンプレッサ42の駆動要求がある場合(ステップS12:YES)、ステップS20において、クラッチ38を遮断する。これにより、第2遊星歯車機構24のリングギアR及びモータジェネレータ10の回転軸10aと、第1遊星歯車機構22のサンギアS及び第2遊星歯車機構のサンギアSとの機械的な連結が遮断される。続くステップS14では、CVT36の変速比とモータジェネレータ10の出力とを操作することで、コンプレッサ42への供給エネルギを制御する。なお、この処理においては、モータジェネレータ10の回転速度にかかわらず、駆動輪14の回転速度は、ブレーキの制動力によってゼロに固定されている。すなわち、上記第1の実施形態では、CVT36の変速比とモータジェネレータ10の回転速度とによって、駆動輪14に機械的に連結された第1遊星歯車機構22のリングギアRと第2遊星歯車機構24のキャリアCとの回転速度がゼロに制御されたが、本実施形態では、この制御は行わない。
以上説明した本実施形態によれば、先の第1の実施形態の上記効果に準じた効果に加えて、更に以下の効果が得られるようになる。
(10)ブレーキによって駆動輪14を静止させた状態で、モータジェネレータ10の回転速度をCVT36を介してコンプレッサ42の従動軸42aに付与した。これにより、コンプレッサ42に回転力を好適に付与することができる。
(第4の実施形態)
以下、第4の実施形態について、先の第1の実施形態との相違点を中心に図面を参照しつつ説明する。
図10に、本実施形態にかかるシステム構成図を示す。なお、図10において、先の図1に示した部材に対応する部材については、便宜上同一の符号を付している。
図示されるように、本実施形態では、動力分割装置20を駆動源とする車載補機を、ブレーキアクチュエータ60の備えるブレーキポンプ62とする。ブレーキポンプ62は、ブレーキ油圧を生成するためのものである。詳しくは、駆動輪14等の車輪のホイールシリンダ64に供給されるブレーキ油圧を生成するためのものである。
詳しくは、ブレーキポンプ62の従動軸と第2遊星歯車機構24のリングギアRとは、これらの間の動力の伝達を遮断する電子制御式の遮断手段(クラッチ66)を介して機械的に連結されている。これは例えば、第2遊星歯車機構24のリングギアRに係合されたカウンタギアと一体的に回転する回転軸等にクラッチを介してブレーキポンプ62の従動軸を連結させるなどすることで行うことができる。これにより、上記第1の実施形態においてコンプレッサ42に回転力を付与した要領で、ブレーキポンプ62に駆動エネルギを供給することができる。
(第5の実施形態)
以下、第5の実施形態について、先の第1の実施形態との相違点を中心に図面を参照しつつ説明する。
図11に、本実施形態にかかるシステム構成図を示す。なお、図11において、先の図1に示した部材に対応する部材については、便宜上同一の符号を付している。
図示されるように、本実施形態では、動力分割装置20を駆動源とする車載補機を、ブレーキポンプ62とコンプレッサ42との2つの補機とする。ここで、ブレーキポンプ62は、第2遊星歯車機構24のリングギアRに機械的に連結されており、コンプレッサ42は、第1遊星歯車機構22のサンギアS及び第2遊星歯車機構24のサンギアSや、第2遊星歯車機構24のリングギアRに機械的に連結されている。
こうした構成によれば、ブレーキポンプ62とコンプレッサ42との双方に駆動エネルギを供給することができる。なお、ここでは例えば、ブレーキポンプ62とコンプレッサ42とのそれぞれに対する供給エネルギ量の制御を高精度に行うことについての優先度合いが大きい方に基づき、CVT36の変速比及びモータジェネレータ10の出力(回転速度)を制御すればよい。すなわち例えば、コンプレッサ42への供給エネルギ量の制御を高精度に行うことの優先度合いの方が、ブレーキポンプ62の供給エネルギ量の制御を高精度に行うことの優先度合いよりも高い場合には、コンプレッサ42への供給エネルギ量に基づきCVT36の変速比及びモータジェネレータ10の出力(回転速度)を制御すればよい。
(第6の実施形態)
以下、第6の実施形態について、先の第1の実施形態との相違点を中心に図面を参照しつつ説明する。
図12に、本実施形態にかかるシステム構成図を示す。なお、図12において、先の図1に示した部材に対応する部材については、便宜上同一の符号を付している。
本実施形態では、動力分割装置20を構成する動力分割用回転体のうちの駆動輪14に機械的に連結される回転体を切り替える切替手段を備える。詳しくは、図示されるように、駆動輪14に連結される回転体を、第1遊星歯車機構22のリングギアR及び第2遊星歯車機構24のキャリアCと、第2遊星歯車機構24のリングギアRとのいずれかとすべく、切り替え用の電子制御式のクラッチ54を備える。
こうした構成によれば、モータジェネレータ10やエンジン12が効率のよい回転速度領域にて稼動される期間をより長くすることができる。すなわち、例えばモータジェネレータ10の稼動中において、第1遊星歯車機構22のリングギアR及び第2遊星歯車機構24のキャリアCに駆動輪14が機械的に連結された状態で駆動輪14の回転速度を上昇させるためには、モータジェネレータ10の回転速度を駆動輪14の回転速度よりも大きくしなければならない。しかし、モータジェネレータ10の効率が低下する領域にまで回転速度を上昇させることはエネルギ消費量が増大するために好ましくない。これに対し、本実施形態では、こうした状況下、駆動輪14を第2遊星歯車機構24のリングギアRに機械的に連結させる。これにより、モータジェネレータ10の回転速度を駆動輪14の回転速度よりも高める必要が生じない。同様に、エンジン12による駆動輪14の駆動時においても、CVT36の調節のみによっては、エンジン12を効率の良い領域で稼動できない場合であっても、駆動輪14の連結態様を切り替えることで、エンジン12をより効率の良い領域にて稼動することが可能となる。
なお、車両の停止時において、少なくともコンプレッサ42の駆動要求がある場合には、第1遊星歯車機構22のリングギアR及び第2遊星歯車機構24のキャリアCに駆動輪14を機械的に連結するようにクラッチ54を操作する。これにより、車両の停止時においても、モータジェネレータ10の回転力をコンプレッサ42に付与することができる。ちなみに、クラッチ54のうち、第1遊星歯車機構22のリングギアR及び第2遊星歯車機構24のキャリアCと駆動輪14との開閉をノーマリークローズ式として且つ車両の停止時には、クラッチ54の通電を停止するようにすることが望ましい。
以上説明した本実施形態によれば、先の第1の実施形態の上記各効果に加えて、更に以下の効果が得られるようになる。
(11)動力分割装置20を構成する動力分割用回転体のうち、駆動輪14に機械的に連結される回転体を切り替える切替手段(クラッチ54)を備えた。これにより、駆動輪14の回転速度を所望の値にするとの要請下におけるモータジェネレータ10やエンジン12の回転速度に対する制約を緩和することができる。このため、モータジェネレータ10やエンジン12の稼動領域をより適切なものとすることができる。
(第7の実施形態)
以下、第7の実施形態について、先の第1の実施形態との相違点を中心に図面を参照しつつ説明する。
図13に、本実施形態にかかるシステム構成図を示す。なお、図13において、先の図1に示した部材に対応する部材については、便宜上同一の符号を付している。
図示されるように、本実施形態にかかる動力分割装置20は、第1遊星歯車機構22のキャリアCと第2遊星歯車機構24のリングギアRとが機械的に連結され、これらがエンジン12に初期回転を付与するための回転体となっている。また、第1遊星歯車機構22のリングギアRと第2遊星歯車機構24のキャリアCとが機械的に連結され、これらが駆動輪14に機械的に連結されている(ただし、図では便宜上、駆動輪14を省略し、代わりに駆動輪14に機械的に連結される経路を「out」と表記している)。また、第1遊星歯車機構22のサンギアSが、エンジン12のトルクが付与される回転体(伝達軸に連結される回転体)とされるとともに、クラッチ38及びCVT36を介してモータジェネレータ10が機械的に連結される回転体とされている。更に、第2遊星歯車機構24のサンギアSにモータジェネレータ10の回転軸12aが機械的に連結されている。
そして、第2遊星歯車機構24のサンギアSに、コンプレッサ42の従動軸42aが機械的に連結されている。
以上説明した本実施形態によっても、先の第1の実施形態の上記各効果に準じた効果が得られる。
(第8の実施形態)
以下、第8の実施形態について、先の第1の実施形態との相違点を中心に図面を参照しつつ説明する。
図14に、本実施形態にかかるシステム構成を示す。なお、図14において、先の図1に示した部材に対応する部材については便宜上同一の符号を付している。
図示されるように、本実施形態にかかる動力分割装置20は、第1遊星歯車機構22のキャリアCと第2遊星歯車機構24のサンギアSとが機械的に連結され、これらがエンジン12に初期回転を付与するための回転体となっている。また、第1遊星歯車機構22のリングギアRと第2遊星歯車機構24のキャリアCとが機械的に連結され、これらが駆動輪14に機械的に連結されている(ただし、図では便宜上、駆動輪14を省略し、代わりに駆動輪14に機械的に連結される経路を「out」と表記している)。また、第1遊星歯車機構22のサンギアSが、エンジン12のトルクが付与される回転体(伝達軸に連結される回転体)とされるとともに、クラッチ38及びCVT36を介してモータジェネレータ10が機械的に連結される回転体とされている。更に、第2遊星歯車機構24のリングギアRにモータジェネレータ10の回転軸12aが機械的に連結されている。
そして、第2遊星歯車機構24のリングギアRに、コンプレッサ42の従動軸42aが機械的に連結されている。
以上説明した本実施形態によっても、先の第1の実施形態の上記各効果に準じた効果を得ることができる。
(第9の実施形態)
以下、第9の実施形態について、先の第1の実施形態との相違点を中心に図面を参照しつつ説明する。
図15に、本実施形態にかかるシステム構成を示す。なお、図15において、先の図1に示した部材に対応する部材については便宜上同一の符号を付している。
図示されるように、本実施形態にかかる動力分割装置20は、第1遊星歯車機構22のキャリアCと第2遊星歯車機構24のサンギアSとが機械的に連結され、これらがエンジン12に初期回転を付与するための回転体となっている。また、第1遊星歯車機構22のサンギアSと第2遊星歯車機構24のキャリアCとが機械的に連結され、これらが駆動輪14に機械的に連結されている(ただし、図では便宜上、駆動輪14を省略し、代わりに駆動輪14に機械的に連結される経路を「out」と表記している)。また、第2遊星歯車機構24のリングギアRが、エンジン12のトルクが付与される回転体(伝達軸に連結される回転体)とされるとともに、クラッチ38及びCVT36を介してモータジェネレータ10が機械的に連結される回転体とされている。更に、第1遊星歯車機構22のリングギアRにモータジェネレータ10の回転軸12aが機械的に連結されている。
そして、第1遊星歯車機構22のリングギアRに、コンプレッサ42の従動軸42aが機械的に連結されている。
以上説明した本実施形態によっても、先の第1の実施形態の上記各効果に準じた効果を得ることができる。
(第10の実施形態)
以下、第10の実施形態について、先の第1の実施形態との相違点を中心に図面を参照しつつ説明する。
図16に、本実施形態にかかるシステム構成を示す。なお、図16において、先の図1に示した部材に対応する部材については便宜上同一の符号を付している。
図示されるように、本実施形態では、CVT36を備えることなく、代わりに、車両走行用のモータジェネレータを2機搭載している。
そして、本実施形態にかかる動力分割装置20は、第1遊星歯車機構22のリングギアRと第2遊星歯車機構24のリングギアRとが機械的に連結され、これらが第2モータジェネレータ10Bに機械的に連結されるとともに、ワンウェイベアリング34を介してエンジン12のトルクが付与される回転体となっている。また、第1遊星歯車機構22のサンギアSと第2遊星歯車機構24のキャリアCとが機械的に連結され、これらが駆動輪14に機械的に連結されている(ただし、図では便宜上、駆動輪14を省略し、代わりに駆動輪14に機械的に連結される経路を「out」と表記している)。また、第2遊星歯車機構24のサンギアSが、第1モータジェネレータ10Aに機械的に連結されている。更に、第1遊星歯車機構22のキャリアCが、クラッチ30及びワンウェイベアリング32を介して、エンジン12に初期回転を付与するための回転体となっている。
そして、第2遊星歯車機構24のサンギアSに、コンプレッサ42の従動軸42aが機械的に連結されている。
こうした構成によれば、第1モータジェネレータ10A及び第2モータジェネレータ10Bの少なくとも一方の回転力をコンプレッサ42に付与することができる。なお、第1モータジェネレータ10A及び第2モータジェネレータ10Bの双方が電動機兼発電機として機能する必要は無く、少なくとも一方が電動機としての機能を有すればよい。ここで、発電機としてのみ機能するものがある場合には、この発電機によって発電された電気エネルギが車両を走行させるために電動機によって消費されることとなる。また、発電機は、車両が制動力を要求する際にこれを付与する機能を有する。更に、発電機は、動力分割装置20の回転体の回転速度を制御する機能をも有する。これら各機能は、車両の走行用の回転電機の備える機能である。
以上説明した本実施形態によれば、先の第1の実施形態の上記(1)〜(3)、(5)〜(9)の各効果に準じた効果を得ることができる。
(第11の実施形態)
以下、第11の実施形態について、先の第10の実施形態との相違点を中心に図面を参照しつつ説明する。
図17に、本実施形態にかかるシステム構成を示す。なお、図17において、先の図1に示した部材に対応する部材については便宜上同一の符号を付している。
図示されるように、本実施形態でも、CVT36を備えることなく、代わりに、モータジェネレータを2機搭載している。
そして、本実施形態にかかる動力分割装置20は、第1遊星歯車機構22のサンギアSと第2遊星歯車機構24のサンギアSとが機械的に連結され、これらが第2モータジェネレータ10Bに機械的に連結されている。また、第1遊星歯車機構22のリングギアRと第2遊星歯車機構24のキャリアCとが機械的に連結され、これらが駆動輪14に機械的に連結されている(ただし、図では便宜上、駆動輪14を省略し、代わりに駆動輪14に機械的に連結される経路を「out」と表記している)。また、第2遊星歯車機構24のリングギアRが、第1モータジェネレータ10Aに機械的に連結されて且つ、ワンウェイベアリング34を介してエンジン12のトルクが付与される回転体となっている。更に、第1遊星歯車機構22のキャリアCが、エンジン12に初期回転を付与するための回転体となっている。
そして、第2遊星歯車機構24のリングギアRにコンプレッサ42が機械的に連結されることで、第2遊星歯車機構24のリングギアRや第1遊星歯車機構22のキャリアC等の回転力が、コンプレッサ42の従動軸42aに伝達可能とされている。
以上説明した本実施形態によっても、先の第1の実施形態の上記(1)〜(3)、(5)〜(9)の各効果に準じた効果を得ることができる。
(第12の実施形態)
以下、第12の実施形態について、先の第1の実施形態との相違点を中心に図面を参照しつつ説明する。
本実施形態では、エンジン12を搭載せず、車両の主機としてモータジェネレータ10のみを備える車両であるいわゆる電気自動車に本発明を適用する。
図18に、本実施形態にかかるシステム構成を示す。なお、図18において、先の図1に示した部材に対応する部材については便宜上同一の符号を付している。
図示されるように、本実施形態にかかる動力分割装置20の構成や、これとコンプレッサ42及びモータジェネレータ10のそれぞれとの接続態様は、先の第1の実施形態と同様である。
(第13の実施形態)
以下、第13の実施形態について、先の第12の実施形態との相違点を中心に図面を参照しつつ説明する。
本実施形態でも、電気自動車に本発明を適用する。
図19に、本実施形態にかかるシステム構成を示す。なお、図19において、先の図1に示した部材に対応する部材については便宜上同一の符号を付している。
図示されるように、本実施形態にかかる動力分割装置20は、単一の遊星歯車機構を備える。そして、遊星歯車機構のキャリアCに駆動輪14が機械的に連結されている(
ただし、図では便宜上、駆動輪14を省略し、代わりに駆動輪14に機械的に連結される経路を「out」と表記している)。また、遊星歯車機構のリングギアR及びサンギアSには、モータジェネレータ10が機械的に連結されている。詳しくは、サンギアSとモータジェネレータ10との間には、CVT36及びクラッチ38が接続されている。
そして、遊星歯車機構のリングギアRにコンプレッサ42の従動軸42aが機械的に連結されることで、このリングギアRや上記サンギアSの回転力がコンプレッサ42の従動軸42aに伝達可能とされている。
(その他の実施形態)
なお、上記各実施形態は、以下のように変更して実施してもよい。
・動力分割装置20を構成する回転体のうち、補機に機械的に連結される回転体としては、上記各実施形態において例示したものに限らない。要は、少なくとも車両の停止時に駆動輪14に機械的に連結される回転体とは相違する回転体であればよい。
・上記第1〜第3、第6〜第13の実施形態において、動力分割装置20を構成する回転体を動力源とする補機を、コンプレッサ42に代えて、ブレーキポンプ62としてもよい。
・上記第1の実施形態に対する第3の実施形態の変更点によって、第4〜第9、第12、第13の実施形態を変更してもよい。
・上記第5の実施形態において、コンプレッサ42とブレーキポンプ62とのそれぞれと動力分割装置20との機械的な連結箇所を入れ替えてもよい。
・上記第1〜9,12,13の実施形態では、補機の要求最大エネルギを、モータジェネレータ10の要求最大出力の略「50%」としたが、これに限らない。ただし、補機の要求出力の最大値(動力分割装置20を動力源とする補機が複数ある場合にはこれらが同時に要求する出力の和の最大値)がモータジェネレータ10の最大出力と比較して過度に小さくならないことが望ましいため、例えば、「25%」以上であることが望ましく、更に「35%」以上であることがより望ましい。
もっとも、こうした設定は、第10,第11の実施形態においても望ましいものである。このため、例えば、上記第10、第11の実施形態において、第1モータジェネレータ10Aや第2モータジェネレータ10Bと動力分割装置20との間や、動力分割装置20と駆動輪14との間にCVTを介在させるなどして、車両発進時等における変速比をきわめて低速なギア比とする構成も考えられる。これにより、第1モータジェネレータ10Aや第2モータジェネレータ10Bを大型化することなく、駆動輪14に付与可能なトルクを大きくすることができる。
・上記第3の実施形態において、コンプレッサ42を、第1遊星歯車機構22のサンギアS及び第2遊星歯車機構24のサンギアSとクラッチ38との間に設ける変更を加えてもよい。この場合、車両の停止時において、クラッチ38を遮断して且つCVT36の駆動も停止させればよい。この場合であっても、ブレーキによって第1遊星歯車機構22のリングギアR及び第2遊星歯車機構24のキャリアCの回転速度をゼロに固定するなら、モータジェネレータ10の回転速度を操作することで、第1遊星歯車機構22のサンギアS及び第2遊星歯車機構24のサンギアSの回転速度を制御することができる。このため、モータジェネレータ10の回転速度によって、コンプレッサ42の従動軸42aの回転速度を制御することができる。
・上記第1〜第9の実施形態において、CVT36とクラッチ38との配置を入れ替えてもよい。すなわち、例えば上記第1の実施形態において、回転軸10a側にクラッチ38を配置して且つ、第1遊星歯車機構22のサンギアS及び第2遊星歯車機構24のサンギアS側にCVT36を配置してもよい。
・上記第1〜11の実施形態では、動力分割装置20側(起動軸側)にクラッチ30を設けて且つエンジン12の回転軸12a側にワンウェイベアリング32を設けたが逆でもよい。更に、ワンウェイベアリング32の両側にそれぞれクラッチを設けてもよい。
・動力分割装置20を構成する回転体の回転力を補機に伝達させる手法としては、上記各実施形態において例示したものに限らない。例えば、CVT36のベルトに補機の従動軸を押し付けることで、ベルトから補機へと動力を付与するようにしてもよい。この場合、例えば、先の図1に例示した構成においては、補機に機械的に接続可能とされる回転体が、第1遊星歯車機構22のサンギアS及び第2遊星歯車機構24のサンギアSと、第2遊星歯車機構24のリングギアRとなる。換言すれば、補機に同時期に動力が伝達される回転体が、第1遊星歯車機構22のサンギアS及び第2遊星歯車機構24のサンギアSと、第2遊星歯車機構24のリングギアRとなる。
・上記第1〜第11の実施形態では、エンジン12を始動するために動力分割装置20からエンジン12の回転軸12aへと動力を伝達する経路の動力伝達を遮断する手段(クラッチ30)を設けたが、これに限らない。これを設けなくても、車両の停止時等において動力分割装置20を構成する回転体の回転エネルギを利用して補機を駆動することなどはできる。
・エンジン12の回転軸12aに対する動力分割装置20の起動軸の相対的な回転速度が負でないことを条件に動力を伝達させる一方向伝達機構としては、ワンウェイベアリング32に限らない。例えば、ワンウェイクラッチであってもよい。更に、起動軸によって回転軸12aが滑ることなくつれまわされるものに限らず、滑りつつも動力が付与されるものであってもよい。
・動力分割装置20の起動軸とエンジン12の回転軸12aとの間の動力の伝達及び遮断を行う動力伝達制御手段としては、エンジン12の回転軸12aに対する動力分割装置20の起動軸の相対的な回転速度が負でないことを条件に動力を伝達させる一方向伝達機構を備えるものに限らない。例えば、クラッチ30のみを備えるものであってもよい。この場合であっても、エンジン12の始動後、エンジン12の回転軸12aと起動軸とを遮断させることで、エンジン12を起動させた後、起動軸より回転速度の高い回転体とエンジン12とを機械的に連結させることはできる。
・動力分割装置20の伝達軸に対するエンジン12の回転軸12aの相対的な回転速度が負でないことを条件に動力を伝達させる一方向伝達機構としては、ワンウェイベアリング34に限らない。例えば、ワンウェイクラッチであってもよい。更に、回転軸12aによって伝達軸が滑ることなくつれまわされるものに限らず、滑りつつも動力が付与されるものであってもよい。
・動力分割装置20の伝達軸とエンジン12の回転軸12aとの間の動力の伝達及び遮断を行う動力伝達制御手段としては、動力分割装置20の伝達軸に対するエンジン12の回転軸12aの相対的な回転速度が負でないことを条件に動力を伝達させる一方向伝達機構を備えるものに限らない。例えば、上記クラッチ30と同様のクラッチを備えるものであってもよい。この場合であっても、エンジン12の回転速度と伝達軸の回転速度とを一致させた状態でクラッチを接続することで、エンジン12の回転軸12aと伝達軸とを適切に連結させることができる。
・第1の実施形態では、伝達軸として、第1遊星歯車機構22及び第2遊星歯車機構24のサンギアに連結される軸を用いたが、これに限らず、例えば第2遊星歯車機構24のリングギアに連結される軸であってもよい。同様に、第2〜第9の実施形態においても、伝達軸を、モータジェネレータ10の回転軸10aに機械的に連結される軸としてもよい。また、伝達軸をモータジェネレータ10の回転軸10aに機械的に連結される軸とする手法としては、上記に限らず、例えば、上記第1〜第9の実施形態における伝達軸にモータジェネレータ10の回転軸10aをCVT36を介すことなく機械的に連結してもよい。すなわち、例えば先の図1において、第1遊星歯車機構22のサンギアS及び第2遊星歯車機構24のサンギアSと一体回転する軸とモータジェネレータ10の回転軸10aとを同軸としてもよい。また例えば、CVT36のうちクラッチ38側にモータジェネレータ10を機械的に連結してもよい。
・第1の実施形態に対する第6の実施形態の変更点によって、第2〜第5、第7〜第13の実施形態を変更してもよい。この際、切替によって駆動輪14に機械的に連結される一対の回転体としては、共線図における回転速度が同一符号となるものに限らない。逆符号となる場合であっても、回転方向を変換する適宜の手段を介在させることで駆動輪14に動力を伝達させるための経路を好適に切り替えることができる。
更に、切替によって駆動輪14に機械的に連結される一対の回転体の一方がモータジェネレータ10の回転軸10aにCVT36を介すことなく機械的に連結されるものである必要もない。例えば、先の図1において、第1遊星歯車機構22のリングギアR及び第2遊星歯車機構24のキャリアCと、第1遊星歯車機構22のサンギアS及び第2遊星歯車機構24のサンギアSとであってもよい。また例えば、第1遊星歯車機構22のリングギアR及び第2遊星歯車機構24のキャリアCと、第1遊星歯車機構22のキャリアCとであってもよい。
・第1遊星歯車機構22及び第2遊星歯車機構24を備えて構成される動力分割装置としては、上記各実施形態で例示したものに限らない。一般に、第1遊星歯車機構22の備える3つの回転体(サンギア、キャリア、リングギア)のうちの2つのそれぞれが、第2遊星歯車機構24の備える3つの回転体のうちの2つに割り振られて互いに機械的に連結されるものであってよい。図20(a)〜図20(j)及び図21(a)〜図21(j)に、こうした動力分割装置による代表的な共線図を示す。これらの共線図は、第1遊星歯車機構22及び第2遊星歯車機構24の備える6つの回転体同士の連結関係と、共線図において1直線上に並ぶ4つの回転速度と回転体との対応関係を規定するものである。ただし、リングギアの歯数に対するサンギアの歯数の比については、模式的に示したものであり、この図自体には、実際の比を規定する意図はない。
これら共線図は、ともに上記第1遊星歯車機構22に対応するもののサンギアS,キャリアC及びリングギアRを図中上側に記載している。このため例えば、図20(b)及び図20(c)は、リングギア同士及びキャリア同士が互いに機械的に連結されて且つ、第1遊星歯車機構22のリングギアの歯数に対するサンギアの歯数の比及び第2遊星歯車機構24のリングギアの歯数に対するサンギアの歯数の比のいずれが大きいかが互いに相違するものを示している。こうした動力分割装置を用いる場合であっても、共線図の両端の回転速度に対応する回転体にモータジェネレータを連結し、また、共線図の中間の回転速度を左から順にそれぞれ、エンジン12の起動軸と駆動輪14とに連結される回転体の回転速度とすることで、上記第1の実施形態に準じた効果を得ることができる。
更に、第1遊星歯車機構22の備える3つの回転体のうちの2つのそれぞれが、第2遊星歯車機構24の備える3つの回転体のうちの2つに割り振られて互いに機械的に連結されるものにも限らない。例えば、第1遊星歯車機構22の備える3つの回転体のうちの1つが第2遊星歯車機構24の備える3つの回転体のうちの1つに機械的に連結されるものであってもよい。この場合であっても、例えば、これら互いに機械的に連結される一対の回転体に駆動輪を連結して且つ、これら以外の4つの回転体に、エンジンやモータジェネレータ10を機械的に連結することで車両の走行や補機へのエネルギの供給が可能となる。具体的には、例えば、上記4つの回転体のうちの1つにエンジンを機械的に連結するとともに、残りの3つの回転体の1つにモータジェネレータ10を直接機械的に連結して且つ残りの2つの回転体にCVTを介してモータジェネレータ10を機械的に連結すればよい。また、これに代えて、上記6つの回転体のいくつかを固定してもよい。ちなみに、こうした構成の場合、共線図は、1直線上に並ぶ回転速度のみにて定まらず、1点で交わる2つの直線上に並ぶ回転速度によって定まることとなる。
・ハイブリッド車に搭載される動力分割装置としては、第1遊星歯車機構22及び第2遊星歯車機構24を備えて構成されるものに限らない。例えば、単一の遊星歯車機構を備えるものであってもよい。具体的には例えば、単一の遊星歯車機構のサンギアに第1のモータジェネレータを機械的に連結し、リングギアに第2のモータジェネレータ及び駆動輪を機械的に連結し、キャリアにエンジンを機械的に連結するようにしてもよい。この場合、サンギア又はキャリアに補機を機械的に連結させ、駆動輪をブレーキアクチュエータの操作によって固定することで、車両の停止時において動力分割装置の回転体の回転エネルギを利用して補機を駆動することができる。この際、エンジンとキャリアとの機械的な連結を解除すべく、上記クラッチ30等を備えることが望ましい。また、こうしたシステムにおいて、サンギアとキャリアとのいずれかの回転速度がゼロとなり得て且つ、こうしたときにも補機の駆動力が要求される場合には、これらサンギアとキャリアとの少なくとも一方の回転エネルギが補機に供給されるようにしてもよい。これは、補機の従動軸の回転速度に対するサンギアとキャリアとのそれぞれの回転速度が負にならないことを条件に動力を伝達させる一方向伝達機構をそれぞれ備えることで実現することができる。
・動力分割装置としては、例えば上記特許文献1〜3に記載されているものであってもよい。こうした場合であっても、駆動輪に機械的に連結される回転体以外の回転体の回転力を補機に伝達可能とすることで、補機の回転速度の制御に対する制約を極力抑制することができる。また、駆動輪に機械的に連結される回転体以外の回転体であって且つ車両の停止時に回転速度がゼロ以外になり得る回転体に補機を接続することで、車両の停止時においても動力分割装置の回転体の回転エネルギを利用して補機を駆動することはできる。
・コンプレッサ42としては、可変容量型のものに限らず、吐出容量が固定されるものであってもよい。
・上記各実施形態では、動力分割装置20の回転体と補機との機械的な連結及び遮断を制御する電子制御式の動力伝達制御手段(クラッチ44、66)を備えたが、これを備えなくてもよい。この場合であっても、補機に回転エネルギを供給することなどはできる。
・動力分割装置20の回転体と補機との機械的な連結及び遮断を制御する手段として、補機の従動軸の回転速度に対する回転体の回転速度が負でない場合に動力を伝達させる一方向伝達手段を備えてもよい。
・車載補機としては、上記各実施形態で例示したものに限らない。例えば、エンジン12の燃料ポンプであってもよい。また例えば、エンジン12や、変速装置等に潤滑油を供給するためのオイルポンプであってもよい。また例えば、エンジン12を冷却するための冷却水を循環させるためのウォータポンプであってもよい。また例えば、新気を加圧してエンジン12の燃焼室に供給するため給気装置であってもよい。また例えば、エンジン12の排気通路に空気を供給するためのエアポンプであってもよい。ここで、動力分割装置20を構成する1の回転体に機械的に連結される補機は、1つであっても複数であってもよい。また、動力分割装置20を構成する3つ以上の回転体にそれぞれ各別の補機を機械的に連結してもよい。なお、エアポンプや給気装置のようにエンジン12の稼動時にのみ駆動力が要求されるものにおいては、車両の停止時には動力を供給しないことも有効である。
・動力分割装置20を規定する共線図上において1直線上に並ぶ一対の回転速度に対応する回転体とモータジェネレータ10との間に介在させる機械式の無段変速装置としては、ベルト式のものに限らず、例えばトラクションドライブ式のものであってもよい。また、機械式のものに限らず、油圧式のものであってもよい。更に、無段変速装置にも限らず、有段変速装置であってもよい。なお、上記一対の回転速度に対応する回転体としては、共線図の両端の回転速度に対応する回転体に限らない。
・駆動輪14やエンジン12、モータジェネレータ10のそれぞれと動力分割装置20との機械的な連結手法としては、上記各実施形態で模式的に示したものに限らない。例えば、動力分割装置20と駆動輪14との間に、減速ギア等の減速機構や、カウンタギア等を更に備えてもよい。ここで、カウンタギアは、エンジン12の回転方向等の仕様に応じて利用することで、動力分割装置20の動力を駆動輪14へとより適切に付与することを可能とするものである。また、駆動輪14と動力分割装置20との機械的な連結に際してギア等の剛体のみを用いるものに限らず、例えば、チェーンやベルト等を利用してもよい。
同様に、エンジン12の回転方向等の仕様に応じて、エンジン12と動力分割装置20の伝達軸や駆動軸との間に、カウンタギアを設けることも有効である。また、エンジン12と動力分割装置20との間に増速ギア等の増速機構や減速ギア等の減速機構を備えることもできる。更に、エンジン12と動力分割装置20との機械的な連結に際してギア等の剛体のみを用いるものに限らず、例えば、チェーンやベルト等を利用してもよい。
また同様に、モータジェネレータ10と動力分割装置20とのCVT36を介さない機械的な連結に際して、増速ギア等の増速機構や減速ギア等の減速機構を備えてもよい。また、遊星歯車機構のサンギアSとリングギアRとにCVT36を利用して1のモータジェネレータ10を機械的に連結する手法としては、先の図1(b)に例示したようにCVT36を介さない側にカウンタギアCNを設ける手法に限らない。例えば図1において、第1遊星歯車機構22のサンギアS及び第2遊星歯車機構24のサンギアSとCVT36との機械的な連結に際して、カウンタギアCN等の反転手段を利用してもよい。なお、これらにおいては、遊星歯車機構としてサンギアSとリングギアRとの回転速度の符号が逆である場合にキャリアCの回転速度がゼロとなり得るものを想定したが、これに限らない。例えば、遊星歯車機構としてサンギアSとリングギアRとの回転速度の符号が同一である場合にキャリアCの回転速度がゼロとなり得るものであってもよい。これは、いわゆるダブル遊星ギアタイプの遊星歯車機構(例えば特開2001−108073号公報参照)によって実現できる。更に、モータジェネレータ10と動力分割装置20とのCVT36を介さない機械的な連結に際しても、ギア等の剛体のみを用いるものに限らず、例えば、チェーンやベルト等を利用してもよい。
・上記各実施形態では、車両走行用の回転電機を1つ又は2つ備える構成としたが、3つ以上備えるようにしてもよい。
・回転電機としては、3相の交流回転電機に限らず、例えばブラシ付DCモータや誘導モータ等であってもよい。これらの場合、回転電機に電力を供給する電力変換回路も適宜変更すればよい。また、ブラシ付DCモータを用いる場合には、これを、動力分割装置20のうちオイルの充填されたケースに対して外付けすることが望ましい。これは、ブラシ付DCモータの接点がオイルによって導通不良を起こすおそれがあるためである。これに対し、ブラシレスDCモータを用いる場合、ケースに対して外付けしてもよいが、ケース内に収容することが望ましい。これは、オイルによってモータを冷却することができるためである。ちなみに、上記第1〜6の実施形態等において、CVT36として湿式のものを用いる場合、CVT36もケース内となる。このため、モータジェネレータ10をケース外に取り付ける場合には、回転軸10aを先の図1(b)に示したカウンタギアCNに連結するなどすることが望ましい。もっとも、モータジェネレータ10をケース内に収容する場合であっても、回転軸10aをカウンタギアCNに連結させることは可能である。
・上記第1〜11の実施形態では、内燃機関を1つ備える構成としたが、2つ以上備えるようにしてもよい。
10,10A,10B…モータジェネレータ(回転電機の一実施形態)、20…動力分割装置、22,24…遊星歯車機構、44,66…クラッチ(遮断手段の一実施形態) 、42…コンプレッサ(補機の一実施形態)、S…サンギア(動力分割用回転体の一実施形態)、C…キャリア(動力分割用回転体の一実施形態)、R…リングギア(動力分割用回転体の一実施形態)。

Claims (10)

  1. 車両走行用の内燃機関、回転電機及び駆動輪間の動力分割のための回転体であって且つ互いに連動して回転する3つ以上の動力分割用回転体を備える車載動力伝達装置において、
    前記動力分割用回転体のうち前記駆動輪に機械的に連結される第1の回転体とは別の第2の回転体の回転力を車載補機に伝達可能とし、
    前記動力分割用回転体のうち前記第2の回転体を含む少なくとも一対の回転体が、前記回転電機に機械的に連結されており、
    前記一対の回転体のうちの少なくとも一方と前記回転電機とを機械的に連結する手段として、変速比を調節する変速装置を備え、
    前記変速装置の変速比と前記回転電機の回転速度とを制御することで、前記第1の回転体の回転速度をゼロにするとともに前記第2の回転体の回転速度をゼロ以外にし、
    前記動力分割用回転体は、それぞれ3つの回転体であって、互いの回転速度が共線図において1直線上に並ぶ回転体を備える第1及び第2の遊星歯車機構を備え、
    前記第1の遊星歯車機構及び前記第2の遊星歯車機構は、互いに機械的に連結された伝達軸回転体をそれぞれ備え、前記伝達軸回転体は前記変速装置を介して前記回転電機の回転軸に機械的に連結され、
    前記第1の遊星歯車機構及び前記第2の遊星歯車機構は、互いに機械的に連結された出力回転体をそれぞれ備え、前記出力回転体は、前記第1の回転体として前記駆動輪に機械的に連結され、
    前記第1の遊星歯車機構は、前記内燃機関に機械的に連結された起動軸回転体を備え、
    前記第2の遊星歯車機構は、前記回転電機に機械的に連結された回転電機回転体を備え、
    前記第2の回転体は、前記回転電機回転体又は前記伝達軸回転体であり、
    前記出力回転体及び前記起動軸回転体の回転速度が、共線図上において、前記回転電機回転体の回転速度と前記伝達軸回転体の回転速度との間にあることを特徴とする車載動力伝達装置。
  2. 車両走行用の回転電機及び駆動輪の動力分割のための回転体であって且つ互いに連動して回転する3つ以上の動力分割用回転体を備える車載動力伝達装置において、
    前記動力分割用回転体のうち前記駆動輪に機械的に連結される第1の回転体とは別の第2の回転体の回転力を車載補機に伝達可能とし、
    前記動力分割用回転体のうち前記第2の回転体を含む少なくとも一対の回転体が、前記回転電機に機械的に連結されており、
    前記一対の回転体のうちの少なくとも一方と前記回転電機とを機械的に連結する手段として、変速比を調節する変速装置と動力の伝達を遮断可能とする遮断手段とを備え、
    前記遮断手段を遮断して、前記変速装置の変速比と前記回転電機の回転速度とを制御することで、前記第1の回転体の回転速度をゼロにするとともに前記第2の回転体の回転速度をゼロ以外にすることを特徴とする車載動力伝達装置。
  3. 車両走行用の回転電機及び駆動輪の動力分割のための回転体であって且つ互いに連動して回転する3つ以上の動力分割用回転体を備える車載動力伝達装置において、
    前記動力分割用回転体のうち前記駆動輪に機械的に連結される第1の回転体とは別の第2の回転体の回転力を車載補機に伝達可能とし、
    前記動力分割用回転体のうち前記第2の回転体を含む少なくとも一対の回転体が、前記回転電機に機械的に連結されており、
    前記一対の回転体のうちの少なくとも一方と前記回転電機とを機械的に連結する手段として、変速比を調節する変速装置を備え、
    前記駆動輪に機械的に連結される回転体を、前記動力分割用回転体のうちの前記第1の回転体以外の回転体にも切り替え可能な切替手段を備え、
    前記第1の回転体の回転速度をゼロとなる車両の停止時に前記補機の駆動要求がある場合には、前記切替手段により前記第1の回転体を前記駆動輪に連結して、前記変速装置の変速比と前記回転電機の回転速度とを制御することで、前記第1の回転体の回転速度をゼロにするとともに前記第2の回転体の回転速度をゼロ以外にすることを特徴とする車載動力伝達装置。
  4. 車両走行用の内燃機関、回転電機及び駆動輪間の動力分割のための回転体であって且つ互いに連動して回転する3つ以上の動力分割用回転体を備える車載動力伝達装置において、
    第1の回転電機及び第2の回転電機と、
    前記駆動輪に機械的に連結された第1の回転体と、前記第1の回転電機に機械的に連結された第2の回転体と、前記第2の回転電機に機械的に連結された第3の回転体と、を備え、
    前記第2の回転体が車載補機に機械的に連結されており、
    前記第1の回転電機及び前記第2の回転電機の一方が電動機として機能する場合に他方が発電機として機能して、前記第1の回転体の回転速度をゼロにするとともに前記第2の回転体の回転速度をゼロ以外にし、
    前記動力分割用回転体は、それぞれ3つの回転体であって、互いの回転速度が共線図において1直線上に並ぶ回転体を備える第1及び第2の遊星歯車機構を備え、
    前記第1の遊星歯車機構及び前記第2の遊星歯車機構は、互いに機械的に連結された伝達軸回転体をそれぞれ備え、前記伝達軸回転体は前記第3の回転体として前記第2の回転電機の回転軸に機械的に連結され、
    前記第1の遊星歯車機構及び前記第2の遊星歯車機構は、互いに機械的に連結された出力回転体をそれぞれ備え、前記出力回転体は、前記第1の回転体として前記駆動輪に機械的に連結され、
    前記第1の遊星歯車機構は、前記内燃機関に機械的に連結された起動軸回転体を備え、
    前記第2の遊星歯車機構は、前記第1の回転電機に機械的に連結された回転電機回転体を備え、
    前記第2の回転体は、前記回転電機回転体であり、
    前記出力回転体及び前記起動軸回転体の回転速度が、共線図上において、前記回転電機回転体の回転速度と前記伝達軸回転体の回転速度との間にあることを特徴とする車載動力伝達装置。
  5. 前記第2の回転体と前記補機との動力の伝達を遮断する電子制御式の遮断手段を更に備えることを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の車載動力伝達装置。
  6. 請求項1に記載の車載動力伝達装置と、
    前記変速装置の変速比と前記回転電機の回転速度とを制御することで、前記第1の回転体の回転速度をゼロにするとともに前記第2の回転体の回転速度をゼロ以外に制御する制御手段とを備えることを特徴とする車両用動力制御システム。
  7. 請求項2に記載の車載動力伝達装置と、
    前記遮断手段を遮断して、前記変速装置の変速比と前記回転電機の回転速度とを制御することで、前記第1の回転体の回転速度をゼロにするとともに前記第2の回転体の回転速度をゼロ以外に制御する制御手段とを備えることを特徴とする車両用動力制御システム。
  8. 請求項3に記載の車載動力伝達装置と、
    前記第1の回転体の回転速度をゼロとなる車両の停止時に前記補機の駆動要求がある場合には、前記切替手段により前記第1の回転体を前記駆動輪に連結して、前記変速装置の変速比と前記回転電機の回転速度とを制御することで、前記第1の回転体の回転速度をゼロにするとともに前記第2の回転体の回転速度をゼロ以外に制御する制御手段とを備えることを特徴とする車両用動力制御システム。
  9. 請求項4に記載の車載動力伝達装置と、
    前記第1の回転電機及び前記第2の回転電機の一方が電動機として機能する場合に他方が発電機として機能して、前記第1の回転体の回転速度をゼロにするとともに前記第2の回転体の回転速度をゼロ以外に制御する制御手段とを備えることを特徴とする車両用動力制御システム。
  10. 車両走行用の回転電機が搭載される車両について、該車両に搭載される補機の動力源を選択する車載補機の動力源の選択方法において、
    前記補機を搭載する車両として、前記回転電機及び駆動輪の動力分割のための回転体であって且つ互いに連動して回転する3つ以上の動力分割用回転体を備える車載動力伝達装置を搭載するものを選択し、
    前記車載動力伝達装置は、
    前記動力分割用回転体のうち前記第2の回転体を含む少なくとも一対の回転体が、前記回転電機に機械的に連結されており、
    前記一対の回転体のうちの少なくとも一方と前記回転電機とを機械的に連結する手段として、変速比を調節する変速装置と動力の伝達を遮断可能とする遮断手段とを備えるものであって、
    前記動力分割用回転体のうち前記駆動輪に機械的に連結される第1の回転体とは別の第2の回転体の回転力を、前記動力源として選択し、
    前記遮断手段を遮断して、前記変速装置の変速比と前記回転電機の回転速度とを制御することで、前記第1の回転体の回転速度をゼロにするとともに前記第2の回転体の回転速度をゼロ以外にすることを特徴とする車載補機の動力源の選択方法。
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