JP2015033964A - ハイブリッドシステム、ハイブリッド車両、及びハイブリッドシステムの動力伝達方法 - Google Patents

ハイブリッドシステム、ハイブリッド車両、及びハイブリッドシステムの動力伝達方法 Download PDF

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Abstract

【課題】内燃機関と電動発電機を有するハイブリッドシステムを搭載したハイブリッド車両において制動トルクを可変させることができるハイブリッドシステム、ハイブリッド車両、およびハイブリッドシステムの動力伝達方法を提供する。【解決手段】内燃機関11と電動発電機21Aを有するハイブリッドシステムの動力伝達方法において、内燃機関11のクランク軸15に直結して設けられる無段変速機構16を介して、クランク軸15と電動発電機21Aとの間の動力伝達を行うと共に、電動発電機21Aと、この電動発電機21Aに直列に配置される電動発電機21Bとの間で電動発電機用切断装置27を介して動力伝達を行い、更に、電動発電機用切断装置27の断接によりクランク軸15の制動トルクを可変にする。【選択図】図1

Description

本発明は、ハイブリッドシステム、ハイブリッド車両、及びハイブリッドシステムの動力伝達方法に関する。
内燃機関と電動発電機の両方を搭載するハイブリッド車両(HEV)では、内燃機関の出力により電動発電機を駆動して発電して、この発電した電力をバッテリに充電したり、このバッテリに充電した電力で電動発電機を駆動して内燃機関の出力をアシストしたりしている。この内燃機関で電動発電機を駆動する場合には、内燃機関の駆動力を電動発電機に伝達する必要がある。
この動力伝達に関しては、いくつかの方法が提案されており、例えば、エンジン(内燃機関)と変速機との間に電動モータ(電動発電機)を設けて、この電動モータをエンジンの駆動軸(クランク軸)に連結したハイブリッド車両が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、この内燃機関のクランク軸に電動発電機を連結する構成では、電動発電機の回転軸の回転数が内燃機関のクランク軸の回転数と同じになってしまうので、内燃機関の回転数が電動モータの発電効率又は駆動効率の高い回転領域を外れると、電動発電機におけるエネルギー損失が大きくなるという問題がある。
特開2013−075540号公報
本発明は、上記のことを鑑みてなされたものであり、その目的は、内燃機関と電動発電機を有するハイブリッドシステムを搭載したハイブリッド車両において、制動トルクを可変させることができるハイブリッドシステム、ハイブリッド車両、およびハイブリッドシステムの動力伝達方法を提供することにある。
上記の目的を達成するための本発明のハイブリッドシステムは、内燃機関と電動発電機を有するハイブリッドシステムにおいて、前記内燃機関のクランク軸に直結して設けられる無段変速機構と、該無段変速機構に連結される第1の電動発電機と、該第1の電動発電機に直列に配置される第2の電動発電機と、前記第1の電動発電機と前記第2の電動発電機の間に設けられ、前記第1の電動発電機と前記第2の電動発電機の間の動力伝達を切断可能な電動発電機用切断装置と、該電動発電機用切断装置を制御するハイブリッドシステム用制御装置を有し、該ハイブリットシステム用制御装置は、前記電動発電機用切断装置の断接により前記クランク軸の制動トルクを可変にする制動トルク可変制御を行うように構成される。
この構成によれば、制動トルクが小さい間は、電動発電機用切断装置を断にして、一つの電動発電機で制御でき、制動トルクが大きくなると、電動発電機用切断装置を接にして、複数の電動発電機で制御できるので、クランク軸へ伝達する制動トルクを可変させることができる。その結果、このハイブリッドシステムを搭載するハイブリッド車両の制動トルクを可変させることができる。この電動発電機用切断装置における断接操作をする方法は、ハイブリッドシステムを搭載したハイブリッド車両が一定車速制御の減速量を調整する時に使用すると便利である。
また、上記のハイブリッドシステムにおいて、前記制動トルク可変制御が、前記無段変速機構における第1動力伝達部を前記内燃機関のクランク軸に直結する一方で、前記無段変速機構における第2動力伝達部を前記第1の電動発電機に直結し、前記第1動力伝達部と前記第2動力伝達部との間に動力伝達部材を掛け回し、前記第1動力伝達部の径と前記第2動力伝達部の径の比を変化させることで、前記第1の電動発電機から前記クランク軸に伝達される制動トルクの大きさを可変にする制御を行うように構成されると、この構成により、電動発電機が発生する制動トルクが同じであっても、無段変速機構における第1動力伝達部の径と第2動力伝達部の径の比を変化させることで、クランク軸側の制動トルクの大きさを可変できるので、クランク軸へ伝達する制動トルクを更に増減し、クランク軸側の制動トルクの調整範囲をより広くすることができる。この無段変速機構における第1動力伝達部の径と第2動力伝達部の径の比を変化する方法は、ハイブリッドシステムを搭載したハイブリッド車両が一定車速制御の減速量を調整する時に使用すると便利である。
また、上記のハイブリッドシステムにおいて、前記無段変速機構を制御するハイブリッドシステム用制御装置が、前記第1の電動発電機と前記第2の電動発電機の回転数が予め設定された最大許容回転数以下になるように前記第1動力伝達部の径と前記第2動力伝達部の径の比を変化させるように構成されると、この構成により、電動発電機を保護しながら、電動発電機で発生できる最大の制動トルクを更に、無段変速機構における第1動力伝達部の径と第2動力伝達部の径の比を変化してクランク軸に伝達できるので、クランク軸に非常に大きな制動トルクを伝達することができ、最大のブレーキ力を発生させることができるようになる。
そして、上記の目的を達成するためのハイブリッド車両は、上記のハイブリッドシステムを搭載したことを特徴とすると、上記のハイブリッドシステムと同様の効果を奏することができる。
そして、上記の目的を達成するためのハイブリッドシステムの動力伝達方法は、内燃機関と電動発電機を有するハイブリッドシステムの動力伝達方法において、前記内燃機関のクランク軸に直結して設けられる無段変速機構を介して、前記クランク軸と第1の電動発電機との間の動力伝達を行うと共に、前記第1の電動発電機と、前記第1の電動発電機に直列に配置される第2の電動発電機との間で電動発電機用切断装置を介して動力伝達を行い、更に、前記電動発電機用切断装置の断接により前記クランク軸の制動トルクを可変にすることを特徴とする方法である。
上記のハイブリッドシステムの動力伝達方法において、前記無段変速機構における第1動力伝達部を前記内燃機関のクランク軸に直結する一方で、前記無段変速機構における第2動力伝達部を前記第1の電動発電機に直結し、前記第1動力伝達部と前記第2動力伝達部との間に動力伝達部材を掛け回し、前記第1動力伝達部の径と前記第2動力伝達部の径の比を変化させることで、前記第1の電動発電機から前記クランク軸に伝達される制動トルクの大きさを可変にすることを特徴とする方法である。
これらの方法によれば、それぞれ、対応する上記のハイブリッドシステムと同様な効果を奏することができる。
本発明のハイブリッドシステム、ハイブリッド車両、及びハイブリッドシステムの動力伝達方法によれば、制動トルクが小さい間は、電動発電機用切断装置を断にして、一つの電動発電機で制御でき、制動トルクが大きくなると、電動発電機用切断装置を接にして、複数の電動発電機で制御できるので、クランク軸へ伝達する制動トルクを可変させることができる。その結果、このハイブリッドシステムを搭載するハイブリッド車両の制動トルクを可変させることができる。
本発明の実施の形態のハイブリッドシステム及びハイブリッド車両の構成を示す図である。 クランク軸用切断装置を設けたハイブリッドシステム及びハイブリッド車両の構成を示す図である。
以下、本発明に係る実施の形態のハイブリッドシステム、ハイブリッド車両、及びハイブリッドシステムの動力伝達方法について図面を参照しながら説明する。
図1に示すように、この実施の形態のハイブリッドシステム2は、エンジン(内燃機関)10と第1電動発電機(M/G)21Aと第2電動発電機(M/G)21Bを有するハイブリッドシステムである。なお、ここでは、このハイブリッドシステム2はハイブリッド車両(HEV:以下車両とする)1に搭載されるものとして説明するが、必ずしも、車両に搭載されるものに限定されない。
図1に示すように、この実施の形態のハイブリッドシステム2は、エンジン11と排気通路12とターボ過給器13と、排気通路12に設けられた排気ガス浄化装置(後処理装置)14を備えている。この排気ガス浄化装置14により、エンジン11から排出される排気ガス中のNOx(窒素酸化物)、PM(微粒子状物質)等を浄化処理している。この浄化処理された排気ガスは、マフラー(図示しない)等を経由して大気中に放出される。
このエンジン11のクランク軸15に直結してCVT(無段変速機構:レシオ可変機構)16を設け、このCVT16に第1電動発電機21Aを連結する。つまり、エンジン11のクランク軸15にCVT16の第1プーリー(第1動力伝達部)16aを設けると共に、第1電動発電機21AにCVT16の第2プーリー(第2動力伝達部)16bを設けて構成し、第1プーリー16aと第2プーリー16bを介してクランク軸15と第1電動発電機21Aとの間の動力伝達を行うように構成する。この第1プーリー16aと第2プーリー16bとの間には無端状のベルト又はチェーン(動力伝達部材)16cが掛けられており、クランク軸15から第1プーリー16aとベルト16cと第2プーリー16bを経由して第1電動発電機21Aに、また逆に、第1電動発電機21Aから第2プーリー16bと動力伝達部材16cと第1プーリー16aを経由してクランク軸15に、動力が伝達される。
このCVT16では、2個一組の第1プーリー16aと第2プーリー16bに動力伝達部材16cをかけ、個々のプーリー16a、16bの幅を変えることにより、プーリー16a、16bと動力伝達部材16cの接する位置を変えるようにしており、幅が拡げられて動力伝達部材16cの接する位置が内側に(軸に近く)なれば実働直径Daが小さくなり、逆に幅が狭められて動力伝達部材16cの接する位置が外側なれば(外周側に移動すれば)実働直径Daが大きくなるように構成されている。そして、電子制御による油圧又は電動機構(図示しない)で2個のプーリー16a、16bの幅の拡縮が互いに逆になるように変化させる制御を行うことにより、動力伝達部材16cをたるませることなく、変速を連続的に行うことができる。
このCVT16を、エンジン11に関して、変速機31とは反対側のクランク軸15に設けることが好ましく、これにより、エンジン11と変速機31の間にCVT16を設ける必要がなくなる。そのため、ハイブリッドシステムを考慮していない、既存のエンジンと変速機との組み合わせ(パワートレイン)に対しても、電動発電機を容易に設けることができ、ハイブリッドシステムを搭載できるパワートレインの種類を拡大することが容易にできる。
なお、この場合、従来技術では、エンジンに関して、変速機とは反対側には、クランク軸から駆動力を得ている冷却ファンや冷却水ポンプや潤滑油ポンプ等の補機が配置されているので、これらの補機は電動化して、クランク軸から駆動力を得ることなく、電動発電機で発電した電力で駆動されるようにすることが好ましい。
そして、電力システム20の一部である第1電動発電機21Aは、発電機として、エンジン11の駆動力を受けて発電をしたり、又は、車両1のブレーキ力等の回生力発生による回生発電をしたりすると共に、モータとして駆動して、その駆動力をエンジン11のクランク軸15に伝達して、エンジン11の駆動力(出力:トルク)をアシストしたりする。
なお、発電して得た電力は、配線22を経由してインバータ(INV)23で変換して第1バッテリ(充電器:B1)24Aに充電される。また、第1電動発電機21Aを駆動するときは、第1バッテリ24Aに充電された電力をインバータ23で変換して第1電動発電機21Aに供給する。
この第1電動発電機21Aに第2電動発電機(別の電動発電機)を直列に配置して、電動発電機を複数設ける。これにより、第1及び第2電動発電機21A、21Bに使用する電動発電機の選択幅が広がり、設計の自由度が増加し、多様な仕様に対応することができるようになる。また、直列配置により、駆動力伝達機構の簡易化、重量の軽減、部品数の削減を図ることができる。また、標準仕様で電動発電機を1個にした場合でも、オプションとして容易に、電動発電機を複数個有する構成を追加できるので、基本レイアウトを同一とすることができ、部品点数、重量、コストを削減することができる。
図1の構成では、更に、DC−DCコンバータ(CON)25と第2バッテリ(B2)24Bを第1バッテリ24Aに直列に設けて、第1バッテリ24Aの、例えば、一般的な12Vや24V以上の高い電圧の電力を、DC−DCコンバータ25で、例えば、12Vに電圧降下させて、第2バッテリ24Bに充電して、この第2バッテリ24Bから補機の冷却ファン26A、冷却水ポンプ26B、潤滑油ポンプ26C等に電力を供給するように構成している。
このハイブリッドシステム2を搭載したハイブリッド車両(以下車両)1においては、エンジン11の動力は、動力伝達システム30の変速機(トランスミッション)31に伝達され、さらに、変速機31より推進軸(プロペラシャフト)32を介して作動装置(デファレンシャルギア)33に伝達され、作動装置33より駆動軸(ドライブシャフト)34を介して車輪35に伝達される。これにより、エンジン11の動力が車輪35に伝達され、車両1が走行する。
尚、エンジン10の搭載方式によっては、エンジン11から車輪35の動力伝達システムの伝達経路は異なってもよい。
一方、第1電動発電機21Aと第2電動発電機21Bの動力に関しては、第1バッテリ24Aに充電された電力がインバータ23を介して第1電動発電機21Aと第2電動発電機21Bに供給され、この電力により第1電動発電機21Aと第2電動発電機21Bが駆動され動力を発生する。この第2電動発電機21と第2発電電動機21Bの動力は、CVT16を介してクランク軸15に伝達されて、エンジン11の動力伝達経路を伝達して、車輪34に伝達される。
これにより、第1電動発電機21Aと第2電動発電機21Bの動力がエンジン11の動力と共に車輪34に伝達され、車両1が走行する。なお、回生時には、逆の経路で、車輪34の回生力、又はエンジン11の回生力が第1電動発電機21Aと第2電動発電機21Bに伝達されて、第1電動発電機21Aと第2電動発電機21Bで発電が可能となる。
また、第1及び第2電動発電機21A、21Bの回転軸において、第1電動発電機21Aと第2電動発電機21Bの間に電動発電機用切断装置27を設けて、第1電動発電機21Aと第2電動発電機21Bの間の動力伝達を電動発電機用切断装置27により切断可能にしているので、発電量の必要量又は駆動力の必要量に応じて、発電又は駆動する電動発電機の数を1個にしたり、2個、3個・・・などの複数個にしたりすることができ、必要電力又は必要駆動力との相対性により、より適切な個数の電動発電機で対応することができるようになる。また、第2電動発電機21Bの作動頻度が低い場合には、連結部に設けた電動発電機用切断装置27の断操作により、第2電動発電機21Bを切り離すことにより、この第2電動発電機21Bのフリクションの負担を無くすことができ、その分、燃費を改善できる。
また、ハイブリッドシステム用制御装置41が設けられ、エンジン11の回転数Neや負荷Q等の運転状態や電動発電機21の回転数Na等の運転状態や第1バッテリ24A,第2バッテリ24Bの充電量(SOC)の状態をモニターしながら、CVT16、第1電動発電機21A、第2電動発電機21B、インバータ23、DC−DCコンバータ25、電動発電機用切断装置27等を制御する。このハイブリッドシステム用制御装置41は、通常は、エンジン11や車両1を制御する全体制御装置40に組み込まれて構成される。この全体制御装置40は、エンジン11の制御では、シリンダ内燃焼やターボ過給器13や排気ガス浄化装置14や補機の冷却ファン26A、冷却水ポンプ26B、潤滑油ポンプ26Cなどを制御している。
この電動発電機用切断装置27を制御するハイブリッドシステム用制御装置(制御装置)41は、クランク軸15から第1電動発電機21Aへの駆動力の供給量が、第1電動発電機21Aの発電用の最大駆動力を上回る場合には、電動発電機用切断装置27を接にして、第2電動発電機21Bでも発電するように構成される。これにより、クランク軸15から第1電動発電機21Aへの駆動力の供給量に応じて、発電する電動発電機の個数を選択して発電することができるので、エネルギーロスを低減できる。
更に、ハイブリッドシステム用制御装置41は、架装機器(図示しない)への給電量が予め設定した設定給電量よりも多いときに、電動発電機用切断装置27を接にするように構成される。これにより、単数の電動発電機、即ち第1電動発電機21Aのみによって発電可能な量を考慮して設定される設定給電量よりも、架装機器で使用する電力量が多くなった場合には、エンジン11の駆動力で複数の電動発電機21A,21Bで発電して、十分な電力を架装機器に給電することができるようになる。
これにより、作動頻度が比較的低い架装機器を装備した場合でも、架装機器を作動させていないときには、第1電動発電機21Aのみで発電して補機26A、26B、26Cを作動させて、一方、架装機器を作動させて、第1電動発電機21Aのみの発電では給電量が不足するときには、複数の電動発電機21A、21Bで発電できるので、十分な電力を架装機器に給電できる。従って、大きな電動発電機で少量発電することを回避でき、エネルギー効率を向上できるので、燃費を改善できる。
そして、本発明においては、電動発電機用切断装置27を制御するハイブリッドシステム用制御装置41は、電動発電機用切断装置27の断接によりクランク軸15の制動トルクを可変にする制御を行うように構成される。これにより、制動トルクが小さい間は、電動発電機用切断装置27を断にして、第1電動発電機21Aのみで制御する。更に、制動トルクが大きくなると、電動発電機用切断装置27を接にして、複数の第1及び第2電動発電機21A、21Bで制御する。そのため、クランク軸15へ伝達する制動トルクを可変させることができる。その結果、このハイブリッドシステム2を搭載する車両1の制動トルクを可変させることができる。
また、CVT16を制御するハイブリッドシステム用制御装置41は、CVT16における第1プーリー16aをエンジン11のクランク軸15に直結する一方で、CVT16における第2プーリー16bを第1電動発電機21Aに直結し、第1プーリ―16aと第2プーリ―16bとの間に無端状の動力伝達部材16cを掛け回し、第1プーリ―16aの実働直径Deと第2プーリー16bの実働直径Daの直径比(Rd=Da/De)を変化させることで、第1電動発電機21Aからクランク軸15に伝達される制動トルクの大きさを可変にする制御を行うように構成される。
これにより、第1電動発電機21Aが発生する制動トルクが同じであっても、CVT16における直径比Rdを変化させることで、クランク軸15側の制動トルクの大きさを可変できるので、クランク軸15へ伝達する制動トルクを更に増減し、クランク軸15側の制動トルクの調整範囲をより広くすることができる。
また、CVT16を制御するハイブリッドシステム用制御装置41が、第1電動発電機21Aと第2電動発電機21Bの回転数Naが予め設定された最大許容回転数Nab以下になるように第1プーリー16aの実働直径Deと第2プーリーの実働直径Daの直径比Rdを変化させるように構成される。この構成により、第1及び第2電動発電機21A、21Bを保護しながら、最大の制動トルクを発生することができるようになる。
特に、このCVT16における直径比Rdを変化する方法や電動発電機用切断装置27を断接操作する方法は、ハイブリッドシステム2を搭載した車両1が一定車速制御されているときの減速量を調整する時に使用すると便利である。
また、この実施の形態のハイブリッドシステム2における動力伝達方法は、エンジン11と第1電動発電機21Aを有するハイブリッドシステム2の動力伝達方法において、エンジン11のクランク軸15に直結して設けられるCVT16を介して、クランク軸15と第1電動発電機21Aとの間の動力伝達を行うと共に、第1電動発電機21Aと、第1電動発電機21Aに直列に配置される第2電動発電機21Bとの間で電動発電機用切断装置27を介して動力伝達を行い、更に、電動発電機用切断装置27の断接によりクランク軸15の制動トルクを可変にする方法である。
また、このハイブリッドシステムの動力伝達方法において、CVT16における第1プーリー16aをエンジン11のクランク軸15に直結する一方で、CVT16における第2プーリー16bを第1電動発電機21Aに直結し、第1プーリー16aと第2プーリー16bとの間に無端状の動力伝達部材16cを掛け回し、第1プーリー16aの実働直径Deと第2プーリー16bの実働直径Daの直径比Rdを変化させることで、第1電動発電機21Aからクランク軸15に伝達される制動トルクの大きさを可変にすることを特徴とする方法である。 なお、図2に示すように、クランク軸15と第1電動発電機21Aとの間にクランク軸用切断装置17を設けて、ハイブリッドシステム2A、及び車両1Aを構成してもよい。これにより、第1電動発電機21Aをモータとしても発電機としても使用しないときには、クランク軸用切断装置17を断にして、第1及び第2電動発電機21A、21B側のフリクションの影響なしにエンジン10を運転することができるようになる。
特に、クランク軸15と第1プーリー16aとの間にクランク軸用切断装置17を設けると、第1及び第2電動発電機21A、21B側に加えてCVT16側のフリクションの影響なしにエンジン11を運転することができる。
このクランク軸用切断装置17はハイブリッドシステム用制御装置41により制御される。このクランク軸用切断装置17は、エンジン11のクランク軸15の動力で第1及び第2電動発電機21A、21Bを発電する場合や第1及び第2電動発電機21A、21Bの駆動力でエンジン11の駆動力をアシストする場合には、接にして、クランク軸15と第1電動発電機21Aの間での動力の伝達を行う。
一方、第1及び第2電動発電機21A、21Bでの発電が不要な場合にはクランク軸用切断装置17を断にして、エンジン11と第1電動発電機21Aとの間の動力伝達を切る。これにより、エンジン11のクランク軸15に第1及び第2電動発電機21A、21B側、又は、第1及び第2電動発電機21A、21B側とCVT16側のフリクションが加わることを回避することができるので、燃費を向上することができる。
更に、上記の構成では、電動発電機として、第1電動発電機21Aと第2電動発電機21Bの二つで説明したが、電動発電機を3個以上備えて、この電動発電機群の各電動発電機の間に第2、第3の電動発電機用切断装置を設けて構成してもよい。この場合は、クランク軸15に制動トルクを加えるときに、制動トルクの大きさによって、第1の電動発電機用切断装置27の断接制御に加えて、第2、第3の電動発電機用切断装置の一部又は全で断接制御する。
上記の実施の形態のハイブリッドシステム2、2A及びその動力伝達方法によれば、制動トルクが小さい間は、電動発電機用切断装置27を断にして、一つの第1電動発電機21Aのみで制御でき、制動トルクが大きくなると、電動発電機用切断装置27を接にして、複数の第1及び第2電動発電機21、21Bで制御できるので、クランク軸15へ伝達する制動トルクを可変させることができる。その結果、このハイブリッドシステム2、2Aを搭載する車両1、1Aの制動トルクを可変させることができる。
1、1A 車両(ハイブリッド車両:HEV)
2、2A ハイブリッドシステム
11 内燃機関(エンジン)
12 排気通路
13 ターボ過給器
14 排気ガス浄化装置
15 クランク軸
16 CVT(無段変速機構)
16a 第1プーリー(第1動力伝達部)
16b 第2プーリー(第2動力伝達部)
20 電力システム
21A 第1電動発電機(M/G)
21B 第2電動発電機(M/G)
22 配線
23 インバータ(INV)
24A 第1バッテリ(B1)
24B 第2バッテリ(B2)
25 DC−DCコンバータ(CON)
26A 冷却ファン(補機)
26B 冷却水ポンプ(補機)
26C 潤滑油ポンプ(補機)
27 電動発電機用切断装置
30 動力伝達システム
31 変速機(トランスミッション)
32 推進軸(プロペラシャフト)
33 差動装置(デファレンシャルギア)
34 駆動軸(ドライブシャフト)
35 車輪
40 全体制御装置
41 制御装置
Da 第2プーリーの実働直径
De 第1プーリーの実働直径
Na 第1電動発電機の回転数
Nab 電動発電機の最大許容回転数
Ne クランク軸の回転数
Rn 回転数比
Rd 直径比

Claims (6)

  1. 内燃機関と電動発電機を有するハイブリッドシステムにおいて、前記内燃機関のクランク軸に直結して設けられる無段変速機構と、
    該無段変速機構に連結される第1の電動発電機と、
    該第1の電動発電機に直列に配置される第2の電動発電機と、
    前記第1の電動発電機と前記第2の電動発電機の間に設けられ、前記第1の電動発電機と前記第2の電動発電機の間の動力伝達を切断可能な電動発電機用切断装置と、
    該電動発電機用切断装置を制御するハイブリッドシステム用制御装置を有し、
    該ハイブリットシステム用制御装置は、前記電動発電機用切断装置の断接により前記クランク軸の制動トルクを可変にする制動トルク可変制御を行うことを特徴とするハイブリッドシステム。
  2. 前記制動トルク可変制御が、
    前記無段変速機構における第1動力伝達部を前記内燃機関のクランク軸に直結する一方で、前記無段変速機構における第2動力伝達部を前記第1の電動発電機に直結し、前記第1動力伝達部と前記第2動力伝達部との間に動力伝達部材を掛け回し、前記第1動力伝達部の径と前記第2動力伝達部の径の比を変化させることで、前記第1の電動発電機から前記クランク軸に伝達される制動トルクの大きさを可変にする制御を行うことを特徴とする請求項1に記載のハイブリッドシステム。
  3. 前記無段変速機構を制御するハイブリッドシステム用制御装置が、
    前記第1の電動発電機と前記第2の電動発電機の回転数が予め設定された最大許容回転数以下になるように前記第1動力伝達部の径と前記第2動力伝達部の径の比を変化させることを特徴とする請求項1又は2に記載のハイブリッドシステム。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載のハイブリッドシステムを搭載したことを特徴とするハイブリッド車両。
  5. 内燃機関と電動発電機を有するハイブリッドシステムの動力伝達方法において、
    前記内燃機関のクランク軸に直結して設けられる無段変速機構を介して、前記クランク軸と第1の電動発電機との間の動力伝達を行うと共に、前記第1の電動発電機と、前記第1の電動発電機に直列に配置される第2の電動発電機との間で電動発電機用切断装置を介して動力伝達を行い、
    更に、前記電動発電機用切断装置の断接により前記クランク軸の制動トルクを可変にすることを特徴とするハイブリッドシステムの動力伝達方法。
  6. 前記無段変速機構における第1動力伝達部を前記内燃機関のクランク軸に直結する一方で、前記無段変速機構における第2動力伝達部を前記第1の電動発電機に直結し、前記第1動力伝達部と前記第2動力伝達部との間に動力伝達部材を掛け回し、前記第1動力伝達部の径と前記第2動力伝達部の径の比を変化させることで、前記第1の電動発電機から前記クランク軸に伝達される制動トルクの大きさを可変にすることを特徴とする請求項5に記載のハイブリッドシステムの動力伝達方法。
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