JP5377927B2 - 美白剤 - Google Patents
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Description
本発明者等は、グリベンクラミド(glybenclamide)に着目して、その作用を試験研究していたところ、真皮色素沈着抑制効果を見出し、美白剤への活用を提案する。
特許文献3(特開2002−3402号公報)には、細胞死抑制剤としてグリベンクラミド(glybenclamide)を用いるこが開示されている。
(1)グリベンクラミド(glybenclamide)を有効成分とするメラニン生成抑制剤。
(2)グリベンクラミド(glybenclamide)を有効成分とする真皮色素沈着抑制剤。
(3)(1)記載のメラニン生成抑制剤又は(2)記載の真皮色素沈着抑制剤を含む美白剤。
(4)(3)記載の美白剤を含有する美白化粧料。
グリベンクラミド(glybenclamide)を配合することにより美白剤や美白化粧料を提供することができる。
細胞毒性も認められず、安全性が確認できた。
本発明は、グリベンクラミド(glybenclamide)の美白効果に着目した発明である。特に、メラニン合成抑制作用及び真皮色素沈着抑制作用を発揮するものである。UVBなどの紫外線被曝に起因するメラニン合成や真皮色素沈着に対する抑制効果を奏する。そして、細胞毒性が少なく、安全である。
グリベンクラミド(glybenclamide)のメラニン合成抑制作用及び真皮色素沈着抑制作用は、濃度依存的に発揮することが認められる。真皮色素沈着抑制作用は、0.0025%で有効性が確認された。皮膚外用剤としては0.1%以上で効果が認められ、1%以上配合することが好ましく、さらには5%以上配合することが好ましい。メラニン合成抑制の観点からは、2.5%以上配合することが好ましい。
したがって、グリベンクラミド(glybenclamide)は、1%以上、好ましくは2.5%以上、更に好ましくは、5%以上配合することが好ましい。
1.目的:
グリベンクラミド(glybenclamide)のメラニン合成に対する影響を確認する。
(1)使用キット及び試薬
・ 三次元皮膚モデル(MEL-300-A)(Melanoderm)(倉敷紡績株式会社(MatTek社製))(アジア系ドナータイプ)
・ EPI-100LLMM維持培地(倉敷紡績株式会社(MatTek社製))
・ LDH測定キット(和光純薬株式会社製)
(2) 試験系
1. 2%アスコルビル2−グルコシド(以後、AA2G) (n=4)
2. 50μM glybenclamide / 5% EtOH (25μg/ml) (n=4)
3. 10μM glybenclamide / 5% EtOH ( 5μg/ml) (n=4)
4. 5% EtOH (n=4)
5. DPBS(-)(コントロール) (n=4)
UVB 1.0 kJ/m2 (1.0 W/m2)を培養24時間後、48時間後、96時間後に照射した。
1. Melanodermの搬入24時間以内に開封し、定法に従いEPI-100LLMM維持培地で培 養の準備を行なった。
2. 評価薬物をキット付属の無菌DPBS(-)で調製し、皮膚モデルカップ上に100μl ずつ投与した。24時間培養した。
3. 24時間後に培地交換を行い、皮膚モデル上の各サンプルを取り除き、UVBの照 射を行い、終了後新しいサンプルを載せた。
4. 48、96時間後に3と同様にUVB照射と培地・サンプル交換を行い、その後48時間 毎に培地とサンプルを交換しながら37℃5%CO2で計9日間培養した。
培地交換時に培養液を凍結保存し、被験体の細胞毒性評価のため培養液中の LDH測定を行った。LDH測定は、和光純薬工業製LDH−細胞毒性テストワ コーを用いて発色試験を行い、560nmの吸光度をLDH活性とした。
5. 培養終了後、写真撮影を行い、メラニン量測定を行った。ビデオマイクロス コープで組織を撮影し(×5)、輝度解析(ImageJ 1.33 (National Institutes of Health (NIH))を行ない、式1により黒色度を計算し、美白効果を評価した。
次の式で算出した結果を、表1、図1に示す。
式1:[黒色度(%)]=([輝度最高値(Sample)]−[輝度平均値(Sample)])/([輝度最高値(Control)]−[輝度平均値(Control)])×100
輝度最高値は観察領域中でメラニンが存在しない部分の輝度の最高値である。
輝度平均値は観察領域の全画素の輝度の平均値である。
(1) 細胞毒性評価
DPBS(-)処理皮膚モデル培地のLDH活性とその他サンプル処理LDH活性が同程度以下であり、各検体添加による細胞毒性は認められなかった。
AA2G、グリベンクラミド(glybenclamide)添加系において三次元皮膚モデルの黒化の抑制傾向が認められた。特にグリベンクラミド(glybenclamide)添加系は、50μM(25μg/ml、0.0025%)添加系で2%AA2Gと同等の抑制効果が認められ、濃度依存性が認められた(図2)。
1.目的
グリベンクラミドの塗布によるUVB誘導性真皮色素沈着への影響を評価し、MIF分泌抑制機能による真皮色素沈着抑制を実証する。
(1)動物
C57B/6マウス(日本クレア)5週齢、雌を北海道大学医学部付属動物実験施設(室温:22±1℃、湿度:60±5%、照明:12時間)で飼育した。
(2)試薬
グリベンクラミド(glybenclamide) (Aldrich製)
ジグリセリン(阪本薬品工業製):溶媒
(3)サンプル調製
サンプルを 5%ジグリセリン分散物と(b) 1%ジグリセリン分散物用に秤量し、ホモジナイザーで攪拌した。0.1%ジグリセリン分散物は1%ジグリセリン分散物を10倍希釈して調製した。各サンプルを1日使用量ずつ1mlシリンジに分注し-20℃に保存した。室温に戻してから使用した。
サンプル (a)無塗布 :なし
(b)solvent:ジグリセリン
(c)5%処置 :5%グリベンクラミド・ジグリセリン分散物
(d)1%処置 :1%グリベンクラミド・ジグリセリン分散物
(e)0.1%処置:0.1%グリベンクラミド・ジグリセリン分散物
(4)UVB照射
UVBランプはClinical Supply製(Tokyo, Japan)、FL20SE30ランプを使用した。
エーテル麻酔下でマウス背部の毛を剃り、残存サンプルを滅菌水浸漬脱脂綿でぬぐった後、UVBを300mJ/cm2 (1.1 mW/m2)、週に3回、12週間照射した。
各群n=4〜6で試験した。
(5)サンプル塗布
滅菌水浸漬脱脂綿で残存サンプルをぬぐった後、各サンプル100μlを1.5×3cmの面積(約22μl/cm2)に1日1回塗布した。
UVB照射日には、UVB照射後にサンプルを塗布した。
(6)真皮メラニン観察
12週目に採取した皮膚組織のパラフィン包埋切片について、フォンタナマッソン染色とHE染色(札幌病理総合研究所へ依頼)をして真皮中メラニンを観察・測定した。
真皮メラニンの測定は40倍の倍率で行い、背部皮膚は2箇所それぞれ3視野分のメラニン粒数とメラニン面積について画像解析ソフトウェアWinRoofで測定した。結果を図3に示す。
真皮メラニンの6視野の単位真皮面積あたりの個数について、グリベンクラミド投与濃度依存的に真皮色素沈着抑制傾向が認められ、特に5 %投与群においてジグリセリンと比較し有意な減少が認められた(Fig. 3)。
成分 配合量(質量%)
1.グリセリン 9.5
2.1,3−ブチレングリコール 4.5
3.ブドウ糖 1.5
4.エタノール 5
5.カルボキシビニルポリマー 0.02
6.グリチルリチン酸ジカリウム 0.1
7.ヒアルロン酸ナトリウム 0.1
8.グリベンクラミド 1
9.クエン酸 0.05
10.クエン酸ナトリウム 0.1
11.イオン交換水 残余
12.水酸化カリウム 0.01
室温下で、成分11に1〜10の成分を加え攪拌溶解し、成分12を加えて均一に溶解してローションを得た。
成分 配合量(質量%)
1.ステアリルアルコール 6
2.ステアリン酸 2
3.スクワラン 9
4.オクチルドデカノール 10
5.1,3−ブチレングリコール 8
6.ポリエチレングリコール1500 4
7.POE(25)セチルアルコールエーテル 3
8.モノステアリン酸グリセリル 2
9.精製水 残余
10.グリベンクラミド 0.0025
成分1〜4を80℃に加熱溶解し油相とする。成分5〜9を70℃に加熱溶解し水相とする。油相に水相を徐々に加え乳化し、攪拌しながら40℃まで冷却し、成分10を加えた後、さらに30℃まで攪拌冷却してクリームを得た。
成分 配合量(質量%)
1.ポリビニルアルコール 15
2.カルボキシメチルセルロース 5
3.1,3−ブチレングリコール 5
4.エタノール 12
5.グリベンクラミド 5
6.POEオレイルアルコールエーテル 0.5
7.クエン酸 0.02
8.クエン酸ナトリウム 0.04
9.精製水 残余
成分3、6〜8を混合し80℃に加熱する。これに1,2を加えて攪拌し、溶解確認後40℃まで冷却する。次に、成分4,5を加えて攪拌し、さらに30℃まで冷却する。
Claims (4)
- グリベンクラミド(glybenclamide)を有効成分とするメラニン生成抑制剤。
- グリベンクラミド(glybenclamide)を有効成分とする真皮色素沈着抑制剤。
- 請求項1記載のメラニン生成抑制剤又は請求項2記載の真皮色素沈着抑制剤を含む美白剤。
- 請求項3記載の美白剤を含有する美白化粧料。
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